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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】反射型エンコーダ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/347 20060101AFI20240419BHJP
【FI】
G01D5/347 110X
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020183210
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022073305
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 慎之輔
(72)【発明者】
【氏名】井上 誠二
(72)【発明者】
【氏名】小杉 明史
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-288538(JP,A)
【文献】特開2013-55254(JP,A)
【文献】特開平10-112493(JP,A)
【文献】実開昭55-166891(JP,U)
【文献】特開2011-45933(JP,A)
【文献】特開2019-195415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12-5/38
G01B 11/00-11/30、
21/00-21/32
G12B 5/00
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
前記ベース部材の垂直方向の上側に設けられ、前記ベース部材に対して前記垂直方向に直交する第1方向および前記垂直方向に移動可能に設けられる調整部材と、
前記調整部材の前記垂直方向の上側に設けられ、前記垂直方向に移動可能に設けられ、前記ベース部材に対して前記第1方向の位置が固定されるホルダ支持部材と、
前記ホルダ支持部材により前記第1方向に移動可能に保持され、前記第1方向の相対位置を検出させるためのスケールを有するスケールホルダと、
前記スケールホルダの前記垂直方向の上側に設けられ、前記ベース部材に対して前記垂直方向および前記第1方向の位置が固定され、前記スケールとの前記第1方向の相対位置を表す信号を出力するヘッドを有するヘッド基板と、
前記調整部材の前記第1方向の位置を移動させる操作部材と、
を備え、
前記ベース部材は、前記調整部材に対向した面に、前記垂直方向の上側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第1ベース傾斜部を有し、
前記調整部材は、前記ベース部材に対向した面に、前記垂直方向の下側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第1下傾斜部を有し、
前記第1下傾斜部は、傾斜角が前記第1ベース傾斜部と同一であり、傾斜方向が前記第1ベース傾斜部と逆向きであり、且つ、傾斜面が前記第1ベース傾斜部の傾斜面と突き当たって接触する位置に設けられる
反射型エンコーダ。
【請求項2】
前記ベース部材は、前記調整部材に対向した面に、前記垂直方向の上側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第2ベース傾斜部を、さらに有し、
前記調整部材は、前記ベース部材に対向した面に、前記垂直方向の下側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第2下傾斜部を、さらに有し、
前記第2ベース傾斜部および前記第2下傾斜部は、前記第1方向における位置が前記第1ベース傾斜部および前記第1下傾斜部と異なり、
前記第2ベース傾斜部は、傾斜角および傾斜方向が前記第1ベース傾斜部と同一であり、
前記第2下傾斜部は、傾斜角および傾斜方向が前記第1下傾斜部と同一であり、
前記第2下傾斜部は、傾斜面が前記第2ベース傾斜部の傾斜面と突き当たって接触する位置に設けられる
請求項1に記載の反射型エンコーダ。
【請求項3】
前記調整部材は、前記ホルダ支持部材に対向した面に、前記垂直方向の上側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第1上傾斜部を有し、
前記ホルダ支持部材は、前記調整部材に対向した面に、前記垂直方向の下側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第1ホルダ傾斜部を有し、
前記第1上傾斜部は、傾斜方向が前記第1下傾斜部と同一であり、
前記第1ホルダ傾斜部は、傾斜角が前記第1上傾斜部と同一であり、傾斜方向が前記第1上傾斜部と逆向きであり、且つ、傾斜面が前記第1上傾斜部の傾斜面と突き当たって接触する位置に設けられる
請求項1または2に記載の反射型エンコーダ。
【請求項4】
前記調整部材は、前記ホルダ支持部材に対向した面に、前記垂直方向の上側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第2上傾斜部を、さらに有し、
前記ホルダ支持部材は、前記調整部材に対向した面に、前記垂直方向の下側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第2ホルダ傾斜部を、さらに有し、
