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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20240419BHJP
   F21V 29/15 20150101ALI20240419BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20240419BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20240419BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240419BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20240419BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240419BHJP
【FI】
F21V23/00 120
F21V29/15
F21V29/508
F21V29/70
F21V23/00 160
F21S2/00 483
F21V23/00 200
F21V29/503 100
F21Y115:15
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019142794
(22)【出願日】2019-08-02
(65)【公開番号】P2021026860
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 譲一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 誠司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 治
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0044933(KR,A)
【文献】特開2013-214363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
F21V 29/15
F21V 29/508
F21V 29/70
F21S 2/00
F21V 29/503
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光ダイオードパネルと、
前記有機発光ダイオードパネルに電源を供給する電源部とを備え、
前記有機発光ダイオードパネルは発光面を有し、
前記電源部の少なくとも一部は、平面視において前記有機発光ダイオードパネルに重なるように、前記有機発光ダイオードパネルの発光面の裏面に設けられ、
前記有機発光ダイオードパネルは、屈曲可能であり、
前記電源部は、屈曲可能な電源基板と、前記電源基板上に搭載された複数の回路部品とを備え、
前記電源部は、前記有機発光ダイオードパネルの屈曲方向に交差する方向に形成されるともに前記回路部品が搭載されない屈曲領域を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記有機発光ダイオードパネルと前記電源部との間に設けられた断熱層を備えることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
有機発光ダイオードパネルと、
前記有機発光ダイオードパネルに電源を供給する電源部と、
前記有機発光ダイオードパネルと前記電源部との間に設けられた断熱層と、
帯状をなすとともに、両端に設けられた第1の供給端子及び第2の供給端子を有する接続基板とを備え、
前記有機発光ダイオードパネルは発光面を有し、
前記電源部の少なくとも一部は、平面視において前記有機発光ダイオードパネルに重なるように、前記有機発光ダイオードパネルの発光面の裏面に設けられ、
前記第1の供給端子及び前記第2の供給端子は、前記有機発光ダイオードパネルの対向する側部に設けられるとともに、前記電源部から電源が供給される第1の入力部及び第2の入力部を有し、
前記第1の入力部には前記第1の供給端子が接続され、前記第2の入力部には前記第2の供給端子が接続され、
前記接続基板において、前記第1の供給端子及び前記第2の供給端子の間には、前記電源部に接続される電源接続部が設けられ、
前記電源接続部は、平面視において前記接続基板に形成されたU字型の開口部によって画成されることを特徴とする発光装置。
【請求項4】
前記有機発光ダイオードパネルは、屈曲可能であることを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記断熱層は、前記電源部と前記有機発光ダイオードパネルとの間に形成された空隙を含むことを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項6】
前記断熱層は、前記電源部と前記有機発光ダイオードパネルとの間に形成された空隙を含むことを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項7】
