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  • 特許-リモコン装置およびトイレ装置 図1
  • 特許-リモコン装置およびトイレ装置 図2A
  • 特許-リモコン装置およびトイレ装置 図2B
  • 特許-リモコン装置およびトイレ装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】リモコン装置およびトイレ装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20240419BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
E03D9/08 A
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019198629
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021070985
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】山下 智弘
(72)【発明者】
【氏名】井戸田 育哉
(72)【発明者】
【氏名】中川 恵子
(72)【発明者】
【氏名】久田 高志
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 捷平
(72)【発明者】
【氏名】大岩 幹生
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-056663(JP,A)
【文献】特開2003-096881(JP,A)
【文献】特開2002-061254(JP,A)
【文献】特開2018-059393(JP,A)
【文献】特開2018-125748(JP,A)
【文献】特開2004-239523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00-9/16
H04Q 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ装置の一部である機能部を受信した信号に基づいて制御する制御部を通信相手として定期的に通信する第1通信部を有する第1リモコン装置と、
前記制御部を通信相手として、使用時のみ通信する第2通信部を有する第2リモコン装置とを備え、
前記第1リモコン装置の前記制御部との通信方式は電波通信であり、前記第2リモコン装置の前記制御部との通信方式は赤外線通信であり、
前記第1リモコン装置は、局部洗浄機能を操作可能に構成され、
前記第2リモコン装置は、前記第1リモコン装置の備える機能と異なるシャワーノズルから噴出される洗浄水の水温調整機能を操作可能に構成される、リモコン装置。
【請求項2】
前記第1リモコン装置は前記第2リモコン装置よりも使用頻度が高い、請求項1に記載のリモコン装置。
【請求項3】
トイレ本体と、請求項1又は2に記載のリモコン装置を備える、トイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リモコン装置およびトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレ装置の各種操作を行うためのリモコン装置を備えるトイレ装置が知られている。特許文献1では、温水洗浄装置を操作するためのメインリモコンと、便座開閉装置等の温水洗浄装置以外の便器電装品を操作するためのサブリモコンと、2つのリモコンを備えるトイレ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-239266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された2つのリモコンの通信方式は、赤外線通信か電波式通信か、いずれかの同じ通信方式である。しかしながら異なる機能を備える2つのリモコンは、通信状況や使用頻度等が異なるため、それぞれの使用状況に適した設計になっていないと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、機能部と、受信した信号に基づいて前記機能部を制御する制御部と、を備えるトイレ装置に向けて、前記機能部を操作するための前記信号を発信可能なリモコン装置であって、前記リモコン装置は、第1リモコン装置と、第2リモコン装置と、を有し、前記第1リモコン装置は、前記制御部と定期的に通信する第1通信部を有し、前記第2リモコン装置は、前記制御部と使用時のみ通信する第2通信部を有する、リモコン装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態に係るトイレ装置を示す斜視図である。
図2A】本開示の実施形態に係る第1リモコン装置を示す上面図である。
図2B】本開示の実施形態に係る第1リモコン装置を示す正面図である。
図3】本発明の実施形態に係る第2リモコン装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示すように、本実施形態に係るトイレ装置100は、トイレ本体10と、機能部1と、第1リモコン装置20と、第2リモコン装置21と、制御部3と、を備える、一体型トイレ装置である。第1リモコン装置20および第2リモコン装置21はブラケット30を介してトイレ装置100が設けられるトイレルームの壁面Wに配置され、第2リモコン装置21はトイレ本体10の内部の収容部14に収容可能である。
