IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社安川電機の特許一覧

特許7475201パワーコンディショニングシステム、制御装置及び制御方法
<>
  • 特許-パワーコンディショニングシステム、制御装置及び制御方法 図1
  • 特許-パワーコンディショニングシステム、制御装置及び制御方法 図2
  • 特許-パワーコンディショニングシステム、制御装置及び制御方法 図3
  • 特許-パワーコンディショニングシステム、制御装置及び制御方法 図4
  • 特許-パワーコンディショニングシステム、制御装置及び制御方法 図5
  • 特許-パワーコンディショニングシステム、制御装置及び制御方法 図6
  • 特許-パワーコンディショニングシステム、制御装置及び制御方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】パワーコンディショニングシステム、制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20240419BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240419BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
H02J7/35 K
H02J3/32
H02J3/38 130
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020096952
(22)【出願日】2020-06-03
(65)【公開番号】P2021191183
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】櫛原 俊明
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-051638(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0229131(US,A1)
【文献】特開2014-023383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 3/00 - 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光パネルから直流電力が出力される直流ラインに接続され、前記直流電力を交流電力に変換して出力するDC/ACコンバータと、
前記直流ラインに接続され、前記直流電力を蓄電する蓄電池と、
前記直流ラインから前記蓄電池への充電電流と、前記蓄電池の電圧とに基づいて充電時出力を算出し、前記DC/ACコンバータの出力を前記充電時出力に追従させる制御装置と、を備え
前記制御装置は、
前記蓄電池の電圧が所定の制御電圧に達するまでは、前記直流ラインから前記蓄電池への充電電流を所定の目標充電電流に追従させるように前記充電時出力を算出し、
前記蓄電池の電圧が前記制御電圧に達した後は、前記蓄電池の電圧を前記制御電圧に追従させるように前記充電時出力を算出する、パワーコンディショニングシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記蓄電池からの放電電流を所定の目標放電電流に追従させるように放電時出力を算出し、前記DC/ACコンバータの出力を前記放電時出力に追従させる、請求項記載のパワーコンディショニングシステム。
【請求項3】
前記蓄電池が前記直流ラインに接続されたオンライン状態と、前記蓄電池が前記直流ラインから遮断されたオフライン状態とを切り替える充放電スイッチを更に備え、
前記制御装置は、少なくとも前記蓄電池の充電レベルに基づいて前記充放電スイッチにより前記オンライン状態と前記オフライン状態とを切り替える、請求項1又は2記載のパワーコンディショニングシステム。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記蓄電池の充電レベルが所定レベルに達した場合に前記充放電スイッチにより前記オンライン状態を前記オフライン状態に切り替え、
所定の放電開始時刻に前記充放電スイッチにより前記オフライン状態を前記オンライン状態に切り替える、請求項記載のパワーコンディショニングシステム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記オンライン状態においては、前記直流ラインの電圧を前記蓄電池の電圧に適応させながら前記DC/ACコンバータの出力を変更し、
前記オフライン状態においては、前記直流ラインの電圧を変更することで前記太陽光パネルの出力を変更する、請求項又は記載のパワーコンディショニングシステム。
【請求項6】
前記太陽光パネルの複数のモジュールと、前記直流ラインとの間にそれぞれ介在する複数の解列スイッチを更に備え、
前記制御装置は、
前記オンライン状態において、前記直流ラインに接続されるモジュールの数を前記複数の解列スイッチにより変更することで前記太陽光パネルの出力を変更する、請求項記載のパワーコンディショニングシステム。
【請求項7】
太陽光パネルからの直流電力が入力される直流ラインに接続され、前記直流電力を蓄電する蓄電池の電圧が所定の制御電圧に達するまでは、前記直流ラインから前記蓄電池への充電電流を所定の目標充電電流に追従させるように充電時出力を算出し、
前記蓄電池の電圧が前記制御電圧に達した後は、前記蓄電池の電圧を前記制御電圧に追従させるように前記充電時出力を算出し、
前記直流ラインに接続され、前記直流電力を交流電力に変換して出力するDC/ACコンバータの出力を前記充電時出力に追従させる、制御装置。
