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特許7475399積層食品袋詰めシステム、及び、積層食品袋詰め方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】積層食品袋詰めシステム、及び、積層食品袋詰め方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/30 20060101AFI20240419BHJP
【FI】
B65B43/30
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022119990
(22)【出願日】2022-07-27
(65)【公開番号】P2024017385
(43)【公開日】2024-02-08
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兵頭 知也
(72)【発明者】
【氏名】池田 敦夫
(72)【発明者】
【氏名】小池 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】上塩 具宏
(72)【発明者】
【氏名】桐原 浩一
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-043656(JP,A)
【文献】登録実用新案第3234757(JP,U)
【文献】特開2022-029107(JP,A)
【文献】特開2021-187496(JP,A)
【文献】実開昭62-197509(JP,U)
【文献】実開昭59-127042(JP,U)
【文献】特開2014-094775(JP,A)
【文献】特開2012-041068(JP,A)
【文献】特開2004-231209(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0009289(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00
B65H 1/00- 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縁部に分離可能に接続された包装袋を供給する袋供給装置と、
積層食品を前記包装袋に収容する自動機と、を有し、
前記袋供給装置は、
積層された複数の前記包装袋を1枚ずつ前記縁部から分離する袋分離部と、
前記縁部から前記包装袋が分離された後、前記縁部を排出口に排出する排出部と、
一端側に配置された前記包装袋の供給口と、他端側に配置された前記縁部の前記排出口とを備えると共に、前記縁部を保持して前記包装袋をストックするストック部と、を有する、
積層食品袋詰めシステム。
【請求項2】
縁部に分離可能に接続された包装袋を供給する袋供給装置と、
積層食品を前記包装袋に収容する自動機と、を有し、
前記袋供給装置は、
積層された複数の前記包装袋を1枚ずつ前記縁部から分離する袋分離部と、
前記縁部から前記包装袋が分離された後、前記縁部を排出口に排出する排出部と、
前記縁部を保持し、前記包装袋をストックするストック部と、を有し、
前記ストック部は、
当該ストック部の一端側に配置された前記包装袋の供給口と、前記ストック部の他端側に配置された前記縁部の前記排出口との間で、前記縁部を移動可能に保持する、
積層食品袋詰めシステム。
【請求項3】
前記排出部は、
前記縁部を前記排出口に押し出す押出装置を有する、
請求項2に記載の積層食品袋詰めシステム。
【請求項4】
前記袋供給装置は、
前記袋分離部により分離された前記包装袋の袋口を、非接触で吸着して開口を形成する開口形成部を有する、
請求項2に記載の積層食品袋詰めシステム。
【請求項5】
前記開口形成部は、
前記袋口の第1部位を非接触で吸着する第1吸着部と、
前記袋口の第2部位を非接触で吸着する第2吸着部と、
前記第1部位と前記第2部位を近づけるように、前記第1吸着部及び前記第2吸着部を移動させる駆動装置と、を有する、
請求項4に記載の積層食品袋詰めシステム。
【請求項6】
第1の前記積層食品及び第2の前記積層食品が積層方向を略水平方向とする姿勢で仮置きされる仮置き装置をさらに有し、
前記仮置き装置は、
前記第1の前記積層食品及び前記第2の前記積層食品の前記積層方向に垂直な第1方向の位置を調整する位置調整部を有し、
前記自動機は、
前記第1方向の位置を調整された前記第1の前記積層食品及び前記第2の前記積層食品を前記包装袋に収容する、
請求項2に記載の積層食品袋詰めシステム。
【請求項7】
前記仮置き装置は、
前記第1の前記積層食品と前記第2の前記積層食品の前記第1方向における位置を検出する検出部を有し、
前記位置調整部は、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記第1の前記積層食品と前記第2の前記積層食品の位置を調整する、
請求項6に記載の積層食品袋詰めシステム。
【請求項8】
前記検出部は、
前記第1の前記積層食品及び前記第2の前記積層食品の下端部の前記第1方向における端部位置を検出する第1検出部と、
前記第1の前記積層食品及び前記第2の前記積層食品の高さ方向における中間部の前記第1方向における端部位置を検出する第2検出部と、を有し、
前記位置調整部は、
前記第1検出部及び前記第2検出部の検出結果に基づいて、前記第1の前記積層食品と前記第2の前記積層食品の位置を調整する、
請求項7に記載の積層食品袋詰めシステム。
【請求項9】
縁部に分離可能に接続された包装袋を供給することと、
積層食品を前記包装袋に収容することと、を有し、
前記包装袋を供給することは、
積層された複数の前記包装袋を1枚ずつ前記縁部から分離することと、
前記縁部から前記包装袋が分離された後、前記縁部を排出口に排出することと、
一端側に配置された前記包装袋の供給口と、他端側に配置された前記縁部の前記排出口とを備えたストック部により、前記縁部を保持して前記包装袋をストックすることと、を有する、
積層食品袋詰め方法。
【請求項10】
縁部に分離可能に接続された包装袋を供給することと、
積層食品を前記包装袋に収容することと、を有し、
前記包装袋を供給することは、
積層された複数の前記包装袋を1枚ずつ前記縁部から分離することと、
前記縁部から前記包装袋が分離された後、前記縁部を排出口に排出することと、
ストック部により、前記縁部を保持し、前記包装袋をストックすることと、を有し、
前記包装袋をストックすることは、
前記ストック部の一端側に配置された前記包装袋の供給口と、前記ストック部の他端側に配置された前記縁部の前記排出口との間で、前記縁部を移動可能に保持すること、を有する、
積層食品袋詰め方法。
【請求項11】
前記包装袋を供給することは、
分離された前記包装袋の袋口を非接触で吸着して開口を形成すること、を有する、
請求項9又は10に記載の積層食品袋詰め方法。
【請求項12】
第1の前記積層食品及び第2の前記積層食品を、積層方向を略水平方向とする姿勢で仮置きすること、をさらに有し、
前記仮置きすることは、
前記第1の前記積層食品及び前記第2の前記積層食品の前記積層方向に垂直な第1方向の位置を調整すること、を有する、
