(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】トラック用ハンドリフター
(51)【国際特許分類】
B65G 7/00 20060101AFI20240419BHJP
【FI】
B65G7/00
(21)【出願番号】P 2023220608
(22)【出願日】2023-12-27
【審査請求日】2023-12-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524001444
【氏名又は名称】松阪運輸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中津 友宏
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-122513(JP,U)
【文献】特許第7239230(JP,B1)
【文献】特許第7287695(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G7/00
B65G67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックの荷台の下にいる荷役作業者が、前記荷台に積まれたパレットを移動させるために用いられるトラック用ハンドリフターであって、
棒状の棒状部と、
前記棒状部の一端部に接続され、前記荷役作業者が把持するための把持部と、
前記棒状部の他端部に接続されたフォーク取付部と、
前記棒状部とのなす角が鈍角となるように前記フォーク取付部から延びており、前記パレットにおけるフォークリフトのフォークが差し込まれる複数の差込口のうちのいずれか1つの前記差込口に挿入される一対のフォーク部と、
一対の前記フォーク部の各先端部に設けられており、前記パレットの前記差込口に連通する内部空間において前記パレットの一部に引っ掛けるための一対の先端爪部と、
少なくとも前記棒状部の他端部に接続された一対のキャスター取付部、あるいは、前記フォーク取付部に取り付けられた一対のキャスターと、
を有する、
トラック用ハンドリフター。
【請求項2】
一対の前記キャスター取付部は、断面L形状の一対のキャスター用アングル部材より構成されており、
各前記キャスター用アングル部材における一方の山側面と前記棒状部とが接続されており、
各前記キャスター用アングル部材における他方の山側面に各前記キャスターが取り付けられている、
請求項1に記載のトラック用ハンドリフター。
【請求項3】
一対の前記フォーク部は、いずれもフォーク用角管部材より構成されており、
一対の先端爪部は、各前記フォーク用角管部材の先端開口を塞ぐように設けられている、
請求項1または請求項2に記載のトラック用ハンドリフター。
【請求項4】
前記キャスターは、前記キャスター取付部に脱着可能に取り付けられている、
請求項1または請求項2に記載のトラック用ハンドリフター。
【請求項5】
前記キャスターは、キャスター車輪を支持するキャスターフォークが前記キャスター用アングル部材に締結部材により締結されている、
請求項2に記載のトラック用ハンドリフター。
【請求項6】
一対の前記フォーク部間に配置され、一対の前記フォーク部に接続された補強部を有する、
請求項1または請求項2に記載のトラック用ハンドリフター。
【請求項7】
前記補強部は、さらに、前記フォーク取付部に接続されている、
請求項6に記載のトラック用ハンドリフター。
【請求項8】
前記フォーク取付部の下方に、前記キャスター取付部が配置されている、
請求項1または請求項2に記載のトラック用ハンドリフター。
【請求項9】
前記把持部は、前記棒状部の周面に接続されている、
請求項1または請求項2に記載のトラック用ハンドリフター。
【請求項10】
前記棒状部は、棒状部用角管部材より構成されており、
前記把持部は、前記棒状部用角管部材の周面のうちの上面に接続されている、
請求項1または請求項2に記載のトラック用ハンドリフター。
【請求項11】
前記フォーク取付部は、断面L形状のフォーク取付用アングル部材より構成されており、
各前記フォーク部の基端部は、前記フォーク取付用アングル部材の一方の山側面に接続されている、
請求項1または請求項2に記載のトラック用ハンドリフター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック用ハンドリフターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラックによる荷物の運送においては、通常、荷物が積載された複数のパレットがトラックの荷台に積まれて運送されている。荷物が積載された複数のパレットを荷台に積み込み可能なトラックとしては、鳥が翼を広げたように荷台の側面(サイドパネル)が左右に開くウイング車などが知られている。この種のトラックにおいては、一般に、左右のサイドパネルを開き、フォークリフトを用いて、左右の各サイドパネル側からそれぞれパレットが積み降ろしされる。
【0003】
