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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】液化ガス燃料船
(51)【国際特許分類】
   B63H 21/38 20060101AFI20240419BHJP
   B63B 11/04 20060101ALI20240419BHJP
   B63B 25/16 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
B63H21/38 C
B63B11/04 B
B63B25/16 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021085896
(22)【出願日】2021-05-21
(65)【公開番号】P2022178823
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】518144045
【氏名又は名称】三井E&S造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】中田 崇
【審査官】宇佐美 琴
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-126829(JP,A)
【文献】特開2006-341742(JP,A)
【文献】特開2015-16861(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0102235(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-2011692(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0125653(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0023761(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 1/00-25/52
B63B 1/00-85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体に固定されプロペラを駆動する電動機と、前記電動機に供給する電力を発電する電源装置と、前記電源装置の燃料である液化ガスを貯蔵する液化ガスタンクと、前記液化ガスを気化させる気化器と、気化した前記液化ガスを前記電源装置に供給する燃料ガス供給システムを備える液化ガス燃料船であって、
前記液化ガスタンクと前記気化器がコンテナフレームに搭載された燃料コンテナと、
前記燃料ガス供給システムがコンテナフレームに搭載された燃料ガス供給コンテナと、
前記電源装置がコンテナフレームに搭載された発電コンテナを備え、
前記燃料コンテナと前記燃料ガス供給コンテナ、及び前記燃料ガス供給コンテナと前記発電コンテナは、気化した前記液化ガスが流れるガス管である船内配管で接続され、かつ前記船体に設けられた保持機構に着脱可能に保持されることを特徴とする液化ガス燃料船。
【請求項2】
前記船体は船尾側から船首側に向けて機関区画と貨物区画が順番に配置されて横隔壁である機関室横隔壁で区分され、前記機関区画の上方の暴露甲板に甲板室が設けられ、
前記発電コンテナと前記燃料ガス供給コンテナは前記機関区画において、前記甲板室の下方で、前記電動機よりも上方に配置され、
前記機関室横隔壁には前記発電コンテナと前記燃料ガス供給コンテナを前記機関区画に設置する際の経路となる開閉可能な横隔壁開口部が形成されている請求項1に記載の液化ガス燃料船。
【請求項3】
前記機関区画は、内部に配置された甲板である第2甲板及び、内部に配置され、前記第2甲板よりも船底側に配置された第3甲板で、前記暴露甲板から船底に向けて、前記燃料ガス供給コンテナが搭載される燃料ガス供給区画、前記発電コンテナが搭載される発電区画、及び前記電動機が搭載される推進区画の順に3つの区画に区分され、
前記横隔壁開口部は前記機関室横隔壁の前記燃料ガス供給区画に接する部分に設けられ、
前記第2甲板には、前記第3甲板に前記発電コンテナを設置する際の経路となる開口である甲板開口部が設けられる請求項2に記載の液化ガス燃料船。
【請求項4】
前記甲板開口部を跨設して前記第2甲板に着脱可能に保持された複数のレールを備え、複数の前記レール上に前記燃料ガス供給システムが配置される請求項3に記載の液化ガス燃料船。
【請求項5】
前記レールは長手方向が船長方向を向いており、前記横隔壁開口部から前記貨物区画に突出する位置まで前記第2甲板上を船長方向に水平移動可能である請求項4に記載の液化ガス燃料船。
【請求項6】
前記コンテナフレームは底面の4隅に長孔が設けられ、
前記保持機構は、
前記船体における前記コンテナフレームの設置面から上方に突設され、前記長孔の内周に対応する外形を有し鉛直方向を軸中心に回転可能なフックであるツイストロックピンを備え、
前記ツイストロックピンを前記長孔に挿入して長手方向の向きが前記長孔の長手方向と交差するように回転することで前記コンテナフレームが前記船体に保持されるように構成した請求項1~5のいずれか一項に記載の液化ガス燃料船。
【請求項7】
前記保持機構は、
前記コンテナフレームの設置面に設けられ、前記コンテナフレームの側面を囲む枠であるセルガイドを備え、
前記燃料コンテナと前記発電コンテナと前記燃料ガス供給コンテナの少なくとも1つは、前記セルガイドで囲まれた設置面上に前記コンテナフレームを設置することで前記船体に保持される請求項1~6のいずれか一項に記載の液化ガス燃料船。
【請求項8】
前記電動機に電力を供給し、かつ前記電源装置が発電した電力を蓄電する蓄電池がコンテナフレームに搭載されたバッテリーコンテナを備え、
前記バッテリーコンテナは、前記船体に設けられた前記保持機構に着脱可能に保持される請求項1~7のいずれか一項に記載の液化ガス燃料船。
【請求項9】
前記船体は船尾側から船首側に向けて機関区画と貨物区画が順番に配置されて横隔壁である機関室横隔壁で区分され、前記機関区画の上方の暴露甲板に甲板室が設けられ、
前記発電コンテナと前記燃料ガス供給コンテナは前記機関区画において、前記甲板室の下方で、前記電動機よりも上方に配置され、
前記暴露甲板において、前記機関区画の上方で、かつ前記甲板室が設けられていない領域には、前記発電コンテナと前記燃料ガス供給コンテナを前記機関区画に設置する際の経路となる開口であり、前記船体の外部と前記機関区画を連通するハッチと、前記ハッチを開閉可能に覆う水密扉であるハッチカバーが設けられている請求項1に記載の液化ガス燃料船。
【請求項10】
前記機関区画は、内部に配置された甲板である第2甲板及び、内部に配置され、前記第2甲板よりも船底側に配置された第3甲板で、前記暴露甲板から船底に向けて、前記燃料ガス供給コンテナが搭載される燃料ガス供給区画、前記発電コンテナが搭載される発電区画、及び前記電動機が搭載される推進区画の順に3つの区画に区分され、
前記第2甲板には、前記第3甲板に前記発電コンテナを設置する際の経路となる開口である甲板開口部が設けられる請求項9に記載の液化ガス燃料船。
【請求項11】
前記保持機構は閉じた状態の前記ハッチカバー上にも設けられ、前記ハッチカバー上に設けられた前記保持機構に前記燃料コンテナが保持される請求項9又は10に記載の液化ガス燃料船。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液化ガス燃料船に関する。
【背景技術】
【0002】
液化ガス燃料船はLNG(Liquefied Natural Gas)や水素等の液化した可燃性ガスを燃料とする船舶である。液化ガス燃料船は重油を燃料とする船舶と比べて燃焼の際の大気汚染物質の排出量が少ないため、環境負荷の低い船舶として注目されている。
【0003】
一方で液化ガスは液体保存環境下では重油と比べて極低温であるため、その配管に対して、ステンレスのような高価な材料を用いたり、防熱を施したり、種々の漏洩対策を施したり、急激な熱収縮による破損を避けるために伸縮継ぎ手を用いるなど、設備費用が高額になり、その維持にも費用と手間が発生する。また、液化ガス燃料を船体に積み込む作業の際には、可燃性ガスの取扱以外に極低温液体の取扱が加わることで、予冷作業が追加されることで作業自体も増加するといった船員への実務上の負担だけで無く、漏洩による自身や船体への影響の大きさから、心理的な負担も大きくなり、積極的に採用することの足かせとなっている。
【0004】
一方で特許文献1ではLNGタンクを船体から着脱可能に構成することで、作業性を高めているが、この構造でも船内配管に極低温の液化ガスが流れるため、やはり作業性に問題がある。
液化ガス燃料船の作業性を高めた構造としては、例えば、特許文献2の液化ガス燃料船のように、液化ガスタンクに気化器を取り付けて液化ガスを気化させてからエンジンに供給して駆動させることで発電機を発電させ、発電した電力で電動機を駆動してプロペラを回転させる電気推進船において、気化器と液化ガスをユニット化してユニットごと交換可能にした構造もある。しかしながらこの構造では液化ガスで駆動するエンジンが船内に固定されているため、特定の種類の液化ガスしか燃料として使用できない。液化ガスにはLNGや水素のように複数の種類があり、種類によって主機のような内燃機関の構造や、内燃機関に液化ガスを供給する液化ガス供給システムの構造が変わる。そのため、特許文献2の構造で自航用の燃料とする液化ガスの種類を変更する場合は船体に固定されたエンジンを取り外す必要があり、燃料を変えることは事実上、新しい船に変更することと同義となる問題があった。