請求項9又は10に記載の積層食品袋詰め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、積層食品袋詰めシステム及び積層食品袋詰め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、袋分離装置を備えた袋供給システムが記載されている。袋分離装置は、積層された複数の包装袋を保持する袋ホルダを有しており、当該袋ホルダで保持された包装袋を吸着して1枚ずつ分離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-29107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術において、装置を停止させることなく包装袋を連続して供給可能なシステムが求められていた。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、装置を停止させることなく包装袋を連続して供給可能な積層食品袋詰めシステム及び積層食品袋詰め方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、縁部に分離可能に接続された包装袋を供給する袋供給装置と、積層食品を前記包装袋に収容する自動機と、を有し、前記袋供給装置は、積層された複数の前記包装袋を1枚ずつ前記縁部から分離する袋分離部と、前記縁部から前記包装袋が分離された後、前記縁部を排出口に排出する排出部と、を有する、積層食品袋詰めシステムが適用される。
【0007】
また、本発明の別の観点によれば、縁部に分離可能に接続された包装袋を供給することと、積層食品を前記包装袋に収容することと、を有し、前記包装袋を供給することは、積層された複数の前記包装袋を1枚ずつ前記縁部から分離することと、前記縁部から前記包装袋が分離された後、前記縁部を排出口に排出することと、を有する、積層食品袋詰め方法が適用される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、装置を停止させることなく包装袋を連続して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】サンドイッチ袋詰めシステムの全体構成の一例を表す上面図である。
図2】サンドイッチ袋詰めシステムの全体構成の一例を表す側面図である。
図3】第1ロボット及び第2ロボットによるトングのサンドイッチ下部への挿入動作の一例を表す上面図である。
図4】仮置き装置の全体構成の一例を表す側面図である。
図5】仮置き装置の位置調整機構を抽出して表す上面図である。
図6】仮置き装置の幅寄せ機構を抽出して表す上面図である。
図7】仮置き装置の動作の一例を表す側面図である。
図8】仮置き装置の動作の一例を表す側面図である。
図9】仮置き装置の動作の一例を表す側面図である。
図10】仮置き装置の動作の一例を表す側面図である。
図11】サンドイッチのX軸方向の位置ずれ及び補正を説明するための説明図である。
図12】四角形のサンドイッチが対角線上で切断された場合の2つのサンドイッチのX軸方向の位置ずれ及び補正を説明するための説明図である。
図13】四角形のサンドイッチが対角線からずれて切断された場合の2つのサンドイッチのX軸方向の位置ずれ及び補正を説明するための説明図である。
図14】四角形のサンドイッチが対角線からずれて切断された場合の2つのサンドイッチのX軸方向の位置ずれ及び補正を説明するための説明図である。
図15】四角形のサンドイッチが対角線からずれて切断された場合の2つのサンドイッチのX軸方向の位置ずれ及び補正を説明するための説明図である。
図16】仮置き装置の動作の一例を表す側面図である。
図17】仮置き装置の動作の一例を表す側面図である。
図18】袋供給装置の全体構成の一例を表す上面図である。
図19】袋供給装置の一部の構成を抽出して表す側面図である。
図20】ストック装置の供給口の構成の一例を表す正面図である。
図21】ストック装置の供給口の構成の一例を表す正面図である。
図22】ストック装置の構成の一例を表す上面図である。
図23】ストック装置の構成の一例を表す側面図である。
図24】ストック装置のプレートの構成を抽出して表す説明図である。
図25】ストック装置の動作の一例を表す説明図である。
図26】排出装置の構成の一例を表す側面図である。
図27図26中矢視Aの方向から見た、開いた状態のゲート装置の構成の一例を表す図である。
図28図26中矢視Aの方向から見た、閉じた状態のゲート装置の構成の一例を表す図である。
図29】排出装置の動作の一例を表す説明図である。
図30】開口形成装置の構成の一例を表す上面図である。
図31】開口形成装置の動作の一例を表す上面図である。
図32】袋移送装置の動作の一例を表す上面図である。
図33】袋移送装置の動作の一例を表す上面図である。
図34】袋移送装置の動作の一例を表す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、積層食品の一例としてサンドイッチを袋詰めする場合について説明するが、サンドイッチ以外の積層食品に適用してもよい。
【0011】
<1.サンドイッチ袋詰めシステムの全体構成>
まず、図1図3を用いて、本実施形態に係るサンドイッチ袋詰めシステムの全体構成について説明する。なお、説明の便宜上、図1及び図2では、ロボット9,11,15や画像カメラ21,23等を搬送コンベア7の上方で支持するフレーム等の図示を省略すると共に、図2では第2ロボット11、袋供給装置17、ワーク検出センサ25L,25R等の図示を適宜省略している。
【0012】
サンドイッチ袋詰めシステム1(積層食品袋詰めシステムの一例)は、前工程の例えばカット機(図示省略)で2つに分割されたサンドイッチ3を積層方向に並べ、そのサンドイッチ3を包装袋5に袋詰めして、後工程の例えば袋閉じ機(図示省略)に送り出す作業を自動的に行う機械システムである。図1及び図2に示すように、サンドイッチ袋詰めシステム1は、搬送コンベア7と、第1ロボット9と、第2ロボット11と、仮置き装置13と、第3ロボット15と、袋供給装置17と、画像カメラ21と、画像カメラ23と、ワーク検出センサ25L,25Rとを有する。
【0013】
搬送コンベア7は、サンドイッチ3を矢印Arで示す搬送方向に搬送する。サンドイッチ3は、積層方向が略鉛直方向となる横向きの姿勢で、所定のピッチPの間隔で順次搬送される。サンドイッチ3は、図2中拡大図に示すように、略四角形状の2枚の食パン26の間に具材28が挟まれて形成されており、対角線上で切断されて形成された略直角三角形状の一組のサンドイッチ3a,3bが、切断面が対向するように配置されている。搬送コンベア7は、サンドイッチ3を所定の停止位置(例えば画像カメラ21による撮像位置IPや、第1ロボット9及び第2ロボット11による把持位置GP等)で停止しながら間欠的に搬送してもよいし、停止させずに連続的に搬送してもよい。
【0014】
第1ロボット9は、搬送コンベア7により搬送されるサンドイッチ3のうち第1ロボット9側に配置されるサンドイッチ3aを把持位置GPにおいて把持し、搬送コンベア7より持ち上げて横向きの姿勢から縦向きの姿勢に変更して、仮置き装置13に仮置きする。同様に、第2ロボット11は、搬送コンベア7により搬送されるサンドイッチ3のうち第2ロボット11側に配置されるサンドイッチ3bを把持位置GPにおいて把持し、搬送コンベア7より持ち上げて横向きの姿勢から縦向きの姿勢に変更して、仮置き装置13に仮置きする。第1ロボット9及び第2ロボット11は、同時並行して上記動作を実行する。また、第1ロボット9と第2ロボット11(図2では図示省略)は、図2に示すように搬送コンベア7の上方においてフレーム(図示省略)から吊下げるように設置されている。第1ロボット9と第2ロボット11は、例えば共通のロボットとして構成されている。第1ロボット9及び第2ロボット11は、例えば6つの関節部を備えた垂直多関節型の6軸ロボットであり、その先端には、エンドエフェクタとして一対のトング部材27を開閉させるグリッパ装置29が取り付けられている。
【0015】
