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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】調節可能な血管閉鎖デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20240419BHJP
   A61B 17/03 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
A61B17/12
A61B17/03
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021538413
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 EP2019086846
(87)【国際公開番号】W WO2020141122
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】62/786,789
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521285160
【氏名又は名称】ヴィヴァシュア メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グラント, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】マクゴールドリック, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ブレット, ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】マーティン, クリストファー
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-530140(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0018846(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0174953(US,A1)
【文献】国際公開第2017/102941(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12
A61B 17/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体管腔の組織の中のアパーチャをシールするためのデバイスであって、前記デバイスは、
前記デバイスがシール位置にあるときに前記組織の中の前記アパーチャに隣接する前記組織の内部表面に対して位置付け可能であるシール可能部材と、
基部および柱状部を備える支持部材であって、前記支持部材の前記基部は、前記デバイスが前記シール位置にあるときに前記組織の前記内部表面に対して前記シール可能部材を支持するための支持表面を備え、前記柱状部は、前記シール可能部材および前記アパーチャを通って延在し、係合機構を備える、支持部材と、
前記係合機構を介して前記支持部材に枢動可能に結合される位置決め部であって、前記位置決め部は、前記組織の少なくとも一部が前記位置決め部と前記シール可能部材との間に配置されるように、前記デバイスが前記シール位置にあるときに前記アパーチャに隣接する前記組織の外部表面に対して位置付け可能であり、前記位置決め部は、調節機構を有する細長の本体を備え、前記調節機構は、
長さを有する前記細長の本体の区分であって、前記区分の上部表面は、前記区分の底部表面に対して角度付けられ、これにより、前記区分は、前記係合機構に摺動可能に係合するための傾斜部を生成するために増加する厚さを有し、前記区分の遠位端は、前記区分の近位端よりも薄い、区分、または
前記係合機構と係合させられると撓曲するように構成された弓形部分または角度付けられた部分を備える前記細長の本体の区分
のうちの少なくとも一方を備え、前記調節機構は、前記シール可能部材が前記組織に対して配置されるように力を提供するために前記支持部材に係合することによって、石灰化、プラーク、弁、ある範囲の脈管壁厚、または穿刺部位における切開部に適応する、位置決め部と
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記係合機構は、
前記柱状部の一部であって、前記柱状部の前記一部は、前記支持表面に直交して配置され、前記柱状部の前記一部の中にアパーチャを画定する、前記柱状部の一部と、
前記柱状部のアパーチャ内に配置され、前記位置決め部を前記支持部材に固着するように構成される支持シャフトであって、前記支持シャフトは、前記シール可能部材が前記位置決め部と前記支持部材との間で脈管壁に対して位置付けられるように、前記位置決め部の上部表面と係合する、支持シャフトと
を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記位置決め部は、
遠位部分であって、前記細長の本体に対して角度付けられた少なくとも1つの角度付けられた部分を備える遠位部分と、
前記位置決め部を展開するための送達デバイスと係合するためのガイド機構と
をさらに備える、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記位置決め部は、
遠位部分であって、前記細長の本体に対して角度付けられた少なくとも1つの角度付けられた部分を備える遠位部分と、
前記位置決め部を展開するための送達デバイスと係合するためのガイド機構と
をさらに備え、
前記細長の本体は、前記位置決め部の前記上部表面の一部上に切り欠き部分を備え、前記支持シャフトは、前記支持シャフトが前記位置決め部の前記上部表面と係合すると前記切り欠き部分内に係止され、これにより、前記位置決め部が前記係合機構と係合させられるときに前記位置決め部の移動が防止される、請求項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ガイド機構は、2つの平行なレールを備え、前記2つの平行なレールは、前記細長の本体の上部表面から上向きに延在し、前記レールは、それらの間に、前記送達デバイスに摺動可能に係合するための空間を画定する、請求項3~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記送達デバイス上に位置する押動管をさらに備え、前記押動管の遠位端が前記位置決め部の前記ガイド機構の近位側を押動し、これにより、前記位置決め部が前記支持部材の方へ遠位に押動されると、前記位置決めが展開される、請求項~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記位置決め部の前記細長の本体は、前記細長の本体に平行に走る前記細長の本体の中心に位置する細長の開口部を備え、前記細長の開口部は、前記支持部材の前記係合機構と係合するために構成される、請求項3~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記遠位部分は、前記細長の本体から上向きに延在する第1の角度付けられた部分と、前記第1の角度付けられた部分から延在する第2の角度付けられた部分とを備える、請求項3~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記細長の本体の前記遠位部分は、少なくとも1つの弓形部分を備える、請求項3~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記支持部材の前記基部の前記柱状部は、前記シール可能部材を前記支持部材に固着または位置合わせするための肩部分を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記シール可能部材は、圧着を介して前記支持部材に固着されている、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記シール可能部材は、前記シール可能部材の中心に開口部を含み、前記開口部は、前記支持部材の前記柱状部が前記シール可能部材の前記開口部を通過するように定寸されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記支持部材の前記柱状部は、
