(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】水中探知装置および水中探知画像の表示方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/62 20060101AFI20240419BHJP
G01S 15/89 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
G01S7/62 A
G01S15/89
(21)【出願番号】P 2020122862
(22)【出願日】2020-07-17
【審査請求日】2023-07-12
(31)【優先権主張番号】P 2020012836
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【氏名又は名称】大橋 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100203862
【氏名又は名称】西谷 香代子
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 勇輝
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-200204(JP,A)
【文献】特開平01-173890(JP,A)
【文献】特開昭60-143795(JP,A)
【文献】特開平06-160520(JP,A)
【文献】特開昭63-188786(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0096432(KR,A)
【文献】欧州特許出願公開第03273264(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/52- 7/64,
G01S 15/00-15/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射波の信号強度を示すエコーデータに基づいて
チルト角における実際の水底位置を検出する水底位置検出処理部と、
前記水底位置を基準として水底エコーの
チルト角におけるエッジ位置を算出するエッジ位置算出処理部と、
送波深度位置と前記エッジ位置との間にある前記エコーデータを前記送波深度位置から前記水底位置までの範囲に補正した補正データを算出するエコーデータ補正処理部と、
前記補正データの信号強度に応じた表示形態の探知画像と、前記探知画像とは異なる表示形態の水底画像とを、表示部に表示させる画像表示処理部と、を備える、
ことを特徴とする水中探知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水中探知装置において、
前記エコーデータ補正処理部は、前記送波深度位置と前記エッジ位置との間にある前記エコーデータを前記送波深度位置から前記水底位置までの前記範囲に均等に離散させ、離散後の前記エコーデータ間の位置に補間処理によりデータを補間することにより、前記補正データを算出する、水中探知装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の水中探知装置において、
前記画像表示処理部は、前記探知画像を前記信号強度に応じた色で表示させ、前記水底画像を前記探知画像とは異なる色で表示させる、水中探知装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の水中探知装置において、
前記エッジ位置算出処理部は、
鉛直方向における水底深度と、鉛直方向に対する送信ビームのチルト角と、受信ビームの中心軸の方位と、受信ビームのビーム幅の半角とに基づいて補正量を算出し、前記水底位置と前記補正量に基づいて、前記エッジ位置を算出する、水中探知装置。
【請求項5】
請求項4に記載の水中探知装置において、
前記補正量に乗じる係数を受け付ける入力部を備え、
前記エッジ位置算出処理部は、受け付けた前記係数を前記補正量に乗じた値を用いて、前記エッジ位置を算出する、水中探知装置。
【請求項6】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の水中探知装置において、
前記エッジ位置算出処理部は、前記水底位置から前記送波深度位置に向かって、前記信号強度が閾値以下となる距離位置を探知し、前記距離位置に基づいて、前記エッジ位置を設定する、水中探知装置。
【請求項7】
請求項6に記載の水中探知装置において、
前記閾値の設定を受け付ける入力部を備え、
前記エッジ位置算出処理部は、受け付けた前記閾値に基づいて、前記エッジ位置の設定処理を実行する、水中探知装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の水中探知装置において、
前記画像表示処理部は、3次元状の探知範囲における前記補正データおよび前記水底位置に基づいて、所定の視点から見たときの前記探知画像および前記水底画像を生成し、生成した前記探知画像および前記水底画像を表示部に表示させる、水中探知装置。
【請求項9】
反射波の信号強度を示すエコーデータに基づいて
チルト角における実際の水底位置を検出し、
前記水底位置を基準として水底エコーの
チルト角におけるエッジ位置を算出し、
送波深度位置と前記エッジ位置との間にある前記エコーデータを前記送波深度位置から前記水底位置までの範囲に補正した補正データを算出し、
前記補正データの信号強度に応じた表示形態の探知画像と、前記探知画像とは異なる表示形態の水底画像とを、表示部に表示させる、水中探知画像の表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中に音波を送波し、その反射波に基づいて、水中の状態を探知する水中探知装置、および、上記反射波の信号強度に基づく画像をディスプレイに表示させる水中探知画像の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水中に音波を送波し、その反射波に基づいて、水中の状態を探知する水中探知装置が知られている。この種の装置では、たとえば、超音波を送受信するための送波器および受波器が船底に設置され、3次元状の探知範囲について、反射波の信号強度(ボリュームデータ)が取得される。そして、取得されたボリュームデータに基づいて、信号強度の表面画像(3次元画像)が生成され、生成された表面画像が当該探知範囲の探知画像としてモニタ等に表示される。使用者は、表示された探知画像を参照することにより、水中に存在する魚群や沈船等の物標の状況を把握できる。
【0003】
ここで、ボリュームデータは、種々の方法により取得され得る。たとえば、船底の真下に向けて扁平な扇形の送信ビームを送波して反射波の強度を示すエコーデータを取得し、取得したエコーデータを時系列に集積することにより、ボリュームデータが取得される。この構成では、所定期間において集積されたボリュームデータを用いて水中の状態を3次元表示できる。また、この3次元表示では、互いに接近するボリュームデータをクラスタリングし、最大のクラスタを水中の底面と判定して表示する処理がなされ得る。
【0004】
以下の特許文献1には、この種の水中探知装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2016/0259052号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような水中探知装置では、水底に対して斜めに送信ビームが入射する。このため、水底からの反射波のエコーデータの分布範囲は、送信ビームのビーム幅の影響により、送信ビームの円弧の端に向かうに従って広くなる。その結果、水底の3次元画像は、実際の水底の位置よりも両端がV字状に持ち上がった状態で表示される。
