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特許7475101抗力型タービン装置、前記抗力型タービン装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、並びに、前記抗力型タービン装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】抗力型タービン装置、前記抗力型タービン装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、並びに、前記抗力型タービン装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/06 20060101AFI20240419BHJP
【FI】
F03D3/06 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023574211
(86)(22)【出願日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 JP2023015637
【審査請求日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】P 2022106379
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515043772
【氏名又は名称】株式会社チャレナジー
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(72)【発明者】
【氏名】清水 敦史
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106677991(CN,A)
【文献】特開2004-183640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に軸支される支持軸と、
前記支持軸の軸方向に対して所定の間隔を空けて前記支持軸に固定される複数の支持部材と、
複数の前記支持部材の間を前記軸方向に沿って、かつ、前記支持軸の径方向に離間した状態で前記支持軸の周囲に配置されて、複数の前記支持部材により支持される複数の受圧部材とを備え、
複数の前記支持部材の各間には、前記支持軸に対して対称的に一対の前記受圧部材が配置されており、
複数の前記受圧部材の各々は、
前記軸方向に垂直な平面視において、前記径方向外側に配置される外側端と、前記支持軸に対して前記外側端の反対側で前記外側端よりも前記径方向内側に配置される内側端との間に延設される壁面部として、
前記外側端から、前記受圧部材が流体圧を受けて前記支持軸が回転するときの進行方向側かつ前記支持軸寄りに延設されて、前記径方向外側に膨出する曲面状に形成された外側壁面部と、
前記外側壁面部から、湾曲状又は屈曲状の外側境界部を介して前記進行方向側かつ前記支持軸寄りに延設されて、平面状に形成された中間壁面部と、
前記中間壁面部から、湾曲状又は屈曲状の内側境界部を介して前記中間壁面部よりも前記進行方向側に配置された前記内側端に延設されて、平面状に形成された内側壁面部とを有する、
抗力型タービン装置。
【請求項2】
前記中間壁面部と、前記内側壁面部とは、
前記平面視において、前記内側境界部を介して前記径方向外側に凸状となるように配置されることで、前記支持軸側に鈍角を形成し、
一対の前記受圧部材は、
前記平面視における一対の前記受圧部材同士の間隔として、前記内側端側では相対的に狭く、前記内側境界部側では相対的に広くなるように配置される、
請求項1に記載の抗力型タービン装置。
【請求項3】
一対の前記受圧部材の各々は、
前記平面視において、以下の条件式(A1)、(B1)及び(C1)を満たす、
請求項2に記載の抗力型タービン装置。
0.2≦(s/R)≦0.9 (A1)
d+2t≦s-0.5×R+0.2×D (B1)
d+2t>s (C1)
ただし、
Dは、前記外側端の外接円の直径、
dは、前記支持軸の直径、
Rは、前記外側壁面部の曲率半径、
sは、一方の前記受圧部材の前記中間壁面部と、他方の前記受圧部材の前記内側端との最短距離、
tは、前記受圧部材と、前記支持軸の外周面との最短距離、
である。
【請求項4】
前記内側境界部は、
前記支持軸と平行な内側壁面部回動軸を中心にして前記内側壁面部を回動可能に支持する回動支持機構部を備え、
前記内側壁面部は、
前記回動支持機構部を介して前記中間壁面部に支持される、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の抗力型タービン装置。
【請求項5】
前記回動支持機構部は、
前記内側壁面部を前記進行方向側に回動させるように付勢する付勢部材を備え、
前記内側壁面部は、
前記付勢部材により付勢されることで前記内側壁面部の初期位置に位置決めされるとともに、
前記付勢部材の付勢力を超える遠心力が前記内側壁面部に作用したとき、前記初期位置から前記進行方向反対側に回動される、
請求項4に記載の抗力型タービン装置。
【請求項6】
前記外側壁面部、前記外側境界部及び前記中間壁面部は、
一体的に形成された、
請求項4に記載の抗力型タービン装置。
【請求項7】
前記支持軸、複数の前記支持部材及び複数の前記受圧部材を1つの抗力型タービンユニットとして、複数の前記抗力型タービンユニットを備え、
前記支持部材及び前記支持軸の少なくとも一方は、
複数の前記抗力型タービンユニットがそれぞれ備える前記支持軸が同軸上に配置されたときに隣接される前記支持部材同士及び前記支持軸同士の少なくとも一方を着脱可能に連結する連結機構部を備える、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の抗力型タービン装置。
【請求項8】
複数の前記支持部材のうち、前記軸方向の両端に配置される2つの前記支持部材は、それら2つの前記支持部材の間に配置される他の前記支持部材とは前記平面視において異なる形状を有する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の抗力型タービン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗力型タービン装置、前記抗力型タービン装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、並びに、前記抗力型タービン装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、抗力型タービン装置を用いた回転装置や発電機が知られている。例えば、抗力型風力発電機として、特許文献1には、横断面がC字状(円弧状)の複数のブレードを有するサボニウス型風車が開示され、特許文献2には、横断面がJ字状の複数のブレードを有するバッハ型風車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-152937号公報