【請求項8】
太陽光パネルからの直流電力が入力される直流ラインに接続され、前記直流電力を蓄電する蓄電池の電圧が所定の制御電圧に達するまでは、前記直流ラインから前記蓄電池への充電電流を所定の目標充電電流に追従させるように充電時出力を算出することと、
前記蓄電池の電圧が前記制御電圧に達した後は、前記蓄電池の電圧を前記制御電圧に追従させるように前記充電時出力を算出することと、
前記直流ラインに接続され、前記直流電力を交流電力に変換して出力するDC/ACコンバータの出力を前記充電時出力に追従させることと、を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パワーコンディショニングシステム、制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽光パネルが出力する電圧と電流を制御する充放電コントローラと、充放電コントローラから出力される直流電流のレベルを変換して蓄電池に供給する双方向DC/DCコンバータと、充放電コントローラ及び双方向DC/DCコンバータからの直流電力を交流電力に変換するインバータと、を備える電力供給システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-205309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、構成の簡素化に有効なパワーコンディショニングシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係るパワーコンディショニングシステムは、太陽光パネルから直流電力が出力される直流ラインに接続され、直流電力を交流電力に変換して出力するDC/ACコンバータと、直流ラインに接続され、直流電力を蓄電する蓄電池と、直流ラインから蓄電池への充電電流と、蓄電池の電圧とに基づいて充電時出力を算出し、DC/ACコンバータの出力を充電時出力に追従させる制御装置と、を備える。
【0006】
本開示の他の側面に係る制御装置は、太陽光パネルからの直流電力が入力される直流ラインに接続され、直流電力を蓄電する蓄電池への充電電流と、蓄電池の電圧とに基づいて充電時出力を算出し、直流ラインに接続され、直流電力を交流電力に変換して出力するDC/ACコンバータの出力を充電時出力に追従させる。
【0007】
本開示の更に他の側面に係る制御方法は、制御装置が実行する制御方法であって、太陽光パネルからの直流電力が入力される直流ラインに接続され、直流電力を蓄電する蓄電池への充電電流と、蓄電池の電圧とに基づいて充電時出力を算出することと、直流ラインに接続され、直流電力を交流電力に変換して出力するDC/ACコンバータの出力を充電時出力に追従させることと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、構成の簡素化に有効なパワーコンディショニングシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】パワーコンディショニングシステムの構成を例示する模式図である。
図2】制御装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図3】充電制御手順を例示するフローチャートである。
図4】定電流充電制御手順を例示するフローチャートである。
図5】定電圧充電制御手順を例示するフローチャートである。
図6】出力制御手順を例示するフローチャートである。
図7】放電制御手順を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
〔パワーコンディショニングシステム〕
図1に示すパワーコンディショニングシステム1は、太陽光パネル91により発電された電力の充放電と、電力系統94への出力とを行うシステムである。太陽光パネル91は、複数の太陽電池モジュール92を有する。複数の太陽電池モジュール92のそれぞれは、太陽光の入力に応じて直流電力を生成し、生成した直流電力を共通の直流ライン93P,93Nに直流電力を出力する。なお、太陽電池モジュール92は、直流ライン93P,93Nに接続されるが、図1においては、太陽電池モジュール92と直流ライン93Nとを接続する配線の図示を省略している。また、図示は省略するが、太陽光パネル91の負極側(直流ライン93N)を接地して太陽光パネル91の電位を正電位とし、太陽電池モジュール92のPID(Potential Induced Degradation:電圧誘起出力低下)現象を抑制するようにしてもよい。電力系統94は、電力会社が電力需要家に交流電力(例えば三相交流電力)を供給するための発電設備、配電設備、及び送電設備を含むシステムである。
【0012】
パワーコンディショニングシステム1は、DC/ACコンバータ2と、蓄電池3と、充放電スイッチ4と、電流センサ5と、電圧センサ6と、複数の解列スイッチ7と、制御装置100とを有する。
【0013】
DC/ACコンバータ2は、直流ライン93P,93Nに接続され、太陽光パネル91から(複数の太陽電池モジュール92から)出力された直流電力を交流電力に変換して電力系統94に出力する。なお、DC/ACコンバータ2は、直流ライン93P,93Nに接続されるが、図1においては、DC/ACコンバータ2と直流ライン93Nとを接続する配線の図示を省略している。例えばDC/ACコンバータ2は、スイッチング方式のパワーコンディショナであり、複数のスイッチング素子のオン・オフを切り替えることで直流電力を交流電力に変換する。
【0014】
