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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】遊技システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240419BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 352L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024006666
(22)【出願日】2024-01-19
【審査請求日】2024-01-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591085972
【氏名又は名称】日本ゲームカード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】小田 直樹
【審査官】佐藤 嘉純
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-035231(JP,A)
【文献】特開2014-014402(JP,A)
【文献】特開2002-210188(JP,A)
【文献】特開2023-146233(JP,A)
【文献】特開平10-290877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F7/02
A63F5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値を使用して遊技が可能な遊技機に対応付けて設置される遊技用装置と、遊技者が所有する携帯端末と、前記遊技用装置及び前記携帯端末との通信が可能な管理機能部と、を含む遊技システムであって、
前記管理機能部は、遊技者によるチャージ要求に基づいて、指定された額の有価価値を生成し、前記有価価値を前記携帯端末に対応付けた情報である携帯対応情報を管理する情報管理手段を備え、
前記管理機能部又は前記携帯端末は、前記携帯対応情報のうち、前記情報管理手段によって前記携帯端末に対応付けられた前記有価価値である携帯対応価値を前記情報管理手段から取得して記憶する有価価値記憶手段を備え、
前記管理機能部又は前記携帯端末は、遊技者による使用要求に基づいて、指定された額の前記携帯対応価値を前記有価価値記憶手段から引き落として前記遊技用装置に入金する入金実行手段を備え、
前記遊技用装置は、入金された前記携帯対応価値を直接又は間接的に記憶し、遊技者による変換要求に基づいて、指定された額の前記携帯対応価値を前記遊技価値に変換して前記遊技機に付与する遊技価値付与手段を備え、
前記管理機能部、前記携帯端末又は前記遊技用装置は、前記入金実行手段によって前記遊技用装置に入金された前記携帯対応価値の累計額が所定の条件を満たすか否かを判定する条件判定手段を備え、
前記管理機能部、前記携帯端末又は前記遊技用装置は、前記条件判定手段における判定結果に基づいて、前記所定の条件が満たされたことを報知する報知手段を備え、
前記有価価値記憶手段は、前記入金実行手段による遊技当日の初回の前記使用要求に基づく前記携帯対応価値の入金時を遊技開始時刻とみなして、前記遊技開始時刻前に前記携帯端末に対応付けられた前記携帯対応価値である遊技前対応価値と、前記遊技開始時刻以降に前記携帯端末に対応付けられた前記携帯対応価値である遊技中対応価値とを区別して記憶する価値識別記憶機能を有し、
前記所定の条件は、前記累計額のうち、前記遊技中対応価値から入金された前記携帯対応価値を累計した遊技中対応価値累計額が、遊技当日に所定額に到達することである、
ことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記遊技用装置は、遊技者が所持する記録媒体を受け付け、前記記録媒体が遊技店に会員登録をした遊技者に発行される会員用記録媒体であるか否かの識別が可能な記録媒体処理手段を備え、
前記報知手段は、前記記録媒体が前記会員用記録媒体である場合で、かつ、遊技者が希望する場合に、前記所定の条件が満たされたことの報知を有効にする報知有効化機能を有し、
前記条件判定手段は、前記記録媒体が前記会員用記録媒体である場合に、遊技者による設定要求に基づいて、遊技者が遊技にのめり込む遊技依存傾向を判断できる指標として定めた1日の遊技に使用可能な上限額を前記所定額とする上限額設定機能を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、前記有価価値記憶手段と、前記入金実行手段と、前記遊技開始時刻を境に遊技前状態から遊技中状態へと状態遷移する状態遷移手段と、を備え、
前記有価価値記憶手段は、前記携帯端末の状態遷移に基づいて、前記遊技前状態の前記携帯端末に対応付けられた前記携帯対応価値を前記遊技前対応価値として認識し、前記遊技中状態の前記携帯端末に対応付けられた前記携帯対応価値を前記遊技中対応価値として認識することで、前記遊技前対応価値と前記遊技中対応価値とを区別する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記状態遷移手段は、遊技当日の日付を記憶し、前記日付が翌日以降になったことを検知したときに、前記遊技中状態から前記遊技前状態へと状態遷移する、
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記入金実行手段は、前記使用要求を受け付けたときに、前記有価価値記憶手段に前記遊技前対応価値と前記遊技中対応価値とが記憶されている場合、前記遊技前対応価値を前記遊技中対応価値よりも優先して引き落とす、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技システム。
【請求項6】
前記入金実行手段は、前記使用要求を受け付けたときに、前記遊技前対応価値の残額が前記遊技価値付与手段によって前記遊技価値に変換できる単位額よりも少額である場合、前記遊技前対応価値よりも前記遊技中対応価値を優先して引き落とす、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技システム。
【請求項7】
前記有価価値記憶手段は、前記入金実行手段によって遊技当日の初回の前記使用要求が受け付けられたときに、前記遊技中対応価値の残額がある場合、この残額を前記遊技中対応価値から前記遊技前対応価値に移行する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技システム。
【請求項8】
前記所定の条件は、前記累計額のうち、予め設定された複数日に跨る所定期間内の前記遊技中対応価値累計額を合計した遊技中対応価値合計累計額が、前記所定期間内に、記所定期間に対応する別の所定額に到達することである、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技価値を使用して遊技が可能な遊技機に対応付けて設置される遊技用装置と、遊技者が所有する携帯端末と、この遊技用装置及び携帯端末との通信が可能な管理機能部と、を含む遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技媒体として遊技球を使用する「ぱちんこ遊技機」(以下、「ぱちんこ遊技機」を「パチンコ機」という。)や、遊技媒体として遊技メダルを使用する「回胴式遊技機」(以下、「回胴式遊技機」を「パチスロ機」という。)による遊技では、各遊技機のそれぞれに対応付けて遊技用装置が設置されている。遊技用装置は、挿入口から挿入された現金の価値をプリペイド式の有価価値に変換し、この有価価値を遊技店が発行するIC(Integrated Circuit)カード等の記録媒体に関連付けて又は記録して管理する。遊技者は、例えば、記録媒体に関連付けられた有価価値の引き落としと引き換えにして、遊技店から貸し出される遊技媒体、又は、遊技機がいわゆる「スマート遊技機」である場合には、遊技店から付与される実体のない電子データである遊技点を使用して、遊技を楽しむことができる。
【0003】
一方、遊技機による遊技では、遊技者が遊技へ過度にのめり込み、日常生活や社会生活に支障をきたすいわゆるギャンブル等依存症の問題に社会的関心が高まっている。そのため、我が国では、ギャンブル等依存症への対策として「ギャンブル等依存症対策基本法」が施行され、遊技を提供する遊技店等の関係事業者により、ギャンブル等依存症の問題を取り扱う相談機関への支援や、ポスターやステッカー等の掲示物による啓発活動など、依存症の発症予防や再発防止のための種々の取り組みが行われている。
【0004】
ところで、近年、我が国では、クレジットカードやデビットカードによる決済の他、Suica(登録商標)等のICカードに記録されたプリペイド式の電子マネーによる決済や、スマートフォン等の携帯端末を用いたバーコード又はQRコード(登録商標)等の二次元コードによる決済など、現金を使用せずに支払いを行ういわゆるキャッシュレス決済の利用が推し進められている。このような政策は今後産業界全体に普及すると考えられ、現在はプリペイド式の現金による事前チャージのみで遊技が可能な遊技機や遊技用装置においても、キャッシュレス決済が導入される可能性は低くないと考えられる。
【0005】
しかし、例えば、携帯端末を用いた二次元コードによる決済が遊技用装置に導入され、キャッシュレス決済による入金が可能となった場合、遊技者が遊技中に離席することなく過度な入金をして遊技をし続けることが可能となってしまうため、遊技者がより遊技にのめり込んでしまう恐れがある。
そこで、特許文献1では、電子マネーとしての機能を有する携帯電話等の無線通信装置による決済が可能であり、遊技媒体の利用金額に関する情報である利用金額情報と、電子マネーの利用限度額に関する情報であって遊技媒体の利用限度額に関する利用限度額情報とを比較した結果に基づいて決済を行う遊技媒体貸出装置(遊技用装置)が提案されている。この遊技媒体貸出装置は、利用金額情報及び利用限度額情報を、無線通信装置又は店舗サーバから取得するため、遊技者が同一店舗内で遊技を行う遊技機を変えたり、異なる店舗で遊技を行ったりした場合でも、無線通信装置による遊技媒体の貸し出しを適切に制限することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5091510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の遊技媒体貸出装置(遊技用装置)のように、例えば、利用限度額として入金額の上限、例えば、1日に入金できる金額を3万円までとする上限を設けることは一般的であり、遊技へののめり込みを防止するという観点では十分な対策とは言えなかった。特に、遊技者は、遊技を開始する前は冷静でも遊技中は興奮状態になるため、一旦遊技を開始した後は適切な判断が困難な状態であることが考えられる。そこで、遊技者が冷静さを欠いている遊技中の行動に着目して、遊技者が遊技にのめり込んでいるとみなせる状態をより適切に判断できる遊技システムがあれば、より効果的に遊技へののめり込みを抑制することができる。
【0008】
そこで、本発明は、遊技中の行動から遊技者が遊技にのめり込んでいる状態を判定し、その判定結果に基づく報知を行うことで、より効果的に遊技へののめり込みを抑制できる遊技システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明に係る遊技システムは、遊技価値を使用して遊技が可能な遊技機に対応付けて設置される遊技用装置と、遊技者が所有する携帯端末と、前記遊技用装置及び前記携帯端末との通信が可能な管理機能部と、を含む遊技システムであって、前記管理機能部は、遊技者によるチャージ要求に基づいて、指定された額の有価価値を生成し、前記有価価値を前記携帯端末に対応付けた情報である携帯対応情報を管理する情報管理手段を備え、前記管理機能部又は前記携帯端末は、前記携帯対応情報のうち、前記情報管理手段によって前記携帯端末に対応付けられた前記有価価値である携帯対応価値を前記情報管理手段から取得して記憶する有価価値記憶手段を備え、前記管理機能部又は前記携帯端末は、遊技者による使用要求に基づいて、指定された額の前記携帯対応価値を前記有価価値記憶手段から引き落として前記遊技用装置に入金する入金実行手段を備え、前記遊技用装置は、入金された前記携帯対応価値を直接又は間接的に記憶し、遊技者による変換要求に基づいて、指定された額の前記携帯対応価値を前記遊技価値に変換して前記遊技機に付与する遊技価値付与手段を備え、前記管理機能部、前記携帯端末又は前記遊技用装置は、前記入金実行手段によって前記遊技用装置に入金された前記携帯対応価値の累計額が所定の条件を満たすか否かを判定する条件判定手段を備え、前記管理機能部、前記携帯端末又は前記遊技用装置は、前記条件判定手段における判定結果に基づいて、前記所定の条件が満たされたことを報知する報知手段を備え、前記有価価値記憶手段は、前記入金実行手段による遊技当日の初回の前記使用要求に基づく前記携帯対応価値の入金時を遊技開始時刻とみなして、前記遊技開始時刻前に前記携帯端末に対応付けられた前記携帯対応価値である遊技前対応価値と、前記遊技開始時刻以降に前記携帯端末に対応付けられた前記携帯対応価値である遊技中対応価値とを区別して記憶する価値識別記憶機能を有し、前記所定の条件は、前記累計額のうち、前記遊技中対応価値から入金された前記携帯対応価値を累計した遊技中対応価値累計額が、遊技当日に所定額に到達することである、ことを特徴とする。
【0010】
前記発明において、前記遊技用装置は、遊技者が所持する記録媒体を受け付け、前記記録媒体が遊技店に会員登録をした遊技者に発行される会員用記録媒体であるか否かの識別が可能な記録媒体処理手段を備え、前記報知手段は、前記記録媒体が前記会員用記録媒体である場合で、かつ、遊技者が希望する場合に、前記所定の条件が満たされたことの報知を有効にする報知有効化機能を有し、前記条件判定手段は、前記記録媒体が前記会員用記録媒体である場合に、遊技者による設定要求に基づいて、遊技者が遊技にのめり込む遊技依存傾向を判断できる指標として定めた1日の遊技に使用可能な上限額を前記所定額とする上限額設定機能を有していてもよい。
【0011】
前記発明において、前記携帯端末は、前記有価価値記憶手段と、前記入金実行手段と、前記遊技開始時刻を境に遊技前状態から遊技中状態へと状態遷移する状態遷移手段と、を備え、前記有価価値記憶手段は、前記携帯端末の状態遷移に基づいて、前記遊技前状態の前記携帯端末に対応付けられた前記携帯対応価値を前記遊技前対応価値として認識し、前記遊技中状態の前記携帯端末に対応付けられた前記携帯対応価値を前記遊技中対応価値として認識することで、前記遊技前対応価値と前記遊技中対応価値とを区別するようにしてもよい。
【0012】
前記発明において、前記状態遷移手段は、遊技当日の日付を記憶し、前記日付が翌日以降になったことを検知したときに、前記遊技中状態から前記遊技前状態へと状態遷移してもよい。
【0013】
前記発明において、前記入金実行手段は、前記使用要求を受け付けたときに、前記有価価値記憶手段に前記遊技前対応価値と前記遊技中対応価値とが記憶されている場合、前記遊技前対応価値を前記遊技中対応価値よりも優先して引き落としてもよい。
【0014】
前記発明において、前記入金実行手段は、前記使用要求を受け付けたときに、前記遊技前対応価値の残額が前記遊技価値付与手段によって前記遊技価値に変換できる単位額よりも少額である場合、前記遊技前対応価値よりも前記遊技中対応価値を優先して引き落としてもよい。
【0015】
前記発明において、前記有価価値記憶手段は、前記入金実行手段によって遊技当日の初回の前記使用要求が受け付けられたときに、前記遊技中対応価値の残額がある場合、この残額を前記遊技中対応価値から前記遊技前対応価値に移行してもよい。
【0016】
前記発明において、前記所定の条件は、前記累計額のうち、予め設定された複数日に跨る所定期間内の前記遊技中対応価値累計額を合計した遊技中対応価値合計累計額が、前記所定期間内に、前記所定額とは別の前記所定期間に対応する所定額に到達することでもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の遊技システムによれば、価値識別記憶機能を有する有価価値記憶手段が、遊技開始時刻前に携帯端末に対応付けられた遊技前対応価値と、遊技開始時刻以降に携帯端末に対応付けられた遊技中対応価値とを区別して記憶し、条件判定手段が、入金実行手段によって遊技用装置に入金された携帯対応価値の累計額のうち、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値を累計した遊技中対応価値累計額が、遊技当日に所定額に到達するか否かを判定する。そして、この判定結果に基づいて、報知手段が、遊技中対応価値累計額が遊技当日に所定額に到達したことを報知する。
そのため、有価価値記憶手段において、遊技開始前の冷静な状態と考えられる遊技客がチャージした遊技前対応価値と、遊技開始以降(遊技中)の興奮状態と考えられる遊技客がチャージした遊技中対応価値とを区別して管理できると共に、遊技中対応価値累計額が遊技当日に所定額に到達した場合に、その旨を報知手段による報知によって知らせることができる。したがって、従来ののめり込み防止対策と比較して、遊技者が興奮状態のときにチャージをした携帯対応価値の使い過ぎをより効果的に抑制することができる。特に、遊技当日の遊技開始前(遊技当日の前日以前を含む)にチャージされた遊技前対応価値は計画的に使用可能な携帯対応価値としてのめり込みの判定の対象外とし、遊技中対応価値のみを対象としてのめり込みを判定することができるので、遊技開始後に遊技者が遊技にのめり込んでいると想定される状態を適切に把握することができる。そして、遊技者が遊技にのめり込んでいると想定される状態を報知手段により報知することで、遊技者自身に遊技へののめり込みに気付く機会を与えることができる。
【0018】
本発明の遊技システムによれば、遊技用装置によって受け付けられた記録媒体が会員用記録媒体である場合に、報知手段による報知を遊技者が希望する場合に限定して有効化することができると共に、条件判定手段における所定の条件の所定額を、遊技者が遊技にのめり込む遊技依存傾向を判断できる指標として定めた1日の遊技に使用可能な上限額とすることができる。そのため、遊技店に会員登録をした遊技客は、1日の遊技に使用できる上限額を自ら設定できるので、設定した上限額の範囲内で、適度に遊技を楽しむことができる。また、遊技店が本発明の遊技システムを導入することにより、遊技店の会員の過度なのめり込みを抑制できる。
【0019】
本発明の遊技システムによれば、携帯端末が、有価価値記憶手段と、入金実行手段と、遊技開始時刻を境にして遊技前状態から遊技中状態へと状態遷移する状態遷移手段とを備え、この状態遷移手段による状態遷移に基づいて、有価価値記憶手段が、遊技前状態の携帯端末に対応付けられた携帯対応価値を遊技前対応価値と認識し、遊技中状態の携帯端末に対応付けられた携帯対応価値を遊技中対応価値と認識して区別する。そうすると、本発明の遊技システムにおける携帯端末が有価価値記憶手段、入金実行手段、及び、状態遷移手段を備えたものとなるので、例えば、有価価値記憶手段による状態遷移手段を使用した遊技前対応価値と遊技中対応価値との区別や、携帯対応価値の入金時を遊技開始時刻とみなす処理などをすべて携帯端末内において行うことができる。そのため、本発明の遊技システムにおける多くの構成を、例えば、携帯端末内にインストールが可能なソフトウェアアプリケーションとして構成することができる。したがって、従来の遊技用装置や管理機能部を大きく改変する必要がないため、導入がしやすい遊技システムとなる。
【0020】
本発明の遊技システムによれば、状態遷移手段が、遊技当日の日付を記憶し、この日付が翌日以降になったことを検知したときに、遊技中状態から遊技前状態へと状態遷移する。そうすると、状態遷移手段は、一旦遊技中状態に状態遷移した後、日付の更新を検知することにより、遊技中状態から遊技前状態に自動で遷移して状態を元に戻すことができる。そのため、翌日以降の遊技開始時刻(入金実行手段による初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時)には、遊技前状態に自動で遷移して状態が元に戻っているので、遊技開始時刻を境にして再び遊技前状態から遊技中状態への状態遷移が可能になる。したがって、状態遷移手段における状態遷移を手動で切り替える必要がないので、運用が容易な遊技システムとなる。
【0021】
本発明の遊技システムによれば、入金実行手段が、使用要求を受け付けたときに、有価価値記憶手段に遊技前対応価値と遊技中対応価値とが記憶されている場合、遊技前対応価値を遊技中対応価値よりも優先して引き落とすことができる。そのため、遊技者が遊技中にチャージした遊技中対応価値が先に引き落とされてしまうことがないので、遊技前対応価値に残額がある状態であっても、遊技者が安心して遊技中に新たな携帯対応価値をチャージすることができる。
また、遊技中対応価値よりも遊技前対応価値が優先して引き落とされるため、冷静な状態の遊技者がチャージした遊技前対応価値が残されたまま、遊技中対応価値累計額が所定額に到達してしまうことを防止できる。したがって、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値の累計額(遊技中対応価値累計額)に基づく判定を適切に運用することができる。
【0022】
本発明の遊技システムによれば、入金実行手段が、使用要求を受け付けたときに、遊技前対応価値の残額が遊技価値付与手段によって遊技価値に変換できる単位額よりも少額である場合に、遊技前対応価値よりも遊技中対応価値を優先して引き落とすことができる。そのため、遊技前対応価値の残額が遊技に使用できない少額である場合には、遊技前対応価値を残したまま、遊技中対応価値から遊技価値に変換して遊技用装置に入金して遊技をすることができる。
【0023】
