(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】少なくとも2つの選択可能な動作モードを有するネットワークコンポーネントを備える装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/00 20060101AFI20240419BHJP
G06F 13/14 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
G06F3/00 A
G06F13/14 310F
(21)【出願番号】P 2021556734
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2020055126
(87)【国際公開番号】W WO2020193053
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-11-16
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-20
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(73)【特許権者】
【識別番号】594070612
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Phoenix Contact GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Flachsmarktstrasse 8, D-32825 Blomberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボイセン, ゲリット
(72)【発明者】
【氏名】ファス, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヒルゲンカンプ, インゴ
【合議体】
【審判長】林 毅
【審判官】脇岡 剛
【審判官】吉田 美彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-7547号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーワ用のネットワークコンポーネントを備える装置であって、
前記ネットワークコンポーネントは、複数のデジタル信号入力接点と、前記ネットワークコンポーネントの少なくとも2つの異なる動作モードを切り替える、動作モード切り替え機能と、を有し、
前記動作モードのうちの1つは、事前に設定されており、前記ネットワークコンポーネントは、特に、少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点に少なくとも一時的に切り替えられる信号に応答して、前記事前設定済み動作モードから別の動作モードへの前記切り替えを活性化するように設計されており、
前記動作モード切り替え機能と相互作用する動作モード選択装置を備え、前記動作モード選択装置は、前記信号を、前記少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点に、少なくとも一時的に切り替えることで、前記事前設定済み動作モードから前記別の動作モードへの前記切り替えを活性化し、
前記動作モード選択装置は、
複数の異なる設計のワイヤーブリッジであって、前記複数のワイヤーブリッジの各々が前記少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点を信号源に直接電気的に一時的に接続するとともに、選択される動作モードに対してそれぞれコード化されている複数のワイヤーブリッジ、および、異なる動作モードに個別に選択的に切り替えることを可能とする複数の異なる設計のプラグであって、前記複数のプラグの各々が選択される動作モードに対してそれぞれコード化されている複数のプラグ、のうちの一
方を有する、装置。
【請求項2】
前記ネットワークコンポーネントはイーサネットネットワークコンポーネントである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記動作モード選択装置は、前記ネットワークコンポーネントの動作電圧接点を前記所定のデジタル信号入力接点に、一時的にかつ直接電気的に接続するように設計されている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つの異なる動作モードのうち、前記事前設定済み動作モードはルーター動作モードであり、第2の動作モードは前記ネットワーク内の前記ネットワークコンポーネントを非表示にすることを意図する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