先行する特許文献1には、トラック用ではないが、人力によってパレットの溝に挿入させることができる荷受け用のフォークを前面に備えた人力パレット移動用台車が開示されている。この人力パレット移動用台車は、台車の本体を構成する本体フレーム部と、本体フレーム部に連結して設けられ、フォークを車長方向に挿入し固定するフォーク支持部と、フォーク支持部に挿入・固定されない側の端をパレットの溝に差し込んでパレットを昇降可能に支持するフォーク部と、フォーク部と異なる端の本体フレーム部に設けられ、左右1対のハンドルを有する手押しハンドル部と、本体フレーム部に連結して手押しハンドル部とフォーク支持部の中間に配置される荷受台部と、フォーク支持部の本体フレーム部底面側に設置された車輪支持部に回転自在に取り付けられた車輪部と、荷受台部の本体フレーム部底面側に設置されたV字脚部と、を有しており、フォークは折れ曲り形状を有するフォークにより構成され、車輪部は2輪により構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トラックの荷台に積まれた複数のパレットを荷台から降ろす場合、狭い場所など、左右サイドパネルのうち片方のサイドパネルしか開くことができない場所においては、次のようにしてパレットを降ろすことが必要になる。
【0006】
すなわち、先ず、片方の開いたサイドパネル側に並んで積まれたパレットを全てフォークリフトにて降ろす。次に、反対側の閉じているサイドパネル側に積まれたパレットを降ろすには、フォークリフトのフォークが届かないため、一旦荷降ろし作業を中断し、閉じていたサイドパネルがフォークリフト作業側になるように(トラックの前後が反対向きになるように)トラックを転向させる。そして、閉じていたサイドパネルを開き、こちら側に並んで積まれたパレットを全てフォークリフトにて降ろす。
【0007】
そのため、荷降ろし作業の効率が非常に悪く、荷降ろしに時間がかかる。また、片方の開いたサイドパネル側に積まれたパレットを降ろした後、トラックを転向させずに、荷役作業者が荷台に上がり、奥側にあるパレット(閉じたサイドパネル側に積まれたパレット)をバールなどにより手前側(最初に開いたサイドパネル側)まで移動させることも考えられるが、このような作業も荷降ろし作業の効率を低下させる。
【0008】
また、荷物を積載した複数のパレットは近接した状態で荷台に並べて積まれることが一般的であり、荷崩れ防止のために、隣り合うパレット上の荷物同士をあえて接触させることもある。また、パレットからはみ出している大きな荷物が隣接するパレットの荷物と干渉していることもある。このような場合には、パレットを真っすぐに手前まで引っ張るだけでは荷物同士の接触・干渉によりパレットを手前まで移動させることが難しい。特に、パレット上の荷物に荷崩れ防止用のラップ材が巻かれている場合には、ラップ材同士のひっつきにより、パレットの移動がより困難になる。
【0009】
なお、特許文献1に記載の人力パレット移動用台車は、そもそもトラック用ではない上、荷台の下にいる荷役作業者が、トラックの荷台上に積まれたパレットを移動させることは困難である。
【0010】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、荷役作業者がトラックの荷台に上ることなく、トラックの片方の側面側から反対の側面側に積まれたパレットを手前側まで容易に移動させることが可能な、トラック用ハンドリフターを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るトラック用ハンドリフターは、以下の通りである。
【0012】
[1]
トラックの荷台の下にいる荷役作業者が、前記荷台に積まれたパレットを移動させるために用いられるトラック用ハンドリフターであって、
棒状の棒状部と、
前記棒状部の一端部に接続され、前記荷役作業者が把持するための把持部と、
前記棒状部の他端部に接続されたフォーク取付部と、
前記棒状部とのなす角が鈍角となるように前記フォーク取付部から延びており、前記パレットにおけるフォークリフトのフォークが差し込まれる複数の差込口のうちのいずれか1つの前記差込口に挿入される一対のフォーク部と、
一対の前記フォーク部の各先端部に設けられており、前記パレットの前記差込口に連通する内部空間において前記パレットの一部に引っ掛けるための一対の先端爪部と、
少なくとも前記棒状部の他端部に接続された一対のキャスター取付部、あるいは、前記フォーク取付部に取り付けられた一対のキャスターと、
を有する、
トラック用ハンドリフター。
【0013】
[2]
一対の前記キャスター取付部は、断面L形状の一対のキャスター用アングル部材より構成されており、
各前記キャスター用アングル部材における一方の山側面と前記棒状部とが接続されており、
各前記キャスター用アングル部材における他方の山側面に各前記キャスターが取り付けられている、
[1]に記載のトラック用ハンドリフター。
【0014】
[3]
一対の前記フォーク部は、いずれもフォーク用角管部材より構成されており、
一対の先端爪部は、各前記フォーク用角管部材の先端開口を塞ぐように設けられている、
[1]または[2]に記載のトラック用ハンドリフター。
【0015】
[4]
前記キャスターは、前記キャスター取付部に脱着可能に取り付けられている、
[1]から[3]のいずれか1つに記載のトラック用ハンドリフター。
【0016】
[5]
前記キャスターは、キャスター車輪を支持するキャスターフォークが前記キャスター用アングル部材に締結部材により締結されている、
[2]に記載のトラック用ハンドリフター。
【0017】
[6]