本発明の遊技システムによれば、有価価値記憶手段が、入金実行手段によって遊技当日の初回の使用要求が受け付けられたときに、遊技中対応価値の残額がある場合、この残額を遊技中対応価値から遊技前対応価値に移行する。そのため、例えば、遊技当日に遊技中対応価値に残額がある状態で遊技を終了した場合でも、後日来店した際の入金実行手段による初回の使用要求の受付時には、その残額が自動で遊技中対応価値から遊技前対応価値に移行されるので、遊技者が前日以前の遊技終了時に残した遊技中対応価値の残額を遊技前対応価値として使用できる。
【0024】
本発明の遊技システムによれば、所定の条件が、入金実行手段によって遊技用装置に入金された携帯対応価値の累計額のうち、予め設定された複数日に跨る所定期間内の遊技中対応価値累計額を合計した遊技中対応価値合計累計額が、当該所定期間内に、当該所定期間に対応する所定額に到達することである。そのため、遊技中対応価値累計額が遊技当日の所定額に到達しなかった場合でも、複数日に跨る所定期間内に、遊技中対応価値合計累計額が当該所定期間に対応する所定額に到達した場合には、条件判定手段による判定結果に基づいて、報知手段が所定の条件が満たされたことを報知する。したがって、遊技当日の入金額を累計した遊技中対応価値累計額だけではなく、複数日に跨る所定期間内の遊技中対応価値累計額を合計した遊技中対応価値合計累計額についても上限額を設けることで、当該所定期間における遊技中対応価値からの入金額に基づいて、遊技へののめり込みを抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態に係る遊技システムにおける概略構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る遊技システムにおける遊技用装置と携帯端末と管理機能部の概略機能を示す機能ブロック図である。
図3】(A)は、本発明の第1実施形態に係る遊技システムのキャッシュレスセンタで管理される管理テーブルの一例を示すイメージ図であり、(B)は、本発明の第1実施形態に係る遊技システムのキャッシュレスセンタで管理される管理テーブルの他の一例を示すイメージ図である。
図4】(A)は、本発明の第1実施形態に係る遊技システムの中継装置で管理される管理テーブルの一例を示すイメージ図であり、(B)は、本発明の第1実施形態に係る遊技システムの中継装置で管理される管理テーブルの他の一例を示すイメージ図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る遊技システムにおいて、遊技中対応価値累計額が所定額に到達して所定の条件が満たされたことが報知されるまでの処理の一例を示すシーケンス図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る遊技システムにおける遊技用装置と携帯端末と管理機能部の概略機能を示す機能ブロック図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る遊技システムにおいて、遊技中対応価値累計額が所定額に到達して所定の条件が満たされたことが報知されるまでの処理の一例を示すシーケンス図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る遊技システム及び第2実施形態に係る遊技システムにおける入金実行部による遊技用装置への入金処理の一例を示すシーケンス図である。
図9】本発明の第1実施形態に係る遊技システム及び第2実施形態に係る遊技システムにおける入金実行部による処理の一例を示すシーケンス図である。
図10】本発明の第1実施形態に係る遊技システム及び第2実施形態に係る遊技システムにおける有価価値記憶部による処理の一例を示すシーケンス図である。
図11】本発明の第1実施形態に係る遊技システム及び第2実施形態に係る遊技システムにおける状態遷移部による処理の一例を示すシーケンス図である。
図12】本発明の第3実施形態に係る遊技システムにおける条件判定部による処理の一例を示すシーケンス図である。
図13】本発明の第4実施形態に係る遊技システムにおける累計額通知部及び累計額検知部による処理の一例を示すシーケンス図である。
図14】本発明の第5実施形態に係る遊技システムにおける遊技用装置と携帯端末と管理機能部の概略機能を示す機能ブロック図である。
図15】本発明の第5実施形態に係る遊技システムにおける有価価値記憶部、入金実行部及び状態遷移部による処理の一例を示すシーケンス図である。
図16】本発明の第6実施形態に係る遊技システムにおける遊技用装置と携帯端末と管理機能部の概略機能を示す機能ブロック図である。
図17】本発明の第6実施形態に係る遊技システムにおける表示部により、遊技用装置の表示装置に各種情報が表示された状態を示すイメージ図である。(A)が、遊技中対応価値からの使用額のみが表示された状態を示すイメージ図であり、(B)が、遊技前対応価値からの使用額と、遊技中対応価値からの使用額とが併記して表示された状態を示すイメージ図である。
図18】本発明の第7実施形態に係る遊技システムにおいて、総携帯対応価値累計額が所定額に到達して所定の条件が満たされたことが報知されるまでの処理の一例を示すシーケンス図である。
図19】本発明の第8実施形態に係る遊技システムにおいて、総携帯対応価値累計額が所定額に到達して所定の条件が満たされたことが報知されるまでの処理の一例を示すシーケンス図である。
図20】本発明の第9実施形態に係る遊技システムにおいて、遊技継続時間が所定時間に到達したことが報知されるまでの処理の一例を示すシーケンス図である。
図21】本発明の第10実施形態に係る遊技システムにおいて、遊技継続時間が所定時間に到達したことが報知されるまでの処理の一例を示すシーケンス図である。
図22】本発明の第11実施形態に係る遊技システムにおいて、予め設定された所定期間内に来店回数が所定回数に到達したことが報知されるまでの処理の一例を示すシーケンス図である。
図23】本発明の第12実施形態に係る遊技システムにおいて、所定の条件が満たされたことが報知されるまでの処理の一例を示すシーケンス図である。
図24】本発明の第13実施形態に係る遊技システムにおける遊技用装置と携帯端末と管理機能部の概略機能を示す機能ブロック図である。
図25】本発明の第13実施形態に係る遊技システムにおける賞遊技媒体換算部及び条件判定部による処理の一例を示すシーケンス図である。
図26】本発明の第1変形例に係る遊技システムにおいて、遊技中対応価値チャージ累計額が遊技中対応価値チャージ上限に到達したことが報知されるまでの処理の一例を示すシーケンス図である。
図27】本発明の第1実施形態に係る遊技システム及び第2実施形態に係る遊技システムにおける入金実行部による処理の他の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態に係る遊技システムについて説明する。
【0027】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技システム1の概略構成図である。
遊技システム1は、遊技機11に併設される遊技用装置12と、遊技者が所有するスマートフォンやタブレット端末等の電子マネーによる電子取引(キャッシュレス決済)機能を備える装置である携帯端末40と、遊技用装置12及び携帯端末40との通信が可能な管理機能部100を備えている。
各遊技店10,10´の店内には、複数台の遊技機11と、各遊技機11に対応付けられた複数台の遊技用装置12が設置され、さらに、HUB13を介して各遊技機11及び各遊技用装置12を統括的に管理する管理装置14と、HUB13を介して各遊技用装置12との通信が可能な中継装置15が設けられている。また、各遊技店10,10´の店内には、登録機16や精算機17などが設置されている。
遊技店10,10´の店外には、携帯端末40や各遊技店10,10´における各中継装置15との通信が可能で、携帯端末40によるキャッシュレス決済に関する処理を統括的に管理するキャッシュレスセンタ20や、各遊技店10,10´における各管理装置14との通信が可能で、遊技用装置12によって記録媒体50に関連付けられたプリペイド式の有価価値(以下、「プリペイド式の有価価値」を「プリペイド価値」という。)を統括的に管理するプリペイド決済センタ30が設けられている。なお、記録媒体50に記録されるプリペイド価値は、精算機17により現金にて精算することができる。
【0028】
遊技システム1の管理機能部100は、中継装置15とキャッシュレスセンタ20とが協働することにより機能する。管理機能部100は、携帯端末40と遊技店10から発行される記録媒体50との紐付け登録に関する情報の管理を行うと共に、携帯端末40によるキャッシュレス決済に関する情報の管理を行う。具体的には、中継装置15は、遊技用装置12とキャッシュレスセンタ20との間の通信の中継を行うと共に、主として、遊技店10の店内に設置された登録機16を用いて携帯端末40と記録媒体50との紐付け登録に関する情報の管理や、携帯端末40によるキャッシュレス決済に関する遊技店10の店内における処理を行う。一方、キャッシュレスセンタ20は、携帯端末40との間で通信を行い、主として、携帯端末40によるキャッシュレス決済に関する情報を統括して管理する。これらの中継装置15とキャッシュレスセンタ20とが協働することにより、管理機能部100が機能する。
【0029】
なお、本実施形態の遊技システム1では、携帯端末40と記録媒体50との紐付け登録に関する情報の管理や、携帯端末40によるキャッシュレス決済に関する遊技店10の店内における処理を行う中継装置15と、遊技店10の店外において携帯端末40によるキャッシュレス決済に関する情報を統括して管理するキャッシュレスセンタ20とによって管理機能部100が構成されているが、例えば、キャッシュレスセンタ20における各種機能を備えた中継装置15や、中継装置15における各種機能を備えたキャッシュレスセンタ20のように、一つの装置や一つの構成として管理機能部を集約してもよい。ただし、各処理の効率の観点からは、遊技店10の店内において管理される情報と、キャッシュレス決済に関する情報とは分けて処理及び管理がされるように構成されることが望ましい。
【0030】
図2は、遊技機11、遊技用装置12、管理装置14、管理機能部100(中継装置15、キャッシュレスセンタ20)、及び、携帯端末40の概略機能を示す機能ブロック図である。以下、これらの各構成について詳しく説明する。
【0031】
遊技機11は、遊技に使用する遊技媒体の違いから、遊技媒体に遊技球を使用するパチンコ機と、遊技媒体に遊技メダルを使用するパチスロ機とがある。パチンコ機では、遊技盤面に遊技球が打ち込まれることで遊技が進行する。遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、遊技球が入賞領域を通過すると、所定個数の遊技球が賞遊技媒体として遊技者に付与される。一方、パチスロ機では、遊技メダルを投入して回胴リールを回転させることで遊技が進行する。回動リールは、停止ボタンの操作又は時間経過によって停止する。このとき、停止状態の回動リールの図柄が賞に該当していれば、所定枚数の遊技メダルが賞遊技媒体として遊技者に付与される。なお、賞遊技媒体として遊技者に付与される遊技球や遊技メダルは、獲得遊技媒体数として計数される。
【0032】
また、パチンコ機及びパチスロ機等の遊技機11には、遊技球や遊技メダル等の実体のある遊技媒体を使用する遊技機以外に、実体のない電子データ化された所定の遊技点を使用して遊技が可能ないわゆる「スマート遊技機」がある。スマート遊技機は、例えば、パチンコ機であれば、遊技球をパチンコ機の内部に封入して循環させることで、遊技者が遊技球に一切触れることなく、遊技球に代えて電子データである遊技点を使用して遊技の進行が可能であり、一方、パチスロ機であれば、遊技メダルに代えて電子データである遊技点をクレジットとして使用することで、遊技メダルを一切使用することなく遊技の進行が可能である。そのため、スマート遊技機では、遊技に消費された消費遊技媒体の数や、遊技結果として獲得された獲得遊技媒体数は、遊技店10から貸し出される実体のある遊技球や遊技メダルが計数されるのではなく、電子データである遊技点が演算によって計数されることで管理される。
なお、本実施形態の遊技システム1では、遊技機11がスマート遊技機のパチンコ機である場合を例に説明する。
【0033】
遊技機11は、遊技の進行を制御する制御部11aと、遊技用装置12との通信を行う遊技用装置通信部11bを備えている。各遊技機11には、それぞれの遊技機11に対応付けられた遊技用装置12が接続されており、遊技機11から遊技用装置12へは、遊技の進行に伴って発生あるいは変化する各種の遊技情報が出力され、遊技用装置12から遊技機11へは、遊技機11による遊技に使用できる遊技価値である遊技点を付与するための付与情報が出力される。なお、制御部11aは、プログラムに従って各種処理を行うCPU(Central Processing Unit)や、CPUを動作させるためのプログラムなどの電子データを記録し、記録された電子データの読み出しが可能な記録装置であるROM(Read Only Memory)、電子データの読み出し及び書き込みの両方が可能な記録装置であるRAM(Random Access Memory)などを備えるマイクロコンピュータで構成される。
【0034】
遊技用装置12は、遊技機11への遊技点の付与や記録媒体50への各種情報の記録などの遊技用装置12の主要な機能を統括して制御する制御部12aと、遊技機11との通信を行う遊技機通信部12bと、中継装置15との通信を行う中継装置通信部12cと、管理装置14との通信を行う管理装置通信部12dと、遊技店10から発行される記録媒体50を処理する記録媒体処理部12eと、有価価値(プリペイド価値、及び、後述する携帯端末40に対応付けられた有価価値)を遊技点(遊技価値)に変換して遊技機11に付与する遊技価値付与部12fと、後述する携帯端末40の報知部40gからの通知に基づいて、所定の条件が満たされたことを報知する報知部12gを備えている。また、遊技用装置12は、一般に、紙幣を挿入するための紙幣挿入口(図示省略)や、紙幣挿入口から挿入された紙幣の真贋及び紙幣種別を識別する貨幣識別装置(図示省略)を備え、紙幣挿入口から紙幣が挿入されると、紙幣の価値をプリペイド価値に変換すると共に、変換したプリペイド価値を記録媒体50に関連付けて管理する。この記録媒体50に関連付けられたプリペイド価値は、管理装置14及び管理装置14を介してプリペイド決済センタ30に売上として通知され、管理装置14において管理されると共に、プリペイド決済センタ30において統括的に管理される。なお、制御部12aは、制御部11aと同様に、CPUやROM、RAMなどを備えるマイクロコンピュータで構成される。また、遊技用装置12と中継装置15との間では、例えば、後述する携帯端末40に対応付けられた有価価値等に関する決済情報が互いに出力される。
【0035】
記録媒体処理部12eは、「記録媒体処理手段」に相当し、記録媒体50に記録されている情報の読み出しや更新された情報の書き込みなどの処理を行う。記録媒体50には、遊技店10に会員登録をして個人情報が特定された遊技者に対して発行される会員用記録媒体と、遊技店10に会員登録をしていない個人情報が特定されていない遊技者に対して発行される一般用記録媒体とがある。会員用記録媒体は、特定の遊技店10の他、遊技店10の系列店である遊技店10´において使用が可能な記録媒体であり、一般用記録媒体は、特定の遊技店10における当日中の遊技にのみ使用が可能な記録媒体である。また、記録媒体50には、例えば、パチンコ機に接続された遊技用装置12に挿入して使用されるICカード51(図1)や、パチスロ機に接続された遊技用装置12に挿入して使用されるICコイン52(図1)があり、記録媒体処理部12eは、これらの記録媒体50の固有の識別情報である記録媒体識別情報(例えば、カードID)を読み出すと共に、この記録媒体識別情報を利用して、管理装置14及びプリペイド決済センタ30にて管理されるプリペイド価値と記録媒体50との関連付けを行う。そうすると、遊技用装置12では、例えば、遊技者が記録媒体50に関連付けられたプリペイド価値の使用を希望する場合などには、その都度、記録媒体処理部12eによって読み取られた記録媒体識別情報を利用して、管理装置14又はプリペイド決済センタ30にプリペイド価値の残額の問い合わせを行うことにより、プリペイド価値のチャージや使用を管理することができる。
なお、上述した例では、プリペイド価値を記録媒体50に関連付けて間接的に管理するものとして構成したが、プリペイド価値は記録媒体50に電子的に直接記録して管理するものとして構成してもよい。
【0036】
遊技価値付与部12fは、直接的に又は間接的に有価価値を記憶して、遊技者による変換要求に基づいて、有価価値を遊技価値(遊技点)に変換して遊技機11に付与する。有価価値を直接的に記憶とは、制御部12aが備えるRAMなどの記録装置を利用して有価価値をそのまま遊技用装置12内に記憶することであり、有価価値を間接的に記憶とは、有価価値を記録媒体50に関連付けられたプリペイド価値に変換して、このプリペイド価値を、管理装置14及びプリペイド決済センタ30に売上として通知することにより、管理装置14又はプリペイド決済センタ30において記憶(管理)させることである。管理装置14又はプリペイド決済センタ30で記憶されたプリペイド価値は、管理装置14又はプリペイド決済センタ30への問い合わせによって読み出すことができるので、このような記録方法を、間接的に記憶とする。
また、遊技システム1で扱われる有価価値には、上述したプリペイド価値の他、管理機能部100にて管理される携帯端末40に対応付けられた有価価値(以下、「携帯端末40に対応付けられた有価価値」を「携帯対応価値」という。)があり、この携帯対応価値は、遊技者によるチャージ要求に基づいて管理機能部100によって生成され、図3(A)に示すように、各遊技者の携帯端末40の固有の識別情報である携帯端末識別情報、例えば、国際移動体装置識別番号(International Mobile Equipment Identifier)等の携帯端末IDに対応付けて管理される。遊技システム1では、携帯端末40の携帯端末識別情報(携帯端末ID)に紐づけられた携帯対応価値が「キャッシュレス残高」として管理されており、このキャッシュレス残高(携帯対応価値)が、後述する携帯端末40の入金実行部40dによって遊技用装置12への入金が可能な有価価値である。なお、「遊技価値付与部12f」は、「遊技価値付与手段」に相当する。
【0037】
遊技システム1では、遊技用装置12に入金された携帯対応価値(キャッシュレス残高)は、遊技価値付与部12fによって間接的に記憶される。間接的に記憶とは、上述したように、例えば、遊技価値付与部12fが、記録媒体処理部12eを介して、遊技用装置12に入金された携帯対応価値をプリペイド価値に変換すると共に記録媒体50に関連付けることにより、管理装置14又はプリペイド決済センタ30においてプリペイド価値として記憶させることである。これにより、遊技用装置12に入金された携帯対応価値(キャッシュレス残高)は、プリペイド価値に変換されるものの、遊技価値付与部12fによって間接的に記憶されたものとなる。そして、遊技価値付与部12fは、遊技者による変換要求、例えば、遊技用装置12の筐体に設けられた遊技点付与ボタン(図示省略)の操作等による変換要求に基づいて、携帯対応価値から変換されて記録媒体50に関連付けられたプリペイド価値(以下、便宜上「携帯対応価値から変換されて記録媒体50に関連付けられたプリペイド価値」を「携帯対応プリペイド価値」という。)の引き落としと引き換えにして、指定された額の携帯対応プリペイド価値を、遊技価値(遊技点)に変換して遊技機11に付与する。なお、携帯対応プリペイド価値の遊技価値への変換は、変換要求を受け付けたときに遊技者が保有する携帯対応プリペイド価値の範囲内で携帯対応プリペイド価値が消費され、消費ぶんの携帯対応プリペイド価値に相当する遊技価値が遊技機11に付与される。
なお、遊技価値付与部12fが記録媒体処理部12eを介して携帯対応価値を間接的に記憶する場合には、携帯対応プリペイド価値は、プリペイド価値と同様に扱われて、プリペイド会社の売上として管理装置14及びプリペイド決済センタ30へ送信される。
【0038】
なお、遊技システム1では、遊技用装置12に入金された携帯対応価値をプリペイド価値に変換すると共に記録媒体50に関連付けることで、遊技価値付与部12fが携帯対応価値を携帯対応プリペイド価値として間接的に記憶するものとして構成したが、例えば、制御部12aが備えるRAM等の記録装置を利用して、遊技価値付与部12fが直接的に携帯対応価値を記憶する(プリペイド価値への変換や記録媒体50への関連付けを経ずに直接的に記憶する)ように構成してもよい。この場合には、例えば、遊技用装置12に入金された携帯対応価値は、各遊技用装置12において遊技用装置12毎の固有の識別情報である遊技用装置識別情報(例えば、遊技用装置12の製造番号や台番号)に紐付けて管理される。また、この場合には、遊技用装置12に入金された携帯対応価値は、遊技価値付与部12fによって直接的に記憶され、プリペイド価値には変換されていないため、この時点では、管理装置14及びプリペイド決済センタ30に売上として通知されない。そのため、携帯対応価値が遊技用装置12内の遊技価値付与部12fに直接的に記憶されている場合には、管理装置14及びプリペイド決済センタ30への売上としての通知は、遊技価値付与部12fが携帯対応価値を遊技価値(遊技点)に変換して遊技機11に付与する毎に送信される。
【0039】
報知部12gは、後述する携帯端末40の報知部40gからの通知を受信して、この通知に基づいて、携帯端末40の条件判定部40fにおける判定結果が、所定の条件が満されたとするものであることを遊技者及び遊技店10の係員に報知する。遊技者及び遊技店10の係員への報知は、遊技用装置12が備える各種の報知機能を使用して、例えば、通知音又は自動音声による報知や、遊技用装置12の筐体に設けられたランプの点灯による報知の他、遊技用装置12の筐体に設けられた表示画面への表示などの報知によって行われる。なお、「報知部12g」は、「報知手段」に相当する。
【0040】
