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特許7475310セグメントリングローリング量測定方法及びトンネル掘進方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】セグメントリングローリング量測定方法及びトンネル掘進方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/093 20060101AFI20240419BHJP
   E21D 11/40 20060101ALI20240419BHJP
   G01C 15/00 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
E21D9/093 B
E21D11/40 B
G01C15/00 104A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021068620
(22)【出願日】2021-04-14
(65)【公開番号】P2022163601
(43)【公開日】2022-10-26
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】紀伊 吉隆
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-310818(JP,A)
【文献】特開平11-94549(JP,A)
【文献】特開平6-249616(JP,A)
【文献】特開2006-133213(JP,A)
【文献】特開2001-21355(JP,A)
【文献】特開2022-53212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/093
E21D 11/40
G01C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド掘進機により掘削された坑の周方向に沿って複数のセグメントを連結することによって構築されたセグメントリングの周方向における基準位置からのローリング量を測定するセグメントリングローリング量測定方法であって、
前記シールド掘進機または前記シールド掘進機の掘進に追従して移動する後続台車に設けられた位置情報取得装置によって、前記セグメントリングの所定の箇所における位置情報を取得する工程と、
取得された前記位置情報に基づいて前記セグメントリングの前記ローリング量を算出する工程と、を含む
セグメントリングローリング量測定方法。
【請求項2】
前記位置情報取得装置は、前記坑の軸方向に沿って連結される複数の前記セグメントリングの前記所定の箇所における前記位置情報をそれぞれ取得可能であり、
取得された複数の前記位置情報に基づいて複数の前記セグメントリングの前記ローリング量がそれぞれ算出される
請求項1に記載のセグメントリングローリング量測定方法。
【請求項3】
前記位置情報取得装置は、前記位置情報として、前記セグメントリングの前記所定の箇所に設置された視標の位置情報を取得する
請求項1または2に記載のセグメントリングローリング量測定方法。
【請求項4】
前記位置情報取得装置は、前記位置情報として、前記セグメントリングの前記所定の箇所における画像から特定のセグメントの位置情報を取得する
請求項1または2に記載のセグメントリングローリング量測定方法。
【請求項5】
前記位置情報取得装置が設けられる前記シールド掘進機または前記後続台車の周方向における変位量を取得する工程と、
前記変位量に基づいて前記セグメントリングの前記ローリング量を補正する工程と、をさらに含む
請求項1から4の何れか1つに記載のセグメントリングローリング量測定方法。
【請求項6】
前記位置情報取得装置は、水平状態を維持可能な水平維持架台を介して前記シールド掘進機または前記後続台車に設置される
請求項1から4の何れか1つに記載のセグメントリングローリング量測定方法。
【請求項7】
シールド掘進機を用いたトンネル掘進方法であって、
カッタヘッドを回転駆動することにより地盤を掘削する工程と、
掘削された坑の周方向に沿って複数のセグメントを連結することによりセグメントリングを構築する工程と、
前記シールド掘進機または前記シールド掘進機の掘進に追従して移動する後続台車に設けられた位置情報取得装置によって取得された前記セグメントリングの所定の箇所における位置情報に基づいて前記セグメントリングの周方向における基準位置からのローリング量を測定する工程と、
前記ローリング量が所定の閾値を超えた場合、前記カッタヘッドの回転方向を転換させる工程と、
