(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 9/04 20060101AFI20240419BHJP
H01P 7/08 20060101ALI20240419BHJP
H01Q 5/364 20150101ALI20240419BHJP
【FI】
H01Q9/04
H01P7/08
H01Q5/364
(21)【出願番号】P 2019196315
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2022-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】小坂 圭史
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-185910(JP,A)
【文献】国際公開第2016/159369(WO,A1)
【文献】特開2015-065643(JP,A)
【文献】国際公開第2019/198588(WO,A1)
【文献】特開2014-183355(JP,A)
【文献】特開2018-074506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 9/04
H01P 7/08
H01Q 5/364
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプリットリング共振器を有しているアンテナであって、
スプリットリングを構成する主部と、給電部と、1つ以上の放射素子とを有しており、
前記給電部は、前記主部に設けられ、
前記放射素子は前記主部から延びており、
前記放射素子は、前記スプリットリングの内側に位置している
アンテナ。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナであって、
前記放射素子は、複数あり、
前記放射素子のうちの1つは、前記スプリットリングの外側に位置している
アンテナ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のアンテナであって、
前記主部は、前記スプリットリングにおけるスプリット部を形成する第1端部と第2端部とを有しており、
前記アンテナは、第1対向部と第2対向部とを更に有しており、
前記第1対向部は、前記第1端部に設けられ、又は、前記第1端部から延びており、
前記第2対向部は、前記第2端部に設けられ、又は、前記第2端部から延びており、
前記第1対向部と前記第2対向部とは、互いに離れて対向している
アンテナ。
【請求項4】
請求項3記載のアンテナであって、
前記第1対向部と前記第2対向部とは、キャパシタを構成している
アンテナ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のアンテナであって、
前記アンテナは、複数の動作周波数を有しており、
前記放射素子は、前記複数の動作周波数のいずれか一つの波長の1/4と対応している
アンテナ。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれかに記載のアンテナであって、
前記アンテナは、使用時に回路基板上に搭載される金属体から構成されている
アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、小型で広帯域なアンテナ900を開示している。
図20に示されるように、特許文献1のアンテナ900は、スプリット部922を有する環状の導体であるスプリットリング920を用いたスプリットリング共振器910を有している。具体的には、特許文献1のアンテナ900は、スプリットリング920を構成する主部930と、給電部940とを有している。ここで、給電部940は、主部930に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のアンテナ900は、スプリットリング共振器910の共振周波数において動作するものである。即ち、特許文献1のアンテナ900は、単一の動作周波数でのみ共振するものであり、マルチバンドに対応できない。
【0005】
そこで、本発明は、複数の動作周波数で共振する構造を有するアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1のアンテナとして、
スプリットリング共振器を有しているアンテナであって、
スプリットリングを構成する主部と、給電部と、1つ以上の放射素子とを有しており、
前記給電部は、前記主部に設けられ、
前記放射素子は前記主部から延びている
アンテナを提供する。
【0007】
また、本発明は、第2のアンテナとして、第1のアンテナであって、
前記主部は、前記スプリットリングにおけるスプリット部を形成する第1端部と第2端部とを有しており、
前記アンテナは、第1対向部と第2対向部とを更に有しており、
前記第1対向部は、前記第1端部に設けられ、又は、前記第1端部から延びており、
前記第2対向部は、前記第2端部に設けられ、又は、前記第2端部から延びており、
前記第1対向部と前記第2対向部とは、互いに離れて対向している
アンテナを提供する。
【0008】
また、本発明は、第3のアンテナとして、第2のアンテナであって、
前記第1対向部と前記第2対向部とは、キャパシタを構成している
アンテナを提供する。
【0009】
また、本発明は、第4のアンテナとして、第2のアンテナであって、
前記第1対向部と前記第2対向部とは、オープンスタブ又はショートスタブを構成している
アンテナを提供する。
【0010】
また、本発明は、第5のアンテナとして、第1から第4までのいずれかのアンテナであって、
前記アンテナは、複数の動作周波数を有しており、
前記放射素子は、前記複数の動作周波数のいずれか一つの波長の1/4と対応している
アンテナを提供する。
【0011】
また、本発明は、第6のアンテナとして、第1から第5までのいずれかのアンテナであって、
前記放射素子は、前記主部から離れて位置すると共に部分的に前記主部に沿って延びる延伸部と、前記延伸部と前記主部とを連結する連結部とを有する
アンテナを提供する。
【0012】
また、本発明は、第7のアンテナとして、第6のアンテナであって、
前記アンテナは、使用時に回路基板上に搭載される金属体から構成されており、
前記給電部と前記延伸部とには、前記回路基板に固定される固定部が夫々設けられている
アンテナを提供する。
【0013】
また、本発明は、第8のアンテナとして、第6又は第7のアンテナであって、
前記延伸部の延びる方向は、前記連結部の延びる方向と交差している
