(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】畳み込みニューラルネットワークによる凍結乾燥製剤における欠陥検出
(51)【国際特許分類】
G01N 21/90 20060101AFI20240419BHJP
G01N 21/88 20060101ALI20240419BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240419BHJP
G06V 10/82 20220101ALI20240419BHJP
【FI】
G01N21/90 B
G01N21/88 J
G06T7/00 610
G06T7/00 350C
G06V10/82
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023029259
(22)【出願日】2023-02-28
(62)【分割の表示】P 2021520557の分割
【原出願日】2019-10-16
【審査請求日】2023-03-29
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リー, ツェン
(72)【発明者】
【氏名】ツェイ, カルバン
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/187516(WO,A1)
【文献】特開平08-075671(JP,A)
【文献】特開2018-018537(JP,A)
【文献】特表2018-514852(JP,A)
【文献】特開平09-026948(JP,A)
【文献】特開2017-004142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G06T 7/00
G06V 10/82
G06N 3/00 - G06N 3/126
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬製品が充填された容器のクエリ画像の入力に対して、
致命的欠陥と非致命的欠陥とを含む複数の欠陥表示にそれぞれ対応す
る複数の信頼スコアを出力する、訓練済みの機械学習モデルを生成する方法であって、
前記致命的欠陥は少なくとも前記容器のガラス欠陥を含み、前記非致命的欠陥は少なくともフォギングを含み、前記方法は、
複数のカメラセンサを用いて、医薬製品が充填された容器の複数の訓練画像を取得することと、
前記複数の訓練画像の各々を、
前記複数の欠陥表示のうちの1つまたは複数の欠陥表示でラベル付けすることと、
コンピューティングシステムによって、異なるカメラセンサにより取得された訓練画像がそれぞれ異なる畳み込み層群に入力されるように、複数の畳み込み層群を含む畳み込みニューラルネットワークに前記複数の訓練画像を入力して、前記複数の訓練画像の特徴表現を生成することと
を含む方法。
【請求項2】
前記複数の訓練画像のうちの少なくとも1つの訓練画像が、複数の欠陥表示でラベル付けされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のカメラセンサのうちの少なくとも第1のカメラセンサおよび第2のカメラセンサが、それぞれ複数の訓練画像を取得し、
前記第1のカメラセンサにより取得された複数の訓練画像は、第1の畳み込み層群(1a,1b)に入力され、
前記第2のカメラセンサにより取得された複数の訓練画像は、前記第1の畳み込み層群(1a,1b)とは異なる第2の畳み込み層群(2a,2b)に入力される、
請求項1
または2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の訓練画像の前記特徴表現を生成することは、前記コンピューティングシステムによって、
前記第1の畳み込み層群(1a,1b)に、前記第1のカメラセンサにより取得された複数の訓練画像を入力して生成された特徴表現を、第1の特徴表現群として集約することと、
前記第2の畳み込み層群(2a,2b)に、前記第2のカメラセンサにより取得された複数の訓練画像を入力して生成された特徴表現を、第2の特徴表現群として集約することと、
前記第1の特徴表現群および前記第2の特徴表現群を、ベクトル化により統合することと
を含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の訓練画像は、同一の容器を複数の異なる角度からキャプチャした画像を含む、請求項1
から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の異なる角度は、互いに90°の間隔を有する4つの角度を含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法によって生成された訓練済みの機械学習モデルを用いて、医薬製品が充填された容器の欠陥を検出する方法であって、コンピューティングシステムによって、
それぞれが医薬製品が充填された容器を特定の角度からキャプチャした画像である、1つまたは複数のクエリ画像を受信することと、
前記訓練済みの機械学習モデルを用いて前記1つまたは複数のクエリ画像を処理することにより、前記医薬製品が充填された
前記容器に対して、
致命的欠陥と非致命的欠陥とを含む複数の欠陥表示にそれぞれ対応す
る複数の信頼スコアを計算すること
であって、前記致命的欠陥は少なくとも前記容器のガラス欠陥を含み、前記非致命的欠陥は少なくともフォギングを含む、複数の信頼スコアを計算することと、
前
記複数の信頼スコア
と複数の予め定義された閾値スコアとのそれぞれの比較に基づいて、前記医薬製品が充填された容器に対して、前
記複数の欠陥表示から
、1つまたは複数の欠陥表示を決定することと
を含む方法。
【請求項8】
複数の畳み込み層群を含む畳み込みニューラルネットワークに基づく訓練済みの機械学習モデルを用いて、医薬製品が充填された容器の欠陥を検出する方法であって、
複数のカメラセンサを用いて、医薬製品が充填された容器の、複数のクエリ画像を取得することと、
コンピューティングシステムによって、異なるカメラセンサにより取得されたクエリ画像がそれぞれ異なる畳み込み層群に入力されるように、前記複数のクエリ画像を前記訓練済みの機械学習モデルに入力することにより、前記医薬製品が充填された
前記容器に対して、
致命的欠陥と非致命的欠陥とを含む複数の欠陥表示にそれぞれ対応す
る複数の信頼スコアを計算すること
であって、前記致命的欠陥は少なくとも前記容器のガラス欠陥を含み、前記非致命的欠陥は少なくともフォギングを含む、複数の信頼スコアを計算することと、
前記コンピューティングシステムによって、前
記複数の信頼スコア
と複数の予め定義された閾値スコアとのそれぞれの比較に基づいて、前記医薬製品が充填された
前記容器に対して、前
記複数の欠陥表示から
、1つまたは複数の欠陥表示を決定することと
を含む方法。
【請求項9】
前記複数のクエリ画像は、同一の容器を複数の異なる角度からキャプチャした画像を含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の異なる角度は、互いに90°の間隔を有する4つの角度を含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記医薬製品が凍結乾燥製品である、請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記凍結乾燥製品が、1つまたは複数の製品属性に対応し、各製品属性が、物理的形状因子、色、透明レベル、粘度、または充填量である、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前
記複数の欠陥表示には、充填量欠陥、メルトバック、過度に収縮したケーキ、非凍結乾燥ケーキ、退色、過度の製品スプラッシュ、傾斜ケーキ、または収縮ケーキのうちの1つまたは複数が含まれる、請求項
11または12に記載の方法。
【請求項14】
医薬製品が充填された容器のクエリ画像の入力に対して、
致命的欠陥と非致命的欠陥とを含む複数の欠陥表示にそれぞれ対応す
る複数の信頼スコアを出力する、訓練済みの機械学習モデルを、コンピューティングシステムに生成させるためのプログラムであって、
前記致命的欠陥は少なくとも前記容器のガラス欠陥を含み、前記非致命的欠陥は少なくともフォギングを含み、前記プログラムは、前記コンピューティングシステムに、
複数のカメラセンサを用いて取得された、医薬製品が充填された容器の複数の訓練画像であって、それぞれが
前記複数の欠陥表示のうちの1つまたは複数の欠陥表示でラベル付けされた複数の訓練画像を、受信することと、
異なるカメラセンサにより取得された訓練画像がそれぞれ異なる畳み込み層群に入力されるように、複数の畳み込み層群を含む畳み込みニューラルネットワークに前記複数の訓練画像を入力して、前記複数の訓練画像の特徴表現を生成することと
を実行させるプログラム。
【請求項15】
前記複数の訓練画像のうちの少なくとも1つの訓練画像が、複数の欠陥表示でラベル付けされている、請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
コンピューティングシステムに、医薬製品が充填された容器の欠陥を検出させるためのプログラムであって、前記コンピューティングシステムに、
複数のカメラセンサを用いて取得された、医薬製品が充填された容器の複数のクエリ画像を受信することと、
異なるカメラセンサにより取得されたクエリ画像がそれぞれ異なる畳み込み層群に入力されるように、前記複数のクエリ画像を、複数の畳み込み層群を含む畳み込みニューラルネットワークに基づく訓練済みの機械学習モデルに入力することにより、前記医薬製品が充填された
前記容器に対して、
致命的欠陥と非致命的欠陥とを含む複数の欠陥表示にそれぞれ対応す
る複数の信頼スコアを計算すること
であって、前記致命的欠陥は少なくとも前記容器のガラス欠陥を含み、前記非致命的欠陥は少なくともフォギングを含む、複数の信頼スコアを計算することと、
前
記複数の信頼スコア
と複数の予め定義された閾値スコアとのそれぞれの比較に基づいて、前記医薬製品が充填された
前記容器に対して、前
記複数の欠陥表示から
、1つまたは複数の欠陥表示を決定することと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械学習アルゴリズム、例えば畳み込みニューラルネットワークを用いて、抗生物質を含む凍結乾燥タンパク質治療剤の欠陥を検出し、分類する検査システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質治療剤のグローバル市場は、2015年には213億ドルと評価され、2024年までに460億ドル超に成長すると予想されている。多くの場合、従来の小分子医薬よりも安定性が低いそのような技術がますます採用および開発されることで、取り扱い、保管、流通における課題が浮き彫りになってきている。安定性が限定されるタンパク質製剤は、多くの場合、凍結乾燥、つまりフリーズドライ処理されることで、保管そして流通中の分解と凝集が最低限に抑えられている。凍結乾燥の3つのステップは、凍結、一次乾燥、二次乾燥からなり、これら全体を通してタンパク質製品を取り囲む大部分の水分を除去する結果、固体ケーキ製品が得られる。物理的な包装(多くの場合ガラスバイアル)は、凍結乾燥タンパク質治療剤の安定性に重要な役割を果たしている。例えば、特別なバイアルストッパは、水蒸気を放出することができ、多くの場合、水分の放出を防ぐために乾燥されている。また、バイアルのガラスにより、棚とバイアルとの間の効率的な伝熱が可能になる。多くの場合、凍結乾燥タンパク質治療剤の包装は、製品を含むバイアルの蓋をクリンプすることで仕上げられ、一般的に、最終凍結乾燥タンパク質製品は目視で検査され、異物や包装欠陥がないことが保証される。
