(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】多展開ゾーン拘束デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/95 20130101AFI20240419BHJP
A61F 2/24 20060101ALI20240419BHJP
A61F 2/07 20130101ALI20240419BHJP
【FI】
A61F2/95
A61F2/24
A61F2/07
(21)【出願番号】P 2022550758
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(86)【国際出願番号】 US2021019386
(87)【国際公開番号】W WO2021173648
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-09-14
(32)【優先日】2020-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー ジェイ.スタストカ
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0218613(US,A1)
【文献】特表2002-518086(JP,A)
【文献】国際公開第2019/240799(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/240800(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/95
A61F 2/24
A61F 2/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の直径から第二の直径に向かって半径方向に拡張するように構成された拡張可能な部材、及び、
前記拡張可能な部材を前記第一の直径で拘束するように前記拡張可能な部材の周りに配置されたニット拘束部材、
を含み、
前記ニット拘束部材は、
拡張可能な部材から前記ニット拘束部材を外すように構成された第一の解放ゾーン、前記第一の解放ゾーンを作動させるように動作可能な第一の展開ライン、
拡張可能な部材から前記ニット拘束部材を外すように構成された第二の解放ゾーン、及び、第二の解放ゾーンを作動させるように動作可能な第二の展開ラインを有し、
前記ニット拘束部材は、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに実質的に同時に張力をかけることによって、前記
拡張可能な部材から外すように構成されている、メディカルデバイス。
【請求項2】
前記ニット拘束部材は、前記第一の展開ラインを形成するように織り合わされた第一の本体ストランド及び第二の本体ストランド、及び、前記第二の展開ラインを形成するように織り合わされた第三の本体ストランド及び第四の本体ストランドを含む、請求項1記載のメディカルデバイス。
【請求項3】
前記第一の本体ストランド、前記第一の展開ライン、前記第二の本体ストランド及び前記第二の展開ラインはすべて織り合わされている、請求項2記載のメディカルデバイス。
【請求項4】
前記第一の本体ストランド、前記第一の展開ライン、前記第二の本体ストランド及び前記第二の展開ラインは経編である、請求項3記載のメディカルデバイス。
【請求項5】
前記第一の本体ストランド及び前記第一の展開ラインは、前記ニット拘束部材の長手方向長さの少なくとも第一の部分に沿って第一の複数のニットを形成し、そして前記第二の本体ストランド及び前記第二の展開ラインは、前記ニット拘束部材の長手方向長さの少なくとも第二の部分に沿って第二の複数のニットを形成する、請求項2~4のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項6】
前記第一の解放ゾーンは前記第一の複数のニットを含み、前記第二の解放ゾーンは前記第二の複数のニットを含む、請求項5記載のメディカルデバイス。
【請求項7】
第一の閾値張力が前記第一の展開ラインを横切って加えられるときに、前記第一の複数のニットは順次にほどかれ、そして第二の閾値張力が前記第二の展開ラインを横切って加えられるときに、前記第二の複数のニットは順次にほどかれる、請求項6記載のメディカルデバイス。
【請求項8】
前記第一の展開ラインは、前記第二の展開ライン及び前記第二の本体ストランドと織り合わされ、その結果、前記第一の複数のニットの対応するニットが前記第一の解放ゾーンから離れるように前記第一の展開ラインを前進させることによってほどかれるときに、前記第二の複数のニットはほどかれるように動作可能である、請求項7記載のメディカルデバイス。
【請求項9】
前記第二の展開ラインは、前記第一の展開ライン及び前記第一の本体ストランドと織り合わされ、その結果、前記第二の複数のニットの対応するニットが前記第二の解放ゾーンから離れるように前記第二の展開ラインを前進させることによってほどかれるときに、前記第一の複数のニットはほどかれるように動作可能である、請求項7又は8記載のメディカルデバイス。
【請求項10】
前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインはそれぞれ自由端を含み、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインの自由端は結合されて単一の展開セグメントを形成する、請求項2~9のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項11】
前記第一の解放ゾーン及び前記第二の解放ゾーンは、実質的に同時に展開するように構成されている、請求項2~10のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項12】
前記第一の展開ライン、前記第一の本体ストランド、前記第二の展開ライン及び前記第二の本体ストランドは延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項2~11のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項13】
前記第一の解放ゾーン及び前記第二の解放ゾーンは、展開されていないときに、前記
拡張可能な部材の外向きの拡張に対する抵抗を提供するように構成されている、請求項1~12のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項14】
前記メディカルデバイスは、前記
拡張可能な部材のデリバリー直径で半径方向力を有し、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインは、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに加えられる展開力で取り外されるように構成されており、前記半径方向力の前記展開力に対する比は、100~500である、請求項1~13のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項15】
前記
拡張可能な部材のデリバリー直径の展開直径に対する比は0.3未満である、請求項1~14のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項16】
展開可能な部材、及び、
経編の形態の複数のインターロッキングストランドを含む取り外し可能な拘束体、
を含む、拡張可能なメディカルデバイスであって、
前記取り外し可能な拘束体は、前記展開可能な部材に対して軸方向外側に配置され、半径方向に圧縮される向きで前記展開可能な部材を拘束し、
前記複数のインターロッキングストランドは、第一の展開ライン及び第二の展開ラインを含み、そして、
前記取り外し可能な拘束体は、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに力が加えられたときに遠隔的に取り外されるように構成されている、拡張可能なメディカルデバイス。
【請求項17】
前記取り外し可能な拘束体は、第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーンを含む、請求項16記載の拡張可能なメディカルデバイス。
【請求項18】
前記第一の解放ゾーンは少なくとも部分的に前記第一の展開ラインから形成され、前記第二の解放ゾーンは少なくとも部分的に前記第二の展開ラインから形成される、請求項17記載の拡張可能なメディカルデバイス。
【請求項19】
前記第一の解放ゾーンは、張力が前記第一の展開ラインに加えられたときに順次にほどけるように構成されており、前記第二の解放ゾーンは、前記第二の展開ラインに張力が加えられたときに順次にほどけるように構成されている、請求項18記載の拡張可能なメディカルデバイス。
【請求項20】
前記取り外し可能な拘束体は、実質的に同時に前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに力を加えることによって、前記展開可能な部材から取り外されるように構成されている、請求項16~19のいずれか1項記載の拡張可能なメディカルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月24日に出願された仮出願第62/980,660号の利益を主張し、その全体をすべての目的のために参照により本明細書に組み込む。