前記第2上傾斜部および前記第2ホルダ傾斜部は、前記第1方向における位置が前記第1上傾斜部および前記第1ホルダ傾斜部と異なり、
前記第2上傾斜部は、傾斜角および傾斜方向が前記第1上傾斜部と同一であり、
前記第2ホルダ傾斜部は、傾斜角および傾斜方向が前記第1ホルダ傾斜部と同一であり、
前記第2ホルダ傾斜部は、傾斜面が前記第2上傾斜部の傾斜面と突き当たって接触する位置に設けられる
請求項3に記載の反射型エンコーダ。
【請求項5】
前記操作部材は、ボルトであり、
前記調整部材は、前記第1方向の端部にボルト穴が形成され、
前記ボルト穴は、中心軸が前記第1方向に形成され、前記操作部材におけるボルト軸の先端部が挿入され、および、前記操作部材におけるボルト軸の先端部にかみ合うネジ山が形成され、
前記ベース部材は、前記ボルト穴よりも前記第1方向の外側であって前記調整部材の前記第1方向の移動によって機械的に干渉しない位置にボルト保持部を有し、
前記ボルト保持部は、前記操作部材の先端部が前記ボルト穴に挿入された状態において、前記操作部材を前記垂直方向に移動可能であって、前記第1方向への移動規制するように、保持する
請求項1から4の何れか1項に記載の反射型エンコーダ。
【請求項6】
軸受およびベアリング軸の相対位置が前記第1方向に移動可能に設けられスライドベアリングをさらに備え、
前記スケールホルダは、前記軸受または前記ベアリング軸のうちの一方に固定され、
前記ホルダ支持部材は、前記軸受または前記ベアリング軸のうちの前記スケールホルダが固定されていない方の一方に固定される
請求項1から5の何れか1項に記載の反射型エンコーダ。
【請求項7】
複数のガイドボルトと、
前記複数のガイドボルトに対応する複数のコイルバネと、
をさらに備え、
前記ホルダ支持部材は、前記複数のガイドボルトに対応する複数のガイド孔が形成され、
前記複数のガイドボルトのそれぞれは、ボルト軸が前記垂直方向に向けられた状態で、前記ベース部材の反対側の面から前記複数のガイド孔のうちの対応するガイド孔に挿入され、および、ボルト軸の先端部が前記ベース部材に固定され、
前記複数のコイルバネのそれぞれは、前記複数のガイドボルトのうちの対応するガイドボルトのボルト軸が挿入され、対応するガイドボルトのボルト頭と、前記ホルダ支持部材との間に配置され、前記ホルダ支持部材をばね力により前記ベース部材の方向へと移動させ、
前記複数のガイド孔のそれぞれは、前記対応するガイドボルトのボルト軸が挿入された状態において前記対応するガイドボルトが前記調整部材に機械的に干渉しない位置に形成され、および、前記ホルダ支持部材を前記ベース部材に対して前記第1方向に移動せず且つ前記垂直方向に移動可能にガイドする
請求項1から6の何れか1項に記載の反射型エンコーダ。
【請求項8】
前記ヘッドは、光学ヘッドであり、
前記スケールは、光学スケールである
請求項1から7の何れか1項に記載の反射型エンコーダ。
【請求項9】
ベース部材と、
前記ベース部材の垂直方向の上側に設けられ、前記ベース部材に対して前記垂直方向に直交する第1方向および前記垂直方向に移動可能に設けられる調整部材と、
前記調整部材の前記垂直方向の上側に設けられ、前記垂直方向に移動可能に設けられ、前記ベース部材に対して前記第1方向の位置が固定されるホルダ支持部材と、
前記ホルダ支持部材により前記第1方向に移動可能に保持され、前記第1方向の相対位置を検出させるためのスケールを有するスケールホルダと、
前記スケールホルダの前記垂直方向の上側に設けられ、前記ベース部材に対して前記垂直方向および前記第1方向の位置が固定され、前記スケールとの前記第1方向の相対位置を表す信号を出力するヘッドを有するヘッド基板と、
前記調整部材の前記第1方向の位置を移動させる操作部材と、
を備え、
前記調整部材は、前記ホルダ支持部材に対向した面に、前記垂直方向の上側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第1上傾斜部を有し、
前記ホルダ支持部材は、前記調整部材に対向した面に、前記垂直方向の下側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第1ホルダ傾斜部を有し、
前記第1ホルダ傾斜部は、傾斜角が前記第1上傾斜部と同一であり、傾斜方向が前記第1上傾斜部と逆向きであり、且つ、傾斜面が前記第1上傾斜部の傾斜面と突き当たって接触する位置に設けられる
反射型エンコーダ。
【請求項10】
前記調整部材は、前記ホルダ支持部材に対向した面に、前記垂直方向の上側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第2上傾斜部を、さらに有し、
前記ホルダ支持部材は、前記調整部材に対向した面に、前記垂直方向の下側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第2ホルダ傾斜部を、さらに有し、
前記第2上傾斜部および前記第2ホルダ傾斜部は、前記第1方向における位置が前記第1上傾斜部および前記第1ホルダ傾斜部と異なり、
前記第2上傾斜部は、傾斜角および傾斜方向が前記第1上傾斜部と同一であり、
前記第2ホルダ傾斜部は、傾斜角および傾斜方向が前記第1ホルダ傾斜部と同一であり、
前記第2ホルダ傾斜部は、傾斜面が前記第2上傾斜部の傾斜面と突き当たって接触する位置に設けられる