【0003】
これら検査の主な課題は、固体ケーキ中のコンタミナントを発見することである。液体製品はスピンされると、潜在するコンタミナントがその動きにより直ちに識別される一方、固体製品(例えば凍結乾燥タンパク質治療剤)中のコンタミナントは不動であり、目視で確認する必要がある。また、コンタミナントは一般に小さいため、手動検査では検出に一貫性を欠くことになる。他の包装欠陥、例えば不適当な製品充填レベル(例えば凍結乾燥タンパク質製品が過多であるか過小である)または乾燥凍結ケーキを外部水分にさらす可能性があるバイアルのクラックは、薬品の有効性と安全性に著しい影響を与えることもある。また、表面的欠陥、例えば軽度のガラスの打痕またはスクラッチも識別されることで、製造に関する潜在的な問題が突き止められる。一般に、様々な手動そして自動の検査技術が充填されたバイアルを検査するために用いられるが、比較的短時間内である必要があり、製剤へ衝撃を避けなければならない。
図1は、凍結乾燥タンパク質治療剤のバイアルの、人間による検査プロセス100の一例を示す。図に見られるように、プロセス100は、バイアルの洗浄、充填レベルのチェック、他の欠陥のチェック、欠陥をマーク、記録およびソート、そして検査完了の6つのステップを備えてよい。
図2は、凍結乾燥タンパク質治療剤のバイアルの、人間による検査のための、例示的な検査環境200を示す。手動そして自動の検査技術の両者は完全に目視プロセスであるため、バイアル上の「フォギング」の頻繁な発生は、バイアルのスクラッチ、またはクラックとさえ簡単に混同される場合がある。「フォギング」とは、凍結乾燥後、製品ケーキより上の位置のガラスバイアル上でしばしば観察することができる様々なパターンの白色霞である。従来、ガラスバイアルのフォギングは非致命とみなされているが、薬品の有効性という点では純粋に表面的な欠陥にすぎない、フォギングの頻繁な発生は、検査(手動または自動)に課題があるため、凍結乾燥製剤の製造を困難にする可能性がある。製造中にフォギングを完全に回避できる見込みはないと最近の研究が示しているため、理想的には、検査技術は高い精度でフォギングをガラス欠陥から区別すべきである。
【発明の概要】
【0004】
特定の実施形態の概要
本開示により、抗生物質を含む凍結乾燥タンパク質治療剤の欠陥検出を改善する検査システムおよび方法が提供される。
【0005】
特定の実施形態において、本開示の検査システムは、複雑な機械学習アルゴリズムを用いることにより、凍結乾燥製剤における欠陥検出を改善する。検査システムは、人工ニューラルネットワークを用いて、凍結乾燥製品バイアルの画像を分類できる機械学習モデルを訓練してよい。検査システムは、転移学習を用いて、機械学習モデルの訓練に必要なサンプル数を削減してよい。限定ではなく一例として、検査システムの開発は、ハーセプチン(トラスツズマブ)製剤の産業用サンプルを用いて行われてよい。検査システムは開発されると、検査対象のバイアルの画像を取得し、機械学習モデルを用いてバイアルを分類し、良好なバイアルは通過させる一方、欠陥バイアルをさらなる検査のために戻してよい。
【0006】
機械学習アルゴリズムを凍結乾燥製剤の検査に適用するという目的を達成するにあたり、いくつかの技術的課題が存在する。1つの技術的課題は、欠陥品を捉え損なうことが患者に重大な様々な影響を与える可能性があることから、非常に高い精度を達成することにある。さらなる技術的課題は、問題のないバイアルを欠陥があるバイアルとして分類すると追加検査、効率損失、コスト増加、潜在的遅延に至る可能性があることから、欠陥がないバイアルが精度高く識別されることを確実にすることにある。実際に、いくつかの市販されている自動検査システムにおいては、ガラス欠陥検出における偽陽性率が約80%であり、精度が非常に低い。本開示の実施形態により示される、上記課題を解決するための手段は、機械学習アルゴリズムの1つまたは複数の特定のアーキテクチャの使用であり、これにより、問題がないまたは欠陥があるバイアルの両方を高い分類精度が得られる。さらなる技術的課題は、バイオ医薬製品に関する欠陥率は0.01~1%の範囲であるという事実から、機械学習アルゴリズムを訓練するのに適した、欠陥バイアルサンプルが不足していることにある。このように小規模な代表的欠陥ライブラリは、検査訓練用に人工的に作成されると、非常にアンバランスなデータセットとなり、機械学習アルゴリズムには一般的に不適である。本開示の実施形態により示される、小規模な欠陥ライブラリの課題を解決するための手段は、機械学習アルゴリズムを訓練する際の転移学習の使用である。本開示は特定のシステムを介して特定の製品を特定の方法で検査することについて記載しているが、本開示は任意の好適なシステムを介して任意の好適な製品を任意の好適な方法で検査することを企図している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、バイアルの人間による検査プロセスの一例を示す。
【0008】
【
図2】
図2は、バイアルの人間による検査のための、例示的な検査環境を示す。
【0009】
【0010】
【
図4】
図4は、例示的な画像分類用畳み込みCNNアーキテクチャを示す。
【0011】
【
図5】
図5は、例示的な容器、例えばガラスバイアルであり、凍結乾燥タンパク質治療剤、例えば抗体を含んでいる容器を示す。
【0012】
【
図6】
図6は、2つのカメラステーションから取得される複数の入力画像を用いる、例示的な畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデルを示す。
【0013】
【
図7】
図7は、凍結乾燥タンパク質治療剤、ハーセプチン(トラスツズマブ)のバイアルの例示的な目標訓練画像を示す。
【0014】
【0015】
【
図9】
図9は、MNISTデータセットの例示的な画像を示す。
【0016】
【
図10】
図10は、ガラス上のフォギングと比較した、スクラッチを有するガラス欠陥の例を示す。
【0017】
【
図11】
図11は、ガラス欠陥の二値分類に用いられる例示的なCNNアーキテクチャを示す。
【0018】
【
図12】
図12は、ランダムな重みからガラス欠陥の二値分類について訓練された目標機械学習モデルの例示的な損失と精度を示す。
【0019】
【
図13】
図13は、ガラス欠陥の二値分類用CNNの活性化関数の例示的なビジュアライゼーションを示す。
【0020】
【
図14】
図14は、転移学習に基づいて分類層を訓練する場合の、ガラス欠陥の二値分類用目標機械学習モデルの例示的な精度レベルを示す。
【0021】
【
図15】
図15は、転移学習を用いた場合のガラス欠陥の二値分類用CNNの活性化関数の例示的なビジュアライゼーションを示す。
【0022】
【
図16】
図16は、多クラス分類について訓練された目標機械学習モデルの例示的な損失と精度を示す。
【0023】
【発明を実施するための形態】
【0024】
システムの概観
図3は、自動検査システム300の一例を示す。
図3において、医薬製品の容器はバイアルからなる。図に見られるように、検査システム300のワークフローは、バイアルの画像取得、コンピュータビジョンモデルを用いたバイアルの分類、その後、良好なバイアルは通過させる一方、欠陥バイアルはさらなる検査のために戻されてよい。画像取得中、検査システム300は、1つまたは複数の光学カメラセンサを用いて1つまたは複数のクエリ画像を取得してよい。1つまたは複数の光学カメラセンサは、医薬製品の容器に対して、1つまたは複数の角度から1つまたは複数のクエリ画像をそれぞれキャプチャしてよい。その場合、検査システム300は、医薬製品の容器に対応する1つまたは複数のクエリ画像を受信してよい。1つまたは複数のクエリ画像のそれぞれは、医薬製品の容器の特定の視点に基づいてよい。バイアル分類中、検査システム300は2つのステップを実行してよい。第一に、検査システム300は、目標機械学習モデルを用いて1つまたは複数のクエリ画像を処理することにより、医薬製品の容器に対して、1つまたは複数の欠陥表示にそれぞれ対応する1つまたは複数の信頼スコアを計算してよい。第二に、検査システム300は、1つまたは複数の信頼スコアと1つまたは複数の予め定義された閾値スコアとのそれぞれの比較に基づいて、医薬製品の容器に対して、1つまたは複数の欠陥表示から欠陥表示を決定してよい。
コンピュータビジョンモデル
【0025】
検査システム300におけるコンピュータビジョンモデルは、畳み込みニューラルネットワークに基づいてよい。畳み込みニューラルネットワークは、従来の人工ニューラルネットワーク(ANN)と比較して、画像分類にさらに適している。ANNは、複雑な非線形関数を一括して学習する単純なノード(人工ニューロン)から構成される。各ノードは、その入力の加重和を計算し、結果を非線形「活性化」関数、例えば正規化線形関数
に通す。ノードは、結合を共有しない層に群化されるため、同時計算可能である。全結合型ANNでは、層
の各ノードは、入力として前層
の全てのノードを含み、層の各ノードは、次層
の全てのノードへの入力となる。対照的に、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)では、各ノードは局所的にのみ結合され、局所的なモチーフのみを学習する。局所結合型設計が当然のことながら画像分類に適しているのは、画像中の局所ピクセル群は、多くの場合、高い相関を有し、容易に検出される示差的なモチーフを形成するからである。ノードは、入力画像の異なる部分における同一パターンを検出するために重みを共有し、離散畳み込みを効果的に実行するものであり、CNNの名称はそれに由来する。
【0026】
図4は、例示的な画像分類用畳み込みCNNアーキテクチャ400を示す。
図4に示されるように、畳み込みニューラルネットワーク(CNNs)は、人間による介入を最小限として、特定の分類タスク用の特徴量を自動生成してよい。その結果得られる特徴量は、一般に、人間により生成される特徴量よりも大幅に複雑であり、CNNに強力な分類性能をもたらす。CNNは、複数の畳み込み層が結合し、多層の画像特徴量が抽出される場合、さらに「深層」と称されてよい。一般的なCNNモデルアーキテクチャは、畳み込み層間にプーリング層を有する場合がある。プーリング層は、所定サイズの近傍のピクセルを群化することにより、前層の特徴表現を圧縮する。連結近傍は、関連ピクセルの最大値または平均値により示されてよい。モデル次元が削減されるものの、プーリング層は、意味論的に特徴を1つに統合し、検出性能を大幅に失うことなく各特徴の位置を粗く示す。一連の交互する畳み込み層(加重和および活性化関数)とプーリング層の後、抽出された特徴量を、画像分類用全結合型ANNサブモデルに通す。限定ではなく一例として、