なお、第1ロボット9と第2ロボット11を異なるロボットとしてもよい。また、第1ロボット9及び第2ロボット11は、6軸以外(例えば5軸や7軸等)のロボットとしてもよいし、水平多関節型やパラレルリンクロボット等、垂直多関節型以外のロボットとしてもよい。さらに、汎用ロボット以外にも、例えば、XYZθ方向等に移動可能なアクチュエータを備えた把持作業専用に設計された専用作業機等としてもよい。
【0016】
図3に示すように、第1ロボット9は、一組のサンドイッチ3a,3bのうち把持対象であるサンドイッチ3aをトング部材27で把持する。同様に、第2ロボット11は、一組のサンドイッチ3a,3bのうち把持対象であるサンドイッチ3bをトング部材27で把持する。第1ロボット9は、一対のトング部材27を、把持対象のサンドイッチ3aの切断面CS1を対向する他のサンドイッチ3bの切断面CS2に当接させる方向(矢印Ar1で示す)に移動させて、下側のトング部材27をサンドイッチ3aの下部に挿入する。同様に、第2ロボット11は、一対のトング部材27を、把持対象のサンドイッチ3bの切断面CS2を対向する他のサンドイッチ3aの切断面CS1に当接させる方向(矢印Ar2で示す)に移動させて、下側のトング部材27をサンドイッチ3bの下部に挿入する。これらの第1ロボット9及び第2ロボット11によるトング部材27の挿入動作は略同時に行われる。
【0017】
仮置き装置13には、第1ロボット9及び第2ロボット11により、積層方向が略水平方向となる横向きの姿勢でサンドイッチ3が仮置きされる。具体的には、略四角形のサンドイッチ3が対角線上で切断されて形成された一組の略直角三角形のサンドイッチ3a,3bが、切断面CS1,CS2を搬送方向下流側(図1及び図2における左側)の上方に向けた同じ縦向きの姿勢で、幅方向(Y軸方向)に並べて載置される。この際、2台のロボット9,11で把持して略同時に仮置きするので、ロボット9,11同士の干渉を回避するために、サンドイッチ3a,3bは幅方向に所定の間隔を空けて載置される。仮置き装置13は、縦向きの姿勢で仮置きされた一組のサンドイッチ3a,3bの積層方向の間隔を小さくするように幅寄せする幅寄せ機構31、及び、サンドイッチ3a,3bのX軸方向の位置を調整する位置調整機構33を有する。幅寄せ機構31及び位置調整機構33の詳細については後述する。
【0018】
第3ロボット15(自動機の一例)は、仮置き装置13において幅寄せ機構31により幅寄せされると共に位置調整機構33により位置調整が行われたサンドイッチ3a,3bをトング部材27で把持し、サンドイッチ3を包装する包装袋5に収容する。第3ロボット15は、図2に示すように搬送コンベア7の上方においてフレーム(図示省略)から吊下げるように設置されている。第3ロボット15は、第1ロボット9及び第2ロボット11と共通のロボットとして構成されてもよいし、異なるロボットとしてもよい。
【0019】
袋供給装置17は、折りたたまれた状態で積層された複数の包装袋5から1つずつ包装袋5を取り出し、袋口に開口を形成して、開口が上方を向いた状態で袋詰め位置BPに供給する。図2に示すように、袋供給装置17により袋詰め位置BPで保持された包装袋5に対して、第3ロボット15が例えば上方からサンドイッチ3を挿入する。なお、包装袋5の開口を水平方向に向けて保持し、包装袋5の側方からサンドイッチ3を挿入してもよい。袋供給装置17の詳細については後述する。
【0020】
袋詰めされたサンドイッチ3は、縦向きの姿勢で搬送コンベア7に載置される。搬送コンベア7は、包装袋5に袋詰めされたサンドイッチ3a,3bを縦向きの姿勢で所定のピッチPの間隔で後工程に向けて順次搬送する。
【0021】
画像カメラ21は、第1ロボット9及び第2ロボット11による把持位置GPよりも搬送方向上流側(図1及び図2における右側)において、搬送コンベア7の上方に設置されており、搬送されるサンドイッチ3を撮像位置IPにおいて上方から撮像する。画像カメラ21による撮像結果はコントローラ(図示省略)に送信され、画像解析処理により、サンドイッチ3a,3bのそれぞれのX軸方向、Y軸方向、θ方向における基準位置からの位置ずれが検出される。なお、X軸方向は搬送方向、Z軸方向は鉛直方向、Y軸方向はX軸及びZ軸に垂直な幅方向、θ方向はZ軸周りの回転方向である。コントローラは、検出した位置ずれに基づいて、位置ずれに対応するように第1ロボット9及び第2ロボット11による把持動作を制御する。
【0022】
画像カメラ23(検出部、第1検出部の一例)は、仮置き装置13の上方に設置されており、幅寄せ機構31により幅寄せされたサンドイッチ3a,3bの例えば搬送方向下流側の先端を撮像する。画像カメラ23による撮像結果は、コントローラに送信され、画像解析処理により、サンドイッチ3a,3bの先端が揃っているか否か、つまりX軸方向の位置ずれが検出される。
【0023】
ワーク検出センサ25L,25R(検出部、第2検出部の一例)は、仮置き装置13の幅方向両側に設置されている。ワーク検出センサ25Lは、仮置き装置13の一方側(Y軸方向正側)に配置されており、サンドイッチ3aの切断面CS1のX軸方向の位置を検出する。ワーク検出センサ25Rは、仮置き装置13の他方側(Y軸方向負側)に配置されており、サンドイッチ3bの切断面CS2のX軸方向の位置を検出する。ワーク検出センサ25L,25Rは例えばレーザセンサである。なお、サンドイッチ3a,3bの切断面の位置を検出可能であれば他の検出方式のセンサでもよい。ワーク検出センサ25L,25Rによる検出結果は、コントローラに送信される。コントローラは、画像カメラ23による撮像結果及びワーク検出センサ25L,25Rによる検出結果に基づいて、位置調整機構33によりサンドイッチ3a,3bのX軸方向の位置を調整して位置ずれを修正する。
【0024】
なお、上述したサンドイッチ袋詰めシステム1の構成は一例であり、上述の内容に限定されるものではない。例えば、搬送コンベア7とは別のスルー搬送用のコンベアを設けてもよい。この場合、画像カメラ21により、第1ロボット9及び第2ロボット11では対応できない位置ずれが生じていたり、サンドイッチ3が変形や損傷等により不良品であることが検出された場合には、第1ロボット9及び第2ロボット11によりサンドイッチ3をスルー搬送用のコンベアに移送し、袋詰めの工程をスルーさせてもよい。また、サイクルタイムの短縮化(高タクト化)を行わない場合には、第1ロボット9又は第2ロボット11のいずれか1台のみでサンドイッチ3の仮置き装置13への移送を行ってもよい。
【0025】
<2.仮置き装置の構成>
次に、図4図6を用いて、仮置き装置13の構成の一例について説明する。
【0026】
図4に示すように、仮置き装置13は、位置調整機構33と、幅寄せ機構31と、トレイ35と、これらを支持する支柱36とを有する。位置調整機構33は幅寄せ機構31の上側(Z軸方向正側)に配置されており、幅寄せ機構31はトレイ35の上側に配置されている。トレイ35は上方から落下する食材等を受け、床に落下するのを防止する。
【0027】
位置調整機構33(位置調整部の一例)は、サンドイッチ3a(第1の積層食品の一例)及びサンドイッチ3b(第2の積層食品の一例)の積層方向に垂直なX軸方向(第1方向の一例)の位置を調整する。位置調整機構33は、ベース37と、回転モータ39L,39Rと、ギア機構41L,41Rと、軸受機構43L,43Rと、複数(例えば4本)の駆動ローラ45L,45Rとを有する。駆動ローラ45Lと駆動ローラ45Rとは同軸上に配置されつつ分離されており、若干の隙間が設けられている。
【0028】
ベース37は支柱36により略水平に支持されている。回転モータ39Lの出力軸は、傘歯車47Lによりギア機構41Lの入力軸と連結されている。ギア機構41Lは、入力軸の回転を複数の駆動ローラ45Lに対してそれぞれが同じ方向に回転するように伝達する。軸受機構43Lは、複数の駆動ローラ45Lをそれぞれ片持ち梁状に回転可能に支持する。複数の駆動ローラ45L上には、サンドイッチ3aが載置される。駆動ローラ45Lの表面には凹凸(例えば軸方向に延びる小さな溝)が形成されており、載置されるサンドイッチ3aとの滑りが防止される。X軸方向に隣接する駆動ローラ45L間の隙間には、複数(例えば3本)のピン49LがZ軸方向に出し入れされる。
