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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】機能柱
(51)【国際特許分類】
   E06B 11/02 20060101AFI20240419BHJP
   A47G 29/12 20060101ALI20240419BHJP
   E04B 1/00 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
E06B11/02 Q
A47G29/12 B
E04B1/00 503
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020160271
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2022053565
(43)【公開日】2022-04-06
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】島田 珠代
(72)【発明者】
【氏名】嘉山 慎之介
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】実開平4-69074(JP,U)
【文献】特開2013-218908(JP,A)
【文献】実開平5-8806(JP,U)
【文献】特開2020-94370(JP,A)
【文献】特開2017-160755(JP,A)
【文献】実開平6-38116(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 11/02
A47G 29/12
E04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱本体と照明具と表札とひさしとを備え、照明具は、柱本体内に取付けてあり、前向きに光を照射するLEDを一列に並べて有し、柱本体は、前壁にLEDの光が透過する細長いスリット状の切欠きが設けてあり、表札は、柱本体の前壁の切欠きの下方に設けてあり、ひさしは、柱本体の前壁に取付けてあり、前壁の切欠きを前方から覆っており、切欠きを透過したLEDの光を下向きに反射する反射面を有することを特徴とする機能柱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の玄関アプローチ等に設置される機能ポールに関する。
【背景技術】
【0002】
表札やインターホン等を備えた機能柱において、表札を照らすための照明を機能柱の前面に露出して取付けたものがあった(例えば、非特許文献1参照)。このように照明を機能柱の前面に露出して設置する場合、照明への配線がしにくい等の問題があり、施工性の改善が求められていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】三協立山株式会社 三協アルミ社発行のカタログ「エクステリア 総合カタログ」(カタログNo.STX1380A KY.20.01-2950)、2020年2月、p.186-187
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、施工性の良い機能柱の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による機能柱は、柱本体と照明具と表札とひさしとを備え、照明具は、柱本体内に取付けてあり、前向きに光を照射するLEDを一列に並べて有し、柱本体は、前壁にLEDの光が透過する細長いスリット状の切欠きが設けてあり、表札は、柱本体の前壁の切欠きの下方に設けてあり、ひさしは、柱本体の前壁に取付けてあり、前壁の切欠きを前方から覆っており、切欠きを透過したLEDの光を下向きに反射する反射面を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明による機能柱は、柱本体と照明具と表札とひさしとを備え、照明具は、柱本体内に取付けてあるので、配線を柱本体の中だけで行えばよいため施工性が良い。そして、照明具は、柱本体内に、前向きに光を照射するLEDを一列に並べて有し、柱本体は、前壁にLEDの光が透過する細長いスリット状の切欠きが設けてあり、表札は、柱本体の前壁の切欠きの下方に設けてあり、ひさしは、柱本体の前壁に取付けてあり、前壁の切欠きを前方から覆っており、切欠きを透過したLEDの光を下向きに反射する反射面を有するので、表札がひさしの反射面で反射したLEDの光で上方から照らされるため、表札の視認性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図3のA-A断面図である。
図2図3のB-B断面図である。
図3図4に示す機能柱の上部を拡大して示す正面図である。
図4】(a)は本発明の機能柱の一実施形態を示す正面図であり、(b)は同側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1~4は、本発明に係る機能柱の一実施形態を示している。本機能柱は、住宅の玄関へのアプローチ等に設置されるものであり、図4に示すように、柱本体1と、柱本体1の前面上部に設けた表札3及びインターホン9と、表札3の上方に設けたひさし4を備えている。さらに本機能柱は、郵便物や新聞等を受け取るためのポスト10と、宅配便の荷物を受け取るための宅配ボックス11を備えている。柱本体1の内部には、図1に示すように、表札3を照らすための照明具2を設置してある。
【0009】
柱本体1は、図1~3に示すように、左右両側に矩形断面の支柱12,12を地面から立設して有し、柱12,12間の上部に下パネル13を取付け、下パネル13より上方に前壁6と後壁14を取付けてあり、上端に上パネル15を取付けてある。
