(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】保護された健康情報を追跡し、それにアクセスし、それをマージするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G16H 70/00 20180101AFI20240419BHJP
A61B 5/055 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
G16H70/00
A61B5/055 390
(21)【出願番号】P 2021527976
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(86)【国際出願番号】 US2019061841
(87)【国際公開番号】W WO2020106588
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-11-08
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516215925
【氏名又は名称】アーテリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カイル アンドリュー ドーマー
(72)【発明者】
【氏名】アル ホワイティング
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ タイラー ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】フセイン パトニ
(72)【発明者】
【氏名】トリン テーラム
(72)【発明者】
【氏名】ダリル ビドゥロック
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/204698(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0256041(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0224805(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0153351(US,A1)
【文献】特開2007-156910(JP,A)
【文献】特開2003-046500(JP,A)
【文献】特開2007-140869(JP,A)
【文献】特開2012-178096(JP,A)
【文献】特開2007-317075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療分析プラットフォームを動作させる方法であって、前記医療分析プラットフォームは、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、保護された健康情報(PHI)システムと、を含み、前記方法は、
前記ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、前記ASPシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶するステップと、
前記PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、前記識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータを、前記PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶するステップと、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディを求める要求を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信するステップと、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記プロセッサベースのクライアントデバイスから受信された前記医療スタディを求める前記要求を認証するステップと、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータを、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記PHIシステムに要求するステップと、
前記PHIシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記要求に応答して、前記要求されたPHIデータを、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記ASPシステムに送信するステップと、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記PHIデータを、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記PHIシステムから受信するステップと、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記受信されたPHIデータを、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記要求元のプロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップと、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記要求された医療スタディについての識別不能化された医療スタディデータを、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記プロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、前記PHIデータを、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記ASPシステムから受信するステップと、
前記プロセッサベースのクライアントデバイスの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記識別不能化された医療スタディデータを、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記ASPシステムから受信するステップと、
前記プロセッサベースのクライアントデバイスの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記PHIデータと前記識別不能化された医療スタディデータとをマージして、識別再可能化された医療スタディデータを生成するステップと、
前記プロセッサベースのクライアントデバイスの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記識別再可能化された医療スタディデータを、前記プロセッサベースのクライアントデバイスのユーザに提示するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PHIシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを含む医療スタディデータを受信するステップと、
前記PHIシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記PHIデータを、前記医療スタディデータから除去して、識別不能化された医療スタディデータを生成するステップと、
前記PHIシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記PHIデータを、前記PHIシステムの前記少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に記憶するステップと、
前記PHIシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記識別不能化された医療スタディデータを前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記ASPシステムに送信するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
PHIデータを含む医療スタディデータを受信するステップは、医療画像データをスキャナから受信するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記PHIデータを前記医療スタディデータから除去するステップは、
前記PHIシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、削除されることが許可されたフィールドを除去するステップと、
前記PHIシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、削除されることが許可されないフィールド内のデータを、難読化された置換データで置換するステップと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記PHIシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子を、医療スタディについての前記医療スタディデータと関連付けるステップと、
前記PHIシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記一意識別子を前記PHIシステムの前記少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に記憶するステップと
前記PHIシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記一意識別子を、前記医療スタディについての前記識別不能化された医療スタディデータと共に、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記ASPシステムに送信するステップと、
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記識別不能化された医療スタディデータに関連する分析データを生成するステップと、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記生成された分析データを、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記PHIシステムに送信するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記受信されたPHIデータを前記要求元のプロセッサベースのクライアントデバイスに送信する前記ステップは、前記PHIデータを前記ASPシステムによって、永続的に記憶することなく、前記受信されたPHIデータを前記要求元のプロセッサベースのクライアントデバイスへ送信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記受信されたPHIデータを前記要求元のプロセッサベースのクライアントデバイスに送信する前記ステップは、前記受信されたPHIデータを、前記ASPシステムによって、暗号化解除することなく、前記受信されたPHIデータを、前記要求元のプロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記要求された医療スタディと関連付けられた前記PHIデータを前記PHIシステムに要求する前記ステップは、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記要求された医療スタディと関連付けられた前記PHIデータを求めるHTTPSロングポーリング要求を、前記PHIシステムのサーバに送信するステップであって、前記PHIシステムの前記サーバは、前記要求された医療スタディと関連付けられた前記PHIデータが、利用可能になるまで、前記要求を未解決に保つ、ステップ、を含み、
前記要求されたPHIデータを、前記ASPシステムに送信する前記ステップは、前記PHIシステムの前記サーバに送信された前記HTTPSロングポーリング要求に応答する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記要求されたPHIデータを前記ASPシステムに送信する前記ステップは、前記ASPシステムから、前記PHIシステムのサーバに送信された、HTTPSロングポーリング要求に応答して、前記PHIシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記要求されたPHIデータを、前記ASPシステムに送信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記PHIデータを前記PHIシステムから受信したことに応答して、前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記PHIシステムに新しいPHIデータを求める別のHTTPSロングポーリング要求を、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記PHIシステムに直ちに送信するステップ、をさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムを動作させる方法であって、前記医療分析プラットフォームは、前記ASPシステムと、保護された健康情報(PHI)システムと、を含み、前記PHIシステムは、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータを、前記PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶し、前記方法は、
前記ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、前記識別不能化された医療スタディデータを、前記ASPシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶するステップと、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディを求める要求を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信するステップと
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記プロセッサベースのクライアントデバイスから受信された前記医療スタディを求める前記要求を認証するステップと、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータを、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記PHIシステムに要求するステップと、
前記要求に応答して、前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記PHIデータを、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記PHIシステムから受信するステップと、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記受信されたPHIデータを、前記PHIデータの内容にアクセスすることなく、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記要求元のプロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップと、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記要求された医療スタディについての識別不能化された医療スタディデータを、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記プロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記識別不能化された医療スタディデータを前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して前記PHIシステムから受信するステップ、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、前記PHIデータを前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記ASPシステムから受信するステップと、
前記プロセッサベースのクライアントデバイスの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記識別不能化された医療スタディデータを、前記少なくとも1つの通信ネットワークを介して、前記ASPシステムから受信するステップと、
前記プロセッサベースのクライアントデバイスの前記少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータを生成するために、前記PHIデータと前記識別不能化された医療スタディデータとをマージするステップと、
前記プロセッサベースのクライアントデバイスの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記識別再可能化された医療スタディデータを前記プロセッサベースのクライアントデバイスのユーザに提示するステップと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記要求された医療スタディと関連付けられた前記PHIデータを前記PHIシステムに要求する前記ステップは、
前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記要求された医療スタディと関連付けられた前記PHIデータが利用可能になるまで、未解決に保たれる、前記要求された医療スタディと関連付けられた前記PHIデータを求めるHTTPSロングポーリング要求を、前記PHIシステムのサーバに送信するステップを含み、
PHIデータを前記PHIシステムから受信する前記ステップは、前記PHIシステムの前記サーバに送信された前記HTTPSロングポーリング要求に応答する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記PHIデータを前記PHIシステムから受信したことに応答して、前記ASPシステムの前記少なくとも1つのプロセッサによって、新しいPHIデータが前記PHIシステムから利用可能になるまで、未解決に保たれる、前記新しいPHIデータを前記PHIシステムに求める別のHTTPSロングポーリング要求を前記PHIシステムに直ちに送信するステップ、をさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
プロセッサ実行可能命令またはデータの少なくとも1つを記憶する少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体と、
前記少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサであって、動作中、請求項1から請求項17に記載のいずれかに従った方法を実施する前記少なくとも1つのプロセッサと、
を備えるプロセッサベースのシステム。
【請求項19】
実行されると、少なくとも1つのコンピュータプロセッサに請求項1から請求項17に記載のいずれかに従った方法を実行させる、その上に記憶されたプロセッサ実行可能命令を有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、通信ネットワークまたはチャネルを介して医療画像情報および他の情報を共用することに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【文献】米国特許仮出願第61/571,908号明細書
【文献】米国特許第9,513,357号明細書
【文献】PCT特許出願第PCT/US2012/045575号
【文献】米国特許出願第15/363683号明細書
【文献】米国特許仮出願第61/928702号明細書
【文献】米国特許出願第15/112130号明細書
【文献】PCT特許出願第PCT/US2015/011851号
【文献】米国特許仮出願第62/260565号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/415203号明細書
【文献】PCT特許出願第US2016/064029号
【文献】PCT特許出願第US2016/064031号
【文献】米国特許仮出願第62/415666号明細書
【文献】PCT特許出願第US2016/064028号
【文献】米国特許仮出願第62/451482号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/501613号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/512610号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/589825号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/589805号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/589772号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/589872号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/589876号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/589833号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/589838号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/589,766号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/770636号明細書
【非特許文献】
【0003】
【文献】Mayo Clinic Guide to Cardiac MR
【文献】http://dicom.nema.org/medical/dicom/current/output/html/part05.html#sect_B.2にある、医療におけるデジタルイメージングおよび通信(DISCOM)規格
【発明の概要】
【0004】
医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)のスタディは、分析のためにリモートシステムに送信される前に、除去または難読化されるべき、保護された健康情報(PHI)を含む、医療スキャンを含み得る。PHIへの以降のアクセスは、医療サービスプロバイダ(例えば、病院)の仮想プライベートネットワークまたはWiFiネットワークへのリモート接続を含み得る。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、リモートユーザが、医療サービスプロバイダの仮想プライベートネットワークまたはWiFiネットワークへの接続なしに、PHIにアクセスすることを可能にする。これは、ユーザが、医療サービスプロバイダの仮想プライベートネットワークまたはWiFiネットワークへの接続を必要とせずに、PHIにアクセスすることを可能にすることによって、コンピュータネットワークを介した医療画像および分析の技術の効率および柔軟性を向上させる。
【0005】
DICOMスタディは、スキャニングシステムからの先のアップロード以降に変更された、DICOMメタデータを含む、より最近のファイルと共に、経時的に分けて送信されることができる。例えば、スタディは、更新された患者の年齢が、または含まれる追加のシリーズと共に、再アップロードされ得る。いくつかの実装形態は、DICOM UIDSを難読化されたバージョンで置き換えることによって、各着信アップロードを異なるスタディとして扱うが、これは、経時的にDICOMデータを受け入れること、ならびにどのPHIデータが変更されたかを追跡および/または検索することをより困難にし、非効率的にする。本明細書において説明されるシステムおよびプロセスは、経時的にDICOMスタディデータを受け入れ、それが受信された時系列に関係なく、どのPHIデータが変更されたかを追跡および検索するために、PHIサービスにおける一意識別子を相関させることによって、コンピュータネットワークを介した医療画像および分析の技術のスピード、効率、および柔軟性を向上させる。
【0006】
同じ患者に対して経時的に行われた、または異なるモダリティを使用して行われたスキャンは、注目部位(例えば、肺結節)の変化を監視するなどの課題のために、しばしば互いに比較される。これを行うために、スキャンは、1つまたは複数の共通識別子を介して、リンクされる。患者ID、受入番号、氏名、および生年月日が、そのような可能な識別子であるが、しばしば組織(例えば、病院)ごとに一意の組み合わせである。データが、すべての識別子を完全なまま残して、記憶されたとき、関連するスタディを識別するプロセスは、単純であり、識別子を照合して、スタディを類似のものと比較し、またはフィルタリングするだけである。クラウドに記憶された識別不能化されたデータは、識別子が、除去または難読化され、2つ以上のスタディを互いに照合することを不可能にするので、容易に関連させることはできない。現在の選択肢は、いくつかの識別情報をスタディ内に維持することを必要とするが、これは、識別不能化を劣化させ、識別情報をデータと共に記憶する。このプロセスは、患者の個人識別可能情報をあまり安全でないものにし、データを合法的に記憶するために、組織とのさらなる取り決めを必要とする。
【0007】
スキャンを実行する、組織内においてホストされるサービスであって、そのサービスが、個人識別可能情報のデータベースを維持する、サービスは、1つまたは複数の識別フィールドを使用して、暗号学的ハッシュを生成し得、それは、その後、識別不能化されたデータをホストするサービス(例えば、クラウドベースのサービス)に送信されることができる。少なくともいくつかの実装形態においては、暗号学的ハッシュは、値をハッシュ化する前に、識別フィールドを一意の(例えば、組織ごとに一意の)暗号鍵と組み合わせることによって、さらに安全にされ得る。一致するハッシュは、リモートサービス内における関連するスタディを示す。
【0008】
各組織は、フィールドの独自の一意セットを使用し得るので、組織内においてホストされるサービスは、必要とされるフィールドを用いて、それらから関連する暗号学的ハッシュを生成するように構成される。フィールドの構成されたセットが、変更されたときは常に、サービスは、各スタディのための暗号学的ハッシュを再生成し、送信し得る。これは、それが、以前は行われていなかった場合、または組織が、それらのシステム内において、何が患者を識別するかについて、それらの方針を変更した場合、すべての過去データおよび新規データを適切にリンクさせ、関連させることを可能にする。
【0009】
性能を向上させるために、暗号学的ハッシュのキャッシュが、組織(例えば、病院)内においてホストされるサービス上に記憶される。構成変更が、検出されたとき、サービスは、すべてのハッシュを再計算することができるが、変更された値だけを再送信し得る。構成に対する変更は、組織の構成が記憶および管理されている、リモートサービス(例えば、クラウドサービス)に定期的に問い合わせることによって行われる。
【0010】
リモートサービスは、分析を実行し、スキャンの識別情報へのアクセスを全く必要とすることなく、関連するスタディへのアクセスを臨床医に提供することができる。
【0011】
医療分析プラットフォームを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、分析サービスプロバイダ(ASP)システムを含む、方法は、以下のように要約され得、すなわち、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータを、医療スタディデータの一意識別子と共に受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータの一意識別子を、ASPシステム上に記憶するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、受信された医療スタディデータに対するアクセス命令を求める要求を送信するステップであって、要求は、医療スタディデータの一意識別子を含む、ステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求に応答して、アクセス命令を受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、受信されたアクセス命令を使用して、医療スタディデータを、ASPシステム上に記憶するステップとを含む。アクセス命令は、医療スタディデータを暗号化するための暗号化情報を含み得、医療スタディデータを記憶するステップは、暗号化情報を使用して、記憶のために医療スタディデータを暗号化するステップを含み得る。アクセス命令は、事前署名された、有効期限があるアクセスユニフォームリソースロケータ(URL)を含み得、医療スタディデータを記憶するステップは、事前署名された、有効期限があるアクセスURLと関連付けられたアクセス方針に従って、医療スタディデータを、事前署名された、有効期限があるアクセスURLに記憶するステップを含み得る。
【0012】
方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、ASPシステム上に記憶された医療スタディデータを求める要求を、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、ASPシステム上に記憶された医療スタディデータを求める要求を受信したことに応答して、ASPシステム上のストレージから、医療スタディデータの識別子を検索するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、ASPシステム上に記憶された医療スタディデータに対するアクセス命令を求める要求を送信するステップであって、アクセス命令を求める要求が、医療スタディデータの一意識別子を含む、ステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、アクセス命令を求める要求に応答して、アクセス命令を受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、受信されたアクセス命令を使用して、ASPシステム上に記憶された医療スタディデータにアクセスするステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信された要求に応答して、ASPシステム上に記憶されたアクセスされた医療スタディデータを、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップとをさらに含み得る。アクセス命令は、医療スタディデータを暗号化解除するための暗号化解除情報を含み得、医療スタディデータにアクセスするステップは、暗号化解除情報を使用して、医療スタディデータを暗号化解除するステップを含み得る。
【0013】
方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、ASPシステム上に記憶された医療スタディデータを求める要求を受信したことに応答して、ASPシステム上に記憶された医療スタディデータと関連付けられたファイル名を、ASPシステム上のストレージから検索するステップであって、アクセス命令は、事前署名されたダウンロードユニフォームリソースロケータ(URL)を含み、医療スタディデータにアクセスするステップは、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、事前署名されたダウンロードURLによって指定されたロケーションにおける医療スタディデータを要求するステップを含む、ステップをさらに含み得る。医療スタディデータは、医療スタディデータアップローダ(MSDU)システムから、医療スタディデータの一意識別子と共に受信され得、受信された医療スタディデータに対するアクセス命令を求める要求は、信頼されたブローカサービス(TBS)システムに送信され得、アクセス命令が、要求に応答して、TBSシステムから受信され得る。
【0014】
方法は、医療スタディデータを、医療スタディデータの一意識別子と共に受信する前に、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、認証トークンおよび信頼されたブローカサービス(TBS)システムのアドレスを求める要求を、MSDUシステムから受信するステップであって、要求は、MSDUシステム上に記憶された、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)鍵および一意の秘密を含む、ステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)鍵および一意の秘密を使用して、MSDUシステムからの要求を認証するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、MSDUシステムからの要求の認証に基づいて、認証トークンおよびTBSシステムのアドレスを、MSDUシステムに送信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、認証トークンの検証を求める要求を、TBSシステムから受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、TBSシステムからの、検証を求める要求に応答して、認証トークンを検証するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、認証トークンの検証を、TBSシステムに送信するステップとをさらに含み得る。MSDUシステムは、保護された健康情報(PHI)システムの一部であり得る。医療スタディデータは、PHIシステムによって識別不能化される、識別不能化された医療スタディデータであり得る。
【0015】
医療分析プラットフォームを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、信頼されたブローカサービス(TBS)システムを含む、方法は、以下のように要約され得、すなわち、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、ASPシステム上に記憶された医療スタディデータに対するアクセス命令を求める要求を、分析サービスプロバイダ(ASP)システムから受信するステップであって、要求は、医療スタディデータの一意識別子を含む、ステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子を使用して、医療スタディデータに対するアクセス命令を検索するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、アクセス命令を求める要求に応答して、医療スタディデータに対するアクセス命令を、ASPシステムに送信するステップとを含む。アクセス命令は、ASPシステム上における記憶のために、ASPシステムによって医療スタディデータを暗号化するための暗号化情報を含み得る。アクセス命令は、医療スタディデータが、ASPシステムによって、そこに記憶されるべき、事前署名された、有効期限があるアクセスユニフォームリソースロケータ(URL)を含み得る。
【0016】
方法は、医療スタディデータに対するアクセス命令を求める要求を、ASPシステムから受信する前に、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータアップローダ(MSDU)システムから、医療スタディデータに関するメタデータを、認証トークンと共に受信するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、認証トークンの検証を求める要求を、ASPシステムに送信するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、認証トークンの検証を求める要求に応答して、ASPシステムから、認証トークンの検証を受信するステップと、また認証トークンの検証に応答して、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータの一意識別子を生成するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータについてのアクセス情報を生成するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータの一意識別子を、医療スタディデータについてのアクセス情報、および医療スタディデータに関するメタデータと関連付けるステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータに関するメタデータを、TBSシステム上に記憶するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータの一意識別子の、医療スタディデータについてのアクセス情報、および医療スタディデータに関するメタデータとの関連付けを、TBSシステム上に記憶するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータの一意識別子を、MSDUシステムに送信するステップとをさらに含み得る。MSDUシステムは、保護された健康情報(PHI)システムの一部であり得る。医療スタディデータは、PHIシステムによって識別不能化される、識別不能化された医療スタディデータであり得る。
【0017】
方法は、以下のように要約され得、すなわち、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、ASPシステム上に記憶された医療スタディデータへのアクセスを取り消すための要求を受信するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、それに対するアクセスが取り消されるべき、ASPシステム上に記憶された医療スタディデータに関する、TBSシステム上に記憶されたメタデータを配置するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータに関するメタデータ、医療スタディデータについてのアクセス情報、および医療スタディデータの一意識別子のうちの1つまたは複数を、TBSシステムから除去するステップとを含む。ASPシステム上に記憶された医療スタディデータへのアクセスを取り消すための要求は、権限を付与されたプロセッサベースのクライアントデバイスから受信され得る。ASPシステム上に記憶された医療スタディデータへのアクセスを取り消すための要求は、PHIシステムから受信され得る。
【0018】
医療分析プラットフォームを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、医療スタディデータアップローダ(MSDU)システムを含む、方法は、以下のように要約され得、すなわち、MSDUシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、認証トークンおよび信頼されたブローカサービス(TBS)システムのアドレスを求める要求を、分析サービスプロバイダ(ASP)システムに送信するステップであって、要求は、MSDUシステム上に記憶された、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)鍵および一意の秘密を含む、ステップと、MSDUシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、ASPシステムに送信された要求に応答して、認証トークンおよびTBSシステムのアドレスを、ASPシステムから受信するステップと、MSDUシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、TBSシステムのアドレスを使用して、医療スタディデータに関するメタデータを、認証トークンと共に、TBSシステムに送信するステップと、MSDUシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータに関するメタデータを、認証トークンと共に、TBSシステムに送信したことに応答して、医療スタディデータの一意識別子を、TBSシステムから受信するステップと、MSDUシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、ASPシステム上における記憶のために、医療スタディデータの一意識別子を、医療スタディデータと共に、ASPシステムに送信するステップとを含む。MSDUシステムは、保護された健康情報(PHI)システムの一部であり得る。医療スタディデータは、PHIシステムによって識別不能化される、識別不能化された医療スタディデータであり得る。
【0019】
医療分析プラットフォームを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、医療スタディデータアップローダ(MSDU)システムと、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、信頼されたブローカサービス(TBS)システムとを含む、方法は、以下のように要約され得、すなわち、MSDUシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータに関するメタデータを、TBSシステムに送信するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータの一意識別子を生成するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータについてのアクセス情報を生成するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータの一意識別子を、医療スタディデータについてのアクセス情報、および医療スタディデータに関するメタデータと関連付けるステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータに関するメタデータを、TBSシステム上に記憶するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータの一意識別子の、医療スタディデータについてのアクセス情報、および医療スタディデータに関するメタデータとの関連付けを、TBSシステム上に記憶するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータの一意識別子を、MSDUシステムに送信するステップと、MSDUシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、ASPシステム上における記憶のために、医療スタディデータの一意識別子を、医療スタディデータと共に、ASPシステムに送信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディデータの一意識別子を、ASPシステム上に記憶するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、受信された医療スタディデータに対するアクセス命令を求める要求を送信するステップであって、要求は、医療スタディデータの一意識別子を含む、ステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求に応答して、アクセス命令を受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、受信されたアクセス命令を使用して、医療スタディデータを、ASPシステム上に記憶するステップとを含む。
