(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】ライニングの溝に遠心吸引力を有するブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
F16D 65/092 20060101AFI20240419BHJP
F16D 65/00 20060101ALI20240419BHJP
F16D 65/02 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
F16D65/092 C
F16D65/00 C
F16D65/02 A
F16D65/092 D
(21)【出願番号】P 2021557517
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(86)【国際出願番号】 EP2020058818
(87)【国際公開番号】W WO2020193776
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-01-27
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514287580
【氏名又は名称】タラノ・テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロイク・アダムザック
(72)【発明者】
【氏名】ティボー・ル・ブレール
【審査官】久慈 純平
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-529840(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第2533476(GB,A)
【文献】特開2005-36829(JP,A)
【文献】実開昭55-93739(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第2725255(EP,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0033884(KR,A)
【文献】韓国公開特許第1998-061265(KR,A)
【文献】特開2007-192268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 65/092
F16D 65/00
F16D 65/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキパッド(10)を備えるブレーキシステムであって、パッドは、第1の面(13)および第2の面(14)を有するバッキングプレート(1)と、摩擦材料で作られ、第1の面(13)に固定されたライニング(2)とを備え、ライニング(2)は、摩擦面(26)、取付面(20)、内縁(23)、外縁(24)、後縁(21)および前縁(22)によって境界が定められ、ライニング(2)には、摩擦面(26)に開いた少なくとも1つの収集溝(3)が設けられ、収集溝(3)は、第1の端部(31)において内縁(23)に向かって延在し、第2端部(32)において外縁(24)に向かって開口部を有し、
ブレーキシステムは、空気が流れることができる収集パイプ(40)を備える収集システムをさらに備え、収集パイプ(40)の空気入口オリフィスス(41)が第2の端部(32)に対向して配置され、収集溝(3)がその第2の端部(32)において外縁(24)上に開口部を有することを特徴とする、ブレーキシステム。
【請求項2】
収集パイプ(40)は、ライニング(2)と接触しない、請求項1に記載のブレーキシステム。
【請求項3】
バッキングプレート(1)は、少なくとも1つの溝(3)の全長にわたって連続している、請求項1または2に記載のブレーキシステム。
【請求項4】
少なくとも1つの溝(3)は、その第1の端部(31)において内縁(23)に向かって開口部を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のブレーキシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの溝(3)が後縁(21)の近くに配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のブレーキシステム。
【請求項6】
ライニング(2)には第2の溝(3)が設けられ、第2の溝(3)は、前縁(22)および後縁(21)の略中間に配置されている、請求項5に記載のブレーキシステム。
【請求項7】
ライニング(2)には、前縁(22)の近くに配置された追加的な溝(3)が設けられている、請求項5または6に記載のブレーキシステム。
【請求項8】
収集システムは、少なくとも1つの収集溝(3)から収集パイプ(40)に空気を吸引することができる吸引機構を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば道路または鉄道車両、または風力タービンなど、回転を遅くする回転要素を含む機械での使用を目的とした非汚染ブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなブレーキシステムでは、回転要素に対するブレーキパッドの摩耗の結果として、摩擦ブレーキによって粒子やダストが放出される。この回転要素は、例えば、車両のホイール、または車両のホイールによって駆動されるディスクである。周囲の環境に拡散したこれらの粒子は、個人の健康に有害であることが知られている。さらに、自動車用の電気モーターの発展により、摩擦ブレーキシステムの摩耗に起因する粒子やダストを処理する必要性が高まっている。