アンテナを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のアンテナは、スプリットリングを構成する主部から延びる1つ以上の放射素子を有している。これにより、本発明のアンテナは、スプリットリング共振器の動作周波数と、放射素子の動作周波数との、両方の動作周波数において共振可能となっている。即ち、本発明のアンテナは、複数の動作周波数で共振する構造を有している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態によるアンテナ装置を示す斜視図である。ここで、アンテナは回路基板上に搭載されている。
【
図6】
図1のアンテナ装置を示す別の側面図である。
【
図7】
図1のアンテナ装置に含まれるアンテナを示す上側斜視図である。
【
図15】
図7のアンテナの変形例を示す上面図である。ここでアンテナは模式的に描写されている。
【
図16】
図7のアンテナの別の変形例を示す上面図である。ここでアンテナは模式的に描写されている。
【
図17】
図7のアンテナの更に別の変形例を示す上面図である。ここでアンテナは模式的に描写されている。
【
図18】
図7のアンテナの更に別の変形例を示す上面図である。ここでアンテナは模式的に描写されている。
【
図19】
図7のアンテナの更に別の変形例を示す上面図である。ここでアンテナは模式的に描写されている。
【
図20】特許文献1のアンテナを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示されるように、本発明の実施の形態によるアンテナ装置10は、回路基板600と、アンテナ100とを備えている。
【0017】
図2に示されるように、本実施の形態の回路基板600には、アンテナ100に電気的に接続される給電線610とグランドプレーン620とが形成されている。
【0018】
図1に示されるように、本実施の形態のアンテナ100は、使用時に回路基板600上に搭載される金属体110から構成されている。即ち、アンテナ100は、使用時おいて回路基板600に搭載されるディスクリート部品である。但し、本発明はこれに限定されない。本発明のアンテナ100は、多層配線基板に含まれる複数の導電層及びビアを用いて構成されてもよい。あるいは、本発明のアンテナは、樹脂体に金属膜をめっきし、又は樹脂体に金属体を貼り付けるなど、他の方法を用いて構成されてもよい。いずれにせよ、本発明のアンテナは、導電部材が
図7に示されるようなアンテナ形状に配置されていればよい。アンテナ100は、スプリットリング共振器200を有している。アンテナ100は、複数の動作周波数を有している。アンテナ100は、金属板からなる、スプリットリング共振器構造を有している。即ち、本実施の形態のアンテナ100は、共振アンテナである。
【0019】
図7に示されるように、アンテナ100は、スプリットリング210を構成する主部220と、給電部260と、1つの放射素子300と、第1対向部432と、第2対向部436とを有している。なお、本発明はこれに限定されず、アンテナ100は、スプリットリング210を構成する主部220と、給電部260と、1つ以上の放射素子300とを有していればよい。
【0020】
図7を参照して、本実施の形態の主部220は、アンテナ100のインダクタンス成分を構成する。主部220は、スプリット部212のある環状の形状を有している。ここで、「環状」は、略矩形や円環形のみならず、楕円環形や多角環形をも含む。
【0021】
図7に示されるように、主部220は、第1部230と、第2部240と、第3部250と、第4部270と、第5部280と、第1端部222と、第2端部226と、2つの接地部292,296と、固定部294とを有している。
【0022】
図9及び
図10に示されるように、本実施の形態の第1部230は、上下方向と直交する平板形状を有している。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。特に、上方を+Z方向、下方を-Z方向とする。第1部230は、左右方向に延びている。第1部230は、左右方向における主部220の右端を規定している。本実施の形態において、左右方向はY方向である。ここで、右方は-Y方向であり、左方は+Y方向である。
【0023】
図9及び
図10に示されるように、本実施の形態の第2部240は、上下方向と直交する平板形状を有している。第2部240は、第1部230の後端から前後方向において後方に延びている。本実施の形態において、前後方向はX方向である。ここで、前方は+X方向であり、後方は-X方向である。
【0024】
図9及び
図10に示されるように、本実施の形態の第3部250は、上下方向と直交する平板形状を有している。第3部250は、第2部240の後端から左右方向において左方に延びている。第3部250は、前後方向における主部220の後端を規定している。第3部250は、前後方向において第1部230の後方に位置している。
【0025】
図9及び
図10に示されるように、本実施の形態の第4部270は、上下方向と直交する平板形状を有している。第4部270は、第3部250の前端から前後方向において前方に延びている。第4部270は、左右方向における主部220の左端を規定している。第4部270は、左右方向において第2部240の左方に位置している。
【0026】
図7及び
図8に示されるように、本実施の形態の第5部280は、上部282と、中間部284と、下部286とを有している。
【0027】
図7及び
図8に示されるように、本実施の形態の上部282は、上下方向と直交する平板形状を有している。上部282は、第4部270の前端から左右方向における右方に延びている。
図9に示されるように、上部282は、前後方向において第1部230よりも前方に位置している。
【0028】
図8に示されるように、本実施の形態の中間部284は、前後方向と直交する平板形状を有している。中間部284は、上部282の下端から上下方向における下方に延びている。中間部284は、前後方向において放射素子300よりも前方に位置している。中間部284は、前後方向における主部220の前端を規定している。
【0029】
図8に示されるように、本実施の形態の下部286は、上下方向と直交する平板形状を有している。下部286は、中間部284の下端から前後方向における後方に延びた後、左右方向における右方に延びている。
図10に示されるように、下部286は、金属体110を下方から見た場合、略L字形状を有している。
【0030】
図9に示されるように、本実施の形態の第1端部222は、主部220の第1部230に設けられている。第1端部222は、左右方向において放射素子300よりも右側に位置している。第1端部222は、前後方向において放射素子300よりも後方に位置している。
【0031】