【0002】
分野
本開示は、一般に、インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリーのための装置、システム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、デバイスデリバリー中のインプラント可能なメディカルデバイスのためのカバーを含む装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
インプラント可能なメディカルデバイスのための低侵襲デリバリー技術には、外傷の減少、感染のリスクの低下及び回復時間の短縮などの様々な利点がある。インプラント可能なメディカルデバイスの例としては、動脈、静脈、気道、胃腸管及び胆道を含む、体内の管状通路を半径方向に支持し、治療し及び/又はさもなければ増強するために利用されるステント及びステントグラフトが挙げられる。インプラント可能なメディカルデバイスの追加の例としては、人工弁(例えば、人工心臓弁)が挙げられる。経カテーテルデリバリーは、そのようなインプラント可能なメディカルデバイスをデリバリーするための技術であり、デリバリーされるメディカルデバイスは、デリバリーのために直径方向に圧縮された状態で開始され、その後、患者の体内の治療部位で拡張される(例えば、自己拡張又は手動拡張可能)。
【0004】
ステント、ステントグラフト、人工弁、フィルタ及び他のインプラント可能物は、可塑的に変形されることによって(例えば、膨張可能なバルーンを使用して)展開されうるか、又は、崩潰又は拘束されたデリバリー直径から拡張された展開直径に自己拡張しそして弾性的に回復することを可能にすることによって展開されうる。
【0005】
例えば、1998年6月15日に出願された「遠隔的に取り外し可能なカバー及び支持体」という発明の名称の米国特許第6,224,627号明細書は、とりわけ、高い内圧を保持できる薄い管状の複数のフィラメント(フィルム又はファイバ)構造を記載している。所望のときに、フィラメントの延長部分を任意の方向に引っ張って、構造を広げることができる。この構造は、自己拡張型ステント又はステントグラフトデリバリーシステム、バルーン拡張カテーテル、カテーテル用の取り外し可能なガイドワイヤルーメン、薬物注入又は吸引カテーテル、ガイドワイヤ結束ケーシング、取り外し可能なフィルタ、取り外し可能なワイヤ絶縁、取り外し可能なパッケージング及びその他の用途に有用であることができる。
【発明の概要】
【0006】
要旨
1つの例(「例1」)によれば、取り外し可能な拘束デバイスは、ある長さを有するカバー本体を形成するようにインターロッキングする複数のストランド、ここで、前記複数のストランドは経編の形態であり、前記複数のストランドは、ストランドの第一のセット及びストランドの第二のセットを含む、前記カバー本体の長さに沿って前記カバー本体のストランドの第一のセットによって画定される第一の解放ゾーン、前記カバー本体のストランドの第二のセットによって画定される第二の解放ゾーン、ここで、前記第二の解放ゾーンは、前記カバー本体の長さの少なくとも一部に沿って前記第一の解放ゾーンと同一の広がりである、前記ストランドの第一のセットによって画定される第一の展開ライン、及び、前記ストランドの第二のセットによって画定される第二の展開ラインを含み、前記第一の展開ラインは、前記第一の展開ラインに張力をかけることによって前記第一の解放ゾーンに沿って前記カバー本体を解放するように構成され、そして前記第二の展開ラインは、前記第二の展開ラインに張力をかけることによって前記第二の解放ゾーンに沿って前記カバー本体を解放するように構成されている。
【0007】
別の例(「例2」)によれば、例1のデバイスに加えて、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインは結合されて単一の展開セグメントを形成する。
【0008】
別の例(「例3」)によれば、先行の例のいずれか1つのデバイスに加えて、前記カバー本体を形成する前記複数のストランドは4つのストランドを含む。
【0009】
別の例(「例4」)によれば、例3のデバイスに加えて、前記4つのストランドのうちの2つのストランドは、前記第一の展開ラインを形成し、前記第一の解放ゾーンを画定するストランドの第一のセット、及び、前記4つのストランドのうちの残りの2つのストランドは、前記第二の展開ラインを形成し、前記第二の解放ゾーンを画定するストランドの第二のセットを含む。
【0010】
別の例(「例5」)によれば、先行の例のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一の解放ゾーンは第一のニット列を含み、前記第二の解放ゾーンは第二のニット列を含む。
【0011】
別の例(「例6」)によれば、例5のデバイスに加えて、前記第一のニット列は第一の複数のニットを含み、前記第二のニット列は第二の複数のニットを含む。
【0012】
別の例(「例7」)によれば、例6のデバイスに加えて、前記第一の複数のニットは、第一のニット及び第二のニットを含み、前記第二の複数のニットは、対応する第一のニット及び対応する第二のニットを含む。
【0013】
別の例(「例8」)によれば、例7のデバイスに加えて、前記第一のニットが展開されていないときに、前記第一のニットは前記対応する第二のニットの展開を妨害する。
【0014】
別の例(「例9」)によれば、例7又は8のデバイスに加えて、前記対応する第一のニットが展開されていないときに、前記対応する第一のニットは前記第二のニットの展開を妨害する。
【0015】
別の例(「例10」)によれば、例7~9のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一のニット及び前記対応する第一のニットは、前記カバー本体に沿って実質的に類似の経度に配置される。
【0016】
別の例(「例11」)によれば、先行の例のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一の解放ゾーン及び前記第二の解放ゾーンは、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに実質的に同時に張力をかけることによって、実質的に同時に展開されるように構成されている。
【0017】
別の例(「例12」)によれば、先行の例のいずれか1つのデバイスに加えて、前記複数のストランドは延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む。
【0018】
別の例(「例13」)によれば、先行の例のいずれか1つのデバイスに加えて、前記カバーは、拘束されたメディカルデバイスの外向きの拡張に対する抵抗を提供するように構成されている。
【0019】
別の例(「例14」)によれば、先行の例のいずれか1つのデバイスに加えて、前記複数のストランドの各ストランドは、適合するストランド特性を有する。
【0020】
別の例(「例15」)によれば、例14のデバイスに加えて、前記適合するストランド特性は、ストランドの厚さ、ストランドのデニール、ストランドの摩擦係数、ストランドの材料及びストランドの剛性を含む。
【0021】
別の例(「例16」)によれば、先行の例のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一の展開ラインは、前記複数のストランドのうちの1つ以上と一体的に形成されている。
【0022】
別の例(「例17」)によれば、先行の例のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第二の展開ラインは、前記複数のストランドのうちの1つ以上と一体的に形成されている。
【0023】
別の例(「例18」)によれば、メディカルデバイスは、第一の直径から第二の直径に向かって半径方向に拡張するように構成された拡張可能な部材、及び、前記拡張可能な部材を前記第一の直径で拘束するように前記拡張可能な部材の周りに配置されたニット拘束部材、ここで、前記ニット拘束部材は、展開可能な部材から前記ニット拘束部材を外すように構成された第一の解放ゾーン、前記第一の解放ゾーンを作動させるように動作可能な第一の展開ライン、展開可能な部材から前記ニット拘束部材を外すように構成された第二の解放ゾーン、及び、第二の解放ゾーンを作動させるように動作可能な第二の展開ラインを有する、を含み、前記拘束部材は、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに実質的に同時に張力をかけることによって、前記展開可能な部材から外すように構成されている。
【0024】
別の例(「例19」)によれば、例18のデバイスに加えて、前記拘束部材は、前記第一の展開ラインを形成するように織り合わされた第一の本体ストランド及び第二の本体ストランド、及び、前記第二の展開ラインを形成するように織り合わされた第三の本体ストランド及び第四の本体ストランドを含む。
【0025】