液化ガスタンクや発電機の作業性を高めた構造としては、特許文献3のように、輸送用コンテナのようなコンテナに液化ガスタンクや発電機を収納して船体に着脱可能に保持させた構造も知られている。ただしこの構造でも船内配管に液化ガスが流れるため、やはり作業性に問題がある。また特許文献3の液化ガスタンクや発電機は他船に電力を供給するためのものであり、自航するための推進機構ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-525169号公報
【文献】特開2010-23776号公報
【文献】特開2013-95257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来の液化ガス燃料船は液化ガスが流れる船内配管に極低温の液化ガスが流れる場合、高額な設備費用や作業性、メンテナンス性の悪化及び船員の負担という問題があった。
また、従来の液化ガス燃料船は特定の種類の液化ガスに対応した推進機構が船体に固定されており、複数の種類の液化ガスを燃料として自航できる機構になっていない。そのため、仮に自航用の燃料とする液化ガスの種類を変更する場合は船体に固定された内燃機関等の推進機構を取り外す必要があり、燃料を変えることは事実上、新しい船に変更することと同義となる。しかしながら、昨今のCO2排出量削減の気運から、CO2排出量の少ない代替燃料候補が複数出現しており、10年以上も使用される船舶において、新造時において燃料を1種類に決定できない時代が到来しようとしている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも安価な設備で作業性及びメンテナンス性に優れ、船員負担を徒に増大させることなく、燃料を変更するにあたり、新造若しくは大規模改造を伴うことが無い液化ガス燃料船の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の液化ガス燃料船は、船体に固定されプロペラを駆動する電動機と、前記電動機に供給する電力を発電する電源装置と、前記電源装置の燃料である液化ガスを貯蔵する液化ガスタンクと、前記液化ガスを気化させる気化器と、気化した前記液化ガスを前記電源装置に供給する燃料ガス供給システムを備える液化ガス燃料船であって、前記液化ガスタンクと前記気化器がコンテナフレームに搭載された燃料コンテナと、前記燃料ガス供給システムがコンテナフレームに搭載された燃料ガス供給コンテナと、前記電源装置がコンテナフレームに搭載された発電コンテナを備え、前記燃料コンテナと前記燃料ガス供給コンテナ、及び前記燃料ガス供給コンテナと前記発電コンテナは、気化した前記液化ガスが流れるガス管である船内配管で接続され、かつ前記船体に設けられた保持機構に着脱可能に保持されることを特徴とする。
【0008】
本発明では、液化ガスタンクと気化器、燃料ガス供給システム、及び電源装置が各々コンテナフレームに搭載されたコンテナとして船体に着脱可能に配置され、ガス管である船内配管で接続される。
この構成では液化ガスタンクから燃料ガス供給システムや電源装置のような船内の推進機構へ液化ガスが気体の状態で船内配管から供給される。そのため、船内配管に極低温の液化ガスを流す必要がなく、予冷のような作業が不要となり、燃料ガスの漏洩防止構造が液化ガス用の配管ほど複雑にならないので作業性に優れ、かつ船員の実務上及び心理上の負担が軽減される。また、使用する燃料を変更したい場合は、燃料の種類に対応する液化ガスタンクと電源装置と燃料ガス供給システムが搭載されたコンテナを船体に載せ替えればよく、燃料の変更によるメンテナンス性や船員の作業及び心理的負担への影響はなくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来よりも安価な設備で、作業性及びメンテナンス性に優れ、船員負担を徒に増大させることなく、新造若しくは大規模改造を行うことなく、燃料を変更することができる液化ガス燃料船を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る液化ガス燃料船の概要を示す側面図であって、船内の甲板と横隔壁は断面図で示している。
図2図1の機関区画近傍の拡大図である。
図3】燃料コンテナと燃料ガス供給コンテナの接続構造を示す模式図である。
図4】ツイストロック機構の概略図であり(a)はロックを解除する際の姿勢を示し、(b)はロックする際の姿勢を示す。
図5】第1の実施形態に係る液化ガス燃料船の変形例を示す図であって、燃料コンテナ、発電コンテナ、燃料ガス供給コンテナの少なくとも1つを暴露甲板上に搭載してセルガイドで保持した状態を示す。
図6】第1の実施形態に係る液化ガス燃料船の変形例を示す図であって、液化ガスタンクと気化器を別々のコンテナフレームに搭載した構成を示す。
図7】第1の実施形態に係る液化ガス燃料船の変形例を示す図であって、発電コンテナと燃料ガス供給コンテナを船内の同じ甲板上に搭載した構成を示す。
図8】第1の実施形態に係る液化ガス燃料船の変形例を示す図であって、電動機に電力を供給するバッテリーコンテナを船体の暴露甲板上に搭載した構成を示す。
図9】第1の実施形態に係る液化ガス燃料船の船体に燃料コンテナと発電コンテナと燃料ガス供給コンテナを搭載する際の手順を説明するための図であって、燃料コンテナを搭載する手順、及び発電コンテナを船外から船内の燃料ガス供給区画に搬入する手順を示す。
図10】第1の実施形態に係る液化ガス燃料船の船体に燃料コンテナと発電コンテナと燃料ガス供給コンテナを搭載する際の手順を説明するための図であって、発電コンテナを燃料ガス供給区画から発電区画に搬入する手順を示す。
図11】第1の実施形態に係る液化ガス燃料船の船体に燃料コンテナと発電コンテナと燃料ガス供給コンテナを搭載する際の手順を説明するための図であって、(a)は発電コンテナを発電区画に搭載する手順を、(b)は燃料ガス供給コンテナを船外から船内に搬入する手順を示す。
図12】第1の実施形態に係る液化ガス燃料船の船体に燃料コンテナと発電コンテナと燃料ガス供給コンテナを搭載する際の手順を説明するための図であって、燃料ガス供給コンテナを船外から船内の燃料ガス供給区画に搬入する手順を示す。
図13】第2の実施形態に係る液化ガス燃料船の側面図であって、船内の甲板と横隔壁を断面図で示した機関区画近傍の拡大図である。
図14】第2の実施形態に係る液化ガス燃料船の船体に燃料コンテナと発電コンテナと燃料ガス供給コンテナを搭載する手順を説明するための図であって、発電コンテナを燃料ガス供給区画に搬入する手順を示す。
図15】第2の実施形態に係る液化ガス燃料船の船体に燃料コンテナと発電コンテナと燃料ガス供給コンテナを搭載する手順を説明するための図であって、発電コンテナを燃料ガス供給区画から発電区画に搬入する手順を示す。
図16】第2の実施形態に係る液化ガス燃料船の船体に燃料コンテナと発電コンテナと燃料ガス供給コンテナを搭載する手順を説明するための図であって、燃料ガス供給コンテナを船外から船内の燃料ガス供給区画に搬入する手順を示す。
図17】第2の実施形態に係る液化ガス燃料船の船体に燃料コンテナと発電コンテナと燃料ガス供給コンテナを搭載する手順を説明するための図であって、燃料コンテナを搭載する手順を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づき本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
まず図1及び図2を参照して第1の実施形態に係る液化ガス燃料船1の概略構成を説明する。ここでは液化ガス燃料船1として貨物船を例示している。
図1に示すように液化ガス燃料船1は船体3を備える。図2に示すように液化ガス燃料船1は電動機37、電源装置78、液化ガスタンク55、気化器57、燃料ガス供給システム63(Fuel Gas Supply System, FGSS)及び配電盤45も備える。
【0012】
船体3は液化ガス燃料船1の船殻となる構造体であり、図1に示すように船底5、側壁7、及び暴露甲板9で船内を囲むように構成される。具体的な船型や船殻構造、あるいは水密隔壁の配置等は液化ガス燃料船1の用途に応じて適宜設定される。
【0013】
図1に示す液化ガス燃料船1は船底5が船外の水と接する外側の外底板5aと、外底板5aの上方に設けられて船外の水に接しない内底板21を備える二重底構造を例示している。
また図1に示す液化ガス燃料船1は船尾側から船首側に向けて順に機関区画11、貨物区画13、及び船首区画15の3つの区画がこの順番で設けられた構造を例示している。この構造では、機関区画11と貨物区画13が水密の横隔壁である機関室横隔壁17で区分される。貨物区画13と船首区画15は水密の横隔壁である貨物室横隔壁19で区分される。
【0014】
機関区画11は液化ガス燃料船1の推進に必要な機器が設置される区画である。図1では機関区画11の上方の暴露甲板9上に甲板室33が設けられている。甲板室33は船員の居住区や操船の指揮所等が設けられた上部構造物である。