【0007】
また、水底の信号強度と魚群等の信号強度とが近似する場合、水底と魚群等に近似した強度レベルの色が付される。このため、表示画像において魚群等が水底に同化し、魚群等の立体的な視認性が悪くなってしまう。
【0008】
かかる課題に鑑み、本発明は、水底を適正に表示できるとともに、水底と物標の状態を良好に視認することが可能な水中探知装置および水中探知画像の表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は水中探知装置に関する。この態様に係る水中探知装置は、反射波の信号強度を示すエコーデータに基づいてチルト角における実際の水底位置を検出する水底位置検出処理部と、水底位置を基準として水底エコーのチルト角におけるエッジ位置を算出するエッジ位置算出処理部と、送波深度位置とエッジ位置との間にあるエコーデータを送波深度位置から水底位置までの範囲に補正した補正データを算出するエコーデータ補正処理部と、補正データの信号強度に応じた表示形態の探知画像と、探知画像とは異なる表示形態の水底画像とを、表示部に表示させる画像表示処理部と、を備える。
【0010】
本態様に係る水中探知装置によれば、実際の水底位置に対応する適正な位置に水底を表示させることができる。また、水底と物標とが互いに異なる表示形態で表示されるため、水底と物標の状態を良好に視認できる。
【0011】
本態様に係る水中探知装置において、エコーデータ補正処理部は、送波深度位置とエッジ位置との間にあるエコーデータを送波深度位置から水底位置までの範囲に均等に離散させ、離散後のエコーデータ間の位置に補間処理によりデータを補間することにより、補正データを算出するよう構成され得る。
【0012】
本態様に係る水中探知装置において、画像表示処理部は、探知画像を信号強度に応じた色で表示させ、水底画像を探知画像とは異なる色で表示させるよう構成され得る。
【0013】
この構成によれば、使用者は、色の違いにより明瞭に、水底と魚群等の物標とを区別できる。よって、水底と物標の状態を良好に視認できる。
【0014】
本態様に係る水中探知装置において、エッジ位置算出処理部は、鉛直方向における水底深度と、鉛直方向に対する送信ビームのチルト角と、受信ビームの中心軸の方位と、受信ビームのビーム幅の半角とに基づいて補正量を算出し、水底位置と補正量に基づいて、エッジ位置を算出するよう構成され得る。
【0015】
この構成において、水中探知装置は、補正量に乗じる係数を受け付ける入力部を備え、エッジ位置算出処理部は、受け付けた係数を補正量に乗じた値を用いて、エッジ位置を算出するよう構成され得る。
【0016】
この構成によれば、使用者は、係数を調節することによりエッジ位置を任意に変更できる。よって、使用者は、たとえば、係数を調節することにより、水底付近に張り付いた魚群等を円滑に確認できる。
【0017】
本態様に係る水中探知装置において、エッジ位置算出処理部は、水底位置から送波深度位置に向かって、信号強度が閾値以下となる距離位置を探知し、探知した距離位置に基づいて、エッジ位置を設定するよう構成され得る。
【0018】
この構成において、水中探知装置は、前記閾値の設定を受け付ける入力部を備え、前記エッジ位置算出処理部は、受け付けた前記閾値に基づいて、前記エッジ位置の設定処理を実行するよう構成され得る。
【0019】
この構成によれば、使用者は、閾値を調節することによりエッジ位置を任意に変更できる。よって、使用者は、たとえば、閾値を調節することにより、水底付近に張り付いた魚群等を円滑に確認できる。
【0020】
本態様に係る水中探知装置において、画像表示処理部は、3次元状の探知範囲における補正データおよび水底位置に基づいて、所定の視点から見たときの探知画像および水底画像を生成し、生成した探知画像および水底画像を表示部に表示させるよう構成され得る。
【0021】
この構成によれば、使用者は、所定の視点から立体的に、水底および物標を確認できる。
【0022】
本発明の第2の態様は、水中探知画像の表示方法に関する。この態様に係る水中探知画像の表示方法は、反射波の信号強度を示すエコーデータに基づいてチルト角における実際の水底位置を検出し、水底位置を基準として水底エコーのチルト角におけるエッジ位置を算出し、送波深度位置とエッジ位置との間にあるエコーデータを送波深度位置から水底位置までの範囲に補正した補正データを算出し、補正データの信号強度に応じた表示形態の探知画像と、探知画像とは異なる表示形態の水底画像とを、表示部に表示させる。
【0023】
本態様に係る水中探知画像の表示方法によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0024】
以上のとおり、本発明によれば、水底を適正に表示できるとともに、水底と物標の状態を良好に視認することが可能な水中探知装置および水中探知画像の表示方法を提供することができる。
【0025】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、実施形態に係る、水中探知装置の使用形態を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る、水中探知装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る、水中の画像を表示するための処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る、水底位置算出処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る、所定方位の受信信号と、当該受信信号を微分して得られる微分信号の様子を示すタイムチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る、水底エコーのエッジ位置の検出処理において用いられる各種パラメータを示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る、方位ごとに、水底位置とエッジ位置が取得された状態を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る、座標変換処理においてx-y座標系が適用された状態を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る、座標変換処理における水底位置およびエッジ位置の補間処理を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る、エコーデータ補正処理を示すフローチャートである。
【
図11】
図11(a)は、実施形態に係る、エコーデータが取得された状態を模式的に示す図である。
図11(b)は、実施形態に係る、水底位置検出処理が実行された状態を模式的に示す図である。
図11(c)は、実施形態に係る、水底エコーエッジ位置検出処理が実行された状態を模式的に示す図である。
図11(d)は、実施形態に係る、エコーデータ補正処理が実行された状態を模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る、画像表示処理を示すフローチャートである。
【
図13】
図13(a)は、比較例に係る、画像の表示例を示す図である。
図13(b)は、実施形態に係る、画像の表示例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る、他の画像の表示例を示す図である。
【
図15】
図15(a)は、変更例1に係る、操作項目の構成を示す図である。
