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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】消光子およびこの用途
(51)【国際特許分類】
   C09B 23/08 20060101AFI20240419BHJP
   C09B 23/06 20060101ALI20240419BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALI20240419BHJP
【FI】
C09B23/08
C09B23/06
C12Q1/6876 Z ZNA
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022529074
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 KR2020015592
(87)【国際公開番号】W WO2021101145
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-05-18
(31)【優先権主張番号】10-2019-0148348
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0144159
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507074834
【氏名又は名称】エスエフシー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 亜希
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(74)【代理人】
【識別番号】100189474
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 修
(72)【発明者】
【氏名】キム,テ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】マサンタ,ゴータム
(72)【発明者】
【氏名】イ,ド ミン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジュ マン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジョン テ
【審査官】桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-507024(JP,A)
【文献】特表2016-508128(JP,A)
【文献】特表2002-501102(JP,A)
【文献】特表2007-510401(JP,A)
【文献】特開2019-099805(JP,A)
【文献】特開2020-089361(JP,A)
【文献】Vuuren, R.D. Jansen-van et. al.,Tuning the optoelectronic properties of cyanine and ketocyanine dyes by incorporation of 9,9-di-n-propylfluorenylindolenine,Dyes and Pigments,vol.101,2014年,pp.1-8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 23/08
C09B 23/06
C12Q 1/6876
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1で表示される消光剤:
[化学式1]
ここで、
が結合する炭素の位置およびRが結合する炭素の位置は、それぞれ下記の化学式2のaおよびb、bおよびcまたはcおよびdの位置と接合され、環を形成し、
[化学式2]
Arは置換または非置換されたアリールおよび置換または非置換されたヘテロアリールから選択され、
nは1~の整数であり、
~R11及びR14~R19はそれぞれ独立的に水素、重水素、置換または非置換されたC-C10アルキル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C10ヘテロアルキル、置換または非置換されたC2-C10アルケニル、置換または非置換されたC2-C10アルキニル、置換または非置換されたC-C20シクロアルキル、置換または非置換されたC-C10アルコキシ、置換または非置換されたアリールオキシ、置換または非置換されたC-C10ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換または非置換されたアミノ、置換または非置換されたアミド、カーバメート、スルフヒドリル、ニトロ、カルボキシル、カルボン酸塩、置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリール、置換または非置換されたアラルキル、四級アンモニウム、リン酸、リン酸塩、置換されたケトン、アルデヒド、置換されたエステル、置換されたスルホニル、置換または非置換されたスルホンアミド、アシルクロライド、スルホン酸、スルホン酸塩、ヒドラジン、セタール、ケタール、ホスホネート(亜リン酸塩)、次亜リン酸塩、スルホヒドロキシ、スルフェート、アジド、グアニジウム、ケテン、チオカルボニル、アミノチオカルボニル、ポリアルキレンオキシド、カルボキシル誘導体、親ジエン体、スルホニルハライド、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基であ
とRはそれぞれ独立的に存在するか互いに連結されて環を形成し、
とRはそれぞれ独立的に存在するか互いに連結されて環を形成し、
18とR19はそれぞれ独立的に存在するか互いに連結されて環を形成し、
およびLは単結合または1~40個の非水素原子を含むリンカーであり、LおよびLは1~40個の非水素原子を含むリンカーであり、
~R11及びR14~R19のうち少なくとも一つ及び/又は R~R11、R14~R19およびArの置換基のうち少なくとも一つはカルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、親ジエン体、アルデヒド、ケトン、スルホニルハライド、ミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基である
【請求項2】
前記化学式1のRが結合する炭素の位置およびRが結合する炭素の位置は前記化学式2のaおよびbの位置と接合される、請求項1に記載の消光剤。
【請求項3】
前記化学式1のRが結合する炭素の位置およびRが結合する炭素の位置は前記化学式2のbおよびcの位置と接合される、請求項1に記載の消光剤。
【請求項4】
前記化学式1のRが結合する炭素の位置およびRが結合する炭素の位置は前記化学式2のcおよびdの位置と接合される、請求項1に記載の消光剤。
【請求項5】
~R 11 及びR 14 ~R 19 のうち少なくとも一つ及び/又は R ~R 11 、R 14 ~R 19 およびAr の置換基のうち少なくとも一つはカルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、親ジエン体、アルデヒド、ケトン、スルホニルハライド、ミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基である場合、前記作用基は保護基で保護される、請求項1に記載の消光剤。
【請求項6】
14~R17のうち隣接した置換基は互いに連結されて環を形成する、請求項1に記載の消光剤。
【請求項7】
Arの置換基のうち少なくとも一つは置換されたアミノ基である、請求項1に記載の消光剤。
【請求項8】
前記アミノ基の窒素に結合された置換基は前記窒素に結合された他の置換基と連結されて環を形成したり、前記アミノ基以外の他の置換基と連結されて環を形成する、請求項7に記載の消光剤。
【請求項9】
下記の化学式3で表示される、請求項1に記載の消光剤:
[化学式3]
ここで、
が結合する炭素の位置およびR が結合する炭素の位置は、それぞれ下記の化学式2のaおよびb、bおよびcまたはcおよびdの位置と接合され、環を形成し、
[化学式2]

20~R23の定義はR~R11およびR14~R19の定義と同一であり、
~R11およびR14~R23のうち少なくとも一つはカルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、親ジエン体、アルデヒド、ケトン、スルホニルハライド、ミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基であ
~R11およびR14~R23のうち少なくとも一つは置換または非置換されたアミノ基である。
【請求項10】
20~R23のうち少なくとも一つは置換されたアミノ基である、請求項9に記載の消光剤。
【請求項11】
21は置換されたアミノ基である、請求項9に記載の消光剤。
【請求項12】
前記アミノ基の窒素に結合された置換基は前記窒素に結合された他の置換基と連結されて環を形成したり、前記アミノ基以外の他の置換基と連結されて環を形成する、請求項10に記載の消光剤。
【請求項13】
下記の化学式1で表示される消光剤:
[化学式1]
ここで、
が結合する炭素の位置およびRが結合する炭素の位置は、それぞれ下記の化学式2のaおよびb、またはcおよびdの位置と接合され、環を形成し、
[化学式2]
Arは置換されたアリール、置換されたヘテロアリールおよび化学式2から選択され、
Arが置換されたアリールである場合、 前記アリールには置換または非置換アミノ基が結合し、
Arが置換されたヘテロアリールである場合、前記ヘテロアリールには置換または非置換アミノ基が結合し、
Arが化学式2である場合、R14~R19のうちの1つは置換または非置換のアミノ基であり、
nは1~の整数であり、
