(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】シャフトシュレッダー
(51)【国際特許分類】
B02C 18/14 20060101AFI20240419BHJP
B02C 18/22 20060101ALI20240419BHJP
B02C 18/24 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
B02C18/14 A
B02C18/22
B02C18/24
(21)【出願番号】P 2020563533
(86)(22)【出願日】2019-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2019062002
(87)【国際公開番号】W WO2019215312
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-11-18
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512062969
【氏名又は名称】コンポフェルム・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】ガイガー・ヴァルター
【審査官】高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-286781(JP,A)
【文献】国際公開第1997/046321(WO,A1)
【文献】実開平07-037336(JP,U)
【文献】特開2000-033285(JP,A)
【文献】特開平10-286481(JP,A)
【文献】特開2008-110297(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0060583(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01593435(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 13/00 - 13/31
18/00 - 18/38
1/00 - 7/18
15/00 - 17/24
9/00 - 11/08
19/00 - 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械フレーム及び細断ユニット(2)を有するシャフトシュレッダー(1)であって、
細断ユニット(2)が駆動装置によって駆動されている少なくとも一つの細断シャフト(8,9)を含み、細断シャフト(8,9)が細断ユニット(2)の中で支承され、
複数の側壁(4,5,6,7)を含む材料供給領域が、細断ユニット(2)に対して隣接して形成されている当該シャフトシュレッダー(1)において、
側壁(4,5,6,7)の内の少なくとも一
つは、使用位置からメンテナンス位置へ移動可能に、又は折りたたみ可能に又は変位可能に形成されていて、
少なくとも1つの細断シャフト(8,9)は、細断シャフト(8,9)の各端部の、解放可能な係合式の連結部又はねじ込み可能なフランジ連結部(15,16;17,18)によって、細断ハウジングから主に垂直方向に分解することができ、及びシャフトの軸受を細断ハウジング上に又は細断ハウジング内に残置すること、を特徴とするシャフトシュレッダー(1)。
【請求項2】
メンテナンス位置へ移動可能に、又は折りたたみ可能に又は変位可能に形成されている前記少なくとも一つの側壁は、細断シャフト(8,9)の軸方向に関して、正面に配置されている側壁(4,7)であることを特徴とする請求項1に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの細断シャフト(8,9)の
、駆動装置と連結されている領域が、メンテナンス位置においてアクセス可能であること、を特徴とする請求項1
又は2に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項4】
材料供給領域の一つの壁(7)は、細断シャフト(8,9)の駆動装置を少なくとも部分的に覆う傾斜ホッパー(7)として形成されていること、を特徴とする請求項1
~3のいずれか一項に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項5】
傾斜ホッパーとして形成されている一つの壁(7)は、開放可能な係合式の連結部(15,16)のためのチャンバがメンテナンス目的のために解放されるように水平に運動可能であり、又は変位可能であること、を特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項6】