前記空隙は、前記電源部と前記有機発光ダイオードパネルとの間に設けられた複数のスペーサによって形成されることを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
【請求項8】
複数の前記スペーサは、前記屈曲方向に交差する前記方向に延在する第1のスペーサと、前記屈曲方向に延在する第2のスペーサとを備えることを特徴とする請求項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1のスペーサは前記有機発光ダイオードパネル及び前記電源部に固定され、
前記第2のスペーサは前記有機発光ダイオードパネル又は前記電源部のいずれかに固定されることを特徴とする請求項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第2のスペーサは屈曲可能であることを特徴とする請求項又はに記載の発光装置。
【請求項11】
複数の前記屈曲領域は、前記屈曲方向に沿って並んで形成されることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項12】
前記電源部において、前記屈曲領域以外の回路領域には前記回路部品が搭載されることを特徴とする請求項1又は11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記電源部において、前記屈曲領域と前記回路領域とは前記屈曲方向に沿って交互に形成されることを特徴とする請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記電源部と前記断熱層との間に放熱板が設けられことを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項15】
前記接続基板は、前記有機発光ダイオードパネル及び前記放熱板の間に設けられ、
前記電源接続部は、前記放熱板に形成された開口部を介して前記電源部に接続されることを特徴とする請求項14に記載の発光装置。
【請求項16】
前記有機発光ダイオードパネル及び前記接続基板の間に放熱シートが設けられることを特徴とする請求項3、14、及び15のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項17】
前記有機発光ダイオードパネルは、複数の有機発光ダイオードがマトリクス状に配列されたディスプレイパネルであることを特徴とする請求項1乃至16のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項18】
前記電源部には画像信号を処理する回路が実装されることを特徴とする請求項17に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)は薄型化の利点を有することから、照明、表示パネル等に用いられるようになった。特許文献1に記載された照明装置は、OLEDシートを備える照明部と、照明部の端部に連結された支持部と、支持部に設けられた電源部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】韓国公開実用新案第20-2014-0005434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明装置において、電源部は照明部に並んで設けられているため、装置を小型に構成するのが困難になるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、小型化可能な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、有機発光ダイオードパネルと、前記有機発光ダイオードパネルに電源を供給する電源部とを備え、前記有機発光ダイオードパネルは発光面を有し、前記電源部の少なくとも一部は、平面視において前記有機発光ダイオードパネルに重なるように、前記有機発光ダイオードパネルの発光面の裏面に配置されることを特徴とする発光装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小型化可能な発光装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態におけるOLED装置の概観図である。
図2】本発明の第1実施形態におけるOLED装置の斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態におけるOLED装置の分解斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態における接続基板の平面図である。
図5】本発明の第1実施形態におけるOLED装置の平面図である。
図6】本発明の第1実施形態における図5のA-A’線のOLED装置の断面図である。
図7】本発明の第1実施形態における図5のB-B’線のOLED装置の断面図である。
図8】本発明の第1実施形態におけるOLEDパネルの断面図である。
図9】本発明の第1実施形態における屈曲したOLED装置の断面図である。
図10】本発明の第2実施形態におけるOLED装置のブロック図である。
図11】本発明の第2実施形態におけるOLED装置の平面図である。