したがって、これらの粒子やダストを周囲環境に放出する前に捕捉する必要がある。
【0003】
このように、ブレーキパッド10を含むブレーキシステムを記載する特許文献1が知られており、ブレーキパッドは、第1の面13と第2の面14を有するバッキングプレート1と、摩擦材からなり、第1の面14に固定されたライニング2とを備え、ライニング2は、摩擦面26、取付面20、内縁23、外縁24、後縁21、および前縁22によって区切られている。ライニング2には、摩擦面26に開いており、第1の端部31で内縁23に向かって延在し、第2の端部32で外縁34に向かって開口部を有する少なくとも1つの収集溝3が設けられている。バッキングプレート1は、収集溝3と流体連通する穴17を備える。穴17は、空気および溝3内を流れる粒子およびダストを吸引することができる吸引パイプ40によって収集システムに接続されている。
【0004】
このようなブレーキシステムは、先行技術を表す
図7および
図8に記載されている。
【0005】
しかし、このブレーキシステムには欠点がある。
【0006】
実際は、ブレーキング段階で望ましくない量の粒子やダストが排出され続ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】仏国特許出願公開第3,057,040号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこれらの不利な点を改善することを目的としている。
【0009】
本発明は、ライニングおよび回転要素によって放出される粒子およびダストの捕捉が最適化され、構造が可能な限り単純であるブレーキシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、ブレーキシステムが、空気が流れることができる収集パイプを含む収集システムをさらに含み、収集パイプの空気入口オリフィスが第2の端部の反対側に配置されるという事実、および収集溝が第2の端部の外縁に開口部を有するという事実によって達成される。
【0011】
これらの配置により、空気がライニングの内縁から外縁に向かって溝を流れるため、収集システムによる粒子やダストの収集がより効率的になる。この方向は、遠心力の影響下での溝内の空気の流れの自然な方向(吸引なし)であるため、収集パイプ内の粒子やダストの収集はより効率的である。
【0012】
有利なことに、収集パイプはライナーと接触していない。
【0013】
したがって、ブレーキ段階の後、ライニングとパッドが回転要素から離れる場合に、多かれ少なかれ重要な残留トルクが発生することはない。
【0014】
有利なことに、バッキングプレートは、少なくとも1つの溝の全長にわたって連続している。
【0015】
したがって、溝に穴を開けたり、溝のバッキングプレートを変更したりする必要がないため、ブレーキパッドの製造が簡素化される。
【0016】
有利なことに、少なくとも1つの溝が後縁の近くに配置されている。
【0017】
このようにして、溝による粒子とダストの捕捉が最適化される。これらの粒子とダストは、流れの方向が静止したライニングに対して回転要素の移動方向であるため、ライニングの前から後ろに流れる傾向がある。
【0018】
有利なことに、ライニングは、前縁と後縁との間の実質的に中間に位置する第2の溝を備えている。
【0019】
このようにして、ブレーキング中のライニングディスクアセンブリの振動挙動が改善される。
【0020】
有利なことに、ライニングには、前縁の近くに配置された追加の溝が設けられている。
【0021】
本発明に係るシステムは、ライニングに対する回転要素の両回転方向で等しく効率的に動作し、従って、鉄道車両などの両方向におけるマストブレーキ車両に有利である。
【0022】
有利には、収集システムは、収集パイプの少なくとも一つの収集溝から空気を吸引することができる吸引機構を含む。
【0023】
したがって、収集パイプ内の粒子とダストの収集はより効率的である。
【0024】
非限定的な例として表される実施形態の以下の詳細な説明を読むことで本発明はよりよく理解され、その利点はより明らかになるであろう。説明は、添付の図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明によるブレーキシステムのブレーキパッドの上面図である。
【
図2】本発明によるブレーキシステムのブレーキパッドの斜視図である。
【
図3】
図2の線III-IIIに沿った、本発明によるブレーキシステムのブレーキパッドの収集溝に続く断面図である。
【
図4】本発明によるブレーキシステムの変形におけるブレーキパッドの収集溝に続く断面図である。
【
図5】本発明の別の実施形態によるブレーキシステムのブレーキパッドの上面図である。
【
図6】回転ディスクに取り付けられた、本発明によるブレーキシステムの斜視図である。
【
図7】すでに説明したように、従来技術によるパッドの上面図を示す。
【
図8】すでに説明したように、従来技術によるパッドの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、機械の回転要素9を制動するためのブレーキのブレーキパッド10を備えるブレーキシステムに関する。本発明は、本ブレーキがディスクブレーキである道路車両である場合について以下に説明する。しかし、本発明は、レール上の車両(鉄道車両)で使用される車輪をこするシューブレーキのブレーキパッドの場合、または他の産業機械で使用されるブレーキパッドの場合(例えば、風力タービン)にも同様に適用できる。すべての場合において、機械の回転要素のブレーキは、回転中のこの回転要素のブレーキパッドの摩擦によって達成される。