図10に示されるように、本実施の形態の第2端部226は、主部220の第5部280の下部286に設けられている。第2端部226は、左右方向において主部220の第5部280の下部286の右端に位置している。第2端部226は、前後方向において放射素子300の後方に位置している。第2端部226は、前後方向において第1端部222と同じ位置に位置している。
図11に示されるように、第2端部226は、上下方向において第1端部222の下方に位置している。
【0032】
図7及び
図8を参照して、第1端部222と第2端部226とは、スプリットリング210におけるスプリット部212を形成している。即ち、主部220は、スプリットリング210におけるスプリット部212を形成する第1端部222と第2端部226とを有している。
【0033】
図11に示されるように、本実施の形態のスプリット部212は、上下方向と直交する面内に延びる空間である。スプリット部212は、上下方向において第1端部222と第2端部226との間に位置している。スプリット部212は、上下方向において第1端部222と第2端部226との間に挟まれている。スプリット部212は、上下方向において、第1端部222の下方に位置しており、第2端部226の上方に位置している。
図7に示されるように、スプリット部212は、上下方向において第1対向部432と第2対向部436との間に位置している。スプリット部212は、上下方向において第1対向部432と第2対向部436との間に挟まれている。スプリット部212は、上下方向において、第1対向部432の下方に位置しており、第2対向部436の上方に位置している。スプリット部212は、左右方向において第2部240と第4部270との間に位置している。スプリット部212は、左右方向において第2部240と第5部280との間に位置している。
図8から理解されるように、スプリット部212は、左右方向において第2部240と第5部280の下部286との間に位置している。スプリット部212は、上下方向において、第1部230、第2部240、第3部250及び第4部270のいずれよりも下方に位置している。スプリット部212は、上下方向において第5部280の上部282の下方に位置している。スプリット部212は、上下方向において第5部280の下部286の上方に位置している。
【0034】
図8に示されるように、本実施の形態の接地部292,296は、主部220の第1部230及び第4部270に夫々設けられている。詳しくは、接地部292,296の夫々は、矩形の板状である。接地部292,296は、主部220の左右方向外側に位置している。接地部292は、第1部230の側縁の前端に、接地部296は、第4部270の側縁の前端近傍に、夫々設けられている。接地部292は、第1部230から下方へ延びている。接地部296は、第4部270から下方へ延びている。
図4に示されるように、接地部292,296は、アンテナ100が回路基板600に搭載された際に、回路基板600に形成されているグランドプレーン620に電気的に接続される。
【0035】
図8に示されるように、本実施の形態の固定部294は、主部220の第3部250に設けられている。詳しくは、固定部294は、第3部250の左右方向中央の後縁から下方へ延びている。
図4に示されるように、固定部294は、アンテナ100が回路基板600に搭載された際に、回路基板600に固定され、主部220を支持する。固定部294は、グランドプレーン620に電気的に接続されてもよいし、接続されなくてもよい。本実施の形態において固定部294の数は一つであるが、二つ以上の固定部294を設けてもよい。
【0036】
図2に示されるように、本実施の形態の給電部260は、アンテナ100が回路基板600に搭載される際に、回路基板600の給電線610に電気的に接続される。ここで、給電部260と給電線610との間の電気的接続方法は、特に限定されない。例えば、給電部260は、はんだ付けなどの方法により、給電線610に直接接続されてよい。あるいは、給電部260は、給電線610の一部との間に間隔をあけて近接配置され、容量性結合又は電磁結合により電磁気的に接続されてもよい。いずれにせよ、給電部260が給電線610からの給電を受けられるように、給電部260と給電線610とが電気的に接続されていればよい。
図8に示されるように、給電部260は、主部220に設けられている。より詳しくは、給電部260は、主部220の第5部280の下部286から下方に延びている。給電部260には、回路基板600(
図2参照)の給電線610に固定される固定部262が設けられている。本実施の形態の固定部262は、給電部260の下端である。
【0037】
図8に示されるように、本実施の形態の放射素子300は主部220から延びている。放射素子300は、アンテナ100を構成する他の部分と一体に構成されている。但し、本発明はこれに限定されない。放射素子300は、アンテナ100を構成する他の部分と、別部材で構成されてよい。放射素子300は、いわゆる逆L型アンテナを形成する。放射素子300の電気長は、アンテナ100の動作周波数のいずれか一つの波長の1/4を基準に決定されている。即ち、放射素子300は、アンテナ100の複数の動作周波数のいずれか一つの波長の1/4と対応している。
【0038】
図8に示されるように、放射素子300は、延伸部310と、連結部330とを有している。
【0039】
図8に示されるように、本実施の形態の延伸部310は、上下方向と直交する平板形状を有している。
図9に示されるように、延伸部310は、上下方向と直交する左右方向に延びている。延伸部310は、主部220から離れて位置すると共に主部220に沿って延びている。なお本発明はこれに限定されず、延伸部310は、主部220から離れて位置すると共に部分的に主部220に沿って延びていればよい。延伸部310と第5部280の下部286とは、上下方向と直交する同一平面上に位置している。延伸部310と第5部280の下部286の一部とは、間隔をあけて平行に配置されている。これにより、放射素子300は、スプリットリング共振器200と共振し、アンテナ100の機能を強化する。
【0040】
図3に示されるように、延伸部310には、回路基板600に固定される固定部312が設けられている。
【0041】
図4に示されるように、本実施の形態の固定部312は、アンテナ100が回路基板600に搭載されたとき、回路基板600に固定される。但し、固定部312は、回路基板600に含まれる導電部には接続されない。即ち、固定部312は、放射素子300を機械的に支持するものである。固定部312は、上下方向において下方に延びている。固定部312は、左右方向における延伸部310の右端に位置している。なお、本発明はこれに限定されず、固定部312の配置は適宜変更してもよい。