図12】本発明の第2実施形態における図11のC-C’線のOLED装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。明細書全般における同じ参照符号は、実質的に同一の構成要素を意味する。
【0010】
図に示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために示したもので、本発明が図示の構成の大きさ及び厚さに必ずしも限定されるものではない。
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
[第1実施形態]
図1は本実施形態におけるOLED装置の概観図であって、OLED照明装置を表している。OLED装置は、筐体1aと筐体1aに格納されたOLEDパネル2とを備える。OLEDパネル2は、マトリクス状に配列された複数の有機発光ダイオードを含み、OLED照明として機能する。OLED装置は、図1に示すように長手方向に沿って屈曲可能に構成され得るが、短手方向に沿って屈曲可能であってもよい。OLEDパネル2の長手方向をX方向、OLEDパネル2の短手方向をY方向、発光面21から裏面への方向をZ方向とする。筐体1aは薄い箱型をなし、開口部1bを有する。筐体1aにはOLEDパネル2の他、後述する電源部が格納される。筐体1aは、例えば、プラスチック、ABS(Acrylonitrile,Butadiene,Styrene)樹脂又は金属等で構成されうる。筐体1aは外部からの衝撃、物体の衝突等からOLEDパネル2を保護する。OLEDパネル2の発光面21は筐体1aの開口部1bから露出され、OLEDパネル2の裏面には電源部が設けられる。電源ケーブル1cは、OLED装置に駆動電流を供給する。電源ケーブル1cは、筐体1aの背面又は筐体1aの側面等のように、発光面21の発光を阻害しない箇所に設けられる。筐体1aには、OLED装置の設置のためのスタンドが設けられ得る。なお、筐体1aに格納されるOLEDパネル2の数は1個に限定されず、複数個であってもよい。
【0013】
図2は本実施形態におけるOLED装置の斜視図であり、図3は本実施形態におけるOLED装置の分解斜視図である。OLED装置は、OLEDパネル2、放熱シート3、接続基板4、固定テープ5、スペーサ6、放熱板7、熱伝導シート8、電源部9を備える。
【0014】
OLEDパネル2は、平面視において略長方形をなしている。例えば、OLEDパネル2のX方向、Y方向、Z方向の長さはそれぞれ200mm、50mm、0.5mmであり得るが、形状及び長さは限定されない。図2において、発光面21はZ方向の下側に向けられ、裏面22はZ方向の上側に向けられる。
【0015】
放熱シート3は、長方形状をなし、OLEDパネル2の裏面22に設けられる。放熱シート3は、熱伝導率の大きい材料で構成され、例えば、グラファイト、銅、アルミニウムのいずれか若しくは組み合わせで構成され得る。典型的には、グラファイトの熱伝導率は700~1950W/(m・K)、銅の熱伝導率は403W/(m・K)、アルミニウムの熱伝導率は236W/(m・K)であり、熱伝導率のより大きいグラファイトを用いることが望ましい。上述の構成により、OLEDパネル2において発生した熱は、放熱シート3の全体に均一に分散される。放熱シート3は、OLEDパネル2に生じた熱を発散させるため、OLEDパネル2の裏面22のできるだけ多くの領域を覆うことが望ましい。放熱シート3の数は1枚に限定されず、放熱シート3は複数に分割されてもよい。例えば、複数の放熱シート3はX方向に並べて配置されることで、放熱シート3がX方向に屈曲され易くなる。
【0016】
接続基板4は、細長い帯状のフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)であって、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等で構成されうる。接続基板4には電源配線及び接地配線がアルミニウム又は銅のパターンとして形成される。接続基板4は放熱シート3の上に配置され、接続基板4の両端に形成された供給端子はそれぞれOLEDパネル2の対向する側部に設けられたアノード端子201、カソード端子202に電気的に接続される。接続基板4の略中央には電源接続部45が設けられ、電源接続部45は電源部9に接続される。これにより、電源部9から接続基板4を介してOLEDパネル2に駆動電流が供給される。
【0017】
固定テープ5は長方形状の粘着テープであり、粘着面51、非粘着面52を備える。固定テープ5は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、樹脂等で構成されうる。固定テープ5の粘着面51は放熱シート3及び接続基板4を挟んでOLEDパネル2の裏面22に貼り合わされる。このようにして、放熱シート3及び接続基板4は固定テープ5によってOLEDパネル2に固定される。固定テープ5の中央には、電源接続部45を露出するための矩形の開口部55が形成されている。開口部55は、電源接続部45が挿通可能であるように十分な大きさを有することが望ましい。
【0018】