別の例(「例20」)によれば、例19のデバイスに加えて、前記第一の本体ストランド、前記第一の展開ライン、前記第二の本体ストランド及び前記第二の展開ラインはすべて織り合わされている。
【0026】
別の例(「例21」)によれば、例20のデバイスに加えて、前記第一の本体ストランド、前記第一の展開ライン、前記第二の本体ストランド及び前記第二の展開ラインは経編である。
【0027】
別の例(「例22」)によれば、例19~21のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一の本体ストランド及び前記第一の展開ラインは、前記拘束部材の長手方向長さの少なくとも第一の部分に沿って第一の複数のニットを形成し、そして前記第二の本体ストランド及び前記第二の展開ラインは、前記拘束部材の長手方向長さの少なくとも第二の部分に沿って第二の複数のニットを形成する。
【0028】
別の例(「例23」)によれば、例22のデバイスに加えて、前記第一の解放ゾーンは前記第一の複数のニットを含み、前記第二の解放ゾーンは前記第二の複数のニットを含む。
【0029】
別の例(「例24」)によれば、例23のデバイスに加えて、第一の閾値張力が前記第一の展開ラインを横切って加えられるときに、前記第一の複数のニットは順次にほどかれ、そして第二の閾値張力が前記第二の展開ラインを横切って加えられるときに、前記第二の複数のニットは順次にほどかれる。
【0030】
別の例(「例25」)によれば、例24のデバイスに加えて、前記第一の展開ラインは、前記第二の展開ライン及び前記第二の本体ストランドと織り合わされ、その結果、前記第一の複数のニットの対応するニットが前記第一の解放ゾーンから離れるように前記第一の展開ラインを前進させることによってほどかれるときに、前記第二の複数のニットはほぐされるように動作可能である。
【0031】
別の例(「例26」)によれば、例24又は25のデバイスに加えて、前記第二の展開ラインは、前記第一の展開ライン及び前記第一の本体ストランドと織り合わされ、その結果、前記第二の複数のニットの対応するニットが前記第二の解放ゾーンから離れるように前記第二の展開ラインを前進させることによってほどかれるときに、前記第一の複数のニットはほどかれるように動作可能である。
【0032】
別の例(「例27」)によれば、例18~26のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインはそれぞれ自由端を含み、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインの自由端は結合されて単一の展開セグメントを形成する。
【0033】
別の例(「例28」)によれば、例18~27のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一の解放ゾーン及び前記第二の解放ゾーンは、実質的に同時に展開するように構成されている。
【0034】
別の例(「例29」)によれば、例18~28のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一の展開ライン、前記第一の本体ストランド、前記第二の展開ライン及び前記第二の本体ストランドは延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む。
【0035】
別の例(「例30」)によれば、例18~29のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一の解放ゾーン及び前記第二の解放ゾーンは、展開されていないときに、前記展開可能な部材の外向きの拡張に対する抵抗を提供するように構成されている。
【0036】
別の例(「例31」)によれば、例18~30のいずれか1つのデバイスに加えて、前記インプラント可能なメディカルデバイスは、前記展開可能な部材のデリバリー直径で半径方向力を有し、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインは、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに加えられる展開力で取り外されるように構成されており、前記半径方向力の前記展開力に対する比は、約100~約500である。
【0037】
別の例(「例32」)によれば、例31のデバイスに加えて、前記半径方向力の前記展開力に対する比は、約170~約475である。
【0038】
別の例(「例33」)によれば、例31のデバイスに加えて、前記半径方向力の前記展開力に対する比は、約200~約450である。
【0039】
別の例(「例34」)によれば、例31のデバイスに加えて、前記半径方向力の前記展開力に対する比は、約225~約425である。
【0040】
別の例(「例35」)によれば、例18~34のいずれか1つのデバイスに加えて、前記展開可能な部材の展開直径に対するデリバリー直径の比は0.3未満である。
【0041】
別の例(「例36」)によれば、展開可能な部材、及び、経編の形態の複数のインターロッキングストランドを含む取り外し可能な拘束体を含む拡張可能なメディカルデバイスであって、前記取り外し可能な拘束体は、展開可能な部材に対して軸方向外側に配置され、半径方向に圧縮される向きで前記展開部材を拘束し、前記複数のインターロッキングストランドは、第一の展開ライン及び第二の展開ラインを含み、前記取り外し可能な拘束体は、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに力が加えられたときに遠隔的に取り外されるように構成されている。
【0042】
別の例(「例37」)によれば、例36のデバイスに加えて、前記取り外し可能な拘束体は、第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーンを含む。
【0043】
別の例(「例38」)によれば、例37のデバイスに加えて、前記第一の解放ゾーンは少なくとも部分的に前記第一の展開ラインから形成され、前記第二の解放ゾーンは少なくとも部分的に前記第二の展開ラインから形成される。
【0044】
別の例(「例39」)によれば、例38のデバイスに加えて、前記第一の解放ゾーンは、張力が前記第一の展開ラインに加えられたときに順次にほどけるように構成されており、前記第二の解放ゾーンは、前記第二の展開ラインに張力が加えられたときに順次にほどけるように構成されている。
【0045】
別の例(「例40」)によれば、例36~39のいずれか1つのデバイスに加えて、前記取り外し可能な拘束体は、実質的に同時に前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに力を加えることによって、展開可能な部材から取り外されるように構成されている。
【0046】
別の例(「例41」)によれば、拡張可能なメディカルデバイスを製造する方法は、拡張可能な部材を半径方向内向きに圧縮すること、第一の展開ライン及び第二の展開ラインを含む複数のストランドを織り合わせて、取り外し可能な拘束体を形成すること、前記第一の展開ラインの部分が前記取り外し可能な拘束体から離れて延在するように、前記拡張可能な部材上に前記取り外し可能な拘束体を取り付けて、前記第一の展開ラインの部分を前記拡張可能な部材から離れて保持すること、及び、前記第二の展開ラインの部分が前記取り外し可能な拘束体から離れて延在するように、前記第二の展開ラインの部分を前記拡張可能な部材から離れて保持することを含み、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインは張力がかけられるように動作可能であり、実質的に同時に張力がかけられたときに、前記取り外し可能な拘束体の部分的な脱構築をもたらす。
【0047】
別の例(「例42」)によれば、例41の方法に加えて、前記第一の展開ラインの第一の近位端を前記第二の展開ラインの第二の近位端と結合して、単一の展開セグメントを形成する。
【0048】
別の例(「例43」)によれば、例41又は42のいずれか1つの方法に加えて、複数のストランドを織り合わせる工程は、前記取り外し可能な拘束体を取り付ける工程と同時に行われる。
【0049】
別の例(「例44」)によれば、例41~43のいずれか1つの方法に加えて、前記複数のストランドを織り合わせる工程は、前記複数のストランドが前記拡張可能な部材の周りに織り合わされるときに、前記複数のストランドが前記拡張可能な部材への圧縮力を提供するように、前記拡張可能な部材を圧縮するのと同時に行われる。
【0050】
別の例(「例45」)によれば、例41~44のいずれか1つの方法に加えて、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインのそれぞれのストランドを弱める。
【0051】
別の例(「例46」)によれば、例41~44のいずれか1つの方法に加えて、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインのそれぞれから少なくとも1つのストランドを破断する。
【0052】
別の例(「例47」)によれば、例46の方法に加えて、前記取り外し可能な拘束体の第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーンの解放を初期化する。