蓄電池3は、太陽光パネル91とDC/ACコンバータ2との間において直流ライン93P,93Nに接続され、太陽光パネル91から出力された直流電力を蓄電する。蓄電池3の具体例としては、鉛電池、リチウムイオン電池等が挙げられる。蓄電池3は、カーボンフォーム電池であってもよい。カーボンフォーム電池は鉛電池の一種であり、カーボン素材により形成された負極を有する。
【0015】
充放電スイッチ4は、制御信号の入力に応じ、蓄電池3が直流ライン93P,93Nに接続された状態と、蓄電池3が直流ライン93P,93Nから遮断された状態とを切り替える。蓄電池3が直流ライン93P,93Nに接続された状態(以下、「オンライン状態」という。)は、直流ライン93P,93Nと蓄電池3との間において少なくとも充電又は放電が可能な状態である。蓄電池3が直流ライン93P,93Nから遮断された状態(以下、「オフライン状態」という。)は、直流ライン93P,93Nと蓄電池3との間において充電及び放電のいずれも不可能な状態である。このため、蓄電池3と直流ライン93Pとの間、及び蓄電池3と直流ライン93Nとの間の少なくとも一方が遮断されればオフライン状態となる。
【0016】
例えば充放電スイッチ4は、直流ライン93Pと蓄電池3との間に設けられており、直流ライン93Pと蓄電池3との間の接続と遮断とを切り替えることで、オンライン状態とオフライン状態とを切り替える。直流ライン93Nは蓄電池3に常時接続されている。充放電スイッチ4は、蓄電池3と直流ライン93Nとの間に設けられていてもよい。充放電スイッチ4は、直流ライン93P,93Nから蓄電池3への充電と、蓄電池3から直流ライン93P,93Nへの放電とを個別にオン・オフできるように構成されていてもよい。例えば充放電スイッチ4は、直流ライン93Pと蓄電池3との間又は蓄電池3と直流ライン93Nとの間において互いに逆向きで並列接続され、個別にオン・オフ可能なトランジスタスイッチを有してもよい。
【0017】
電流センサ5は、蓄電池3と直流ライン93P,93Nとの間に流れる電流を検出する。電圧センサ6は、蓄電池3の電圧を検出する。
【0018】
複数の解列スイッチ7は、複数の太陽電池モジュール92が直流ライン93P,93Nに接続された状態と、複数の太陽電池モジュール92が直流ライン93P,93Nから遮断された状態とをそれぞれ切り替える。例えば複数の解列スイッチ7は、複数の太陽電池モジュール92と、直流ライン93Pとの間にそれぞれ介在する。ここでの介在は、電気的な介在を意味し、太陽電池モジュール92と直流ライン93Pとの間の電流経路に設けられることを意味する。
【0019】
複数の解列スイッチ7のそれぞれは、制御信号の入力に応じ、対応する太陽電池モジュール92が直流ライン93Pに接続された状態と、直流ライン93Pから遮断された状態とを切り替える。複数の解列スイッチ7は、太陽電池モジュール92と直流ライン93Nとの間にそれぞれ介在していてもよい。
【0020】
複数のダイオード8は、直流ライン93P,93Nから複数の太陽電池モジュール92への電力の逆流をそれぞれ防止する。例えば複数のダイオード8は、複数の太陽電池モジュール92と直流ライン93Pとの間にそれぞれ介在する。複数のダイオード8は、複数の太陽電池モジュール92と複数の解列スイッチ7との間にそれぞれ介在していてもよいし、複数の解列スイッチ7と直流ライン93Pとの間にそれぞれ介在していてもよい。複数のダイオード8のそれぞれは、直流ライン93Pから太陽電池モジュール92への電流の逆流を防止する。
【0021】
複数のダイオード8は、複数の太陽電池モジュール92と直流ライン93Nとの間にそれぞれ介在していてもよい。この場合、複数のダイオード8のそれぞれは、太陽電池モジュール92から直流ライン93Nへの電流の逆流を防止する。
【0022】
制御装置100は、太陽光パネル91の出力(発電電力)をDC/ACコンバータ2により調節する。ここで、蓄電池3を備えるパワーコンディショニングシステム1においては、太陽光パネル91から蓄電池3への充電電力も調節する必要がある。しかしながら、充電電力を調節するための電力変換装置(例えばDC/DCコンバータ)を付加するとシステム構成が複雑化する。また、付加した電力変換装置において電力ロスが生じることとなる。
【0023】
そこで、制御装置100は、上記充電電力をDC/ACコンバータ2により調節するように構成されている。例えば制御装置100は、直流ライン93P,93Nから蓄電池3への充電電流と、蓄電池3の電圧とに基づいて充電時出力を算出し、DC/ACコンバータ2の出力を充電時出力に追従させる。これにより、DC/ACコンバータ2を利用して、蓄電池3への充電電力と蓄電池3の電圧とを制御することが可能となるので、システム構成の簡素化が可能となる。また、充電電力を調節するための電力変換装置を省略することで、パワーコンディショニングシステム1における電力ロスを削減することができる。
【0024】
例えば制御装置100は、機能上の構成(以下、「機能ブロック」という。)として、接続状態切替部112と、発電効率調節部111と、充電時出力算出部113と、充電制御部114と、放電時出力算出部117と、放電制御部115とを有する。
【0025】
接続状態切替部112は、少なくとも蓄電池3の充電レベルに基づいて充放電スイッチ4によりオンライン状態とオフライン状態とを切り替える。また、接続状態切替部112は、オンライン状態におけるDC/ACコンバータ2の制御モードを、充電モード又は放電モードにセットする。充電モードは、直流ライン93P,93Nから蓄電池3への充電電力を制御するモードであり、放電モードは、蓄電池3から直流ライン93P,93Nへの放電電力を制御するモードである。