【0029】
回転モータ39Rの出力軸は、傘歯車47Rによりギア機構41Rの入力軸と連結されている。ギア機構41Rは、入力軸の回転を複数の駆動ローラ45Rに対してそれぞれが同じ方向に回転するように伝達する。軸受機構43Rは、複数の駆動ローラ45Rをそれぞれ片持ち梁状に回転可能に支持する。複数の駆動ローラ45R上には、サンドイッチ3bが載置される。駆動ローラ45Rの表面には凹凸(例えば軸方向に延びる小さな溝)が形成されており、載置されるサンドイッチ3bとの滑りが防止される。X軸方向に隣接する駆動ローラ45R間の隙間には、複数(例えば3本)のピン49RがZ軸方向に出し入れされる。
【0030】
図4に示すように、各駆動ローラ45L,45Rの下部には、ローラの表面に当接するように例えばゴム製のワイパー部材51が設けられている。ワイパー部材51により、各駆動ローラ45L,45Rの表面に付着した食材がそぎ落とされる。そぎ落とされた食材は、ベース37に形成された開口37aを介して下方のトレイ35に落下する。
【0031】
仮置き装置13は、前述の画像カメラ23と、ワーク検出センサ25L,25Rとを有する。画像カメラ23及びワーク検出センサ25L,25Rは、サンドイッチ3a及びサンドイッチ3bのX軸方向における位置を検出する。前述の図2に示すように、画像カメラ23は仮置き装置13の上方に設置されており、サンドイッチ3a及びサンドイッチ3bの下端部のX軸方向における端部位置(X軸方向正側の先端位置)を検出する。
【0032】
図4に示すように、ワーク検出センサ25Lは、例えば軸受機構43Lの上部に所定の高さで設置されている。ワーク検出センサ25Lは、サンドイッチ3aの高さ方向における中間部のX軸方向における端部位置(切断面CS1のX軸方向の位置)を検出する。ワーク検出センサ25Rは、例えば軸受機構43Rの上部に所定の高さで設置されている。ワーク検出センサ25Rは、サンドイッチ3bの高さ方向における中間部のX軸方向における端部位置(切断面CS2のX軸方向の位置)を検出する。
【0033】
上記構成により、位置調整機構33は、画像カメラ23及びワーク検出センサ25L,25Rの検出結果に基づいて、サンドイッチ3a及びサンドイッチ3bのX軸方向の位置を調整する。
【0034】
幅寄せ機構31は、サンドイッチ3a,3bの積層方向の間隔を小さくするように幅寄せする。幅寄せ機構31は、ベース53と、複数(例えば4つ)のプーリ55a~55dと、回転モータ57と、ベルト59と、一対のロッド61と、スライダ63L,63Rとを有する。ベース53は支柱36により略水平に支持されている。ベース53は、回転モータ65aを備えた昇降機構65により、支柱36に対してZ軸方向に昇降する。
【0035】
プーリ55a~55dは、ベース53の四隅近傍に回転可能に設置されている。プーリ55aは、ベース53の例えば下部に設けられた回転モータ67により回転駆動される。ベルト59は、4つのプーリ55a~55dに掛け渡されており、回転モータ67により回転される。一対のロッド61は、Y軸方向に沿って延設されており、X軸方向に所定の間隔を空けて略平行に設置されている。スライダ63Lは、ロッド61に対してY軸方向にスライド可能に設けられており、一方側(X軸負側)の端部がベルト59に固定されている。スライダ63Rは、ロッド61に対してY軸方向にスライド可能に設けられており、他方側(X軸正側)の端部がベルト59に固定されている。ベルト59が矢印Ar3方向に回転するとスライダ63L,63Rは遠ざかり、ベルト59が矢印Ar4方向に回転するとスライダ63L,63Rは近づく。
【0036】
スライダ63Lには、複数(例えば3本)のピン49Lが軸受(図示省略)を介して自由に回転可能に設けられている。ピン49Lは、隣接する駆動ローラ45L間の隙間に対応する位置に配置されている。スライダ63Rには、複数(例えば3本)のピン49Rが軸受(図示省略)を介して自由に回転可能に設けられている。ピン49Rは、隣接する駆動ローラ45R間の隙間に対応する位置に配置されている。なお、ピン49L又はピン49Rの数はそれぞれ3本以外(例えば2本、4本等)としてもよい。ピン49L又はピン49Rの長さはそれぞれ同じ長さでもよいし、三角形状のサンドイッチ3a,3bに合わせて長さを変化させてもよい。本実施形態では図2に示すように、例えばX軸方向負側の2本を長めの長さとし、残りの1本を短めの長さとしている。
【0037】
<3.仮置き装置の動作>
次に、図7図17を用いて、仮置き装置13の動作の一例について説明する。
【0038】
図7に示すように、仮置き装置13にサンドイッチ3a,3bが載置される際には、ピン49L,49Rは開かれると共に、駆動ローラ45L,45Rの上面より突出している。この状態で、第1ロボット9のトング部材27により把持されたサンドイッチ3aが駆動ローラ45Lに縦向きの姿勢で載置されると共に、第2ロボット11のトング部材27により把持されたサンドイッチ3bが駆動ローラ45Rに縦向きの姿勢で載置される。
【0039】
次に、図8に示すように、各ロボット9,11はトング部材27,27を開いてサンドイッチ3a,3bを解放し、トング部材27を引き上げる。その後、幅寄せ機構31によりピン49L及びピン49Rが第1の距離まで近づけられる。第1の距離では、サンドイッチ3a,3bは互いに接触しないように若干の隙間が形成される距離まで幅寄せされる。この状態で、画像カメラ23により、幅寄せされたサンドイッチ3a,3bの先端を撮像する。
【0040】
次に、図9に示すように、画像カメラ23の撮像結果に基づいて、サンドイッチ3a,3bの先端位置が合うように、駆動ローラ45L及び駆動ローラ45Rがそれぞれ所定量だけ回転されて、サンドイッチ3a,3bのX軸方向の位置が調整される。この際、ピン49L及びピン49Rは自由に回転するため、サンドイッチ3a,3bのX軸方向の移動を阻害しない。位置を調整する際には、ワーク検出センサ25a,25bによりサンドイッチ3aの切断面CS1のX軸方向の位置及びサンドイッチ3bの切断面CS2のX軸方向の位置が検出される。サンドイッチ3a,3bの先端位置を合わせた際に切断面CS1,CS2も一致した場合には、その位置に決定される。一方、サンドイッチ3a,3bの先端位置を合わせた際に切断面CS1,CS2が一致しない場合には、先端位置よりも切断面CS1,CS2の位置の方を優先し、切断面CS1,CS2が一致するようにX軸方向の位置が調整される。袋詰め後の製品においては、サンドイッチ3a,3bの先端部の位置よりも切断面CS1,CS2の位置の方が、見栄えにより大きな影響を与えるからである。
【0041】
次に、図10に示すように、幅寄せ機構31によりピン49L及びピン49Rが第2の距離まで近づけられる。第2の距離では、サンドイッチ3a,3bは互いに接触して隙間は形成されない。これにより、図11に示すように、サンドイッチ3a,3bが仮置き装置13に載置された時点で例えばX軸方向に距離d1だけずれている場合でも、そのX軸方向の位置ずれを修正した上でサンドイッチ3a,3bを密着させることができる。
【0042】
なお、図12に示すように、サンドイッチ3が対角線上で切断されている場合には、サンドイッチ3a,3bは同じ形状となるため、先端位置を一致させると切断面CS1,CS2についても一致する。また、図13に示すように、切断線CLが対角線に対して中心位置Oを中心とする回転方向にずれた場合にも、サンドイッチ3a,3bは同じ形状となるため、下端部の先端位置を一致させると切断面CS1,CS2についても一致する。