柱本体1内の上部には、図1,2に示すように、前壁6の後面に突設した突片16に後方よりねじ止めして照明具2用のブラケット17が取付けてあり、ブラケット17にねじ止めして照明具2が取付けてある。照明具2は、図3に示すように、前向きに光を照射するLED5が左右方向に間隔をおいて並べて複数設けてある。前壁6のLED5,5,…の前方にあたる位置には、LED5,5,…の光が透過する細長いスリット状の切欠き7が設けてある。切欠き7は、上下寸法が7mm、左右寸法が110mmとしてある。切欠き7は、図1に示すように、内側から透明なパネル18を取付けて塞いである。
インターホン9も柱本体1の内部に設置してあり、前壁6に形成した開口部19よりインターホン9の前面がのぞいている(図4参照)。
このように本機能柱は、照明具2とインターホン9を柱本体1内に取付けたので、図2に示すように、配線を柱本体1の中だけで行えばよいため、施工性が良い。
後壁14は、図2に示すように、左右の支柱12,12に後方からのねじ21でねじ止めして取付けてあり、後壁14を取り外すことで、照明具2やインターホンへ9の配線作業やメンテナンスが容易に行える。
【0010】
ひさし4は、図1~3に示すように、柱本体1の前面21(前壁6の前面)に取付けて前壁6の切欠き7を前方から覆っている。ひさし4は、前壁6の切欠き7の上下寸法よりわずかに上下寸法が大きい角棒状の部材であり、かつ、柱本体1の前面21からの出っ張り寸法X(図1参照)が、表札3の柱本体1の前面21からの出っ張り寸法とほぼ同じかそれ以下となっている。具体的には、切欠き7の上下寸法7mmに対してひさしの上下寸法を16mm、ひさし4の柱本体1の前面21からの出っ張り寸法Xを約20mmとしてある。
このように、ひさし4を細い角棒状とし、柱本体1の前面21からの出っ張り寸法Xをなるべく小さくしたことで、ひさし4が目立たなくなっている(図4参照)。
ひさし4は、図1に示すように、前側壁22と上壁23と後側壁24とを有する略コ字形断面のアルミ形材で形成してあり、後側壁24は切欠き7に被らないように前側壁22よりも短くしてある。前側壁22と上壁23とのコーナー部には、タッピングホール25が設けてある。ひさし4は、後側壁24を柱本体1の前壁6に当接させて、左右2か所を後方からのねじ26でねじ止めしてある。したがって、ねじ26が外部に露出しないようになっている。
前側壁22の下縁部と後側壁24の下縁部には、溝27,27が内向きに形成してあり、これらの溝27,27に保持して反射板8が前側が低くなるように斜めに取付けてある。照明具2のLED5から前向きに照射された光は、図1中の矢印28に示すように、前壁6の切欠き7を透過してから反射板8で反射して下方に向けて拡散して照射される。ひさし4の左右両端には、四角形の側板29をあてがい、タッピングホール25に螺入するねじ(皿ビス)30で固定してある。
【0011】
表札3は、透光性を有する樹脂で形成してあり、図1に示すように、金具31を介して柱本体1の垂直な前面21より間隔32をあけて取付けてある。ひさし4の反射板8で反射したLED5の光は、表札3の上端面と表札3の前側及び後側を照らす。これにより、表札3が光で照らされて浮き上がって見え、表札3の視認性が向上する。しかも、表札3の上に取付けてあるひさし4を細い角棒状とし、ひさし4を表札3よりも前方に出っ張らせないことで、機能柱の前面がほぼフラットですっきりとした意匠になっている。また、日中にひさし4の影が表札3にかかることもない。
【0012】
ポスト10は、正面視で横長の長方形の箱状に形成してあり、柱本体1の下パネル13の下方に隣接して左右の支柱12,12間に取付けてある。
宅配ボックス11は、正面視で縦長の長方形の箱状に形成してあり、ポスト10の下方に隣接して左右の支柱12,12間に取付けてある。ポスト10及び宅配ボックス11の前面は、柱本体1の前面21と面一状としてある。
【0013】
以上に述べたように本機能柱は、柱本体1と照明具2と表札3とひさし4とを備え、照明具2は、柱本体1内に取付けてあるので、配線を柱本体1の中だけで行えばよいため施工性が良い。そして、照明具2は、柱本体1内に、前向きに光を照射するLED5,5,…を一列に並べて有し、柱本体1は、前壁6にLED5,5,…の光が透過する細長いスリット状の切欠き7が設けてあり、表札3は、柱本体1の垂直な前面21の切欠き7の下方に設けてあり、ひさし4は、柱本体1の前面21の切欠き7を前方から覆っており、切欠き7を透過したLED5,5,…の光を下向きに反射する反射面(反射板)8を有するので、表札3がひさし4の反射面8で反射したLED5,5,…の光で上方から照らされるため、表札3の視認性が良い。
さらに本機能柱は、ひさし4が前壁6の切欠き7の上下寸法よりわずかに上下寸法が大きい角棒状の部材であり、かつ、柱本体1の前面21からの出っ張り寸法Xが、表札3の柱本体1の前面21からの出っ張り寸法とほぼ同じかそれ以下であることで、ひさし4が目立たず、意匠性が良い。
さらに本機能柱は、表札3が柱本体1から前側に間隔32をおいて保持されており、反射面8で反射したLED5,5,…の光が表札3の上端面と表札3の前側及び後側を照らすため、表札3の視認性がより一層向上する。
【0014】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。柱本体の構造、ひさしの形状や材質等は、適宜変更することができる。実施形態の説明中に記載した切欠きやひさしの寸法はあくまでも例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。表札は、金属などの透光性を有しない材料で形成してあってもよく、また表札は柱本体の前面に直に取付けてあってもよい。ポストと宅配ボックスとインターホンは、必ずしもなくてもよい。本発明の機能柱は、門柱と一体になったもの(いわゆる機能門柱)であってもよい。
【符号の説明】
【0015】
1 柱本体
2 照明具
3 表札
4 ひさし
5 LED
6 前壁
7 切欠き
8 反射板(反射面)
図1
図2
図3
図4