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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】時計カレンダー装置
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/247 20060101AFI20240419BHJP
   G04B 19/25 20060101ALI20240419BHJP
   G04B 19/253 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
G04B19/247 Z
G04B19/25 D
G04B19/253 B
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019147080
(22)【出願日】2019-08-09
(65)【公開番号】P2020042019
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】18188338.0
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599091346
【氏名又は名称】ロレックス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】ROLEX SA
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カロン, エルヴィス
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/033510(WO,A1)
【文献】特開2003-167072(JP,A)
【文献】特開2006-189458(JP,A)
【文献】特開2002-333490(JP,A)
【文献】特開2016-206001(JP,A)
【文献】特開2012-98286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/00-19/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
日付を表示するための第1ディスク(1)であって、日付表示(10)を支持する第1面(11)を有し、軸(A)周りに可動な第1ディスクと、
曜日を表示するための第2ディスク(2)であって、曜日表示(20)を支持する第2面(21)を有し、前記軸(A)周りに可動な第2ディスクと、
を含む、時計カレンダー装置(100)であって、
前記第1及び第2ディスクは、前記第1及び第2面が同一平面上にあるようにされ、前記第2面は前記第1面周りに配置され、
前記第1ディスクの第1歯群(1a)を駆動するための第1爪(3a)と、前記第2ディスクの第2歯群(2a)を運動学的連鎖(4、5)を経由して駆動するための第2爪(3b)とを含むカレンダー駆動モバイル(3)を含む、
時計カレンダー装置(100)。
【請求項2】
前記第2歯群(2a)は、内歯群であり、前記第1歯群(1a)は内歯群であり、前記第2歯群は、前記第1歯群(1a)の歯先円直径d1よりも大きな歯先円直径d2を有する
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2ディスクは、2つの別個の高さにわたり交互配列される形状を有し、曜日表示は第1平面(P1)に配置され、前記第2歯群(2a)は上面が前記第1平面に平行な第2平面(P2)に位置するプレート(2b)と一体に形成される
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1及び第2平面間の距離は、前記第1ディスクの厚さに等しいまたは実質的に等しい
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記運動学的連鎖は、互いに噛合する曜日モバイル(4)と中間モバイル(5)とを含み、前記中間モバイルは、前記第2ディスクの前記第2歯群(2a)と噛合する
請求項2から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記曜日モバイルと前記中間モバイルとの噛み合いをもたらす歯の係数は、前記曜日モバイル及び前記中間モバイル間の角度的遊びを最小化するように構成される、及びまたは前記中間モバイルと前記第2ディスクとを噛合させる歯群の係数は、前記中間モバイル及び前記第2ディスク間の角度的遊びを最小化するように構成される
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記曜日モバイル及びまたは前記中間モバイルは、遊び補償型である、及びまたは前記中間モバイルと前記第2ディスクとを噛合させる前記歯群の少なくとも1つは、遊び補償型である、及びまたは前記曜日モバイルと前記中間モバイルとを噛合させる前記歯群の少なくとも1つは、遊び補償型である
