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  • 特許-電磁コイル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】電磁コイル
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/16 20060101AFI20240419BHJP
   H01F 27/32 20060101ALI20240419BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
H01F7/16 Z
H01F7/16 E
H01F7/16 R
H01F27/32 140
F16K31/06 305D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022548833
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2021071127
(87)【国際公開番号】W WO2021196827
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】202020453069.0
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】曽 慶軍
(72)【発明者】
【氏名】陳 勇好
(72)【発明者】
【氏名】鄭 利峰
【審査官】後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-134234(JP,A)
【文献】中国実用新案第204857361(CN,U)
【文献】中国実用新案第203480975(CN,U)
【文献】中国実用新案第204004704(CN,U)
【文献】中国実用新案第204878955(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第104283398(CN,A)
【文献】特開平07-103355(JP,A)
【文献】特開平10-169820(JP,A)
【文献】登録実用新案第3224299(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/16
H01F 27/32
F16K 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面にラミネート層が設けられているステータアセンブリを含み、前記ラミネート層は、上端面及び下端面を含み、前記ラミネート層の上端面と下端面との間に接続部が設けられており、
前記ステータアセンブリは、骨格及びピンを含み、前記ピンは前記接続部を通過して前記骨格に取り付けられ、
前記接続部と前記ラミネート層との接続部分には、それぞれ前記接続部の両側に位置する、平坦面を含む第1内凹部及び第2内凹部が設けられていて、
前記第1内凹部に第1面取りが設けられており、前記第2内凹部に第2面取りが設けられている、電磁コイル。
【請求項2】
前記第1内凹部及び前記第2内凹部は、前記接続部の上端及び下端を貫通する、請求項1に記載の電磁コイル。
【請求項3】
前記第1内凹部の上端に前記第1面取りが設けられており、前記第2内凹部の上端に前記第2面取りが設けられている、請求項に記載の電磁コイル。
【請求項4】
前記第1面取りが位置する平面と前記ラミネート層の上端面との間の夾角は10°~80°であり、及び/又は、
前記第2面取りが位置する平面と前記ラミネート層の上端面との間の夾角は10°~80°である、請求項3に記載の電磁コイル。
【請求項5】
前記接続部の前記ラミネート層から離れた一端に絶縁ハウジングが接続され、前記絶縁ハウジング内にはポッティング接着剤層が設けられており、前記ポッティング接着剤層は前記絶縁ハウジングの内面に封止接続され、且つ前記ポッティング接着剤層が絶縁ハウジングの内部全体に充填されている、請求項1に記載の電磁コイル。
【請求項6】
前記絶縁ハウジングは、超音波溶接により前記接続部に接続される、請求項5に記載の電磁コイル。
【請求項7】
前記絶縁ハウジングの一側には前記接続部に接続するための第1開口が設けられており、前記絶縁ハウジングの下端にはケーブルを挿設するための第2開口が設けられている、請求項5に記載の電磁コイル。
【請求項8】
前記ポッティング接着剤層の材質は、エポキシ樹脂である、請求項5に記載の電磁コイル。
【請求項9】
前記接続部の下端に凹凸面が設けられている、請求項5に記載の電磁コイル。
【請求項10】
前記第1凹部及び前記第2凹部は射出によって加工成形される、請求項1に記載の電磁コイル。