【0042】
図11に示されるように、本実施の形態の連結部330は、前後方向及び左右方向の双方と直交する上下方向に延びている。連結部330は、延伸部310と主部220とを連結している。より詳しくは、連結部330は、延伸部310と主部220の第5部280とを連結している。延伸部310の延びる方向は、連結部330の延びる方向と交差している。より詳しくは、延伸部310の延びる方向は、連結部330の延びる方向と直交している。
【0043】
図7に示されるように、本実施の形態の第1対向部432は、第1端部222から延びている。なお、本発明はこれに限定されず、第1対向部432は、第1端部222に設けられ、又は、第1端部222から延びていればよい。第1対向部432は、オープンスタブ410を部分的に構成する。第1対向部432の電気長は、オープンスタブ410の電気長(所定電気長)を決定する。第1対向部432は、ミアンダ部433と、延長部434とを有している。
【0044】
図9に示されるように、本実施の形態のミアンダ部433は、第1端部222から左右方向における左方に延びている。ミアンダ部433は、上下方向に沿って見た場合にミアンダ形状を有している。ミアンダ部433は、前後方向において第1部230と第3部250との間に位置している。より詳しくは、ミアンダ部433は、前後方向において、第1部230の後方に位置しており、且つ、第3部250の前方に位置している。ミアンダ部433は、前後方向において第5部280と第3部250との間に位置している。ミアンダ部433は、前後方向において、第5部280の後方に位置している。ミアンダ部433は、左右方向において第2部240と第4部270との間に位置している。より詳しくは、ミアンダ部433は、左右方向において、第2部240の左方に位置しており、且つ、第4部270の右方に位置している。ミアンダ部433は、前後方向において放射素子300の後方に位置している。
図7に示されるように、ミアンダ部433は、上下方向において第5部280の下部286よりも上方に位置している。ミアンダ部433は、上下方向において給電部260よりも上方に位置している。ミアンダ部433は、上下方向において放射素子300の上方に位置している。ミアンダ部433は、左右方向において放射素子300の連結部330よりも右方に位置している。
図10に示されるように、ミアンダ部433は、左右方向において給電部260よりも右方に位置している。
【0045】
図9に示されるように、本実施の形態の延長部434は、ミアンダ部433から左右方向において左方に延びている。延長部434は、前後方向において第1部230と第3部250との間に位置している。より詳しくは、延長部434は、前後方向において、第1部230の後方に位置しており、且つ、第3部250の前方に位置している。延長部434は、前後方向において第5部280と第3部250との間に位置している。延長部434は、前後方向において、第5部280の後方に位置している。延長部434は、左右方向において第2部240と第4部270との間に位置している。より詳しくは、延長部434は、左右方向において、第2部240の左方に位置しており、且つ、第4部270の右方に位置している。延長部434は、前後方向において放射素子300の後方に位置している。
【0046】
図9に示されるように、主部220は、部分的に第1対向部432と平行に配置されている。詳しくは、主部220の第5部280の下部286の一部、第4部270及び第3部250の夫々は、第1対向部432の延長部434の各部と部分的に平行となるように配置されている。これにより、主部220は、オープンスタブ410を部分的に構成する。
【0047】
図10に示されるように、本実施の形態の延長部434は、延長部主部438と、固定部437とを有している。
【0048】
図9に示されるように、本実施の形態の延長部主部438は、ミアンダ部433から左方に延びてから後方に屈曲し、更に屈曲して右方に延びている。
図7に示されるように、延長部主部438は、上下方向において第5部280の下部286よりも上方に位置している。延長部主部438は、上下方向において給電部260よりも上方に位置している。延長部主部438は、左右方向において放射素子300の連結部330よりも右方に位置している。延長部主部438は、終端435を有している。
【0049】
図9に示されるように、本実施の形態の終端435は、開放されている。即ち、終端435は第2対向部436と短絡されていない。終端435は、前後方向において第1部230と第3部250との間に位置している。より詳しくは、終端435は、前後方向において、第1部230の後方に位置しており、且つ、第3部250の前方に位置している。終端435は、前後方向において第5部280と第3部250との間に位置している。終端435は、前後方向において、第5部280の後方に位置している。終端435は、左右方向において第2部240と第4部270との間に位置している。より詳しくは、終端435は、左右方向において、第2部240の左方に位置しており、且つ、第4部270の右方に位置している。
図7に示されるように、終端435は、上下方向において給電部260よりも上方に位置している。終端435は、左右方向において放射素子300の連結部330よりも右方に位置している。
図10に示されるように、終端435は、前後方向において給電部260よりも後方に位置している。終端435は、左右方向において給電部260よりも左方に位置している。終端435は、前後方向において放射素子300の後方に位置している。
【0050】
図7及び
図9から理解されるように、第1部230、第2部240、第3部250、第4部270、第5部280の上部282及び第1対向部432のミアンダ部433及び延長部主部438は、上下方向と直交する同一平面上に位置している。
【0051】
図4に示されるように、本実施の形態の固定部437は、アンテナ100が回路基板600に搭載される際に、回路基板600に固定されるものである。この固定部437により、第1対向部432の変形を防止することができる。なお、固定部437は、グランドプレーン620を含む回路基板600に含まれる導電部には接続されない。
図8に示されるように、固定部437は、延長部主部438から後方に延びた後、下方に延びている。
図9に示されるように、固定部437は、前後方向において放射素子300と第3部250との間に位置している。固定部437は、前後方向において第1部230と第3部250との間に位置している。固定部437は、左右方向において第2部240と第4部270との間に位置している。固定部437は、左右方向においてミアンダ部433と終端435との間に位置している。固定部437は、前後方向において、第1部230と終端435との間に位置している。
