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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】監視システム、監視方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20240419BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20240419BHJP
   G08B 21/04 20060101ALI20240419BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/10 A
G08B21/04
H04M11/00 301
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020218737
(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公開番号】P2022103848
(43)【公開日】2022-07-08
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】宮内 隆
(72)【発明者】
【氏名】安藤 萌
(72)【発明者】
【氏名】田代 達一郎
(72)【発明者】
【氏名】倉林 慶太
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-086997(JP,A)
【文献】特開2007-334582(JP,A)
【文献】特開2019-149003(JP,A)
【文献】特開2017-199239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S5/00-5/14
19/00-19/55
G08B19/00-31/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知対象エリアに設置される設備の識別情報と、検知対象機器の識別情報と、前記検知対象エリアにおける複数の中継装置の各々における前記検知対象機器との通信の受信強度とを含む登録要求を、前記複数の中継装置の各々から取得し、前記登録要求に含まれる前記設備の識別情報と、前記検知対象機器の識別情報と、前記受信強度を示す基準値とを紐づけて記録する記録手段と、
前記検知対象エリアにおける検知対象機器の位置を検知する位置検知部と、
前記検知対象エリアにおける設備の位置と前記検知対象エリアにおける検知対象機器の位置との関係に基づいて、前記検知対象機器の当該設備の近傍における滞留時間を計測する滞留時間計測部と、
前記滞留時間に応じて警報情報を出力する警報情報出力部と、
を備える監視システム。
【請求項2】
前記位置検知部は、前記検知対象機器から発せられた監視要求に含まれる前記検知対象機器の識別情報と、前記複数の中継装置の各々の識別情報と、前記検知対象エリアにおける複数の中継装置の各々における前記検知対象機器との通信の受信強度と、前記記録手段に記録される情報との比較に基づいて、前記検知対象機器の位置を特定する
請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記位置検知部は、前記検知対象機器が計測した自装置の位置情報を当該検知対象機器から受信して当該検知対象機器の位置を検知する
請求項1に記載の監視システム。
【請求項4】
前記検知対象エリアは家の内部であり、
前記滞留時間計測部は、前記家の内部に設置されている設備の位置と当該家における検知対象機器の位置との関係と、前記検知対象機器の当該位置における滞留時間を計測する
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の監視システム。
【請求項5】
前記検知対象機器は位置検知装置を備える請求項1から請求項4の何れか一項に記載の監視システム。
【請求項6】
前記警報情報出力部が出力する警報情報は、前記検知対象機器の識別情報に紐づいて前記記録手段に記録される情報と、外部装置の検索結果の情報とを含む、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の監視システム。
【請求項7】
検知対象エリアに設置される設備の識別情報と、検知対象機器の識別情報と、前記検知対象エリアにおける複数の中継装置の各々それぞれにおける前記検知対象機器との通信の受信強度とを含む登録要求を、前記複数の中継装置の各々から取得し、前記登録要求に含まれる前記設備の識別情報と、前記検知対象機器の識別情報と、前記受信強度を示す基準値とを紐づけて記録するステップと、
前記検知対象エリアにおける検知対象機器の位置を検知するステップと、