図4に示される画像分類アーキテクチャ400は、特徴量を生成するための2つの畳み込み層と、分類のための全結合層とを有してよい。
【0027】
欠陥を検出するために従来の画像分類アーキテクチャ400を用いることが有効でない場合がある。その結果、1つの解決手段は、各製品バイアル400の複数の画像を用いて、考えうる全ての位置の欠陥を検出することである。自動検査装置は、一般に、複数のカメラステーションを用いて画像を撮影し、バイアルのヒール、本体、ショルダおよびネックを区別する。バイアルが回転している間、各カメラステーションにより多数の画像が取得される。上記従来の単一画像分類法を適用すると、欠陥バイアルと非欠陥バイアルの両方からこれら画像を取得することを伴う。その場合、各画像は訓練データとして使用するためにラベル付けされる必要がある。しかし、ラベルは、バイアルが欠陥を有するか否かに関係なく、特定の画像中に欠陥を見ることができるか否かに対応しているべきである。CNNの分類精度が高いレベルであるのは、手動による特徴量エンジニアリングがないことによるが、欠陥画像のラベル付けにおける人間のバイアスは準最適特徴量とモデル精度に伝播する可能性がある。限定ではなく一例として、2つの同様の画像に2つの異なるラベル(例えば特定の角度からわずかに観察できるスクラッチ)が付与され、モデリング工程において非常に微妙な手掛かりに基づいて2つの画像を区別することが試みられることがあるが、これは過剰適合に陥りやすいプロセスである。過剰適合問題を避けるため、本開示の実施形態では新規なCNNアーキテクチャを用いて、欠陥検出用コンピュータビジョンモデルを訓練する。詳細はモデル構造の節に記載される。
バイアルおよび欠陥
【0028】
特定の実施形態において、容器は1つまたは複数の材料からなってよい。1つまたは複数の材料は、ガラス、プラスチック、ワックス付き段ボール、生分解性材料、織物材料、結晶材料、任意の好適な材料、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数からなってよい。容器は、透明であってよいが、容器および/または医薬製品(例えば凍結乾燥タンパク質または抗体)における外観欠陥を検査システムが検出できるように、完全に透明である必要はない。容器は、キャップ、封止材、ストッパ、ネック、ショルダ、本体、または基部のうちの1つまたは複数を備えてよい。限定ではなく一例として、容器はバイアルからなってよい。
図5は、例示的な容器、例えばガラスバイアル500であり、凍結乾燥タンパク質治療剤、例えば抗体を含んでいる。
図5に示されるように、バイアル500は、キャップ、封止材、ストッパ、ネック、ショルダ、本体、および基部を備え、図示のように、任意選択で、凍結乾燥医薬製品が充填されている。
【0029】
バイアル500(薬瓶または小瓶としても知られる)は、小型ガラス器具またはプラスチック容器もしくはボトルであり、多くの場合、液体、粉末またはカプセルの薬剤を保管するために用いられる。また、これらは、例えば分析用クロマトグラフィにおけるオートサンプラ装置の、科学的なサンプル容器としても用いられてよい。バイアル形状を有するガラス容器は古典古代に遡り、現代のバイアル500は、多くの場合、プラスチック、例えばポリプロピレンからなる。様々なタイプのバイアル500が存在し、例えば、単回用量バイアル500、複数回用量バイアル550など多くの場合薬剤用に用いられる。単回用量バイアル500は1回切りの使用である一方、複数回用量バイアル500は2回以上使用することができる。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、複数回用量バイアル500に対して特定のガイドラインを定めている。バイアル500は管状であってよく、またはネックを有するボトル形状を有してよい。ネックにより定義される体積部はヘッドスペースとして知られている。
【0030】
現代のバイアル500は、多くの場合はプラスチック、場合によってはガラスからなる。多くの場合、医療用途または分子生物学用途で使用される少量の液体の保管用として用いられる。一般的に用いられる閉止システムにはいくつかの異なるタイプが存在する。ガラスバイアル500として、選択肢には、スクリューバイアル500(スクリューキャップまたはドロッパ/ピペットを用いて閉止)、リップバイアル500(コルクまたはプラスチックストッパを用いて閉止)、クリンプバイアル500(ゴムストッパと金属キャップを用いて閉止)が含まれる。プラスチック成形されてよいプラスチックバイアル500は、他の閉止システム、例えば押圧するとパチッと閉止する「ヒンジキャップ」を備えてよい。これらはフリップトップまたはスナップキャップと称される場合がある。バイアル500の底部は、通常丸底を有するテストチューブとは異なり、多くの場合平坦だが、このことは、小型ヒンジキャップバイアル500または小型スナップトップバイアル500にはしばしば当てはまらない。一般に研究所で用いられる小型ボトル状バイアル500は、ビジューボトルまたはマッカートニーボトルとしても知られている。ビジューボトルは、小型である傾向があり、多くの場合約10ミリリットルの容量を有する。
【0031】
特定の実施形態において、欠陥表示は、致命的欠陥、主要な欠陥、または軽微な欠陥のうちの1つまたは複数を含んでよい。1つまたは複数の予め定義された閾値スコアのそれぞれは、欠陥表示に対応する受け入れ品質限界に基づいて決定されてよい。限定ではなく一例として、致命的欠陥に対応する合格品質基準は0.1であってよく、これにより、欠陥が致命的欠陥であるか否かを決定するための特定の予め定義された閾値スコアを決定してよい。限定ではなく他の例として、主要な欠陥に対応する合格品質基準は0.4であってよく、これにより、欠陥が主要な欠陥であるか否かを決定するための他の特定の予め定義された閾値スコアを決定してよい。限定ではなく他の例として、軽微な欠陥に対応する合格品質基準は1.0であってよく、これにより、欠陥が軽微な欠陥であるか否かを決定するための他の特定の予め定義された閾値スコアを決定してよい。
【0032】
特定の実施形態において、検査システム300は、様々なタイプの欠陥それぞれに対応する様々な目標機械学習モデルそれぞれを訓練してよい。目標機械学習モデルは、二値分類モデルまたは多クラス分類モデルであってよい。限定ではなく一例として、検査システム300は、致命的欠陥を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよく、これは二値分類モデルであってよい。そのようなモデル用に、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、致命的欠陥および非致命的欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。限定ではなく他の例として、検査システム300は、主要な欠陥を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよく、これは二値分類モデルであってよい。そのようなモデル用に、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、主要な欠陥および非主要な欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。限定ではなく他の例として、検査システム300は、軽微な欠陥を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよく、これは二値分類モデルであってよい。そのようなモデル用に、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、軽微な欠陥および非軽微な欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。限定ではなく他の例として、検査システム300は、致命的欠陥、主要な欠陥、軽微な欠陥、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよい。目標機械学習モデルが2つのタイプの欠陥(例えば致命的欠陥か軽微な欠陥)から1つのタイプの欠陥を検出する場合、これは二値分類モデルであってよい。目標機械学習モデルが3つ以上のタイプの欠陥(例えば致命的欠陥、主要な欠陥、軽微な欠陥)から1つのタイプの欠陥を検出する場合、これは多クラス分類モデルであってよい。多クラス分類モデルとして、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、複数タイプの欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。
【0033】
特定の実施形態において、致命的欠陥は、ガラス欠陥、閉止欠陥、ストッパ欠陥、充填量欠陥、または致命粒子状物質のうちの1つまたは複数を含んでよい。ガラス欠陥は、破損、ネッククラック、フィニッシュチップ、または他のクラックのうちの1つまたは複数をさらに含んでよい。限定ではなく一例として、破損ガラス欠陥は、バイアル500表面が完全な破面であるか、または不連続面であることを示してよい。限定ではなく他の例として、ネッククラックは、バイアル500のネックのガラス壁面を貫通する屈折亀裂を示してよい。限定ではなく他の例として、フィニッシュチップは、バイアル500外部からバイアル500内部に延在する、フィニッシュにおけるチップであってよい。閉止欠陥は、シール欠落、非クリンプ、ストッパ露出(シール折り込み)、またはシールリムのうちの1つまたは複数をさらに含んでよい。限定ではなく一例として、非クリンプとは、シールは存在するがクリンプされていないか、バイアル500のリップ/エッジ周全体に沿って閉められているがバイアル500から完全に取り外すことができることを示してよい。限定ではなく他の例として、シールリムとは、著しく遊嵌したキャップになるシールリムの側面の深いカット/クラック、または何らかの目視可能なガラス破損が伴うシールリムの側面の深いカット/クラックを示してよい。充填量欠陥は、充填が明らかに範囲外であることを示す低充填を含んでよい。致命粒子状物質は、裸眼で目視可能な黒点、繊維、またはルーズガラスをさらに含んでよい。
【0034】
