(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】情報処理装置及びその制御方法とプログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 19/06 20060101AFI20240419BHJP
【FI】
G06K19/06 112
G06K19/06 037
(21)【出願番号】P 2022189525
(22)【出願日】2022-11-28
(62)【分割の表示】P 2021010615の分割
【原出願日】2016-05-20
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 朋博
(72)【発明者】
【氏名】平池 孔羽
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-124996(JP,A)
【文献】特開2012-043145(JP,A)
【文献】特開2008-213294(JP,A)
【文献】特開2004-209726(JP,A)
【文献】上田隆一,テキストデータならお手のもの 開眼シェルスクリプト 第15回 シェルで画像処理 -バイナリデータをテキスト化して扱う,SoftwareDesign,269号,日本,(株)技術評論社,2013年03月18日,pp.122-127,
図5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
標準の色情報で画像を出力する第1のモードと、色情報を反転して画像を出力する第2のモードのいずれかを設定する設定手段と、
画像がコードを示すコード画像を含むか否かを判定する判定手段と、
前記第2のモードにおいて、前記コード画像を色反転して出力するか否かを指示する指示手段と、
前記設定手段により前記第2のモードが設定され、且つ前記判定手段が前記コード画像を含むと判定すると、前記画像の前記コード画像以外を反転させた画像を出力するように制御する制御手段と、を有
し、
前記第2のモードにおいて、前記制御手段は、前記画像を構成するコンポーネントに対して一括して色反転処理を実行し、前記制御手段は、前記指示手段が前記コード画像を色反転して出力するように指示している場合には、前記一括の色反転処理の結果として、前記コード画像を含む全てのコンポーネントを反転させた画像を出力することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記色反転処理は、前記コンポーネントの各画素のRGBを表す各値をビット反転した値に変換する処理であることを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記コード画像は、バーコード或いはQRコード
(登録商標)を含むことを特徴とする請求項1
又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
表示手段を更に有し、
前記制御手段は、前記画像を前記表示手段に出力して表示することを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
印刷手段を更に有し、
前記制御手段は、前記画像を前記印刷手段に出力して印刷することを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置を制御する制御方法であって、
標準の色情報で画像を出力する第1のモードと、色情報を反転して画像を出力する第2のモードのいずれかを設定する設定工程と、
画像がコードを示すコード画像を含むか否かを判定する判定工程と、
前記第2のモードにおいて、前記コード画像を色反転して出力するか否かを指示する指示工程と、
前記設定工程で前記第2のモードが設定され、且つ前記判定工程が前記コード画像を含むと判定すると、前記画像の前記コード画像以外を反転させた画像を出力するように制御する制御工程と、を有
し、
前記第2のモードにおいて、前記制御工程は、前記画像を構成するコンポーネントに対して一括して色反転処理を実行し、前記制御工程は、前記指示工程が前記コード画像を色反転して出力するように指示している場合には、前記一括の色反転処理の結果として、前記コード画像を含む全てのコンポーネントを反転させた画像を出力することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びその制御方法とプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル端末のようなカメラを備える機器では、バーコードリーダ機能を搭載し、QR(Quick Response)コード(登録商標)等のバーコードから情報を取得することができるものが多い。また印刷装置のような情報処理装置では、バーコードデータを用いて情報を提供できるものも増えている。例えば、特許文献1には、無線の認証情報をQRコードで表示することが記載されている。