【0043】
一方、図14に示すように、切断線CLが対角線に対して平行にオフセットするようにずれた場合には、サンドイッチ3a,3bは異なる形状となる。このため、先端位置を一致させても切断面CS1,CS2の位置は例えばX軸方向に距離d2だけずれる。この場合、先端位置のずれは許容し、ワーク検出センサ25a,25bの検出結果に基づいて切断面CS1,CS2が一致するようにX軸方向の位置が調整される。また、図15に示すように、切断線CLが対角線に対して対角線の一端Eを中心とする回転方向にずれた場合にも、サンドイッチ3a,3bは異なる形状となる。このため、下端部の先端位置を一致させても切断面CS1,CS2の位置は例えばX軸方向に距離d3だけずれる。この場合も、先端位置のずれは許容し、ワーク検出センサ25a,25bの検出結果に基づいて切断面CS1,CS2が一致するようにX軸方向の位置が調整される。
【0044】
次に、図16に示すように、第3ロボット15のトング部材27を仮置き装置13に移動させ、幅寄せ機構31により密着するように幅寄せされたサンドイッチ3a,3bの積層方向における両側に位置させる。なお、第3ロボット15のトング部材27,27は、ピン49L及びピン49Rと干渉しない程度に開放されている。
【0045】
次に、図17に示すように、第3ロボット15のトング部材27,27の内側において、ピン49L及びピン49Rがサンドイッチ3a,3bと接触しないように若干量開かれるとともに、下方に移動されて駆動ローラ45L,45Rよりも下側に収納される。これにより、仮にサンドイッチ3a,3bが自立できない場合でも、第3ロボット15のトング部材27,27により倒れるのを防止できる。その後、第3ロボット15がトング部材27,27を閉じてサンドイッチ3a,3bを把持し、仮置き装置13から持ち上げ、包装袋5に収容する。
【0046】
<4.袋供給装置の構成>
次に、図18及び図19を用いて、袋供給装置17の構成の一例について説明する。
【0047】
図18及び図19に示すように、袋供給装置17は、ストック装置69と、排出装置71(後述の26図参照)と、袋分離装置73と、開口形成装置75と、袋移送装置77等を有する。なお、図18ではストック装置69を透過して示すと共に、排出装置71及び袋分離装置73の図示を省略している。
【0048】
図19に示すように、包装袋5は、縁部5aに対して破断線BLにより分離可能に接続されている。袋供給装置17は、縁部5aから分離された包装袋5を、サンドイッチ3が収容される袋詰め位置BPに供給する。ストック装置69(ストック部の一例)は、縁部5aに形成された穴部79に挿通される2本のロッド81を備えており、縁部5aを保持することによって積層された複数の包装袋5をストックする。包装袋5は、例えば200枚を1束として構成されており、束単位でストック装置69にセットされる。ストック装置69の構成及び動作については後述する。包装袋5は、破断線BLに対応する箇所にサンドイッチ3を出し入れするための袋口を備え、サンドイッチ3に対応した立体的形状を有しており、平面状に整形された状態で積層されている。
【0049】
袋分離装置73(袋分離部の一例)は、吸着装置83と、昇降装置85等を有する。吸着装置83は、複数(例えば4つ)の吸着パッド87を備えており、包装袋5を吸着して保持する。吸着装置83は、支持部材89を介して昇降装置85により上下方向に移動される。昇降装置85は、回転モータ(図示省略)、ボールねじ(図示省略)、ガイドレール91、及び、スライダ93等を有する。回転モータの回転運動がボールねじにより直線運動に変換され、スライダ93がガイドレール91に沿って上下方向に移動される。なお、回転モータの代わりに例えばリニアモータを用いてもよい。上記構成により、袋分離装置73は、ストック装置69により保持された積層された複数の包装袋5を吸着して1枚ずつ縁部5aから分離し、下方に搬送して開口形成装置75の保持板95L,95Rにセットし、吸着を解除する動作を繰り返す。
【0050】
図18に示すように、開口形成装置75は2つの吸着パッド97L,97Rと、2つの吸引パッド99L,99Rを有する。保持板95L,95Rにセットされた包装袋5は平面状に整形された状態であるため、袋口は閉じている。開口形成装置75は、吸着パッド97L,97Rと吸引パッド99L,99Rを用いて袋口に開口を形成する。開口形成装置75の構成及び動作については後述する。
【0051】
袋移送装置77は、ハンド101と、移動装置103等を有する。ハンド101は、回転モータ104により開閉される把持アーム101L,101Rを有する。ハンド101は、開口形成装置75により形成された包装袋5の開口の一方側の縁部と他方側の縁部を把持アーム101L,101Rによりそれぞれ把持し、旋回しながら開口を広げて袋口を開放させる。移動装置103は、ハンド101をZ軸方向に略平行な回転軸Ax1周りに旋回させると共に上下動させることで、包装袋5を開口形成装置75から袋詰め位置BPに移動させる。袋詰め位置BPは、搬送コンベア7の上方に位置しており、サンドイッチ3が収容された包装袋5は搬送コンベア7に載置され、矢印Arで示す搬送方向の下流側に向けて搬送される。
【0052】
<5.ストック装置の構成、動作>
次に、図20図25を用いて、ストック装置69の構成及び動作の一例について説明する。なお、図22図23及び図25では排出装置71の図示を省略している。
【0053】
ストック装置69は開口形成装置75の上方に配置されている。図20及び図21に示すように、ストック装置69は、包装袋5の供給口105が形成された筐体107と、供給口105を開閉させる扉109とを有する。図21に示すように、扉109が開放されると供給口105が露出され、縁部5aに形成された穴部79に2本のロッド81を挿通させて、包装袋5をセットすることが可能となる。扉109の内側には、上下方向に開閉することで、2本のロッド81を把持及び把持を解除することが可能な2つの把持部材111が設けられている。各把持部材111は、第1把持部111aと第2把持部111bとを有する。2つの第1把持部111aは、扉109に固定されている。2つの第2把持部111bは、支持部材113に対して上下方向にスライド可能な2本のロッド115によって、上下方向に移動可能に設置されている。2本のロッド115の下端にはロック板117が設けられている。ロック板117には、筐体107に設置されたエアシリンダ119のピン119aが挿入される穴部117aが形成されている。
【0054】
例えば操作盤(図示省略)により扉109がアンロックされると、エアシリンダ119のピン119aが縮んで穴部117aから抜かれると共に、ロック板117を介して2本のロッド115が下方向に移動し、2つの把持部材111が開放される。これにより、2本のロッド81の把持が解除されると共に、扉109が開放可能となる。包装袋5がセットされた後、扉109が閉じられて例えば操作盤により扉109がロックされると、エアシリンダ119のピン119aが伸びて穴部117aに挿入されると共に、ロック板117を介して2本のロッド115が上方向に移動し、2つの把持部材111が閉じられる。これにより、2本のロッド81が把持されると共に、扉109が開放不可能となる。なお、エアシリンダ119の代わりにモータやソレノイド等を使用してもよい。
【0055】
図22図24に示すように、ストック装置69は、2本のロッド81により、ストック装置69の一端側(Y軸方向負側)に配置された包装袋5の供給口105と、ストック装置69の他端側(Y軸方向正側)に配置された縁部5aの排出口121との間で、縁部5aを移動可能に保持する。ストック装置69は、2本の直動シリンダ123L,123Rと、2つの回転シリンダ125L,125Rと、2つのプレート127L,127R等を有する。
