(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】ポイントクラウドデータの処理方法、装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240419BHJP
G06N 3/0464 20230101ALI20240419BHJP
【FI】
G06T7/00 350C
G06N3/0464
(21)【出願番号】P 2020565957
(86)(22)【出願日】2019-11-28
(86)【国際出願番号】 CN2019121776
(87)【国際公開番号】W WO2020233069
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2020-11-24
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-04
(31)【優先権主張番号】201910430700.7
(32)【優先日】2019-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321006888
【氏名又は名称】ベイジン・センスタイム・テクノロジー・デベロップメント・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャゲン・マオ
(72)【発明者】
【氏名】シャオガン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ホンシェン・リ
【合議体】
【審判長】五十嵐 努
【審判官】川崎 優
【審判官】樫本 剛
(56)【参考文献】
【文献】Wu,W., et al.,”PointConv:Deep Convolutional Networks on 3D Point Clounds”,arxiv,米国,Cornell University,2019年4月11日,pp.1-10,https://arxiv.org/pdf/1811.07246v2.pdf
【文献】Peng,S., et al.,”Convolutional Occupancy Networks”,arxiv,米国,Cornell University,2020年3月10日,pp.1-17,https://arxiv.org/pdf/2003.04618v1.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00-7/90
G06N 3/0464
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイントクラウドデータの処理方法であって、前記ポイントクラウドデータの処理方法は、
ターゲットシーンにおけるポイントクラウドデータ及び第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルを取得することと、
前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第1重みデータを得ることであって、前記第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表す、ことと、
前記第1重みデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して、第1離散畳み込み処理を行い、第1離散畳み込み結果を得ることと、
前記第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得ることであって、前記空間的構造特徴は、前記ポイントクラウドデータによって表される前記ターゲットシーンの空間的構造の特徴を表すことと、を含む、ポイントクラウドデータの処理方法。
【請求項2】
前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第1重みデータを得ることは、
前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、所定の補間処理方式で第1重みデータを得ることであって、前記第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを、所定の条件を満たす第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表し、前記ポイントクラウドデータは、前記所定の条件を満たす前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルで囲まれた特定の幾何的形状領域内に位置する、ことを含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1離散畳み込み結果を得た後、前記方法は、正規化パラメータに基づいて前記第1離散畳み込み結果に対して正規化処理を行うことであって、前記正規化パラメータは、前記ポイントクラウドデータの所在する前記特定の幾何的形状領域内のポイントクラウドデータの数によって決定される、ことを更に含み、
前記第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得ることは、正規化処理を行った結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得ることを含むことを特徴とする
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルは、n組であり、前記第1重みデータは、n組であり、nは、2以上の整数であり、
前記第1重みデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して第1離散畳み込み処理を行い、第1離散畳み込み結果を得ることは、
第k組の第1重みデータ及び第k組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する第k組の第1畳み込みパラメータに基づいて、第k組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトル及び前記ポイントクラウドデータに対してk番目の第1離散畳み込み処理を行い、k番目の第1離散畳み込み結果を得ることであって、前記第k組の第1畳み込みパラメータは、k番目の第1離散畳み込み処理の大きさの範囲に対応し、kは、1以上n以下の整数である、ことを含み、
前記第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得ることは、
n個の第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を決定することを含むことを特徴とする
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記n個の第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を決定することは、
第1処理データ及び第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記第1処理データに対して補間処理を行い、第2重みデータを得ることであって、前記第2重みデータは、前記第1処理データを前記第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表し、前記第1処理データは、前回の離散畳み込み処理の結果によって決定され、前回の離散畳み込み処理の結果がn個の第1離散畳み込み結果であり、前記第1処理データは、前記n個の第1離散畳み込み結果によって決定される、ことと、
前記第2重みデータ及び前記第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記第1処理データに対して第2離散畳み込み処理を行い、第2離散畳み込み結果を得ることと、
前記第2離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得ることと、を含むことを特徴とする
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルはl組であり、前記第2重みデータは、l組であり、lは、2以上の整数であり、
前記第2重みデータ及び前記第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記第1処理データに対して第2離散畳み込み処理を行うことは、第m組の第2重みデータ及び第m組の第2畳み込みパラメータに基づいて、第m組の第2離散畳み込みカーネルの重みベクトル及び前記第1処理データに対して、m番目の第2離散畳み込み処理を行い、m番目の第2離散畳み込み結果を得ることであって、前記第m組の第2畳み込みパラメータは、m番目の離散畳み込み処理の大きさの範囲に対応し、mは、1以上l以下の整数である、ことを含み、
第2離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得ることは、
l個の第2離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を決定することを含むことを特徴とする
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ポイントクラウドデータの処理方法は、
前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴に基づいて、前記ターゲットシーンにおける識別対象のタイプを決定することを更に含むことを特徴とする
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得ることは、
前記第1離散畳み込み結果に対して第1アップサンプリング処理を行い、第1アップサンプリング処理結果を得ることと、
前記第1アップサンプリング処理結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴を得ることと、を含むことを特徴とする
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ポイントクラウドデータの処理方法は、
前記ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴に基づいて、少なくとも1つのポイントデータのセマンティック情報を決定することを更に含むことを特徴とする
請求項1から3、
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ポイントクラウドデータの処理装置であって、前記ポイントクラウドデータの処理装置は、取得ユニットと、補間処理ユニットと、特徴取得ユニットと、を備え、
前記取得ユニットは、ターゲットシーンにおけるポイントクラウドデータ及び第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルを取得し、
前記補間処理ユニットは、前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第1重みデータを得て、前記第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表し、
前記特徴取得ユニットは、前記第1重みデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して、第1離散畳み込み処理を行い、第1離散畳み込み結果を得て、前記第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得て、前記空間的構造特徴は、前記ポイントクラウドデータによって表される前記ターゲットシーンの空間的構造の特徴を表す、ポイントクラウドデータの処理装置。
【請求項11】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時、請求項1から