請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1ディスクは、第1ジャンパ(7)により位置に割り出される、及びまたは前記第2ディスクは、第2ジャンパ(8)により位置に割り出される
請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
カレンダー受(91)及びカレンダー円(90)を含み、前記第1ディスクの軸方向揺れの範囲は、前記カレンダー受(91)と前記カレンダー円(90)とにより定められる、及びまたは前記第2ディスク(2)の軸方向揺れの範囲は、前記カレンダー円(90)上に配置されたカレンダーキー(92)と前記カレンダー円(90)の第2支持面(90b)とにより定められる
請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
時計ムーブメントまたは時計の修正軸が第1回転方向に作動されると、前記第1ディスク(1)を作動させる、及び
時計ムーブメントまたは時計の前記修正軸が第2回転方向に作動されると、前記第2ディスク(2)を作動させる、
よう適合されたモバイル(30)を含む修正機構(39)を含む
請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記モバイル(30)は、
前記第1ディスク(1)の前記第1歯群(1a)を直接作動させるよう適合された星形車(31)、及び
運動学的連鎖(4、5)経由で前記第2ディスク(2)を作動させるよう適合された歯車(32)
を含む、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
日付を表示するための第1ディスク(1)であって、日付表示(10)を支持する第1面(11)を有し、軸(A)周りに可動な第1ディスクと、
曜日を表示するための第2ディスク(2)であって、曜日表示(20)を支持する第2面(21)を有し、前記軸(A)周りに可動な第2ディスクと、
を含む、時計カレンダー装置(100)であって、
前記第1及び第2ディスクは、前記第1及び第2面が同一平面上にあるようにされ、前記第2面は前記第1面周りに配置され、
時計ムーブメントまたは時計の修正軸が第1回転方向に作動されると、前記第1ディスク(1)を作動させる、及び
時計ムーブメントまたは時計の前記修正軸が第2回転方向に作動されると、前記第2ディスク(2)を作動させる、
よう適合されたモバイル(30)を含む修正機構(39)を含み、
前記モバイル(30)は、
前記第1ディスク(1)の第1歯群(1a)を直接作動させるよう適合された星形車(31)、及び
運動学的連鎖(4、5)経由で前記第2ディスク(2)を作動させるよう適合された歯車(32)
を含む、
時計カレンダー装置(100)
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のカレンダー装置を含む、時計ムーブメント(200)。
【請求項14】
請求項13に記載の時計ムーブメント(200)及びまたは請求項1から12のいずれか一項に記載のカレンダー装置を含む、時計(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計カレンダー装置に関する。本発明はまた、当該種類の時計カレンダー装置を含む、時計ムーブメントに関する。本発明は最後に、当該種類の時計カレンダー装置または当該種類のムーブメントを含む、時計、特に腕時計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、曜日の表示と日付の表示を表示するよう適合されたカレンダー装置を含むRolex3255ムーブメントが知られている。曜日インジケータは、曜日を省略することなく表示するよう、日付インジケータの外周に配置される。当該種類の配置は、2つの別個の平面に日付及び曜日インジケータの重ねあわせを必要とする。このため、曜日表示を支持するディスクは、日付表示が現れる窓を含む。当該種類の解決策によると、読むことがとても容易であるが、曜日と日付表示との間にわずかな軸方向オフセットが存在する。
【0003】
また、曜日の表示と日付の表示を表示するよう適合されたカレンダー装置を含むETA2836ムーブメントが知られている。曜日及び日付インジケータは、同一の平面に配置される。当該種類の配置は、やはり、曜日インジケータが日付インジケータの内周に配置されるという事実により可能となる。当該種類の解決策によると、曜日インジケータの表面積が小さすぎるため、曜日の完全な表示を提供できないという点で最適ではなく、そのため曜日表示が略されている。更に、曜日表示は二重であり、これは曜日表示の調整を、人間工学に適さないものとしてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】欧州特許出願公開第1555584号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2701014号明細書