一対の前記フォーク部間に配置され、一対の前記フォーク部に接続された補強部を有する、
[1]から[5]のいずれか1つに記載のトラック用ハンドリフター。
【0018】
[7]
前記補強部は、さらに、前記フォーク取付部に接続されている、
[1]から[6]のいずれか1つに記載のトラック用ハンドリフター。
【0019】
[8]
前記フォーク取付部の下方に、前記キャスター取付部が配置されている、
[1]から[7]のいずれか1つに記載のトラック用ハンドリフター。
【0020】
[9]
前記把持部は、前記棒状部の周面に接続されている、
[1]から[8]のいずれか1つに記載のトラック用ハンドリフター。
【0021】
[10]
前記棒状部は、棒状部用角管部材より構成されており、
前記把持部は、前記棒状部用角管部材の周面のうちの上面に接続されている、
[1]から[9]のいずれか1つに記載のトラック用ハンドリフター。
【0022】
[11]
前記フォーク取付部は、断面L形状のフォーク取付用アングル部材より構成されており、
各前記フォーク部の基端部は、前記フォーク取付用アングル部材の一方の山側面に接続されている、
[1]から[10]のいずれか1つに記載のトラック用ハンドリフター。
【発明の効果】
【0023】
上記[1]に記載のトラック用ハンドリフターは、上記構成を有する。そのため、上記[1]に記載のトラック用ハンドリフターによれば、荷役作業者がトラックの荷台に上ることなく、次のようにしてパレットを移動させることができる。すなわち、トラックの荷台下から上記[1]に記載のトラック用ハンドリフターを操作し、荷降ろしすべき奥側のパレットにおけるフォークリフトのフォークが差し込まれる複数の差込口のうちのいずれか1つの差込口に一対のフォーク部を挿入し、一対の先端爪部をパレットの一部に引っ掛けた後、一対のキャスターを支点、荷役作業者が上方から下方へ押し下げる力を加える把持部を力点、および、一対の先端爪部を作用点とする、てこの原理により、パレットの手前側を持ち上げたまま、把持部を真っすぐに手前に引く、あるいは、隣り合うパレットの荷物同士が離れるように少し斜め方向にパレットを移動させた後、把持部を真っすぐに手前に引くことにより、フォークリフト作業側の荷台縁部までパレットを引き摺り出すことができる。
【0024】
したがって、上記[1]に記載のトラック用ハンドリフターによれば、荷役作業者がトラックの荷台に上ることなく、トラックの片方の側面側から反対の側面側に積まれたパレットを手前側まで容易に移動させることができる。
【0025】
上記[2]に記載のトラック用ハンドリフターは、上記構成を有することにより、断面L形状の一対のキャスター用アングル部材より構成される一対のキャスター取付部を介して、棒状部の他端部付近に集中させて一対のキャスターを配置することができる。
【0026】
そのため、上記[2]に記載のトラック用ハンドリフターによれば、一対の先端爪部をパレットの一部に引っ掛けてパレットの手前側を持ち上げた後、把持部を左または右に動かすことにより、一対のキャスター部分を略中心として一対のフォーク部の先端を右または左に容易に回動させやすい。そのため、上記[2]に記載のトラック用ハンドリフターによれば、隣り合うパレットの荷物同士が離れるように少し斜め方向にパレットを移動させやすくなり、上記[1]に記載のトラック用ハンドリフターの効果を高めることができる。
【0027】
上記[3]に記載のトラック用ハンドリフターは、上記構成を有することにより、フォーク用角管部材より構成されるフォーク部と先端爪部との接続強度を高めることができる。そのため、上記[3]に記載のトラック用ハンドリフターは、板材より構成されるフォーク部の先端部に先端爪部が設けられる場合に比べ、フォーク部と先端爪部との接続信頼性を向上させることができる。
【0028】
また、上記[3]に記載のトラック用ハンドリフターは、一対のフォーク部がいずれもフォーク用角管部材より構成されているので、一対のフォーク部がいずれも板材より構成される場合に比べ、フォーク部の曲げ剛性を高めることができる。上記[3]に記載のトラック用ハンドリフターの構成は、荷物が積載された比較的重いパレットを頻繁に取り回すことが多いトラック用ハンドリフターにとって特に有用である。
【0029】
上記[4]に記載のトラック用ハンドリフターは、キャスター取付部にキャスターが脱着可能に取り付けられていることにより、使用により劣化したキャスターを、キャスター取付部から取り外し、新しいキャスターへ交換することが容易になる。この構成は、荷物が積載された比較的重いパレットを頻繁に取り回すことが多いトラック用ハンドリフターにとって特に有用である。
【0030】
上記[5]に記載のトラック用ハンドリフターは、上記構成を有することにより、キャスター用アングル部材とキャスターとを締結部材を介して容易に脱着することができる。
【0031】
そのため、上記[5]に記載のトラック用ハンドリフターによれば、使用により劣化したキャスターの交換性が高まるため、トラック用ハンドリフターのメンテナンス性を向上させることができる。
【0032】
上記[6]に記載のトラック用ハンドリフターは、一対のフォーク部間に配置され、一対のフォーク部に接続された補強部を有することにより、補強部を有さない場合に比べ、フォーク取付部から延びる各フォーク部の、内向き、外向き、上向きおよび下向きなどに作用する外力に対する耐久性を高めることができる。