上記の様々なタイプの致命的欠陥に基づいて、検査システム300は、様々な目標機械学習モデルを訓練してよい。目標機械学習モデルは、二値分類モデルまたは多クラス分類モデルであってよい。限定ではなく一例として、検査システム300は、ガラス欠陥を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよく、これは二値分類モデルであってよい。そのようなモデル用に、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、ガラス欠陥および非ガラス欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。限定ではなく他の例として、検査システム300は、ストッパ欠陥を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよく、これは二値分類モデルであってよい。そのようなモデル用に、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、ストッパ欠陥および非ストッパ欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。限定ではなく他の例として、検査システム300は、破損ガラス欠陥を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよく、これは二値分類モデルであってよい。そのようなモデル用に、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、破損ガラス欠陥および非破損ガラス欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。限定ではなく他の例として、検査システム300は、ガラス欠陥、閉止欠陥、ストッパ欠陥、充填量欠陥、致命粒子状物質、ネッククラック、フィニッシュチップ、他のクラック、シール欠落、非クリンプ、ストッパ露出(シール折り込み)、シールリム、低充填、黒点、繊維、ルーズガラス、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよい。目標機械学習モデルが2つのタイプの欠陥(例えばガラス欠陥かストッパ欠陥)から1つのタイプの欠陥を検出する場合、これは二値分類モデルであってよい。目標機械学習モデルが3つ以上のタイプの欠陥(例えば閉止欠陥、充填量欠陥、致命粒子状物質)から1つのタイプの欠陥を検出する場合、これは多クラス分類モデルであってよい。多クラス分類モデルとして、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、複数タイプの欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。
【0035】
特定の実施形態において、主要な欠陥は、ガラス欠陥、閉止欠陥、または充填量欠陥のうちの1つまたは複数を含んでよい。ガラス欠陥は、気泡/膨れ、内部溶解/内部剥離、またはチップのうちの1つまたは複数をさらに含んでよい。限定ではなく一例として、気泡/膨れは、形成中に歪みがない限り通常は球形状である、1つまたは複数のガス状(埋没)異物(例えば1.5mm超)を含んでよい。気泡はガラス内に完全に収まっている場合がある一方、膨れはバイアル500内部面または外部面に露出している場合がある。限定ではなく他の例として、内部溶解/内部剥離とは、バイアル500内部面に付着しているガラス破片(例えばビードまたはストリング)を示してよい。限定ではなく他の例として、チップとは、欠陥がバイアル500外部とバイアル500内部との間に全延在していない(バイアル500内部を外部環境に露出させていない)、部分的または断片的な破損を有するバイアル500を示してよい。閉止欠陥は、キャップフリップオフ、部分的クリンプ、または重大シールリムのうちの1つまたは複数をさらに含んでよい。限定ではなく一例として、キャップフリップオフとは、キャップが欠落していること、つまりバイアル500から完全に分離していることを示してよい。限定ではなく他の例として、部分的クリンプとは、シールがスピンしてしまうか、遊嵌である不完全なクリンプを示してよい。限定ではなく他の例として、重大シールリムとは、著しく遊嵌したキャップにはならず、対応する目視可能なガラス破損がない、シールリムの側面の深いカット/クラックを示してよい。充填量欠陥は、空バイアル500を含んでよい。
【0036】
上記の様々なタイプの主要な欠陥に基づいて、検査システム300は、様々な目標機械学習モデルを訓練してよい。目標機械学習モデルは、二値分類モデルまたは多クラス分類モデルであってよい。限定ではなく一例として、検査システム300は、閉止欠陥を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよく、これは二値分類モデルであってよい。そのようなモデル用に、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、閉止欠陥および非閉止欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。限定ではなく他の例として、検査システム300は、充填量を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよく、これは二値分類モデルであってよい。そのようなモデル用に、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、充填量欠陥および非充填量欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。限定ではなく他の例として、検査システム300は、気泡/膨れを検出するために目標機械学習モデルを訓練してよく、これは二値分類モデルであってよい。そのようなモデル用に、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、気泡/膨れおよび非気泡/膨れとしてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。限定ではなく他の例として、検査システム300は、ガラス欠陥、閉止欠陥、充填量欠陥、気泡/膨れ、内部溶解/内部剥離、チップ、キャップフリップオフ、部分的クリンプ、重大シールリム、空バイアル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよい。目標機械学習モデルが2つのタイプの欠陥(例えばガラス欠陥か閉止欠陥)から1つのタイプの欠陥を検出する場合、これは二値分類モデルであってよい。目標機械学習モデルが3つ以上のタイプの欠陥(例えばガラス欠陥、閉止欠陥、充填量欠陥)から1つのタイプの欠陥を検出する場合、これは多クラス分類モデルであってよい。多クラス分類モデルとして、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、複数タイプの欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。
【0037】
特定の実施形態において、軽微な欠陥は、ガラス欠陥、閉止欠陥、またはストッパ欠陥のうちの1つまたは複数を含んでよい。ガラス欠陥は、打痕、スクラッチ/擦りきず、表面コンタミネーション(例えばバイアル500表面異物)、ストーン/異物、エアライン、チェック/ファイアチェック(例えばクリズリング)、変形、溶解/ヒールラベル/ラップ、気泡/膨れのうちの1つまたは複数をさらに含んでよい。限定ではなく一例として、表面コンタミネーションとは、バイアル500の表面外部上の不明な物質を示してよい。限定ではなく他の例として、ストーン/異物とは、部分的未溶融の原料、高炉耐火物、または結晶化ガラスであってよい、ガラスにおける1mm超の不透明または透明な異物を示してよい。限定ではなく他の例として、エアラインとは、幅が0.25mm超の縦線として現れる細長のガス状異物を示してよい。限定ではなく他の例として、チェック/ファイアチェックとは、ガラス表面の不連続、またはフィニッシュもしくはネックにおける縦方向のチェックを示してよい。限定ではなく他の例として、溶解/ヒールラベル/ラップとは、バイアル500外部面、フィニッシュ領域、ネック、ヒール、または底部に付着しているガラス破片、ストリング、折り込みまたはガラスのオーバーラップを示してよい。閉止欠陥は、ベント/デント欠陥、退色、シール/クリンプ外観欠陥(例えばシール上のストレスマーク)、または破損キャップのうちの1つまたは複数をさらに含んでよい。限定ではなく一例として、ベント/デント欠陥は、シールがその直線状態または平坦状態からベントまたは変形していることを示してよい。ストッパ欠陥は、変形/余分ゴム凹み欠陥、退色、または粒子状物質のうちの1つまたは複数をさらに含んでよい。限定ではなく一例として、変形/余分ゴム凹み欠陥とは、変形、または形が崩れた状態、例えば垂れ下がるはみ出し部を有するストッパを示してよい。限定ではなく他の例として、粒子状物質とは、ストッパが、3次元、突出、またはストッパ表面上に現れている埋没粒子を有していることを示してよい。
【0038】
上記の様々なタイプの軽微な欠陥に基づいて、検査システム300は、様々な目標機械学習モデルを訓練してよい。目標機械学習モデルは、二値分類モデルまたは多クラス分類モデルであってよい。限定ではなく一例として、検査システム300は、ガラス欠陥を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよく、これは二値分類モデルであってよい。そのようなモデル用に、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、ガラス欠陥および非ガラス欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。限定ではなく他の例として、検査システム300は、ストッパ欠陥を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよく、これは二値分類モデルであってよい。そのようなモデル用に、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、ストッパ欠陥および非ストッパ欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。限定ではなく他の例として、検査システム300は、打痕を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよく、これは二値分類モデルであってよい。そのようなモデル用に、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、打痕欠陥および非打痕欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。限定ではなく他の例として、検査システム300は、ガラス欠陥、閉止欠陥、ストッパ欠陥、打痕、スクラッチ/擦りきず、表面コンタミネーション、ストーン/異物、エアライン、チェック/ファイアチェック、変形、溶解/ヒールラベル/ラップ、気泡/膨れ、ベント/デント欠陥、退色、シール/クリンプ外観欠陥、破損キャップ、変形/余分ゴム凹み欠陥、退色、粒子状物質、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数を検出するために目標機械学習モデルを訓練してよい。目標機械学習モデルが2つのタイプの欠陥(例えば打痕か表面コンタミネーション)から1つのタイプの欠陥を検出する場合、これは二値分類モデルであってよい。目標機械学習モデルが3つ以上のタイプの欠陥(例えば気泡/膨れ、ベント/デント欠陥、退色)から1つのタイプの欠陥を検出する場合、これは多クラス分類モデルであってよい。多クラス分類モデルとして、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練するために、複数タイプの欠陥としてラベル付けされる訓練画像を用いてよい。