【文献】特開平6-323237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2に開示された抗力型風力発電機では、抗力型風力発電機の回転中心に支持軸を備えることなく、上下方向に間隔を空けて配置された支持部材によりブレードを支持するものである。そのため、ブレードの設計では、その形状や配置の自由度が高いというメリットを有するが、支持軸を備えない構成とした場合に装置の強度を確保するには、ブレードの強度を高める必要があるため、ブレードの重量が大きくなり、装置コストの上昇が避けらなかった。一方、抗力型風力発電機の回転中心に支持軸を備える構成とした場合、支持軸の存在によりブレードの設計に制約が生じるほか、風上側から風下側に進むブレードから、風下側から風上側に進むブレードに向かって流入する気流が阻害されるため、発電効率の低下を招くことになり、装置の性能と強度の向上を両立させることは困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、装置の性能と強度の向上を両立させることを可能とする抗力型タービン装置、前記抗力型タービン装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、並びに、前記抗力型タービン装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決するものであって、本発明の一実施形態に係る抗力型タービン装置は、
回転可能に軸支される支持軸と、
前記支持軸の軸方向に対して所定の間隔を空けて前記支持軸に固定される複数の支持部材と、
複数の前記支持部材の間を前記軸方向に沿って、かつ、前記支持軸の径方向に離間した状態で前記支持軸の周囲に配置されて、複数の前記支持部材により支持される複数の受圧部材とを備え、
複数の前記受圧部材の各々は、
前記軸方向に垂直な平面視において、前記径方向外側に配置される外側端と、前記支持軸に対して前記外側端の反対側で前記外側端よりも前記径方向内側に配置される内側端との間に延設される壁面部として、
前記外側端から、前記受圧部材が流体圧を受けて前記支持軸が回転するときの進行方向側かつ前記支持軸寄りに延設されて、前記径方向外側に膨出する凸面状に形成された外側壁面部と、
前記外側壁面部から、湾曲状又は屈曲状の外側境界部を介して前記進行方向側かつ前記支持軸寄りに延設されて、前記外側壁面部よりも緩やかに前記径方向外側に膨出する凸面状又は平面状に形成された中間壁面部と、
前記中間壁面部から、湾曲状又は屈曲状の内側境界部を介して前記中間壁面部よりも前記進行方向側に配置された前記内側端に延設されて、前記径方向外側に膨出する凸面状又は平面状に形成された内側壁面部とを有する。
【0007】
本発明の一実施形態に係る風力回転装置、水力回転装置又は潮力回転装置は、前記抗力型タービン装置を用いたものである。本発明の一実施形態に係る風力発電機、水力発電機又は潮力発電機は、前記抗力型タービン装置を用いたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態に係る抗力型タービン装置によれば、複数の受圧部材の各々が、支持軸の軸方向に垂直な平面視において、径方向外側に配置される外側端と、支持軸に対して外側端の反対側で外側端よりも径方向内側に配置される内側端との間に延設される壁面部として、外側端から、進行方向側かつ支持軸寄りに延設されて、径方向外側に膨出する凸面状に形成された外側壁面部と、外側壁面部から、進行方向側かつ支持軸寄りに延設されて、外側壁面部よりも緩やかに径方向外側に膨出する凸面状又は平面状に形成された中間壁面部と、中間壁面部から、中間壁面部よりも進行方向側に配置された内側端に延設されて、径方向外側に膨出する凸面状又は平面状に形成された内側壁面部とを有する。
【0009】
これにより、複数の受圧部材は、支持軸に固定された複数の支持部材により支持されることにより、装置全体では、モノコック構造をなすように構成されるとともに、支持軸と複数の受圧部材との間に間隙を形成するように配置される。そして、所定の方向から流体の流れを受けたとき、その流体は、外側端から外側壁面部に沿って流れ込み、支持軸と中間壁面部及び内側壁面部との間を通過し、内側端から流れ出る。そのため、装置の性能と強度の向上を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Aの一例を示す全体斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Aの一例を示す部分分解斜視図である。
図3】第1の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Aの一例を示す横断面図である。
図4】第1の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Aの配置例と各パラメータを示す概要図である。
図5A】受圧部材5の第1のパラメータ例における出力係数Cpを示す分布図である。
図5B】受圧部材5の第2のパラメータ例における出力係数Cpを示す分布図である。
図5C】受圧部材5の第3のパラメータ例における出力係数Cpを示す分布図である。
図5D】受圧部材5の第4のパラメータ例における出力係数Cpを示す分布図である。
図5E】受圧部材5の第5のパラメータ例における出力係数Cpを示す分布図である。
図5F】受圧部材5の第6のパラメータ例における出力係数Cpを示す分布図である。
図6A】受圧部材5の第1のパラメータ例における出力係数比Cp_ratioを示す分布図である。
図6B】受圧部材5の第2のパラメータ例における出力係数比Cp_ratioを示す分布図である。
図6C】受圧部材5の第3のパラメータ例における出力係数比Cp_ratioを示す分布図である。
図6D】受圧部材5の第4のパラメータ例における出力係数比Cp_ratioを示す分布図である。
図6E】受圧部材5の第5のパラメータ例における出力係数比Cp_ratioを示す分布図である。
図6F】受圧部材5の第6のパラメータ例における出力係数比Cp_ratioを示す分布図である。
図7】第2の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Bの一例を示す全体斜視図である。
図8】第2の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Bの一例を示す部分分解斜視図である。
図9】第2の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Bの一例を示す横断面図である。
図10】第3の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Cの一例を示す全体斜視図である。
図11】第4の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Dの一例を示す全体斜視図である。
図12】第4の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Dの一例を示す横断面図である。