【0020】
方法は、医療スタディデータに関するメタデータを、TBSシステムに送信する前に、MSDUシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、認証トークンおよびTBSシステムのアドレスを求める要求を、ASPシステムに送信するステップであって、要求は、MSDUシステム上に記憶された、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)鍵および一意の秘密を含む、ステップと、MSDUシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、認証トークンおよびTBSシステムのアドレスを、ASPシステムから受信するステップであって、医療スタディデータに関するメタデータを、TBSシステムに送信するステップは、MSDUシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、TBSシステムのアドレスを使用して、医療スタディデータに関するメタデータを、認証トークンと共に、TBSシステムに送信するステップを含む、ステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、認証トークンをMSDUシステムから受信したことに応答して、認証トークンの検証を求める要求を、ASPシステムに送信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、TBSシステムからの検証を求める要求に応答して、認証トークンを検証するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、認証トークンの検証を、TBSシステムに送信するステップであって、医療スタディデータの一意識別子を生成するステップ、医療スタディデータについてのアクセス情報を生成するステップ、医療スタディデータの一意識別子を、医療スタディデータについてのアクセス情報、および医療スタディデータに関するメタデータと関連付けるステップ、ならびに医療スタディデータに関するメタデータを、TBSシステム上に記憶するステップは、すべて、認証トークンをMSDUシステムから受信したことに応答した、認証トークンの検証に依存する、ステップとをさらに含み得る。
【0021】
方法は、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、APSシステム上に記憶された医療スタディデータへのアクセスを取り消すために、医療スタディデータに関するメタデータ、医療スタディデータについてのアクセス情報、および医療スタディデータの一意識別子のうちの1つまたは複数を、TBSシステムから除去するステップをさらに含み得る。アクセス命令は、ASPシステム上における記憶のために、ASPシステムによって医療スタディデータを暗号化するための暗号化情報を含み得る。アクセス命令は、医療スタディデータがASPシステムによってそこに記憶されるべき、事前署名された、有効期限があるアクセスユニフォームリソースロケータ(URL)を含み得る。MSDUシステムは、保護された健康情報(PHI)システムの一部であり得る。
【0022】
医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムであって、医療分析プラットフォームが、ASPシステムと、医療スタディデータアップローダ(MSDU)システムと、信頼されたブローカサービス(TBS)システムとを備える、ASPシステムは、以下のように要約され得、すなわち、プロセッサ実行可能命令またはデータのうちの少なくとも一方を記憶する、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体と、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に通信可能に結合された、少なくとも1つのプロセッサであって、動作中、少なくとも1つのプロセッサは、医療スタディデータを、医療スタディデータの一意識別子と共に受信することと、医療スタディデータの一意識別子を、ASPシステム上に記憶することと、受信された医療スタディデータに対するアクセス命令を求める要求を送信することであって、要求は、医療スタディデータの一意識別子を含む、送信することと、要求に応答して、アクセス命令を受信することと、受信されたアクセス命令を使用して、医療スタディデータを、ASPシステム上に記憶することとを行う、少なくとも1つのプロセッサとを含む。MSDUシステムは、保護された健康情報(PHI)システムの一部であり得る。医療スタディデータは、PHIシステムによって識別不能化される、識別不能化された医療スタディデータであり得る。
【0023】
医療分析プラットフォームの信頼されたブローカサービス(TBS)システムであって、医療分析プラットフォームが、TBSシステムと、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、医療スタディデータアップローダ(MSDU)システムとを備える、TBSシステムは、以下のように要約され得、すなわち、プロセッサ実行可能命令またはデータのうちの少なくとも一方を記憶する、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体と、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に通信可能に結合された、少なくとも1つのプロセッサであって、動作中、少なくとも1つのプロセッサは、ASPシステム上に記憶された医療スタディデータに対するアクセス命令を求める要求を、ASPシステムから受信することであって、要求は、医療スタディデータの一意識別子を含む、受信することと、一意識別子を使用して、医療スタディデータに対するアクセス命令を検索することと、アクセス命令を求める要求に応答して、医療スタディデータに対するアクセス命令を、ASPシステムに送信することとを行う、少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0024】
動作中、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのプロセッサが、医療スタディデータに対するアクセス命令を求める要求を、ASPシステムから受信する前に、医療スタディデータに関するメタデータを、認証トークンと共に、MSDUシステムから受信し、認証トークンの検証を求める要求を、ASPシステムに送信し、認証トークンの検証を求める要求に応答して、認証トークンの検証を、ASPシステムから受信し、また認証トークンの検証に応答して、医療スタディデータの一意識別子を生成し、医療スタディデータについてのアクセス情報を生成し、医療スタディデータの一意識別子を、医療スタディデータについてのアクセス情報、および医療スタディデータに関するメタデータと関連付け、医療スタディデータに関するメタデータを、TBSシステム上に記憶し、医療スタディデータの一意識別子の、医療スタディデータについてのアクセス情報、および医療スタディデータに関するメタデータとの関連付けを、TBSシステム上に記憶し、医療スタディデータの一意識別子を、MSDUシステムに送信し得る。MSDUシステムは、保護された健康情報(PHI)システムの一部であり得る。アクセス命令は、ASPシステム上における記憶のために、ASPシステムによって医療スタディデータを暗号化するための暗号化情報を含み得る。アクセス命令は、医療スタディデータがASPシステムによってそこに記憶されるべき、事前署名された、有効期限があるアクセスユニフォームリソースロケータ(URL)を含み得る。
【0025】
分析プラットフォームを動作させる方法であって、分析プラットフォームが、データアップローダ(DU)システムと、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、信頼されたブローカサービス(TBS)システムとを含む、方法は、以下のように要約され得、すなわち、DUシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、データに関するメタデータを、TBSシステムに送信するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、データの一意識別子を生成するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、データについてのアクセス情報を生成するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、データの一意識別子を、データについてのアクセス情報、およびデータに関するメタデータと関連付けるステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、データに関するメタデータを、TBSシステム上に記憶するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、データの一意識別子の、データについてのアクセス情報、およびデータに関するメタデータとの関連付けを、TBSシステム上に記憶するステップと、TBSシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、データの一意識別子を、DUシステムに送信するステップと、DUシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、ASPシステム上における記憶のために、データの一意識別子を、データと共に、ASPシステムに送信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、データの一意識別子を、ASPシステム上に記憶するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、受信されたデータに対するアクセス命令を求める要求を送信するステップであって、要求は、データの一意識別子を含む、ステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求に応答して、アクセス命令を受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、受信されたアクセス命令を使用して、データを、ASPシステム上に記憶するステップとを含む。
【0026】
医療分析プラットフォームを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、保護された健康情報(PHI)システムとを含み、方法は、以下のように要約され得、すなわち、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求された医療スタディについてのPHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求された医療スタディについての識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップとを含む。
【0027】
PHIシステムは、プライベートネットワークに通信可能に結合され得、方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサ、またはPHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、プロセッサベースのクライアントデバイスが、プライベートネットワークへのアクセスを有することを検証するステップをさらに含み得る。方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIアクセストークンを求める要求を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、暗号化されたPHIアクセストークンを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディについてのPHIデータを求める要求を、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信するステップであって、要求は、暗号化されたPHIアクセストークンを含む、ステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、暗号化されたPHIアクセストークンを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに送信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、受信された暗号化されたPHIアクセストークンの有効性を確認するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIアクセストークンが有効であることを、PHIシステムに通知するステップであって、要求されたPHIデータを、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信することは、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサが、有効性確認通知を、ASPシステムから受信したことに応答し得る、ステップとをさらに含み得る。方法は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを含む医療スタディデータを受信するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを生成するために、PHIデータを、医療スタディデータから除去するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に記憶するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに送信するステップとをさらに含み得る。PHIデータを含む医療スタディデータを受信するステップは、医療画像データを、スキャナから受信するステップを含み得る。識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムに送信するステップは、レプリゼンテーショナルステート転送(REST)アプリケーションプログラミングインターフェースを使用して、識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムに送信するステップを含み得る。PHIデータを、医療スタディデータから除去するステップは、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、削除されることが許可されたフィールドを除去するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、削除されることが許可されないフィールド内のデータを、難読化された置換データで置換するステップとを含み得る。方法は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子を、医療スタディについての医療スタディデータと関連付けるステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子を、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に記憶するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子を、医療スタディについての識別不能化された医療スタディデータと共に、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに送信するステップとをさらに含み得る。方法は、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから受信するステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから受信するステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータを生成するために、PHIデータと識別不能化された医療スタディデータとをマージするステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータを、プロセッサベースのクライアントデバイスのユーザに提示するステップとをさらに含み得る。方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータに関連する分析データを生成するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、生成された分析データを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに送信するステップとをさらに含み得る。方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、分析データを生成するための要求を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信するステップであって、分析データを生成するステップは、分析データを生成するための要求を、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信することに応答し得る、ステップをさらに含み得る。分析データを生成するステップは、レポートまたはセカンダリキャプチャオブジェクトのうちの少なくとも一方を生成するステップを含み得、生成された分析データをPHIシステムに送信するステップは、PHIシステムと通信可能に結合された、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上における記憶のために、レポートまたはセカンダリキャプチャオブジェクトのうちの少なくとも一方を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに送信するステップを含み得る。方法は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、利用可能なスタディのリストを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに提供するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、リスト内の利用可能なスタディのうちの少なくとも1つの選択を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信するステップとをさらに含み得る。方法は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、更新についてのチェックを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに定期的に送信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIシステムに対するいずれかの更新が、必要とされるかどうかを決定するステップと、PHIシステムの少なくとも1つの更新が、必要とされると決定したことに応答して、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、更新データを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに送信するステップとをさらに含み得る。
【0028】
医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、ASPシステムと、保護された健康情報(PHI)システムとを含み、PHIシステムが、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶し、方法は、以下のように要約され得、すなわち、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶するステップと、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから、プロセッサベースのクライアントデバイスによって受信されたPHIデータと、プロセッサベースのクライアントデバイスによってマージされるように、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求された医療スタディについての識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップとを含む。
【0029】
方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIアクセストークンを求める要求を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、暗号化されたPHIアクセストークンを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、暗号化されたPHIアクセストークンを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、受信された暗号化されたPHIアクセストークンの有効性を確認するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIアクセストークンが有効であることを、PHIシステムに通知するステップとをさらに含み得る。方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから受信するステップをさらに含み得る。方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータに関連する分析データを生成するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、生成された分析データを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに送信するステップとをさらに含み得る。方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、分析データを生成するための要求を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信するステップであって、分析データを生成するステップは、分析データを生成するための要求を、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信することに応答し得る、ステップをさらに含み得る。分析データを生成するステップは、レポートまたはセカンダリキャプチャオブジェクトの少なくとも一方を生成するステップを含み得、生成された分析データを、PHIシステムに送信するステップは、PHIシステムと通信可能に結合された、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上における記憶のために、レポートまたはセカンダリキャプチャオブジェクトの少なくとも一方を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに送信するステップを含み得る。方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、更新についてのチェックを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから定期的に受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIシステムに対するいずれかの更新が、必要とされるかどうかを決定するステップと、PHIシステムの少なくとも1つの更新が、必要とされると決定したことに応答して、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、更新データを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに送信するステップとをさらに含み得る。方法は、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから受信するステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから受信するステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータを生成するために、PHIデータと識別不能化された医療スタディデータとをマージするステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータを、プロセッサベースのクライアントデバイスのユーザに提示するステップとをさらに含み得る。
【0030】
医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムであって、医療分析プラットフォームが、ASPシステムと、保護された健康情報(PHI)システムとを含み、PHIシステムが、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶し、ASPシステムは、以下のように要約され得、すなわち、プロセッサ実行可能命令またはデータのうちの少なくとも一方を記憶する、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体と、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に通信可能に結合された、少なくとも1つのプロセッサであって、動作中、少なくとも1つのプロセッサは、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶し、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから、プロセッサベースのクライアントデバイスによって受信されたPHIデータと、プロセッサベースのクライアントデバイスによってマージされるように、要求された医療スタディについての識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信する、少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0031】
少なくとも1つのプロセッサは、PHIアクセストークンを求める要求を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信し、暗号化されたPHIアクセストークンを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信し、暗号化されたPHIアクセストークンを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから受信し、受信された暗号化されたPHIアクセストークンの有効性を確認し、PHIアクセストークンが有効であることを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに通知し得る。少なくとも1つのプロセッサは、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから受信し得る。少なくとも1つのプロセッサは、識別不能化された医療スタディデータに関連する分析データを生成し、生成された分析データを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに送信し得る。少なくとも1つのプロセッサは、分析データを生成するための要求を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信し得、少なくとも1つのプロセッサは、プロセッサベースのクライアントデバイスからの、分析データを生成するための要求の受信に応答して、分析データを生成し得る。分析データは、レポートまたはセカンダリキャプチャオブジェクトのうちの少なくとも一方を含み得、少なくとも1つのプロセッサは、PHIシステムと通信可能に結合された、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上における記憶のために、レポートまたはセカンダリキャプチャオブジェクトのうちの少なくとも一方を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに送信し得る。少なくとも1つのプロセッサは、更新についてのチェックを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから定期的に受信し、PHIシステムに対するいずれかの更新が、必要とされるかどうかを決定し、PHIシステムの少なくとも1つの更新が、必要とされるとの決定に応答して、更新データを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに送信し得る。
【0032】
医療分析プラットフォームの保護された健康情報(PHI)システムを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、PHIシステムと、分析サービスプロバイダ(ASP)システムとを含み、ASPシステムが、識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶し、方法は、以下のように要約され得、すなわち、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶するステップと、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから、プロセッサベースのクライアントデバイスによって受信された識別不能化された医療スタディデータと、プロセッサベースのクライアントデバイスによってマージされるように、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求された医療スタディについてのPHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップとを含む。
【0033】
方法は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディについてのPHIデータを求める要求を、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信するステップであって、要求は、暗号化されたPHIアクセストークンを含む、ステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、有効性確認のために、暗号化されたPHIアクセストークンを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに送信するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIアクセストークンが有効である旨の通知を、ASPシステムから受信するステップとをさらに含み得る。方法は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを含む医療スタディデータを受信するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを生成するために、PHIデータを、医療スタディデータから除去するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に記憶するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに送信するステップとをさらに含み得る。PHIデータを含む医療スタディデータを受信するステップは、医療画像データを、スキャナから受信するステップを含み得る。識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムに送信するステップは、レプリゼンテーショナルステート転送(REST)アプリケーションプログラミングインターフェースを使用して、識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムに送信するステップを含み得る。PHIデータを、医療スタディデータから除去するステップは、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、削除されることが許可されたフィールドを除去するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、削除されることが許可されないフィールド内のデータを、難読化された置換データで置換するステップとを含み得る。方法は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子を、医療スタディについての医療スタディデータと関連付けるステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子を、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に記憶するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子を、医療スタディについての識別不能化された医療スタディデータと共に、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに送信するステップとをさらに含み得る。方法は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータに関連する分析データを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから受信するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、受信された分析データを、PHIシステムと通信可能に結合された、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶するステップとをさらに含み得る。方法は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、利用可能なスタディのリストを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに提供するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、リスト内の利用可能なスタディのうちの少なくとも1つの選択を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信するステップとをさらに含み得る。方法は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、更新についてのチェックを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに定期的に送信するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、更新データを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから受信するステップとをさらに含み得る。方法は、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから受信するステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから受信するステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータを生成するために、PHIデータと識別不能化された医療スタディデータとをマージするステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータを、プロセッサベースのクライアントデバイスのユーザに提示するステップとをさらに含み得る。
【0034】
医療分析プラットフォームの保護された健康情報(PHI)システムであって、医療分析プラットフォームが、PHIシステムと、分析サービスプロバイダ(ASP)システムとを含み、ASPシステムが、識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶し、PHIシステムは、以下のように要約され得、すなわち、プロセッサ実行可能命令またはデータの少なくとも一方を記憶する、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体と、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に通信可能に結合された、少なくとも1つのプロセッサであって、動作中、少なくとも1つのプロセッサは、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に記憶し、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから、プロセッサベースのクライアントデバイスによって受信された識別不能化された医療スタディデータと、プロセッサベースのクライアントデバイスによってマージされるように、要求された医療スタディについてのPHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信する、少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0035】
少なくとも1つのプロセッサは、医療スタディについてのPHIデータを求める要求を、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信することであって、要求は、暗号化されたPHIアクセストークンを含む、受信することと、有効性確認のために、暗号化されたPHIアクセストークンを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに送信することと、PHIアクセストークンが有効である旨の通知を、ASPシステムから受信することとを行い得る。少なくとも1つのプロセッサは、PHIデータを含む医療スタディデータを受信し、識別不能化された医療スタディデータを生成するために、PHIデータを、医療スタディデータから除去し、PHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に記憶し、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに送信し得る。医療スタディデータは、スキャナからの医療画像データを含み得る。少なくとも1つのプロセッサは、レプリゼンテーショナルステート転送(REST)アプリケーションプログラミングインターフェースを使用して、識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムに送信し得る。少なくとも1つのプロセッサは、削除されることが許可された医療スタディデータのフィールドを除去し、削除されることが許可されない医療スタディデータのフィールド内のデータを、難読化された置換データで置き換え得る。少なくとも1つのプロセッサは、一意識別子を、医療スタディについての医療スタディデータと関連付け、一意識別子を、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に記憶し、一意識別子を、医療スタディについての識別不能化された医療スタディデータと共に、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに送信し得る。少なくとも1つのプロセッサは、識別不能化された医療スタディデータに関連する分析データを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから受信し、受信された分析データを、PHIシステムと通信可能に結合された、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶し得る。少なくとも1つのプロセッサは、利用可能なスタディのリストを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに提供し、リスト内の利用可能なスタディのうちの少なくとも1つの選択を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信し得る。少なくとも1つのプロセッサは、更新についてのチェックを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに定期的に送信し、更新データを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから受信し得る。
【0036】
組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを動作させる方法は、以下のように要約され得、すなわち、複数のDICOM(医療におけるデジタル画像および通信)スタディの各々について、少なくとも1つのプロセッサによって、DICOMスタディに存在する、複数の共通識別フィールドを取得するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、組織秘密鍵を取得するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、複数の共通識別フィールドを、組織秘密鍵と組み合わせるステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、組み合わされた共通識別フィールドと組織秘密鍵とを使用して、暗号学的ハッシュを生成するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、暗号学的ハッシュを、リモートサービスに送信するステップとを含む。