前記検知対象エリアにおける設備の位置と前記検知対象エリアにおける検知対象機器の位置との関係と、前記検知対象機器の当該位置における滞留時間を計測するステップと、
前記滞留時間に応じて警報情報を出力するステップと、を備える、
監視方法。
【請求項8】
前記検知対象エリアにおける検知対象機器の位置を検知するステップでは、前記検知対象機器から発せられた監視要求に含まれる前記検知対象機器の識別情報と、前記複数の中継装置の各々の識別情報と、前記検知対象エリアにおける複数の中継装置の各々における前記検知対象機器との通信の受信強度と、前記記録される情報との比較に基づいて、前記検知対象機器の位置を特定する
請求項7に記載の監視方法。
【請求項9】
監視システムのコンピュータを、
検知対象エリアに設置される設備の識別情報と、検知対象機器の識別情報と、前記検知対象エリアにおける複数の中継装置の各々における前記検知対象機器との通信の受信強度とを含む登録要求を、前記複数の中継装置の各々から取得し、前記登録要求に含まれる前記設備の識別情報と、前記検知対象機器の識別情報と、前記受信強度を示す基準値とを紐づけて記録する記録手段と、
前記検知対象機器から発せられた監視要求に含まれる前記検知対象機器の識別情報と、前記複数の中継装置の各々の識別情報と、前記検知対象エリアにおける複数の中継装置の各々における前記検知対象機器との通信の受信強度と、前記記録手段に記録される情報との比較に基づいて、前記検知対象エリアにおける前記検知対象機器の位置を検知する位置検知手段、
前記検知対象エリアにおける設備の位置と前記検知対象エリアにおける検知対象機器の位置との関係と、前記検知対象機器の当該位置における滞留時間を計測する滞留時間計測手段、
前記滞留時間に応じて警報情報を出力する警報情報出力手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視システム、監視方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
家などの検知対象エリアを監視する技術が多く開示されている。例えば特許文献1には、外出先から自宅のセキュリティシステムの情報の入手し、自宅を制御することのできる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-157665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなセキュリティシステムにおいて、家などの検知対象エリアに居る人物の状態を容易に監視することのできる技術が望まれている。
【0005】
そこで本開示は、上述の課題を解決する、監視システム、監視方法、プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第一の態様によれば、監視システムは、検知対象エリアにおける検知対象機器の位置を検知する位置検知部と、前記検知対象エリアにおける設備の位置と前記検知対象エリアにおける検知対象機器の位置との関係と、前記検知対象機器の当該位置における滞留時間を計測する滞留時間計測部と、前記滞留時間に応じて警報情報を出力する警報情報出力部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示による監視システムの概略構成図である。
図2】本開示による監視装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】本開示による監視装置の機能ブロック図である。
図4】本開示による検知対象エリアの一例を示す図である。
図5】本開示による監視システムの処理フローを示す第一の図である。
図6】本開示による監視システムの処理フローを示す第二の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一実施形態による監視システムを、図面を参照して説明する。図1で示すように監視システム100は、少なくとも監視装置1、ルータ21(無線装置)、ゲートウェイ装置22を含んで構成される。ルータ21とゲートウェイ装置22は検知対象エリア20に配置される。ルータ21とゲートウェイ装置22とは有線または無線により通信接続する。ゲートウェイ装置22は監視装置1とインターネットや公衆回線により通信接続する。検知対象エリア20は、一例として家などの居住施設である。または検知対象エリア20は学校や公共施設などであってもよい。以下、本実施形態の説明において検知対象エリア20は家であることを前提に説明する。
【0009】
検知対象エリア20である家の住人(ユーザ)は検知対象機器2を保持する。検知対象機器2はスマートフォン、スマートウォッチなど、ルータ21と通信接続する通信端末であればどのようなものであってもよい。検知対象機器2とルータ21との通信接続の規格は公知の規格であればどのような規格であってもよい。ユーザは検知対象機器2を保持して家の中を移動する。