【文献】国際公開第2013/102600号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、既知の先行技術のカレンダー装置の改善を可能にするカレンダー装置を提供することである。特に本発明は、曜日表示が省略されず、日付表示が読みやすく、使用者が認識する表示の品質が改善された、カレンダー装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかるカレンダー装置は、請求項1、12で定義される。
【0007】
カレンダー装置の様々な実施形態は、従属請求項2から11で定義される。

【0008】
本発明にかかる時計ムーブメントは、請求項13で定義される。
【0009】
本発明にかかる時計は、請求項14で定義される。
【0010】
添付の図面は、時計の一実施形態の実施例を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、時計の一実施形態の図である。
図2図2は、日付ディスクが取り外された、カレンダーの一実施形態の図である。
図3図3は、カレンダーの実施形態の部分断面図である。
図4図4は、カレンダー修正装置の詳細図である。
図5図5は、カレンダー駆動装置の詳細図である。
図6図6は、曜日ディスクの一実施形態の斜視図である。
図7図7は、文字盤を有するカレンダーの一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
時計300の一実施形態を、図1から図7を参照して以下に説明する。時計は、例えば小型時計または腕時計である。時計は、時計ムーブメントを、例えば電子式または機械式ムーブメント200を、特に自動時計ムーブメントを含む。時計はまた、時計アセンブリ、特にムーブメントを収容することが意図される小型時計ケースを含んでもよい。
【0013】
時計ムーブメントは、カレンダー装置100を含む。時計カレンダー装置は、
- 日付を表示するための第1ディスク1であって、日付表示10を支持する第1面11を有し、軸A周りに可動である、第1ディスクと、
- 曜日を表示するための第2ディスク2であって、曜日表示20を支持する第2面21を有し、軸A周りに可動である、第2ディスクと、
を含む。
第1及び第2ディスクは、第1及び第2面が同一平面上にあるようにされる。換言すれば、日付インジケータまたは表示と曜日インジケータまたは表示は、同一の平面にまたは実質的に同一平面にある。第1及び第2ディスクはまた、第2面が第1面の周囲且つ外側に配置されるように構成される。換言すれば、第1面は、少なくとも1つの第1ディスクリングを含み、前記第2面は当該第1リングの外側で第1ディスクリングを包囲する少なくとも1つの第2ディスクリングを含む。
【0014】
「同一平面上の面」とは、2つの面間の距離または2つの面を通る2つの平面の間で軸Aに沿って測定された距離が、80μm以下、または60μm以下、または40μm以下であることを意味する。
【0015】
カレンダー装置は、第1ディスク1上に配置された、少なくとも1つの第1日付インジケータ10を含む。少なくとも1つの第1インジケータは、好ましくは31個の第1表示を含む。これら表示は、例えば、特に1から31の数字であり、好ましくは、第1ディスク上で軸A周りに一定の角度間隔で配置される。少なくとも1つの第1インジケータは、有利には、第1ディスクの第1面上に配置される。少なくとも1つの第1インジケータは第1ディスク上に彫刻されてもよく、及びまたはパッド印刷されてもよい。
【0016】
カレンダー装置は、第2ディスク2上に配置された、曜日の少なくとも1つの第2インジケータ20を含む。少なくとも1つの第2インジケータは、好ましくは7個の表示を含む。7個の表示は、例えば、一連の文字、特に一連の英数字、特に一連のアルファベット文字、特に、例えばフランス語、英語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語、中国語または日本語といった、1つの言語または他の言語での曜日の名前である。第2表示は、好ましくは、第2ディスク上で軸A周りに一定の角度間隔で配置される。少なくとも1つの第2インジケータは、有利には、第2ディスクの第2面上に配置される。少なくとも1つの第2インジケータは第2ディスク上に彫刻されてもよく、及びまたはパッド印刷されてもよい。
【0017】
第1ディスク1は、31本の歯を含む第1内歯群1aを有する。第1ディスクは、第1ジャンパ7のくちばし7aにより角度的に割り出される。第1ジャンパは、好ましくは、当該ディスクを割り出すために、第1歯群1aと協働する。歯群1aの歯の1つは、第1日付ディスク1の駆動を可能にし、従って日付表示の更新を可能にするため、カレンダー駆動モバイル3の第1爪3aにより24時間毎に作動されるように適合される。