請求項9に記載の反射型エンコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射型エンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
反射式の光リニアエンコーダは、光を出射および検出する光学ヘッドを備える基板と、光学ヘッドから出射された光を反射および回折させるスケールとを備える。光学ヘッドは、スケールにより反射された光を受光して電気信号に変換する。そして、光リニアエンコーダは、電気信号に対して所定の処理をすることにより、光学ヘッドとスケールとの相対位置を表す信号を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-182054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような光リニアエンコーダは、例えば出荷時または校正時に、作業者により光学ヘッドとスケールとの間の距離が調整される。例えば、作業者は、光学ヘッドから最大の検出信号が出力されるように、検出信号を観測しながら基板の4角に取り付けられたネジの締め具合を調節していた。しかしながら、検出信号を観測しながら、多数のネジを調整する作業は、非常に手間がかかり、精度が悪くなる可能性もあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ヘッドとスケールとの間の距離を簡易に精度良く調整可能な反射型エンコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る反射型エンコーダは、ベース部材と、前記ベース部材の垂直方向の上側に設けられ、前記ベース部材に対して前記垂直方向に直交する第1方向および前記垂直方向に移動可能に設けられる調整部材と、前記調整部材の前記垂直方向の上側に設けられ、前記垂直方向に移動可能に設けられ、前記ベース部材に対して前記第1方向の位置が固定されるホルダ支持部材と、前記ホルダ支持部材により前記第1方向に移動可能に保持され、前記第1方向の相対位置を検出させるためのスケールを有するスケールホルダと、前記スケールホルダの前記垂直方向の上側に設けられ、前記ベース部材に対して前記垂直方向および前記第1方向の位置が固定され、前記スケールとの前記第1方向の相対位置を表す信号を出力するヘッドを有するヘッド基板と、前記調整部材の前記第1方向の位置を移動させる操作部材と、を備え、前記ベース部材は、前記調整部材に対向した面に、前記垂直方向の上側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第1ベース傾斜部を有し、前記調整部材は、前記ベース部材に対向した面に、前記垂直方向の下側に突出し、前記第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む第1下傾斜部を有し、前記第1下傾斜部は、傾斜角が前記第1ベース傾斜部と同一であり、傾斜方向が前記第1ベース傾斜部と逆向きであり、且つ、傾斜面が前記第1ベース傾斜部の傾斜面と突き当たって接触する位置に設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ヘッドとスケールとの間の距離を簡易に精度良く調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る、第1状態の反射型エンコーダを側面側から見た図である。
図2図2は、第1実施形態に係る、第2状態の反射型エンコーダを側面側から見た図である。
図3図3は、第1実施形態に係る反射型エンコーダを分解して示した図である。
図4図4は、第2実施形態に係る反射型エンコーダの斜視図である。
図5図5は、第2実施形態に係る反射型エンコーダの分解斜視図である。
図6図6は、第2実施形態に係る反射型エンコーダの部分断面図である。
図7図7は、第2実施形態に係る、第1状態の反射型エンコーダの断面図である。
図8図8は、第2実施形態に係る、第2状態の反射型エンコーダの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る、第1状態の反射型エンコーダ10を側面側から見た図である。図2は、第1実施形態に係る、第2状態の反射型エンコーダ10を側面側から見た図である。図3は、第1実施形態に係る反射型エンコーダ10を分解して示した図である。
【0010】
反射型エンコーダ10は、2つの物体の間の距離の変化量または同一物体の2点間の距離の変化量を検出する。反射型エンコーダ10は、ヘッド12と、スケール14とを備える。ヘッド12は、距離の変化量の検出対象である2つの物体または同一物体の異なる2点のうち一方とともに移動する。スケール14は、2つの物体または同一物体の異なる2点のうちの、ヘッド12とともに移動しない他方とともに移動する。
【0011】
本実施形態において、ヘッド12は、光学ヘッドであり、スケール14は、光学スケールである。ヘッド12は、スケール14に向けて光を出射する。スケール14は、ヘッド12から出射された光を反射および回折させる。ヘッド12は、スケール14により反射された光を受光して電気信号に変換する。そして、反射型エンコーダ10は、ヘッド12により出力された電気信号に対して所定の処理をすることにより、ヘッド12とスケール14との間の第1方向における相対位置の変化量を表す信号を出力する。これにより、反射型エンコーダ10は、2つの物体の間の距離の変化量または同一物体の2点間の距離の変化量を検出することができる。