図15(b)は、係数が0に設定された場合の画像の表示例を示す図である。
【
図16】
図16は、変更例2に係る、水底位置算出処理を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、変更例2に係る、所定方位の受信信号と、当該受信信号を微分して得られる微分信号の様子を示すタイムチャートである。
【
図18】
図18は、変更例3に係る、水底位置算出処理の一部を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、変更例3に係る、水底位置算出処理の一部を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、変更例4に係る、エッジ位置算出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態には、漁船等の船体に設置される水中探知装置に本発明を適用した例が示されている。但し、以下の実施形態は、本発明の一実施形態あって、本発明は、以下の実施形態に何ら制限されるものではない。
【0028】
【0029】
図1に示すように、本実施形態では、船1の船底に送受波ユニット2が設置され、送受波ユニット2から水中に超音波が送波される。送波された超音波のエコーを、送受波ユニット2で受波することにより、水中の探知画像が生成される。本実施形態では、扇型の形状で、超音波の送信ビーム3がパルス状に送波される。扇型の中心角は、たとえば180°程度である。
図1では、送信ビーム3が紙面に垂直な方向に扇型に広がっている。
図1には、送信ビーム3の厚みが示されている。
【0030】
船1の操舵室等に設置された制御ユニットに対する操作により、送受波ユニット2の向きが水平方向および鉛直方向に変更可能であってもよい。送受波ユニット2の向きを鉛直方向に変えることにより、送信ビーム3の俯角A1が、0~90°の範囲で変更され得る。また、送受波ユニット2の向きを水平方向に変えることにより、送信ビーム3の中心方位が360°の範囲で変更され得る。反射波(エコー)に基づき生成された水中の探知画像は、船の操舵室等に設置された表示器に表示される。これにより、使用者は、所望の方向において、水底4の状態や、魚群5の位置等を確認できる。
【0031】
本実施形態では、船1の進行に伴って、反射波の受信信号の履歴が蓄積される。これにより、3次元状の探知範囲に受信信号の信号強度が分布するボリュームデータが生成される。ボリュームデータに基づいて、所定の視点方向から探知範囲を見たときの信号強度の分布を示す探知画像と水底画像が表示される。探知画像に魚群5等の物標の強度分布が含まれる。これにより、使用者は、水中に存在する物標の状態を立体的に確認できる。
【0032】
図2は、水中探知装置10の構成を示すブロック図である。
【0033】
水中探知装置10は、送波器11と受波器12とを備える。送波器11と受波器12によって、
図1の送受波ユニット2が構成される。送波器11と受波器12は、所定の俯角で水中に向けられる。
【0034】
送波器11および受波器12は、たとえば、超音波振動子である。たとえば、送波器11は、複数の超音波振動子が1列に並ぶ構成を備える。各超音波振動子に正弦波状の送信信号が印加される。これにより、各超音波振動子から超音波が送波される。各超音波振動子に印加される送信信号の位相を制御することにより、所定厚みの送信ビーム3が形成される。送信ビーム3は、厚み方向に見て、所定の角度(たとえば、180°)の中心角で扇形に広がる。本実施形態では、送信ビーム3は、所定の俯角で送波される。送信ビーム3は、鉛直方向下向きに送波されてもよい。
【0035】
受波器12は、たとえば、複数の超音波振動子が1列に並ぶ構成を備える。たとえば、受波器12の超音波振動子の並び方向は、送波器11の超音波振動子の並び方向に垂直である。すなわち、受波器12の超音波振動子は、送信ビーム3の広がり方向(扇形の広がり方向)に並ぶ。送波器11および受波器12の超音波振動子の並び方向は、必ずしも垂直でなくてもよく、互いに交差する方向であればよい。
【0036】
受波器12の各超音波振動子によって、送波器11から送波された超音波の反射波が受波される。受波器12の各超音波振動子は、反射波の強度に応じた大きさの受信信号を出力する。受信信号に対して位相制御(ビームフォーミング)を行うことにより、送信ビーム3の広がり角(扇形の中心角)の方向に並ぶ複数の受信ビームが形成される。これにより、受信ビームごとに、すなわち、送信ビーム3の広がり角(扇形の中心角)の方向において所定の角度ごと(方位ごと)に、反射波の受信信号が生成される。受信ビームのピッチを小さくして受信ビームの数を増加させるほど、送信ビーム3の広がり角(扇形の中心角)の方向における水中探知の分解能が増加する。
【0037】
駆動部13は、送波器11および受波器12を、俯角方向および鉛直軸を中心とした回転方向に一体的に駆動して、送波器11および受波器12の向きを変化させる。駆動部13による駆動に伴い、上述の送信ビーム3および受信ビームの向きが変更される。駆動部13は、駆動源となるモータと、駆動機構と、駆動位置を検出するための検出手段(ロータリーエンコーダ等)を備える。駆動位置は、駆動制御部16に出力され、駆動制御部16における制御に用いられる。
【0038】
さらに、水中探知装置10は、送信制御部14と、受信ビーム形成部15と、駆動制御部16と、信号処理部17と、入力部18と、表示部19とを備える。送信制御部14、受信ビーム形成部15、駆動制御部16、信号処理部17、入力部18および表示部19は、船の操舵室等に設置される。これらの構成要素が、1つの筐体にユニット化されてもよく、あるいは、表示部19等の一部の構成要素が別体とされてもよい。送信制御部14、受信ビーム形成部15および駆動制御部16は、それぞれ、信号ケーブルによって、送波器11、受波器12および駆動制御部16に通信可能に接続される。
【0039】
送信制御部14は、信号処理部17からの制御により、送波器11に送信信号を出力する。送信制御部14は、上記のように、扇形に広がる扁平な送信ビーム3が形成されるように、送波器11の超音波振動子に送信信号を供給する。
【0040】
受信ビーム形成部15は、上記のように、受波器12の各超音波振動子から入力される受信信号にビームフォーミングの処理を適用して、送信ビーム3の扇型の中心角の角度方向に並ぶ複数の受信ビームを形成する。そして、受信ビーム形成部15は、受信ビームごとに受信信号を信号処理部17に出力する。
【0041】
駆動制御部16は、信号処理部17からの制御により、駆動部13を制御する。これにより、上記のように、送波器11と受波器12が一体的に駆動され、これに伴い、送信ビーム3と受信ビームの向きが変更される。
【0042】
信号処理部17は、予め保持したプログラムに従って各部を制御する。また、信号処理部17は、受信ビーム形成部15から入力される受信信号を処理して、探知範囲の画像を生成し、表示部19に表示させる。信号処理部17は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理回路と、ROM(ReadOnly Memory)、RAM(Random Access Memory)や、ハードディスク等の記憶媒体とを備える。記憶媒体に上記ブログラムが保持されている。信号処理部17が、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路で構成されてもよい。
【0043】
