(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】表示制御方法、編集支援方法、物品製造方法、プログラムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20240419BHJP
B29C 59/02 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
B29C59/02 Z
(21)【出願番号】P 2020009446
(22)【出願日】2020-01-23
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅田 邦彦
【審査官】菅原 拓路
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-009420(JP,A)
【文献】特開2017-045774(JP,A)
【文献】特開2013-004537(JP,A)
【文献】特開2011-161832(JP,A)
【文献】特開2015-153953(JP,A)
【文献】特開2012-004354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/00
B29C 59/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板のショット領域に対するインプリント材の配置を制御するための制御情報が規則に適合しているかどうかを判断する判断工程と、
前記ショット領域を示すショット領域情報とともに
、前記規則に適合する第一の部分と、前記規則に適合していない第二の部分とを互いに区別してディスプレイに表示する表示工程と、を含
み、
前記規則は、前記ショット領域の境界線の内側であって、該境界線から所定距離以上離れた位置にドロップが配置されなければならない、ことを含むことを特徴とする表示制御方法。
【請求項2】
前記ショット領域に対するインプリント材の配置を示すドロップ配置情報を
前記第一の部分、前記第二の部分および前記ショット領域情報とともに前記ディスプレイに表示する
工程を
更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項3】
インプリント材のドロップの体積に応じた情報を表示することを
更に含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御方法。
【請求項4】
前記
第一の部分および前記第二の部分の表示は、前記
第二の部分の画像を拡大して前記ディスプレイに表示することを含む、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の表示制御方法。
【請求項5】
前記
第一の部分および前記第二の部分の表示は、前記
第二の部分を強調して表示することを含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の表示制御方法。
【請求項6】
前記基板は、複数のショット領域を有し、
前記判断工程は、前記複数のショット領域の各々について、前記制御情報が前記規則に適合するかどうかを判断する工程であり、
前記表示工程は、前記複数のショット領域のそれぞれについての
前記第一の部分と前記第二の部分を前記ディスプレイに表示することを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【請求項7】
前記複数のショット領域の配置を示すショットレイアウト情報を
前記第一の部分、前記第二の部分および前記ショット領域情報とともに前記ディスプレイに表示することを
更に含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の表示制御方法。
【請求項8】
前記判断工程は、前記制御情報の編集中に前記制御情報が前記規則に適合しているかどうかを判断することを含み、前記表示工程は、前記制御情報の編集中に
前記第一の部分と前記第二の部分を前記ディスプレイに表示することを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【請求項9】
基板のショット領域に対するインプリント材の配置を制御するための制御情報の編集を支援する編集支援方法であって、
ユーザによる操作に従って前記制御情報を編集する編集工程と、
前記制御情報が規則に適合しているかどうかを判断する判断工程と、
前記ショット領域を示すショット領域情報とともに
、前記規則に適合する第一の部分と、前記規則に適合していない第二の部分とを互いに区別してディスプレイに表示する表示工程と、を含
み、
前記規則は、前記ショット領域の境界線の内側であって、該境界線から所定距離以上離れた位置にドロップが配置されなければならない、ことを含むことを特徴とする編集支援方法。
【請求項10】
物品製造方法であって、
請求項9に記載の編集支援方法によって編集された制御情報に基づいて基板の上にインプリント材を配置する工程と、
前記基板の上のインプリント材にモールドを接触させる工程と、
前記インプリント材を硬化させる工程と、
硬化した前記インプリント材からモールドを分離する工程と、
硬化した前記インプリント材を有する前記基板を処理する工程と、
を含み、前記基板から物品を得ることを特徴とする物品製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項9に記載の編集支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