【0003】
また情報処理装置では、ユニバーサルデザインを実現するための機能として、操作部等の画面を、色反転して表示する機能を備えているものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したバーコード表示と、画面の色反転表示の機能をともに備える情報処理装置において、バーコードを色反転して表示することを考える。情報処理装置が表示するバーコードをモバイル端末が読み取ろうとしても、バーコードが色反転されているため、モバイル端末がバーコードを正しく認識できないという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することにある。
【0007】
本発明の目的は、情報処理装置が色反転モードで動作する場合においても、モバイル端末等の外部装置がコード画像を正しく認識できるようにする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る情報処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
情報処理装置であって、
標準の色情報で画像を出力する第1のモードと、色情報を反転して画像を出力する第2のモードのいずれかを設定する設定手段と、
画像がコードを示すコード画像を含むか否かを判定する判定手段と、
前記第2のモードにおいて、前記コード画像を色反転して出力するか否かを指示する指示手段と、
前記設定手段により前記第2のモードが設定され、且つ前記判定手段が前記コード画像を含むと判定すると、前記画像の前記コード画像以外を反転させた画像を出力するように制御する制御手段と、を有し、
前記第2のモードにおいて、前記制御手段は、前記画像を構成するコンポーネントに対して一括して色反転処理を実行し、前記制御手段は、前記指示手段が前記コード画像を色反転して出力するように指示している場合には、前記一括の色反転処理の結果として、前記コード画像を含む全てのコンポーネントを反転させた画像を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、情報処理装置が色反転モードで動作する場合においても、情報処理装置がコード画像を反転せずに出力することにより、そのコード画像をモバイル端末等の外部装置が正しく認識できるようになる。
【0010】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。尚、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【
図1】本発明の実施形態に係るシステムの構成例を示す図。
【
図2】実施形態に係る印刷装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
【
図3】実施形態に係る印刷装置が有する機能を説明する機能ブロック図。
【
図4】実施形態1に係る印刷装置の操作部に表示される設定画面の一例を示す図。
【
図5】実施形態に係る印刷装置がQRコードを用いて無線通信の認証情報を提供するときの表示画面の一例を示す図。
【
図6】実施形態1に係る印刷装置が操作部に画面を表示するときの処理を説明するフローチャート。
【
図7】実施形態2に係る印刷装置が操作部に画面を表示するときの処理を説明するフローチャート。
【
図8】実施形態3に係る印刷装置が画面コンポーネントから画面を構成した後、その画面全体を一括して色反転処理して表示するときの処理を説明するフローチャート。
【
図9】実施形態3で作成される画面のイメージの一例を示す図(A)と、その表示例を示す図(B)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るシステムの構成例を示す図である。
【0014】
情報処理装置である印刷装置101は無線通信機能を有し、モバイル端末102、アクセスポイント103、PC104とネットワーク通信が可能である。尚、このネットワーク通信は、無線通信に限らず、有線通信であっても良い。
【0015】
本実施形態では、印刷装置101がモバイル端末102に対して、QRコードを使用して両機器間のネットワーク通信を確立するための情報を提供する例で説明をする。尚、印刷装置101がQRコードを使用して提供する情報は、ネットワークに関する情報に限らない。
【0016】
また印刷装置101は、操作部205(
図2)に、標準の色情報を反転しないで画面を表示する通常表示モードと、色情報を反転した画面を表示する色反転表示モードの2つの表示モードを有する。色反転表示モードは、色覚に特異性をもつ利用者に対して画面の表示色を反転して提供するモードで、そのような利用者の視認性を向上させることを目的としている。
【0017】
図2は、実施形態に係る印刷装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0018】