スペーサ6は、電源部9とOLEDパネル2との間に設けられ、電源部9とOLEDパネル2との間に空隙63を形成するために用いられる。スペーサ6の厚さ(Z方向長さ)は断熱層として十分な空隙63を形成可能な値であればよく、好ましくは0.5~3.0mm程度、例えば1.0mmであり得る。スペーサ6は断熱性を有するポリマーシート等であり、例えば、ウレタン等で構成され得る。
【0019】
スペーサ6は、第1のスペーサ61a,61b,61c、第2のスペーサ62a,62b,62c,62dを有する。第1のスペーサ61a,61b,61cは平面視においてOLEDパネル2の屈曲方向に交差する方向(Y方向)に延在している。第2のスペーサ62a,62b,62c,62dは平面視においてOLEDパネル2の屈曲方向(X方向)に延在している。
【0020】
第1のスペーサ61a,61b,61cはX方向に所定の間隔で略平行に配置され。第2のスペーサ62a,62bは第1のスペーサ61a,61bとの間に配置され、Y方向に所定の間隔で略平行に配置される。第2のスペーサ62a,62bは放熱板7の長辺の縁部近傍に沿って配置される。第2のスペーサ62c,62dは、第1のスペーサ61bとスペーサ61cとの間に配置され、Y方向に所定の間隔で略平行に配置される。第1のスペーサ61a,61b、第2のスペーサ62a,62bは、接続基板4の電源接続部45に干渉しないように、平面視において開口部55上に位置しないことが望ましい。
【0021】
第1のスペーサ61a,61b,61cはそれぞれ粘着面611,612を有する。粘着面611は放熱板7に接着され、粘着面612は固定テープ5に接着される。第2のスペーサ62a,62b,62c,62dはそれぞれ粘着面621、非粘着面622を有する。粘着面621は放熱板7に接着され、非粘着面622は固定テープ5に当接するが、接着されない。すなわち、X方向に延在する第2のスペーサ62a,62b,62c,62dは固定テープ5に対して自在に動き得る。このため、OLED装置をX方向において屈曲させた場合、X方向における曲げ応力を低減することが可能となる。
【0022】
放熱板7は、アルミニウム又は銅等の熱伝導率の大きい金属等で構成される。放熱板7は、例えば、長方形をなすが、長方形の角を切欠した多角形であってもよい。放熱板7はスペーサ6の上に配置され、固定テープ5に固定される。放熱板7は、熱伝導シート8から放熱板7に伝導した熱を放熱板7の表面から放熱する。放熱板7には、電源接続部45を露出するための矩形の開口部75が形成されている。開口部75は、電源接続部45が挿通可能であるように十分な大きさを有することが望ましい。
【0023】
熱伝導シート8は複数の熱伝導シート8a,8b,8c,8dを含み、シリコン、グラファイト等の熱伝導率の大きな材料で構成される。熱伝導シート8a,8b,8c,8dは、Y方向に延在する長方形をなし、X方向において所定の長さ(幅)を有している。熱伝導シート8a,8b,8c,8dのY方向の長さは電源部9のY方向の長さと同等の長さを有し得る。熱伝導シート8a,8b,8c,8dは、屈曲方向(X方向)に所定の間隔で略平行に設けられる。熱伝導シート8a,8b,8c,8dは平面視において開口部75上に位置しないことが望ましい。熱伝導シート8a,8b,8c,8dは、それぞれに粘着面81,82を備える。粘着面81は電源部9に接着され、粘着面82は放熱板7に接着される。熱伝導シート8a,8b,8c,8dは、電源部9の発する熱を放熱板7に伝導させる。また、複数の熱伝導シート8a,8b,8c,8dは、屈曲方向に分割されて設けられているため、OLED装置の屈曲を妨げない。
【0024】
電源部9は、熱伝導シート8を介して、放熱板7の上に設けられる。電源部9は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等の屈曲可能な回路基板(FPC)90と、回路基板90に搭載された複数の回路部品96とを備える。回路部品96は例えば集積回路、トランジスタ、抵抗、容量、コイルなどであって、インバータ回路、整流回路、平滑回路を構成する。電源部9は電源ケーブル1c(図1参照)を介して交流電源に接続される。電源部9は商用電源の交流電流を整流及び平滑化し、接続基板4を介してOLEDパネル2に直流電流を供給する。なお、電源部9は外部の直流電源に接続されてもよく、電源部9は必ずしも整流回路を備えることを要しない。
【0025】
図4は本実施形態における接続基板4の平面図である。上述したように接続基板4は細長状のFPCなどから構成され、両端には端子41A,41Cがそれぞれ形成されている。接続基板4の略中央にはU字型の切欠部48が形成され、切欠部48によって画成された領域は電源接続部45を形成している。電源接続部45は接続基板4との接合部において屈曲可能であって、電源接続部45を接続基板4から起立させることができる。
【0026】
電源接続部45の端部には端子42A,42Cが形成されている。端子42Aは配線43Aを介して接続基板4の両端の端子41Aに電気的に接続され、端子42Cは配線43Cを介して接続基板4の両端の端子41Cに電気的に接続されている。端子41AはOLEDパネル2のアノード端子201に半田付けされ、端子41CはOLEDパネル2のカソード端子202に半田付けされる(図2参照)。一方、電源接続部45は固定テープ5の開口部55及び放熱板7の開口部75を介して、電源部9に電気的に接続される。すなわち、電源接続部45の端子42A,42Cは電源部9のアノード電源端子及びカソード電源端子に接続される。これにより、電源部9から電源接続部45を介してOLEDパネル2に駆動電流が供給される。