【0037】
複数の共通識別フィールドを取得するステップは、組織によって選択された、複数の共通識別フィールドを取得するステップを含み得る。複数の共通識別フィールドを取得するステップは、複数のデフォルト共通識別フィールドを取得するステップを含み得、デフォルト共通識別フィールドは、患者識別子、および組織の名前を示す。組織秘密鍵を取得するステップは、組織に固有の鍵を取得するステップを含み得る。暗号学的ハッシュを生成するステップは、すべての関連するスタディに共通する、一意識別子を提供し得る。
【0038】
組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを動作させる方法は、リモートサービスの少なくとも1つのプロセッサによって、暗号学的ハッシュを受信するステップと、リモートサービスの少なくとも1つのプロセッサによって、暗号学的ハッシュを、組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムから受信された識別不能化されたデータとは別に、記憶するステップとをさらに含み得る。
【0039】
組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを動作させる方法は、それについての暗号鍵が以前に生成された、複数のDICOMスタディの各々について、少なくとも1つのプロセッサによって、DICOMスタディに存在する、異なる複数の共通識別フィールドを取得するステップであって、異なる複数の共通識別フィールドのうちの共通識別フィールドのうちの少なくとも1つは、DICOMスタディのための暗号鍵を生成するために以前に使用された、共通識別フィールドのうちの少なくとも1つとは異なる、ステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、組織秘密鍵を取得するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、異なる複数の共通識別フィールドを、組織秘密鍵と組み合わせるステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、組み合わされた異なる複数の共通識別フィールドと組織秘密鍵を使用して、異なる暗号学的ハッシュを生成するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、異なる暗号学的ハッシュを、リモートサービスに送信するステップとをさらに含み得る。
【0040】
組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを動作させる方法は、複数のDICOMスタディの各々について、時々、DICOMスタディのための暗号学的ハッシュを計算するステップと、計算された暗号学的ハッシュを、DICOMスタディまたは関連するDICOMスタディのための以前に記憶された暗号学的ハッシュと、それが利用可能である場合、比較するステップと、比較された暗号学的ハッシュが、異なることに応答して、またはDICOMスタディもしくは関連するDICOMスタディのための以前に記憶された暗号学的ハッシュが、存在しないことに応答して、新たに作成された暗号学的ハッシュを、リモートサーバに送信するステップとをさらに含み得る。
【0041】
組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを動作させる方法は、時々、組織と関連付けられた少なくとも1つのプロセッサによって、組織のための共通識別フィールドを取得するために、問い合わせを、リモートサーバに送信するステップをさらに含み得る。
【0042】
プロセッサベースのシステムは、以下のように要約され得、すなわち、プロセッサ実行可能命令またはデータのうちの少なくとも一方を記憶する、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体と、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に通信可能に結合された、少なくとも1つのプロセッサであって、動作中、少なくとも1つのプロセッサは、組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを動作させる方法を実施する、少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0043】
医療分析プラットフォームを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、保護された健康情報(PHI)システムとを含む、方法は、以下のように要約され得、すなわち、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディを求める要求を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信された、医療スタディを求める要求を認証するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに要求するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求に応答して、要求されたPHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに送信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから受信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、受信されたPHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、要求元のプロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求された医療スタディについての識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信するステップとを含む。
【0044】
要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータを、PHIシステムに要求するステップは、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータを求めるHTTPSロングポーリング要求を、PHIシステムのサーバに送信するステップを含み得る。PHIシステムのサーバは、要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータが、利用可能になるまで、要求を未解決に保ち得る。要求されたPHIデータのASPシステムへの送信は、PHIシステムのサーバに送信された、HTTPSロングポーリング要求に応答したものであり得る。
【0045】
要求されたPHIデータのASPシステムへの送信は、ASPシステムからPHIシステムのサーバに送信された、HTTPSロングポーリング要求に応答して、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求されたPHIデータを、ASPシステムに送信することを含み得る。また、PHIデータを、PHIシステムから受信したことに応答して、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサは、PHIシステムに新しいPHIデータを求める別のHTTPSロングポーリング要求を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに直ちに送信し得る。
【0046】
受信されたPHIデータの、要求元のプロセッサベースのクライアントデバイスへの送信は、PHIデータを、ASPシステムによって、永続的に記憶することなく、受信されたPHIデータを、要求元のプロセッサベースのクライアントデバイスに送信することを含み得る。また、受信されたPHIデータの、要求元のプロセッサベースのクライアントデバイスへの送信は、受信されたPHIデータを、ASPシステムによって、暗号化解除することなく、受信されたPHIデータを、要求元のプロセッサベースのクライアントデバイスに送信することを含み得る。
【0047】
医療分析プラットフォームを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、保護された健康情報(PHI)システムとを含む、方法は、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから受信するステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから受信するステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータを生成するために、PHIデータと識別不能化された医療スタディデータとをマージするステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータを、プロセッサベースのクライアントデバイスのユーザに提示するステップとをさらに含み得る。
【0048】
医療分析プラットフォームを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、保護された健康情報(PHI)システムとを含む、方法は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを含む医療スタディデータを受信するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを生成するために、PHIデータを、医療スタディデータから除去するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に記憶するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに送信するステップとをさらに含み得る。
【0049】
PHIデータを含む医療スタディデータを受信するステップは、医療画像データを、スキャナから受信するステップを含み得る。PHIデータを、医療スタディデータから除去するステップは、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、削除されることが許可されたフィールドを除去するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、削除されることが許可されないフィールド内のデータを、難読化された置換データで置換するステップとを含み得る。
【0050】
医療分析プラットフォームを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、保護された健康情報(PHI)システムとを含む、方法は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子を、医療スタディについての医療スタディデータと関連付けるステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子を、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に記憶するステップと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子を、医療スタディについての識別不能化された医療スタディデータと共に、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムに送信するステップとをさらに含み得る。
【0051】
医療分析プラットフォームを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、保護された健康情報(PHI)システムとを含む、方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータに関連する分析データを生成するステップと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、生成された分析データを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに送信するステップとをさらに含み得る。
【0052】
医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、ASPシステムと、保護された健康情報(PHI)システムとを備え、PHIシステムが、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶する、方法は、以下のように要約され得、すなわち、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶し、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディを求める要求を、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信し、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信された医療スタディを求める要求を認証し、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムに要求し、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求に応答して、PHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから受信し、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータの内容にアクセスすることなく、受信されたPHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、要求元のプロセッサベースのクライアントデバイスに送信し、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求された医療スタディについての識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信する。
【0053】
医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、ASPシステムと、保護された健康情報(PHI)システムとを備え、PHIシステムが、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶する、方法は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムから受信するステップをさらに含み得る。
【0054】
医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムを動作させる方法であって、医療分析プラットフォームが、ASPシステムと、保護された健康情報(PHI)システムとを備え、PHIシステムが、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に記憶する、方法は、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから受信するステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、ASPシステムから受信するステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータを生成するために、PHIデータと識別不能化された医療スタディデータとをマージするステップと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータを、プロセッサベースのクライアントデバイスのユーザに提示するステップとをさらに含み得る。
【0055】
要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータのPHIシステムへの要求は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータが、利用可能になるまで、未解決に保たれる、要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータを求めるHTTPSロングポーリング要求を、PHIシステムのサーバに送信することを含み得る。PHIデータを、PHIシステムから受信するステップは、PHIシステムのサーバに送信された、HTTPSロングポーリング要求に応答したものであり得る。
【0056】
PHIデータを、PHIシステムから受信したことに応答して、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサは、新しいPHIデータが、PHIシステムから利用可能になるまで、未解決に保たれる、新しいPHIデータをPHIシステムに求める別のHTTPSロングポーリング要求を、PHIシステムに直ちに送信し得る。
【0057】
組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを動作させる方法は、以下のように要約され得、すなわち、DICOM(医療におけるデジタル画像および通信)スタディの複数の部分の各々について、少なくとも1つのプロセッサによって、DICOMスタディを一意に識別するスタディインスタンス一意識別子を、DICOMスタディの部分から取得し、少なくとも1つのプロセッサによって、スタディインスタンス一意識別子に基づいて、ハッシュを生成し、少なくとも1つのプロセッサによって、生成されたハッシュに基づいて、難読化されたスタディインスタンス一意識別子を生成し、少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも、DICOMスタディの部分内のスタディインスタンス一意識別子を、難読化されたスタディインスタンス一意識別子で置換することによって、DICOMスタディの部分を識別不能化し、少なくとも1つのプロセッサによって、保護された健康情報(PHI)を、DICOMスタディの部分から抽出し、少なくとも1つのプロセッサによって、DICOMスタディの部分から抽出されたPHIを記憶し、スタディインスタンス一意識別子と、難読化されたスタディインスタンス一意識別子と、DICOMスタディの部分との間の少なくとも1つの関連付けを記憶する。
【0058】
組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを動作させる方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、難読化されたスタディインスタンス一意識別子と関連付けられたPHIを求める要求を受信するステップと、PHIデータを求める要求に応答して、DICOMスタディを、難読化されたスタディインスタンス一意識別子と関連付けられたものとして識別するステップと、DICOMスタディの複数の部分のうちの各部分について、少なくとも1つのプロセッサによって、スタディインスタンス一意識別子と、難読化されたスタディインスタンス一意識別子と、DICOMスタディの部分との間の少なくとも1つの関連付けに基づいて、DICOMスタディの部分と関連付けられた、記憶されたPHIを識別するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、記憶された、DICOMスタディの部分と関連付けられたPHIを抽出するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、抽出されたPHIを、DICOMスタディの複数の部分のうちの他の部分と関連付けられた、以前に抽出されたPHIとマージするステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、DICOMスタディについてのマージされたPHIを提供するステップとをさらに含み得る。
【0059】
組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを動作させる方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、DICOMスタディの複数の部分のうちの各部分を、別々のアップロードとして、異なる回数、受信するステップをさらに含み得る。
【0060】
抽出されたPHIを、DICOMスタディの複数の部分のうちの他の部分と関連付けられた、以前に抽出されたPHIとマージするステップは、DICOMスタディの複数の部分のうちの各部分が、いつアップロードされたかについての時系列を決定するステップと、DICOMスタディについてのマージされたPHIにおいて、少なくとも1つのプロセッサによって、以前に抽出されたPHIを、対応する後にアップロードされたPHIでオーバーライドするステップとを含み得る。
【0061】
組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを動作させる方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、DICOMスタディの複数の部分のうちの1つの部分を識別する問い合わせを受信するステップであって、問い合わせは、DICOMスタディの複数の部分のうちの識別される1つの部分を検索するためのパラメータを含む、ステップと、問い合わせに応答して、少なくとも1つのプロセッサによって、パラメータに基づいて、DICOMスタディの複数の部分のうちの識別された1つの部分と関連付けられたPHIを検索するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、パラメータに基づいて、DICOMスタディの複数の部分のうちの識別された1つの部分と関連付けられたPHIを提供するステップとをさらに含み得る。
【0062】
DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも1つの部分は、DICOMメタデータを含み得、DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも別の部分は、同じDICOMメタデータに対する更新を含み得る。DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも1つの部分は、DICOMメタデータを含み得、DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも別の部分は、DICOMスタディについてのDICOMメタデータに対する追加を含み得る。DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも1つの部分は、DICOMメタデータを含み得、DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも別の部分は、DICOMスタディについてのDICOMメタデータへの追加を含み得る。DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも1つの部分は、DICOMスタディと関連付けられた患者年齢を含み得、DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも別の部分は、DICOMスタディと関連付けられた患者年齢に対する更新を含み得る。DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも1つの部分は、DICOMスタディについてのシリーズレベルデータを含み得、DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも別の部分は、DICOMスタディについての追加のシリーズレベルデータを含み得る。
【0063】
プロセッサベースのシステムは、プロセッサ実行可能命令またはデータの少なくとも一方を記憶する、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体と、少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読記憶媒体に通信可能に結合された、少なくとも1つのプロセッサであって、動作中、少なくとも1つのプロセッサは、本明細書において開示される方法のいずれかに従った方法を実施する、少なくとも1つのプロセッサとを備える。
【0064】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、実行されると、少なくとも1つのコンピュータプロセッサに、本明細書において開示される方法のいずれかを実行させる、その上に記憶されたプロセッサ実行可能命令を有する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図面においては、同一の参照番号は、類似の要素または行為を識別する。図面内の要素のサイズおよび相対位置は、必ずしも実寸に比例して描かれていない。例えば、様々な要素の形状、および角度は、必ずしも実寸に比例して描かれておらず、これらの要素のいくつかは、図面の読みやすさを向上させるために、恣意的に拡大され、位置付けられていることがある。さらに、描かれた要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関して、いずれかの情報を伝えることを、必ずしも意図したものではなく、図面における認識を容易にするために、選択されているにすぎないことがある。
【
図1】例示される一実施形態に従った、少なくとも1つのMRI獲得システムと、少なくとも1つの画像処理システムとを含む、ネットワーク接続された環境であって、MRI獲得システムは、臨床現場に設置され、画像処理システムは、MRI獲得システムから離れた場所に設置され、1つまたは複数のネットワークを介して、それと通信可能に結合される、ネットワーク接続された環境の概略図である。
【
図2】例示される一実施形態に従った、MRI獲得システム、ならびにMRI画像処理および分析サービスを提供する、MRI画像処理および分析システムの機能ブロック図である。
【
図3A】例示される一実施形態に従った、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な、例示的なプッシュプロセスのフロー図である。
【
図3B】例示される一実施形態に従った、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な、例示的なプッシュプロセスのフロー図である。
【
図4A】例示される一実施形態に従った、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な、アーチファクトおよびアーチングを監視する、例示的なプロセスのフロー図である。
【
図4B】例示される一実施形態に従った、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な、アーチファクトおよびアーチングを監視する、例示的なプロセスのフロー図である。
【
図5】例示される一実施形態に従った、PHIサービスパイプラインの概略図である。
【
図6】例示される一実施形態に従った、ASPのウェブアプリケーションを介して、分析サービスプロバイダ(ASP)システムからのピクセルデータとマージされる、医療プロバイダのネットワーク内に保持されるPHIデータを示す、
図5のPHIサービスの概略図である。
【
図7】例示される一実施形態に従った、PHIデータを取り去られたDICOMファイルを示す、
図5のPHIサービスの概略図である。
【
図8】例示される一実施形態に従った、ユーザの組織の登録されたPACSサーバ上にレポートを記憶するように、ASPシステムに要求するために、ウェブアプリケーションを操作するユーザを示す、PHIサービスの概略図である。
【
図9】例示される一実装形態に従った、DICOMファイルがPHIサービスのPHIサーバによってどのように処理されるかを示す、PHIサービスの概略図である。
【
図10】例示される一実施形態に従った、PHIサービス依存関係がどのように組織されるかを示す、PHIサービスの概略図である。
【
図11A】例示される一実施形態に従った、PHIサービスの起動シーケンスのためのプロセスを例示する、システムシーケンス図である。
【
図11B】例示される一実施形態に従った、PHIサービスの起動シーケンスのためのプロセスを例示する、システムシーケンス図である。
【
図12】例示される一実施形態に従った、PHIサービスの識別不能化サービスを実施するためのプロセスを例示する、フロー図である。
【
図13A】例示される一実施形態に従った、PHIサービスのプッシャーまたはアップローダサービスのためのプロセスを例示する、フロー図である。
【
図13B】例示される一実施形態に従った、PHIサービスのプッシャーまたはアップローダサービスのためのプロセスを例示する、フロー図である。
【
図14A】例示される一実施形態に従った、ウェブブラウザ識別再可能化のためのプロセスを例示する、システムシーケンス図である。
【
図14B】例示される一実施形態に従った、ウェブブラウザ識別再可能化のためのプロセスを例示する、システムシーケンス図である。
【
図15A】例示される一実施形態に従った、アーチファクト識別再可能化サービスを実施するためのプロセスを例示する、システムシーケンス図である。
【
図15B】例示される一実施形態に従った、アーチファクト識別再可能化サービスを実施するためのプロセスを例示する、システムシーケンス図である。
【
図16】例示される一実施形態に従った、
図5に示されたPHIサービスパイプラインと統合された、信頼されたブローカサービス(TBS)システムの概略図である。
【
図17】例示される一実施形態に従った、暗号化ベースのデータアップロードがTBSシステムによってどのように実行されるかを示す、アップローダ、ASPシステム、およびTBSシステムの概略図である。
【
図18】例示される一実施形態に従った、暗号化ベースのデータダウンロードがTBSシステムによってどのように実行されるかを示す、エンドユーザシステム、ASPシステム、およびTBSシステムの概略図である。
【
図19】例示される一実施形態に従った、アクセスベースのデータアップロードがTBSシステムによってどのように実行されるかを示す、アップローダ、ASPシステム、およびTBSシステムの概略図である。
【
図20】例示される一実施形態に従った、アクセスベースのデータダウンロードがTBSシステムによってどのように実行されるかを示す、エンドユーザシステム、ASPシステム、およびTBSシステムの概略図である。
【
図21】例示される一実施形態に従った、医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムを動作させるプロセスを例示する、フロー図である。
【
図22】例示される一実施形態に従った、医療分析プラットフォームの信頼されたブローカサービス(TBS)システムを動作させるプロセスを例示する、フロー図である。
【
図23】例示される一実施形態に従った、医療分析プラットフォームの医療スタディデータアップローダ(MSDU)システムを動作させるプロセスを例示する、フロー図である。
【
図24】例示される一実施形態に従った、医療スタディデータアップローダ(MSDU)システムと、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、信頼されたブローカサービス(TBS)システムとを含む、医療分析プラットフォームを動作させるプロセスを例示する、フロー図である。
【
図25】例示される一実施形態に従った、完全に識別不能化された医療スタディを追跡するためのシステムの概略ブロック図である。
【
図26】例示される一実施形態に従った、PHIサービスのためのスタートアップ動作を例示する、フロー図である。
【
図27】例示される一実施形態に従った、組織環境の変更プロセスを例示する、フロー図である。
【
図28】例示される一実施形態に従った、新しいスタディのスキャン時に実施されるプロセスのフロー図である。
【
図29】例示される一実施形態に従った、医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムおよび保護された健康情報(PHI)システムをPHIにアクセスするように、動作させるプロセスを例示する、フロー図である。
【
図30】例示される一実施形態に従った、PHIにアクセスするように、医療分析プラットフォームのASPシステムを動作させるプロセスを例示する、フロー図である。
【
図31】例示される一実施形態に従った、組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムをPHIを記憶するように動作させるプロセスを例示する、フロー図である。
【
図32】例示される一実施形態に従った、組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムをマージされたPHIを提供するように動作させるプロセスを例示する、フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下の説明においては、様々な開示された実施形態の完全な理解を提供するために、ある特定の詳細が、説明される。しかしながら、関連技術分野の当業者は、実施形態が、これらの特定の詳細のうちの1つもしくは複数を用いずに、または他の方法、構成要素、材料などを用いて、実施され得ることを認識するであろう。他の例においては、実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、MRI装置、コンピュータシステム、サーバコンピュータ、および/または通信ネットワークと関連付けられたよく知られた構造は、詳細に示されず、または説明されない。
【0067】
文脈上、他の意味に解釈する必要がない限り、本明細書および後続する特許請求の範囲のどこにおいても、「備える(comprise)」という単語、ならびに「備える(comprises)」および「備えている(comprising)」など、それの変形は、「including」と同義であり、包含的または開放的である(すなわち、追加の言及されていない要素または方法行為を排除しない)。
【0068】
本明細書のどこにおいても、「一実施形態」または「実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所における「一実施形態において」または「実施形態において」という語句の出現は、必ずしもすべてが、同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わされ得る。
【0069】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、「a」、「an」、および「the」を冠した単数形は、内容が明らかに他の解釈を命じない限り、複数の指示対象を含む。「または」という用語は、内容が明らかに他の解釈を命じない限り、一般的に、「および/または」を含む意味で利用されることにも留意すべきである。
【0070】
本明細書において提供される見出しおよび開示の要約は、便宜的なものにすぎず、実施形態の範囲または意味を説明しない。
【0071】
本明細書において説明される実装形態の多くは、基本的には、3次元(3D)ボリュームについてのMRIマグニチュードおよび位相情報を、時間の期間にわたって、キャプチャした、4DフローMRIデータセットを利用する。この手法は、息止め、または患者の心周期もしくは肺周期に対する同期もしくはゲーティングを必要とせずに、MRIデータセットのキャプチャまたは獲得を可能にし得る。代わりに、MRIデータセットが、キャプチャまたは獲得され、例えば、心周期および肺周期に基づいて、獲得された情報をリビニングすることによって、所望の情報を導出するために、画像処理および分析が、利用される。これは、基本的に、通常は非常に時間のかかる獲得動作となるものを、画像処理および分析ステージに押しやる。単純化された例えを用いると、いくつかの点において、そうしたことは、患者の肺周期または心周期を気にせずに解剖学的構造(例えば、胸部、心臓)の動画をキャプチャすること、肺周期および心周期によって導入された相対的な動きを考慮するように、キャプチャされた動画を処理することと考えられ得る。キャプチャされた情報は、解剖学的構造を示すマグニチュード情報と、速度を示す位相情報の両方を含む。位相情報は、静的な組織と非静的な組織との区別を可能にし、例えば、非静的な組織(例えば、血液、空気)が、静的な組織(例えば、脂肪、骨)から区別されることを可能にする。位相情報は、ある非静的な組織(例えば、空気)が、他の非静的な組織(例えば、血液)から区別されることも可能にする。これは、有利なことに、組織間の自動化されたセグメンテーション、もしくは自律的なセグメンテーションさえも可能にし得、および/または心房血流を静脈血流から区別することを可能にし得る。これは、有利なことに、解剖学的情報と重ね合わされ得る、流れの視覚化情報の自動化された生成、もしくは自律的な生成さえも可能にし得る。これは、また、有利なことに、自動化された流れの定量化、異常識別、および/もしくは結果検証、または自律的なそれらさえも可能にし得る。
【0072】
ワークフローは、一般に、順次的に、3つの部分に、すなわち、1)画像獲得、2)画像再構成、3)画像処理または後処理および分析に分割され得る。あるいは、ワークフローは、1)操作、2)前処理、3)視覚化および定量化に分割され得る。
【0073】
画像獲得は、MRI装置(例えば、制御磁石)を動作させ、未加工のMRIを獲得するために使用される、1つまたは複数のパルスシーケンスを決定し、定義し、生成し、または他の方法で設定することを含み得る。4Dフローパルスシーケンスの使用は、マグニチュードによって表される解剖学的構造のキャプチャばかりでなく、位相によって表される速度のキャプチャも可能にする。本明細書において説明される方法または技法のうちの少なくとも1つである、患者固有の4Dパルスシーケンスの生成は、画像獲得部分の最中に、またはその一部として生じる。画像再構成は、例えば、高速フーリエ変換を利用し、DICOM規格と互換性のある形式であることが多い、MRIデータセットをもたらし得る。画像再構成は、従来は、計算集約的であり、スーパーコンピュータに依存することが多かった。そのような要件は、多くの臨床施設にとって著しい負担である。本明細書において説明される方法および技法の多くは、画像処理または後処理および分析の最中に、またはそれの一部として生じる。そうしたことは、エラー検出および/またはエラー訂正、セグメンテーション、流れ関連情報と解剖学的構造の画像との融合を含む視覚化、定量化、吻合を含む異常の識別、スプリアスデータの識別を含む検証を含み得る。あるいは、エラー検出および/またはエラー訂正は、前処理部分の最中に生じ得る。
【0074】
図1は、例示される一実施形態に従った、ネットワーク接続された環境100を示しており、その中では、1つまたは複数のMRI獲得システム(示されたのは1つ)102が、1つまたは複数のネットワーク106a、106b(示されたのは2つ、一括して106)を介して、少なくとも1つの画像処理および分析システム104に通信可能に結合される。
【0075】
MRI獲得システム102は、一般に、臨床施設、例えば、病院または専用の医療画像センタに設置される。本明細書において説明されるような、様々な技法および構造は、有利なことに、画像処理および分析システム104が、MRI獲得システム102から離れた場所に設置されることを可能にし得る。画像処理および分析システム104は、例えば、別の建物、都市、州、省に、または別の国にさえも設置され得る。
【0076】
MRI獲得システム102は、例えば、MRI装置108と、コンピュータシステム110と、MRIオペレータのシステム112とを含み得る。MRI装置108は、一般に、中央または長手方向ボア116を有する、コイルの環状アレイである、主磁石114を含み得る。主磁石114は、強い安定した磁界(例えば、0.5テスラから2.0テスラ)を生成することが可能である。ボア116は、撮像される物体、例えば、人体118の少なくとも一部を受け入れるサイズに作られる。医療画像用途で使用されるとき、MRI装置108は、一般に、患者台120を含み、それは、容易に滑らされて、または転がされて、腹臥した患者118がボア116を出入りすることを可能にする。
【0077】
MRI装置は、傾斜磁石122のセット(コールアウトされているのは1つだけ)を含む。傾斜磁石122は、主磁石114によって生成されるものよりも相対的に小さい、可変磁場(例えば、180ガウスから270ガウス)を生成し、物体(例えば、患者)の選択された部分が、撮像されることを可能にする。
【0078】
MRI装置108は、撮像される物体(例えば、患者118)の選択された部分に、高周波エネルギーを印加するように動作させられる、高周波(RF)コイル124(コールアウトされているのは1つだけ)を含む。異なるRFコイル124が、異なる構造(例えば、解剖学的構造)を撮像するために使用され得る。例えば、RFコイル124の1つのセットは、患者の首を撮像するのに適し得、一方、RFコイル124の別のセットは、患者の胸部または心臓を撮像するのに適し得る。MRI装置108は、通常、追加の磁石、例えば、抵抗磁石および/または永久磁石を含む。
【0079】
MRI装置108は、一般に、磁石および/またはコイル114、122、124を制御するために使用される、プロセッサベースのMRI制御システム126を含み、またはそれに通信可能に結合される。プロセッサベースの制御システム126は、1つもしくは複数のプロセッサ、非一時的コンピュータもしくはプロセッサ可読メモリ、駆動回路、および/またはMRI装置108とインターフェースするためのインターフェースコンポーネントを含み得る。プロセッサベースの制御システム126は、いくつかの実装形態においては、MRI操作からもたらされたデータに対して、何らかの前処理も実行し得る。
【0080】