【0018】
カレンダー駆動モバイル3はまた、第2曜日ディスク2と運動学的に連結される曜日モバイル4を作動するように適合される。曜日モバイル4は、より具体的には、7本の歯を含む外歯群40aを有する第1歯車40を含む。曜日モバイルは、第2ジャンパ8のくちばし8aにより角度的に割り出される。歯群40aの歯の1つは、曜日ディスク2の駆動を可能にし、従って曜日表示の更新を可能にするために、カレンダー駆動モバイル3の第2爪3bにより、24時間毎に作動されるように適合される。このため、曜日モバイル4は、図2に示すように、中間モバイル5経由で曜日ディスク2を駆動する第1歯車40と共に回転するよう拘束される、第2歯車41を含む。当該中間モバイル5は、第2歯車41の歯群41aと噛合するよう適合された歯群50aを有するギア50と、曜日ディスク2の歯群2aを駆動するよう適合された歯群51aを有する歯車51とを含む。
【0019】
このため曜日ディスク2は、これら2つの要素間で運動学的連結を確立するために、曜日モバイル4から分離される。このような設計は、曜日または第2インジケータを日付または第1インジケータと同じ高さに配置する一方で、曜日または第2インジケータを日付または第1インジケータの外周に移動するという利点を有する。このため、曜日または第2インジケータ20は、カレンダー駆動モバイル3と曜日ディスク2との間に配置される運動学的連鎖4、5により作動されるという独自の特徴を有する第2ディスク2に配置される。
【0020】
歯群41a、50a、51a、2aの係数は、有利には、曜日モバイル4と曜日ディスク2との間の角度的遊びを可能な限り最小限化するよう設計される。このため、歯41a、50aの係数m1と、歯2a、51aの係数m2は、0.5より小さい、または0.3より小さい、または0.2より小さい。係数m1とm2は、より具体的には、0.07と0.2の間であってもよい。この帰結として、歯群2aの歯の数z2は、30から240の間、特に80から150の間であるのが好ましい。
【0021】
図示の実施形態において、歯群2aは、係数m2が0.15であり、112本の歯を含む。
【0022】
補完的態様で、モバイル4とディスク2との間の角度的遊びは更に、例えば特許文献1の対象物を形成する遊び補償モバイルの形状を取る、モバイル4及びまたはモバイル5及びまたはディスク2を用いて最小化されてもよい。歯40a、41a、51a、2aは、より具体的には、全部または一部に弾性遊び補償歯が設けられてもよい。
【0023】
曜日ディスク2の第2歯群2aは、好ましくは、内歯群である。この種類の解決策は、カレンダー機構の全直径を最小化する一方、駆動モバイル3とディスク2との間に配置された運動学的連鎖の最適な単純化を可能にする。
【0024】
曜日ディスク2は、有利には、2つの異なる高さにわたり交互配列される形状を有する。曜日インジケータ20は、第1平面P1を通る第2面21上に配置され、歯群2aは、プレート2bと一体に形成され、プレートの上面は、第1平面P1と平行な第2平面P2内で延長する。第1及び第2平面間の距離は、(軸Aに平行に計測された)第1ディスクの厚さに等しいまたは実質的に等しい。第1及び第2平面間の距離は、好ましくは0.1mmと0.3mmの間、または0.15mmから0.25mmの間である。このため第2ディスクは、(軸Aを通る平面において)L字型または実質的にL字型の断面を有する。
【0025】
第1日付ディスク1は、好ましくは平坦である。このため、第1ディスクは、(軸Aを通る平面において)長方形または実質的に長方形の断面を有する。
【0026】
第1日付ディスク1は、少なくとも日付インジケータ10を支持する第1面11が、少なくとも1つの曜日インジケータ20を支持する第2面21と同じ平面P1に配置されるように、第2曜日ディスク2のプレート2bとカレンダー受91との間に配置されるように構成される。
【0027】
図3は、カレンダー装置100の、軸Aを通る平面での断面図を示す。第1日付ディスク1の(軸Aに沿った)軸方向揺れ(axial shake)は、有利には、カレンダー受91とカレンダー円90により、特にカレンダー受の第1支持面90aにより定義される。第2曜日ディスク2の(軸Aに沿った)軸方向揺れは、カレンダー円90上に配置されたカレンダーキー92とカレンダー円90の第2支持面90bとにより定義される。このため、日付ディスクの軸方向揺れは、曜日ディスクの軸方向揺れと独立して定義可能であり、その逆も同じである。もちろん、曜日及び日付ディスクのそれぞれの軸方向揺れの定義に参加するあらゆる他の要素が予測される。例えば、カレンダー受91は、カレンダーキーまたはカレンダー機構を統合する時計の文字盤により代替されてもよい。同様に、カレンダーキー92は、カレンダー受またはカレンダー機構を統合する時計の文字盤により代替されてもよい。