管理装置14は、各遊技機11及び各遊技用装置12を統括的に管理する制御部14aと、各遊技機11及び各遊技用装置12の設定情報を管理する情報管理部14bと、遊技用装置12との通信を行う遊技用装置通信部14cを備えている。管理装置14から遊技用装置12へは、遊技機11及び遊技用装置12を制御するための設定情報が出力され、遊技用装置12から管理装置14へは、例えば、遊技機11や遊技用装置12のエラーなどを遊技店10の係員に報知するための報知情報が出力される。なお、制御部14aは、プリペイド価値をプリペイド決済センタ30と共に管理するプリペイド価値管理機能も備えているが、その説明は省略する。また、制御部14aは、CPUやROM、RAMなどを備えるマイクロコンピュータで構成される。
【0041】
管理機能部100は、上述したように、中継装置15とキャッシュレスセンタ20とによって構成され、これらが協働することにより機能する。
中継装置15は、主として、携帯端末40と記録媒体50との紐付け登録に関する情報の管理や、携帯端末40によるキャッシュレス決済に関する遊技店10の店内における処理などを行う制御部15aと、制御部15aにおける制御処理に必要な種々の情報を記憶又は更新して管理する情報管理部15bと、キャッシュレスセンタ20との通信を行うセンタ通信部15cと、遊技用装置12との通信を行う遊技用装置通信部15dとを備えている。中継装置15は、例えば、遊技店10に設置されている登録機16において、紐付けて登録された記録媒体50と携帯端末40との紐付け登録情報の管理を行う。この紐付け登録情報では、携帯端末40の携帯端末識別情報である携帯端末IDと、この携帯端末40を所有する遊技者に発行された記録媒体50の固有の識別情報である記録媒体識別情報(例えば、カードID)とが紐付けられている。このように携帯端末40と記録媒体50とを紐付けて登録しておくことで、携帯端末40と遊技用装置12とを中継装置15及びキャッシュレスセンタ20を介して接続することが可能になる。そうすると、中継装置15及びキャッシュレスセンタ20で行われている処理が分からない遊技者には、携帯端末40と遊技用装置12とが直接接続されているように感じられる。このように、管理機能部100(中継装置15及びキャッシュレスセンタ20)が、携帯端末40と遊技用装置12との間の処理を仲介する方法については、後述する。
【0042】
キャッシュレスセンタ20は、複数の遊技店10に設置された各中継装置15や、遊技者が所有する携帯端末40との通信が可能であり、また、各中継装置15を介して各遊技用装置12との通信も可能である。キャッシュレスセンタ20は、主として、携帯端末40によるキャッシュレス決済に関する情報を統括して管理する制御部20aと、携帯端末40によるキャッシュレス決済を使用して生成した有価価値や、この有価価値に関する情報の他、制御部20aにおける制御処理に必要な種々の情報を記憶又は更新して管理する情報管理部20bと、各遊技店10の各中継装置15との通信を行う中継装置通信部20cと、携帯端末40との通信を行う携帯端末通信部20dとを備えている。キャッシュレスセンタ20は、CPUやROM、RAMなどを備えるマイクロコンピュータの他、電子データの記憶が可能なHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記録装置を備えるサーバなどによって構成される。
【0043】
キャッシュレスセンタ20では、例えば、制御部20aが、遊技者の操作によって携帯端末40から送信されるチャージ要求の受信に基づいて、携帯端末40によるキャッシュレス決済を使用して、遊技者により指定された額の有価価値を生成する。生成された有価価値は、情報管理部20bにより、携帯端末40毎の携帯端末識別情報(携帯端末ID)に対応付けられて、キャッシュレス決済に関する他の情報と共に携帯対応情報として管理される。図3(A)は、情報管理部20bにおいて集約された携帯対応情報を示すキャッシュレスセンタ管理テーブル60の一例である。このキャッシュレスセンタ管理テーブル60では、携帯対応価値は、携帯端末40の携帯端末識別情報(携帯端末ID)に対応付けられたキャッシュレス残高として管理されている。また、キャッシュレスセンタ管理テーブル60にて管理される携帯対応情報には、携帯端末IDや携帯対応価値(キャッシュレス残高)の他、遊技店10の店舗毎の固有の店舗識別情報である店舗IDや、遊技用装置12毎の固有の遊技用装置識別情報である台番号、新たなチャージや引落しにより携帯対応価値の残額に変動があった日時である取引日時が含まれている。
なお、上述した例では、キャッシュレスセンタ20と携帯端末40とが直接通信を行うことにより、携帯端末40によるキャッシュレス決済を使用して、指定された額の有価価値がキャッシュレスセンタ20において生成される例を示したが、このような有価価値の生成方法に加えて、例えば、遊技店10の店内に設置された精算機17と携帯端末40とが無線通信、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFC(near field communication)などを使用した無線通信で通信を行うことにより、精算機17における現金精算を使用して、指定された額の有価価値がキャッシュレスセンタ20において生成されるように構成してもよい。この場合には、精算機17及び中継装置15を介して、チャージ要求がキャッシュレスセンタ20に送信され、このチャージ要求の受信に基づいて、精算機17で現金精算された額の有価価値がキャッシュレスセンタ20において生成される。
なお、キャッシュレスセンタ20における「制御部20a及び情報管理部20b」が「情報管理手段」に相当し、「制御部20a及び情報管理部20b」が協働することによって「情報管理手段」として機能している。
【0044】
なお、図4(A)は、中継装置15の情報管理部15bにおける中継装置管理テーブル70の一例である。中継装置15は、中継装置管理テーブル70において、キャッシュレスセンタ管理テーブル60に集約された携帯対応情報の一部と同じ情報を保有し、キャッシュレスセンタ20と共に、携帯端末40によるキャッシュレス決済に関する処理のうち、遊技店10の店内における処理を行う。そのため、中継装置管理テーブル70には、携帯端末IDや携帯対応価値(キャッシュレス残高)の他、遊技用装置12毎の遊技用装置識別情報(台番号)、新たなチャージや引落しにより携帯対応価値の残額に変動があった取引日時が集約されている。
【0045】
情報管理部20bによって管理される携帯対応情報のうち、携帯対応価値(キャッシュレス残高)は、情報管理部20bにおいて携帯端末40に対応付けがされると、後述する携帯端末40の有価価値記憶部40bによって取得され、有価価値記憶部40bにおいて記憶される。このようにして携帯端末40の有価価値記憶部40bに携帯対応価値が記憶されていると、遊技者は、携帯端末40から遊技用装置12に携帯対応価値を入金するキャッシュレス入金が可能となる。キャッシュレス入金によって遊技用装置12に携帯対応価値が入金されると、遊技者による遊技点付与ボタンの操作等の変換要求に基づいて、携帯対応価値(携帯対応プリペイド価値)を遊技機11による遊技で使用が可能な遊技価値(遊技点)に変換できる。
キャッシュレス入金の方法については、携帯端末40と遊技用装置12との無線通信、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFC(near field communication)などを使用した無線通信によって行われてもよいし、例えば、携帯端末40が備える表示画面(図示省略)に表示された二次元コードを遊技用装置12の読取装置(図示省略)に読み取らせる、又は、遊技用装置12の表示装置12lに表示された二次元コードを携帯端末40の読取装置(図示省略)に読み取らせることによって行われてもよいし、例えば、携帯端末40と遊技用装置12との間の処理をキャッシュレスセンタ20及び中継装置15に仲介させることによって行われてもよい。なお、中継装置15とキャッシュレスセンタ20との間では、例えば、遊技用装置12に入金される携帯対応価値等に関する決済情報が互いに出力される。
【0046】
携帯端末40は、例えば、遊技者が所有するスマートフォンやタブレット端末等の装置であり、電子マネーによる電子取引(キャッシュレス決済)機能を備えている。携帯端末40は、携帯端末40が備える電子取引(キャッシュレス決済)機能などの各種機能や、他の機器との通信を統括的に制御する制御部40aと、キャッシュレスセンタ20によって生成された携帯対応価値を取得して記憶する有価価値記憶部40bと、例えば、キャッシュレスセンタ20を構成するサーバ等の他の機器との通信を行う通信部40cと、携帯対応価値を遊技用装置12に入金する入金実行部40dと、有価価値記憶部40bが遊技開始時刻を境にして携帯対応価値を区別して認識するための状態遷移部40eと、携帯対応価値の累計額が所定の条件を満たすか否かを判定する条件判定部40fと、所定の条件が満たされたことを報知する報知部40gを備えている。
【0047】
携帯端末40は、キャッシュレスセンタ20との間で通信を行い、電子マネーによる電子取引(キャッシュレス決済)や登録銀行口座からの引き落とし等によって、指定した額の有価価値をキャッシュレスセンタ20(管理機能部100)に生成させることができる。具体的には、例えば、遊技者による携帯端末40の操作に基づいて、携帯端末40からキャッシュレスセンタ20にチャージ要求が送信される。このチャージ要求には、例えば、遊技者によって指定された携帯対応価値としてチャージするための指定額(チャージ指定額)などが含まれている。チャージ要求を受信したキャッシュレスセンタ20は、チャージ指定額の確認のための確認情報を携帯端末40に送信する。その後、確認情報を受信した携帯端末40では、携帯端末40が備える表示画面(図示省略)などに確認情報が表示され、チャージ指定額を確認した遊技者の操作により、携帯端末40のキャッシュレス決済による決済手続きが行われる。そして、キャッシュレス決済による決済手続きが完了すると、決済完了の通知がキャッシュレスセンタ20に通知され、チャージ指定額として指定された額の有価価値がキャッシュレスセンタ20の制御部20aによって生成される。生成された有価価値は、情報管理部20bによって、携帯端末40の携帯端末IDに対応付けられて、携帯対応情報における携帯対応価値(キャッシュレス残高)として管理される。
なお、携帯端末40における電子取引(キャッシュレス決済)機能には、例えば、携帯電話の使用料金と合算で支払いを行ういわゆるキャリア決済や、クレジットカードに紐づいた非接触ICによって支払いを行うIC決済の他、二次元コードによるいわゆるQRコード(登録商標)決済などの各種決済が含まれる。
【0048】
有価価値記憶部40bは、キャッシュレスセンタ20の情報管理部20bから携帯対応価値を取得して記憶する。情報管理部20bでは、制御部20aにて生成された携帯対応価値が携帯対応情報として管理されている(図3(A))。有価価値記憶部40bは、情報管理部20bで管理される携帯対応情報から携帯対応価値を取得し、取得された携帯対応価値を携帯端末40が備えるICチップ等の記録装置に記憶する。このようにして携帯対応価値が携帯端末40に記憶されることにより、後述する入金実行部40dによって、携帯端末40から遊技用装置12へのキャッシュレス入金が可能になる。
【0049】
また、有価価値記憶部40bは、遊技者が遊技機11による遊技を開始した時刻を境にして、遊技開始時刻前と遊技開始時刻以降(遊技中)とで携帯対応価値を区別して記憶する価値識別記憶機能を有している。具体的には、有価価値記憶部40bは、キャッシュレスセンタ20の制御部20aにおいて生成された有価価値が、情報管理部20bによって携帯端末40の携帯端末IDに対応付けがされると、携帯端末40に対応付けられた有価価値(携帯対応価値)を直ちに取得する。このとき、有価価値記憶部40bは、取得した携帯対応価値が、遊技開始時刻よりも前に携帯端末40に対応付けられた携帯対応価値であるか、遊技開始時刻以降、すなわち、遊技中であると考えられる時刻に携帯端末40に対応付けられた携帯対応価値であるかを区別して記憶する。有価価値記憶部40bが、遊技開始時刻前と遊技開始時刻以降とを区別する方法については、後述する携帯端末40の状態遷移部40eによる状態遷移を使用する。なお、「有価価値記憶部40b」は、「有価価値記憶手段」に相当する。
【0050】
入金実行部40dは、遊技者による使用要求に基づいて、例えば、使用者による携帯端末40の操作による使用要求に基づいて、指定された額の携帯対応価値を有価価値記憶部40bから引き落として、遊技用装置12に入金する。このとき、入金実行部40dは、有価価値記憶部40bから引き落とした携帯対応価値を、携帯端末40と遊技用装置12との間における無線通信や二次元コードの読み取りによって、又は、携帯端末40と遊技用装置12との間の処理をキャッシュレスセンタ20及び中継装置15に仲介させることによって、遊技用装置12に入金する。なお、キャッシュレスセンタ20及び中継装置15が仲介して携帯対応価値を遊技用装置12に入金する場合の仲介方法については後述する。
また、入金実行部40dは、遊技用装置12へ入金する際に、遊技店10の店舗IDや遊技用装置12の台番号などを取得しており、遊技用装置12への入金が完了すると、遊技店10の店舗IDや遊技用装置12の台番号などの情報を含む入金が完了した旨の通知(入金完了通知)を状態遷移部40eに通知する。この入金完了通知には、遊技店10の店舗IDや、携帯対応価値が入金された遊技用装置12の台番号などの他、携帯端末40が備える計時機能を利用して計時される入金が完了した日時である入金完了日時などが含まれている。なお、「入金実行部40d」は、「入金実行手段」に相当する。
【0051】
状態遷移部40eは、主として、有価価値記憶部40bがキャッシュレスセンタ20の情報管理部20bから取得した携帯対応価値が、携帯端末40にいつ対応付けられたものであるかを認識するために使用される。状態遷移部40eは、例えば、識別フラグ(遊技中フラグ)の有無によって状態を遷移させる。状態遷移部40eは、遊技開始時刻前は遊技中フラグを無しの状態とし、遊技者による遊技が開始され、遊技開始時刻以降(遊技中)であると判断すると、遊技中フラグを有りの状態にして状態を遷移させる。言い換えれば、状態遷移部40eは、遊技開始時刻前は遊技中フラグが無しの遊技前状態であり、遊技開始時刻以降は遊技中フラグが有りの遊技中状態となる。このようにして、状態遷移部40eは遊技開始時刻を境に遊技前状態から遊技中状態へと遷移する。
【0052】
ここで、状態遷移部40eが、遊技者による遊技が開始されたか否かを判断する際には、上述した入金実行部40dからの入金完了通知が使用される。状態遷移部40eは、入金完了通知が遊技当日の初回の通知である場合に、入金実行部40dによる入金時に遊技者による遊技が開始されたものとみなして、その入金時を遊技開始時刻として判断する。言い換えれば、状態遷移部40eは、入金実行部40dによる遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時を遊技開始時刻とみなしている。入金完了通知が遊技当日の初回の通知であるか否かは、入金完了通知に含まれる入金完了日時に基づいて判断される。例えば、入金完了通知において、入金完了日時が新たな日付に更新され、この入金完了通知が当該新たな日付に初めて通知されたものである場合には、当該入金完了通知を遊技当日の初回の入金完了通知と判断する。なお、「状態遷移部40e」は、「状態遷移手段」に相当する。
【0053】
有価価値記憶部40bは、上述した状態遷移部40eにおける状態遷移に基づいて、携帯対応価値が、遊技前状態の携帯端末40に対応付けられたものか、あるいは、遊技中状態の携帯端末に対応付けられたものかを区別して認識する。具体的には、有価価値記憶部40bは、キャッシュレスセンタ20の情報管理部20bから携帯対応価値を取得する際に、状態遷移部40eの遊技中フラグの有無を参照し、遊技中フラグが無しの状態であれば、そのときに取得した携帯対応価値が遊技前状態の携帯端末40に対応付けられた携帯対応価値(遊技前対応価値)であると認識する。一方、情報管理部20bから携帯対応価値を取得する際に、遊技中フラグが有りの状態であれば、そのときに取得した携帯対応価値が遊技中状態の携帯端末40に対応付けられた携帯対応価値(遊技中対応価値)であると認識する。
【0054】
上述のようにして、有価価値記憶部40bは、情報管理部20bから携帯対応価値を取得する際の状態遷移部40eの状態に基づいて、遊技前対応価値と遊技中対応価値とを区別して、その別と共に携帯対応価値を記憶している。なお、入金実行部40dは、遊技者による使用要求を受け付けたときに、有価価値記憶部40bに遊技前対応価値と遊技中対応価値の両方が記憶されている場合には、遊技前対応価値を遊技中対応価値よりも優先して引き落として遊技用装置12に入金する遊技前対応価値優先引落機能を有している。
【0055】
条件判定部40fは、入金実行部40dによって遊技用装置12に入金された携帯対応価値の累計額が所定の条件を満たすか否かを判定する。具体的には、条件判定部40fは、入金実行部40dにより携帯対応価値が遊技用装置12に入金される度に、入金された額を加算して、遊技用装置12に入金された携帯対応価値の累計額を算出する。そして、この累計額が所定の条件を満たすか否かを判定する。
条件判定部40fによって判定される所定の条件は、入金実行部40dにより遊技用装置12に入金された携帯対応価値の累計額のうち、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値の累計額(遊技中対応価値累計額)が、遊技当日に所定額に到達することである。所定額には、例えば、遊技店10の係員の操作によりキャッシュレスセンタ20に予め設定された任意の金額が使用され、この金額がキャッシュレスセンタ20から通知されて所定額として条件判定部40fが記憶する。また、所定額の記憶は、例えば、携帯端末40のICチップ等の記録装置に記憶される。
【0056】
有価価値記憶部40bでは、上述したように、キャッシュレスセンタ20の情報管理部20bから取得された携帯対応価値が、遊技前対応価値と遊技中対応価値とに区別して記憶されている。そのため、条件判定部40fは、入金実行部40dによって遊技用装置12に入金がされる度に有価価値記憶部40bを参照することにより、入金実行部40dによって有価価値記憶部40bから引き落とされた携帯対応価値が、遊技前対応価値であるか、又は、遊技中対応価値であるかを区別して把握することができる。そのため、入金実行部40dによって遊技用装置12に入金がされる度に、引き落とされた遊技前対応価値及び遊技中対応価値をそれぞれに加算していくことで、それぞれの累計額を算出することができる。なお、上述したように、入金実行部40dでは、遊技者による使用要求を受け付けたときに、有価価値記憶部40bに遊技前対応価値と遊技中対応価値の両方が記憶されている場合、遊技前対応価値が優先して引き落とされ、その後、遊技中対応価値が引き落とされる。そのため、条件判定部40fでは、遊技前対応価値がすべて引き落とされて遊技用装置12に入金され、遊技前対応価値の累計額が算出された後に、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値の累計額である遊技中対応価値累計額が算出される。そして、条件判定部40fは、遊技当日に遊技中対応価値累計額が所定額に到達して所定の条件を満たすか否かを判定し、遊技中対応価値累計額が所定額に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定して、その判定結果を報知部40gに通知する。なお、「条件判定部40f」は、「条件判定手段」に相当する。
【0057】
報知部40gは、条件判定部40fにおける判定結果が所定の条件を満たすものである場合に、条件判定部40fからの通知に基づいて、遊技中対応価値累計額が所定額に到達した旨を遊技者に報知する。遊技者への報知は、携帯端末40が備える各種報知機能を使用して、例えば、着信音又は自動音声による報知や、バイブレーションによる報知の他、携帯端末40の画面に所定額に到達した旨の通知をポップアップ表示させる報知などによって、遊技者への報知が行われる。また、報知部40gは、条件判定部40fから所定の条件を満たすとする判定結果を受信した場合に、その旨を遊技中対応価値上限到達情報として遊技用装置12の報知部12gに通知する。なお、報知部40gから報知部12gへの通知は、携帯端末40と遊技用装置12との無線通信によって行われてもよいし、携帯端末40と遊技用装置12との間の処理をキャッシュレスセンタ20及び中継装置15に仲介させることによって行われてもよい。なお、「報知部40g」は、「報知手段」に相当する。
【0058】
ここで、上述した管理機能部100(中継装置15及びキャッシュレスセンタ20)による携帯端末40と遊技用装置12との間の処理の仲介方法について詳しく説明する。
管理機能部100では、遊技店10の店内に設置された登録機16に接続された中継装置15と、携帯端末40との通信が可能なキャッシュレスセンタ20とが協働して、携帯端末40と遊技用装置12との間の処理を仲介する。これにより、遊技者には、携帯端末40と遊技用装置12とが直接接続されているように感じさせることができる。そのためには、まず遊技店10に来店した遊技者が所有する携帯端末40と、当該遊技者に対して遊技店10から発行された記録媒体50とを、登録機16によって紐付けて登録する。この携帯端末40と記録媒体50とを紐付けた情報である紐付け登録情報は、中継装置15によって管理される。その後、遊技用装置12によって携帯端末40と紐付け登録済みの記録媒体50が受け付けられると、この記録媒体50の記録媒体識別情報(カードID)が記録媒体処理部12eによって読み出された後に、その記録媒体識別情報(カードID)が遊技用装置12から中継装置15に送信される。中継装置15では、記録媒体50の記録媒体識別情報(カードID)と携帯端末40の携帯端末識別情報(携帯端末ID)との紐付け登録情報が参照され、遊技用装置12から受信した記録媒体識別情報(カードID)に基づいて、記録媒体識別情報(カードID)に紐づけられた携帯端末識別情報(携帯端末ID)が特定される。このようにして、携帯端末40に紐付け登録済みの記録媒体50が受け付けられた遊技用装置12からの通信により、その記録媒体50に紐付け登録された携帯端末識別情報(携帯端末ID)の特定がされた状態であれば、携帯端末40からの通信をキャッシュレスセンタ20及び中継装置15が仲介する場合にも、遊技者が記録媒体50を受け付けさせた遊技用装置12の特定が可能になる。