【請求項11】
前記第1内凹部は、前記ラミネート層に近接する側に位置する第1側壁、前記ラミネート層から離れる側に位置する第2側壁、及び前記ピンに近接する側に位置する第1底部を含み、前記第2内凹部は、前記ラミネート層に近接する側に位置する第3側壁、前記ラミネート層から離れる側に位置する第4側壁、及び前記ピンに近接する側に位置する第2底部を含み、前記第1側壁及び前記第3側壁はいずれも前記ラミネート層の外周面の一部である、請求項1に記載の電磁コイル。
【請求項12】
前記ラミネート層と前記接続部とは、一体成形された構造である、請求項1に記載の電磁コイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[001] 本出願は、2020年3月31日に出願された、出願番号が202020453069.0であり、発明の名称が「電磁コイル」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本出願に組み込まれる。
【0002】
[002] 本出願は冷房技術の分野に関し、特に、電磁コイルに関する。
【背景技術】
【0003】
[003] 冷房技術の分野において、電磁コイルは、外面にラミネート層が設けられているステータアセンブリを含み、ラミネート層はステータアセンブリを保護及び絶縁することができる。ステータアセンブリはピンを含み、ピンには保護及び絶縁のための接続部が設けられる必要があり、接続部はラミネート層の外周面に設けられており、且つ接続部の厚さはラミネート層の厚さより大きい。通常、ステータアセンブリを射出成形金型に入れて、ラミネート層及び接続部を直接射出成形し、且つ射出成形して冷却した後に、ラミネート層及び接続部にはいずれも冷却収縮現象が発生し、且つ厚い部分ほど収縮が激しい。
【0004】
[004] 従来の電磁コイルにおいては、ラミネート層と接続部との厚さが大きく異なるため、接続部とラミネート層との接続部分が冷却した後に激しく収縮して、接続部とラミネート層との接続部分に収縮孔が発生する確率が大幅に増加し、収縮孔は気泡を発生させてしまうので、ステータアセンブリを十分に絶縁保護することができず、電磁コイルの絶縁性能に大きな影響を与える。
【発明の概要】
【0005】
[005] 本出願の様々な実施例によれば、電磁コイルを提供する。
【0006】
[006] 電磁コイルは、外面にラミネート層が設けられているステータアセンブリを含む。ラミネート層は、上端面及び下端面を含み、ラミネート層の上端面と下端面との間に接続部が設けられている。ステータアセンブリは、骨格及びピンを含み、ピンは接続部を通過して骨格に取り付けられる。接続部とラミネート層との接続部分には、それぞれ接続部の両側に位置する第1内凹部及び第2内凹部が設けられている。
【0007】
[007] 本出願で提供される電磁コイルは、接続部とラミネート層との接続部分に第1内凹部及び第2内凹部が設けられているため、接続部の厚さとラミネート層の厚さとの差を減少させることにより、射出成形して冷却した後に接続部とラミネート層との接続部分に収縮孔が発生する確率を効果的に低減させ、即ち、接続部とラミネート層との接続部分に気泡が発生する確率も大きく低減されて、ピン及び位置決めアセンブリにおける他のデバイスが完全に絶縁保護されるようになり、これにより電磁コイルの絶縁性能を大きく改善させている。
【0008】
[008] 一実施例において、第1内凹部及び第2内凹部は、接続部の上端及び下端を貫通する。従って、第1内凹部及び第2内凹部の加工成形が容易になる。
【0009】
[009] 一実施例において、第1内凹部の上端に第1面取りが設けられており、第2内凹部の上端に第2面取りが設けられている。従って、接続部とラミネート層との接続部分の厚さを更に減少させることができる。
【0010】
[010] 一実施例において、第1面取りが位置する平面とラミネート層の上端面との間は10°~80°であり、第2面取りが位置する平面とラミネート層の上端面との間の夾角は10°~80°である。従って、接続部の厚さを更に減少させることができるとともに、接続部とラミネート層との接続強度に影響を与えることもなく、且つ接続部全体の外観をよりきれいにすることができる。
【0011】
[011] 一実施例において、接続部のラミネート層から離れた一端に絶縁ハウジングが接続され、絶縁ハウジング内にはポッティング接着剤層が設けられており、ポッティング接着剤層は絶縁ハウジングの内面に封止接続され、且つポッティング接着剤層が絶縁ハウジングの内部全体に充填されている。従って、ケーブルとピンとの封止固定及び組み立てが容易になる。