【0033】
そのため、上記[6]に記載のトラック用ハンドリフターによれば、フォーク取付部と一対のフォーク部との接続信頼性を向上させることができる。この構成は、荷物が積載された比較的重いパレットを頻繁に取り回すことが多いトラック用ハンドリフターにとって特に有用である。
【0034】
上記[7]に記載のトラック用ハンドリフターは、補強部がさらにフォーク取付部にも接続されていることにより、上記[6]に記載のトラック用ハンドリフターによる効果を高めることができる。
【0035】
上記[8]に記載のトラック用ハンドリフターは、フォーク取付部の下方にキャスター取付部が配置されているため、キャスターをてこの支点位置に配置しやすい利点がある。
【0036】
上記[9]に記載のトラック用ハンドリフターは、棒状部の周面に把持部が接続されているため、棒状部の端面に把持部が接続されている場合に比べ、トラック用ハンドリフターの製造時に、棒状部と把持部との接続を行いやすい利点がある。
【0037】
上記[10]に記載のトラック用ハンドリフターは、棒状部用角管部材より構成される棒状部の周面のうち上面に把持部が接続されているので、棒状部の端面に把持部が接続されている場合に比べ、荷役作業者が上方から下方へ押し下げる力を把持部に加えたときに、棒状部と把持部との接続部分にかかる負荷を低減しやすくなり、棒状部と把持部との接続信頼性を高めることができる。
【0038】
上記[11]に記載のトラック用ハンドリフターは、上記構成を有することにより、トラック用ハンドリフターの製造時に、各フォーク部の基端部とフォーク取付用アングル部材との接続を行いやすい利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るトラック用ハンドリフターの正面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るトラック用ハンドリフターの背面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るトラック用ハンドリフターの左側面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係るトラック用ハンドリフターの右側面図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係るトラック用ハンドリフターの平面図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係るトラック用ハンドリフターの底面図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係るトラック用ハンドリフターの左側面図における一部を拡大した拡大図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係るトラック用ハンドリフターの平面図における一部を拡大した拡大図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係るトラック用ハンドリフターの底面図における一部を拡大した拡大図である。
【
図10】
図10は、本実施形態に係るトラック用ハンドリフターに従う実施例品のトラック用ハンドリフターを用いて、パレットの差込口に連通する内部空間において一対の先端爪部をパレットの一部に引っ掛けた状態の一例を示した参考図である。
【
図11】
図11は、本実施形態に係るトラック用ハンドリフターに従う実施例品のトラック用ハンドリフターを用いて、パレットにおけるフォークリフトのフォークが差し込まれる手前側の2つの差込口のうちの1つの差込口(右側の差込口)に対して、一対のフォーク部を挿入し、パレットの手前側を持ち上げている一例を示した参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本実施形態のトラック用ハンドリフターについて、図面を用いて詳細に説明する。本実施形態のトラック用ハンドリフターは、以下の例示によって限定されるものではない。なお、以下の説明においては、トラック用ハンドリフターの使用時における荷役作業者側から見て前方を、トラック用ハンドリフターの前方(奥側)、トラック用ハンドリフターの使用時における荷役作業者側から見て後方を、トラック用ハンドリフターの後方(手前方向)、トラック用ハンドリフターの使用時における荷役作業者側から見て右側を、トラック用ハンドリフターの右側、トラック用ハンドリフターの使用時における荷役作業者側から見て左側を、トラック用ハンドリフターの左側とする。
【0041】
図1~
図9に例示されるように、本実施形態のトラック用ハンドリフター1は、棒状部11と、把持部12と、フォーク取付部13と、一対のフォーク部14と、一対の先端爪部15と、一対のキャスター16と、を有している。トラック用ハンドリフター1は、トラックの荷台の下にいる荷役作業者が、荷台に積まれたパレットを移動させるために用いられるものである。なお、移動させるパレットは、荷物が積まれたものであってもよいし、荷物が積まれていないものであってもよい。また、トラック用ハンドリフター1は、トラックの荷台の下にいる荷役作業者が、荷台に積まれたパレットを移動させることができるものである限り、トラックの荷台の上に荷役作業者が上がってパレットを移動させるために用いられてもよい。