【0056】
直動シリンダ123Lは、筐体107の内側に例えば2本のロッド129Lを介して設置されている。回転シリンダ125Lは、直動シリンダ123Lの伸縮により、2本のロッド129Lに沿ってY軸方向に移動可能に設置されている。図24に示すように、プレート127Lは、例えば略L字形状に形成されており、長手方向が下方向を向いた退避姿勢と、長手方向が水平方向を向いた押圧姿勢との間で、略90°の角度範囲で回転シリンダ125LによりY軸方向に略平行な回転軸Ax2周りに回転される。図22図24に示す例では、プレート127Lは退避姿勢となっている。
【0057】
直動シリンダ123Rは、筐体107の内側に例えば2本のロッド129Rを介して設置されている。回転シリンダ125Rは、直動シリンダ123Rの伸縮により、2本のロッド129Rに沿ってY軸方向に移動可能に設置されている。図24に示すように、プレート127Rは、例えば略L字形状に形成されており、長手方向が下方向を向いた退避姿勢と、長手方向が水平方向を向いた押圧姿勢との間で、略90°の角度範囲で回転シリンダ125RによりY軸方向に略平行な回転軸Ax2周りに回転される。図22図24に示す例では、プレート127Rは押圧姿勢となっている。
【0058】
直動シリンダ123L,123R及び回転シリンダ125L,125Rは、例えばエアシリンダであるが、モータやソレノイド等を使用してもよい。
【0059】
プレート127L又はプレート127Rは、押圧姿勢の場合には積層された包装袋5に当接して排出口121側(Y軸方向正側)に押圧することができる。押圧された複数の包装袋5は、プレート127L又はプレート127Rとは反対側の端部がストッパ131に当接して位置決めされ、袋分離装置73の吸着装置83が包装袋5を吸着して1枚ずつ縁部5aから分離する。
【0060】
図25に、上記のように構成されるストック装置69の動作の一例を示す。図25(a)に示すように、例えばプレート127Rが退避姿勢で、プレート127Lが押圧姿勢となり包装袋5を押圧している状態において、供給口105から例えば2束の包装袋5が新たにセットされたとする。この場合、図25(b)に示すように、直動シリンダ123Rが伸びて回転シリンダ125Rが供給口105近傍に移動する。次に、図25(c)に示すように、回転シリンダ125Rによりプレート127Rが回転され、退避姿勢から押圧姿勢に変更される。次に、図25(d)に示すように、直動シリンダ123Rが縮んで回転シリンダ125Rが供給口105とは反対側に移動し、プレート127Rにより包装袋5をストッパ131側に押圧する。次に、図25(e)に示すように、回転シリンダ125Lによりプレート127Lが回転され、押圧姿勢から退避姿勢に変更される。この後は、左右の回転シリンダ及びプレートの動作が入れ替わって、図25(a)~図25(e)の動作が繰り返される。これにより、袋供給装置17を停止させることなく、包装袋5を無制限に供給することが可能となる。
【0061】
<6.排出装置の構成、動作>
次に、図26図29を用いて、排出装置71の構成及び動作の一例について説明する。なお、図26及び図29ではストック装置69の構成の図示を省略している。
【0062】
図26に示すように、ストック装置69にストックされた包装袋5が、袋分離装置73により順次縁部5aから分離されていくと、残存した縁部5aはストッパ131を通過して排出口121側に移動し、蓄積される。縁部5aは例えば束単位で蓄積される。排出装置71(排出部の一例)は、ストック装置69のY軸方向正側に設けられており、縁部5aから包装袋5が分離された後、縁部5aを排出口121に排出する。排出装置71は、直動シリンダ133と、第1ゲート装置135と、第2ゲート装置137とを有する。直動シリンダ133、第1ゲート装置135及び第2ゲート装置137は、筐体107と連結された適宜の支持部材(図示省略)により支持されている。
【0063】
2本のロッド81は、供給口105から所定の長さは略水平方向に延設され、排出口121の近傍において下方に屈曲され、水平方向に対して傾斜して延設されている。2本のロッド81は、ストック装置69の扉109の内側の把持部材111、後述する第1ゲート装置135の把持部材143、第2ゲート装置137の把持部材143の3箇所の把持部材のうち、常に2箇所以上が把持することによって支持されている。直動シリンダ133(押出装置の一例)は、X軸方向において2本のロッド81の中間位置に、2本のロッド81の傾斜角度と略同じ角度となるように設置されている。直動シリンダ133は、ロッド133aを伸ばして縁部5aの略中央部に押し当てることにより、蓄積された縁部5aを排出口121に向けて押し出す。ロッド133aは、第1ゲート装置135及び第2ゲート装置137の開閉に関わらず、第1ゲート装置135及び第2ゲート装置137を通過可能である。第1ゲート装置135及び第2ゲート装置137は、2本のロッド81に沿った縁部5aの移動経路を開放又は閉塞する。第1ゲート装置135は、第2ゲート装置137よりも上流側に設置されている。直動シリンダ133は例えばエアシリンダであるが、モータやソレノイド等を使用してもよい。
【0064】
図27及び図28に、図26中矢視Aの方向から見た第2ゲート装置137の構成の一例を示す。図27は第2ゲート装置137が開いた状態、図28は第2ゲート装置137が閉じた状態を示している。なお、第1ゲート装置135も第2ゲート装置137と同等の構成である。
【0065】
図27及び図28に示すように、第2ゲート装置137は、ベース139と、エアシリンダ141と、開閉可能な2つの把持部材143とを有する。ベース139には、縁部5aが通過可能な開口部139aが形成されている。各把持部材143は、第1把持部143aと第2把持部143bとを有する。2つの第1把持部143aが設けられた支持部材145Aと、2つの第2把持部143bが設けられた支持部材145Bとは、ラックピニオン機構147により連結されている。図28に示すように、エアシリンダ141が伸びると支持部材145A,145Bが近接して開口部139aが閉塞されると共に、2つの把持部材143により2本のロッド81が把持される。図27に示すように、エアシリンダ141が縮むと支持部材145A,145Bが離間して開口部139aが開放されると共に、2つの把持部材143による2本のロッド81の把持が解除される。支持部材145A,145Bには例えば半円状の凹部149が形成されており、図28に示すように、ゲートが閉じた状態でも直動シリンダ133のロッド133aが通過することが可能である。なお、エアシリンダ141の代わりにモータやソレノイド等を使用してもよい。
【0066】
図29に、上記のように構成される排出装置71の動作の一例を示す。図29(a)に示すように、縁部5aの排出時以外の通常時は、第1ゲート装置135が把持部材143を開き、第2ゲート装置137が把持部材143を閉じ、直動シリンダ133がロッド133aを縮めた状態となっている。次に、所定のタイミングで、図29(b)に示すように、直動シリンダ133がロッド133aを伸ばす。これにより、2本のロッド81の傾斜部に位置する縁部5aは、閉塞された第2ゲート装置137に押し付けられる。所定のタイミングは、例えば袋供給装置17が供給した包装袋5の数をカウントしておき、当該カウント数が所定数(例えば2束に対応する400等)となったタイミングである。なお、一定時間おきのタイミング等でもよい。
【0067】