図10に示されるように、固定部437は、左右方向において給電部260と第4部270との間に位置している。固定部437は、左右方向において給電部260と終端435との間に位置している。なお、本発明はこれに限定されず、固定部437の配置は適宜変更してよい。
【0052】
図11及び
図12に示されるように、接地部292,296の下端、固定部294の下端、給電部260の固定部262、及び延長部434の固定部437の下端は、上下方向において同じ位置に位置している。
【0053】
図8に示されるように、本実施の形態の第2対向部436は、上下方向と直交する平板形状を有している。第2対向部436は、第2端部226から延びている。なお本発明はこれに限定されず、第2対向部436は、第2端部226に設けられ、又は、第2端部226から延びていればよい。
図11に示されるように、第1対向部432と第2対向部436とは、互いに離れて対向している。より詳しくは、第1対向部432と第2対向部436とは、上下方向において互いに離れて対向している。第2対向部436は、上下方向において、第1対向部432よりも下方に位置している。
図9及び
図10から理解されるように、上下方向に沿って見たとき、第1対向部432と第2対向部436とは、部分的に重なっている。詳しくは、上下方向に沿って見たとき、第2対向部436は、第1対向部432のミアンダ部433と部分的に重なっている。第2対向部436は、オープンスタブ410を部分的に構成する。
【0054】
図12に示されるように、第5部280の下部286及び第2対向部436は、上下方向と直交する同一平面上に位置している。
【0055】
本実施の形態において、第1対向部432、第2対向部436、主部220及び放射素子300は、単一の金属板からなり、一体に構成されている。但し、本発明は、これに限られない。アンテナ100は、複数の導電部材を用いて構成されてもよい。
【0056】
図8に示されるように、第2対向部436には、固定部が設けられていない。しかしながら、第2対向部436にも第1対向部432と同様に固定部を一つ以上設けてよい。なお、第2対向部436に設けられる固定部もまた、回路基板600に含まれる導電部には接続されない。
【0057】
図7及び
図8を参照して、本実施の形態の第1対向部432と第2対向部436とは、キャパシタ400を構成している。上述のように、主部220がアンテナ100のインダクタンス成分を構成することから、第1対向部432、第2対向部436及び主部220はLC共振回路を構成する。ここで、LC共振回路の動作周波数は、放射素子300の動作周波数と異なっている。
【0058】
図7及び
図8を参照して、第1対向部432と第2対向部436とは、オープンスタブ410を構成している。より詳しくは、第1対向部432と第2対向部436とは、オープンスタブ410を部分的に構成する。第1対向部432及び第2対向部436は、上下方向において重なっている部分のみならず、それ以外の部分においてもオープンスタブ410を構成する。換言すると、第1対向部432及び第2対向部436は、互いに近くに配置されることによってスタブを構成する。また、上述のように、主部220は、オープンスタブ410を部分的に構成している。これにより、本実施の形態のアンテナ100において、オープンスタブ410は、第1対向部432及び第2対向部436だけでなく主部220の一部をも用いて構成されている。なお、本発明はこれに限定されず、第1対向部432の終端435と第2対向部436とが短絡されることにより、ショートスタブを構成していてもよい。即ち、第1対向部432と第2対向部436とは、オープンスタブ410又はショートスタブを構成していてもよい。オープンスタブの場合、オープンスタブ410の電気長(所定電気長)は、動作周波数のいずれか一つの周波数に対応する波長の1/2(=0.5λ)以上とする。一方、ショートスタブの場合、スタブの電気長(所定電気長)は、動作周波数のいずれか一つの周波数に対応する波長の3/4(=0.75λ)以上とする。このように、スタブが所定電気長を有することにより、アンテナ100もまた、複数の動作周波数を有することができる。
【0059】
上述のように、本実施の形態のアンテナ100は、スプリットリング210を構成する主部220から延びる1つの放射素子300を有している。これにより、本実施の形態のアンテナ100は、スプリットリング共振器200の動作周波数と、放射素子300の動作周波数との、両方の動作周波数において共振可能となっている。即ち、本実施の形態のアンテナ100は、複数の動作周波数で共振する構造を有している。
【0060】
より詳しくは、本実施の形態のアンテナ100は、第1対向部432、第2対向部436及び主部220により構成されるLC共振回路の動作周波数と、オープンスタブ410の電気長(所定電気長)に対応する動作周波数と、放射素子300の動作周波数との、3つの動作周波数で共振する構造を有している。
【0061】
ここまで、本発明の実施の形態について説明したが、本実施の形態は以下のように変形されてもよい。
【0062】
(変形例1)
図15に示されるように、第1の変形例のアンテナ100Aは、使用時に回路基板(図示せず)上に搭載される金属体110Aから構成されている。なお、本発明はこれに限定されず、アンテナ100Aは、回路基板上に印刷された配線で構成されてもよい。
【0063】
図15に示されるように、本変形例のアンテナ100Aは、スプリットリング共振器200Aを有している。アンテナ100Aは、複数の動作周波数を有している。アンテナ100Aは、スプリットリング共振器構造を有している。即ち、アンテナ100Aは、共振アンテナである。
【0064】
図15に示されるように、本変形例のアンテナ100Aは、スプリットリング210Aを構成する主部220Aと、給電部260Aと、1つの放射素子300Aと、第1対向部432Aと、第2対向部436Aとを有している。
【0065】
図15を参照して、本変形例の主部220Aは、アンテナ100Aのインダクタンス成分を構成する。
図15に示されるように、主部220Aは、スプリット部212Aのある環状の形状を有している。より詳しくは、主部220Aは、四辺を有する略矩形の環状を有している。ここで、「環状」は、
略矩形や円環形のみならず、楕円環形や多角環形をも含む。
【0066】
図15に示されるように、本変形例の主部220Aは、第1部230Aと、第2部240Aと、第3部250Aと、第4部270Aと、第5部280Aと、第1端部222Aと、第2端部226Aとを有している。
【0067】