【0059】
そうすると、遊技用装置12と携帯端末40とが無線通信によって直接情報のやり取りが行うことができない場合でも、携帯端末40から管理機能部100(中継装置15及びキャッシュレスセンタ20)を介して、遊技用装置12に対して携帯対応価値(キャッシュレス残高)をキャッシュレスで入金することが可能になる。このようにして、中継装置15とキャッシュレスセンタ20とが協働することで、携帯端末40と遊技用装置12とが直接接続されていなくても、管理機能部100(中継装置15及びキャッシュレスセンタ20)がその処理を仲介することで、携帯端末40と遊技用装置12とが直接接続されているように見せかけることができる。このような仲介方法を用いることで、例えば、携帯端末40又は遊技用装置12のいずれか又は両方が無線通信に対応していない場合でも、入金実行部40dによって、携帯端末40の有価価値記憶部40bから、管理機能部100による仲介を経て、遊技用装置12に携帯対応価値の入金が可能になる。
なお、上述した例では、中継装置15及びキャッシュレスセンタ20のそれぞれが分散して処理を行うように構成したが、例えば、キャッシュレスセンタ20が管理する携帯対応情報を中継装置15に保持させ、中継装置15が携帯端末40と通信を行うことで仲介が可能となるように構成してもよいし、中継装置15が管理する紐付け登録情報をキャッシュレスセンタ20に保持させ、キャッシュレスセンタ20が携帯端末40と通信を行うことで仲介が可能となるように構成してもよい。
【0060】
以上のように遊技システム1が構成されている。続けて、遊技システム1における処理の流れについて説明する。
【0061】
図5は、遊技システム1において、遊技当日に遊技中対応価値累計額が所定額に到達して所定の条件が満たされたことが報知されるまでの処理を示すシーケンス図である。なお、以下の説明では、キャッシュレスセンタ20において、予め所定額が20,000円に設定されている場合を例に説明する。
【0062】
キャッシュレスセンタ20により、予め設定された所定額である遊技中対応価値使用上限額が20,000円である旨が携帯端末40に通知され、この通知を受信した携帯端末40において、条件判定部40fにおける所定の条件の所定額が、遊技中対応価値使用上限額の20,000円であることが記憶される。
次に、遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において10,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされると、この携帯対応価値を携帯端末40の有価価値記憶部40bが取得して記憶する。このとき、遊技当日の初回の使用要求はまだ受信されていないため、携帯端末40の状態遷移部40eは遊技前状態である。そのため、このときに有価価値記憶部40bによって取得された10,000円ぶんの携帯対応価値は、遊技前対応価値として記憶される。
【0063】
続けて、遊技者による携帯端末40の操作により、有価価値記憶部40bに記憶された携帯対応価値を使用するための使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、遊技前対応価値の残額が0円に更新される。また、入金実行部40dは、入金完了通知を状態遷移部40eに通知する。
入金完了通知を受信した状態遷移部40eは、このときに入金実行部40dから通知された使用要求が遊技当日の初回の使用要求であるため、この初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時を遊技開始時刻とみなして、この遊技開始時刻を境に遊技前状態から遊技中状態へと状態遷移する。
一方、遊技用装置12では、入金された携帯対応価値が遊技価値付与部12fによって間接的に記憶され、その後、遊技者の変換要求に基づいて、遊技価値付与部12fによって、携帯対応価値(携帯対応プリペイド価値)の引き落としと引き換えにして、携帯対応価値(携帯対応プリペイド価値)から変換された遊技価値(遊技点)が遊技機11に付与される。
【0064】
続けて、遊技者による再度のチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において20,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされると、この携帯対応価値を有価価値記憶部40bが取得して記憶する。このとき、遊技当日の初回の使用要求が受信された後であるため、状態遷移部40eは遊技中状態に遷移している。そのため、有価価値記憶部40bによって取得された20,000円ぶんの携帯対応価値は、遊技中対応価値として記憶される。
【0065】
次に、遊技者による携帯端末40の操作により、携帯対応価値を使用するための使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、20,000円ぶんの遊技中対応価値から10,000円ぶんの遊技中対応価値が引き落とされて、遊技中対応価値の残額が10,000円に更新される。また、このとき、入金実行部40dによって入金された携帯対応価値が、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値であるため、条件判定部40fでは、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値の累計額である遊技中対応価値累計額が10,000円と算出される。
一方、遊技用装置12では、上述したように、遊技者の変換要求に基づいて、遊技価値付与部12fによって、携帯対応価値(携帯対応プリペイド価値)から変換された遊技価値(遊技点)が遊技機11に付与される。
【0066】
その後、遊技者による携帯端末40の操作により、携帯対応価値を使用するための再度の使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、10,000円ぶんの遊技中対応価値から10,000円ぶんの遊技中対応価値が引き落とされるため、遊技中対応価値の残額が0円に更新される。また、このとき、入金実行部40dによって入金された携帯対応価値が、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値であるため、条件判定部40fでは、遊技中対応価値累計額に10,000円が加算され、遊技中対応価値累計額が20,000円と算出される。
【0067】
ここで、遊技中対応価値累計額が20,000円となり、遊技当日に、所定の条件における所定額として設定された遊技中対応価値使用上限額の20,000円に到達したため、条件判定部40fが所定の条件を満たしたと判定し、その判定結果を報知部40gに通知する。この通知を受信した報知部40gでは、所定の条件が満たされたこと、言い換えれば、遊技当日に遊技中対応価値累計額が所定額に到達したことを報知する。これにより、遊技者は、遊技中にチャージした携帯対応価値の使用額(遊技中対応価値から遊技用装置12に入金された累計額)が予め定められた上限額に到達したことを知ることができる。
また、報知部40gが、条件判定部40fから所定の条件を満たしたとする判定結果を受信しているため、遊技中対応価値上限到達情報を報知部12gに通知する。そうすると、遊技中対応価値上限到達情報を受信した報知部12gによっても、遊技当日に遊技中対応価値累計額が所定額に到達したことが報知される。これにより、遊技者以外の遊技店10の係員などが遊技中にチャージされた携帯対応価値の使用額(遊技中対応価値から遊技用装置12に入金された累計額)が予め定められた上限額に到達したことを知ることができる。
【0068】
なお、上述した遊技システム1では、遊技者が同一の遊技店10にて遊技を継続して所定の条件が満たされた場合を例に説明したが、例えば、状態遷移部40e及び条件判定部40fが、遊技店10と、遊技店10の系列店である他の遊技店10´とを区別して認識し、遊技者が遊技店10にて遊技を開始(遊技用装置12に携帯対応価値を入金)して所定の条件が満たされた後、遊技当日中に他の遊技店10´に移動して遊技をしようとする場合に、「状態遷移部40eにおける遊技中状態及び条件判定部40fにおける遊技中対応価値累計額を維持する維持設定」あるいは「状態遷移部40eにおける状態を遊技中状態から遊技前状態へ戻して、条件判定部40fにおける遊技中対応価値累計額をリセットする処理を行うリセット設定」のいずれかの設定が可能な他店設定機能を有していてもよい。
【0069】
例えば、状態遷移部40e及び条件判定部40fにおいて、上述した「維持設定」を選択しておくことで、一度遊技を開始(遊技用装置12に携帯対応価値を入金)して所定の条件が満たされた後であれば、遊技当日中は他の遊技店10´に移動したとしても、状態遷移部40eでは遊技中状態が維持され、条件判定部40fでは遊技中対応価値累計額が維持されるので、他の遊技店10´でも遊技用装置12に入金する度に所定の条件が満たされていることの報知が続くため、他の遊技店10´に移動すれば所定の条件が満たされたことの報知を気にすることなく遊技できてしまうという状況を防ぐことができる。
一方、例えば、状態遷移部40e及び条件判定部40fにおいて、上述した「リセット設定」を選択しておくことで、一度遊技を開始して所定の条件が満たされた後であっても、他の遊技店10´に移動する場合には、他の遊技店10´への移動中に遊技者が冷静な状態に戻っていることも考えられるため、状態遷移部40eにおける状態が遊技前状態に戻されて、条件判定部40fにおける遊技中対応価値累計額がリセットされる。そうすると、遊技者は、他の遊技店10´ではまだ遊技を開始していない(遊技当日に遊技用装置12に一度も携帯対応価値を入金していない)状態となるため、他の遊技店10´においては通常通り遊技を開始できる。
状態遷移部40e及び条件判定部40fにおける遊技店10と他の遊技店10´とを区別して認識する方法は、例えば、入金実行部40dが遊技用装置12への入金の際に取得する遊技店10の店舗IDを使用して識別する。
なお、上述したような状態遷移部40e及び条件判定部40fにおける他店設定機能は、遊技者が遊技店10から他の遊技店10´へ移動した場合のものであるため、例えば、同一の遊技店10の店内において他の遊技機(図示省略)及び遊技用装置(図示省略)へ移動したような場合は、状態遷移部40eでは遊技中状態が維持され、条件判定部40fでも遊技中対応価値累計額はリセットされない。
【0070】
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態である遊技システム2(図1)の概略構成図である。
なお、遊技システム2は、第1実施形態の遊技システム1と同様の構成を備えている。そのため、遊技システム1と同じ構成には同じ符号を付し、主として、遊技システム1とは異なる構成について説明し、遊技システム1と同じ構成についてはその説明を省略する。
【0071】
遊技システム2では、条件判定部40fの代わりに、携帯端末40に累計額通知部40hが、そして、遊技用装置12に累計額検知部12hが設けられており、また、報知部12gの代わりに、累計額検知部12hからの通知に基づいて遊技当日に遊技中対応価値累計額が所定額に到達したことを報知する報知部12iが設けられている。
【0072】
累計額通知部40hは、入金実行部40dによって遊技用装置12に入金がされると、条件判定部40fと同様の方法により、入金実行部40dによって引き落とされた携帯対応価値が、遊技前対応価値であるか、又は、遊技中対応価値であるかを区別して把握し、それぞれの累計額を算出することができる。そして、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値の累計額である遊技中対応価値累計額を、入金実行部40dによる遊技用装置12への入金がある度に算出し、算出された遊技中対応価値累計額を累計額検知部12hに通知する。
【0073】
累計額検知部12hは、累計額通知部40hから通知された遊技中対応価値累計額に基づいて、遊技当日に遊技中対応価値累計額が所定額に到達して所定の条件を満たすか否かを判定し、遊技中対応価値累計額が所定額に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定して、その判定結果を報知部12iに通知する。なお、遊技システム2では、所定額に、例えば、遊技店10の係員の操作によって管理装置14又は中継装置15に予め設定された任意の金額が使用され、管理装置14又は中継装置15から通知された金額を所定額として累計額検知部12hが記憶する。また、所定額の記憶は、遊技用装置12の制御部12aのRAM等の記録装置を利用して記憶される。
このようにして、遊技システム2では、条件判定部40fの代わりに、上述した累計額通知部40hと累計額検知部12hとが協働して、条件判定部40fの機能を果たすように構成されている。そのため、遊技システム2では、「累計額通知部40h及び累計額検知部12h」が「条件判定手段」に相当する。
【0074】
報知部12iは、累計額検知部12hからの通知に基づいて、累計額検知部12hによる判定結果が所定の条件を満したものであることを遊技者及び遊技店10の係員に報知する。報知方法は、報知部12gと同様であり、遊技システム2では、「報知部12i」が「報知手段」に相当する。
【0075】
図7は、遊技システム2において、遊技当日に遊技中対応価値累計額が所定額に到達して所定の条件が満たされたことが報知されるまでの処理を示すシーケンス図である。なお、以下の説明では、遊技用装置12の上位装置である管理装置14又は中継装置15において、予め所定額が20,000円に設定されている場合を例に説明する。
【0076】
管理装置14又は中継装置15により、予め設定された所定額である遊技中対応価値使用上限額が20,000円である旨が遊技用装置12に通知され、この通知を受信した遊技用装置12において、累計額検知部12hにおける所定の条件の所定額が、遊技中対応価値使用上限額の20,000円であることが記憶される。
次に、遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において10,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされると、この携帯対応価値を有価価値記憶部40bが取得し、有価価値記憶部40bによって10,000円ぶんの遊技前対応価値が記憶される。
【0077】
続けて、遊技者による携帯端末40の操作により、有価価値記憶部40bに記憶された携帯対応価値を使用するための使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、遊技前対応価値の残額が0円に更新される。また、入金実行部40dは、入金完了通知を状態遷移部40eに通知する。
このとき、累計額通知部40hは、入金実行部40dによる遊技用装置12への入金があったため、遊技中対応価値累計額を算出し、算出された遊技中対応価値累計額を累計額検知部12hに通知する。この時点では、遊技中対応価値累計額は0円であるため、その旨が累計額検知部12hに通知される。
【0078】
一方、入金完了通知を受信した状態遷移部40eは、このときに入金実行部40dから通知された使用要求が遊技当日の初回の使用要求であるため、初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時を遊技開始時刻とみなして、この遊技開始時刻を境に遊技前状態から遊技中状態へと状態遷移する。
他方、遊技用装置12では、入金された携帯対応価値が遊技価値付与部12fによって間接的に記憶され、その後、遊技者の変換要求に基づいて、遊技価値付与部12fによって、携帯対応価値(携帯対応プリペイド価値)の引き落としと引き換えにして、携帯対応価値(携帯対応プリペイド価値)から変換された遊技価値(遊技点)が遊技機11に付与される。
【0079】
続けて、遊技者による再度のチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において20,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされると、この携帯対応価値を有価価値記憶部40bが取得して記憶する。このとき、遊技当日の初回の使用要求が受信された後であるため、状態遷移部40eは遊技中状態に遷移している。そのため、有価価値記憶部40bによって取得された20,000円ぶんの携帯対応価値は、遊技中対応価値として記憶される。
【0080】
次に、遊技者による携帯端末40の操作により、携帯対応価値を使用するための使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、20,000円ぶんの遊技中対応価値から10,000円ぶんの遊技中対応価値が引き落とされて、遊技中対応価値の残額が10,000円に更新される。また、このとき、入金実行部40dによって入金された携帯対応価値が、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値であるため、累計額通知部40hでは、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値の累計額である遊技中対応価値累計額が10,000円に更新され、その旨が累計額検知部12hに通知される。
一方、遊技用装置12では、上述したように、遊技者の変換要求に基づいて、遊技価値付与部12fによって、携帯対応価値(携帯対応プリペイド価値)から変換された遊技価値(遊技点)が遊技機11に付与される。
【0081】
その後、遊技者による携帯端末40の操作により、携帯対応価値を使用するための再度の使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、10,000円ぶんの遊技中対応価値から10,000円ぶんの遊技中対応価値が引き落とされるため、遊技中対応価値の残額が0円に更新される。また、このとき、入金実行部40dによって入金された携帯対応価値が、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値であるため、累計額通知部40hは、遊技中対応価値累計額に10,000円を加算して、遊技中対応価値累計額を20,000円に更新し、その旨を累計額検知部12hに通知する。
【0082】
ここで、累計額通知部40hから遊技中対応価値累計額を受信した累計額検知部12hは、遊技中対応価値累計額が20,000円となり、所定の条件における所定額として設定された遊技中対応価値使用上限額の20,000円に遊技当日に到達したため、所定の条件が満たされたと判定し、その判定結果を報知部12iに通知する。その通知を受信した報知部12iでは、所定の条件が満たされたこと、言い換えれば、遊技当日に遊技中対応価値累計額が所定額に到達したことを報知する。これにより、遊技者及び遊技店10の係員などが遊技中にチャージされた携帯対応価値の使用額(遊技中対応価値から遊技用装置12に入金された累計額)が予め定められた上限額に到達したことを知ることができる。
【0083】
続けて、第1実施形態の遊技システム1及び第2実施形態の遊技システム2に共通する構成について、さらに詳しく説明する。
【0084】
図8は、入金実行部40dによる遊技用装置12への入金処理の一例を示すシーケンス図である。入金実行部40dは、上述したように、遊技者による使用要求を受け付けたときに、有価価値記憶部40bに遊技前対応価値と遊技中対応価値の両方が記憶されている場合、遊技前対応価値を遊技中対応価値よりも優先して引き落として遊技用装置12に入金する遊技前対応価値優先引落機能を有している。例えば、図8に示すように、遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において10,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされると、この携帯対応価値を携帯端末40の有価価値記憶部40bが取得して記憶する。このとき、遊技当日の初回の使用要求はまだ受信されていないため、10,000円ぶんの遊技前対応価値が記憶される。
【0085】
その後、遊技者による携帯端末40の操作により、有価価値記憶部40bに記憶された携帯対応価値を使用するための使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、5,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。ここでは、有価価値記憶部40bに記憶されている携帯対応価値は、遊技前対応価値のみであるため、10,000円ぶんの遊技前対応価値から5,000円ぶんの遊技前対応価値か引き落されて遊技用装置12に入金される。そして、有価価値記憶部40bでは、遊技前対応価値の残額が5,000円に更新される。また、入金実行部40dにより入金完了通知が状態遷移部40eに通知され、この通知を受信した状態遷移部40eが、遊技前状態から遊技中状態へと状態遷移する。
【0086】
その後、例えば、遊技者が残りのチャージ済みの遊技前対応価値(5,000円ぶん)を遊技用装置12に入金する前に、再度のチャージ要求により、キャッシュレスセンタ20に20,000円ぶんの携帯対応価値を追加でチャージしたとすると、この携帯対応価値が有価価値記憶部40bによって取得されて記憶される。このとき、状態遷移部40eは遊技中状態に遷移しているため、有価価値記憶部40bによって取得された20,000円ぶんの携帯対応価値は、遊技中対応価値として記憶される。