基板のショット領域に対するインプリント材の配置を制御するための制御情報が規則に適合しているかどうかを判断する判断部と、
前記ショット領域を示すショット領域情報とともに
、前記規則に適合する第一の部分と、前記規則に適合していない第二の部分とを互いに区別してディスプレイに表示する表示制御部と、を備え
、
前記規則は、前記ショット領域の境界線の内側であって、該境界線から所定距離以上離れた位置にドロップが配置されなければならないことを含む、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
ユーザによる操作に従って前記制御情報を編集する編集部を更に備えることを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント技術に関連し、特に、表示制御方法、編集支援方法、物品製造方法、プログラムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板のショット領域の上にインプリント材を配置し、インプリント材とモールドとを接触させ、インプリント材を硬化させ、インプリント材とモールドとを分離することによってショット領域の上に該インプリント材のパターンを形成するインプリント装置がある。このような方法でショット領域の上にインプリント材のパターンを形成することは、インプリントと呼ばれる。インプリント材は、ショット領域の上にドロップ状態で配置されうる。ショット領域に対するインプリント材のドロップの配置は、ドロップパターンに基づいて制御されうる。ドロップパターンは、インプリント材のドロップを配置する位置およびドロップの体積等の情報を含みうる。ドロップパターンは、モールドのパターン、基板上におけるショット領域の位置、インプリント材とモールドとを接触させる動作の制御方法、複数のショット領域に対するインプリントの順番等を考慮して作成されうる。
【0003】
ショット領域上へのインプリント材の供給量が不足している場合、基板とモールドとの間の空間へのインプリント材の充填不良による欠陥が発生しうる。ショット領域上へのインプリント材の供給量が過剰である場合、ショット領域からインプリント材がはみ出しうる。ショット領域からはみ出したインプリント材が硬化されると、そのインプリント材によってパーティクルが生成されうる。このようなパーティクルが基板とモールドとの間に挟まると、形成されるパターンに欠陥を生じさせたり、基板および/またはモールドを破損させたりしうる。
【0004】
特許文献1には、周辺領域に段差を有する基板の上にインプリント材のパターンを形成するインプリント方法が記載されている。そのインプリント方法では、段差の位置に基づいて、段差の位置よりも外周側の領域にインプリント材が配置されないように基板の上にインプリント材を配置する処理が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板の複数のショット領域は、フルフィールドと呼ばれる矩形のショット領域と、パーシャルフィールドと呼ばれる非矩形のショット領域とを含みうる。フルフィールドは、その外形が基板のエッジによって制限されないショット領域である。パーシャルフィールドは、その外形が基板のエッジによって制限されるショット領域であり、一部分が基板のエッジに沿った形状を有しうる。1つのショット領域は、スクライブラインによって区画された複数のチップ領域を含むことができ、通常は、パーシャルフィールドに含まれるチップ領域の個数は、フルフィールドに含まれるチップ領域の個数よりも少ない。
【0007】
パーシャルフィールドは、それが配置される基板上における位置に応じて様々な形状を有しうる。したがって、基板が有する複数のパーシャルフィールドのそれぞれに対するドロップパターンは、個々のパーシャルフィールドに応じて最適化される必要がある。また、基板が有する複数のフルフィールドのそれぞれに対するドロップパターンも、インプリントの順番、基板上における気流の方向等に応じて最適化されるかもしれない。
【0008】
個々のショット領域のためのドロップパターンを生成した後に、それらのドロップパターンは、操作端末においてユーザによって対応するショット領域に割り当てられうる。基板のショット領域の数は、例えば100程度であり、このような多数のショット領域に対してユーザが正しくドロップパターンを割り当てる作業は、非常に困難である。ドロップパターンの割り当てが誤っていると、欠陥の発生や、基板および/またはモールドの破損といった問題を引き起こしうる。
【0009】
本発明は、基板のショット領域に対するインプリント材の配置を制御するための制御情報を正しく設定するために有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの側面は、表示制御方法に係り、前記表示制御方法は、基板のショット領域に対するインプリント材の配置を制御するための制御情報が規則に適合しているかどうかを判断する判断工程と、前記ショット領域を示すショット領域情報とともに、前記規則に適合する第一の部分と、前記規則に適合していない第二の部分とを互いに区別してディスプレイに表示する表示工程と、を含み、前記規則は、前記ショット領域の境界線の内側であって、該境界線から所定距離以上離れた位置にドロップが配置されなければならない、ことを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板のショット領域に対するインプリント材の配置を制御するための制御情報を正しく設定するために有利な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態のインプリント装置の構成を示す図。