【0027】
図5はOLED装置の平面図である。図6図5のA-A’線におけるOLED装置の断面図であり、図7図5のB-B’線におけるOLED装置の断面図である。
【0028】
上述したように、OLEDパネル2の裏面22の上には放熱シート3および接続基板4を挟んで固定テープ5が接着されている。固定テープ5と放熱板7との間にはスペーサ6が設けられ、固定テープ5と放熱板7との間には空隙63が形成されている。さらに、電源部9は熱伝導シート8を介して放熱板7上に設けられている。電源部9は、回路部品96が搭載された第1領域91a,91b,91c,91dと、回路部品96が搭載されない第2領域92a,92b,92cとを有する。第1領域91a,91b,91c,91dのそれぞれはX方向において所定の幅を有し、Y方向に亘って回路部品96が搭載されている。第2領域92a,92b,92cは第1領域91a,91b,91c,91dの間に設けられている。すなわち、第1領域91a,91bの間には第2領域92aが設けられ、第1領域91b,91cの間には第2領域92bが設けられている。同様に、第1領域91c,91dの間には第2領域92cが設けられている。第1領域91a,91b,91c,91dは、回路部品96が搭載されるために高硬性を有し、屈曲し難い。一方、第2領域92a,92b,92cは、回路部品96が搭載されないために屈曲し易い。屈曲し易い第2領域92a,92b,92cを第1領域91a,91b,91c,91dの間に配置することで、電源部9がX方向において屈曲可能となる。すなわち、回路部品96が搭載される回路領域(第1領域91a,91b,91c,91d)及び回路部品96が搭載されない屈曲領域(第2領域92a,92b,92c)を交互に配置することで、電源部9がX方向において屈曲可能となる。
【0029】
熱伝導シート8は電源部9と放熱板7との間に設けられている。熱伝導シート8は熱伝導シート8a,8b,8c,8dを含み、熱伝導シート8a,8b,8c,8dはそれぞれ第1領域91a,91b,91c,91dの下部に設けられることが望ましい。また、熱伝導シート8a,8b,8c,8dのX方向の長さは第1領域91a,91b,91c,91dのX方向の長さと同程度であることが望ましい。熱伝導シート8a,8b,8c,8dが第1領域91a,91b,91c,91dの下部に設けられることによって、第1領域91a,91b,91c,91dにおいて生じた熱を効率よく放熱板7に伝導させることができる。
【0030】
放熱板7と固定テープ5との間には、スペーサ61a,61b,61c,62a,62b,62c,62dが設けられている。このため、放熱板7と固定テープ5との間には空隙63が形成される。空隙63のZ方向の長さdは、スペーサ61a,61b,61c,62a,62b,62c,62dの厚さ(Z方向の長さ)に相当する。従って、スペーサ61a,61b,61c,62a,62b,62c,62dの厚さを適宜選択することにより、所望の長さdの空隙63を形成することができる。
【0031】
熱伝導シート8a,8b,8c,8dを介して放熱板7に伝導した熱の一部は、空隙63に放出される。断熱層を構成する空隙63およびスペーサ61a,61b,61c,62a,62b,62c,62dの熱伝導率は十分に小さいことから、電源部9において生じる熱がOLEDパネル2に伝導するのを回避し、OLEDパネル2の劣化を低減することが可能となる。さらに、OLEDパネル2と電源部9との間に空隙63が形成されているため、OLED照明を屈曲した場合における曲げ応力が空隙63において低減される。このため、電源部9とOLEDパネル2との剥離などの問題を回避することが可能となる。
【0032】
接続基板4は上述したようにOLEDパネル2の裏面22と固定テープ5との間に設けられ、接続基板4の両端に形成された端子41A,41CはOLEDパネル2の両端部に設けられたアノード端子201、カソード端子202にそれぞれ電気的に接続される。電源接続部45は接続基板4からZ方向に起立され、固定テープ5の開口部55及び放熱板7の開口部75に挿通される。このため、開口部55及び開口部75は平面視において互いに重なる位置に形成されることが望ましい。電源接続部45の端子は、回路基板90上に設けられたコネクタに接続されてもよく、また、回路基板90上に形成された配線パターンに直接に半田付けされてもよい。OLEDパネル2を屈曲した際に電源接続部45が回路基板90から剥離しないように、電源接続部45はX方向において十分な長さを有することが好ましい。
【0033】
図8はOLEDパネル2の断面図である。OLEDパネル2は基板層210、アノード電極211、有機発光層212、カソード電極213、バッファ層214、基材フィルム215、絶縁フィルム216、バリアフィルム217、蛍光取出フィルム218を有する。基板層210は、例えば、ポリイミド等から構成され、アノード電極211及びカソード電極213とアノード端子201及びカソード端子202とを電気的に接続する配線を有する。