を含むトンネル掘進方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメントリングローリング量測定方法及びトンネル掘進方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シールド工法において掘削坑内に構築されるセグメントリングの真円度を計測する真円度計測装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-12764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、シールド工法において掘削坑内に構築されるセグメントリングにはインサート金具が予め埋め込まれており、このインサート金具は、トンネル内に設置される看板や照明、換気装置といったトンネル内の構造物を取り付けるための取付金具として利用されている。このため、例えば、セグメントリングが周方向にずれて設置されてしまうと、インサート金具の位置が所定の位置からずれ、結果として、トンネル内の構造物の取り付け位置がずれることになる。
【0005】
セグメントリングの周方向における基準位置からのずれであるローリング量は、水平器を用いて作業員により測定されるが、シールド掘進機が掘進している間やセグメントリングを構築している間は、危険を伴うため測定を実施することができず、セグメントリングのローリング量を常時把握することは不可能であった。また、引用文献1に記載のようなセグメントリングの状態を測定する装置を用いてもセグメントリングのローリング量を把握することはできなかった。
【0006】
本発明は、セグメントリングの周方向における基準位置からのローリング量を常時測定可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シールド掘進機により掘削された坑の周方向に沿って複数のセグメントを連結することによって構築されたセグメントリングの周方向における基準位置からのローリング量を測定するセグメントリングローリング量測定方法であって、前記シールド掘進機または前記シールド掘進機の掘進に追従して移動する後続台車に設けられた位置情報取得装置によって、前記セグメントリングの所定の箇所における位置情報を取得する工程と、取得された前記位置情報に基づいて前記セグメントリングの前記ローリング量を算出する工程と、を含む。
【0008】
また、本発明は、シールド掘進機を用いたトンネル掘進方法であって、カッタヘッドを回転駆動することにより地盤を掘削する工程と、掘削された坑の周方向に沿って複数のセグメントを連結することによりセグメントリングを構築する工程と、前記シールド掘進機または前記シールド掘進機の掘進に追従して移動する後続台車に設けられた位置情報取得装置によって取得された前記セグメントリングの所定の箇所における位置情報に基づいて前記セグメントリングの周方向における基準位置からのローリング量を測定する工程と、前記ローリング量が所定の閾値を超えた場合、前記カッタヘッドの回転方向を転換させる工程と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、セグメントリングの周方向における基準位置からのローリング量を常時測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るセグメントリングのローリング量測定方法及びトンネル掘進方法において用いられるシールド掘進機の構成を示す断面図である。
図2】シールド掘進機により構築されるセグメントリングの展開図である。
図3】本発明の実施形態に係るセグメントリングのローリング量測定方法及びトンネル掘進方法が適用されるシールド掘進機の制御システムの構成を示すブロック図である。
図4】セグメントリングのローリング量の算出例を説明するための図である。
図5】本発明の実施形態に係るセグメントリングのローリング量測定方法の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るセグメントリングのローリング量測定方法及びトンネル掘進方法において用いられるシールド掘進機100について説明する。シールド掘進機100は、地山(地盤)に掘削坑を掘削し、掘削坑の内壁を覆うように後述のセグメントリング112を組み立てることによってシールドトンネルTを構築するものである。図1は、シールド掘進機100の構成を示す断面図である。なお、以下では、シールド掘進機100が進む方向である切羽側を「前方」とし、その反対の方向である坑口側を「後方」として説明する。
【0013】
図1に示すように、シールド掘進機100は、泥土圧シールド工法に用いられる泥土圧式シールド掘進機であり、円筒状の前胴部10と、円筒状の後胴部30と、前胴部10と後胴部30とを屈曲可能に連結する中折れ部40と、を有する。
【0014】
前胴部10は、円筒状の外殻(スキンプレート)11と、外殻11の前方端部に配置され外殻11により回転自在に支持されるカッタヘッド20と、外殻11内に設けられカッタヘッド20の後方に離間して配置される隔壁12と、を有する。
【0015】
隔壁12には、回転ドラム13が回転軸C1を中心に回転自在に支持されている。回転ドラム13には、連結ロッド13aを介してカッタヘッド20が連結されている。このため、カッタヘッド20は、回転ドラム13とともに回転軸C1を中心に回転可能である。なお、回転軸C1は、外殻11の中心軸とほぼ一致している。
【0016】
回転ドラム13は、減速機構(不図示)を介してモータ14に連結されており、モータ14によって回転駆動される。カッタヘッド20が地山に押し付けられた状態においてモータ14により回転ドラム13が回転駆動されると、カッタヘッド20が回転し地山が掘削される。