9のいずれか一項に記載のポイントクラウドデータの処理方法を実現させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
電子機器であって、前記電子機器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで実行される可能なコンピュータプログラムと、を備え、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する時、請求項1から
9のいずれか一項に記載のポイントクラウドデータの処理方法を実現させる、電子機器。
【請求項13】
コンピュータプログラムであって、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、請求項1から
9のいずれか一項に記載のポイントクラウドデータの処理方法を実現させることができる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年05月23日に提出された、出願番号が201910430700.7である中国特許出願に基づく優先権を主張する。
【0002】
本願は、コンピュータアプリケーション技術分野に関し、具体的には、ポイントクラウドデータの処理方法、装置、電子機器及びコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
ポイントクラウド認識は、コンピュータビジョン及び深層学習分野における重要の課題である。ポイントクラウドデータを学習することで、物体の三次元構造を認識する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術的課題を解決するために、本願の実施例は、ポイントクラウドデータの処理方法、装置及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本願の実施例の技術的解決手段は、以下のように実現する。
【0006】
本願の実施例は、ポイントクラウドデータの処理方法を提供する。前記方法は、
ターゲットシーンにおけるポイントクラウドデータ及び第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルを取得することと、前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第1重みデータを得ることであって、前記第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表す、ことと、前記第1重みデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して、第1離散畳み込み処理を行い、第1離散畳み込み結果を得ることと、前記第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得ることと、を含む。
【0007】
本願の実施例は、ポイントクラウドデータの処理装置を更に提供する。前記装置は、取得ユニットと、補間処理ユニットと、特徴取得ユニットと、を備え、
前記取得ユニットは、ターゲットシーンにおけるポイントクラウドデータ及び第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルを取得するように構成され、
前記補間処理ユニットは、前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第1重みデータを得るように構成され、前記第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表し、
前記特徴取得ユニットは、前記第1重みデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して、第1離散畳み込み処理を行い、第1離散畳み込み結果を得て、前記第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得るように構成される。
【0008】
本願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、該プログラムがプロセッサにより実行される時、本願の実施例に記載の方法のステップを実現させる。
【0009】
本願の実施例は、電子機器を更に提供する。前記電子機器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで実行される可能なコンピュータプログラムと、を備え、前記プロセッサが前記プログラムを実行する時、本願の実施例に記載の方法のステップを実現させる。
【0010】
本願の実施例は、コンピュータプログラムを更に提供する。前記コンピュータプログラムは、コンピュータによる実行可能な命令を含み、該コンピュータによる実行可能な命令が実行された後、本願の実施例で提供されるいずれか1つのポイントクラウドデータの処理方法を実現させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本願の実施例は、ポイントクラウドデータの処理方法、装置、電子機器及びコンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記方法は、ターゲットシーンにおけるポイントクラウドデータ及び第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルを取得することと、前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第1重みデータを得ることであって、前記第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータと前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルとを関連付けるためのものである、ことと、前記第1重みデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して、離散畳み込み処理を行い、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得ることと、を含む。本願の実施例の技術的解決手段によれば、ポイントクラウドデータに対して補間処理を行うことで、ポイントクラウドデータと第1離散畳み込みカーネルとを関連付ける。つまり、前記ポイントクラウドデータを前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表すためのものが得られる。これにより、離散したポイントクラウドデータと離散畳み込みカーネルの重みベクトルをアライメントし、ポイントクラウドデータと第1離散畳み込みカーネルとの幾何学的関係を明示的に定義する。これにより、離散畳み込み処理過程において、ポイントクラウドデータの空間的構造特徴をより良好に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法を示す第1フローチャートである。
【
図2a】本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法における補間処理を示す概略図である。
【
図2b】本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法における補間処理を示す概略図である。
【
図3】本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法を示す第2フローチャートである。
【
図4】本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法における第1ネットワークの構造を示す概略図である。
【
図5】本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法を示す第3フローチャートである。
【
図6】本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法における第2ネットワークの構造を示す概略図である。
【
図7】本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理装置の構造を示す第1概略図である。
【
図8】本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理装置の構造を示す第2概略図である。
【
図9】本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理装置の構造を示す第3概略図である。
【
図10】本願の実施例による電子機器の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面及び具体的な実施例を参照しながら、本願を更に詳しく説明する。
【0014】
本願の実施例は、ポイントクラウドデータの処理方法を提供する。
図1は、本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法を示す第1フローチャートである。
図1に示すように、前記方法は、以下を含む。
【0015】
ステップ101において、ターゲットシーンにおけるポイントクラウドデータ及び第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルを取得する。
【0016】
ステップ102において、前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第1重みデータを得て、前記第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表す。
【0017】
ステップ103において、前記第1重みデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して、第1離散畳み込み処理を行い、第1離散畳み込み結果を得る。
【0018】
ステップ104において、前記第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得る。
【0019】
本実施例において、ポイントクラウドデータとは、測定装置により得られたターゲットシーンにおける対象の外観表面のポイントデータの集合であり、ターゲットシーンにおける対象の表面特性を表す大量の点の集合を指す。前記ポイントクラウドデータは、各点の三次元座標データを含む。実際の適用において、一実施形態として、前記ポイントクラウドデータは、N*3の行列ベクトルで表されてもよく、Nは、ポイントクラウドデータにおける点の数を表す。各点の三次元座標は、1*3の特徴ベクトルで表されてもよい。他の実施形態において、前記ポイントクラウドデータは、各点の三次元座標データ以外に、色情報を含んでもよい、例えば、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の色データ(RGBデータと略称される)を含み、その場合、前記ポイントクラウドデータは、N*6の行列で表され、各点のデータは、1*6の行列で表されることができる。ここで、3つの次元のデータは、点の三次元座標を表すために用いられ、他の3つの次元のデータは、3つの色のデータを表すために用いられる。
【0020】
ここで、前記ポイントクラウドデータは、記述情報を更に含む。前記記述情報は、ポイントクラウドデータにおける各点の特徴で表されてもよい。前記ポイントクラウドデータにおける各点の特徴は、法線方向、曲率などの特徴を含んでもよい。実際の適用において、前記記述情報は、ポイントクラウドデータの特徴を含む特徴ベクトルで表されてもよい。前記ポイントクラウドデータは、ポイントクラウドデータに対応する位置情報及び特徴ベクトルを含むことが理解されるべきである。
【0021】