図13】第5の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Eの一例を示す全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の具体的な実施形態を示す。実施形態はあくまで一例であり、この例に限定されるものではない。なお、以下の実施形態では、抗力型タービン装置の適用例の1つとして、抗力型タービン装置を用いた垂直軸抗力型風力発電機1(1A~1E)について説明する。また、実施形態の説明において、「平行」とは、完全に平行な場合だけでなく、垂直軸抗力型風力発電機1の機能が損なわれない程度のずれを許容した略平行な場合も含む。同様に、「垂直」とは、完全に垂直な場合でだけでなく、垂直軸抗力型風力発電機1の機能が損なわれない程度のずれを許容した略垂直な場合も含む。さらに、実施形態の説明において、「円弧」とは、完全に真円状の円弧である場合だけでなく、垂直軸抗力型風力発電機1の機能が損なわれない程度のずれを許容した略円弧である場合も含む。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Aの一例を示す全体斜視図である。図2は、第1の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Aの一例を示す部分分解斜視図である。図3は、第1の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Aの一例を示す横断面図である。
【0013】
垂直軸抗力型風力発電機1Aは、設置面(不図示)に設置される支持筐体2と、支持筐体2に回転可能に軸支される支持軸3と、支持軸3の軸方向Daに対して所定の間隔L1を空けて支持軸3に固定される複数の支持部材4と、複数の支持部材4の間を軸方向Daに沿って、かつ、支持軸3の径方向Dr1,Dr2に離間した状態で支持軸3の周囲に配置されて、複数の支持部材4により支持される複数の受圧部材5とを備える。垂直軸抗力型風力発電機1Aは、受圧部材5が所定の方向から流れる風(空気流)による風圧(流体圧)を受けることで、支持軸3が進行方向Dt(本実施形態では、時計回り(図3参照))に回転するものであり、抗力型の風力タービンとして機能する。
【0014】
垂直軸抗力型風力発電機1Aの各構成部材(支持筐体2、支持軸3、支持部材4、受圧部材5)は、例えば、アルミニウム、ステンレス、チタニウム、鉄鋼等の金属材料(合金を含む)、炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂等の繊維強化樹脂材料、ポリカーボネイトや塩化ビニル等の樹脂材料、又は、これらの複合材料を用いて製作される。なお、各構成部材は、上記のような各種の材料を適宜組み合わせて製作されてもよく、例えば、構成部材毎に異なる材料を用いて製作されてもよいし、構成部材の一部又は全てが、共通の材料を用いて製作されてもよい。
【0015】
本実施形態では、垂直軸抗力型風力発電機1Aが、図1に示すように、複数の支持部材4として、4つの支持部材4を備えるとともに、複数の受圧部材5として、4つの支持部材4の各間において、支持軸3に対して対称的に配置される一対の受圧部材5を備える、すなわち、全体では6つの受圧部材5を備える場合を中心に説明する。
【0016】
支持筐体2は、支持軸3と同軸状に配置される円筒状の筐体である。支持筐体2は、その上部に、支持軸3を軸支するとともに、支持軸3が回転する際の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電ユニット20を備える。なお、支持筐体2は、図1に示すように、支持軸3の下端側だけを支持するものでもよいし、支持軸3の下端側に加えて支持軸3の上端側(支持軸3の上端でもよいし、支持軸3の上端に連結されたシャフト部材でもよい)をさらに支持するものでもよい。また、支持筐体2は、トラス状の筐体としてもよい。
【0017】
発電ユニット20は、例えば、アウターロータ型の発電機で構成される。なお、発電ユニット20は、インナーロータ型の発電機で構成されてもよい。また、支持軸3と、発電ユニット20とは、直接連結されてもよいし、増速機を介して連結されてもよい。
【0018】
支持軸3は、円筒状又は円柱状のシャフト部材で構成され、回転中心軸O1を中心に発電ユニット20により軸支される。なお、支持軸3は、図2に示すように、1本のシャフト部材で構成されてもよいし、間隔L1と同程度の長さを有する複数本(本実施形態では、3本)のシャフト部材を連結することで構成されてもよい。
【0019】
複数の支持部材4の各々は、例えば、所定の平面視形状を有する平板材でそれぞれ構成され、支持軸3がその中央付近を貫通するようにして、支持軸3に対して任意の固定方法(溶接、接着、ねじ固定、圧入、リベット、ピン結合、継手等)により固定される。その際、複数の支持部材4の各々は、例えば、リング状又はフランジ状に形成された連結固定部材30(図2では不図示)を介して支持軸3に固定される。また、複数の支持部材4の各々は、その間に配置された一対の受圧部材5に任意の固定方法(詳細は後述)により固定される。
【0020】
なお、複数の支持部材4のうち、少なくとも両端に配置された支持部材4(図1の例では、下から1つ目及び4つ目の支持部材4)が、連結固定部材30を介して支持軸3に固定されていればよく、両端の間に配置された中間の支持部材4の一部又は全て(図1の例では、下から2つ目及び3つ目の支持部材4)は、連結固定部材30を介して支持軸3に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。その際、支持軸3に固定されていない中間の支持部材4は、受圧部材5同士を軸方向Daに連結するとともに、受圧部材5を補強する連結補強部材として機能し、例えば、支持軸3が支持部材4に形成された貫通孔を通過するようにしてもよいし、支持軸3と支持部材4の貫通孔との間の隙間を塞ぐように、例えば、ゴム等の弾性材料でリング状に形成された連結弾性部材が配置されていてもよい。
【0021】
複数の支持部材4の各々は、その平面視形状として、軸方向Daに垂直な平面視(図3参照)において、一対の受圧部材5がそれぞれ有する外側壁面部50(詳細は後述)に沿って形成された一対の外側壁面外形部40と、一対の外側壁面外形部40同士を直線状に結ぶように形成された一対の直線外形部41とを備える。
【0022】
一対の受圧部材5の各々は、軸方向Daに垂直な平面視(図3参照)において、径方向外側Dr1に配置される外側端53と、支持軸3に対して外側端53の反対側で外側端53よりも径方向内側Dr2に配置される内側端54との間に延設される壁面部50~52として、外側壁面部50と、中間壁面部51と、内側壁面部52とを有するとともに、外側壁面部50及び中間壁面部51の境界部分に配置される外側境界部55と、中間壁面部51及び内側壁面部52の境界部分に配置される内側境界部56とを有する。また、一対の受圧部材5の各々は、受圧部材5の軸方向Daの両端を支持部材4にそれぞれ取り付けるための取付部57~59として、外側取付部57と、中間取付部58と、内側取付部59とを有する。
【0023】
外側壁面部50は、外側端53から進行方向側Dtかつ支持軸3寄りに延設されて、径方向外側Dr1に膨出する凸面状に形成された壁面部である。外側壁面部50は、風の流れを阻害しない凸面状であればよく、例えば、平面視形状が円弧、楕円弧、その他の曲線等となる曲面状でもよいし、平面視形状が内角が鈍角の多角形等となる多角面状でもよいし、曲面状及び多角面状を組み合わせたものでもよい。なお、外側壁面部50が円弧の曲面状である場合、その円弧の中心角は、例えば、75度から135度の範囲が好ましく、さらに、90度から120度の範囲がより好ましい。また、外側壁面部50が円弧以外の平面視形状である場合には、円弧の場合と同程度の範囲に延設されるようにすればよい。
【0024】