CPU201は、印刷装置101全体の動作を制御する。CPU201は、ROM202に記憶されたブートプログラムを実行して、HDD204に格納されているプログラムやOSをRAM203に展開し、その展開したプログラムを実行することにより、この印刷装置101の動作を制御する。RAM203は、CPU201が各種プログラムを実行するワークエリア等として使用する揮発性メモリである。HDD(ハードディスクドライブ)204は、各種制御プログラム、印刷装置101のSSIDや無線認証鍵などの各種設定情報、QRコードなどを含む画面を構成するための部品(画面コンポーネント)に該当するデータなどを記憶する。操作部205は、ユーザが操作可能なタッチパネル機能を備えた表示部を有し、通常表示モード、或いは色反転表示モードのいずれかのモードで操作画面を表示する。プリンタ部206は、内部バスを介して転送された画像データに従って用紙(シート)に画像を印刷する。ネットワークI/F(インターフェース)207は、ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)を有し、無線通信機能を備える。これにより印刷装置101は、ネットワークI/F207を介して、モバイル端末102等の外部装置と通信できる。NFCI/F208は、NFC(Near Field Communication)通信機能を備えるチップである。Bluetooth(登録商標)I/F209は、Bluetooth通信機能を備えるチップである。
【0019】
図3は、実施形態に係る印刷装置101が有する機能を説明する機能ブロック図である。
図3に示す各部の機能は、CPU201がRAM203に展開したプログラムを実行することにより実現される。
【0020】
これら機能は、操作制御部310、設定制御部320、アプリケーション部330、通信制御部340を含んでいる。操作制御部310は、表示制御部311、操作通知部312を有している。表示制御部311は、操作部205に対して画面の表示出力処理を行う。画面コンポーネントを使用して画面を表示する処理や、画面コンポーネントの色反転処理等も表示制御部311が実行する。操作通知部312は、操作部205を介して入力される情報に対する入力処理を行う。
【0021】
設定制御部320は、設定保存部321、設定取得部322を有する。設定保存部321は、設定データをHDD204へ書き込む処理を行う。設定取得部322は、ROM202やHDD204に記憶されている設定データの読み出し処理を行う。
【0022】
アプリケーション部330は、例えばQRコードを生成するアプリケーションである。バーコード生成部331は、操作制御部310からの指示に基づいてバーコードデータを生成する。このバーコードデータの生成は、設定制御部320から取得した設定データに基づいて処理され、作成したバーコードデータは設定制御部320を介してHDD204に記憶される。
【0023】
通信制御部340は、ネットワークI/F207を制御する。接続制御部341は、操作制御部310からの指示に従って、モバイル端末102やアクセスポイント103との接続処理を行う。
【0024】
[実施形態1]
図4は、本発明の実施形態1に係る印刷装置101の操作部205に表示される設定画面の一例を示す図である。
【0025】
図4(A)は、画面の色反転表示モードを設定する設定画面の一例を示す。この画面を介して操作者は、通常表示モードと色反転表示モードのいずれかを設定することができる。この画面で、操作者がONボタン401を選択すると色反転表示モードが設定されて、印刷装置101は色反転表示モードで動作し、OFFボタン402を選択すると、通常表示モードが設定されて印刷装置101は通常表示モードで動作する。
図4(A)において、OKボタン403が押下されると、この画面での設定がHD
D204に設定情報として記憶され、キャンセルボタン404が押下されるとこの画面での設定がキャンセルされる。
【0026】
図5は、実施形態1に係る印刷装置101がQRコードを用いて無線通信の認証情報を提供するときの表示画面の一例を示す図である。これら画面はいずれも操作部205に表示される。
【0027】
図5(A)は、印刷装置101が通常表示モードのときに操作部205に表示される画面例を示す。
図5(B)は、印刷装置101が色反転表示モードのときに操作部205に表示される画面例を示す。ここでは、いずれの表示モードでも、QRコード501は、色反転されることなく表示される。尚、本実施形態1では、コードとしてQRコードを例示しているが、印刷装置101が扱うコードはQRコードに限定されない。本実施形態1は、例えばバーコードやQRコードなどのコードを示す画像を表示、或いは印刷する場合に適用できる。
【0028】
尚、この画面は複数の画面コンポーネントの組み合わせで構成される。例えば、