図1に示す機関区画11は内部に配置された甲板である第2甲板23及び第3甲板25で、暴露甲板9から船底5に向けて、燃料ガス供給区画27、発電区画29、及び推進区画31の順に3つの区画に区分されている。第3甲板25は第2甲板23よりも船底5側に配置された甲板である。
【0015】
機関区画11の船尾端にはプロペラ35及び舵47が設けられている。プロペラ35は船長方向であるX方向を軸中心に水中で回転してX方向に揚力を発生させることで船体3をX方向へ推進させる推進器である。舵47はプロペラ35よりも船長方向後方に設けられて鉛直方向であるZ方向を軸中心に回動可能な水中板であり、回動する角度を調整することで船体3の針路を変更する。
なお、舵47の替わりに、プロペラ35がZ方向を軸中心に回動することで針路を変更するアジマススラスターを用いても良い。
【0016】
貨物区画13は液化ガス燃料船1が運搬する貨物が搭載される区画である。船首区画15は図示しないバウスラスターや図示しない投錨装置が設けられる区画であり、船長方向において船体3の最も船首側の区画である。
【0017】
電動機37はプロペラ35を駆動するモータであり、その回転軸がプロペラ35の回転軸に図示しない減速機等のギヤを介して連結されており、動力をプロペラ35に伝達することでプロペラ35を回転させる。図1に示す電動機37は推進区画31の床面である船底5の内底板21に固定されている。電動機37は液化ガス燃料船1を所望の船速で航行させる出力を得られるのであれば、その構造は減速機の要否も含めて公知のモータから適宜選択すればよい。
【0018】
図2に示す電源装置78は電動機37に供給する電力を発電する装置であり、図2では発電機77と内燃機関75を備える。
図2に示す発電機77はモータであり、回生駆動で機械エネルギーを電気エネルギーに変換することで電動機37に供給する電力を発電する。発電機77は電動機37と電気的に接続され、発電した電力を電動機37に供給する。
【0019】
内燃機関75は燃料を燃焼させることで化学エネルギーを機械エネルギーに変換し、この機械エネルギーを発電機77に伝達することで発電機77を発電させる熱機関である。内燃機関75としては、燃焼で生じた燃焼ガスのガス圧でピストンを上下動させ、ピストンに連結したクランクシャフトで上下動を回転運動に変換して回転力を発電機77に伝達するレシプロエンジンが挙げられる。内燃機関75としては燃焼ガスのガス圧でタービンを回転させ、この回転力を発電機77に伝達するガスタービンエンジンも挙げられる。より具体的な内燃機関75の構造や熱サイクルは燃料の種類によって異なる。LNG等の液化ガスを気化させたガス燃料で駆動する場合、内燃機関75はガス燃料が予め図示しない吸気マニホールド等の燃焼室の前室で吸気と混合されてから燃焼室に導入される予混合燃焼式となる。構造はレシプロエンジンで、燃焼方式は点火式であり、熱サイクルは主にオットーサイクルになる。水素ガスで駆動する内燃機関75はガスタービンエンジンが主に用いられ、熱サイクルは主にブレイトンサイクルになる。
【0020】
図2では電源装置78として、液化ガスを燃料として内燃機関75を駆動させて発電機77を回生駆動させることで発電を行う構造を例示した。ただし、液化ガスを燃料として発電する装置であれば、電源装置78は内燃機関75と発電機77の組み合わせに限定されない。例えば液化ガスとして水素を用いる場合、内燃機関75と発電機77の替わりに、水素ガスで電力を生成する燃料電池を電源装置78として設けても良い。以下の説明では特に断りが無い限り、電源装置78として内燃機関75と発電機77を組み合わせた構造を例に第1の実施形態を説明する。
【0021】
液化ガスタンク55は内燃機関75の駆動用燃料である液化ガスを貯蔵する容器である。液化ガスタンク55は液化ガスを液体の状態で貯蔵でき、液化ガス燃料船1の航行中の揺れや振動で損傷しない強度を備えていれば、具体的な構造は適宜選択できる。なお、ここでいう液化ガスとは、常温で気体のガスを温度や圧力を下げることで液化した可燃性ガスを意味する。
【0022】
図2に示す気化器57は液化ガスタンク55から供給された液体の状態のガスを加熱して気化する機器である。気化器57は液体の状態で供給された液化ガスを気化できるのであれば、気化する方式は温水式等の公知の方式を用いればよい。なお、気化器57へ供給される熱源は液化ガス燃料船1の船内から供給される。
【0023】
燃料ガス供給システム63は、気化器57で気化した液化ガスの流量と圧力を内燃機関75の駆動に適した値に調整して内燃機関75に供給する装置である。
燃料ガス供給システム63は図3に示すように圧縮機43bを少なくとも備える。図3では燃料ガス供給システム63がバッファタンク43aも備えているが、バッファタンク43aは備えていなくても良い。
図3に示すバッファタンク43aは気化器57から供給された気化した液化ガスを一時的に貯蔵することで圧力を調整する小型のタンクである。バッファタンク43aは気化した液化ガスを所望の圧力で貯蔵できるのであれば、公知の耐圧容器を用いればよい。圧縮機43bはバッファタンク43aから送出されたガスの流量を調整して内燃機関75に供給する装置である。圧縮機43bはガスを所望の流量に調整できるのであれば、公知の電動式又は油圧式の圧縮機を用いればよい。
【0024】
図2に示す配電盤45は、発電機77から供給される電力の電圧を電動機37の駆動に適した値に変圧して電動機37に供給する変圧器であり、発電機77と電動機37に電力線で接続されて電力を中継する。図2に示す配電盤45は推進区画31の床面である船底5の内底板21に固定されている。配電盤45は発電機77から供給された電力で損傷せず、供給された電力を所望の電圧に変圧できるのであれば、公知の変圧器を用いればよい。
以上が第1の実施形態に係る液化ガス燃料船1の概略構成の説明である。
【0025】
次に、図1図8を参照して液化ガス燃料船1の構造をより詳細に説明する。
図1及び図2に示すように液化ガス燃料船1は燃料コンテナ41、燃料ガス供給コンテナ43、及び発電コンテナ39を備える。
【0026】
燃料コンテナ41は液化ガスタンク55、及び液化ガスを気化させる設備が搭載されたコンテナである。図2及び図3に示すように燃料コンテナ41は液化ガスタンク55、気化器57、液払出口41a、液体配管41b、ガス払出口41c、及び燃料コンテナフレーム51を備える。
【0027】
液化ガスタンク55は図3に示すように液化ガスを液体の状態で送出する出口となる接続管である液払出口41aを備える。気化器57は液化ガスタンク55の液払出口41aと液体配管41bで連結されて液体の状態のガスが供給される。気化器57にはガス管であるガス払出口41cも連結されており、気化器57で気化したガスはガス払出口41cからフレキシブルホース等で構成されたガス管である船内配管91に気体の状態で送出され、燃料ガス供給コンテナ43に送られる。なお、図3では液化ガスを液化ガスタンク55に充填する際に用いられる管路は記載を省略している。また、気化器57の駆動に電力が必要な場合、図2に示す配電盤45と気化器57を電力線で接続する等して配電盤45から電力の供給を受ければよい。
【0028】
燃料コンテナフレーム51は液化ガスタンク55、気化器57、液払出口41a、液体配管41b、及びガス払出口41cが搭載されるコンテナフレーム、つまりコンテナの外枠である。
図2では燃料コンテナフレーム51として、タンクコンテナのフレームと同様に、直方体の辺に相当する部分を直線状のフレームで構成し、直方体の側面に相当する部分にトラスを設けて補強した枠状の構造を例示している。なお、直方体の底面に相当する部分には床面を設けても良い。また、輸送用コンテナのように床面と側壁と上壁を備えるコンテナをそのまま燃料コンテナフレーム51として用いても良い。
【0029】
液化ガスタンク55、気化器57、液払出口41a、液体配管41b、及びガス払出口41cは燃料コンテナフレーム51又は燃料コンテナフレーム51に固定された床面にボルト等の公知の固定手段で固定されることで燃料コンテナフレーム51に搭載される。なお、液化ガスタンク55、気化器57、液払出口41a、液体配管41b、及びガス払出口41cは燃料コンテナフレーム51に着脱可能に設けても良い。
【0030】
図2に示す燃料コンテナフレーム51の外形寸法は、少なくとも液化ガスタンク55と気化器57を搭載できる寸法である。ISO規格の20フィートコンテナや40フィートコンテナのように規格化されたコンテナと同じ外形寸法にすると、船体3に搭載する際に規格化されたコンテナ用の吊具を用いることができるため、好ましい。
【0031】
燃料コンテナフレーム51は図4(a)に示すように上面と下面の4隅に長孔101が設けられている。長孔101は燃料コンテナ41を船体3に着脱可能に保持するために設けられた孔である。
【0032】
図2に示すように燃料コンテナ41は船体3に設けられた保持機構59に着脱可能に保持される。図2では燃料コンテナ41は暴露甲板9上に設置された設置台60の上面に設けられた保持機構59に着脱可能に保持される。
【0033】