【0010】
図2で示すように、監視装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、データベース104、通信モジュール105等の各ハードウェアを備えたコンピュータである。検知対象機器2も同様のハードウェア構成を備えたコンピュータである。
【0011】
図3で示すように、監視装置1は、CPU101がROM102等に記憶するサーバプログラムを実行する。これにより監視装置1は、少なくとも、制御部11、位置検知部12、滞留時間計測部13、警報情報出力部14、登録処理部15の各機能を備える。制御部11は、監視装置1を制御する。位置検知部12は、検知対象エリア20における検知対象機器2の位置を検知する。滞留時間計測部13は、検知対象エリア20に設置されている設備の位置と検知対象エリア20における検知対象機器2の位置との関係に基づいて、検知対象機器2の当該設備の近傍における滞留時間を計測する。警報情報出力部14は、滞留時間に応じて警報情報を出力する。登録処理部15は、検知対象エリア20における設備の位置の登録処理を行う。
【0012】
<第一実施形態>
第一実施形態における監視システムの処理を図4図5図6を参照して説明する。検知対象エリア20は一例としては、図4で示すように家の1フロアの内部である。家が戸建ての場合には、検知対象エリア20は複数フロアと庭などの家の外部を含んでもよい。検知対象エリア20における設備とは、一例としては、風呂、トイレ、脱衣所、キッチン、リビング、洋室、玄関などであってよい。ゲートウェイ装置22は検知対象機器2である携帯端末3の各ルータにおける無線通信の受信強度を所定の受信強度送信間隔で記憶する。例えば各ルータ21は携帯端末3と無線通信した際の受信強度を1分毎などの所定間隔毎にゲートウェイ装置22へ送信する。ゲートウェイ装置22は、携帯端末3のID、ルータ21のID、受信強度を所定の受信強度送信間隔で記憶する。携帯端末3のIDは、IPアドレスやMACアドレス、その他の端末を識別できる情報であればどのような情報であってもよい。ルータ21のIDも、IPアドレスやMACアドレス、その他のルータを識別できる情報であればどのような情報であってもよい。
【0013】
家の住人などのユーザは検知対象機器2である携帯端末3を利用して各設備の位置を登録する。この場合ユーザは携帯端末3に専用アプリケーションプログラムをダウンロードする。ユーザは専用アプリケーションプログラムをダウンロードすると、携帯端末3を携帯して各設備の位置に立ち、専用アプリケーションを起動して携帯端末3の画面に表示された登録画面において、設備名を選択するとともに位置登録ボタンを押下する。携帯端末3は、位置登録ボタンの押下を検出する(ステップS101)。携帯端末3のIDと設備名とを少なくとも含む登録要求を送信する(ステップS102)。登録要求はルータ21を介してゲートウェイ装置22が受信する。ゲートウェイ装置22は、登録要求に含まれる携帯端末3のID、設備名、携帯端末3のIDに紐づいて記憶する各ルータ21の受信強度を含む登録要求を、監視装置1へ送信する(ステップS103)。
【0014】
監視装置1の登録処理部15は登録要求を取得する(ステップS104)。登録処理部15は登録要求に含まれる携帯端末3のID、設備名、各ルータ21の受信強度を紐づけて、データベース104内の設備位置テーブルに記録する(ステップS105)。これにより設備位置テーブルには、携帯端末3のIDが示す携帯端末3がその設備の近傍に位置する場合の、各ルータ21における受信強度の基準値が登録される。
【0015】
ユーザは検知対象エリア20における所望の設備のそれぞれについて同様に登録要求のための操作を行う。これにより、設備位置テーブルには、風呂、トイレ、脱衣所、キッチン、リビング、洋室、玄関などの各設備に携帯端末3が位置する場合の各ルータ21の受信強度の基準値が登録される。このような登録が行われた後にユーザは監視要求を行う。
【0016】
具体的にはユーザは、携帯端末3の画面に表示された監視開始画面において開始ボタンのアイコンを押下する。携帯端末3は開始ボタンの押下を検出する(ステップS201)。携帯端末3は、監視要求を監視装置1へ送信する(ステップS202)。監視要求には携帯端末3のIDが含まれる。携帯端末3は、所定の監視間隔で監視要求を送信する。ルータ21は監視要求を受信してゲートウェイ装置22へ送信する(ステップS203)。ゲートウェイ装置22は、監視要求を受信するとその監視要求に含まれる携帯端末3のIDに基づいて、自装置で記憶する最新の各ルータ21における受信強度を取得する。ルータ21は動作している間、所定の受信強度送信間隔で携帯端末3の受信強度をゲートウェイ装置22へ送信しているものとする。ゲートウェイ装置22は、取得した各ルータ21の最新の受信強度を監視要求に格納する。これにより監視要求には携帯端末3のID、ルータ21のIDとそのルータ21における携帯端末3の受信強度との組み合わせが少なくとも含まれる。ゲートウェイ装置22は監視要求を監視装置1へ送信する(ステップS204)。