なお、信号処理部17は、必ずしも、1つの集積回路で構成されなくてもよく、複数の集積回路や演算処理回路が組み合わされて構成されてもよい。たとえば、信号処理部17は、送波器11および駆動部13を制御するための演算処理回路と、受信ビーム形成部15から入力される受信信号を処理して探知画像を生成するための演算処理回路とを、個別に備えていてもよい。
【0044】
信号処理部17は、上記プログラムによる付与される機能部として、水底位置検出処理部17aと、エッジ位置算出処理部17bと、座標変換処理部17cと、エコーデータ補正処理部17dと、画像表示処理部17eと、を備える。各機能部の処理内容については、追って、
図3を参照して説明する。
【0045】
入力部18は、使用者からの入力を受け付けるユーザインタフェースである。入力部18は、マウスやキーボード等の入力手段を備える。入力部18が、表示部19に一体化されたタッチパネルを備えていてもよい。
【0046】
表示部19は、信号処理部17によって生成された画像を表示する。表示部19はモニタや液晶パネル等の表示器を備える。後述のように、表示部19には、探知画像や水底画像が表示される。この他、水中探知装置10は、方位および位置を検出するための構成、たとえば、GPS(Global Positioning System)等を備える。
【0047】
信号処理部17は、船1の進行に伴い送信ビーム3が移動する3次元状の探知範囲について、反射波の信号強度(ボリュームデータ)を取得する。具体的には、信号処理部17は、扇形形状の送信ビーム3を中心角の角度方向に所定の分解能で区分した角度範囲(受信ビーム形成部15で形成される各受信ビームの角度範囲)ごとに、受信信号を参照する。ここで、送信ビーム3を送波したタイミングから反射波を受波するタイミングまでの時間差の半分の時間が、当該反射波を反射した物標までの距離に相当する。信号処理部17は、送信ビーム3を送波したタイミングからの経過時間と、受信信号の強度とを、受信ビームごとに対応づける。すなわち、信号処理部17は、送信ビーム3を送波したタイミングから一定の時間間隔で受信信号の強度を取得する。この時間軸は、受波器12からの距離に対応する。
【0048】
こうして、各受信ビームの角度範囲ごとに、経過時間(距離)と受信信号の強度とを対応づけたデータ群が取得される。信号処理部17は、船1の進行に伴い送信ビーム3が移動する間に、所定の時間間隔で上記処理を繰り返し実行する。これにより、送信ビーム3が移動する探知範囲全体について、経過時間(距離)と受信信号の強度とを対応づけたデータ群が取得される。このデータ群が、探知範囲のボリュームデータを構成する。
【0049】
信号処理部17は、上記の処理により取得したボリュームデータに基づいて、探知画像を生成し、表示部19に表示させる。たとえば、信号処理部17は、ボリュームデータにサーフェスレンダリングやボリュームレンダリングの処理を施して、所定の視点方向から探知範囲を参照したときの信号強度の分布を示す3次元画像(探知画像)を生成する。探知画像は、反射波の信号強度に応じて色付けされる。入力部18に対する入力によって、探知画像の視点方向が変更可能であってもよい。
【0050】
ところで、上記構成の水中探知装置10では、水底4に対して斜めに送信ビーム3が入射する。このため、水底4からの反射波の強度を示すエコーデータの分布範囲は、送信ビーム3のビーム幅の影響により、送信ビーム3の円弧の端に向かうに従って広くなる。その結果、水底4の3次元画像は、実際の水底4の位置よりも両端がV字状に持ち上がった状態で表示されてしまう。
【0051】
また、水底4の信号強度と魚群5等の信号強度とが近似する場合、水底4と魚群5等に近似した強度レベルの色が付される。このため、表示画像において魚群5等が水底4に同化し、魚群5等の立体的な視認性が悪くなってしまう。
【0052】
このような問題を解消するため、本実施形態では、水底を適正に表示し、且つ、水底と物標の状態を良好に視認することが可能となるように、表示画像が構成される。以下、この処理について説明する。
【0053】
図3は、水中の画像を表示するための処理を示すフローチャートである。
【0054】
信号処理部17は、1回の送信ビーム3の送波において取得される各方位(受信ビームに対応する方位)の反射波のエコーデータに基づいて、水底位置を検出する(S11)。ステップS11の処理は、
図2に示した水底位置検出処理部17aの機能により行われる。次に、信号処理部17は、ステップS11で検出した水底位置を基準として、水底4のエコーデータのエッジ位置(以下、「エッジ位置」という)を算出する(S12)。ステップS12の処理は、
図2に示したエッジ位置算出処理部17bの機能により行われる。これにより、送信ビーム3の扇型の中心角の方向に受信ビームの分解能で区分される方位ごとに、水底位置とエッジ位置が検出される。
【0055】
そして、信号処理部17は、上記処理において方位ごとに取得した水底位置およびエッジ位置を、送信ビーム3の扇型の平面と同一平面に展開されるx-y座標系の座標位置に変換する処理を行う(S13)。ステップS13の処理は、
図2に示した座標変換処理部17cの機能により行われる。さらに、信号処理部17は、送波器11の水深位置である送波深度位置とエッジ位置との間にあるエコーデータに基づいて送波深度位置から水底位置までの範囲の補正データを算出する(S14)。ステップS14の処理は、
図2に示したエコーデータ補正処理部17dの機能により行われる。そして、信号処理部17は、船1の進行に伴い蓄積される補正データ(ボリュームデータ)に基づいて、補正データの信号強度に応じた色の探知画像を生成し、さらに、水底位置に基づいて、探知画像とは異なる色の水底画像を生成し、生成した探知画像および水底画像を表示部19に表示させる(S15)。ステップS15の処理は、
図2に示した画像表示処理部17eの機能により行われる。
【0056】
【0057】
図4は、
図3のステップS11における水底位置算出処理を示すフローチャートである。
図4の処理は、各回の送信ビーム3の送波に応じて方位ごとに取得される受信ビームに対して実行される。
【0058】
信号処理部17は、各方位の受信信号に対して平滑化およびノイズ除去等の調整処理を実行し(S101)、調整処理後の受信信号に対して、距離方向(時間軸方向)の微分を行う(S102)。そして、信号処理部17は、各方位の微分信号から極大点を抽出する(S103)。
【0059】
図5は、所定方位の受信信号と、当該受信信号を微分して得られる微分信号の様子を示すタイムチャートである。
【0060】
図5の上段に示すように、所定方位の受信信号には、当該方位に存在する物標や水底の距離位置において、反射波の強度に応じた振幅の波形S11が生じる。したがって、受信信号を微分した微分信号においても、波形S11と同じ位置にS字状の波形S21が生じる。信号処理部17は、
図4のステップS103において、微分信号に生じる波形S21の極大点P21を抽出する。当該方位に魚群と水底が存在する場合、波形S11、S21は複数の距離位置において生じる。したがって、この場合、極大点P21も複数抽出される。
【0061】
図4に戻り、信号処理部17は、ステップS103で抽出した極大点群を、受信信号および微分信号の立ち上がり位置に近づけるために、これら極大点群の距離位置を、送信ビーム3のパルス状の送波期間の半分の期間に対応する距離幅だけ手前に移動させる前処理を実行する(S104)。これにより、
図5の下段に示すように、極大点P21の距離L1’より距離幅ΔL(送波期間の半分の期間に対応する距離幅)だけ手前の距離L1に、検出点群が得られる。
【0062】
信号処理部17は、これら検出点群が水底4であることを規定する所定の条件を満たすか否かを判定する(S105)。検出点群が水底の条件を満たす場合(S105:YES)、信号処理部17は、当該検出点群の距離L1を各方位の水底の位置を規定する距離として検出する(S106)。