前記支持表面に直交して配置される円筒形の基部部分と、
頸部分であって、前記頸部分は、前記基部部分の上部部分から角度を付けて延在し、前記支持部材が解放可能に取り付けられる送達シャフトの長手方向軸に直交する軸に沿ってアパーチャを画定する、頸部分と
を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記支持部材の前記基部は、
1つ以上のリングを備える円形の足場と、
近位端および遠位端を備える細長の中心脊柱部であって、前記中心脊柱部は、前記円形の足場の中心点を通って延在し、前記近位端および前記遠位端の各々は、前記足場の外径を越えて延在する、細長の中心脊柱部と
を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記中心脊柱部の少なくとも一方の端部は、前記デバイスが管の中の前記アパーチャに引き戻されると、管壁に掛止するように構成される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
身体管腔の組織の中のアパーチャをシールするための閉鎖システムであって、前記閉鎖システムは、
送達デバイスと、
閉鎖デバイスと
を備え、
前記閉鎖デバイスは、
前記閉鎖デバイスがシール位置にあるとき、前記組織の中の前記アパーチャに隣接する前記組織の内部表面に対して位置付け可能であるシール可能部材と、
基部および柱状部を備える支持部材であって、前記支持部材の前記基部は、前記閉鎖デバイスが前記シール位置にあるときに前記組織の前記内部表面に対して前記シール可能部材を支持するための支持表面を備え、前記柱状部は、前記シール可能部材および前記アパーチャを通して延在し、係合機構を備える、支持部材と、
前記係合機構を介して前記支持部材に枢動可能に結合される位置決め部であって、前記位置決め部は、前記組織の少なくとも一部が前記位置決め部と前記シール可能部材との間に配置されるように、前記閉鎖デバイスが前記シール位置にあるときに前記アパーチャに隣接する前記組織の外部表面に対して位置付け可能であり、前記位置決め部は、調節機構を有する細長の本体を備え、前記調節機構は、
長さを有する前記細長の本体の区分であって、前記区分の上部表面は、前記区分の底部表面に対して角度付けられ、これにより、前記区分は、前記係合機構に摺動可能に係合するための傾斜部を生成するために増加する厚さを有し、前記区分の遠位端は、前記区分の近位端よりも薄い、区分、または
前記係合機構と係合させられると撓曲するように構成された弓形部分または角度付けられた部分を備える前記細長の本体の区分
のうちの少なくとも一方を備え、前記調節機構は、前記シール可能部材が前記組織に対して配置されるように力を提供するために前記支持部材に係合することによって、石灰化、プラーク、弁、ある範囲の脈管壁厚、または穿刺部位における切開部に適応する、位置決め部と
を備え、
前記送達デバイスは、前記組織の中の前記アパーチャへの送達のために前記閉鎖デバイスを解放可能に取り付けるための取付機構を有し、前記送達デバイスは、前記身体管腔内で前記閉鎖デバイスを展開するように構成される、システム。
【請求項17】
身体管腔の組織の中のアパーチャをシールするための閉鎖デバイスを固着するシステムであって、前記システムは、
前記閉鎖デバイスと、
前記閉鎖デバイスの少なくとも一部を前記身体管腔内に位置付けるように構成される送達デバイスと
を備え、
前記閉鎖デバイスは、
前記組織の中の前記アパーチャに隣接する前記組織の内部表面に対して展開されるように構成されるシール可能部材と、
展開されるように構成される支持部材であって、前記支持部材は、基部および柱状部を備え、前記支持部材の前記基部は、前記閉鎖デバイスがール位置にあるときに前記組織の前記内部表面に対して前記シール可能部材を支持するための支持表面を備え、前記柱状部は、前記シール可能部材および前記アパーチャを通して延在し、係合機構を備える、支持部材と、
前記支持部材に枢動可能に結合される位置決め部であって、前記位置決め部は、前記係合機構を介して第1の位置から第2の位置に作動させられ、前記身体管腔の壁に係合し、前記閉鎖デバイスを定位置に固着するように構成される、位置決め部と
を備える、システム。
【請求項18】
前記位置決め部は、前記位置決め部上の調節機構が前記柱状部の少なくとも一部に係合するように、前記支持部材の前記柱状部に対して位置付けられるように構成され、前記調節機構は、
長さを有する前記位置決め部の区分であって、前記区分の上部表面は、前記区分の底部表面に対して角度付けられ、これにより、前記区分は、前記係合機構に摺動可能に係合するための傾斜部を生成するために増加する厚さを有し、前記区分の遠位端は、前記区分の近位端よりも薄い、区分、または
前記係合機構と係合させられると撓曲するように構成された弓形部分または角度付けられた部分を備える前記位置決め部の区分
のうちの少なくとも一方を備え、前記調節機構は、前記シール可能部材が前記組織に対して配置されるように力を提供するために前記柱状部の前記少なくとも一部に係合することによって、石灰化、プラーク、弁、ある範囲の脈管壁厚、または穿刺部位における切開部に適応する、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本願は、概して、外科手技における使用のための閉鎖システム、デバイス、および関連する方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年12月31日に出願された米国仮出願第62/786,789号の優先権および利益を主張し、その全内容が、参照することによって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
身体管腔(例えば、血管)における外科手術または内視鏡手術の間、アパーチャが、管腔の組織の中に(例えば、動脈切開から)形成される。手技に続いて、管腔が治癒するためには、アパーチャが閉鎖される必要がある。1つの比較的新しいタイプの閉鎖装置は、可撓性ディスクを有し、可撓性ディスクは、身体管腔の中に送達され、開口をシールする。ディスクは、管腔が治癒するまで組織を並置状態に維持し、創傷が管腔の内側から治癒することを可能にする。ディスクは、ディスクがシール位置から移動することを防止する堅性のコアと連動して動作し得る。
【0004】
ある患者群では、身体管腔内の組織を囲繞する領域が、罹患し、および/または蓄積物(例えば、組織壁上のプラークまたは石灰化病変)を有する。そのような領域の不規則的な表面構造特徴に起因して、ある閉鎖装置によって作製されるシールの有効性は、チャネルがディスクと組織表面との間に形成されるにつれて、低減させられる。
【0005】
身体管腔の組織の中に形成されるアパーチャを閉鎖するときに閉鎖装置によって形成されるシールを向上させることの利点が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して、本開示は、身体管腔の中のアパーチャの閉鎖中にシール可能部材と身体管腔の組織表面との間に形成されるシールを向上させるように連動して動作する可撓性のシール可能部材と可撓性の支持部材とを有する埋込閉鎖デバイスに関する。支持部材は、シール可能部材の周辺部分を身体管腔の内部組織に対して押動し、可撓性のシール可能部材の周辺領域により高い堅性を提供する。構造は、位置決め部および身体管腔の中に存在する水圧(例えば、血管中の血液の血流力学的圧力)と組み合わせて、アパーチャにわたってデバイスによって形成されるタンポナーデを向上させる。構造は、身体管腔の中での閉鎖デバイスの展開中にアパーチャを通して嵌合するように屈曲するために十分に可撓性である。