【0026】
例えば接続状態切替部112は、日の出に伴い太陽光パネル91の出力が上昇し、所定の充電開始レベルに達するのに応じ、オフライン状態をオンライン状態に切り替え、オンライン状態における制御モードを充電モードにセットする。その後接続状態切替部112は、蓄電池3の充電レベルが所定レベルに達した場合に充放電スイッチ4によりオンライン状態をオフライン状態に切り替える。
【0027】
所定レベルは、蓄電池3の所定の電圧値であってもよい。この場合、接続状態切替部112は、電圧センサ6により検出された電圧値が所定レベルに達した場合に、充放電スイッチ4によりオンライン状態をオフライン状態に切り替える。
【0028】
所定レベルは、蓄電池3に対する充電時間で定められていてもよい。一例として、蓄電池3への充電が、定電流充電制御、及び定電圧充電制御(後述)により行われる場合、所定レベルは定電圧充電制御の所定の継続時間であってもよい。この場合、接続状態切替部112は、定電圧充電制御の継続時間が所定レベルに達した場合に、充放電スイッチ4によりオンライン状態をオフライン状態に切り替える。
【0029】
充放電スイッチ4によりオンライン状態をオフライン状態に切り替えた後、接続状態切替部112は、所定の放電開始時刻に充放電スイッチ4によりオフライン状態をオンライン状態に切り替え、オンライン状態における制御モードを放電モードにセットする。放電開始時刻は、太陽光パネル91の出力が十分に得られなくなる時間帯に設定される。放電開始時刻は、ユーザ入力により変更されてもよいし、日照時間の変化に応じて自動的に変更されてもよい。充放電スイッチ4は、蓄電池3の電圧が所定の放電停止電圧に達した場合に充放電スイッチ4によりオンライン状態をオフライン状態に切り替える。
【0030】
充電時出力算出部113は、オンライン状態において制御モードが充電モードにセットされている場合に、直流ライン93P,93Nから蓄電池3への充電電流と、蓄電池3の電圧とに基づいて充電時出力を算出する。例えば充電時出力算出部113は、電圧センサ6が検出する蓄電池3の電圧が所定の制御電圧に達するまでは定電流充電演算を行い、蓄電池3の電圧が制御電圧に達した後は定電圧充電演算を行う。
【0031】
定電流充電演算において、充電時出力算出部113は、直流ライン93P,93Nから蓄電池3への充電電流を所定の目標充電電流に追従させるように充電時出力を算出する。例えば充電時出力算出部113は、目標充電電流と、電流センサ5が検出した電流(以下、「現在の充電電流」という。)との偏差に比例演算、比例・積分演算、又は比例・積分・微分演算等を施して出力変更量を算出し、算出した出力変更量を算出済みの充電時出力から減算することで新たな充電時出力を算出する。現在の充電電流が目標充電電流よりも小さい場合には上記出力変更量が正の値となるので、算出済みの充電時出力よりも小さい充電時出力が新たに算出される。現在の充電電流が目標充電電流よりも大きい場合には上記出力変更量が負の値となるので、算出済みの充電時出力よりも大きい充電時出力が新たに算出される。
【0032】
定電圧充電演算において、充電時出力算出部113は、蓄電池3の電圧を所定の目標電圧に追従させるように充電時出力を算出する。例えば充電時出力算出部113は、目標電圧と、電圧センサ6が検出した電圧(以下、「現在の電圧」という。)との偏差に比例演算、比例・積分演算、又は比例・積分・微分演算等を施して出力変更量を算出し、算出した出力変更量を算出済みの充電時出力から減算することで新たな充電時出力を算出する。現在の電圧が目標電圧よりも小さい場合には上記出力変更量が正の値となるので、算出済みの充電時出力よりも小さい充電時出力が新たに算出される。現在の電圧が目標電圧よりも大きい場合には上記出力変更量が負の値となるので、算出済みの充電時出力よりも大きい充電時出力が新たに算出される。
【0033】
制御電圧は、例えば太陽光パネル91の最大電力点に基づき定められていてもよい。例えば制御電圧は、最大電力点に対応する電圧と同じ値とされていてもよい。この場合、定電圧充電制御中における太陽光パネル91の出力を最大化し、多くの余剰電力を電力系統94に出力することが可能となる。
【0034】
充電制御部114は、オンライン状態において制御モードが充電モードにセットされている場合に、DC/ACコンバータ2の出力を充電時出力算出部113が算出した充電時出力に追従させる。この際に、充電制御部114は、直流ライン93P,93Nの電圧を蓄電池3の電圧に適応させながらDC/ACコンバータ2の出力を変更する。
【0035】
充電時出力算出部113及び充電制御部114によれば、現在の充電電流が目標充電電流よりも小さい場合には、DC/ACコンバータ2の出力を小さくすることで、太陽光パネル91から蓄電池3に供給される充電電流が増やされる。現在の充電電流が目標充電電流よりも大きい場合には、DC/ACコンバータ2の出力を大きくすることで、太陽光パネル91から蓄電池3に供給される充電電流が減らされる。
【0036】
また、現在の電圧が目標電圧よりも小さい場合には、DC/ACコンバータ2の出力を小さくすることで、太陽光パネル91から蓄電池3に供給される充電電流が増やされる。これにより、蓄電池3の電圧が上昇する。現在の電圧が目標電圧よりも大きい場合には、DC/ACコンバータ2の出力を大きくすることで、太陽光パネル91から蓄電池3に供給される充電電流が減らされる。これにより、蓄電池3の電圧が下がる。
【0037】