~R11及びR14~R19はそれぞれ独立的に水素、重水素、置換または非置換されたC-C10アルキル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C10ヘテロアルキル、置換または非置換されたC2-C10アルケニル、置換または非置換されたC2-C10アルキニル、置換または非置換されたC-C20シクロアルキル、置換または非置換されたC-C10アルコキシ、置換または非置換されたアリールオキシ、置換または非置換されたC-C10ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換または非置換されたアミノ、置換または非置換されたアミド、カーバメート、スルフヒドリル、ニトロ、カルボキシル、カルボン酸塩、置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリール、置換または非置換されたアラルキル、四級アンモニウム、リン酸、リン酸塩、置換されたケトン、アルデヒド、置換されたエステル、置換されたスルホニル、置換または非置換されたスルホンアミド、アシルクロライド、スルホン酸、スルホン酸塩、ヒドラジン、セタール、ケタール、ホスホネート(亜リン酸塩)、次亜リン酸塩、スルホヒドロキシ、スルフェート、アジド、グアニジウム、ケテン、チオカルボニル、アミノチオカルボニル、ポリアルキレンオキシド、カルボキシル誘導体、親ジエン体、スルホニルハライド、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基であ
とRはそれぞれ独立的に存在するか互いに連結されて環を形成し、
とRはそれぞれ独立的に存在するか互いに連結されて環を形成し、
18とR19はそれぞれ独立的に存在するか互いに連結されて環を形成し、
およびLは単結合または1~40個の非水素原子を含むリンカーであり、LおよびLは1~40個の非水素原子を含むリンカーであり、
~R11及びR14~R19のうち少なくとも一つ及び/又は R~R11、R14~R19およびArの置換基のうち少なくとも一つはカルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、親ジエン体、アルデヒド、ケトン、スルホニルハライド、ミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基である
【請求項14】
前記アミノ基の窒素に結合された置換基は前記窒素に結合された他の置換基と連結されて環を形成したり、前記アミノ基以外の他の置換基と連結されて環を形成する、請求項13に記載の消光剤。
【請求項15】
請求項1~請求項14のいずれか一項に記載された消光剤;
マイナーグルーブバインダー(MGB;minor groove binder);および
蛍光団;を含む、オリゴヌクレオチド。
【請求項16】
前記蛍光団はクマリン、シアニン、ボディピー、フルオレセイン、ローダミン、ピレン、カルボピロニン、オキサジン、キサンテン、チオキサンテン、アクリジンおよびまたはこの誘導体から選択される少なくとも一つである、請求項15に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項17】
請求項15に記載されたオリゴヌクレオチドを含む、核酸検出用組成物。
【請求項18】
請求項1~請求項14のいずれか一項に記載された消光剤;
支持体;および
前記消光剤と前記支持体を連結するリンカー;を含む、核酸検出用支持体。
【請求項19】
前記支持体はガラス、セルロース、ナイロン、アクリルアミドゲル、デキストラン、ポリスチレンまたはレジンである、請求項18に記載の核酸検出用支持体。
【請求項20】
前記リンカーは置換または非置換されたC-C30アルキル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C30ヘテロアルキル、置換または非置換されたC-C30アリールおよび置換または非置換されたC-C30ヘテロアリールから選択される、請求項18に記載の核酸検出用支持体。
【請求項21】
(a)標的核酸、前記標的核酸を増幅させるために必要な試薬および請求項15に記載されたオリゴヌクレオチドを含む反応混合物を準備する段階;
(b)前記反応混合物のうち標的核酸をポリメラーゼ連鎖反応によって増幅する段階;および
(c)前記反応混合物の蛍光強度を測定する段階;を含む、核酸検出方法。
【請求項22】
前記段階(b)は、
(b-1)前記標的核酸に混成化されたオリゴヌクレオチドがポリメラーゼによって伸長する段階;
(b-2)前記ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性によって前記標的核酸から前記オリゴヌクレオチドの消光剤と蛍光団が分離される段階;および
(b-3)前記消光剤から離れた前記蛍光団が蛍光を発する段階;を含む、請求項21に記載の核酸検出方法。
【請求項23】
前記段階(c)で測定された蛍光強度から標的核酸の増幅量を測定する段階(d)をさらに含む、請求項21に記載の核酸検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は励起状態のエネルギー準位で発光特性を示す蛍光物質に対する消光効果を示す消光子とその多様な用途に関する。
【背景技術】
【0002】
消光子(quencher)とは蛍光分子の蛍光を消光(quenching)させ得る分子を意味し、一般的に光を吸収できる特性を有する染料が使われる。
【0003】
消光現象のメカニズムとしては、蛍光共鳴エネルギー遷移(fluorescence resonance energy transfer、FRET)、光-誘導電子伝達(photo-induced electron transfer)およびH-二量体の形成のような染料の凝集を通じて起こるものと知られている。
【0004】
蛍光染料の蛍光を制御または消滅させるために消光子を使う場合、消光染料の吸収波長の範囲が蛍光染料が示す蛍光の波長領域の相当部分または全体領域を包括(重畳)するかが最も重要である。
【0005】
また、消光効果を得るにあたって蛍光染料と消光子の間の長さも重要であるが、例えばDNAの場合は塩基の個数、ペプチド/蛋白質の場合、アミノ酸の個数などが考慮され、より高い消光効果を得るために蛍光染料および消光子が標識されるリンカーの長さを調節したりもする。
【0006】
バイオ分野で商業的に主に使用される消光子の場合、一般的に光を出せず吸収のみ可能な染料構造が選択されるが、FRET現象を利用した蛍光-蛍光染料の組み合わせも多く活用されている。このように組み合わせられた蛍光-消光、蛍光-蛍光染料は相互間の距離が遠くなるか生体分子内で離脱する場合、本来の蛍光が復元されたり強くなるため一種の蛍光のon/off機能を付与できるようになり、このような特性を考慮して特定の蛋白質/酵素などのバイオマーカーに感応できるバイオセンサや活性化プローブなどを設計する時に多く使われている。
【0007】
バイオ分野で使われる蛍光または消光染料の場合、単独で使われる場合はIndocyanine greenやMethylene blueのようにFDAの承認を受けた限定された染料に限られ、一般的には生体分子が有する置換基に結合できる反応性基が導入される。前記反応性基としては多様なものが知られているが、置換基の選択性、反応速度、収率、再現性、安定性などが多い研究者から長時間検証されてきており、最近では実際の研究や商業的な目的で染料に導入される反応性基はいくつかに限定されている。
【0008】
例えば、蛋白質分子のアミン基と結合を目的とする反応性基として最も多く利用されるものはスクシンイミジルエステルとイソチオシアネート(isothiocyanate)であり、蛋白質分子のチオール基と結合を目的とする反応性基として最も多く利用されるものはマレイミドであり、蛋白質分子のヒドロキシ基と結合を目的とする反応性基としてはジクロロトリアジン(dichlorotriazine)が主に選択される。
【0009】
ただし、前記反応性基は置換反応で結合となるか水溶性条件で長時間反応および保管安定性を維持し難い場合がほとんどである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
アメリカ公開特許公報第2005-0227254号(2005.10.13公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は光学映像分野で生体分子の同定を観察するために広範囲に使われ得る化合物であって、新規の消光子を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は前記新規の消光子を含む核酸検出用オリゴヌクレオチド、組成物、支持体および核酸検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した技術的課題を解決するための本発明の一側面によると、下記の化学式1で表示される消光子が提供される。
[化学式1]
【化1】
ここで、
およびRはそれぞれ下記の化学式2のaおよびb、bおよびcまたはcおよびdと接合され、
[化学式2]
【化2】
Arは置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリールおよび化学式2から選択され、
nは1~3の整数であり、
~R19はそれぞれ独立的に水素、重水素、置換または非置換されたC-C10アルキル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C10ヘテロアルキル、置換または非置換されたC-C10アルケニル、置換または非置換されたC-C10アルキニル、置換または非置換されたC-C20シクロアルキル、置換または非置換されたC-C10アルコキシ、置換または非置換されたアリールオキシ、置換または非置換されたC-C10ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換または非置換されたアミノ、置換または非置換されたアミド、カーバメート、スルフヒドリル、ニトロ、カルボキシル、カルボン酸塩、置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリール、置換または非置換されたアラルキル、四級アンモニウム、リン酸、リン酸塩、置換されたケトン、アルデヒド、置換されたエステル、置換されたスルホニル、置換または非置換されたスルホンアミド、アシルクロライド、スルホン酸、スルホン酸塩、ヒドラジン、チオール、アセタール、ケタール、ホスホネート(亜リン酸塩)、次亜リン酸塩、スルホヒドロキシ、スルフェート、アジド、グアニジウム、ケテン、チオカルボニル、アミノチオカルボニル、ポリアルキレンオキシド、カルボキシル誘導体、親ジエン体、スルホニルハライド、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基であるか、カルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、親ジエン体、アルデヒド、ケトン、スルホニルハライド、チオール、アミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基と共有結合可能な反応性基から選択され、