【0034】
アノード電極211は基板層210の上部に設けられる。アノード電極211は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化インジウム亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)等の透明導電物質で構成される。ITO又はIZOは、透明導電物質からなり、光を透過させることができる。
【0035】
有機発光層212は、アノード電極211の上部に設けられ、白色光を出力する有機発光物質で構成され得る。有機発光層212は、例えば青色有機発光層、赤色有機発光層及び緑色有機発光層で構成されてもよいし、青色有機発光層、黄色または緑色有機発光層を含むタンデム構造で構成されてもよい。本発明の有機発光層212は、前記構造に限定されるものではなく、多様な構造を適用してもよい。有機発光層212は、例えば、8-ヒドロキシ-キノリンアルミニウム錯体、カルバゾール系化合物、二量体化スチリル化合物、10-ヒドロキシベンゾキノリン-金属化合物等が用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
カソード電極213は、例えば、アルミニウム、銀およびマグネシウム合金、カルシウム等の素材で構成される。カソード電極213は、有機発光層212の上部に設けられる。
【0037】
アノード電極211、有機発光層212及びカソード電極213は、有機発光素子を構成する。アノード電極211及びカソード電極213は、基板層210に設けられた配線を介してそれぞれアノード端子201及びカソード端子202から電圧を印加される。電圧がアノード電極211及びカソード電極213に印加されることによって、電子がカソード電極213から有機発光層212に注入され、正孔がアノード電極211から有機発光層212に注入される。有機発光層212において電子及び正孔が結びつき、励起子が生成される。励起子が消滅することによって、有機発光層212の最低空軌道と最高被占軌道とのエネルギー差に相当する光が発生する。有機発光層212において発生した光は、基板層210の方向に発散する。
【0038】
バッファ層214は、例えば、光硬化性接着剤、熱硬化性接着剤等である。バッファ層214は、有機発光層212及びカソード電極213の上部を覆うように設けられる。基材フィルム215は、ポリエチレンテレフタレートのような高分子物質又はアルミニウム、鉄・ニッケル合金、鉄・ニッケル・コバルト合金等の金属物質で構成されてもよく、有機発光層212等への水蒸気及び空気の透過を防ぐ。基材フィルム215は、バッファ層214によって有機発光層212及びカソード電極213を封止する。バッファ層214及び基材フィルム215は、カプセル化層とも呼ばれ、有機発光素子を密封する。
【0039】
絶縁フィルム216は、基材フィルム215の上部に設けられる。絶縁フィルム216は、カプセル化層によって密封された有機発光素子をOLEDパネル2の外部から電気的に絶縁する。絶縁フィルム216は、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等の素材で構成されうる。
【0040】
バリアフィルム217は、基板層210の下部に設けられる。バリアフィルム217は、透明高分子フィルムであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー等の素材で構成されうる。バリアフィルム217は有機発光層212等への水蒸気及び空気の透過を防ぎ、有機発光層212等に対する水による劣化、腐食等を防止する。
【0041】
蛍光取出フィルム218は、微細なマイクロレンズ構造を有する透明薄膜である。蛍光取出フィルム218は、バリアフィルム217の下部に設けられる。蛍光取出フィルム218を設けることによって、有機発光層212で発生した光を効率よく取り出すことができる。
【0042】
図9は屈曲したOLED装置の断面図である。図9において、OLED装置は、発光方向(-Z方向)に凸形状をなすようにX方向に沿って屈曲している。本実施形態においては、OLEDパネル2に電源部9を重ねて設けながら、OLED装置を屈曲可能に構成することが可能である。以下にその理由を詳述する。
【0043】
先ず、電源部9において、回路部品96が実装される第1領域91a,91b,91c,91dの間には、回路部品96が実装されない第2領域92a,92b,92cが形成されている。このため、電源部9は第2領域92a,92b,92cは屈曲可能となる。すなわち、OLEDパネル2に電源部9を重ねて配置しながら、OLEDパネル2とともに電源部9を折り曲げ可能に構成することが可能となる。
【0044】
また、固定テープ5と放熱板7の間には、Y方向に延在する第1のスペーサ61に加えて、屈曲方向(X方向)に延在する第2のスペーサ62が設けられている。このため、固定テープ5および放熱板7がX方向に屈曲したとしても、固定テープ5と放熱板7とは接触することなく、空隙63を介して離隔している。ここで、スペーサ62が設けられていないと仮定すると、放熱板7が大きく湾曲し、放熱板7において第2のスペーサ62が設けられていない部分が固定テープ5と接触し得る。この場合、電源部9において生じた熱が放熱板7から固定テープ5を介してOLEDパネル2へと伝播し、OLEDパネル2の劣化を招き得る。本実施形態においては、屈曲方向(X方向)に延在する第2のスペーサ62a,62b,62c,62dを設けることにより、OLED装置の屈曲時においても、電源部9からの熱がOLEDパネル2に伝播するのを回避することが可能となる。