材料供給領域の側壁(4,5,6)の内の一つは、開放可能な係合式の連結部(17,18)のためのチャンバがメンテナンス目的のために解放されるように
、旋回することができる、又は水平に位置を変えることができること、を特徴とする請求項1~
5のいずれか一項に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの再細断器具(19)、細断バー、又はスクリーンバスケットが、少なくとも1つの細断シャフト(8,9)の下側に配置されていること、を特徴とする請求項1~
6のいずれか一項に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項8】
再細断器具(19)は、垂直方向に上げることができる、又は下げることができること、を特徴とする請求項
7に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項9】
再細断器具(19)をシャフトシュレッダー(1)から取り外すことができること、を特徴とする請求項
7又は
8のいずれか一項に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項10】
互いに平行に配置されている回転軸線を有し、並んで配置されている2つの細断シャフト(8,9)を含むこと、を特徴とする請求項1~
9のいずれか一項に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項11】
長尺又は円筒形状のプレス要素を有する、駆動されている押し込み装置(3)を含み、そのプレス要素の長手方向軸は、細断シャフト(8,9)回転軸線に対して平行に延在すること、を特徴とする請求項
10に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項12】
押し込み装置(3)は、細断シャフトの領域若しくは細断シャフト(8,9)の間の領域及び/又は細断シャフト(8,9)の上方の領域での使用状態から不使用状態へ移動可能、又は旋回可能であること、を特徴とする請求項
10又は
11に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項13】
押し込み装置(3)は、側壁(4,5,6,7)の内の一つに、旋回可能に取付けられていること、を特徴とする請求項
10~
12のいずれか一項に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項14】
機械フレーム及び細断ユニット(2)を有する、請求項1~
13に記載のシャフトシュレッダー(1)であって、
細断ユニット(2)が駆動装置によって駆動されている少なくとも2つの細断シャフト(8,9)を含み、細断シャフト(8,9)が細断ユニット(2)の中で支承され、
材料供給領域が、細断ユニット(2)に対して隣接して形成されている当該シャフトシュレッダー(1)において、
細断シャフト(8,9)が逆の回転方向で定義された回転数比で運動する同期モードから、及び細断シャフト(8,9)が各々任意の回転方向に且つ定義されない回転数比で運動する非同期モードから、切替可能に設定されているシャフト連結装置(14)を含むこと、を特徴とするシャフトシュレッダー(1)。
【請求項15】
シャフト連結装置は、同期モードから非同期モードへの切り替えを行うために、変位可能なピニオン又は旋回可能なピニオンを有していること、を特徴とする請求項
14に記載のシャフトシュレッダー(1)。
【請求項16】
細断シャフト(8,9)の駆動側に又は駆動側とは反対側に配置され、シャフト連結装置を含む、細断シャフト(8,9)に連結されているか又は連結可能なギヤユニットをさらに有すること、を特徴とする請求項
14又は
15に記載のシャフトシュレッダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の前提部によるシャフトシュレッダー、特にツインシャフトシュレッダーに関する。
【背景技術】
【0002】
対応するシャフトシュレッダーは、例えば、特許文献1から周知である。周知のシャフトシュレッダーは、ツインシャフトシュレッダーであり、及びシャフトを周方向に取り囲み且つ軸方向に離間し、細断シャフト上にある細断器具を有する細断シャフトを備える。2つのシャフトは、一方のシャフトの細断器具が他方のシャフトの細断器具の間にある隙間に入ってあり、互いにかみ合うために、互いに平行に並ぶ回転軸線と配置されている。
【0003】
周知のシャフトシュレッダーは、細断ユニットを有す。この細断ユニットには、細断シャフトが細断されるべき供給材料を把持し得る細断領域を規定する。いわゆる材料供給領域は、そこから空間的に区別すべきである。この材料供給領域は、シャフトが水平に配置される場合、通常、重力方向に関して、細断ユニットの細断領域に隣接して、即ちその上方にその材料領域が隣接する。通常、このような材料供給領域は、複数の(多くの場合、漏斗形状に収束する)側壁を有する。