【0017】
カッタヘッド20は、外殻11の外径と略等しい大きさの外径を有する円盤状部材であり、掘削方向前方に設けられ切羽面と対向する掘削面21と、掘削面21の外縁に形成された外周面22と、を有する。
【0018】
掘削面21には、切羽面に向かって突出する複数のカッタビット21aが回転軸C1を中心として放射状に並べて配置されるとともに、カッタビット21aにより掘削された土砂をチャンバ15内へと導くための開口部(不図示)が複数開口している。
【0019】
カッタヘッド20の後方であるカッタヘッド20と隔壁12との間には、カッタヘッド20、隔壁12、外殻11及び回転ドラム13によりチャンバ15が画成される。チャンバ15内には、カッタヘッド20による掘削で生じた掘削土砂が滞留する。シールド掘進機100は、チャンバ15内に滞留した掘削土砂をシールド掘進機100の後方へと搬出するためにスクリューコンベヤ50をさらに備える。
【0020】
スクリューコンベヤ50は、円筒状のケース51と、ケース51の内部に組み込まれるオーガ52と、を有し、図示しないモータによってオーガ52を回転させることによって、チャンバ15内の掘削土砂を隔壁12の後方へと搬出する。
【0021】
後胴部30は、円筒状の外殻(スキンプレート)31と、セグメントリング112を組み立てるエレクタ33と、シールド掘進機100を前進させる複数のシールドジャッキ34と、カッタヘッド20により掘削された掘削坑110(坑)の内周面とセグメントリング112の外周面との間にグラウト材を注入する裏込め注入装置35と、セグメントリング112の形状を保持する真円保持装置37と、後胴部30内に設けられるこれらの装置を支持する支持部32と、を有する。
【0022】
エレクタ33は、円弧形状のセグメントピース113を把持可能であるとともに、外殻31の内周面に沿って外殻31の中心軸C2方向及び周方向に移動可能に構成される。エレクタ33によって複数のセグメントピース113が外殻31の内周面に沿って組み立てられることにより、円筒状のセグメントリング112が構築される。
【0023】
セグメントリング112は、図2に示すように、鉛直上方近傍に配置される1つのK型セグメントピース113kと、K型セグメントピース113kを挟むように配置される一対のB型セグメントピース113bと、一対のB型セグメントピース113b間に周方向に沿って配置される複数のA型セグメントピース113aと、を有する。各セグメントピース113は、周方向において隣り合うセグメントピース113と図示しない連結部を介して連結されている。なお、図2は、図1において矢印Aで示される方向、すなわち、天端Ctに向かって見た複数のセグメントリング112をトンネルの周方向において展開して示した展開図である。
【0024】
図2に示すように、K型セグメントピース113kの展開形状は、周方向における長さが坑口側よりも切羽側において長い等脚台形状であり、A型セグメントピース113aの展開形状は、周方向における長さが坑口側と切羽側とにおいて同じである矩形状であり、B型セグメントピース113bの展開形状は、K型セグメントピース113kとA型セグメントピース113aとの間を埋めるような不等脚台形状となっている。
【0025】
また、軸方向において隣り合うセグメントリング112は、各セグメントピース113を周方向において連結する際に形成されるセグメントピース113間の境界線がトンネルの軸方向において連続しないように、図示しない連結部を介して連結される。このため、各セグメントリング112のK型セグメントピース113kは、天端Ctに沿って、例えば千鳥状に配置されることになる。
【0026】
外殻31の内周面には、外殻31とセグメントリング112との間の隙間をシールする環状のテールシール31aが軸方向に所定の間隔をあけて複数設けられる。テールシール31aは、外殻31とセグメントリング112との間の隙間を通じて土砂や水がシールド掘進機100内に侵入することを防止するために設けられる。
【0027】
裏込め注入装置35は、シールド掘進機100が通過した後に、掘削坑110の内周面とセグメントリング112の外周面との間に生じる間隙に裏込め材としてグラウト材を注入する装置である。グラウト材は、セメント系材料からなり、外殻31の内部に形成された図示しない注入通路を通じて、外殻31の後方側端面において開口する注入口から間隙へと注入される。なお、注入通路及び注入口は、セグメントリング112に設けられていてもよい。
【0028】
真円保持装置37は、円形状に組み立てられたセグメントリング112が地下水圧等の外圧に晒されることで変形することを防止するための装置であり、セグメントリング112を内側から押圧支持可能な伸縮機構を有する。真円保持装置37は、支持部32から後方に向かって延びる支持フレーム36によって、外殻31の中心軸C2方向に沿って移動可能に支持される。
【0029】