図5(A)(B)に示す画面は、QRコード501、背景502、タイトル503、ネットワーク情報504、及びメッセージ505の5つの画面コンポーネントを含んでいる。
【0029】
以下、本発明の実施形態1を説明する。実施形態1では、CPU201が表示制御部311として機能し、画面コンポーネントごとに色反転処理することで、色反転表示モードの時に画面を表示する例で説明する。
【0030】
図6は、実施形態1に係る印刷装置101が操作部205に画面を表示するときの処理を説明するフローチャートである。尚、この処理は、CPU201が、HDD204に格納されているプログラムをRAM203に展開し、その展開したプログラムを実行することにより実現される。
【0031】
まずS601でCPU201は、操作通知部312として機能し、操作者が操作部205を操作したことを検知すると、操作部205に表示する画面を他の画面に遷移するイベントが発生したかどうか判定する。このイベントの発生を検知するとS602に進みCPU201は設定取得部322として機能し、その遷移先の画面で表示される画面コンポーネントを取得する。
【0032】
次にS603に進みCPU201は、通常表示モードと色反転表示モードのいずれが設定されているかどうか判定する。ここでは、
図4(A)の設定画面で設定されてHDD204に記憶されている設定情報を取得し、その設定情報に基づいて判定する。S603でCPU201は、色反転表示モードが設定されていると判定するとS604に処理を進め、そうでないとき、即ち、通常表示モードが設定されていると判定するとS607に処理を進める。
【0033】
S604でCPU201は、その遷移先の画面が、QRコード等のコード画像を含むかどうか判定する。ここでQRデータ等のコード画像が含まれると判定するとS605に進み、そうでないときはS606に進む。S605でCPU201は表示制御部311として機能し、そのコード画像以外の画面コンポーネントの色反転を行う。この色反転の手法としては、画面コンポーネントの各画素のRGBを表す各値をビット反転した値に変換することにより実現する。例えば8ビットで256階調を表す値であれば、元のデータから「256」を減算した値が、ビット反転した値となる。一方、遷移先の画面がQRコード等のコード画像を含まないと判定した場合はS606に進み、すべての画面コンポーネントの色反転を実行する。尚、画面コンポーネントの色反転処理は、CPU201が、各画面コンポーネント毎に実行する。こうしてS605或いはS606で、画面コンポーネントに対する処理が終了するとS607に進み、CPU201は表示制御部311として機能し、処理が終わった各画面コンポーネントを使用して画面を作成する。そしてS608に進みCPU201は表示制御部311として機能し、S607で作成した画面を操作部205に表示して、この処理を終了する。
【0034】
尚、S603でCPU201が、通常表示モードと判定した場合はS607に進み、色反転の処理を実行することなく、画面コンポーネントを使用して画面を作成する。そしてS608でCPU201は、画面コンポーネントを反転表示しない画面を操作部205に表示して、この処理を終了する。
【0035】
尚、本実施形態1では、画素データが8ビットで256階調を表現する例で説明したが、別の実施形態として他のアルゴリズムを使用して色反転を実行してもよい。また、色空間についてもRGBに限定されるものではなく、CMYKやHSVなど他の色空間であってもよい。
【0036】
以上説明したように実施形態1によれば、色反転表示モードが設定されている場合でも、QRコードなどのコード画像を反転せずに表示できる。
【0037】
[実施形態2]
次に本発明の実施形態2を説明する。実施形態2では、
図4(B)に示すように、色反転表示モードが設定されている場合に、QRコードなどのコード画像を反転せずに表示するか、或いは判定して表示するかを選択できるようにしたものである。尚、実施形態2に係る印刷装置101の構成やシステム構成等は、前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
【0038】
図4(B)は、実施形態2に係る、コード画像に対して色反転を実施するか否かを個別に設定するための設定画面の一例を示す。
図4(A)の画面で色反転表示モードが設定されると、コード画像の色反転を実施するか否かを設定するための画面が操作部205に表示される。ここで「する」ボタン405が選択されると、コード画像に対して色反転を実施するように設定され、「しない」ボタン406が選択されると、コード画像を色反転せずに表示するように設定される。
図4(B)においても
図4(A)と同様に、OKボタン403が押下されると、この画面での設定がHD
D204に設定情報として記憶され、キャンセルボタン404が押下されるとこの画面での設定がキャンセルされる。
【0039】
図7は、実施形態2に係る印刷装置101が操作部205に画面を表示するときの処理を説明するフローチャートである。尚、この処理は、CPU201が、HDD204に格納されているプログラムをRAM203に展開し、その展開したプログラムを実行することにより実現される。