図4に示す保持機構59は所謂ツイストロックと呼ばれる機構である。この機構では燃料コンテナフレーム51の下面の4隅に設けた長孔101にツイストロックピン111と呼ばれる回転式のフックを挿入してZ方向を軸中心に回転させ、長孔101から抜けないような姿勢にする。これにより、燃料コンテナフレーム51が保持機構59に着脱可能に保持される。
【0034】
具体的には保持機構59はツイストロックピン111及びガイドブロック113を備える。ツイストロックピン111は図4では矢印状のフックであり、鉛直方向であるZ方向を向く軸115を軸中心に回転可能に燃料コンテナフレーム51の設置面である設置台60の上面から上方に突設される。ツイストロックピン111の先端は長孔101の内周に対応する外形を有している。具体的には、ツイストロックピン111の先端は図4(a)に示すY方向の最大幅Wが長孔101の長手方向に直交する方向であるY方向の幅D1よりも若干短い程度である。一方で図4(b)はツイストロックピン111を図4(a)に示す状態から90°回転させた状態であるが、幅方向と直交する水平方向の最大長さLは、長孔101のY方向の幅D1よりも長く、長孔101の長手方向の長さよりも若干短い程度である。よってツイストロックピン111は平面形状が長孔101に対応した形状になっている。
ガイドブロック113は軸115を囲む筒状の部材であり、長孔101の内周に対応する外形を有している。具体的にはY方向の最大幅W及び長手方向の最大長さはツイストロックピン111と同程度である。また、ガイドブロック113のZ方向高さHは、長孔101のZ方向の厚さTよりも若干長い程度である。
【0035】
この構造で燃料コンテナフレーム51を保持機構59に着脱可能に保持する手順は以下の通りである。まず、図4(a)に示すようにツイストロックピン111、ガイドブロック113、及び長孔101の平面形状における長手方向の向きを合わせてツイストロックピン111及びガイドブロック113を長孔101に挿入する。挿入する深さはツイストロックピン111が長孔101の内周に接しない深さ以上である。次にこの状態で図4(b)に示すようにツイストロックピン111を長孔101と長手方向の向きが交差するように90°回転させる。この状態で燃料コンテナフレーム51をZ方向に移動させようとしてもツイストロックピン111先端のフック状の部分の底面が燃料コンテナフレーム51の長孔101の上縁に引っかかるため、燃料コンテナフレーム51のZ方向への移動が規制される。また、燃料コンテナフレーム51を水平方向に移動させようとしてもガイドブロック113に長孔101の内周が当接して水平方向への移動が規制される。図4(b)に示す状態から燃料コンテナフレーム51を取り外したい場合は、ツイストロックピン111を長孔101と長手方向の向きが揃うように90°回転させればよい。
【0036】
このように、保持機構59をツイストロックピン111で構成することで、既存の輸送用コンテナの保持具として用いられる汎用品であるツイストロックで燃料コンテナ41を着脱可能に保持させられる。
なお、保持機構59のみでは保持の強度が不十分な場合はラッシング等の他の保持手段を併用してもよい。
【0037】
また、保持機構59はツイストロックピン111を用いた構造ではなく、図5に示すように、燃料コンテナ41の設置面に設けられ、燃料コンテナフレーム51の側面を囲む枠であるセルガイド121でもよい。
図5に示すセルガイド121は燃料コンテナ41の設置面としての暴露甲板9上に設けられた構造を例示しており、ラッシングブリッジ123とラッシングバー125を備える。
【0038】
ラッシングブリッジ123はセルガイド121を構成する枠の一部であるとともに、燃料コンテナ41を船体3に保持させる際の作業台も兼ねた橋形の構造物である。図5に示すラッシングブリッジ123は長手方向が船体3の幅方向であるY方向を向いており、X方向に燃料コンテナ41の長手方向の長さに対応した間隔で複数設けられている。
【0039】
ラッシングバー125はセルガイド121を構成する枠の一部であり、ラッシングブリッジ123のX方向を向く面からX方向に突設されX-Z平面に平行な複数の板状部材である。複数のラッシングバー125のY方向の設置間隔は、コンテナのY方向の幅に対応した間隔である。
【0040】
この構造では燃料コンテナ41の長手方向がX方向を向くようにして、2つのラッシングブリッジ123、及び4つのラッシングバー125で囲まれた暴露甲板9の設置面に燃料コンテナ41を搭載する。これにより、燃料コンテナ41がセルガイド121に囲まれて保持され、X方向及びY方向への移動を規制される。また必要に応じてラッシング等で燃料コンテナ41を暴露甲板9やラッシングブリッジ123に固縛することでZ方向への移動も規制できる。なお、セルガイド121の設置位置は暴露甲板9には限定されず、燃料コンテナ41の設置位置に設けられる。
【0041】
このようにセルガイド121を保持機構59として用いてもよい。この構造ではコンテナ船でコンテナを保持させる際の汎用設備であるセルガイド121を、燃料コンテナ41を保持させる手段に流用できる。
【0042】
このように液化ガスタンク55と気化器57を燃料コンテナフレーム51に搭載して気体の状態の液化ガスを船内に供給する燃料コンテナ41として構成することで、船内配管91がガス管になる。そのため、船内配管91に液体の状態のガスを流す必要がなく、液化ガスの漏洩防止構造が液化ガス用の配管ほど複雑にならないので、作業性に優れる。
【0043】
また、燃料コンテナ41を保持機構59に着脱可能に保持させることで、液化ガスタンク55が空になった場合や、使用する燃料の種類を変更する場合に燃料コンテナ41の載せ替えが容易であり、作業性が更に向上する。更に、燃料コンテナ41の着脱の際に燃料コンテナ41から取り外す船内配管91がガス管であるため、船内配管91に液体の状態のガスを流す場合と比べて着脱の際に低温の液体の漏洩対策等が不要となり、作業性の点で更に有利となる。
【0044】
また、燃料コンテナ41は保持機構59に着脱可能に保持されるので、液化ガスタンク55が空になった場合は船体3から燃料コンテナ41を取り外して陸上に搬送してから液化ガスを充填する作業を行える。そのため、液化ガスを液化ガスタンク55に充填する際に船上で充填作業を行う必要が無く、作業性の点で更に有利となる。
【0045】
なお、液化ガスタンク55と気化器57は必ずしも1つの燃料コンテナフレーム51にまとめて搭載する必要はない。図6に示すように2つのコンテナフレーム42a、42bに液化ガスタンク55と気化器57を各々配置してコンテナフレーム42a、42bをスタッキングコーン等の連結治具を長孔101に係合させることで上下方向に連結してもよい。この構成では液化ガスタンク55と気化器57を1つの燃料コンテナフレーム51にまとめる場合と比べて液化ガスタンク55と気化器57の寸法を大きくできる。
【0046】
図2に示す燃料ガス供給コンテナ43は燃料ガス供給システム63が搭載されたコンテナであり、図2では燃料ガス供給区画27の第2甲板23上に搭載される。図2に示すように、燃料ガス供給コンテナ43は燃料ガス供給システム63及び燃料ガス供給コンテナフレーム61を備える。
【0047】
燃料ガス供給コンテナ43は図3に示すようにバッファタンク43a、圧縮機43b、及びタンク側接続部43cを備える。
【0048】
図3に示すようにバッファタンク43aは燃料コンテナ41の気化器57と船内配管91で接続される。圧縮機43bは図2に示す船内配管93を介して内燃機関75に接続される。船内配管93はフレキシブルホース等で構成されたガス管である。
【0049】
タンク側接続部43cは気化器57とバッファタンク43aを接続する接続部であり、具体的には燃料コンテナ41のガス払出口41cとバッファタンク43aを、船内配管91を介して接続する接続部である。ガス払出口41cから供給されるガスは気体であるため、船内配管91はガス管である。タンク側接続部43cは図3に示すように船体3に搭載可能な燃料コンテナ41の数に応じた数が設けられ、バッファタンク43a側の端部で1つの配管にまとめられてバッファタンク43aに接続される。図3では3つのタンク側接続部43cを例示しており、そのうち2つに燃料コンテナ41が接続された場合を例示している。
【0050】
なお、船内配管91におけるガス払出口41c及びタンク側接続部43cとの接続部である両端はガス払出口41c及びタンク側接続部43cと接続されていない状態では閉鎖され、接続されると開放される自動の止め弁が設けられる。また船内配管91の両端の間には図示しない枝管が設けられており、枝管から窒素ガス等の不活性ガスを充填できる。これは、気化器57とバッファタンク43aを接続する際には、これらの装置に空気が混入するのを防ぐために、予め船内配管91に不活性ガスを充填する必要があるためである。船内配管93の両端の接続部も自動の止め弁が設けられることが好ましく、両端の間に設けられた図示しない枝管から不活性ガスを充填できるのが好ましい。
【0051】
図2に示す燃料ガス供給コンテナフレーム61は燃料ガス供給システム63が搭載されるコンテナフレーム、つまりコンテナの外枠である。燃料ガス供給コンテナフレーム61の構造は燃料コンテナフレーム51と同様に直方体の辺に相当する部分を直線状のフレームで構成し、直方体の側面に相当する部分にトラスを設けて補強した枠状の構造を例示している。なお、輸送用コンテナをそのまま燃料ガス供給コンテナフレーム61として用いても良い。燃料ガス供給コンテナフレーム61が保持機構59に着脱可能に保持される構造も燃料コンテナフレーム51と同様であり、図4に示すように設置面に設けられたツイストロックピン111を長孔101に挿入して回転させる構造である。また、図5に示すセルガイド121を用いて保持してもよい。