【0017】
監視装置1の位置検知部12は、監視要求を取得する(ステップS205)。位置検知部12は、監視要求から携帯端末3のIDを取得して、当該IDに紐づいて設備位置テーブルに記録されている設備ごとの各ルータ21の受信強度の基準値を取得する。位置検知部12は、監視要求から各ルータ21の受信強度を取得する。位置検知部12は、設備ごとの各ルータ21の受信強度の基準値の組み合わせと、監視要求から取得した各ルータ21の受信強度の組み合わせとに基づいて、その受信強度の組み合わせが類似するかを判定する(ステップS206)。例えば位置検知部12は、検知対象エリア20に3つのルータ21があり、それぞれをルータ21a、ルータ21b、ルータ21cとする場合、ルータ21a、ルータ21b、ルータ21cの各設備の受信強度の基準値を取得する。位置検知部12は、監視要求に含まれるルータ21aの受信強度と当該ルータ21aの受信強度の基準値との差a、監視要求に含まれるルータ21bの受信強度と当該ルータ21bの受信強度の基準値との差b、監視要求に含まれるルータ21cの受信強度と当該ルータ21cの受信強度の基準値との差c、がそれぞれ閾値以下かを判定する。位置検知部12は、差a、b、cのそれぞれが閾値以下である場合、監視要求に含まれるIDが示す携帯端末3は、その設備の近傍に位置すると判定する。位置検知部12は、監視要求に含まれるIDが示す携帯端末3の各設備のうちの何れかの設備の近傍に位置するかを判定する。位置検知部12は、監視要求に含まれるIDが示す携帯端末3が、ある設備の近傍に位置すると判定すると、その設備のIDと携帯端末3のIDと時刻とを滞留テーブルに記録する(ステップS207)。位置検知部12は監視要求を取得する度に同様の処理を繰り返す。
【0018】
滞留時間計測部13は、滞留テーブルに記録されている設備のIDと携帯端末3のIDが同じ一つの組み合わせに紐づく最初の時刻と最後の時刻の差(滞留時間)を算出する(ステップS208)。滞留時間計測部13は、設備のIDと携帯端末3のIDが同じ一つの組み合わせに紐づく最初の時刻と最後の時刻の差(滞留時間)が所定時間以上となる設備のIDと携帯端末3のIDの組合せを特定する(ステップS209)。設備のIDと携帯端末3のIDが同じ一つの組み合わせに紐づく最初の時刻と最後の時刻の差(滞留時間)が所定時間以上となる場合、その組み合わせに含まれるIDの携帯端末3が同じくその組み合わせに含まれるIDの設備の近傍に位置する滞留時間が長いと判定できる。この場合、滞留時間計測部13は、滞留時間が所定時間以上となる設備のIDと携帯端末3のIDの組み合わせと滞留時間とを含む警報情報送信要求を警報情報出力部14へ出力する。
【0019】
警報情報出力部14は、滞留時間計測部13から取得した警報情報送信要求に含まれる設備のIDと携帯端末3のIDとの組み合わせに基づいて、携帯端末3のIDを特定する。警報情報出力部14は、当該携帯端末3のIDに対応する警報情報送信先をデータベース104から取得する。警報情報送信先は携帯端末3のIDに紐づいてデータベース104が記憶するメールアドレスや、携帯端末3のIPアドレスなどであってよい。警報情報出力部14は、警報情報送信要求から設備IDと滞留時間とを取得し、設備IDに紐づいてデータベース104が記憶する設備名と、滞留時間と少なくとも含む警報ウェブページを生成する。警報情報出力部14は、携帯端末3のIDに紐づいてデータベース104が記憶する携帯端末3のユーザ名、家に付した名称、地図、などの情報を加え警報ウェブページを生成してもよい。警報情報出力部14は、外部装置の検索結果を含む情報を含む警報ウェブページを生成してもよい。例えば警報情報出力部14は、携帯端末3のIDに紐づいてデータベース104が記憶する携帯端末3のユーザの家の住所を取得し、当該住所を経路検索サーバへ送信する。警報情報出力部14は、その結果経路検索サーバから携帯端末3が位置する家までの経路情報を取得し、当該経路情報を含む警報ウェブページを生成してもよい。経路情報には、道路情報、利用交通機関、利用交通機関の出発時刻や到着時刻、所要時間などが含まれてよい。警報情報出力部14は、生成した警報ウェブページを警報情報送信先へ送信する(ステップS210)。警報ウェブページは警報情報の一態様である。警報情報出力部14は、生成した警報ウェブページにアクセスするためのネットワークアドレス(URLなど)を警報情報送信先へ送信してもよい。
【0020】