外殻31の前方端部の内側には、複数のシールドジャッキ34が、周方向に所定の間隔をあけて配置される。シールドジャッキ34は、シリンダ34aとロッド34bとにより構成される油圧ジャッキである。シリンダ34aは外殻31に固定されており、シリンダ34aから突出したロッド34bの先端部に設けられた押圧部34cは、外殻31の内側で組み立てられたセグメントリング112の側面に当接する。
【0030】
この状態でシールドジャッキ34を伸長作動させると、セグメントリング112から得られる反力により、カッタヘッド20は地山に押し付けられることになる。このように、シールド掘進機100は、シールドジャッキ34が既設のセグメントリング112を押圧することで得られる反力を、前方へ掘進するための推進力としている。
【0031】
中折れ部40は、前胴部10の後端部に設けられた前胴接続部41と、後胴部30の前端部に設けられた後胴接続部42と、前胴部10と後胴部30との間に設けられる複数の中折れジャッキ43と、を有する。
【0032】
前胴接続部41は円環状であり、その内周面は、前胴部10の中心軸上に中心点を有する球面の一部を構成するように凹状に形成されている。後胴接続部42は円環状であり、その外周面が、後胴部30の中心軸上に中心点を有する球面の一部を構成するように凸状の形成されている。前胴接続部41の内周面には、前胴接続部41と後胴接続部42との間の隙間からシールド掘進機100の内部に水等が侵入することを防止するために、後胴接続部42の外周面に接するシール部が設けられる。
【0033】
中折れジャッキ43は、シールドジャッキ34と干渉しないように、周方向に所定の間隔をあけて複数配置される。中折れジャッキ43は、シリンダ43aとロッド43bとにより構成される油圧ジャッキである。中折れジャッキ43のロッド43bは、自在継手を介して後胴部30の前部に固定され、中折れジャッキ43のシリンダ43aは、自在継手を介して前胴部10の後部に固定される。
【0034】
このように前胴部10と後胴部30とに連結された中折れジャッキ43を適宜伸縮させることによって、後胴部30に対する前胴部10の方向、すなわち、後胴部30の中心軸C2方向に対する回転軸C1方向を任意の方向に屈曲させることができる。
【0035】
上記構成のシールド掘進機100は、カッタヘッド20を回転し、スクリューコンベヤ50により土砂を搬出し、シールドジャッキ34を伸長させて地山を掘進する。地山には掘削坑110が掘削されるとともに、掘削坑110の内周面に沿ってセグメントリング112が順次組み立てられることによってシールドトンネルTが構築される。更に、掘削坑110の内周面とセグメントリング112の外周面との間に生じる間隙には、裏込め注入装置35によりグラウト材が注入され、セグメントリング112はグラウト材を介して地山に強固に結合された状態となる。
【0036】
また、上記構成のシールド掘進機100の後方には、シールド掘進機100の掘進に追従して移動する複数の後続台車80が配置される。
【0037】
後続台車80は、シールドトンネルT内に設置されるインバートブロック114上に敷設された図示しないレールの上を移動可能に構成されており、これらの後続台車80は、セグメントピース113やインバートブロック114を運搬する荷台やシールド掘進機100に電力を供給する電源設備の架台として利用される。
【0038】
後続台車80のうち先頭の後続台車80は、連結部材81を介してシールド掘進機100の後胴部30に連結される。このため、複数の後続台車80は、シールド掘進機100により牽引されることによって、シールドトンネルT内を移動することになる。なお、後続台車80は、自走可能な構成を有していてもよい。
【0039】
ここで、シールド工法では、シールド掘進機100は、シールドジャッキ34を介してセグメントリング112から得られる反力によりカッタヘッド20を地山に押し付けながら前方へと掘進するが、この際、カッタヘッド20における切削抵抗の反作用によりシールド掘進機100の前胴部10及び後胴部30には、カッタヘッド20の回転方向とは反対の方向に回転させる力が作用する。
【0040】
シールド掘進機100自体は、カッタヘッド20の回転方向や回転速度を適宜調整することによって一定の姿勢を保つように制御されるものの、後胴部30を回転させる力がシールドジャッキ34を介してセグメントリング112に一旦伝達されると、裏込め材であるグラウト材がまだ固まっておらず地山との結合が弱い状態にあるセグメントリング112は、規定の位置から周方向にずれた状態で掘削坑110内に設置されてしまうおそれがある。
【0041】
特に隣り合うセグメントリング112を連結する連結部には、組付性を向上させるために、いわゆる「あそび」としての公差が周方向にも設けられることから、隣り合うセグメントリング112が周方向において同じ方向にずれると、公差が累積され、結果として、規定の位置からの周方向におけるずれ量が次第に大きくなる。
【0042】
掘削坑110内に構築されるセグメントリング112には、複数のインサート金具が予め埋め込まれており、これらのインサート金具は、トンネル内に設置される看板や照明、換気装置といったトンネル内の構造物を取り付けるための取付金具として利用される。
【0043】
このため、セグメントリング112が周方向にずれて設置されると、インサート金具の位置が所定の位置からずれ、結果として、トンネル内の構造物の取付位置や取付姿勢にずれが生じるおそれがある。