MRIオペレータのシステム128は、コンピュータシステム130、モニタもしくはディスプレイ132、キーパッドおよび/もしくはキーボード134、ならびに/またはマウス136、ジョイスティック、トラックパッド、もしくはトラックボールなどのカーソル制御デバイスを含み得る。MRIオペレータのシステム128は、コンピュータもしくはプロセッサ実行可能命令を含み得、またはそれを、1つもしくは複数の非一時的コンピュータもしくはプロセッサ可読媒体、例えば、磁気ディスクもしくは光ディスクなどの回転媒体138から読み取り得る。オペレータのシステム128は、技術者が、MRIデータを患者118からキャプチャするために、MRI装置108を操作することを可能にし得る。本明細書において説明される様々な技法、構造、および特徴は、臨床医または医師の存在を必要とせずに、技術者によるMRI装置108の操作を可能にし得る。そうしたことは、有利なことに、MRI処置のコストを著しく低下させ得る。やはり本明細書において説明されるように、様々な技法、構造、および特徴は、MRI処置が、従来の技法を使用するよりもはるかに迅速に、実行されることを可能にし得る。そうしたことは、有利なことに、各MRI設備についてのより高いスループットを可能にし得、資本集約的な機器のコストを、はるかに多数の手順にわたって償却する。例えば、高い計算能力を有するコンピュータは、臨床現場から離れた場所に設置され得、複数の臨床施設にサービスするために使用され得る。本明細書において説明される様々な技法、構造、および特徴は、有利なことに、追加的または代替的に、各患者がMRI処置にさらされる時間を短縮し得、MRI処置を受けることにしばしば伴う、不安を低減または緩和する。例えば、本明細書において説明される画像処理および分析技法を介して、息止め、ならびに/または患者の肺周期および/もしくは心周期との同期に対する必要性を排除することは、獲得のための時間を大幅に、例えば、8分から10分、短縮することができる。
【0081】
画像処理および分析システム104は、着信要求および応答を処理するための1つまたは複数のサーバ139と、1つまたは複数のレンダリングまたは画像処理および分析コンピュータ140とを含み得る。サーバ139は、例えば、サーバソフトウェアまたは命令を実行する、1つまたは複数のサーバコンピュータ、ワークステーションコンピュータ、スーパーコンピュータ、またはパーソナルコンピュータの形態を取り得る。1つまたは複数のレンダリングまたは画像処理および分析コンピュータ140は、画像処理および/もしくは分析ソフトウェアまたは命令を実行する、1つまたは複数のコンピュータ、ワークステーションコンピュータ、スーパーコンピュータ、またはパーソナルコンピュータの形態を取り得る。1つまたは複数のレンダリングまたは画像処理および分析コンピュータ140は、一般に、1つの、好ましくは複数の、グラフィカル処理ユニット(GPU)またはGPUコアを利用する。
【0082】
画像処理および分析システム104は、プロセッサ実行可能命令および/またはデータもしくは他の情報を記憶する、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体142(例えば、磁気または光学ハードドライブ、RAID、RAM、フラッシュ)を含み得る。画像処理および分析システム104は、1つまたは複数の画像処理および分析オペレータのシステム144を含み得る。画像処理および分析オペレータのシステム144は、コンピュータシステム146、モニタもしくはディスプレイ148、キーパッドおよび/もしくはキーボード150、ならびに/またはマウス152、ジョイスティック、トラックパッド、もしくはトラックボールなどのカーソル制御デバイスを含み得る。画像処理および分析オペレータのシステム144は、1つまたは複数のネットワーク、例えば、LAN154を介して、レンダリングまたは画像処理および分析コンピュータ140に通信可能に結合され得る。多くの画像処理技法および分析は、完全に自動化され得るが、画像処理および分析オペレータのシステムは、技術者が、患者からキャプチャされたMRIデータに対して、ある画像処理および/または分析操作を実行することを可能にし得る。
【0083】
単一の非一時的コンピュータまたはプロセッサ可読記憶媒体142として例示されているが、多くの実装形態においては、非一時的コンピュータまたはプロセッサ可読記憶媒体142は、複数の非一時的記憶媒体を構成し得る。複数の非一時的記憶媒体は、通常、共通のロケーションに設置され、または様々なリモートロケーションに分散され得る。したがって、未加工のMRIデータ、前処理されたMRIデータ、および/または処理されたMRIデータのデータベースは、1つの非一時的コンピュータもしくはプロセッサ可読記憶媒体において、または2つ以上のそれらにわたって、実施され得る。そのようなデータベースは、別々のコンピュータもしくはプロセッサ可読記憶媒体142上に互いに別々に記憶され得、または同じコンピュータもしくはプロセッサ可読記憶媒体142上にそれぞれ記憶され得る。コンピュータまたはプロセッサ可読記憶媒体142は、画像処理および分析システム104と共に、例えば、同じ部屋、建物、または施設内に、併置され得る。あるいは、コンピュータまたはプロセッサ可読記憶媒体142は、画像処理および分析システム104から離れた場所に、例えば、異なる施設、都市、州、または国に、設置され得る。電子またはデジタル情報、ファイルもしくはレコードまたは情報の他の集まりは、非一時的コンピュータまたはプロセッサ可読媒体142内の特定のロケーションに記憶され得、したがって、連続であることがあり、または連続でないことがある、そのような媒体の論理的にアドレス指定可能な部分である。
【0084】
上で述べられたように、画像処理および分析システム104は、MRI獲得システム102から離れた場所に設置され得る。MRI獲得システム102、および画像処理および分析システム104は、例えば、1つまたは複数の通信チャネル、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)106a、およびワイドエリアネットワーク(WAN)106bを介して、通信が可能である。ネットワーク106は、例えば、インターネット、インターネットのワールドワイドウェブ部分、エクストラネット、および/またはイントラネットなど、パケット交換通信ネットワークを含み得る。ネットワーク106は、セルラフォンおよびデータネットワーク、ならびに基本電話システム(POTS)ネットワークなど、様々な他のタイプの遠隔通信ネットワークの形態を取り得る。通信インフラストラクチャのタイプは、限定的と見なされるべきではない。
【0085】
図1に例示されるように、MRI獲得システム102は、第1のLAN106aに通信可能に結合される。第1のLAN106aは、臨床施設によって、またはそれのために運営される、ネットワークであり得、臨床施設にローカルエリア通信を提供する。第1のLAN106aは、WAN(例えば、インターネット)106bに通信可能に結合される。第1のファイアウォール156aは、第1のLANにセキュリティを提供し得る。
【0086】
やはり
図1に例示されるように、画像処理および分析システム104は、第2のLAN154に通信可能に結合される。第2のLAN154は、画像処理施設もしくはエンティティによって、またはそれのために運営される、ネットワークであり得、画像処理施設またはエンティティにローカルエリア通信を提供する。第2のLAN154は、WAN106b(例えば、インターネット)に通信可能に結合される。第2のファイアウォール156bは、第2のLAN154にセキュリティを提供し得る。
【0087】
画像処理施設またはエンティティは、臨床施設から独立したもの、例えば、1つ、2つ、または多くの臨床施設にサービスを提供する、独立した事業者であり得る。
【0088】
例示されていないが、通信ネットワークは、1つまたは複数の追加のネットワーキングデバイスを含み得る。ネットワーキングデバイスは、サーバ、ルータ、ネットワークスイッチ、ブリッジ、および/またはモデム(例えば、DSLモデム、ケーブルモデム)などを含む、非常に多様な形態のうちのいずれかを取り得る。
【0089】
図1は、代表的なネットワーク接続された環境100を例示しているが、典型的なネットワーク接続された環境は、多くの追加のMRI獲得システム、画像処理および分析システム104、コンピュータシステム、ならびに/またはエンティティを含み得る。本明細書において教示される概念は、例示されたものよりも要素の多いネットワーク接続された環境と共に、同様の方式で、利用され得る。例えば、単一のエンティティが、複数の診断エンティティに、画像処理および分析サービスを提供し得る。診断エンティティのうちの1つまたは複数が、2つ以上のMRI獲得システム102を運用し得る。例えば、大病院または専用の医療画像センタは、単一の施設において、2つ、3つの、またはそれより多くのMRI獲得システムさえも運用し得る。一般に、画像処理および分析サービスを提供するエンティティは、複数のエンティティを運用し、2つ、3つの、または数百のレンダリングまたは画像処理および分析コンピュータ140さえも含み得る画像処理および分析システム104を提供し得る。
【0090】
図2は、1つまたは複数の画像処理および分析システム104(例示されているのは1つだけ)と、1つまたは複数の関連付けられた非一時的コンピュータまたはプロセッサ可読記憶媒体204(例示されているのは1つだけ)とを備える、ネットワーク接続された環境200を示している。関連付けられた非一時的コンピュータまたはプロセッサ可読記憶媒体204は、1つまたは複数の通信チャネル、例えば、1つまたは複数のパラレルケーブル、シリアルケーブル、または高速通信可能な無線チャネルを介して、例えば、FireWire(登録商標)、Universal Serial Bus(登録商標)(USB)2もしくは3、および/またはThunderbolt(登録商標)、Gigabyte Ethernet(登録商標)を介して、画像処理および分析システム104に通信可能に結合される。
【0091】
ネットワーク接続された環境200は、1つまたは複数の終端MRI獲得システム102(例示されているのは1つだけ)も備える。MRI獲得システム102は、1つまたは複数の通信チャネル、例えば、1つまたは複数のワイドエリアネットワーク(WAN)210、例えば、インターネットまたはそれのワールドワイドウェブ部分によって、画像処理および分析システム104に通信可能に結合される。
【0092】
動作中、MRI獲得システム102は、一般に、画像処理および分析システム104に対するクライアントとして機能する。動作中、画像処理および分析システム104は、一般に、MRI獲得システム102から要求または情報(例えば、MRIデータセット)を受信する、サーバとして機能する。本明細書においては、画像処理および分析が、MRI獲得システム102から離れた場所で(例えば、WANを介して)実行されることを可能にする、非同期コマンドおよび画像パイプラインを利用する、全体的なプロセスが、説明される。この手法は、例えば、MRI獲得システム102が、臨床医(例えば、医師)の存在を必要とせずに、技術者によって操作されることを可能にするなど、数々の特徴的な利点を提供する。医療画像データ、およびプライベートな患者固有の健康情報へのアクセスを可能にしながら、セキュリティを強化するための、様々な技法または手法も、説明される。
【0093】
MRI獲得システム102から離れた場所に設置されるものとして例示されているが、いくつかの実装形態においては、画像処理および分析システム104は、MRI獲得システム102とともに併置され得る。他の実装形態においては、本明細書において説明される動作または機能のうちの1つまたは複数は、MRI獲得システム102によって、またはMRI獲得システム102と併置されたプロセッサベースのデバイスを介して、実行され得る。
【0094】
画像処理および分析システム104は、MRIデータセットを受信し、MRIデータセットに対して画像処理を実行し、処理されたMRIデータセットを、例えば、再検討のために臨床医に提供する。画像処理および分析システム104は、例えば、MRIデータセットに対するエラー検出および/または訂正、例えば、位相誤差訂正、位相エイリアシング検出、信号アンラッピング、ならびに/または様々なアーチファクトの検出および/もしくは訂正を実行し得る。位相誤差は、位相エイリアシングと同様、位相に関連する。信号アンラッピングは、マグニチュードに関連する。様々な他のアーチファクトは、位相および/またはマグニチュードに関連し得る。
【0095】
画像処理および分析システム104は、例えば、様々な組織タイプを区別する、セグメンテーションを実行し得る。画像処理および分析システム104は、例えば、閉じられた解剖学的構造に出入りする血流、または2つ以上の解剖学的構造を通過する血流を比較するなど、定量化を実行し得る。画像処理および分析システム104は、有利なことに、例えば、ある組織の識別を確認する、および/または結果における確実性の量のインジケーションを提供するなど、結果を検証するために、定量化を使用し得る。加えて、画像処理および分析システム104は、有利なことに、吻合の存在を識別するために、定量化を使用し得る。
【0096】
いくつかの実装形態においては、画像処理および分析システム104は、例えば、動脈血流と静脈血流とを区別することを含む、血流を反映した画像を生成し得る。例えば、画像処理および分析システム104は、動脈血流を示すために、第1のカラーマップ(例えば、青)を、静脈血流を示すために、第2のカラーマップ(例えば、赤)を利用し得る。画像処理および分析システム104は、何らかの他の特徴的な色または視覚的強調を使用して、異常(例えば、吻合)を示し得る。動脈血流と静脈血流ばかりでなく、異なる組織を区別するための、数々の異なる技法が、説明される。流れの視覚化は、例えば、1つまたは複数のレイヤとして、解剖学的構造もしくはマグニチュードデータの視覚的表現上に、または視覚的表現を覆って、重ね合わされることができる。
【0097】
いくつかの実装形態においては、画像処理および分析システム104は、特定の患者とともにMRI獲得システム102を動作させる際に使用する、患者固有の4Dフロープロトコルを生成し得る。そうしたことは、MRI装置の動作のための、適切な速度エンコーディング(VENC)を設定することを含み得る。
【0098】
画像処理および分析システム104は、人間の入力なしに、これらの動作または機能のうちの1つまたは複数を自律的に実行し得る。あるいは、画像処理および分析システム104は、人間の入力、例えば、点、ロケーション、もしくは面を識別する、またはさもなければ解剖学的組織の特性を識別する、人間の入力に基づいて、これらの動作または機能のうちの1つまたは複数を実行し得る。いくつかの面および/または像が、事前定義され得、迅速かつ容易に所望の像を取得するために、オペレータ、ユーザ、または臨床医が、面(例えば、弁面)、または命名された像(例えば、二腔像、三腔像、四腔像)を単に選択することを可能にする。
【0099】
ネットワーク接続された環境200は、他のコンピュータシステムおよびネットワーク機器、例えば、追加のサーバ、プロキシサーバ、ファイアウォール、ルータ、および/またはブリッジを利用し得る。本明細書においては、画像処理および分析システム104は、時には、単数形で言及されるが、典型的な実施形態においては、関与させられる2つ以上の画像処理および分析システム104が、存在し得るので、これは、実施形態を単一のデバイスに限定することを意図したものではない。特に説明されない限り、
図2に示される様々なブロックの構造および動作は、従来の設計のものである。結果として、そのようなブロックは、それらが関連技術分野の当業者によって理解されるので、本明細書において、さらに詳細に説明される必要はない。
【0100】
画像処理および分析システム104は、1つまたは複数の処理ユニット212a、212b(一括して212)と、システムメモリ214と、システムメモリ214を含む様々なシステムコンポーネントを処理ユニット212に結合する、システムバス216とを含み得る。処理ユニット212は、1つまたは複数の中央処理ユニット(CPU)212a、デジタル信号プロセッサ(DSP)212b、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、任意の論理処理ユニットであり得る。システムバス216は、いずれかの知られたバス構造またはアーキテクチャを利用し得、メモリコントローラを備えたメモリバス、周辺バス、および/またはローカルバスを含む。システムメモリ214は、リードオンリメモリ(「ROM」)218と、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)220とを含む。ROM218の一部を形成することができる、基本入出力システム(「BIOS」)222は、起動中などに、画像処理および分析システム104内の要素間において情報を転送することを助ける、基本ルーチンを含む。
【0101】
画像処理および分析システム104は、ハードディスク226から読み取り、それに書き込むための、ハードディスクドライブ224、リムーバブル光ディスク232から読み取り、それに書き込むための、光ディスクドライブ228、および/または磁気ディスク234から読み取り、それに書き込むための、磁気ディスクドライブ230を含み得る。光ディスク232は、CD-ROMであることができ、一方、磁気ディスク234は、磁気フロッピディスクまたはディスケットであることができる。ハードディスクドライブ224、光ディスクドライブ228、および磁気ディスクドライブ230は、システムバス216を介して、処理ユニット212と通信し得る。ハードディスクドライブ224、光ディスクドライブ228、および磁気ディスクドライブ230は、関連技術分野の当業者に知られているように、そのようなドライブとシステムバス216との間に結合された、インターフェースまたはコントローラ(図示されず)を含み得る。ドライブ224、228、230と、それらの関連付けられたコンピュータ可読媒体226、232、234は、画像処理および分析システム104のためのコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータの不揮発性ストレージを提供する。描かれた画像処理および分析システム104は、ハードディスク224、光ディスク228、および磁気ディスク230を利用するように、例示されているが、関連技術分野の当業者は、WORMドライブ、RAIDドライブ、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(「DVD」)、ベルヌーイカートリッジ、RAM、ROM、スマートカードなど、コンピュータによってアクセス可能なデータを記憶することができる、他のタイプのコンピュータ可読媒体が、利用され得ることを理解するであろう。
【0102】
オペレーティングシステム236、1つまたは複数のアプリケーションプログラム238、他のプログラムまたはモジュール240、およびプログラムデータ242など、プログラムモジュールは、システムメモリ214に記憶されることができる。アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、MRI画像データセットに対する画像処理および分析を実行させる、命令を含み得る。例えば、アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、位相または速度関連データに対する位相誤差訂正を実行させる、命令を含み得る。例えば、アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、位相エイリアシングについて訂正を行わせる、命令を含み得る。例えば、アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、信号アンラッピングを実行させる、命令も含み得る。加えて、またはあるいは、アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、アーチファクトについて識別および/または訂正を行わせる、命令を含み得る。
【0103】
アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、例えば、様々な組織タイプを区別するセグメンテーションを実行させる、命令を含み得る。アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、例えば、閉じられた解剖学的構造に出入りする血流、または2つ以上の解剖学的構造を通過する血流を比較するなど、定量化を実行させる、命令を含み得る。アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、例えば、ある組織の識別を確認する、および/または結果における確実性の量のインジケーションを提供するなど、結果を検証するために、定量化を使用させる、命令を含み得る。アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、吻合の存在を識別するために、定量化を使用させる、命令を含み得る。
【0104】
アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、例えば、動脈血流と静脈血流とを区別するなど、血流を反映した画像を生成させる、命令を含み得る。例えば、動脈血流を示すために、第1のカラーマップ(例えば、青)が、使用され得、静脈血流を示すために、第2のカラーマップ(例えば、赤)が、使用され得る。何らかの他の特徴的な色または視覚的強調を使用して、異常(例えば、吻合)が、示され得る。カラーマップを生成するために、色伝達関数が、適用され得る。アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、流れの視覚化(例えば、血流速度および/または量を示すMRI位相データ)を、解剖学的組織の視覚化またはレンダリング画像(例えば、MRIマグニチュードデータ)上に重ね合わさせる、命令を含み得る。命令は、解剖学的組織(すなわち、マグニチュード)と流れ(すなわち、位相)情報との融合を、例えば、カラーヒートマップとして、および/または方向と(例えば、長さ、線の太さによって表される)マグニチュードとを有するベクトル(例えば、矢印アイコン)として提供するために、流れの視覚化が、解剖学的組織の画像上に、1つまたは複数のレイヤとしてレンダリングされるようにし得る。命令は、追加的または代替的に、解剖学的構造の空間マッピングまたは視覚化上にオーバレイまたは重ね合わされ得る、信号分散、乱流、および/または圧力の空間マッピングまたは視覚化の生成を引き起こし得る。位相または速度関連情報の視覚化の、解剖学的情報の視覚化または解剖学的構造の視覚的表現との融合は、解剖学的ランドマークの識別を容易にし得る。命令は、視覚化を迅速にレンダリングするために、グラフィック処理ユニットまたはGPUのセットまたはアレイを使用し得る。
【0105】
伝達関数は、どの組織にどの視覚的効果(例えば、色)を適用するかを決定するためにも、適用され得る。例えば、動脈血流は、青の色合いで色付けされ得、静脈血流は、赤の色合いで色付けされ得、一方、脂肪組織は、黄色として色付けされ得る。MRI画像データセットにおいてマグニチュードとして表される、解剖学的構造は、例えば、グレースケールを使用して、視覚化され得る。視野の深さは、例えば、グラフィカルユーザインターフェース上のスライダコントロールを介して、オペレータまたはユーザ調整可能であり得る。したがって、視覚化は、有利なことに、速度情報の視覚的表現を、解剖学的情報または表現の視覚的表現と融合させる、融合図の形態を取り得る。
【0106】
アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、特定の患者とともにMRI獲得システム102を動作させる際に使用する、患者固有の4Dフロープロトコルを生成させる、命令を含み得る。そうしたものは、例えば、技術者によって提供される、患者固有の入力に基づき得、またMRIデータセットをキャプチャするために使用される、特定のMRI装置に基づき得る。
【0107】
アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、MRI獲得システムから画像データセットを受信させ、画像データセットを処理および/または分析させ、処理および/または分析された画像および他の情報を、画像処理から離れた場所に設置されたユーザに、時間的に制約された安全な方法で提供させる、命令を含み得る。そうしたことは、様々な図を参照して、本明細書において詳細に説明される。
【0108】
システムメモリ214は、画像処理および分析システム104に、インターネット、イントラネット、エクストラネット、遠隔通信ネットワーク、または以下で説明されるような他のネットワークを介して、電子情報またはファイルを送らせる、通信プログラム、例えば、サーバ244も含み得る。描かれた実施形態におけるサーバ244は、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、拡張可能マークアップ言語(XML)、またはワイヤレスマークアップ言語(WML)などの、マークアップ言語ベースであり、文書の構造を表すために、文書のデータに付加される、構文的区切り文字を使用する、マークアップ言語を用いて動作する。Mozilla、Google、Microsoft、およびApple Computerからのものなど、数々の適切なサーバが、商業的に入手可能であり得る。
【0109】
図2においては、システムメモリ214に記憶されるものとして示されているが、オペレーティングシステム236、アプリケーションプログラム238、他のプログラム/モジュール240、プログラムデータ242、およびサーバ244は、ハードディスクドライブ224のハードディスク226、光ディスクドライブ228の光ディスク232、および/または磁気ディスクドライブ230の磁気ディスク234上に記憶されることができる。
【0110】
オペレータは、タッチスクリーンもしくはキーボード246などの入力デバイス、および/もしくはマウス248などのポインティングデバイスを通して、ならびに/またはグラフィカルユーザインターフェースを介して、コマンドおよび情報を、画像処理および分析システム104に入力することができる。他の入力デバイスは、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、タブレット、スキャナなどを含むことができる。これらおよび他の入力デバイスは、システムバス216に結合する、シリアルポートインターフェースなどのインターフェース250を通して、処理ユニット212のうちの1つまたは複数に接続されるが、パラレルポート、ゲームポート、または無線インターフェース、またはユニバーサルシリアルバス(「USB」)などの、他のインターフェースが、使用されることができる。モニタ252または他の表示デバイスは、ビデオアダプタなどのビデオインターフェース254を介して、システムバス216に結合される。画像処理および分析システム104は、スピーカ、プリンタなど、他の出力デバイスを含むことができる。
【0111】
画像処理および分析システム104は、1つまたは複数のリモートコンピュータおよび/またはデバイスへの論理的接続を使用して、ネットワーク接続された環境200において、動作することができる。例えば、画像処理および分析システム104は、1つまたは複数のMRI獲得システム102への論理的接続を使用して、ネットワーク接続された環境200において、動作することができる。通信は、有線および/または無線ネットワークアーキテクチャ、例えば、有線および無線の企業規模のコンピュータネットワーク、イントラネット、エクストラネット、および/またはインターネットを介し得る。他の実施形態は、遠隔通信ネットワーク、セルラネットワーク、ページングネットワーク、および他のモバイルネットワークを含む、他のタイプの通信ネットワークを含み得る。画像処理および分析システム104、MRI獲得システム102の間の通信経路に、任意の様々なコンピュータ、スイッチングデバイス、ルータ、ブリッジ、ファイアウォール、および他のデバイスが、存在し得る。
【0112】
MRI獲得システム102は、一般に、MRI装置108と、1つまたは複数の関連付けられたプロセッサベースのデバイス、例えば、MRI制御システム126および/またはMRIオペレータのシステム128の形態を取る。MRI獲得システム102は、患者から、MRI情報またはデータセットをキャプチャする。したがって、いくつかの例においては、MRI獲得システム102は、いくつかの例ではMRIバックエンドシステムと称されることがある、MRI画像処理および分析システム104から、そうしたものを区別するために、フロントエンドMRI獲得システムまたはMRIキャプチャシステムと称されることがある。本明細書においては、MRI獲得システム102は、時には、単数形で言及されるが、これは、実施形態を、単一のMRI獲得システム102に限定することを意図したものではない。典型的な実施形態においては、2つ以上のMRI獲得システム102が、存在し得、ネットワーク接続された環境200においては、多数のMRI獲得システム102が、存在する可能性が高い。
【0113】
MRI獲得システム102は、1つまたは複数のサーバコンピュータ(図示されず)に通信可能に結合され得る。例えば、MRI獲得システム102は、ファイアウォール156a(
図1)を含み得る、または実施し得る、1つまたは複数の診断施設サーバコンピュータ(例示せず)、ルータ(図示されず)、ブリッジ(図示されず)、LAN106a(
図1)などを介して、通信可能に結合され得る。サーバコンピュータ(図示されず)は、臨床施設またはサイトにおいて、LAN106aを介して通信可能に結合された多数のMRI獲得システム102(すなわち、クライアント)のためのサーバとして機能するために、サーバ命令のセットを実行し、したがって、MRI獲得システム102とMRI画像処理および分析システム104との間の仲介者として行為し得る。MRI獲得システム102は、WANを介して通信可能に結合されたサーバコンピュータのクライアントとして機能するために、クライアント命令のセットを実行し得る。
【0114】
MRI制御システム126は、一般に、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、グラフィカル処理ユニット)と、非一時的プロセッサ可読メモリ(例えば、ROM、RAM、フラッシュ、磁気および/または光ディスク)とを含む。MRIオペレータのシステム128は、適切な命令を実行するコンピュータ、例えば、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップもしくはラップトップコンピュータ)、ネットブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、携帯情報端末、ワークステーションコンピュータ、および/またはメインフレームコンピュータなどの形態を取り得る。
【0115】
MRIオペレータのシステム128は、1つまたは複数の処理ユニット268と、システムメモリ269と、システムメモリ269を含む様々なシステムコンポーネントを処理ユニット268に結合する、システムバス(図示されず)とを含み得る。
【0116】
処理ユニット268は、1つまたは複数の中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、グラフィカル処理ユニット(GPU)など、いずれかの論理処理ユニットであり得る。商業的に入手可能なコンピュータシステムの非限定的な例は、限定されることなく、米国のIntel Corporationが販売する80x86もしくはPentiumシリーズマイクロプロセッサ、IBMが販売するPowerPCマイクロプロセッサ、Sun Microsystems, Inc.が販売するSparcマイクロプロセッサ、Hewlett-Packard Companyが販売するPA-RISCシリーズマイクロプロセッサ、Motorola Corporationが販売する68xxxシリーズマイクロプロセッサ、ATOMプロセッサ、またはA4もしくはA5プロセッサを含む。特に説明されない限り、
図2に示されるMRI獲得システム102の様々なブロックの構造および動作は、従来の設計のものである。結果として、そのようなブロックは、それらが関連技術分野の当業者によって理解されるので、本明細書において、さらに詳細に説明される必要はない。
【0117】
システムバスは、いずれかの知られたバス構造またはアーキテクチャを利用し得、メモリコントローラを備えたメモリバス、周辺バス、およびローカルバスを含む。システムメモリ269は、リードオンリメモリ(「ROM」)270と、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)272とを含む。ROM270の一部を形成することができる、基本入出力システム(「BIOS」)271は、起動中などに、MRI獲得システム102内の要素間において情報を転送することを助ける、基本ルーチンを含む。
【0118】
MRIオペレータのシステム128は、コンピュータ可読記憶媒体274、例えば、ハードディスク、光ディスク、および/または磁気ディスクから読み取り、またそれらに書き込むための、1つまたは複数の媒体ドライブ273、例えば、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、WORMドライブ、および/または光ディスクドライブも含み得る。非一時的コンピュータ可読記憶媒体274は、例えば、リムーバブル媒体の形態を取り得る。例えば、ハードディスクは、ウィンチェスタドライブの形態を取り得、光ディスクは、CD-ROMの形態を取ることができ、一方、磁気ディスクは、磁気フロッピディスクまたはディスケットの形態を取ることができる。媒体ドライブ273は、1つまたは複数のシステムバスを介して、処理ユニット268と通信する。媒体ドライブ273は、関連技術分野の当業者によって知られているように、そのようなドライブとシステムバスとの間に結合される、インターフェースまたはコントローラ(図示されず)を含み得る。媒体ドライブ273、およびそれらの関連付けられた非一時的コンピュータ可読記憶媒体274は、MRI獲得システム102のためのコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータの不揮発性ストレージを提供する。ハードディスク、光ディスク、および磁気ディスクなどの、コンピュータ可読記憶媒体274を利用するものとして説明されたが、関連技術分野の当業者は、MRIオペレータのシステム128が、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(「DVD」)、ベルヌーイカートリッジ、RAM、ROM、スマートカードなど、コンピュータによってアクセス可能なデータを記憶することができる、他のタイプの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を利用し得ることを理解するであろう。そうしたものに関連するデータまたは情報、例えば、電子的もしくはデジタル的なファイルまたはデータもしくはメタデータは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体274に記憶されることができる。
【0119】
オペレーティングシステム、1つまたは複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムまたはモジュール、およびプログラムデータなど、プログラムモジュールは、システムメモリ269に記憶されることができる。プログラムモジュールは、ウェブサイト、エクストラネットサイトもしくは他のサイトまたはサービス(例えば、ウェブサービス)および関連付けられたウェブページ、他のページ、MRI処理および分析システム104によってホストまたは提供されるスクリーンまたはサービスにアクセスするための命令を含み得る。
【0120】
特に、システムメモリ269は、MRI獲得システム102が、MRI処理および分析システム104によって提供される、MRI画像処理および/または分析サービスと、電子的もしくはデジタル的な情報またはファイルまたはデータもしくはメタデータを交換することを可能にする、通信プログラムを含み得る。通信プログラムは、例えば、MRI獲得システム102が、インターネットのウェブサイト、企業イントラネット、エクストラネット、または他のネットワークなどのソースにアクセスし、それと、情報、ファイル、データ、および/またはメタデータを交換することを可能にする、ウェブクライアントまたはブラウザであり得る。そうしたことは、エンドユーザクライアントが、与えられたウェブサイト、例えば、MRI処理および分析システム104によってホストされるものにアクセスするための十分な権利、許可、特権、または権限を有することを必要とし得る。本明細書において説明されるように、患者識別データは、臨床施設によって、または臨床施設のために運営されるシステム上に存在し得、画像処理施設によって、もしくは画像処理施設のために運営され、または画像処理施設の人員によって操作されるシステムによって、またはそれを通してアクセス可能でないことがある。ブラウザは、例えば、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、拡張可能マークアップ言語(XML)、ワイヤレスマークアップ言語(WML)などの、マークアップ言語ベースであり得、文書の構造を表すために、文書のデータに付加される、構文的区切り文字を使用する、マークアップ言語を用いて動作し得る。
【0121】
システムメモリ269に記憶されるものとして説明されたが、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、他のプログラム/モジュール、プログラムデータ、および/またはブラウザは、媒体ドライブ273のコンピュータ可読記憶媒体274上に記憶されることができる。オペレータは、タッチスクリーンもしくはキーボード276などの入力デバイス、および/またはマウスなどのポインティングデバイス277を通して、ユーザインターフェース275を介して、コマンドおよび情報を、MRIオペレータのシステム128に入力することができる。他の入力デバイスは、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、タブレット、スキャナなどを含むことができる。これらおよび他の入力デバイスは、システムバスに結合する、シリアルポートインターフェースなどのインターフェースを通して、処理ユニット269に接続されるが、パラレルポート、ゲームポート、または無線インターフェース、またはユニバーサルシリアルバス(「USB」)などの、他のインターフェースが、使用されることができる。ディスプレイまたはモニタ278は、ビデオアダプタなどのビデオインターフェースを介して、システムバスに結合され得る。MRIオペレータのシステム128は、スピーカ、プリンタなど、他の出力デバイスを含むことができる。
【0122】
MRI画像処理および分析システムは、様々な組織タイプが、MRI 4Dフローデータセットから引かれ、またはそれに加えられることを可能にする、静的インターフェースを構築し得る。例えば、脂肪または骨などの静的組織は、空気または流れる血液などの非静的組織から区別され得る。MRI画像処理および分析システムは、さらに、様々な非静的組織を自律的に区別し得、例えば、空気(例えば、肺)と流れる血液とを区別する。さらに、MRI画像処理および分析システムは、動脈血流と静脈血流とを区別し得る。
【0123】
例えば、MRI画像処理および分析システムは、脈動パターンまたは波形を有することが予想される、血液組織を識別するために、高速フーリエ変換を利用し得る。空気または肺は、近隣ボクセルの速度が比較される場合、定義されたボリュームにわたって、ランダムな出現パターンを有する傾向がある。例えば、強いまたは速い速度を有するボクセルは、一般に、空気を示す。MRIデータセットは、例えば、256×256×256×20時点など、かなり大きくなり得る。MRI画像処理および分析システムは、異なる組織タイプを検出するために、勾配(例えば、勾配降下法)に依存し得、有利なことに、相対的に大きいMRIデータセットを迅速に処理するために、分析的解法ではなく、数値的手法を利用し得る。数値的手法の有効桁数(例えば、2)を制御することによって、MRI画像処理および分析システムは、特定の用途にとって十分に正確な結果を依然として取得しながら、非常に高速な(例えば、30分ではなく1秒)結果を達成し得る。
【0124】
いくつかの実装形態においては、異なる組織タイプが、一度に1つずつ、患者MRIデータセットから引かれ得る。例えば、空気または肺を引き、血液を引き、静脈流から心房を分離し、骨を引き、脂肪を残す。特に、脂肪は、静的であり、そのため、脂肪を表す各ボクセルは、それと関連付けられたゼロ速度を有するべきである。MRI画像処理および分析システムは、有利なことに、すべての組織タイプのMRIデータセットを訂正するために、そのようなグランドトゥルースを利用し得る。
【0125】
脂肪タイプ組織について、非ゼロ速度が、見つけられた場合、これが、(例えば、すべての組織についての)データのセット全体を調整するために、使用されることができる。例えば、MRI画像処理および分析システムは、識別されたエリアまたはボリューム(例えば、脂肪または軟組織)に基づいて、多項式モデルを生成または作成し得る。そうしたものは、単純な多項式(例えば、ax2+bx+c)、またははるかに複雑な多項式(例えば、非有理一様bスプライン)であり得る。MRI画像処理および分析システムは、例えば、線形回帰法や線形代数法を使用して、多項式が画像に適合するような係数を見つけ得る。これは、MRI画像処理および分析システムが、脂肪または軟組織だけでなく、フィールド全体に適用し得る(例えば、それから引き得る)、モデルをもたらす。
【0126】
一実施形態においては、実際の患者データから引かれることができる、データの参照セットまたは「ファントム」モデルを作成するために、レプリカボディが、撮像される。レプリカボディは、実際の身体のMRI応答を模倣する材料で形成され得るが、血流を有さない。データの参照セットまたは「ファントム」モデルにおける位相勾配は、ノイズ(例えば、ランダムノイズ)を表し得、位相シフトを訂正するために、使用されることができる。この手法は、有利なことに、3Dデータに適合する多項式を生成する必要性を回避する。生成された参照セットまたはファントムモデルは、数カ月のMRI装置動作にわたって有効であり得るが、MRI装置が、保守点検または移動された場合、新しい参照データのセットまたはファントムモデルが、生成されるべきである。
【0127】
MRI画像処理および分析システムは、異なる組織タイプを除去するための、または静脈血流または心房血流のどちらかを除去するための、様々なフィルタまたはマスクを定義し得る。フィルタまたはマスクは、何らかの合理的な範囲外の血流(例えば、あまりにも高いもしくは速い、あまりにも遅いもしくは低い)、または血流が存在すべきでない解剖学的構造(例えば、骨)内を血液が流れているように見える場合など、異常な血流を除去し得る。フィルタまたはマスクは、何らかの閾値よりも大きい絶対値を有するマグニチュードを有する、ボクセルだけを表示するようにも、定義され得る。フィルタまたはマスクは、絶対値が何らかの定義された閾値よりも大きい、マグニチュードと速度ベクトルのクロス積の絶対値を有する、ボクセルだけを表示するようにも、定義され得る。さらに、例えば、高速度噴出を識別または表示するために、近隣ボクセルのベクトルと同じ方向を向いたベクトルを有する、ボクセルだけを示す、フィルタまたはマスクが、定義され得る。特に、異なる方向を向いた近隣ボクセルの速度ベクトルは、ノイズのインジケーションであり得る。
【0128】
[前処理]
[質量保存補正誤差低下]