次に、図29(c)に示すように、直動シリンダ133がロッド133aを伸ばした状態で、第1ゲート装置135が把持部材143を閉じる。縁部5aには、ロッド133aにより押圧力が付与されている。次に、図29(d)に示すように、第2ゲート装置137が把持部材143を開く。これにより、第1ゲート装置135と第2ゲート装置137の間に存在する縁部5a(この例では2個の縁部5a)が排出口121から排出される。次に、図29(e)に示すように、第2ゲート装置137が把持部材143を閉じると共に、直動シリンダ133がロッド133aを縮める。次に、図29(f)に示すように、第1ゲート装置135が把持部材143を開く。これにより、図29(a)の状態に戻る。排出装置71は図29(a)~図29(f)の動作を繰り返す。
【0068】
<7.開口形成装置の構成、動作>
次に、図30及び図31を用いて、開口形成装置75の構成及び動作の一例について説明する。
【0069】
前述のように、袋分離装置73により縁部5aから分離された包装袋5は、開口形成装置75の保持板95L,95Rにセットされる。保持板95L,95Rは、包装袋5の吸着及び吸引される部位以外の部分を厚み方向に挟み込んで保持する。図30及び図31に示すように、開口形成装置75(開口形成部の一例)は、セットされた包装袋5の袋口を、非接触で吸着して開口を形成する。開口形成装置75は、2つの吸着パッド97L,97Rと、2つの吸引パッド99L,99Rと、2つのベース151L,151Rと、2つの回転モータ153L,153R(駆動装置の一例)等を有する。
【0070】
前述の図18及び図19に示すように、保持板95L,95Rは、回転モータ155及びラックピニオン機構157によりガイドレール159に沿って遠近するように移動する。保持板95L,95Rは、袋分離装置73により包装袋5がセットされ、開口が形成されるまでの間は近接した状態となっている(図30及び図31に示す状態)。形成された包装袋5の開口の縁部をハンド101が把持して移動させる際には、保持板95L,95Rは離間される。
【0071】
吸着パッド97L,97Rは、固定具161を介して保持板95L,95Rに固定されている。吸着パッド97Lは、包装袋5の袋口を構成する一方側(Y軸方向負側)の縁部5bの、一端寄り(X軸方向正側)の部位5b1に密着して吸着する。吸着パッド97Rは、包装袋5の袋口を構成する縁部5bの、他端寄り(X軸方向負側)の部位5b2に密着して吸着する。
【0072】
吸引パッド99L(第1吸着部の一例)は、ベース151Lの例えば上部に回転可能に設けられたギア163Lの回転軸165Lに、固定具167を介して連結されている。ギア163Lは、ベース151Lの例えば上部に回転可能に設けられたギア169Lと噛み合っている。ギア169Lは、ベース151Lの例えば下部に設置された回転モータ153Lにより回転される。吸引パッド99Lは、包装袋5の袋口を構成する他方側(Y軸方向正側)の縁部5cの、一端寄り(X軸方向正側)の部位5c1(第1部位の一例)を非接触で吸着する。吸引パッド99Lは、吸引により部位5c1との間に若干の隙間を空けつつ当該部位5c1を吸着する。
【0073】
吸引パッド99R(第2吸着部の一例)は、ベース151Rの例えば上部に回転可能に設けられたギア163Rの回転軸165Rに、固定具167を介して連結されている。ギア163Rは、ベース151Rの例えば上部に回転可能に設けられたギア169Rと噛み合っている。ギア169Rは、ベース151Rの例えば下部に設置された回転モータ153Rにより回転される。吸引パッド99Rは、包装袋5の袋口を構成する縁部5cの、他端寄り(X軸方向負側)の部位5c2(第2部位の一例)を非接触で吸着する。吸引パッド99Rは、吸引により部位5c2との間に若干の隙間を空けつつ当該部位5c2を吸着する。
【0074】
図31に示すように、回転モータ153L,153R(駆動装置の一例)はギア169L,169Rを所定角度回転させることにより、部位5c1と部位5c2とを近づけるように、吸引パッド99L,99Rを回転移動させる。これにより、吸着パッド97L,97Rにより平坦に保持された縁部5bに対し、縁部5cが左右両側から中央側に向けてずらされて膨らみ、包装袋5の袋口に開口171が形成される。吸引パッド99L,99Rと縁部5cが非接触であることにより、吸引パッド99L,99Rを回転移動させた際に縁部5cとの滑りを許容することが可能となり、吸着の外れを抑制できる。したがって、開口171をより確実に形成することができる。
【0075】
<8.袋移送装置の動作>
次に、図32図34を用いて、袋移送装置77の動作の一例について説明する。
【0076】
図32に示すように、袋移送装置77の移動装置103は、ハンド101が開口形成装置75側を向くように旋回させる。包装袋5の袋口には、開口形成装置75(図32では図示省略)により開口171が形成されている。ハンド101は、把持アーム101Lにより開口171の他方側の縁部5cを把持し、把持アーム101Rにより開口171の一方側の縁部5bを把持する。
【0077】
次に、図33に示すように、移動装置103が、ハンド101が搬送コンベア7上の袋詰め位置BP側を向くように旋回させる。この旋回動作と並行して、ハンド101は把持アーム101L,101Rを開き、包装袋5の袋口を開放させる。そして、図34に示すように、ハンド101が袋詰め位置BPに到達するまでに、ハンド101は包装袋5の袋口を最大限に開放させ、袋詰め位置BPに保持する。この状態で、サンドイッチ3が袋口から包装袋5に挿入される。
【0078】
<9.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のサンドイッチ袋詰めシステム1は、縁部5aに分離可能に接続された包装袋5を供給する袋供給装置17と、サンドイッチ3を包装袋5に収容する第3ロボット15と、を有し、袋供給装置17は、積層された複数の包装袋5を1枚ずつ縁部5aから分離する袋分離装置73と、縁部5aから包装袋5が分離された後、縁部5aを排出口121に排出する排出装置71とを有する。
【0079】
サンドイッチ袋詰めシステム1では、袋供給装置17において、積層された複数の包装袋5が1枚ずつ縁部5aから分離されて供給される。包装袋5が供給されるにつれて、包装袋5の縁部5aが残存して蓄積される。仮に、当該縁部5aを作業者が取り除いて新たな包装袋5をセットする構成とした場合には、袋供給装置17の停止が必要となる可能性がある。その場合、サンドイッチ袋詰めシステム1の他の装置にも影響が及び、サンドイッチ3の生産の減少を招くおそれがある。
【0080】
本実施形態では、縁部5aから包装袋5が分離された後、排出装置71が残存する縁部5aを自動的に排出口121に排出する。これにより、作業者が縁部5aを取り除く必要がなくなるので、袋供給装置17を停止させることなく縁部5aを排出できると共に、新たな包装袋5をセットすることが可能となる。したがって、包装袋5を連続して供給することが可能となり、袋供給装置17の停止によるサンドイッチ3の生産の減少を防止できる。
【0081】
本実施形態において、袋供給装置17は、縁部5aを保持し、包装袋5をストックするストック装置69を有してもよく、その場合には、ストック装置69は、当該ストック装置69の一端側に配置された包装袋5の供給口105と、ストック装置69の他端側に配置された縁部5aの排出口121との間で、縁部5aを移動可能に保持してもよい。
【0082】
この場合、包装袋5の供給口105と縁部5aの排出口121とがストック装置69の反対側に位置するので、排出装置71による縁部5aの排出に関わりなく、新たな包装袋5を任意のタイミングでストック装置69にセットすることができる。これにより、袋供給装置17を停止させることなく、包装袋5を無制限に供給することが可能となる。
【0083】
本実施形態において、排出装置71は、縁部5aを排出口121に押し出す直動シリンダ133を有してもよい。この場合、2本のロッド81上の縁部5aの詰まり等を防止でき、より確実に縁部5aを排出口121から排出することができる。