【0044】
そこで本実施形態では、セグメントリング112が規定の位置から周方向にずれて設置されることを防止するために、セグメントリング112の周方向における基準位置からローリング量を、シールド掘進機100が掘進している間、常時、測定し監視している。
【0045】
セグメントリング112のローリング量を測定するために、シールド掘進機100には、レーザ光等の光波を用いて視標62の位置情報を取得可能なトータルステーション60(位置情報取得装置)と、トータルステーション60が設けられる後胴部30の周方向における変位量である中心軸C2を中心としたローリング量を取得可能な傾斜計64と、が設けられる。
【0046】
トータルステーション60は、視標62に向けて光波を照射する照射部61aと、視標62から反射された光波を受光する受光部61bと、を有し、光波の照射角や反射された光波の受光角などに基づいて、三次元空間における視標62の位置を計測可能な測量器である。トータルステーション60は、複数のセグメントリング112に取り付けられた視標62の位置情報を取得するために、複数のセグメントリング112に向けて光波を照射可能な位置である後胴部30の支持部32に取り付けられる。
【0047】
視標62は、トータルステーション60から照射された光波を反射可能なプリズム等であり、セグメントリング112の予め設定された位置、例えば、図2に示すように、設計上、セグメントリング112の天端Ctとなる位置に予め取り付けられる。視標62をセグメントリング112に取り付けるための取付具としては、トンネル内の構造物を取り付けるためにセグメントリング112に埋設された取付金具が流用される。なお、セグメントリング112には、視標62を取り付けるためだけに用いられる取付金具が埋設されていてもよい。
【0048】
傾斜計64は、水平方向に対する後胴部30の傾きを検出可能な検出器であり、中心軸C2に直交する成分が後胴部30のローリング量として抽出される。なお、後胴部30のローリング量を検出する検出器としては、後胴部30の左右にそれぞれ配置されたレベルセンサが用いられてもよく、この場合、両レベルセンサの差分から中心軸C2を中心としたローリング量が算出される。
【0049】
トータルステーション60及び傾斜計64により検出されたデータは、図3に示されるように、シールド掘進機100の制御部70へと無線または有線により送信される。図3は、シールド掘進機100を制御する制御システムの構成を示したブロック図である。
【0050】
制御部70は、オペレータの指令及び各検出器で検出された検出値に応じてシールド掘進機100の駆動を制御するものであり、例えば、オペレータにより入力された計画線形に沿ってシールド掘進機100を自動で掘進させる自動運転や、オペレータの操作に従ってシールド掘進機100を掘進させる手動運転を実行する。制御部70には、オペレータが操作するキーボードや操作レバーといった入力装置72と、シールド掘進機100の駆動状態や各検出器の検出値が表示される表示装置73と、が接続されている。入力装置72及び表示装置73は、制御部70とともに、後続台車80または地上に配置される。
【0051】
制御部70は、具体的には、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びI/Oインターフェース(入出力インターフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶し、ROMはCPUの制御プログラム等を予め記憶し、I/Oインターフェースは制御部70に接続された装置や検出器との情報の入出力に使用される。制御部70は、複数のマイクロコンピュータで構成されていてもよい。なお、動作回路としては、CPUに代えてまたはCPUとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
【0052】
また、制御部70は、上述のトータルステーション60及び傾斜計64で検出された検出値と、セグメントリング112に対する視標62の取付位置と、に基づいてセグメントリング112のローリング量を算出するローリング量測定部70aと、ローリング量測定部70aで測定されたセグメントリング112のローリング量に基づいてシールド掘進機100に設けられたカッタヘッド20や裏込め注入装置35の作動を制御する機器制御部70bと、を有する。なお、ローリング量測定部70a及び機器制御部70bは、制御部70の各機能を、仮想的なユニットとして示したものであり、物理的に存在することを意味するものではない。
【0053】
続いて、制御部70で行われるローリング量の測定とそれに伴う機器の制御について説明する。
【0054】
制御部70のローリング量測定部70aでは、トータルステーション60で取得された視標62の三次元位置(位置情報)と、視標62の設計上の三次元位置である基準位置と、を常時比較し、その差分から視標62が取り付けられたセグメントリング112のローリング量を算出する。
【0055】