【
図5】ディスプレイに表示されたドロップパターンを例示する図。
【
図6】ディスプレイに表示されたドロップパターンを例示する図。
【
図7】ディスプレイに表示されたドロップパターンを例示する図。
【
図8】ディスプレイに表示されたドロップパターンを例示する図。
【
図9】モールドの構成(a)、ドロップ配置情報(b)、互いに重ねて表示されたドロップ配置情報およびショット領域情報(c)を例示する図。
【
図10】表示工程においてディスプレイに表示される画像を例示する図。
【
図11】表示工程においてディスプレイに表示される画像を例示する図。
【
図12】表示工程においてディスプレイに表示される画像を例示する図。
【
図13】表示工程においてディスプレイに表示される画像を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0014】
図1には、本発明の一実施形態のインプリント装置IAの構成が模式的に示されている。インプリント装置IAは、基板Sのショット領域の上にインプリント材IMを配置し、インプリント材IMにモールドMを接触させ、インプリント材IMを硬化させ、その後、インプリント材IMからモールドMを分離するインプリントを行う。インプリントによって基板Sの上にインプリント材IMのパターンが形成される。基板Sは、複数のショット領域を有し、該複数のショット領域は、フルフィールドと呼ばれる矩形のショット領域と、パーシャルフィールドと呼ばれる非矩形のショット領域とを含みうる。フルフィールドは、その外形が基板のエッジによって制限されないショット領域である。パーシャルフィールドは、その外形が基板のエッジ(基板の外周)によって制限されるショット領域であり、一部分が基板のエッジに沿った形状を有しうる。基板Sは、パターンを有していてもよいし、パターンを有していなくてもよい。後者においては、ショット領域は、設計上のショット領域でありうる。
【0015】
インプリント材には、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱等が用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光である。
【0016】
硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。このうち、光により硬化する光硬化性組成物は、重合性化合物と光重合開始剤とを少なくとも含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。
【0017】
インプリント材は、スピンコーターやスリットコーターにより基板上に膜状に付与される。或いは液体噴射ヘッドにより、液滴状、或いは複数の液滴が繋がってできた島状又は膜状となって基板上に付与されてもよい。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。
【0018】
基板は、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられ、必要に応じて、その表面に基板とは別の材料からなる部材が形成されていてもよい。基板としては、具体的に、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、石英ガラスなどである。
【0019】
本明細書および添付図面では、基板Sの表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系において方向を示す。XYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸にそれぞれ平行な方向をX方向、Y方向、Z方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転、Z軸周りの回転をそれぞれθX、θY、θZとする。X軸、Y軸、Z軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向に関する制御または駆動を意味する。また、θX軸、θY軸、θZ軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な軸の周りの回転、Y軸に平行な軸の周りの回転、Z軸に平行な軸の周りの回転に関する制御または駆動を意味する。また、位置は、X軸、Y軸、Z軸の座標に基づいて特定されうる情報であり、姿勢は、θX軸、θY軸、θZ軸の値で特定されうる情報である。位置決めは、位置および/または姿勢を制御することを意味する。アライメント(位置合わせ)は、基板Sのショット領域とモールドMのパターン領域とのアライメント誤差(重ね合わせ誤差)が低減されるように基板SおよびモールドMの少なくとも一方の位置および/または姿勢を制御することを含みうる。また、アライメントは、基板Sのショット領域およびモールドMのパターン領域の少なくとも一方の形状を補正あるいは変更するための制御を含みうる。
【0020】