この前処理アルゴリズムの目的は、フローデータを補正することである(セグメンテーション、フロー定量化、および背景位相誤差補正)。補正される必要がある3つのフローデータセットがある。すなわち、i)x速度、ii)y速度、およびiii)z速度、である。イメージングアーチファクト(例えば、乱流)およびノイズにより、フローデータはバイアスがかけられる。これを補正するために、質量保存(すなわち、物理的原理)が、フローデータを補正するために使用される。システム質量は、それが追加または除去されない場合、量を変更することはできないので、質量保存は、閉じたシステムの質量が経時的に一定のままでなければならないことを本発明者らに示す。したがって、境界が心臓内で定義される場合(すなわち、心室および血管の内腔辺縁)、静止ボリュームに入るフローは、流体が圧縮不可能である場合、ボリュームを出るフローと合致しなければならない。この理論は、任意のボリュームに適用可能である。血流の場合、本発明者らは、血液密度が一定であり、したがって、連続の方程式は、あらゆる所で速度場の発散がゼロであることを意味するように単純化すると仮定する。物理的に、これは、局所的ボリューム拡張率がゼロである(すなわち、du/dx+dv/dy+dw/dz=0)と言うのに等しい。あらゆる所でこの条件を強制することは不可能であるが、局所的ボリューム拡張は、すべての時点にわたって最小化可能である。du/dx+dv/dy+dw/dzを最小化するいくつかの異なるタイプのアルゴリズムがあるが、最も一般的なのは、流れ場の最小二乗発散なし近似値を生成するアルゴリズムである。発散を最小化する制約をもつ流れ場に対する最小二乗近似値を構築するいくつかの手段があり、これを達成するいくつかの異なるアルゴリズムがある。
【0129】
一般に、あらゆるパスを用いて剰余発散を最小化することを試みる、関与する反復的手法がある。加えて、正確な境界を知ることは血管/心室の、境界を通るゼロフラックスを保証するために重要である。前記境界がない場合、フローは、心筋および脂肪へと逃げることが可能にされてよい。加えて、画像内にアーチファクトがあることがある(すなわち、乱流によって引き起こされる)。ユーザが、アーチファクトがある領域(「不良なデータ」)を識別する場合、この領域は、「良好なデータ」領域内での速度値訂正に影響するために使用されない。
【0130】
これを解消する別の手法は、最適化を使用すること、すなわち、(局所的な影響を依然としてキャプチャし、平滑化を防止するために)元のベクトル場ができる限り小さく変更されることを保証しながら発散を最小化することを試行することである。
【0131】
運動量保存の法則は、壁せん断応力に加えて血管上での圧力勾配を推定するために、後の行為で適用可能である。この質量保存ステップは、正確な圧力推定を保証するために肝要である。
[時間領域を使用した自動位相エイリアシング補正]
【0132】
位相エイリアシングは、4Dフロースキャンに対して設定されたVENCが、速度値を、大きい正の値から大きい負の値までまたはその逆に「折り返し」させるには低すぎたときに、発生する。原理上は、この折り返しは、複数回起こり得る。
【0133】
速度データの全体的な時間変化を分析することによって、心臓周期の主要点(他の所で説明される)を決定することが可能である。ピーク拡張期における画像内に速度エイリアシングはないという仮定の下で、および空間内の単一点における速度は、実際には、時点によって±VENCよりも大きく変化しないという仮定の下でも、次のように空間内の各点の時間変化を調べることによって位相エイリアシングを補正することが可能である。
i)ピーク拡張期時点を識別し、その点に位相エイリアシングはないと仮定する。
ii)各獲得された速度成分の時間挙動を個々に調べる。
iii)各速度画像内の空間内の各点(ボクセル)に対して、時点ごとの速度の変化を追跡する。速度が、±VENCよりも大きく変化することが観察される場合、エイリアシングが発生したと仮定する。
iv)エイリアシングが検出されたとき、その点に対する折り返しカウントは、観察された速度がVENCよりも大きく低下した場合は増分される、または観察された速度がVENCよりも大きく増加した場合は減分される、のどちらかである。
v)各時点において、速度は、その点に対する現在の累積折り返しカウントに従って、折り返しカウントとVENCの2倍との積を追加することによって、変えられる。
vi)現在の時点が初期ピーク拡張期開始点に戻ると、折り返しカウントがゼロの値に戻ったことをチェックする。折り返しカウントがゼロに戻らなかった場合、空間内のその点(ボクセル)の処理は誤りであると考えられるべきである。
【0134】
方法は、他の方法を使用して対象となるピクセルを決定することによって、改善され、より高性能(performant)にされ得る。例えば、他の方法を使用して、血流を表す可能性が最も高いピクセルを決定して、これらのピクセルのみを処理してよい。
【0135】
この方法は、自己診断型であるという特徴および利点も有する。すべての有効な血液ボクセルに対する折り返しカウント(例えば空気とは反対に)は、そのボクセルに対する経時的な処理が終わったとき、ゼロに戻るべきである。誤差は、ボクセルごとに追跡可能であるが、これは、この誤差検出の方法が、あらゆる誤差ボクセルをつかまえることは請け合われないという弱点を有する。しかしながら、加えて、補正が適用されたピクセルの数の一部として低い全体的な誤差率を探すことによって、方法によって必要とされる必要な初期仮定が大部分は正しいかどうかを確かめることができる。
【0136】
[自動位相エイリアシング補正]
位相エイリアシングは、4Dフロースキャンに対して設定されたVENCが低すぎたとき、発生する。以下のためにエイリアス化されたボクセルを見つけることは非常に容易である。
i)各スキャンのVENCは、この情報はすべてのDICOM画像のヘッダファイル内にあるので、既知である。
ii)±VENC速度あたりでの流速の鋭い変化を識別する(すなわち、VENCが100cm/sに設定されている場合、±99cm/sあたりでの速度の鋭い変化を探す)。速度の鋭い変化は、ボクセルが100cm/sの速度値を有することがあり、隣接するボクセルは-99cm/sの値を有することを意味する。
iii)次いで、±VENCのあたりで鋭い勾配を有するすべてのボクセルを接続することによって、エイリアス化された領域の辺縁を見つける。
iv)これは、囲まれた境界をもたらす。囲まれた境界の領域内のすべてのボクセルがエイリアス化されるかどうかを決定する。境界で開始し、3D領域の重心の方へ移動することによって、システムは、(VENCを越えての)著しい急増がないことを保証するためにあらゆるボクセルを調べることができる。
v)急な急増が遭遇されない場合、VENC速度は、エイリアス化された領域内のすべてのボクセルに追加可能である。
vi)急な急増が遭遇された場合、問題は、もう少し厄介になる(が、依然として解決可能である)。この場合、ボクセルは、数回折り返される可能性がある(すなわち、VENCが100cm/sに設定されているが、ボクセルにおける速度は実際には499cm/sである場合、これは2回折り返され、速度は99cm/sと示されるであろう)。データを補正する手段は、隣接するボクセルの速度を見ることである。VENCの1.5倍を超える急増がある場合、2*VENCが、その閉じられた領域内で加えられるまたは引かれる必要がある。加えるまたは引くという選択は、隣接するボクセル間の不連続性を最小化するために選ばれる。
vii)アルゴリズムをさらに改善するために、静的な組織はどこかについての情報は、絶対的ゼロはどこでなければならないかを定義する際に肝要となり得る。静的な組織は0速度を有するので、静的な組織であると識別されるそれらのボクセルは、折り返されてはならない。次いで、物理的性質により壁から離れるスピードの連続的な増加がなければならない(すなわち、流体境界層)。これのすべてにおける唯一の仮定は、隣接するボクセルは、互いの間で1.5*VENCよりも大きい急増を有さないことである。
【0137】
[スプラインリアルタイム渦電流補正]
MRI獲得が実行されるとき、データは、磁場内の渦電流によるアーチファクトを含み得る。粒子速度が獲得される4Dフロー獲得では、アーチファクトは、速度値を正しくなくさせる。4Dフローを用いて、血管を通る血流を定量化するために正確な速度データを有することが肝要である。
【0138】
渦電流アーチファクトを補正するための少なくとも1つの技法は、
- 静的な(ゼロ速度)組織の体積測定セグメンテーション、および
- これらの静的なロケーションにおける速度データを使用して、未加工のデータから引くことが可能であるボリュームに曲線に適合すること
を伴う。
【0139】
静的な組織を表すボリュームマスクを考えて、恣意的なサイズの3Dブロックが評価される。
【0140】
ボリューム内のブロックが、十分なマスクされたボクセルを含む場合、それは静的な組織であると考えられる。次いで、静的組織ブロックの各々に対する平均速度が、3つの主軸方向の各々におけるスプライン関数の集まりに対する制御値として使用される。3方向すべてにおけるすべてのスプライン関数を評価した後、結果は、元の解像度にアップサンプリングされ、次いで元のデータから引くことが可能である値の規則正しいグリッドである。引いた後、静的な組織は、ゼロという有効速度を有するべきであり、非静的な組織は、渦電流アーチファクトが除去されるであろう。このことは、正確なフロー定量化を可能にする。
【0141】
セグメント化されたボリュームを考えて、著しく低い解像度の新しいボリュームが生成された。この新しいボリューム内の値は、より大きいボリュームから値を平均化した結果であるが、要素のうちのいくつかは、セグメンテーションによってマスクされるので、低解像度ボリューム内の要素は、著しく少ない高解像度データを有し、潜在的に、高解像度データは有さないことがある。データをもたないまたは不十分なデータをもつ要素は、捨てられる。この点における結果は、その中に穴をもつ規則正しいグリッドである。スプラインボリュームに対するテンソル積を評価するために、初期パスは、利用可能な制御値の数によりスプラインの次数が変化し得る要素の各行に対するスプライン基底関数を評価する。第1のパスの後、穴はなく、そのため、テンソル積の残りが評価可能である。本発明者らのテストデータの分析に基づいて、この新しい革新的な手法からの結果は、ボリューム内の誤差を表す滑らかな3D時変関数であり、計算が非常に高速である。
【0142】
第3のステップに関して、補正アルゴリズムを適用する本発明者らの手法は、補正ボリュームから三重線形(tri-linear)サンプリングを使用することであり、これは、成功を証明した。ソースボリューム内の各要素に対して、本発明者らは補正ボリューム内の8つの要素の三重線形ブレンドを実行し、その値をソースデータから引く。新しい補正関数を適用した後、フロー測定は、3%誤差以内にあることが見つけられた。加えて、プロセスの一部がユーザ対話を必要とするとき、本発明者らの新しい補正を評価および適用することは、時間ではなくミリ秒程度を要するので、リアルタイム実行の要件も満たされた。
【0143】
[背景位相誤差補正のためのソリッド]
4DフローMRIスキャンにおける血流速度情報は、正確な血流計算を得るために補正される必要がある誤差を有する。静的な組織内の誤差信号は、非静的な組織(他の所で説明される)に補正関数を提供するために使用可能である。ソリッドと呼ばれる組織の3次元ボリュームは、静的な組織または非静的な組織のどちらかの断面を識別するために作成可能である。ソリッドは、2つの方法を使用して作成可能である。
直交輪郭:ユーザは、3つの交差する閉じた輪郭を手動で描画することができる。これらの輪郭の交点は、静的な組織または非静的な組織のどちらかのソリッド3次元ボリュームを表す。輪郭は完全に直交する必要はなく、ユーザは、任意のロケーションで輪郭を作成することができる。
3Dフラッド:ユーザは、あるいは、3次元フラッドの開始点を指定することによって、ソリッドを自動的に作成することを選ぶことができる。フラッドは、位相画像を含む任意の画像上で使用可能である。画像は、ユーザがクリックした点における値よりも上および下にある閾値に基づいてフラッドされる。ユーザは、閾値と生成されるフラッドの半径の両方を制御することができる。
【0144】
複数のソリッドは、静的な組織と非静的な組織の両方のエリアをマスクする方法のどちらかを使用して作成可能であり、既存のソリッド内のエリアをマスク解除するために互いに重複して使用可能である。
【0145】
いくつかの状況では、画像内にアーチファクトがある。アーチファクトは、ユーザが正しくない診断を下すのを防止するために除去または強調される必要がある。本発明者らのソフトウェアは、データセット内のボクセルのすべてに基づいてメトリックを算出する前処理ステップ(すなわち、渦電流補正)を有する。これらの前処理ステップを回避するために、アーチファクトを有するボクセルを識別するためにツールが使用され、これらのボクセルは、任意の前処理ステップから除去される(が、可視化目的で除去されない)。ツールは、手動セグメンテーションツール(すなわち、ユーザが、アーチファクトを有するエリアを丸で囲む)であってもよいし、アーチファクトを識別する半自動/自動セグメンテーションツールであってもよい。ツール特性に関係なく、本発明者らのソフトウェアは、定量化されることから「不良なボクセル」を除去するために特徴を必要とする。
【0146】
[自動背景位相誤差補正]
4DフローMRIスキャンにおける速度の正確な測定は、渦電流によって導入される疑似信号に対する補正の適用を必要とする。渦電流補正(ECC)を決定することは、静的な(動かない)組織内の速度信号を調べることによって行われる。これは、すべての動いている組織、血液、および空気のマスクを必要とする。この主張は、これを、ユーザ介入なしで自動的に行うための方法について説明する。自動補正は、それがソフトウェアをより単純にし、使用するのをより迅速にするだけでなく、それが、補正を事前算出し、ユーザが最初にスタディを始めるときに適用されることを可能にするので、有用である。それは、自動セグメンテーションおよび測定のようなことをする他の前処理アルゴリズムがECCから利益を得ることを可能にするので、それは非常に重要である。
【0147】
自動ECCは、スタディが始まった後に次いでユーザが自由に調整する3つのフィルタに対する初期開始値を算出することによって行われる。空気は、設定された閾値を下回る解剖学的画像値をもつ領域をマスクすることによってマスクされる。この閾値は、スキャンボリューム全体にわたる解剖学的画像値に関するヒストグラムの分析によって、自動的に決定される。胸腔上のこれらの値に関するヒストグラムは、空気に対応する画像値の自動検出を可能にするパターンを表示する。
【0148】
加えて、血流の領域および心臓壁運動の領域を確実に検出する2つのフィルタが開発された。心臓の領域は、これらの2つのフィルタを適切に設定することによって十分にマスクすることができる。それらの自然に一致する性質と共にこれらのフィルタの製作において使用される正規化により、満足のゆく結果は、単にこれらのフィルタを所定の値(例えば、50%)に設定することによって取得可能である。これらのフィルタの自動設定は、空気の領域の検出に関して前の段落において説明されたものと同様に、これらのフィルタによって生成された値の分析によってさらに改善され(または微調整され)てよい。設定は、結果として生じるECCを調べ、心臓周期にわたる大きな変動を示す領域を探すことによっても微調整されてよい。
【0149】
スタディが前処理されるときに決定される、これらのフィルタに対する正しい値は、次いで、単に他のスタディ情報と共にデータベース内に記憶され、クライアントソフトウェアが、これらを、スタディが最初に始められたときにデフォルト値として設定することを可能にする。
【0150】
[可視化]
[時間的なランドマーク定量化および可視化]
身体内、具体的には心臓内のランドマーク(すなわち、点、線、面、エリア、ボリューム)を識別することを可能にすることは、有用である。いくつかのランドマークは、本質的に動的であり(例えば、僧帽弁面)、したがって、それらの動きを適時に追跡することは重要である。
点:3D経路(線である)を経時的に追跡する。
線:2つの端点の3D経路を経時的に追跡する。
面:面上の点および面の法線ベクトルを経時的に追跡する。
エリア:拡張する輪郭、輪郭重心、および輪郭法線ベクトルを経時的に追跡する。
ボリューム:ボリュームのサーフェスを離散化し、各離散化された点を経時的に追跡する。
【0151】
時間的なランドマーク定量化および可視化に対する2つの行為がある。
1)検出:第1のステップは、ランドマークを経時的に識別することである。これは、手動で行われてもよいし、自動的に行われてもよい。
手動検出:ユーザは、各ランドマークの位置および方位を示すことができる。これを行う1つの方法は、パンを使用して画像をナビゲートし、画像の中心がランドマークの所望のロケーションにあるように回転させることであってよい。ランドマークのロケーションは、様々な時点によって異なってよく、それは、ユーザがそれを明示的に設定していない時点に対して補間される。それは、ランドマークが補間された場合、ユーザに対して示される。
2)表示:ランドマークのタイプに応じて、データを表示する異なるタイプの方法が使用される。例えば、輪郭が、その法線ベクトルを経時的に動かないまたは変更しない場合(すなわち、拡張するだけ)、ユーザの像面が変更せず、輪郭と常に位置合わせされているのは、理に適う。この輪郭が動く場合、本発明者らは、各時点に対して像が面と常に位置合わせされているように、面を辿って想像することができる。像面は、ラグランジュ観点またはオイラー観点のどちらからでもよい。ボリュームの場合、ボリュームのサーフェスが拡張する場合、オイラー観点がより適切であり、これは、空間内で固定されたカメラを用いて可視化可能である(ユーザは、必要に応じてカメラロケーションを変更することができる)。
心臓像:左心室心尖、右心室心尖、僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、および肺動脈弁は、ランドマークが検出されると、右心室と左心室の両方の二腔像、三腔像、四腔像、および短軸像を作成するために使用可能である。これらの像の方位は非特許文献1において指定されている。各像に対する方位およびズームレベルは、ランドマークの位置から計算可能である。ランドマークの位置が適時に変更する場合、像は、それに応じて適時に変更する。
各像に対する例示的なランドマーク:
左二腔: 大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、左心室心尖
左三腔: 大動脈弁、僧帽弁、左心室心尖
左四腔: 三尖弁、僧帽弁、左心室心尖
左短軸: 僧帽弁、左心室心尖
右二腔: 肺動脈弁、三尖弁、僧帽弁、右心室心尖
右三腔: 肺動脈弁、三尖弁、右心室心尖
右四腔: 三尖弁、僧帽弁、右心室心尖
右短軸: 三尖弁、右心室心尖
【0152】
[対話的なランドマークベースの像]
いくつかのランドマークが配置されると(例えば、大動脈弁、僧帽弁、左心室心尖、前乳頭筋、後乳頭筋、肺動脈弁、三尖弁、右心室心尖、LPA、RPA、SVC、IVC、下行大動脈)、自動的な像が、対象となる解剖学的構造を表示するために作成可能である。臨床医は、3つの直角をなす像を用いてあるランドマークを見ることに慣れている、または心臓の場合は、四腔像または左心室もしくは右心室二腔像もしくは三腔像を使用することに慣れている。時点の1つに対して1つだけのランドマークのロケーションを更新することによって、すべての像は、それに応じて、像が常に直角をなす、または二腔像、三腔像、および四腔像がそのままである、のどちらかであるように更新される。ランドマークが配置され、ビューが自動的に生成されると、これらの像は、ソフトウェアのレポートセクション内に保存され、シネ動画(すなわち、経時的な複数の画像)を含む任意のフォーマット(すなわち、画像)でエクスポート可能である。
【0153】
[閉じた輪郭からの4Dメッシュ作成]
輪郭が各時点に対して短軸(場合によっては湾曲した)に沿って配置されると、次いで、各時点に対してメッシュが独立して生成される。これは、捻れを最小化するように短軸スタック内の各輪郭を回転させ、次いで、輪郭内の各点に対して、各輪郭内の第1の点を接続する開いた3次スプライン、第2の点を接続する第2のスプラインなどを生成することによって行われる(各スライスの輪郭は同じ数の点を有する)。このプロセスの結果は、本発明者らがメッシュの頂点として使用する点の円筒状グリッドである。
【0154】
捻れを最小化にするプロセスは、1つの輪郭の重心から上記の輪郭の重心への開いた3次エルミートスプラインを算出し、次いで、より低い輪郭上の各点からこのスプラインを、それが、その上の輪郭がある面と交差するまで、走らせることによって行われる。システムは、この交差点を算出し、次いで、これらの交差点のうちのどれが上部輪郭内の実際の輪郭点に最も近くにあるかを決定する。次いで、輪郭は、これらの2つの点が同じ長軸スプライン上にあるように回転される。
【0155】
輪郭が適度に円形であり、隣接する輪郭間の差が空間的に最小であるとき、現在の実装形態は、湾曲した軸とまっすぐな軸の両方と適度に良く協動する。しかしながら、輪郭が円形でない右心室の場合、過度の捻れが、時々、現在の実装形態によって導入される。これを最小化するために、本発明者らは長軸スプライン手法から脱し、任意の2つのスライス間の三角形の数が異なることがある手法に切り換えるべきである。これを行うことは、捻れをより局所的に最小化し、これは、全体的なより滑らかなメッシュをもたらすであろう。
【0156】
[フローツールへのスナップ]
4Dフロースキャンにおいて血流を正確に観察または測定することは、ユーザに、MPRを、それがフローの方向と直角をなすように位置合わせするように要求する。これは、ユーザがMPRの正しい方位を自動的に設定することを可能にするツールを作成するための方法について説明する。
【0157】
MPRを位置合わせするために、ユーザは、最初にツールを作動させ、次いで問題の血流の中心領域をクリックする。次いで、クリック点は、MPRが位置合わせされたとき、回転の中心として働き、クリック点を結果として生じるMPRの中心に動かす。位置合わせは、クリック点の周囲の小さい領域内の血流を平均化することによって行われる。これを正確に行うために、測定は、ユーザがツールを使用しながら現在見ている時点に関係なく、ピーク血流に対応する時点を使用して行われる。これは、一般に、ピーク収縮期において測定を行うことを暗示する。
【0158】
ユーザは、ピーク収縮期に対する時点を調整することが可能にされているが、この点は、データセットの前処理中にソフトウェアを実行することによって自動的に最初に決定され、この自動的な値は、スタディがユーザによって最初に始められたときにデフォルトとして使用される。フィルタが、スキャンされたボリューム内の血流の領域を自動的に決定するために開発されている(他の所で説明される)。次いで、ピーク収縮期が、血液に対応するように決定されたフィルタされた領域またはマスク領域内の全体的なフローの時間依存性を調べることによって決定される。
【0159】
フローの方向が正確に決定されると、MPRの方位だけを、それが、フローと直角をなす面上にあるように調整することは簡単である。
【0160】
[定量化]
[自動血流定量化]
室および/または血管内の血流は、血液プール(本文書において説明されるセグメンテーション方法を参照されたい)を最初に単離し、室/血管内のフローとほぼ直角をなすランドマーク(上記の方法を使用して定義可能である)上に面を配置する(すなわち、面の法線がフローと位置合わせされる)ことによって、自動的に定量化可能である。これらの2つの行為が達成されると、面と血液プールとの間の交点が、輪郭を作成する。輪郭内のすべてのボクセルは、フラグが立てられる。次は、あらゆるボクセルに対して(ボクセルの面積によって正規化することに加えて)面の法線ベクトルとそのボクセルの速度ベクトルのドット積を合計して、全フローを得ることである。その輪郭におけるフローは、スクリーン上またはレポート内に自動的に表示可能であり、最終的にエクスポートされてよい。
【0161】
ユーザが画像上の位置を選択することを可能にすることは、多くの重要なアプリケーションを有する。測定を実行する際、ユーザは、1つの点から別の点までの距離を測定することを望むことがある。データのボリュームからのMPRを使用するアプリケーションでは、画像上の点は、3D空間内のロケーションを表す。これらの3D点は、画像と関連付けられたメタデータから算出するのは容易である。ボリュームレンダリングを使用するアプリケーションでは、ユーザが3D空間内の点を選択することを可能にすることは、各ピクセルが異なる深度にあることがあるので、より困難である。
【0162】
アルファが1.0に到達すると終わる増加するアルファ合成関数を用いた一般的な前面から後面へのボリュームレイキャスティングでは、ピクセルの深度を決定することは、どこでレイが終わるかを追跡することによって行われ得る。後面から前面にレイキャスティングするとき、早期のレイ終結はない。結果の色は、単に合成関数に基づいて更新される。一般に、合成関数は空気を透明にし、したがって、色は、レイが目に最も近い物質を出ると変化をやめる。いつ色が変化をやめたかを追跡することによって、各ピクセルに対するこの深度は、2Dユーザにより選択された座標を空間内の3Dロケーションに変換するために使用可能である。この3Dロケーション選択は、血液血管を選択し、次いでフローを自動的に定量化するために使用可能である。
【0163】
[自動吻合検出]
吻合のための正確なロケーションを見出すことを試みる代わりに、第1の動作は、吻合が存在するかどうかを識別することである。吻合が存在するかどうかを識別する1つの単純な方法は、左心臓フロー(Qs)および右心臓フロー(Qp)を測定することである。QpおよびQsは、ランドマークおよび血液プールセグメンテーションが完了した場合、手動(例えば、輪郭を配置することによって)または自動的のどちらかで測定可能である。これらの数がある閾値内で合致しない場合、スキャンは、吻合を潜在的に有するとフラグが立てられ得る。
【0164】
これらの測定は、以下の技法を使用して自動的に行われてよい。
i)心拍出量(Qs)の自動測定は、大動脈弁および肺動脈弁のロケーションの自動推定と共に大動脈フローと肺動脈フローの両方に対するマスクの製作であると、他の所で説明される。
ii)弁領域が識別されると、それらとすでに決定された肺動脈フロー領域を選び、弁からわずかに下流に動かし、心拍出量に関して説明されたものに類似した手段でフロー測定輪郭を製作することは、簡単なタスクである。肺動脈フローを測定するために適した輪郭が識別されると、既存のフロー測定アルゴリズムが、右心室から拍出量を決定するために使用可能である。
iii)自動フロー測定を使用して、吻合が存在する可能性を示す。
[ピーク収縮期およびピーク拡張期および収縮末期および拡張末期の自動検出]
【0165】
多くの自動処理は、心臓周期内の主要な時間的ランドマークすなわちピーク収縮期およびピーク拡張期および収縮末期および拡張末期に対応する時点を最初に識別できることに依存する。
【0166】
他の所で説明されるように、心臓の周囲の主要な動脈および静脈と共に心臓内の血流の領域を識別するために、速度画像に対してフーリエ分析技法を使用することが可能である。これらの血流の主要な領域が識別されると、各時点(一般に20の時点)における、識別されたボクセル上での全血流を見出す。次いで、システムは、結果として生じる時間の関数を分析して、心臓周期内のランドマークを決定することが可能である。最も多いフローをもつ時点が、最初にピーク収縮期ランドマークに割り当てられる。そこから、関数は、フローが平らになる傾向がある点を決定するために、時間的に両方向に分析される。全フローが平らになる、ピーク収縮期の前の点(それが急速に上昇し始める直前の点)は、拡張末期に対応する。ピーク収縮期の後、全フローは、それが平らになるまで急速に低下し、これは、収縮末期に対応する。ピーク拡張期は、一般に、明瞭に定義された点ではなく、そのため、本発明者らは、この時間的なランドマークを、収縮末期と拡張末期との間の中間の点に配置する。
【0167】
[自動心拍出量および体積測定の測定]
心拍出量の自動測定は、以下の方法を使用して行われる。
i)すでに決定されたピーク収縮期ランドマーク(他の所で説明される)と共に、速度画像の主要なDFT成分間の関係は、左心室および右心室からの動脈フローの主要な領域を識別するために使用される。
ii)様々なフロー連続性フィルタが、動脈フロー領域を2つのピースすなわち大動脈フローおよび肺動脈フローへと分離するために次々と使用される。最大速度をもつ初期動脈フローマスク内の点は、大動脈または肺動脈のどちらかの中にあることが知られている信頼性の高い点を提供する。フローの2つの領域の分離は、例えば、最大フローの点で開始するフラッド可能である、結果として生じるフィルタ内の領域のサイズの調査によって、決定可能である。第1のピースが識別されると、第2のピースが、例えば、残りの領域内の最大フロー点からのフラッディングによって、識別可能である。
iii)2つの領域すなわち大動脈フローに対応するものと肺動脈フローに対応するものが識別されると、この2つの領域は、成長して限られた量回復することが可能にされ得(個々のピクセルは、1つのマスクまたは他方のマスクに割り当てられるのみである)、元の動脈フローマスクは、成長の量に絶対限界を提供する。少なくとも少しのマスクの拡張を可能にすることも、先行するプロセス動作が、方法における次のステップを隠す傾向がある、結果として生じる領域に小さな穴を開けた可能性があるので、非常に重要なことがある。
iv)2つのフロー領域は、互いに対するそれらの空間的な関係と、それらの非常に異なる予想形状および空間内の方位に基づいて、大動脈フローおよび肺動脈フローとして識別可能である。これが行われると、元の動脈フローマスクが2つの領域へと本質的に分割され、一方は大動脈フローとラベルが付けられ、他方は肺動脈フローとラベルが付けられる。
v)大動脈は本質的に1つの連続したパイプであるので、大動脈の経路は、2つの端が到達されるまで、動脈内の開始点からトレース可能である。各点において、主要なピーク収縮期フロー方向は、その点の周囲の小さい領域にわたって平均化することによって決定可能である。次いで、フロー方向に対する直交が、マスクされた大動脈領域をもつ境界を決定するために開始点から規則正しい角度間隔で投影され、したがって、開始点の周囲のほぼ円形の輪郭を決定することができる。
vi)輪郭が、何らかの開始点に対して主要なフロー方向に直交する面上の多角形と決定されると、開始点は、多角形内で再度中心に置かれる。この点で、小さいステップ(例えば、1ミリメートル)は、開始点からどちらの方角にトレースしているかに応じて、正または負のフロー方向で中心点から取られ得、次いで、プロセスが繰り返される。これは、各端においてマスクから出るまで継続される。
vii)輪郭が大動脈に沿って規則正しい間隔で製作されると、メッシュを本質的に製作して、それらは、解剖学的画像(血流増強データセットを扱う場合に可能である)、または収縮期時点に対する速度およびその間の補間を通して使用することによって、のどちらかを使用して、各個々の時点で改良される。1つの可能な手法は、スネークアルゴリズムを使用して、各時点において各輪郭に対する所望の境界を正確に識別することである。
viii)改良された輪郭が決定されると、各輪郭の外径および内径が測定され、外径は最大直径であり、内径は、外径に直交する最大直径である。
viii)次のタスクは、大動脈弁と大動脈の頂部に発生する分岐部との間の上行大動脈の主要な領域内の良好な輪郭を識別することであるが、これは、心拍出量を測定するときに使用される必要がある領域であるからである。これは、いくつかの行為で行われ得る。最初に、上行大動脈領域は、フロー方向によって下行領域から容易に分離される。次いで、残りの輪郭は、輪郭エリアの連続性および可変性と大動脈内の1つの点における空間的(大動脈に沿って)と時間的の両方で直径(外径および内径)の組み合わせを使用してスコア付与可能である。スコアは、個々の、高いスコアが付与された、輪郭を単に識別するのとは反対に、良好なスコア付与の領域を探すために、大動脈に沿って平均化可能である。この方法を使用して、大動脈の頂部における分岐部の近辺における領域と、大動脈弁の近くおよび左心室内へと存在し得る領域も消去することができるが、これらの領域は、それらの性質からして、悪くスコア付与されるであろう。
ix)上行大動脈の良好な領域が識別されると、最高スコア付与の個々の輪郭は、実際の心拍出量測定のために選択可能である。可能ならば、測定は、上行大動脈に沿って複数の点において行われ、これは、可変性を調べることによって測定の品質の自動決定を提供する(それによって、測定不確実性の推定も提供する)ことと共に、平均化することを通して、結果を改善する。加えて、上行大動脈に沿ってフローの複数の測定の結果を調べることは、現在適用されている速度渦電流補正の品質に関する判断を可能にする。
x)理想的な輪郭が上行大動脈に沿って選択されると、心拍出量が、通常のフロー測定技法によって決定される。
【0168】
[4D体積測定の測定]
特定の領域のボリュームを計算するために、本発明者らは、分析サービスプロバイダ(ASP)システムインターフェース内の3つのオプションを開発した。
【0169】
オプション1:固定軸
3D空間内の2つの点は、対象となるボリュームの主軸を定義する。直線は、これらの2つの点を接続する(すなわち、固定軸)。次いで、この軸は、スライスが配置されるロケーションを定義する離散的な点(例えば2~40)へと分割される。スライスは、それらが交差しないように軸と直交して位置合わせされる。スライスは、均等に離隔される必要はない。MPRは、ユーザが、そのスライスロケーションにおいて医療画像がどのように見えるかをわかることを可能にするために、すべてのスライスロケーションにおいてレンダリングされる。次いで、手動または自動的のどちらかで、閉じた輪郭は、そのスライスロケーションにおいてボリュームの境界を定義するために、あらゆるスライス上に作成される。あらゆるスライスロケーションに複数の閉じた輪郭がある可能性がある。1つまたは複数のスライス上に輪郭が全くない可能性もある。4Dまたはより高次元のスタディ(すなわち、ボリューム変化を示すスタディ、または前記異なる、スライスごとに複数のフレーム)の場合、フレームごとに別個の輪郭であり得る。すべての輪郭が、すべてのフレームおよびスライスに対して配置されると、特定のフレームに対するすべてのスライスの輪郭を接続する3Dサーフェスが作成される。閉じた輪郭のセットから3Dサーフェスが作成される手段は、上記の「閉じた輪郭からの4Dメッシュ作成」において説明されている。4Dまたはより高次元のボリュームがある場合、ボリュームの変化は、各フレームのボリュームを算出し、それを別のフレームと引くことによって計算可能である。これは、心室機能を定量化することを試み、次いで心室機能が一回拍出量および駆出分画を与えるときに、特に重要である。
【0170】
オプション2:まっすぐな軸を動かす
この方法は、4Dボリュームの場合、軸の2つの端点を定義するランドマークまたは点が各フレーム(例えば、時点)上で動くことができることを除いて、オプション1に類似している。これは、ボリュームに、ボリュームを変更することなく3D空間内のロケーションを潜在的に動かす。
【0171】
オプション3:固定された湾曲した軸。
この方法は、2つの端点を接続する線はまっすぐである必要はないことを除いて、オプション1に類似している。この線は、湾曲されてもよいし、複数のまっすぐなセクションおよび湾曲したセクションを有してもよい。これは、2つの端点間の点/ロケーションを接続するスプラインをもつシステム内で扱われる。これらの点/ロケーションは、どこであってもよく、必ずしも2つの端点間にあるとは限らない。
【0172】
オプション4:湾曲した軸を動かす
この方法は、4Dボリュームの場合、湾曲した軸の2つの端点を定義するランドマークまたは点が各フレーム(例えば、時点)上で動くことができることを除いて、オプション2に類似している。これは、ボリュームに、ボリュームを変更することなく3D空間内のロケーションを潜在的に動かす。
【0173】
上記のオプションのすべてにおいて、複数の軸がある可能性がある。例えば、1から2に分割する「Y」字形軸である可能性がある。分割し1つになってボリュームを作成する、まっすぐな軸と湾曲した軸の両方を有するオプションもある。これのポイントは、主軸(すなわち、中心線)を依然として有するより複雑な形状を説明することである。
【0174】
上記のオプションのすべてでは、3DボリュームがどのようにMPRと交差するかを表示するオプションもある。交点は、1つまたは複数の閉じた輪郭の集まりでなければならない。これらの閉じた輪郭は、MPR上でレンダリング可能である。加えて、これらの閉じた輪郭は、新しい(非直交)像において輪郭を動かすことによって編集可能である。交点輪郭は、クライアント上ならびにサーバ上の両方で算出されてもよいし、ローカルリソースに応じて適応性であってもよい。心臓イメージングの場合、共通する非直交像は、二腔像、三腔像、および四腔像である。輪郭は、編集がある方向にある(すなわち、スライス面に沿って)ことのみを可能にすることによって、これらの像において編集可能である。
【0175】
[面外測定および追跡モード]
体積測定MRIデータからの心臓系内の測定は、いくつかの複雑性を有する。例えば、弁面の形状、位置、方位、および速度は、心臓周期にわたって著しく変更することができる。本発明者らは、これを、3D空間を通る2D輪郭を使用することによって解決する。次いで、手動または自動的のどちらかで、輪郭は、フロー方向と最も直角をなす面上の弁開口の辺縁に配置される。弁面の位置および方位は、心臓周期の各位相に対して追跡される。フローの評価は、標準的な有限方法統合を通して実行されるが、弁面が動いている場合、弁面の線形速度および角速度は、その位相に対するフロー算出に含まれ得る。可視化中、位相を繰り返すとき、MPRの位置および方位は、弁面と共に追跡することができる。現在のMPRが面外にあるときに測定が可視化される場合、輪郭は、半透明でレンダリングされる。
【0176】
[セグメンテーション]
[連続の方程式により駆動される、血液プールのセグメンテーション]
もう一度、非圧縮性仮定をもつ質量保存(すなわち、連続性)は、発散は血液プール内のあらゆる所でゼロでなければならないことを示すために使用可能である。あらゆる所で発散を算出することによって、システムは、閾値発散値によって血液プールの範囲を定義することができる。血液プールの外部の発散はより大きい(すなわち、肺内に空気)、または速度は低い(すなわち、静的な組織内の速度信号)、これらは両方とも、内腔境界を識別する際の助けとなる。発散マップは、セグメンテーションアルゴリズムの唯一の入力である必要はなく、代わりに、それが、他の入力に追加されてもよく、適切に重み付けされてもよい。
【0177】
[自動ランドマーク検出]
自動ランドマーク検出アルゴリズムを作成する一般的な手段は、ある形状を画像内で探し、これらの形状間の距離および角度を測定することである。測定値がある帯域内にある場合、それらは分類される。いくつかの他の生理学的入力が、アルゴリズムに追加可能である。例えば、あらゆる心拍と共に実質的に増加および減少させる流体のボリュームを設置すること(これは、心室である可能性がある)。心室が見出されると、弁の入口および出口は、ストリームラインを辿ることによって見出され得る。弁が見出されると、残りの弁を見出すことはより容易であるが、それは、それらが、一般に常に互いからある距離および角度が離れているからである。
【0178】
ランドマークを見出すために選択されるアルゴリズムは、機械学習タイプであってよい。ASP(例えば、Arterys)は、正しいランドマークを用いて有効性が確認されたデータを常時収集しているので、このデータを臨床医によって配置することは、トレーニングセット(例えば、データの統計的集約)として使用される必要がある。分析される必要があるあらゆるデータセットは、トレーニングセットデータを用いて構築される「アトラス」と共に共同登録可能である。十分な数のデータセットが収集されると、疾患のタイプ(すなわち、健常、ファロー四徴症など)などの追加の入力パラメータが、分析される前にデータセットをビンに入れるために使用可能である。あらゆるビンは、疾患のタイプおよびどのような病状が予想されるかに応じて、わずかに異なるランドマークおよび測定を有することがある。データセットが、単心室を有する患者であることが知られている場合、自動ランドマーク検出アルゴリズムは、それが4つの弁を見出すことは決してないので、これに合うよう調節する必要がある。
【0179】
特に、大動脈弁ランドマークおよび肺動脈弁ランドマークは、以下のプロセスを使用して決定可能である。
i)左心室および右心室からの動脈フローに対応する領域を識別する。高い信頼性をもってこれを行うことが可能であるフィルタが開発されている(他の所で説明される)。
ii)動脈フローの領域を、2つの領域、すなわち大動脈に対応するものと肺動脈に対応するものへと分離する。このプロセスは、「心拍出量」の下で詳細に説明される。
iii)左心室からのフローまたは右心室からのフローのどちらかに対応する1つの領域が決定されると、他方の領域が、両方のフローに対応する開始領域から引くことによって決定される。次いで、領域は、それらの物理的寸法および空間内での方位に基づいて、左心室フローまたは右心室フローとして容易に識別可能である(同じく、「心拍出量」の下で説明される)。
iv)フローの2つの領域が識別されると、大動脈弁および肺動脈弁のロケーションに対する初期近似は、その見かけ上の起点へのバルクフローを注意深くトレースすることによって決定されることが可能である。
v)信頼できる初期推定値が、2つの弁のロケーションに関して生じさせられると、他の技法が、弁ロケーションを改良するために使用可能である。例えば、弁のロケーションを改良するために、初期推定を取り囲む領域内の血流加速度および強度を調べてもよい。
【0180】
[対話式4Dボリュームセグメンテーション]
心臓スキャンからの心室のセグメンテーションは、心室機能を決定するのに肝要である。自動心室機能技法は、以下を伴うことがある。
- スプラインの制御点を表す2つ以上の点の入力、
- スプラインの端点は、心室の心尖および出口弁(肺動脈または大動脈)を表す、
- これらの点を使用することは、スプライン曲線に沿って定期的な間隔で曲線の接線に設定された面法線をもつMPRを生成する、
- 各MPR上で、心室の境界(心外膜または心内膜)を見出すためにアクティブ輪郭モデルを適用する、および
- これらの輪郭の各々の点を使用して3Dメッシュを生成する。
【0181】
アクティブ輪郭モデルは、それらに対して作用する力からの不安定性にさらされる。この不安定性を低下させるために、輪郭を、それらが所望の出力間隔(輪郭間の距離)で離隔されるように単に生成する代わりに、システムは、一緒に非常に密に離隔された多くの輪郭を生成する。同じく、入力データが時間的データを有する場合、同じロケーションにある輪郭は、隣接する時点からのデータを使用して生成される。次いで、輪郭形状および品質が、心室からの典型的な輪郭に対して測定される。輪郭が十分な品質であると思われる場合、それは、最終結果を生成する際に含まれる。最終結果は、入力曲線に沿って位置および時間に近い、含まれる輪郭を平均化することによって生成される。収縮末期と拡張末期の両方で構築されるメッシュを用いると、ボリュームの差は、心拍出量および心室機能を表す。
【0182】