本実施例において、離散畳み込みカーネルの重みベクトル(本実施例における第1離散畳み込みカーネルの重みベクトル、後続の実施例における第2離散畳み込みカーネルの重みベクトル、及び第3離散畳み込みカーネルの重みベクトルを含む)は、三次元離散畳み込みカーネルの重みベクトルである。三次元離散畳み込みカーネルは、離散畳み込み処理過程において一つの立方体領域に対応し、該立方体領域の8つの頂点は、離散畳み込みカーネルの重みベクトル(本実施例における第1離散畳み込みカーネルの重みベクトル)に対応することが理解されるべきである。また、本実施例において、前記離散畳み込みカーネルの重みベクトルは、1つの重みベクトルを指しているわけではなく、少なくとも8つの重みベクトルを指すものであり、該8つの重みベクトルは、同一の離散畳み込みカーネルの重みベクトルであってもよく、複数の異なる離散畳み込みカーネルの重みベクトルであってもよいことが理解されるべきである。
【0022】
本実施例において、離散畳み込みカーネルの重みベクトルは、畳み込みパラメータに対応し、前記畳み込みパラメータは、畳み込みカーネルの大きさ及び長さを含んでもよい。ここで、前記畳み込みカーネルの大きさ及び長さは、畳み込み操作の大きさの範囲を決定し、つまり、立方体領域の大きさ又は辺長を決定する。
【0023】
本実施例において、ポイントクラウドデータにおける各点が離散的に分布している。従って、ポイントクラウドデータの空間的構造情報を十分に認識するために、本実施例において、まずステップ102に記載の技術的解決手段により、ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、それによって、ポイントクラウドデータと第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルとを関連付ける。これにより、ポイントクラウドデータと第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルの所在位置をアライメントする。従って、離散畳み込み処理過程において、ポイントクラウドデータの空間的構造特徴をより良好に取得することができる。
【0024】
本願の任意選択的な実施例において、ステップ102において前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第1重みデータを得ることは、前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、所定の補間処理方式で第1重みデータを得ることであって、前記第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを、所定の条件を満たす第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表し、前記ポイントクラウドデータは、所定の条件を満たす前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルで囲まれた特定の幾何的形状領域内に位置する、ことを含む。
【0025】
本実施例において、所定の異なる補間処理方式でポイントクラウドデータに対して補間処理を行うことができる。ここで、補間処理は、補間関数で実現してもよく、つまり、異なる補間関数により、ポイントクラウドデータに対して補間処理を行う。例えば、前記補間処理方式は、トリリニア補間処理方式又はガウス補間処理方式であってもよい。つまり、トリリニア補間関数又はガウス関数により、ポイントクラウドデータに対して補間処理を行うことができる。実際の適用において、離散畳み込みカーネルの重みベクトル(本実施例において、第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルである)及びポイントクラウドデータ(具体的には、ポイントクラウドデータの座標)を補間関数に入力し、第1重みデータを得ることができる。
【0026】
本実施例において、異なる補間処理方式において、同じポイントクラウドデータに対応する、所定の条件を満たす第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルは異なり、且つ特定の幾何的形状領域も異なる。ここで、所定の条件を満たす第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルは、ポイントクラウドデータの所在する特定の幾何的形状領域を囲む離散畳み込みカーネルの重みベクトルである。
【0027】
図2a及び
図2bはそれぞれ、本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法における補間処理を示す概略図である。一実施形態として、
図2aに示すように、補間処理方式がトリリニア補間処理方式である場合、特定の幾何的形状領域は、離散畳み込みカーネルに対応する立方体領域であり、つまり、8つの重みベクトル(本実施例において、第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルである)で形成された立方体領域であり、立方体領域の8つの頂点はそれぞれ8つの重みベクトルに対応し、各立方体領域の8つの頂点に対応する8つの重みベクトルは、同一の離散畳み込みカーネルの重みベクトルであり得、複数の異なる離散畳み込みカーネルの重みベクトルであってもよい。そのため、点がある一つの立方体領域内に位置するのであれば、所定の条件を満たす第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルは、
図2aに示すように、該点の所在する立方体領域の8つの頂点に対応する重みベクトルである。対応的に、トリリニア補間方式でポイントクラウドデータを処理することで得られた第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを、所在する立方体領域に対応する8つの重みベクトルのうちの各重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表す。
【0028】
もう1つの実施形態として、
図2bに示すように、補間処理方式がガウス補間処理方式である場合、特定の幾何的形状領域は、離散畳み込みカーネルの重みベクトル(本実施例において第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルである)を球心として所定の長さを半径とした球状領域である。ここで、異なる離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する球状領域の半径は、同じであっても異なってもよい。実際の適用において、ポイントクラウドデータの所在する球状領域は、1つであってもよく、2つ又は2つ以上であってもよく、ゼロ個であってもよく、具体的には、
図2bに示すとおりであることが理解されるべきである。ガウス補間方式でポイントクラウドデータを処理することで得られた第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを該ポイントクラウドデータの所在する球状領域の球心(即ち、1つの第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルである)に割り当てる重みを表す。
【0029】
図2aに示すシーンにおいて、1つのポイントクラウドデータは、1つの離散畳み込みカーネルの8つの重みベクトルの全部と関連付けられてもよく、また、
図2bに示すシーンにおいて、1つの離散畳み込みカーネルの一部の重みベクトル(例えば、1つの第1離散畳み込みカーネルの重みベクトル)と関連付けられてもよく、複数の離散畳み込みカーネルのうちの各離散畳み込みカーネルの一部の重みベクトルと関連付けられてもよい。例えば、ガウス補間処理方式において、各球状領域の半径が大きく、それによって、ポイントクラウドデータは、複数の異なる離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する球状領域内に位置する。
【0030】
本願の任意選択的な実施例において、ステップ103において、通常、離散畳み込み処理は、2つの離散シーケンスに対して、所定のルールで関係シーケンスを2つずつ乗算して加算する処理方式を指す。本実施例において、第1重みデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて前記ポイントクラウドデータに対して行われる離散畳み込み処理は、重み付き離散畳み込み処理方式に相当し、即ち、毎回の関係シーケンスを2つずつ乗算する処理において、いずれも、乗算結果に前記第1重みデータを乗算することである。本実施例において、第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルとポイントクラウドデータの特徴ベクトルを2つずつ乗算し、それぞれの2つずつ乗算した結果に前記第1重みデータを乗算してから、加算する。
【0031】
本願の任意選択的な実施例において、ステップ103において、前記第1離散畳み込み結果を得た後、前記方法は、正規化パラメータに基づいて前記第1離散畳み込み結果に対して正規化処理を行うことであって、前記正規化パラメータは、前記ポイントクラウドデータの所在する前記特定の幾何的形状領域内のポイントクラウドデータの数によって決定される、ことを更に含む。一例として、トリリニア補間処理方式を採用する場合、
図2aに示すある1つの立方体領域内のポイントクラウドの数は4つであり、該4つのポイントクラウドデータのうちの各ポイントクラウドデータに対して離散畳み込み処理を行って第1離散畳み込み結果を得た後、数値4に基づいて、該第1離散畳み込み結果に対して正規化処理を行う。もう1つの例として、ガウス補間処理方式を採用する場合、
図2bに示す1つの球状領域内のポイントクラウドの数は2つであり、該2つのポイントクラウドデータのうちの各ポイントクラウドデータに対して離散畳み込み処理を行って第1離散畳み込み結果を得た後、数値2に基づいて、該第1離散畳み込み結果に対して正規化処理を行う。
【0032】
一実施形態として、上記第1離散畳み込み処理及び正規化処理は、下記の式(1)で行ってもよい。
【0033】
【0034】
ただし、
【数2】
は、出力された正規化処理後の離散畳み込み結果(本実施例において、正規化処理後の第1離散畳み込み結果である)を表す。
【数3】
は、出力されたポイントクラウド位置を表す。N
p′は、前記特定の幾何的形状領域内のポイントクラウドデータ数を表す。p′は、離散畳み込みカーネルの重みベクトル(本実施例において、第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルである)に対応する位置を表す。p
δは、ポイントクラウドデータに対応する位置を表す。T(p
δ,p′)は、離散畳み込みカーネルの重みベクトル(本実施例において、第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルである)に対応する位置、ポイントクラウドデータに対応する位置及び補間関数Tに基づいて決定された重みデータ(本実施例において、第1重みデータである)を表す。W(p′)は、離散畳み込みカーネルの重みベクトル(本実施例において、第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルである)を表す。
【数4】
は、前記特定の幾何的領域内のポイントクラウドデータの特徴ベクトルを表す。
【0035】
本実施例のステップ103において、第1重みデータ及び第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいてポイントクラウドデータに対して第1離散畳み込み処理を行う。つまり、ポイントクラウドデータを、所定の条件を満たす第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てた後、第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルにより、ポイントクラウドデータに対して離散畳み込み処理を行うことで、ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を表す特徴ベクトルを得る。つまり、第1離散畳み込み結果を得る。