【0004】
一般的なシャフトシュレッダーの場合には、例えば細断シャフトに細断対象物が絡まる、又は細断器具が摩耗するという問題がしばしばある。このような場合には、メンテナンスを実施しなければならず、周知のシャフトシャフトシュレッダーの場合に、材料供給領域下部の細断領域において、細断シャフトの長手側に点検フラップが設けられていることが企図される。これらは、機械の停止の際に開くことができ、従って、細断領域へのアクセスを可能にする。
【0005】
場合によっては、対応する細断シャフトを取り外す必要がある。上記周知文献では、シャフトは軸方向連結部によって機械フレームに連結することが企図されている。取り外すためには、シャフトを軸方向に移動させることで、細断シャフトの軸方向連結部は、それらの駆動装置から切り離される。この際、隔壁の中で支承されたシャフトと隔壁は、ツインシャフトユニットとして取り外すことができる。
【0006】
この方法は、細断シャフトをまず軸方向にずらし、それから取り外すことができるので、都合が悪い。この際、周囲の壁を有する細断領域も、少なくとも部分的に分解しなければならない。これは、高い組み立ての手間及び分解の手間を伴う。
【0007】
更に、特に2つのシャフトを有するシャフトシュレッダーの場合には、細断されるべきある一定の対象物がシャフトの細断器具で適切に把持されるためには軽すぎる、という問題がしばしば生じる。この際、これらの対象物は、シャフトに把持されて細断されることなく、回転するシャフト上で「ダンス」する。これに加えて、一つのシャフトのみの固定シャフトシュレッダーの場合には、押し込み装置が使用される。軽い対象物は、この押し込み装置によって、細断シャフトの有効領域に押し込まれる。通常、これらの押し込み装置は、材料供給領域におけるシャフトシュレッダーの端壁に旋回アームの形態で設置される。しかし、2つの細断シャフトを有するシャフトシュレッダーの場合には、この設置が、材料供給領域のかなりの空間的制限、及びシャフトシュレッダーの処理能力を伴う。その結果、この理由から特に二つの細断シャフトを有する可動なシャフトシュレッダーの場合には、押し込み装置の設置が、除外される。
【0008】
結局、使用状態に応じて、非同期的に機能する2つの細断シャフトを有するシャフトシュレッダーが存在する。即ち、これら細断シャフトの回転数及びその回転方向に、定義された比率は存在しない。一方、細断シャフトの同期運転が有利である使用状態もある。これまで、両方の使用状態のために別々のシャフトシュレッダーが必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それ故、本発明の課題は、記載された欠点が回避され、又は少なくとも低減される、冒頭に述べたタイプのシャフトシュレッダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、特に請求項1、11及び14に記載の特徴を有するシャフトシュレッダーによって解決される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0012】
本発明によるシャフトシュレッダーは、機械フレームと細断ユニットとを有する。細断ユニットは、その中で支承され、駆動装置によって駆動されている少なくとも1つの細断シャフトを含む。複数の側壁を含む材料供給領域は、細断ユニットに隣接して形成されている。特に、この材料供給領域は、細断ユニット又は細断シャフトの把持領域の外側にあることを意味する。特に、細断領域は、重力方向に関して、少なくとも1つの細断シャフトの上方又は少なくとも1つの細断シャフトの上に配置され得る。
【0013】
そこで、本発明によれば、側壁の内の少なくとも一つは、使用位置からメンテナンス位置へ移動可能に、特に折りたたみ可能に又は変位可能に形成されているように設けられている。好ましくは、これは、複数の側壁にあてはまる、特に全ての側壁の為に、そのように形成され得る。第一に、本発明の意味での側壁は、材料供給領域を横方向に区切るのに適している任意の構成要素であり得る。この際、このような側壁が垂直に配置されているのか、又は水平に対して斜めに延在しているのかは問わない。特に、傾斜ホッパーと一般に呼ばれる構成要素も、この傾斜ホッパーが材料供給領域を区切るならば、本発明の意味における側壁でもあり得る。
【0014】
好ましくは、細断シャフトの軸方向に関して、正面に配置されている側壁の内の少なくとも一つは、メンテナンス位置に移動可能に、特に折りたたみ可能に又は変位可能に形成されている。正面側壁とは、細断シャフトの長手方向側に対して平行ではなく、細断シャフトの長手延在部に対して横に、その端部の領域に、特に基本的には細断シャフトの上方に配置されている壁である。