ネットワーワ用のネットワークコンポーネントの動作モードを切り替える方法であって、前記ネットワークコンポーネントは、複数のデジタル信号入力接点と、前記ネットワークコンポーネントの少なくとも2つの異なる動作モードを切り替える、動作モード切り替え機能と、を有し、
信号を、少なくとも1つの所定の前記デジタル信号入力接点に、少なくとも一時的に切り替えることにより、前記ネットワークコンポーネントの第1の事前設定済み動作モードから少なくとも1つのさらなる動作モードに一時的に選択的に切り替えるのに用いることが可能であり、
前記動作モード切り替え機能と相互作用する動作モード選択装置を備え、前記動作モード選択装置は、前記信号を、少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点に、少なくとも一時的に切り替えることで、前記事前設定済み動作モードから前記別の動作モードへの前記切り替えを活性化し、
複数の異なる設計のワイヤーブリッジであって、前記複数のワイヤーブリッジの各々が選択される動作モードに対してそれぞれコード化されているワイヤーブリッジ、および、複数の異なる設計のプラグであって、前記複数のプラグの各々が選択される動作モードに対してそれぞれコード化されている複数のプラグ、の一
方が、前記動作モード選択装置として使用され、
前記動作モード選択装置は、
前記少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点が信号源に直接電気的に一時的に接続することで、異なる動作モードの間で個別に選択的に切り替える、動作モード切り替え方法。
【請求項6】
少なくとも一時的な切り替えは、前記選択された動作モードとして、事前設定済みルーター動作モードから前記ネットワーク内の前記ネットワークコンポーネントを非表示にする動作モードに切り替えられる、請求項
5に記載の動作モード切り替え方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークコンポーネントの選択された動作モードに切り替え可能な動作モード切り替え方法に関する。このネットワークコンポーネントは、ネットワーク用であって、少なくとも2つの異なる動作モードを切り替え可能な動作モード切り替え機能を有し、ネットワークコンポーネントは、特にイーサネットネットワークコンポーネントであり、少なくとも2つの異なる動作モードで動作可能である。そして、それに応じて適用されたネットワークコンポーネントを備える装置である。
【背景技術】
【0002】
OT分野、つまり、ハードウェアとソフトウェアを使用して社内の物理デバイス、プロセス、イベントを直接監視および/または制御することで変化を検出または発生させる必要があるオペレーショナルテクノロジーの分野では、リモートメンテナンスおよびセキュリティルーターには、BRIDGEモードまたはROUTERモードのいずれかで操作できるように、動作モードの切り替え機能があることが知られている。ブリッジモードでは、ルーターは通常ネットワークに表示されないため、この場合、しばしばブリッジモードはGHOSTモードまたはSTEALTHモードとして参照される。GHOSTモードまたはSTEALTHモードへの切り替えは、通常、特別なデバイス固有のコンピューターサポートメニューを介して活性化される。これとは別に、OTフィールドのリモートメンテナンスおよびセキュリティルーターは、活性化された動作モードに関係なく、デバイスにデジタル入力を設定することによって(例えば、キースイッチを回すことによって)VPNトンネルを設定または解除オプションも提供する、またはファイアウォールルールセットを切り替える(条件付きファイアウォール)。
【0003】
しかしながら、オフィスIT業界または消費者市場、つまり、オフィス情報技術の世界では、GHOSTモードまたはSTEALTHモードは、ネットワークコンポーネントとして一般的ではない。
【0004】
ネットワークコンポーネント、特にイーサネットネットワークコンポーネントがステルスモードで工場から出荷され、顧客がプライベートホームルーターから知るのと同じ方法でデバイスのWebベースの管理(WBM)にアクセスしようとしたとき、例えば、このアクセスは、ステルスモードの結果として、一般的なルーターとは異なる方法で実行する必要がある。ただし、ネットワークコンポーネントがルーターモードで提供されている場合、顧客はステルスモードに切り替えるために、Webベースの管理を開き、最初にそれに応じてデバイスを構成する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明によって解決される課題は、少なくとも2つの動作モードを切り替えるための技術的に単純な方法を保証するネットワーク用のネットワークコンポーネントを提供することである。