中間壁面部51は、外側壁面部50から外側境界部55を介して進行方向側Dtかつ支持軸3寄りに延設されて、外側壁面部50よりも緩やかに径方向外側Dr1に膨出する凸面状又は平面状に形成された壁面部である。中間壁面部51は、外側壁面部50とは異なる平面視形状を有するものであればよく、例えば、凸面状として、平面視形状が円弧、楕円弧、その他の曲線等となる曲面状でもよいし、平面視形状が内角が鈍角の多角形等となる多角面状でもよいし、曲面状及び多角面状を組み合わせたものでもよい。また、中間壁面部51は、平面視形状が直線となる平面状でもよい。なお、外側壁面部50の平面視形状が円弧又は楕円弧のような曲面状である場合、中間壁面部51は、その外側壁面部50の外側境界部55側の端部から延長された接線上に配置される平面状とし、外側境界部55は、その外側壁面部50(円弧又は楕円弧)と、その中間壁面部51(円弧又は楕円弧に対する接線)との境界に位置するようにしてもよい。これにより、外側壁面部50から中間壁面部51に向かう風の流れを円滑にすることができる。
【0025】
内側壁面部52は、中間壁面部51から内側境界部56を介して中間壁面部51よりも進行方向側Dtに配置された内側端54に延設されて、径方向外側Dr1に膨出する凸面状又は平面状に形成された壁面部である。内側壁面部52は、例えば、凸面状として、平面視形状が円弧、楕円弧、その他の曲線等となる曲面状でもよいし、平面視形状が内角が鈍角の多角形等となる多角面状でもよい。また、内側壁面部52は、平面視形状が直線となる平面状でもよい。
【0026】
中間壁面部51と、内側壁面部52とは、軸方向Daに垂直な平面視において、内側境界部56を介して径方向外側Dr1に凸状となるように配置されることで、中間壁面部51と内側壁面部52とは、支持軸3側に鈍角を形成する。なお、外側壁面部50と、中間壁面部51とについても、軸方向Daに垂直な平面視において、外側境界部55を介して径方向外側Dr1に凸状となるように配置されることで、外側壁面部50と、中間壁面部51とは、支持軸3側に鈍角を形成するようにしてもよい。
【0027】
外側境界部55及び内側境界部56は、湾曲状又は屈曲状に形成される。なお、外側境界部55及び内側境界部56の形状は、同一でもよいし、異なっていてもよい。また、外側境界部55が湾曲状とする場合には、外側壁面部50又は中間壁面部51と同一の曲面状として形成されてもよいし、内側境界部56が湾曲状とする場合には、中間壁面部51と同一の曲面状として形成されてもよい。
【0028】
壁面部50~52は、各部分(外側壁面部50、外側境界部55、中間壁面部51、内側境界部56及び内側壁面部52)のうち隣接する各部分の一部又は全体が一体的に形成されてもよいし、複数の部品を接合することで形成されてもよい。例えば、壁面部50~52の全体(外側壁面部50、外側境界部55、中間壁面部51、内側境界部56及び内側壁面部52)を一体的に形成する場合には、平板状の金属板や樹脂板等に対して、各部分に相当する範囲に曲げ加工を施すことで製作されるようにしてもい。これにより、壁面部50~52に継ぎ目や留め具がなくなるため、受圧部材5の流体抵抗を低減することができる。
【0029】
また、壁面部50~52は、別々の部品として形成された外側壁面部50、中間壁面部51及び内側壁面部52を、任意の固定方法(溶接、接着、ねじ固定、圧入、リベット、ピン結合、継手等)による固定部を介して固定することで製作されるようにしてもよい。この場合には、外側壁面部50及び中間壁面部51の固定部が、屈曲状の外側境界部55に対応し、中間壁面部51及び内側壁面部52の固定部が、屈曲状の内側境界部56に対応する。
【0030】
本実施形態では、一対の受圧部材5の各々は、図3に示すように、壁面部50~52の全体が一体的にそれぞれ形成されるとともに、外側壁面部50が、平面視形状が曲率半径Rの円弧となる円弧曲面状に形成され、中間壁面部51及び内側壁面部52は、平面状にそれぞれ形成され、外側境界部55及び内側境界部56は、湾曲状(円弧曲面状)に形成されたものである。また、一対の受圧部材5は、支持軸3の径方向Dr1,Dr2に離間した状態で支持軸3の周囲にて180度ずらした状態で対称的に配置される。そのため、一方の受圧部材5の中間壁面部51と、他方の受圧部材5の内側壁面部52とが対向する位置に配置されるとともに、一対の受圧部材5の各々の内側境界部56と支持軸3の外周面とに間に、間隙がそれぞれ形成される。また、一対の受圧部材5の各々は、中間壁面部51と、内側壁面部52とは、内側境界部56を介して径方向外側Dr1に凸状となるように配置されることで、軸方向Daに垂直な平面視における一対の受圧部材5同士の間隔として、内側端54側では相対的に狭く、内側境界部56側では相対的に広くなるように配置される。したがって、一対の受圧部材5は、支持軸3側に近づくほど一対の受圧部材5同士の間隔が広くなる。
【0031】
また、一対の受圧部材5が対称的に配置される際、一方の受圧部材5の内側端54は、軸方向Daに垂直な平面視において、他方の受圧部材5の外側端53と支持軸3の回転中心軸O1とを結ぶ線に対して進行方向側Dtに配置されるのが好ましく、他方の受圧部材5の外側端53と内側境界部56とを結ぶ線(後述の図4における破線)に対して進行方向側Dtに配置されるのがより好ましい。これにより、一対の受圧部材5の間に形成される通路の幅を適切に設定することができる。
【0032】
さらに、本実施形態では、複数の支持部材4の各々は、その平面視形状として、円弧曲面状の外側壁面部50に沿って形成された一対の外側壁面外形部40と、一対の外側壁面外形部40同士を結ぶように形成された一対の直線外形部41とを備える。したがって、複数の支持部材4の各々は、平面視において、平行に配置された2つの直線部分と、それら2つの直線部分の両端を半円状で接続する2つの曲線部分とで形成される。
【0033】
外側取付部57、中間取付部58及び内側取付部59は、外側壁面部50、中間壁面部51及び内側壁面部52に対して垂直に径方向外側Dr1に向かうようにそれぞれ形成されて、支持部材4の平板面と面接触し、任意の固定方法(溶接、接着、ねじ固定、リベット、継手等)により支持部材4に固定される。なお、取付部57~59は、壁面部50~52に対して、例えば、曲げ加工を施すことで一体的に形成されてもよいし、壁面部50~52とは別々の部品として形成されてもよい。また、外側取付部57は外側壁面部50に対して垂直に径方向内側Dr2に向かうように形成してもよい。本実施形態では、一対の受圧部材5の各々は、外側取付部57が、外側壁面部50とは別々の部品として形成されるとともに、中間取付部58及び内側取付部59が、中間取付部58及び内側取付部59と一体的に形成されたものである。
【0034】
上記の構成を有する垂直軸抗力型風力発電機1Aは、所定の方向(風上)から風を受けると、その風が、風下側の受圧部材5の外側端53と風上側の受圧部材5の内側端54との間を通過して、風下側の受圧部材5の外側壁面部50に沿って一対の受圧部材5の間に流れ込むことで、風下側の受圧部材5には、進行方向側Dtに回転させるように回転力(抗力)が作用する。そして、一対の受圧部材5の間に流れ込んだ風が、風下側の受圧部材5の中間壁面部51と風上側の受圧部材5の内側壁面部52との間、風上側及び風下側の受圧部材5の内側境界部56と支持軸3の外周面との間、風下側の受圧部材5の内側壁面部52と風上側の受圧部材5の中間壁面部51との間を順に通過した後、風上側の受圧部材5の外側壁面部50に沿って流れ出る。また、風上側の受圧部材5が、風上からの風を直接受けることで、その受圧部材5の外側壁面部50及び中間壁面部51を風下方向(進行方向反対側)に押圧するような回転力が発生する。一方、一対の受圧部材5の間に流れ込んだ風が風上側の受圧部材5の外側壁面部50に沿って流れ出るときに、その風を風上側の受圧部材5の外側壁面部50が受けることで、その受圧部材5の外側壁面部50を風上方向(進行方向側Dt)に押圧するような回転力が発生するため、進行方向反対側に作用する回転力の一部が、進行方向側Dtに作用する回転力により相殺される。