バイアル中の製剤例
【0039】
特定の実施形態において、医薬製品は、凍結乾燥製品を含んでよい。凍結乾燥製品は、1つまたは複数の製品属性に対応してよい。各製品属性は、物理的形状因子、色、透明レベル、粘度、または充填量であってよい。限定ではなく一例として、物理的形状因子は、ケーキ形状因子、粉末形状因子、濃縮液/シロップ形状因子、任意の好適な形状因子、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数を含んでよい。凍結乾燥製品の致命的欠陥は、ケーキ外観欠陥または充填量欠陥のうちの1つまたは複数を含んでよい。ケーキ外観欠陥は、メルトバック、過度に収縮したケーキ、非凍結乾燥ケーキ、または退色のうちの1つまたは複数をさらに含んでよい。限定ではなく一例として、メルトバックとは、製品ケーキが捕捉した水中に部分的に溶解し、バイアル500の底部中央に一般的に見られる中空ポケットに至ることを示してよい。限定ではなく他の例として、過度に収縮したケーキとは、ケーキが完全に溶解する場合があり、バイアル500の底部またはケーキ中に、粘性ゲル状(潜在的に粘性)またはガラス状材料を残すことを示してよい。充填量欠陥は、高充填または低充填のうちの1つまたは複数をさらに含んでよい。凍結乾燥製品の主要な欠陥には、過度の製品スプラッシュ、傾斜ケーキ、または収縮ケーキのうちの1つまたは複数が含まれる、ケーキ外観欠陥を含んでよい。限定ではなく一例として、過度の製品スプラッシュとは、製品が凍結乾燥前にストッパに飛散し、乾燥したことを示してよい。限定ではなく他の例として、傾斜ケーキとは、凍結乾燥中にバイアル500が傾けられた結果、傾斜したケーキ表面を示してよい。限定ではなく他の例として、収縮ケーキとは、バイアル500壁面から離間した典型的ではないケーキ形成を示してよい。凍結乾燥製品の軽微な欠陥には、横方向分裂ケーキ、破損ケーキ、または製品スプラッシュのうちの1つまたは複数が含まれる、ケーキ外観欠陥を含んでよい。限定ではなく一例として、横方向分裂ケーキとは、ケーキの上部がケーキの底部から分離/分裂していることを示してよい。限定ではなく他の例として、製品スプラッシュとは、バイアル500ネック(ガラスのみ)に飛散した製品が存在することを示してよい。
目標機械学習モデルの概観
【0040】
目標機械学習モデルは、欠陥を検出するために検査システム300により用いられてよい。目標機械学習モデルは、オフラインで訓練されてよい。限定ではなく一例として、目標機械学習モデルは、畳み込みニューラルネットワークに基づいてよい。ランタイム中、検査システムが医薬製品の容器に対応する1つまたは複数のクエリ画像を受信する場合、検査システムは、それらを目標機械学習モデルに送ってよい。目標機械学習モデルは、1つまたは複数のクエリ画像に対して、1つまたは複数の欠陥表示に対応する1つまたは複数の信頼スコアを計算してよい。計算は、以下のステップを含んでよい。第1ステップは、目標機械学習モデルを用いて1つまたは複数のクエリ画像を処理することにより、1つまたは複数のクエリ画像の1つまたは複数の特徴表現を生成することであってよい。第2ステップは、複数の目標訓練画像の特徴表現と複数の欠陥表示との間の関係、または1つまたは複数のクエリ画像の生成された1つまたは複数の特徴表現、のうちの1つまたは複数に基づいて、1つまたは複数の欠陥表示に対応する1つまたは複数の信頼スコアを計算することであってよい。さらに、目標機械学習モデルは、計算された信頼スコアを検査システム300に供給する。そのような信頼スコアに基づいて、検査システム300は、クエリ画像を予め定義された欠陥、例えばガラス欠陥に分類してよい。
モデル構造
上述のように、欠陥を検出するために従来のCNNアーキテクチャを用いることが有効でない場合がある。そのため、本開示の検査システム300は、医薬製品の各容器に対応する複数の入力画像に基づくCNNアーキテクチャを用いてよい。まず、検査システム300は、1つまたは複数の光学カメラセンサを用いて複数の目標訓練画像を取得してよい。1つまたは複数の光学カメラセンサは、選択された製品に対して、1つまたは複数の角度から1つまたは複数の画像をそれぞれキャプチャしてよい。そして、検査システム300は、複数の目標訓練画像を1つまたは複数の目標訓練画像群に分割してよい。1つまたは複数の目標訓練画像群は、1つまたは複数のカメラセンサにそれぞれ関連してよい。また、検査システム300は、それぞれのカメラセンサに対応する1つまたは複数の目標訓練画像群に対して、1つまたは複数の特徴表現群をそれぞれ生成してよい。言い換えれば、同一の特徴量は、同一のカメラから(異なる角度で)取得される画像に対して抽出されてよい。そして、検査システム300は、1つまたは複数の特徴表現群にそれぞれ基づいて、1つまたは複数のサブモデルを学習してよい。さらに、検査システム300は、1つまたは複数のサブモデルを統合して、目標機械学習モデルを生成してよい。特定の実施形態において、目標機械学習モデルは、複数の層を含む畳み込みニューラルネットワークに基づいてよい。このようにして、それぞれのカメラセンサに対応する1つまたは複数の目標訓練画像群に対して、1つまたは複数の特徴表現群をそれぞれ生成することは、以下のステップを含んでよい。まず、検査システム300は、複数の層を、1つまたは複数のカメラセンサにそれぞれ対応する1つまたは複数の層群に分割してよい。そして、検査システム300は、1つまたは複数の層群によって、それぞれのカメラセンサに対応する1つまたは複数の目標訓練画像群を処理してよい。
図6は、2つのカメラステーションから取得される複数の入力画像を用いる、例示的な畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデル600を示す。検査システム300は、各カメラに対して1つまたは複数の畳み込み層を含む、1つの共有畳み込みモデルを用いてよい。
図6に示されるように、第1カメラステーションからキャプチャされる画像は、第1畳み込み層群、例えば層1aと層1bにより処理されてよい。処理により、第1カメラステーションによりキャプチャされる画像に関する特徴表現を得てよく、さらに、特徴表現は集約される。第1畳み込み層群は、目標機械学習モデルの第1サブモデルのベースとなってよい。同様にして、第2カメラステーションによりキャプチャされる画像は、第2畳み込み層群を含む第2サブモデルにより処理される。処理により、第2カメラステーションによりキャプチャされる画像に関する特徴表現を得てよく、さらに、特徴表現は集約される。そして、それぞれのサブモデルから集約された特徴表現は、ベクトル化により統合される。最終的にベクトル化された特徴量に基づいて、分類モデル、つまり目標機械学習モデルは学習されてよい。
モデル訓練
【0041】
図7は、凍結乾燥タンパク質治療剤、ハーセプチン(トラスツズマブ)のバイアル500の例示的な目標訓練画像を示す。ハーセプチンは、代表的凍結乾燥製剤であってよい。凍結乾燥製品の一般的なバッチはわずか数タイプの欠陥しか有さないため、製造不良品から完全な欠陥ライブラリを構成するには数年かかる場合がある。欠陥を、例えばハーセプチンなどの医薬製品バイアル500に人工的に導入し、様々な重大度と各欠陥タイプの位置とを含む、代表的欠陥のライブラリを作成してよい。これは単純なタスクのようにみえるが、薬品欠陥の作成は、製剤ケーキが不安定であることから、非自明である。ガラス欠陥の場合、温度ショックによりバイアル500をクラックすると、凍結乾燥ケーキを溶解させてしまう場合があり、機械力によりバイアル500をクラックすると、外部水分にさらされることでケーキを収縮させてしまう場合がある。コンタミネーション欠陥の場合、新しいバイアル500はコンタミナントを含んで充填される必要があり、コンタミネーションは、得られる製品ケーキの表面上に目視可能でなければならない。
【0042】
上記課題のため、そしてバイオテクノロジー産業の製品は高価であることから、利用可能な欠陥製品バイアル500のサンプルは限られている。15ccハーセプチンバイアル500(150mg)は小型で、コストはそれぞれ約1500ドルであり、440mgハーセプチンバイアル500はそれぞれ4000ドル超かかる場合がある。全部で、ガラス欠陥(クラック、スクラッチ、打痕)を有する利用可能なバイアル500は57個で、コンタミネーション(粒子状物質または表面コンタミネーション)を有する利用可能なバイアル500は39個だった。また、96個の非欠陥バイアル500もデータセットに含めたため、半数が欠陥、半数は非欠陥の合計192個のバイアル500を得た。比較のため、バイアル500は、10人の人間の検査員により、通常の検査プロセスの一環として検査された。
【0043】
検査システム300は、1つまたは複数の光学カメラセンサを用いて複数の目標訓練画像を取得してよい。1つまたは複数の光学カメラセンサは、選択された製品に対して、1つまたは複数の角度から1つまたは複数の画像をそれぞれキャプチャしてよい。選択された製品が凍結乾燥製品の容器である場合、凍結乾燥製品は、目標訓練画像のうちの少なくとも1つにおいて、容器の内側に目視可能であってよい。
図8は、例示的な画像取得システム800を示す。限定ではなく一例として、画像取得システム800は、卓上のSEIDENADER V 90-Tを備えてよい。データセットの各バイアル500は、ギア駆動モータを用いてサンプルを回転させることにより、容器の手動外観検査を支援する、卓上のSEIDENADER V 90-T内に載置された。画像に基づく検査において欠陥に対してバイアル500全体を検査するために、画像は、様々な角度から取得されてよい。各バイアル500について、互いに90°の間隔を有する4枚の画像、28セットからなる、112枚の画像が撮影された。取得画像は製品バイアル400の周囲をトリミングし、460×160ピクセルの解像度に圧縮された。
【0044】
特定の実施形態において、モデルアーキテクチャは、オープンソースコードに基づいて作成されてよく、モデルは、オープンソースバックエンドを用いて訓練されてよい。CNNを訓練することは、機械が与えられた画像セットとそのラベルそれぞれから新しい画像を分類するためのルールの学習を試みる、教師あり機械学習の問題を示してよい。CNNモデルを訓練して、欠陥バイアル500の画像を正常バイアル500の画像から区別するために、アルゴリズムは、新しい画像のカテゴリを最も良好に予測可能なモデルを学習するという目標のもと、欠陥バイアル500の多数の画像と、正常バイアル500の多数の画像とを与えられてよい。「モデルを学習する」とは、所定の分類問題に対して、CNNに含まれる何100万もの重み/パラメータの値を計算することを示してよい。重み/パラメータは、畳み込み層および全結合層の重み/パラメータを含んでよい。目的関数、つまり損失関数は、訓練に関するモデル性能を定量化するものと定義されてよい。交差エントロピーは、分類の損失関数として選択されてよい。限定ではなく一例として、損失関数は