インプリント装置IAは、基板保持部5、基板駆動機構4、モールド駆動機構7、アライメントスコープ15、硬化部CU、ディスペンサ6、定盤1、ダンパ3、フレーム2、制御部20およびユーザインターフェース30を備えうる。基板保持部5は、基板Sを保持する。基板駆動機構4は、基板保持部5を駆動することによって基板Sを駆動する。基板駆動機構4は、基板Sを複数の軸(例えば、X軸、Y軸、θZ軸の3軸、好ましくは、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸)について駆動するように構成されうる。基板保持部5の位置および姿勢は、不図示の計測器を使って計測され、その計測結果に基づいて基板駆動機構4によって基板保持部5(基板S)が駆動されうる。モールド駆動機構7は、モールドMを保持し、モールドMを駆動する。モールド駆動機構7は、モールドMを複数の軸(例えば、Z軸、θX軸、θY軸の3軸、好ましくは、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸)について駆動するように構成されうる。
【0021】
アライメントスコープ15は、基板Sのショット領域に対して設けられたマークと、モールドMのマークとの相対位置を検出するために使用されうる。典型的には、複数のマーク対について、ショット領域のマークと、モールドMのマークとの相対位置が検出され、これらの結果に基づいて基板駆動機構4および/またはモールド駆動機構7によってショット領域とモールドMとが位置合わせされうる。各マーク対は、ショット領域のマークと、モールドMのマークとで構成される。図示されていないが、インプリント装置IAは、基板(ショット領域)を変形させる基板変形機構および/またはモールドMを変形させるモールド変形機構を備えてもよい。
【0022】
硬化部CUは、基板Sのショット領域の上のインプリント材IMとモールドMとが接触した状態で、インプリント材IMに対して硬化エネルギー(例えば、紫外線等の光)を照射することによってインプリント材IMを硬化させる。硬化部CUは、例えば、光源12と、シャッタ14と、光学ユニット(例えば、ミラー)13とを含みうる。光源12から射出された硬化エネルギーは、シャッタ14、光学ユニット13、モールド駆動機構7およびモールドMを介してインプリント材IMに照射されうる。シャッタ14は、光源12から射出された硬化エネルギーを遮断するために使用されうる。
【0023】
ディスペンサ6(供給部)は、ドロップパターンに基づいて、基板Sあるいは基板Sのショット領域の上にインプリント材IMのドロップ(液滴)を配置しうる。制御部20は、ドロップパターンに基づいて、ディスペンサ6からのインプリント材IMのドロップの吐出と、基板駆動機構4による基板Sの駆動とを制御しうる。これにより、基板Sの表面のうちドロップパターンによって規定された位置にインプリント材IMのドロップが配置されうる。ドロップパターン(ドロップレシピとも呼ばれる)は、基板Sのショット領域に対するインプリント材の配置を制御するための制御情報である。
【0024】
定盤1は、基板駆動機構4を支持しうる。また、定盤1は、ダンパ3を介してフレーム2を支持しうる。フレーム2は、モールド駆動機構7およびディスペンサ6を支持しうる。制御部20は、基板保持部5、基板駆動機構4、モールド駆動機構7、アライメントスコープ15、硬化部CU、ディスペンサ6およびユーザインターフェース30を制御しうる。ユーザインターフェース30は、例えば、ディスプレイ32および入力部34を含みうる。ユーザインターフェース30を制御するソフトウエア(ドライバ等)は、制御部20に組み込まれうる。制御部20は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、又は、プログラムが組み込まれた汎用又は専用のコンピュータ、又は、これらの全部または一部の組み合わせによって構成されうる。制御部20は、例えば、プログラム(制御プログラム)21を格納するコンピュータ可読メモリを含み、プログラム21に基づいて動作しうる。制御部20は、情報処理装置またはコンピュータとして理解されてもよい。
【0025】
制御部20には、基板Sの複数のショット領域にそれぞれ対応する複数のドロップパターンがメモリ媒体から、またはネットワーク等の通信路を介してロードされうる。ユーザインターフェース30は、それを操作するユーザが制御部20にロードされた複数のドロップパターンのそれぞれを対応するショット領域に割り当てることを可能にする。また、ユーザインターフェース30は、それを操作するユーザが、ショット領域に割り当てるべきドロップパターン、または、ショット領域に既に割り当てられたドロップパターンを編集することを可能にする。制御部20は、ネットワーク等の通信路を介してインプリント装置IAと接続されてもよい。制御部20およびユーザインターフェース30の一部の機能(例えば、ショット領域にドロップパターンを割り当てる機能、および、それに関連する機能)は、ネットワーク等の通信路を介してインプリント装置IAと接続された端末装置によって提供されてもよい。
【0026】
インプリント装置IAの制御部20には、予め準備された複数のドロップパターン(インプリント材の液滴の配置に関する情報)がロード(インポート)されうる。ユーザは、ユーザインターフェース30の入力部34を操作することによって各ドロップパターンを基板Sの複数のショットのうち当該ドロップパターンに対応するショット領域に割り当てることができる。この割り当ては、基板Sにおける複数のショット領域のレイアウトを示すショットレイアウトがディスプレイ32に表示された状態で、各ドロップパターンを対応するショット領域に対して、例えばドラッグアンドドロップによって割り当てることを含みうる。基板Sのショット領域の数は、例えば100程度であり、このような多数のショット領域に対してユーザが正しくドロップパターンを割り当てる作業は、非常に困難である。また、インプリント装置IAの制御部20にロードされたドロップパターンが誤りを含むこともありうる。