【0035】
このようにして、風下側の受圧部材5に対して進行方向側Dtに回転させるような回転力が作用し、その回転力(回転エネルギー)が支持部材4を介して支持軸3に伝達されて、支持軸3が回転される。そして、一対の受圧部材5は、風下側と風上側とを交互に入れ替えながら、一連の動作を繰り返し行うことで、支持軸3が連続的に回転されて、支持軸3に連結された発電ユニット20にて発電される。
【0036】
(受圧部材5のパラメータ範囲)
図4は、第1の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Aの配置例と各パラメータを示す概要図である。
【0037】
支持軸3の軸方向Daに垂直な平面視において、垂直軸抗力型風力発電機1Aの各部の配置や形状を特定するための各パラメータとして、
Dは、支持軸3の回転中心軸O1を中心とする外側端53の外接円の直径(外側端直径)、
dは、支持軸3の直径(支持軸直径)、
Rは、外側壁面部50の曲率半径、
sは、一方の受圧部材5の中間壁面部51と、他方の受圧部材5の内側端54との最短距離(第1の最短距離)、
tは、受圧部材5と、支持軸3の外周面との最短距離(第2の最短距離)、
θは、中間壁面部51と内側壁面部52とがなす角度、
であるものと定義する。上記の各パラメータ(D、d、R、s、t)は、各部の寸法に相当するため、正の値を取り得るものである。なお、曲率半径Rは、外側壁面部50が円弧曲面状である場合には、外側壁面部50の曲率半径に対応するパラメータであるが、外側壁面部50が多角面状である場合には、外側壁面部50の外接円弧の曲率半径に対応するパラメータとして扱うようにしてもよい。
【0038】
図5A図5Fは、受圧部材5のパラメータを変化させたときの出力係数Cpを示す分布図である。図6A図6Fは、受圧部材5のパラメータを変化させたときの出力係数比Cp_ratioを示す分布図である。
【0039】
垂直軸抗力型風力発電機1Aの出力係数Cpは、以下のように定義する。
Cp=P/(0.5×ρ×U3×D)
ただし、
Pは、垂直軸抗力型風力発電機1Aの高さ方向の単位幅あたりの出力、
ρは、空気密度、
Uは、風速である。
【0040】
垂直軸抗力型風力発電機1Aの出力係数比Cp_ratioは、以下のように定義する。
Cp_ratio=Cp/Cp_max
ただし、Cp_maxは、特定の条件でパラメータを変化させたときの出力係数Cpの最大値である。
【0041】
垂直軸抗力型風力発電機1Aの周速比λは、以下のように定義する。
λ=V/U
ただし、Vは、外側端53の回転速度(周速)である。
【0042】
図5A図5F及び図6A図6Fに示す各分布図は、周速比λが0.8である場合の出力係数Cp及び出力係数比Cp_ratioをシミュレーションによりそれぞれ算出したものである。シミュレーションの実施条件として、外側端直径D、支持軸直径d及び曲率半径Rの比率(D:d:R)が、以下の6つの設定比率をそれぞれ満たす場合において、2つのパラメータである第1の最短距離s、第2の最短距離tをそれぞれ変化させたときの出力係数Cp及び出力係数比Cp_ratioを算出したものである。
(1)第1の設定比率: D=1、d/D=0.1、 R/D=0.15
(2)第2の設定比率: D=1、d/D=0.1、 R/D=0.20
(3)第3の設定比率: D=1、d/D=0.1、 R/D=0.25
(4)第4の設定比率: D=1、d/D=0.05、R/D=0.15
(5)第5の設定比率: D=1、d/D=0.05、R/D=0.20
(6)第6の設定比率: D=1、d/D=0.05、R/D=0.25
【0043】
第1乃至第6の設定比率では、外側端直径Dを基準として、外側端直径D以外の他のパラメータ(支持軸直径d、曲率半径R)を正規化(1:d/D:R/D)している。例えば、第1の設定比率の場合、支持軸直径dは外側端直径Dに対して10%の比率となり、曲率半径Rは外側端直径Dに対して15%の比率となる。
【0044】
図5A図5F及び図6A図6Fでは、横軸に第1のパラメータ比率s/Rを割り当て、縦軸に第2のパラメータ比率(d+2t)/Dを割り当てるとともに、色の薄い部分では、出力係数Cp及び出力係数比Cp_ratioが大きく、色の濃い部分では、出力係数Cp及び出力係数比Cp_ratioが小さいことを示す。したがって、第1のパラメータ比率s/R及び第2のパラメータ比率(d+2t)/Dが、以下の条件式(A1)、(B)、(C)及び(D)(好ましくは(A2)、(B)、(C)及び(D)、より好ましくは(A3)、(B)(C)及び(D))を満たす場合に出力係数Cp及び出力係数比Cp_ratioが安定的に大きくなることが分かった。
【0045】
第1のパラメータ比率s/R及び第2のパラメータ比率(d+2t)/Dに対する条件式(A1)、(B)、(C)及び(D)は、以下のように定められる。条件式(A1)、(B)、(C)及び(D)により定まる領域Z1は、図5A図5F及び図6A図6Fの枠線で示すように、上記の6つの設定比率に対してそれぞれ特定される。
0.2≦(s/R)≦0.9 (A1)
(d+2t)/D≦(R/D)×(s/R)-(R/D)×0.5+0.2 (B)
(d+2t)/D>(R/D)×(s/R) (C)
(d+2t)/D>d/D (D)
【0046】
好ましい条件式として、第1のパラメータ比率s/R及び第2のパラメータ比率(d+2t)/Dに対する条件式(A2)、(B)、(C)及び(D)は、以下のように定められる。条件式(A2)、(B)、(C)及び(D)により定まる領域Z2は、図5A図5F及び図6A図6Fの枠線で示すように、上記の6つの設定比率に対してそれぞれ特定される。
0.2≦(s/R)≦0.8 (A2)
(d+2t)/D≦(R/D)×(s/R)-(R/D)×0.5+0.2 (B)
(d+2t)/D>(R/D)×(s/R) (C)
(d+2t)/D>d/D (D)
【0047】
より好ましい条件式として、第1のパラメータ比率s/R及び第2のパラメータ比率(d+2t)/Dに対する条件式(A3)、(B)、(C)及び(D)は、以下のように定められる。条件式(A3)、(B)、(C)及び(D)により定まる領域Z3は、図5A図5F及び図6A図6Fの枠線で示すように、上記の6つの設定比率に対してそれぞれ特定される。
0.4≦(s/R)≦0.6 (A3)
(d+2t)/D≦(R/D)×(s/R)-(R/D)×0.5+0.2 (B)
(d+2t)/D>(R/D)×(s/R) (C)
(d+2t)/D>d/D (D)
【0048】
上記の条件式(B)、(C)及び(D)は、以下の条件式(B1)、(C1)及び(D1)からそれぞれ変形されたものである。したがって、領域Z1~Z3は、条件式(B)、(C)及び(D)に代えて、条件式(B)、(C)及び(D)と等価な条件式(B1)、(C1)及び(D1)を用いて定めることができる。
d+2t≦s-0.5×R+0.2×D (B1)
d+2t>s (C1)
t>0 (D1)
【0049】