とRはそれぞれ独立的に存在するか互いに連結されて環を形成し、
とRはそれぞれ独立的に存在するか互いに連結されて環を形成し、
18とR19はそれぞれ独立的に存在するか互いに連結されて環を形成し、
およびLは単結合または1~40個の非水素原子を含むリンカーであり、LおよびLは1~40個の非水素原子を含むリンカーである。
【0014】
また、本発明の他の側面によると、前記消光子とマイナーグルーブバインダー(MGB;minor groove binder)および蛍光団を含むオリゴヌクレオチドが提供される。
【0015】
また、本発明のさらに他の側面によると、前記オリゴヌクレオチドを含む核酸検出用組成物が提供される。
【0016】
また、本発明のさらに他の側面によると、前記消光子、支持体および前記消光子と前記支持体を連結するリンカーを含む核酸検出用支持体が提供される。
【0017】
また、本発明のさらに他の側面によると、(a)標的核酸、前記標的核酸を増幅させるために必要な試薬および前記消光子とマイナーグルーブバインダー(MGB;minor groove binder)および蛍光団を含むオリゴヌクレオチドを含む反応混合物を準備する段階、(b)前記反応混合物のうち標的核酸をポリメラーゼ連鎖反応によって増幅する段階および(c)前記反応混合物の蛍光強度を測定する段階を含む核酸検出方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明は励起状態のエネルギー準位で発光特性を示す蛍光物質に対する消光効果を示す消光子とこの多様な用途に関するものであり、本発明に係る消光子は既存消光子対比消光効率が高いため優秀な消光特性を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の多様な実施例に係る消光子を含む二重標識プローブを使ったreal time PCR増幅結果を示したものである。
図2】本発明の多様な実施例に係る消光子を含む二重標識プローブを使ったreal time PCR増幅結果を示したものである。
図3】本発明の多様な実施例に係る消光子を含む二重標識プローブを使ったreal time PCR増幅結果を示したものである。
図4】本発明の多様な実施例に係る消光子を含む二重標識プローブを使ったreal time PCR増幅結果を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明をさらに容易に理解するために、便宜上特定用語を本願に定義する。本願で特に定義しない限り、本発明に使われた科学用語および技術用語は該当技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解される意味を有し得る。
【0021】
また、文脈上特に指定しない限り、単数形態の用語はその複数形態も含むものであり、複数形態の用語はその単数形態も含むことができる。
【0022】
本研究は大韓民国産業通商資源部による「優秀技術研究センター(ATC)事業(課題番号10076988、分子診断のための蛍光体とその応用技術の開発)」からの助成金の支援を受けたものである。
【0023】
新規消光子
本発明の一側面によると、下記の化学式1で表示される消光子が提供される。
[化学式1]
【化3】
ここで、
およびRはそれぞれ下記の化学式2のaおよびb、bおよびcまたはcおよびdと接合され、
[化学式2]
【化4】
Arは置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリールおよび化学式2から選択され、
nは1~3の整数であり、
~R19はそれぞれ独立的に水素、重水素、置換または非置換されたC-C10アルキル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C10ヘテロアルキル、置換または非置換されたC-C10アルケニル、置換または非置換されたC-C10アルキニル、置換または非置換されたC-C20シクロアルキル、置換または非置換されたC-C10アルコキシ、置換または非置換されたアリールオキシ、置換または非置換されたC-C10ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換または非置換されたアミノ、置換または非置換されたアミド、カーバメート、スルフヒドリル、ニトロ、カルボキシル、カルボン酸塩、置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリール、置換または非置換されたアラルキル、四級アンモニウム、リン酸、リン酸塩、置換されたケトン、アルデヒド、置換されたエステル、置換されたスルホニル、置換または非置換されたスルホンアミド、アシルクロライド、スルホン酸、スルホン酸塩、ヒドラジン、チオール、アセタール、ケタール、ホスホネート(亜リン酸塩)、次亜リン酸塩、スルホヒドロキシ、スルフェート、アジド、グアニジウム、ケテン、チオカルボニル、アミノチオカルボニル、ポリアルキレンオキシド、カルボキシル誘導体、親ジエン体、スルホニルハライド、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基であるか、カルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、親ジエン体、アルデヒド、ケトン、スルホニルハライド、チオール、アミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基と共有結合可能な反応性基から選択され得る。
【0024】
一実施例において、前記化学式1で表示される消光子はR~R19およびArの置換基のうち少なくとも一つは置換または非置換されたアミノ基であり得る。また、他の実施例において、Arの置換基のうち少なくとも一つは置換または非置換されたアミノ基であり得る。
【0025】
~R19およびArの置換基のうち少なくとも一つが置換されたアミノ基である場合、前記アミノ基はモノ-またはジ-置換されたアミノ基であり得る。
【0026】
前記モノ-またはジ-置換されたアミノ基に含まれた置換基は前記アミノ基の窒素に結合され、前記置換基としては前述したR~R19の定義と同一の作用基および/または反応性基が使われ得る。好ましくは、前記アミノ基の窒素に結合された置換基は水素、重水素、置換または非置換されたC-C10アルキル、置換または非置換されたC-C10アルケニル、置換または非置換されたC-C20シクロアルキル、置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリールまたは置換または非置換されたアラルキルであり得る。
【0027】
また、前記アミノ基の窒素に結合された置換基は前記窒素に結合された他の置換基と連結されて環を形成したり、前記アミノ基以外の他の置換基と連結されて環を形成することができる。
【0028】
前記化学式1で表示される消光子の具体的な例の一つである[化合物14]を参照すると、もし前記アミノ基の窒素に結合された置換基が前記窒素に結合された他の置換基と連結されて環を形成する場合、両置換基が連結されて環を形成した前記アミノ基はヘテロシクロアルキル基として定義されてもよい。
【0029】
一実施例において、R~R19のうちRとRは前述した作用基でそれぞれ独立的に存在することができるが、いくつかの実施例において互いに連結されて環(例えば、4原子環、5原子環、6原子環またはそれ以上の原子からなる環、複数の環が接合された融合環など)を形成することができる。
【0030】
一実施例において、R~R19のうちRとRは前述した作用基でそれぞれ独立的に存在することができるが、いくつかの実施例において互いに連結されて環(例えば、4原子環、5原子環、6原子環またはそれ以上の原子からなる環、複数の環が接合された融合環など)を形成することができる。
【0031】
一実施例において、R~R19のうちR18とR19は前述した作用基でそれぞれ独立的に存在することができるが、いくつかの実施例において互いに連結されて環(例えば、4原子環、5原子環、6原子環またはそれ以上の原子からなる環、複数の環が接合された融合環など)を形成することができる。
【0032】
他の実施例において、R~R19のうちRとR、RとRおよびR18とR19がすべて互いに連結されて環(例えば、4原子環、5原子環、6原子環またはそれ以上の原子からなる環、複数の環が接合された融合環など)を形成することができる。
【0033】
この時、RとR、RとRおよびR18とR19から選択される少なくとも一つの組み合わせが互いに連結されて環を形成する場合、環内の任意の炭素は重水素、置換または非置換されたC-C40アルキル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C40ヘテロアルキル、置換または非置換されたC-C40アルケニル、置換または非置換されたC-C40アルキニル、置換または非置換されたC-C40アルコキシ、置換または非置換されたアリールオキシ、置換または非置換されたC-C40ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換または非置換されたアミノ、置換または非置換されたアミド、カーバメート、スルフヒドリル、ニトロ、カルボキシル、カルボン酸塩、置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリール、置換または非置換されたアラルキル、四級アンモニウム、リン酸、リン酸塩、ケトン、アルデヒド、エーテル、アシルクロライド、スルホン酸およびスルホン酸塩、置換または非置換されたC-C40アルキルチオ、置換または非置換されたアリールチオ、置換または非置換されたC-C20シクロアルキル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C20ヘテロシクロアルキル、置換または非置換されたC-C20シクロアルケニル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C20ヘテロシクロアルケニル、置換または非置換されたシリル、置換または非置換されたゲルマニウム、エーテル、ニトリル、ポリアルキレンオキシド、カルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、親ジエン体、スルホニルハライド、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基であるか前記作用基と共有結合可能な反応性基から選択される少なくとも一つで置換され得る。