【0012】
[012] 一実施例において、絶縁ハウジングは、超音波溶接により接続部に接続される。従って、絶縁ハウジングと接続部との間の封止性がより良好になる。
【0013】
[013] 一実施例において、絶縁ハウジングの一側には接続部に接続するための第1開口が設けられており、絶縁ハウジングの下端にはケーブルを挿設するための第2開口が設けられている。従って、絶縁ハウジングの内部にケーブルを挿設することが容易になる。
【0014】
[014] 一実施例において、ポッティング接着剤層の材質はエポキシ樹脂である。従って、ポッティング接着剤層の絶縁性能がより良好になる。
【0015】
[015] 一実施例において、接続部の下端に凹凸面が設けられている。従って、接続部とポッティング接着剤層との接触面積を増加させて、ポッティング接着剤層が比較的良好な封止効果を有するようになる。
【0016】
[016] 一実施例において、第1凹部及び第2凹部は射出によって加工成形される。このように、加工が簡単である。
【0017】
[017] 一実施例において、第1内凹部は、ラミネート層に近接する側に位置する第1側壁、ラミネート層から離れる側に位置する第2側壁、及びピンに近接する側に位置する第1底部を含み、第2内凹部は、ラミネート層に近接する側に位置する第3側壁、ラミネート層から離れる側に位置する第4側壁、及びピンに近接する側に位置する第2底部を含み、第1側壁及び第3側壁はいずれもラミネート層の外周面の一部である。従って、第1内凹部及び第2内凹部の加工の難しさを低減させている。
【0018】
[018] 一実施例において、ラミネート層と接続部とは一体成形された構造である。従って、ラミネート層と接続部との加工成形が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
[019] 本明細書に開示されている発明をよりよく説明するための実施例及び/又は例示は、1つ以上の図面を参照できる。図面を説明するための詳細又は例示は、開示された発明、ここで説明する実施例及び/又は例示、並びにここで理解されるこれらの発明の最適な形態のいずれかの範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0020】
図1】[020] 本出願の一実施例の電磁コイルの斜視図である。
図2】[021] 本出願の一実施例の電磁コイルの平面図である。
図3】[022] 本出願の一実施例の電磁コイルの片側断面図である。
図4】[023] 絶縁ハウジングの断面図である。
【0021】
[024] 図面には以下の符号が含まれる。
100 電磁コイル、1 ステータアセンブリ、11 骨格、12 ピン、2 ラミネート層、21 上端面、22 下端面、3 接続部、31 第1内凹部、311 第1側壁、312 第2側壁、313 第1底部、314 第1面取り、32 第2内凹部、321 第3側壁、322 第4側壁、323 第2底部、324 第2面取り、4 絶縁ハウジング、41 第1開口、42 第2開口、5 ポッティング接着剤層、6 ケーブル。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[025] 以下、本出願の実施例における図面を参照して本出願の実施例における技術態様を明確且つ完全に説明するが、説明した実施例は本出願の実施例の一部にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。当業者が、本出願における実施例に基づいて創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例はいずれも本出願の保護範囲に属する。
【0023】
[026] 説明すべきこととして、本出願の明細書及び請求項、並びに上記の図面における用語「含む」及びその変形は、非排他的な包含を網羅することを意図している。アセンブリが他のアセンブリに「装設される」とされる場合、他のアセンブリに直接装設されてもよく、又は介在するアセンブリが存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、他のアセンブリに直接設けられてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、他のアセンブリに直接固定されてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。
【0024】