【0012】
なお、ヘッド12は、光学ヘッドに代えて磁気ヘッドであってもよい。また、この場合、スケール14は、光学スケールに代えて磁気スケールである。
【0013】
ここで、反射型エンコーダ10により検出する距離の変化の方向を、第1方向とする。スケール14は、ヘッド12に対して第1方向に相対的に移動可能に設けられる。図中において、第1方向は、Y方向である。
【0014】
さらに、ヘッド12は、スケール14と機械的な干渉が生じないように、ヘッド12に対して第1方向に対して垂直な方向にずれた位置に配置される。第1方向に対して垂直な、ヘッド12とスケール14との位置ずれの方向を、垂直方向とする。図中において、垂直方向は、Z方向である。また、図中において、X方向は、Y方向およびZ方向の両方に垂直な方向である。
【0015】
反射型エンコーダ10は、図1図2および図3に示すように、ベース部材21と、調整部材22と、ホルダ支持部材23と、スケールホルダ24と、ヘッド基板25と、操作部材26を備える。
【0016】
ベース部材21は、例えばほぼ平板状であり、平面が第1方向およびX方向に平行に設けられる。
【0017】
調整部材22は、ベース部材21の垂直方向の上側に設けられる。調整部材22は、例えば、ほぼ平板状であり、平面が第1方向およびX方向に平行に設けられる。調整部材22は、ベース部材21に対して、第1方向および垂直方向に移動可能に設けられる。
【0018】
ホルダ支持部材23は、調整部材22の垂直方向の上側に設けられる。ホルダ支持部材23は、例えばほぼ平板状であり、平面が第1方向およびX方向に平行に設けられる。ホルダ支持部材23は、ベース部材21に対して垂直方向に移動可能に設けられ、且つ、ベース部材21に対して第1方向の位置が固定される。
【0019】
スケールホルダ24は、ホルダ支持部材23により第1方向に移動可能に保持される。例えば、スケールホルダ24は、第1方向に延伸する長尺状である。スケールホルダ24は、例えば、直線運動用のベアリングを介してホルダ支持部材23に取り付けられることにより、ホルダ支持部材23により第1方向に移動可能に保持される。
【0020】
また、スケールホルダ24は、垂直方向の上側の面に、第1方向の位置を検出させるためのスケール14を有する。例えば、スケール14は、光学スケールである場合、第1方向の相対位置を検出可能となる方向に回折格子が向くように、スケールホルダ24に取り付けられる。
【0021】
ヘッド基板25は、スケールホルダ24の垂直方向の上側に設けられる。ヘッド基板25は、ベース部材21に対して垂直方向および第1方向の位置が固定される。例えば、ヘッド基板25は、ベース部材21に設けられた複数の接続部材31に対して固定される。
【0022】
また、ヘッド基板25は、スケール14との第1方向の相対位置を表す信号を出力するヘッド12を有する。例えば、ヘッド12は、光学ヘッドである場合、スケール14に対して光を照射可能であり、且つ、スケール14からの反射光を受光可能な位置に設けられる。すなわち、ヘッド12は、スケール14に対して第1方向の位置が重複し、且つ、スケール14に対して垂直方向の位置が異なる。
【0023】
操作部材26は、作業者またはロボット等による操作に応じて、調整部材22の第1方向の位置を移動させる。例えば、操作部材26は、ボルトである。操作部材26は、中心軸が第1方向に平行に配置される。
【0024】
調整部材22は、第1方向の端部にボルト穴32が形成される。ボルト穴32は、中心軸が第1方向に形成される。ボルト穴32は、操作部材26におけるボルト軸の先端部が挿入される。そして、ボルト穴32の内周面には、操作部材26におけるボルト軸の先端部のネジ山にかみ合うようなネジ山が形成される。
【0025】
さらに、ベース部材21は、ボルト保持部33を有する。ボルト保持部33は、ベース部材21の、調整部材22に対向したベース上面21Tの上における、ボルト穴32よりも第1方向の外側であって、調整部材22の第1方向の移動によって機械的に干渉しない位置に設けられる。ボルト保持部33は、ボルト軸の先端部がボルト穴32に挿入された状態において、操作部材26を、中心軸を中心に回転可能、且つ、垂直方向に移動可能に保持する。さらに、ボルト保持部33は、操作部材26を、第1方向に移動させないように、第1方向に固定した位置に保持する。
【0026】
このような構成の反射型エンコーダ10は、ベース部材21が、距離の変化量の検出対象である2つの物体または同一物体の異なる2点のうち一方に取り付けられる。また、反射型エンコーダ10は、スケールホルダ24が、2つの物体または同一物体の異なる2点のうちのベース部材21が取り付けられていない他方に取り付けられる。これにより、反射型エンコーダ10は、2つの物体または同一物体の異なる2点における第1方向の距離の変動に従って、ヘッド12とスケール14との第1方向の相対位置を変化させることができる。
【0027】
ここで、ベース部材21は、第1ベース傾斜部41と、第2ベース傾斜部42とを有する。また、調整部材22は、第1下傾斜部43と、第2下傾斜部44と、第1上傾斜部45と、第2上傾斜部46とを有する。また、ホルダ支持部材23は、第1ホルダ傾斜部47と、第2ホルダ傾斜部48とを有する。
【0028】