図15に示されるように、本変形例の第1部230Aは、左右方向に延びている。第1部230Aは、前後方向における主部220Aの前端を規定している。
【0068】
図15に示されるように、本変形例の第2部240Aは、第1部230Aの後端から前後方向において後方に延びている。第2部240Aは、左右方向における主部220Aの右端を規定している。
【0069】
図15に示されるように、本変形例の第3部250Aは、第2部240Aの後端から左右方向において左方に延びている。第3部250Aは、前後方向における主部220Aの後端を規定している。第3部250Aは、前後方向において第1部230Aの後方に位置している。
【0070】
図15に示されるように、本変形例の第4部270Aは、第3部250Aの前端から前後方向において前方に延びている。第4部270Aは、左右方向における主部220Aの左端を規定している。第4部270Aは、左右方向において第2部240Aの左方に位置している。
【0071】
図15を参照して、第2部240A、第3部250A及び第4部270Aのうちのいずれかの箇所をグランド接続点として、回路基板のグランドプレーン(図示せず)に電気的に接続される。
【0072】
図15に示されるように、本変形例の第5部280Aは、第4部270Aの前端から左右方向における右方に延びている。第5部280Aは、主部220Aの前端を規定している。
【0073】
図15に示されるように、本変形例の第1端部222Aは、主部220Aの第1部230Aに設けられている。
【0074】
図15に示されるように、本変形例の第2端部226Aは、主部220Aの第5部280Aに設けられている。
【0075】
図15に示されるように、第1端部222Aと第2端部226Aとは、スプリットリング210Aにおけるスプリット部212Aを形成している。即ち、主部220Aは、スプリットリング210Aにおけるスプリット部212Aを形成する第1端部222Aと第2端部226Aとを有している。
【0076】
図15に示されるように、本変形例のスプリット部212Aは、前後方向に延びる空間である。スプリット部212Aは、左右方向において第1端部222Aと第2端部226Aとの間に位置している。スプリット部212Aは、左右方向において第1端部222Aと第2端部226Aとの間に挟まれている。スプリット部212Aは、左右方向において第1対向部432Aと第2対向部436Aとの間に位置している。スプリット部212Aは、左右方向において第1対向部432Aと第2対向部436Aとの間に挟まれている。
【0077】
図15に示されるように、給電部260Aは、主部220Aの第5部280Aに設けられている。
【0078】
図15に示されるように、本変形例の放射素子300Aは主部220Aから延びている。具体的には、放射素子300Aは、上述の実施の形態の放射素子300と異なり、主部220Aの第5部280Aから前方に延びている。放射素子300Aと主部220Aは、上下方向と直交する同一平面内に位置している。放射素子300Aは、アンテナ100Aの複数の動作周波数のいずれか一つの波長の1/4と対応している。
【0079】
図15に示されるように、本変形例の第1対向部432Aは、第1端部222Aに設けられている。第1対向部432Aは、第1端部222Aから前後方向における後方に延びている。
【0080】
図15に示されるように、本変形例の第2対向部436Aは、第2端部226Aに設けられている。第2対向部436Aは、第2端部226Aから前後方向における後方に延びている。第1対向部432Aと第2対向部436Aとは、互いに離れて対向している。より詳しくは、第1対向部432Aと第2対向部436Aとは、左右方向において互いに離れて対向している。
【0081】
本変形例のスプリットリング210Aは、上述の実施の形態のスプリットリング210と異なり、主部220Aが上下方向と直交する面内に広がっている。即ち、主部220Aの構成要素である第1部230A、第2部240A、第3部250A、第4部270A、第5部280A、スプリット部212A、第1端部222A及び第2端部226Aは、上下方向と直交する同一平面内に位置している。また、主部220A、第1対向部432A及び第2対向部436Aについても、上下方向と直交する同一平面内に位置している。
【0082】
図15を参照して、本変形例の第1対向部432Aと第2対向部436Aとは、キャパシタ400Aを構成している。上述のように、主部220Aがアンテナ100Aのインダクタンス成分を構成することから、第1対向部432A、第2対向部436A及び主部220AはLC共振回路を構成する。ここで、LC共振回路の動作周波数は、放射素子300Aの動作周波数と異なっている。
【0083】
上述のように、本変形例のアンテナ100Aは、スプリットリング210Aを構成する主部220Aから延びる1つの放射素子300Aを有している。これにより、本変形例のアンテナ100Aは、スプリットリング共振器200Aの動作周波数と、放射素子300Aの動作周波数との、両方の動作周波数において共振可能となっている。即ち、本変形例のアンテナ100Aは、複数の動作周波数で共振する構造を有している。
【0084】
(変形例2)
図16に示されるように、第2の変形例のアンテナ100Bは、使用時に回路基板(図示せず)上に搭載される金属体110Bから構成されている。なお、本発明はこれに限定されず、アンテナ100Bは、回路基板上に印刷された配線で構成されていてもよい。
【0085】
図16に示されるように、本変形例のアンテナ100Bは、スプリットリング共振器200Bを有している。アンテナ100Bは、複数の動作周波数を有している。アンテナ100Bは、スプリットリング共振器構造を有している。即ち、アンテナ100Bは、共振アンテナである。
【0086】
図16に示されるように、本変形例のアンテナ100Bは、スプリットリング210Bを構成する主部220Bと、給電部260Bと、1つの放射素子300Bと、第1対向部432Bと、第2対向部436Bとを有している。主部220Bは、アンテナ100Bのインダクタンス成分を構成する。主部220Bは、第1部230Bと、第2部240Bと、第3部250Bと、第4部270Bと、第5部280Bと、第1端部222Bと、第2端部226Bとを有している。第2部240B、第3部250B及び第4部270Bのうちのいずれかの箇所をグランド接続点として、回路基板のグランドプレーン(図示せず)に電気的に接続される。第1端部222Bと第2端部226Bとは、スプリットリング210Bにおけるスプリット部212Bを形成している。ここで、放射素子300B以外の構成要素については、第1の変形例と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0087】