【0087】
続けて、遊技者による携帯端末40の操作により、携帯対応価値を使用するための使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、5,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。このとき、有価価値記憶部40bには、5,000円ぶんの遊技前対応価値と、20,000円ぶんの遊技中対応価値とが記憶されているため、入金実行部40dは、20,000円ぶんの遊技中対応価値よりも、5,000円ぶんの遊技前対応価値から優先して引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、5,000円ぶんの遊技前対応価値が引き落とされて、遊技前対応価値の残額が0円に更新される。このようにして、入金実行部40dは、遊技者による使用要求を受け付けたときに、有価価値記憶部40bに遊技前対応価値と遊技中対応価値の両方が記憶されている場合には、遊技前対応価値を遊技中対応価値よりも優先して引き落として遊技用装置12に入金する。
このように、遊技前対応価値優先引落機能を有する入金実行部40dであれば、遊技者が遊技中にチャージした遊技中対応価値が先に引き落とされてしまうことがないので、遊技前対応価値に残額がある状態であっても、遊技者が安心して遊技中に新たな携帯対応価値をチャージすることができる。また、遊技中対応価値よりも遊技前対応価値が優先して引き落とされるため、冷静な状態の遊技者がチャージした遊技前対応価値が残されたまま、遊技中対応価値累計額が所定額に到達してしまうことを防止できる。したがって、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値の累計額(遊技中対応価値累計額)に基づく判定を適切に運用することができる。
【0088】
図9は、単位額判定機能を有する入金実行部40dによる処理の一例を示すシーケンス図である。
入金実行部40dは、例えば、遊技者による使用要求を受け付けたときに、有価価値記憶部40bに遊技前対応価値と遊技中対応価値の両方が記憶され、かつ、遊技前対応価値の残額が遊技価値付与部12fによって遊技価値に変換できる単位額よりも少額である場合に、遊技前対応価値よりも遊技中対応価値を優先して引き落とすことができる。
単位額判定機能を有する入金実行部40dでは、遊技価値付与部12fによって遊技価値(遊技点)に変換が可能な携帯対応価値について、遊技価値(遊技点)への変換が可能な最小の単位額である最少交換単位額を、携帯端末40が備えるICチップ等の記録装置を利用して記憶している。なお、最少交換単位額は、予め携帯端末40の入金実行部40dに設定されていてもよいし、予め遊技店10の係員によって遊技用装置12、管理装置14、中継装置15又はキャッシュレスセンタ20のいずれかに設定されたものを、これらのいずれかと携帯端末40とが通信した際に、入金実行部40dが取得して記憶してもよい。また、最少交換単位額の金額は任意であり、例えば、一般的な金額として、パチンコ機では500円であり、パチスロ機では1,000円である。遊技システム1及び遊技システム2では、最少交換単位額が500円に設定されている。
【0089】
例えば、図9に示すように、遊技者が、他の遊技店10´において遊技を開始し、状態遷移部40eを遊技中状態へと状態遷移させた後に、当該他の遊技店10´において遊技前対応価値を使用して、さらにその後、当該他の遊技店10´から移動して遊技店10に来店したとする。
このとき、携帯端末40の有価価値記憶部40bには50円ぶんの遊技前対応価値が記録された状態で、チャージ要求によって、キャッシュレスセンタ20において20,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされると、有価価値記憶部40bには、50円ぶんの遊技前対応価値に加えて、20,000円ぶんの遊技中対応価値が記憶される。
その後、遊技者による使用要求が受信されると、入金実行部40dは、遊技前対応価値の残額を最少交換単位額と比較して、遊技前対応価値の残額が最少交換単位額よりも少額である場合には、使用要求によって指定された額を遊技前対応価値ではなく、遊技中対応価値から引き落とす。例えば、遊技システム1及び遊技システム2では最少交換単位額が500円に設定されているため、図9に示すように、使用要求(指定額が5,000円)が受信されたとすると、入金実行部40dは、遊技前対応価値の残額(50円ぶん)を最少交換単位額の500円と比較する。そして、この場合には、遊技前対応価値の残額(50円ぶん)が最少交換単位額の500円よりも少額であるため、入金実行部40dは、使用要求によって指定された額の5,000円ぶんの携帯対応価値を、遊技前対応価値からではなく、遊技中対応価値から優先して引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、遊技中対応価値の残額が15,000円に更新され、遊技前対応価値は50円のままとなる。上述のようにして、入金実行部40dの単位額判定機能が機能する。
このように、単位額判定機能を有する入金実行部40dであれば、遊技前対応価値の残額が遊技に使用できない少額である場合には、遊技前対応価値を残したまま、遊技中対応価値から遊技価値に変換して遊技用装置12に入金して遊技をすることができる。
【0090】
図10は、携帯対応価値移行機能を有する有価価値記憶部40bによる処理の一例を示すシーケンス図である。
有価価値記憶部40bは、入金実行部40dによって遊技当日の初回の使用要求が受け付けられたときに、遊技中対応価値に残額がある場合、この残額を遊技中対応価値から遊技前対応価値に移行する。
遊技システム1及び遊技システム2では、入金実行部40dが、遊技者からの使用要求を受け付けたときに、有価価値記憶部40bに対して使用要求を受け付けた旨(使用要求受付通知)を事前に通知する。そして、有価価値記憶部40bは、入金実行部40dから受信された使用要求受付通知が遊技当日の初回の使用要求受付通知であるときに、遊技中対応価値に遊技者が使用せずに前日以前から繰り越した残額がある場合、この残額を遊技中対応価値から遊技前対応価値に移行する。入金実行部40dから通知される使用要求受付通知には、状態遷移部40eへの入金完了通知と同様に、携帯端末40が備える計時機能を利用して計時される使用要求を受信した日時である使用要求受付日時が含まれている。有価価値記憶部40bは、その使用要求受付日時に基づいて、通知された使用要求受付通知が遊技当日の初回の通知であるか否かを判断する。そして、入金実行部40dから受信された使用要求受付通知が遊技当日の初回の使用要求受付通知であるときに、遊技中対応価値の残額を遊技中対応価値から遊技前対応価値に移行する。
なお、有価価値記憶部40bは、遊技中対応価値から遊技前対応価値への移行処理が完了した旨を入金実行部40dに通知する。一方、入金実行部40dは、有価価値記憶部40bからの移行処理完了の通知を待って、この通知が届き次第、遊技用装置12への入金処理を通常通り実行する。これにより、有価価値記憶部40bによって携帯対応価値の移行が完了する前に入金実行部40dによる入金処理が行われてしまうことを防止できる。
【0091】
例えば、図10に示すように、状態遷移部40eが遊技中状態であるときに、遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において20,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされると、この携帯対応価値が有価価値記憶部40bによって20,000円ぶんの遊技中対応価値として記憶される。その後、入金実行部40dに遊技者からの使用要求が受信されると、入金実行部40dが有価価値記憶部40bに対して使用要求受付通知を通知する(図示省略)。このときに通知される使用要求受付通知は、すでに遊技が開始されていることから、遊技当日の初回の使用要求に基づくものではないため、有価価値記憶部40bでは、通常通り、入金実行部40dによって遊技用装置12に入金された10,000円ぶんの遊技中対応価値が差し引かれて、遊技中対応価値の残額が10,000円に更新される。この状態で、この日は遊技者が遊技中対応価値の残額を残したまま遊技を終了したとする。
【0092】
そして、日付が更新され、翌日以降に遊技者が遊技店10に再来店すると、有価価値記憶部40bには、10,000円ぶんの遊技中対応価値の残額が残された状態となっている。ここで、遊技者による使用要求が入金実行部40dに受信されると、入金実行部40dは、有価価値記憶部40bに対して使用要求受付通知を通知する(図示省略)。このときに通知される使用要求受付通知は、その日の初回の使用要求に基づくものである。そうすると、有価価値記憶部40bは、前日以前から繰り越された遊技中対応価値の残額(10,000円)があるため、この残額を遊技中対応価値から遊技前対応価値に移行し、遊技前対応価値の残額を10,000円に更新する。その後、有価価値記憶部40bは、遊技中対応価値から遊技前対応価値への携帯対応価値の移行処理完了を入金実行部40dに通知し、この通知を受信した入金実行部40dによって遊技用装置12への入金処理が実行される。このとき、例えば、入金実行部40dが受信した使用要求で指定された額が5,000円であったとすると、入金実行部40dは、10,000円ぶんの遊技前対応価値から5,000円ぶんの遊技前対応価値を引き落として遊技用装置12へ入金する。その後、有価価値記憶部40bでは、遊技前対応価値の残額が5,000円に更新される。
このように、携帯対応価値移行機能を有する有価価値記憶部40bであれば、例えば、遊技当日に遊技中対応価値に残額がある状態で遊技を終了した場合でも、後日来店した際の入金実行部40dによる初回の使用要求の受付時には、その残額が自動で遊技中対応価値から遊技前対応価値に移行されるので、遊技者が前日以前の遊技終了時に残した遊技中対応価値の残額を遊技前対応価値として使用できる。
【0093】
図11は、遊技前状態復帰機能を有する状態遷移部40eによる処理の一例を示すシーケンス図である。
状態遷移部40eは、遊技当日の日付を記憶して、この日付が翌日以降になったことを検知したときに、遊技中状態から遊技前状態へと状態遷移して、遊技前状態に自動で復帰する。遊技システム1及び遊技システム2では、状態遷移部40eを含む携帯端末40の各構成(例えば、有価価値記憶部40b、入金実行部40d及び条件判定部40f等の構成)は、携帯端末40内にインストールされる1つのソフトウェアアプリケーションとして構成される。そのため、当該ソフトウェアアプリケーションが起動されると、携帯端末40がキャッシュレスセンタ20等の他の機器と通信を行うことにより、また、携帯端末40内の各構成同士が通信を行うことにより、各種情報の更新が行われる。
状態遷移部40eは、携帯端末40が備える計時機能を利用して、遊技中状態に遷移したときの日付を取得し、この日付を遊技当日の日付として携帯端末40が備えるICチップ等の記録装置を利用して記憶する。その後、状態遷移部40eは、例えば、状態遷移部40eを含むソフトウェアアプリケーションが起動される度に、携帯端末40が備える計時機能を利用して、当該ソフトウェアアプリケーションの起動時の日付を取得する。そして、当該ソフトウェアアプリケーションの起動時の日付と、遊技当日の日付とを比較して、当該ソフトウェアアプリケーションの起動時の日付が、遊技当日の日付の翌日以降であった場合には、日付が更新されたこと(翌日以降になったこと)を検知して、遊技中状態から遊技前状態へと状態遷移する。
【0094】
具体的には、例えば、図11に示すように、状態遷移部40eが遊技中状態に遷移した日付が2023年10月10日であるとすると、状態遷移部40eは、当該日付を遊技当日の日付として取得して記憶する。その後、遊技者が遊技を終了して退店し、その翌日(2023年10月11日)以降に携帯端末40内にインストールされた状態遷移部40eを含むソフトウェアアプリケーションを起動させると、当該ソフトウェアアプリケーションの起動時の日付を状態遷移部40eが取得する。そして、当該ソフトウェアアプリケーションの起動時の日付(2023年10月11日以降の日付)と、遊技当日の日付(2023年10月10日)とを比較して、当該ソフトウェアアプリケーションの起動時の日付(2023年10月11日以降の日付)が、遊技当日の日付(2023年10月10日)の翌日以降であるため、日付が更新されたことを検知する。この日付の更新の検知に基づいて、状態遷移部40eは、遊技中状態から遊技前状態へと状態遷移する。その後の処理の流れは、遊技システム1における説明と同様である。
このように、遊技前状態復帰機能を有する状態遷移部40eであれば、一旦遊技中状態に状態遷移した後、日付の更新を検知することにより、遊技中状態から遊技前状態に自動で遷移して状態を元に戻すことができる。そのため、翌日以降の遊技開始時刻(入金実行手段による初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時)には、遊技前状態に自動で遷移して状態が元に戻っているので、遊技開始時刻を境にして再び遊技前状態から遊技中状態への状態遷移が可能になる。したがって、状態遷移部40eにおける状態遷移を手動で切り替える必要がないので、運用が容易な遊技システム1又は遊技システム2となる。
【0095】
遊技システム1や遊技システム2では、遊技前対応価値に残額がある状態において、追加で携帯対応価値をチャージ(生成)できるものとして構成したが、例えば、遊技前対応価値の残額がすべて遊技用装置12に入金された後でなければ、新たな携帯対応価値をチャージ(生成)できない追加チャージ制御機能を有する制御部20aとして構成してもよいし、また、そのように構成された制御部20aの追加チャージ制御機能を有効化又は無効化できるように設定を可変に構成してもよい。
さらに、遊技システム2では、累計額検知部12h及び報知部12iを備える遊技用装置12において、所定の条件の判定を行い、この判定結果に基づいて報知を行う例を示したが、累計額検知部12h及び報知部12iを備える遊技用装置12における報知は、報知部12iに限定されるものではなく、例えば、その判定結果を携帯端末40、管理装置14及び/又は中継装置15等に通知して、これらの機器(携帯端末40、管理装置14及び/又は中継装置15等の機器)から報知されるように構成してもよい。
【0096】
また、例えば、遊技システム1及び遊技システム2において、遊技用装置12における記録媒体処理部12eが、遊技者が所持する記録媒体50を受け付けて、この記録媒体50が遊技店10に会員登録をした遊技者に発行される会員用記録媒体であるか否かの識別が可能な記録媒体識別機能を備え、さらに、遊技システム1における報知部12g及び報知部40g並びに遊技システム2における報知部12iが、記録媒体50が会員用記録媒体である場合で、かつ、遊技者が希望する場合に、所定の条件が満たされたことの報知を有効にする報知有効化機能を有するものとして構成してもよい。また、例えば、遊技システム1における条件判定部40f、及び、遊技システム2における累計額検知部12hを、記録媒体50が会員用記録媒体である場合に、遊技者による設定要求に基づいて、遊技者が予め定めた1日の遊技に使用可能な上限額を所定額として設定可能な上限額設定機能を有するものとして構成してもよい。
上述のように構成する場合には、例えば、記録媒体処理部12eが、遊技者が所持する記録媒体50を受け付けると、記録媒体50の固有の識別情報である記録媒体識別情報(例えば、カードID)に基づいて、図示を省略した会員管理サーバに問い合わせを行い、受け付けられた記録媒体50が、会員用記録媒体であるか、又は、一般用記録媒体であるかを識別するための情報である種類識別情報を取得する。この種類識別情報に基づく判断の結果、記録媒体50が会員用記録媒体である場合には、遊技システム1では、記録媒体処理部12eがその旨を条件判定部40f、報知部12g及び報知部40gに通知し、また、遊技システム2では、記録媒体処理部12eがその旨を累計額検知部12h及び報知部12iに通知する。そして、会員用記録媒体である旨の通知を受信した報知部12g、報知部12i及び報知部40gでは、遊技者が希望する場合に、所定の条件が満たされたことの報知を有効にすることが可能になる。なお、遊技者による希望は、例えば、携帯端末40における報知部40gであれば、携帯端末40による操作によって受け付けられてもよいし、遊技用装置12における報知部12g又は報知部12iであれば、遊技用装置12に設けられたタッチパネル等の入力装置の操作によって受け付けられてもよい。そして、遊技者から報知を有効化する旨の希望を受信した場合には、所定の条件が満たされたことの報知を有効化する。
なお、記録媒体処理部12eによる記録媒体が会員用記録媒体であるか否かの識別は、記録媒体識別情報(例えば、カードID)に基づく識別の他、例えば、会員用記録媒体である記録媒体50に会員用記録媒体であることを示す識別子を付しておき、この識別子の有無によって識別する方法などでもよい。
【0097】
さらに上述のように構成する場合には、記録媒体50が会員用記録媒体である旨の通知を受信した条件判定部40f及び累計額検知部12hにおいて、遊技者による設定要求に基づいて、所定額の設定が可能になる。このときに定められる所定額は、遊技者自身が遊技にのめり込む遊技依存傾向を判断できる指標として定めた1日の遊技に使用可能な上限額であることが望ましい。これにより、遊技者は、所定の条件が満たされたとする判定結果に基づく報知により、遊技中対応価値累計額が自ら定めた上限額に到達したことを知ることができる。したがって、自ら定めた上限額内において適切に遊技を楽しむことができる。
なお、遊技者による設定要求は、例えば、携帯端末40における条件判定部40fであれば、携帯端末40による操作によって受け付けられてもよいし、遊技用装置12における累計額検知部12hであれば、遊技用装置12に設けられたタッチパネル等の入力装置の操作によって受け付けられてもよい。また、遊技者が上限額を遊技店10の係員に申告して、この申告された上限額がキャッシュレスセンタ20、管理装置14又は中継装置15に所定額として設定された後に、条件判定部40f及び累計額検知部12hに通知されるように構成してもよい。
【0098】
また、遊技システム1及び遊技システム2では、有価価値記憶部40bや入金実行部40dが携帯端末40に備えられた例を示したが、有価価値記憶手段や入金実行手段は、例えば、キャッシュレスセンタ20などの管理機能部100に備えられていてもよい。さらに、遊技システム1では、条件判定部40fや入金実行部40dが携帯端末40に備えられた例を示したが、条件判定手段は、管理機能部100(中継装置15及び/又はキャッシュレスセンタ20)や遊技用装置12に備えられていてもよいし、また、管理機能部100(中継装置15及び/又はキャッシュレスセンタ20)が報知手段を備え、この報知手段によって所定の条件が満たされたことが報知されるように構成してもよい。この場合の報知には、例えば、管理機能部100を構成する中継装置15及び/又はキャッシュレスセンタ20において、着信音又は自動音声による報知や、中継装置15及び/又はキャッシュレスセンタ20に備えられた画面に所定額に到達した旨の表示をする報知などが考えられる。
【0099】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態である遊技システム1a(図1)の概略構成を、図2を参照して説明する。なお、遊技システム1aは、第1実施形態の遊技システム1と同様の構成を備えている。そのため、遊技システム1と同じ構成には同じ符号を付し、主として、遊技システム1とは異なる構成について説明し、遊技システム1と同じ構成についてはその説明を省略する。
【0100】
遊技システム1aでは、携帯端末40における条件判定部40iが期間別判定機能を有している。この条件判定部40iでは、上述した所定の条件に基づく判定に加えて、所定の条件とは別の所定の条件(以下、「別の所定の条件」を「別の条件」という。)に基づいて判定が行われる。別の条件とは、入金実行部40dによって遊技用装置12に入金された携帯対応価値の累計額のうち、予め設定された複数日に跨る所定期間内の遊技中対応価値累計額を合計した遊技中対応価値合計累計額が、当該所定期間内に、当該所定期間に対応する所定額(以下、「所定期間に対応する所定額」を「別の所定額」という。)に到達することである。なお、所定期間及び別の所定額には、例えば、遊技店10の係員の操作によりキャッシュレスセンタ20に予め設定された複数日に跨る任意の期間及び任意の金額が使用され、この期間及び金額がキャッシュレスセンタ20から条件判定部40iに通知されて、それぞれが所定期間及び別の所定額として条件判定部40iに記憶される。また、これらの記憶は、携帯端末40のICチップ等の記録装置を利用して記憶される。
例えば、条件判定部40iにおいて、所定の条件の所定額に遊技当日の遊技中対応価値の使用上限額である30,000円が設定され、一方、別の条件の所定期間に1ヶ月間が設定されると共に、別の所定額(所定期間である1ヶ月間に対応する所定額)に1ヶ月間の遊技中対応価値の使用上限額である100,000円が設定されているとする。そうすると、例えば、遊技当日の遊技中対応価値累計額が30,0000円に満たない日が続いた場合でも、所定期間である1ヶ月間内に遊技中対応価値累計額を合計した遊技中対応価値合計累計額が別の所定額である100,000円に到達した場合には、条件判定部40iが所定の条件とは異なる別の条件が満たされたとして判定する。
【0101】
図12は、条件判定部40iによる処理の一例を示すシーケンス図である。
なお、図12では、上述した所定額、所定期間、及び、別の所定額がキャッシュレスセンタ20において予め設定されている場合を例に説明する。
まずキャッシュレスセンタ20からの所定額、所定期間、及び、別の所定額に関する通知を受信した携帯端末40の条件判定部40iにおいて、所定の条件の所定額として遊技中対応価値使用上限額(1日)の30,000円が記憶され、別の条件の所定期間として1ヶ月間が記憶され、さらに、別の所定額として遊技中対応価値使用上限額(1ヶ月間)の100,000円が記憶される。