【0006】
本発明によって解決される課題は、請求項1の特徴を有するイーサネットネットワークコンポーネントによって、および請求項8の特徴を有するスイッチング方法によって、すでに解決されている。
【0007】
本発明の文脈おいて、ネットワークは、定義により、通信、設備、および/またはコンピュータネットワークであり得、それら自体がプライベートネットワークまたはパブリックネットワークを実現可能である。それぞれが、例えば、その定義に依存して根本的に異なる技術構造を有する、LAN(ローカルエリアネッットワーク)またはWAN(ワイドエリアネットワーク)として知られるものを形成可能である。その結果、ネットワークは、個々のネットワークセルに至るまで、完全な自動化設備、製造設備、オフィス環境、またはその一部をカバーすることが可能となる。他の例では、例えば、データセンターまたは公衆電話網が含まれる。ただし、ネットワーク内で接続されたネットワークデバイスは、共通の媒介およびプロトコルを介して、相互に通信するおよび/またはデータを交換することが可能であり、また、通常、多数のリソースを共有することも可能である。例えば、自動化設備または製造設備では、ネットワーク内で接続されているネットワーク参加者は、例えば、共通のイーサネットネットワークを介して相互に通信する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、ネットワーク用のネットワークコンポーネント、特にイーサネットネットワークコンポーネント、を備える装置であって、そのネットワークコンポーネントは、複数のデジタル信号入力接点と、ネットワークコンポーネントの少なくとも2つの異なる動作モードを切り替えるための動作モード切り替え機能と、を有し、動作モードのうちの1つは、事前に設定されており、ネットワークコンポーネントは、特に、少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点に少なくとも一時的に切り替えられる信号に応答して、事前設定済み動作モードから別の動作モードへの切り替えを活性化するように設計されている、装置が提供される。
【0009】
また、動作モード切り替え機能と相互作用する動作モード選択装置を備え、その動作モード選択装置は、少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点の信号に少なくとも一時的に切り替えることで、事前設定済みモードから別の動作モードへの切り替えを活性化する。
【0010】
ここでの重要な利点は、(最初の)起動中であっても、ネットワークコンポーネントは、原則として、個々のコンピューターでサポートされる切り替えメニューまたは選択メニューにアクセスせずに、少なくとも2つの選択可能な動作モードに基づいて、所望の、特にアプリケーション固有の、切り替えメニューに切り替えて設定可能なところにある。
【0011】
それは、ネットワークコンポーネントの動作電圧接点を所定のデジタル信号入力接点に、一時的にかつ直接電気的に接続するように設計された、動作モード選択装置に特に好適である。
【0012】
一実施形態では、少なくとも2つの異なる動作モードのうち、事前設定済み動作モードはルーター動作モードであり、少なくとも2つの異なる動作モードの第2の動作モードはネットワーク内のネットワークコンポーネントを非表示にすることを意図する。
【0013】
本発明はまた、特に、この種のネットワークコンポーネントの動作モード切り替え方法を提案し、この方法は、信号を、少なくとも1つの所定の前記デジタル信号入力接点に少なくとも一時的に切り替えることにより、前記ネットワークコンポーネントの第1の事前設定済み動作モードから少なくとも1つのさらなる動作モードに一時的に選択的に切り替えることに使用可能である。
【0014】
一実施形態では、少なくとも一時的な切り替えは、事前設定済みルーター動作モードから、選択された動作モードとしてネットワーク内のネットワークコンポーネントを非表示にする動作モードを形成する。
【0015】
ネットワークコンポーネントは、好都合にもイーサネットネットワークコンポーネントでもあり、さまざまな方法で使用可能である。追加的および/または代替的に、本発明による動作モード切り替え方法は、特にイーサネットネットワークコンポーネント向けに設計されており、したがって、さまざまな方法で使用可能である。
【0016】
原則として、一実施形態では、動作モード選択装置は、信号を少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点に切り替えるDIPスイッチ(DIP=デュアルインラインパッケージ)として設計されている。この場合、例えば、スイッチをある位置から別の位置に切り替えると、特定の動作モードが活性状態から非活性状態に移行し得る。動作モード選択装置は、SDメモリーカード(セキュアデジタルメモリーカード)を有することも可能であり、SDメモリーカードは、その挿入有無に依存してSDカードが活性化または非活性化されることにより、選択された動作モードの切り替えが生じる。代替の実施形態では、選択された動作モードを活性化するボタンも提供可能である。