【0052】
燃料ガス供給システム63は燃料ガス供給コンテナフレーム61又は燃料ガス供給コンテナフレーム61に固定された床面にボルト等の公知の固定手段で固定され、これにより燃料ガス供給コンテナフレーム61に搭載される。燃料ガス供給システム63は燃料ガス供給コンテナフレーム61に着脱可能に設けても良い。
【0053】
燃料ガス供給コンテナフレーム61の外形寸法は、少なくとも燃料ガス供給システム63を搭載できる寸法である。規格化されたコンテナと同じ寸法にすると、船体3に搭載する際に規格化されたコンテナ用の吊具を用いることができるため、好ましい。
【0054】
このように、液化ガス燃料船1は、燃料ガス供給システム63を1つの燃料ガス供給コンテナフレーム61に搭載して燃料ガス供給コンテナ43とし、保持機構59に着脱可能に保持させる構成としている。
燃料ガス供給システム63は燃料の種類に応じて構造が異なるので、内燃機関75の燃焼に使用する燃料を変更する場合、既設の燃料ガス供給コンテナ43を取り外す必要がある。この際、燃料ガス供給コンテナ43は船体3から着脱可能であるため、変更する燃料に応じた構造の燃料ガス供給システム63を備える燃料ガス供給コンテナ43に載せ替えれば良く、船体3の改造が不要となる。また、燃料ガス供給システム63の点検や故障の修理等の整備を行う際も、燃料ガス供給コンテナ43を船体3から取り外して陸上の整備工場で整備できる。そのため、船内で整備を行う場合と比べて人員や整備のスペースを確保しやすく、作業性の点で非常に有利である。
更に、この構成では燃料コンテナ41から液化ガスが気体の状態で供給されるため、燃料ガス供給コンテナ43の着脱の際に併せて着脱される船内配管91、93がガス管である。そのため、液体の状態で燃料を船内配管91、93に供給する構成と比べて、燃料ガス供給コンテナ43の着脱の際に低温の液体の漏洩対策等が不要となり、作業性の点で非常に有利となる。
【0055】
図2に示す発電コンテナ39は電源装置78としての内燃機関75と発電機77が搭載されたコンテナであり、図2では発電区画29の第3甲板25上に搭載されている。発電コンテナ39は内燃機関75、発電機77、及び発電コンテナフレーム73を備える。
内燃機関75はガス管である船内配管93、燃料ガス供給システム63、及びガス管である船内配管91を介して燃料コンテナ41と接続され、液化ガスタンク55に貯蔵された液化ガスが気体の状態で燃料ガス供給システム63から供給される。
【0056】
発電コンテナフレーム73は内燃機関75と発電機77が搭載されるコンテナのフレーム、つまりコンテナの外枠である。発電コンテナフレーム73の構造は燃料コンテナフレーム51と同様に直方体の辺に相当する部分を直線状のフレームで構成し、直方体の側面に相当する部分にトラスを設けて補強した枠状の構造を例示している。なお輸送用コンテナをそのまま発電コンテナフレーム73として用いても良い。発電コンテナフレーム73が保持機構59に着脱可能に保持される構造も、燃料コンテナフレーム51と同様であり、第3甲板25上に設けられたツイストロックピン111を長孔101に挿入して回転させる構造である。また、図5に示すセルガイド121を用いて保持してもよい。
【0057】
内燃機関75と発電機77は発電コンテナフレーム73又は発電コンテナフレーム73に固定された床面にボルト等の公知の固定手段で固定され、これにより発電コンテナフレーム73に搭載される。内燃機関75と発電機77は発電コンテナフレーム73に着脱可能に設けてもよい。
【0058】
発電コンテナフレーム73の外形寸法は、少なくとも内燃機関75と発電機77を搭載できる寸法である。規格化されたコンテナと同じ寸法にすると、船体3に搭載する際に規格化されたコンテナ用の吊具を用いることができるため、好ましい。
【0059】
このように、液化ガス燃料船1は、内燃機関75と発電機77をまとめて1つの発電コンテナフレーム73に搭載して発電を行う発電コンテナ39として保持機構59に着脱可能に保持させる構成としている。この構成では内燃機関75の燃焼に使用する燃料を変更する場合、既設の発電コンテナ39を取り外し、変更する燃料に応じた構造の内燃機関75を備える発電コンテナ39に載せ替えればよいので、船体3の改造が不要となる。また、内燃機関75と発電機77の整備を行う際でも発電コンテナ39を船体3から取り外して陸上の整備工場で整備できる。そのため、船内で整備を行う場合と比べて人員や整備のスペースを確保しやすく、作業性の点で非常に有利である。
更に、この構成では燃料コンテナ41から液化ガスが気体の状態で供給されるため、発電コンテナ39の着脱の際に併せて着脱される船内配管91、93が全てガス管である。そのため、液体の状態で燃料を船内配管91、93に供給する構成と比べて、発電コンテナ39の着脱の際に低温の液体の漏洩対策等が不要となり、作業性の点で非常に有利となる。
【0060】
このように液化ガス燃料船1は、液化ガスタンク55と気化器57が燃料コンテナフレーム51に搭載されて燃料コンテナ41を構成し、燃料ガス供給システム63が燃料ガス供給コンテナフレーム61に搭載されて燃料ガス供給コンテナ43を構成する。また電源装置78が発電コンテナフレーム73に搭載されて発電コンテナ39を構成する。
更に、液化ガス燃料船1は、燃料コンテナ41と燃料ガス供給コンテナ43を接続する船内配管91、及び燃料ガス供給コンテナ43と発電コンテナ39を接続する船内配管93がガス管である。
【0061】
この構成では、船内配管91、93がガス管なので液体の状態のガスを船内配管91、93に流す必要がなく、予冷のような作業が不要となり、船内配管91、93のガス漏洩防止構造が液化ガス用の配管ほど複雑にならないので作業性に優れる。
また、燃料コンテナ41、燃料ガス供給コンテナ43、及び発電コンテナ39を保持機構59に着脱可能に保持させることで、これらのコンテナの取り外しや載せ替えが容易であり、作業性が更に向上する。
【0062】
また、燃料コンテナ41、燃料ガス供給コンテナ43、及び発電コンテナ39を保持機構59に着脱可能に保持させることで、これらのコンテナを個別にリースすることも可能であり、これにより液化ガス燃料船1の建造への投資リスクを下げられる。特に液化ガス燃料船は燃料として想定される液化ガスの種類が多彩で、かつ各々の液化ガスの将来性が不透明である。そのため、特定の液化ガス用の推進機構を船体3に固定した船舶を建造すると、対応する液化ガスの将来性が無くなり使われなくなると、推進機構を船体3から取り外せない場合は船舶自体が使えなくなる恐れがある。よって重油等の既存の燃料で航行する船舶の建造と比べて液化ガス燃料船の建造は投資リスクが高いとして好まれない傾向にある。一方で第1の実施形態の液化ガス燃料船1は、設置した燃料コンテナ41、発電コンテナ39、及び燃料ガス供給コンテナ43に対応する液化ガスが使われなくなっても、実用化された液化ガス用のコンテナをリースして既設のコンテナと交換すれば運用を続けられる。よって液化ガス燃料船1の建造への投資リスクを下げられる。
【0063】
燃料コンテナ41、燃料ガス供給コンテナ43、及び発電コンテナ39の設置位置は液化ガス燃料船1に搭載される他の機器と干渉せず、船内配管91、93を引き回すことができ、かつ保持機構59で船体3に保持できる位置であれば適宜設定できる。ただし図1に示すように燃料コンテナ41は船内ではなく、暴露甲板9上に設けるのが好ましい。理由は以下の通りである。燃料コンテナ41は液化ガス燃料船1の航行で液化ガスタンク55内の液化ガスが消費されて空になると交換する必要があるため、発電コンテナ39及び燃料ガス供給コンテナ43と比べて着脱する頻度が高い。そのため、陸上からのアクセスが船内よりも容易な暴露甲板9上に燃料コンテナ41を設ける方が作業性に優れる。図1の燃料コンテナ41は暴露甲板9の船尾端に設けられている。
【0064】
燃料ガス供給コンテナ43及び発電コンテナ39は整備の際や、使用する燃料の変更の際にのみ着脱するため、設置位置は暴露甲板9上でなくても良いが、液化ガス燃料船1が貨物船の場合、貨物が搭載されない区画に配置するのが好ましい。図1に示す貨物区画13のように貨物が搭載される区画に発電コンテナ39及び燃料ガス供給コンテナ43を設置すると、これらのコンテナの容積分だけ、貨物の積載量が減るためである。
【0065】
具体的には燃料ガス供給コンテナ43及び発電コンテナ39は、図1に示す機関区画11に設けるのが好ましい。理由は以下の通りである。まず図1に示す機関区画11は甲板室33の下方の区画であるため、陸上からクレーン等で吊り上げた輸送用コンテナを上方から直接、機関区画11に搭載できず、貨物が搭載される区画として用いられないためである。次に、図1では機関区画11内に配電盤45や電動機37が配置され、機関区画11の上方の暴露甲板9上に燃料コンテナ41が搭載されている。そのため、貨物区画13や船首区画15に発電コンテナ39及び燃料ガス供給コンテナ43を搭載する場合よりも機関区画11に搭載した方が電力線や船内配管91、93を短くできるためである。