【0007】
開示される技術は、シール位置からの閉鎖デバイスの意図しない取り外しを防止し、例えば、デバイスの展開中、またはデバイスの埋込後の管腔内からの埋込デバイスの意図しない引き抜きのリスクを低減させる。外科医は、より強い力を組織上に及ぼし、外科医に、埋込部の位置付けのより良好な触覚フィードバックを与え得る。本明細書において実証されるように、提供される技術は、血管を閉鎖することにおける先例のない急性シール時間、およびそのような脈管からの先例のない流体の損失を達成する。ある実施形態では、増加させられた堅性は、より強い力が、形成されたアパーチャを囲繞する組織の特定の領域に向けられることを可能にするような指向性である。
【0008】
提供される技術の顕著な特徴は、それらが、位置決めデバイスの可調性に起因して、組織表面の構造特徴または壁厚にかかわらず、身体管腔の中のアパーチャの信頼性の高い一貫した閉鎖を提供することにおいて、新しいタイプの介入的な外科的内視鏡手技を可能にすることである。
【0009】
1つの側面では、本発明は、身体管腔の組織の中のアパーチャをシールするためのデバイスに関する。デバイスは、デバイスがシール位置にあるとき、組織の中のアパーチャに隣接する組織の内部表面に対して位置付け可能であるシール可能部材と、基部および柱状部を有する支持部材であって、支持部材の基部は、デバイスがシール位置にあるとき、組織の内部表面に対してシール可能部材を支持するための支持表面を有し、柱状部は、シール部材およびアパーチャを通して延在し、係合機構を有する、支持部材と、係合機構を介して支持部材に枢動可能に結合される位置決め部とを含む。位置決め部は、デバイスがシール位置にあるとき、アパーチャに隣接する組織の外部表面に対して位置付け可能であり、それによって、組織の少なくとも一部が、位置決め部とシール可能部材との間に配置される。位置決め部は、表面の不規則性および異なる厚さの壁を有する身体管腔等の多様な組織構造特徴に適応するための調節機構を含む。
【0010】
別の側面では、本発明は、身体管腔の組織の中のアパーチャをシールするための閉鎖システムに関する。システムは、送達デバイスと、閉鎖デバイスとを含む。閉鎖デバイスは、デバイスがシール位置にあるとき、組織の中のアパーチャに隣接する組織の内部表面に対して位置付け可能であるシール可能部材と、基部および柱状部を有する支持部材であって、支持部材の基部は、デバイスがシール位置にあるとき、組織の内部表面に対してシール可能部材を支持するための支持表面を有し、柱状部は、シール部材およびアパーチャを通して延在し、係合機構を有する、支持部材と、係合機構を介して支持部材に枢動可能に結合される位置決め部とを含む。位置決め部は、デバイスがシール位置にあるとき、アパーチャに隣接する組織の外部表面に対して位置付け可能であり、それによって、組織の少なくとも一部が、位置決め部とシール可能部材との間に配置される。位置決め部は、本明細書に開示されるように、多様な組織構造特徴に適応するための調節機構を含む。送達デバイスは、閉鎖デバイスを組織の中のアパーチャに送達するための送達デバイスに閉鎖デバイスを解放可能に取り付けるための取付機構を含む。送達デバイスはまた、管腔内で閉鎖デバイスを展開するように構成され、これは、管腔内でシール部材を拡張させ、位置付けることと、位置決め部を作動させることとを含む。
【0011】
別の側面では、本発明は、身体管腔の組織の中のアパーチャをシールするためのデバイスを固着する方法に関する。方法は、送達デバイスを介してデバイスの少なくとも一部を身体管腔内に位置付けるステップと、組織の中のアパーチャに隣接する組織の内部表面に対してシール可能部材を展開するステップと、基部および柱状部を有する支持部材を展開するステップであって、支持部材の基部は、デバイスがシール位置にあるとき、組織の内部表面に対してシール可能部材を支持するための支持表面を有し、柱状部は、シール部材およびアパーチャを通して延在し、係合機構を備える、ステップと、係合機構を介して支持部材に枢動可能に結合される位置決め部を第1の位置から第2の位置に作動させ、身体管腔の壁に係合し、デバイスを定位置に固着するステップとを含む。いくつかの実施形態では、種々のステップが、同時に実行され得る(例えば、シール可能部材および支持部材の展開)一方、他の状況では(例えば、デバイスが、流動する液体がない脈管内で展開される)、展開するステップは、分離した別個のステップである。種々の実施形態では、方法は、本明細書に開示されるように、位置決め部上の調節機構が柱状部の少なくとも一部に係合し、不規則的な構造特徴を有する管腔壁に適応するように、位置決め部を支持部材の柱状部に対して位置付けるステップを含む。種々の実施形態では、調節機構は、その間に締り嵌めを形成するように、柱状部の一部に係合する。
【0012】
前述の側面の種々の実施形態では、アパーチャは、消化管、心臓、腹腔、食道、膣、直腸、気管、気管支、または、血管(例えば、大腿静脈、大静脈、頸静脈、大腿動脈、鎖骨下動脈、上行大動脈、ならびに、補助動脈および上腕動脈等)等の体腔の中の外科的穿孔である。デバイスは、カニューレまたは同様のデバイス上に摺動可能に配置されるいくつかの管状体を含むもの等の、展開ツールまたはデバイスを介して管腔内に位置付けられ、展開され得る。ある場合、デバイスは、ガイドワイヤにわたって展開されるように構成される。
【0013】
前述の側面の付加的な実施形態では、係合機構は、支持表面の上部から横方向に延在し、その中にアパーチャを画定する柱状部の一部と、柱状部のアパーチャ内に配置され、位置決め部を支持部材に固着するように構成される支持シャフトとを含み、支持シャフトは、位置決め部の表面と係合し、組織にシール力を提供する。付加的な係合機構は、位置決め部が支持機構に対して枢動または回転することを可能にする限り、本発明の範囲内にあると想定され、見なされる。概して、位置決め部はまた、シール位置の中に枢動させられているときに、柱状部に対して摺動する。
【0014】
種々の実施形態では、位置決め部は、細長の略平面状の本体と、(例えば、角度付けられた、または弓形の)非平面状の遠位部分と、位置決め部を展開するために送達デバイスと係合するためのガイド機構とを有する。調節機構は、位置決め部の細長の本体に沿って配置される。いくつかの実施形態では、細長の本体は、係合機構と係合するために構成される略中心に位置する細長の開口部を画定し、ある場合には、調節機構の一部を形成し得る。
【0015】
概して、調節機構は、細長の本体の一部として形成され、係合機構に摺動可能に係合するための傾斜部を生成するために多様な厚さの長さを有する細長の本体の区分、または、係合機構と係合させられると撓曲するように構成される非平面状の部分を含む細長の本体の区分のうちの少なくとも一方を含む。非平面状の部分は、多様な半径の弓形部分、角度付けられた部分の組み合わせ、または両方を含み得る。加えて、または代替として、細長の本体は、その上部表面上に係合機構と係合されるときに位置決め部を定位置に係止するための切り欠き部分を含む。種々の実施形態では、ガイド機構は、細長の本体の外側に配置され、細長の本体の上部表面から上向きに延在する2つのレールを含む。レールは、その間に、送達デバイスに摺動可能に係合するための空間を画定する。いくつかの実施形態では、ガイド機構は、スリーブまたは同様の構造を含み得る。位置決め部は、ガイド機構に対して押動する送達デバイス上に位置する押動管を介して展開され得る。
【0016】