【0034】
また、前記化学式1のRおよびRに連結される前記化学式2において、R14~R17は前述した作用基でそれぞれ独立的に存在することができるが、いくつかの実施例において、互いに連結されて
14~R17のうち隣接した置換基は互いに連結されて環(例えば、4原子環、5原子環、6原子環またはそれ以上の原子からなる環、複数の環が接合された融合環など)を形成することができる。
【0035】
この時、R14~R17のうち隣接した置換基は互いに連結されて環を形成する場合、環内の任意の炭素は前述したR~R19の定義と同一の作用基および/または反応性基で置換され得る。
【0036】
およびLは単結合または1~40個の非水素原子を含むリンカーであり、LおよびLは1~40個の非水素原子を含むリンカーである。ここで、非水素原子を含むリンカーとは、水素ではなく、炭素、窒素、酸素などのような原子の結合からなるグループを意味する。これに伴い、リンカーは炭素、窒素、酸素などのような非水素原子の結合からなる鎖および/または環(例えば、芳香族性環および/または脂肪族性環)を含むことができる。
【0037】
より具体的には、前記リンカーは置換または非置換されたC-C50アルキルまたは少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C50ヘテロアルキルであり得るが必ずしもこれに制限されるものではない。
【0038】
また、前記非水素原子を含むリンカーは前記で明示的に言及されていなくても、前記化学式1で表示される消光子の具体的な例を示した[化合物1]~[化合物22]から確認可能な変形例を含むであろう。
【0039】
一実施例において、R~R19のうち少なくとも一つはカルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、親ジエン体、アルデヒド、ケトン、スルホニルハライド、チオール、アミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基であるか前記作用基と共有結合可能な反応性基であり得る。
【0040】
特に、RおよびRのうち少なくとも一つはカルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、親ジエン体、アルデヒド、ケトン、スルホニルハライド、チオール、アミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基であるか前記作用基と共有結合可能な反応性基であり得る。
【0041】
他の実施例において、R~R19およびArの置換基のうち少なくとも一つはカルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、親ジエン体、アルデヒド、ケトン、スルホニルハライド、チオール、アミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基であるか前記作用基と共有結合可能な反応性基である。
【0042】
ここで、反応性基としては(a)カルボキシルグループとこの誘導体:N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、N-ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、アシルハライド、アシルイミダゾール、チオエステル、p-ニトロフェニルエステル、アルキルエステル、アルケニルエステル、アルキニルエステルおよび芳香族性エステル;(b)エステル、エーテル、アルデヒドに転換され得るヒドロキシル;(c)ハロゲンが例えば、アミン、カルボキシレートアニオン、チオールアニオン、カルボアニオンまたはアルコキシドイオンのような求核性作用基で置換されることによって、他の作用基に共有的に付着され得るハロアルキル;(d)例えば、マレイミド基とディールスアルダー反応ができる親ジエン体;(e)イミン、ヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムのようなカルボニル誘導体を形成することが可能なアルデヒドまたはケトン;(f)アミンと反応してスルホンアミドを形成するスルホニルハライド;(g)ジスルフィドに転換されるかアシルハライドと反応できるチオール;(h)アシル化、アルキル化または酸化され得るアミンまたはスルフヒドリル;(i)環化添加、アシル化、マイケル反応などのような反応を遂行できるアルケン;(j)アミンまたはヒドロキシル化合物と反応できるエポキシド;(k)ホスホロアミダイトおよび核酸反応に有用な他の標準作用基などが使われ得る。このような反応性基は反応性消光子の合成に必要な反応に参加したり干渉しないように適切に選択され得る。
【0043】
他の実施例において、このような反応性基は保護基で保護されることによって反応性基が保護基の存在下で任意の反応に参加しないようにすることができる。例えば、反応性基がヒドロキシルである場合、保護基としてはトリアルキルシリル、4,4-ジメトキシトリチルまたはその類似体が使われ得る。好ましい保護基の例としては、次の参照文献に記載された内容を参照することができる(Greene et al.、PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS、John Wiley & Sons、New York、1991)。
【0044】
本発明の多様な実施例に係る消光子は、前述した反応性基を通じて標的生体分子(例えば、核酸)と結合して標識することが可能である。
【0045】
前述した反応性基は標的生体分子のアミノ基、イミノ基、チオール基またはヒドロキシル基などのような作用基と反応できる官能基であって、消光子と標的生体分子の間にアミド結合、イミド結合、ウレタン結合、エステル結合、ホスファイト結合、ホスフェート結合またはグアニジン結合のような共有結合を形成することができる。
【0046】
また、前記化学式1のRおよびRはそれぞれ前記化学式2のaおよびb、bおよびcまたはcおよびdと接合され得る。例えば、Rが前記化学式2のaと接合され、Rが前記化学式2のbと接合され得、この逆に接合されてもよい。
【0047】
また、R~R19およびArのうち任意の作用基が置換された場合、前記作用基内の任意の炭素は重水素、置換または非置換されたC-C40アルキル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C40ヘテロアルキル、置換または非置換されたC-C40アルケニル、置換または非置換されたC-C40アルキニル、置換または非置換されたC-C40アルコキシ、置換または非置換されたアリールオキシ、置換または非置換されたC-C40ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換または非置換されたアミノ、置換または非置換されたアミド、カーバメート、スルフヒドリル、ニトロ、カルボキシル、カルボン酸塩、置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリール、置換または非置換されたアラルキル、四級アンモニウム、リン酸、リン酸塩、ケトン、アルデヒド、エーテル、アシルクロライド、スルホン酸およびスルホン酸塩、置換または非置換されたC-C40アルキルチオ、置換または非置換されたアリールチオ、置換または非置換されたC-C20シクロアルキル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C20ヘテロシクロアルキル、置換または非置換されたC-C20シクロアルケニル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C20ヘテロシクロアルケニル、置換または非置換されたシリル、置換または非置換されたゲルマニウム、エーテル、ニトリル、ポリアルキレンオキシド、カルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、親ジエン体、アルデヒド、ケトン、スルホニルハライド、チオール、アミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基であるか前記作用基と共有結合可能な反応性基から選択される少なくとも一つで置換され得る。
【0048】
本願で、Rがアルケニルまたはアルキニルであるとき、アルケニルのsp-混成炭素またはアルキニルのsp-混成炭素が直接的に結合されるか、アルケニルのsp-混成炭素またはアルキニルのsp-混成炭素に結合されたアルキルのsp-混成炭素によって間接的に結合された形態であり得る。
【0049】
本願でC-C作用基はa~b個の炭素原子を有する作用基を意味する。例えば、C-Cアルキルはa~b個の炭素原子を有する、直鎖アルキルおよび分岐鎖アルキルなどを含む飽和脂肪族基を意味する。 直鎖または粉砕アルキルは、その主鎖に最大40個の炭素を含み得る(例えば、C-C10の直鎖、C-C10の分岐鎖)。
【0050】
具体的には、アルキルはメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ペント-1-イル、ペント-2-イル、ペント-3-イル、3-メチルブト-1-イル、3-メチルブト-2-イル、2-メチルブト-2-イル、2,2,2-トリメチレート-1-イル、n-ヘキシル、n-ヘプチルおよびn-オクチルであり得る。
【0051】
また、本願でアルコキシは-O-(アルキル)基と-O-(非置換されたシクロアルキル)基の両方を意味するものであり、一つ以上のエーテル基および1~10個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素である。
【0052】
具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、1,2-ジメチルブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどを含むが、これに限定されるものではない。
【0053】
また、本願でハロゲンはフルオロ(-F)、クロロ(-Cl)、ブロモ(-Br)またはヨウ素(-I)を意味し、ハロアルキルは前述したハロゲンで置換されたアルキルを意味する。例えば、ハロメチルはメチルの水素のうち少なくとも一つがハロゲンで代替されたメチル(-CHX、-CHXまたは-CX)を意味する。
【0054】
本願でアラルキルはアリールがアルキルの炭素に置換された形態の作用基であって、-(CHArの総称である。アラルキルの例として、ベンジル(-CH)またはフェネチル(-CHCH)等がある。