そこで、図1に示すように燃料ガス供給コンテナ43及び発電コンテナ39は、機関区画11において、甲板室33の下方で、電動機37よりも上方の船内区画である燃料ガス供給区画27と発電区画29に配置されるのが好ましい。
【0066】
ただし甲板室33の下に燃料ガス供給コンテナ43と発電コンテナ39を設ける場合、陸上からクレーン等で吊り上げたこれらのコンテナを上方から直接、機関区画11に搭載できない。そこで図2に示すように、機関室横隔壁17には発電コンテナ39と燃料ガス供給コンテナ43を船体3に設置する際の経路となる開閉可能な横隔壁開口部81が形成されている。横隔壁開口部81は燃料ガス供給コンテナ43と発電コンテナ39を船外と船内との間で搬入/搬出する必要が無い場合、図示しない水密扉で閉鎖されている。燃料ガス供給コンテナ43と発電コンテナ39を船外と船内との間で搬入/搬出する必要がある場合は、水密扉が開く。また、横隔壁開口部81の寸法は、少なくとも発電コンテナ39と燃料ガス供給コンテナ43が通過できる大きさである。
【0067】
この構成では貨物区画13から横隔壁開口部81を介して燃料ガス供給コンテナ43と発電コンテナ39が甲板室33の下方の船内区画である機関区画11に搭載される。
甲板室33の下方の船内区画は上方から直接クレーン等でコンテナを降ろせないため貨物は搭載されない。よって、甲板室33の下方の機関区画11に燃料ガス供給コンテナ43と発電コンテナ39を搭載することで、貨物区画13に発電コンテナ39と燃料ガス供給コンテナ43を搭載する必要がなくなり、貨物区画13の容積を広くできる。
【0068】
燃料ガス供給コンテナ43及び発電コンテナ39は図2に示すように船内の異なる甲板上に設けても良い。例えば図2では燃料ガス供給コンテナ43が機関区画11の燃料ガス供給区画27における第2甲板23上に配置されている。また発電コンテナ39は機関区画11の発電区画29における第3甲板25上に設けられており、燃料ガス供給コンテナ43の下方に配置されている。
【0069】
このように機関区画11内で高さ方向に異なる位置に設けられた甲板に燃料ガス供給コンテナ43と発電コンテナ39を各々配置することで、機関区画11の船長方向の長さを短くでき、貨物区画13の容積を広くできる。
【0070】
なお、燃料ガス供給コンテナ43と発電コンテナ39の位置関係はどちらを上にしてもよい。ただし、図2に示すように暴露甲板9上に燃料コンテナ41を設け、内底板21上に配電盤45と電動機37を設けた場合、燃料ガス供給コンテナ43を発電コンテナ39よりも上方に配置するのが好ましい。理由は以下の通りである。
燃料ガス供給コンテナ43を発電コンテナ39よりも上方に配置した方が燃料ガス供給コンテナ43と燃料コンテナ41の距離が近くなる。そのため、接続用のガス管である船内配管91が短くなり、漏洩防止構造も短くなり、作業性が向上する。また、発電コンテナ39を燃料ガス供給コンテナ43の下方に配置した方が配電盤45との距離が近くなり、電力線の配線が短くなるため、漏電防止構造等も短くなり、作業性が向上する。
【0071】
なお、燃料ガス供給コンテナ43を第2甲板23上に配置し、発電コンテナ39を第3甲板25上に設けた場合、横隔壁開口部81を機関室横隔壁17の燃料ガス供給区画27に接する部分と発電区画29に接する部分の2か所に設けても良い。この構成では燃料ガス供給区画27に接する部分に設けた横隔壁開口部81から燃料ガス供給コンテナ43が燃料ガス供給区画27に搬入される。また発電区画29に接する部分に設けた横隔壁開口部81から発電コンテナ39が発電区画29に搬入される。ただし横隔壁開口部81を2か所に設けると機関室横隔壁17の強度や水密構造が弱くなる場合、図2に示すように横隔壁開口部81は機関室横隔壁17の燃料ガス供給区画27に接する部分に1か所のみ設けられるのが好ましい。
【0072】
この構造で発電コンテナ39を船外から第3甲板25に搬入して設置する場合は、まず貨物区画13から横隔壁開口部81を介して発電コンテナ39を燃料ガス供給区画27に搬入し、燃料ガス供給区画27から発電区画29に搬入する必要がある。そこで、図2に示すように第2甲板23には発電コンテナ39を設置する際の経路となる開口である甲板開口部83が設けられる。甲板開口部83は燃料ガス供給区画27と発電区画29を連通する開口である。甲板開口部83の寸法は少なくとも発電コンテナ39が通過できる寸法である。なお、燃料ガス供給区画27から発電区画29に発電コンテナ39を搬入する手段としては、図2に示すように、燃料ガス供給区画27における暴露甲板9の下面に設置された天井クレーン87が挙げられる。具体的には、燃料ガス供給区画27に搬入された発電コンテナ39を天井クレーン87で吊り上げて、燃料ガス供給区画27から甲板開口部83を介して発電区画29に搬入して第3甲板25上に設置すればよい。
【0073】
この構成では、発電コンテナ39が貨物区画13、横隔壁開口部81、燃料ガス供給区画27、及び甲板開口部83を経て発電区画29に搭載され、取り外す場合は逆の経路をたどる。そのため、甲板室33の下方に複数の区画を上下方向に設ける場合でも、発電コンテナ39を船外から甲板室33の下方の区画に搬入でき、かつ甲板室33の下方の区画から船外に発電コンテナ39を搬出できる。
【0074】
なお、甲板開口部83を設ける場合は横隔壁開口部81を機関室横隔壁17の発電区画29に接する部分にのみ設けてもよい。ただし、以下の説明では横隔壁開口部81を機関室横隔壁17の燃料ガス供給区画27に接する部分にのみ設けた場合を例に第1の実施形態を説明する。
【0075】
甲板開口部83は発電コンテナ39の搬入/搬出を行わない状態では塞げる構造であるのが好ましい。甲板開口部83を塞げる構造でないと、発電コンテナ39の搬入/搬出を行わない状態では甲板開口部83が他の船内機器を設置できないデッドスペースとなるためである。ただし甲板開口部83を塞ぐ構造は水密である必要はなく、水密扉等で完全に閉鎖する必要はない。甲板開口部83が設置された機関区画11の水密構造は図1に示す機関室横隔壁17、船底5、側壁7、及び暴露甲板9で確保するためである。
【0076】
図2では甲板開口部83を塞ぐ構造として甲板開口部83を跨設して第2甲板23に着脱可能に保持された複数のレール85を例示している。レール85は甲板開口部83をX方向又はY方向に跨設する長板であり、図2では甲板開口部83をX方向に跨設する長板を例示している。複数のレール85の設置間隔は燃料ガス供給コンテナ43を搭載できる程度の間隔である。例えば図2に示すように複数のレール85がX方向に甲板開口部83を跨設している場合、複数のレール85のY方向の設置間隔を、燃料ガス供給コンテナ43のY方向の幅よりも短くすればよい。この場合、レール85上に保持機構59を設ければレール85に燃料ガス供給コンテナ43を着脱可能に保持させられる。
【0077】
この構成では発電コンテナ39を発電区画29の第3甲板25に搭載する際には、まずレール85を甲板開口部83から取り外して発電コンテナ39の通路を確保する。次に発電コンテナ39を貨物区画13から横隔壁開口部81を介して燃料ガス供給区画27に搬入し、甲板開口部83を介して発電区画29に搬入して第3甲板25に搭載する。その後はレール85を甲板開口部83に跨設してボルト等の締結手段で固定し、燃料ガス供給コンテナ43を貨物区画13から横隔壁開口部81を介して燃料ガス供給区画27に搬入してレール85上に設置する。この構成では甲板開口部83を水密扉等で完全に塞ぐ場合と比べて甲板開口部83の開閉がしやすく、かつ甲板開口部83上に燃料ガス供給コンテナ43を設置できる。
【0078】
図2に示すレール85は長手方向が船長方向であるX方向を向いているが、この場合、スライドレールのようにレール85をX方向にスライド可能に構成してもよい。この構成では甲板開口部83を塞ぐ場合は甲板開口部83を跨ぐようにレール85をX方向にスライドさせる。また、発電コンテナ39の搬入/搬出を行う際には甲板開口部83から離れる向きにレール85をX方向にスライドさせる。
【0079】
レール85がスライド可能な範囲は、少なくとも、甲板開口部83から発電コンテナ39の搬入/搬出ができ、かつ甲板開口部83を跨設できる範囲である。そのため、レール85を設置するY方向位置及びZ方向位置を横隔壁開口部81に合わせる等して、レール85を横隔壁開口部81から貨物区画13に突出する位置までスライドさせられるように構成してもよい(図9(a)参照)。
【0080】
このように、レール85が横隔壁開口部81から貨物区画13に突出する向きにスライドすることで、発電コンテナ39を以下のように船内に搬入できる。まず貨物区画13の上方から岸壁クレーン200等で吊り下げた状態で降ろされる発電コンテナ39を横隔壁開口部81から貨物区画13に突出されたレール85に搭載する(図9(b)参照)。次にレール85を機関区画11に引き込むことで発電コンテナ39を機関区画11に搬入できる。発電コンテナ39は機関区画11の燃料ガス供給区画27に搬入後、天井クレーン87で発電区画29に搭載できる(図10(b)参照)。また燃料ガス供給コンテナ43も貨物区画13に突出されたレール85に搭載してレール85をスライドさせることで燃料ガス供給区画27に搭載できる(図12(a)参照)。
【0081】