【0036】
応用に適用する場合、ニューラルネットワークのタスクの相違に応じて、ニューラルネットワークによりポイントクラウドデータの空間的構造特徴を認識し、更にターゲットシーンにおける対象のタイプを決定することができる。前記対象のタイプは、例えば、車両、人間等であり得る。該ニューラルネットワークにより、ターゲットシーンにおける対象のタイプを直接出力することができる。ニューラルネットワークにより、ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴を認識し、更に、ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータのセマンティック情報を決定することもできる。ポイントデータのセマンティック情報は、ポイントデータのタイプを表すことができる。前記ポイントデータのタイプは、前記ポイントデータが属する対象情報を表す。例えば、ターゲットシーンに人間、車両などの複数の対象が含まれる場合、ポイントデータのセマンティック情報を認識することで、ポイントクラウドデータにおけるポイントデータに対応する対象が人間又は車両であることを決定することができる。従って、ポイントデータのセマンティック情報を認識することで、人間に対応する全てのポイントデータ及び車両に対応する全てのポイントデータを決定することができる。
【0037】
本実施例のステップ104において、ポイントクラウドデータに対して第1離散畳み込み処理を行うことは、ポイントクラウドデータにおけるポイントデータと他のポイントデータとの差異を拡大する目的をしており、それによって、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得ることである。ここで、前記空間的構造特徴は、三次元空間シーンにおけるポイントクラウドデータの特徴を表す。前記ポイントクラウドデータの特徴は、法線方向、曲率等を含んでもよい。ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を決定し、具体的には、ポイントクラウドデータの法線方向、曲率等の特徴に基づいて、ポイントクラウドデータの所在する位置を決定することで、後続でターゲットシーンにおける対象及び該対象のタイプの決定、又はポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータのセマンティック情報の決定のために根拠を提供する。
【0038】
これに基づいて、本実施例の技術的解決手段は、仮想現実、拡張現実、医療、航空、スマート運転、ロボットなどの分野に適用する。例えば、スマート運転分野において、走行車両の前方シーンのポイントクラウドデータを収集し、ポイントクラウドデータを本実施例における処理方式で認識することで、ポイントクラウドデータにおけるポイントデータが属する対象を決定し、更に各ポイントデータのセマンティックセグメンテーションを実現させることができる。又は、ポイントクラウドデータに対応するシーンにおける対象のタイプを決定し、走行車両の前方シーンに他の車両又は歩行者などが含まれることを認識することができ、走行車両により後続で実行される操作のために基礎データを提供する。
【0039】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、ポイントクラウドデータと第1離散畳み込みカーネルとを関連付ける。つまり、ポイントクラウドデータを第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てることを表す重みを得る。これにより、離散のポイントクラウドデータと離散畳み込みカーネルの重みベクトルをアライメントし、ポイントクラウドデータと第1離散畳み込みカーネルとの幾何学的関係を明示的に定義する。これにより、離散畳み込み処理過程において、ポイントクラウドデータの空間的構造特徴をより良好に取得することができる。
【0040】
本願の実施例は、ポイントクラウドデータの処理方法を更に提供する。
図3は、本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法を示す第2フローチャートである。
図3に示すように、前記方法は以下を含む。
【0041】
ステップ201において、ターゲットシーンにおけるポイントクラウドデータ及び第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルを取得する。
【0042】
ステップ202において、前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第1重みデータを得て、前記第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表し、前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルは、n組であり、前記第1重みデータは、n組であり、nは、2以上の整数である。
【0043】
ステップ203において、第k組の第1重みデータ及び第k組の第1畳み込みパラメータに基づいて、第k組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトル及び前記ポイントクラウドデータに対してk番目の第1離散畳み込み処理を行い、k番目の第1離散畳み込み結果を得て、前記第k組の第1畳み込みパラメータは、k番目の第1離散畳み込み処理の大きさの範囲に対応し、kは、1以上n以下の整数である。
【0044】
ステップ204において、n個の第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を決定する。
【0045】
本実施例のステップ201からステップ202に関する詳細な説明は、具体的には、前記実施例におけるステップ101からステップ102に関する詳細な説明を参照することができ、ここで、詳細な説明を省略する。同様に、本実施例の各ステップにおける補間処理及び離散畳み込み処理に関する詳細な説明は、具体的には、前記実施例におけるステップ102からステップ103に関する詳細な説明を参照することができ、ここで、詳細な説明を省略する。
【0046】
本願の任意選択的な実施例において、ステップ202において、前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルは、n組であり、前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第1重みデータを得ることは、前記ポイントクラウドデータ及び第k組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、それぞれの前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第k組の第1重みデータを得ることであって、kは、1以上n以下の整数であり、nは、2以上の整数である、ことを含む。実際の適用において、第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルは、n組を有してもよい。ポイントクラウドデータ及びn組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルのうちの第k組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルを、それぞれ補間関数に入力し、第k組の第1重みデータを得る。つまり、ポイントクラウドデータ及びn組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルをそれぞれ補間関数に入力することで、n組の第1重みデータを得ることができる。
【0047】
本実施例において、三次元離散畳み込みカーネルは、離散畳み込み処理過程において一つの立方体領域に対応し、該立方体領域の8つの頂点は、8つの重みベクトル(第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルと表記する)に対応する。各三次元離散畳み込みカーネルは、畳み込みパラメータに対応している。つまり、該三次元離散畳み込みカーネルに対応する第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルは、畳み込みパラメータに対応している。前記畳み込みパラメータは、畳み込みカーネルの大きさ及び長さを含んでもよい。ここで、前記畳み込みカーネルの大きさ及び長さは、畳み込み操作の大きさの範囲を決定し、つまり、立方体領域の大きさ又は辺長を決定する。
【0048】
本実施例において、ポイントクラウドデータに対して、第k組の第1重みデータ及び第k組の第1畳み込みパラメータを採用して、第k組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトル及びポイントクラウドデータに対して、k番目の第1離散畳み込み処理を行い、k番目の第1離散畳み込み結果を得る。具体的な第1離散畳み込み処理過程は、前記実施例における記載を参照することができ、ここで、詳細な説明を省略する。実際の適用において、本実施例における補間処理及び離散畳み込み処理は、ネットワークにおける補間離散畳み込み層により実現することができる。本実施例において、n個の補間離散畳み込み層により、同一のポイントクラウドデータに対してそれぞれ補間処理、離散畳み込み処理を行い、n個の第1離散畳み込み結果を得る。
【0049】
ここで、前記第k組の第1畳み込みパラメータは、k番目の第1離散畳み込み処理の大きさの範囲に対応する。つまり、n組の第1畳み込みパラメータのうちの少なくとも一部の第1畳み込みパラメータが対応する離散畳み込み処理の大きさの範囲は異なる。前記第1畳み込みパラメータが大きいほど、離散畳み込み処理の大きさの範囲は大きくなり、受容野は大きくなり、対応的に、前記第1畳み込みパラメータが小さいほど、離散畳み込み処理の大きさの範囲は、小さくなり、受容野は小さくなることが理解されるべきである。本実施例において、小さい第1畳み込みパラメータが対応する一組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルにより、ポイントクラウドデータに対して離散畳み込み処理を行い、ターゲット対象の表面の精細な空間的構造特徴を得ることができる。大きい第1畳み込みパラメータが対応する一組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルにより、ポイントクラウドデータに対して離散畳み込み処理を行い、背景の空間的構造特徴を得ることができる。本実施例におけるn個の離散畳み込み層を含むネットワークは、n組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルのうちの第k組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトル及び対応する第k組の第1畳み込みパラメータにより、ポイントクラウドデータに対してそれぞれ補間処理及び離散畳み込み処理を行うことができる。該ネットワークは、複数の受容野を有するニューラルネットワークであり、ポイントクラウドデータの表面の精細な空間的構造特徴及び背景情報の空間的構造特徴を取得することができ、後続のポイントクラウドデータのタイプ、即ちターゲットシーンにおける対象のタイプ(即ち、分類タスク)の決定に寄与し、分類タスクの正確性を向上させることができる。
【0050】
上記実施形態において、ポイントクラウドデータに対して、n組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトル及びn組の第1畳み込みパラメータに基づいて、並行方式で補間処理及び離散畳み込み処理を一回行い、得られたn個の第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を決定する。他の実施形態において、ポイントクラウドデータの空間的構造特徴をより良好に認識するために、複数回の補間処理及び離散畳み込み処理を順次行うことができる。各回の補間処理及び離散畳み込み処理過程において、複数組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトル及び複数組の第1畳み込みパラメータに基づいて並行方式で補間処理及び離散畳み込み処理を行うことができる。