第1ベース傾斜部41は、ベース部材21における、調整部材22に対向した面であるベース上面21Tに設けられる。第1ベース傾斜部41は、ベース上面21Tから垂直方向の上側に突出する。第1ベース傾斜部41は、第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む。
【0029】
第2ベース傾斜部42は、ベース上面21Tに設けられる。第2ベース傾斜部42は、ベース上面21Tから垂直方向の上側に突出する。第2ベース傾斜部42は、第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む。第2ベース傾斜部42は、第1方向における位置が、第1ベース傾斜部41と異なる。また、第2ベース傾斜部42は、傾斜角および傾斜方向が第1ベース傾斜部41と同一である。
【0030】
なお、第1ベース傾斜部41および第2ベース傾斜部42の傾斜角は、ベース上面21Tに対する角度である。傾斜方向は、下りの傾斜角が最大となる方向である。例えば、図の例において、第1ベース傾斜部41および第2ベース傾斜部42の傾斜方向は、右から左に向かう方向である。
【0031】
第1下傾斜部43は、調整部材22における、ベース部材21に対向した面である調整部材下面22Bに設けられる。第1下傾斜部43は、調整部材下面22Bから垂直方向の下側に突出する。第1下傾斜部43は、第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む。
【0032】
第1下傾斜部43は、傾斜角が第1ベース傾斜部41と同一であり、傾斜方向が第1ベース傾斜部41と逆向きである。なお、第1下傾斜部43の傾斜角は、調整部材下面22Bに対する角度である。また、例えば、図の例において、第1下傾斜部43の傾斜方向は、左から右に向かう方向である。
【0033】
そして、第1下傾斜部43は、傾斜面が第1ベース傾斜部41の傾斜面と突き当たって接触する位置に設けられる。より詳しくは、第1下傾斜部43は、調整部材22が第1方向に移動した場合においても、少なくとも傾斜面の一部分が、第1ベース傾斜部41の傾斜面と突き当たって接触するように設けられる。
【0034】
第2下傾斜部44は、調整部材下面22Bに設けられる。第2下傾斜部44は、調整部材下面22Bから垂直方向の下側に突出する。第2下傾斜部44は、第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む。
【0035】
第2下傾斜部44は、第1方向における位置が第1下傾斜部43と異なる。また、第2下傾斜部44は、傾斜角および傾斜方向が第1下傾斜部43と同一である。なお、第2下傾斜部44の傾斜角は、調整部材下面22Bに対する角度である。また、例えば、図の例において、第2下傾斜部44の傾斜方向は、左から右に向かう方向である。
【0036】
そして、第2下傾斜部44は、傾斜面が第2ベース傾斜部42の傾斜面と突き当たって接触する位置に設けられる。より詳しくは、第2下傾斜部44は、調整部材22が第1方向に移動した場合においても、少なくとも傾斜面の一部分が、第2ベース傾斜部42の傾斜面と突き当たって接触するように設けられる。
【0037】
第1上傾斜部45は、調整部材22における、ホルダ支持部材23に対向した面である調整部材上面22Tに設けられる。第1上傾斜部45は、調整部材上面22Tから垂直方向の上側に突出する。第1上傾斜部45は、第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む。
【0038】
さらに、第1上傾斜部45は、傾斜方向が、第1下傾斜部43および第2下傾斜部44と同一である。例えば、図の例において、第1上傾斜部45の傾斜方向は、左から右に向かう方向である。
【0039】
第2上傾斜部46は、調整部材上面22Tに設けられる。第2上傾斜部46は、調整部材上面22Tから垂直方向の上側に突出する。第2上傾斜部46は、第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む。第2上傾斜部46は、第1方向における位置が、第1上傾斜部45と異なる。また、第2上傾斜部46は、傾斜角および傾斜方向が第1上傾斜部45と同一である。
【0040】
なお、第1上傾斜部45および第2上傾斜部46の傾斜角は、調整部材上面22Tに対する角度である。例えば、図の例において、第2上傾斜部46の傾斜方向は、左から右に向かう方向である。
【0041】
第1ホルダ傾斜部47は、ホルダ支持部材23における、調整部材22に対向した面であるホルダ下面23Bに設けられる。第1ホルダ傾斜部47は、ホルダ下面23Bから垂直方向の下側に突出する。第1ホルダ傾斜部47は、第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む。
【0042】
第1ホルダ傾斜部47は、傾斜角が第1上傾斜部45と同一であり、傾斜方向が第1上傾斜部45と逆向きである。なお、第1ホルダ傾斜部47の傾斜角は、ホルダ下面23Bに対する角度である。また、例えば、図の例において、第1ホルダ傾斜部47の傾斜方向は、右から左に向かう方向である。
【0043】
そして、第1ホルダ傾斜部47は、傾斜面が第1上傾斜部45の傾斜面と突き当たって接触する位置に設けられる。より詳しくは、第1ホルダ傾斜部47は、調整部材22が第1方向に移動した場合においても、少なくとも傾斜面の一部分が、第1上傾斜部45の傾斜面と突き当たって接触するように設けられる。