【0008】
トイレ本体10は、便座11と、便蓋12と、トップカバー13と、収容部14と、便器15と、を備える。トイレ本体10は、上記以外にタンク等を備えている(不図示)。機能部1はトイレ本体の上部に載置され、便器洗浄装置や局部洗浄装置を内部に備える。機能部1は後述する制御部3によって制御され、便器洗浄機能や局部洗浄機能のほか、便蓋12の開閉等の各種機能を実行する。機能部1はこれらの機能を全て備えていてもよいし、これらの機能のうち少なくとも1つを備えていてもよい。
【0009】
便座11は、使用者が着座する部分であり、便器15の環状の開口上に配置され、環状の形状を有する。便蓋12は、便座11および便器15の開口を開閉可能に覆う蓋である。トップカバー13は、トイレ本体10の外形の上部を覆う部材である。収容部14は、トイレ本体10の内部に形成され、第2リモコン装置21を収容可能な凹部である。使用頻度の低い第2リモコン装置21は、使用時以外は収容部14に収容されることができる。便器15は、上方に開口し、底部に排水口が形成される。便器15は、例えば陶器からなる部材である。
【0010】
制御部3は、トイレ本体10の内部に収容される(不図示)。制御部3は第1リモコン装置20および第2リモコン装置21から発信される信号を受信し、受信した信号に基づいて機能部1の操作を制御する。制御部3は、赤外線通信方式と電波通信方式の両方式の信号に対応して受信可能である。
【0011】
リモコン装置2は、トイレ装置100の各種機能を遠隔操作可能な装置である。機能部1や他のリモコン装置に向けて赤外線やBLE(登録商標)(電波)等の通信方式で信号を発信し、各種機能を遠隔操作する。リモコン装置2は、外面に操作部を有するほか、制御部や通信部を有する。リモコン装置2は乾電池式であってもよいし、充電池式であってもよい。ブラケット30を介した壁掛け状態や、収容部14に収容された状態で充電可能であってもよい。
【0012】
図2A図2Bに示すように、略直方体板状の第1リモコン装置20の上側面および正面には操作部201が設けられる。操作部201は、複数の操作ボタンにより構成される。図2Aは第1リモコン装置20の上側面を、図2Bは第1リモコン装置20の正面を示す。操作部201は、複数の操作ボタンを有して構成される。
【0013】
第1リモコン装置20が備える機能は、例えば便器洗浄機能や局部洗浄機能等であり、トイレ装置100が備える機能のうち、使用者の使用頻度の高い機能が集約されている。これにより、第1リモコン装置20操作ボタンの種類が少ないために見た目が煩雑にならず、意匠性や操作性が向上する。
【0014】
第1リモコン装置20は、内部に第1通信部203を有し(不図示)、電波通信方式によって通信を行う。電波通信方式ではトイレ本体10側の制御部3と相互通信を行うことができ、トイレ本体10側の設定状況等を第1リモコン装置20で受信することができる。電波通信方式では第1通信部203を第1リモコン装置20内部に設けることができるため、第1通信部203は外に露出せず、第1リモコン装置20の意匠性を向上させることができる。
【0015】
第1リモコン装置20は、制御部3と定期的に相互通信を行う。すなわち、両者は所定時間毎に通信を行う。これにより、リモコン操作の応答性を高めることができる。すなわち、使用時のみの通信では、基板内での処理等によりリモコン操作から通信実行まで待ち時間が発生するところ、第1リモコン装置20は制御部3と定期的に通信を行うために、常に通信可能な状態で待機しており、使用者がリモコン操作を行ってから短時間で通信を実行することが可能となる。
【0016】
第2リモコン装置21は、第1リモコン装置20と同様、トイレ装置100の各種機能を遠隔操作可能な装置である。本実施形態の第2リモコン装置21は、トイレ装置100の全ての機能を操作可能である。例えば、第1リモコン装置20が操作可能な機能に加え、シャワーノズルから噴出される洗浄水の水温調整機能や、便座11の温度調整機能等、トイレ装置100の使用者の使用頻度の低い機能も操作可能である。
【0017】
すなわち、日常的な使用に係る使用頻度の高い機能を第1リモコン装置20に集約して操作し、使用頻度の低い機能は第2リモコン装置21で操作することで、操作性および第1リモコン装置20の意匠性が向上する。
【0018】
第2リモコン装置21は、その側面に第2通信部213を有し(不図示)、赤外線通信方式によってトイレ本体10側の制御部3と使用時のみに通信を行う。すなわち、両者は使用者のリモコン操作時のみ通信を行う。赤外線通信によって、消費電力を低減することができる。
【0019】
第2リモコン装置21は、図3に示すように、正面に操作部211および表示部212を有する。上記以外に、第2リモコン装置21には、制御基板や通信部等が設けられる(図示省略)。
【0020】
第2リモコン装置21は誤操作防止のため、収容部14に収容された状態で、外部と通信不能かつ外部から操作不能であるように構成される。例えば、第2リモコン装置21は、トップカバー13の撓みにより操作部211が操作されないよう、トップカバー13との間に一定の空間を設けて収容部14に収容される。さらに、第2リモコン装置21の通信方式を赤外線通信とし、第2リモコン装置21が収容部14に収容された状態で通信部が被覆されるように構成される。