【0084】
本実施形態において、袋供給装置17は、袋分離装置73により分離された包装袋5の袋口を、非接触で吸着して開口171を形成する開口形成装置75を有してもよい。
【0085】
例えば、包装袋5の袋口の外側に当接部材を接触させて開口を形成する場合、包装袋5の素材の種類によっては、当接部材と袋口の外側との摩擦よりも袋口の内側同士の摩擦の方が大きくなる可能性があり、開口の形成が困難となるおそれがある。本実施形態では、包装袋5の袋口を非接触で吸着するので、包装袋5の素材の種類によらずに開口を形成することができる。
【0086】
本実施形態において、開口形成装置75は、袋口の部位5c1を非接触で吸着する吸引パッド99Lと、袋口の部位5c2を非接触で吸着する吸引パッド99Rと、部位5c1と部位5c2を近づけるように、吸引パッド99L及び吸引パッド99Rを回転移動させる回転モータ153L,153Rと、を有してもよい。
【0087】
この場合、袋口の縁部5cの部位5c1と部位5c2を近づけて縁部5cをたわませることができるので、開口171をより確実に形成することができる。また、仮に吸着部を袋口に接触して吸着する構成とした場合には、吸着部を移動させた際に滑りにより吸着が外れる可能性が高く、開口171を形成できないおそれがある。本実施形態では、非接触で吸着する構成とすることにより、吸引パッド99L,99Rを回転移動させた際の滑りを許容することが可能となり、吸着の外れを抑制できる。したがって、開口171をより確実に形成することができる。
【0088】
本実施形態において、サンドイッチ袋詰めシステム1は、サンドイッチ3a,3bが積層方向を略水平方向とする姿勢で仮置きされる仮置き装置13をさらに有してもよく、その場合には、仮置き装置13は、サンドイッチ3a,3bのX軸方向の位置を調整する位置調整機構33を有し、第3ロボット15は、X軸方向の位置を調整されたサンドイッチ3a,3bを包装袋5に収容してもよい。
【0089】
例えば前工程における切断位置のずれや、第1ロボット9及び第2ロボット11により把持又は載置する際の位置ずれ等に起因して、サンドイッチ3aとサンドイッチ3bとの間でX軸方向の位置ずれが生じる可能性がある。この場合、包装袋5に収容された際に正面に見える切断面CS1,CS2の位置がずれ、袋詰め後の製品の見栄えが低下するおそれがある。
【0090】
本実施形態では、仮置き装置13の位置調整機構33により、サンドイッチ3a,3bのX軸方向の位置を調整する。これにより、X軸方向の位置ずれを修正することが可能となるので、包装袋5に収容された際に正面に見える切断面CS1,CS2の位置を合わせることができ、袋詰め後の製品の見栄えを向上できる。
【0091】
本実施形態において、仮置き装置13は、サンドイッチ3a,3bのX軸方向における位置を検出する画像カメラ23及びワーク検出センサ25a,25bを有してもよく、その場合には、位置調整機構33は、画像カメラ23及びワーク検出センサ25a,25bの検出結果に基づいて、サンドイッチ3a,3bのX軸方向の位置を調整してもよい。この場合、サンドイッチ3a,3bのX軸方向の位置ずれをより確実に修正することができる。
【0092】
本実施形態において、仮置き装置13は、サンドイッチ3a,3bのX軸方向における先端位置を検出する画像カメラ23と、サンドイッチ3a,3bのX軸方向における切断面CS1,CS2の位置を検出するワーク検出センサ25a,25bと、を有してもよく、その場合には、位置調整機構33は、画像カメラ23及びワーク検出センサ25a,25bの検出結果に基づいて、サンドイッチ3a,3bの位置を調整してもよい。
【0093】
例えば、前工程における切断位置のずれ等に起因してサンドイッチ3a,3bの間に形状や大きさの相違が生じていた場合、画像カメラ23の検出結果に基づいて下端部の先端位置を合わせても、切断面CS1,CS2の位置が合わない可能性がある。袋詰め後の製品においては、下端部の先端位置よりも切断面CS1,CS2の位置の方が、見栄えにより大きな影響を与える。
【0094】
本実施形態では、画像カメラ23に加えてワーク検出センサ25a,25bの検出結果に基づいて位置を調整することにより、サンドイッチ3a,3bの切断面CS1,CS2の位置を合わせることが可能となる。これにより、袋詰め後の製品において切断面CS1,CS2を綺麗に揃えることができ、美味しそうな見栄えを維持できる。
【0095】
<10.変形例>
開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0096】
例えば、上記実施形態では、仮置き装置13の位置調整機構33によりサンドイッチ3a,3bのX軸方向の位置を調整するようにしたが、その他の手法で位置調整を行ってもよい。例えば、第1ロボット9及び第2ロボット11でサンドイッチ3a,3bをそれぞれ把持した状態で、移送経路に設置した画像カメラ又はワーク検出センサによりサンドイッチ3a,3bのX軸方向の位置を検出してもよい。当該検出結果に基づいて第1ロボット9及び第2ロボット11がX軸方向の位置を修正し、仮置き装置13に載置してもよい。この場合、仮置き装置13の位置調整機構33が不要となるので、構成を簡素化できる。
【0097】
また、仮置き装置13に、位置調整機構33及び幅寄せ機構31の代わりに、X軸方向とY軸方向の両方に移動可能なステージを2つ設置し、一方のステージにサンドイッチ3aを、他方のステージにサンドイッチ3bを載置してもよい。これにより、サンドイッチ3a,3bのX軸方向の位置を調整しつつ、Y軸方向に幅寄せすることが可能である。この場合も仮置き装置13の構成を簡素化することができる。
【0098】
以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
【0099】
以上の説明において、外観上の寸法や大きさ、形状、位置等が「同一」「同じ」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。それら「同一」「同じ」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に同じ」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0100】
以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0101】
以上説明した実施形態や変形例等が解決しようとする課題や効果は、上述した内容に限定されるものではない。実施形態や変形例等によって、上述されていない課題を解決したり、上述されていない効果を奏することもでき、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【符号の説明】
【0102】
1 サンドイッチ袋詰めシステム(積層食品袋詰めシステム)
3 サンドイッチ(積層食品)
5 包装袋
5c1 部位(第1部位)
5c2 部位(第2部位)
5a 縁部
13 仮置き装置
15 第3ロボット(自動機)
17 袋供給装置
23 画像カメラ(検出部、第1検出部)
25 ワーク検出センサ(検出部、第2検出部)
33 位置調整機構(位置調整部)
69 ストック装置(ストック部)
71 排出装置(排出部)
73 袋分離装置(袋分離部)
75 開口形成装置(開口形成部)
99L 吸引パッド(第1吸着部)
99R 吸引パッド(第2吸着部)
105 供給口
121 排出口
133 直動シリンダ(押出装置)
153L 回転モータ(駆動装置)
153R 回転モータ(駆動装置)
171 開口
CS1 切断面
CS2 切断面
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