[027] 説明すべきこととして、特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語や科学用語は、当業者が通常理解している意味と同じである。ここで、本出願の明細書に使用される用語は、単に具体的な実施例を説明することを目的とし、本出願を制限するものではない。本明細書に使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の/及び全ての組み合わせを含む。
【0025】
[028] 図1及び図3を参照すると、図1は本出願の一実施例の電磁コイル100の斜視図であり、図3は本出願の一実施例の電磁コイル100の片側断面図である。
【0026】
[029] 本出願の電磁コイル100は、電磁弁又は電子膨張弁に適用され、電磁弁又は電子膨張弁における弁芯運動に用いられる。
【0027】
[030] 電磁コイル100は、外面にラミネート層2が設けられているステータアセンブリ1を含む。ラミネート層2は、上端面21及び下端面22を含み、ラミネート層2の上端面21と下端面22との間に接続部3が設けられている。ステータアセンブリ1は、骨格11及びピン12を含み、ピン12は接続部3を通過して骨格11に取り付けられる。接続部3とラミネート層2との接続部分には、それぞれ接続部3の両側に位置する第1内凹部31及び第2内凹部32が設けられている。
【0028】
[031] 本実施例において、図1及び図3に示すように、接続部3とラミネート層2との接続部分に第1内凹部31及び第2内凹部32が設けられているため、接続部3の厚さとラミネート層2の厚さとの差を減少させることにより、射出成形して冷却した後に接続部3とラミネート層2との接続部分に収縮孔が発生する確率を効果的に低減させ、即ち、接続部3とラミネート層2との接続部分に気泡が発生する確率も大きく低減され、ピン12が接続部3を介して骨格11に取り付けられることにより、ピン12が完全に絶縁保護され、ピン12が気泡によって外部に露出することを回避するとともに、ステータアセンブリ1における他のデバイスも保護して、電磁コイル100の絶縁性能を非常に改善させている。
【0029】
[032] 一実施例において、図1に示すように、第1内凹部31及び第2内凹部32は、接続部3の上端及び下端を貫通する。図1に示すように、第1内凹部31及び第2内凹部32の全体はいずれも溝状を呈し、且つ第1内凹部31及び第2内凹部32の上端と下端とは貫通されている。第1内凹部31及び第2内凹部32は射出によって加工成形されるため、第1内凹部31及び第2内凹部32の構造が単純であるほど、第1内凹部31及び第2内凹部32に対する型開きが容易になって、射出成形によって加工された第1内凹部31及び第2内凹部32の品質も良好となる。従って、第1内凹部31及び第2内凹部32の上端と下端との貫通は第1内凹部31及び第2内凹部32の構造を簡素化するのに有利であり、第1内凹部31及び第2内凹部32の加工成形を容易にする。
【0030】
[033] 更に、図2に示すように、図2は本出願の一実施例の電磁コイル100の平面図である。第1内凹部31は、第1側壁311、第2側壁312及び第1底部313を含む。第1側壁311はラミネート層2に近接する側に位置し、第2側壁312はラミネート層2から離れる側に位置し、第1底部313はピン12に近接する側に位置する。
【0031】
[034] 第2内凹部32は、第3側壁321、第4側壁322及び第2底部323を含む。第3側壁321はラミネート層2に近接する側に位置し、第4側壁322はラミネート層2から離れる側に位置し、第2底部323はピン12近接する側に位置する。
【0032】
[035] 第1内凹部31及び第2内凹部32が接続部3とラミネート層2との接続部分の厚さを減少させているが、接続部3のステータアセンブリ1に対する絶縁及び保護作用に影響を与えないことが理解できる。
【0033】
[036] 好ましくは、第1内凹部31の第1側壁311はラミネート層2の外周面の一部であり、且つ第2内凹部32の第3側壁321はラミネート層2の外周面の一部である。即ち、第1内凹部31及び第2内凹部32は、ラミネート層2の既存の構造を効果的に利用して加工成形され、第1内凹部31及び第2内凹部32の加工の難しさを更に低減させている。
【0034】
[037] 一実施例において、図1及び図2に示すように、第1内凹部31の上端に第1面取り314が設けられており、第2内凹部32の上端に第2面取り324が設けられている。第1内凹部31及び第2内凹部32を設けることにより、接続部3の厚さを大きく減少させる。第1底部313の上端側に角を有し、且つ第2底部323の上端側に角を有するため、第1面取り314及び第2面取り324を設けることにより、第1底部313の上端及び第2底部323の上端の角を減少させ、接続部3の全体の厚さを更に減少させている。