種々の実施形態では、細長の本体の非平面状の遠位部分は、角度付けられた部分と弓形部分との任意の組み合わせを含み得る。例えば、一実施形態では、非平面状の遠位部分は、少なくとも1つの角度付けられた部分を含む。別の実施形態では、非平面状の遠位部分は、下記により詳細に説明されるように、細長の本体から上向きに延在する第1の角度付けられた部分と、第1の角度付けられた部分から延在する第2の角度付けられた部分とを含む。概して、非平面状の遠位端は、位置決め部がアパーチャに係合することを防止する一方、第2の角度付けられた部分は、位置決め部を組織に対して枢動可能に展開することを補助する。他の実施形態では、非平面状の遠位端は、少なくとも1つの湾曲部分または弓形部分を含む。
【0017】
支持部材に戻って参照すると、種々の実施形態では、支持部材の基部の柱状部は、圧着を介してシール可能部材を支持部材に固着するための肩部分を含む。いくつかの実施形態では、シール部材は、少なくともデバイスが実質的に再吸収するまで、支持部材に固着される。いくつかの実施形態では、シール部材は、少なくとも、シール部材を管腔内で位置合わせして位置付けるために十分に固着される。加えて、シール可能部材および支持部材は、集合的に、単一の統合構造を形成する。シール可能部材および支持部材は、固定されない態様でともに噛合される分離した別個の構成要素である。
【0018】
例えば、シール部材および支持部材は、単一部品として、または2つの構成要素をともに恒久的に結合させることによって形成され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、支持部材の柱状部は、支持表面に対して横方向に配置される略円筒形の基部部分と、基部部分の上部部分から角度を付けて延在し、送達シャフトの長手方向軸に対応する軸に沿ってアパーチャを画定する頸部分とを含む。送達デバイスは、例えば、送達デバイスおよび頸部分の中のアパーチャを通過する縫合糸または編組ワイヤを介して閉鎖デバイスに解放可能に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、頸部分は、柱状部に対して約10~70度の角度を形成し、固定位置において送達デバイスと係合するための平坦な側面を有し得る。加えて、柱状部はまた、シール可能部材をそれに位置合わせすることまたは固着させることのうちの少なくとも一方のために構成される肩部を含み得る。
【0020】
種々の実施形態では、支持部材の基部は、1つ以上のリングから構成される略円形の足場と、近位端および遠位端を備える細長の中心脊柱部とを含む。脊柱部は、円形の足場の中心点を通って延在し、近位端および遠位端の各々が、足場の外径を越えて延在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のリングが、同心円状に配向される。中心脊柱部は、実質的に堅性であり、その少なくとも一方の端部は、組織の中のアパーチャと係合するように構成され得る。種々の実施形態では、支持部材および/またはシール可能部材は、以下の材料、すなわち、ポリジオキサノン、ポリ-L-ラクチド、ポリ-D-ラクチド、ポリ-DL-ラクチド、ポリグリコライド、ε-カプロラクトン、ポリエチレングリコール、またはそれらのコポリマーのうちの1つ以上から作製され得る。いくつかの実施形態では、ポリマー材料を形成するモノマーは、生体吸収性である。
【0021】
開示されるシステムおよび方法の利点および特徴に加えて、これらおよび他の物体が、以下の説明ならびに付随の図面の参照を通して、明白となるであろう。さらに、説明される種々の実施形態の特徴が、相互排他的ではなく、種々の組み合わせおよび並び替えで存在し得ることを理解されたい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
身体管腔の組織の中のアパーチャをシールするためのデバイスであって、
前記デバイスがシール位置にあるときに前記組織の中の前記アパーチャに隣接する前記組織の内部表面に対して位置付け可能であるシール可能部材と、
基部および柱状部を備える支持部材であって、前記支持部材の前記基部は、前記デバイスが前記シール位置にあるときに前記組織の前記内部表面に対して前記シール可能部材を支持するための支持表面を備え、前記柱状部は、前記シール部材および前記アパーチャを通って延在し、係合機構を備える、支持部材と、
前記係合機構を介して前記支持部材に枢動可能に結合される位置決め部であって、前記位置決め部は、前記組織の少なくとも一部が前記位置決め部と前記シール可能部材との間に配置されるように、前記デバイスが前記シール位置にあるときに前記アパーチャに隣接する前記組織の外部表面に対して位置付け可能であり、前記位置決め部は、多様な組織構造特徴に適応するための調節機構を備える、位置決め部と
を備える、デバイス。
(項目2)
前記係合機構は、
前記柱状部の一部であって、前記柱状部の前記一部は、前記支持表面に対して横方向に配置され、前記柱状部の前記一部の中にアパーチャを画定する、前記柱状部の一部と、
前記柱状部のアパーチャ内に配置され、前記位置決め部を前記支持部材に固着するように構成される支持シャフトであって、前記支持シャフトは、前記位置決め部の表面と係合し、前記組織にシール力を提供する、支持シャフトと
を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記位置決め部は、
細長で略平面状の本体と、
非平面状の遠位部分と、
前記位置決め部を展開するための送達デバイスと係合するためのガイド機構と、
前記細長の本体に沿って配置される前記調節機構と
を備える、項目1または2に記載のデバイス。
(項目4)
前記調節機構は、
前記係合機構に摺動可能に係合するための傾斜部を生成するために多様な厚さの長さを備える前記細長の本体の区分、または
前記係合機構と係合させられると撓曲するように構成される非平面状の部分を備える前記細長の本体の区分
のうちの少なくとも一方を備える、項目1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目5)
前記細長の本体は、その上部表面上に切り欠き部分を備え、前記切り欠き部分は、前記係合機構と係合させられるときに前記位置決め部を定位置に係止するためのものである、項目3または4に記載のデバイス。
(項目6)
前記ガイド機構は、2つのレールを備え、前記2つのレールは、前記細長の本体の外部側面に配置され、前記細長の本体の上部表面から上向きに延在し、前記レールは、それらの間に、前記送達デバイスに摺動可能に係合するための空間を画定する、項目3~5のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目7)
前記位置決め部は、前記ガイド機構に対して押動する前記送達デバイス上に位置する押動管を介して展開される、項目1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目8)
前記細長の本体は、略中心に位置する細長の開口部を画定し、前記細長の開口部は、前記係合機構と係合するために構成される、項目3~7のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目9)
前記細長の本体の前記非平面状の遠位部分は、少なくとも1つの角度付けられた部分を備える、項目3~8のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目10)
前記非平面状の遠位部分は、前記細長の本体から上向きに延在する第1の角度付けられた部分と、前記第1の角度付けられた部分から延在する第2の角度付けられた部分とを備える、項目3~9のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目11)
前記細長の本体の前記非平面状の遠位部分は、少なくとも1つの弓形部分を備える、項目3~10のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目12)