【0051】
本願の任意選択的な実施例において、前記n個の第1離散畳み込み結果に基づいて前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を決定することは、第1処理データ及び第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記第1処理データに対して補間処理を行い、第2重みデータを得ることであって、前記第2重みデータは、前記第1処理データを前記第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表し、前記第1処理データは、前回の離散畳み込み処理の結果によって決定され、前回の離散畳み込み処理の結果がn個の第1離散畳み込み結果である場合、前記第1処理データは、前記n個の第1離散畳み込み結果によって決定される、ことと、前記第2重みデータ及び前記第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記第1処理データに対して第2離散畳み込み処理を行い、第2離散畳み込み結果を得ることと、前記第2離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得ることと、を含む。
【0052】
一実施形態として、本実施例において、n個の第1離散畳み込み結果を統合し、第1処理データを得る。実際の適用において、n個の第1離散畳み込み結果のうちの各第1離散畳み込み結果内の、対応するチャネルのデータに対して加重加算処理を行い、第1処理データを得ることができる。更に、第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルを利用して前記第1処理データに対して補間処理を行い、また、第2離散畳み込みカーネルの重みベクトル及び第2重みデータに基づいて、前記第1データに対して離散畳み込み処理を行い、第2離散畳み込み結果を得ることができる。ここで、補間処理及び離散畳み込み処理の具体的な実現形態は、前記実施例と同じであり、ここで、詳細な説明を省略する。他の実施形態において、前回の離散畳み込み処理の結果に基づいて、前記第1処理データを決定することができる。前記第1処理データの決定形態は、前記実施形態と類似しており、ここで、詳細な説明を省略する。
【0053】
本実施例において、前記第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルはl組であり、前記第2重みデータは、l組であり、lは、2以上の整数であり、前記第2重みデータ及び前記第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記第1処理データに対して離散畳み込み処理を再実行することは、第m組の第2重みデータ及び第m組の第2畳み込みパラメータに基づいて、第m組の第2離散畳み込みカーネルの重みベクトル及び前記第1処理データに対して、m番目の第2離散畳み込み処理を行い、m番目の第2離散畳み込み結果を得ることであって、前記第m組の第2畳み込みパラメータは、m番目の離散畳み込み処理の大きさの範囲に対応し、mは、1以上l以下の整数である、ことを含み、第2離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得ることは、l個の第2離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を決定することを含む。ここで、lの数値は、nの数値と同じであるか又は異なる。
【0054】
ポイントクラウドデータに対して2回の補間処理及び離散畳み込み処理を順次行うことを例とすると、ポイントクラウドデータに対して、まず、n組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルのうちの第k組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルによって、それぞれ補間処理を行い、n組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルのうちの第k組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトル及びn組の第1畳み込み層パラメータのうちの第k組の第1畳み込みパラメータによりそれぞれ離散畳み込み処理を行った後、n個の第1離散畳み込み結果を得る。更に、n個の第1離散畳み込み結果を第1処理データとなるように統合した後、l組の第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルのうちの第m組の第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルによって、補間処理を行い、l組の第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルのうちの第m組の第2離散畳み込みカーネルの重みベクトル及びl組の第2畳み込みパラメータのうちの第m組の第2畳み込みパラメータによって、それぞれ離散畳み込み処理を行い、l個の第2離散畳み込み結果を得て、l個の第2離散畳み込み過程に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を決定する。つまり、本実施例におけるポイントクラウドデータに対して、補間-離散畳み込み-補間-離散畳み込み処理を行い、各回の補間処理及び離散畳み込み処理において、更に、複数の経路により、ポイントクラウドデータに対して補間処理及び離散畳み込み処理を行う。実際の適用において、繰返し処理の回数は、実際の状況によって決まってもよく、例えば3回であってもよい。
【0055】
以下、具体的なネットワーク構造を参照しながら、詳しく説明する。
【0056】
図4は、本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法における第1ネットワークの構造を示す概略図である。3組の補間畳み込み層を含むことを例として説明すると、各組の補間畳み込み層は、入力データに対してそれぞれ補間処理及び離散畳み込み処理を行うことができる。つまり、各組の補間畳み込み層は、本実施例における補間処理及び離散畳み込み処理を実行することができる。
図4に示すように、ポイントクラウドデータをそれぞれ3つの補間畳み込みブロック(InterpConv Block)に入力して補間処理及び離散畳み込み処理を行う。ここで、各補間畳み込みブロックにそれぞれ3つの補間畳み込み層が含まれる。順に、1*1*1の補間畳み込み層(InterpConv)、3*3*3の補間畳み込み層及び1*1*1の補間畳み込み層が含まれる。ここで、1*1*1の補間畳み込み層は、チャネル(channel)を調整するために用いられる。異なる補間畳み込みブロックにおける3*3*3の補間畳み込み層が対応する畳み込みパラメータは異なる。例えば、1番目の補間畳み込みブロックにおける3*3*3の補間畳み込み層に対応する畳み込みパラメータl=0.4であり、2番目の補間畳み込みブロックにおける3*3*3の補間畳み込み層に対応する畳み込みパラメータl=0.2であり、3番目の補間畳み込みブロックにおける3*3*3の補間畳み込み層に対応する畳み込みパラメータl=0.1である。該例において、畳み込みパラメータlは、畳み込みカーネル長さ(kernel length)を表す。一例として、畳み込みカーネル長さの2倍(kernel length*2)は、
図2に示す8つの重みベクトルで形成される立方体の辺長を表すことができる。
【0057】
該例において、入力されたポイントクラウドデータは、N*3の行列ベクトルで表される。ポイントクラウドデータに対して、それぞれ3本の経路の1*1*1の補間畳み込み層により補間畳み込み処理を行った後に得られたデータは、32チャネルのデータであり、N*32と表記する。更に、32個のチャネルのデータ(即ち、N*32)をそれぞれ3*3*3の補間畳み込み層に入力し、得られたデータは、元データの1/2までサブサンプリングされた64個のチャネルのデータであり、N/2*64と表記する。更に、元データの1/2までサブサンプリングされた64個のチャネルのデータ(N/2*64)を1*1*1の補間畳み込み層に入力して補間畳み込み処理を行った後に得られた、元データの1/2までサブサンプリングされた128個のチャネルのデータを、N/2*128と表記する。ここで、上記処理過程は、1つのポイントクラウド処理ブロックにおける処理過程と表記してもよい。該ポイントクラウド処理ブロックに、3つの補間畳み込みブロック(InterpConv Block)が含まれてもよい。該例において、少なくとも2つのポイントクラウド処理ブロックにより、ポイントクラウドデータに対して補間畳み込み処理を繰り返して行うことができる。
図4に示すように、2つのポイントクラウド処理ブロックにより、ポイントクラウドデータに対して補間畳み込み処理を繰り返して行う。各ポイントクラウド処理ブロックにおける補間畳み込みブロックの数は、同じであっても異なってもよい。該例において、2つのポイントクラウド処理ブロックにおける補間畳み込みブロックの数は、同じであり、いずれも3つである。3つのN/2*128データを
統合した後、再び、ポイントクラウド処理ブロックにおける3つの補間畳み込みブロックにより、
統合されたN/2*128データをそれぞれ処理する。処理過程は、前記1番目のポイントクラウドデータブロックの処理過程と類似する。その相違点は以下の通りであり、即ち、2番目のポイントクラウド処理ブロックにおける補間畳み込みブロックに対応する畳み込みパラメータは、1番目のポイントクラウド処理ブロックにおける補間畳み込みブロックに対応する畳み込みパラメータと異なってもよく、2番目のポイントクラウド処理ブロックにおける補間畳み込みブロックに対応する畳み込みパラメータは、1番目のポイントクラウド処理ブロックにおける補間畳み込みブロックに対応する畳み込みパラメータより大きい。例えば、2番目のポイントクラウド処理ブロックにおける1番目の補間畳み込みブロックにおいて、3*3*3の補間畳み込み層に対応する畳み込みパラメータl=0.8である。1番目のポイントクラウド処理ブロックにおける1番目の補間畳み込みブロックにおいて、3*3*3の補間畳み込み層に対応する畳み込みパラメータl=0.4である。2番目のポイントクラウド処理ブロックにおける2番目の補間畳み込みブロックにおいて、3*3*3の補間畳み込み層に対応する畳み込みパラメータl=0.4である。1番目のポイントクラウド処理ブロックにおける2番目の補間畳み込みブロックにおいて、3*3*3の補間畳み込み層に対応する畳み込みパラメータl=0.2である。本実施例において、ポイントクラウドデータに対して補間処理及び離散畳み込み処理を繰り返して行う過程において(即ち、直列的な補間畳み込み処理過程において)、各回の離散畳み込み処理に対応する畳み込みパラメータは、次第に多くなることが理解されるべきである。異なる離散畳み込みカーネルの重みベクトル及び畳み込みパラメータを利用してポイントクラウドデータに対してそれぞれ補間処理及び離散畳み込み処理を行う過程において(即ち、並列的な補間畳み込み処理過程において)、異なる離散畳み込み処理に対応する畳み込みパラメータは異なってもよい。
【0058】
更に、
図4に示すように、2番目のポイントクラウド処理ブロックで得られた3つのN/4*256データを
統合する。具体的には、3つのN/4*256に対してチャネル数を加算した後、768個のチャネルのデータを得て、N/4*768と表記する。N/4*768に対して、1*1*1の補間畳み込み層により、補間畳み込み処理を行い、1024個のチャネルのデータを得て、N/4*1024と表記する。最大プーリング層(Maxpooling)により、N/4*1024に対して、最大プーリング処理を行い、グローバル特徴ベクトルを表すデータを得て、1*1024と表記する。全結合層(FC)により、1*1024を処理し、40個のチャネルのデータを得て、1*40と表記する。各チャネルは1つの次元に対応し、つまり、40個の次元のデータを出力し、各次元は、1つのタイプに対応する。