【0015】
このようにして、細断シャフトが機械側の連結部と連結されている領域を意味する連結領域が露出できる。従って、少なくとも1つの細断シャフトの軸受領域及び/又は連結領域が、メンテナンス位置においてアクセス可能である。このようにして、メンテナンス位置の場合において、細断シャフトを機械フレームから取り外すことができ、及び好ましくは、上方、即ち重力方向に対して垂直に、細断領域の部品を、手間をかけて分解したり又は壁を部分的に分解したり若しくは完全に分解したりすることなく(細断シャフトを)細断領域から取り外すことができる。
【0016】
少なくとも1つの細断シャフトは、解放可能な係合式の連結部によって、特に細断シャフトの各端部のねじ込み可能なフランジ連結部によって、細断ハウジングから主に垂直方向に分解することができ、及びシャフトの軸受を細断ハウジング上に又は細断ハウジング内に残置する場合に、特に有利である。もちろん、他の連結形態も考えられる。
【0017】
材料供給を改善するために、材料供給領域の壁は、(少なくとも使用位置において)特に細断シャフトの駆動装置を少なくとも部分的に覆う傾斜ホッパーとして形成されているように設けられ得る。本発明の好ましい実施形態によれば、特に傾斜ホッパーとして形成されている壁は、開放可能な係合式の連結部のためのチャンバがメンテナンス目的のために解放されるように、特に少なくとも基本的には水平に運動可能であり、特に変位可能である。代替的に又はこれに加えて、材料供給領域の側壁の内の一つは解放可能な係合式の連結部のためのチャンバがメンテナンス目的のために解放されるように、運動することができる、特に旋回することができる、又は基本的には水平に位置を変えることができるように設けられている。これらの方法はすべて、メンテナンス作業を実施するため、又は細断シャフトを取り外すために、既存の側壁を取り外す必要がないことを保証するものである。
【0018】
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの再細断器具が、特に細断バーが、又はスクリーンバスケットが、(特に重力方向に関して)少なくとも1つの細断シャフトの下に、又は下側に配置され得る。好ましくは、再細断器具は、基本的に(特に重力方向に関して)垂直方向に上げることができる、又は下げることができる。一方で、上げ下げは、必要に応じて細断されるべき材料に対して機械的調整を行うことができるという利点を有する。他方、メンテナンスの目的で細断シャフトから再細断器具を遠ざけることができる。別の好ましい実施形態によれば、特に、再細断器具は、下げた後にシャフトシュレッダーから取り外すことができるように設けることができる。好ましくは、再細断器具を、下げた後、引出しのように機械フレームから例えば横方向に取り外すことができる。もちろん、この装置は、これをシャフトシュレッダーの正面上に設けるようにも設計し得る。好ましくは、シャフトシュレッダーは、再細断器具を取り外すために、細断シャフトの下側又は下にある、再細断器具にアクセス可能にする検査フラップが配置されている。
【0019】
好ましくは、本発明によるシャフトシュレッダーは、特に互いに平行に配置されている回転軸線を有して、並んで配置されている2つの二つの細断シャフトを含む、ツインシャフトシュレッダーである。本発明の意味において、並んで配置されている場合には、必ずしも、両方の細断シャフトの水平方向の調整及び平行方向の調整を意味しない。並んで配置されている場合、2つの細断シャフトが空間的に近接して配置されていることだけを意味する。したがって、両方の細断シャフトのV字形態の構成も、重力方向から見た2つのシャフトが、階段のように互いに垂直に移動して配置されている配列も意味するものと理解することができる。この意味で、両細断シャフトの全ての相対的な構成は、並んで配置されていることを意味する。いずれの場合も、シャフト上に位置する細断器具が互いに噛み合うとき、即ち、それぞれの細断シャフトの円周上に配置されている細断器具が、少なくとも部分的に、他方の細断シャフトの細断器具間の空間にかみ合うときに、互いに並んで配置されている構成が存在する。
【0020】
本発明の特別な実施形態によれば、機械フレームと、並んで配置されている二つの細断シャフトを含む細断ユニットとを有するシャフトシュレッダーが設けられている。その際、細断シャフトは、少なくとも1つの駆動装置によって駆動されており、且つ複数の側壁を含む材料供給領域が細断ユニットに対して隣接して形成されている。その際、さらに、特に上記の様に形成されているシャフトシュレッダーは、少なくとも一つの、特に駆動される、押し込み装置を含む。この際、押し込み装置は、例えば、長尺の、特に円筒形状のプレス要素を含む。プレス要素の長手方向軸は、好ましくは細断シャフト回転軸線に対して平行に延在する。もちろん、押し込み装置は、細断シャフトに沿って配置された複数のプレス要素を有し得る。その際、これらは、一つの長尺のプレス要素の代わりに例えば複数の球形状のプレス要素を含み得る。