その後、例えば、所定期間である1ヶ月間において、遊技者が遊技開始以降にチャージした遊技中対応価値を、遊技1日目から5日目まで毎日20,000円ずつ遊技用装置12に入金して使用したとする。このとき、日々の遊技中対応価値累計額は、遊技1日目から5日目まで毎日20,000円であり、遊技当日に所定額に到達した日はないため、所定の条件は満たされていない。
【0102】
一方で、遊技1日目から5日目までのそれぞれの遊技中対応価値累計額(20,000円)を合計した遊技中対応価値合計累計額は5日目に100,000円となり、所定期間(1ヶ月間)内に、別の所定額(100,000円)に到達しているため、別の条件が満たされている。そうすると、条件判定部40iは、所定の条件が満たされていない場合であっても、別の条件が満たされているため、別の条件が満たされたと判定して、その判定結果を報知部40gに通知する。この通知を受信した報知部40gでは、報知が行われると共に、条件判定部40iからの通知を受信したことが遊技中対応価値上限到達情報として報知部12gに通知される。そして、遊技中対応価値上限到達情報を受信した報知部12gによっても報知が行われる。
【0103】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態である遊技システム2a(図1)の概略構成を、図6を参照して説明する。なお、遊技システム2aは、第2実施形態の遊技システム2と同様の構成を備えている。そのため、遊技システム2と同じ構成には同じ符号を付し、主として、遊技システム2とは異なる構成について説明し、遊技システム2と同じ構成についてはその説明を省略する。また、遊技システム2aは、上述した遊技システム1aと同様の機能を備えている。そのため、遊技システム1aにおける説明で用いた用語(例えば、「遊技中対応価値合計累計額」、「別の条件」及び「別の所定額」等の用語)と同様の意味を有するものは、同じ用語を用いて説明する。
【0104】
遊技システム2aでは、携帯端末40に設けられた累計額通知部40jが、遊技中対応価値合計累計額を算出する合計累計額算出機能を有し、遊技用装置12に設けられた累計額検知部12jが、合計累計額判定機能を有している。
累計額通知部40jは、予め設定された複数日に跨る所定期間内の遊技中対応価値累計額を合計した遊技中対応価値合計累計額を算出し、算出した遊技中対応価値合計累計額を累計額検知部12hに通知する。一方、累計額検知部12jは、所定の条件に基づく判定に加えて、別の条件に基づいて判定を行う。別の条件とは、遊技システム1aの場合と同様であり、入金実行部40dによって遊技用装置12に入金された携帯対応価値の累計額のうち、予め設定された複数日に跨る所定期間内の遊技中対応価値累計額を合計した遊技中対応価値合計累計額が、当該所定期間内に、別の所定額に到達することである。なお、所定期間及び別の所定額には、例えば、遊技店10の係員の操作により管理装置14又は中継装置15に予め設定された複数日に跨る任意の期間及び任意の金額が使用され、この期間及び金額が管理装置14又は中継装置15から累計額検知部12jに通知されて、それぞれが所定期間及び別の所定額として累計額検知部12jに記憶される。また、これらの記憶は、遊技用装置12の制御部12aのRAM等の記録装置を利用して記憶される。
【0105】
累計額検知部12jは、累計額通知部40jから通知される遊技中対応価値合計累計額に基づいて、複数日に跨る所定期間内の遊技中対応価値合計累計額が、当該所定期間内に、別の所定額に到達して別の条件が満たされるか否かを判定し、遊技中対応価値合計累計額が別の所定額に到達した場合に、別の条件が満たされたと判定して、その判定結果を報知部12iに通知する。例えば、累計額検知部12jにおいて、所定の条件の所定額に遊技当日の遊技中対応価値の使用上限額である30,000円が設定され、一方で、別の条件の所定期間に1ヶ月間が設定されると共に、別の所定額(所定期間である1ヶ月間に対応する所定額)に1ヶ月間の遊技中対応価値の使用上限額である100,000円が設定されているとする。そうすると、遊技当日の遊技中対応価値累計額が30,0000円に満たない日が続いた場合でも、所定期間である1ヶ月間内に遊技中対応価値累計額を合計した遊技中対応価値合計累計額が別の所定額である100,000円に到達した場合には、累計額検知部12jが所定の条件とは異なる別の条件が満たされたとして判定する。
【0106】
図13は、累計額通知部40j及び累計額検知部12jによる処理の一例を示すシーケンス図である。
なお、図13では、上述した所定額、所定期間、及び、別の所定額が、遊技用装置12の上位装置である管理装置14又は中継装置15において予め設定されている場合を例に説明する。
まず管理装置14又は中継装置15からの所定額、所定期間、及び、別の所定額に関する通知を受信した遊技用装置12の累計額検知部12jにおいて、所定の条件の所定額として遊技中対応価値使用上限額(1日)の30,000円が記憶され、別の条件の所定期間として1ヶ月間が記憶され、さらに、別の所定額として遊技中対応価値使用上限額(1ヶ月間)の100,000円が記憶される。
【0107】
その後、例えば、所定期間である1ヶ月間に、遊技者が遊技開始以降にチャージした遊技中対応価値を、遊技1日目から5日目まで毎日20,000円ずつ遊技用装置12に入金して使用したとする。このとき、累計額通知部40jから累計額検知部12jに対して、日々の遊技中対応価値累計額が通知されると共に、それぞれの日毎の遊技中対応価値合計累計額が通知される。具体的には、例えば、遊技1日目には遊技中対応価値累計額が20,000円であることと遊技中対応価値合計累計額が20,000円であることが通知され、遊技2日目には遊技中対応価値累計額が20,000円であることと遊技中対応価値合計累計額が40,000円であることが通知され、遊技3日目には遊技中対応価値累計額が20,000円であることと遊技中対応価値合計累計額が60,000円であることが通知されている。
【0108】
そして、遊技4日目までは、遊技中対応価値累計額が毎日20,000円であり、遊技当日に所定額に到達した日はないため、所定の条件は満たされておらず、また、遊技中対応価値合計累計額も80,000円であるため、別の条件も満たされていない。
一方で、遊技5日目には、遊技1日目から5日目までのそれぞれの遊技中対応価値累計額(20,000円)を合計した遊技中対応価値合計累計額が100,000円となり、所定期間(1ヶ月間)内に、別の所定額(100,000円)に到達しているため、別の条件が満たされたことになる。そうすると、累計額検知部12jは、所定の条件が満たされていない場合でも、別の条件が満たされているため、別の条件が満たされたと判定し、その判定結果を報知部12iに通知する。そして、この通知を受信した報知部12iにおいて報知が行われる。
なお、遊技中対応価値合計累計額は、同一の遊技用装置12に入金されたものに限定されるものではなく、異なる遊技用装置12に入金されたものを含むように構成してもよい。この場合には、例えば、遊技1日目と遊技2日目とで遊技者が異なる遊技用装置12に20,000円ずつ入金した場合には、遊技2日目の遊技中対応価値合計累計額は40,000円となる。また、遊技者が遊技店10と遊技店10の系列店である遊技店10´とで遊技した場合に、両遊技店10,10´の遊技用装置12に入金されたものが、遊技中対応価値合計累計額に含まれるように構成してもよい。この場合には、例えば、遊技1日目に遊技店10の遊技用装置12に20,000円が入金され、遊技2日目に遊技店10´の遊技用装置12に20,000円が入金された場合には、遊技2日目の遊技中対応価値合計累計額は40,000円となる。
【0109】
<第5実施形態>
図14は、本発明の第5実施形態である遊技システム1b(図1)の概略構成図である。なお、遊技システム1bは、第1実施形態の遊技システム1と同様の構成を備えている。そのため、遊技システム1と同じ構成には同じ符号を付し、主として、遊技システム1とは異なる構成について説明し、遊技システム1と同じ構成についてはその説明を省略する。
【0110】
遊技システム1bでは、携帯端末40における有価価値記憶部40bの代わりにキャッシュレスセンタ20において有価価値記憶部20eが設けられ、また、携帯端末40において、有価価値記憶部20eから携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する入金実行部40kと、有価価値記憶部20eに状態遷移に関する情報を通知することができる状態遷移部40lとが設けられている。
有価価値記憶部20eは、携帯端末40における有価価値記憶部40bと同様に、遊技前対応価値と遊技中対応価値とを区別して記憶する。このとき、有価価値記憶部20eは、遊技前対応価値と遊技中対応価値とを区別するため、遊技者によるチャージ要求と共に、状態遷移部40lから状態遷移に関する情報を受信し、この状態遷移に関する情報に基づいて、携帯対応価値を遊技前対応価値と遊技中対応価値とに区別して記憶する。状態遷移部40lから送信される状態遷移に関する情報とは、具体的には、チャージ要求が送信される時点の状態遷移部40lの状態、言い換えれば、状態遷移部40lが遊技前状態又は遊技中状態のいずれであるかが判別できる情報が送信される。この遊技前状態又は遊技中状態のいずれであるかが判別できる情報に基づいて、有価価値記憶部20eが携帯対応価値を遊技前対応価値と遊技中対応価値とに区別して記憶する。また、有価価値記憶部20eは、この記憶した遊技前対応価値及び遊技中対応価値に関する情報を携帯端末40に通知する。
【0111】
遊技前対応価値及び遊技中対応価値に関する情報を受信した携帯端末40では、遊技前対応価値及び遊技中対応価値の残額を遊技者が確認することができる。そして、この残額を確認した遊技者は、携帯端末40の操作によって、携帯対応価値の使用要求を入金実行部40kに送信することができる。この使用要求を受信した入金実行部40kは、その旨を有価価値記憶部20eに送信すると共に、使用要求で指定された額の携帯対応価値を有価価値記憶部20eから引き落として、遊技用装置12に入金する。
言い換えれば、遊技システム1bでは、携帯対応価値がキャッシュレスセンタ20において記憶され、このキャッシュレスセンタ20において記憶された携帯対応価値を携帯端末40における入金実行部40kが取得して遊技用装置12に入金するように構成されている。
【0112】
図15は、有価価値記憶部20e、入金実行部40k及び状態遷移部40lによる処理の一例を示すシーケンス図である。
まず遊技者による携帯端末40の操作に基づいて、チャージ要求がキャッシュレスセンタ20に送信される。このとき、遊技者による遊技が開始されていないため、チャージ要求と共に、状態遷移部40lから状態遷移に関する情報として、状態遷移部40lが遊技前状態である旨が送信される。そして、チャージ要求で指定された額が10,000円であるとすると、キャッシュレスセンタ20において、10,000円ぶんの携帯対応価値をチャージするチャージ処理が行われた後、この携帯対応価値が有価価値記憶部20eによって取得されて記憶される。このとき、状態遷移部40lから送信された状態遷移に関する情報が遊技前状態であるため、有価価値記憶部20eによって取得される10,000円ぶんの携帯対応価値は、遊技前対応価値として記憶される。そして、有価価値記憶部20eにおいて記録された10,000円ぶんの遊技前対応価値、及び、0円ぶんの遊技中対応価値に関する情報が携帯端末40に通知される。
【0113】
次に、遊技前対応価値及び遊技中対応価値の残額を確認した遊技者による携帯端末40の操作により、使用要求が送信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40kがその旨を有価価値記憶部20eに通知すると共に、指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。このとき、有価価値記憶部20eでは、遊技前対応価値の残額が0円に更新される。また、入金実行部40kは、入金完了通知を状態遷移部40lに通知する。
入金完了通知を受信した状態遷移部40lは、入金実行部40kから通知された使用要求が遊技当日の初回の使用要求であるため、この初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時を遊技開始時刻とみなして、この遊技開始時刻を境に遊技前状態から遊技中状態へと状態遷移する。
【0114】
続けて、遊技者による携帯端末40の操作に基づいて、再度のチャージ要求がキャッシュレスセンタ20の情報管理部20bに送信される。このとき、遊技者による遊技が開始されているため、チャージ要求と共に、状態遷移部40lから状態遷移に関する情報として、状態遷移部40lが遊技中状態である旨が送信される。そして、チャージ要求で指定された額が20,000円であるとすると、キャッシュレスセンタ20において、20,000円ぶんの携帯対応価値をチャージするチャージ処理が行われた後、この携帯対応価値が有価価値記憶部20eによって取得されて記憶される。このとき、状態遷移部40lから送信された状態遷移に関する情報が遊技中状態であるため、有価価値記憶部20eによって取得される20,000円ぶんの携帯対応価値は、遊技中対応価値として記憶される。そして、有価価値記憶部20eにおいて記録されている0円ぶんの遊技前対応価値、及び、20,000円ぶんの遊技中対応価値に関する情報が携帯端末40に通知される。
【0115】
次に、遊技前対応価値及び遊技中対応価値の残額を確認した遊技者による再度の携帯端末40の操作により、使用要求が送信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40kがその旨を有価価値記憶部20eに通知すると共に、指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。このとき、有価価値記憶部20eでは、遊技中対応価値の残額が10,000円に更新される。
なお、遊技システム1bでは、有価価値記憶部20eにおいて記録された遊技前対応価値及び遊技中対応価値に関する情報が自動で携帯端末40に通知される例を示したが、有価価値記憶部20eにおいて記録された遊技前対応価値及び遊技中対応価値に関する情報が、携帯端末40からの問い合わせ要求を受信したことに基づいて、この問い合わせ要求に応答する形で、有価価値記憶部20eから通知されるように構成してもよい。
【0116】
また、遊技システム1bでは、有価価値記憶部20eにおいて携帯対応価値のみが記録される例を示したが、例えば、有価価値記憶部20eを情報管理部20b内に組み込んで構成し、例えば、図3(B)に示すキャッシュレスセンタ管理テーブル61のように、携帯対応情報を集約すると共に、その中で携帯対応価値(キャッシュレス残高)を遊技前対応価値と遊技中対応価値とに区別して記憶して管理してもよい。なお、キャッシュレスセンタ管理テーブル61と同様の情報を中継装置15に保持させる場合には、例えば、図4(B)に示すように、中継装置管理テーブル71において、携帯対応価値(キャッシュレス残高)を遊技前対応価値と遊技中対応価値とに区別して記憶して管理する。
【0117】
<第6実施形態>
図16は、本発明の第6実施形態である遊技システム1c(図1)の概略構成図である。なお、遊技システム1cは、第1実施形態の遊技システム1と同様の構成を備えている。そのため、遊技システム1と同じ構成には同じ符号を付し、主として、遊技システム1とは異なる構成について説明し、遊技システム1と同じ構成についてはその説明を省略する。
【0118】
遊技システム1cでは、遊技用装置12において表示部12kが設けられている。表示部12kは、遊技用装置12に設けられた7セグメントディスプレイ、液晶表示装置、又は、有機EL(Electro Luminescence)表示装置等の表示装置12l(図17(A)及び図17(B))に各種情報を表示可能に出力する。遊技システム1cでは、遊技用装置12に入金され、遊技価値付与部12fによって記録媒体処理部12eを介して記録媒体50に関連付けられた携帯対応価値(携帯対応プリペイド価値)に関する情報を表示部12kが遊技価値付与部12fから取得して出力する。例えば、図17(A)及び図17(B)に示すように、表示部12kから出力された情報が遊技用装置12の表示装置12lに表示される。図17(A)では、ICカード51に関連付けられた携帯対応価値(携帯対応プリペイド価値)の残額が「カード残高」として表示され、当該携帯対応価値のうち、遊技中対応価値から遊技用装置12に入金された使用額が「遊技中チャージ使用」として表示されている。一方、図17(B)では、ICカード51に関連付けられた携帯対応価値(携帯対応プリペイド価値)の残額が「カード残高」として表示されると共に、当該携帯対応価値のうち、遊技前対応価値から遊技用装置12に入金された使用額が「遊技前チャージ使用」として表示され、当該携帯対応価値のうち、遊技中対応価値から遊技用装置に入金された使用額が「遊技中チャージ使用」として表示されている。
【0119】
<第7実施形態>
本発明の第7実施形態である遊技システム1d(図1)の概略構成を、図2を参照して説明する。なお、遊技システム1dは、第1実施形態の遊技システム1と同様の構成を備えている。そのため、遊技システム1と同じ構成には同じ符号を付し、主として、遊技システム1とは異なる構成について説明し、遊技システム1と同じ構成についてはその説明を省略する。
【0120】
遊技システム1dでは、条件判定部40mが総携帯対応価値累計額判定機能を有している。条件判定部40mでは、遊技システム1における条件判定部40fと同様の機能に加えて、遊技前対応価値から遊技用装置12に入金された携帯対応価値の累計額である遊技前対応価値累計額と、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値の累計額である遊技中対応価値累計額とを合算した総携帯対応価値累計額を算出し、この総携帯対応価値累計額が所定の条件を満たすか否かが判定される。条件判定部40mは、入金実行部40dによって遊技用装置12に入金がされると、入金実行部40dによって引き落とされた携帯対応価値について、遊技前対応価値累計額と遊技中対応価値累計額のそれぞれを算出すると共に、算出された遊技前対応価値累計額及び遊技中対応価値累計額をさらに合算して、総携帯対応価値累計額を算出する。そして、この総携帯対応価値累計額が、所定の条件を満たすか否かを判定する。このとき、条件判定部40mによって判定される所定の条件は、入金実行部40dによって遊技用装置12に入金された携帯対応価値の累計額である総携帯対応価値累計額が遊技当日に所定額に到達することである。
【0121】
図18は、遊技システム1dにおいて、遊技当日に総携帯対応価値累計額が所定額に到達して所定の条件が満たされたことが報知されるまでの処理を示すシーケンス図である。なお、以下の説明では、キャッシュレスセンタ20において、予め所定額が30,000円に設定されている場合を例に説明する。
まずキャッシュレスセンタ20により、予め設定された所定額である携帯対応価値の使用上限額が30,000円である旨が携帯端末40に通知され、この通知を受信した携帯端末40において、条件判定部40mにおける所定の条件の所定額が30,000円であることが記憶される。その後、遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において10,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされると、この携帯対応価値が携帯端末40の有価価値記憶部40bに遊技前対応価値として記憶される。
【0122】
次に、遊技者による携帯端末40の操作により、有価価値記憶部40bに記憶された携帯対応価値を使用するための使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。このとき、有価価値記憶部40bでは、遊技前対応価値の残額が0円に更新され、入金実行部40dによって、入金完了通知が状態遷移部40eに通知される。また、条件判定部40mでは、総携帯対応価値累計額が算出される。図18では、総携帯対応価値累計額が「使用額」として10,000円であることが示されている。また、入金完了通知を受信した状態遷移部40eが、遊技前状態から遊技中状態へと状態遷移する。
続けて、遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において20,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされると、この携帯対応価値が有価価値記憶部40bに遊技中対応価値として記憶される。
【0123】
次に、遊技者による携帯端末40の操作により、携帯対応価値を使用するための使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、20,000円ぶんの遊技中対応価値から10,000円ぶんの遊技中対応価値が引き落とさているため、遊技中対応価値の残額が10,000円に更新される。また、このとき、条件判定部40mによって再度、総携帯対応価値累計額が算出され、「使用額」が更新される。図18では、「使用額」(総携帯対応価値累計額)に10,000円が加算され、「使用額」(総携帯対応価値累計額)が20,000円に更新されていることが示されている。
【0124】
その後、遊技者による携帯端末40の操作により、携帯対応価値を使用するための再度の使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、10,000円ぶんの遊技中対応価値から10,000円ぶんの遊技中対応価値が引き落とされているため、遊技中対応価値の残額が0円に更新される。また、このとき、条件判定部40mによって再度、総携帯対応価値累計額が算出され、「使用額」が更新される。図18では、「使用額」(総携帯対応価値累計額)にさらに10,000円が加算され、「使用額」(総携帯対応価値累計額)が30,000円に更新されていることが示されている。