【0059】
本願の任意選択的な実施例において、前記方法は、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴に基づいて、前記ターゲットシーンにおける対象のタイプを決定するステップ205を更に含む。
【0060】
本実施例において、出力された、ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を表す複数の次元のデータに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対応する対象のタイプを決定し、つまり、ターゲットシーンにおける対象のタイプを決定する。具体的には、前記複数の次元のデータのうちの数値が最も大きい次元のデータに基づいて、前記対象のタイプを決定する。例えば、
図4に示す例において、40個の次元のデータを出力し、各次元のデータは、1つのタイプに対応する。40個の次元のデータから、数値が最も大きい次元のデータを決定し、数値が最も大きい次元のデータに対応するタイプを前記対象のタイプと決定する。
【0061】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、ポイントクラウドデータに対して補間処理を行うことで、ポイントクラウドデータと第1離散畳み込みとを関連付けるための重みデータを得て、つまり、ポイントクラウドデータを第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表すものを得る。これにより、離散したポイントクラウドデータと離散畳み込みカーネルの重みベクトルをアライメントする。離散畳み込み処理過程においてポイントクラウドデータの空間的構造特徴をより良好に取得することに寄与する。一方で、異なる畳み込みパラメータにより、ポイントクラウドデータに対してそれぞれ離散畳み込み処理を行うことで、ポイントクラウドデータの表面の精細な空間的構造特徴及び背景情報の空間的構造特徴を取得することを実現させ、ポイントクラウドデータに対応する対象の分類の正確性を向上させることができる。
【0062】
本願の実施例は、ポイントクラウドデータの処理方法を更に提供する。
図5は、本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法を示す第3フローチャートである。
図5に示すように、前記方法は以下を含む。
【0063】
ステップ301において、ターゲットシーンにおけるポイントクラウドデータ及び第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルを取得する。
【0064】
ステップ302において、前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第1重みデータを得て、前記第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表す。
【0065】
ステップ303において、前記第1重みデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して、第1離散畳み込み処理を行い、第1離散畳み込み結果を得る。
【0066】
ステップ304において、前記第1離散畳み込み結果に対して第1アップサンプリング処理を行い、第1アップサンプリング処理結果を得る。
【0067】
ステップ305において、前記第1アップサンプリング処理結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴を得る。
【0068】
本実施例のステップ301からステップ302に関する詳細な説明は、具体的には、前記実施例におけるステップ101からステップ102に関する詳細な説明を参照することができ、ここで、詳細な説明を省略する。同様に、本実施例の各ステップにおける補間処理及び離散畳み込み処理に関する詳細な説明は、具体的には、前記実施例におけるステップ102からステップ103に関する詳細な説明を参照することができ、ここで、詳細な説明を省略する。
【0069】
本実施例において、ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴を抽出し、後続で、少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴に基づいて、少なくとも1つのポイントデータのセマンティック情報を決定することを可能にするために、本実施例において、ポイントクラウドデータに対して第1離散畳み込み処理を行った後、離散畳み込み処理過程に大きさの縮小が伴うため、前記第1離散畳み込み結果に対して第1アップサンプリング処理を行い、第1離散畳み込み結果の大きさを復元する必要がある。つまり、第1離散畳み込み結果の大きさを拡大し、第1アップサンプリング処理結果を得て、前記第1アップサンプリング処理結果に基づいて前記ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴を得る。実際の適用において、補間処理及び離散畳み込み処理に対応する構造は、エンコーダ構造と呼ばれてもよく、アップサンプリング処理に対応する構造は、デコーダ構造と呼ばれてもよい。
【0070】
上記実施形態において、ポイントクラウドデータに対して補間処理、離散畳み込み処理及びアップサンプリング処理を一回行う。他の実施形態において、ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴をより良好に認識するために、複数回の補間処理、離散畳み込み処理及びアップサンプリング処理を順に行うことができる。
【0071】
本願の任意選択的な実施例において、前記第1アップサンプリング処理結果に基づいて前記ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴を得ることは、前回のアップサンプリング処理の結果及び第3離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記前回のアップサンプリング処理の結果に対して補間処理を行い、第3重みデータを得ることであって、前記第3重みデータは、前記前回のアップサンプリング処理の結果を前記第3離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表し、前回のアップサンプリング処理が、第1離散畳み込み結果に対して行われた第1アップサンプリング処理である場合、前回のアップサンプリング処理の結果は、第1アップサンプリング結果である、ことと、前記第3重みデータ及び前記第3離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記前回のアップサンプリング処理の結果に対して第3離散畳み込み処理を行い、第3離散畳み込み結果を得ることと、前記第3離散畳み込み結果に対して第2アップサンプリング処理を行い、第2アップサンプリング処理結果を得ることと、前記第2アップサンプリング処理結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴を得ることと、を含む。
【0072】
ポイントクラウドデータに対して補間処理、第1離散畳み込み処理及び第1アップサンプリング処理を一回行った後、補間処理、第2離散畳み込み処理及び第2アップサンプリング処理を繰り返して行うことができる。繰り返し回数は、実際の状況に応じて予め設定されてもよい。
【0073】
以下、具体的なネットワーク構造を参照しながら、詳しく説明する。
【0074】
図6は、本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理方法における第2ネットワークの構造を示す概略図である。
図6に示すように、エンコーダと、デコーダと、を備える。前記エンコーダは、複数の補間畳み込み層(InterpConv)を含み、前記複数の補間畳み込み層により、ポイントクラウドデータに対して順に補間処理及び離散畳み込み処理を行う。各補間畳み込み層は、本実施例における補間処理及び離散畳み込み処理過程を実行することができる。ここで、前記複数の補間畳み込み層に対応する畳み込みパラメータは、異なってもよい。一例として、前記複数の補間畳み込み層のそれぞれに対応する畳み込みパラメータは、段階的に増加してもよい。例えば、
図6に示すように、1番目の3*3*3の補間畳み込み層に対応する畳み込みパラメータl=0.05である。2番目の3*3*3の補間畳み込み層に対応する畳み込みパラメータl=0.1である。3番目の3*3*3の補間畳み込み層に対応する畳み込みパラメータl=0.2である。4番目の3*3*3の補間畳み込み層に対応する畳み込みパラメータl=0.4である。該例において、畳み込みパラメータlは、畳み込みカーネル長さ(kernel length)を表す。一例として、畳み込みカーネル長さの2倍(kernel length*2)は、
図2に示す8つの重みベクトルで形成される立方体の辺長である。
【0075】
該例において、入力されたポイントクラウドデータは、N*3の行列ベクトルで表される。ポイントクラウドデータに対して、1番目の3*3*3の補間畳み込み層により補間畳み込み処理を行った後に得られたデータは、元データの1/2にサブサンプリングされた16個のチャネルのデータであり、N/2*16と表記される。元データの1/2にサブサンプリングされた16個のチャネルのデータ(N/2*16)を1*1*1の補間畳み込み層に入力して補間畳み込み処理を行った後に、チャネル数が32個のチャネルに調整されたデータを得て、N/2*32と表記する。本願の各実施例において、1*1*1の補間畳み込み層は、いずれもチャネル数の調整に用いられることが理解されるべきである。N/2*32のデータを2番目の3*3*3の補間畳み込み層に入力して補間畳み込み処理を行い、元データの1/4にサブサンプリングされた32個のチャネルのデータを得て、N/4*32と表記する。N/4*32のデータを1*1*1の補間畳み込み層に入力して補間畳み込み処理を行った後に、チャネル数が64個のチャネルに調整されたデータを得て、N/4*64と表記する。N/4*64のデータを3番目の3*3*3の補間畳み込み層に入力して補間畳み込み処理を行った後に得られたデータは、元データの1/8にサブサンプリングされた32個のチャネルのデータであり、N/8*64と表記される。N/8*64のデータを1*1*1の補間畳み込み層に入力して補間畳み込み処理を行った後、チャネル数が128個のチャネルに調整されたデータを得て、N/8*128と表記する。N/8*128のデータを4番目の3*3*3の補間畳み込み層に入力して補間畳み込み処理を行った後に得られたデータは、元データの1/16にサブサンプリングされた128個のチャネルのデータであり、N/16*128と表記される。N/16*128のデータを1*1*1の補間畳み込み層に入力して補間畳み込み処理を行った後、チャネル数が256個のチャネルに調整されたデータを得て、N/16*256と表記する。以上は、ネットワークのエンコーダ構造の処理過程としてもよい。
【0076】
更に、N/16*256のデータに対してアップサンプリング(Upsampling)処理を行った後に得られたデータは、元データの1/8にアップサンプリングされた256個のチャネルのデータであり、N/8*256と表記される。N/8*256のデータに対してアップサンプリング処理を行った後に得られたデータは、元データの1/4にアップサンプリングされた128個のチャネルのデータであり、N/4*128と表記される。N/4*128のデータに対してアップサンプリング処理を行った後に得られたデータは、元データの1/2にアップサンプリングされた128個のチャネルのデータであり、N/2*128と表記される。N/2*128のデータに対してアップサンプリング処理を行った後に得られたデータは、元データにアップサンプリングされた128個のチャネルのデータであり、N*128と表記される。N*128のデータを1*1*1の補間畳み込み層に入力して補間畳み込み処理を行った後、N*mのデータを得る。ここで、mは、ポイントクラウドデータにおけるポイントクラウドの数として表されてもよい。つまり、各ポイントクラウドに対応する複数の次元の特徴データを得る。