【0017】
特に好ましい実施形態では、動作モード選択装置は、少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点を信号源に直接的に一時的に接続するための少なくとも1つのワイヤーブリッジを有する。
【0018】
特に、このことは、ネットワークコンポーネントがどの動作モードにあるかが見た目ですぐにわからないボタンのときに必要となるさらなる光学ディスプレイが不要になり、および/または、例えば、DIPスイッチやSDカードのように、技術面で非常に複雑な動作モード選択装置を不要とする。
【0019】
特に好ましい実施形態の追加または他の開発として、動作モード選択装置は、少なくとも1つ、好ましくは複数のプラグを有し、いずれの場合も所定のワイヤーブリッジを使用することで、異なる動作モードに個別に選択的に切り替えることが可能となる。
【0020】
さらなる実施形態では、動作モード選択装置は、複数の信号を、複数のデジタル信号接続の複数の所定のデジタル信号入力接点に一時的に切り替える制御装置をさらに有する。
【0021】
本発明のさらなる利点および特徴は、添付の図面を参照するいくつかの好ましい実施形態の以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明によるネットワークコンポーネントを備える装置の実施形態の非常に簡略化された図である。その装置において、動作モード選択装置は、動作モード切り替え方法の好ましい実施形態の範囲に、少なくとも1つのプラグおよび複数の異なるプラグを有する。
【
図2】
図2は、本発明によるネットワークコンポーネントを備える装置の実施形態の非常に簡略化された図である。この装置は、制御装置も有する動作モード選択装置を備える。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の好ましい実施形態の以下の説明は、
図1および2の非常に簡略化された図にその全体を示す装置に基づく。参照記号100は、簡略化のために図面には、その詳細が示されないネットワーク用の装置によって構成されるネットワークコンポーネントを示す。当業者には、一般に、公知であるように、このネットワークコンポーネントは、複数のデジタル信号入力接点DI1、DI2、およびDI3を有し、少なくとも2つの異なる動作モードで動作可能である。したがって、ネットワークコンポーネントには、さまざまな動作モードを切り替えるための動作モード切り替え機能(簡略化のため図面に詳細が示されていない)も有する。
【0024】
ネットワークコンポーネント100はまた、図に24Vで指し示される動作電圧接点を有する。これはイーサネットネットワークコンポーネントとして適正に設計されているので、さまざまな方法、特にオフィスITの分野やコンスーマの分野、すなわちオフィス情報技術の分野で使用可能である。
【0025】
ネットワークコンポーネントを操作可能な動作モードは、特にリモートメンテナンスおよびセキュリティルーターから知られているように、ネットワーク内のネットワークコンポーネントを非表示にするように適正に設計されている。つまり、ネットワークコンポーネントがこの動作モードで動作しているときは、ネットワークコンポーネントはネットワークに表示されない。さらなる動作モードは、例えば、ネットワークコンポーネントをルーターモードで動作させることが可能な動作モードを提供する。前述の構成は、ネットワーク技術の分野に習熟した人には実質的によく知られているので、これらは、以下でより詳細な説明は行わず、明確にするために図に明示的に示すこともない。
【0026】
以下の説明では、ネットワークコンポーネントを操作可能な少なくとも2つの異なる動作モードのうちの1つが事前に設定されることも想定される。つまり、事前設定済み動作モードは、工場で提供されたネットワークコンポーネントが、意図したとおり最初に起動されたときに動作を開始するモードである。
【0027】
本発明によれば、ネットワークコンポーネントは、信号が、少なくとも一時的に複数のデジタル信号入力接点DI1、DI2およびDI3の少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点に切り替えられることに応答して、事前に設定された動作モードから別の動作モードへの切り替えが活性化する。
【0028】
この目的のために、装置は、ネットワークコンポーネント100に割り当てられるか、または割り当て可能であり、