【0021】
この押し込み装置によって、特に細断されるべき材料中の軽量な部分、場所をとる部分又は容量のある部分は(押し込み装置がない場合、2つの細断シャフトに把持されず、シャフト上で前後に動かされる)、細断シャフトの器具の有効領域に押し込むことができる。
【0022】
このためには、本発明の好ましい実施形態によれば、押し込み装置は、細断シャフトの領域、特に細断シャフトの間の領域及び/又は細断シャフトの上方の領域で使用状態から不使用状態へ移動可能、特に旋回可能である。使用状態とは、押し込み装置が細断プロセスに積極的に関与している状態である。これは、例えば、押し込み装置が細断されるべき材料を重力だけで押圧して行うことができる。好ましくは、押し込み装置が駆動されること、すなわち、重力に加えて材料を積極的に細断シャフトのほうへ押し込むことが企図されている。これは、シャフトに近づける、及びシャフトから離れる押し込み装置の往復運動が実施されることによって交互に発生し得る。それに対して、押し込み装置の非使用状態は、例えば、新しい材料が材料供給領域に到達し、押し込み装置が作動しない状態を示す。
【0023】
好ましい実施形態によれば、押し込み装置が、複数の側壁の内の一つに、特に旋回可能に取付けられていることが企図されている。好ましくは、これらの側壁の内の一つは、細断シャフトの長手側に設けられている側壁である。この側壁において、押し込み装置は、例えば駆動装置を介して、特に1つ又は複数の油圧シリンダによって、非使用位置から使用位置へ旋回することができる、又は使用位置で移動することができる。この場合、押し込み装置は、好ましくは、押し込み要素とは反対側の端部において対応する側壁に旋回可能に取り付けられている旋回レバーに支承されている。この際、旋回レバーは、好ましくは、旋回レバーのすべての旋回状態で側壁に開口部が形成されないような方法で側壁に支承されている。これは、例えば、側壁に対して平行な回転軸線を有する側壁に円形ディスク又は少なくとも1つの円形ディスクセグメントが回転可能に支承され、旋回レバーがこの円形ディスクセグメント又はこの円形ディスクに取り付けられていることによって達成することができる。この際、側壁の軸受開口部を通って延びる表面、特に円形ディスク又は円形ディスクセグメントの円周面は、すべての旋回状態において軸受開口部を閉じる。
【0024】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、細断ユニットの中に支承され、駆動装置によって駆動されている少なくとも2つの細断シャフトを含む、機械フレーム及び細断ユニットを有するシャフトシュレッダーが設けられている。その際、材料供給領域が、細断ユニットに対して隣接して形成されている。このツインシャフトシュレッダーは、上記のように形成され得る。本発明によれば、シャフトシュレッダーは、細断シャフトが逆の回転方向で定義された回転数比で運動する同期モードと、及び細断シャフトが各々任意の回転方向に且つ定義されない回転数比で運動する非同期モードとに、切替可能であるように設計されているシャフト連結装置を含む。このようにして、シャフトシュレッダーは、細断プロセスの要件に適合することができる。
【0025】
一つの有利な実施形態によれば、シャフト連結装置は、同期モードから非同期モードへの切り替えを行うために、変位可能なピニオン又は旋回可能なピニオンを有する。このようなピニオンは、簡単な方法で任意の駆動によって、又は手動によって、2つのシャフトが互いに結合されている同期位置から、非同期位置に移動させることができる。
【0026】
ここに提示された全ての実施形態について、駆動装置が使用される場合はいつでも、もちろん任意のタイプの駆動装置も意味し得る。
【0027】
好ましくは、細断シャフトの為の駆動ユニットは、ディーゼル油圧式又は電気油圧式であり得る。
【0028】
本発明の別の実施形態によれば、本発明によるシャフトシュレッダーは、細断シャフトの駆動側に又は駆動側とは反対側に配置され、特にシャフト連結装置を含む、かつ細断シャフトに連結されているか又は連結可能なギヤユニットを有するこが企図されている。ギヤユニットとは、シャフトの、駆動装置との任意のタイプの連結部であることを意味する。噛み合う歯車の他にベルト駆動やチェーン駆動が存在する。好ましくは、各細断シャフトは、別個の伝動装置を有する。
【0029】
更に、機械の機械的、電気的及び油圧的プロセス並びにパラメータを、制御及び監視する電気制御装置を本発明によるシャフトシュレッダーに設けることができる。