【0035】
[038] 更に、第1面取り314が位置する平面とラミネート層2の上端面21との間の夾角は10°~80°であり、及び/又は、第2面取り324が位置する平面とラミネート層2の上端面21との間の夾角は10°~80°である。第1面取り314とラミネート層2の上端面21が位置する平面との夾角が10°未満であり、及び/又は、第2面取り324とラミネート層2の上端面21が位置する平面との夾角が10°未満であると、第1面取り314及び第2面取り324はいずれも平坦しすぎて、接続部3の厚さの減少が顕著でなく、第1面取り314とラミネート層2の上端面21が位置する平面との夾角が80°より大きく、及び/又は、第2面取り324とラミネート層2の上端面21が位置する平面との夾角が80°より大きいと、接続部3とラミネート層2との接続強度に影響を与えることが理解できる。従って、このように設計すると、接続部3の厚さを更に減少させるとともに、接続部3とラミネート層2との接続強度に影響を与えることもなく、且つ全体の外観がよりきれいになる。
【0036】
[039] 一実施例において、図3に示すように、接続部3のラミネート層2から離れた一端に絶縁ハウジング4が接続され、絶縁ハウジング4内にはポッティング接着剤層5が設けられており、ポッティング接着剤層5は絶縁ハウジング4の内面に封止接続され、且つポッティング接着剤層5が絶縁ハウジング4の内部全体に充填されている。組み立て過程において、ケーブル6とピン12とを固定して接続した後に、ケーブル6とピン12との接続部分に絶縁ハウジング4を設ける必要があり、更に絶縁ハウジング4内にポッティング接着剤層5を設けることにより、ケーブル6とピン12との接続部分が絶縁ハウジング4の内部に強固に固定されるようにする。従って、絶縁ハウジング4及びポッティング接着剤層5を設けることにより、ケーブル6とピン12との組み立てにおける封止固定が容易になる。
【0037】
[040] 好ましくは、ポッティング接着剤層5の材質はエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂は最も一般的な硬化剤の一つであり、且つエポキシ樹脂の利点は非常に顕著であり、主に、エポキシ樹脂は硬化時に収縮率が低く、気泡が発生しにくく、且つ優れた電気絶縁性を有することである。従って、エポキシ樹脂を使用することにより、ポッティング接着剤層5の絶縁性能をより向上させることができる。
【0038】
[041] 更に、絶縁ハウジング4は、超音波溶接により接続部3に接続される。超音波溶接は、溶接速度が速く、溶接強度が高く、且つ溶接材の間の封止性がより良好になる。
【0039】
[042] 一実施例において、図3及び図4に示すように、絶縁ハウジング4の一側には接続部3に接続するための第1開口41が設けられており、絶縁ハウジング4の下端にはケーブル6を挿設するための第2開口42が設けられている。絶縁ハウジング4はL字状を呈し、第1開口41は絶縁ハウジング4の側面に穿設されており、第2開口42は絶縁ハウジング4の一端に位置する。図3に示すように、ピン12の一端が接続部3の内部に封入されており、ピン12の他端がケーブル6の一端に固定接続されているが、ケーブル6の長さが比較的長く、且つケーブル6の一部が絶縁ハウジング4から穿出して絶縁ハウジング4の外面に露出している。従って、絶縁ハウジング4は、第1開口41及び第2開口42を設けることにより、絶縁ハウジング4の内部にケーブル6を容易に挿設することができる。
【0040】
[043] 一実施例において、図3に示すように、接続部3の下端に凹凸面が設けられている。このように設計することにより、接続部3の表面積を効果的に拡大し、即ち、ポッティング接着剤層5と接続部3との接触面積が増加して、ポッティング接着剤層5の封止効果がより良好になる。
【0041】
[044] 一実施例において、ラミネート層2と接続部3とは、一体成形された構造であることにより、ラミネート層2及び接続部3の加工成形が容易になる。
【0042】
[045] 以上の実施例の各技術特徴は任意に組み合わせてもよく、説明を簡潔にするために、上記の実施例における各技術特徴の可能な組み合わせについて全て説明していないが、これらの技術特徴の組み合わせが矛盾しない限り、いずれも本明細書に記載されている範囲とみなすべきである。
【0043】
[046] 当業者が理解すべきこととして、以上の実施形態は単に本出願を説明するために使用され、本出願を限定するものではなく、本出願の実質的な趣旨の範囲内で、以上の実施形態になされる適切な変更及び変化はいずれも本出願の保護を請求する範囲に属する。
図1
図2
図3
図4