【0027】
全てのショット領域に対するドロップパターンの割り当てが終了した後に、その割り当てに従ってインプリント材を配置しつつインプリントがなされ、そのインプリントの結果に基づいて少なくとも1つのドロップパターンが変更されうる。変更されたドロップパターンが誤りを含む可能性がある。あるいは、変更されたドロップパターンが意図しないショット領域に割り当てられる可能性もある。
【0028】
図2には、制御部20の動作の第1例が示されている。この動作は、ディスプレイ32の表示を制御する表示制御方法、あるいは、基板Sのショット領域に対するインプリント材の配置を制御するためのドロップパターン(制御情報)の編集を支援する編集支援方法として理解されうる。第1例に係る表示制御方法は、判断工程S220と、表示工程S230とを含みうる。第1例に係る表示制御方法は、終了判定工程S240を更に含んでもよい。第1例に係る編集支援方法は、編集工程S210と、判断工程S220と、表示工程S230とを含みうる。第1例に係る表示制御方法は、終了判定工程S240を更に含んでもよい。
【0029】
制御部20は、判断工程S220に対応する判断部、表示工程S230に対応する表示制御部を備える情報処理装置またはコンピュータとして理解されてもよい。制御部20は、判断工程S220に対応する判断部、表示工程S230に対応する表示制御部、終了判定工程S240に対応する終了判定部を備える情報処理装置またはコンピュータとして理解されてもよい。制御部20は、編集工程S210に対応する編集部、判断工程S220に対応する判断部、表示工程S230に対応する表示制御部、終了判定工程S240に対応する終了判定部を備える情報処理装置またはコンピュータとして理解されてもよい。
【0030】
編集工程S210は、ユーザによるユーザインターフェース30の入力部34の操作に従って、ドロップパターン(制御情報)を編集する工程でありうる。判断工程S220は、編集工程S210で編集されたドロップパターンが規則に適合しているかどうかを判断する工程でありうる。表示工程S230は、判断工程S220における判断結果を、ショット領域を示すショット領域情報とともにディスプレイ32に表示する工程でありうる。終了判定工程S240は、S210~S230を終了するかどうかを判定する工程でありうる。終了判定工程S240でS210~S230を終了すると判定されない場合、S210~S230が繰り返されうる。これにより、複数のショット領域にそれぞれ割り当てられた複数のドロップパターンを含む1組のドロップパターン(これが制御情報として理解されてもよい)が生成される。終了判定工程S240では、ユーザによる入力部34の操作に従って、S210~S230を終了すると判定することができる。
【0031】
図3には、制御部20の動作の第2例が示されている。この動作は、基板Sのショット領域に対するインプリント材の配置を制御するためのドロップパターンの編集を支援する編集支援方法として理解されうる。第2例に係る編集支援方法は、編集要求検出工程S310と、判断工程S320と、表示工程S330、第1判定工程S340とを含みうる。第2例に係る編集支援方法は、第2判定工程S350を更に含んでもよい。
【0032】
制御部20は、編集要求検出工程S310で対応する検出部、判断工程S320に対応する判断部、表示工程S330に対応する表示制御部、第1判定工程S340に対応する第1判定部を備える情報処理装置またはコンピュータとして理解されてもよい。そのような情報処理装置またはコンピュータは、第2判定工程S350に対応する第2判定部を更に備えてもよい。
【0033】
編集要求検出工程S310は、ユーザインターフェース30の入力部34の操作を介して与えられるユーザからのドロップレシピの編集要求を検出する工程でありうる。編集要求は、例えば、複数のショット領域のいずれか1つに対するドロップパターンの割り当ての要求を含みうる。編集要求は、例えば、複数のショット領域に割り当てられたドロップパターンに対する編集の要求を含みうる。ユーザからの編集要求が検出されると、判断工程S320が実行される。判断工程S320は、編集要求検出工程S310で検出された編集要求に従ってドロップレシピが編集されたと仮定した場合に、編集された制御情報が規則に適合しているかどうかを判断する工程でありうる。表示工程S330は、判断工程S220における判断結果を、ショット領域を示すショット領域情報とともにディスプレイ32に表示する工程でありうる。
【0034】
第1判定工程S340は、編集要求検出工程S310で検出された編集要求に従う制御情報の編集を確定させるかどうかを判定する工程でありうる。編集要求に従う制御情報の編集の確定は、入力部34の操作によってユーザから与えられる指令に従ってなされうる。ユーザは、表示工程S330におけるディスプレイ32の表示に基づいて、編集要求を確定させるかどうかを決定することができる。ユーザは、入力部34の操作によって編集要求を撤回することができる。編集要求検出工程S310および第1判定工程S340は、編集工程として理解することができる。
【0035】
第2判定工程S350は、S310~S340を終了するかどうかを判定する工程でありうる。第2判定工程S350では、ユーザによるユーザインターフェース30の入力部34の操作に従って、S310~S340を終了すると判定することができる。第2判定工程S350でS310~S340を終了すると判定されない場合、S310~S340が繰り返されうる。これにより、複数のショット領域にそれぞれ割り当てられた複数のドロップパターンを含む1組のドロップパターン(これを制御情報として理解してもよい)が生成される。