図16に示されるように、本変形例の放射素子300Bは主部220Bから延びている。具体的には、放射素子300Bは、第1の変形例の放射素子300Aと異なり、給電部260Bが設けられる第5部280Bから前方に延びた後、屈曲して右方に延びている。なお、本発明はこれに限定されず、放射素子300Bは、給電部260Bが設けられる第5部280Bから前方に延びた後、屈曲して左方に延びていてもよい。しかしながら、屈曲して右方に延びている形態の方がアンテナ100B全体のサイズを小さくできるため、より好ましい。放射素子300Bと主部220Bは、上下方向と直交する同一平面内に位置している。放射素子300Bは、アンテナ100Bの複数の動作周波数のいずれか一つの波長の1/4と対応している。
【0088】
図16を参照して、本変形例の第1対向部432Bと第2対向部436Bとは、キャパシタ400Bを構成している。上述のように、主部220Bがアンテナ100Bのインダクタンス成分を構成することから、第1対向部432B、第2対向部436B及び主部220BはLC共振回路を構成する。ここで、LC共振回路の動作周波数は、放射素子300Bの動作周波数と異なっている。
【0089】
上述のように、本変形例のアンテナ100Bは、スプリットリング210Bを構成する主部220Bから延びる1つの放射素子300Bを有している。これにより、本変形例のアンテナ100Bは、スプリットリング共振器200Bの動作周波数と、放射素子300Bの動作周波数との、両方の動作周波数において共振可能となっている。即ち、本変形例のアンテナ100Bは、複数の動作周波数で共振する構造を有している。
【0090】
(変形例3)
図17に示されるように、第3の変形例のアンテナ100Cは、使用時に回路基板(図示せず)上に搭載される金属体110Cから構成されている。なお、本発明はこれに限定されず、アンテナ100Cは、回路基板上に印刷された配線で構成されていてもよい。
【0091】
図17に示されるように、本変形例のアンテナ100Cは、スプリットリング共振器200Cを有している。アンテナ100Cは、複数の動作周波数を有している。アンテナ100Cは、スプリットリング共振器構造を有している。即ち、アンテナ100Cは、共振アンテナである。
【0092】
図17に示されるように、本変形例のアンテナ100Cは、スプリットリング210Cを構成する主部220Cと、給電部260Cと、1つの放射素子300Cと、第1対向部432Cと、第2対向部436Cとを有している。主部220Cは、アンテナ100Cのインダクタンス成分を構成する。主部220Cは、第1部230Cと、第2部240Cと、第3部250Cと、第4部270Cと、第5部280Cと、第1端部222Cと、第2端部226Cとを有している。第2部240C、第3部250C及び第4部270Cのうちのいずれかの箇所をグランド接続点として、回路基板のグランドプレーン(図示せず)に電気的に接続される。第1端部222Cと第2端部226Cとは、スプリットリング210Cにおけるスプリット部212Cを形成している。ここで、放射素子300C以外の構成要素については、第1の変形例と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0093】
図17に示されるように、本変形例の放射素子300Cは主部220Cから延びている。具体的には、放射素子300Cは、第1の変形例の放射素子300Aと異なり、給電部260Cが設けられていない第1部230Cから前方に延びた後、屈曲して左方に延びている。なお、本変形例と変形例2との比較から理解されるように、放射素子300Cが主部220C上に設けられる位置は、給電部260Cの位置に依存しない。放射素子300Cと主部220Cは、上下方向と直交する同一平面内に位置している。放射素子300Cは、アンテナ100Cの複数の動作周波数のいずれか一つの波長の1/4と対応している。
【0094】
図17を参照して、本変形例の第1対向部432Cと第2対向部436Cとは、キャパシタ400Cを構成している。上述のように、主部220Cがアンテナ100Cのインダクタンス成分を構成することから、第1対向部432C、第2対向部436C及び主部220CはLC共振回路を構成する。ここで、LC共振回路の動作周波数は、放射素子300Cの動作周波数と異なっている。
【0095】
上述のように、本変形例のアンテナ100Cは、スプリットリング210Cを構成する主部220Cから延びる1つの放射素子300Cを有している。これにより、本変形例のアンテナ100Cは、スプリットリング共振器200Cの動作周波数と、放射素子300Cの動作周波数との、両方の動作周波数において共振可能となっている。即ち、本変形例のアンテナ100Cは、複数の動作周波数で共振する構造を有している。
【0096】
(変形例4)
図18に示されるように、第4の変形例のアンテナ100Dは、使用時に回路基板(図示せず)上に搭載される金属体110Dから構成されている。なお、本発明はこれに限定されず、アンテナ100Dは、回路基板上に印刷された配線で構成されていてもよい。
【0097】
図18に示されるように、本変形例のアンテナ100Dは、スプリットリング共振器200Dを有している。アンテナ100Dは、複数の動作周波数を有している。アンテナ100Dは、スプリットリング共振器構造を有している。即ち、アンテナ100Dは、共振アンテナである。
【0098】
図18に示されるように、本変形例のアンテナ100Dは、スプリットリング210Dを構成する主部220Dと、給電部260Dと、1つの放射素子300Dと、第1対向部432Dと、第2対向部436Dとを有している。主部220Dは、アンテナ100Dのインダクタンス成分を構成する。主部220Dは、第1部230Dと、第2部240Dと、第3部250Dと、第4部270Dと、第5部280Dと、第1端部222Dと、第2端部226Dとを有している。第2部240D、第3部250D及び第4部270Dのうちのいずれかの箇所をグランド接続点として、回路基板のグランドプレーン(図示せず)に電気的に接続される。第1端部222Dと第2端部226Dとは、スプリットリング210Dにおけるスプリット部212Dを形成している。ここで、放射素子300D以外の構成要素については、第1の変形例と概ね同様であり、詳細な説明は省略する。
【0099】
図18に示されるように、本変形例の放射素子300Dは主部220Dから延びている。具体的には、本変形例の放射素子300Dは、第1の変形例の放射素子300Aと異なり、主部220Dの第3部250Dから前方に延びた後、屈曲して右方に延びている。放射素子300Dと主部220Dは、上下方向と直交する同一平面内に位置している。放射素子300Dは、アンテナ100Dの複数の動作周波数のいずれか一つの波長の1/4と対応している。
【0100】