上記の条件式(C1)は、一方の受圧部材5の中間壁面部51と、他方の受圧部材5の内側端54との間の距離sが、支持軸直径dと、受圧部材5と支持軸3との間の距離tの2倍とを加算した値(d+2t)よりも小さいことを示す。これは、一対の受圧部材5の各々において、中間壁面部51と、内側壁面部52とは、内側境界部56を介して径方向外側Dr1に凸状となるように配置されることで、中間壁面部51と内側壁面部52とが、支持軸3側に鈍角(90°<θ<180°)を形成していることから、軸方向Daに垂直な平面視における一対の受圧部材5同士の間隔として、内側端54側では相対的に狭く、内側境界部56側では相対的に広くなることを特定するものである。言い換えると、一対の受圧部材5の各々は、中間壁面部51と内側壁面部52とが支持軸3側に鈍角(90°<θ<180°)を形成するように配置されるとともに、内側端54側の間隔(=s)よりも内側境界部56側の間隔(=d+2t)が広いことを特定するものである。これにより、支持軸3により装置の強度を確保しながら、一対の受圧部材5が、出力係数Cpの低下を招くことなく支持軸3を避けるように配置されるので、装置の性能と強度の向上を両立させることができる。また、上記の条件式(D1)は、第2の最短距離tが正の値であることを示す。
【0050】
なお、第1のパラメータ比率s/R及び第2のパラメータ比率(d+2t)/Dに対する条件式は、条件式(B1)、(C1)及び(D1)(条件式(B)、(C)及び(D)でもよい)を満たしつつ、条件式(A1)~(A3)における下限値及び上限値の組み合わせを適宜変更してもよく、例えば、条件式(A1)~(A3)に代えて、以下の条件式(A4)、(A5)及び(A6)のいずれかを組み合わせるようにしてもよい。また、条件式(A1)~(A6)において、その下限値を0.3に変更してもよいし、その上限値を0.7に変更してもよい。
0.2≦(s/R)≦0.6 (A4)
0.4≦(s/R)≦0.9 (A5)
0.4≦(s/R)≦0.8 (A6)
【0051】
また、第1のパラメータ比率s/R及び第2のパラメータ比率(d+2t)/Dに対する条件式は、以下の条件式(B2)をさらに組み合わせるようにしてもよい。
(d+2t)/D≦0.2 (B2)
【0052】
さらに、外側端直径D、支持軸直径d及び曲率半径Rの比率は、上記の6つの設定比率に限られず適宜変更してもよく、例えば、外側端直径D(=1)を基準として正規化した場合において、第1のパラメータ比率s/R及び第2のパラメータ比率(d+2t)/Dが上記の条件式のいずれかを満たすとともに、支持軸直径dが、以下の条件式(E)の範囲内、及び、曲率半径Rが、以下の条件式(F)の範囲内である場合には、出力係数Cpの向上が見込まれる。その際、周速比λは、0.8に限られず、例えば、0.6~0.8のような範囲でも同様に、出力係数Cpの向上が見込まれる。
0.05≦d/D≦0.10 (E)
0.15≦R/D≦0.25 (F)
【0053】
ここでは、垂直軸抗力型風力発電機1Aにおける各パラメータ(D、d、R、s、t)として、外側端直径D(=1)により他のパラメータ(支持軸直径d、曲率半径R、第1の最短距離s、第2の最短距離t)が正規化されたものとして説明したが、各パラメータ(D、d、R、s、t)が条件式を満たすときの具体的な数値(実寸法)は、複数の実施例にて実現されるものある。例えば、各パラメータ(D、d、R、s、t)が、第2の設定比率において、図5A図5Fの白抜きの黒丸で示す条件(s/R=0.5、(d+2t)/D=0.1)で規定されるとき、各パラメータは、以下の(S)で特定されるとともに、実寸法としては、例えば、以下の(S1)~(S3)に示すように、複数の実施例が含まれる。
(S)D=1、d/D=0.1、R/D=0.2、s/D=0.1、t/D=0.025
(S1)D= 1m、d=0.1m、R=0.2m、s=0.1m、t=0.025m
(S2)D= 5m、d=0.5m、R= 1m、s=0.5m、t=0.125m
(S3)D=10m、d= 1m、R= 2m、s= 1m、t=0.25m
【0054】
以上のように、本実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Aによれば、複数の受圧部材5の各々が、支持軸3の軸方向Daに垂直な平面視において、径方向外側Dr1に配置される外側端53と、支持軸3に対して外側端53の反対側で外側端53よりも径方向内側Dr2に配置される内側端54との間に延設される壁面部50~52として、外側端53から、進行方向側Dtかつ支持軸3寄りに延設されて、径方向外側Dr1に膨出する凸面状に形成された外側壁面部50と、外側壁面部50から、進行方向側Dtかつ支持軸3寄りに延設されて、外側壁面部50よりも緩やかに径方向外側Dr1に膨出する凸面状又は平面状に形成された中間壁面部51と、中間壁面部51から、中間壁面部51よりも進行方向側Dtに配置された内側端54に延設されて、径方向外側Dr1に膨出する凸面状又は平面状に形成された内側壁面部52とを有する。
【0055】
これにより、複数の受圧部材5は、支持軸3に固定された複数の支持部材4により支持されることにより、装置全体では、モノコック構造をなすように構成されるとともに、支持軸3と複数の受圧部材5との間に間隙を形成するように配置される。そして、所定の方向から流体の流れを受けたとき、その流体は、外側端53から外側壁面部50に沿って流れ込み、支持軸3と中間壁面部51及び内側壁面部52との間を通過し、内側端54から流れ出る。そのため、装置の性能と強度の向上を両立させることができる。
【0056】
また、支持部材4が、一対の直線外形部41により平行な直線状に形成されるので、例えば、垂直軸抗力型風力発電機1Aの製作時や搬送時に、直線外形部41を仮置面として横置きしたり、複数の垂直軸抗力型風力発電機1Aがそれぞれ有する支持部材4の直線外形部41同士を対向させることで縦積みしたりすることができる。
【0057】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Bの一例を示す全体斜視図である。図8は、第2の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Bの一例を示す部分分解斜視図である。図9は、第2の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Bの一例を示す横断面図である。
【0058】
本実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Bは、支持部材4の平面視形状が第1の実施形態と相違し、その他の基本的な構成は、第1の実施形態と同様である。以下では、本実施形態の特徴を中心に説明する。
【0059】
複数の支持部材4の各々は、その平面視形状として、軸方向Daに垂直な平面視(図9参照)において、一対の受圧部材5がそれぞれ有する外側壁面部50に沿って形成された一対の外側壁面外形部40と、一対の受圧部材5がそれぞれ有する中間壁面部51に沿って形成された一対の中間壁面外形部42と、一対の受圧部材5材がそれぞれ有する内側壁面部52に沿って形成された一対の内側壁面外形部43と、一対の外側壁面外形部40と一対の内側壁面外形部43とをそれぞれを結ぶように形成された一対の直線外形部44とを備える。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Bによれば、支持部材4が、外側壁面部50、中間壁面部51及び内側壁面部52に沿うように形成されるので、平面視における支持部材4の面積を小さくすることができる。そのため、装置の軽量化を図るとともに、支持部材4への積雪を小さくすることができ、積雪による破損の防止を図ることができる。