例示的な一実装形態では、ASPシステムおよびソフトウェアは、シングルクリック4Dボリュームセグメンテーションを提供する。これは、ユーザが、3Dボリュームを自由にナビゲート(すなわち、回転、パン、ズーム、スライススクロール、時間スクロール)しながら、対象となるエリア(例えば、血液プール、心筋、骨など)をクリックすることを可能にする。フル3Dボリュームセグメンテーションアルゴリズムは、構築し、正確であるのは難しいので、第2のオプションは、ユーザがセグメント化したいエリアの境界をユーザが引く間、ユーザに3つの直交像を表示することである。心臓の場合、表示される像は、短軸像に加えて、心臓の二腔像、三腔像、および四腔像であってよい。ユーザは、長軸において2つの直交輪郭を作成しさえすればよく、次いで、ソフトウェアは、2つの輪郭を補間することに基づいて、3Dサーフェスを自動的または自律的に作成することができる。3Dサーフェスは、迅速な修正のために短軸においてユーザに示され得る。解剖学的画像を示すことに加えて、血流速度画像(ベクトルをもつまたはもたない)が、対話式3Dボリュームセグメンテーションプロセス中に血液プール境界がどこにあるかをさらに明確にするために、解剖学的画像上に重ね合わせ可能である。
【0183】
[適応性フラッドフィル]
システムは、フラッド中に使用される接続性(6、18、または26方角接続性)によって、2D対3Dとして、およびステップの最大数によって半径制約対フラッド制約として区別され得る、複数のタイプのフラッドを利用する。すべての場合において、フラッドは、それが、1)フラッドの残りに接続され(どのような接続性が指定されたとしても使用して)、2)シード点においてピクセルの指定された閾値内の強度を有し、3)ピクセルが、シード点の最大数のステップの指定された半径内にある場合、指定されたシード点から外側に動き、フラッドの結果にピクセルを含めることによって機能する。ブラッドの結果は、2次元または3次元の接続されたマスクである。フラッドアルゴリズムは、静的/非静的な組織をマークするために3Dフラッドの形態でソリッド内で、2Dフラッドが短軸スタックにおいて輪郭を生成するために使用可能であるボリューム内で、およびフロー定量化において、使用され、2Dフラッドは、フラッド内に含まれるフローを決定するように血管をフラッドさせるために使用されてよい。
【0184】
半径制約2Dフラッドから輪郭を生成するために、本発明者らは、フラッドが必ず接続され、それが2値画像であるということを利用する。これらのことのために、本発明者らは、フラッドの内部に存在し得るいずれかの穴を無視する輪郭を見つけ出すために、標準的な境界トレーシングアルゴリズムを適用することがある。
【0185】
生成された輪郭から、次の動作は、潜在的に数百の点から、実際の輪郭を正確に近似するために閉じた3次スプラインによって使用されることになる制御点の小さいセットに、生成される輪郭を低下させることである。輪郭の周囲に等しく離隔された固定された数の制御点をシステムが単に離隔する単純なダウンサンプルは、他の手法ほどは機能しないが、それは、この手法が、乳頭筋を一回りしていたフラッドの凹状部分などの輪郭内の重要な特徴の喪失を頻繁にもたらすからである。これを避けるために、いくつかの行為に続行する「スマート」なダウンサンプル手法が用いられる。初めに、輪郭内の各点は、-1から1にわたるコーナー強度スコアが割り当てられ、ならびに、各点に「影響」のエリアを割り当てる。これが行われると、輪郭は、それらのコーナー強度がそれらの影響のエリア内で最大であるそれらの点のみに低減される。本発明者らが最小点間隔を有することを保証することおよび検出されたコーナーが十分に強いことを保証することなどの追加の基準も、このステージで施行される。先行する動作の結果は、フラッドにおいて検出された「コーナー」のリストである。これらをスプラインにおける制御点として使用することによって、この手法は、スプラインが輪郭内の興味深い特徴を失わないことを保証する。しかしながら、元の輪郭内の比較的低い湾曲のいかなる長い伸長部もコーナーとして検出されず、これは、結果として生じる輪郭のかなりの部分がいかなる制御点を有さず、そのようなセグメント内のスプラインによる不十分な近似に至ることをもたらし得る。これを避けるために、誤差メトリックが、点を通過する元の輪郭のセグメントおよび、それらの点を通過するスプラインのセグメントによって形成される閉じた輪郭の面積を計算することによって、制御点の各ペアに対して算出される。誤差が、何らかの固定された許容差を上回る場合、別の制御点が、元の輪郭のセグメントの中間点に追加される。この動作は、各セグメントが、必要とされる許容差を下回る算出された誤差を有するまで、繰り返される。
【0186】
この輪郭に対するフラッドツールは、適用において少なくとも2つの箇所、すなわち、体積測定セグメンテーションを実行しながら心室のスライスをフラッドするため、およびフロー定量化において、使用可能である。ボリュームに対するフラッドの場合、返された輪郭は、未加工のフラッドフィルは心臓壁に近いピクセル強度の差のために過小評価することが多いので、心室のより多くをキャプチャするために、8%拡張される。フローフラッドの場合、結果は、フラッドツールが解剖学的組織上で機能するので、12%拡張され、これは、未拡張フラッドが血管壁近くのフローを逃すことが多いことを意味する。
【0187】
[全体的なプロセス]
[自動化されたレポート]
どのように心エコーレポートが生成されるかに類似した手段では、4DフローMRデータに基づく自動化されたレポートが、ユーザが、彼らが有する患者のタイプをクリックすることを可能にすることによって、作成可能である。ASP(例えば、Arterys)は、ある病状またはユーザのタイプ(すなわち、患者または臨床医)に固有である一意のレポートテンプレートを有する。このレポート内の値、曲線、画像、およびシネ動画のすべては、レポートテンプレート内で自動的に格納可能である。ランドマークは、前処理ステップの一部として配置されるので、すべての重要な情報は、データベースに自動的に保存され、このレポートにエクスポート可能である。
【0188】
[自動化された統合テスト]
nodeを使用するクライアントサイドウェブアプリケーションを作るために設計されたnode-webkitと呼ばれるツールは、自動化された統合テストを実行することである。この目的のために設計されていないが、それは、本発明者らが、同時にクライアントアプリケーションおよびサーバアプリケーションに対する完全な制御を許す同じ環境内で、クライアントソフトウェアスタックとサーバソフトウェアスタックの両方を走らせることを、可能にする。mochaと呼ばれるテストツールと混合されたインフラストラクチャを使用して、本発明者らは、クライアントとの顧客対話を、アプリケーションの結果として生じる状態と共に、その対話のクライアント処理とサーバ処理の両方をアサートしながら、エミュレートするテストを記述する。この統合試験の方法は新規であり、このタイプのユーザインターフェース試験に関して、大部分は視覚ベースである他のツールより優れている。
【0189】
[ハイブリッドクライアントサーバレンダリング]
説明:いくつかのワークフローは、リンクされた性質を有する1つまたは複数の画像が同時にレンダリングされることを必要とする。場合によっては、現在のワークフローステップは、20画像の同時視聴を必要とすることがある。これらの画像の各々が、異なるHTTPS要求を用いて取り出された場合、要求を作成および送信する際にかなりのオーバヘッドがあるので、性能は大きく損なわれる。代わりに、すべての画像を1つの大きい画像上へレンダリングし、その「スプライトシート」に対する単一のHTTPS要求のみを行う。次いで、クライアントは、ピクセルオフセットを使用することによって画像を表示する。例えば、像が、各々が256×256である4つの画像を有する場合、スプライトシートは256×1024であってよく、画像の各々は積み重ねられている。次いで、クライアントは、0、256、512、および768のオフセットを使用することによって、256×256で4つの画像を表示する。
【0190】
加えて、画像内の任意の線、マーカ、または面が、クライアント上でオーバレイとして描画され、オーバレイをどのようにレンダリングすべきかクライアントに知らせる情報が、サーバからJSONメッセージを介して来る。これは、オーバレイがサーバ上でレンダリングされ、次いで、JPEGとして符号化されて送られる場合よりも高品質の、オーバレイデータのレンダリングを提供する。
【0191】
[自動化された世界的な耐久性およびストレス試験]
負荷試験および耐久性試験を実行するために、本発明者らは、多数のコンピュータ(地理的に分散可能である)上で多数のクライアントプロセスを起動して、本発明者らがそれらの実行環境に対する完全な制御を有する特殊ウェブブラウザを開始した。それらは、アプリケーションに向けられており、通常のブラウザがするようにクライアントをロードし、次いで、本発明者らは、ソフトウェアを制御し、それをある作業負荷のように振る舞わせるクライアント状態と、直接的に対話する。クライアントメトリクスおよびサーバメトリクスは、負荷試験中に記録され、耐久性試験のために、より長い時間の期間にわたって走らされる。
【0192】
[医療デバイスからリモートサーバにデータをプッシュするプッシャー]
本発明者らは、アクティブなスタディを監視し、結果をクラウド内の本発明者らのリモートサービスにプッシュするために、ソフトウェアを開発した。フォルダは、ファイルがスキャナによって生成されていることに関して監視され、完了時、すべての関連データが一緒にバンドルされ、本発明者らのリモートクラウドサーバに対する認証のためにスキャナごとに一意の秘密および鍵を使用して安全な接続を介してプッシュされる。ディスクスペースの(例えば、非一時的な記憶媒体)使用量は、あらゆる中間ファイルを即時に削除することによって最小化される。
【0193】
成功した転送時、転送された内容のデータ完全性は、パッケージプロセスを再現し、暗号学的ハッシュ関数の出力を比較することによって、ローカル内容に対して検証される。このようにプロセスを繰り返すことは、ASP(例えば、Arterys)のサーバへのデータの早期転送をトリガし得るスキャンプロセス中の遅延の場合に、スキャンによって生成される可能性がある新しいデータが失われなかったことを保証する。
【0194】
失敗した転送の場合、サーバエラーまたはネットワークエラーにより、プッシャーが、転送は失敗だったと仮定する前に、各試行間の増加する休止の間隔と共に構成可能な数の試行がなされる。しかしながら、失敗した転送(すべてのその後の試行を含む)の後、プッシャーは、入ってくるファイルを引き続き監視し、後の時間に別の転送を再試行する。
【0195】
データが、成功裏に転送されたと検証されると、データは、スキャナ上のディスク容量を節約するために、本発明者らのソフトウェアによって除去される。
【0196】
ハートビートメッセージが、あらゆるスキャナ上で走る各プッシャーソフトウェアから送信され、スキャナのローカルログデータおよび詳細なステータス情報を提供し、肝要なスキャン時間中のスキャナ機能を保証するために連続モニタおよび増加された応答時間を提供する。
【0197】
初期インストール中に、スキャナは、認証目的ですべての将来の要求に署名するために一意の秘密および鍵を要求することによって、ASP(例えば、Arterys)に自動的に登録する。スキャナは、本発明者らのシステムデータベースに登録されるが、いかなる組織にもアタッチされない。次いで、技術者は、すべての最近登録されたスキャナを正しい組織にウェブポータルを通してアタッチすることが可能である。
【0198】
プッシャーは、ASP(例えば、Arterys)から新しいバージョンを周期的に要求することによって、自動更新する(構成されている場合)ことが可能である。新しいバージョンが提供される場合、それは、それ自体の新しいコピーをインストールし、再開する。これは、セキュリティおよび機能更新が技術者からの介入なしでスキャナに展開されることを可能にする。ハートビートメッセージは、ASP(例えば、Arterys)のサーバ上でのこの動作の成功を保証するために必要とされる情報を提供する。ハートビートは、本発明者らが、最近更新されていない何らかのプッシャーを決定し、すべてのソフトウェアが最新であり安全であることを先回りして保証するために、病院に援助の手を直接的に差し伸べることを可能にする。
【0199】
【0200】
[プラー - アーチファクトをアーカイブ]
プラーソフトウェアは、病院において生成されたアーチファクトをアーカイブするために使用される(例えばPACS)。それは、病院のネットワーク内にインストールされ、プッシャーに類似した方法を使用して、それ自体をASP(例えば、Arterys)に自動的に登録する。要求が、何らかの識別情報と共に作られ、秘密および鍵ペアは、認証および許可目的で将来の要求に署名するために返される。次いで、プラーは、ウェブポータルを通して技術者によって組織にアタッチされる。
【0201】
組織のためのバージョンを直接的にダウンロードすることも可能であり、一意のキーおよび秘密は、インストールプロセスに自動的に含まれ、そのため、インストールされるとプラーを自動登録およびアタッチする必要はない。
【0202】
アーチファクト端点のための構成は、ASP(例えば、Arterys)のサーバ上で行われる。複数のロケーションが、ホスト名、ポート、AEタイトル、およびプラーがデータをそれに転送する必要があるであろう他の任意の必要とされる情報と共に構成可能である。これらの端点は、命名可能であり、それらがそれらのアーチファクト(レポート/スクリーンショット/ビデオ)がどこにアーカイブされるかを選ぶとき、臨床医によってASP(例えば、Arterys)のウェブUIから選択可能である。
【0203】
プラーは、定期的で頻繁な間隔でASP(例えば、Arterys)APIにリストを要求することによって、アーチファクトを監視する。アーチファクトのリストは、一意のidと、アーチファクトが記憶される端点に関する構成情報のすべてとを含む。一意のIDは、ASPのサーバからアーチファクトを取り出すために、別のAPI要求への入力として使用される。アーチファクトは、必要とされる場合はアンジップされ、リスト要求(例えば、storescp)に含まれる構成によって定義された構成および方法を使用して転送される。すべてのデータが転送されると、提供されたIDを使用する別のAPI要求が、アーチファクトをアーカイブされたとマークするためにASPに対して作られ、それは、プロセスループ内の第1の要求によって生成されるリスト内にもはや出現しない。アーチファクトが、アーカイブされたとマークされると、ASPのサーバは、アーカイバルが完了したことをユーザに通知する。
【0204】
プラーは、ハートビート要求をASPのシステムに送信し、すべてが予想通りに機能していることの有効性を確認およびそれを保証する助けとなるために詳細なログを提供する。プラーはまた、時々-構成可能な時間に(例えば、1時間または1日に1回)-、プラーソフトウェアの新しいバージョンに関してASPのサーバにAPI要求を行う。新しいバージョンが利用可能である場合、それはダウンロードされ、インストールされ、プラーがそれ自体を再開する。
【0205】
アーチファクトのリストを取り出すための例示的な要求:
【0206】
図4A~
図4Bは、アーチファクトを監視してアーカイブする例示的なプロセス400を示す。
【0207】
本発明者らは、サービスプロバイダに機密性の高い情報を開示することなく機密性の高い患者情報をサービスからクライアントアプリケーションに安全に配信する方法を開発した。
【0208】
サービスプロバイダに送信される前のデータは、サービスに登録された、すべての患者識別可能な健康情報が取り去られ、元の機密性の高いデータは、サービスによって提供される一意のトークン識別子に置き換えられる。
【0209】
クライアントは、サービスプロバイダと対話するとき、これらのトークンを識別し、独立したトランスポート層を使用して、トークンを機密性の高い患者健康情報に置き換える。
【0210】
以下は、そのようなシステムの可能な実装形態の例である。
アクター:
クライアントソフトウェアと対話するユーザ(ユーザ)
クライアントアプリケーション(クライアント)
機密性の高い患者情報を保持するサービス(サービス)
アプリケーションサービスプロバイダ
1.ユーザは、それがアプリケーションサービスプロバイダに送信したいであろうファイルのセットをソフトウェアに示す。
2.各ファイルに対して、機密性の高いすべての情報が、JSONフォーマットで集められ、http要求を通してサービスに登録される。
例:
3.機密性の高いデータは、#{PatientName}などのプレースホルダに置き換えられ、次いで、データが、サービスから返されるLocation urlと共にアップロードされる。
4.クライアントがアプリケーションサービスプロバイダからデータをロードするとき、これらの機密性の高いトークンを含む文字列は、クライアントアプリケーションに、サービスプロバイダにデータを要求させる(個別に、または一括で、のどちらかで)。
例:
5.クライアントは、トークンを、機密性の高い情報と置換する。
注記:許可のため、本発明者らはsaml2などのssoを使用してよい。
【0211】
[ワークスペース]
ワークスペースは、医療ソフトウェア全体を通してアプリケーション状態のサブセットを記憶および共有する問題の解決策である。
【0212】
ワークスペースは、何らかの分析を含むスタディのアプリケーション状態を含み、ロードされるとき、それらは、アプリケーションを以前の状態に回復させる。アプリケーション状態は、測定とECC補正値などとを含むスタディ検討などの特定の関心事に関連する構成要素状態のサブセットを含む。
【0213】
ワークスペースは、ユーザがソフトウェアと対話する間、常時ロードおよび更新可能である。ユーザは、スタディを初めてロードするとき、デフォルトワークスペースを開始し、再ロードするときは、最近使用された適用可能なワークスペースがロードされる。
【0214】
ユーザは、グループまたはより多くのユーザにスタディを公開することができ、これは、レポート生成および外部システム通知のためのトリガとしても働くことができる。
【0215】
公開されたワークスペースを初めて開くとき、ワークスペースのプライベートコピーが作成され、その後の再ロード時にもロードされる。公開されたスタディは、普遍であり、決して修正することはできない。
【0216】
[医療イメージングを用いた機械学習]
クラウドインターフェースを用いれば、現在、複数のソースから統計量を集約し、機械学習を使用して予測を見つけることが可能である。これらの複数のソースは、組織内の複数の人々によって生成された結果であってもよいし、世界中に点在された複数の組織によってすら生成された結果であってもよい。集約可能である統計量は、医療イメージングピクセルデータ、医療イメージングメタデータ(例えば、DICOMヘッダ)、および例えば患者の電子的医療記録(EMR)であってよい。学習は、ユーザレベルで、組織レベルで、またはマクロレベルで(例えば、世界的に)すら、適用可能である。
【0217】
医療画像を自動的に定量化する(例えば、アノテートする、測定する、セグメント化する)ことを試みる場合、ディープラーニングの2つの異なるカテゴリすなわち機械学習または人工知能があり得る。医療イメージングアプリケーションの場合、学習するのに十分なデータがないので、教師あり学習がより適切である。可能な限り効果的に学習するために、クラウドユーザインターフェースは、構造化された様式でユーザがデータにラベルを追加することを可能にするために調節されている。例えば、心臓血管系イメージングの場合、ユーザは、数回の測定を行い、彼らが望むように測定にラベルを付けることができる。完全にユーザ定義されたフィールドを可能にする代わりに、ASPが提供するあらかじめ定義されたリストからユーザがラベルを選択するオプションがある。これを行うことによって、本発明者らは、構造化され自動化された様式でデータにラベルを追加することができる。ラベルが付けられたデータは、ラベルの付けられていない新しいデータに基づいてアルゴリズムが転帰を予測することができるように、機械学習アルゴリズム(すなわち、ランダムフォレストまたはディープラーニングCNNもしくはRNNのような)に送り込むために、トレーニングデータセットとして働く。例えば、ユーザ検討プロセスにおける1つの任意選択のステップは、それらがデータに追加したラベルにそれらが満足していることを確かめる手段でそれらのワークスペースまたは状態をそれらが「公開する」ことである。「公開」機構は、「保存する」ためにクリックするユーザインターフェース内のアイコンであってもよいし、または、それは、アーカイブするために(例えば病院PACSサーバに)送信される結果であってもよい。ダミー測定およびアノテーションを作成するユーザを真の臨床測定およびアノテーションと差別化する手段がありさえすればよい。
【0218】
クラウドインターフェースの利益は、提供される提案に対してユーザがシステムインターフェース内で何らかの修正を行うたびに、この修正が、次いで保存され、機械学習によりラベルが付けられたデータにフィードバックされることである。これは、非常に貴重なトレーニングデータを追加する強化学習ループを作成する。機械学習アルゴリズムによって提供される提案は、ユーザがログインするときに一度、またはユーザが彼らのセッション中に修正を行うたびにリアルタイムで、提供可能である。例えば、ユーザが、解剖学的組織である医療画像内のボクセルを識別したとき、すべての類似したボクセルが、彼らのセッション中にリアルタイムで識別可能である。
【0219】
特定の治療の転帰を予測する(および、結果として生じる確率測度を与える)ことまたはどの治療選択肢が特定の患者により適しているかを予測することを試みる場合、EMRからのデータは肝要である。ラベルの付けられた医療デバイスデータ(例えば、医療イメージング、ゲノムデータ、ウェアラブル)へのアクセスを有することは、最良の治療決断を決定する際に十分でない。このデータは、類似の医療デバイスデータを有する新しい患者に予測を勧めるために、すべての後向きなケースにわたって集約される必要がある。
【0220】
機械学習は、医療画像内での検索にも使用可能である。ユーザは、検索フィールド内でタイプし、例えば特定のタイプの疾患を有するすべての画像を見出すことができる。次いで、ユーザは、彼らに提示されるすべてのスタディがこの疾患を有することを検証することができ、このデータは、次いで、トレーニングデータセットにフィードバック可能である。
【0221】
[写真およびビデオサービス]
本発明者らは、ユーザに、彼らのワークフローの現在の状態の写真およびビデオをキャプチャすることが可能であることを希望する。これらの画像およびビデオは、本発明者らのサーバ上で生成される画像データとクライアントブラウザ上でレンダリングされるオーバレイの両方を含む必要がある。これを成し遂げるために、本発明者らは、本発明者らが同じ環境内で本発明者らのクライアントソフトウェアスタックとサーバソフトウェアスタックの両方を走らせることを可能にするnode-webkitベースのビデオサービスを有する。次いで、本発明者らは、node-webkit環境上でユーザのワークスペースの現在の状態を回復させ、ユーザのセッションに割り振られた同じ算出ノードを活用する。単一の写真がユーザによって要求される場合、サービスは、単に、回復されたワークスペースのスクリーンショットを撮影し、結果として生じる画像ファイルが返される。ビデオ要求の場合、サービスは、現在のワークフローの各フレームに対するスクリーンショットを撮影し、ビデオエンコーダを使用してスクリーンショット画像をビデオファイルに編集して、次いでビデオファイルが返される。返された画像またはビデオは、視聴されるために、サーバ上に記憶されてもよいし、クライアントに送信されてもよい。
【0222】
以下は、写真およびビデオサービスのための詳細なソフトウェア設計の例である。
スクリーンショットおよびビデオキャプチャ
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要件
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* スクリーンショットは、ユーザがビューポートエリア内で現在何を見るかのレンダリングであるべきである
* ビデオは、時間を通して循環するmprであってよい
* ビデオは、補間可能な中間補間パラメータをもつキーフレームの集まりから生成可能である
* ビデオは、ユーザ対話記録であってよい
* 出力は、ビューポート上にあるものすべて(画像、webglオーバレイ、cssオーバレイ…)を含むべきである
* スクリーンショットおよびビデオフレームはフル品質であるべきである
設計
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本発明者らは、クライアント上のあらゆるものをレンダリングするので、本発明者らは、クライアントが画像を生成することを必要とする。
残念ながら、ビデオをアップロードすることは、ネットワーク状況の大多数において禁止的である。
したがって、スクリーンショット/ビデオサービスは、クライアントレンダリング技術を使用するクラスタ内で走る。
それは、要件において定義された機能を提供するために、http上でのインターフェースを露出させる。
サービスは、要求が入ってくると、ビデオおよびスクリーンショットをレンダリングするために、オンデマンドでnode webkitプロセスの回転数を上げる。
画像の画像または集まりをレンダリングする要求を受信すると、サービスは、node webkitプロセスを起動し、それを、ユーザのワークリストのために署名されたURLにリダイレクトする。
次いで、node-webkitプロセスが、スタディをロードし、ユーザのワークスペースを持ち込む
次に、各レームは、フル品質でレンダリングされる。
フレームがレンダリングされるとき、node-webkitは、X11スクリーンキャプチャを実行し、キャンバスビューポートに切り取る。
画像は、ディスクに保存される。
すべてのフレームがキャプチャされると、サービスはスクリーンショットを返し、またはビデオの場合は、
ビデオが符号化されて返される。
データフロー
^^^^^^^^^
* ユーザは、スクリーンショットまたはビデオを求める要求を開始する。
* ウェブサーバが、要求を受信する
* node-webkitプロセスが開始される
* node-webkitプロセスは、必要とされるスタディをロードするために認証されたセッションを開く
* 要求されたスタディがロードされる
* 要求内のワークスペースがスタディに持ち込まれる
* ワークスペースロード(ストリームラインのような長く走るタスクを含む)の完了時、それが、キーフレームをレンダリングし始める
* あらゆるフレームが、デバウンスされた画像コマンドなしで、フル品質でレンダリングされる
* 画像がレンダリングされると、X11 screen grab(xwd)がウィンドウ上で実行される
* 画像は、ビューポートに切り取られ、ディスクに保存される
* ビデオが要求された場合、画像が生成されると、符号化が走る
* すべての画像の完了時、HTTP応答が、.pngまたは.mp4と共に送信される
* 結果のウェブサーバ受信時、それはS3に保存され、参照は、データベースに保存される
追加のツールおよび最適化
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* node-webkitはwebglを必要とし、そのため、サービスは、G2インスタンス上で走る必要がある
* ’x11-apps’内のプログラム’xwd’は、ウィンドウをキャプチャすることができる
* ImageMagick’convert’は、xwdをpngに変換することができる
* ffmpegは、.pngの集まりから.mp4を生成するために使用可能である
詳細
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ウェブサーバハンドラ
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’generate-screenshot’のためのメッセージハンドラは、現在のワークスペースを、webkitサービスに送信されているargsにアタッチする
次いで、webkit-clientモジュールが、要求をwebkitサービスのうちの1つに送信するために使用される。
応答が受信されると、レコードがデータベースに挿入され、画像またはビデオが記憶される。
Webkit-Client
+++++++++++++
webkit-clientモジュールは、スクリーンショット要求を、それを扱うことができるノードにルーティングすることを担当する。
webkit-clientは、現在走っているwebkitノードによって公開されたメッセージをredisする(redis)ことにサブスクライブする。
これらのメッセージは、それらが用いて走っているapp-idを用いて走っているnode-webkitの既存のインスタンスを含む。
要求が受信されたとき、webkit-clientは、すでにnode-webkitに、要求されたapp-idと共に走らせているノードを見出すことを試行する。
あるいは、セッションがまだ作成されていない場合、それは、最も少ない数の走っているセッションをもつノードを選ぶ。
ノードが識別されると、それは、そのホストにHTTPS上でメッセージを送信する。
引数は、ルート’/webkit/execute’に、POSTでJSONとして本体内で送信される。
結果が返ると、収集された他の有用な情報(例えば、タイミング情報、サイズ)と共に、コールバックがバイナリおよびタイプ(画像/pngまたはビデオ/mp4)を含むJSON blobを用いて呼び出される
Webkit-Service
++++++++++++++
webkit-serviceは、スクリーンショットおよびビデオを生成するためにHTTPSインターフェースを露出させるマイクロサービスである。
webkit-serviceは、’/webkit/execute’においてPOST要求のみをリッスンする。
’/webkit/execute’へのPOSTを受信すると、それは、webkit-contextを作成し、スクリーンショットまたはビデオを求める要求を待ち行列に入れる。
このモジュールは、特殊な’webkit-screenshot’ユーザと関連付けられたauth_tokenを付加することによって、node-webkitからウェブサーバに送信された要求を許可することにも対処する。
Webkit-Context
++++++++++++++
webkit-contextモジュールは、スクリーンショットまたはビデオを生成するために走るnode-webkitプロセスを管理することを担当する。
作成時、webkit-contextは、中間結果を記憶するために作業ディレクトリを作成する。
次に、それは、単純な’index.html’および’package.json’ファイルを作業ディレクトリにコピーすることによってnode-webkitを構成し、引数を含む’args.json’が、スクリーンショット/ビデオをレンダリングするためにコンテキストに渡される。
次いで、node-webkitが開始され、スクリーンショットを生成するプロセスを経験する。
node-webkitが存在するとき、webkit-contextは、応答するのに適切なスクリーンショットまたはビデオファイルを探す。
一回につきapp-idごとに1つのスクリーンショットのみが走ることができる。
webkit-contextは、ウェブサーバがスクリーンショットおよびビデオ要求をルーティングすることができるように、それ自体をredisに登録する。
Node-Main
+++++++++
node-mainモジュールは、node-webkit内で走るブリッジモジュールである。
node-webkitが開始するとき、それは、’global.window’変数が定義されるまで待機し、次いで、args.jsonファイルを読み込み、スクリーンショットを生成するためにステップを実行し始める。
これらの引数は、ウィンドウを作成するための幅×高さと、window.location.hrefをどこにリダイレクトするべきかを示す。
それは、リダイレクトが、global.window.ioを設定するウェブサイトを指す、と仮定しており、それは、websocket接続を示す、ASPにより定義された変数である。
websocket接続が行われると、それは、’load-スタディ’コマンドを呼び出し、’load-workspace-complete’を待機する。
ワークスペースを回復させることによって呼び出された可能性のあるすべてのコマンドが終えられると、node-mainが画像をキャプチャし始める。
’args.json’がフィールド’render_frames’を含む場合、それは、各自が画像を生成することを反復する。
画像は、Xwindowをダンプするためにxwdを始動することによって生成される。
次いで、ImageMagick convertは、pngに変換し、’.ar-content-body-canvases’に切り取るために使用される。
生成された複数の画像があった場合、ffmpegが、画像の集まりをh.264により符号化されたビデオに符号化するために呼び出される。
スクリーンショットまたはビデオが作成されているとき、node-webkitはクリーンに終了する。
エラーは、node-webkitを非ゼロコードと共に終了させ、これは、スクリーンショットが失敗したことをwebkit-contextに示す。
【0223】
[PHIサービス]
図5は、例示される一実施形態に従った、医療分析システムまたはプラットフォーム500のためのネットワーク接続された環境を示す。このプラットフォームは、医療プロバイダ(例えば、病院)ネットワーク508(1つが示されている)と関連付けられた様々なシステムとファイアウォール506を通して通信する分析サービスプロバイダ(ASP)システム504(例えば、1つまたは複数のプロセッサベースのデバイス)を備えるASPネットワーク502を備える。ASPシステム504は、上記で論じられた様々な機能のいくらかまたはすべてを提供する。例えば、ASPシステム504は、例えば、
図1の画像処理および分析システム104と類似または同一であってよい。ASPシステム504は、クラウドアーキテクチャを使用して実装されてよく、したがって、いくつかの分散されたプロセッサベースのデバイスを備えてよい。ASPシステム504は、例えば、ファイアウォール506を介してアクセス可能な1つまたは複数の通信ネットワークを介して外部システムにアクセスしてよい。
【0224】
医療プロバイダまたは病院ネットワーク508は、ファイアウォール518を介して1つまたは複数の外部ネットワーク(例えば、インターネット)に動作的に結合された1つまたは複数の保護された健康情報(PHI)システム510(1つが示されている)を含んでよい。医療プロバイダネットワーク508は、PHIサービス510に動作的に結合されたセキュリティアサーションマークアップ言語(SAML)サービス512も含んでよい。本明細書において論じられる実装形態のうちの少なくともいくつかでは、SAMLサービス512は、PHIシステムまたはサービス510の一部であるまたはそれと統合されると考えられ得る。
【0225】
PHIシステム510は、MRI装置515(
図7)とホストコンピュータシステム517(
図7)とを含むMRI獲得システム514に動作的に結合されてよい。PHIシステム510は、データベース524または様々なデータの中でもとりわけMRI獲得システムから受信する医療スタディデータを記憶する他の非一時的なプロセッサ可読記憶媒体にも通信可能に結合されてよい。医療スタディデータは、MRIデータ、4Dフローデータ、またはPHIもしくは他の保護された情報もしくは個人情報を有してよい他の任意のタイプのデータを含んでよい。
図8に示されるように、PHIシステム510は、写真アーカイブおよび通信システム(PACS)525または医療プロバイダと関連付けられた他の宛先ストレージに通信可能に結合されてよい。
【0226】
MRI獲得システム514は、一般に、臨床施設、例えば病院または専用医療画像センタに設置される。MRI獲得システム514は、
図1のMRI獲得システム102と類似または同一であってよい。本明細書において説明される様々な技法および構造は、有利なことに、ASPシステム504がMRI獲得システム514から離れた場所に設置されることを可能にし得る。ASPシステム504は、例えば、別の建物、都市、州、省、または別の国にさえも設置され得る。
【0227】
ASPシステム504は、入ってくる要求および応答を扱うための1つまたは複数のサーバと、1つまたは複数のレンダリングまたは画像処理および分析コンピュータとを含んでよい。サーバは、例えば、サーバソフトウェアまたは命令を実行する、1つまたは複数のサーバコンピュータ、ワークステーションコンピュータ、スーパーコンピュータ、またはパーソナルコンピュータの形態をとってよい。1つまたは複数のレンダリングまたは画像処理および分析コンピュータは、画像処理および/もしくは分析ソフトウェアまたは命令を実行する、1つまたは複数のコンピュータ、ワークステーションコンピュータ、スーパーコンピュータ、またはパーソナルコンピュータの形態をとってよい。1つまたは複数のレンダリングまたは画像処理および分析コンピュータは、一般に、1つ、好ましくは複数の、グラフィカル処理ユニット(GPU)またはGPUコアを用いる。
【0228】
図5は、代表的なネットワーク接続された環境を例示しているが、典型的なネットワーク接続された環境は、多数の追加のMRI獲得システム、ASPシステム、PHIシステム、コンピュータシステム、および/またはエンティティを含んでよい。本明細書において教示される概念は、図示されるそれよりも多くの格納されたネットワーク接続された環境をもつ類似の様式で用いられてよい。例えば、単一のASPエンティティが、画像処理および分析サービスを複数の診断エンティティに提供することがある。診断エンティティのうちの1つまたは複数は、2つ以上のMRI獲得システムを動作させることがある。例えば、大きい病院または専用医療画像センタは、単一の施設で、2つ、3つ、またはより多くのMRI獲得システムですら動作させることがある。
【0229】
一般に、PHIシステム510は、医療スタディデータ(例えば、DICOMファイル)のための安全な端点を作成してよい。PHIシステム510は、PHIのファイルを自動的または自律的に取り去り、処理および/または分析のために識別不能化された医療スタディデータをASPシステム504にアップロードする。さらに、以下で論じられるように、ウェブアプリケーションが、(例えば、VPNを介した)医療プロバイダネットワーク508への安全なアクセスを有するプロセッサベースのクライアントデバイス520を動作させるユーザに提供されることがある。ウェブアプリケーションは、いかなるPHIデータもASPシステムに提供することなく、PHIシステム510からのローカルPHIデータをASPシステム504からの識別不能化されたデータとマージするように動作する。
【0230】
組織(例えば、病院、他の医療プロバイダ)は、PHIシステム510をオンサイトで実装してもよいし、クラウド内で実装してもよい。PHIサービスを実装するPHIシステム510は、PHIデータが医療プロバイダのネットワークおよび制御の中にとどまることを可能にする一方、ASPシステム504が規制法を満たし、患者プライバシーを保証しながら、クラウド内で機能することを可能にする。
【0231】
図6のプロセス600に示されるように、ユーザが、医療プロバイダのネットワーク508への安全なアクセスを有するプロセッサベースのクライアントデバイス520上で実行するウェブブラウザを使用して医療スタディ(例えば、MRI)をロードするとき、医療スタディデータは、ウェブブラウザ内でオンデマンドで識別再可能化される。データは、同時にASPシステム504(例えば、ASPシステムのウェブアプリケーションを介して)とPHIシステム510のウェブAPIの両方からウェブアプリケーションによって要求される。次いで、PHIデータと識別不能化されたデータが、アクティブセッション中にプロセッサベースのクライアントデバイス520上で実行しているユーザのウェブブラウザ内でシームレスにマージされる。
【0232】
PHIシステム510は、暗号化された接続上で医療スタディデータを転送するために、医療デバイス(例えば、MRI獲得システム514)にAPIを提供してよい。次いで、データは、効率的な方法でASPシステム504に安全にアップロードされてよい。これは、現在の医療デバイスとの統合の容易さの両方を提供し、医療プロバイダのネットワーク508の外部で転送されるデータにセキュリティを提供する。PHIシステム510は、複雑な、医療プロバイダのネットワーク508の内部および外部でのすべての通信が(例えば、HTTPsポート上のHTTPsプロトコル上で)安全に行われることを保証することによって、デバイスごとのネットワーク構成を減少させ得る。
【0233】
以下でさらに論じられるように、ASPシステム504のウェブアプリケーション内で生成されるセカンダリキャプチャオブジェクトおよびレポートなどのアーチファクトは、医療プロバイダのレポーティングシステムおよび/またはPACSにプッシュされる必要があることがある。PHIシステム510は、安全なプロキシとして機能し、ASPシステム504からアーチファクトをプルし、識別再可能化されたデータを医療プロバイダのネットワーク508内の構成されたロケーションにプッシュする。これは、医療プロバイダが、インバウンドネットワーク要求を可能にすることなくASPシステム504によって提供されるサービスを使用することを可能にし、これは、医療プロバイダのネットワークを安全に保つ。
【0234】
PHIシステム510は、自己更新型であってもよく、医療プロバイダのスタッフによる介入を必要とすることなくセキュリティ更新ならびに機能更新を可能にし得る。
【0235】
図7は、DICOMファイルからPHIデータを取り去るようにPHIシステム510を動作させる例示的なプロセス700を示す。PHIシステム510は、MRI獲得システム514のホストコンピュータシステム517から、PHIデータとピクセルデータとを含むDICOMファイルを受信する。PHIシステム510は、DICOMファイルからPHIデータを取り去り、PHIデータをデータベース524に記憶する。PHIシステム510は、上記で論じられた様々な機能を実行するために、識別不能化されたピクセルデータを、ASPシステム504によって使用するためにファイアウォール518を介してASPシステム504にアップロードする。
【0236】
図8は、医療プロバイダと関連付けられた登録されたPACSサーバ525上に、ユーザにより生成されたレポートを記憶する例示的なプロセス800を示す。示されるように、プロセッサベースのクライアントデバイス520を動作させるユーザが、ウェブアプリケーションを介して、ASPシステム504がレポートを作成することを要求することがある。要求に応答して、ASPシステム504がレポートを生成する。PHIサービス510は、時々、識別不能化されたレポートに関してASPシステム504をポーリングしてよい。ASPシステム504が、利用可能な1つまたは複数の識別不能化されたレポートを有するとき、ASPシステム504は、1つまたは複数の識別不能化されたレポートを、暗号化された転送を介してPHIシステム510に送信する。次いで、PHIシステム510は、後で使用するために、受信されたレポートをPACSサーバ525に記憶する。
【0237】
図9は、MRI獲得システム514のホストコンピュータシステム517によって受信されたDICOMファイルがPHIシステム510によってどのように扱われるかを示す、PHIシステム510の概略