【0053】
別の例(「例48」)によれば、例47の方法に加えて、前記取り外し可能な拘束体の解放を初期化する工程は、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに張力をかけることを含む。
【0054】
別の例(「例49」)によれば、例48の方法に加えて、前記第一の解放ゾーン及び前記第二の解放ゾーンが前記拡張可能な部材の周りで脱構築する前に、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインの張力を停止する。
【0055】
別の例(「例50」)によれば、メディカルデバイスを展開する方法であって、拡張可能なメディカルデバイスを患者内に配置すること、ここで、前記拡張可能なメディカルデバイスは拘束部材によって圧縮構成に拘束され、前記拘束部材は、前記拡張可能なメディカルデバイスから前記拘束部材を外すように構成された第一の解放ゾーン、前記第一の解放ゾーンを作動させるように動作可能な第一の展開ライン、前記拡張可能なメディカルデバイスから前記拘束部材を外すように構成された第二の解放ゾーン、及び、前記第二の解放ゾーンを作動させるように動作可能な第二の展開ラインを含む、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインの近位部分を前記拡張可能なメディカルデバイスから離れて保持すること、及び、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインの近位部分に十分な力を加えて、前記第一の解放ゾーン及び前記第二の解放ゾーンを作動させることを含む。
【0056】
別の例(「例51」)によれば、例50の方法に加えて、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインの近位部分に十分な力を加える工程は、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインの近位部分に同時に十分な力を加えることを含む。
【0057】
上述の例はまさに実施例であり、本開示によって他の方法で提供される発明概念のいずれかの範囲を制限又はさもなければ狭めるために読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、例示的な例を示しそして記載する以下の詳細な説明から、当業者にさらに他の実施形態が明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的ではなく、本質的に例示的であると考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0059】
【
図1】
図1は、1つの実施形態による、取り外し可能な拘束体及び拡張可能な部材を有するデリバリーシステムである。
【0060】
【
図2】
図2は、1つの実施形態による、拡張可能なデバイスの周りに配置された取り外し可能な拘束体である。
【0061】
【
図3】
図3は、1つの実施形態による、ニット列及び様々なニットを有する取り外し可能な拘束体である。
【0062】
【
図4】
図4は、1つの実施形態による、取り外し可能な拘束体のために実装される織りパターンである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
詳細な説明
定義及び用語
本開示は、限定的に読まれることを意図していない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の用語がそのような用語に帰属する意味の関係で広く読まれるべきである。
【0064】
不正確さの用語に関して、「約」及び「およそ」という用語は、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い任意の測定値を含む測定値を指すために、交換可能に使用されることができる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に小さい量だけ逸脱する。このような逸脱は、測定誤差、測定及び/又は製造装置のキャリブレーションの違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人的エラー、性能を最適化するために行われた微調整及び/又は他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮した構造パラメータ、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さい差の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「およそ」という用語は、記載された値の+又は-10%を意味すると理解することができる。
【0065】
本明細書において、便宜のためにのみ、特定の用語を使用する。例えば、「上(top)」、「下(bottom)」、「上(upper)」、「下(bottom)」、「左(left)」、「右(right)」、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」、「上向き(upward)」、「下向き(downward)」などの言葉は、図に示されている構成、又は取り付け位置での部品の向きを単に記載する。実際、参照された構成要素は、任意の方向に向けることができる。同様に、本開示を通じて、プロセス又は方法が示され又は記載されている場合に、方法が最初に実行される特定の動作に依存することが関係から明らかでない限り、方法は任意の順序で又は同時に実行されうる。
【0066】
半径方向外向き拡張力又は半径方向外向き力は、一般に、デバイスが塑性変形可能な材料から形成され、より小さな直径に拘束又は圧縮されるときに、デバイスの内部力によって引き起こされる力を指す。デバイスがより小さな直径で拘束されるときに、半径方向外向き拡張力は、デバイスが拘束体に力を及ぼすようなものである。したがって、半径方向外向き力は、自己拡張型部材の結果であることがある。そのような自己拡張部材は、圧縮及び/又は拘束されたときに半径方向外向き拡張力を及ぼす形状記憶合金を含むことができる。しかしながら、半径方向外向き拡張力は、血管形成バルーンの膨張など、デバイス又は部材を半径方向外向きに拡張させる他の力を指すこともある。
【0067】
拘束力は、一般に、デバイス、幾つかの実施形態では自己拡張型デバイスの半径方向外向き拡張力に抵抗するときに、デバイスに対して拘束部材によって加えられる力を指す。拘束力は、拘束部材に対して加えられる半径方向外向き拡張力から生じる垂直力と考えることができる。別の言い方をすれば、拘束部材は、デバイスを拘束するときに、半径方向内向き力をデバイスに加えることができる。拘束力は、幾つかの実施形態において、拘束部材がデバイスの半径方向外向き拡張力にもはや抵抗できなくなるまでの閾値量に制限されることができ、その時点で、半径方向外向き拡張力が拘束部材の拘束力に打ち勝ち、これにより、拘束部材を外させることにより、メディカルデバイスは展開することができる。
【0068】
展開力は、一般に、拘束部材を外すことによってメディカルデバイスを展開するのに必要な力を指す。幾つかの実施形態において、展開力は、メディカルデバイスからの拘束部材の係合解除を作動させるように、拘束部材の作動ラインを引っ張るのに必要な力である。
【0069】
参考までに、用語「周囲」は、円形の断面を必要とすることを意図するものではなく、代わりに、取り外し可能な拘束体の外面又は寸法を指すものとして広く理解されるべきである。
【0070】
様々な実施形態の説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を示すために誇張されていることがあり、その点で、図面は限定的であると解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0071】
図1に示すシステムは、システムの様々な特徴の例として提供されており、示されたこれらの特徴の組み合わせは明らかに本発明の範囲内であるが、その例及びその図は、本明細書で提供される発明概念は、より少ない特徴、追加の特徴又は代替の特徴から、図に示されるそれらの特徴の1つ以上に限定されることが意図されない。
図1は、幾つかの実施形態による、取り外し可能な拘束体104を有するカテーテル102を含むデリバリーシステム100の平面図である。
図1に示されるように、取り外し可能な拘束体104は、インプラント可能なメディカルデバイス106をデリバリー構成に拘束するように構成されている。取り外し可能な拘束体104は、デバイス106及び取り外し可能な拘束体104を拘束又はデリバリー構成に維持するために、デバイス106の周りに配置された1つ以上の繊維又はストランド108を含むことができる。
【0072】