【0055】
本願でアリールは別途に定義されない限り、単環または互いに接合または共有結合で連結された多環(好ましくは1~4個の環)を含む不飽和芳香族性環を意味する。アリールの非制限的な例としては、フェニル、ビフェニル、o-テルフェニル(terphenyl)、m-テルフェニル、p-テルフェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アントリル(anthryl)、2-アントリル、9-アントリル、1-ふぇなん(phenanthrenyl)、2-フェナントレニル、3--フェナントレニル、4--フェナントレニル、9-フェナントレニル、1-ピレニル、2-ピレニルおよび4-ピレニルなどがある。
【0056】
本願でヘテロアリールは前記で定義されたアリール内の一つ以上の炭素原子が窒素、酸素または硫黄のような非-炭素原子で置換された作用基を意味する。ヘテロアリールの非制限的な例としては、フリル(furyl)、テトラヒドロフリル、ピロリル(phrrolyl)、ピロリジニル(pyrrolidinyl)、チエニル(thienyl)、テトラヒドロチエニル、オキサゾリル(oxazolyl)、イソオキサゾリル(isoxazolyl)、トリアゾリル(triazolyl)、チアゾリル(thiazolyl)、イソチアゾリル(isothiazolyl)、ピラゾリル(pyrazolyl)、ピラゾリジニル(pyrazolidinyl)、オキサジアゾリル(oxadiazolyl)、チアジアゾリル(thiadiazolyl)、イミダゾリル(imidazolyl)、イミダゾリニル(imidazolinyl)、ピリジル(pyridyl)、ピリダジイル(pyridaziyl)、トリアジニル(triazinyl)、ピペリジニル(piperidinyl)、モルホリニル(morpholinyl)、チオモルホリニル(thiomorpholinyl)、ピラジニル(pyrazinyl)、ピペライニル(piperainyl)、ピリミジニル(pyrimidinyl)、ナプチリジニル(naphthyridinyl)、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル(indolyl)、インドリニル、インドリジニル、インダゾリル(indazolyl)、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シノリニル(cinnolinyl)、プタラジニル(phthalazinyl)、キナゾリニル、キノキサリニル、プテリジニル(pteridinyl)、キヌクリジニル(quinuclidinyl)、カルバゾイル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチジニル(phenothizinyl)、フェノキサニル、プリニル、ベンゾイミダゾリル(benzimidazolyl)およびベンゾチアゾリルなどとこれらが接合された類似体がある。
【0057】
本願で炭化水素環(cycloalkyl)またはヘテロ原子を含む炭化水素環(heterocycloalkyl)は、別途に定義されない限りそれぞれアルキルまたはヘテロアルキルの環状構造と理解され得るであろう。
【0058】
炭化水素環の非制限的な例としては,シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニルおよびシクロヘプチルなどがある。ヘテロ原子を含む炭化水素環の非制限的な例としては、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジル)、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-モルホリニル、3-モルホリニル、テトラヒドロフラン-2-イル、ヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロチエン-3-イル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニルなどがある。
【0059】
また、炭化水素環またはヘテロ原子を含む炭化水素環は、これに炭化水素環、ヘテロ原子を含む炭化水素環、アリールまたはヘテロアリールが接合されるか共有結合で連結された形態を有することができる。
【0060】
ここで、ポリアルキレンオキシドは水溶性ポリマー作用基としてポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール(PEG-PPG)コポリマーおよびN-置換されたメタクリルアミド-含有ポリマーおよびコポリマーを含む。
【0061】
ポリアルキレンオキシドはポリマーの特性が維持される限度内で必要に応じて追加的に置換され得る。例えば、前記置換はポリマーの化学的または生物学的安定性を増加または減少させるための化学的結合であり得る。具体的な例として、ポリアルキレンオキシド内の任意の炭素または末端炭素はヒドロキシ、アルキルエーテル(メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテルなど)、カルボキシメチルエーテル、カルボキシエチルエーテル、ベンジルエーテル、ジベンジルメチレンエーテルまたはジメチルアミンで置換され得る。一実施例において、ポリアルキレンオキシドはメチルエーテルで終結するポリエチレンオキシド(mPEG)であり得、ここでmPEGは-(CHCHO)CHの化学式で表現され、エチレングリコール繰り返し単位の数に該当するnの大きさによりmPEGの大きさが変わり得る。
【0062】
また、化学式1で表示される消光子はカウンターイオンをさらに含む構造を有することができる。カウンターイオンは有機または無機アニオンであって、消光子の溶解度および安定性などを考慮して適切に選択され得る。
【0063】
本発明の一実施例に係る消光子のカウンターイオンの例として、ホスホリック酸6フルオライドイオン、ハロゲンイオン、ホスホリック酸イオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、アンチモン6フルオライドイオン、酒石酸6フルオライドイオン、フルオロホウ酸イオンおよび4フルオロイオンなどのような無機酸アニオンとチオシアン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、ベンゼンカルボン酸イオン、アルキルカルボン酸イオン、3ハロアルキルカルボン酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、トリハロアルキルスルホン酸イオン、およびニコチン酸イオンなどのような有機酸イオンがある。また、ビスフェニルジオール、チオビスフェノールキレートおよびビスジオール-α-ジケトンなどのような金属化合物イオン、ソジウおよびポタシウムなどのような金属イオンと四級アンモニウム塩もカウンターイオンとして選択され得る。
【0064】
より具体的には、本発明の一実施例に係る消光子は下記の化学式3で表示され得る。
[化学式3]
【化5】
21~R23の定義はR~R19の定義と同一であり、
~R23のうち少なくとも一つはカルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、親ジエン体、アルデヒド、ケトン、スルホニルハライド、チオール、アミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシドおよびホスホロアミダイトから選択される作用基であるか前記作用基と共有結合可能な反応性基であり、
~R23のうち少なくとも一つは置換または非置換されたアミノ基であり得る。また、他の実施例において、R~R23のうち少なくとも一つは置換されたアミノ基であり得る。好ましくは、少なくともR21は置換されたアミノ基であり得る。
~R23のうち少なくとも一つが置換されたアミノ基である場合、前記アミノ基はモノ-またはジ-置換されたアミノ基であり得る。
【0065】
前記モノ-またはジ-置換されたアミノ基に含まれた置換基は前記アミノ基の窒素に結合され、前記置換基としては前述したR~R19の定義と同一の作用基および/または反応性基が使われ得る。好ましくは、前記アミノ基の窒素に結合された置換基は水素、重水素、置換または非置換されたC-C10アルキル、置換または非置換されたC-C10アルケニル、置換または非置換されたC-C20シクロアルキル、置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリールまたは置換または非置換されたアラルキルであり得る。
【0066】
また、前記アミノ基の窒素に結合された置換基は前記窒素に結合された他の置換基と連結されて環を形成したり、前記アミノ基以外の他の置換基と連結されて環を形成することができる。
【0067】
もし前記アミノ基の窒素に結合された置換基が前記窒素に結合された他の置換基と連結されて環を形成する場合、両置換基が連結されて環を形成した前記アミノ基はヘテロシクロアルキル基として定義されてもよい。
【0068】
前記化学式1で表示される消光子の具体的な例は次の通りである。下記に例示として挙げた消光子は化学式1で表示される消光子のいくつかの例示であり、本願に係る消光子は化学式1で表示される基本骨格を有する消光子をその対象とする。すなわち、下記に例示として挙げた消光子だけでなく、化学式1で表示される基本骨格を有する化合物は励起状態のエネルギー準位で発光特性を示す蛍光物質に対して、同等または類似する水準の消光効果を示すものと理解されるべきである。
【0069】
[化合物1]
【化6】
[化合物2]
【化7】
[化合物3]
【化8】
[化合物4]
【化9】
[化合物5]
【化10】
[化合物6]
【化11】
[化合物7]
【化12】
[化合物8]
【化13】
[化合物9]
【化14】
[化合物10]
【化15】
[化合物11]
【化16】
[化合物12]
【化17】
[化合物13]
【化18】
[化合物14]
【化19】
[化合物15]
【化20】
[化合物16]
【化21】
[化合物17]
【化22】
[化合物18]
【化23】
[化合物19]
【化24】
[化合物20]
【化25】
[化合物21]
【化26】
[化合物22]
【化27】
【0070】
本願で開示された化学式1で表示される消光子の標的となる生体分子は、抗体、脂質、蛋白質、ペプチド、炭水化物、核酸(ヌクレオチドを含む)から選択される少なくとも一つであり得る。
【0071】