【0036】
表示工程S230、S330は、ショット領域に対するインプリント材の配置を示すドロップ配置情報を上記の判断結果および上記のショット領域情報とともにディスプレイ32に表示することを含みうる。ここで、表示工程S230、S330は、インプリント材のドロップの体積に応じた情報を表示することを含みうる。また、表示工程S230、S330は、ドロップパターン(制御情報)が規則に適合していない部分の画像を拡大してディスプレイ32に表示することを含みうる。また、表示工程S230、S330は、当該部分を強調して表示することを含みうる。
【0037】
表示工程S230、S330は、基板Sの複数のショット領域のそれぞれについての判断工程S220、S320における判断結果をディスプレイ32に表示することを含みうる。ここで、表示工程S230、S330は、複数のショット領域の配置を示すショットレイアウト情報を上記の判断結果および上記のショット領域情報とともにディスプレイ32に表示することを含みうる。
【0038】
判断工程S220、S320は、ドロップパターン(制御情報)の編集中にドロップパターンが規則に適合しているかどうかを判断することを含みうる。表示工程S230、S330は、ドロップパターンの編集中に判断工程S220、S320における判断結果をディスプレイ32に表示することを含みうる。
【0039】
図4には、ドロップパターン410の一例が示されている。ドロップパターン410では、例えば、ショット領域の中心を中心座標(0,0)として、各インプリント材IMのドロップの位置が座標値で示されうる。
図4の例では、”No”は、インプリント材IMのドロップを特定する番号(識別子)である。(Xpos(mm),Ypos(mm))は、ショット領域の中心座標(0,0)を基準とするインプリント材IMのドロップの座標値である。Volume(uL)は、インプリント材IMのドロップの体積であり、”uL”は、マイクロリットルを意味し、”E-6”は、10の-6乗を意味する。ドロップパターン410は、例えば、ドロップパターン410に記載された全てのインプリント材のドロップをシフトさせるシフト量(オフセット量)を含んでもよい。ドロップパターン410は、例えば、ディスペンサ6からのインプリント材IMのドロップの吐出タイミングを制御する情報を含んでもよい。ドロップパターン410は、例えば、ディスペンサ6の複数の吐出口のうちインプリント材IMのドロップを吐出する吐出口を特定する情報を含んでもよい。ドロップパターン410は、他の情報で構成されてもよい。
【0040】
制御部20は、例えば、表示工程S230、S330においてドロップパターンを可視化してディスプレイ32に表示してもよい。
図5には、ディスプレイ32(の表示画面)に表示されたドロップパターンが例示されている。ディスプレイ32の表示画面上のドロップパターンの表示は、マップ形式501および表形式502を含みうる。マップ形式501は、ショット領域を示す図形(例えば、矩形)と、該ショット領域における各インプリント材の位置を示す図形(例えば、ドット)とを含みうる。表形式502は、インプリント材のドロップの位置を示す座標値、および、インプリント材のドロップの体積を示す数値表現を含みうる。
【0041】
1つのショット領域に配置されるインプリント材IMのドロップの数は、特定数に制限されるものではないが、例えば、数十万でありうる。これらのドロップの全てが同時に表示画面に表示されても、人の目では確認が困難である。そこで、制御部20は、ショット領域におけるインプリント材IMの配置を拡大してディスプレイ32に表示するズーム機能を備えうる。拡大は、例えば、拡大対象の領域を指定することによってなされうる。あるいは、拡大は、例えば、デフォルト位置、または、入力部34を通してユーザによって指定される位置を中心としてなされうる。また、表示工程S230、S330では、制御部20は、判断工程S220、S320における判断結果がエラーを示している位置を中心として、ショット領域におけるインプリント材IMのドロップの配置を拡大してディスプレイ32に表示しうる。判断工程S220、S320における判断結果がエラーを示している位置は、ドロップパターン(制御情報)が規則に適合していない位置である。
【0042】
ドロップパターンは、モールドMのパターン領域が有するパターンの形状、インプリントの制御、インプリントによって形成されたパターンの評価結果等に基づいて決定されうるので、複雑なものになることが多い。単純なドロップパターンでは、
図5に例示されたようにインプリント材のドロップが格子状に配置される。しかし、モールドMのパターン領域に設けられたパターンが密度差を有する場合、
図6または
図7に例示されるように、その密度差がドロップパターンに反映されうる。また、モールドMのパターン領域の形状が特殊である場合、
図8に例示されるように、そのパターン領域の形状がドロップパターンに反映されうる。
【0043】
制御部20は、ディスプレイ32(の表示画面)に表示されるインプリント材IMのドロップの図形(例えば、ドット)の寸法をそのドロップの体積に応じた寸法にしてもよい。この場合は、ユーザは、インプリント材IMのドロップに設定された体積の誤りを発見しやすい。あるいは、制御部20は、ディスプレイ32(の表示画面)に表示されるインプリント材IMのドロップの図形(例えば、ドット)の色をそのドロップの体積に応じた色にしてもよい。これは、インプリント材IMのドロップに設定された体積の誤りをユーザが発見することをより容易にしうる。
【0044】