【0063】
そして、信号処理部17は、これら検出点群に対して検出後処理を実行して、検出点群の距離のバラツキを抑制する(S107)。具体的には、信号処理部17は、当該送波タイミングよりも前の複数の送波タイミングで取得された検出点群との間で移動平均等の処理を実行し、当該検出点群の距離のバラツキを抑制する。信号処理部17は、こうして取得した検出点群の各距離L1を、水底の距離として取得する。これにより、信号処理部17は、水底位置検出処理を終了する。
【0064】
次に、
図6を参照して、
図3のステップS12におけるエッジ位置の検出処理について説明する。
【0065】
図6は、エッジ位置の検出処理において用いられる各種パラメータを示す図である。
【0066】
図6において、PBは、
図4のステップS107で取得された所定方位の水底4の検出点である。また、L1は、上記処理により取得された送受波ユニット2から当該検出点PBまでの距離であり、L2は、送受波ユニット2から水底4のエコーデータのエッジ位置、すなわち、エッジ位置までの距離である。
図3のステップS13において、信号処理部17は、
図6に示した各種パラメータに基づいて、エッジ位置までの距離L2を算出する。
【0067】
なお、
図6には、送信ビーム3の送波領域TAと、水底4に対して取得されるエコーデータの距離範囲BEとが、水平面に投影された状態で模式的に示されている。また、送信ビーム3のうち、当該方位の受信ビームにより抽出される送信ビーム3の断片部分3aが示されている。B1は、X-Y平面に平行な長方形の平面である。平面B1の1つの頂点は検出点PBに一致し、他の2つの頂点は、それぞれ、距離範囲BEの中心からZ軸正方向に向かう垂線および送受波ユニット2からZ軸正方向に向かう垂線と交わる。
【0068】
図6において、Dは、水底深度(m)であり、θtは、鉛直方向に対する送信ビーム3のチルト角(deg)である。また、θ0は、受信ビームの中心軸の方位(deg)であり、θbは、受信ビームのビーム幅の半角(deg)である。半角θbは、水平方向成分θhと垂直方向成分θv(何れも
図6には図示せず)とに分解され得る。これらのパラメータを用いることにより、距離L1、L2の差分Lは、以下の式(1)により算出される。
【0069】
【0070】
ここで、θbは、以下の式(2)で算出される。
【0071】
【0072】
信号処理部17は、上記式(1)、(2)に各種パラメータの値を代入することにより差分Lを算出する。ここで、各種パラメータの値は、受信ビームの形成状態に基づいて信号処理部17において把握され得る。信号処理部17は、こうして取得した差分Lだけ距離L1を減算することにより、エッジ位置までの距離を算出する。これにより、ステップS12の処理が終了する。
【0073】
次に、
図7~
図9を参照して、
図3のステップS13における座標変換処理について説明する。
【0074】
図7は、
図3のステップS11、S12により、方位Dsごとに、水底位置201とエッジ位置202が取得された状態を模式的に示している。
図7において、POは、送受波ユニット2の位置、すなわち、方位Dsの基準位置である。また、BEは、水底4から反射されたエコーが分布する距離範囲であり、BP0およびEG0は、それぞれ、水底位置201で規定される水底位置およびエッジ位置202で規定される距離範囲BEのエッジである。
図6の距離L1は、基準位置POから水底位置201までの距離に相当し、
図6の距離L2は、基準位置POからエッジ位置202までの距離に相当する。なお、
図7では、便宜上、方位Dsの角度ピッチが実際の角度ピッチに比べて粗く示されている。実際の方位Dsの角度ピッチは、1°程度である。
【0075】
図3のステップS13では、送信ビーム3の扇型の平面と同一平面にx-y座標系が展開される。
【0076】
図8は、
図7の座標系に対してx-y座標系205が適用された状態を模式的に示している。x-y座標系205では、x軸とy軸が互いに直交する。y軸正方向と、船1の進行方向との関係は、送受波器ユニット2の向きを水平方向に変えることにより変動する。また、座標平面がx軸方向およびy軸方向にそれぞれ一定ピッチで格子状に区画され、格子の交点に多数の座標点が設定される。
【0077】
信号処理部17は、
図7の水底位置201およびエッジ位置202を、それぞれ、
図8の座標点のうち最も近い座標点にシフトさせる。これにより、
図8に示すように、x-y座標系205において、水底位置203およびエッジ位置204が設定される。これに応じて、
図7の水底位置BP0が、水底位置BP1にシフトする。
【0078】
その後、信号処理部17は、水底位置203間の隙間の座標点およびエッジ位置204間の隙間の座標点に、線形補間等の補間処理により、水底位置203およびエッジ位置204を補間する。
図9は、補間後の水底位置203およびエッジ位置204を示している。これにより、
図3のステップS13における座標変換処理が終了する。
【0079】
次に、
図10を参照して、
図3のステップS14におけるエコーデータ補正処理について説明する。
【0080】
図3のステップS14において、信号処理部17は、送波深度位置とエッジ位置204との間にあるエコーデータED0に基づいて送波深度位置から水底位置203までの範囲の補正データを算出する。ここで、水底位置203が存在する範囲W1のエコーデータED0は、y軸方向の補間処理により水底位置203まで拡張される。すなわち、信号処理部17は、y軸方向に並ぶ各座標点のエコーデータED0を、水底位置203までの座標点に均等に離散させ、この離散によりエコーデータED0が設定されない座標点にy軸方向の補間処理によりエコーデータを補間する。ここで、補間処理として、たとえば、線形補間が用いられる。ただし、補間の方法は線形補間に限らず、他の補間方法が用いられてもよい。
【0081】
また、水底位置203が存在しない範囲W2のエコーデータED0は、y軸方向の補間処理により、探知範囲の上限距離の位置(
図10の半円の位置)まで拡張される。すなわち、信号処理部17は、y軸方向に並ぶ各座標点のエコーデータED0を、探知範囲の上限距離の位置(
図10の半円の位置)までの座標点に均等に離散させ、この離散によりエコーデータED0が設定されない座標点にy軸方向の補間処理(たとえば、線形補間)によりエコーデータを補間する。
【0082】
こうして、範囲W1、W2のエコーデータにy軸方向の補間処理を行うことにより、送波深度位置と水底位置203との間の範囲について、補正データED1が算出される。これにより、
図3のステップS14におけるエコーデータ補正処理が終了する。
【0083】
図11(a)~(d)は、
図3のステップS11~S14の処理を模式的に示す図である。
【0084】
船1の船底に設置された送受波ユニット2から1回の送信ビーム3が送波されると、
図11(a)のようなエコーデータが取得される。ここでは、エコーデータに、水底のエコーデータBDと魚群のエコーデータFDとが含まれている。上記のように、送信ビーム3が斜め方向に送波されることの影響により、水底のエコーデータBDは左右の端に向かうほど幅が広くなる。
【0085】
次に、
図11(a)のエコーデータに対して、
図3のステップS11の水底検出処理が行われ、
図11(b)のように、水底位置BP0(水底位置201)が算出される。さらに、
図3のステップS12の処理が行われ、
図11(c)のように、水底エコーのエッジEG0(エッジ位置202)が算出される。その後、
図3のステップS13の座標変換処理が行われ、さらに、ステップS14のエコーデータ補正処理が行われる。これにより、
図11(c)において水底エコーのエッジEG0と送波深度位置との間に存在するエコーデータED0が、