図1のネットワークコンポーネント100の隣に簡略化して示されている少なくとも1つの動作モード選択装置S2、S2´を備えることが好適である。実際の実施形態では、ネットワークコンポーネントを可能な動作モード、すなわち少なくとも2つの異なる動作モードで動作させるために、動作モード選択装置S2、S2´は、所望の動作モードを選択するように設計されている。言い換えれば、動作モード選択装置S2、S2´は、動作モード切り替え機能と相互作用して、1つの動作モードから別の動作モードへの切り替えを活性化する。ネットワークコンポーネントを操作可能な少なくとも2つの異なる動作モードのうちの1つが事前に設定されていると想定されるので、動作モード選択装置は、少なくとも事前設定済み動作モードから別の操作モードへの切り替えを活性化するように設計されている。本発明の範囲内で、この目的のために、動作モード切り替え機能と相互作用する動作モード選択装置は、信号を、少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点に、一時的に切り替えるように設計されている。
【0029】
好適な設計によれば、少なくとも2つの異なる動作モードの事前設定済み動作モードは、ルーターの動作モードであり、ネットワークコンポーネントを操作可能な第2の動作モードは、ネットワーク内のネットワークコンポーネントを非表示にすることを目的としている。動作モード選択装置は、信号を、信号入力接点DI1、DI2およびDI3の少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点に、少なくとも一時的に切り替えることが可能であり、事前設定済みルーター動作モードから、ネットワークコンポーネントがネットワークに表示されない動作モードへの切り替えを活性化する。
【0030】
図1による実施形態からもわかるように、信号を一時的に切り替えるための動作モード選択装置S2、S2´は、ネットワークコンポーネントの動作電圧接点24Vを、少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点に、一時的かつ直接電気的に接続することに好適に設計されている。
図1によれば、動作モード選択装置S2、S2´は、例えば、ネットワークコンポーネントの動作電圧接点24Vを、少なくともデジタル信号入力接点DI1に、一時的かつ直接電気的に接続するように設計されている。本発明の好適な開発によれば、動作モード選択装置は、少なくとも1つの所定のデジタル信号入力接点を信号源に、特に動作電圧接点24Vに、直接一時的に接続するワイヤーブリッジも有する。これは、S2´で示される動作モード選択装置によって、
図1に非常に簡略化されて示されている。したがって、ワイヤーブリッジとして設計された動作モード選択装置S2´は、例えば、電気的に導通させるために、デジタル信号入力接点DI1を動作電圧接点24Vに直接接続するように設計され、形成される。ワイヤーブリッジとして設計された動作モード選択装置S2´は、この場合、ワイヤーブリッジの一端が動作電圧接点24Vに挿入され、ワイヤーブリッジの他端が所定の信号入力接点、すなわち、例えば信号入力接点DI1への挿入を目的として然るべく形成される。あるいは、動作モード選択装置は、
図1にS2として非常に単純化されて示されるように、プラグとして設計可能であり、これは、例えば、デジタル信号入力接点DI1、DI2、DI3および動作電圧接点24Vを共に含むネットワークネットワークコンポーネントの嵌合プラグコネクタ110へ、挿入可能である。したがって、プラグとして設計された動作モード選択装置2は、プラグと嵌合プラグコネクタとを一緒に挿入することで所定の動作モードが選択されるようにも設計されている。この目的のために、少なくとも1つの所定の信号入力接点は、電気的に導通させるために、信号源として有利に使用される動作電圧接点と適宜接続可能である。電気的に導通させるように互いに直接接続するために、プラグとして設計された動作モード選択装置2は、その目的に応じて設計され形成されたワイヤーブリッジS2″を然るべく含むことができる。
【0031】
さらなる好適な実施形態によれば、ネットワークコンポーネントは、2つを超える異なる動作モードを切り替える動作モード切り替え機能を有する。例えば、3つまたは4つの動作モードの間で、ネットワークコンポーネントの動作モード選択装置はまた、それぞれに応じて、特に異なる方法で形成された、対応する複数のワイヤーブリッジを含み得る。それらのワイヤーブリッジは、それぞれ所望の選択に応じて選択され、特定の信号入力接点および信号源の接続に適しており、したがって、電気的に導通させるために特に動作電圧接点を互いに直接接続するのに適している。あるいは、プラグとして設計された動作モード選択装置2もまた、この目的のために提供可能であり、ここで、複数の異なる設計をされて形成されたワイヤーブリッジS2″、S3´、S4´は、それぞれ、別の所定の信号入力接点を信号源として使用される動作電圧接点に直接接続して、電気的に導通させるために、個別に少なくとも一時的に、すなわち、取り外し可能な方法で受領される。