編集工程S210または編集工程(S310、S340)では、複数のショット領域の配置を示すショットレイアウト情報がディスプレイ32(の表示画面)に表示されうる。ショットレイアウト情報は、基板Sの外形を示す情報、複数のショット領域の位置関係を示す情報等を含みうる。ユーザは、ショットレイアウト情報を見ながら各ショット領域にドロップパターンを割り当てる編集を行いうる。
【0045】
図9(a)には、モールドMの構成例が模式的に示されている。モールドMは、パターン領域901を有する。パターン領域901には、基板S(あるいはインプリント材IM)に転写すべきパターンが設けられている。
図9(b)には、ショット領域に対するインプリント材IM(のドロップ)の配置を示すドロップ配置情報902の一例が示されている。
図9(b)の例では、インプリントIMの個々のドロップがドット図形で示されている。ドロップ配置情報902は、制御部20による制御の下で、
図9(b)のような形式でディスプレイ32(の表示画面)に表示されうる。
図9(c)には、ショット領域を示すショット領域情報903の一例が示されている。ショット領域情報903は、制御部20による制御の下で、
図9(c)のような形式でディスプレイ32に表示されうる。また、ドロップ配置情報902およびショット領域情報903は、
図9(c)に例示されるように、互いに重ねて表示されうる。通常は、ショット領域情報903によって示されるショット領域の形状および寸法は、パターン領域901の形状および寸法と一致している。ユーザは、
図9(c)に例示されるようなディスプレイ32の表示に基づいて、ドロップパターンが規則に適合しているかどうかを確認することができる。
【0046】
図10には、表示工程S230、S330においてディスプレイ32(の表示画面)に表示される画像1000が例示されている。画像1000は、ショット領域情報1001、ドロップ配置情報1002、1003を含みうる。ここで、ドロップ配置情報1002は、判断工程S220、S320で規則に適合していると判断されたドロップを示し、ドロップ配置情報1003は、判断工程S220、S320で規則に適合していないと判断されたドロップを示す。規則は、例えば、ショット領域の境界線の内側であって、該境界線から所定距離以上離れた位置にドロップが配置されなければならない、という規則でありうる。該所定距離は、デフォルトの距離であってもよいし、ユーザによって任意に設定される距離であってもよい。
【0047】
ドロップ配置情報1002とドロップ配置情報1003とは、表示形式が区別して表示されている。つまり、ドロップ配置情報1002およびドロップ配置情報1003の表示は、判断工程S220、S320における判断結果を示している。
図10の例では、ドロップ配置情報1002は黒のドットで示され、ドロップ配置情報1003は白抜きのドットで示されている。ドロップ配置情報1002とドロップ配置情報1003との間のこのような表示形式の区別は、一例に過ぎず、他の方法で両者が区別されてもよい。例えば、規則に適合していないドロップ(規則に適合していない部分)を示すドロップ配置情報1003は、例えばハイライト表示および/または点滅表示等により、強調して表示されてもよい。
【0048】
基板の上に配置されたドロップは広がるので、ドロップが占有する領域の一部が規則に適合し、他の一部が規則に適合しない場合がありうる。このようなドロップについては、ドロップの体積とドロップが占有する領域との関係を示す情報に基づいて、規則に適合する領域と規則に適合しない領域とを判断することができる。
【0049】
図11には、表示工程S230、S330においてディスプレイ32(の表示画面)に表示される画像1100が例示されている。画像1100は、ショット領域情報1101、ドロップ配置情報1102、1103、1104を含みうる。ショット領域情報1101は、個々のショット領域を示す情報であるとともに、複数のショット領域の配置を示すショットレイアウト情報でもある。ドロップ配置情報1102は、判断工程S220、S320で規則に適合していると判断されたドロップを示し、ドロップ配置情報1103、1104は、判断工程S220、S320で規則に適合していないと判断されたドロップを示す。規則は、例えば、ショット領域の境界線の内側であって、該境界線から所定距離以上離れた位置にドロップが配置されなければならないという規則と、他のショット領域に配置されてはならないという規則とを含みうる。該所定距離は、デフォルトの距離であってもよいし、ユーザによって任意に設定される距離であってもよい。
【0050】
ドロップ配置情報1102、1103、1104は、相互に表示形式が区別して表示されている。つまり、ドロップ配置情報1102、1103、1104の表示は、判断工程S220、S320における判断結果を示している。
図11の例では、ドロップ配置情報1102は黒のドットで示され、ドロップ配置情報1103は白抜きの細線で示され、ドロップ配置情報1104は白抜きの太線で示されている。ドロップ配置情報1102、1103、1104の間のこのような表示形式の区別は、一例に過ぎず、他の方法で両者が区別されてもよい。
【0051】
図12、
図13には、表示工程S230、S330においてディスプレイ32(の表示画面)に表示される画像1200、1300が例示されている。表示工程S230、S330では、まず、