図11(d)のように、補間処理により拡張され、補正データED1が取得される。こうして、水底位置BP1が規定され、補正後の魚群のエコーデータFDを含む補正データED1が取得される。
【0086】
次に、
図12を参照して、
図3のステップS15における画像表示処理について説明する。
【0087】
信号処理部17は、上記処理により補正データED1を算出すると、今回の処理から所定回数前までの処理により算出した補正データED1を集積してボリュームデータを構成し、構成したボリュームデータにボリュームレンダリングまたはサーフェスレンダリング等の処理を行って、当該ボリュームデータを所定の視点から見たときの信号強度の分布を示す探知画像を生成する(S201)。ここで、探知画像には、信号強度に応じた色が付される。
【0088】
また、信号処理部17は、今回の処理から所定回数前までの処理により算出した水底位置203を集積して水底を規定し、規定した水底に探知画像とは異なる色を付して水底画像を生成する(S202)。そして、信号処理部17は、生成した探知画像と水底画像を表示部19に表示させる(S203)。これにより、今回の処理フローにおける画像表示処理が終了する。
【0089】
次に、上記の処理により表示される画像の表示例を、従前の処理により表示される画像の表示例(比較例)と対比して説明する。
【0090】
図13(a)は、比較例に係る画像の表示例を示す図であり、
図13(b)は、実施形態に係る画像の表示例を示す図である。
【0091】
比較例では、
図3のステップS11~S14の処理が行われず、今回の処理から所定回数前までの処理により取得されたエコーデータをそのまま集積することにより、ボリュームデータが構成されている。また、比較例では、魚群等の物標と水底とを区別することなく一様に、信号強度に応じた色が表示画像に付されている。
【0092】
図13(a)に示すように、比較例の表示画像300では、水底301の厚みが、水底301の左右の端に向かうにつれて大きくなっている。このため、使用者は、比較例の表示画像300からは、水底の位置を正しく把握できない。また、比較例の表示画像300では、魚群302および魚礁303と水底301とに、それぞれ、近似する強度レベルの色が付される。このため、表示画像300において、魚群302および魚礁303が水底301に同化し、魚群302および魚礁303の立体的な視認性が悪くなっている。
【0093】
これに対し、実施形態の表示画像310では、
図13(b)に示すように、上述の水底位置検出処理により水底位置が適正に検出された状態で水底311が表示される。このため、表示画像310では、水底311の厚みは略一定であり、比較例のように水底311の左右の端に向かうにつれて水底の厚みが大きくなることはない。このため、使用者は、実施形態の表示画像310を参照することにより、水底の位置を正しく把握できる。
【0094】
また、実施形態の表示画像310では、魚群312および魚礁313と異なる色が水底311に付される。このため、表示画像310において魚群312および魚礁313が水底311に同化することが抑制される。これにより、表示画像310では、魚群312および魚礁313の立体的な視認性を顕著に高めることができる。
【0095】
なお、
図13(a)、(b)の表示画像300、310には、それぞれ、船画像304、314が含まれている。これにより、使用者は、船と魚群、魚礁および水底との相対的な位置関係を直感的に把握できる。
【0096】
図14は、
図3のステップS11~S13の処理により算出される水底位置203およびエッジ位置204を示す破線332、333がエコーデータの表示画像330に表示された場合の他の表示例を示す図である。
【0097】
ここでは、1回の送波により取得されたエコーデータがそのまま表示されている。このため、水底画像331は、左右の端に向かうにつれて幅が広がっている。水底画像331の幅方向の中心付近に、水底位置203を示す破線332が表示されている。また、水底画像331の幅方向のエッジ付近に、エッジ位置204を示す破線333が表示されている。
【0098】
図14の表示例から、
図3のステップS11~S13の処理により、水底位置203およびエッジ位置204が、実際の水底に対応するように適正に算出されていることが分かる。使用者は、表示画像330において、破線332を参照することにより、実際の水底の位置を的確に把握することができる。
【0099】
<実施形態の効果>
上記実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
【0100】
図3の処理が行われることにより、
図13(b)に示したように、実際の水底の位置に対応する適正な位置に水底311を表示させることができる。また、水底311と物標(魚群312、魚礁313)とが互いに異なる表示形態(異なる色)で表示されるため、使用者は、水底と物標(魚群312、魚礁313)とを区別して良好に視認できる。
【0101】
また、本実施形態では、表示画像310において、水底画像(水底311)と、水底311から水面までの領域の探知画像(魚群312、魚礁313)とが互いに異なる色で表示される。これにより、使用者は、色の違いによって明瞭に、水底画像(水底311)と物標(魚群312、魚礁313)とを区別できる。よって、水底画像(水底311)と物標(魚群312、魚礁313)の状態を良好に視認できる。
【0102】
また、信号処理部17は、上記式(1)、(2)の演算に基づいて、水底位置201とエッジ位置202との間の差分Lを補正量として算出し、算出した補正量に基づいて、エッジ位置204を算出する。これにより、エッジ位置204を適正に設定できる。
【0103】
また、
図13(b)に示したように、信号処理部17は、3次元状の探知範囲における補正データED1および水底位置203に基づいて、所定の視点から見たときの探知画像(魚群312、魚礁313)および水底画像(水底311)を生成し、生成した探知画像(魚群312、魚礁313)および水底画像(水底311)を表示部19に表示させる。これにより、使用者は、所定の視点から立体的に、水底および物標(魚群、魚礁)を確認できる。
【0104】
<変更例>
本発明は、上記実施形態に制限されるものではない。また、本発明の実施形態は、上記構成の他に種々の変更が可能である。
【0105】
たとえば、上記実施形態では、送信ビーム3の送波ごとに補正データED1が算出されたが、補正データED1の算出を行うタイミングはこれに限られるものではない。たとえば、連続する所定回数の処理により取得されるエコーデータを時系列に記憶しておき、記憶した各エコーデータに対してそれぞれ、
図3のステップS11~14の処理を行って補正データを算出し、算出した補正データ群からなるボリュームデータに対して
図3のステップS15の表示処理を行ってもよい。
【0106】
あるいは、送信ビーム3の送波ごとに
図3のステップS11~S13の処理を実行して、エコーデータに水底位置203およびエッジ位置204のフラグを付加しておき、連続する所定回数の処理により取得されるエコーデータおよび上記フラグを時系列に記憶し、記憶した各エコーデータに対してそれぞれ、上記フラグを用いて
図3のステップS14の処理を実行して補正データを算出し、算出した補正データ群からなるボリュームデータに対して
図3のステップS15の表示処理を行ってもよい。
【0107】
また、水底位置の検出方法は、
図4に示した方法に限られるものではなく、他の方法が用いられてもよい。また、補正データの算出処理も、