取り外し可能な拘束体104は、デバイス104の長さに沿って配置される。取り外し可能な拘束体104はまた、デバイス106の周囲に配置され、デリバリーのためにデバイス106を実質的に覆うことができる。1つ以上のストランド108は、カテーテル102の管腔(図示せず)内に配置されることができ、カテーテル102の近位端に向かって延在することができ、これは、デバイス106のデリバリー中に患者の体外に配置されうる。1つ以上のストランド108は、取り外し可能な拘束体104を解放し、デバイス106を展開するために、使用者が引っ張ることができる近位端110を含むことができる。
【0073】
特定の例において、1つ以上又のストランド108は、インターロッキング部分(例えば、オーバーラッピング繊維又はニット)がデバイス106の長さに沿って順次に解放されるように解放する。以下に詳細に説明されるように、取り外し可能な拘束体104は、1つ以上のストランド108をデバイス106上で一緒にインターロックすることにより形成される。1つ以上のストランド108は、デバイス106を解放するためのニット列130、132を含む解放ゾーン124、126を形成することができる。デバイス106は、ステント、ステントグラフト、バルーン、人工弁、フィルタ、吻合デバイス、閉塞器又は同様のデバイスであることができる。
【0074】
図2は、1つの実施形態による、取り外し可能な拘束体104を含むデバイス106の側面図である。示されるように、デバイス106は、デリバリー直径D1と、デリバリー直径D1より大きい展開直径D2(図示せず)とを含む。取り外し可能な拘束体104は、デリバリー直径D1でデバイス106の周りに配置される。取り外し可能な拘束体104がデバイス106から取り外されるときに、デバイスは展開直径D2まで拡張する。展開直径D2はデリバリー直径D1よりも大きい。幾つかの実施形態において、展開直径D2は、拘束されていないときのデバイス106の直径である。他の実施形態において、展開直径D2は、デバイス106が標的部位にデリバリーされ、標的部位で管腔壁と係合したときのデバイス106の直径である。
【0075】
デバイス106は、例えば、約5mm~15mm、又は6mm~9mm、又は6mm~12mmの所望の展開直径D2と、展開直径D2より小さいデリバリー直径D1とを有することができる。例えば、幾つかの例において、デバイス106のデリバリー直径D1/デバイス106の展開直径D2(図示せず)の比は、約0.3未満、約0.29未満、約0.28未満、約0.27未満又は約0.26未満である。
【0076】
図1及び2に示されるように、取り外し可能な拘束体104は、経編の形態の少なくとも2つのインターロッキングストランド108を含む。例えば、取り外し可能な拘束体104は、第一のインターロッキングストランド112及び第二のインターロッキングストランド114を含むことができる。第一のインターロッキングストランド及び/又は第二のインターロッキングストランド112,114は、第一の展開ライン120として動作することができ、前記第一の展開ライン120は、第一の展開ライン120に加えられた展開力に応答して、取り外し可能な拘束体104を解放し、デバイス106をデリバリー直径D1から展開直径D2に解放するように構成されている。取り外し可能な拘束体104はまた、第三のインターロッキングストランド116及び/又は第四のインターロッキングストランド118を含むことができる。第三のインターロッキングストランド及び/又は第四のインターロッキングストランド116、118は、例えば、第二の展開ライン122として動作することができ、前記第二の展開ライン122は、第二の展開ライン122に加えられた展開力に応答して、取り外し可能な拘束体104を解放し、デバイス106をデリバリー直径D1から展開直径D1に解放するように構成されている。2、4、6、8又は任意の偶数のインターロッキングストランド又は任意の奇数のインターロッキングストランドを含む取り外し可能な拘束体を形成することは、本開示の範囲内である。1つの実施形態において、第一の展開ライン及び第二の展開ライン120、122は一緒に結合されて単一の展開セグメント121を形成する。幾つかの実施形態において、第一の展開ライン及び第二の展開ライン120、122又は単一の展開セグメント121は、1つ以上のストランド108の近位端110を含む。
【0077】
デバイス104は、デリバリー直径D1で半径方向力を有する。半径方向力は、一般に、デバイス104の展開中の任意の点で取り外し可能な拘束体102に作用するデバイス104によって引き起こされる力を指す。上記に論じられたように、インターロッキングストランド112、114は、展開ライン120に加えられる展開力によって取り外されるように適応されている。幾つかの例において、デバイス104のこの半径方向力/展開ライン120、122に加えられる展開力の比は、約500:1未満である。他の例において、デバイス104のこの半径方向力/展開ライン120、122に加えられる展開力の比は約475未満である。さらに、デバイス104のこの半径方向力/展開ライン120、122に加えられる展開力の比は、約450未満である。さらに、デバイス104のこの半径方向力/展開ライン120、122に加えられる展開力の比は、他の例において、約425未満である。さらに、半径方向力/展開力の比は、例えば、約10、20、30、40、50、100、200、300、400(又はその間の任意の数)~約500であることができ、約10、20、30、40、50、100、200、300、400(又はその間の任意の数)~約475であることができ、約10、20、30、40、50、100、200、300、400(又はその間の任意の数)~約450であることができ、又は約10、20、30、40、50、100、200、300、400(又はその間の任意の数)~約425であることができる。
【0078】
幾つかの実施形態において、インターロッキングストランド112、114、116、118を含む1つ以上のストランド108は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリエステル、ポリウレタン、ペルフルオロエラストマーなどのフルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、ウレタン、超高分子量ポリエチレン、アラミド繊維及びそれらの組み合わせを含む様々な材料から形成されうる。ストランド112、114、116、118のための他の実施形態は、超高分子量ポリエチレン繊維(例えば、Spectra(登録商標)、Dyneema Purity(登録商標)など)又はアラミド繊維(例えば、Technora(登録商標)など)などの高強度ポリマー繊維を含むことができる。一般に、上記の特性のいずれも、当業者に理解されるように、ASTM又は他の認められた測定技術及び基準を使用して評価することができる。
【0079】
様々なストランド112、114、116、118は、ストランドの厚さ、ストランドのデニール、ストランドの摩擦係数、ストランドの材料、ストランドの処理、ストランドのコーティング及びストランドの剛性などの特定の特性を有するように選択することができる。異なる直径と同様に、ストランド112、114、116、118に異なるストランド材料を使用すると、第一のインターロッキングストランドと第二のインターロッキングストランドストランド112、114、116、118との間の摩擦が増大し、デバイス104をデリバリー構成に維持するのに役立つことができる。様々なストランドのそれぞれは、取り外し可能な拘束体が使用される用途に基づいて、同じストランド特性又は異なるストランド特性を含むように選択することができる。ストランド112、114、116、118の特性は、材料の選択に加えて、処理、構成及び変性によっても変更できることが認識される。例えば、ストランドは、フィラー又はコア材料を含むことができ、適切なコーティング材料でコーティングすることを含む他の処理タイプの中でも、エッチング、蒸着又はコロナもしくは他のプラズマ処理によって表面処理することができる。
【0080】
さらに
図2を参照すると、取り外し可能な拘束体104は、第一の解放ゾーン124及び第二の解放ゾーン126を含むことができる。第一の解放ゾーン124は、取り外し可能な拘束体104の長手方向長さの少なくとも一部に沿って画定されうる。第二の解放ゾーン126は、取り外し可能な拘束体104の長手方向長さの少なくとも一部に沿って画定されうる。幾つかの実施形態において、第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーン124、126は、取り外し可能な拘束体の長手方向長さに沿って同一の広がりである。第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーン124、126は、取り外し可能な拘束体104の周囲又は外側寸法の周りで互いに対して離間されうる。幾つかの実施形態において、第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーン124、126は、取り外し可能な拘束体104の周囲又は外側寸法の周りで互いに離間されうる。他の実施形態において、第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーン124、126は、取り外し可能な拘束体104の第一の面上に配置される。1つの実施形態において、第一の解放ゾーン124は、取り外し可能な拘束体104の外側寸法又は周囲で第二の解放ゾーン126から離間し、それに近接し、また、取り外し可能な拘束体の長手方向長さに沿って第二の解放ゾーン126と同一の広がりである。1つの実施形態によれば、第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーン124、126は、取り外し可能な拘束体104の周囲の異なる位置に配置されうる。解放ゾーンは、周囲で、約10度~約180度、20度~約30度、約30度~約45度、約45度~約60度、約60度~約75度、約75度~約90度、約90度~約105度度、約105度~約120度、約120度~約135度、約135度~約145度、約145度~約160度、約160度~約180度だけ離間されうる。例えば、解放ゾーンは、互いに約180度離れて、互いに約90度離れて、互いに約60度離れて、又は、所望に応じて任意の他の距離で離間されうる。解放ゾーンは、取り外し可能な拘束体104の周囲にほぼ等間隔で配置され、又は、所望に応じてオフセットされうる。