【0077】
本願の任意選択的な実施例において、前記方法は、前記ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴に基づいて、前記少なくとも1つのポイントデータのセマンティック情報を決定するステップ306を更に含む。
【0078】
本実施例において、出力された、少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴を表す複数の次元のデータに基づいて、前記少なくとも1つのポイントデータのセマンティック情報を決定する。つまり、前記少なくとも1つのポイントデータのタイプを決定する。前記ポイントデータのタイプは、前記ポイントデータが属する対象情報を表す。例えば、ターゲットシーンに人間、車両などの複数の対象が含まれる場合、ポイントデータのセマンティック情報を認識することで、ポイントクラウドデータにおけるポイントデータに対応する対象が人間又は車両であると決定することができる。従って、ポイントデータのセマンティック情報を認識することで、人間に対応する全てのポイントデータ及び車両に対応する全てのポイントデータを決定することができる。具体的には、前記少なくとも1つのポイントデータのうちの各ポイントデータに対応する複数の次元の特徴データのうちの数値が最も大きい次元のデータに基づいて、該ポイントデータのセマンティック情報を決定する。例えば、
図6に示す例において、各ポイントデータについて、N個の次元の特徴データを出力する。各次元のデータは、1つのタイプに対応してもよい。N個の次元のデータから、数値が最も大きい次元のデータを決定し、数値が最も大きい次元のデータに対応するタイプを該ポイントデータのセマンティック情報と決定する。
【0079】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、ポイントクラウドデータに対して補間処理を行うことで、ポイントクラウドデータと第1離散畳み込みとを関連付けるための重みデータを得て、つまり、ポイントクラウドデータを第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表すものを得る。これにより、離散したポイントクラウドデータと離散畳み込みカーネルの重みベクトルをアライメントする。離散畳み込み処理過程においてポイントクラウドデータの空間的構造特徴をより良好に取得し、ポイントクラウドデータのセマンティック情報をより良好に取得することに寄与する。
【0080】
本願の実施例は、ポイントクラウドデータの処理装置を更に提供する。
図7は、本願の実施例によるポイントクラウドデータの処理装置の構造を示す第1概略図である。
図7に示すように、前記装置は、取得ユニット41と、補間処理ユニット42と、特徴取得ユニット43とを備え、
前記取得ユニット41は、ターゲットシーンにおけるポイントクラウドデータ及び第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルを取得するように構成され、
前記補間処理ユニット42は、前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して補間処理を行い、第1重みデータを得るように構成され、前記第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表し、
前記特徴取得ユニット43は、前記第1重みデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して、第1離散畳み込み処理を行い、第1離散畳み込み結果を得て、前記第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得るように構成される。
【0081】
本実施例において、任意選択的に、前記補間処理ユニット42は、前記ポイントクラウドデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、所定の補間処理方式で第1重みデータを得るように構成され、前記第1重みデータは、前記ポイントクラウドデータを、所定の条件を満たす第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表し、前記ポイントクラウドデータは、所定の条件を満たす前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルで囲まれた特定の幾何的形状領域内に位置する。
【0082】
任意選択的に、前記特徴取得ユニット43は更に、前記第1重みデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して第1離散畳み込み処理を行い、第1離散畳み込み結果を得て、正規化パラメータに基づいて、第1離散畳み込み結果に対して正規化処理を行うように構成され、前記正規化パラメータは、前記ポイントクラウドデータの所在する前記特定の幾何的形状領域内のポイントクラウドデータの数によって決まり、前記特徴取得ユニット43は更に、正規化処理を行った結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータのうちの少なくとも一部のポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得るように構成される。
【0083】
一実施形態として、前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルは、n組であり、前記第1重みデータは、n組であり、nは、2以上の整数であり、前記特徴取得ユニット43は、第k組の第1重みデータ及び第k組の第1畳み込みパラメータに基づいて、第k組の第1離散畳み込みカーネルの重みベクトル及び前記ポイントクラウドデータに対してk番目の第1離散畳み込み処理を行い、k番目の第1離散畳み込み結果を得るように構成され、前記第k組の第1畳み込みパラメータは、k番目の第1離散畳み込み処理の大きさの範囲に対応し、kは、1以上n以下の整数であり、前記特徴取得ユニット43は、n個の第1離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を決定するように構成される。
【0084】
本願の任意選択的な実施例において、前記補間処理ユニット42は更に、第1処理データ及び第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記第1処理データに対して補間処理を行い、第2重みデータを得るように構成され、前記第2重みデータは、前記第1処理データを前記第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表し、前記第1処理データは、前回の離散畳み込み処理の結果によって決定され、前回の離散畳み込み処理の結果がn個の第1離散畳み込み結果である場合、前記第1処理データは、前記n個の第1離散畳み込み結果によって決定され、
前記特徴取得ユニット43は更に、前記第2重みデータ及び前記第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記第1処理データに対して第2離散畳み込み処理を行い、第2離散畳み込み結果を得て、前記第2離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を得るように構成される。
【0085】
ここで、任意選択的に、前記第2離散畳み込みカーネルの重みベクトルはl組であり、前記第2重みデータは、l組であり、lは、2以上の整数であり、前記特徴取得ユニット43は、第m組の第2重みデータ及び第m組の第2畳み込みパラメータに基づいて、第m組の第2離散畳み込みカーネルの重みベクトル及び前記第1処理データに対して、m番目の第2離散畳み込み処理を行い、m番目の第2離散畳み込み結果を得るように構成され、前記第m組の第2畳み込みパラメータは、m番目の離散畳み込み処理の大きさの範囲に対応し、mは、1以上l以下の整数であり、前記特徴取得ユニット43は更に、l個の第2離散畳み込み結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴を決定するように構成される。
【0086】
本願の任意選択的な実施例において、
図8に示すように、前記装置は、前記ポイントクラウドデータの空間的構造特徴に基づいて、前記ターゲットシーンにおける対象のタイプを決定するように構成される第1決定ユニット44を更に備える。
【0087】
もう1つの実施形態として、前記特徴取得ユニット43は、前記第1重みデータ及び前記第1離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記ポイントクラウドデータに対して、第1離散畳み込み処理を行い、第1離散畳み込み結果を得て、前記第1離散畳み込み結果に対して第1アップサンプリング処理を行い、第1アップサンプリング処理結果を得て、前記第1アップサンプリング処理結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴を得るように構成される。
【0088】
本願のもう1つの任意選択的な実施例において、任意選択的に、前記補間処理ユニット42は更に、前回のアップサンプリング処理の結果及び第3離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記前回のアップサンプリング処理の結果に対して補間処理を行い、第3重みデータを得るように構成され、前記第3重みデータは、前記前回のアップサンプリング処理の結果を前記第3離散畳み込みカーネルの重みベクトルに対応する位置に割り当てる重みを表し、前回のアップサンプリング処理が、第1離散畳み込み結果に対して行われた第1アップサンプリング処理である場合、前回のアップサンプリング処理の結果は、第1アップサンプリング結果である。
【0089】
前記特徴取得ユニット43は更に、前記第3重みデータ及び前記第3離散畳み込みカーネルの重みベクトルに基づいて、前記前回のアップサンプリング処理の結果に対して第3離散畳み込み処理を行い、第3離散畳み込み結果を得て、前記第3離散畳み込み結果に対して第2アップサンプリング処理を行い、第2アップサンプリング処理結果を得て、前記第2アップサンプリング処理結果に基づいて、前記ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴を得るように構成される。
【0090】
本願の任意選択的な実施例において、
図9に示すように、前記装置は、前記ポイントクラウドデータにおける少なくとも1つのポイントデータの空間的構造特徴に基づいて、前記少なくとも1つのポイントデータのセマンティック情報を決定するように構成される第2決定ユニット45を更に備える。
【0091】
本願の実施例において、前記装置における取得ユニット41、補間処理ユニット42、特徴取得ユニット43、第1決定ユニット44及び第2決定ユニット45は、実際の適用において、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、マイクロ制御ユニット(MCU:Microcontroller Unit)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)により実現可能である。
【0092】