【0030】
側壁の運動は、もちろん手動で行うことは可能であるが、1つ又は複数の側壁を油圧的、電気的又は機械的に運動可能であることも当然考えられる。この際、これは、例えば、制御装置によって実行することができる。
【0031】
好ましくは、細断シャフトの長手方向に設けられている側壁は、細断ユニットのハウジングの外縁のすぐそばへ移動可能であるように設計されている。これにより、細断シャフト上の細断器具及び対向歯部(独語:Gegenkaemmen)に直接アクセスできる。好ましくは、対向歯部は、細断ユニット内の長手方向側の側壁の下に取り付けられている。
【0032】
以下では、本発明が、
図1~
図9に基づき、詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明による積載位置のシャフトシュレッダーの斜視図を示す。
【
図2】メンテナンス準備中のシャフトシュレッダーを示す。
【
図5】細断シャフトとシャフト連結装置の連結領域を示す。
【
図6】開放した点検フラップと取り出された再細断器具の詳細な図を示す。
【
図7】細断シャフトを収容するためのメンテナンス台を示す。
【
図8】メンテナンス台上にある細断シャフトの一部分の図を示す。
【
図9】側壁がメンテナンス位置にある間の非使用位置での押し込み装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、積載位置での移動可能なシャフトシュレッダー1を示す。この図には、細断ユニット2の上方に配置されている材料供給領域が見て取れる。この材料供給領域は、側壁から側壁4~7の内側に形成される。点検フラップ12,13は、側壁5の下側と細断シャフト8,9(ここでは視認できない)を含む細断ユニット2の下側とに配置されている。側壁4,5,6は、メンテナンス目的のために外側P1,P2,P3に折りたたむことができるように設計されている。側壁5には、押し込み装置3があり、この押し込み装置は、より詳細に後述する。
【0035】
細断されるべき材料は、材料供給領域内で引き渡され、細断ユニット2によって細断され、且つその下側に収容される。細断された材料は、そこから右側に示されているコンベアベルトに搬送され、搬送ベルトよって運び去る。
【0036】
図2は、メンテナンス準備中のシャフトシュレッダー1を示す。側壁4,5,6は、外側に向かって折りたたまれ、そして2つの細断シャフト8,9が現れる。材料シュート又は傾斜ホッパーとして設計され得る側壁7は、機械ハウジングを介して細断ユニット2から方向Xへ位置を変えることができる。
図3は、
図2の細断ユニット2を拡大して示す。折りたたまれた側壁4,5,6,7、又は押し除けて離れた側壁4,5,6,7の間には、細断シャフト8,9(ここでは、この細断シャフト8,9が例えば互いに平行な長手方向軸で配置されている)が視認可能である。軸方向において、細断のための領域は、シールド10,11によって制限されている。シールド10は、細断材料がシャフト連結装置14に面する連結部の領域に達しないようにするためのものである。
【0037】
同様に、シールド11は、細断材料が駆動装置に対するフランジ領域に達しないようにすることも意図している。この領域を
図4に示す。細断シャフト8,9は連結部15,16、特にフランジ連結部を用いて駆動装置(不図示)に配置されている。フランジ連結部15,16は、細断材料がフランジ連結部15,16に達しないように、シールド11によって細断シャフト8,9の細断領域2から遮蔽される。
図5は、シャフト連結装置14の側面上の対応する連結部17,18、特にフランジ連結部を示す。ここでシールド10は、細断材料がフランジ連結部17,18の領域に入り込むのを防止する。
【0038】
フランジ連結部15,16,17,18は、細断シャフト8,9を取り外すために外すことができ、さらに、この細断シャフト8,9は、螺合を外した直後に、回転軸線に対して半径方向に、特に垂直方向に取り外すことができる。このようにして、駆動装置の一部を又は細断シャフト8,9の軸受の一部を最初に分解する必要がなく、細断シャフト8,9の取り外しを促進することができる。
【0039】
図6は、点検フラップ12,13を開放した際の細断ユニット2の一部を示す。この際、引き抜き部上に位置する再細断器具19(この細断器具は、駆動状態に、細断シャフト8,9の下側及び細断シャフト8,9の間に配置されている)を有する引抜き部20は、下へおろして取り出されている。再細断器具19は、この実施例において、ブレーキバーであるが、例えば、スクリーンバスケットのような別の再細断器具が設けられていることもある。図示された実施形態では、再細断器具19を有する引抜き部20が、案内部から容易に持ち上げることができるように構成されている。ここで、