図900である。様々なサービスの中でもとりわけ、PHIサービス510は、スキャナアップロードサービス902と、非識別子(de-identifier)サービス904と、アップローダサービス906と、PHI記憶サービス908と、ステータスアグリゲータサービス910とを含んでよい。これらのサービスの各々は、以下でさらに論じられる。
【0238】
一般に、スキャナアップロードサービス902は、MRI獲得システム514のホストコンピュータシステム517からDICOMファイルをアップロードすることを担当する。スキャナアップロードサービス902はまた、DICOMファイル処理のステータスをステータスアグリゲータサービス910にポストする。スキャナアップロードサービス902はまた、抽出されたDICOMファイルを非識別子サービス904に送信する。
【0239】
以下で
図12を参照してさらに説明されるように、非識別子サービス904は、DICOMファイルから何らかのPHIデータを取り去るまたは除去するように機能する。次いで、非識別子サービス904は、識別不能化されたDICOMファイルをアップローダサービス906に送信し、取り去られたPHIデータをPHI記憶サービス908に送信し、PHI記憶サービス908は、PHIデータをデータベース524に記憶する。非識別子サービス904はまた、識別不能化ステータス情報をステータスアグリゲータサービス910にポストする。アップローダサービス906は、ASPシステムによる処理のために、識別不能化されたDICOMファイルを暗号化された転送プロトコル上でASPシステム504に送信する。
【0240】
図10は、PHIサービス依存関係がどのように組織されるかを示す、PHIシステム510の概略
図1000である。PHIシステム510は、bashスクリプト1004と、Docker1006と、ネイティブの実行ファイル1008とを備える、基本オペレーティングシステム(例えば、Ubuntu/SL7)を含む。Docker1006は、PHIシステム510の様々なマイクロサービス1002を実装するために使用されるいくつかのDockerコンテナを含む。
図9および
図11に示されるように、そのようなマイクロサービス1002は、例えば、スキャナアップロードサービス902と、非識別子サービス904と、アップローダサービス906と、記憶サービス908と、ステータスアグリゲータサービス910と、SSLプロキシサービス1106と、アーチファクトサービス1108と、起動サービス1110とを含んでよい。
【0241】
図11A~
図11B(総称して、
図11)は、PHIサービス510の起動シーケンスを例示する、システムシーケンス
図1100である。起動シーケンスを実装することと関連付けられた構成要素は、サービス制御ノード1102と、PHIサービス510の鍵管理サービス1104と、ASPシステム504と、スキャナアップロードサービス902と、非識別子サービス904と、記憶サービス908と、SSLプロキシサービス1106と、アーチファクトサービス1108と、起動サービス1110とを含む。
【0242】
1112および1114では、サービス制御1102が、記憶サービス908を介したASPシステム504への署名された要求を作成する。1116では、ASPシステム504が、平文データ鍵を鍵管理サービス1104に要求する。1118では、鍵管理サービス1104がASPシステム504に鍵を返し、ASPシステム504は、1120において、平文データ鍵および暗号化されたデータ鍵をPHIシステム510の記憶サービス908に返す。1122では、記憶サービス908が、記憶サービス908が開始したというインジケーションをサービス制御1102に提供する。
【0243】
1124では、サービス制御1102が、開始コマンドを起動サービス1110に送信する。1126~1130では、起動サービス1110は、ASPシステム504を介して鍵管理サービス1104に平文鍵を要求する。1134では、何も存在しない場合、起動サービス1110がボリューム鍵を生成する。次いで、ボリューム鍵は、平文データ鍵を用いて暗号化され、ここで、暗号化されたボリューム鍵と呼ばれる。暗号化されたボリューム鍵は、暗号化されたデータ鍵と共に記憶される。暗号化されたデータ鍵は、平文データ鍵を一意に識別し、これは、PHIシステム510が、その後の起動時に鍵をロールすることを可能にする。1136では、起動サービス1110が、起動サービスが開始したことをサービス制御1102に通知する。
【0244】
少なくともいくつかの実装形態では、ボリューム鍵は、aes-256-gcmを使用してパラノイアモードでEncFSファイルシステムとしてマウントされたボリューム(例えば、Dockerボリューム)を初期化するために使用される。データをディスクに書き込む必要があるすべての他のサービスは、最初にボリューム鍵を起動サービス1110に要求する必要がある。ボリューム鍵は、メモリ内に保たれないことがあるので、要求時、起動サービス1110は、暗号化されたボリューム鍵をメモリ内の平文データ鍵を用いて暗号化解除し、ボリューム鍵を要求側サービスに返す。次いで、要求側サービスが、そのボリューム鍵を使用して、暗号化解除された様式で共有EncFSボリュームをマウントする。
【0245】
1138では、サービス制御1102が、識別不能化サービス904を開始する。1140では、識別不能化サービス904が、ボリューム鍵を起動サービス1110から得て、起動サービス1110は、1142において、ボリューム鍵を識別不能化サービスに返す。1144では、識別不能化サービス904が、ボリューム鍵を使用して、共有EncFSボリュームをマウントする。1146では、識別不能化サービス904が、識別不能化サービスが開始したことをサービス制御1102に通知する。
【0246】
1148では、サービス制御1102が、スキャナアップロードサービス902を開始する。1150では、スキャナアップロードサービス902が、ボリューム鍵を起動サービス1110から得て、起動サービス1110は、1152において、ボリューム鍵をスキャナアップロードサービスに返す。1154では、スキャナアップロードサービス902が、ボリューム鍵を使用して、EncFSボリュームをマウントする。1156では、スキャナアップロードサービス902が、スキャナアップロードサービスが開始したことをサービス制御1102に通知する。
【0247】
1158では、サービス制御1102が、アーチファクトサービス1108を開始する。1160では、アーチファクトサービス1108が、ボリューム鍵を起動サービス1110から得て、起動サービス1110は、1162において、ボリューム鍵をアーチファクトサービスに返す。1164では、アーチファクトサービス1108が、ボリューム鍵を使用して、EncFSボリュームをマウントする。1166では、アーチファクトサービス1108が、アーチファクトサービスが開始したことをサービス制御1102に通知する。
【0248】
1168では、サービス制御1102が、SSLプロキシサービス1106を開始する。SSLプロキシサービス1106は、最後に開始する。SSLプロキシサービス1106は、すべての内部サービスへの外部アクセスを制御する。1170では、SSLプロキシサービス1106が、SSLプロキシサービスが開始したことをサービス制御1102に通知する。
【0249】
図12は、PHIサービスの識別不能化サービス904のためのプロセス1200を例示する、フロー図である。識別不能化サービス904は、スキャナアップロードサービス902によってアップロードされたスタディを処理し、すべての情報を収集し、ASPシステム504にアップロードすることが安全であることを保証することを担当する。識別不能化サービス904の主な構成要素は、DICOMデータに対して実行される実際の識別不能化行為である。少なくともいくつかの実装形態では、GDCMプロジェクトからの修正されたgdcmanonユーティリティが使用されてよい。
【0250】
プロセス1200は、例えば、スキャナアップロードサービス902が、スタディのための抽出されたDICOMファイルを識別不能化サービス904に送信するとき、1202において開始する。1204では、PHI処理モジュールが開始される。1206では、いくつかの処理行為1208~1222が実行される。具体的には、1208では、処理されることになるスタディを含むフォルダの名前が変更される。1210では、すべての非スタディファイル(例えば、sha1sum)が除去される。1212では、識別不能化サービス904が、DICOMファイルからPHIを抽出する。1214では、識別不能化サービスが、DICOMファイルを識別不能化する。すべての抽出されたPHIデータは、例えば、あらゆるDICOMファイルに対して収集され、記憶されてよく、プロセスの終了時に記憶サービス908に送信されてよい。
【0251】
1216では、識別不能化サービス904が、難読化されたUIDを抽出する。識別不能化行為1214が、StudyInstanceUIDを、難読化された値で置き換える。元のデータは、この値によって、ASPシステム504に送信されたスタディとリンクされる。
【0252】
1218では、識別不能化サービス904が、StudyInstanceUIDと難読化されたUIDとの間に一意のマッピングがあることを保証するために、難読化されたUIDに対する衝突チェックを実行する。衝突がある場合、異なる難読化されたUIDが、StudyInstanceUIDと難読化されたUIDとの間の一意のマッピングを保証するために生成されてよい。
【0253】
1220では、例えば、識別不能化サービス904がPHIデータを記憶サービス909に送信し、記憶サービス909が、PHIデータ1220をデータベース524に記憶する。1222では、識別不能化サービス904は、フォルダを識別不能化された状態に動かす。1224では、処理行為1206が完了すると、識別不能化されたデータは、アップローダサービス906によってASPシステム504にアップロードするために、待ち行列に入れられる。1226では、プロセス1200は、例えば、処理される必要がある別のスタディが見出されるまで、終わる。1228では、処理行為1208~1222のいずれかにおいてエラーが検出された場合、PHIエラー処理モジュールが実行されることがある。
【0254】
収集されたPHIデータは、2つのレベル情報、すなわちスタディレベルとシリーズレベルを用いて、ドキュメント内で組織されてよい。データは、ASPシステム504によって記憶されたデータとのリンクを提供する難読化されたStudyInstanceUIDによってインデックスが付与されてよい。PHIデータは記憶サービス908に送信されてよく、記憶サービス908は、データを暗号化してデータベース524に記憶する。
【0255】
ISO2022データを扱うために、dcmconvユーティリティ(dcmtkプロジェクトからの)が使用されてよい。DICOMファイルの減少されたセットからPHIデータを読み込む前に、DICOMファイルは、UTF-8に変換されてよい。これは、収集されたすべてのPHIデータが一貫したフォーマットであることを保証しながら、変換される必要があるファイルの数を制限することによって、プロセスを高速化する。
【0256】
ユーティリティgdcmanonは、DICOMデータのフォルダ内の識別不能化を扱う。しかしながら、プロジェクトは、2008 NEMA規格のみに識別不能化する。したがって、少なくともいくつかの実装形態では、最新DICOM規格に準拠するために必要とされるDICOMタグを追加したgdcmanonユーティリティの修正されたバージョンが使用される。
【0257】
ユーティリティはまた、PHIを暗号化し、PHIを各DICOMファイル内に新しいタグとして記憶する。PHIシステム510は、暗号化されるときですら、いかなる識別不能化されたデータを送信せず、そのため、ユーティリティは、暗号化されたデータの新しいタグを挿入するステップをスキップするためにさらに修正される。これは、そのタグを後で除去する追加のステップを追加する必要を除去することによって、プロセスをさらに高速化する。
【0258】
PHIシステム510が機能するために、スタディレベルおよびシリーズレベルにおけるPHIの小さいサブセットのみ必要となる。しかしながら、DICOM規格は、はるかに多くのフィールドを除去する。PHIシステム510のデータベース524をより小さく保つために、このことはユーザのために性能を増強するが、PHIシステムは、必要とされるデータのみをデータベース524に記憶することがある。追加のフィールドが必要とされる場合、またはPHIデータを再処理することが必要とされている場合、各DICOMファイルから除去された識別不能化されたデータが(例えば、圧縮およびアーカイブされたJSONファイルとして)記憶されてよい。
【0259】
図13A~
図13B(総称して、
図13)は、PHIシステム510のアップローダまたはプッシャーサービス906のためのプロセス1300を例示する、フロー図である。プッシャーサービス906は、2つの主要なタスクを有する。第1のタスクは、識別されたスタディをASPシステム504に転送することである。第2のタスクは、アップロードされたスタディのステータスを監視し、終了状態が到達されるまでPHIシステム510の内部ステータスを更新することである。これは、ホストコンピュータシステム517が、スタディのためのステータスをPHIシステム510に要求し、ASPシステム504から情報を受信することを可能にする。
【0260】
1302では、プッシャーサービス906は、識別不能化サービス904によって提供された識別不能化されたスタディに関してフォルダを監視する。次いで、プッシャーサービス906は、ファイルアップロードプロセス1304を始める。1306では、プッシャーサービス906は、識別不能化されたデータを束ねる(例えば、スタディに対してtarおよびgzipを行う)。1308では、プッシャーサービス906は、新しい束ねられたファイル(例えば、tarファイル)のsha1sumを計算し、そのsha1sumは、アップロードの完全性を検証するために使用され、また、ステータス更新を要求する鍵を提供する。1310では、プッシャーサービス906は、ファイル名がPHIを含まないことを保証するためにファイルの名前を変更してよい(例えば、「<sha1sum>.tgz」)。
【0261】
1312では、名前が変更されたファイルが、次いで、送信再試行ループ1314を使用してASPシステム504にアップロードされてよい。送信側再試行ループは、試行間の増加された遅延と共にファイルをアップロードすることを引き続き試行する。いくつかの試行の後でファイルがアップロードに失敗した場合、エラーアップロードモジュール1316が実行されてよい。アップロードが成功した場合、sha1sumは、データ完全性を保証するために検証される。1318では、次いで、アップロードされたファイルが、ASPシステム504による処理のために待ち行列に入れられる。
【0262】
1320では、アップローダサービス906は、アップロードされたファイルのステータスをリモートで監視してよい。例として、アップローダサービス906は、sha1sumをルックアップキーとして使用することがある。アップロードされたファイルに関する可能な状態は、エラーが発生したことを表明する「エラー処理」、ファイルが処理中であることを表明する「処理中」、またはファイルが処理されたことを表明する「処理された」を含んでよい。
【0263】
記憶サービス908は、抽出されたPHIデータを記憶することを担当し、そのため、それは、識別再可能化のために後で取り出し可能である。ストレージサービスが走らされるとき、記憶サービスは、上記で論じられたように、ASPシステム504と通信し、平文データ鍵および暗号化されたデータ鍵を取り出す。次いで、これらの鍵がメモリに記憶される。記憶サービス908がディスクに書き込む任意のデータは、平文データ鍵を用いて暗号化され、データを暗号化するために使用された平文データ鍵を識別する暗号化されたデータ鍵と一緒に記憶される。
【0264】
図14A~
図14B(総称して、
図14)は、プロセッサベースのクライアントデバイス520(
図5)上でウェブアプリケーションを実行するウェブブラウザ内のデータの識別再可能化のためのプロセス1400を例示する、システムシーケンス
図1400である。1402では、ウェブブラウザは、アプリケーションをロードするために、要求をASPシステム504に送信する。1404では、ASPシステム504が、ウェブブラウザ上でアプリケーションをロードする。ASPシステム504のウェブアプリケーション上で成功裏に認証されたユーザは、ウェブトークン(例えば、JSONウェブトークン)が与えられてよい。上記で論じられたように、このウェブトークンは、データを要求するとき、ウェブブラウザによってPHIシステム510に送信される。SSLプロキシサービス1106(
図11)は、ユーザが依然としてウェブアプリケーションへの有効な認証されたアクセスを有することを保証するために、PHIシステム510の許可サービスにすべてのデータ要求をフォワーディングする。これは、ユーザに関する限り、透過的プロセスである。
【0265】
1406では、ウェブブラウザが、PHIシステム510についての情報をASPシステム504に要求する。1408では、ASPシステム504が、PHIシステム情報をウェブブラウザに送信する。1410では、ウェブブラウザが、PHIアクセストークンをASPシステム504に要求する。PHIアクセストークンは暗号化され、ASPシステム504によってのみ読み取り可能である。1412では、ASPシステム504が、暗号化されたPHIアクセストークンをウェブブラウザに送信する。
【0266】
1414では、ウェブブラウザが、利用可能なスタディのワークリストに関してPHIシステム510に問い合わせる。PHIシステム510へのすべての要求は、暗号化されたPHIアクセストークンを含む。1416では、PHIシステム510が、暗号化されたアクセストークンを、有効性確認のためにASPシステム504に送信する。ASPシステム504は、アクセストークンが有効である(すなわち、アクセストークンは、アクティブなセッションに属する)ことを確かめる。1418では、ASPシステム504が、アクセストークンが有効であることを示す通知をPHIシステム510に送信する。
【0267】
適切な認証/許可の後、PHIシステム510は、記憶サービス908のAPIを介してワークリストおよびスタディPHIデータを取り出す。1420では、PHIシステム510が、ワークリストPHIデータをウェブブラウザに送信する。
【0268】
1422では、ワークリストからのスタディの選択時に、ウェブブラウザが、スタディをロードするために、要求をASPシステム504に送信する。そのような要求に応答して、ASPシステムは、コンピューティングシステム(例えば、算出クラスタ)上へスタディをロードし始める。1424では、ウェブブラウザが、選択されたスタディと関連付けられたPHIデータに関して要求をPHIシステム510に送信する。授けられたアクセスは、短時間にわたってキャッシュされてよく、したがって、この要求は、有効性確認を必要としないことがある。1426では、PHIシステム510が、選択されたスタディに関するPHIデータをウェブブラウザに送信する。1428では、スタディが算出クラスタ上にロードされると、ASPシステム504が、スタディデータをウェブブラウザ520に送信する。
【0269】
1430では、ウェブブラウザが、ASPシステム504から受信されたスタディデータを、PHIシステム510から受信されたPHIデータとマージし、ASPによって提供されるサービスを使用するために、同じものをユーザに提示する。したがって、プロセス1400を使用すると、ユーザは、ASPシステムにPHIデータへのアクセスを提供することなくASPシステム504によって提供されるフルスタディデータおよび分析へのアクセスを有する。
【0270】
図15A~
図15B(総称して、
図15)は、アーチファクト識別再可能化サービス1108を実装するためのプロセス1500を例示する、システムシーケンス図である。アーチファクト識別再可能化サービス1108は、ASPシステム504と連絡をとり、任意の保留中のアーチファクトをダウンロードし、ダウンロードされたアーチファクトを識別再可能化し、それらをPACS525、webベースの放射線情報システム(WRIS)などの医療プロバイダ宛先システムに記憶することを担当する。
【0271】
1502では、アーチファクト識別再可能化サービス1108が、保留中のアーチファクトのリストを要求する要求をASPシステム504に送信する。1504では、ASPシステム504が、アーチファクト識別再可能化サービス1108に保留中のアーチファクトのリストを提供する。
【0272】
1506では、アーチファクト識別再可能化サービス1108が、保留中のアーチファクトの受信されたリスト内の保留中のアーチファクトの1つを得るために、要求をASPシステム504に送信する。アーチファクトは、セカンダリキャプチャオブジェクト、レポート、またはASPシステム508が医療プロバイダ宛先ストレージ525にプッシュすることを望み得る他の何かであってよい。1508では、ASPシステム504は、要求されたアーチファクトをアーチファクト識別再可能化サービス1108に送信する。
【0273】
1512では、アーチファクトサービス1108が、アーチファクトに関するPHIデータを記憶サービス908に要求する。この要求は、応答において供給される、難読化されたStudyInstanceUIDタグを利用して、そのStudyInstanceUIDに関する元の関連付けられたタグ情報について、記憶サービス908に問い合わせてよい。1514では、PHIシステム510の記憶サービス908が、PHIデータをアーチファクトサービス1108に送信する。
【0274】
1516では、アーチファクトサービス1108が、アーチファクトを識別再可能化する。例えば、DICOMデータの場合、dcmodifyユーティリティが、アーチファクトが、最初に記憶されたそれらに合致するために、DICOMタグを再度書き込むために使用されてよい。
【0275】
成功した識別再可能化時、アーチファクトは、医療プロバイダ宛先ストレージ525にプッシュされた。宛先は、PACS、WRIS、または他の任意のサポートされる端点であってよい。接続詳細は、アーチファクト詳細と共にASPシステム504から提供されてよい。
【0276】
1522では、アーチファクトサービス1108が、そのアーチファクトのためのアーチファクト識別再可能化プロセスが完了したことを示す通知をASPシステム504に送信する。1524では、ASPシステム504が、そのアーチファクトのためのステータスが更新されたことをアーチファクトサービス1104に通知し、そのようなアーチファクトは、次の反復中に保留中のアーチファクトのリスト内でもはや返されないことを示す。
【0277】
上記で説明された自動化された手法は、従来の手法に特有である、フローおよび解剖学的構造を識別する際の主観性を除去し、ハイレベルまたは再現性を提供する。この再現性は、MRIデータの新しい使用を可能にする。例えば、単一の患者に関するMRIデータが、傾向に関して、異なるセッションにわたって確実に検討されることがある。さらに驚くべきことに、複数の患者に関するMRIデータが、母集団または人口統計にわたって、傾向に関して確実に検討されることがある。
【0278】
図16は、例示される一実施形態に従った、
図5に示されるPHIサービスパイプラインと統合された信頼されるブローカサービス(TBS)システム1601の概略図である。TBSシステム1601は、許可されたサードパーティが、許可されたアップローダから分析サービスプロバイダ(ASP)ネットワーク502にアップロードされたデータへのアクセスを制御することを可能にする。例示的な一実施形態では、クプロセッサベースのライアントデバイス520は、許可されたサードパーティのそれであってよい。他の実施形態では、PHIシステムまたはサービス510は、許可されたサードパーティのそれであってよい。TBSシステムは、MRIデータ、4Dフローデータ、またはPHIもしくは他の保護された情報もしくは個人情報を有してよい他の任意のタイプのデータを含んでよい医療スタディデータに適用され、これへのアクセスを記憶および制御するために使用されてよいが、他の実施形態では、本明細書において説明されるTBSシステムおよびPHIシステムは、限定するものではないが、機密性の高いデータ、信頼データ、分類されたデータ、秘密データ、所有権データ、個人情報、遺伝情報、医療履歴データ、疾患関連データ、メンタルヘルスデータ、臨床検査結果データ、血液検査結果データ、尿検査データ、薬物検査結果データ、遺伝子検査結果データ、生検データ、心電図データ、X線イメージングデータ、医療スキャンデータ、CTスキャンデータ、超音波スキャンデータ、医療イメージングデータ、診査手術データ、犯罪経歴データ、個人経歴データ、軍歴データ、封印された裁判記録データ、懲罰記録データ、学歴データ、機密保持契約に従属するデータ、家系データ、出生記録データ、個人信用データ、個人財務データ、株式非公開企業データ、企業秘密データ、秘密指令に従属するデータ、科学的データ、石油およびガス探査データ、地質学的調査データ、新しい石油が見つかったことについての地質学的データ、地理的データ、石油の潜在的発見のエリアに関するデータ、ならびに貴重な鉱物の潜在的発見のエリアに関するデータ、のうちの1つまたは複数を含む、様々なタイプの医療データと非医療データに適用され、これへのアクセスを記憶および制御するために使用されてよい。
【0279】
ASPネットワーク502は、医療プロバイダ(例えば、病院)ネットワーク508(1つが示されている)と関連付けられた様々なシステムと、およびTBSシステム1601と、ファイアウォール506を通して通信するASPシステム504(例えば、1つまたは複数のプロセッサベースのデバイス)を備える。ASPシステム504は、ASPネットワーク502に関する、本明細書において論じられる様々な機能のいくつかまたはすべてを提供する。ASPシステム504は、クラウドアーキテクチャを使用して実装されてよく、したがって、いくつかの分散されたプロセッサベースのデバイスを備えることがある。ASPシステム504は、例えば、ファイアウォール506を介してアクセス可能な1つまたは複数の通信ネットワークを介して、TBSシステム1601などの外部システムにアクセスすることがある。
【0280】
例示的な一実施形態では、この通信経路内に3つの主要な構成要素、すなわち、1.アップローダ、2.ASPシステム504、3.信頼されるブローカサービス1601があってよい。例示的な一実施形態では、許可されたアップローダは、上記で説明されたPHIシステムまたはサービス510であってもよいし、この一部であってもよいし、これと統合されてもよい。TBSシステム1601は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデータ処理システム、例えば、
図2に示されるそれ、データおよびコンピュータ実行可能命令を記憶し、それに応じて、本明細書において説明されるプロセスを実行するためにコンピュータ実行可能命令を実行するそれなどの、コンピュータを含んでよい。
【0281】
信頼されるブローカサービスは、JSONメタデータ(例えば、医療スタディデータに関するメタデータ)をアップローダ(例えば、PHIシステムまたはサービス510)から受け取り、それに一意識別子を割り当て、その識別子をアップローダに返す。信頼されるブローカサービス1601の内部では、識別子は、アクセス制御下でデータをどのように記憶およびダウンロードするかを示す命令と関連付けられる。
【0282】
信頼されるブローカサービス1601は、一意識別子が与えられたとき、アクセス命令を返すアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を露出させる。許可されたサードパーティ(例えば、プロセッサベースのクライアントデバイス520によって表される)は、信頼されるブローカサービス1601から一意識別子(および関連付けられた記録)を除去し、それによって、アクセス不能なその一意識別子を伴った状態でアップロードされたデータをレンダリングする。
【0283】
信頼されるブローカサービス1601は、アップローダとASPシステム504の両方から通信を受信する。この通信は、トランスポート層セキュリティ(TLS)を使用して行われてよい。構成要素は、自己書き換え型ドメイン確認済みSSL証明書が与えられる。これは、呼び出し側構成要素が、出て行く通信は、認証的に呼び出される構成要素のみを用いて発生することを保証されることを可能にする。信頼されるブローカサービス1601は、クライアント証明書検証を使用して、ASPシステム504から入ってくる接続を検証する。
【0284】
例示的な一実装形態では、信頼されるブローカサービス1601によって要求される3つの証明書がある。
private_key
public_certと関連付けられた秘密鍵
public_cert
信頼されるブローカサービスがそのパブリック証明書として使用する信頼されるCAによって署名された、pemフォーマットでの、ドメインにより有効性確認されたパブリック証明書チェーン
arterys_ca_cert
ASPシステム504から入ってくる要求上でのクライアント証明書検証に使用される、pemフォーマットの証明機関
【0285】
上記の証明書は、スタートアップ中にASPシステム504から取り出されることがある。
【0286】
例示的な実施形態では、証明書は、満了期間を有し、満了前に自動的に書き換えられる。
【0287】
例示的な実施形態では、信頼されるブローカサービス1601は、API要求を介して、ASPシステム504に対する、更新された証明書に関する周期的な要求を作成する。更新された証明書が存在する場合、信頼されるブローカサービスが、それらをインストールする。
【0288】
暗号化ベースの制御:
例示的な実施形態では、信頼されるブローカサービス1601は、各メタデータアップロードに対する暗号化情報を生成する。これは、一意の暗号化鍵と共に使用する暗号化/暗号化解除アルゴリズムを含む。
【0289】
ASPシステム504が、アップロード識別子と関連付けられたデータを保存したいまたは読み出したいときはいつでも、ASPシステム504は、アップロード識別子を使用して、信頼されるブローカサービス1601に暗号化情報を要求する。
【0290】
許可されたサードパーティは、信頼されるブローカサービス1601から一意識別子(および関連付けられた記録)を除去し、それによって、暗号化解除することが不可能なその一意識別子と共にアップロードされたデータをレンダリングする。
【0291】
図17は、例示される一実施形態に従った、暗号化ベースのデータアップロードがTBSシステムによってどのように実行されるかを示す、アップローダおよびTBSシステムの概略図である。
【0292】
信頼されるブローカサービスと通信するために、アップローダは、最初に、信頼されるブローカサービスアドレスと、認証トークンをASPシステムに要求する。(1)
【0293】
この要求の認証は、インストール中にアップローダ構成要素上に存在するAPI鍵および秘密を使用して行われる。
【0294】
アドレスおよび認証トークンの成功した受信時、アップローダは、それが記憶することを望むメタデータを、認証トークンと共に、信頼されるブローカサービスに送信する。(2)
【0295】
信頼されるブローカサービスは、認証トークンの検証を要求するASPシステムへの出て行く接続を作る。(3)
【0296】
成功した検証時に、信頼されるブローカサービスは、アップローダによって送信されたメタデータを保存する。これは、将来関連付けられるデータをASPシステムがどのようにして暗号化するべきかを示す何らかの暗号化情報と共に、そのメタデータのための一意識別子の生成を伴う。この一意識別子はアップローダに返される。(4)
【0297】
アップローダは、ここで、一意識別子と共に、データをASPシステムに送信する。(5)
【0298】
ASPシステムは、一意識別子と共に、それに問い合わせることによって、信頼されるブローカサービスにデータのための暗号化情報を要求する。(6)
【0299】
返された暗号化情報は、アップロードされるデータを暗号化するために、記憶の前に使用される。(7)
【0300】
図18は、例示される一実施形態に従った、暗号化ベースのデータダウンロードがTBSシステムによってどのように実行されるかを示す、エンドユーザシステム、ASPシステム、およびTBSシステムの概略図
である。
【0301】
ASPシステムがデータ要求を受信したとき、それは、内部ストレージ内の対応するアップロード識別子を探す(1)。例えば、この要求は、
図5および
図16に示されるプロセッサベースのクライアントデバイス520からであってよい。他の実施形態では、この要求は、
図5および
図16に示されるPHIシステムまたはサービス510からであってよい。
【0302】
そのアップロード識別子と関連付けられた暗号化情報に関する要求が、信頼されるブローカサービスに送信される(2)。
【0303】
返された暗号化情報は、それが返される前に、ストレージからの要求されたデータを暗号化解除するために使用される(3)。
【0304】
データアクセスの失効:
信頼されるブローカサービスは、アクセスが取り消されることになるデータを突き止めるために、そのアップロードメタデータの検索を可能にする。
【0305】
合致する記録が突き止められると、それらは、内部ストレージから除去され得る。それらの一意識別子が与えられた、暗号化情報に関するその後の要求は、もはや合致を見出さず、暗号化情報は返されない。
【0306】
これは、ASPシステムが、いかなる記憶されたデータを暗号化解除することが可能でなく、したがって、そのデータへのアクセスを取り消すことを保証する。
【0307】
図19は、例示される一実施形態に従った、アクセスベースのデータアップロードがTBSシステムによってどのように実行されるかを示す、アップローダ、ASPシステム、およびTBSシステムの概略図
である。
【0308】
アクセスベースの制御:
信頼されるブローカサービスは、URLと関連付けられたアクセス方針に応じて、ASPシステムがそのURLにファイルを記憶するまたはそのURLからファイルをダウンロードすることを可能にする、事前署名された、時間満了アクセスURLを生成する。
【0309】
信頼されるブローカサービスと通信するために、アップローダは、最初に、信頼されるブローカサービスアドレスおよび認証トークンをASPシステムに要求しなければならない。(1)この要求の認証は、インストール中にアップローダ構成要素上に存在するAPI鍵および秘密を使用して行われる。
【0310】
アドレスおよび認証トークンの成功した受信時、アップローダは、それが記憶することを望むメタデータを、認証トークンと共に、信頼されるブローカサービスに送信する。(2)
【0311】
信頼されるブローカサービスは、認証トークンの検証を要求するASPシステムへの出て行く接続を作る。(3)
【0312】
成功した検証時に、信頼されるブローカサービスは、アップローダによって送信されたメタデータを保存する。これは、そのメタデータのための一意識別子の生成を伴う。この一意識別子はアップローダに返される。(4)
【0313】
アップローダは、次に、一意識別子と共にデータをASPシステムに送信する。(5)
【0314】
ASPシステムは、ファイル名および一意識別子を信頼されるブローカサービスに送信することによって、事前署名されたアップロードURLを要求する。(6)
【0315】
信頼されるブローカサービスは、要求されたファイル名を一意識別子に関連付け、そのファイル名のための事前署名されたアップロードURLを生成する。信頼されるブローカサービスは、URLをASPシステムに返す。(7)
【0316】
ASPシステムは、それがアップロードすることを、事前署名されたアップロードURLに望むデータを送信する。(8)
【0317】
図20は、例示される一実施形態に従った、アクセスベースのデータダウンロードがTBSシステムによってどのように実行されるかを示す、エンドユーザシステム、ASPシステム、およびTBSシステムの概略図
である。
【0318】
ASPシステムがデータ要求を受信したとき、ASPシステムは、内部ストレージ内の対応するアップロード識別子およびファイル名を探す(1)。
【0319】
そのファイル名およびアップロード識別子と関連付けられた事前署名されたダウンロードURLに関する要求が、信頼されるブローカサービスに送信される(2)。
【0320】
信頼されるブローカサービスは、要求されたファイルに関する事前署名されたダウンロードURLを生成する(3)。
【0321】
次いで、ASPシステムが、事前署名されたダウンロードURLによって指定されたロケーションにおけるデータを要求し得る(4)。
【0322】
データアクセスの失効
信頼されるブローカサービスは、アクセスが取り消されることになるデータを突き止めるために、そのアップロードメタデータの検索を可能にする。
【0323】
合致する記録が突き止められると、それらは、内部ストレージから除去され得る。事前署名されたurlに関するその後の要求は、合致がもはや見出されないので、失敗する。
【0324】
これは、ASPシステムが、信頼されるブローカサービスによって制御される、いかなる記憶されたデータにアクセスすることが可能でないことを保証する。
【0325】
アクセスベースのデータアップロードプロセス、データアクセスプロセス、およびアクセス失効プロセスのいくつかまたはすべてが、本明細書において説明される暗号化ベースのデータアップロードプロセス、データアクセスプロセス、およびアクセス失効プロセスの代わりに使用されてもよいし、これらに関連して使用されてもよい。
【0326】
図21は、例示される一実施形態に従った、医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムを動作させるプロセス2100を例示する、フロー図である。例えば、分析サービスプロバイダ(ASP)システムは、ASPシステム504であってよい。
【0327】
2102では、ASPシステムが、医療スタディデータの一意識別子と共に医療スタディデータを受信する。
【0328】
2104では、ASPシステムは、ASPシステム上に医療スタディデータの一意識別子を記憶する。
【0329】
2106では、ASPシステムが、受信された医療スタディデータに対するアクセス命令を求める要求を送信し、この要求は、医療スタディデータの一意識別子を含む。
【0330】
2108では、ASPシステムが、要求に応答してアクセス命令を受信する。
【0331】
2110では、ASPシステムが、受信されたアクセス命令を使用して、ASPシステム上に医療スタディデータを記憶する。
【0332】
図22は、例示される一実施形態に従った、医療分析プラットフォームの信頼されるブローカサービス(TBS)システムを動作させるプロセス2200を例示する、フロー図である。
【0333】
2202では、TBSシステムが、分析サービスプロバイダ(ASP)システムから、医療スタディデータがASPシステム上に記憶されるためのアクセス命令を求める要求を受信し、この要求は、医療スタディデータの一意識別子を含む。
【0334】
2204では、TBSシステムが、一意識別子を使用して、医療スタディデータのためのアクセス命令を取り出す。
【0335】
2206では、TBSシステムが、アクセス命令に関する要求に応答して、医療スタディデータのためのアクセス命令をASPシステムに送信する。
【0336】
図23は、例示される一実施形態に従った、医療分析プラットフォームの医療スタディデータアップローダ(MSDU)システムを動作させるプロセス2300を例示する、フロー図である。
【0337】
2302では、MSDUシステムが、認証トークンおよび信頼されるブローカサービス(TBS)システムのアドレスを求める要求を分析サービスプロバイダ(ASP)システムに送信し、この要求は、MSDUシステム上に記憶されたアプリケーションプログラミングインターフェース(API)鍵および一意の秘密を含む。
【0338】
2304では、MSDUシステムが、ASPシステムに送信された要求に応答して、認証トークンとTBSシステムのアドレスをASPシステムから受信する。
【0339】
2306では、MSDUシステムが、TBSシステムのアドレスを使用して、認証トークンと共に医療スタディデータに関するメタデータをTBSシステムに送信する。
【0340】
2308では、MSDUシステムが、TBSシステムへの認証トークンと共に医療スタディデータに関するメタデータの送信に応答して、医療スタディデータの一意識別子をTBSシステムから受信する。
【0341】
2310では、MSDUシステムが、ASPシステム上での記憶のために、医療スタディデータと共に、医療スタディデータの一意識別子をASPシステムに送信する。
【0342】
図24は、例示される一実施形態に従った、医療スタディデータアップローダ(MSDU)システムと、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、信頼されるブローカサービス(TBS)システムとを含む、医療分析プラットフォームを動作させるプロセス2400を例示する、フロー図である。
【0343】
2402では、MSDUシステムが、医療スタディデータに関するメタデータをTBSシステムに送信する。
【0344】
2404では、TBSシステムが、医療スタディデータの一意識別子を生成する。
【0345】
2406では、TBSシステムが、医療スタディデータについてのアクセス情報を生成する。
【0346】
2408では、TBSシステムは、医療スタディデータの一意識別子を、医療スタディデータについてのアクセス情報および医療スタディデータに関するメタデータと関連付ける。
【0347】
2410では、TBSシステムが、医療スタディデータに関するメタデータをTBSシステム上に記憶する。
【0348】
2412では、TBSシステムが、医療スタディデータの一意識別子の、医療スタディデータについてのアクセス情報および医療スタディデータに関するメタデータとの関連付けをTBSシステム上に記憶する。
【0349】
2414では、TBSシステムが、医療スタディデータの一意識別子をMSDUシステムに送信する。
【0350】
2416では、MSDUシステムが、ASPシステム上での記憶のために、医療スタディデータと共に、医療スタディデータの一意識別子をASPシステムに送信する。
【0351】
2418では、ASPシステムが、医療スタディデータの一意識別子をASPシステム上に記憶する。
【0352】
2420では、ASPシステムが、受信された医療スタディデータに対するアクセス命令を求める要求を送信し、この要求は、医療スタディデータの一意識別子を含む。
【0353】
2422では、ASPシステムが、要求に応答してアクセス命令を受信する。
【0354】
2424では、ASPシステムが、受信されたアクセス命令を使用して、ASPシステム上に医療スタディデータを記憶する。
【0355】
長手方向に追跡する完全に識別不能化された医療スタディ
以下は、可能な一実装形態の説明を提供する。
図25~
図28は、以下で説明される特徴を例示する。具体的には、
図25は、完全に識別不能化された医療スタディを追跡するシステム2500の概略ブロック図である。システム2500は、PHIサービス2502と、リモートサービス2504と、スキャナ2506と、関連スタディサービス2508と、設定2510とを含む。
図26は、PHIサービスのためのスタートアップ動作2600を例示する、フロー図であり、