【0125】
ここで、総携帯対応価値累計額(使用額)が30,000円となり、条件判定部40mにおける所定の条件の所定額として設定された携帯対応価値の使用上限額の30,000円に到達している。そのため、条件判定部40mが所定の条件が満たされたと判定し、その判定結果を報知部40gに通知する。この通知を受信した報知部40gでは、遊技当日に総携帯対応価値累計額が所定額に到達したことを報知する。これにより、遊技者は、遊技に使用した総携帯対応価値累計額が予め定められた上限額に到達したことを知ることができる。また、報知部40gが条件判定部40mからの通知を受信したことを報知部12gに上限到達情報として通知し、この上限到達情報を受信した報知部12gによっても、遊技当日に総携帯対応価値累計額が所定額に到達したことが報知される。これにより、遊技者以外に遊技店10の係員などが遊技に使用された総携帯対応価値累計額が予め定められた上限額に到達したことを知ることができる。
【0126】
<第8実施形態>
本発明の第8実施形態である遊技システム2b(図1)の概略構成を、図6を参照して説明する。なお、遊技システム2bは、第2実施形態の遊技システム2と同様の構成を備えている。そのため、遊技システム2と同じ構成には同じ符号を付し、主として、遊技システム2とは異なる構成について説明し、遊技システム2と同じ構成についてはその説明を省略する。
【0127】
遊技システム2bでは、携帯端末40の累計額通知部40nが総携帯対応価値累計額算出機能を有し、遊技用装置12の累計額検知部12mが総携帯対応価値累計額検知機能を有している。
累計額通知部40nでは、遊技システム2における累計額通知部40hと同様の機能に加えて、遊技前対応価値から遊技用装置12に入金された携帯対応価値の累計額である遊技前対応価値累計額と、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値の累計額である遊技中対応価値累計額とを合算した総携帯対応価値累計額を算出することができる。一方、総携帯対応価値累計額検知機能を有する累計額検知部12mでは、累計額検知部12hと同様の機能に加えて、累計額通知部40nによって算出された総携帯対応価値累計額が所定の条件を満たすか否かを判定することができる。
【0128】
累計額通知部40nは、入金実行部40dによって遊技用装置12に入金がされると、入金実行部40dによって引き落とされた携帯対応価値について、遊技前対応価値累計額と遊技中対応価値累計額のそれぞれを算出すると共に、算出された遊技前対応価値累計額及び遊技中対応価値累計額をさらに合算して、総携帯対応価値累計額を算出する。そして、この算出した総携帯対応価値累計額を累計額検知部12mに通知する。総携帯対応価値累計額の通知を受信した累計額検知部12mは、総携帯対応価値累計額が所定の条件を満たすか否かを判定する。このとき、累計額検知部12mによって判定される所定の条件は、入金実行部40dにより遊技用装置12に入金された携帯対応価値の累計額である総携帯対応価値累計額が遊技当日に所定額に到達することである。
【0129】
図19は、遊技システム2bにおいて、遊技当日に総携帯対応価値累計額が所定額に到達して所定の条件が満たされたことが報知されるまでの処理を示すシーケンス図である。なお、以下の説明では、遊技用装置12の上位装置である管理装置14又は中継装置15において、予め所定額が30,000円に設定されている場合を例に説明する。
まず管理装置14又は中継装置15により、予め設定された所定額である携帯対応価値の使用上限額が30,000円である旨が遊技用装置12に通知され、この通知を受信した遊技用装置12において累計額検知部12mにおける所定の条件の所定額が30,000円であることが記憶される。
その後、遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において10,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされると、この携帯対応価値が携帯端末40の有価価値記憶部40bに遊技前対応価値として記憶される。
【0130】
次に、遊技者による携帯端末40の操作により、有価価値記憶部40bに記憶された携帯対応価値を使用するための使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。このとき、有価価値記憶部40bでは、遊技前対応価値の残額が0円に更新され、入金実行部40dによって、入金完了通知が状態遷移部40eに通知される。また、累計額通知部40nでは、総携帯対応価値累計額が算出され、この総携帯対応価値累計額が累計額検知部12mに通知される。図19では、この時点の「使用額」(総携帯対応価値累計額)が10,000円であることが累計額通知部40nから累計額検知部12mに「使用累積額」として通知されていることが示されている。また、入金完了通知を受信した状態遷移部40eが、遊技前状態から遊技中状態へと状態遷移する。
続けて、遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において20,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされると、この携帯対応価値が有価価値記憶部40bに遊技中対応価値として記憶される。
【0131】
次に、遊技者による携帯端末40の操作により、携帯対応価値を使用するための使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、20,000円ぶんの遊技中対応価値から10,000円ぶんの遊技中対応価値が引き落とされて、遊技中対応価値の残額が10,000円に更新される。また、このとき、累計額通知部40nによって再度、総携帯対応価値累計額が算出され、この総携帯対応価値累計額が累計額検知部12mに通知される。図19では、この時点の「使用額」(総携帯対応価値累計額)が20,000円であることが累計額通知部40nから累計額検知部12mに「使用累積額」として通知されていることが示されている。
【0132】
その後、遊技者による携帯端末40の操作により、携帯対応価値を使用するための再度の使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、10,000円ぶんの遊技中対応価値から10,000円ぶんの遊技中対応価値が引き落とされるため、遊技中対応価値の残額が0円に更新される。また、このとき、累計額通知部40nによって再度、総携帯対応価値累計額が算出され、この総携帯対応価値累計額が累計額検知部12mに通知される。図19では、この時点の「使用額」(総携帯対応価値累計額)が30,000円であることが累計額通知部40nから累計額検知部12mに「使用累積額」として通知されていることが示されている。
【0133】
ここで、総携帯対応価値累計額(使用額)が30,000円となり、累計額検知部12mの所定の条件における所定額として設定された携帯対応価値の使用上限額である30,000円に到達している。そのため、累計額検知部12mが所定の条件を満たしたと判定し、その判定結果を報知部12iに通知する。この通知を受信した報知部12iは、累計額検知部12mによる判定結果が所定の条件を満したものであることを遊技者及び遊技店10の係員に報知する。報知方法は、報知部12gと同様である。
【0134】
<第9実施形態>
本発明の第9実施形態である遊技システム1e(図1)の概略構成を、図2を参照して説明する。なお、遊技システム1eは、第1実施形態の遊技システム1と同様の構成を備えている。そのため、遊技システム1と同じ構成には同じ符号を付し、主として、遊技システム1とは異なる構成について説明し、遊技システム1と同じ構成についてはその説明を省略する。
【0135】
遊技システム1eでは、条件判定部40oが遊技時間判定機能を有している。条件判定部40oは、遊技当日に遊技者が遊技を継続した時間である遊技継続時間を計時し、この遊技継続時間が予め設定された所定時間に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定する。具体的には、例えば、条件判定部40oは、状態遷移部40eに受信される入金実行部40dからの入金完了通知を参照して、入金実行部40dによる遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時を遊技開始時刻とみなして、この遊技開始時刻から遊技継続時間の計時を開始する。このとき、入金完了通知が遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時のものであるか否かは、入金完了通知に含まれる入金完了日時を参照することで判断される。具体的には、入金完了日時における日付が更新されている場合に、その日付において最初に受信された入金完了通知を、初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時のものと判断する。また、条件判定部40oは、入金実行部40dからの入金完了通知が状態遷移部40eに受信される度に、言い換えれば、入金実行部40dによって携帯対応価値が遊技用装置12に入金される度に遊技開始時刻からの経過時間を計時し、遊技継続時間が予め設定された所定時間に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定して、その判定結果を報知部40gに通知する。なお、遊技継続時間は、携帯端末40が備える計時機能を利用して計時される。
【0136】
図20は、遊技システム1eにおいて遊技継続時間が所定時間に到達したことが報知されるまでの処理を示すシーケンス図である。なお、以下の説明では、キャッシュレスセンタ20において、予め所定時間が5時間に設定されている場合を例に説明する。
まずキャッシュレスセンタ20により、予め設定された所定時間である遊技時間上限が5時間である旨が携帯端末40に通知され、この通知を受信した携帯端末40において、条件判定部40oにおける所定の条件の所定時間として、遊技時間上限の5時間が記憶される。また、図示していないが、遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において携帯対応価値がチャージされ、この携帯対応価値が携帯端末40の有価価値記憶部40bによって記憶されているものとする。
【0137】
その後、遊技者による使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。このとき、条件判定部40oは、入金実行部40dから状態遷移部40eに通知された入金完了通知が遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時のものであるため、この入金時を遊技開始時刻とみなして、この遊技開始時刻から遊技継続時間の計時を開始する。そして、遊技者による再度の使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金すると、条件判定部40oは、この入金に合わせて遊技開始時刻からの経過時間を計時する。この時点では、遊技継続時間(遊技開始時刻からの経過時間)は1時間30分であり、所定時間に到達していない。
【0138】
その後、さらに遊技者による再度の使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金すると、条件判定部40oは、この入金に合わせて、再度、遊技開始時刻からの経過時間を計時する。この時点では、遊技継続時間(遊技開始時刻からの経過時間)は5時間となり、所定時間に到達している。そのため、条件判定部40oは、遊技継続時間が予め設定された所定時間(遊技時間上限)である5時間に到達しているので、所定の条件が満たされたと判定して、その判定結果を報知部40gに通知する。その後の報知部40gによる報知及び報知部12gによる報知は遊技システム1と同様である。
なお、条件判定部40oは、入金完了通知を参照する際に、入金完了通知に含まれる入金完了日時を記憶し、この入金完了日時が新たな日付に更新されたことを検知したときに、遊技継続時間をリセットして計時開始前の状態に戻る。
【0139】
なお、上述した条件判定部40oでは、遊技当日の遊技継続時間が所定時間に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定するものとして構成したが、例えば、予め設定された複数日に跨る所定期間(例えば、1ヶ月間)内の遊技継続時間を累計した累計時間である累計遊技継続時間を算出して、当該所定期間内に、累計遊技継続時間が所定時間に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定する条件判定部40oとして構成してもよい。この場合には、遊技開始時刻から遊技の終了時刻までの遊技継続時間を累計することで累計遊技継続時間が算出される。なお、遊技の終了時刻は、例えば、遊技用装置12から記録媒体50が返却された時刻を遊技の終了時刻とみなしてもよいし、遊技用装置12に対する遊技者の遊技終了操作、例えば、遊技用装置12と携帯端末40との接続を解除するための遊技用装置12や携帯端末40に対する接続解除の操作等により遊技の終了時刻を判断してもよい。また、所定時間は任意の時間を設定することができる。
【0140】
<第10実施形態>
本発明の第10実施形態である遊技システム2c(図1)の概略構成を、図6を参照して説明する。なお、遊技システム2cは、第2実施形態の遊技システム2と同様の構成を備えている。そのため、遊技システム2と同じ構成には同じ符号を付し、主として、遊技システム2とは異なる構成について説明し、遊技システム2と同じ構成についてはその説明を省略する。
【0141】
遊技システム2cでは、携帯端末40が備える累計額通知部40pが遊技時間通知機能を有し、遊技用装置12が備える累計額検知部12nが遊技時間検知機能を有している。
遊技システム2cでは、累計額通知部40pが遊技当日に遊技者が遊技を継続した時間である遊技継続時間を計時し、その計時結果を累計額検知部12nに通知する。そして、計時結果を受信した累計額検知部12nが、遊技継続時間が予め設定された所定時間に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定する。具体的には、例えば、累計額通知部40pは、状態遷移部40eに受信される入金実行部40dからの入金完了通知を参照して、入金実行部40dによる遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時を遊技開始時刻とみなして、この遊技開始時刻から遊技継続時間の計時を開始する。このとき、入金完了通知が遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時のものであるか否かは、入金完了通知に含まれる入金完了日時を参照することで判断される。具体的には、入金完了日時における日付が更新されている場合に、その日付において最初に受信された入金完了通知を、初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時のものと判断する。また、累計額通知部40pは、入金実行部40dからの入金完了通知が状態遷移部40eに受信される度に、言い換えれば、入金実行部40dによって携帯対応価値が遊技用装置12に入金される度に遊技開始時刻からの経過時間を計時し、その計時結果を累計額検知部12nに通知する。一方、この計時結果を受信した累計額検知部12nは、遊技継続時間が予め設定された所定時間に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定して、その判定結果を報知部12iに通知する。なお、遊技継続時間は、携帯端末40が備える計時機能を利用して計時される。
【0142】
図21は、遊技システム2cにおいて遊技継続時間が所定時間に到達したことが報知されるまでの処理を示すシーケンス図である。なお、以下の説明では、遊技用装置12の上位装置である管理装置14又は中継装置15において、予め所定時間が5時間に設定されている場合を例に説明する。
まず管理装置14又は中継装置15により、予め設定された所定時間である遊技時間上限が5時間である旨が遊技用装置12に通知され、この通知を受信した遊技用装置12において、累計額検知部12nにおける所定の条件の所定時間として、遊技時間上限の5時間が記憶される。また、図示していないが、遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において携帯対応価値がチャージされ、この携帯対応価値が携帯端末40の有価価値記憶部40bによって記憶されているものとする。
【0143】
その後、遊技者による使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。このとき、累計額通知部40pは、入金実行部40dから状態遷移部40eに通知された入金完了通知が遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時のものであるため、この入金時を遊技開始時刻とみなして、この遊技開始時刻から遊技継続時間の計時を開始する。そして、その計時結果(この時点では遊技継続時間は0分)を累計額検知部12nに通知する。その後、遊技者による再度の使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金すると、累計額通知部40pは、この入金に合わせて遊技開始時刻からの経過時間を計時して、その計時結果を累計額検知部12nに通知する。この時点では、遊技継続時間(遊技開始時刻からの経過時間)は1時間30分であり、所定時間に到達していない。
【0144】
その後、さらに遊技者による再度の使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金すると、累計額通知部40pは、この入金に合わせて、再度、遊技開始時刻からの経過時間を計時して、その計時結果を累計額検知部12nに通知する。この時点では、遊技継続時間(遊技開始時刻からの経過時間)は5時間となり、所定時間に到達している。そのため、計時結果を受信した累計額検知部12nは、遊技継続時間が予め設定された所定時間(遊技時間上限)である5時間に到達しているので、所定の条件が満たされたと判定して、その判定結果を報知部12iに通知する。その後の報知部12iによる報知は遊技システム2と同様である。
なお、累計額通知部40pは、入金完了通知を参照する際に、入金完了通知に含まれる入金完了日時を記憶し、この入金完了日時が新たな日付に更新されたことを検知したときに、遊技継続時間をリセットして計時開始前の状態に戻る。
【0145】
なお、上述した累計額通知部40p及び累計額検知部12nでは、累計額検知部12nが遊技当日の遊技継続時間が所定時間に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定するものとして構成したが、例えば、累計額通知部40pが、予め設定された複数日に跨る所定期間(例えば、1ヶ月間)内の遊技継続時間を累計した累計時間である累計遊技継続時間を算出して、この累計遊技継続時間を累計額検知部12nに通知し、累計遊技継続時間を受信した累計額検知部12nが、当該所定期間内に、累計遊技継続時間が所定時間に到達した場合に所定の条件が満たされたと判定するものとして構成してもよい。この場合には、遊技開始時刻から遊技の終了時刻までの遊技継続時間を累計することで累計遊技継続時間が算出される。なお、遊技の終了時刻は、例えば、遊技用装置12から記録媒体50が返却された時刻を遊技の終了時刻とみなしてもよいし、遊技用装置12に対する遊技者の遊技終了操作、例えば、遊技用装置12と携帯端末40との接続を解除するための遊技用装置12や携帯端末40に対する接続解除の操作等により遊技の終了時刻を判断してもよい。また、所定時間は、任意の時間を設定することができる。
【0146】
<第11実施形態>
本発明の第11実施形態である遊技システム1f(図1)の概略構成を、図2を参照して説明する。なお、遊技システム1fは、第1実施形態の遊技システム1と同様の構成を備えている。そのため、遊技システム1と同じ構成には同じ符号を付し、主として、遊技システム1とは異なる構成について説明し、遊技システム1と同じ構成についてはその説明を省略する。
【0147】
遊技システム1fでは、条件判定部40qが来店回数判定機能を有している。条件判定部40qは、遊技者が遊技店10に来店した回数を累計した来店回数をカウントし、この来店回数が予め設定された所定期間内に所定回数に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定する。具体的には、例えば、条件判定部40qは、状態遷移部40eに受信される入金実行部40dからの入金完了通知を参照して、この入金完了通知が遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時のものである場合に、来店回数をカウントする。なお、入金完了通知が遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時のものであるか否かは、入金完了通知に含まれる入金完了日時を参照することで判断される。具体的には、入金完了日時における日付が更新されている場合に、その日付において最初に受信された入金完了通知を、初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時のものと判断する。そして、条件判定部40qは、遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時の入金完了通知が通知される度に来店回数をカウントし、この来店回数が予め設定された所定期間内に所定回数に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定して、その判定結果を報知部40gに通知する。