【0027】
ディスクブレーキでは、ブレーキは、車両のホイールと一体のディスク(回転要素9)と、このディスク9を押す、ディスクを挟むために両側にある2つのブレーキパッド10との間の摩擦によって達成される。ディスク9は、主平面内に延在し、その回転軸として、この主平面に垂直な軸Aを有する。
【0028】
パッド10の各々は、この主平面に延び、パッド10の厚さは、回転Aの軸に沿って延びる。
【0029】
ディスク9は、回転方向FWで回転軸Aを中心に回転し、ディスク9の円周に接し、回転方向FWに向けられた接線方向T、およびディスク9の主平面の回転軸Aに直交する半径方向Rを定義する。
【0030】
これらの要素は、
図6に示され、
図6は、ディスク9に取り付けられたブレーキ装置を示している。
【0031】
以下の説明において、「内側」および「外側」という用語は、それぞれ回転軸Aから最も近くおよび遠くに配置されるブレーキパッド(またはその構成要素)の縁部または領域10を示し、及び「前部」および「後部」という用語は、ライニング2(以下に説明)によって放出される粒子28の流れ方向(これは回転方向FWでもある)に対してそれぞれ上流および下流に位置するブレーキパッド10(またはその構成要素)の縁部または領域を示す。
【0032】
図1および
図2に示されるように、ブレーキパッド10は、バックプレートとも呼ばれるバッキングプレート1を備える。バッキングプレート1は、例えば、金属製である。バッキングプレート1は、実質的に一定の厚さ(例えば、3mmから7mmの間)の平板であり、その主平面におけるその一般的な形状は、直線または湾曲した縁を有する台形である。
【0033】
バッキングプレート1は、ライニング2に固定された第1の面13と、第1の面とは反対の第2の面14を備える。
【0034】
バッキングプレート1はまた、バッキングプレート1の2つの側方端部でバッキングプレート1の平面内に延在し、パッド10を保持および案内するのに役立つ2つの耳(11、12)を備える。
【0035】
ブレーキパッド10は、摩擦材料で作られたライニング2をさらに備える。例えば、この素材は「フェロド」と呼ばれる素材である。
【0036】
ライニング2は、摩擦面26(「摩擦」面)、摩擦面26の反対側の、バッキングプレート1に固定された取付面20(これらの2つの面は平行である)、内縁23、外縁24、後縁21、および前縁22によって区切られている。外縁24、後縁21、および前縁22は、凸状または直線状であり、内縁23は、凹状または直線状である。
【0037】
摩擦面26は、ライニング2が摩耗するにつれて、バッキングプレート1に徐々に近づく。したがって、ライニング2の厚さ(回転軸Aに沿って測定)は、摩耗するにつれて減少する。
【0038】
動作中、ライニング2(および回転要素9)は、ライニング2とディスク9との間の摩擦により粒子28を放出する。摩擦面26に沿った粒子28の経路は、
図1および
図2では点線で表されている。
【0039】
ライニング2は、摩擦面26に開口している少なくとも一つの収集溝3が設けられている。
【0040】
溝3は、第1の端部31および第2の端部32を有する。溝3は、内縁23における第1の端部31で延び、外縁24における第2の端部32に開口部を有する。
【0041】
「溝3はその端部で縁部に向かって延びている」とは、溝3の端部が縁部に近接して位置していることを意味すると理解されたい。溝の端部は、(バッキングプレートまたはその縁部への)開口部がある場合とない場合がある。
【0042】
「溝3は、その端部において縁部に向かって開口部を有する」とは、溝3が、バッキングプレート1を通って延びることによって、または、この縁部に直接開口することによって、縁部に近接してこの端部に連絡開口部を有することを意味すると理解されたい。
すべての場合において、溝3は、摩擦面26から離れた、この端部で開口する。
【0043】
本発明によれば、溝3は、直接外縁24に、その第2の端部32で開口している。
【0044】
溝3の深さは、例えば、ライニング2の高さに等しい。これは、溝3の底部が、バッキングプレート1の第1の面13と一致することを意味する。あるいは、溝3の深さは、ライニング2の高さよりも小さい。
【0045】
例えば、収集溝3は、その上流端からその下流端まで一定の長方形の断面を有し、したがって、一定の厚さである。
【0046】
例えば、収集溝3は、後縁21の近くに配置されている。この構成は、粒子がライニング2の前部から後部に自然に流れることを前提として、この溝3にブレーキングから生じる粒子/ダストをより効率的に収集することを可能にする。実際、この流れの方向は、静止しているライニング2に対する回転要素9の移動方向である。
【0047】
任意選択で、ライニング2は、前縁22と後縁21との間の実質的に中間に位置する第2の収集溝3をさらに備える。
【0048】
第2の収集溝3のこの位置により、ライニング2の望ましくない振動を最小限に抑えることができる。
【0049】
ブレーキシステムは、空気が流れることができる収集パイプ40を備える収集システムを含む。収集パイプ40は、
図1~
図4に示されるように、溝3の第2の端部32に対向して配置された空気入口オリフィス41を有する。溝3を流れる空気は、この入口オリフィス41を通って収集パイプ40に入る。