【0032】
あるいは、動作モード選択装置は、特定のプラグと嵌合プラグコネクタとを一緒に挿入することで、所定の動作モードが選択されるように、それぞれが設計された複数のプラグS1、S2、S3、S4を備え得る。したがって、実際の実施形態では、動作モード選択装置が複数のプラグを有し、それにより異なる動作モードに選択的に切り替え可能であるとき、事前設定済み動作モードを選択するプラグは提供されないか、または複数のプラグS1、S2、S3、S4からのプラグ、
図1ではプラグS1が、特にこの動作モードの視覚的識別のために提供される。このプラグは、電気的に導通させるために信号源として有利に使用される動作電圧接点に、信号入力接点を直接接続しないことが好適である。他のすべての選択可能な動作モードでは、複数のプラグS1、S2、S3、S4からの1つのプラグS2、S3またはS4を、少なくとも1つの所定の信号入力接点が、信号源として有利に使用される動作電圧接点を、順番に直接接続して電気的に導通させるように設計可能である。この目的のために、複数のプラグS1、S2、S3、S4からのプラグS2、S3またはS4は、それぞれ、それに応じて設計され形成されるワイヤーブリッジS2″、S3´またはS4´を然るべく含むことができる。
【0033】
したがって、動作モード選択装置が、複数の異なる設計のワイヤーブリッジまたはプラグS1、S2、S3、S4を有するとき、選択される動作モードに対してそれぞれ適度にコード化されることが、これらにとって有利である。
【0034】
動作モード選択装置の設計に関連する適正な開発には、ワイヤーブリッジまたは複数のワイヤーブリッジを有すること、またはプラグまたは複数のプラグを有することも、また有利である。例えば、それをボタンとして設計することと比較して、本発明によるネットワークコンポーネントは、電圧に接続されておらず、選択された動作モードに関連する切り替えを実行する動作の準備をする。ボタンを使用するときは、ボタンを押した結果として切り替えを実行するために、ネットワークコンポーネントを電圧に接続し、動作を準備する必要がある。さらに、ボタンを使用するときは、ネットワークコンポーネントのユーザーや顧客は、ボタンを押した後、ネットワークコンポーネントがどの動作モードにあるか、つまりステルスモードかルーターモードかを視認できないので、追加の光学ディスプレイが必要となる。また、少なくとも1つまたは1つのプラグのとき、複数のワイヤーブリッジが使用されており、これらが選択された動作モードに関連する光学ディスプレイとしても機能するため、さらなる光学ディスプレイは不要となる。
【0035】
改めて、DIPスイッチを第1の位置から第2の位置に動かすことにより、選択された切り替えをすることができるDIPスイッチを使用する動作モード選択装置の設計と比較すると、動作モード選択装置の設計に関する前述の適正な開発はまた、例えば、それらがハードウェアとして「デバイスに恒久的に設置される」必要がないという点で有利である。しかしながら、ネットワークコンポーネントのユーザーまたは顧客がその後の操作において、異なる動作モードへの切り替えが不要となることがあり、ハードウェアとして「デバイスに恒久的に設置される」DIPスイッチは、製品ライフサイクルの全体に亘って必要なものではない。これは無駄であり、動作モード選択装置に関連する、1つのワイヤーブリッジまたは複数のワイヤーブリッジを有するような方法、または1つのプラグまたは複数のプラグを有するような方法は、例えば、他のネットワークコンポーネント、少なくとも同じタイプの他のネットワークコンポーネントで再利用可能であるので、そのような適正な開発によりこの無駄は回避可能である。
【0036】
また、SDメモリーカードを使用して動作モード選択装置を設計することと比較して、例えば、ステルスモードとルーターモードとの間のように異なる動作モード間で切り替える設計は、SDメモリーカードの挿入有無の評価により行われる。そして、一種の「鍵」のような追加の記憶媒体は常に必要であり、手元になければならない。特に1つ以上のワイヤーブリッジを使用するときの動作モード選択装置の設計に関連する前述の便利な開発の単純さはまた、ワイヤーブリッジが一般に必要に応じて迅速に設置可能であるという点でも有利である。
【0037】
特に、動作モード切り替え機能が、少なくとも多数の、例えば、4つを超える異なる動作モードおよび/または少なくとも2つの異なる動作モード間の切り替えが頻繁に行われることを意図して設計されるとき、動作モード選択装置は、本発明の範囲内で、追加的または代替的に、あるいは有利には、複数の信号を、複数のデジタル信号接点の複数の所定のデジタル信号入力接点に一時的に切り替えるための制御装置を有する。これは、一実施形態では、