【0044】
第2ホルダ傾斜部48は、ホルダ下面23Bに設けられる。第2ホルダ傾斜部48は、ホルダ下面23Bから垂直方向の下側に突出する。第2ホルダ傾斜部48は、第1方向に平行な方向に対して傾斜した傾斜面を含む。
【0045】
第2ホルダ傾斜部48は、第1方向における位置が第1ホルダ傾斜部47と異なる。また、第2ホルダ傾斜部48は、傾斜角および傾斜方向が第1ホルダ傾斜部47と同一である。なお、第2ホルダ傾斜部48の傾斜角は、ホルダ下面23Bに対する角度である。また、例えば、図の例において、第2ホルダ傾斜部48の傾斜方向は、右から左に向かう方向である。
【0046】
そして、第2ホルダ傾斜部48は、傾斜面が第2上傾斜部46の傾斜面と突き当たって接触する位置に設けられる。より詳しくは、第2ホルダ傾斜部48は、調整部材22が第1方向に移動した場合においても、少なくとも傾斜面の一部分が、第2上傾斜部46の傾斜面と突き当たって接触するように設けられる。
【0047】
このような傾斜部が設けられた反射型エンコーダ10は、調整部材22が、第1方向におけるプラス側およびマイナス側に移動することによって、ヘッド12とスケール14との間の垂直方向の距離を変化させることができる。
【0048】
例えば、図1に示すように、調整部材22が第1方向(Y方向)のプラス側(図面右側)に移動した第1状態において、第1ベース傾斜部41と第1下傾斜部43との組は、高い部分同士で突き当たる。同様に、第1状態において、第2ベース傾斜部42と第2下傾斜部44との組、第1上傾斜部45と第1ホルダ傾斜部47との組、および、第2上傾斜部46と第2ホルダ傾斜部48との組も、高い部分同士で突き当たる。従って、第1状態において、スケール14は、垂直方向に上側に移動して、ヘッド12に近づく。すなわち、第1状態において、反射型エンコーダ10は、ヘッド12とスケール14との間の垂直方向の距離が近くなる。
【0049】
また、例えば、図2に示すように、調整部材22が第1方向(Y方向)のマイナス側(図中左側)に移動した第2状態においては、第1ベース傾斜部41と第1下傾斜部43との組は、高い部分と低い部分で突き当たる。同様に、第2状態において、第2ベース傾斜部42と第2下傾斜部44との組、第1上傾斜部45と第1ホルダ傾斜部47との組、および、第2上傾斜部46と第2ホルダ傾斜部48との組も、高い部分と低い部分で突き当たる。従って、第2状態において、スケール14は、垂直方向の下側に移動して、ヘッド12から遠ざかる。すなわち、第1状態において、反射型エンコーダ10は、ヘッド12とスケール14との間の垂直方向の距離が遠くなる。
【0050】
このように、反射型エンコーダ10は、調整部材22を第1方向におけるプラス側およびマイナス側に移動させることにより、微小な距離単位で精度良くヘッド12とスケール14との間の距離を調整することができる。
【0051】
なお、本実施形態においては、反射型エンコーダ10は、第1ベース傾斜部41、第2ベース傾斜部42、第1下傾斜部43、第2下傾斜部44、第1上傾斜部45、第2上傾斜部46、第1ホルダ傾斜部47および第2ホルダ傾斜部48に加えて、他の同様の傾斜部を備えてもよい。
【0052】
また、反射型エンコーダ10は、ベース部材21と調整部材22との間に傾斜部を備え、調整部材22とホルダ支持部材23との間に傾斜部を備えない構成であってもよい。例えば、反射型エンコーダ10は、第1ベース傾斜部41、第2ベース傾斜部42、第1下傾斜部43および第2下傾斜部44を備え、第1上傾斜部45、第2上傾斜部46、第1ホルダ傾斜部47および第2ホルダ傾斜部48を備えない構成であってもよい。反対に、また、反射型エンコーダ10は、ベース部材21と調整部材22との間に傾斜部を備えず、調整部材22とホルダ支持部材23との間に傾斜部を備える構成であってもよい。例えば、反射型エンコーダ10は、第1ベース傾斜部41、第2ベース傾斜部42、第1下傾斜部43および第2下傾斜部44を備えずに、第1上傾斜部45、第2上傾斜部46、第1ホルダ傾斜部47および第2ホルダ傾斜部48を備える構成であってもよい。
【0053】
また、反射型エンコーダ10は、各傾斜部の傾斜角を大きくするほど、調整部材22の第1方向の移動量に対する、垂直方向の移動量を大きくすることができる。反対に、反射型エンコーダ10は、各傾斜部の傾斜角を小さくするほど、調整部材22の第1方向の移動量に対して垂直方向の移動量を微小な単位ずつ移動させることができる。また、本実施形態において、反射型エンコーダ10は、ベース部材21と調整部材22との間、および、調整部材22とホルダ支持部材23との間のそれぞれに傾斜部を有する。これにより、反射型エンコーダ10は、調整部材22の第1方向の移動量に対する、垂直方向の移動量を大きくすることができる。
【0054】
さらに、調整部材22は、操作部材26が操作されることにより、第1方向に移動する。本実施形態においては、操作部材26は、例えば、先端部が調整部材22の第1方向の端部に挿入されたボルトである。従って、調整部材22は、操作部材26が作業者またはロボット等の操作によって回転することによって、第1方向のプラス側またはマイナス側に移動する。
【0055】
これにより、作業者またはロボットは、1個のボルトを回転させることによって、ヘッド12とスケール14との間の距離を調整することができる。従って、反射型エンコーダ10は、非常に簡易によりヘッド12とスケール14との間の距離を調整させることができる。