図7に示すメンテナンス台21をこれらの案内上に配置することができる。メンテナンス台上には、2対のラック22,23が配置されている。
【0040】
フランジ連結部15,16,17,18を外した後、メンテナンスのために細断シャフト8,9を上げることができる。メンテナンス台21は、シャフトシュレッダー1内に押し入れることができ、細断シャフト8,9下にラック22,23が位置するようになる。次いで、メンテナンス台21を上げて、細断シャフトをラック22,23上に載置し、そしてメンテナンス台21と共に上げる。このように、細断シャフト8,9は、(
図8に示したように)、細断ユニット2から上がり、メンテナンスすることができる。細断シャフト8,9は、連結位置よりも上方のメンテナンス台21上に配置される。図示されている部分では、細断シャフト9の端部はフランジ連結部16でもってラック22上に置かれ、同様に、ラック細断シャフト8もフランジ連結部15でもってラック23(不図示)上に置かれている。細断シャフト8,9は、上昇した位置で容易にアクセスできる。
【0041】
このようなシャフトシュレッダー1において、細断ユニット2のメンテナンスを簡素化すると同時に短縮することができ、メンテナンスコストを低減することができる。
【0042】
図9は、シャフトシュレッダー1の本発明による別の詳細な実施例、即ち押し込み装置3を示す。この押し込み装置3は、側壁の内の一つに(ここで示す例では側壁5に)配置されている。この図において、メンテナンス位置にある側壁5が示されており、この側壁が外側に折りたたまれている。これによって、側壁5の内側が外側に向き、細断シャフト8がより容易にアクセス可能となる。この側壁5の内壁には、押し込み装置3が配置されている。図示された例では、押し込み装置3の作動部分は、長尺の円筒形状体であり、その円筒軸は、細断シャフト8,9の軸線に対して平行に又は少なくともほぼ平行に調整されている。もちろん、別の形態の押し込み装置を設けることもできる。また、長尺である必要のない押し込み要素を複数設けることもできる。押し込み装置3の作動部分には押圧レバー3aが取り付けられている。押圧レバー3aは、旋回要素3bによって側壁5に旋回可能に配置されている。
【0043】
図1に示されているように側壁4,5,6,7が上側に折りたたまれる使用状態において、一方では、積載を可能にするために押し込み装置3を上側に旋回することができ、他方では、細断材料を細断シャフト8,9に向かって付勢するために、押し込み装置3の作動部分を、旋回要素3bによって細断シャフト8,9の上方及び細断シャフト8,9の間の位置に配置することができる。このため、押圧レバー3aを前後に動かすことができる。これは、押し込み装置3の再圧縮効果につながる。好ましくは、押圧レバー3aのこの圧縮運動は、油圧駆動される。なぜなら、そのような駆動は堅牢で、高い力を伝達することができるからである。ただし、駆動が、電気機械的、磁気機械的、空気圧的又は別の駆動方法に従って、形成することも考えられる。
【0044】
押し込み装置3の機械装置を汚染から、従って破損から保護するために、旋回要素3bは、ここでは、円形ディスク又は円形セグメントディスクの形態で形成されている。その際、側壁5から材料供給領域内に突出する旋回要素3bの領域は、端面及び円筒の表面の両方で覆われているので、細断材料が旋回要素3bの機能を損なうことはない。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
機械フレーム及び細断ユニット(2)を有するシャフトシュレッダー(1)であって、
細断ユニット(2)がその中で支承され、駆動装置によって駆動されている少なくとも一つの細断シャフト(8,9)を含み、
複数の側壁(4,5,6,7)を含む材料供給領域が、細断ユニット(2)に対して隣接して形成されている当該シャフトシュレッダー(1)において、
側壁(4,5,6,7)の内の少なくとも一つ、特に細断シャフト(8,9)の軸方向に関して、正面に配置されている少なくとも一つの側壁(4,7)は、使用位置からメンテナンス位置へ移動可能に、特に折りたたみ可能に又は変位可能に形成されていること、を特徴とするシャフトシュレッダー(1)。
2.
少なくとも1つの細断シャフト(8,9)の軸受領域及び/又は連結領域が、メンテナンス位置においてアクセス可能であること、を特徴とする上記1に記載のシャフトシュレッダー(1)。
3.
少なくとも1つの細断シャフト(8,9)は、解放可能な係合式の連結部によって、特に細断シャフト(8,9)の各端部のねじ込み可能なフランジ連結部(15,16;17,18)によって、細断ハウジングから主に垂直方向に分解することができ、及びシャフトの軸受を細断ハウジング上に又は細断ハウジング内に残置すること、を特徴とする上記2に記載のシャフトシュレッダー(1)。
4.