放電時出力算出部117は、蓄電池3からの放電電流を所定の目標放電電流に追従させるように放電時出力を算出する。例えば放電時出力算出部117は、目標放電電流と、電流センサ5が検出した電流(以下、「現在の放電電流」という。)との偏差に比例演算、比例・積分演算、又は比例・積分・微分演算等を施して出力変更量を算出し、算出した出力変更量を算出済みの放電時出力に加算することで新たな放電時出力を算出する。現在の放電電流が目標放電電流よりも小さい場合には上記出力変更量が正の値となるので、算出済みの放電時出力よりも大きい放電時出力が新たに算出される。現在の放電電流が目標放電電流よりも大きい場合には上記出力変更量が負の値となるので、算出済みの放電時出力よりも小さい放電時出力が新たに算出される。
【0038】
放電制御部115は、オンライン状態において制御モードが放電モードにセットされているDC/ACコンバータの出力を放電時出力算出部117が算出した放電時出力に追従させる。この際に、放電制御部115は、直流ライン93P,93Nの電圧を蓄電池3の電圧に適応させながらDC/ACコンバータ2の出力を変更する。
【0039】
発電効率調節部111は、オフライン状態においてDC/ACコンバータ2により太陽光パネル91の出力を変更する。例えば発電効率調節部111は、直流ライン93P,93Nの電圧をDC/ACコンバータ2により変更することで太陽光パネル91の出力を変更する。一例として、制御装置100は、MPPT(Maximum Power Point Tracking)制御を行う。具体的には、直流ライン93P,93Nの電圧を、最大電力点に追従させるようにDC/ACコンバータ2を制御する。
【0040】
上記MPPT制御の結果、DC/ACコンバータ2の出力が所定の上限値を超える場合、制御装置100は、直流ライン93P,93Nの電圧を変更することでDC/ACコンバータ2の出力を上限値以下に抑える。上限値は、例えばDC/ACコンバータ2の定格電圧に基づき予め定められている。例えば発電効率調節部111は、太陽光パネル91による出力が当該上限値未満となるまで、直流ライン93P,93Nの電圧を最大電力点から遠ざけるようにDC/ACコンバータ2を制御する。
【0041】
ここで、オンライン状態においては、直流ライン93P,93Nの電圧が蓄電池3の電圧により拘束されるので、直流ライン93P,93Nの電圧をDC/ACコンバータ2により自在に変更することができない。そこで、制御装置100は、モジュール数調節部116を更に有してもよい。
【0042】
モジュール数調節部116は、オンライン状態において、直流ライン93P,93Nに接続される太陽電池モジュール92の数を複数の解列スイッチ7により変更することで太陽光パネル91の出力を変更する。例えばモジュール数調節部116は、DC/ACコンバータ2の出力が上限値に達した場合に複数の解列スイッチ7の少なくとも1つにより複数の太陽電池モジュール92の少なくとも一つを直流ライン93P,93Nから解列させる。
【0043】
モジュール数調節部116は、DC/ACコンバータ2の現在の出力と上限値とに基づいて出力削減量を算出し、出力削減量に基づいて直流ライン93P,93Nから解列させる解列スイッチ7の数を決定してもよい。
【0044】
図2は、制御装置100のハードウェア構成を例示する図である。制御装置100は、例えばプログラマブルロジックコントローラ等の制御用コンピュータであり、回路190を有する。回路190は、一つ又は複数のプロセッサ191と、メモリ192と、ストレージ193と、タイマ194と、入出力ポート195とを含む。
【0045】
例えばストレージ193は、少なくとも一つのハードディスク又は不揮発性メモリ等の記憶媒体である。ストレージ193は、蓄電池3への充電電流と、蓄電池3の電圧とに基づいて充電時出力を算出することと、DC/ACコンバータ2の出力を充電時出力に追従させることと、を含む制御方法を制御装置100に実行させるプログラムを記憶している。例えばストレージ193は、上述した各機能ブロックを制御装置100に構成させるためのプログラムを記憶している。
【0046】
メモリ192は、ストレージ193からロードしたプログラム及びプロセッサ191による演算結果等を一時的に記憶する。プロセッサ191は、メモリ192と協働して上記プログラムを実行する。タイマ194は、クロックパルスのカウントにより時刻を計測する。入出力ポート195は、プロセッサ191からの指令に従って、DC/ACコンバータ2、充放電スイッチ4、電流センサ5、電圧センサ6及び解列スイッチ7との間で電気信号の入出力を行う。
【0047】
制御装置100は、必ずしもプログラムにより各機能を構成するものに限られない。例えば制御装置100は、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により少なくとも一部の機能を構成してもよい。
【0048】
〔制御手順〕
続いて、制御方法の一例として、制御装置100が実行する制御手順を例示する。この制御手順は、蓄電池3への充電制御手順と、太陽光パネル91の出力制御手順と、蓄電池3からの放電制御手順とを含む。各手順は、それぞれの実行条件が整う度に繰り返し実行される。以下、各手順を詳細に例示する。
【0049】
(充電制御手順)
この手順は、蓄電池3への充電電流と、蓄電池3の電圧とに基づいて充電時出力を算出することと、DC/ACコンバータ2の出力を前記充電時出力に追従させることと、を含む。図3に示すように、制御装置100は、まずステップS01,S02,S03,S04を実行する。ステップS01では、接続状態切替部112が、充放電スイッチ4をオフライン状態に保ちながら、日の出に伴い太陽光パネル91の出力が上昇し、所定の充電開始レベルに達するのを待機する。
【0050】