【0061】
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Cの一例を示す全体斜視図である。
【0062】
本実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Cは、複数の支持部材4(本実施形態では、4つ)として、異なる平面視形状を有する支持部材4A、4Bを備える点で第1及び第2の実施形態と相違し、その他の基本的な構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。以下では、本実施形態の特徴を中心に説明する。
【0063】
4つの支持部材4のうち、軸方向Daの両端に配置される2つの支持部材4Aは、第1の実施形態と同一の支持部材4で構成され、それら支持部材4Aの間に配置される2つの支持部材4Bは、第2の実施形態と同一の支持部材4で構成される。
【0064】
以上のように、本実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Cによれば、異なる平面視形状を有する支持部材4A、4Bを組み合わせて構成することができる。
【0065】
(第4の実施形態)
図11は、第4の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Dの一例を示す全体斜視図である。図12は、第4の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Dの一例を示す横断面図である。
【0066】
本実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Dは、複数の受圧部材5(本実施形態では、2つ)の各々が、中間壁面部51に対して回動可動な内側壁面部52を有する点で第1の実施形態と相違し、その他の基本的な構成は、第1の実施形態と同様である。以下では、本実施形態の特徴を中心に説明する。
【0067】
一対の受圧部材5の各々は、図11及び図12に示すように、外側壁面部50、外側境界部55及び中間壁面部51が一体的に形成されるとともに、外側取付部57及び中間取付部58を介して複数の支持部材4に固定される。また、その一体的に形成された外側壁面部50、外側境界部55及び中間壁面部51は、内側境界部56を介して内側壁面部52を支持する。
【0068】
内側境界部56は、支持軸3と平行な内側壁面部回動軸O2を中心にして内側壁面部52を回動可能に支持する回動支持機構部560を備える。回動支持機構部560は、軸方向Daに垂直な平面視において、内側壁面部回動軸O2を中心にして内側端54の位置を変更可能とする部品で構成され、例えば、蝶番や弾性部品等で構成される。また、回動支持機構部560は、内側壁面部52を進行方向側Dtに回動させるように付勢する付勢部材561と、付勢部材561により付勢された内側壁面部52の回動を規制するストッパ部材562とを備える。付勢部材561は、内側壁面部52を付勢するときの付勢力により、内側端54の位置を調節する調節部として機能する。
【0069】
内側壁面部52は、回動支持機構部560を介して中間壁面部51に支持される。内側端54は、内側壁面部52が付勢部材561により付勢されてストッパ部材562に当接することで初期位置P1に位置決めされる。そして、付勢部材561の付勢力を超える遠心力が内側壁面部52に作用したとき、内側壁面部52は、進行方向反対側に回動されることで、内側端54は、その遠心力の大きさに応じて、例えば、中間壁面部51の延長線上に位置する中間位置P2や、中間壁面部51の延長線よりも進行方向反対側に位置する開位置P3に移動される。開位置P3は、内側壁面部52が進行方向反対側に回動されたときの内側端54の限界位置であり、図12のように、支持部材4の内側に設定されてもよいし、支持部材4の外側に設定されてもよい。その際、開位置P3は、例えば、内側壁面部52と中間壁面部51とがなす角度が90度になる位置に設定されてもよい。また、回動支持機構部560は、内側端54が開位置P3を超えて移動しないように規制する規制部材(不図示)を備えていてもよい。さらに、回動支持機構部560は、内側壁面部52に作用する遠心力を調整するために、内側壁面部52の内側端54側、かつ径方向内側Dr2側にウェイト部材(錘)を備えていてもよい。
【0070】
なお、回動支持機構部560は、内側端54の位置調節部として、付勢部材561に代えて又は加えて、モータやシリンダ等のアクチュエータを備えることにより自動で調節するものでもよい。また、回動支持機構部560は、付勢部材561に代えて又は加えて、内側壁面部52又はストッパ部材562に磁石を備えることにより、磁力によって内側壁面部52が初期位置P1に位置決めされる構成としてもよい。この場合、磁石の磁力を超える遠心力が内側壁面部52に作用したとき、内側壁面部52は、進行方向反対側に回動されることで、内側端54は、その遠心力の大きさに応じて、中間位置P2や開位置P3に移動される。また、回動支持機構部560は、付勢部材561、アクチュエータ及び磁石の有無に関わらず、内側端54の位置を手動で調節し、例えば、内側端54の位置を初期位置P1、中間位置P2又は開位置P3に固定されるものでもよいし、初期位置P1と開位置P3との間の任意の位置に固定されるものでもよい。
【0071】
以上のように、本実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Dによれば、回動支持機構部560が、内側壁面部回動軸O2を中心にして内側壁面部52を回動可能に支持するので、内側端54の位置を調節することができる。そのため、内側端54の位置に応じて、受圧部材5に発生する回転力を変更することができ、内側端54の位置が中間位置P2又は開位置P3に近づくほど受圧部材5に発生する回転力は小さくなるので、垂直軸抗力型風力発電機1Dの空力的ブレーキとして機能させることができる。
【0072】
また、垂直軸抗力型風力発電機1Dのフェザリング時のように、所定の方向から風を受けたときの回転トルクを最小にして垂直軸抗力型風力発電機1Dの回転を停止させる場合に、内側壁面部52を中間位置P2又は開位置P3に移動させることで、受圧部材5に発生する回転力を抑制することができるので、フェザリング時の姿勢を安定させることができる。
【0073】
さらに、回動支持機構部560が、内側壁面部52を付勢する付勢部材561を備えるので、例えば、強風や暴風により、付勢部材561の付勢力を超える遠心力が内側壁面部52に作用すると、内側端54の位置は、進行方向反対側に回動されて、中間位置P2又は開位置P3に近づくため、受圧部材5に発生する回転力を小さくすることができる。そのため、垂直軸抗力型風力発電機1Dの過回転を防止することができる。
【0074】
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Eの一例を示す全体斜視図である。
【0075】
本実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Eは、支持軸3、複数の支持部材4(本実施形態では、3つ)及び複数の受圧部材5(本実施形態では、4つ(二対))を1つの抗力型タービンユニット10として、複数の抗力型タービンユニット10を備えることで、タンデム構造を有する点で第1の実施形態と相違し、その他の基本的な構成は、第1の実施形態と同様である。以下では、本実施形態の特徴を中心に説明する。