なお、図7に示すように発電コンテナ39及び燃料ガス供給コンテナ43は船内の同じ甲板上に設けても良い。図7では発電コンテナ39及び燃料ガス供給コンテナ43は機関区画11の第2甲板23に設けられている。この構成では甲板開口部83を設ける必要が無いため、区画の水密性の点で有利である。
【0082】
図2に示す液化ガス燃料船1は液化ガスを燃料とする船舶であるが、電動機37でプロペラ35を駆動する電気推進船でもある。そのため、液化ガスで内燃機関75を駆動させて発電機77を発電し、発電した電力で電動機37を駆動させている。
このように電動機37でプロペラ35を駆動する場合、液化ガス燃料船1は、電動機37に電力を供給する手段として、更に図8に示すように蓄電池137を備えてもよい。
【0083】
具体的には図8に示す変形例の液化ガス燃料船1では、暴露甲板9上に設置された設置台60がバッテリーコンテナ131として設けられている。バッテリーコンテナ131は蓄電池137と蓄電コンテナフレーム135を備える。
【0084】
蓄電池137は電動機37に電力を供給する電池であり、配電盤45と電気的に接続されて電力を供給するように構成されている。蓄電池137はリチウムイオン電池等の二次電池であり、発電機77が発電した電力が配電盤45を介して供給されることで充電される。
【0085】
蓄電コンテナフレーム135は蓄電池137が搭載されるコンテナフレーム、つまりコンテナの外枠である。蓄電コンテナフレーム135の構造は燃料コンテナフレーム51と同様に直方体の辺に相当する部分を直線状のフレームで構成し、直方体の側面に相当する部分にトラスを設けて補強した枠状の構造を例示している。また、輸送用コンテナをそのまま蓄電コンテナフレーム135として用いても良い。蓄電コンテナフレーム135が保持機構59に着脱可能に保持される構造も、燃料コンテナフレーム51と同様であり、暴露甲板9上に設けられたツイストロックピン111を長孔101に挿入して回転させる構造を例示できる。なお、図8に示すように複数のコンテナを縦積みする場合、2段目以降のコンテナは下側のコンテナとスタッキングコーンで連結すればよい。また、図5に示すセルガイド121の枠の高さをコンテナ2つ分以上とすることでも複数のコンテナを縦積みできる。加えて、セルガイド121がY方向つまり並列にコンテナを搭載可能な構造であれば、複数のコンテナを横積みすることもできる。
【0086】
このように液化ガス燃料船1はバッテリーコンテナ131を備えても良い。この構成では、電動機37がバッテリーコンテナ131の蓄電池137から電力の供給を受けて駆動することもできる。そのため、発電機77や内燃機関75が駆動していない場合でも液化ガス燃料船1が自航できる。また、この構成では発電機77が発電した電力を、配電盤45を介してバッテリーコンテナ131の蓄電池137に充電することもできるため、発電機77が発電した余剰電力を、電動機37を駆動する電力として利用できる。なお、蓄電池137に充電された電力は推進機構以外の船内機器、例えば天井クレーン87の駆動に用いても良い。
以上が液化ガス燃料船1の構造の、より詳細な説明である。
【0087】
次に第1の実施形態に係る液化ガス燃料船1の船体3に、燃料コンテナ41、燃料ガス供給コンテナ43、及び発電コンテナ39を搭載する方法について、図9図12を参照して簡単に説明する。
【0088】
まず図9(a)に示すように岸壁クレーン200等の港湾の岸壁に設置したクレーンで燃料コンテナ41を岸壁から吊り上げて図9(a)のZ1の向きに移動させて設置台60上に接地させ、保持機構59に燃料コンテナ41を保持させる。
【0089】
次に横隔壁開口部81の図示しない水密扉を開き、図9(a)に示すようにレール85をX1の向きにスライドさせて、横隔壁開口部81から貨物区画13に突出させる。次に岸壁クレーン200で発電コンテナ39を岸壁から吊り上げる。更に貨物区画13の上方の図示しないハッチ等からZ2の向きに発電コンテナ39を移動させて貨物区画13内に搬入し、図9(b)に示すように貨物区画13に突出させたレール85上に発電コンテナ39を搭載する。
次に図9(b)に示すようにレール85をX2の向きに移動させて横隔壁開口部81から発電コンテナ39ごと燃料ガス供給区画27に引き込む。
【0090】
レール85がスライドする構造でない場合は以下のようにして燃料ガス供給区画27に発電コンテナ39を引き込む。まず発電コンテナ39を岸壁クレーン200で吊り上げて貨物区画13内に搬入してZ方向及びY方向の位置を横隔壁開口部81に合わせ、図示しないロープを発電コンテナ39に結束する。次にロープを図9(b)のX2の向きに引っ張って、貨物区画13から横隔壁開口部81を介して燃料ガス供給区画27に発電コンテナ39を引き込む。
【0091】
発電コンテナ39が燃料ガス供給区画27に引き込まれると、岸壁クレーン200の吊具を発電コンテナ39から取り外し、図10(a)に示すように天井クレーン87で発電コンテナ39をZ3の向きに吊り上げる。この際、レール85は取り外すか、図10(a)のX2の向きに移動させる等して甲板開口部83と平面上の位置が重ならない位置に移動させる。
次に発電コンテナ39の平面上の位置を甲板開口部83の平面上の位置に合わせ、天井クレーン87の吊具を図10(b)のZ4の向きに移動させて甲板開口部83から発電区画29に発電コンテナ39を搬入する。更に図11(a)に示すように発電コンテナ39を第3甲板25に接地させて保持機構59に保持させる。その後、天井クレーン87の吊具を発電コンテナ39から取り外す。
【0092】
次に、図11(b)に示すようにレール85をX1の向きにスライドさせて、横隔壁開口部81から貨物区画13に再び突出させる。次に岸壁クレーン200で燃料ガス供給コンテナ43を岸壁から吊り上げる。更に貨物区画13の上方の図示しないハッチ等から燃料ガス供給コンテナ43を図11(b)のZ2の向きに移動させて貨物区画13内に搬入し、図12(a)に示すように貨物区画13に突出させたレール85上に燃料ガス供給コンテナ43を搭載する。
次に図12(a)に示すようにレール85をX2の向きに移動させて横隔壁開口部81から燃料ガス供給コンテナ43ごと燃料ガス供給区画27に引き込み、図12(b)に示すように甲板開口部83を跨ぐ位置でレール85を固定する。その後、保持機構59でレール85に燃料ガス供給コンテナ43を保持させる。更に、横隔壁開口部81の図示しない水密扉を閉鎖する。水密扉を閉鎖した後は船内配管91、93の接続や電力線の接続作業を行うことで燃料コンテナ41、燃料ガス供給コンテナ43、及び発電コンテナ39の搭載が完了する。
【0093】
レール85がスライドする構造でない場合は以下のようにして燃料ガス供給区画27に燃料ガス供給コンテナ43を引き込む。まず、燃料ガス供給コンテナ43を岸壁クレーン200で吊り上げて貨物区画13内に搬入し、Y方向、Z方向の位置を横隔壁開口部81に合わせ、図示しないロープを燃料ガス供給コンテナ43に結束する。次にロープを図12(a)のX2の向きに引っ張ることで、貨物区画13から横隔壁開口部81を介して燃料ガス供給区画27に燃料ガス供給コンテナ43を引き込む。
以上が第1の実施形態に係る液化ガス燃料船1の燃料コンテナ41、燃料ガス供給コンテナ43、及び発電コンテナ39を船体3に搭載する方法の説明である。
【0094】
このように第1の実施形態の液化ガス燃料船1は、液化ガスタンク55と気化器57、電源装置78、及び燃料ガス供給システム63が各々コンテナフレームに搭載されたコンテナとして船体3に着脱可能に配置される。更に、これらのコンテナがガス管である船内配管91、93で接続される。
そのため、船内配管91、93に液体の状態のガスを流す必要がなく、船内配管91、93のガス漏洩防止構造が液化ガス用の配管ほど複雑にならないので作業性に優れる。また、使用する燃料を変更したい場合は、燃料の種類に対応する液化ガスタンク55と発電機77と内燃機関75と燃料ガス供給システム63が搭載されたコンテナを載せ替えればよく、この際にコンテナから着脱する船内配管91、93がガス管である。そのため、作業性に更に優れる。
よって第1の実施形態の液化ガス燃料船1は、従来よりも安価な設備で作業性及びメンテナンス性に優れ、船員負担を徒に増大させることなく、燃料を変更するにあたり、新造若しくは大規模改造を伴うことが無い。
【0095】
次に第2の実施形態について、図13図17を参照して説明する。第2の実施形態は第1の実施形態において、発電コンテナ39と燃料ガス供給コンテナ43を船外から船内に搬入する経路として、横隔壁開口部81の替わりに機関区画11の上方の暴露甲板9にハッチ141を設けたものである。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の機能を果たす要素については同一の番号を付し、主に第1の実施形態と異なる部分について説明する。
【0096】
まず、第2の実施形態に係る液化ガス燃料船1の構造について、図13を参照して説明する。
図13に示す第2の実施形態に係る液化ガス燃料船1aは、第1の実施形態に係る液化ガス燃料船1と同様に、船体3は船尾側から船首側に向けて機関区画11と貨物区画13が順番に配置されて横隔壁である機関室横隔壁17で区分されている。また、機関区画11の上方の暴露甲板9に甲板室33が設けられている。