【0028】
図4に示すように、曜日ディスク2の第2歯群2aは、日付ディスク1の歯群1aの歯先円直径d1よりも厳密に大きい歯先円直径d2を有する。実際、このような寸法は、図4に示すような、カレンダーの迅速な修正用機構39の実施を可能にする。当該カレンダーの迅速な修正用機構39は、直径d1で定義された周囲の少なくとも基本的に内側に配置された修正モバイル30を含む。修正モバイルは、具体的には、平面P2と交差するが、第2曜日ディスク2の歯群2aと干渉するリスクなくして第1日付ディスク1の歯群1aを直接作動するよう適合された、星形車31を含んでもよい。このため、第1歯群1aの歯元円直径は、好ましくは、第2歯群の歯先円直径d2よりも小さい。
【0029】
好ましくは、d2>d1またはd2>1.1×d1である。図示の実施形態において、d2は1.2×d1に等しいまたは実質的に等しい。
【0030】
修正モバイル30は、より好ましくは、第2ディスク2の歯群2aを曜日モバイル4経由で作動するよう適合された、歯車32を含む。歯車32は、より具体的には、第2ディスク2と運動学的に連結された歯車41と噛合するモバイル33と相互係合するよう適合されてもよい。
【0031】
このため、修正モバイル30は、
- 第1ディスク1の第1歯群1aを直接作動するよう適合された星形車31と、
- 運動学的連鎖4、5経由で第2ディスク2を作動するよう適合された歯車32と、
を含んでもよい。
【0032】
修正機構39のある特定の運転方法によれば、モバイル30は、
- 修正軸が第1回転方向に作動されたときに、第1日付ディスク1を作動する、及び
- 修正軸が第1方向と反対の第2回転方向に作動されたときに、第2曜日ディスク2を作動する、
ように適合されてもよい。
【0033】
このため、モバイル30は、カレンダー機構の平面内で、すなわち平面P1内でまたは平面P1に平行な平面内で、先行技術から既知の手段を用いて、特に特許文献2に記載の手段を用いて、移動可能である。
【0034】
カレンダー駆動モバイル3は、好ましくは図5に示すように瞬時駆動モバイルである。図5では図示されない爪3aは、当該爪が第1日付ディスク1を1角度ステップにわたり瞬時に駆動できるように、特許文献3に開示するような弾性レバー3dと協働するカレンダーカム3cに固定されてもよい。同様に、爪3bはまた、当該爪が曜日ディスク2を1角度ステップにわたり瞬時に駆動できるように、カレンダーカム3cに固定されてもよい。
【0035】
また、モバイル3のエネルギー消費は、第1及び第2ディスク1、2のそれぞれの慣性を最小化することで、最小化できる。このため、第2ディスク2は、特に、プレート2b内に及びまたは面21下に、止まり開口2c及びまたは貫通開口2dを含んでもよい。
【0036】
少なくとも1つの曜日インジケータ20は、好ましくは、円弧形状に形作られたまたは示された、曜日表示を含む。
【0037】
曜日表示は、好ましくは、同様に円弧形状を有する、時計の文字盤6の窓62または開口部から現れるように構成される。当該窓62は、より好ましくは、文字盤の「正午」または「12時」に配置される。
【0038】
日付表示は、好ましくは、文字盤6の窓61または開口部から現れるように構成される。当該窓61は、より好ましくは、文字盤の「3時」に配置される。
【0039】
第1日付ディスク及び第2曜日ディスクの軸A周りの回転方向は、先行技術から既知のものと異なり、時計の通常動作において、すなわち真夜中における日付変更において、同一であることを注記する。当該方向は、上述の修正機構を用いた修正段階においても、同一である。モバイル3の爪3a、3bは、いつでもカレンダーの修正を可能にするよう、好ましくは弾性である。
【0040】
このため、本明細書では、少なくとも1つの曜日または第2インジケータと同じ平面P1または実質的に同じ平面P1に配置された、少なくとも1つの日付または第1インジケータを含む、時計カレンダーを提案する。これにより、使用者が見ることのできる表示の品質を最適化することが可能になる。曜日または第2インジケータは、省略することなく曜日を示すために、日付または第1インジケータの外周に配置される。これにより表示した情報の視認性を最適化することが可能になる。
【符号の説明】
【0041】
1 第1ディスク
1a 第1歯群
2 第2ディスク
2a 第2歯群
3a 第1爪
3b 第2爪
4 曜日モバイル
5 中間モバイル
7 第1ジャンパ
8 第2ジャンパ
10 日付表示
11 第1面
20 曜日表示
21 第2面
39 修正機構
90 カレンダー円
91 カレンダー受
92 カレンダーキー
100 カレンダー装置
200 時計ムーブメント
300 時計
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7