上記実施例で提供されるポイントクラウドデータの処理装置がポイントクラウドデータ処理を行う場合、単に上述した各プログラムモジュールの区分を持って例を挙げて説明したが、実際の適用においては、必要に応じて上記処理を異なる機能モジュールで完成させ、即ち、設備の内部構造を様々なプログラムモジュールに区分することによって、上述した全部又は一部の処理を完成させることができることに留意されたい。なお、上記実施例で提供されるポイントクラウドデータの処理装置は、ポイントクラウドデータの処理方法と同一の構想に属し、その具体的な実現過程は、方法実施例を参照されたい。ここで詳細な説明を省略する。
【0093】
本願の実施例は、電子機器を更に提供する。
図10は、本願の実施例による電子機器の構造を示す概略図である。
図10に示すように、メモリ52と、プロセッサ51と、メモリ52に記憶されてプロセッサ51で実行される可能なコンピュータプログラムと、を備え、前記プロセッサ51が前記プログラムを実行する時、本願の実施例に記載のポイントクラウドデータの処理方法のステップを実現させる。
【0094】
任意選択的に、電子機器における各ユニットはバスシステム53によって結合される。バスシステム53は、これらの部材間の接続及び通信を実現するためのものであることが理解されるべきである。バスシステム53はデータバスを含む以外、電源バス、制御バス及び状態信号バスを含む。しかしながら、明確に説明するために、
図10において、全てのバスをバスシステム53と表記する。
【0095】
理解すべき点として、メモリ52は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよいし、揮発性メモリと不揮発性メモリの両方であってもよい。ここで、不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(ROM:Read Only Memory)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM:Programmable Read-Only Memory)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM:Erasable Programmable Read-Only Memory)、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM(登録商標):Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、磁気ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標):ferromagnetic random access memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、磁気面メモリ、光ディスク、又は読み出し専用型光ディスク(CD-ROM:Compact Disc Read-Only Memory)であってもよい。磁気面メモリは、磁気ディスクメモリ又は磁気テープメモリであってもよい。揮発性メモリは、外部キャッシュとして用いられるランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)であってもよい。非限定的な例証として、RAMは、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:Static Random Access Memory)、同期スタティックランダムアクセスメモリ(SSRAM:Synchronous Static Random Access Memory)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM:Synchronous Dynamic Random Access Memory)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(DDRSDRAM:Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)、エンハンスト同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(ESDRAM:Enhanced Synchronous Dynamic Random Access Memory)、同期リンクダイナミックランダムアクセスメモリ(SLDRAM:Synchlink Dynamic Random Access Memory)及びダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(DRRAM(登録商標):Direct Rambus Random Access Memory)などの多数の形態で使用可能である。本発明の実施例に記載されているメモリ52は、これら及び任意の他の適切な形態のメモリを含むが、これらに限定されないことに留意されたい。
【0096】
上記本発明の実施例に開示された方法はプロセッサ51に適用されるか、又はプロセッサ51により実現される。プロセッサ51は、信号を処理する能力を有する集積回路チップであり得る。上記方法の各ステップは、実現する過程において、プロセッサ51におけるハードウェアの集積論理回路又はソフトウェアの形の指令により完成することができる。上記プロセッサ51は、汎用プロセッサ、DSP、又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネント等であってもよい。プロセッサ51は、本発明の実施例に開示されている各方法、ステップ及び論理的ブロック図を実現又は実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいし、該プロセッサは如何なる従来のプロセッサ等であってもよい。本発明の実施例に開示されている方法のステップに合わせて、ハードウェア解読プロセッサによって実行し、又は解読プロセッサ内のハードウェアとソフトウェアモジュールとの組み合わせで実行して完成するように示す。ソフトウェアモジュールは、記憶媒体内に存在してもよい。該記憶媒体は、メモリ52内に位置し、プロセッサ51はメモリ52中の情報を読み取り、そのハードウェアと共に上記方法のステップを完了する。
【0097】
例示的な実施例において、電子機器は、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Intergrated Circuit)、DSP、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、FPGA、汎用プロセッサ、コントローラ、MCU、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、又は他の電子素子により実現され、前記方法を実行するために用いられる。
【0098】
例示的実施例において、本願の実施例は、例えばコンピュータプログラムを含むメモリ52のようなコンピュータ記憶媒体を更に提供する。上記コンピュータプログラムは、電気機器のプロセッサ51により実行され、前記方法に記載の工程を完了する。コンピュータ記憶媒体は、FRAM(登録商標)、ROM、PROM、EPROM、EEPROM(登録商標)、Flash Memory、磁気面メモリ、光ディスク、又はCD-ROM等のメモリであってもよく、上記メモリのうちの1つ又は任意の組み合わせを含む種々の機器であってもよい。
【0099】
本願の実施例で提供されるコンピュータ記憶媒体にコンピュータ命令が記憶されており、該命令がプロセッサにより実行される場合、本願の実施例に記載のポイントクラウドデータの処理方法を実現させる。
【0100】
本願の実施例は、コンピュータプログラムを更に提供する。前記コンピュータプログラムは、コンピュータによる実行可能な命令を含み、該コンピュータによる実行可能な命令が実行された後、本願の実施例で提供されるいずれか1つのポイントクラウドデータの処理方法を実現させることができる。
【0101】
本願で提供される幾つかの実施例において、開示される装置及び方法は、他の方式によって実現できることを理解すべきである。例えば、以上に記載した装置の実施例はただ例示的なもので、例えば、前記ユニットの分割はただロジック機能の分割で、実際に実現する時は他の分割方式によってもよい。例えば、複数のユニット又は組立体を組み合わせてもよいし、別のシステムに組み込んでもよい。又は若干の特徴を無視してもよいし、実行しなくてもよい。また、示したか或いは検討した相互間の結合又は直接的な結合又は通信接続は、幾つかのインターフェイス、装置又はユニットによる間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的または他の形態であってもよい。
【0102】
分離部材として説明した該ユニットは、物理的に別個のものであってもよいし、そうでなくてもよい。ユニットとして示された部材は、物理的ユニットであってもよいし、そうでなくてもよい。即ち、同一の位置に位置してもよいし、複数のネットワークに分布してもよい。実際の需要に応じてそのうちの一部又は全てのユニットにより本実施例の方策の目的を実現することができる。
【0103】
また、本願の各実施例における各機能ユニットは一つの処理ユニットに集積されてもよいし、各ユニットが物理的に別個のものとして存在してもよいし、2つ以上のユニットが一つのユニットに集積されてもよい。上記集積したユニットはハードウェアとして実現してもよく、ハードウェアとソフトウェア機能ユニットとの組み合わせとして実現してもよい。
【0104】
上記各方法に係る実施例の全部又は一部のステップはプログラム命令に係るハードウェアにより実現され、前記プログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、該プログラムが実行される時、上記方法の実施例におけるステップを実行し、前記記憶媒体は、携帯型記憶装置、ROM、磁気ディスク又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種の媒体を含むことは、当業者であれば、理解すべきである。
【0105】
又は、本願の上記集積したユニットがソフトウェア機能ユニットの形で実現され、かつ独立した製品として販売または使用されるとき、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体内に記憶されてもよい。このような理解のもと、本願の技術的解決手段は、本質的に、又は、従来技術に対して貢献をもたらした部分又は該技術的解決手段の一部は、ソフトウェア製品の形式で具現することができ、このようなコンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶しても良く、また、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ又はネットワーク装置など)に、本願の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む。前記の記憶媒体は、携帯型記憶装置、ROM、RAM、磁気ディスク、又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種の媒体を含む。
【0106】
なお、矛盾が生じない限り、本願で提供される幾つかの方法実施例で開示された方法を互いに任意に組み合わせて、新たな方法実施例を得ることができる。矛盾が生じない限り、本願で提供される幾つかの製品実施例で開示された特徴を互いに任意に組み合わせて、新たな製品実施例を得ることができる。矛盾が生じない限り、本願で提供される幾つかの方法又は装置実施例で気味された特徴を互いに任意に組み合わせて、新たな方法実施例又は装置実施例を得ることができる。
【0107】
以上は本願の実施形態に過ぎず、本願の保護の範囲はそれらに制限されるものではなく、当業者が本願に開示された技術範囲内で容易に想到しうる変更や置換はいずれも、本願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。
【符号の説明】
【0108】
41 取得ユニット
42 補間処理ユニット
43 特徴取得ユニット
44 第1決定ユニット
51 プロセッサ
52 メモリ