前記支持部材の前記基部の前記柱状部は、圧着を介して前記シール可能部材を前記支持部材に固着するための肩部分を備える、項目1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目13)
前記シール可能部材および前記支持部材は、集合的に、非固定噛合を介して単一の一体化構造を形成している、項目1~12に記載のデバイス。
(項目14)
前記デバイスは、ガイドワイヤにわたって展開されるように構成される、項目1~13のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目15)
前記支持部材の前記柱状部は、
前記支持表面に対して横方向に配置される略円筒形の基部部分と、
頸部分であって、前記頸部分は、前記基部部分の上部部分から角度を付けて延在し、前記支持部材が解放可能に取り付けられる送達シャフトの長手方向軸に対応する軸に沿ってアパーチャを画定する、頸部分と
を備える、項目1~14のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目16)
前記柱状部はさらに、前記シール可能部材を位置合わせすることまたは固着することのうちの少なくとも一方のために構成される肩部を備える、項目1~15のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目17)
前記支持部材の前記基部は、
1つ以上のリングを備える略円形の足場と、
近位端および遠位端を備える細長の中心脊柱部であって、前記脊柱部は、前記円形の足場の中心点を通って延在し、前記近位端および前記遠位端の各々は、前記足場の外径を越えて延在する、細長の中心脊柱部と
を備える、項目1~16のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目18)
前記中心脊柱部は、実質的に堅性であり、前記中心脊柱部の少なくとも一方の端部は、前記組織の中の前記アパーチャと係合するように構成される、項目17に記載のデバイス。
(項目19)
身体管腔の組織の中のアパーチャをシールするための閉鎖システムであって、
送達デバイスと、
閉鎖デバイスと
を備え、前記閉鎖デバイスは、
前記デバイスがシール位置にあるとき、前記組織の中の前記アパーチャに隣接する前記組織の内部表面に対して位置付け可能であるシール可能部材と、
基部および柱状部を備える支持部材であって、前記支持部材の前記基部は、前記デバイスが前記シール位置にあるときに前記組織の前記内部表面に対して前記シール可能部材を支持するための支持表面を備え、前記柱状部は、前記シール部材および前記アパーチャを通して延在し、係合機構を備える、支持部材と、
前記係合機構を介して前記支持部材に枢動可能に結合される位置決め部であって、前記位置決め部は、前記組織の少なくとも一部が位置決め部と前記シール可能部材との間に配置されるように、前記デバイスが前記シール位置にあるときに前記アパーチャに隣接する前記組織の外部表面に対して位置付け可能であり、前記位置決め部は、多様な組織構造特徴に適応するための調節機構を備える、位置決め部と
を備え、前記送達デバイスは、前記組織の中の前記アパーチャへの送達のために前記閉鎖デバイスを解放可能に取り付けるための取付機構を有し、前記送達デバイスは、前記管腔内で前記閉鎖デバイスを展開するように構成される、システム。
(項目20)
身体管腔の組織の中のアパーチャをシールするためのデバイスを固着する方法であって、
送達デバイスを介して前記デバイスの少なくとも一部を前記身体管腔内に位置付けるステップと、
前記組織の中の前記アパーチャに隣接する前記組織の内部表面に対してシール可能部材を展開するステップと、
基部および柱状部を備える支持部材を展開するステップであって、前記支持部材の前記基部は、前記デバイスが前記シール位置にあるときに前記組織の前記内部表面に対して前記シール可能部材を支持するための支持表面を備え、前記柱状部は、前記シール部材および前記アパーチャを通して延在し、係合機構を備える、ステップと、
前記係合機構を介して前記支持部材に枢動可能に結合される位置決め部を第1の位置から第2の位置に作動させ、前記身体管腔の壁に係合し、前記デバイスを定位置に固着するステップと
を含む、方法。
(項目21)
前記位置決め部上の調節機構が前記柱状部の少なくとも一部に係合して不規則的な構造特徴を有する管腔壁に適応するように、前記位置決め部を前記支持部材の柱状部に対して位置付けるステップをさらに含む、項目20に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図面では、同様の参照記号は、概して、異なる図全体を通して同一の部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、概して、開示されるシステムおよび方法の原理を図示することに重点が置かれており、限定するものと意図されない。明確性の目的のために、全ての構成要素が、全ての図において番号付けされ得るわけではない。以下の説明では、種々の実施形態が、以下の図面を参照して説明される。
【0023】
図1A図1Aは、本発明の1つ以上の実施形態による完全に組み立てられたデバイスであって、身体管腔の組織の中のアパーチャをシールするためのデバイスの斜視図である。
【0024】
図1B図1Bは、本発明の1つ以上の実施形態による図1Aのデバイスの種々の構成要素を描写する図1Aのデバイスの分解図である。
【0025】
図2A図2A図2Cは、本発明の1つ以上の実施形態による組立の種々の段階における図1Aのデバイスの斜視図である。
図2B図2A図2Cは、本発明の1つ以上の実施形態による組立の種々の段階における図1Aのデバイスの斜視図である。
図2C図2A図2Cは、本発明の1つ以上の実施形態による組立の種々の段階における図1Aのデバイスの斜視図である。
【0026】
図3図3は、本発明の1つ以上の実施形態による図1Aのデバイスとの併用のための支持部材の斜視図である。
【0027】
図4図4は、本発明の1つ以上の実施形態による図3の支持部材の側面図である。
【0028】
図5図5は、本発明の1つ以上の実施形態による送達デバイスの一部を含む完全に組み立てられたデバイスであって、身体管腔の組織の中のアパーチャをシールするためのデバイスの斜視図である。
【0029】
図6図6は、本発明の1つ以上の実施形態による展開の1つの段階において描写される図5のデバイスの斜視図である。
【0030】
図7図7は、本発明の1つ以上の実施形態による図6のデバイスの側面図である。
【0031】
図8図8は、本発明の1つ以上の実施形態による展開の後期段階において描写される図6のデバイスの側面図である。
【0032】
図9図9は、本発明の1つ以上の実施形態によるデバイスとの併用のための位置決め部の断面図である。
【0033】
図10図10は、本発明の1つ以上の実施形態によるデバイスとの併用のための代替の位置決め部の斜視図である。
【0034】
図11図11は、本発明の1つ以上の実施形態によるデバイスとの併用のための別の代替の位置決め部の斜視図である。
【0035】
図12図12は、本発明の1つ以上の実施形態によるデバイスとの併用のための別の代替の位置決め部の側面図である。
【0036】
図13図13は、本発明の1つ以上の実施形態によるデバイスとの併用のための別の代替の位置決め部の斜視図である。
【0037】
図14図14は、本発明の1つ以上の実施形態による支持部材と係合する図13の代替の位置決め部の側面図である。
【0038】
図15図15は、本発明の1つ以上の実施形態による支持部材と係合する図13の位置決め部の代替の実施形態の側面図である。
【0039】
図16図16は、本発明の1つ以上の実施形態によるデバイスとの併用のための別の代替の位置決め部の斜視図である。
【0040】
図17図17は、本発明の1つ以上の実施形態による支持部材と係合する図16の代替の位置決め部の側面図である。