ステップS02では、接続状態切替部112が、充放電スイッチ4によりオフライン状態をオンライン状態に切り替え、オンライン状態における制御モードを充電モードにセットする。ステップS03では、充電時出力算出部113及び充電制御部114が、定電流充電制御を行う。ステップS03の具体的内容は後述する。ステップS04では、蓄電池3の電圧(電圧センサ6が検出する電圧)が上記制御電圧に達したか否かを充電時出力算出部113が確認する。
【0051】
ステップS04において蓄電池3の電圧が制御電圧に達していないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS03に戻す。以後、蓄電池3の電圧が制御電圧に達するまでは定電流充電制御が繰り返される。
【0052】
ステップS04において蓄電池3の電圧が制御電圧に達したと判定した場合、制御装置100はステップS05,S06を実行する。ステップS05では、充電時出力算出部113及び充電制御部114が、定電圧充電制御を行う。ステップS05の具体的内容は後述する。ステップS06では、蓄電池3の充電レベルが上記所定レベルに達したか否かを接続状態切替部112が確認する。
【0053】
ステップS06において蓄電池3の充電レベルが所定レベルに達していないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS05に戻す。以後、蓄電池3の充電レベルが所定レベルに達するまでは定電圧充電制御が繰り返される。
【0054】
ステップS06において蓄電池3の充電レベルが所定レベルに達したと判定した場合、制御装置100はステップS07,S08を実行する。ステップS07では、接続状態切替部112が、充放電スイッチ4によりオンライン状態をオフライン状態に切り替える。ステップS08では、接続状態切替部112が、複数の解列スイッチ7のいずれかにより直流ライン93P,93Nから遮断された太陽電池モジュール92がある場合に、複数の解列スイッチ7により全ての太陽電池モジュール92を直流ライン93P,93Nに接続する。以上で充電制御手順が完了する。
【0055】
図4は、ステップS03における定電流充電制御手順を例示するフローチャートである。図4に示すように、制御装置100は、まずステップS11を実行する。ステップS11では、DC/ACコンバータ2の出力が上記上限値未満であるか否かをモジュール数調節部116が確認する。
【0056】
ステップS11においてDC/ACコンバータ2の出力が上限値以上であると判定した場合、制御装置100はステップS12を実行する。ステップS12では、モジュール数調節部116が、DC/ACコンバータ2の出力を上記上限値未満にするように、複数の解列スイッチ7の少なくとも1つにより複数の太陽電池モジュール92の少なくとも一つを直流ライン93P,93Nから遮断する。
【0057】
次に、制御装置100はステップS13,S14を実行する。ステップS11においてDC/ACコンバータ2の出力が上限値未満であると判定した場合、制御装置100はステップS12を実行することなくステップS13,S14を実行する。ステップS13では、電流センサ5が検出した電流(上記現在の充電電流)を充電時出力算出部113が取得する。ステップS14では、現在の充電電流が目標充電電流を超えているか否かを充電時出力算出部113が確認する。
【0058】
ステップS14において現在の充電電流が目標充電電流を超えていると判定した場合、制御装置100はステップS15を実行する。ステップS15では、充電時出力算出部113が、目標充電電流と、現在の充電電流との偏差に基づいて上記出力変更量を算出し、算出した出力変更量を算出済みの充電時出力から減算することで、充電時出力を増大させる。
【0059】
ステップS14において現在の充電電流が目標充電電流を超えていないと判定した場合、制御装置100はステップS16を実行する。ステップS16では、現在の充電電流が目標充電電流未満であるか否かを充電時出力算出部113が確認する。
【0060】
ステップS16において現在の充電電流が目標充電電流未満であると判定した場合、制御装置100はステップS17を実行する。ステップS17では、充電時出力算出部113が、目標充電電流と、現在の充電電流との偏差に基づいて上記出力変更量を算出し、算出した出力変更量を算出済みの充電時出力から減算することで、充電時出力を減少させる。
【0061】
ステップS15,S17の後に、制御装置100は、ステップS18を実行する。ステップS16において現在の充電電流が目標充電電流未満でないと判定した場合、制御装置100はステップS15,S17を実行することなくステップS18を実行する。ステップS18では、充電制御部114が、DC/ACコンバータ2の出力を充電時出力算出部113が算出した充電時出力に追従させる。以上で定電流充電制御手順が完了する。
【0062】
図5は、ステップS05における定電圧充電制御手順を例示するフローチャートである。図5に示すように、制御装置100は、まずステップS21を実行する。ステップS21では、DC/ACコンバータ2の出力が上記上限値未満であるか否かをモジュール数調節部116が確認する。
【0063】
ステップS21においてDC/ACコンバータ2の出力が上記上限値以上であると判定した場合、制御装置100はステップS22を実行する。ステップS22では、モジュール数調節部116が、DC/ACコンバータ2の出力を上記上限値未満にするように、複数の解列スイッチ7の少なくとも1つにより複数の太陽電池モジュール92の少なくとも一つを直流ライン93P,93Nから遮断する。
【0064】