図27は、組織設定プロセス2700の変更を例示する、フロー図であり、
図28は、新しいスタディのスキャン時に実施されるプロセス2800の流れフロー図である。
【0356】
図25を参照すると、関連スタディサービス2502は、組織(例えば、病院)内でホストされることがある。動作時、関連スタディサービス2502は、識別不能化情報のための暗号学的ハッシュを生成する。関連スタディサービス2508は、サービスが開始したとき、最初に暗号鍵をロードすることがある。鍵が存在しない場合、サービス2508は、(例えば、オペレーティングシステムの擬似乱数生成器を使用して)鍵を生成する。
【0357】
スタートアップ時に、2602において、関連スタディサービス2508が、最初に、組織の構成された識別フィールドをロードする。それは、別の構成または設定サービス2510に問い合わせることによって、これを行い、構成または設定サービス2510は、同じアプリケーションの一部であってよく、次いで、構成または設定サービス2510は、組織の構成情報についてリモートサービス2504に問い合わせる。この構成サービス2510は、構成更新についてリモートサービス2504に周期的に問い合わせ、関連スタディサービス2508などの依存サービスに何らかの変更を通知することが可能である(
図27の方法2700の2702および2704を参照されたい)。
【0358】
2604では、組織の構成された識別フィールドを取り出した後、関連スタディサービス2508は、記憶された識別データ(例えば、スキャンによってグループ化された)に問い合わせ、組織の構成によって指定されたフィールドのすべておよび以前に生成された鍵を付加することによって、各スタディに対してハッシュ(例えば、sha256ハッシュ)を生成する。
【0359】
2606において、新しく生成された暗号学的ハッシュが、同じスタディに関するキャッシュされたバージョンと異なる場合、または以前にキャッシュされたバージョンがない場合、2608では、次いで、関連スタディサービス2508が、HTTP API端点を介して暗号学的ハッシュをリモートサービス2504に送信する(2610において受信される)(鍵/秘密およびsslを介して安全にされる)、次いで、そのキャッシュ内にデータをローカルに記憶する。
【0360】
新しいスタディが、通常動作中にイメージングデバイス2506から関連スタディサービス2508によって受信されたとき、関連スタディサービスは、暗号学的ハッシュを計算し、そのスタートアップ計算の間と同じAPI方法を介してリモートサービス2504に暗号学的ハッシュを送信する(例えば、
図28の方法2800の行為2802~2818を参照されたい)。次いで、新しく生成された暗号学的ハッシュが、関連スタディサービス2508のキャッシュ内に記憶される。
【0361】
構成サービス2510が組織の構成の変更を検出したとき、構成サービスは、すべての依存サービスに通知する。関連スタディサービス2508の場合、変更通知が構成サービス2510から受信されたとき、関連スタディサービスは、スタートアップ時実行されたのと同じプロセスを実行し、すべての記憶されたデータを再び通過し、必要とされる場合にリモートクラウドサービス2504に送信されることになる暗号学的ハッシュを再生成する。
【0362】
関連スタディサービス2508によって送信され、リモートクラウドサービス2504によって受信される、各スキャンのためのそのデータは、難読化されたStudyInstanceUIDと、暗号学的ハッシュとを含む。難読化されたStudyInstanceUIDは、リモートクラウドサービス2504内でスキャンの各々を一意に識別するために使用される。
【0363】
リモートクラウドサービス2504は、各スキャンに対する難読化されたStudyInstanceUIDをスキャンの収集された情報の残りに対する鍵として使用して、スキャンの収集された情報から別々にスタディを関連する暗号学的ハッシュを記憶する。これは、スキャン間の関係を提供する暗号学的ハッシュが、スキャンと関連付けられた画像およびメタデータに影響を及ぼすことなく、迅速に修正または除去されることを可能にする。それは、漏洩の場合に情報を分けられたように保つことによって、セキュリティも提供する。データ漏洩の場合、攻撃者は、データの両方のセット(すなわち、スキャンの処理中に記憶された識別不能化されたフィールドと、難読化されたStudyInstanceUIDを介してリンクされた暗号学的ハッシュ)を必要とする。追加のセキュリティが、識別データに付与された一意の暗号鍵(上記で説明された)を使用することによって提供される。攻撃者が、組織のデータセンタ内で関連スタディサービス2508をホストするサーバ上に暗号化されて記憶された鍵へのアクセスを有さずに、識別情報へのアクセスを有していた場合、攻撃者は、患者のためのsha256サムを決定することは不可能である。
【0364】
少なくともいくつかの実装形態では、本開示は、識別不能化された複数のDICOMスタディ間の関係を確立するためのシステムおよび方法を提供し得る。スタディは、共通フィールドを使用してリンクされてよい。共通フィールドは、組織レベルで選ばれてよい。デフォルト共通識別フィールドは、例えば、PatientIDと、InstitutionNameとを含んでよい。共通フィールドは、組織秘密鍵と組み合わされてよい。組織ごとに一意の鍵は、誰かが、共通フィールドのみを使用して暗号学的ハッシュを作成することを防止し、これは、データを安全に保つ。一意の秘密と共に共通フィールドの暗号学的ハッシュは、すべての関連するスタディ間に共通する一意識別子を提供するために、計算および使用されてよい。
【0365】
暗号学的ハッシュは、PHIサーバ2502上の記憶された識別データを使用して計算され、クラウドサーバ2504に送信されてよい。暗号学的ハッシュは、識別不能化されたデータと共に記憶されないことがある。ハッシュが、識別不能化されたデータと共に記憶されないことがあるので、ハッシュは遡及して生成可能であり、ハッシュは、異なる共通フィールドを使用して再生成することが可能であり、ハッシュは、すべてのDICOMデータを再処理する必要なく迅速に削除または再計算可能である。
【0366】
各新しく処理されたスタディの暗号学的ハッシュは、クラウドサーバ2504に送信されてよい。
【0367】
暗号学的ハッシュは、周期的に計算され、以前に記憶された値と比較されてよい。異なる場合(以前に記憶されていないことを含む)、それらは、クラウドサービス2504に再送信されてよい。これは、以前に処理されたスタディが関連することを可能にする。これは、共通フィールドが修正されることも可能にし、すべてのデータは、新しい手段で関連することが可能である。
【0368】
PHIサーバ2502は、組織の構成された共通フィールドについてクラウドサーバ2504に周期的に問い合わせてよい。これは、組織が識別共通フィールドを変更し、最小の労力で関係を再生成することを可能にする。
【0369】
図29は、例示される一実施形態に従った、医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムおよび保護された健康情報(PHI)システムをPHIにアクセスするように動作させるプロセス2900を例示する、フロー図である。医療分析プラットフォームは、
図5に示される医療分析プラットフォーム500のすべてまたは一部を備えてよい。例えば、医療分析プラットフォームは、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、保護された健康情報(PHI)システムとを備えてよい。様々な実施形態では、ASPシステムは、
図5に示されるASPネットワーク502および/またはASPシステム504のすべてまたは一部を備えてよい。様々な実施形態では、PHIシステムは、
図5に示されるPHIシステム510のすべてまたは一部を備えてよい。
【0370】
2902では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムの少なくとも1つの非一時的なプロセッサ可読記憶媒体上に記憶する。
【0371】
2904では、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサが、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータを、PHIシステムの少なくとも1つの非一時的なプロセッサ可読記憶媒体上に記憶する。
【0372】
2906では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの通信ネットワークを介してプロセッサベースのクライアントデバイスから医療スタディを求める要求を受信する。
【0373】
2908では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信された医療スタディを求める要求を認証する。
【0374】
2910では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介してPHIシステムに要求する。
【0375】
2912では、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサが、要求に応答して、要求されたPHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介してASPシステムに送信する。
【0376】
2914では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、PHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介してPHIシステムから受信する。
【0377】
2916では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、受信されたPHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して要求側プロセッサベースのクライアントデバイスに送信する。
【0378】
2918では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、要求された医療スタディのための識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介してプロセッサベースのクライアントデバイスに送信する。
【0379】
PHIシステムから要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータを要求することは、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータのためのHTTPSロングポーリング要求をPHIシステムのサーバに送信することを含んでよい。PHIシステムのサーバは、要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータが利用可能になるまで、要求を未解決に保ち得る。要求されたPHIデータの、ASPシステムへの送信は、PHIシステムのサーバに送信されたHTTPSロングポーリング要求に応答してよい。
【0380】
要求されたPHIデータの、ASPへの送信は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、ASPシステムからPHIシステムのサーバに送信されたHTTPSロングポーリング要求に応答して、要求されたPHIデータをASPシステムに送信することを含んでよい。また、PHIシステムからPHIデータを受信したことに応答して、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、PHIシステムからの新しいPHIデータに関する別のHTTPSロングポーリング要求を、PHIシステムに即時に送信してよい。
【0381】
受信されたPHIデータの、要求側プロセッサベースのクライアントデバイスへの送信は、ASPシステムによってPHIデータを持続的に記憶することなく、受信されたPHIデータを要求側プロセッサベースのクライアントデバイスに送信することを含んでよい。また、受信されたPHIデータの、要求側プロセッサベースのクライアントデバイスへの送信は、ASPシステムによって受信されたPHIデータを暗号化解除することなく、受信されたPHIデータを要求側プロセッサベースのクライアントデバイスに送信することを含んでよい。
【0382】
分析サービスプロバイダ(ASP)システムと保護された健康情報(PHI)システムとを含む医療分析プラットフォームを動作させるプロセス2900は、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも1つの通信ネットワークを介してPHIデータをASPシステムから受信することと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、識別不能化された医療スタディデータをASPシステムから受信することと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータと識別不能化された医療スタディデータをマージして、識別再可能化された医療スタディデータを生成することと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータをプロセッサベースのクライアントデバイスのユーザに提示することとをさらに含んでよい。
【0383】
分析サービスプロバイダ(ASP)システムと保護された健康情報(PHI)システムとを含む医療分析プラットフォームを動作させるプロセス2900は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを含む医療スタディデータを受信することと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータを医療スタディデータから除去して、識別不能化された医療スタディデータを生成することと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータをPHIシステムの少なくとも1つの非一時的なプロセッサ可読記憶媒体に記憶することと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介してASPシステムに送信することとをさらに含んでよい。
【0384】
PHIデータを含む医療スタディデータを受信することは、医療イメージングデータをスキャナから受信することを含んでよい。医療スタディデータからPHIデータを除去することは、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、削除されることが可能にされたフィールドを除去することと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、削除されることが不可能にされたフィールド内のデータを、難読化された置換データで置き換えることとを含んでよい。
【0385】
分析サービスプロバイダ(ASP)システムと保護された健康情報(PHI)システムとを含む医療分析プラットフォームを動作させるプロセス2900は、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子を医療スタディのための医療スタディデータと関連付けることと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、一意識別子をPHIシステムの少なくとも1つの非一時的なプロセッサ可読記憶媒体に記憶することと、PHIシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、医療スタディについての識別不能化された医療スタディデータと共に、一意識別子を、少なくとも1つの通信ネットワークを介してASPシステムに送信することとをさらに含んでよい。
【0386】
分析サービスプロバイダ(ASP)システムと保護された健康情報(PHI)システムとを含む医療分析プラットフォームを動作させるプロセス2900は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータに関連する分析データを生成することと、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、生成された分析データを、少なくとも1つの通信ネットワークを介してPHIシステムに送信することとをさらに含んでよい。
【0387】
図30は、例示される一実施形態に従った、PHIにアクセスするように、医療分析プラットフォームのASPシステムを動作させるプロセス3000を例示する、フロー図である。医療分析プラットフォームは、
図5に示される医療分析プラットフォーム500のすべてまたは一部を備えてよい。例えば、医療分析プラットフォームは、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、保護された健康情報(PHI)システムとを備えてよい。様々な実施形態では、ASPシステムは、
図5に示されるASPネットワーク502および/またはASPシステム504のすべてまたは一部を備えてよい。様々な実施形態では、PHIシステムは、
図5に示されるPHIシステム510のすべてまたは一部を備えてよい。PHIシステムは、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータをPHIシステムの少なくとも1つの非一時的なプロセッサ可読記憶媒体上に記憶し得る。
【0388】
3002では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、識別不能化された医療スタディデータを、ASPシステムの少なくとも1つの非一時的なプロセッサ可読記憶媒体上に記憶する。
【0389】
3004では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの通信ネットワークを介してプロセッサベースのクライアントデバイスから医療スタディを求める要求を受信する。
【0390】
3006では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、プロセッサベースのクライアントデバイスから受信された医療スタディを求める要求を認証する。
【0391】
3008では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介してPHIシステムに要求する。
【0392】
3010では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、要求に応答して、PHIデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介してPHIシステムから受信する。
【0393】
3012では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、受信されたPHIデータを、PHIデータの内容にアクセスすることなく、少なくとも1つの通信ネットワークを介して要求側プロセッサベースのクライアントデバイスに送信する。
【0394】
3014では、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサが、要求された医療スタディのための識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワーク上で、プロセッサベースのクライアントデバイスに送信する。
【0395】
識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータをPHIシステムの少なくとも1つの非一時的なプロセッサ可読記憶媒体上に記憶するASPシステムと、保護された健康情報(PHI)システムであって、PHIシステムとを備える医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムを動作させるプロセス3000は、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、識別不能化された医療スタディデータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介してPHIシステムから受信することをさらに含んでよい。
【0396】
識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータをPHIシステムの少なくとも1つの非一時的なプロセッサ可読記憶媒体上に記憶するASPシステムと、保護された健康情報(PHI)システムであって、PHIシステムとを備える医療分析プラットフォームの分析サービスプロバイダ(ASP)システムを動作させるプロセス3000は、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも1つの通信ネットワークを介してPHIデータをASPシステムから受信することと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、識別不能化された医療スタディデータをASPシステムから受信することと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、PHIデータと識別不能化された医療スタディデータをマージして、識別再可能化された医療スタディデータを生成することと、プロセッサベースのクライアントデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって、識別再可能化された医療スタディデータをプロセッサベースのクライアントデバイスのユーザに提示することとをさらに含んでよい。
【0397】
PHIシステムから要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータを要求することは、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサによって、要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータが利用可能になるまで未解決に保つ要求された医療スタディと関連付けられたPHIデータのためのHTTPSロングポーリング要求をPHIシステムのサーバに送信することを含んでよい。PHIデータをPHIシステムから受信することは、PHIシステムのサーバに送信されたHTTPSロングポーリング要求に応答してよい。
【0398】
PHIシステムからPHIデータを受信したことに応答して、ASPシステムの少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの通信ネットワーク上で、新しいPHIデータがPHIシステムから利用可能になるまで未解決に保つことになるPHIシステムからの新しいPHIデータに関する別のHTTPSロングポーリング要求を、PHIシステムに即時に送信してよい。
【0399】
図29および
図30に関連して説明された上記のプロセスは、ユーザが、医療サービスプロバイダ(例えば、病院)の仮想プライベートネットワークまたはWiFiネットワークへの接続を必要とせずにPHIにアクセスすることを可能にすることによって、コンピュータネットワークを介した医療画像および分析の技術の効率および柔軟性を向上させる。そのような改善点は、コンピュータネットワーク技術に根ざしている。
【0400】
DICOMスタディは、経時的に部分的に送信可能であり、より最近のファイルは、以前のアップロード(例えば、
図5に示されるMRI獲得システム514からPHIシステム510へのアップロード)以降に変化したDICOMメタデータを含む。例えば、DICOMスタディは、更新された患者年齢、または追加のシリーズが含まれた状態で再アップロードされることがある。一実施形態は、DICOM一意識別子(UIDS)を、難読化されたバージョンで置き換えることによって、各入ってくるアップロードを異なるスタディとして取り扱う。
図31と
図32と本明細書における関連付けられた説明とを含む以下の説明は、どの時系列でスタディの部分が受信されるかに関係なく「同じスタディ」が同じ手段で難読化されることを保証するプロセスを開示する。
【0401】
例えば、修正された非識別子ユーティリティ(例えば、GDCMプロジェクトからの修正されたgdcmanonユーティリティ)が使用されてよい。具体的には、gdcmanonは、世界的な一意識別子(UUID)由来UID生成スキーム(その全体が参照により本明細書に組み込まれる非特許文献2において定義される)を使用するように修正されてよい。具体的には、新しいObfuscatedUIDは、元のUIDを得て、それをoid名前空間によって修正し、SHA-1ハッシュを適用することによって、作成されてよい。この関数は、全射である。
【0402】
上記で参照されたように、DICOMメタデータは、経時的に効果的に変更可能であるので、記憶サブシステム(例えば、
図5のPHIシステム510の)は、元のStudyInstanceUIDを参照する各新しいアップロードに対して別々にメタデータを記憶するように修正されてよい。
【0403】
一例として、スタディが、StudyInstanceUID {alpha}と共に入ってくる(例えば、
図5のPHIシステム510にアップロードされる)[アップロードA]。{alpha}は、各DICOMファイル内で、上記で説明されたように、修正された非識別子ユーティリティを使用して、ObfuscatedStudyInstanceUIDで置き換えられる。PHIデータが抽出され、ローカルデータベース(例えば、
図5のPHIシステム510のローカルデータベース)に記憶され、ObfuscatedStudyInstanceUIDを元のStudyInstanceUIDにマップする。
【0404】
ある後の時点で、StudyInstanceUID {alpha}をもつ追加のスタディデータが入ってくる[アップロードB](例えば、
図5のPHIシステム510にアップロードされる)。上記で説明された修正された非識別子ユーティリティによって実装される非識別子関数の性質により、{alpha}は、次いで{alpha}のすべてのインスタンスを置き換えるために使用される同じObfuscatedStudyInstanceUIDにマップされる。
【0405】
PHIデータは、第2のアップロードに対して同じ手段で抽出されてよいが、抽出されたPHIデータは、次いで、アップロード識別子と一緒にPHIシステム(例えば、
図5のPHIシステム510)によって記憶される。PHIデータがPHIサービスから(例えば、
図5のPHIシステム510から)要求されたとき、返される応答は、最新のアップロードを含めてそれまで変更および追加をPHIに適用することによって生成される。
【0406】
上記の例では、返される応答は、以下のように算出される。
PHI=extract_phi_from[アップロードA]
PHI=merge(PHI,extract_phi_from[アップロードB])
【0407】
merge関数は、[アップロードB]から抽出されたPHIが[アップロードA]からアップロードされたPHIに優先するように設計される。これは、Nアップロードシナリオに一般化されてよい。任意の[アップロードX]に対するマージされたPHIが問い合わせされ得るように、追加のAPIが提供されてよい。
【0408】
図31は、上記に関する一実施形態に従った、組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを、PHIデータを記憶するように動作させるプロセス3100を例示する、フロー図である。例えば、プロセス3100は、
図5に示される医療分析プラットフォーム500のすべてまたは一部を備えてよい医療分析プラットフォームの1つまたは複数のプロセッサによって実行されてよい。例えば、医療分析プラットフォームは、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、保護された健康情報(PHI)システムとを備えてよい。様々な実施形態では、ASPシステムは、
図5に示されるASPネットワーク502および/またはASPシステム504のすべてまたは一部を備えてよい。様々な実施形態では、PHIシステムは、
図5に示されるPHIシステム510のすべてまたは一部を備えてよい。PHIシステムは、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータをPHIシステムの少なくとも1つの非一時的なプロセッサ可読記憶媒体上に記憶し得る。一実施形態では、プロセス3100は、
図5に示されるPHIシステム510の1つまたは複数のプロセッサによって実行されてよい。
【0409】
3102では、少なくとも1つのプロセッサが、DICOMスタディを一意に識別するDICOMスタディの部分から、スタディインスタンス一意識別子を取得する。
【0410】
3104では、少なくとも1つのプロセッサが、スタディインスタンス一意識別子に基づいてハッシュを生成する。
【0411】
3106では、少なくとも1つのプロセッサが、生成されたハッシュに基づいて、難読化されたスタディインスタンス一意識別子を生成する。
【0412】
3108では、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも、DICOMスタディの部分内のスタディインスタンス一意識別子を、難読化されたスタディインスタンス一意識別子で置き換えることによって、DICOMスタディの部分を識別不能化する。
【0413】
3110では、少なくとも1つのプロセッサが、保護された健康情報(PHI)をDICOMスタディの部分から抽出する。
【0414】
3112では、少なくとも1つのプロセッサが、DICOMスタディの部分から抽出されたPHIを記憶する。
【0415】
3114では、少なくとも1つのプロセッサが、スタディインスタンス一意識別子と、難読化されたスタディインスタンス一意識別子と、DICOMスタディの部分との間の少なくとも1つの関連付けを記憶する。
【0416】
3116では、DICOMスタディの追加の部分が受信されたかどうか、少なくとも1つのプロセッサによって決定がなされる。例えば、これは、更新されたDICOMメタデータまたは追加のDICOMメタデータを含んでよい。DICOMスタディの追加の部分が受信されたことが決定された場合、プロセスは3102に進み、DICOMスタディの追加の部分に対して動作を繰り返す。DICOMスタディの追加の部分が受信されていないことが決定された場合、プロセスは3118における終了に進み、したがって、プロセス3100により、DICOMスタディの各追加の部分が受信されると、PHIが、そのスタディに対して記憶される。
【0417】
図32は、例示される一実施形態に従った、組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを、マージされたPHIデータを提供するように動作させるプロセス3200を例示する、フロー図である。一実施形態では、プロセス3200は、プロセス3100により記憶されたPHIにアクセスするために使用されてよい。プロセス3200は、プロセス3100に関連して使用されてもよいし、その一部として使用されてもよい。例えば、プロセス3100は、
図5に示される医療分析プラットフォーム500のすべてまたは一部を備えてよい医療分析プラットフォームの1つまたは複数のプロセッサによって実行されてよい。医療分析プラットフォームは、分析サービスプロバイダ(ASP)システムと、保護された健康情報(PHI)システムとを備えてよい。様々な実施形態では、ASPシステムは、
図5に示されるASPネットワーク502および/またはASPシステム504のすべてまたは一部を備えてよい。様々な実施形態では、PHIシステムは、
図5に示されるPHIシステム510のすべてまたは一部を備えてよい。PHIシステムは、識別不能化された医療スタディデータと関連付けられたPHIデータをPHIシステムの少なくとも1つの非一時的なプロセッサ可読記憶媒体上に記憶し得る。一実施形態では、プロセス3100は、
図5に示されるPHIシステム510の1つまたは複数のプロセッサによって実行されてよい。
【0418】
3202では、少なくとも1つのプロセッサが、プロセス3100の難読化されたスタディインスタンス一意識別子と関連付けられたPHIを求める要求を受信する。
【0419】
3204では、PHIデータを求める要求に応答して、少なくとも1つのプロセッサが、DICOMスタディを、難読化されたスタディインスタンス一意識別子と関連付けられていると識別する。
【0420】
3206では、少なくとも1つのプロセッサが、スタディインスタンス一意識別子と、難読化されたスタディインスタンス一意識別子と、DICOMスタディの部分との間の少なくとも1つの関連付けに基づいて、DICOMスタディの部分と関連付けられた記憶されたPHIを識別する。
【0421】
3208では、少なくとも1つのプロセッサが、記憶されてDICOMスタディの部分と関連付けられたPHIを抽出する。
【0422】
3210では、少なくとも1つのプロセッサが、抽出されたPHIを、DICOMスタディの複数の部分のうちの他の部分と関連付けられた以前に抽出されたPHIとマージする。
【0423】
3214では、例えば、
図5のPHIシステム510内などで、DISCOMスタディの追加の部分が追加され、処理に利用可能であるかどうか、少なくとも1つのプロセッサによって決定がなされる。DISCOMスタディの追加の部分が記憶されたことが決定された場合、プロセス3200は3206に進んで、その追加の部分を処理する。これは、記憶されて処理に利用可能な部分が残っていなくなるまで、DICOMスタディのすべての部分がマージされることをもたらす。DISCOMスタディの追加の部分が記憶されていないことが決定された場合、プロセスは3212に進む。
【0424】
3212では、少なくとも1つのプロセッサが、DICOMスタディに関してマージされたPHIを提供する。例えば、これは、DICOMスタディデータを要求した、
図5に示されるプロセッサベースのクライアントデバイス520に提供されてよい。
【0425】
組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを動作させるプロセス3200は、少なくとも1つのプロセッサによって、DICOMスタディの複数の部分の各部分を別個のアップロードとして、異なる時間に受信することをさらに含んでよい。
【0426】
抽出されたPHIを、DICOMスタディの複数の部分のうちの他の部分と関連付けられた以前に抽出されたPHIとマージすることは、DICOMスタディの複数の部分のうちの各部分がいつアップロードされたかという時系列を決定することと、DICOMスタディに関してマージされたPHI内で、少なくとも1つのプロセッサによって、以前に抽出されたPHIよりも、対応するその後アップロードされたPHIを優先することを含んでよい。
【0427】
組織と関連付けられたプロセッサベースのシステムを動作させるプロセス3200は、少なくとも1つのプロセッサによって、DICOMスタディの複数の部分のうちの一部分を識別する問い合わせを受信することであって、この問い合わせは、DICOMスタディの複数の部分のうちの識別された一部分を検索するためのパラメータを含む、受信することと、この問い合わせに応答して、少なくとも1つのプロセッサによって、パラメータに基づいてDICOMスタディの複数の部分のうちの識別された一部分と関連付けられたPHIを検索することと、少なくとも1つのプロセッサによって、パラメータに基づいてDICOMスタディの複数の部分のうちの識別された一部分と関連付けられたPHIを提供することとをさらに含んでよい。
【0428】
DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも1つの部分は、DICOMメタデータを含むことがあり、DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも別の部分は、同じDICOMメタデータに対する更新を含むことがある。DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも1つの部分は、DICOMメタデータを含むことがあり、DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも別の部分は、DICOMスタディのためのDICOMメタデータに対する追加を含むことがある。DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも1つの部分は、DICOMメタデータを含むことがあり、DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも別の部分は、DICOMスタディのためのDICOMメタデータに対する追加を含むことがある。DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも1つの部分は、DICOMスタディと関連付けられた患者年齢を含むことがあり、DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも別の部分は、DICOMスタディと関連付けられた患者年齢に対する更新を含むことがある。DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも1つの部分は、DICOMスタディに関するシリーズレベルデータを含むことがあり、DICOMスタディの複数の部分のうちの少なくとも別の部分は、DICOMスタディに関する追加のシリーズレベルデータを含むことがある。
【0429】
図31および
図32に関連して説明された上記のプロセスは、DICOMスタディデータを経時的に受け入れ、どのPHIデータが変化したかを、それが受信された時系列に関係なく追跡する/取り出すために、PHIサービス内の一意識別子を相関付けることによって、コンピュータネットワーク上での医療画像および分析の技術のスピード、効率、および柔軟性を向上させる。
【0430】
前述の詳細な説明は、ブロック図、概略図、および例の使用を介して、デバイスおよび/またはプロセスの様々な実装形態を記載してきた。そのようなブロック図、概略図、および例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限り、そのようなブロック図、フローチャート、または例における各機能および/または動作が、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの事実上あらゆる組み合わせによって、個別におよび/または集合的に実装され得ることは、当業者によって理解されよう。一実装形態では、本主題は、特定用途向け集積回路(ASIC)を介して実装され得る。しかしながら、当業者は、本明細書において開示される実装形態が、1つもしくは複数のコンピュータ上で走る1つもしくは複数のコンピュータプログラムとして、(例えば、1つもしくは複数のコンピュータシステム上で走る1つもしくは複数のプログラムとして)、1つもしくは複数のコントローラ(例えば、マイクロコントローラ)上で走る1つもしくは複数のプログラムとして、1つもしくは複数のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)上で走る1つもしくは複数のプログラムとして、ファームウェアとして、またはそれらの事実上あらゆる組み合わせとして、全体的にまたは部分的に、標準的な集積回路内で同等に実装され得ること、ならびに、回路を設計することおよび/またはソフトウェアおよび/もしくはファームウェアのためのコードを記述することが、本開示を考慮すると十分に当業者の技術の範囲内であることを認識するであろう。
【0431】
当業者は、本明細書において記載された方法またはアルゴリズムの多くが、追加の行為を用いてもよく、いくつかの行為を省略してもよく、および/または指定されたものとは異なる順序で行為を実行してもよいことを認識するであろう。
【0432】
加えて、当業者は、本明細書において教示される機構は、様々な形でプログラム製品として配布されることが可能であること、ならびに、例示的な実装形態が、配布を実際に行うために使用される特定のタイプの信号担持媒体に関係なく等しく適用することを諒解するであろう。信号担持媒体の例は、限定するものではないが、フロッピディスク、ハードディスクドライブ、CD ROM、デジタルテープ、およびコンピュータメモリなどの記録可能タイプ媒体を含む。
【0433】
上記で説明された様々な実装形態は、さらなる実装形態を提供するために組み合わせ可能である。それらが本明細書における特定の教示および定義と矛盾しない限り、限定するものではないが、本明細書において参照されおよび/または出願データシートにおいて列挙される、2011年7月7日に出願された特許文献1、2016年12月6日に発行された特許文献2、2012年7月5日に出願された特許文献3、2016年11月29日に出願された特許文献4、2014年1月17日に出願された特許文献5、2016年7月15日に出願された特許文献6、2015年1月16日に出願された特許文献7、および2015年11月20日に出願された特許文献8、2016年10月31日に出願された特許文献9、2016年11月29日に出願された特許文献10、2016年11月29日に出願された特許文献11、2016年11月1日に出願された特許文献12、2016年11月29日に出願された特許文献13、2017年1月27日に出願された特許文献14、2017年5月4日に出願された特許文献15、2017年5月30日に出願された特許文献16、2017年11月22日に出願された特許文献17、2017年11月22日に出願された特許文献18、2017年11月22日に出願された特許文献19、2017年11月22日に出願された特許文献20、2017年11月22日に出願された特許文献21、2017年11月22日に出願された特許文献22、2017年11月22日に出願された特許文献23、2017年11月27日に出願された特許文献24を含む、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物のすべては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。実装形態の態様は、必要に応じて、様々な特許、出願、および刊行物のシステム、回路、および概念を用いて、さらに別の実装形態を提供するために、修正され得る。
【0434】
これらおよび他の変更は、上記の詳細な説明に照らして実装形態に対して行われてよい。一般に、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、特許請求の範囲を、本明細書および特許請求の範囲に開示されている特定の実装形態に限定すると解釈されるべきでなく、そのような特許請求の範囲に権利が与えられる等価物の全範囲と共にすべての可能な実装形態を含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
【0435】
本出願は、2018年11月21日に出願された特許文献25に対する優先権の利益を主張するものであり、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。