【0041】
図18A図18Aおよび図18Bは、本発明の1つ以上の実施形態による展開の種々の段階におけるデバイスおよび送達ツールの斜視図である。
図18B図18Aおよび図18Bは、本発明の1つ以上の実施形態による展開の種々の段階におけるデバイスおよび送達ツールの斜視図である。
【0042】
図19A図19Aおよび図19Bは、本発明の1つ以上の実施形態による展開後の図18Aおよび図18Bのデバイスの斜視図および側面図である。
図19B図19Aおよび図19Bは、本発明の1つ以上の実施形態による展開後の図18Aおよび図18Bのデバイスの斜視図および側面図である。
【0043】
図20A図20Aおよび図20Bは、本発明の1つ以上の実施形態による展開の後期状態における図19Aおよび図19Bのデバイスの斜視図および側面図である。
図20B図20Aおよび図20Bは、本発明の1つ以上の実施形態による展開の後期状態における図19Aおよび図19Bのデバイスの斜視図および側面図である。
【0044】
図21A図21A図21Cは、本発明の1つ以上の実施形態によるシール部材の平面図である。
図21B図21A図21Cは、本発明の1つ以上の実施形態によるシール部材の平面図である。
図21C図21A図21Cは、本発明の1つ以上の実施形態によるシール部材の平面図である。
【0045】
図22図22図24は、本発明の1つ以上の実施形態による展開の種々の段階におけるデバイスおよび送達ツールの斜視図である。
図23図22図24は、本発明の1つ以上の実施形態による展開の種々の段階におけるデバイスおよび送達ツールの斜視図である。
図24図22図24は、本発明の1つ以上の実施形態による展開の種々の段階におけるデバイスおよび送達ツールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本明細書に説明されるように、例証的実施形態は、外科用閉鎖システム、デバイス、および方法を提供し、外科用閉鎖システム、デバイス、および方法は、(i)身体管腔の中の穿孔を囲繞する組織の位置合わせをもたらし、それによって、身体管腔の中のアパーチャを閉鎖することと、(ii)組織の位置合わせをもたらすときに、アパーチャにタンポナーデを形成することと、(iii)穿孔がシールされるまで、穿孔を囲繞する組織を位置合わせされた状態に維持することとのために有用である。デバイス、システム、および方法は、いくつかの実施形態では、胃腸管、心臓、腹腔、食道、膣、直腸、気管、気管支、または血管(例えば、限定ではないが、大腿静脈、頸静脈、大静脈、大腿動脈、鎖骨下動脈、上行大動脈、ならびに、補助動脈および上腕動脈を含む)等の体腔の中の外科的穿孔を閉鎖するために使用される。
【0047】
図1Aおよび図1Bは、中空脈管の中の穿刺部を閉鎖するための血管閉鎖埋込部(デバイス10)を描写する。デバイス10は、4つの構成要素、すなわち、可撓性のシール可能部材12(例えば、パッチ)と、支持部材14(例えば、堅性の足場)と、血管外支持部材(位置決め部16)と、血管外支持部材のための係止部材18(例えば、支持シャフト)とを含む。デバイス10は、図1Aに組み立てられた状態で示される一方、図1Bは、各構成要素を図示するために、分解図でデバイス10を描写する。
【0048】
図2A図2Cは、基本的閉鎖デバイス10を組み立てる1つの態様を描写するが、しかしながら、組立の他の態様およびステップの異なる順序が、必要に応じて特定の用途(例えば、管腔のタイプ、管腔のサイズ、および管腔の場所)に適するように、本発明の範囲内で想定され、考慮される。例えば、一実施形態では、デバイス10は、最初にシール可能部材12を支持部材14上に装填することによって組み立てられる(図2A)。位置決め部16は、次いで、シール可能部材12の上方に設置される(図2B)。支持シャフト18は、支持部材14の柱状部24の中の孔を通して位置決め部16の上方に設置され(図2C)、支持シャフトの各端部は、柱状部24を越えて延在し、位置決め部16を支持部材14に固着する。
【0049】
シール可能部材12(いくつかの実施形態では、この構成要素は、可撓性のウィングである)は、アパーチャ(例えば、図6の144)にタンポナーデを形成するように、アパーチャに隣接する脈管壁(例えば、図6の146)の内部表面に対して位置付け可能である。シール可能部材12は、典型的に、アパーチャの直径より大きい。示されるシール可能部材12は、略円形の形状を有するが、しかしながら、他の幾何学形状(例えば、楕円形または多角形)も、特定の用途に適するように、必要に応じて想定される。シール可能部材12は、弛緩させられた状態にあるとき、平坦であるかまたはわずかに湾曲しているが、展開された状態では、係合する管腔の内部表面に適合するように可撓的に湾曲する。概して、シール可能部材12は、開口部を有し、開口部は、柱状部24にわたって部材12を通すように定寸された部材12の中心またはその近傍に位置する。いくつかの実施形態では、シール可能部材12は、柱状部24と同心の軸を中心として支持部材14の基部19に対して自由に回転する。シール部材の追加の詳細は、本出願人の米国特許第9,572,558号、米国特許出願公開第2016/0174953号および第2017/0181736号、ならびにPCT国際公開第WO2011/080588号に開示され、それらの開示全体が、参照することによって本明細書に援用される。援用される参考文献に説明されるようなシール可能部材の実施例が、図21A-21Cに示される。
【0050】
図3および図4は、支持部材14をより詳細に描写する。図3に示されるように、支持部材14は、基部部分19と、基部24から上向きに延在し基部に対して略直交する柱状部分24とを含む。示される実施形態では、柱状部は、略円筒形の基部部分25と、基部部分25の上部部分から角度をつけて延在する頸部分26とを含む。頸部26は、送達シャフトの長手方向軸に対応する軸に沿ってアパーチャを画定し、支持部材が、送達シャフトに解放可能に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、頸部26は、柱状部に対して約10~70度の角度で配置される。頸部26はまた、定位置で送達デバイスと係合する(例えば、一緒に留められる)ための平坦な側面27を有する区分も含み得る。いくつかの実施形態では、柱状部はさらに、例えば、圧着を介してシール可能部材を位置合わせすることまたは固着することのうちの少なくとも一方のために使用され得る肩部28を含む。いくつかの実施形態では、肩部の少なくとも一部は、シール可能部材上の応力および歪曲を最小限にするためにねじ切りされている。図に示されるように、柱状部は、2つのアパーチャ、すなわち、支持シャフト18を受容するための1つアパーチャと、縫合糸または編組ワイヤ(例えば、図5の134)を受容するための頸部26内の第2のアパーチャとを含み、縫合糸または編組ワイヤは、デバイス10がデバイス送達部(例えば、図6の136)に接続されることを可能にするためにループ化される。
【0051】
支持部材14の基部19は、1つ以上のリング22から構成される略円形の足場と、近位端21Aおよび遠位端21Bを有する細長の中心脊柱部20とを含む。図3に示される円形の足場は、シール可能部材12を脈管管腔表面に接触した状態に位置付けおよび維持することに役立つような2つの略同心円状に配置されるリング22を含む。しかしながら、他の数のリングが、特定の用途(例えば、特大のアパーチャ)に適するように含まれ得、リングは、特定の用途に適するように他の形状および向き(例えば、偏心的な)を有し得る。
【0052】