次に、制御装置100は、ステップS23,S24を実行する。ステップS21においてDC/ACコンバータ2の出力が上限値未満であると判定した場合、制御装置100はステップS22を実行することなくステップS23,S24を実行する。ステップS23では、電圧センサ6が検出した電圧(上記現在の電圧)を充電時出力算出部113が取得する。ステップS24では、現在の電圧が目標電圧を超えているか否かを充電時出力算出部113が確認する。
【0065】
ステップS24において現在の電圧が目標電圧を超えていると判定した場合、制御装置100はステップS25を実行する。ステップS25では、充電時出力算出部113が、目標電圧と、現在の電圧との偏差に基づいて上記出力変更量を算出し、算出した出力変更量を算出済みの充電時出力から減算することで、充電時出力を増大させる。
【0066】
ステップS24において現在の電圧が目標電圧を超えていないと判定した場合、制御装置100はステップS26を実行する。ステップS26では、現在の電圧が目標電圧未満であるか否かを充電時出力算出部113が確認する。
【0067】
ステップS26において現在の電圧が目標電圧未満であると判定した場合、制御装置100はステップS27を実行する。ステップS27では、充電時出力算出部113が、目標電圧と、現在の電圧との偏差に基づいて上記出力変更量を算出し、算出した出力変更量を算出済みの充電時出力から減算することで、充電時出力を減少させる。
【0068】
ステップS25,S27の後に、制御装置100は、ステップS28を実行する。ステップS26において現在の電圧が目標電圧未満でないと判定した場合、制御装置100はステップS25,S27を実行することなくステップS28を実行する。ステップS28では、充電制御部114が、DC/ACコンバータ2の出力を充電時出力算出部113が算出した充電時出力に追従させる。以上で定電圧充電制御手順が完了する。
【0069】
(出力制御手順)
図6に示すように、制御装置100は、まずステップS31,S32を実行する。ステップS31では、発電効率調節部111が、充放電スイッチ4によりオンライン状態がオフライン状態に切り替えられるのを待機する。ステップS32では、DC/ACコンバータ2の出力が上記上限値未満であるか否かを発電効率調節部111が確認する。
【0070】
ステップS32においてDC/ACコンバータ2の出力が上限値未満であると判定した場合、制御装置100はステップS33を実行する。ステップS33では、発電効率調節部111が、直流ライン93P,93Nの電圧を、最大電力点に追従させるようにDC/ACコンバータ2を制御する。
【0071】
ステップS32においてDC/ACコンバータ2の出力が上限値未満でないと判定した場合、制御装置100はステップS34を実行する。ステップS34では、太陽光パネル91による出力が上記上限値未満となるまで、直流ライン93P,93Nの電圧を最大電力点から遠ざけるように、発電効率調節部111がDC/ACコンバータ2を制御する。
【0072】
ステップS33,S34の後、制御装置100はステップS35を実行する。ステップS35では、充放電スイッチ4によりオフライン状態がオンライン状態に切り替えられたかを発電効率調節部111が確認する。
【0073】
ステップS35において充放電スイッチ4によりオフライン状態がオンライン状態に切り替えられていないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS32に戻す。以後、充放電スイッチ4によりオフライン状態がオンライン状態に切り替えられるまでは、DC/ACコンバータ2による太陽光パネル91の出力調節が繰り返される。
【0074】
ステップS35において充放電スイッチ4によりオフライン状態がオンライン状態に切り替えられた場合、太陽光パネル91の出力制御手順が完了する。
【0075】
(放電制御手順)
図7に示すように、制御装置100は、まずステップS41,S42,S43,S44を実行する。ステップS41では、接続状態切替部112が放電開始時刻を待機する。ステップS42では、接続状態切替部112が充放電スイッチ4によりオフライン状態をオンライン状態に切り替え、オンライン状態における制御モードを放電モードにセットする。ステップS43では、電流センサ5が検出した電流(上記現在の放電電流)を放電時出力算出部117が取得する。ステップS44では、現在の放電電流が目標放電電流を超えているか否かを放電時出力算出部117が確認する。
【0076】
ステップS44において現在の放電電流が目標放電電流を超えていると判定した場合、制御装置100はステップS45を実行する。ステップS45では、放電時出力算出部117が、目標放電電流と、現在の放電電流との偏差に基づいて上記出力変更量を算出し、算出した出力変更量を算出済みの放電時出力に加算することで、放電時出力を減少させる。
【0077】
ステップS44において現在の放電電流が目標放電電流を超えていないと判定した場合、制御装置100はステップS46を実行する。ステップS46では、現在の放電電流が目標放電電流未満であるか否かを放電時出力算出部117が確認する。
【0078】
ステップS46において現在の放電電流が目標放電電流未満であると判定した場合、制御装置100はステップS47を実行する。ステップS47では、放電時出力算出部117が、目標放電電流と、現在の放電電流との偏差に基づいて上記出力変更量を算出し、算出した出力変更量を算出済みの放電時出力に加算することで、放電時出力を増大させる。
【0079】