と表されてよい。
は、サンプル数を示してよい。
は、考えうるクラス数を示してよい。
は、サンプル
がクラス
に属するか否かを表す指示関数であってよい。
は、サンプル
がクラス
に属する予測確率であってよい。損失関数は、モデル誤差が増加するにつれて増加すると定義されてよく、勾配に基づく最適化アルゴリズムを、損失関数をイテレーションにより減少させるために用いてよい。各イテレーションにおいてモデル重みを適切に調整するために、アルゴリズムは、各モデル重みに対して損失関数の勾配を計算してよい。そして、重みベクトルは、アルゴリズムにより異なる方法で、勾配ベクトルの反対方向に調整されてよい。
【0045】
ANNとCNNの訓練は、確率的勾配降下法(SGD)に基づいてよい。主な原理は、わずか少数の例のみを用いて損失関数を計算すること、(誤差逆伝播法を用いて)対応する勾配を求めること、平均勾配に応じて重みを調整することを備えてよい。訓練データまたは特定のバッチの過剰適合を防ぐため、正則化を用いてよく、大きいニューロンの重みに罰則を科してよい。さらなる方法は、ある割合のノードが、訓練中、ニューラルネットワークからランダムに除外される、ドロップアウトを備えてよい。この除外により、大部分の分類性能が、少数のノードによって支配される代わりに、ノードの集約に起因するものであることが確実になってよい。テストデータと称されるデータのセットは、訓練サンプルとは分けられていることが重要である。最終モデルは、テストデータによりテストされてよく、学習済みモデルの汎化性能を測定してよい。
【0046】
上述のように、欠陥製品バイアル500の十分なサンプルを得ることは難しい。そのため、検査システム300は、訓練に必要な欠陥データの不足という課題に取り組むべく、転移学習を用いてよい。本開示のように、補助機械学習モデルに基づく目標機械学習モデルの訓練は、転移学習と称されてよい。一般的な深層CNNは、その第1層において、ガボールフィルタそしてカラーブロブと類似する特徴量を学習できる。これらのような、低レベル特徴量は、多くのデータセットおよびタスクに適用可能な一般の特徴量である傾向があるが、それとは対照的に、高レベル特徴量は、その訓練済みタスクに極めて特有である傾向がある。この性質に基づいて、良好な汎化性能を有するCNNを訓練するのに必要なデータセットのサイズを、転移学習を用いて著しく小さくしてよい。転移学習は、第1/補助データセットおよびタスクに対して「ベース」/「補助」CNNを訓練し、学習済み特徴量を第2「目標」データセット/タスクに転移することを示す。この工程は、著しくさらに大きなベース/補助データセットを用いて過剰適合することなく、目標データセットに対して大規模なCNNを訓練することを可能にすることが証明されている。また、転移学習により、ベース/補助データセットと目標データセットが極めて非類似の場合でさえも、モデル汎化性能が(ランダムな初期化と比較して)大幅に向上したことが先行研究により報告されている。
【0047】
特定の実施形態において、検査システム300は、ベース/補助CNNを訓練し、最終
からの学習済み重みを、目標CNNの最初の
として用いることにより、転移学習を用いてよい。そして、標準的な最適化工程を適用して、ランダムな初期化から開始して、目標ネットワークの残りの層を学習してよい。学習工程中、転移済み層の重みは、定数または「フリーズ」に固定されてよい。限定ではなく一例として、
図4のモデルは、異なるタスクから学習された畳み込みモデルを用いて訓練されてよく、その結果、訓練対象は分類モデルのみになっていてよい。高レベル特徴量の訓練後、全てのモデルパラメータはさらに改善されてよく、これはファインチューニングとして知られるプロセスである。
【0048】
補助機械学習モデルは、複数の補助訓練画像と、複数の補助訓練画像にそれぞれ対応する複数のコンテンツカテゴリとを備える複数の補助訓練サンプルに基づいて訓練されてよい。複数の補助訓練画像に対応する複数のコンテンツカテゴリは、複数の目標訓練画像に対応する複数の欠陥表示と一致しなくてよい。限定ではなく一例として、複数のコンテンツカテゴリは、複数の手書き数字を含んでよい。例えば、同一モデルアーキテクチャを有するベース/補助機械学習モデルは、MNISTデータセットに対して訓練されてよい。MNISTデータセットは、10クラスに属する70,000個の手書き数字を含むパブリックデータセットである。
図9は、MNISTデータセット900の例示的な画像を示す。
図9に見られるように、MNISTデータセットにおける数字の分類は、凍結乾燥製品バイアル500を分類する目標タスクとは非常に異なるものである。
【0049】
要約すると、検査システム300は、転移学習に基づいて目標機械学習モデルを訓練するために、以下のプロセスを用いてよい。まず、検査システム300は、複数の目標訓練サンプルにアクセスしてよい。目標訓練サンプルは、医薬製品の容器に対応する複数の目標訓練画像と、複数の目標訓練画像にそれぞれ対応する複数の欠陥表示とを備えてよい。そして、検査システム300は、目標訓練サンプルに基づいて複数の補助訓練サンプルを選択してよい。補助訓練サンプルは、複数の補助訓練画像と、複数の補助訓練画像にそれぞれ対応する複数のコンテンツカテゴリとを備えてよい。そして、検査システム300は、目標機械学習モデルを訓練してよい。訓練することは、複数の補助訓練サンプルに基づいて補助機械学習モデルを訓練することと、補助機械学習モデルに基づいて複数の目標訓練画像の特徴表現を生成することと、生成された特徴表現と複数の欠陥表示とに基づいて複数の目標訓練画像の特徴表現と複数の欠陥表示との間の関係を学習することとを備えてよい。
ガラス欠陥検査例
【0050】
検査システム300の性能を二値分類タスクによりテストし、小規模の目標訓練データセットを用いた場合でさえも高い精度でガラス欠陥を検出するCNNの性能を調べた。
図10は、ガラス上のフォギングと比較した、スクラッチを有するガラス欠陥の例を示す。
図10に示されるように、左3つのバイアル500はスクラッチを有し、スクラッチは円で囲まれている。比較のため、右2つのバイアル500はガラス上にフォギングを有し、フォギングは円で囲まれている。スクラッチは検出が難しいことを比較は示しており、自動検査におけるエラーの大部分の原因となる場合がある。限定ではなく一例として、グラス上にフォギングが存在する場合、他の自動検出方法では、最大90%の誤拒否率が生じることがある。データは4枚の画像毎のサンプルに分割され、それに対して、複数の入力によりCNNが訓練された。
図11は、ガラス欠陥の二値分類に用いられる例示的なCNNアーキテクチャ1100を示す。
図11に示されるように、4枚の入力画像であってよく、互いに90°の間隔を有する、バイアル500の4枚の画像が示されている。目標機械学習モデルは、1,834,417個の訓練可能なパラメータを含んでよい。訓練データとして用いられる(4枚の画像それぞれの)サンプルが2550個と、検証データとして用いられるサンプルが300個あった。検証データからのサンプルは、目標訓練データセットには存在しない製品バイアル500から取得されており、これにより、モデル汎化性能をより良好にテストできる。交差エントロピーは、損失関数として選択され、確率的勾配降下法は、バッチサイズ30でCNNを訓練するために用いられた。L1ノルム正則化項とL2ノルム正則化項の両方が、重み0.001で含まれた。
【0051】
図12は、ランダムな重みからガラス欠陥の二値分類について訓練された目標機械学習モデルの例示的な損失と精度を示す。
図12に示されるように、モデル訓練時に求められた損失と精度は、40エポックに対応するものである。
図12は、損失が目標訓練データおよび検証データの両方についてスムースに減少することを示し、充分なハイパーパラメータが最適化工程用に選択されることを示唆している。しかし、両者間の精度レベルは非常に異なっている。特に、検証データ分類の精度では、83%あたりでプラトーが発生している一方、目標訓練データの精度は約95%まで増加している。2つの精度レベルの差は、モデルが目標訓練データを過剰適合しており、新しいデータに汎化可能ではないことを示している可能性がある。
【0052】
図13は、ガラス欠陥の二値分類用CNNの活性化関数の例示的なビジュアライゼーションを示す。各ノードの活性化関数の出力をプロットすると、ノードがその学習済み特徴量を求めた、サンプル画像における位置が明らかになる場合がある。その結果、そのようなプロットにより、各ノードの学習済み特徴量の推論が可能になる場合がある。
図13に示されるのは、学習済みモデルの16個の第1層ノードの活性化関数(上図)と、32個の第2層ノード(下図)である。
図13に見られるように、ノードが一度も活性化されていない、いくつかの著しい「デッド」ノードが存在する。これは、確率的勾配降下法を用いてCNNを訓練する際の一般的な現象であり、最大50%のノードがデッド状態である可能性があることが先行研究により示唆されている。特定の実施形態において、大部分の特徴量抽出がほんの2、3個のノードで行われてよく、大部分の他のノードは、画像を未処理のまま単に通過させてよい。このことは、特に、大部分のノード出力が原画像と略同一である、第1層ノード(
図13の上図)において明らかである。
【0053】
図14は、転移学習に基づいて分類層を訓練する場合の、ガラス欠陥の二値分類用目標機械学習モデルの例示的な精度レベルを示す。転移学習は、MNISTデータセットに基づく。MNISTデータセットに関する訓練から学習された3つの畳み込み層がフリーズされ、全結合分類層が訓練された。正則化重みは用いられず、同じ最適化アルゴリズムおよびバッチサイズが用いられた。精度レベルは25エポックに対応するものである。
図14に見られるように、低レベル特徴量がMNISTデータセットから学習されたものであるにもかかわらず、目標訓練データの精度は比較的変わらない。このことは、低レベル特徴量が一般的であり、非常に異なるタスクに対して良好な分類器を学習するためになお用いることができることを示している場合がある。また、検証データに関する分類精度は、転移学習の場合に非常に高くなり、モデルがより良好に汎化可能であることを示している。
【0054】
図15は、転移学習を用いた場合のガラス欠陥の二値分類用CNNの活性化関数の例示的なビジュアライゼーションを示す。特に、左部は、転移学習を用いて学習されたCNNの第1層ノードを示し、右部は、転移学習を用いて学習されたCNNの第2層ノードを示す。
図15に見られるように、新しいCNNの方は「デッド」ノードが少なく、第2層にはデッドノードが1つもない。多数のノードが同一入力画像を単に出力する前モデルと比較して、より多くの特徴量が抽出されることが顕著である。MNISTデータセットに対して学習され、目標タスクに適用される層は、キャニーエッジ検出器を連想させてよく、他の標準的な画像処理技術を連想させてよい。そのような基本的な画像モチーフは、全ての画像に対して一般的であってよく、このことがおそらくモデル汎化能力の向上の主な理由である可能性がある。