図12に例示される画像1200が表示されうる。画像1200は、基板Sの形状を示す基板形状情報1201と、ショットレイアウト情報1202とを含みうる。基板形状情報1201は、ショットレイアウト情報1202の一部として理解されてもよい。ショットレイアウト情報1202の各矩形は、1つのショット領域を示している。矩形内を基板Sのエッジ(外形、外周)が横切っているショット領域は、パーシャルフィールドを示し、矩形内を基板Sの外形が横切っていないショット領域は、フルフィールドを示している。パーシャルフィールドに対しては、基板Sの外形の内側の領域にのみインプリントがなされる。画像1200は、領域情報1203を含みうる。領域情報1203は、拡大表示すべき領域を示していて、ユーザによって設定されうる。
【0052】
ユーザによる入力部34の操作によって拡大表示が指示されると、
図13に例示される画像1300が表示されうる。画像1300は、
図12の領域情報1203で示される領域を拡大した画像である。画像1300は、基板形状情報1201、ショットレイアウト情報(ショット領域情報)1202、ドロップ配置情報1204、1205を含みうる。ここで、ドロップ配置情報1204は、判断工程S220、S320で規則に適合していると判断されたドロップを示し、ドロップ配置情報1205は、判断工程S220、S320で規則に適合していないと判断されたドロップを示す。規則は、例えば、ショット領域の境界線の内側であって、該境界線から所定距離以上離れた位置にドロップが配置されなければならない、という規則でありうる。該所定距離は、デフォルトの距離であってもよいし、ユーザによって任意に設定される距離であってもよい。
【0053】
ドロップ配置情報1204とドロップ配置情報1205とは、表示形式が区別して表示されている。つまり、ドロップ配置情報1204およびドロップ配置情報1205の表示は、判断工程S220、S320における判断結果を示している。
図13の例では、ドロップ配置情報1204は黒のドットで示され、ドロップ配置情報1205は白抜きのドットで示されている。ドロップ配置情報1204とドロップ配置情報1205との間のこのような表示形式の区別は、一例に過ぎず、他の方法で両者が区別されてもよい。例えば、規則に適合していないドロップ(規則に適合していない部分)を示すドロップ配置情報1204は、例えばハイライト表示および/または点滅表示等により、強調して表示されてもよい。
【0054】
処理するべきデータ量が多く、処理が遅延することが問題になる場合には、ショット領域および/または基板の外形の周辺のドロップのみがディスプレイ32に表示されるモードを設けてもよい。ドロップパターンが規則に適合しない場合には、そのドロップパターンに基づくインプリントを禁止し、または、警告を発してもよい。
【0055】
以上のように、上記の実施形態によれば、基板のショット領域に対するインプリント材の配置を制御するための制御情報を正しく設定するために有利な技術が提供される。
【0056】
本発明の一実施形態の物品製造方法は、上記の編集支援方法によって編集されたドロップレシピに基づいてインプリント装置を動作させ、基板の上にパターンを形成する工程を含みうる。
【0057】
本発明の他の実施形態の物品製造方法は、上記の編集支援方法によって編集されたドロップレシピに基づいて基板の上にインプリント材を配置する工程を含みうる。該物品製造方法は、更に、基板の上のインプリント材にモールドを接触させる工程と、インプリント材を硬化させる工程と、硬化したインプリント材からモールドを分離する工程とを含みうる。該物品製造方法は、硬化したインプリント材を有する基板を処理する工程を更に含みうる。
【0058】
インプリント装置を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
【0059】
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
【0060】
次に、インプリント装置によって基板にパターンを形成し、該パターンが形成された基板を処理し、該処理が行われた基板から物品を製造する物品製造方法について説明する。
図14(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウエハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
【0061】
図14(b)に示すように、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。
図14(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1zと型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光を型4zを介して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
【0062】
図14(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凸部が硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
【0063】
図14(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。
図14(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
【0064】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0065】
IA:インプリント装置、S:基板、M:モールド、20:制御部、IM:インプリント材、30:ユーザインターフェース