具体的には、ローリング量測定部70aでは、トータルステーション60においてこれまでに検出された視標62の数がカウントされており、トータルステーション60で新たに検出された視標62が何番目に組み付けられたセグメントリング112のものであるかを随時判定する。
【0056】
各セグメントリング112に対する視標62の取付位置である設計上の位置は、入力装置72を介して予めオペレータによって入力されており、ローリング量測定部70aは、該当するセグメントリング112の視標62の設計上の位置情報から、図4に示されるように、トータルステーション60により検出された視標62の三次元位置である検出位置MP1と同一平面上(後胴部30の中心軸C2に直交する平面上)に設計上の視標62が位置している場合の三次元位置である基準位置RP1を演算する。なお、図4は、セグメントリング112のローリング量を算出する方法の一例の概念を示す図であり、基準位置RP1及び検出位置MP1が含まれるセグメントリング112の部分的な断面を示している。
【0057】
そして、演算された視標62の設計上の基準位置RP1と、トータルステーション60により検出された視標62の検出位置MP1と、の水平方向成分の差分dHL及び鉛直方向成分の差分dVLからセグメントリング112のローリング量を算出する。セグメントリング112のローリング量は、図4に示すように、設計上の半径が基準半径Rであるセグメントリング112の設計上の中心位置CPを基準とした基準位置RP1と検出位置MP1との2点間の角度αで求められる。なお、セグメントリング112のローリング量としては、角度αに代えて、水平方向成分の差分dHLが評価指標として算出されてもよい。
【0058】
なお、トータルステーション60によって複数の視標62の位置が検出されている場合には、各セグメントリング112のローリング量を示す角度αがそれぞれ求められる。また、上述のように視標62が取り付けられる位置を天端Ctと一致させている場合には、天端Ctを基準位置RP1としてもよく、この場合、すべてのセグメントリング112の基準位置RP1が天端Ctとなるため、演算処理を簡素化することができる。
【0059】
このようにして求められたセグメントリング112のローリング量は、視標62の位置情報を取得するトータルステーション60が設けられた後胴部30が、中心軸C2を中心としてローリングしていない状態、すなわち、後胴部30が水平となっている状態を前提としたものである。上述のように、シールド掘進機100は、前胴部10及び後胴部30にローリングが生じないようにカッタヘッド20の回転方向や回転速度を適宜調整しているが、後胴部30は一時的ないし瞬間的には僅かに周方向に変位している。つまり、求められたセグメントリング112のローリング量には、後胴部30の変位に起因する誤差が含まれる可能性がある。
【0060】
このため、ローリング量測定部70aでは、算出されたセグメントリング112のローリング量を、傾斜計64で検出された検出値、すなわち、後胴部30のローリング量に相当する値に基づいて補正することによって、この誤差の影響を排除している。
【0061】
具体的には、ローリング量測定部70aでは、傾斜計64の検出値に基づいて算出された後胴部30のローリング量を示す角度を、上述のように算出されたセグメントリング112のローリング量を示す角度αに対して、加算または減算することによって、最終的な測定値として、補正されたセグメントリング112のローリング量を算出している。
【0062】
このように後胴部30のローリング量を加味することによって、セグメントリング112の基準位置からの周方向における絶対的なローリング量が取得される。
【0063】
ローリング量測定部70aで測定されたセグメントリング112の絶対的なローリング量は、表示装置73に表示されるとともに、機器制御部70bへと送られる。
【0064】
表示装置73にセグメントリング112のローリング量が常時、表示されることで、オペレータは、セグメントリング112の設置状態をリアルタイムで把握することができる。また、組み立てられた直後のセグメントリング112、すなわち、シールドジャッキ34の押圧部34cが接するセグメントリング112だけではなく、掘削坑110の軸方向に沿って連結される2~4つの複数のセグメントリング112のローリング量を表示装置73に表示することによって、オペレータは、個々のローリング量に加えてその傾向、例えば、徐々にローリング量が大きくなっているか否かを把握することができる。
【0065】
また、制御部70の機器制御部70bでは、ローリング量測定部70aで測定されたセグメントリング112の絶対的なローリング量と、ローリング許容値と、の比較が行われる。ローリング許容値は、予め設定された所定の閾値であり、基準位置からの角度で設定される。ローリング許容値は、トンネル内の構造物を所定の位置や姿勢で設置させることが可能なセグメントリング112の周方向におけるずれ量の限界値であって、例えば、トンネル内に設置される構造物側の取付構造の調整代等に基づいて予め設定される。
【0066】