【0081】
図2に見られるように、取り外し可能な拘束体104は、2つの解放ゾーン124、126を含むことができる。第一の解放ゾーン124は、第一のニット列130を含むことができる。第二の解放ゾーン126は、第二のニット列132を含むことができる。ニット列130、132は、上述の様々なストランド112、114、116、118のインターロッキングにより形成されうる。例えば、第一のニット列130は、第一のストランド及び第二のストランド112、114が織り合わされている取り外し可能な拘束体104の部分を含むことができる。第二のニット列132は、第三のストランド及び第四のストランド116、118が織り合わされている取り外し可能な拘束体104の部分を含むことができる。幾つかの実施形態において、第一のストランド、第二のストランド、第三のストランド及び第四のストランド112、114、116、118はすべて織り合わされて、取り外し可能な拘束体104を形成し、ここで、第一の解放ゾーン124は、第一のストランド及び第二のストランド112、114の部分で形成された第一のニット列130を含み、ここで、第一のストランド及び第二のストランド112、114は織り合わされ、そして第二の解放ゾーン126は、第三のストランド及び第四のストランド116、118が織り合わされている第二のストランド及び第三のストランド116、118の部分で形成された第二のニット列132を含む。取り外し可能な拘束体は、2つの解放ゾーンのみに限定されず、任意の数の解放ゾーンは実装されうることが理解され、前記解放ゾーンは、ストランドの第三のセットから形成される第三の解放ゾーン、スタンドの第四のセットから形成される第四の解放ゾーン、又はストランドの対応するセットから形成される任意の数の解放ゾーンを含む。
【0082】
取り外し可能な拘束体104は、デバイス106から取り外し可能な拘束体104を外すことによってデバイス106を展開するように構成された第一の展開ライン120及び第二の展開ライン122を含むことができる。これは、第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーン124、126のニット列130、132、そして結果的に、取り外し可能な拘束体104の本体の部分をほどくことにより行うことができる。1つの実施形態において、第一の展開ライン120は、第一のニット列130から延在し、第一のニット列130と係合して、その結果、第一の展開ライン120は、第一のニット列130の少なくとも第一の部分を外すか又はほどくように動作可能である。第一の展開ライン120は、第一のニット列130を含むストランドのそれぞれの部分を含むことができ、例えば、第一の展開ライン120は、第一のストランド及び第二のストランド112、114を含むことができる。同様に、第二の展開ライン122は、第二のニット列132から延在し、第二の展開ライン132と係合し、その結果、第二の展開ライン122は、第二のニット列132の少なくとも第一の部分を外し又はほどくように動作可能である。第二の展開ライン122は、第二のニット列132を含むストランドのそれぞれの部分を含むことができ、例えば、第二の展開ライン122は、第三のストランド及び第四のストランド116、118を含むことができる。ニット列130、132のそれぞれは、それぞれの展開ライン120、122が係合されているときに、順次にほどけるように動作可能である。
【0083】
1つの例を
図3に示し、ここで、第一のニット列130は、第一のニット131a、第二のニット131b、第三のニット131cなどを含むことができる。第一の展開ライン122は、第二の織り合わされたストランド114の部分とともに第一のニット列130を形成する第一の織り合わされたストランド112の延長部又は自由端であることができる。幾つかの実施形態において、第一の展開ラインは第一のストランド及び第二のストランド112、114のいずれかとともに一体形成されている。第一の展開ライン122が取り外し可能な拘束体104から離れて前進するように第一の展開ライン122が係合され又は引っ張られるときに、第一のニット131aはほどける。第一の展開ライン122が引き続き引っ張られ、取り外し可能な拘束体104から離れて前進すると、第二のニット131bはほどける。これは、第一のニット列130が部分的又は完全にほどけるまで起こる。第二のニット列132及びそのそれぞれのニット133a、133b、133cに関して同様のパターンが生じ、特徴が含まれることができる。幾つかの実施形態において、第一の展開ライン122は、第一のストランド及び第二のストランド112、114のニット部分を含むことができる。
【0084】
幾つかの実施形態において、織り合わされたストランド112、114、116、118は、第一のニット列及び第二のニット列130、132が実質的に同時に展開されて、ニット列130、132のほどきを促進し、より具体的には、取り外し可能な拘束体104のニット列130、132でストランドをほどくようなニットである。ストランド112、114、116、118はすべて織り合わされているので、第一のニット列又は第二のニット列130、132が他方のニット列とは異なる速度で前進又はほどかれるときに、他方のニット列を形成するストランドは、前のニット列の適切なほどきを妨害する。これは、他方のニット列が他方のニット列から展開ラインを解放するのに十分に前進するまで、一方のニット列で展開ラインを結合又は拘束することによって生じる。ストランド112、114、116、118のすべてが織り合わされることができるので、展開ライン120、122のこの拘束は、ニット列130、132のいずれかが他方に対して不釣り合いにほどかれるときに発生しうる。
【0085】
例えば、第一のニット131aがほどかれるように第一の展開ライン122が引っ張られ、そして第一の展開ライン122が引っ張られ続け、第二のニット列132の対応する第一のニット133aがほどかれていないならば、第二のニット列132のストランド116、118は、第二のニット131bのほどかれを妨害しうる。この例において、第一のニット列130の第一のストランド112は、第二のニット列132のストランド116、118と織り合わされ、その結果、第一のニット列130は、第一のストランド112及び/又は第二のストランド114が第二のニット列132の対応する第一のニット133aの解放又はほどけにより第二のニット列132のストランド116、118から解放されるまで前進することができない。しかしながら、第二のニット列132の対応する第一のニット133aがほどかれると、第一のストランド112及び/又は第二のストランド114は、対応する第一のニット133aから解放されることができ、その結果、第一の展開ライン122を横切る張力は第二のニット131bの展開を開始することができ、次いで、ほどかれる。第一のニット列130の対応するニットが展開されていないならば、第二の展開ライン124が第二のニット列132をほどくのを制限することができるように、逆も成り立つことに留意されたい。
【0086】
幾つかの実施形態において、第一のニット列及び第二のニット列130、132の対応するニットは、ニット列内の後続のニットが順次に展開される前に展開されなければならない。他の実施形態において、ストランド112、114、116、118は、他のニット列の対応するニットが展開されていないときに後続のニットが展開されうるように織り合わされる。さらに別の実施形態において、ストランド112、114、116、118は、対応するニット(例えば、対応する第一のニット133a)が展開されないときに、ニット列内の後続のニット(例えば、第二のニット131b)が展開することができるように織り合わされる。しかしながら、後続のニットに続くニット(例えば、第三のニット131c)は、対応するニットが展開されていないときに制限されうる。様々なストランドを織り合わせるパターンを変更して、ほどきを制限するためにニット列間の様々な相互作用を提供することができる。例えば、ニット列は、製織又は製編パターンに基づいて、他のニット列の対応する無傷のニットのほどきを超えて、2ニット、3ニット、4ニット又は5ニットで前進することができ又はほどかれることができる。ニット列がほどきの際に他のニット列を越えてどれだけ前進できるかを変えることによって、デバイス106をデリバリー及び展開するときの拘束力及び/又は展開の精度を変えることができる。