【0076】
支持軸3は、複数の抗力型タービンユニット10がそれぞれ備える支持軸3が同軸上に配置されたときに隣接される支持軸3同士を着脱可能に連結する連結機構部31を備える。また、支持部材4は、複数の抗力型タービンユニット10がそれぞれ備える支持軸3が同軸上に配置されたときに隣接される支持部材4同士を着脱可能に連結する連結機構部45を備える。支持軸3の連結機構部31及び支持部材4の連結機構部45は、例えば、任意の連結方法(ねじ固定、リベット、ピン結合、継手等)により支持軸3同士又は支持部材4同士を連結するものであり、例えば、工具により着脱可能とするものでもよいし、工具が不要なワンタッチで着脱可能とするものでもよい。なお、支持軸3の連結機構部31及び支持部材4の連結機構部45の一方は省略されてもよい。
【0077】
なお、本実施形態では、垂直軸抗力型風力発電機1Eは、図13に示すように、2組の抗力型タービンユニット10を備える場合について説明するが、抗力型タービンユニット10の組数は、3組以上でもよい。また、複数の抗力型タービンユニット10が、支持軸3の連結機構部31及び支持部材4の連結機構部45の少なくと一方を介して連結されたとき、複数の抗力型タービンユニット10がそれぞれ備える受圧部材5は、図11に示すように、同一の向きに配置されるようにしてもよいし、異なる向きに配置されてもよく、その場合、例えば、90度ずつずらすようにしてもよいし、螺旋状にずらすようにしてもよい。また、抗力型タービンユニット10を構成する支持部材4及び受圧部材5の数は適宜変更してもよく、例えば、抗力型タービンユニット10を、2つの支持部材4と、2つ(一対)の受圧部材5とで構成するようにしてもよい。さらに、支持部材4及び受圧部材5の少なくとも一方の数が異なるような複数種類の抗力型タービンユニット10を連結するようにしてもよい。
【0078】
以上のように、本実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1Eによれば、複数の抗力型タービンユニット10が連結することで、1つの垂直軸抗力型風力発電機1Eが構成されるので、抗力型タービンユニット10のユニット数に応じて、垂直軸抗力型風力発電機1Eとしての発電出力を変更することができる。
【0079】
(他の実施形態)
上記のように、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0080】
上記実施形態では、各実施形態の垂直軸抗力型風力発電機1A~1Eが有する特徴をそれぞれ説明したが、各実施形態の特徴を適宜組み合わせてもよく、第1乃至第5の実施形態のうち、任意の2つ以上を適宜組み合わせてもよいし、全てを組み合わせてもよい。例えば、第2又は第3の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1B、1Cが、第4の実施形態に係る回動支持機構部560を備えるようにしてもよいし、第2乃至第4の実施形態に係る垂直軸抗力型風力発電機1B~1Dが、第5の実施形態に係るタンデム構造を採用してもよい。
【0081】
上記実施形態では、複数の支持部材4として、3つ又は4つの支持部材4を備える場合について説明したが、支持部材4の数は、2つでもよいし、5つ以上でもよい。
【0082】
上記実施形態では、受圧部材5が、回転中心軸O1を中心として時計回りに回転する場合について説明したが、反時計回りに回転するようにしてもよく、その場合には、支持部材4及び受圧部材5の形状を反転させればよい。
【0083】
上記実施形態では、複数の受圧部材5として、一対(2つ)の受圧部材5を備える場合について説明したが、受圧部材5の数は、3つ以上でもよく、その場合には、支持軸3の周囲に等間隔に、かつ、支持軸3に対して対称的に配置すればよい。
【0084】
上記実施形態では、支持部材4は、例えば、平板材で構成される場合について説明したが、支持部材4は、その一部を貫通するような任意の形状の貫通孔を備えるものでもよい。貫通孔の数は、複数でもよく、その場合には、支持軸3に対して対称的に配置されるようにすればよい。これにより、装置の軽量化を図るとともに、支持部材4への積雪を小さくすることができ、積雪による破損の防止を図ることができる。
【0085】
上記実施形態では、支持軸3(回転中心軸O1)を、設置面に対して垂直(鉛直)に配置した、すなわち、鉛直方向に対して平行に配置したものとして説明したが、鉛直方向に対して斜めに配置してもよいし、鉛直方向に対して直角に、すなわち、水平方向に配置してもよい。
【0086】
上記実施形態では、抗力型タービン装置の適用例の1つとして、抗力型タービン装置を用いた垂直軸抗力型風力発電機1A~1Eについて説明したが、支持軸3を発電ユニット20に連結することに代えて、支持軸3をポンプ等の回転機械に連結することにより、抗力型タービン装置を用いた風力回転装置としてもよい。
【0087】
上記実施形態では、抗力型タービン装置の適用例の1つとして、抗力型タービン装置を用いた垂直軸抗力型風力発電機1A~1Eについて説明したが、エネルギー源として、風(空気流)を用いることに代えて、水流、波、潮流等を用いることにより、抗力型タービン装置を用いた水力発電機又は潮力発電機としてもよいし、さらに支持軸3を発電ユニット20に連結することに代えて、支持軸3をポンプ等の回転機械に連結することにより、抗力型タービン装置を用いた水力回転装置又は潮力回転装置としてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1A~1E…垂直軸抗力型風力発電機(抗力型タービン装置)、2…支持筐体、
3…支持軸、4、4A、4B…支持部材、5…受圧部材、
10…抗力型タービンユニット、20…発電ユニット、
30…連結固定部材、31…連結機構部、
40…外側壁面外形部、41…直線外形部、42…中間壁面外形部、
43…内側壁面外形部、44…直線外形部、45…連結機構部
50…外側壁面部、51…中間壁面部、52…内側壁面部
53…外側端、54…内側端、55…外側境界部、56…内側境界部、
57…外側取付部、58…中間取付部、59…内側取付部、
560…回動支持機構部、561…付勢部材、562…ストッパ部材
【要約】
【課題】装置の性能と強度の向上を両立させることを可能とする抗力型タービン装置を提供する。
【解決手段】抗力型タービン装置1Aは、支持軸3と、支持軸3の軸方向に対して所定の間隔を空けて支持軸3に固定される複数の支持部材4と、複数の支持部材4の間を軸方向に沿って、かつ、支持軸3の径方向に離間した状態で支持軸3の周囲に配置されて、複数の支持部材4により支持される複数の受圧部材5とを備える。受圧部材5は、軸方向に垂直な平面視において、外側端53と内側端54との間に延設される壁面部として、外側端53から進行方向側かつ支持軸寄りに延設されて、径方向外側に膨出する凸面状に形成された外側壁面部50と、外側壁面部50から進行方向側かつ支持軸寄りに延設されて、凸面状又は平面状に形成された中間壁面部51と、中間壁面部51から内側端54に延設されて、凸面状又は平面状に形成された内側壁面部52とを有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13