脂質の具体的な例としては、脂肪酸(fatty acids)、リン脂質(phospholipids)、リポ多糖類(lipopolysaccharides)等があり、炭水化物の具体的な例としては単糖類、二糖類、多糖類(例えば、デキストラン)を含む。
【0072】
この時、生体分子は化学式1で表示される消光子の任意の作用基または化学式1で表示される消光子に結合された反応性基と反応するための作用基として、アミノ、スルフヒドリル(sulphydryl)、カルボニル、ヒドロキシル、カルボキシル、ホスフェートおよびチオホスフェートから選択される少なくとも一つを含むかこの誘導体の形態を有することができる。
【0073】
また、生体分子はアミノ、スルフヒドリル(sulphydryl)、カルボニル、ヒドロキシル、カルボキシル、ホスフェートおよびチオホスフェートから選択される少なくとも一つを含むかこの誘導体の形態を有するオキシまたはジオキシポリ核酸であり得る。
【0074】
併せて、生体分子以外に化学式1で表示される消光子はアミノ、スルフヒドリル(sulphydryl)、カルボニル、ヒドロキシル、カルボキシル、ホスフェートおよびチオホスフェートから選択される少なくとも一つを含む薬品、ホルモン(受容体リガンドを含む)、受容体、酵素または酵素気質、細胞、細胞膜、毒素、微生物またはナノバイオ素材(ポリスチレンマイクロスピアなど)等を標識するために使われ得る。
【0075】
新規消光子を含むオリゴヌクレオチド、核酸検出用組成物、核酸検出用支持体
本発明の他の側面によると、化学式1で表示される消光子から選択される少なくとも一つを含むオリゴヌクレオチドが提供される。
【0076】
オリゴヌクレオチドは一つ~数百個のヌクレオチドのポリマーを意味するもので、DNA、RNA、またはPNAをすべて含む。また、これらの類似体、例えば前記ヌクレオチドに化学的変更が加えられたもの、または糖が結合されたものなど、通常の技術者が容易に変形を加えることができるものなどをすべて含み、一本鎖または二重鎖からなるものをすべて含むことを意味する。
【0077】
オリゴヌクレオチドはプローブを含むことが好ましい。このようなプローブは標的となる核酸と相補的に結合できるプローブであることがさらに好ましいがこれに限定されない。ここで、プローブは核酸、ペプチド、サッカライド、オリゴヌクレオチド、蛋白質、抗体またはこれらの組み合わせで選択されたものであり得るがこれに限定されない。
【0078】
一実施例において、オリゴヌクレオチドは蛍光団を含むことができる。例えば、オリゴヌクレオチドの5’末端には蛍光団が標識され、3’末端には化学式1で表示される消光子から選択される少なくとも一つが標識され得る。5’末端と3’末端の間には標的となる核酸と相補的に結合できるプローブが位置することができる。
【0079】
蛍光団は次の参照文献に公開された蛍光団の種類を参照することができる(Cardullo et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:8790-8794(1988);Dexter、D.L.、J.of Chemical Physics 21:836-850(1953);Hochstrasser et al.、Biophysical Chemistry 45:133-141(1992);Selvin、P.、Methods in Enzymology 246:300-334(1995);Steinberg、I.Ann.Rev.Biochem.、40:83-114(1971);Stryer、L.Ann.Rev.Biochem.、47:819-846(1978);Wang et al.、Tetrahedron Letters 31:6493-6496(1990);Wang et al.、Anal.Chem.67:1197-1203(1995))。
【0080】
また、本願に使用可能な蛍光団の非制限的な例としては、4-acetamido-4’-isothiocyanatostilbene-2,2’disulfonic acid、アクリジンおよびこの誘導体、5-(2’-aminoethyl)aminonaphthalene-1-sulfonic acid(EDANS)、4-amino-N-[3-vinylsulfonyl)phenyl]naphthalimide-3、5 disulfonate、N-(4-anilino-1-naphthyl)maleimide、anthranilamide、BODIPY、Brilliant Yellow、クマリン(?7-amino-4-methylcoumarin(AMC、Coumarin 120)、7-amino-4-trifluoromethylcouluarin(Coumaran 151))およびこの誘導体、シアン染料、シアノシン、4’,6-diaminidino-2-phenylindole(DAPI)、5’,5”-dibromopyrogallol-sulfonaphthalein(Bromopyrogallol Red)、7-diethylamino-3-(4’-isothiocyanatophenyl)-4-methylcoumarin、diethylenetriamine pentaacetate、4,4’-diisothiocyanatodihydro-stilbene-2,2’-disulfonic acid、4,4’-diisothiocyanatostilbene-2,2’-disulfonic acid、5-[dimethylamino]naphthalene-1-sulfonyl chloride(DNS、dansylchloride)、4-(4’-dimethylaminophenylazo)benzoic acid(DABCYL)、4-dimethylaminophenylazophenyl-4’-isothiocyanate(DABITC)、エオシンおよびこの誘導体(エオシンイソシアネート)、エリスロシンおよびこの誘導体(エリスロシンB、エリスロシンイソシアネート)、イチジウム、フルオレセインおよびこの誘導体(5-カルボキシフルオレセイン(FAM))、5-(4,6-dichlorotriazin-2-yl)aminofluorescein(DTAF)、2’,7’-dimethoxy-4’5’-dichloro-6-carboxyfluorescein(JOE)、QFITC(XRITC)、fluorescamine、IR144、IR1446、Malachite Green isothiocyanate、4-methylumbelliferone、ortho cresolphthalein、nitrotyrosine、pararosaniline、フェノールレッド、B-phycoerythrin、o-フタルジアルデヒド、ピレンおよびこの誘導体(ピレンブチレート、スクシンイミジル1-ピレンブチレート)、量子ドット、Reactive Red 4(Cibacron Brilliant Red 3B-A)、ローダミンおよびこの誘導体(6-カルボキシル-X-ローダミン、6-カルボキシルローダミン、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、テトラメチルローダミン、テトラメチルローダミンイソシアネート)、リボフラビン、rosolic acid、ピレン、カルボピロニン、オキサジン、キサンテン、チオキサンテンおよびterbium chelate derivativesなどがある。
【0081】
また、本発明に係るオリゴヌクレオチドは核酸との結合力を向上させるために、マイナーグルーブバインダー(MGB;minor groove binder)をさらに含むことができる。
【0082】
このようなオリゴヌクレオチドは化学的、生物学的領域で多様に活用することができる。特にリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応またはマイクロアッセイ(microassay)等に有用に使われ得るが、これに限定されるものではない。
【0083】
また、本発明の他の側面によると、前記オリゴヌクレオチドを含む核酸検出用組成物が提供される。
【0084】
本発明の一実施例に係る核酸検出用組成物は、化学式1で表示される消光子とマイナーグルーブバインダーおよび蛍光団を同時に含むオリゴヌクレオチドとともに標的生体分子との反応のための酵素、溶媒(緩衝液など)およびその他の試薬などをさらに含むことができる。
【0085】
ここで、溶媒としてはホスフェート緩衝液、カーボネート緩衝液およびトリス緩衝液で構成された群から選択される緩衝液、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、エタノールおよびアセトニトリルから選択される有機溶媒または水などが使われ得、溶媒の種類によって消光子に多様な作用基を導入することによって溶解度を調節することが可能である。
【0086】
また、本発明のさらに他の側面によると、化学式1で表示される消光子、支持体および前記消光子と前記支持体を連結するリンカーを含む核酸検出用支持体が提供される。
【0087】
これに伴い、サンプル内の生体分子は支持体上に固定化された消光子との相互作用を通じて支持マトリックス上に固定され得る。
【0088】
前記支持マトリックスはガラス、セルロース、ナイロン、アクリルアミドゲル、デキストラン、ポリスチレン、アルジネート、コラーゲン、ペプチド、フィブリン、ヒアルロン酸、アガロース、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ゼラチン、マトリゲル(matrigel)、ポリ乳酸、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、キトサン、ラテックスおよびセパロースから選択される少なくとも一つで製造され得、ビーズまたはメンブレンの形態であり得る。
【0089】
ここで、リンカーは消光子と支持体を連結する部分であって、消光子と支持体を連結できる任意の物質はすべて本願で意図したリンカーとして使われ得る。
【0090】
例えば、リンカーは置換または非置換されたC-C30アルキル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC-C30ヘテロアルキル、置換または非置換されたC-C30アリールおよび置換または非置換されたC-C30ヘテロアリールから選択され得、より具体的には、1~6個のエチレングリコールが連結された鎖であり得る。
【0091】
このようなリンカーは消光子と支持体を連結するだけであり、消光子または蛍光団の他の反応または蛍光および消光作用に影響を及ぼさない。
【0092】
核酸検出方法