機関区画11は、第2甲板23及び第3甲板25で、燃料ガス供給区画27、発電区画29、及び推進区画31の順に3つの区画に区分されている。発電コンテナ39と燃料ガス供給コンテナ43は、機関区画11において甲板室33の下方で電動機37よりも上方の区画である、発電区画29及び燃料ガス供給区画27に各々配置されている。電動機37と配電盤45は推進区画31の床面である船底5の内底板21に固定されている。第2甲板23には、第3甲板25に発電コンテナ39を設置する際の経路となる開口である甲板開口部83が設けられる。
【0097】
一方で第2の実施形態に係る液化ガス燃料船1aは横隔壁開口部81が機関室横隔壁17に設けられておらず、横隔壁開口部81の替わりにハッチ141及びハッチカバー143が設けられている。
【0098】
ハッチ141は発電コンテナ39と燃料ガス供給コンテナ43を機関区画11に設置する際の経路となる開口であり、暴露甲板9において機関区画11の上方で、かつ甲板室33が設けられていない領域に形成されている。ハッチ141は図13では船長方向において甲板室33よりも船尾側となる船尾端の暴露甲板9に形成されており、船体3の外部と機関区画11の燃料ガス供給区画27を連通している。
ハッチ141の寸法・形状は発電コンテナ39と燃料ガス供給コンテナ43が通過できる形状・寸法である。具体的な形状は発電コンテナ39と燃料ガス供給コンテナ43の平面形状と同様の形状で、寸法は発電コンテナ39と燃料ガス供給コンテナ43の平面の寸法よりも大きい。
ハッチ141を設けることで、船外からハッチ141を介して発電コンテナ39と燃料ガス供給コンテナ43を機関区画11内に搬入できる(図14(a)、図16(a)参照)。
【0099】
ハッチカバー143はハッチ141を開閉可能に覆う水密扉であり、ハッチ141の上方に設けられる。ハッチカバー143はハッチ141を覆った状態で、波浪や降雨により暴露甲板9に打ち付けられる水がハッチ141から機関区画11内に侵入しないような水密構造を備えた水密扉である。ハッチカバー143の開閉機構は水平方向にスライドする機構や、ヒンジを中心に回動する機構等の公知の機構を用いればよい。
ハッチカバー143を設けることで、ハッチ141を設けた場合でも、波浪や降雨により暴露甲板9に打ち付けられる水がハッチ141から機関区画11内に侵入するのを防止できる。
【0100】
ハッチカバー143は閉じた状態で燃料コンテナ41を設置できる構造であるのが好ましい。ハッチカバー143に燃料コンテナ41を設置することで、ハッチ141の上方がデッドスペースにならないためである。具体的には図13に示すように、閉じた状態のハッチカバー143の上面に保持機構59を設けて燃料コンテナ41を保持させればよい。図13ではハッチカバー143上に設けられた保持機構59に設置台60を保持させ、設置台60に燃料コンテナ41を保持させている。つまり設置台60を介して保持機構59に燃料コンテナ41を保持させている。
このように、横隔壁開口部81の替わりにハッチ141及びハッチカバー143を設けてもよい。
【0101】
発電コンテナ39と燃料ガス供給コンテナ43を機関区画11に設置する際の経路となる開口として、第1の実施形態のように横隔壁開口部81を設けるか、第2の実施形態のようにハッチ141を設けるかは、各々の利点を考慮して適宜選択すればよい。
例えば第1の実施形態のように横隔壁開口部81を設けた構造は暴露甲板9に開口を設ける必要が無いので、暴露甲板9から機関区画11に浸水する可能性が第2の実施形態よりも低く、波浪や降雨による浸水防止の点で有利である。
一方で第2の実施形態は、機関室横隔壁17に開口を設ける必要が無いので、船体3が他の船舶や洋上構造物に衝突して貨物区画13が浸水した場合に第1の実施形態と比べて機関区画11への浸水が生じ難く、衝突の際の浸水防止の点で有利である。
【0102】
次に、第2の実施形態に係る液化ガス燃料船1aに燃料コンテナ41、燃料ガス供給コンテナ43、及び発電コンテナ39を搭載する方法について、図14図17を参照して簡単に説明する。
【0103】
最初にハッチカバー143上に設置台60や燃料コンテナ41が搭載されている場合は、設置台60や燃料コンテナ41を岸壁クレーン200等で吊り上げる等してハッチカバー143から取り外す。次に図14(a)に示すようにハッチカバー143を開放する。ハッチカバー143を開放した後は、岸壁クレーン200で発電コンテナ39を岸壁から吊り上げて、発電コンテナ39の平面上の位置をハッチ141の平面上の位置に合わせる。更に岸壁クレーン200の吊具を図14(a)のZ1の向きに移動させてハッチ141から燃料ガス供給区画27に発電コンテナ39を搬入する。搬入した発電コンテナ39は第2甲板23かレール85上に仮置きする。なお、レール85は甲板開口部83と平面状の位置が重ならない位置に移動させておく。
【0104】
次に図14(b)に示すように燃料ガス供給区画27に搬入した発電コンテナ39を天井クレーン87で吊り上げて、X1の向きに移動させ、発電コンテナ39の平面上の位置を甲板開口部83の平面上の位置に合わせる。この状態で図15(a)に示すように天井クレーン87の吊具をZ4の向きに移動させて甲板開口部83から発電区画29に発電コンテナ39を搬入する。更に図15(b)に示すように発電コンテナ39を第3甲板25に接地させて保持機構59に保持させる。その後、天井クレーン87の吊具を発電コンテナ39から取り外す。
【0105】
次に、岸壁クレーン200で燃料ガス供給コンテナ43を岸壁から吊り上げて、燃料ガス供給コンテナ43の平面上の位置をハッチ141の平面上の位置に合わせる。また、レール85もハッチ141の平面上の位置に合わせておく。この状態で岸壁クレーン200の吊具を図16(a)に示すようにZ1の向きに移動させてハッチ141から燃料ガス供給区画27に燃料ガス供給コンテナ43を搬入してレール85上に搭載する。その後、レール85上に設けられた保持機構59に燃料ガス供給コンテナ43を保持させる。更に図16(b)に示すように、レール85をX1の向きに移動させて甲板開口部83を跨ぐ位置でレール85を固定する。レール85が固定されるとハッチカバー143を閉鎖する。
【0106】
次に、岸壁クレーン200で設置台60を岸壁から吊り上げて、設置台60の長孔101の平面上の位置をハッチカバー143上の保持機構59の平面上の位置に合わせる。この状態で岸壁クレーン200の吊具を図17(a)に示すようにZ1の向きに移動させてハッチカバー143上に接地して保持機構59に保持させる。
更に岸壁クレーン200で燃料コンテナ41を岸壁から吊り上げて、燃料コンテナ41の長孔101の平面上の位置を設置台60上の保持機構59の平面上の位置に合わせる。この状態で岸壁クレーン200の吊具を図17(b)に示すようにZ1の向きに移動させて設置台60上に接地して保持機構59に保持させる。
その後は船内配管91、93の接続や電力線の接続作業を行うことで燃料コンテナ41、燃料ガス供給コンテナ43、及び発電コンテナ39の搭載が完了する。
【0107】
このように第2の実施形態の液化ガス燃料船1aは、液化ガスタンク55と気化器57、電源装置78、及び燃料ガス供給システム63が各々コンテナフレームに搭載されたコンテナとして船体3に着脱可能に配置される。更に、これらのコンテナがガス管である船内配管91、93で接続される。
そのため、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0108】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の技術思想の範囲内において各種変形例及び改良例に想到するのは当然のことであり、これらも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
1、1a:液化ガス燃料船
3 :船体
5 :船底
5a :外底板
7 :側壁
9 :暴露甲板
11 :機関区画
13 :貨物区画
15 :船首区画
17 :機関室横隔壁
19 :貨物室横隔壁
21 :内底板
23 :第2甲板
25 :第3甲板
27 :燃料ガス供給区画
29 :発電区画
31 :推進区画
33 :甲板室
35 :プロペラ
37 :電動機
39 :発電コンテナ
41 :燃料コンテナ
41a :液払出口
41b :液体配管
41c :ガス払出口
42a、42b :コンテナフレーム
43 :燃料ガス供給コンテナ
43a :バッファタンク
43b :圧縮機
43c :タンク側接続部
45 :配電盤
47 :舵
51 :燃料コンテナフレーム
55 :液化ガスタンク
57 :気化器
59 :保持機構
60 :設置台
61 :燃料ガス供給コンテナフレーム
63 :燃料ガス供給システム
73 :発電コンテナフレーム
75 :内燃機関
77 :発電機
78 :電源装置
81 :横隔壁開口部
83 :甲板開口部
85 :レール
87 :天井クレーン
91、93 :船内配管
101 :長孔
111 :ツイストロックピン
113 :ガイドブロック
115 :軸
121 :セルガイド
123 :ラッシングブリッジ
125 :ラッシングバー
131 :バッテリーコンテナ
135 :蓄電コンテナフレーム
137 :蓄電池
141 :ハッチ
143 :ハッチカバー
200 :岸壁クレーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17