材料供給領域の一つの壁(7)は、特に細断シャフト(8,9)の駆動装置を少なくとも部分的に覆う傾斜ホッパー(7)として形成されていること、を特徴とする上記1~3のいずれか一つに記載のシャフトシュレッダー(1)。
5.
特に傾斜ホッパーとして形成されている一つの壁(7)は、開放可能な係合式の連結部(15,16)のためのチャンバがメンテナンス目的のために解放されるように、特に少なくとも基本的には水平に運動可能であり、特に変位可能であること、を特徴とする上記3及び4に記載のシャフトシュレッダー(1)。
6.
材料供給領域の側壁(4)の内の一つは、開放可能な係合式の連結部(17,18)のためのチャンバがメンテナンス目的のために解放されるように、運動することができる、特に旋回することができる、又は基本的には水平に位置を変えることができること、を特徴とする上記1~5のいずれか一つに記載のシャフトシュレッダー(1)。
7.
少なくとも1つの再細断器具(19)が、特に細断バーが、又はスクリーンバスケットが、少なくとも1つの細断シャフト(8,9)の下側に配置されていること、を特徴とする上記1~6のいずれか一つに記載のシャフトシュレッダー(1)。
8.
再細断器具(19)は、基本的に垂直方向に上げることができる、又は下げることができること、を特徴とする上記7に記載のシャフトシュレッダー(1)。
9.
再細断器具(19)をシャフトシュレッダー(1)から取り外すことができること、を特徴とする上記7又は8に記載のシャフトシュレッダー(1)。
10.
特に互いに平行に配置されている回転軸線を有し、並んで配置されている2つの細断シャフト(8,9)を含むこと、を特徴とする上記1~9のいずれか一つに記載のシャフトシュレッダー(1)。
11.
機械フレーム及び細断ユニット(2)を有するシャフトシュレッダー(1)であって、
細断ユニット(2)がその中で支承され、駆動装置によって駆動されている少なくとも一つの細断シャフト(8,9)を含み、
複数の側壁(4,5,6,7)を含む材料供給領域が、細断ユニット(2)に隣接して形成されており、
並んで配置されている二つの細断シャフト(8,9)を含む当該シャフトシュレッダー(1)、特に上記1~10のいずれか一つに記載のシャフトシュレッダー(1)において、
特に、長尺の、特に円筒形状のプレス要素を有する、特に駆動されている押し込み装置(3)を含み、そのプレス要素の長手方向軸は、好ましくは細断シャフト(8,9)回転軸線に対して平行に延在すること、を特徴とするシャフトシュレッダー(1)。
12.
押し込み装置(3)は、細断シャフトの領域、特に細断シャフト(8,9)の間の領域及び/又は細断シャフト(8,9)の上方の領域での使用状態から不使用状態へ移動可能、特に旋回可能であること、を特徴とする上記10又は11に記載のシャフトシュレッダー(1)。
13.
押し込み装置(3)は、側壁(4,5,6,7)の内の一つに、特に旋回可能に取付けられていること、を特徴とする上記10~12のいずれか一つに記載のシャフトシュレッダー(1)。
14.
機械フレーム及び細断ユニット(2)を有するシャフトシュレッダー(1)であって、
細断ユニット(2)がその中で支承され、駆動装置によって駆動されている少なくとも一つの細断シャフト(8,9)を含み、
材料供給領域が、細断ユニット(2)に対して隣接して形成されている当該シャフトシュレッダー(1)、特に上記1~14のいずれか一つに記載のシャフトシュレッダー(1)において、
細断シャフト(8,9)が逆の回転方向で定義された回転数比で運動する同期モードから、及び細断シャフト(8,9)が各々任意の回転方向に且つ定義されない回転数比で運動する非同期モードから、切替可能に設定されているシャフト連結装置(14)を含むこと、を特徴とするシャフトシュレッダー(1)。
15.
シャフト連結装置は、同期モードから非同期モードへの切り替えを行うために、変位可能なピニオン又は旋回可能なピニオンを有していること、を特徴とする上記14に記載のシャフトシュレッダー(1)。
16.
細断シャフト(8,9)の駆動側に又は駆動側とは反対側に配置され、特にシャフト連結装置を含む、細断シャフト(8,9)に連結されているか又は連結可能なギヤユニットをさらに有すること、を特徴とする上記14又は15に記載のシャフトシュレッダー。