【0087】
幾つかの実施形態において、取り外し可能な拘束体104は2つのスリーブとして形成されうることが理解されうる。第一のスリーブは、第一のストランド及び第二のストランド112、114から形成されることができ、第二のスリーブは、第三のストランド及び第四のストランド116、118から形成されることができる。2つのスリーブ及びそれらのそれぞれのストランドは、それらが同軸であり、一方のスリーブが他方よりもさらに展開されるときに展開に抵抗することができるようにオーバーレイされそして絡み合わされ又は織り合わされることが理解されうる。しかしながら、スリーブの各々は、対応するスリーブの他のニット列から独立したニット列を形成する。これは、ニット列がスリーブのストランドから形成され、他のスリーブのストランドから形成されていないことを意味する。しかし、上述のように、対応するニット列は、他のスリーブの繊維を結合又は制限することによって取り外し可能な拘束体の実質的に同じ長さに沿って展開されないときに、他のニット列の展開を妨害又は制限することができる。
【0088】
ここで、
図4を参照すると、1つの実施形態により、取り外し可能な拘束体104(
図1~3)のインターロッキングストランドの概略図が提供されている。インターロッキングストランド(例えば、図示のとおりの第一のインターロッキングストランド及び第二のインターロッキングストランド112、114)は、一般に、互いに織り合わされて、少なくとも1つのニット列130を形成する。示されるように、ニット列130は、第一のインターロッキングストランド及び第二のインターロッキングストランド112、114から形成されるインターロッキングループから形成される。例えば、第一のニット131aは、第二のインターロッキングストランド114によって形成された第二のインターロッキングループ136と織り合わされた第一のインターロッキングストランド112のインターロッキングループ134から形成される。このインターロッキングされたループ状構成は、展開ラインに展開力を加えることにより、取り外し可能な拘束体104の解放を可能にする(ニット力を解放する)。
【0089】
ここで、取り外し可能な拘束体を作成及び使用する方法の議論に移ると、開示された取り外し可能な拘束体を備えたデバイスを展開する方法が提供される。上述のように、メディカルデバイスは、第一の拘束直径D1及び第二の拡張直径D2を含む様々な直径に拡張及び収縮できる拡張可能なデバイスを含むことができる。拡張可能なデバイスは、取り外し可能な拘束体によって拘束された構成に維持されることができ、取り外し可能な拘束体は、それぞれが複数のニットを有するニット列を含む第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーンを形成するために織り合わされた複数のストランドを含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの展開ラインは、解放ゾーンのそれぞれから延在している。
【0090】
メディカルデバイスを展開する方法は、デバイスを治療部位に静脈内でデリバリーすることを含むことができる。拡張可能なメディカルデバイスは、患者内に配置され、ここで、拡張可能なメディカルデバイスは、圧縮構成で取り外し可能な拘束体によって拘束されている。第一の解放ゾーンは、第一の解放ゾーンを作動させるように動作可能な第一の展開ラインを介して、拡張可能なメディカルデバイスから取り外し可能な拘束体を外すように構成されている。第二の解放ゾーンは、第二の解放ゾーンを作動させるように動作可能な第二の展開ラインを介して、拡張可能なメディカルデバイスから取り外し可能な拘束体を外すように構成されている。使用者は、第一の展開ライン及び第二の展開ラインの部分を、拡張可能なメディカルデバイスから離れた、すなわち静脈アクセス部位の外側に保持することができる。次いで、使用者は、第一の展開ライン及び第二の展開ラインに十分な力を加えて、第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーンを作動させることができる。第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーンが作動されると、メディカルデバイスは、取り外し可能な拘束体から解放され、患者の解剖学的構造内で展開することができる。したがって、解放ゾーンが作動されると、取り外し可能な拘束体は少なくとも部分的に脱構築され、拡張可能なデバイスは拘束直径から展開直径まで拡張することができる。
【0091】
幾つかの実施形態において、方法は、第一の展開ライン及び第二の展開ラインの自由端に十分な力を同時に加えること、又はそのような力を比較的に近い時間的順序で加えることを含む。上述のように、展開ゾーンのニットが対応するニットの解放又は展開を妨害するように、複数のストランドが織り合わされているときに、この工程は重要であることができる。展開ラインが作動されると、それらはデリバリー部位から離れるように移動されうる。複数のラインは、カテーテルを介して取り外されることができる。
【0092】
本開示は、拡張可能なメディカルデバイスを製造する方法にも関する。この方法は、拡張可能な部材を半径方向内向きに第一の圧縮直径まで圧縮することを含むことができる。第一の展開ライン及び第二の展開ラインを含む複数のストランドを織り合わせて、取り外し可能な拘束体を形成することができる。取り外し可能な拘束体は、上述のように、第一の展開ゾーン及び第二の展開ゾーンが2つのニット列から形成されるように織り合わされることができる。この方法は、第一の展開ラインの少なくとも一部が取り外し可能な拘束体から離れて延在するように、第一の展開ラインの第一の自由端を提供すること、及び、第二の展開ラインの少なくとも一部が取り外し可能な拘束体から離れて延在するように、第二の展開ラインの第二の自由端を提供することを含むことができる。第一の自由端及び第二の自由端は、実質的に同時に展開されるときに、取り外し可能な拘束体を脱構築するように動作可能であることができる。この方法はまた、第一の自由端と第二の自由端とを結合して、その結果、それらが単一の展開セグメントを形成することを含むことができる。
【0093】
製造方法はまた、ストランドが破断するように動作可能にするように、被覆部材を含むストランドのうちの少なくとも1つを弱化することを含むことができる。ストランドのうちの少なくとも1つが破断するときに、対応するニット列の展開が展開を開始する。したがって、幾つかの実施形態において、ニット列のそれぞれからのストランドの破断を容易にするために、ニット列のそれぞれからの1つのストランドを弱化させることができる。幾つかの実施形態において、弱化されたストランドは、ニット列の展開ラインを含む。他の実施形態において、弱化されていないストランドは、ニット列の展開ラインを含み、その結果、弱化されていないストランドが引っ張られたときに、弱化されていないストランドは無傷のままであり、弱化されたストランドは破断し、それがニット列の展開を開始する。最初の破断を提供するために、ニット列に最初に張力を加えることができる。次いで、ニット列のほどけのために、張力下でニット列がほどけるときにニット列の展開を継続するように、破断していない弱化されていないストランドに張力を加えることができる。ニット列は、ストランドの破断によってほどけ続け、これによりニット列がほどけ又は分離することができる。ストランドの弱化は、ストランドが引っ張りなどの所定の状況下で破断できるように、ストランドにスコアリング、切断、処理又は他の方法で傷つけることによって達成することができる。
【0094】
製造方法の一部として、被覆部材の展開は、ニット列のそれぞれから少なくとも1つのストランドを破断することによって開始されうる。被覆部材は、拡張可能な部材に対して所望の長さまで展開されうる。例えば、被覆部材は、拡張可能な部材よりも長い長さに編まれることができる。被覆部材は、展開が開始されるように作動されうる。被覆部材は、被覆部材が拡張可能な部材を取り囲み、拡張可能な部材の長手方向端部を超えて延在しない長さなど、被覆部材の所望の長さが達成されるまで、部分的に展開されうる。この時点で、メディカルデバイスが標的部位で展開する準備が整うまで、展開を中断することができる。被覆部材は、任意の所望の長さまで部分的に展開できることが理解される。次いで、拡張可能な部材を拘束している部分的に展開された被覆部材は、包装、使用、カテーテルへの設置、又は任意の他の所望の動作のために準備されうる。
【0095】
幾つかの実施形態において、この方法は、同時に、複数のストランドが拡張可能な部材の周りで織り合わされるときに複数のストランドが拡張可能な部材に圧縮力を提供するように拡張可能な部材を圧縮する工程で、拡張可能な部材を同時に圧縮する工程を実行することを含む。
【0096】
幾つかの実施形態において、被覆部材はマンドレル上で織られることができる。被覆部材が織られ、幾つかの実施形態では、部分的に展開されると、被覆部材はマンドレルから取り外され、半径方向に圧縮されたインプラント可能なメディカルデバイス上に適用されることができる。
【0097】