【0045】
さらに、本実施形態においては、X方向に延在する第2のスペーサ62は、放熱板7には接着されているが、固定テープ5には接着されていない。このため、OLED装置がX方向に屈曲した際に、第2のスペーサ62は固定テープ5に対して自在に動くことができ、OLED装置の曲げ応力を吸収することができる。この結果、OLED装置が屈曲した場合においても、各部材間の接着の剥がれなどの問題を回避することが可能となる。
【0046】
なお、OLED装置が図9とは逆方向、すなわち、発光方向(-Z方向)に凹形状をなすように、X方向に沿って屈曲した場合においても、上述の効果を奏することが可能である。すなわち、OLED装置の屈曲の方向によらずに、空隙63を常に確保しながら、電源部9からの熱がOLEDパネル2に伝播するのを防ぐことができる。また、OLED装置の屈曲に起因する、各部材間の接着の剥がれなどの問題を回避することが可能である。
【0047】
以上、説明したように、本実施形態によれば、平面視において、OLEDパネルと電源部の少なくとも一部を重ねて構成することによって、OLED照明の小型化を実現することができる。また、電源部とOLEDパネルとの間に空隙を含む断熱層を設けることにより、電源部において生じる熱がOLEDパネルに与える影響を小さくすることができる。さらに、電源部において回路部品が搭載されない領域をOLEDパネルの屈曲方向に沿って配置することにより、電源部を容易に屈曲させることができる。このようにして、OLEDパネルと電源部とを重ねて構成しながら、屈曲可能なOLED照明を実現することができる。
【0048】
[第2実施形態]
続いて、本実施形態におけるOLED装置について説明する。本実施形態は、OLEDパネルが画像を表示可能なディスプレイパネルである点において第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0049】
図10は本実施形態におけるOLED装置のブロック図である。OLED装置は、OLEDパネル20、電源部9、制御部11、データドライバ12、ゲートドライバ13を備える。OLEDパネル20は、マトリクス状に配置された複数の有機発光ダイオードを備えている。
【0050】
OLEDパネル20は、マトリクス状に配置された複数の画素23を備え、それぞれの画素23は発光素子231、画素回路232を備える。発光素子231は、有機材料の発光層を有する。画素回路232は、スイッチトランジスタ、駆動トランジスタ、コンデンサ等を備える。スイッチトランジスタ及び駆動トランジスタは、TFT(Thin Film Transistor)構造を有している。それぞれの発光素子231にはRGB(R:Red,G:Green,B:Blue)のカラーフィルタが設けられ、カラー画像を生成可能である。また、カラーフィルタを設ける代わりに、各色に発光可能な発光素子231を用いてもよい。
【0051】
データドライバ12は、データ線242を介して輝度信号に応じたデータ電圧を画素回路232に印加する。ゲートドライバ13は、ゲート線241を介して画素回路232のスイッチトランジスタのゲートを駆動する。ゲートドライバ13は、順次ゲート線241を選択し、選択されたゲート線241に接続されたスイッチトランジスタをオンとする電圧をゲート線241に印加する。画素回路232は、データ電圧に応じた駆動電流を発光素子231に供給し、発光素子231を発光させる。
【0052】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、インターフェース等を備え、外部から入力された画像データにおいてガンマ補正、レベルシフト、色補正、ノイズリダクションなどのデジタル信号処理を行う。CPUは、予め定められたアプリケーションプログラムに従い、電源部9、制御部11、データドライバ12、ゲートドライバ13の動作を制御する。メモリは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。ROMは、不揮発メモリ等のように、電源遮断後にも記憶内容を保持する。RAMは、CPUの動作のためのワークエリアとして用いられる。
【0053】
電源部9は第1実施形態と同様にインバータ回路、整流回路、平滑回路などを含み、外部の交流電源または直流電源に接続される。電源部9は制御部11、データドライバ12、ゲートドライバ13、OLEDパネル2に駆動電流を供給する。
【0054】
図11は本実施形態におけるOLEDディスプレイの平面図であり、図12は、図11のC-C’線におけるOLED装置の断面図である。OLED装置は、OLEDパネル20、放熱シート3、接続基板4、固定テープ5、スペーサ6、放熱板7、熱伝導シート8、回路部10を備える。
【0055】