脊柱部20は、円形の足場の中心点を通って延在し、近位端および遠位端21の各々は、足場の外径23を越えて延在する。典型的に、脊柱部20は、実質的に堅性な本体を有するか、または脊柱部20の少なくとも一部(例えば、シール可能部材12と重複する中心領域)が、堅性である。脊柱部20の少なくとも一方の端部21は、デバイスが脈管の中のアパーチャ44に引き戻されている間、脈管壁46に「掛止」し、または別様に係合するように構成される。例えば、脊柱部の一端21は、アパーチャの遠位縁と係合する略平面状の延在部分を含み、ユーザに触感を提供し得る。いくつかの実施形態では、脊柱部の端部21は、付加的な堅性を提供するように補強され得る(例えば、脊柱部のわずかな厚み付け)。他の実施形態では、特定の用途に適するように、脊柱部の端部21は、テクスチャ加工された表面、広げられた端部、または他の構造を含み得る。
【0053】
概して、支持部材14は、閉鎖デバイス10がシール位置にあるとき、シール可能部材12を組織の内部表面に対して保定および/または保持することによって、身体管腔の中でのシール可能部材12の送達および展開中、シール可能部材12を支持する。シール可能部材12および支持部材14は、図全体を通して弛緩状態で描写されるが、しかしながら、部材12、14は、圧縮され、巻かれ、折り畳まれ、または別様にサイズが縮小されて、デバイスが管状のデバイスを介して管腔に送達されることを可能にし得る。(種々の構成要素に関する例示的寸法と併せた)支持部材14の付加的な実施形態、ならびにデバイスを送達および展開するための方法が、本明細書において前述された援用される参考文献において説明される。
【0054】
図5図8は、本発明の1つ以上の実施形態によるデバイス100を種々の展開の状態で描写する。図5では、デバイス100は、完全に組み立てられ、送達デバイス136の正面に装填された状態で示され、送達デバイス136の管状本体は、位置決め部116のガイド機構154内にあり、デバイス100は、縫合糸または編組ワイヤ136を介して送達デバイス136に固着される。
【0055】
図6および図7は、閉鎖されるべきアパーチャ144に隣接する脈管内に位置付けられたデバイス100を描写する。見られ得るように、正面縁(例えば、位置決め部の非平面状の遠位端152)が、アパーチャ144の真上の外側に位置付けられる。下記に議論されるように、この構成は、位置決め部116が展開に先立って脈管壁146に係合することなく、シール可能部材112および支持部材114が脈管内に挿入されることを可能にする。また、位置決め部116を第1の位置から第2の位置へ作動させるための、送達デバイス136上に配置される押動管142も示される。この段階では、組み立てられたデバイス110は、シール可能部材112を脈管壁と接触する状態に仕向けるように引き戻されている。
【0056】
図8は、位置決め部116が脈管の外側で第2の位置に作動させられた後のデバイス100を描写する。見られ得るように、押動管142が、前方に前進させられて位置決め部116に係合しており、それによって、位置決め部116を、脈管壁146が位置決め部116とシール可能部材112との間に固着される平坦または略平面状の向きに、支持シャフト118の周囲で枢動させている。位置決め部116、および拡張して、デバイス100全体が、図9図17に関して下記に説明される調節機構のいずれかを用いて、定位置に固着され得る。
【0057】
図9図17は、本発明の1つ以上の実施形態によるデバイス10、100との併用のための位置決め部の種々の実施形態を描写する。概して、位置決め部16、116の設計意図は、それがデバイス10、100を穿刺部位に位置付けることに応じて展開されることである。基本的な位置決め部が、図9に示されており、略平面状である細長の本体50と、位置決め部16の正面に配置される非平面状の遠位端52と、位置決め部の上部表面60から上向きに延在し送達ツールに移動可能に(例えば、摺動可能に)係合するガイド機構54とを含む。概して、位置決め部の正面は、角度付けられた面を有し、角度付けられた面は、シール可能部材が脈管壁と接触すると、脈管穿刺部位から外に突出する。上記で議論されるように、この非平面状の部分は、特定の用途に適するように、必要に応じて、角度付けられた形状、および/または弓形の形状の任意の組み合わせを含み得る。この非平面状の面の目的は、位置決め部16が、展開中に脈管壁を通り過ぎ、壁の内側において展開されないことを確実にすることである。位置決め部16は、いくらかの可撓性を有するように設計され、そのため、位置決め部16は、撓曲および屈曲して、位置決め部16が、展開中に変形しまたは脈管組織に損傷を引き起こすことなく、脈管壁を通り過ぎることを可能にし得る。
【0058】
位置決め部の遠位端152の少なくとも一部(例えば、図9のA)は、細長の本体50の主要部分(例えば、図9のB)より狭い断面を有する。このより狭い領域は、位置決め部16が支持シャフト18と支持部材14との間に展開されるためのクリアランスを提供する。このクリアランスは、位置決め部が脈管壁にわたって前進するときに、これが屈曲および撓曲することを可能にするためのものである。図10は、支持シャフト18と係合させられ、展開された位置にある位置決め部16を描写する。概して、デバイスは、シール可能部材12を位置決め部16と支持部材14との間の脈管壁に対して位置付けることによって、閉鎖を達成する。位置決め部16は、図9および図10に示されるように、支持シャフト18、ならびに、脈管壁および場所Bにおける断面積に対するその位置付けによって、定位置に保持される。
【0059】
種々の改変が、位置決め部16の設計に対して行われ(例えば、傾斜部またはばね様の特徴を追加する)、デバイス10が種々の厚さおよび構造特徴の脈管壁の中のアパーチャを閉鎖することを可能にし得る。これらの改変は、デバイスが脈管壁の中を閉鎖するために使用され得る壁厚の範囲を増大させる。
【0060】
図11および図12は、支持シャフト318との締り嵌めを向上させるために上部表面360の一部が傾斜外形(例えば、調節機構358)を有する位置決め部316を描写する。図11は、位置決め部316を単独で描写する一方、図12は、支持シャフト318に係合している位置決め部316を描写する。
【0061】
図13図15は、細長の本体450、550の一部が非平面状である位置決め部416、516を描写する。図に示されるように、支持シャフト418、518と係合する細長の本体の一部は、細長の本体の底面461、561と脈管壁の外側表面との間に空間を画定する弓形または角度付けられた部分(調節機構462、562)を有する。図13は、位置決め部416を単独で描写する一方、図14は、位置決め部416を第1の外形で描写し、図15は、位置決め部516を第2のより大きい外形で描写する。これらの外形は、特定の用途に適するように、必要に応じて、弓形および/または角度付けられた部分の任意の組み合わせを含み、デバイスにばね力を提供し得る。具体的には、位置決め部416、516は、図14および15に見られ得るように、ばねのように作用し、支持シャフト418、518を介して支持部材414、514を脈管壁の中に引き上げる。図15は、より過大なばね外形(調節機構562)を有する位置決め部516を描写し、そのようなばねは、より強い力を提供し、かつ/または非常に薄い壁を有する脈管のためにより好適であり得る。
【0062】
図16および図17は、細長の本体650の一部が細長の本体650の上部表面660の中に切り欠き(位置決め部ロック664)を含む、位置決め部616を描写する。ロック664は、位置決め部616が支持シャフト618と界面接触する場所に実質的に対応する細長の本体650上の位置に位置する。切り欠きのための具体的な寸法は、特定の用途に適するように変動する。図16は、位置決め部616を単独で描写する一方、図17は、支持シャフト618と係合させられた位置決め部616を描写する。位置決め部ロック664は、本明細書に開示される位置決め部設計のいずれかと併用され得る。図17に示されるように、展開されると、支持シャフト618は、支持シャフト618に対する位置決め部の移動を防止するために切り欠き内で係止される。
【0063】