【0021】
第2リモコン装置21の操作部211は、トイレ装置100の各種機能を操作するための信号を制御部3に向けて発信するための部分であり、複数の操作ボタンで構成される。操作部211は、ボタン以外のスイッチ等によって構成されてもよい。第2リモコン装置21は、これらの複数の操作ボタンの組み合わせによるコード等の入力によりトイレ装置100の各種機能を操作する信号を発信可能である。これにより、操作ボタンの数以上の機能を操作できるため、第2リモコン装置21が備える操作ボタンの数を少なくすることができる。
【0022】
このほか、複数の操作ボタンにはそれぞれ対応するトイレ装置100の各種機能が直接割り当てられていてもよい。ボタンの長押しや複数のボタンの同時押し等で割り当てられた機能以外の機能を操作する信号を発信可能であることで、操作ボタンの数以上の機能を操作できる。
【0023】
表示部212は、文字や記号を表示可能な、例えば液晶ディスプレイで構成される。表示部212には、便座11の暖房設定温度や洗浄水の噴出強さ等のトイレ装置100の各種機能の設定状況や、操作部211に入力されるコード等が表示される。上記に加え、表示部212には第2リモコン装置21の電池残量や現在時刻等が表示される。
【0024】
第2リモコン装置21は、図1に示すように、トイレ本体10の内部の収容部14に収容可能である。これにより、さらに省スペース性が向上する。あるいは、第1リモコン装置20の内部に収容可能に構成されてもよい。
【0025】
トイレ装置100は、例えばスマートフォン等の第3リモコン装置22(不図示)によっても操作可能である。第3リモコン装置22は、第1リモコン装置20および第2リモコン装置21が操作可能な全機能を操作可能であり、赤外線通信やBLE(登録商標)(電波)等の通信方式で信号を発信し、各種機能を遠隔操作する。制御部3が赤外線通信および電波通信の両方の受信に対応可能なことで、第3リモコン装置22のような外部装置との連携の自由度が大きくなる。
【0026】
以上、本実施形態のリモコン装置2によれば、以下の効果が奏される。
【0027】
本実施形態のリモコン装置2は、機能部1と、受信した信号に基づいて機能部1を制御する制御部3と、を備えるトイレ装置100に向けて、機能部1を操作するための前記信号を発信可能なリモコン装置2であって、リモコン装置2は、第1リモコン装置20と、第2リモコン装置21と、を有し、第1リモコン装置20は、制御部3と定期的に通信する第1通信部203を有し、第2リモコン装置21は、制御部3と使用時のみ通信する第2通信部213を有する。これにより、第1リモコン装置20は制御部と定期的に通信して、リモコン操作の応答性を高めることができるとともに、第2リモコン装置21の電池消費量が小さくなり、電池寿命が改善する。
【0028】
第1リモコン装置20と第2リモコン装置21は、それぞれ異なる制御部3との通信手段を有する。これにより、リモコン装置毎に異なる通信手段を適用することで、意匠性に優れたリモコン装置と、消費電力を抑えたリモコン装置を組み合わせることができる。
【0029】
第1リモコン装置20の前記制御部との通信手段は電波通信であり、第2リモコン装置21の制御部3との通信手段は赤外線通信である。これにより、制御部3と定期的に通信し通信頻度が高い第1リモコン装置20には電気料金の安い赤外線通信方式を、使用時のみに通信し通信頻度が低い第2リモコン装置21には電波通信方式を採用することで、より効果的に消費電力を抑えつつ、第2リモコン装置21の意匠性を向上させることができる。
【0030】
トイレ装置100は、トイレ本体10と、リモコン装置2を備える。これにより、リモコン操作式トイレ装置100のリモコン装置の操作性および意匠性が向上するとともに、消費電力を低減可能である。
【0031】
以上、本実施形態のリモコン装置2について説明した。本開示は、上記実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0032】
以下に、本開示の変形例について説明する。
【0033】
第1リモコン装置20が表示部を有していてもよい。相互通信によって受信したトイレ本体10の設定状況等に関する情報を表示部によって確認できる。
【0034】
第1リモコン装置20が赤外線通信方式、第2リモコン装置21が電波通信方式であってもよい。使用頻度の高い第1リモコン装置20の消費電力を低減しつつ、第2リモコン装置21の意匠性を向上させることができる。また、第2リモコン装置21は通信頻度が低いため、電波通信方式であっても赤外線通信方式と比較して消費電力の増大量は限定的である。
【0035】
通信方式は電波通信方式および赤外線通信方式に限定されず、それ以外の通信方式を組み合わせたリモコン装置であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
100…トイレ装置、1…機能部、10…トイレ本体、11…便座、12…便蓋、13…トップカバー、14…収容部、15…便器、2…リモコン装置、20…第1リモコン装置、201…操作部、203…第1通信部、21…第2リモコン装置、211…操作部、212…表示部、213…第2通信部、30…ブラケット、3…制御部
図1
図2A
図2B
図3