ステップS45,S47の後に、制御装置100は、ステップS48,S51,S52を実行する。ステップS46において現在の放電電流が目標放電電流未満でないと判定した場合、制御装置100はステップS45,S47を実行することなくステップS48,S51,S52を実行する。ステップS48では、放電制御部115が、DC/ACコンバータ2の出力を放電時出力算出部117が算出した放電時出力に追従させる。ステップS51では、電圧センサ6が検出した電圧(以下、「現在の電圧」という。)を接続状態切替部112が取得する。ステップS52では、現在の電圧が上記放電停止電圧に達しているか否かを接続状態切替部112が確認する。
【0080】
ステップS52において現在の電圧が放電停止電圧に達していないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS43に戻す。以後、現在の電圧が放電停止電圧に達するまでは、放電電流を目標放電電流に追従させる制御が繰り返される。
【0081】
ステップS52において現在の電圧が放電停止電圧に達していると判定した場合、制御装置100はステップS53を実行する。ステップS53では、接続状態切替部112が、充放電スイッチ4によりオンライン状態をオフライン状態に切り替える。以上で放電制御手順が完了する。
【0082】
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、パワーコンディショニングシステム1は、太陽光パネル91から直流電力が出力される直流ライン93P,93Nに接続され、直流電力を交流電力に変換して出力するDC/ACコンバータ2と、直流ライン93P,93Nに接続され、直流電力を蓄電する蓄電池3と、直流ライン93P,93Nから蓄電池3への充電電流と、蓄電池3の電圧とに基づいて充電時出力を算出し、DC/ACコンバータ2の出力を充電時出力に追従させる制御装置100と、を備える。
【0083】
本パワーコンディショニングシステム1によれば、直流電力を交流電力に変換して出力するDC/ACコンバータ2を利用して、蓄電池3への充電電流と、蓄電池3の電圧とを制御することができる。従って、構成の簡素化に有効である。また、蓄電池3への充電電流と、蓄電池3の電圧との制御にDC/ACコンバータ2を利用することで、充電制御専用の電力変換装置を省略し、電力変換に伴う電力ロスを削減することもできる。
【0084】
制御装置100は、蓄電池3の電圧が所定の制御電圧に達するまでは、直流ライン93P,93Nから蓄電池3への充電電流を所定の目標充電電流に追従させるように充電時出力を算出し、蓄電池3の電圧が制御電圧に達した後は、蓄電池3の電圧を制御電圧に追従させるように充電時出力を算出してもよい。この場合、DC/ACコンバータ2を利用して、定電流充電制御と、定電圧充電制御との両方を行うことができる。従って、構成の簡素化に更に有効である。
【0085】
制御装置100は、蓄電池3からの放電電流を所定の目標放電電流に追従させるように放電時出力を算出し、DC/ACコンバータ2の出力を放電時出力に追従させてもよい。この場合、DC/ACコンバータ2を利用して、蓄電池3の放電電流も制御することができる。従って、構成の簡素化に更に有効である。
【0086】
パワーコンディショニングシステム1は、蓄電池3が直流ライン93P,93Nに接続されたオンライン状態と、蓄電池3が直流ライン93P,93Nから遮断されたオフライン状態とを切り替える充放電スイッチ4を更に備え、制御装置100は、少なくとも蓄電池3の充電レベルに基づいて充放電スイッチ4によりオンライン状態とオフライン状態とを切り替えてもよい。この場合、蓄電池3への充放電が不要な期間には、蓄電池3を直流ライン93P,93Nから切り離すことで、DC/ACコンバータ2の制御の自由度を高めることができる。
【0087】
制御装置100は、蓄電池3の充電レベルが所定レベルに達した場合に充放電スイッチ4によりオンライン状態をオフライン状態に切り替え、所定の放電開始時刻に充放電スイッチ4によりオフライン状態をオンライン状態に切り替えてもよい。この場合、蓄電池3への充放電が不要な期間に蓄電池3を直流ラインから切り離すことを、容易に自動化することができる。
【0088】
制御装置100は、オンライン状態においては、直流ライン93P,93Nの電圧を蓄電池3の電圧に適応させながらDC/ACコンバータ2の出力を変更し、オフライン状態においては、直流ライン93P,93Nの電圧を変更することで太陽光パネル91の出力を変更してもよい。この場合、蓄電池3を直流ライン93P,93Nから切り離すことで、DC/ACコンバータ2を太陽光パネル91の出力抑制に有効活用することができる。
【0089】
パワーコンディショニングシステム1は、太陽光パネル91の複数の太陽電池モジュール92と、直流ライン93P,93Nとの間にそれぞれ介在する複数の解列スイッチ7を更に備え、制御装置100は、オンライン状態において、直流ライン93P,93Nに接続される太陽電池モジュール92の数を複数の解列スイッチ7により変更することで太陽光パネル91の出力を変更してもよい。この場合、直流ライン93P,93Nの電圧を自在に変更できないオンライン状態においても、解列スイッチ7をオンからオフに切り替えることによって太陽光パネル91の出力を容易に抑制することができる。
【0090】
以上、実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0091】
1…パワーコンディショニングシステム、2…DC/ACコンバータ、3…蓄電池、4…充放電スイッチ、7…解列スイッチ、91…太陽光パネル、93P,93N…直流ライン、100…制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7