【0056】
以上のように、本実施形態に係る反射型エンコーダ10によれば、ヘッド12とスケール14との間の距離を非常に簡易に精度良く調整することができる。なお、本実施形態においては、スケールホルダ24およびスケール14は、直線動作をする。しかし、スケールホルダ24は、リング状であって、回転動作をしてもよい。この場合、第1方向は、ヘッド12に対向する位置での、リング状のスケールホルダ24における接線の方向となる。すなわち、反射型エンコーダ10は、光反射型のリニアエンコーダであってもよいし、光反射型のロータリーエンコーダであってもよい。
【0057】
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態に係る反射型エンコーダ10について説明する。第2実施形態に係る反射型エンコーダ10は、第1実施形態とほぼ同一の構成であるので、同一の機能および構成を有する部材については同一の符号を付けて相違点を除き詳細な説明を省略する。
【0058】
図4は、第2実施形態に係る反射型エンコーダ10の斜視図である。図5は、第2実施形態に係る反射型エンコーダ10の分解斜視図である。図6は、第2実施形態に係る反射型エンコーダ10の部分断面図である。
【0059】
第2実施形態において、ヘッド基板25は、信号処理回路51と、通信端子52とを有する。信号処理回路51は、ヘッド12により検出されたヘッド12とスケール14との第1方向の相対位置の変化を表す信号に対して信号処理をする。通信端子52は、遠隔地に設けられた他の装置と通信ケーブル等を介して通信をする。これにより、反射型エンコーダ10は、他の装置に2つの物体の間の距離の変化量または同一物体の2点間の距離の変化量を送信することができる。
【0060】
また、ヘッド基板25は、複数の基板固定ネジ53により、ベース部材21に形成された複数の接続部材31にねじ止めされる。これにより、ヘッド基板25は、ベース部材21に対して垂直方向および第1方向の位置が固定される。
【0061】
ベース部材21に設けられるボルト保持部33は、ボルトガイド部55と、蓋部56と、2個の蓋固定ネジ57とを有する。
【0062】
ボルトガイド部55は、ボルトである操作部材26のボルト軸の中心軸を第1方向に保持するとともに、操作部材26を回転可能に保持する。例えば、ボルトガイド部55は、X方向の幅がボルト軸の直径よりもやや大きいU状の溝を有する。操作部材26は、ボルト軸がボルトガイド部55の溝に挿入される。蓋部56は、ボルト軸がボルトガイド部55の溝に挿入された状態で溝の上部に配置され、ボルト軸を溝の上から飛び出さないように規制する。2個の蓋固定ネジ57は、蓋部56をボルトガイド部55に固定する。
【0063】
ボルトガイド部55に形成された溝の垂直方向の深さは、ボルト軸の直径よりも長い。従って、操作部材26は、調整部材22の垂直方向の移動に伴って、垂直方向に移動することができる。これにより、ボルトガイド部55は、操作部材26を垂直方向に移動可能に保持することができる。
【0064】
操作部材26は、ボルト軸の中心軸に沿った方向の一部分に規制部58を有する。規制部58の直径は、ボルト軸の直径よりも太く、U状の溝のX方向の長さより長い。
【0065】
操作部材26は、ボルトガイド部55のU状の溝に、ボルト軸における、ボルト頭と規制部58との間の部分がはめ合わされる。これにより、操作部材26は、調整部材22から離れる方向への移動する力が加わった場合であっても、規制部58がボルトガイド部55に引っ掛かり、第1方向の移動が規制される。また、操作部材26は、調整部材22に近づく方向への移動する力が加わった場合であっても、ボルト頭がボルトガイド部55に引っ掛かり、第1方向の移動が規制される。これにより、操作部材26は、回転することによりボルト軸の先端が調整部材22の外部から内部へと移動したりまたは内部から外部への方向へと移動した場合において、第1方向の移動が規制され、調整部材22のみを第1方向に移動させることができる。
【0066】
反射型エンコーダ10は、スライドベアリング60をさらに備える。スライドベアリング60は、軸受61と、ベアリング軸62とを有する。スライドベアリング60は、軸受61およびベアリング軸62の相対位置が第1方向に移動可能に設けられる。
【0067】
スライドベアリング60は、ホルダ支持部材23とスケールホルダ24との間に領域に設けられる。スケールホルダ24は、軸受61またはベアリング軸62のうちの一方に固定される。ホルダ支持部材23は、軸受61またはベアリング軸62のうちのスケールホルダ24が固定されていない方の一方に固定される。本実施形態においては、軸受61は、スケールホルダ24に固定される。また、本実施形態においては、ベアリング軸62は、ホルダ支持部材23側が露出しており、ホルダ支持部材23に固定される。これにより、ホルダ支持部材23は、スケールホルダ24を、第1方向に移動可能に保持することができる。
【0068】
また、第2実施形態において、ホルダ支持部材23は、ベース部材21との間に調整部材22を挟み込み、ばね力により調整部材22をベース部材21側に押し付ける。これにより、ホルダ支持部材23は、垂直方向に移動可能とするとともに、ガタつきを抑えながら調整部材22を垂直方向および第1方向に移動可能に保持することができる。
【0069】