【0055】
図16は、多クラス分類について訓練された目標機械学習モデルの例示的な損失と精度を示す。同一の目標機械学習モデルが、3つのクラスに分割されたデータセットに対して、多クラス分類について訓練された。3つのクラスは、非欠陥、ガラス欠陥、コンタミネーションを含む。35エポックの分類層の訓練の精度レベルが、
図16の左図に示されている。損失が
図16の右図に示されている。訓練データに関する損失は減少し、プラトーに到達し、その後急激に再び減少していることが見られる。この振る舞いは、ニューラルネットワークモデルのパラメータを回帰分析するために用いられた確率論的方法に起因する場合がある。訓練精度および損失関数は、検証データに関するモデル性能を反映しない。検証損失は、約6エポック後に減少が止まり(約60%精度)、その点の後、モデルは訓練データに過剰適合されている。このことは、新しいデータに汎化可能な3クラスモデルを適合させるためには、著しくより多くの訓練データが必要であることを示唆している可能性がある。
【0056】
目標機械学習モデルの性能は、拒否率によりさらに検証される。実験によると、拒否率は、分類における閾値設定によって変化する。より具体的には、二値分類の結果は、0~1のガラス欠陥レンジの確率となる。よって、閾値は排除率と拒否率との間のバランスをとるために用いられてよい。ここでの結果に基づくと、実際の欠陥率は0.02%~0.2%の間で変化すると仮定すると、拒否率は8%未満である、元々の数字(約80%)と比較すると、目標機械学習モデルにより著しく改善されている。
システムおよび方法
【0057】
図17は、例示的なコンピュータシステム1700を示す。特定の実施形態において、1つまたは複数のコンピュータシステム1700は、本開示に記載または図示の1つまたは複数の方法の1つまたは複数のステップを実行する。特定の実施形態において、1つまたは複数のコンピュータシステム1700は、本明細書に記載または図面に示される機能を提供する。特定の実施形態において、1つまたは複数のコンピュータシステム1700で動作するソフトウェアは、本開示に記載または図示の1つまたは複数の方法の1つまたは複数のステップを実行するか、本明細書に記載または図面に示される機能を提供する。特定の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータシステム1700の1つまたは複数の部分を含む。本開示において、コンピュータシステムの参照は、計算装置を含み、適宜、その逆も然りである。また、コンピュータシステムの参照は、適宜、1つまたは複数のコンピュータシステムを含む。
【0058】
本開示は、任意の好適な数のコンピュータシステム1700を企図している。本開示は、任意の好適な物理的形態を有するコンピュータシステム1700を企図している。限定ではなく一例として、コンピュータシステム1700は、組み込みコンピュータシステム、システムオンチップ(SOC)、シングルボードコンピュータシステム(SBC)(例えばコンピュータオンモジュール(COM)またはシステムオンモジュール(SOM))、デスクトップ型コンピュータシステム、ラップトップ型またはノートブック型コンピュータシステム、インタラクティブキオスク、メインフレーム、コンピュータシステムのメッシュ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、サーバ、タブレット型コンピュータシステム、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせであってよい。適宜、コンピュータシステム1700は、1つまたは複数のコンピュータシステム1700を含んでよく、中央集権型または分散型であってよく、複数の場所にまたがってよく、複数のマシンにまたがってよく、複数のデータセンタにまたがってよく、1つまたは複数のネットワーク内の1つまたは複数のクラウド構成部分を含んでよいクラウドに常駐していてもよい。適宜、1つまたは複数のコンピュータシステム1700は、本開示に記載または図示の1つまたは複数の方法の1つまたは複数のステップを、実質的な空間的制約または時間的制約なしで実行できる。限定ではなく一例として、1つまたは複数のコンピュータシステム1700は、本開示に記載または図示の1つまたは複数の方法の1つまたは複数のステップをリアルタイムでまたはバッチモードで実行してよい。1つまたは複数のコンピュータシステム1700は、適宜、本開示に記載または図示の1つまたは複数の方法の1つまたは複数のステップを様々な時点、または様々な場所で実行してよい。
【0059】
特定の実施形態において、コンピュータシステム1700は、プロセッサ1702、メモリ1704、ストレージ1706、入出力(I/O)インタフェース1708、通信インタフェース1710、およびバス1712を含む。本開示は、特定の構成において特定数の特定の構成部分を有する特定のコンピュータシステムを記載し、図示しているが、本開示は、任意の好適な構成における任意の好適な数の任意の好適な構成部分を有する任意の好適なコンピュータシステムを企図している。
【0060】
特定の実施形態において、プロセッサ1702は、命令を実行するためのハードウェア、例えばコンピュータプログラムを構成するハードウェアを含む。限定ではなく一例として、命令を実行するために、プロセッサ1702は、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ1704、またはストレージ1706から命令を取り出し(またはフェッチし)、それらをデコードし、かつ実行し、そして、1つまたは複数の結果を内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ1704,またはストレージ1706に書き込んでよい。特定の実施形態において、プロセッサ1702は、データ、命令、またはアドレスのための1つまたは複数の内部キャッシュを含んでよい。本開示は、適宜、任意の好適な数の任意の好適な内部キャッシュを含むプロセッサ1702を企図している。限定ではなく一例として、プロセッサ1702は、1つまたは複数の命令キャッシュ、1つまたは複数のデータキャッシュ、1つまたは複数のトランスレーションルックアサイドバッファ(TLB)を含んでよい。命令キャッシュにおける命令は、メモリ1704またはストレージ1706における命令のコピーであってよく、命令キャッシュはプロセッサ1702によるこれら命令の取り出しを高速化できる。データキャッシュ内のデータは、プロセッサ1702で実行する命令に関する、メモリ1704またはストレージ1706における、プロセッサが処理するデータのコピー、プロセッサ1702で実行する後続する命令によるアクセスに関する、または、メモリ1704もしくはストレージ1706への書き込みに関する、プロセッサ1702で実行される先行する命令の結果、または他の好適なデータであってよい。データキャッシュは、プロセッサ1702による読み出しまたは書き込み動作を高速化できる。TLBは、プロセッサ1702に関する仮想アドレス変換を高速化できる。特定の実施形態において、プロセッサ1702は、データ、命令、またはアドレスに関する1つまたは複数の内部レジスタを含んでよい。本開示は、適宜、任意の好適な数の任意の好適な内部レジスタを含むプロセッサ1702を企図している。適宜、プロセッサ1702は、1つまたは複数の論理演算装置(ALU)を含んでよく、マルチコアプロセッサであってよく、または、1つまたは複数のプロセッサ1702を含んでよい。本開示は、特定のプロセッサを記載し、図示しているが、本開示は、任意の好適なプロセッサを企図している。
【0061】
特定の実施形態において、メモリ1704は、プロセッサ1702が実行する命令、またはプロセッサ1702が処理するデータを記憶するメインメモリを含む。限定ではなく一例として、コンピュータシステム1700は、ストレージ1706、または他のソース(例えば別のコンピュータシステム1700)からメモリ1704に命令をロードしてよい。そして、プロセッサ1702は、メモリ1704から内部レジスタまたは内部キャッシュに命令をロードしてよい。命令を実行するために、プロセッサ1702は、内部レジスタまたは内部キャッシュから命令を取り出し、それをデコードしてよい。命令の実行中、または実行後、プロセッサ1702は、(中間結果または最終結果であってよい)1つまたは複数の結果を内部レジスタまたは内部キャッシュに書き込んでよい。そして、プロセッサ1702は、これら結果のうちの1つまたは複数をメモリ1704に書き込んでよい。特定の実施形態において、プロセッサ1702は、(ストレージ1706または他の場所ではなく)1つまたは複数の内部レジスタ内または内部キャッシュ内、またはメモリ1704内の命令のみを実行し、(ストレージ1706または他の場所ではなく)1つまたは複数の内部レジスタ内または内部キャッシュ内、またはメモリ1704内のデータのみを処理する。(アドレスバスおよびデータバスをそれぞれが含んでよい)1つまたは複数のメモリバスは、プロセッサ1702をメモリ1704に接続してよい。バス1712は、以下に説明するように、1つまたは複数のメモリバスを含んでよい。特定の実施形態において、1つまたは複数のメモリ管理ユニット(MMU)はプロセッサ1702とメモリ1704との間に常駐し、プロセッサ1702によって要求されるメモリ1704へのアクセスを容易にする。特定の実施形態において、メモリ1704はランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。このRAMは、適宜、揮発性メモリであってよい。適宜、このRAMは、ダイナミックRAM(DRAM)またはスタティックRAM(SRAM)であってよい。また、適宜、このRAMはシングルポートのRAMまたはマルチポートのRAMであってよい。本開示は、任意の好適なRAMを企図している。メモリ1704は、適宜、1つまたは複数のメモリ1704を含んでよい。本開示は、特定のメモリを記載し、図示しているが、本開示は、任意の好適なメモリを企図している。
【0062】
特定の実施形態において、ストレージ1706は、データまたは命令のためのマスストレージを含む。限定ではなく一例として、ストレージ1706は、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、もしくはユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせであってよい。ストレージ1706は、適宜、取り外し可能媒体または取り外し不可能(もしくは固定)媒体を含んでよい。ストレージ1706は、適宜、コンピュータシステム1700の内部または外部であってよい。特定の実施形態において、ストレージ1706は、不揮発性ソリッドステートメモリである。特定の実施形態において、ストレージ1706は、リードオンリーメモリ(ROM)を含む。適宜、このROMは、マスクプログラムされたROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、電気的可変ROM(EAROM)、もしくはフラッシュメモリ、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせであってよい。本開示は、任意の好適な物理的形態を有するマスストレージ1706を企図している。ストレージ1706は、適宜、プロセッサ1702とストレージ1706との間の通信を容易にする、1つまたは複数のストレージ制御ユニットを含んでよい。適宜、ストレージ1706は、1つまたは複数のストレージ1706を含んでよい。本開示は、特定のストレージを記載し、図示しているが、本開示は、任意の好適なストレージを企図している。