【0148】
図22は、遊技システム1fにおいて予め設定された所定期間内に来店回数が所定回数に到達したことが報知されるまでの処理を示すシーケンス図である。なお、以下の説明では、キャッシュレスセンタ20において、予め所定期間が1ヶ月間として設定され、この1ヶ月間の来店回数上限である10回が所定回数として設定されている場合を例に説明する。
まずキャッシュレスセンタ20により、予め設定された所定期間(1ヶ月間)内の来店回数上限が10回である旨が携帯端末40に通知され、この通知を受信した携帯端末40において、条件判定部40qにおける所定の条件として、1ヶ月間の来店回数上限が10回であることが記憶される。また、図示していないが、遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において携帯対応価値がチャージされ、この携帯対応価値が携帯端末40の有価価値記憶部40bによって記憶されているものとする。
【0149】
その後、遊技者による使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。このとき、条件判定部40qは、入金実行部40dから状態遷移部40eに通知された入金完了通知が遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時のものであるため、来店回数をカウントする。一方、同日中に遊技者による再度の使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金したとしても、このときの入金完了通知は遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時のものではないため、来店回数はカウントされない。
【0150】
その後、翌日以降に日付が更新され、遊技者による使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金すると、条件判定部40qは、このときに入金実行部40dから状態遷移部40eに通知された入金完了通知が遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時のものであるため、来店回数をカウントする。このようにして、条件判定部40qは、日付が更新された翌日以降に、遊技当日の初回の使用要求に基づく携帯対応価値の入金時の入金完了通知が状態遷移部40eに受信される度に、来店回数のカウントをする。そして、来店回数が所定回数の10回に到達したときに、条件判定部40qは、所定の条件が満たされたと判定して、その判定結果を報知部40gに通知する。その後の報知部40gによる報知及び報知部12gによる報知は遊技システム1と同様である。
【0151】
なお、上述した条件判定部40qでは、予め設定された所定期間(1ヶ月間)内に来店回数が所定回数(10回)に到達した場合に所定の条件が満たされたと判定するものとして構成したが、所定期間や所定回数は任意である。
また、上述した条件判定部40qは、同一の遊技店10における来店回数をカウントするものとして構成したが、例えば、遊技者が遊技店10の系列店である遊技店10´に来店した場合に、遊技店10における来店回数と遊技店10´における来店回数とをそれぞれカウントして、両遊技店10,10´における来店回数を合算した合算来店回数が、予め設定された所定期間内に所定回数に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定するものとして構成してもよい。また、上述のように構成する場合に、遊技店10への来店と遊技店10´への来店が同日であったときには、両遊技店10,10´における来店回数をそれぞれカウントして合算してもよいし、両遊技店10,10´における来店のうち、いずれかの遊技店における来店回数のみをカウントして合算するものとして構成してもよい。さらに、両遊技店10,10´における来店回数をそれぞれカウントして合算する場合と、両遊技店10,10´における来店のうち、いずれかの遊技店における来店回数のみをカウントして合算する場合とを任意で変更可能に構成してもよい。
【0152】
<第12実施形態>
図23は、本発明の第12実施形態である遊技システム1g(図1)において、所定の条件が満たされたことが報知されるまでの処理を示すシーケンス図である。遊技システム1gは、遊技システム1と比較して、報知のタイミングが異なっている。遊技システム1は、所定の条件が満たされた場合に直ちに報知する報知部40gを備えているのに対し、遊技システム1gは、所定の条件が満たされた後、遊技者による操作(チャージ操作)によってチャージ要求が受信されたときに、所定の条件が満たされたことを報知する報知部40r(図2)を備えている。
遊技システム1gにおいて、例えば、図23に示すように、遊技システム1と同様に、予め遊技中対応価値使用上限(所定額)が20,000円に設定され、遊技中対応価値累計額が所定額に到達して、条件判定部40fが所定の条件を満たされたと判定したとする。このとき、条件判定部40fがその判定結果を報知部40rに通知すると、この通知を受信した報知部40rは、所定の条件が満たされたこと(遊技当日に遊技中対応価値累計額が所定額に到達したこと)を直ちに報知するのではなく、遊技者による操作によって再度のチャージ要求が受信されたときに所定の条件が満たされたことを報知する。
【0153】
なお、遊技システム1gでは、上述したタイミングにおける報知を可能にするため、キャッシュレスセンタ20と携帯端末40との間における通信において、キャッシュレスセンタ20に遊技者の操作による携帯端末40からのチャージ要求が受信されたときに、その旨が携帯端末40に通知される。この通知が携帯端末40で受信されると、その旨が報知部40rに通知され、この通知に基づいて報知部40rが所定の条件が満たされていることを報知する。これにより、遊技者は、携帯端末40におけるキャッシュレス決済を使用した決済手続きの直前に、遊技中対応価値累計額が予め設定された上限額に到達していることを知ることができるため、より適切なタイミングで過度なチャージを抑制できる。
【0154】
<第13実施形態>
本発明の第13実施形態である遊技システム1h(図1)の概略構成を、図24を参照して説明する。なお、遊技システム1hは、第1実施形態の遊技システム1と同様の構成を備えている。そのため、遊技システム1と同じ構成には同じ符号を付し、主として、遊技システム1とは異なる構成について説明し、遊技システム1と同じ構成についてはその説明を省略する。
【0155】
遊技システム1hでは、遊技用装置12が賞遊技媒体換算部12oを備え、また、携帯端末40に備えられた条件判定部40sが獲得遊技価値対応機能を有している。
賞遊技媒体換算部12oは、遊技機11による遊技の結果として賞遊技媒体(遊技球や遊技点)が獲得された場合、この獲得された賞遊技媒体を遊技店10における換算レートに基づいて金額に換算する。そして、換算された金額を獲得価値として条件判定部40sに通知する。一方、条件判定部40sは、遊技中対応価値から遊技用装置12に入金された携帯対応価値の累計額(遊技中対応価値累計額)の算出後に、賞遊技媒体換算部12oから獲得価値が受信された場合、この受信された獲得価値に相当する金額を、遊技中対応価値累計額から減算する。これにより、遊技機11による遊技で消費された遊技点(消費遊技価値)が嵩んだ状態、いわゆる負け額が大きくなった場合にのみ、遊技へののめり込みを防止するための所定の条件に基づく判定を行うことができる。言い換えれば、遊技システム1hでは、遊技者が遊技へのめり込んでいる状態を、負け額が大きくなっても遊技を継続している状態と捉えている。
【0156】
そのため、例えば、遊技システム1hでは、条件判定部40sが遊技中対応価値累計額を20,000円と算出した後に、遊技機11による遊技の結果として遊技球(賞遊技媒体)が獲得された場合、この獲得された遊技球を賞遊技媒体換算部12oが遊技店10における換算レートに基づいた金額に換算する。そして、換算レートに基づいて算出された金額が30,000円相当であった場合、この30,000円が獲得価値の金額である旨を賞遊技媒体換算部12oが条件判定部40sに通知する。獲得価値を受信した条件判定部40sでは、遊技中対応価値累計額(20,000円)から獲得価値の金額(30,000円)が差し引かれる。この場合には、獲得価値の金額(30,000円)が遊技中対応価値累計額(20,000円)よりも大きいため、差し引き後の遊技中対応価値累計額が0円にリセットされる。
【0157】
なお、賞遊技媒体として獲得される遊技球や遊技点は、遊技用装置12の賞遊技媒体換算部12oにおいて金額に換算された後、条件判定部40sに獲得価値として通知されるが、この獲得価値の通知は、無線通信によって遊技用装置12から携帯端末40に直接通知されてもよいし、遊技用装置12と携帯端末40との間の処理を中継装置15及びキャッシュレスセンタ20に仲介させることによって遊技用装置12から携帯端末40に通知されてもよい。また、遊技店10における換算レートは、管理装置14又は中継装置15に予め設定された換算レートが使用され、管理装置14又は中継装置15から通知された換算レートを賞遊技媒体換算部12oが記憶する。また、換算レートの記憶は、遊技用装置12の制御部12aのRAM等の記録装置を利用して記憶される。
【0158】
図25は、賞遊技媒体換算部12o及び条件判定部40sの処理の一例を示すシーケンス図である。
まず管理装置14又は中継装置15により、貸出単価を4円とする換算レートが遊技用装置12に通知され、この通知を受信した遊技用装置12の賞遊技媒体換算部12oにおいて当該換算レートが記憶される。
一方、遊技者が遊技を開始(携帯対応価値を遊技用装置12に入金)したことにより、状態遷移部40eが遊技中状態に遷移し、その後の遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において20,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされ、この携帯対応価値が有価価値記憶部40bに遊技中対応価値として記憶されている。
そして、遊技者による携帯端末40の操作により、携帯対応価値を使用するための使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、10,000円)の携帯対応価値を引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、20,000円ぶんの遊技中対応価値から10,000円ぶんの遊技中対応価値が引き落とされて、遊技中対応価値の残額が10,000円に更新される。また、このとき、入金実行部40dによって入金された携帯対応価値が、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値であるため、条件判定部40sでは、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値の累計額である遊技中対応価値累計額が10,000円と算出される。
【0159】
ここで、例えば、遊技機11による遊技の結果として、賞遊技媒体である遊技球が2,500玉獲得された状態で遊技が終了したとする。そうすると、賞遊技媒体換算部12oが、獲得された遊技球を遊技店10における換算レートに基づいた金額に換算する。このとき、遊技店10における換算レート(貸出単価)は遊技球が1玉につき4円であるため、獲得された遊技球(2,500玉)に4円を乗算して、獲得価値の金額が10,000円相当であることが算出される。そして、賞遊技媒体換算部12oは、獲得価値が10,000円相当であることを条件判定部40sに通知する。獲得価値を受信した条件判定部40sでは、10,000円の遊技中対応価値累計額から、獲得価値の金額である10,000円が差し引かれて、遊技中対応価値累計額が0円に更新されてリセットされる。
【0160】
以上の通り、本発明の実施形態を詳述した。
続けて、本発明の変形例について説明する。
【0161】
<第1変形例>
発明の第1変形例である遊技システム3(図1)の概略構成を、図2を参照して説明する。なお、遊技システム3は、第1実施形態の遊技システム1と同様の構成を備えている。そのため、遊技システム1と同じ構成には同じ符号を付し、主として、遊技システム1とは異なる構成について説明し、遊技システム1と同じ構成についてはその説明を省略する。
【0162】
遊技システム3では、有価価値記憶部40b´が、取得した遊技中対応価値を累計し、遊技当日に、遊技中対応価値を累計した遊技中対応価値チャージ累計額が予め設定された上限額である遊技中対応価値チャージ上限に到達したことを判定できる遊技中対応価値チャージ上限判定機能を有している。有価価値記憶部40b´は、携帯対応価値を取得する際に、その携帯対応価値が遊技中対応価値である場合には、この遊技中対応価値を累計して、遊技中対応価値の累計額である遊技中対応価値チャージ累計額を算出する。そして、この遊技中対応価値チャージ累計額が予め設定された遊技中対応価値チャージ上限に到達した場合に、所定の条件が満たされたと判定する。そして、その判定結果を報知部40g´に通知し、この通知を受信した報知部40g´によってその旨が報知される。
【0163】
図26は、遊技システム3において、遊技当日に遊技中対応価値チャージ累計額が遊技中対応価値チャージ上限に到達したことが報知されるまでの処理を示すシーケンス図である。なお、以下の説明では、キャッシュレスセンタ20において、予め遊技中対応価値チャージ上限が20,000円に設定されている場合を例に説明する。
【0164】
遊技システム3では、キャッシュレスセンタ20により、予め設定された遊技中対応価値チャージ上限が20,000円である旨が携帯端末40に通知され、この通知を受信した携帯端末40において、有価価値記憶部40b´における遊技中対応価値チャージ上限が20,000円であることが記憶される。
その後、状態遷移部40eが遊技中状態に遷移した後、遊技者によるチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において10,000円ぶんの携帯対応価値がチャージされると、この携帯対応価値が有価価値記憶部40b´によって遊技中対応価値として記憶される。このとき、図示していないが、有価価値記憶部40b´によって取得された10,000円ぶんの遊技中対応価値に基づいて、遊技中対応価値チャージ累計額が10,000円として算出される。続けて、遊技者による再度のチャージ要求に基づいて、キャッシュレスセンタ20において10,000円ぶんの携帯対応価値が再びチャージされると、この携帯対応価値が有価価値記憶部40b´によって遊技中対応価値として記憶されると共に、有価価値記憶部40b´によって遊技中対応価値チャージ累計額に10,000円が加算され、遊技中対応価値チャージ累計額が20,000円として算出される。そうすると、有価価値記憶部40b´が、遊技当日に、遊技中対応価値チャージ累計額が遊技中対応価値チャージ上限である20,000円に到達したと判定し、その判定結果を報知部40g´に通知する。その後の報知部40g´による報知方法は、遊技システム1と同様である。
【0165】
以上の通り、本発明の実施形態及び変形例を詳述したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【0166】
例えば、本発明の第1実施形態の遊技システム1及び第2実施形態の遊技システム2では、遊技前対応価値を遊技中対応価値よりも優先して引き落として遊技用装置12に入金する遊技前対応価値優先引落機能を有する入金実行部40dを備えた例を示したが、例えば、図27に示すように、入金実行部40dを遊技中対応価値から優先して引き落として遊技用装置12に入金するように設定の切り替えが可能なものとして構成してもよい。このとき、遊技中対応価値から優先して引き落とす設定とした場合には、例えば、図27に示すように、有価価値記憶部40bにおいて5,000円ぶんの遊技前対応価値と、20,000円ぶんの遊技中対応価値とが記憶されているときに、入金実行部40dに使用要求が受信されると、この使用要求に基づいて、入金実行部40dが指定された額(例えば、5,000円)の携帯対応価値を、遊技前対応価値ではなく、遊技中対応価値から引き落として遊技用装置12に入金する。そうすると、有価価値記憶部40bでは、5,000円ぶんの遊技前対応価値はそのままで、遊技中対応価値が15,000円ぶんに更新される。上述のように構成することにより、例えば、遊技開始時刻よりも前にチャージした携帯対応価値を残したまま遊技をしたいと考える遊技者の希望に沿うものとすることができる。
【0167】
また、例えば、遊技システム1及び遊技システム2では、状態遷移部40eが翌日になったことを検知したときに遊技中状態から遊技前状態に自動で復帰する遊技前状態復帰機能を有する例を示したが、例えば、状態遷移部40eにおける遊技中状態から遊技前状態への自動復帰のタイミングを任意で設定できるように構成してもよい。その場合には、例えば、管理装置14又は中継装置15などの遊技店10に備えられた他の機器から遊技店10の開店時刻又は閉店時刻を取得して、この開店時刻又は閉店時刻に合わせて遊技中状態から遊技前状態に復帰するように構成してもよいし、例えば、遊技店10側で予め設定された任意の時刻をキャッシュレスセンタ20から取得して記憶し、この記憶された時刻に合わせて遊技中状態から遊技前状態に復帰するように構成してもよい。また、例えば、遊技店10側からキャッシュレスセンタ20を介して状態遷移部40eを遊技前状態に復帰させるための復帰要求を状態遷移部40eに通知し、この通知の受信に基づいて、状態遷移部40eが遊技中状態から遊技前状態に復帰するように構成してもよい。
【0168】
また、例えば、遊技システム1(1aから1hを含む)及び遊技システム2(2aから2cを含む)では、携帯端末40及び/又は遊技用装置12に報知部(報知手段)が設けられた例を示したが、報知部には、遊技店10の係員が所持又は装着する各種装置、例えば、特定の区域内における無線通信システム(インターコミュニケーションシステム)を使用したヘッドセットや、遊技店10の店内の遊技用装置12や管理装置14、中継装置15等の各種装置を制御するためのリモートコントローラーや携帯端末などを含めて構成してもよい。この場合には、所定の条件が満たされた旨の通知を上述の各種装置に通知するように条件判定部40fや累計額検知部12hを構成する。
【0169】
さらに、例えば、遊技システム1(1aから1hを含む)及び遊技システム2(2aから2cを含む)では、有価価値記憶部40b(40b´)又は有価価値記憶部20eが、状態遷移部40e又は状態遷移部40lによる状態遷移に基づいて、遊技前対応価値と遊技中対応価値とを区別する例を示したが、有価価値記憶部40b(40b´)又は有価価値記憶部20eは、遊技が開始されたことを認識できる情報、例えば、遊技機11において遊技で消費された遊技点(消費遊技価値)に関する情報などを遊技機11や遊技用装置12から取得して、この情報に基づいて、遊技が開始された時刻を境にして遊技前対応価値と遊技中対応価値とを区別してもよい。
また、所定額や所定期間、別の所定額は、任意で設定することができる。
【符号の説明】
【0170】
1 遊技システム
1a~1h 遊技システム
2 遊技システム
2a~2c遊技システム
3 遊技システム
10 遊技店
10´ 遊技店
11 遊技機
11a 制御部
11b 遊技用装置通信部
12 遊技用装置
12a 制御部
12b 遊技機通信部
12c 中継装置通信部
12d 管理装置通信部
12e 記録媒体処理部
12f 遊技価値付与部
12g 報知部
12h 累計額検知部
12i 報知部
12j 累計額検知部
12k 表示部
12l 表示装置
12m 累計額検知部
12n 累計額検知部
12o 賞遊技媒体換算部
13 HUB
14 管理装置
14a 制御部
14b 情報管理部
14c 遊技用装置通信部
15 中継装置
15a 制御部
15b 情報管理部
15c センタ通信部
15d 遊技用装置通信部
16 登録機
17 精算機
20 キャッシュレスセンタ
20a 制御部
20b 情報管理部
20c 中継装置通信部
20d 携帯端末通信部
20e 有価価値記憶部
30 プリペイド決済センタ
40 携帯端末
40a 制御部
40b 有価価値記憶部
40b´ 有価価値記憶部
40c 通信部
40d 入金実行部
40e 状態遷移部
40f 条件判定部
40g 報知部
40g´ 報知部
40h 累計額通知部
40i 条件判定部
40j 累計額通知部
40k 入金実行部
40l 状態遷移部
40m 条件判定部
40n 累計額通知部
40o 条件判定部
40p 累計額通知部
40q 条件判定部
40r 報知部
40s 条件判定部
50 記録媒体
51 ICカード
52 ICコイン
60 キャッシュレスセンタ管理テーブル
61 キャッシュレスセンタ管理テーブル
70 中継装置管理テーブル
71 中継装置管理テーブル
100 管理機能部(中継装置及びキャッシュレスセンタ)
【要約】
【課題】遊技中の行動から遊技者が遊技にのめり込んでいる状態を判定し、その判定結果に基づく報知を行うことで、より効果的に遊技へののめり込みを抑制できる遊技システムを提供する。
【解決手段】遊技システム1は、有価価値記憶部40bが、遊技開始時刻前に携帯端末40に対応付けられた遊技前対応価値と、遊技開始時刻以降に携帯端末40に対応付けられた遊技中対応価値とを区別して記憶し、条件判定部40fが、入金実行部40dによって遊技用装置12に入金された携帯対応価値の累計額のうち、遊技中対応価値から入金された携帯対応価値を累計した遊技中対応価値累計額が、遊技当日に所定額に到達するか否かを判定する。そして、この判定結果に基づいて、報知部40gが、遊技中対応価値累計額が遊技当日に所定額に到達したことを報知する。
【選択図】図2
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