図7において、前述の
図6のフローチャートと共通する部分は同じ記号で示し、それらの説明を省略する。
【0040】
ここでは色反転表示モードが設定されていて、且つ遷移先の画面が、QRコード等のコード画像を含む場合はS701に進む。S701でCPU201は、HDD204に記憶されている設定情報に基づいて、
図4(B)の画面で、コード画像を反転するように設定されているかどうか判定する。ここでコード画像を色反転するように設定されているときはS606に進み、すべての画面コンポーネントの色反転を実行する。一方、コード画像を色反転するように設定されていないときはS605に進み、そのコード画像以外の画面コンポーネントの色反転を行う。
【0041】
実施形態2によれば、実施形態1と同様に、色反転表示モードが設定されている場合でも、QRコードなどのコード画像を反転せずに表示できる。
【0042】
[実施形態3]
次に本発明の実施形態3を説明する。この実施形態3では、表示制御部311が各画面コンポーネントから構成した画面に対して一括して色反転の処理することで、色反転表示モードの画面を構成する場合で説明する。尚、実施形態3に係る印刷装置101の構成やシステム構成等は、前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
【0043】
図8は、実施形態3に係る印刷装置101が画面コンポーネントから画面を構成した後、その画面全体を一括して色反転処理して表示するときの処理を説明するフローチャートである。尚、この処理は、CPU201が、HDD204に格納されているプログラムをRAM203に展開し、その展開したプログラムを実行することにより実現される。
【0044】
尚、
図8において、S801~S804の処理は、前述の
図6のフローチャートのS601~S604と同じであるため、その説明を省略する。
【0045】
S804でCPU201は、色反転表示モードで、且つ遷移先の画面がQRコード等のコード画像を含むと判定するとS805に進む。S805でCPU201は、そのコード画像である画面コンポーネントを、色反転済みのコード画像の画面コンポーネントと差し替える。そしてS806に進み、その色反転したコード画像を含む画面コンポーネントを含む画面を作成する。
【0046】
図9(A)は、このときS806で作成される画面のイメージの一例を示す図である。ここではQRコード901である画面コンポーネントのみが色反転して表示され、その他の画面コンポーネントは色反転されずに表示されている。尚、色反転済みのQRコードの画面コンポーネントは、印刷装置101の起動時等の任意のタイミングで事前に作成されていてもよい。
【0047】
こうしてS806でCPU201は表示制御部311として機能して、各画面コンポーネントを使用して画面を構成するとS807に処理を進める。S807でCPU201は、S803と同様にして、色反転表示モードが設定されているかどうか判定し、そうであればS808に進み、S806で構成された画面に対して一括で色反転の処理を実行する。これにより、色反転表示モードでの画面の構成が完了し、例えば
図9(B)に示すように、色反転されないQRコード902を含む画面が構成できる。そしてS809に進みCPU201は表示制御部311として機能し、通常表示モードもしくは色反転表示モード用に構成された画面を操作部205の表示部に表示して、この処理を終了する。
【0048】
実施形態3によれば、QRコード901のように、事前にコード画像を色反転した画像コンポーネントで画面を構成しておくことにより、画面全体を一括して色反転する場合でも、コード画像を色反転せずに表示することができる。
【0049】
また実施形態3において、実施形態2と同様に、色反転表示モードが設定されている場合に、QRコードなどのコード画像を反転せずに表示するか、或いは
反転して表示するかを選択できる構成を設けても良い。その場合は
図8のフローチャートのS804とS805との間に
図7のS701の判定処理を含める。そして
図4(B)の画面で、コード画像を反転しないように設定されているときはS805に進むようにすればよい。
【0050】
尚、上述の実施形態1~3では、画面を表示する場合で説明したが、コード画像を含む画像を色反転して印刷する場合にも適用できることは言うまでもない。
【0051】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0052】
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【符号の説明】
【0053】
101 印刷装置、205…操作部、201…CPU、401…ONボタン、402…OFFボタン、405…「する」ボタン、406…「しない」ボタン、501,901…QRコード