つまり、ローリング量測定部70aで測定されたセグメントリング112の絶対的なローリング量が、ローリング許容値を超えると、トンネル内の構造物の取り付けに支障を来すおそれがあることから、機器制御部70bは、測定されたローリング量が、ローリング許容値を超えた場合、セグメントリング112のローリングを抑制するための制御を実行する。
【0067】
具体的には、機器制御部70bは、ローリング量測定部70aで測定されたセグメントリング112の絶対的なローリング量がローリング許容値を超えた場合、カッタヘッド20の回転方向を転換させる。
【0068】
上述のように、セグメントリング112の周方向におけるローリングは、カッタヘッド20での切削抵抗の反作用により生じる後胴部30のローリングに起因するものであることから、カッタヘッド20の回転方向を転換して、後胴部30に作用する回転力の方向を転換させることによって、特に、グラウト材がまだ固まっておらず地山との結合が弱い状態にあるセグメントリング112の周方向におけるずれ量を低減させることができる。
【0069】
このような機器制御部70bにおける制御は、測定されたセグメントリング112の絶対的なローリング量の時間変化率が予め設定された所定の閾値を超えた場合に行われてもよい。まだセグメントリング112の絶対的なローリング量が比較的小さい場合であってもローリング量が大きくなる兆候がある場合には、カッタヘッド20の回転方向を転換させるなどの対処を早めに実行することで、セグメントリング112の周方向におけるずれ量を抑制することが可能である。
【0070】
また、このようにセグメントリング112の絶対的なローリング量が大きくなることが予測される場合には、カッタヘッド20の回転方向の転換に代えて、または、これに加えて、機器制御部70bは、裏込め注入装置35を制御し、掘削坑110の内周面とセグメントリング112の外周面との間に注入されるグラウト材の配合を変更させる。
【0071】
具体的には、硬化を促進する硬化促進剤、例えば、ケイ酸ソーダ等の配合量を増やし、裏込め材の固化速度を早めることによって、地山に対するセグメントリング112の結合強度を比較的早く上昇させる。このように、地山とセグメントリング112との結合力を早めに上昇させて、セグメントリング112が周方向に動かされにくくすることによって、セグメントリング112の周方向におけるずれ量を低減することも可能である。なお、硬化促進剤は、裏込め材を注入する直前に混入してもよいし、裏込め材とは別に注入されてもよい。
【0072】
また、機器制御部70bに対して、組み立てられた直後のセグメントリング112のローリング量だけではなく、掘削坑110の軸方向に沿ってこのセグメントリング112に連結される2~4つの複数のセグメントリング112のローリング量が送られる場合には、機器制御部70bにおいて、ローリング量の変化傾向を判定することが可能となる。
【0073】
この場合、例えば、隣り合うセグメントリング112におけるローリング量の差分を随時取得し、前方に向かうほど差分が大きくなっていれば、今後組み付けられるセグメントリング112の絶対的なローリング量が大きくなり、前方に向かうほど差分が小さくなっていれば、今後組み付けられるセグメントリング112の絶対的なローリング量が小さくなると予測することが可能である。そして、このような予測結果に応じて、セグメントリング112の周方向におけるずれ量を低減するように早めに対応することができる。
【0074】
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
【0075】
本実施形態では、シールド掘進機100に設けられたトータルステーション60によって、セグメントリング112の所定の箇所における位置情報が常時取得され、制御部70において、取得された位置情報に基づいてセグメントリング112のローリング量が常時算出される。このように本実施形態では、作業員に危険な作業を行わせることなく、セグメントリング112の周方向における基準位置からのローリング量を常時測定することができる。
【0076】
また、本実施形態では、測定されたセグメントリング112のローリング量が所定の閾値を超えた場合、カッタヘッド20の回転方向を転換させている。このように、カッタヘッド20の回転方向を転換させることで、後胴部30に作用する回転力の方向が転換されるとともに、後胴部30を介してセグメントリング112に伝達される回転力の方向も転換される。この結果、セグメントリング112のローリング量を低減させることができる。
【0077】
次に、本実施形態の変形例について説明する。なお、以下のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
【0078】