例えば、反射型エンコーダ10は、複数のガイドボルト65と、複数のガイドボルト65に対応する複数のコイルバネ66とをさらに備える。ホルダ支持部材23は、複数のガイドボルト65に対応する複数のガイド孔67が形成されている。複数のガイドボルト65のそれぞれは、ボルト軸が垂直方向に向けられた状態で、ベース部材21の反対側の面から対応するガイド孔67に挿入される。ベース部材21は、複数のガイド孔67に対応する位置に、複数のネジ穴68が形成されている。複数のガイドボルト65のそれぞれは、ベース部材21に形成された対応するネジ穴68にねじ止めされ、ボルト軸の先端部がベース部材21に固定される。
【0070】
さらに、図6の部分断面図に示すように、複数のコイルバネ66のそれぞれは、対応するガイドボルト65のボルト軸が挿入される。そして、複数のコイルバネ66のそれぞれは、対応するガイドボルト65のボルト頭と、ホルダ支持部材23との間に配置される。これにより、複数のコイルバネ66のそれぞれは、ホルダ支持部材23をばね力によりベース部材21の方向へと移動させる。従って、ホルダ支持部材23は、垂直方向に移動可能となるとともに、ベース部材21との間に調整部材22を挟み込み、ばね力により調整部材22をベース部材21側に押し付けることができる。
【0071】
また、第2実施形態において、反射型エンコーダ10は、第1ロックボルト71と、第2ロックボルト72とをさらに備える。
【0072】
第1ロックボルト71および第2ロックボルト72は、調整部材22の第1方向における位置が調整されたことによりヘッド12とスケール14との間の垂直方向の距離が定まった後において、調整部材22をベース部材21に対して固定する。
【0073】
第1ロックボルト71は、例えば、ボルト軸が垂直方向に平行となるように配置される。第1ロックボルト71は、ホルダ支持部材23側から挿入されて、ホルダ支持部材23とベース部材21との間に調整部材22を挟んだ状態で、ボルト軸の先端部がベース部材21に固定される。これにより、第1ロックボルト71は、調整部材22をベース部材21に対して固定することができる。
【0074】
第2ロックボルト72は、例えば、ボルト軸がX方向に平行となるように配置される。ベース部材21は、X方向に平行となるような配置された第2ロックボルト72のボルト軸が挿入される貫通孔が形成されたロックボルト保持部73を有する。第2ロックボルト72は、ロックボルト保持部73の貫通孔に、調整部材22とは反対側から挿入されて、調整部材22に固定される。これにより、第2ロックボルト72は、調整部材22をベース部材21に対して固定することができる。
【0075】
図7は、第2実施形態に係る、第1状態の反射型エンコーダ10の断面図である。例えば、反射型エンコーダ10は、図7に示すように、調整部材22が第1方向(Y方向)のプラス側(図中右側)に移動した第1状態となったとする。第1状態において、第1ベース傾斜部41と第1下傾斜部43との組、第2ベース傾斜部42と第2下傾斜部44との組、第1上傾斜部45と第1ホルダ傾斜部47との組、および、第2上傾斜部46と第2ホルダ傾斜部48との組は、傾斜面の高い位置同士で突き当たる。これにより、第1状態において、反射型エンコーダ10は、ヘッド12とスケール14との間の垂直方向の距離を近くすることができる。
【0076】
図8は、第2実施形態に係る、第2状態の反射型エンコーダ10の断面図である。例えば、反射型エンコーダ10は、図8に示すように、調整部材22が第1方向(Y方向)のマイナス側(図中左側)に移動した第2状態となったとする。第2状態において、第1ベース傾斜部41と第1下傾斜部43との組、第2ベース傾斜部42と第2下傾斜部44との組、第1上傾斜部45と第1ホルダ傾斜部47との組、および、第2上傾斜部46と第2ホルダ傾斜部48との組は、傾斜面の高い位置と低い位置とで突き当たる。これにより、第2状態において、反射型エンコーダ10は、ヘッド12とスケール14との間の垂直方向の距離を近くすることができる。
【0077】
以上のように、第2実施形態に係る反射型エンコーダ10においても、第1実施形態と同様に、ヘッド12とスケール14との間の距離を非常に簡易に精度良く調整することができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、種々の変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0079】
10 反射型エンコーダ
12 ヘッド
14 スケール
21 ベース部材
22 調整部材
23 ホルダ支持部材
24 スケールホルダ
25 ヘッド基板
26 操作部材
31 接続部材
32 ボルト穴
33 ボルト保持部
41 第1ベース傾斜部
42 第2ベース傾斜部
43 第1下傾斜部
44 第2下傾斜部
45 第1上傾斜部
46 第2上傾斜部
47 第1ホルダ傾斜部
48 第2ホルダ傾斜部
51 信号処理回路
52 通信端子
53 基板固定ネジ
55 ボルトガイド部
56 蓋部
57 蓋固定ネジ
58 規制部
60 スライドベアリング
61 軸受
62 ベアリング軸
65 ガイドボルト
66 コイルバネ
67 ガイド孔
68 ネジ穴
71 水平ロックボルト
72 垂直ロックボルト
73 ロックボルト保持
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8