OLEDパネル20は、略長方形の発光ディスプレイである。OLEDパネル2の長手方向をX方向とし、OLEDパネル20の短手方向をY方向とし、発光面21から裏面22への方向をZ方向とする。OLEDパネル20はX方向について屈曲可能であり得るが、Y方向についても屈曲可能であってもよい。OLEDパネル20は、裏面22における短辺の端部及び長辺の端部にそれぞれ複数の電極端子を備える。短辺の端部における複数の電極端子は、ゲート線241に電気的に接続され、長辺の端部における複数の電極端子は、データ線242に電気的に接続される(図10参照)。データドライバ12、ゲートドライバ13は屈曲可能なFPC等に構成され得る。一対のゲートドライバ13は、OLEDパネル20のX方向の両側に配置される。データドライバ12はOLEDパネル20のY方向の上部に配置される。
【0056】
放熱シート3は、OLEDパネル20の裏面22の上部に配置される。放熱シート3は、OLEDパネル2の略中心に配置される。接続基板4は、OLEDパネル2及び放熱シート3の上部に配置される。
【0057】
接続基板4a,4b,4cは、屈曲可能なFPC等から構成される。接続基板4aの一端はデータドライバ12に電気的に接続され、接続基板4aの他端は固定テープ5に形成された開口部55を介して回路部10に電気的に接続される。同様に、接続基板4b,4cの一端は一対のゲートドライバ13のそれぞれに接続され、他端は固定テープ5に形成された開口部55を回路部10に電気的に接続される。
【0058】
固定テープ5は、OLEDパネル20に放熱シート3、接続基板4a,4b,4cを固定する。固定テープ5の数は1枚に限定されず、複数枚であってもよい。固定テープ5は複数の開口部55を有する。接続基板4a,4b,4cは固定テープ5の下部から開口部55を通り、固定テープ5の上方に配される。放熱板7は、スペーサ61,62を介して、固定テープ5の上部に配置される。放熱板7は1個に限定されず、複数個であってもよい。
【0059】
回路部10は、屈曲可能なFPCからなる回路基板100と、回路基板100上に実装された複数の回路部品106とを備える。複数の回路部品106は電源部9、制御部11を構成する。回路基板100には、回路部品106が実装される第1領域101、回路部品106が実装されない第2領域102が形成される。第1領域101、第2領域102はX方向に交互に配され、回路基板100は第2領域102においてX方向に屈曲可能となる。なお、電源部9、制御部11は複数の回路基板100にそれぞれ形成されてもよい。この場合、複数の回路基板100同士はFPCによって互いに屈曲可能に接続され得る。
【0060】
スペーサ61,62は、固定テープ5と放熱板7との間に設けられ、固定テープ5と放熱板7との間に空隙63を形成させる。スペーサ61,62は断熱性を有するポリマーシート、ウレタン等から構成され得る。スペーサ61は、平面視においてスペーサ61の長辺がY方向に略平行になるように配置され、Y方向に沿って所定の間隔で配置される。スペーサ62は、平面視においてスペーサ62の長辺がX方向に略平行になるように配置され、Y方向に沿って所定の間隔で配置される。スペーサ62に隣接して、他のスペーサ61が配置される。スペーサ61,62は交互に配置され、平面視において例えば格子状に配置されてもよい。これにより、OLEDディスプレイが屈曲した際に、放熱板7が固定テープ5に接触することを防ぐことができる。また、スペーサ62は固定テープ5または放熱板7のいずれか一方のみに接着され、OLED装置の屈曲時において曲げ応力を緩和することが可能である。
【0061】
放熱板7は、スペーサ61,62を介して、固定テープ5の上部に配置される。放熱板7は平面視において略長方形をなし、上部に回路部10を載置するのに十分な大きさを有することが好ましい。放熱板7の数は1個に限定されず、複数個であってもよい。なお、本実施形態において、放熱板7には接続基板4a,4b,4cを通すための開口部が形成されていないが、第1実施形態と同様に放熱板7に開口部を形成してもよい。
【0062】
熱伝導シート8は回路部10の第1領域101の下部に設けられている。このため、回路部品106から生じる熱が放熱板7に伝播するのを効果的に遮断することが可能となる。
【0063】
以上、説明したように、本実施形態によれば、OLEDパネルと電源部の少なくとも一部を重ねて構成することによって、OLEDディスプレイの小型化を実現することができる。また、電源部とOLEDパネルとの間に空隙を含む断熱層を設けることにより、電源部において生じる熱がOLEDパネルに与える影響を小さくすることができる。さらに、電源部において回路部品が搭載されない領域をOLEDパネルの屈曲方向に沿って配置することにより、電源部を屈曲させることができる。このようにして、OLEDパネルと電源部とを重ねて構成しながら、屈曲可能なOLEDディスプレイを実現することができる。
【符号の説明】
【0064】
2 OLEDパネル
3 放熱シート
4 接続基板
5 固定テープ
55 開口部
6 スペーサ
63 空隙
7 放熱板
75 開口部
8 熱伝導シート
9 電源部
91,101 第1領域
92,102 第2領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12