図18図20および図22図24は、本発明の1つ以上の実施形態によるデバイス700、800を使用する種々の方法を描写する。概して、デバイス700、800は、種々のサイズを有する中空脈管の中の孔を閉鎖することを意図している。これは、本明細書に開示されるようなシール可能部材を本明細書に開示される位置決め部および支持部材とも併せて使用して、動脈および静脈等の血管を閉鎖するために特に有利である。デバイスの設計は、本明細書で前述される援用される参考文献に開示されるデバイスと同一の様式で装填カニューレの中に装填され、脈管の中に送達されるための能力を提供することを意図している。
【0064】
図18図20は、概して、デバイスの展開を以下のように描写する。シール可能部材および支持部材が脈管内に位置付けられた後、デバイスは、タンポナーデまで引き戻される(例えば、脈管壁の中のアパーチャに閉鎖を提供する(図18A))。実効的なタンポナーデが達成されると、位置決め部716は、押動管742を前方に前進させることによって展開される(図18B)。位置決め部716が展開されると、縫合糸/編組ワイヤ734が、デバイスの取っ手から解放され、取っ手は、除去される(図19Aおよび図19B)。止血が達成された場合、縫合糸/編組ワイヤ734は、除去され、それによって、閉鎖を完了させる(図20Aおよび図20B)。穿刺部位が出血し続ける場合、わずかな量の張力が、止血が達成されるまで縫合糸上にかけられ得る。
【0065】
デバイス800は、概して、ガイドワイヤにわたるカテーテルを介した中空脈管の内側への送達のために設計される(図22図24)。デバイス800(例えば、支持部材814およびシール可能部材812)は、最初に送達システムの中に折り畳まれ、次いで、ガイドワイヤ848にわたって、導入器836を介して脈管の内側の中に送達される。脈管の内側に送達されると、デバイスは、その元の送達前の形状に開くことを可能にされる(図22)。次のステップは、送達システムを用いてデバイスをガイドワイヤ848にわたって脈管の中のアパーチャに優しく戻すことである(図23)。そこに到達すると、デバイス(例えば、支持部材814)は、アパーチャの遠位縁を掛止し、次いで、アパーチャを完全に横断して位置すると、アパーチャをシールする。その後、ガイドワイヤ148が除去され、位置決め部816は、その最終的な跨る位置に移動させられる(図24)。デバイス800は、送達システムから解放され、送達システムも、除去される。
【0066】
図21A図21Cは、上記で議論されるようなシール可能部材を描写する。概して、シール可能部材12は、押出加工された構成要素と電子スピン加工された構成要素とから成る二重層の生体吸収性ポリマーフィルムから作製され、これらの構成要素は、ともに継合される2つの別個の層としてか、または単一の構成要素として形成され得る。押出加工された層は、厚さが約10μm~500μmの範囲に及び得る。電子スピン加工された層は、約10μm~2,000μmの範囲内の層厚を有する約0.3μm~30μmの直径の範囲内の繊維から成り得る。繊維は、無作為またはパターン化された向きで配列され得、それらの直径および密度は、電子スピン加工された層内で変動し得る。一例では、押出加工された層の隣の電子スピン加工された層は、高密度の狭小繊維から成り、電子スピン加工された層の深度が増加するにつれて、繊維は、直径がより大きくなり、より低い密度(より高い多孔性)になり、電子スピン加工された層上により軟質な上部表面をもたらし、アパーチャに近接する場所の中に引き戻されるときに脈管の内側管腔の構造特徴に適合することを促進する。
【0067】
代替のシール可能部材12は、全体として電子スピン加工され、約0.1μm~30μmの直径の範囲内の繊維から成り、約50μm~2,500μmの範囲内の層厚を有する。この代替部材12は、不浸透性または半不浸透性である底面を有し、電子スピン加工された層上により軟質の上部表面を有し、孔に近接する場所の中に引き戻されると、脈管の内側管腔の構造特徴に適合することを促進する。
【0068】
概して、位置決め部は、脈管表面の構造特徴(例えば、石灰化、プラーク、疾患、(静脈の場合には)弁、多様な壁厚、または穿刺部位における切開部)にかかわらずアパーチャがシール可能部材と脈管表面との間でシールされることを確実にする。位置決め部は、位置決め部の幾何学形状が、厚い脈管壁(例えば、大動脈)または薄い脈管壁(例えば、大腿静脈もしくは大腸)に適応するように変化させられることができるように、多種多様な脈管を閉鎖するようにデバイスが仕立てられることを可能にする。位置決め部/デバイスの幾何学形状およびサイズは、大きいまたは小さい血管開口部を閉鎖するように調節されることができる。加えて、デバイスは、0.038インチ、0.035インチ、0.018インチ、または0.014インチ直径のガイドワイヤ等の手技的ガイドワイヤを収容し、脈管へのワイヤにわたる送達を促進することができる。
【0069】
位置決め部は、デバイスが展開されると、外部脈管壁の遠位側および近位側の両方における接触を提供し得る。支持シャフトと組み合わせられると、位置決め部16は、閉鎖するためのアパーチャを有する脈管の中の異なる壁厚に適応することにおけるある範囲の動作を提供し、より大きいアパーチャ(例えば、>24F)を閉鎖することを促進し得る。静脈脈管の中で使用されると、例えば、位置決め部設計はアパーチャの遠位側および近位側の両方に跨るため、穿刺部位において最小限の反動が存在する。デバイスはまた、デバイスの遠位側および近位側の両方における位置決め部のスナップ嵌合効果に起因して、より迅速な閉鎖および向上させられたシールを提供し、それによって、アパーチャの遠位側および近位側の両方における位置決め部の把持部の設計に起因して、より良好な固定およびより少ない取り外しのリスクを提供する。加えて、デバイスは、位置決め部の設計と組み合わせられた新規の支持部材設計に起因して、粗くかつ非均一な内側管腔表面の脈管壁により良好に適応する。そのようなロバストな展開(例えば、展開されると、移動させる/取り外すことがより困難になる)は、塞栓化のリスクを最小化する。デバイスは、経大静脈の卵円孔開存術(PFO)または自然開口部越経管腔内視鏡外科手術(NOTES)閉鎖において使用され得る。デバイスはまた、アパーチャにおけるデバイスの並置を制御するための直接的な手段も提供し、それによって、展開後のいかなる出血もより良好に管理する。
【0070】
ある図および実施形態は、血管外科手術と関連付けられる穿孔の閉鎖のためのシステムならびにデバイスの使用に関するが、当業者は、提供されるデバイスの構成要素が、サイズ依存ではなく(例えば、拡張可能であり)、したがって、哺乳類の管腔の中の任意の穿孔の閉鎖のために有用であることを理解するであろう。
【0071】
加えて、本願のシステム、デバイス、方法、およびプロセスが、以下の説明において説明される実施形態からの情報を使用して開発された変形および適応を包含することが想定される。本明細書に説明される方法およびプロセスの適応または修正が、当業者によって実施され得る。
【0072】
組成物、化合物、または製品が具体的な構成要素を有する、含む、もしくは備えるものとして説明され、または、プロセスおよび方法が具体的なステップを有する、含む、もしくは備えるものとして説明される説明の全体を通して、本質的に列挙される構成要素から成るか、または列挙される構成要素から成る本願の物品、デバイス、およびシステムが存在すること、ならびに、本質的に列挙される処理ステップから成るか、または列挙される処理ステップから成る本願によるプロセスおよび方法が存在することが、想定される。
【0073】
説明される方法が動作可能なままである限り、ステップの順序またはあるアクションを実施するための順序は重要ではないことを理解されたい。また、2つ以上のステップまたはアクションが、同時に行われ得る。
図1A-1B】
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図22
図23
図24