図3のステップS14において説明した処理に限られるものではなく、送波深度位置とエッジ位置との間にあるエコーデータを送波深度位置から水底位置までの範囲に適用して当該範囲の各座標位置のデータを設定する他の手法が用いられてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、上記式(1)、(2)の演算により算出された差分L(補正量)をそのまま用いて、エッジ位置202が算出されたが、差分L(補正量)に所定の係数を乗じた値を用いて、エッジ位置202が算出されてもよい。たとえば、信号処理部17は、入力部18を介して、差分L(補正量)に乗じる係数を受け付け、受け付けた係数を差分L(補正量)に乗じた値を用いて、エッジ位置204を求め、求めたエッジ位置204と送波深度位置との間にあるエコーデータに基づいて、送波深度位置から水底位置203までの範囲の補正データを算出してもよい。
【0109】
図15(a)は、変更例1に係る、操作項目の構成を示す図である。
【0110】
信号処理部17は、たとえば、表示部19に
図15(a)の操作項目400を表示させることにより、係数の設定を受け付ける。操作項目400には、係数を表示する領域401と、係数を変更するための操作子402とが含まれる。使用者が入力部18を介して操作子402をクリックすると、領域401の直下に、係数の選択候補がプルダウン表示される。たとえば、係数の選択候補は、1~0までの範囲において0.1刻みで設定される。係数の選択候補が1より大きい係数を含んでいてもよい。使用者は、プルダウン表示された選択候補から所望の係数を選択できる。選択候補が多い場合、プルダウン領域にスクロールバーが設定されてもよい。
【0111】
係数が1未満に設定されると、
図10において、水底位置203とエッジ位置204との間の幅が狭くなる。上記のように、
図3のステップS14の処理では、水底位置203とエッジ位置204との間の幅に含まれるエコーデータは除外されて、エッジ位置204から送波深度位置までのエコーデータが水底位置203まで拡張される。このため、係数が1の場合は、水底位置203とエッジ位置204との間に水底付近に張り付く魚群のエコーデータが存在する場合、このエコーデータに基づく画像は、探知画像に含まれなくなることが起こり得る。
【0112】
これに対し、係数が1未満に設定されると、水底位置203とエッジ位置204との間の幅が狭くなるため、この幅に、水底付近に張り付く魚群のエコーデータが含まれにくくなる。よって、使用者は、係数を1未満に設定することにより、水底付近に張り付く魚群を表示画像に表示させやすくなり、当該魚群を円滑に確認できる。
【0113】
図15(b)は、係数を0に設定した場合の表示画像310の表示例を示す図である。この表示画像310では、係数が0であるため、水底311の上に、水底からの不要なエコーデータに基づくV字状の画像が残ってしまう。このため、魚群312や魚礁313と水底311との間の分離が、
図13(b)の場合に比べて低下する。しかし、その反面、係数を0に設定することにより、上記のように、水底付近に張り付く魚群のエコーデータを表示させ得る可能性が高まる。このため、使用者は、
図15(b)の表示画像310からこの魚群の存在を確認できることも想定され得る。
【0114】
また、
図4に示した水底位置算出処理は、以下のように変更されてもよい。
【0115】
図16は、変更例2に係る、水底位置算出処理を示すフローチャートである。
【0116】
図16のフローチャートは、
図4のフローチャートに対して、ステップS111、S112が追加されている。その他のステップは、上記
図4の対応するステップと同様である。
【0117】
信号処理部17は、ステップS106において各方位について水底位置(水底までの距離)を検出すると、全ての水底位置の水深の平均値を算出して記憶する(S112)。そして、信号処理部17は、ステップS111において、過去複数回の送信ビーム3の送波における処理、すなわち、複数ping前までの処理においてステップS112で記憶されている水深の平均値をさらに平均化した水深に対応する距離位置を、基準距離位置として方位ごとに算出し、この基準距離位置を中心とする所定の距離幅の範囲を、極大点の抽出範囲に設定する。
【0118】
たとえば、
図17に示す距離位置D1が、所定方位における基準距離位置である場合、この距離位置D1を中心とする所定の距離幅ΔWの範囲W1が、極大点の抽出範囲に設定される。距離幅ΔWは、予め、水底が存在し得ると想定される距離幅に設定される。
【0119】
こうして、
図16のステップS111で抽出範囲を設定した後、信号処理部17は、続くステップS103において、この抽出範囲に含まれる極大点を抽出する。そして、信号処理部17は、抽出した極大点に対してステップS104以降の処理を行って、水底位置の検出を行う。ステップS104以降の処理は、ステップS112を除いて上記実施形態と同様である。
【0120】
図16に示した処理によれば、前回までの処理結果により検出された水底付近の距離範囲に、極大点の抽出範囲が設定されるため、水底以外のエコーに基づく受信信号によって水底位置が誤検出されることを抑制できる。よって、水底位置の検出精度を高めることができる。
【0121】
さらに、
図16のステップS105以降の処理ステップは、
図18および
図19のように変更され得る。
【0122】
図18および
図19は、変更例3に係る、水底位置算出処理の一部を示すフローチャートである。
図18は、
図16のステップS105の判定がYESであった場合の処理を示すフローチャートであり、
図19は、
図16のステップS105の判定がNOであった場合の処理を示すフローチャートである。
【0123】
図18を参照して、信号処理部17は、ステップS106、S112、S107の処理を行った後、今回の処理を含めて過去N1回の送波処理(ping)において、水底が連続して検出されたか否か(ステップS105の判定がN1回連続してYESであったか否か)を判定する。ステップS121の判定がYESの場合、信号処理部17は、水底検出の検出状態として、水底が安定して検出されたことを示すフラグAを設定し(S122)、今回取得した水底を、水底画像として描画する処理を行う(S123)。これにより、
図12のステップS202、S203において水底画像が表示される。
【0124】
他方、ステップS121の判定がNOの場合、信号処理部17は、水底検出の検出状態として、水底の検出が不安定であることを示すフラグBを設定し(S124)、さらに、水底の検出状態が不安定な状態(フラグB)となる直前の検出状態が、水底検出が安定である状態(フラグA)であったか否かを判定する(S125)。信号処理部17は、ステップS125の判定がYESの場合は、今回取得した水底を、水底画像として描画する処理を行い(S123)、ステップS125の判定がNOの場合は、水底の描画を中止する(S126)。
【0125】
ここで、ステップS125は、現在の状態が、水底の検出が安定な状態から不安定な状態へと変化して間もない状態にあるか否かを判定する処理である。水底の検出が安定な状態から不安定な状態へと変化して間もない状態にある場合、何らかの事象により偶発的に、水底検出が途切れたことが想定され得る。このことから、信号処理部17は、ステップS125の判定がYESとなって、現在の状態がこのような状態遷移の過程にあると想定される場合に、今回取得した水底は、ある程度信頼性の高いものであると推定して、ステップS123において、今回取得した水底を描画させる処理を行う。
【0126】
他方、ステップS125の判定がNOの場合、現在の状態は、このような状態遷移の過程にないことになる。この場合、現在の状態は、