本発明の一実施例によると、標的核酸に消光子で標識されたプローブを反応させて標識する方法が具現され得る。また、標的生体分子の種類によって消光子に適切な反応性基を導入することによって、標的-特異的相互作用を利用した生体分子の標識方法が具現されてもよい。併せて、消光子で標識した生体分子を電気泳動を通じて同定する方法が具現されてもよい。
【0093】
DNAマイクロアレイ法
DNAマイクロアレイ法は標識しなければならない標的核酸に染料を反応させて標識する一方、標的核酸に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖のプローブ核酸を準備し、一本鎖に変性させた標的核酸とプローブ核酸を基板の上で混成化して、標的核酸の蛍光を測定する。
【0094】
本標識方法で基板に固定するプローブ核酸としては、遺伝子の発現を調査する場合、cDNAなどのcDNAのライブラリ、ゲノムのライブラリまたはすべてのゲノムを鋳型としてPCR法によって増幅して調製したものを使うことができる。
【0095】
また、遺伝子の変移などを調査する場合、標準となるすでに知られている配列を根拠として、変移などに対応する種々のオリゴヌクレオチドを合成したものを使うことができる。
【0096】
プローブ核酸を基板の上に固定することは、核酸の種類や基板の種類によって適当な方法を選択することができる。例えば、DNAの電荷を利用して、ポリリシンなどのカチオンで表面処理した基板に静電結合させる方法を利用してもよい。
【0097】
一本鎖に変性させた標的核酸を基板の上に固定し、オリゴヌクレオチドと混成化する。ここで、オリゴヌクレオチドの5’末端には蛍光団が標識され、3’末端には化学式1で表示される消光子から選択される少なくとも一つが標識される。5’末端と3’末端の間には標的となる核酸と相補的に結合できるプローブが位置することができる。
【0098】
混成化は室温~70℃、そして2~48時間の範囲で行うことが好ましい。混成化によってプローブ核酸と相補的な塩基配列を有する標的核酸が選択的にプローブ核酸と結合する。その後、基板を洗浄して室温で乾燥する。
【0099】
この時、オリゴヌクレオチドはプローブによって標的核酸に混成化されるが、5’末端の蛍光団は3’末端の消光子によって消光された状態で存在する。
【0100】
引き続き、標的核酸に混成化されたオリゴヌクレオチドはポリメラーゼによって伸長するが、オリゴヌクレオチドはポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性によって標的核酸から分離および分解され、オリゴヌクレオチドの5’末端の蛍光団と3’末端の消光子は互いに分離され、これに伴い、蛍光団は蛍光を発することができるようになる。
【0101】
この時、発生する蛍光強度を測定して標的核酸の増幅量を測定できるようになる。
【0102】
以下では、本発明の具体的な実施例を提示する。ただし、下記に記載された実施例は本発明を具体的に例示または説明するためのものに過ぎず、これにより本発明が制限されてはならない。
【0103】
製造例1.化合物1の合成
【化28】
【0104】
中間体2の合成
500mL 1ツ口反応器に2,3,3-トリメチルインドレニン(30g、0.188mol)と硫酸120mlを入れて0℃で撹はんした。KNO(19.0g、0.188mmol)と硫酸(120mL)を混ぜた溶液を0℃で滴加した。1時間後氷を入れてNaOH(aq)で中和した。引き続き、生成された固体をフィルタ後乾燥した。
【0105】
中間体3の合成
2L反応器に中間体2(36.3g、0.178mol)と6M HCl 950mlを入れて撹はんした。Tin(II)chloride dehydrate(240.6g、1.066mol)を入れて100℃で2時間撹はんした。反応が終了すると室温で冷却した後NaOHで中和した。引き続き、MCと水で抽出後濃縮して乾燥した。
【0106】
中間体4の合成
反応器に中間体3(5.0g、0.029mol)DIPEA(14.8g、0.115mol)、CH3I(12.2g、0.086mol)とアセトン50.0mlを入れて3日間撹はんした。引き続き、MCと水で抽出した後濃縮してカラム(HEP:EA=4:1)精製した。
【0107】
中間体6の合成
反応器に中間体4(1.4g、0.007mol)と中間体5(1.5g、0.008mol)をジオキサン(14ml)に溶かして14時間還流撹はんした。引き続き、溶媒を濃縮後カラム精製した。
【0108】
中間体8の合成
100mL 1ツ口反応器に中間体6(1g、0.003mol)、マロンアルデヒドジアニリド塩酸塩(0.7g、0.003mol)、酢酸(2mL)、無水酢酸(10mL)を入れて100℃で1時間撹はんした。引き続き、エチルアセテートで固体を析出させた後カラム精製した(MC:MeOH=50:1)。
【0109】
中間体11の合成
反応器に中間体9(100g、0.366mol)と中間体10(86.2g、0.439mol)、Pd(OAc)(8.2g、0.037mol)、BINAP(22.8g、0.037mol)、STB(49.3g、0.513mol)、トルエン1000mlを入れて還流撹はんした。TLC確認後常温で冷却した。引き続き、濃縮後MC/H2Oで抽出してカラム精製した。
【0110】
中間体13の合成
反応器に中間体11(100g、0.257mol)と中間体12(44.3、0.514mol)、Con.HCl 250mlとエタノール800mlを入れて一日の間還流撹はんした。TLC確認後常温で冷却した。引き続き、エチルアセテートで固体を析出してフィルタ後乾燥した。
【0111】
中間体15の合成
反応器に中間体13(10.0g 0.036mol)と中間体14(8.5g、0.044mol)とDCB 20mlを入れて一日の間還流撹はんした。エチルアセテートを使って個体析出後フィルタして乾燥した。
【0112】
中間体16の合成
反応器に中間体8(2.0g、0.005mol)、中間体15(3.3g、0.005mmol)、無水酢酸(0.9ml、9.71mmol)、ピリジン(40mL)を入れて還流下で2時間撹はんした。引き続き、濃縮後カラム精製した。
【0113】
化合物1(18)の合成
反応器に中間体16(500mg、0.726mmol)と中間体17(110.1mg、1.089mmol)、HATU(331.1mg、0.871mmol)、methylmophorine(220.2mg、2.177mmol)、DMF(10ml)を入れて常温で撹はんした。引き続き、MCと水を使って抽出後カラム精製した。
【0114】
製造例2.化合物2の合成
【化29】
【0115】
中間体20の合成
反応器に中間体6(10.0g、0.026mole)と中間体19(5.6g、0.029mole)、酢酸(5mL)、無水酢酸(15mL)を入れて100℃で1時間撹はんした。引き続き、エチルアセテートで固体を析出させた後カラム精製した(MC:MeOH=50:1)。
【0116】
中間体21の合成
反応器に中間体8(2.0g、0.004mol)、中間体15(2.3g、0.004mmol)、無水酢酸(0.9ml、9.71mmol)、ピリジン(40mL)を入れて還流下で2時間撹はんした。引き続き、濃縮後カラム精製した。
【0117】
化合物2(22)の合成
反応器に中間体16(500mg、0.726mmol)と中間体17(107.9mg、1.067mmol)、HATU(324.5mg、0.854mmol)、methylmophorine(215.8mg、2.134mmol)、DMF(10ml)を入れて常温で撹はんした。引き続き、MCと水を使って抽出後カラム精製した。
【0118】
製造例3.化合物6の合成
【化30】
【0119】
中間体25の合成
反応器に中間体23(25.0g、0.152mol)、中間体24(30.1g、0.183 mol)、KCO(25.2g、0.183mol)、DMF(250ml)を入れて50℃で一日の間撹はんした。TLC確認後EAと水で抽出して濃縮した後にトルエン(250ml)とTsOH(5.2g、0.030mol)を入れて一日の間還流撹はんした。引き続き、MCと水で抽出した後カラム精製した。
【0120】
中間体26の合成
反応器に中間体25(10.0g、0.043mol)、ヨードプロパノール(9.7g、0.052mol)、1,4-ジオキサン(20.0ml)を入れて一日の間還流撹はんした。引き続き、TLC確認後カラム精製した。
【0121】
中間体28の合成
反応器に中間体26(5.0g、0.012mol)、中間体27(2.6g、0.013mol)、AcO(15ml)を入れて3時間の間還流撹はんした。引き続き、常温で冷却後溶媒除去した後カラム精製した。
【0122】
中間体30の合成
反応器に中間体28(1.3g、0.003mol)、ピリジン(13ml)を入れて常温で撹はんした。中間体29(1.0g、0.003mol)をMC(13ml)に添加した後常温で一日の間撹はんした。引き続き、溶媒を濃縮した後カラム精製した。
【0123】
中間体31の合成
反応器に中間体13(10.0g、0.036mol)、ヨードプロパノール(6.8g、0.036mol)、1,4-ジオキサン(50ml)を入れて一日の間還流撹はんした。引き続き、溶媒を除去した後カラム精製した。
【0124】
化合物6 32の合成
反応器に中間体30(1.1g、0.001mol)、中間体31(0.6g、0.001mol)、KOAc(0.2g、0.002mol)、エタノール(22ml)を入れて一日の間還流撹はんした。引き続き、常温で冷却した後溶媒を濃縮した後にカラー精製した。
【0125】
製造例4.化合物7の合成
【化31】
【0126】
中間体33の合成
反応器に中間体26(5.0g、0.012mol)、中間体7(3.7g、0.014mol)、AcO(20ml)を入れて3時間の間還流撹はんした。引き続き、溶媒を濃縮した後カラム精製した。
【0127】
中間体34の合成
反応器に中間体33(2.0g、0.004mol)、中間体29(1.5g、0.004mol)を入れて中間体30と同一の方法で合成した。
【0128】
化合物7(35)の合成
反応器に中間体34(1.5g、0.002mol)、中間体31(0.8g、0.002mol)、KOAc(0.2g、0.002mol)、エタノール(30ml)を入れて化合物2の合成と同一の方法で合成した。
【0129】
製造例5.化合物9の合成
【化32】
【0130】
中間体36の合成