【0042】
棒状部11は、棒状を呈している。棒状部11は、例えば、鋼材などの金属材料より構成されることができ、中空であってもよいし、中実であってもよい。棒状部11は、トラック用ハンドリフター1の軽量化、強度などの観点から、好ましくは、中空材料より構成されることができる。本実施形態においては、棒状部11は、具体的には、角管部材より構成されている。角管部材は、四角形状の断面を有している。棒状部11が角管部材より構成されている場合には、各側面に対して、把持部12、フォーク取付部13、キャスター取付部160(後述する)などの他の部材を接続しやすい利点がある。なお、棒状部11を構成する角管部材を棒状部用角管部材ということがある。
【0043】
把持部12は、荷役作業者が把持するための部位であり、棒状部11の一端部に接続されている。把持部12は、例えば、鋼材などの金属材料より構成されることができ、中空であってもよいし、中実であってもよい。把持部12は、トラック用ハンドリフター1の軽量化、強度などの観点から、好ましくは、中空材料より構成されることができる。本実施形態においては、把持部12は、丸管部材より構成されている。丸管部材は、円形状の断面を有している。把持部12が丸管部材より構成されている場合には、角がないため荷役作業者が手で握りやすい利点がある。なお、把持部12を構成する丸管部材を把持部用丸管部材ということがある。
【0044】
本実施形態において、把持部12は、棒状部11の一端部において、棒状部11の周面に接続されることができる。具体的には、把持部12は、棒状部11を構成する棒状部用角管部材の周面のうちの上面に接続されることができる。上記上面とは、棒状部用角管部材の周面のうち、荷役作業者がトラック用ハンドリフター1を使用する際に上側に配置される面をいう。
【0045】
より具体的には、把持部12を構成する把持部用丸管部材は、その長手方向の中央部において、棒状部用角管部材の周面のうちの上面に接続されることができる。この場合、各図に例示されるように、把持部12を構成する把持部用丸管部材と棒状部11を構成する棒状部用角管部材とにより、トラック用ハンドリフター1の把持部12側は、全体として略T字状の形状を呈する。把持部12の長手方向の中央部を棒状部11に接続する構成によれば、荷役作業者がトラック用ハンドリフター1を使用する際に、荷役作業者から見て棒状部11より右側の把持部12部分を右手で掴み、荷役作業者から見て棒状部11より左側の把持部12部分を左で掴みやすい利点がある。
【0046】
なお、把持部12と棒状部11との接続には、具体的には、接続強度などの観点から、例えば、溶接などによる接合を用いることができる。
【0047】
フォーク取付部13は、棒状部11の他端部に接続されている。フォーク取付部13は、棒状部11の他端部において、棒状部11の長手方向と略垂直な方向に一対のフォーク部14を所定距離離間させた状態として、一対のフォーク部14を取り付けるためなどの役割を有する部位である。フォーク取付部13は、例えば、鋼材などの金属材料より構成されることができる。
【0048】
フォーク取付部13は、例えば、断面L形状部材、角管部材、板状部材などより構成することができる。フォーク取付部13は、トラック用ハンドリフター1の軽量化、一対のフォーク部14との接続容易性などの観点から、好ましくは、断面L形状部材より構成されることができる。本実施形態においては、フォーク取付部13は、具体的には、トラック用ハンドリフター1の軽量化、一対のフォーク部14との接続容易性、部材の調達容易性などの観点から、断面L形状のアングル部材より構成されている。なお、フォーク取付部13を構成する断面L形状のアングル部材をフォーク取付用アングル部材ということがある。
【0049】
本実施形態において、フォーク取付部13は、棒状部11の長手方向と略垂直な方向に延びるように配置され、フォーク取付部13の長手方向の中央部において、棒状部11の他端部に接続されることができる。より具体的には、フォーク取付部13を構成するフォーク取付用アングル部材は、その2つの山側面が外側(上方側、前方側)となるように配置され(その2つの谷側面が内側(下方側、後方側)となるように配置され)、フォーク取付用アングル部材の長手方向の中央部において、棒状部11の他端部に接続されることができる。
【0050】
また、フォーク取付部13と棒状部11の他端部との接続部分においては、フォーク取付部13の方に、棒状部11の他端部を嵌合可能な溝部を形成し、この溝部に、棒状部11の他端部を嵌合させた状態で、フォーク取付部13と棒状部11の他端部とを接続することができる。この構成によれば、フォーク取付部13と棒状部11の他端部との接続強度を向上させることができる。また、一対のフォーク部14と棒状部11とのなす角θ(後述する)を確保しやすい利点もある。本実施形態においては、具体的には、フォーク取付用アングル部材の2つの壁部のうち上側に配置される壁部の長手方向の中央部に溝部が形成されている例が示されている。
【0051】
なお、フォーク取付部13と棒状部11との接続には、具体的には、接続強度などの観点から、例えば、溶接などによる接合を用いることができる。
【0052】