本出願の発明は、一般的に、そして特定の実施形態に関しての両方で、上記に記載されてきた。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変形及び変更を加えることができることが明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内にある限り、本発明の変形及び変更を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
第一の直径から第二の直径に向かって半径方向に拡張するように構成された拡張可能な部材、及び、
前記拡張可能な部材を前記第一の直径で拘束するように前記拡張可能な部材の周りに配置されたニット拘束部材、
を含み、
前記ニット拘束部材は、展開可能な部材から前記ニット拘束部材を外すように構成された第一の解放ゾーン、前記第一の解放ゾーンを作動させるように動作可能な第一の展開ライン、展開可能な部材から前記ニット拘束部材を外すように構成された第二の解放ゾーン、及び、第二の解放ゾーンを作動させるように動作可能な第二の展開ラインを有し、
前記拘束部材は、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに実質的に同時に張力をかけることによって、前記展開可能な部材から外すように構成されている、メディカルデバイス。
(態様2)
前記拘束部材は、前記第一の展開ラインを形成するように織り合わされた第一の本体ストランド及び第二の本体ストランド、及び、前記第二の展開ラインを形成するように織り合わされた第三の本体ストランド及び第四の本体ストランドを含む、態様1記載のメディカルデバイス。
(態様3)
前記第一の本体ストランド、前記第一の展開ライン、前記第二の本体ストランド及び前記第二の展開ラインはすべて織り合わされている、態様2記載のメディカルデバイス。
(態様4)
前記第一の本体ストランド、前記第一の展開ライン、前記第二の本体ストランド及び前記第二の展開ラインは経編である、態様3記載のメディカルデバイス。
(態様5)
前記第一の本体ストランド及び前記第一の展開ラインは、前記拘束部材の長手方向長さの少なくとも第一の部分に沿って第一の複数のニットを形成し、そして前記第二の本体ストランド及び前記第二の展開ラインは、前記拘束部材の長手方向長さの少なくとも第二の部分に沿って第二の複数のニットを形成する、態様2~4のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
(態様6)
前記第一の解放ゾーンは前記第一の複数のニットを含み、前記第二の解放ゾーンは前記第二の複数のニットを含む、態様5記載のメディカルデバイス。
(態様7)
第一の閾値張力が前記第一の展開ラインを横切って加えられるときに、前記第一の複数のニットは順次にほどかれ、そして第二の閾値張力が前記第二の展開ラインを横切って加えられるときに、前記第二の複数のニットは順次にほどかれる、態様6記載のメディカルデバイス。
(態様8)
前記第一の展開ラインは、前記第二の展開ライン及び前記第二の本体ストランドと織り合わされ、その結果、前記第一の複数のニットの対応するニットが前記第一の解放ゾーンから離れるように前記第一の展開ラインを前進させることによってほどかれるときに、前記第二の複数のニットはほどかれるように動作可能である、態様7記載のメディカルデバイス。
(態様9)
前記第二の展開ラインは、前記第一の展開ライン及び前記第一の本体ストランドと織り合わされ、その結果、前記第二の複数のニットの対応するニットが前記第二の解放ゾーンから離れるように前記第二の展開ラインを前進させることによってほどかれるときに、前記第一の複数のニットはほどかれるように動作可能である、態様7又は8記載のメディカルデバイス。
(態様10)
前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインはそれぞれ自由端を含み、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインの自由端は結合されて単一の展開セグメントを形成する、態様1~9のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
(態様11)
前記第一の解放ゾーン及び前記第二の解放ゾーンは、実質的に同時に展開するように構成されている、態様1~10のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
(態様12)
前記第一の展開ライン、前記第一の本体ストランド、前記第二の展開ライン及び前記第二の本体ストランドは延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、態様1~11のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
(態様13)
前記第一の解放ゾーン及び前記第二の解放ゾーンは、展開されていないときに、前記展開可能な部材の外向きの拡張に対する抵抗を提供するように構成されている、態様1~12のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
(態様14)
前記インプラント可能なメディカルデバイスは、前記展開可能な部材のデリバリー直径で半径方向力を有し、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインは、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに加えられる展開力で取り外されるように構成されており、前記半径方向力の前記展開力に対する比は、約100~約500である、態様1~13のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
(態様15)
前記展開可能な部材のデリバリー直径の展開直径に対する比は0.3未満である、態様1~14のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
(態様16)
展開可能な部材、及び、
経編の形態の複数のインターロッキングストランドを含む取り外し可能な拘束体、
を含む、拡張可能なメディカルデバイスであって、
前記取り外し可能な拘束体は、前記展開可能な部材に対して軸方向外側に配置され、半径方向に圧縮される向きで前記展開可能な部材を拘束し、
前記複数のインターロッキングストランドは、第一の展開ライン及び第二の展開ラインを含み、そして、
前記取り外し可能な拘束体は、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに力が加えられたときに遠隔的に取り外されるように構成されている、拡張可能なメディカルデバイス。
(態様17)
前記取り外し可能な拘束体は、第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーンを含む、態様16記載の拡張可能なメディカルデバイス。
(態様18)
前記第一の解放ゾーンは少なくとも部分的に前記第一の展開ラインから形成され、前記第二の解放ゾーンは少なくとも部分的に前記第二の展開ラインから形成される、態様17記載の拡張可能なメディカルデバイス。
(態様19)
前記第一の解放ゾーンは、張力が前記第一の展開ラインに加えられたときに順次にほどけるように構成されており、前記第二の解放ゾーンは、前記第二の展開ラインに張力が加えられたときに順次にほどけるように構成されている、態様18記載の拡張可能なメディカルデバイス。
(態様20)
前記取り外し可能な拘束体は、実質的に同時に前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインに力を加えることによって、前記展開可能な部材から取り外されるように構成されている、態様16~19のいずれか1項記載の拡張可能なメディカルデバイス。
(態様21)
拡張可能なメディカルデバイスを患者内に配置すること、ここで、前記拡張可能なメディカルデバイスは拘束部材によって圧縮構成に拘束され、前記拘束部材は、前記拡張可能なメディカルデバイスから前記拘束部材を外すように構成された第一の解放ゾーン、前記第一の解放ゾーンを作動させるように動作可能な第一の展開ライン、前記拡張可能なメディカルデバイスから前記拘束部材を外すように構成された第二の解放ゾーン、及び、前記第二の解放ゾーンを作動させるように動作可能な第二の展開ラインを含む、
前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインの近位部分を前記拡張可能なメディカルデバイスから離れて保持すること、及び、
前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインの近位部分に十分な力を加えて、前記第一の解放ゾーン及び前記第二の解放ゾーンを作動させること、
を含む、メディカルデバイスを展開する方法。
(態様22)
前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインの近位部分に十分な力を加える工程は、前記第一の展開ライン及び前記第二の展開ラインの近位部分に同時に十分な力を加えることを含む、態様21記載の方法。