500mL 1ツ口反応器にN,N-ジエチル-1,4-フェニレンジアミン(25g、0.152mol)、3-ブロモ-3-メチル-2-ブタノン (30.1g、0.183mol)、ポタシウムカーボネート(25.2g、0.183mol)、ジメチルホルムアミド(250mL)を入れて50℃で12時間撹はんした。反応器に水(100mL)を入れて強撹はんした後エチルアセテート(100mL x 2)で抽出した。有機層に無水硫酸マグネシウムを入れて5分間撹はんした後固体を濾過した。ろ液は濃縮して濃縮液にp-トルエンスルホン酸(5.2g、0.03mol)、トルエン(250mL)を入れて還流下で12時間撹はんした。反応器に水(100mL)を入れて強撹はんした後エチルアセテート(100mL x 2)で抽出した。有機層に無水硫酸マグネシウムを入れて5分間撹はんした後固体を濾過した。引き続き、ろ液は濃縮後カラム精製した。
【0131】
中間体37の合成
100mL 1ツ口反応器に中間体36(4.46g、0.0194mol)、ヨードメタン(4.53g、0.029mol)、アセトニトリル(45mL)を入れて還流下で12時間撹はんした。引き続き、濃縮後カラム精製した。
【0132】
中間体38の合成
100mL 1ツ口反応器に中間体37(2.73g、7.066mmol)、N,N’-ジフェニルホルムアミジン.(1.53g、7.774mmol)、無数酢酸(25mL)を入れて110℃で1時間撹はんした。引き続き、濃縮後カラム精製した。
【0133】
中間体39の合成
500mL 3ツ口反応器にブロモ-9,9-ジメチルフルオレン(25g、0.0915mol)、ベンゾフェノールヒドラジン(21.55g、0.109mol)、Pd(dba)(3.35g、3.660mmol)、BINAP(2.28g、3.66 mmol)、ソジウム-tert-ブトキシド(12.31g、0.128mol)、トルエン(250mL)を入れて100℃で12時間撹はんした。セライトを敷いて熱い状態で固体を濾過した。引き続き、濃縮後カラム精製した。
【0134】
中間体40の合成
500mL 1ツ口反応器に中間体39(32.4g、0.0834mol)、3-メチル-2-ブタノン(22.5g、0.250mol)、濃い塩酸(80mL)、エタノール(330mL)を入れて還流下で12時間撹はんした。濃縮後反応器に水(500mL)を入れてエチルアセテート(500mL x 2)で抽出した。有機層に無水硫酸マグネシウムを入れて5分間撹はんした後固体を濾過した。引き続き、ろ液は濃縮後カラム精製した。
【0135】
中間体41の合成
100mL 1ツ口反応器に中間体40(2g、7.262mmol)、6-ヨードヘキサノイック酸(2.63g、10.893mmol)、1,4-ジオキサン(20mL)を入れて還流下で12時間撹はんした。引き続き、冷却後反応器にエチルアセテート(100mL)を入れて結晶化した後固体を濾過した。
【0136】
中間体42の合成
100mL 1ツ口反応器に中間体38(2.46g、4.638mmol)、中間体41(1.2g、2.319mmol)、ピリジン(25mL)を入れて80℃で2時間撹はんした。引き続き、濃縮後カラム精製した。
【0137】
化合物9 43の合成
100mL 1ツ口反応器に中間体42(700mg、0.89mmol)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボイミド(220mg、1.068mmol)、N-ヒドロキシスクシンイミド(123mg、1.068mmol)、ジクロロメタン(20mL)を入れて常温で1時間撹はんした。生成された固体を濾過した後カラム精製した。
【0138】
H-NMR(300 MHz、CDCl) 8.37(t、1H、J=13.5Hz)、7.71(d、1H、J=7.5Hz)、7.62(s、1H)、7.44-7.26(m、4H)、7.09-7.06(m、3H)、6.68-6.66(m、2H)、4.36(q、2H、J=7.2Hz)、4.20(t、2H、J=7.8Hz)、3.43(q、4H、J=7.2Hz)、2.85(s、4H)、2.72(t、2H、J=7.2Hz)、1.96-1.91(m、4H)、1.76(s、6H)、1.73(s、6H)、1.60(m、2H)、1.53(s、6H)、1.25(t、9H、J=6.3Hz)
【0139】
製造例6.消光子-CPGの合成
【化33】
【0140】
10mL vialに化合物2(75mg、0.11mmol)、スクシン酸無水物(9.9mg、0.099mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(12.1mg、0.099mmol)、ジクロロメタン(5ml)を入れて常温で1.5時間ローリングした。完全に濃縮して1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(52.7mg、0.275mmol)、トリエチルアミン(28μl)、ピリジン(5ml)、CPG-NH(1g)を入れて常温で2時間ローリングした。powderを濾過してアセトニトリル、メタノール、ジクロロメタンでそれぞれ3回ずつ洗浄した。乾燥後CapA/CapB=1ml/1mlを入れて常温で2時間ローリングし、アセトニトリル、ジクロロメタンでそれぞれ3回ずつ洗浄した後乾燥した。また、前記と同じ方法で化合物6-CPG、化合物7-CPGおよび化合物9-CPGを合成した。
【0141】
実験例1.化合物2の消光特性測定
二重標識オリゴヌクレオチドの合成
製造例6で合成した化合物2-CPGとCalfluorRed(商標)610を利用して10-Column Polygen DNA Synthesizerで二重標識オリゴヌクレオチドを合成した。合成した二重標識オリゴヌクレオチドを一般的な方法でCleavageおよびDeprotectionした後RP HPLCで精製した。二重標識合成したオリゴヌクレオチドの配列は下記の表1の通りである。
【表1】
【0142】
消光特性の測定
前記表1の二重標識プローブの消光特性を確認するために下記の表2に記載された組成でreal time PCRを遂行した(Biorad社、CFX-96使用)。Real time PCR結果は図1に示した。PCR Protocol:95℃、3min-[95℃、10s-60℃、30s] x 50cycles
【表2】
【0143】
蛍光団と消光子がそれぞれCalfluorRed(商標)610と化合物2で構成された二重標識プローブのreal time PCR結果を示した図1を参照すると、化合物2がCalfluorRed(商標)610の蛍光を効果的に消光させ、PCR増幅も理想的なパターンで進行されることを確認することができる。
【0144】
実験例2.化合物6の消光特性測定
二重標識オリゴヌクレオチドの合成
製造例6で合成した化合物6-CPGとCalfluorRed(商標)610を利用して10-Column Polygen DNA Synthesizerで二重標識オリゴヌクレオチドを合成した。合成した二重標識オリゴヌクレオチドを一般的な方法でCleavageおよびDeprotectionした後RP HPLCで精製した。二重標識合成したオリゴヌクレオチドの配列は下記の表3の通りである。
【表3】
【0145】
消光特性測定
前記表3の二重標識プローブの消光特性を確認するために下記の表4に記載された組成でreal time PCRを遂行した(Biorad社、CFX-96使用)。Real time PCR結果は図2に示した。PCR Protocol:95℃、3min-[95℃、10s-60℃、30s] x 50cycles
【表4】
【0146】
蛍光団と消光子がそれぞれCalfluorRed(商標)610と化合物6で構成された二重標識プローブのreal time PCR結果を示した図2を参照すると、化合物6がCalfluorRed(商標)610の蛍光を効果的に消光させ、PCR増幅も理想的なパターンで進行されることを確認することができる。
【0147】
実験例3.化合物7の消光特性測定
二重標識オリゴヌクレオチドの合成
製造例6で合成した化合物7-CPGとCalfluorRed(商標)610を利用して10-Column Polygen DNA Synthesizerで二重標識オリゴヌクレオチドを合成した。合成した二重標識オリゴヌクレオチドを一般的な方法でCleavageおよびDeprotectionした後RP HPLCで精製した。二重標識合成したオリゴヌクレオチドの配列は下記の表5の通りである。
【表5】
【0148】
消光特性測定
前記表5の二重標識プローブの消光特性を確認するために下記の表6に記載された組成でreal time PCRを遂行した(Biorad社、CFX-96使用)。Real time PCR結果は図3に示した。PCR Protocol:95℃、3min-[95℃、10s-60℃、30s] x 50cycles
【表6】
【0149】
蛍光団と消光子がそれぞれCalfluorRed(商標)610と化合物7で構成された二重標識プローブのreal time PCR結果を示した図3を参照すると、化合物7がCalfluorRed(商標)610の蛍光を効果的に消光させ、PCR増幅も理想的なパターンで進行されることを確認することができる。
【0150】
実験例4.化合物9の消光特性測定
二重標識オリゴヌクレオチドの合成
製造例6で合成した化合物9-CPGとCalfluorRed(商標)610を利用して10-Column Polygen DNA Synthesizerで二重標識オリゴヌクレオチドを合成した。合成した二重標識オリゴヌクレオチドを一般的な方法でCleavageおよびDeprotectionした後RP HPLCで精製した。二重標識合成したオリゴヌクレオチドの配列は下記の表7の通りである。
【表7】
【0151】
消光特性測定
前記表7の二重標識プローブの消光特性を確認するために下記の表8に記載された組成でreal time PCRを遂行した(Biorad社、CFX-96使用)。Real time PCR結果は図4に示した。PCR Protocol:95℃、3min-[95℃、10s-60℃、30s] x 50cycles
【表8】
【0152】
蛍光団と消光子がそれぞれCalfluorRed(商標)610と化合物9で構成された二重標識プローブのreal time PCR結果を示した図4を参照すると、化合物9がCalfluorRed(商標)610の蛍光を効果的に消光させ、PCR増幅も理想的なパターンで進行されることを確認することができる。
【0153】
以上、本発明の一実施例に対して説明したが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正および変更することができ、これもまた本発明の権利範囲内に含まれるものと言える。
図1
図2
図3
図4