図19のステップS122においてフラグCが設定された状態(水底が検出されないことが継続した状態)からフラグBの状態(水底検出が不安定な状態)に遷移する過程にある。このため、今回取得された水底は、信頼性が低いと想定され得る。このことから、信号処理部17は、ステップS125の判定がNOである場合、ステップS123において、今回取得した水底の描画を中止する。この場合、
図12のステップS202、S203において、水底画像は表示されないことになる。
【0127】
図19を参照して、
図16のステップS105の判定がNOであった場合、信号処理部17は、今回の処理を含めて過去N2回の送波処理(ping)において、各方位の水底が連続して検出されなかったか否か(ステップS105の判定がN2回連続してNOであったか否か)を判定する(S131)。ステップS131の判定がYESの場合、信号処理部17は、水底検出の検出状態として、水底が検出されないことが継続した(水底非検出の状態で安定した)ことを示すフラグCを設定し(S132)、今回取得した水底の描画を中止する処理を行う(S133)。この場合、
図12のステップS202、S203において、水底画像は表示されない。
【0128】
他方、ステップS131の判定がNOの場合、信号処理部17は、水底検出の検出状態として、水底検出が不安定であることを示すフラグBを設定し(S134)、さらに、水底の検出状態が不安定な状態(フラグB)となる直前の検出状態が、水底検出が安定である状態(フラグA)であったか否かを判定する(S125)。信号処理部17は、ステップS135の判定がYESの場合は、前回の送波処理(ping)で表示した水底を、引き続き水底画像として描画する処理を行い(S136)、ステップS135の判定がNOの場合は、水底の描画を中止する(S133)。
【0129】
図18および
図19の処理によれば、水底の検出状態が不安定である場合に、水底以外のエコーに基づく水底の検出結果が誤って表示されることを抑制できる(S125:NO、S126)。また、水底の検出状態が不安定である場合も、水底の検出結果の信頼性が高い場合は、検出結果に基づく水底画像を途切れなく表示させることができる(S125:YES、S123)。さらに、水底が検出されなかった場合においても、水底の検出状態が非検出の状態で安定しておらず、且つ、直前の送波処理(ping)で表示された水底の信頼性が高ければ、直前の送波処理(ping)で表示された水底に基づく水底画像を表示させることができる(S134~S136)。よって、
図18および
図19の処理によれば、水底画像の表示が途切れることを抑止しつつ、より適正に、水底画像を表示させることができる。
【0130】
また、エッジ位置は、
図6に示した検出方法とは別の方法で検出されてもよい。
【0131】
図20は、変更例4に係る、エッジ位置の検出処理を示すフローチャートである。
【0132】
信号処理部17は、
図3のステップS11で検出した各方位の水底位置から距離が近づく方向(送波深度位置に向かう方向)に、各方位の受信信号を参照しつつ(S301)、各距離位置の受信信号の強度が所定の閾値Eth以下となる距離位置を探知する(S302)。ここで、閾値Ethは、水底からのエコーに基づく信号の強度として想定され得る範囲の下限値付近に設定される。
【0133】
所定の距離位置において信号強度が閾値Eth以下になると(S302:YES)、信号処理部17は、当該距離位置を、当該方位における暫定的なエッジ位置(暫定エッジ位置)として抽出する(S303)。信号処理部17は、ステップS301~S303の処理を、全ての方位について行う(S304)。これにより、水底位置が検出されている全ての方位に対して、暫定エッジ位置が抽出される。たとえば、
図21(a)のように、各方位の水底位置201に基づいて、暫定エッジ位置211が抽出される。
【0134】
信号処理部17は、こうして、各方位の暫定エッジ位置を抽出した後、
図7に示した方位と距離との座標系において、暫定エッジ位置群の近似直線を算出する(S305)。ここで、近似直線は、当該座標系の中心方位から右側の範囲と左側の範囲とに対してそれぞれ算出される。たとえば、
図21(a)のように暫定エッジ位置211が抽出された場合、
図21(b)のように近似直線L1a、L1bが算出される。
【0135】
そして、信号処理部17は、各方位において、近似直線よりも送波深度位置に近い暫定エッジ位置を方位ごとに抽出し、抽出した暫定エッジ位置を、水底以外のエコーに基づくエッジ位置であるとして、エッジ位置の算定対象から除外する(S306)。
【0136】
その後、信号処理部17は、ステップS306において除外されずに残った暫定エッジ位置群について、再度、近似直線を算出する(S307)。この場合も、信号処理部17は、
図7に示した座標系の中心方位から右側の範囲と左側の範囲とに対してそれぞれ、近似直線を算出する。たとえば、
図21(b)の場合、
図21(c)のように近似直線L2a、L2bが算出される。ここでは、
図21(b)に示した暫定エッジ位置211のうち2つが除外されて、近似直線L2a、L2bが算出されている。
【0137】
そして、信号処理部17は、
図7に示した座標系において、ステップS307で算出した近似直線と各方位との交点の距離位置を、各方位のエッジ位置として検出する(S308)。たとえば、
図21(c)のように近似直線L2a、L2bが算出された場合、
図21(d)のように、エッジ位置212が検出される。
【0138】
図20の処理によれば、各方位の信号強度に基づいてエッジ位置が検出されるため、
図6に示した幾何学的な処理によりエッジ位置を検出する手法に比べ、底質や水深、送信ビームのチルト角および水底検出位置によって、エッジの検出位置が正規の位置から変動することを抑制できる。よって、水底エコーの形状に応じたエッジ位置をより正確に検出することができる。
【0139】
なお、
図20の処理では、閾値Ethを変化させることにより、
図15(a)および
図15(b)を参照して説明した処理と同様の処理を実現できる。すなわち、閾値Ethを高めるほど、各方位のエッジ位置を水底位置に近づけることができ、水底付近に張り付く魚群を表示画像に表示させやすくできる。本変更例では、
図15(a)の操作項目400に含まれる領域401の補正レベルを下げるほど、閾値Ethが初期値から高まるように、閾値Ethが制御されればよい。これにより、使用者は、適宜、領域401を操作することにより、水底付近に張り付く魚群を表示画像に表示させて確認することができる。
【0140】
また、上記実施形態では、水底311が、探知画像(魚群312、魚礁313)と異なる色で表示されたが、色以外の方法により、水底311および探知画像の表示形態を異ならせてもよい。たとえば、探知画像(魚群312、魚礁313)と水底311とに異なるハッチングを付与して、両者を区別可能に表示させてもよい。
【0141】
また、各画面のレイアウトは、上記実施形態において示したレイアウトに限られるものではなく、探知画像と水底画像が適正に表示される限りにおいて、他のレイアウトが用いられてもよい。
【0142】
また、ボリュームデータを取得する方法も、上記実施形態の方法に限られるものではなく、他の方法が用いられてもよい。たとえば、扁平かつ扇形形状の送信ビームを俯角方向にスキャンさせることにより、ボリュームデータが取得されてもよい。あるいは、傘状の送信ビームを船の全周に亘って送波して、ボリュームデータが取得されてもよい。
【0143】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0144】
10 水中探知装置
17 信号処理部
18 入力部
19 表示部
201、203 水底位置
202、204、212 エッジ位置
311 水底(水底画像)
312 魚群(探知画像)
313 魚礁(探知画像)
ED1 補正データ