上記実施形態では、視標62がセグメントリング112の天端Ctに設けられている。ここで、セグメントリング112の天端Ct周辺は、真円保持装置37の押圧部によって押圧される部分となることから、トータルステーション60からの光波が複数のセグメントリング112の視標62に届かないおそれがある。このため、視標62が取り付けられる位置は、天端Ctから予め設定された所定の角度、例えば45°だけずれた位置やセグメントリング112の水平位置であってもよい。また、トータルステーション60からの光波が複数のセグメントリング112の視標62に届くように、真円保持装置37の押圧部の形状を変えてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、トータルステーション60は、後胴部30の支持部32に取り付けられている。これに代えて、トータルステーション60は、複数のセグメントリング112の視標62に光波を照射し易い位置、例えば、図1に示すように、真円保持装置37を支持する支持フレーム36の後端部やシールド掘進機100の掘進に追従して移動する後続台車80上に取り付けられてもよい。なお、後続台車80にトータルステーション60を取り付ける場合、後続台車80自体のローリング量を計測するために、傾斜計64を併せて設置することが好ましい。また、これらの箇所すべてにトータルステーション60を設けてもよく、複数の場所からセグメントリング112のローリング量を同時に測定することによって、計測精度を向上させることができる。
【0080】
また、上記実施形態では、トータルステーション60は、後胴部30の支持部32に直接的に取り付けられている。これに代えて、トータルステーション60は、水平状態を維持可能な水平維持架台、例えば、架台の傾きを検出し、常に架台を水平に保つように反応するモータユニット等を備えた架台を介して後胴部30に取り付けられてもよい。
【0081】
このように、水平維持架台を介してトータルステーション60を後胴部30に取り付けることによって、後胴部30が周方向に多少ずれたとしても、そのずれは水平維持架台によって補償されることから、トータルステーション60の設置状態は常に水平な状態に維持される。このため、傾斜計64の検出値による補正を行う必要がなくなり、結果として、測定システムを簡素化することができる。
【0082】
また、上記実施形態では、位置情報取得装置としてトータルステーション60が用いられている。位置情報取得装置は、これに限定されず、三次元空間における視標62の位置を計測可能な測量器であればどのような形式の測量器が用いられてもよい。
【0083】
また、位置情報取得装置としては、画像認識用の画像を取得可能なカメラが用いられてもよく、この場合、カメラによって撮影された画像からセグメントリング112の所定の箇所における位置情報が取得される。
【0084】
ここで、セグメントリング112は、図5に示すように、天端Ct近傍の所定の位置に、他のセグメントピース113a,113bとは形状が異なる等脚台形状のK型セグメントピース113kが配置される。K型セグメントピース113kが配置される設計上の位置、例えば、天端Ctを基準とした場合の位置は予め決まっているため、カメラによってセグメントリング112の天端Ct側を撮影し、撮影された画像から特定のセグメントであるK型セグメントピース113kの位置情報を抽出することにより、各セグメントリング112の周方向における基準位置からのローリング量を常時測定することが可能である。なお、図5は、図2と同様に、図1において矢印Aで示される方向、すなわち、天端Ctに向かって見た複数のセグメントリング112をトンネルの周方向において展開して示した展開図である。
【0085】
また、この場合、撮影された画像からK型セグメントピース113kの位置情報を抽出することに代えて、図5に示すように、天端Ct近傍において、K型セグメントピース113kとB型セグメントピース113bとの間の境界線とセグメントリング112の端面とが交差する交点P1の位置情報を抽出するようにしてもよい。この交点P1は、特定のセグメントであるK型セグメントピース113kの一頂点であって、その設計上の位置は予め決まっていることから、この場合も各セグメントリング112の周方向における基準位置からのローリング量を常時測定することが可能である。なお、抽出される交点は、この交点Pに限定されず、例えば、各セグメントリング112の水平位置近傍に配置された2つのA型セグメントピース113a間の境界線とセグメントリング112の端面とが交差する交点であってもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、シールド掘進機100は、いわゆる泥土圧式シールド掘進機である。これに代えて、シールド掘進機100は、チャンバ15内に対して泥水を給排することによりチャンバ15内に滞留した掘削土砂をシールド掘進機100の後方へと搬出する給排装置を備えた、いわゆる泥水圧式シールド掘進機であってもよい。
【0087】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0088】
100・・・シールド掘進機
20・・・カッタヘッド
30・・・後胴部
32・・・支持部
35・・・裏込め注入装置
36・・・支持フレーム
60・・・トータルステーション(位置情報取得装置)
61a・・・照射部
61b・・・受光部
62・・・視標
64・・・傾斜計
70・・・制御部
70a・・・ローリング量測定部
70b・・・機器制御部
80・・・後続台車
110・・・掘削坑
112・・・セグメントリング
113・・・セグメントピース(セグメント)
T・・・シールドトンネル
図1
図2
図3
図4
図5