一対のフォーク部14は、棒状部11とのなす角θが鈍角となるようにフォーク取付部13から延びている。一対のフォーク部14と棒状部11とのなす角θの大きさは、
図3(
図4)に示されるように、例えば、トラック用ハンドリフター1の左側面図(右側面図)より把握することができる。一対のフォーク部14と棒状部11とのなす角θは、トラックの荷台の下から、てこの原理によるパレットの持ち上げを容易するなどの観点から、好ましくは、150°~175°、より好ましくは、155°~170°、さらに好ましくは、160°~165°とすることができる。
【0053】
一対のフォーク部14は、パレットにおけるフォークリフトのフォークが差し込まれる複数の差込口のうちのいずれか1つの差込口に挿入される部位である。すなわち、パレットは、通常、四角形状を呈しており、4つの側端面を有している。パレットの4つの側端面のうち、対向する2つの側端面、あるいは、各側端面には、一般に、フォークリフトの2本のフォークがそれぞれ差し込まれる差込口がブロック体を挟んで2つずつ形成されている。
【0054】
本実施形態においては、具体的には、持ち上げる側のパレットの側端面に形成された2つの差込口のうちの一方の差込口に、2本のフォーク部14の両方が挿入される。つまり、一対のフォーク部14は、荷役作業者側からみて右側に配置されるフォーク部14の右側端縁と、左側に配置されるフォーク部14の左側端縁との距離が、パレットの側端面に形成された1つの差込口の開口幅よりも小さくなるように、フォーク取付部13に取り付けられている。
【0055】
本実施形態において、各フォーク部14は、例えば、鋼材などの金属材料より構成されることができ、中空であってもよいし、中実であってもよい。各フォーク部14は、例えば、角管部材、丸管部材、棒状部材、板状部材などより構成することができる。各フォーク部14は、トラック用ハンドリフター1の軽量化、強度などの観点から、好ましくは、中空材料より構成されることができる。本実施形態においては、各フォーク部14は、具体的には、いずれも角管部材より構成されている。角管部材は、四角形状の断面を有している。フォーク部14が角管部材より構成されている場合には、フォーク部14と先端爪部15との接続強度を確保しやすくなる上、フォーク部14の幅(角管部材の幅)と先端爪部15の幅を揃えやすくなり余分な出っ張りも小さくなって見栄えをよくすることができるなどの利点がある。なお、フォーク部14を構成する角管部材をフォーク用角管部材ということがある。
【0056】
本実施形態において、フォーク用角管部材と棒状部用角管部材とは同じ大きさの断面形状を有する構成とすることができる。この構成によれば、フォーク部14と棒状部11とを同じ材料より形成することができるため、フォーク部14と棒状部11とを異なる材料より形成する場合に比べ、トラック用ハンドリフター1の製造時における材料の無駄を削減することが可能となる。それ故、トラック用ハンドリフター1の低コスト化を図りやすくなる。
【0057】
本実施形態において、各フォーク部14の基端部は、具体的には、フォーク取付部13を構成するフォーク取付用アングル部材の一方の山側面に接続されている。なお、各フォーク部14とフォーク取付部13との接続には、具体的には、接続強度などの観点から、例えば、溶接などによる接合を用いることができる。
【0058】
本実施形態においては、一対のフォーク部14間に、補強部140を有することができる。補強部140は、具体的には、一対のフォーク部14間に配置され、一対のフォーク部14に接続されることができる。補強部140は、各フォーク部14とフォーク取付部13との接続強度向上などの観点から、さらに、フォーク取付部13にも接続されることができる。
【0059】
なお、補強部140と、各フォーク部14およびフォーク取付部13との接続には、具体的には、接続強度などの観点から、例えば、溶接などによる接合を用いることができる。
【0060】
一対の先端爪部15は、パレットの差込口に連通する内部空間においてパレットの一部に引っ掛けるための部位であり、一対のフォーク部14の各先端部に設けられている。先端爪部15は、具体的には、フォーク部14の先端部において、フォーク部14の上面よりも上方に一部が突出するように設けられている。この場合には、先端爪部15は、パレットの差込口に連通する内部空間の上側の壁部などに引っ掛かることが可能になる。先端爪部15は、例えば、鋼材などの金属材料より構成されることができる。本実施形態においては、先端爪部15は、パレットの差込口に連通する内部空間におけるパレットの一部に対する引っ掛け性向上、フォーク部14の先端部への接続性向上などの観点から、板状部材より構成されることができる。
【0061】
本実施形態において、一対の先端爪部15は、各フォーク部14を構成する各フォーク用角管部材の先端開口を塞ぐように設けられることができる。なお、先端爪部15とフォーク部14との接続には、具体的には、接続強度などの観点から、例えば、溶接などによる接合を用いることができる。
【0062】