図18を参照して、本変形例の第1対向部432Dと第2対向部436Dとは、キャパシタ400Dを構成している。上述のように、主部220Dがアンテナ100Dのインダクタンス成分を構成することから、第1対向部432D、第2対向部436D及び主部220DはLC共振回路を構成する。ここで、LC共振回路の動作周波数は、放射素子300Dの動作周波数と異なっている。
【0101】
上述のように、本変形例のアンテナ100Dは、スプリットリング210Dを構成する主部220Dから延びる1つの放射素子300Dを有している。これにより、本変形例のアンテナ100Dは、スプリットリング共振器200Dの動作周波数と、放射素子300Dの動作周波数との、両方の動作周波数において共振可能となっている。即ち、本変形例の形態のアンテナ100Dは、複数の動作周波数で共振する構造を有している。
【0102】
(変形例5)
図19に示されるように、第5の変形例のアンテナ100Eは、使用時に回路基板(図示せず)上に搭載される金属体110Eから構成されている。なお、本発明はこれに限定されず、アンテナ100Eは、回路基板上に印刷された配線で構成されていてもよい。
【0103】
図19に示されるように、本変形例のアンテナ100Eは、スプリットリング共振器200Eを有している。アンテナ100Eは、複数の動作周波数を有している。アンテナ100Eは、スプリットリング共振器構造を有している。即ち、アンテナ100Eは、共振アンテナである。
【0104】
図19に示されるように、本変形例のアンテナ100Eは、スプリットリング210Eを構成する主部220Eと、給電部260Eと、3つの放射素子300E,301E,302Eと、第1対向部432Eと、第2対向部436Eとを有している。主部220Eは、アンテナ100Eのインダクタンス成分を構成する。主部220Eは、第1部230Eと、第2部240Eと、第3部250Eと、第4部270Eと、第5部280Eと、第1端部222Eと、第2端部226Eとを有している。第2部240E、第3部250E及び第4部270Eのうちのいずれかの箇所をグランド接続点として、回路基板のグランドプレーン(図示せず)に電気的に接続される。第1端部222Eと第2端部226Eとは、スプリットリング210Eにおけるスプリット部212Eを形成している。ここで、放射素子300E,301E,302E以外の構成要素については、第4の変形例と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0105】
図19に示されるように、本変形例の放射素子300E,301E,302Eは、主部220Eから延びている。具体的には、本変形例の放射素子300Eは、第4の変形例の放射素子300Dと異なり、主部220Eの第3部250Eから前方に延びた後、屈曲して左方に延びている。放射素子301Eは、主部220Eの第5部280Eの右端付近から前方に延びた後、屈曲して左方に延びている。放射素子302Eは、主部220Eの第5部280Eの左端付近から前方に延びた後、屈曲して右方に延びている。放射素子300E,301E,302Eと主部220Eは、上下方向と直交する同一平面内に位置している。放射素子300E,301E,302Eの夫々は、アンテナ100Eの複数の動作周波数のいずれか一つの波長の1/4と対応している。
【0106】
図19を参照して、本変形例の第1対向部432Eと第2対向部436Eとは、キャパシタ400Eを構成している。上述のように、主部220Eがアンテナ100Eのインダクタンス成分を構成することから、第1対向部432E、第2対向部436E及び主部220EはLC共振回路を構成する。ここで、LC共振回路の動作周波数は、放射素子300E,301E,302Eのいずれの動作周波数とも異なっている。
【0107】
上述のように、本変形例のアンテナ100Eは、スプリットリング210Eを構成する主部220Eから延びる3つの放射素子300E,301E,302Eを有している。これにより、本変形例のアンテナ100Eは、スプリットリング共振器200Eの動作周波数と、放射素子300E,301E,302Eの動作周波数との、夫々の動作周波数において共振可能となっている。即ち、本変形例のアンテナ100Eは、複数の動作周波数で共振する構造を有している。特に、本変形例のアンテナ100Eは、上述の変形例1~4のアンテナ100A,100B,100C,100Dと比較して、より多くの放射素子300E,301E,302Eを有していることから、放射素子の数の増加分だけアンテナ100Eの動作周波数を増加させることができる。
【0108】
以上、本発明について、実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、種々の変形が可能である。また、以上の実施の形態及び変形例を複数組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0109】
10 アンテナ装置
100,100A,100B,100C,100D,100E アンテナ
110,110A,110B,110C,110D,110E 金属体
200,200A,200B,200C,200D,200E スプリットリング共振器
210,210A,210B,210C,210D,210E スプリットリング
212,212A,212B,212C,212D,212E スプリット部
220,220A,220B,220C,220D,220E 主部
222,222A,222B,222C,222D,222E 第1端部
226,226A,226B,226C,226D,226E 第2端部
230,230A,230B,230C,230D,230E 第1部
240,240A,240B,240C,240D,240E 第2部
250,250A,250B,250C,250D,250E 第3部
260,260A,260B,260C,260D,260E 給電部
262 固定部
270,270A,270B,270C,270D,270E 第4部
280,280A,280B,280C,280D,280E 第5部
282 上部
284 中間部
286 下部
292 接地部
294 固定部
296 接地部
300,300A,300B,300C,300D,300E 放射素子
301E 放射素子
302E 放射素子
310 延伸部
312 固定部
330 連結部
400,400A,400B,400C,400D,400E キャパシタ
410 オープンスタブ
432,432A,432B,432C,432D,432E 第1対向部
433 ミアンダ部
434 延長部
435 終端
436,436A,436B,436C,436D,436E 第2対向部
437 固定部
438 延長部主部
600 回路基板
610 給電線
620 グランドプレーン