【0050】
有利なことに、収集システムは、溝3から収集パイプ40に空気を吸引することができる吸引機構(図示せず)を備える。(溝3からの)粒子/ダストの収集パイプ40への収集は、より効率的である。
【0051】
この構成には、収集システムの吸引機構によって強制される空気の流れが、溝3内の空気の自然な流れと同じ方向に発生するという利点もある。実際、遠心力の影響下で、空気は、第1の端部31から第2の端部32に自然に流れる。したがって、収集システムはより効率的である。
【0052】
図1~
図3に示すように、溝3は、内縁23に開口していない。したがって、ライニング2によって形成された壁は、第1の端部31を内縁23から分離する。したがって、ライニング2の製造は単純化される。
【0053】
有利なことに、溝3は、バッキングプレート1を通る開口部を有していない。この場合、バッキングプレート1は、溝3の全長にわたって連続しており、これは、空気が溝3からバッキングプレート1を通って移動することを可能にする穴がないことを意味する。溝3でバッキングプレート1を(例えば、穴を開けることによって)変更する必要がないので、ブレーキパッドの製造が単純化される。
【0054】
また、内縁23において、溝3は、
図4に示すように、溝3は、内縁23に開口するように、溝3の残りの部分が内縁23と連通するチャネル90として形成されている。したがって、このチャネル90は、ライニング2に囲まれた連続的な側壁を有し、その第1の端部は、溝3の残りの部分に開口し、第2の端部(したがって、溝3の第1の端部31である)は、内縁23に開口する。この構成は、ライニング2が摩耗するときを含めて、溝3内の空気の流れを改善する。有利には、チャネル90は、動作中にライニング2の作動厚さを最大にするために、バッキングプレート1に可能な限り近接している。
【0055】
チャネル90は、一定の断面、例えば、円形の断面である。
【0056】
あるいは、チャネル90は、第1の端部に、第2の端部の断面積よりも大きい断面を有し、その結果、空気は、チャネル90を通って溝3により容易に入ることができる。
【0057】
有利には、全ての実施形態において、ライニング2と収集パイプ40の接触がない。このように、ブレーキング段階の後、ライニング2およびバッキングプレート1が回転要素から離れるときに、多かれ少なかれ有意な残留トルクの生成はない。この残留トルクは、パイプがライニング2またはバッキングプレート1と接触しているという事実によって生成される。
【0058】
この構成では、収集パイプ40は、バッキングプレート1の変位領域(ブレーキパッド10の寿命にわたるライニング2の摩耗に起因する変位の振幅)の外側に配置されるため、収集パイプ40は、ブレーキパッド10の全耐用年数の間、ライニング2またはバッキングプレート1と接触することはない。
【0059】
この構成では、有利には、収集パイプ40の入口オリフィス41は、溝3及び収集パイプ40との間の空気の通過を最大化するように、外縁24のできるだけ近くに配置されている。
【0060】
図5は、ライニング2が、後縁21の近くに配置された第1の溝3に加えて、前縁22の近くに配置された追加の溝3を備えている場合を示す。
【0061】
収集システムは、したがって、第1の溝3から空気が流れることができる第1の収集パイプ40と、追加の溝3から空気が流れることができる第2の収集パイプ40とを備える。これらの各パイプは、収集デバイスの一部である要素に接続されている。
【0062】
有利には、収集システムは、収集パイプ40のそれぞれに溝3から空気を吸引することができる吸引機構を備える。
【0063】
この二重溝3の構成は、鉄道車両など、両方向にブレーキがかかる車両に適している。実際、この場合、回転要素上のライニング2の摩擦によって放出された粒子28は、前縁22から後縁21へ、または後縁21から前縁22へのいずれかで流れることができる。2つの溝の存在により、車両のブレーキ方向に関係なく、溝3内の粒子を捕捉することを可能にする。
【0064】
さらに別の実施形態では、ライニング2は、前縁22と後縁21との間の実質的に中間に配置されている(第2の溝と呼ばれる)別の溝3を備える。この第2の溝3は、上述されている。したがって、前縁22の近くに位置する追加の溝3は、第3の溝3である。したがって、この実施形態では、車両のブレーキ方向に関係なく、ライニング2の望ましくない振動を最小限に抑え、溝3内の粒子を捕捉することの両方を可能にする。
【0065】
有利には、収集システムは、収集パイプ40のそれぞれに溝3から空気を吸引することが可能な吸引機構を備えている。
【0066】
一般に、吸引機構は、収集パイプ40を介して空気を吸引することができる要素を備える。例えば、この要素はポンプである。例えば、この要素は、空気流の自然な方向で収集パイプ40の下流に配置されている。有利には、この要素はフィルターを含む。
【0067】
あるいは、吸引パイプ40を介して空気を吸い込むことができる要素は、入口オリフィス41の下流の吸引パイプ40内の空気の経路上に配置されたユニットであり、下流の出口より小さな断面の上流入口を有して設計されている。
【符号の説明】
【0068】
1 バッキングプレート
2 ライニング
3 溝
9 回転要素、ディスク
10 ブレーキパッド
13 第1の面
14 第2の面
20 取付面
21 後縁
22 前縁
23 内縁
24 外縁
26 摩擦面
28 粒子
40 収集パイプ
41 入口オリフィス
90 チャネル