以上の処理によれば、所定の検知対象エリア20において携帯端末3の位置が所定の設備の近傍において滞留している時間が所定時間以上となる場合、監視装置1は警報情報を所定の出力先へ送信することができる。これにより、検知対象エリア20において、動かなくなったユーザの身におきた危険を検知することができ、所望の送信先へその危険を知らせるための警報情報を送信することができる。
【0021】
<第二実施形態>
第一実施形態の処理において、監視装置1は、予めルータ21の相対位置関係を監視装置1が記憶しており、検知対象機器2である携帯端末3の当該相対位置関係における位置を算出して、その位置が設備の近傍である滞留時間が所定時間以上である場合に警報情報を送信するようにしてもよい。つまり、監視装置1は、検知対象エリア20における実際の携帯端末3のルータ21との相対位置を算出してもよい。例えば、監視装置1は、3つ以上の各ルータ21が発信した通信信号の受信側のルータ21における受信強度に基づいて、ルータ21の相対位置を三角測量により算出する。当該算出手法は公知の技術を利用してよい。監視装置1は、3つ以上のルータ21において選択した1つのルータ21を原点として当該原点のルータの位置情報と、他のルータ21の相対位置情報を記憶する。登録処理部15や位置検知部12は、携帯端末3の検知対象エリア20におけるルータ21の相対関係における座標系の位置を、各ルータ21における携帯端末3の受信強度に基づいて、三角測量の手法を用いて算出する。この場合、位置検知部12は、携帯端末3の当該座標系における位置と、各設備の当該座標系における位置との差を算出し、当該差が所定の差未満となる設備を特定する。位置検知部12は、当該特定した設備の近傍に携帯端末3が位置すると判定し、その設備のIDと携帯端末3のIDと時刻とを滞留テーブルに記録する。以降の処理は、上述の処理と同様である。
【0022】
<第三実施形態>
携帯端末3はGPS装置などの位置検知装置を内部に備えていてよい。この場合、携帯端末3は自装置の位置する位置情報を位置検知装置からの出力に基づいて検出する。上述の他の実施形態の処理と同様に、ユーザが携帯端末3を利用して各設備の位置を登録する際に、ユーザは、専用アプリケーションを起動して携帯端末3の画面に表示された登録画面において、設備名を選択するとともに位置登録ボタンを押下する。すると携帯端末3は、携帯端末3のIDと、設備名と、現在の位置情報とを含む登録要求を送信する。ルータ21は登録要求を受信してゲートウェイ装置22へ送信する。ゲートウェイ装置22は登録要求をそのまま監視装置1へ送信する。監視装置1の登録処理部15は登録要求を取得する。登録処理部15は、携帯端末3のIDと、設備名(または設備ID)と、現在の位置情報とを取得し、それらを紐づけてデータベース104内の設備位置テーブルに記録する。携帯端末3の現在の位置情報は、設備名や設備IDが示す設備の位置情報である。
【0023】
ユーザは、携帯端末3の画面に表示された監視開始画面において開始ボタンのアイコンを押下する。すると携帯端末3は、監視要求を監視装置1へ送信する。監視要求には携帯端末3のIDと、携帯端末3の現在の位置情報が含まれる。携帯端末3は、所定の監視間隔で監視要求を送信する。ルータ21は監視要求を受信してゲートウェイ装置22へ送信する。ゲートウェイ装置22は、監視要求を監視装置1へ転送する。
【0024】
監視装置1の位置検知部12は、監視要求を取得する。位置検知部12は携帯端末3の現在の位置情報と、各設備の位置情報との距離を算出して、その距離が所定の距離以下の設備を特定する。位置検知部12は、当該特定した設備の近傍に携帯端末3が位置すると判定し、その設備のIDと携帯端末3のIDと時刻とを滞留テーブルに記録する。以降の処理は、上述の第一実施形態の処理と同様である。
【0025】
<第四実施形態>
ルータ21それぞれがGPS装置などの位置検知装置を内部に備えていてよい。この場合、ルータ21は自装置の位置検知装置で検知した位置情報を含む位置登録要求をゲートウェイ装置22へ送信する。ゲートウェイ装置22は位置登録要求を監視装置1へ送信する。監視装置1の登録処理部15は、位置登録要求に含まれるルータ21の現在の位置情報を、ルータ21のIDに紐づけてデータベース104に登録してよい。このルータ21の位置情報は、検知対象エリア20におけるルータ21の位置情報である。
【0026】
以上、本開示を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0027】
1・・・監視装置、2・・・検知対象機器、3・・・携帯端末、20・・・検知対象エリア、21・・・ルータ、22・・・ゲートウェイ装置、11・・・制御部、12・・・位置検知部、13・・・滞留時間計測部、14・・・警報情報出力部、15・・・登録処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6