図2に非常に簡略化された方法で示される。
【0038】
図1の変形例では、
図2は、動作モード選択装置として制御装置200を備えるネットワークコンポーネント100の実施形態を示している。制御装置200の内部には、デジタル信号入力接点DI1、DI″およびDI3が経路となる信号源(簡略化のため詳細は示されていない)を含む。所定の動作モードへ選択された切り替えは、どのデジタル信号入力に信号が切り替えられるか、またはどのデジタル信号入力接点が一時的に信号源に直接電気的に接続されるか、すなわち、そのような信号入力接点のデジタル状態に応じて行われる0から1に変化する信号が適用される。
【0039】
その結果、
図2に示すように、そのような信号は、同時に複数のデジタル信号入力接点に切り替え可能である。
【0040】
したがって、例えば、動作モード選択装置としてのそのような制御装置200を用いて、例えば、3つの信号入力接点の場合、原則として、達成される所定の動作モードをそれぞれ選択するための8つの異なる状態をとることが可能であり、したがって、8つの異なる動作モードを個別に切り替え可能である。
図2にも記載されたこのことを次の表に示す。
【表1】
状態1では、上記の説明を考慮して、事前設定済み動作モードが適宜選択される。
【0041】
この実施形態は、非常に動的な切り替えのため、および/またはさらなる動作モード間で選択的な切り替えのために、時間経過に伴うさらなるコーディングの可能性をも開く。
【0042】
また、上記のような複数の異なる状態を、所定の期間にわたって共同で使用して、所定の動作モードをそれぞれ選択し、それから切り替えを行われる。この場合、上記のような複数の異なる状態が一定の時間間隔で都合よく存在する、すなわち、1つ以上の信号を1つ以上のデジタル信号入力接点に切り替えることによって、それぞれの一定の時間間隔で異なる状態が設定される。これは、コーディングが時間経過に伴って行われるか否かを簡単に認識できるためである。したがって、これらの状態が一定の時間間隔で、および/またはこの所定の期間に変化しないとき、時間経過に伴うコーディングはない。
【0043】
次の表は、
図2にもあるが、時間の経過に伴うコーディングを示す。同様に、この場合、異なる状態、例えば、原則として3つの信号入力接点の場合、8つの異なる状態である時間t1、t2、t3およびt4は、制御装置200によって、動作モード選択装置は、一定の時間間隔内で互いに追従するように指定されると想定される。
【表2】
【0044】
時間経過に伴うコーディングがあるとき、それに応じて事前に決定された動作モードを選択する最終状態は、時間t1からt4に存在する状態の組み合わせから生じる。
【0045】
前述の説明を考慮して、本発明による装置を使用し、例えば上記のようなネットワークコンポーネントの(最初の)起動中に本発明による方法を適用することにより、そこに含まれる製品固有のファームウェアはデジタル入力の状態を照会することができる。例えば、
図1のワイヤーブリッジS2´を使用してデジタル入力に信号が印加されると、装置が起動する。ステルスモードの動作では、ネットワークコンポーネントはネットワーク、特にイーサネットネットワークに表示されない。また、事前設定されたプロファイルを使用して、ネットワークコンポーネントの「背後」にあるネットワーク内のネットワークコンポーネントを的確に保護する。したがって、これはユーザーまたは顧客にとって単純な「プラグアンドプロテクト起動モード」である。ユーザーまたは顧客がワイヤーブリッジを取り外したときや、(最初の)起動時にワイヤーブリッジがないときは、その結果、デジタル入力に信号が印加されない。したがって、ネットワークコンポーネントは、事前設定された動作モードに切り替えられるか、または、事前設定された動作モードで起動される。例えば、ルーターの動作モードに切り替えたり、このモードで起動したりした場合、ユーザーまたは顧客は通常どおりコンピューターを介してWebベースの管理にアクセスし、必要に応じてネットワークコンポーネントを個別に構成する。次に、構成パネルで、顧客は、例えば、事前構成された動作モードを個別に適合または非活性化する、および/または、他の機能のためにデジタル信号入力接点を使用する、オプションを有する。
【符号の説明】
【0046】
100 ネットワークコンポーネント
DI1、DI2、DI3 デジタル信号入力接点
24V 動作電圧接点
S1、S2、S3、S4 動作モ-ド選択装置としてのプラグ
S2´、S2″、S3´、S4´ 動作モ-ド選択装置としてのワイヤーブリッジ
110 嵌合プラグコネクタ
200 動作モ-ド選択装置としての制御装置