一対のキャスター16は、てこの原理にて持ち上げたパレットを容易に引き摺り移動させるためなどの役割を有する。一対のキャスター16は、少なくとも棒状部11の他端部に接続された一対のキャスター取付部160に取り付けられることができる。これ以外にも、図示はしないが、一対のキャスター16は、フォーク取付部13に直接取り付けられていてもよい。本実施形態においては、各図に例示されるように、一対のキャスター16は、棒状部11の他端部に接続された一対のキャスター取付部160を介して取り付けられている。また、この場合、キャスター取付部160は、接続強度向上、キャスター16の安定性などの観点から、棒状部11のみならずフォーク取付部13に接続されていてもよい。キャスター取付部160は、フォーク取付部13の下方に配置されることができる。
【0063】
キャスター取付部160は、例えば、鋼材などの金属材料より構成されることができる。キャスター取付部160は、例えば、断面L形状部材、角管部材、板状部材などより構成することができる。キャスター取付部160は、トラック用ハンドリフター1の軽量化、一対のフォーク部14との接続容易性などの観点から、好ましくは、断面L形状部材より構成されることができる。本実施形態においては、キャスター取付部160は、具体的には、トラック用ハンドリフター1の軽量化、キャスター16および棒状部11との接続容易性、部材の調達容易性などの観点から、断面L形状のアングル部材より構成されている。なお、キャスター取付部160を構成する断面L形状のアングル部材をキャスター用アングル部材ということがある。
【0064】
本実施形態のように、一対のキャスター取付部160が一対のキャスター用アングル部材より構成されている場合、各キャスター取付部160を構成する各キャスター用アングル部材における一方の山側面と棒状部11とが接続され、各キャスター用アングル部材における他方の山側面に、各キャスター16が取り付けられることができる。なお、この場合、棒状部11との接続性およびキャスター16の取り付け容易性などの観点から、キャスター用アングル部材の一方の山側面は、棒状部11の側面側を向くように配置され、キャスター16が取り付けられるキャスター用アングル部材の他方の山側面は、下方側を向くように配置されることができる。
【0065】
また、キャスター取付部160を構成する各キャスター用アングル部材の端面は、キャスター取付部160の接続強度などの観点から、フォーク取付部13を構成するフォーク取付用アングル部材の谷側面にも接続されることができる。なお、キャスター取付部160と棒状部11、フォーク取付部13との接続には、具体的には、接続強度などの観点から、例えば、溶接などによる接合を用いることができる。
【0066】
本実施形態において、キャスター用アングル部材とフォーク取付用アングル部材とは同じ大きさの断面形状を有する構成とすることができる。この構成によれば、キャスター取付部160とフォーク取付部13とを同じ材料より形成することができるため、キャスター取付部160とフォーク取付部13とを異なる材料より形成する場合に比べ、トラック用ハンドリフター1の製造時における材料の無駄を削減することが可能となる。それ故、トラック用ハンドリフター1の低コスト化を図りやすくなる。
【0067】
本実施形態において、キャスター16は、特に限定されるものではなく、公知の汎用品などから適宜選択して用いることができる。また、キャスター16は、固定キャスター、旋回キャスター(自在キャスター)のいずれのタイプであってもよいが、パレットを安定して引き摺り移動させやすいなどの観点から、固定キャスターが好適である。キャスター16は、通常、キャスター車輪16aを回転可能に支持するキャスターフォーク16bを有している。なお、キャスターフォーク16bの頂面には、必要に応じて取付座(トッププレート)などが設けられていてもよい。
【0068】
本実施形態において、キャスター16は、キャスター16の交換を容易に実施できるなどの観点から、キャスター取付部160に脱着可能に取り付けられていることが好ましい。具体的には、キャスター16は、キャスター車輪16aを支持するキャスターフォーク16bがキャスター用アングル部材に締結部材161により締結されることができる。締結部材161としては、例えば、ボルトおよびナットなどを好適に用いることができる。
【0069】
上述した本実施形態のトラック用ハンドリフター1は、一対のキャスター16を支点、荷役作業者が上方から下方へ押し下げる力を加える把持部12を力点、および、一対の先端爪部15を作用点とする、てこの原理により、パレットの手前側を持ち上げることができるように構成されている。トラック用ハンドリフター1において、支点から作用点までの距離L1、支点から力点までの距離L2としたとき、L1:L2は、例えば、1:4~1:6程度とすることができる。なお、トラック用ハンドリフター1の全長は、例えば、約1500mm程度などとすることができるが、これに限定されない。
【0070】
本実施形態のトラック用ハンドリフターは、上記構成を有する。そのため、本実施形態のトラック用ハンドリフターによれば、片方の開いたサイドパネル側に並んで積まれたパレットを全てフォークリフトにて降ろした後、反対側の閉じているサイドパネル側に積まれたパレット(以下、奥側のパレットということがある。)を、荷台上にて、次のように移動させることができる。
【0071】
すなわち、荷台の下にいる荷役作業者が、荷台の上に上ることなく、本実施形態のトラック用ハンドリフターを荷台の上に載せる。次いで、荷降ろしすべき奥側のパレットにおけるフォークリフトのフォークが差し込まれる複数の差込口のうちのいずれか1つの差込口に、トラック用ハンドリフターが有する一対のフォーク部を挿入する。次いで、パレットの差込口に連通する内部空間において、一対のフォーク部の各先端部に設けられた一対の先端爪部をパレットの一部に引っ掛ける(
図10参照)。次いで、一対のキャスターを支点、荷役作業者が上方から下方へ押し下げる力を加える把持部を力点、および、一対の先端爪部を作用点とする、てこの原理により、パレットの手前側を持ち上げる。次いで、パレットの手前側を持ち上げたまま、把持部を真っすぐに手前に引き、フォークリフト作業側の荷台縁部までパレットを引き摺り出す(引っ張り出す)。
【0072】
この際、隣り合うパレットの荷物同士の接触・干渉によりパレットを真っすぐに手前まで移動させることが難しい場合には、一対の先端爪部をパレットの一部に引っ掛けてパレットの手前側を持ち上げた後、把持部を左または右に動かして一対のフォーク部の先端を右または左に少し動かし、隣り合うパレットの荷物同士の接触・干渉が無くなる位置まで、上記真っすぐの引き摺り方向に対して斜め方向にパレットを少し移動させる。この時、本実施形態のトラック用ハンドリフターにおいては、パレットの1つの差込口に一対のフォーク部が挿入されるため、てこの原理にてパレットの手前側を持ち上げたときに、左右に適度に傾いた状態でパレットが持ち上げられ、パレット奥側の下端縁部も適度に荷台から持ち上げられる(
図11参照)。そのため、パレットの手前側が水平になるようにパレットを持ち上げる場合に比べ、パレット奥側の下端縁部と荷台との接触部分が減り、少しの力で、上記真っすぐの引き摺り方向に対して斜め方向にパレットを移動させることができる。その後は、上記と同様にして、パレットの手前側を持ち上げたまま、把持部を真っすぐに手前に引き、フォークリフト作業側の荷台縁部までパレットを引き摺り出す。
【0073】
フォークリフト作業側の荷台縁部までパレットを引き摺り出した後は、フォークリフトのフォークが届く位置にパレットがあるため、フォークリフトにて簡単にパレットを降ろすことできる。
【0074】
なお、パレットにおけるフォークリフトのフォークが差し込まれる手前側の2つの差込口のうちの一方の差込口に一対のフォーク部の一方を挿入し、他方の差込口に一対のフォーク部の他方を挿入してパレットの手前側を持ち上げるように構成した場合、つまり、2つの差込口の間にあるパレットのブロック部を一対のフォーク部の間に挟んだ状態でパレットの手前側を持ち上げるように構成した場合には、パレットの手前側が水平になるようにパレットが持ち上げられるため、そのままパレットを斜め手前に引き摺り移動させることは難しい。
【0075】
また、このような構成によると、棒状部の他端側(把持部と反対側)のサイズが大きくならざるを得ない。そのため、荷物を積載したパレットが複数積まれたトラックの荷台の比較的少ない空間や隙間などに、トラック用ハンドリフターを積載することが難しくなる。
【0076】
これに対し、本実施形態のトラック用ハンドリフターは、1つの差込口に一対のフォーク部を挿入するよう構成されているため、棒状部より前方部分のサイズを小型化することができる。そのため、本実施形態のトラック用ハンドリフターは、荷物を積載したパレットが複数積まれたトラックの荷台の比較的少ない空間や隙間に積載しやすく、また、棒状部の前方部分の取り回しもしやすい利点もある。
【0077】
本実施形態においては、トラック用ハンドリフターを、ウイング型のトラックにおいて、片側のサイドパネル側からパレットを降ろす場合を例に用いて説明したが、本実施形態のトラック用ハンドリフターは、ウイング型のトラックやバン型のトラックなどにおいて、荷台後方側から奥(荷台前方)にあるパレットを荷台後方へ引き摺り出すためなどにも使用するができるものである。
【0078】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、上記実施形態に示される各構成は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0079】
1 トラック用ハンドリフター
11 棒状部
12 把持部
13 フォーク取付部
14 フォーク部
140 補強部
15 先端爪部
16 キャスター
16a キャスター車輪
16b キャスターフォーク
160 キャスター取付部
161 締結部材
【要約】
【課題】荷役作業者がトラックの荷台に上ることなく、トラックの片方の側面側から反対の側面側に積まれたパレットを手前側まで容易に移動させることが可能な、トラック用ハンドリフターを提供する。
【解決手段】トラック用ハンドリフター1は、棒状の棒状部11と、棒状部11の一端部に接続され、荷役作業者が把持するための把持部12と、棒状部11の他端部に接続されたフォーク取付部13と、棒状部11とのなす角θが鈍角となるようにフォーク取付部13から延びる一対のフォーク部14と、一対のフォーク部14の各先端部に設けられた一対の先端爪部15と、少なくとも棒状部11の他端部に接続された一対のキャスター取付部160に取り付けられた一対のキャスター16とを有している。一対のフォーク部14は、パレットにおけるフォークリフトのフォークが差し込まれる複数の差込口のうちのいずれか1つの差込口に挿入される。
【選択図】
図3