【0063】
特定の実施形態において、I/Oインタフェース1708は、コンピュータシステム1700と、1つまたは複数のI/O装置との間の通信のための1つまたは複数のインタフェースを提供する、ハードウェア、ソフトウェア、またはその両方を含む。コンピュータシステム1700は、適宜、これらI/O装置のうちの1つまたは複数を含んでよい。これらI/O装置のうちの1つまたは複数は、人間とコンピュータシステム1700との間の通信を可能にしてよい。限定ではなく一例として、I/O装置は、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、モニタ、マウス、プリンタ、スキャナ、スピーカ、スチルカメラ、スタイラス、タブレット、タッチスクリーン、トラックボール、ビデオカメラ、他の好適なI/O装置、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせを含んでよい。I/O装置は、1つまたは複数のセンサを含んでよい。本開示は、任意の好適なI/O装置、およびそれらのための任意の好適なI/Oインタフェース1708を企図している。適宜、I/Oインタフェース1708は、プロセッサ1702がこれらI/O装置のうちの1つまたは複数を駆動することを可能にする、1つまたは複数のデバイスドライバまたはソフトウェアドライバを含んでよい。I/Oインタフェース1708は、適宜、1つまたは複数のI/Oインタフェース1708を含んでよい。本開示は、特定のI/Oインタフェースを記載し、図示しているが、本開示は、任意の好適なI/Oインタフェースを企図している。
【0064】
特定の実施形態において、通信インタフェース1710は、コンピュータシステム1700と、1つまたは複数の他のコンピュータシステム1700または1つまたは複数のネットワークとの間の通信(例えばパケットベースの通信)用の1つまたは複数のインタフェースを提供する、ハードウェア、ソフトウェア、またはその両方を含む。限定ではなく一例として、通信インタフェース1710は、イーサネットまたは他のワイヤベースのネットワークと通信するための、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)またはネットワークアダプタか、無線ネットワーク、例えばWI-FIネットワークと通信するための、ワイヤレスNIC(WNIC)またはワイヤレスアダプタを含んでよい。本開示は、任意の好適なネットワーク、およびそのための任意の好適な通信インタフェース1710を企図している。限定ではなく一例として、コンピュータシステム1700は、アドホックネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、または、インターネットの1つもしくは複数の部分、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせと通信してよい。これらネットワークのうちの1つまたは複数の部分は、有線または無線であってよい。一例として、コンピュータシステム1700は、ワイヤレスPAN(WPAN)(例えばBluetooth WPAN)、WI-FIネットワーク、WI-MAXネットワーク、携帯電話ネットワーク(例えばGSM(Global System for Mobile Communications)ネットワーク)、または、他の好適なワイヤレスネットワーク、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせと通信してよい。コンピュータシステム1700は、適宜、これらネットワークのいずれかに関する、任意の好適な通信インタフェース1710を含んでよい。通信インタフェース1710は、適宜、1つまたは複数の通信インタフェース1710を含んでよい。本開示は、特定の通信インタフェースを記載し、図示しているが、本開示は、任意の好適な通信インタフェースを企図している。
【0065】
特定の実施形態において、バス1712は、コンピュータシステム1700の構成部分を互いに接続するハードウェア、ソフトウェア、またはその両方を含む。限定ではなく一例として、バス1712は、アクセラレーテッドグラフィックスポート(AGP)または他のグラフィクスバス、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA)バス、フロントサイドバス(FSB)、ハイパートランスポート(HT)相互接続、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、インフィニバンド相互接続、ローピンカウント(LPC)バス、メモリバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、周辺機器相互接続(PCI)バス、PCIエクスプレス(PCIe)バス、シリアルアドバンストテクノロジーアタッチメント(SATA)バス、ビデオエレクトロニクススタンダーズアソシエーションローカル(VLB)バス、または、他の好適なバス、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせを含んでよい。バス1712は、適宜、1つまたは複数のバス1712を含んでよい。本開示は、特定のバスを記載し、図示しているが、本開示は、任意の好適なバスまたは相互接続を企図している。
【0066】
本開示において、1つまたは複数のコンピュータ可読非一時的記憶媒体は、適宜、1つまたは複数の半導体ベースまたは他の集積回路(IC)(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC))、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピーディスク、フロッピーディスクドライブ(FDD)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタルカード、セキュアデジタルドライブ、または、他の好適なコンピュータ可読非一時的記憶媒体、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせを含んでよい。コンピュータ可読非一時的記憶媒体は、適宜、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組み合わせであってよい。
雑記
【0067】
本開示において、「または」とは、別途明記されていないか別途文脈で示されていない限り、排他的ではなく包含的である。よって、本開示において、「AまたはB」は、別途明記されていないか別途文脈で示されていない限り、「A、B、またはその両方」を意味する。また、「および」は、別途明記されていないか別途文脈で示されていない限り、結合的および個別的の両方である。よって、本開示において、「AおよびB」は、別途明記されていないか別途文脈で示されていない限り、「結合的または個別的にAおよびB」を意味する。
【0068】
本開示の範囲は、当業者が理解する、本開示に記載または図示される例示的な実施形態に対する全ての変更、置換、変形、改変、および修正を包含する。本開示の範囲は、本開示に記載または図示される例示的な実施形態に限定されない。また、本開示は、特定の構成部分、要素、特徴、機能、動作、またはステップを含む、本開示のそれぞれの実施形態を記載し、図示しているが、これら実施形態のいずれも、当業者が理解する、本開示の別所に記載または図示される構成部分、要素、特徴、機能、動作、またはステップのいずれの任意の組み合わせまたは置換を含んでよい。さらに、添付の特許請求の範囲における、特定の機能を実施するように適合されている、構成されている、能力を有する、設定されている、実施可能である、動作可能であるか、作用する、装置またはシステム、または装置もしくはシステムの構成部分の参照は、それまたはその特定の機能が有効化されているか、作動されているか、または開放されているか否かにかかわらず、その装置、システム、または構成部分がそのように適合されている、構成されている、能力を有する、設定されている、実施可能である、動作可能であるか、作用する限り、その装置、システム、構成部分を包含する。また、本開示は、特定の有利な点を提供する特定の実施形態を記載または図示しているが、特定の実施形態はこれら有利な点のうちのいくつか、または全てを提供してよく、またはそれらを提供するものでなくてもよい。
さらに、本開示は、以下の条項に係る実施形態を含む。
[条項1]
コンピューティングシステムによって、
医薬製品の容器に対応する1つまたは複数のクエリ画像を受信することであって、前記1つまたは複数のクエリ画像のそれぞれが、前記医薬製品の前記容器の特定の角度に基づく、受信することと、
前記医薬製品の前記容器に対して、目標機械学習モデルを用いて前記1つまたは複数のクエリ画像を処理することにより、1つまたは複数の欠陥表示にそれぞれ対応する1つまたは複数の信頼スコアを計算することと、
前記医薬製品の前記容器に対して、前記1つまたは複数の信頼スコアと1つまたは複数の予め定義された閾値スコアとのそれぞれの比較に基づいて、前記1つまたは複数の欠陥表示から欠陥表示を決定することと、を含む、方法。
[条項2]
前記1つまたは複数のクエリ画像に対して、前記1つまたは複数の欠陥表示に対応する前記1つまたは複数の信頼スコアを計算することが、
前記目標機械学習モデルを用いて、前記1つまたは複数のクエリ画像を処理することにより、前記1つまたは複数のクエリ画像の1つまたは複数の特徴表現を生成することと、
前記1つまたは複数の欠陥表示に対応する前記1つまたは複数の信頼スコアを、
前記複数の目標訓練画像の前記特徴表現と前記複数の欠陥表示との間の関係、または、
前記1つまたは複数のクエリ画像の前記生成された1つまたは複数の特徴表現、
のうちの1つまたは複数に基づいて計算することと、
を含む、条項1に記載の方法。
[条項3]
1つまたは複数の光学カメラセンサを用いて、前記1つまたは複数のクエリ画像を取得することであって、前記1つまたは複数の光学カメラセンサが、前記医薬製品の前記容器に対して、1つまたは複数の角度から、前記1つまたは複数のクエリ画像をそれぞれキャプチャすることをさらに含む、条項1または2に記載の方法。
[条項4]
前記容器が、キャップ、封止材、ストッパ、ネック、ショルダ、本体、または基部のうちの1つまたは複数を含む、条項1~3のいずれか1項に記載の方法。
[条項5]
前記医薬製品には、凍結乾燥製品が含まれる、条項1~4のいずれか1項に記載の方法。
[条項6]
前記凍結乾燥製品が、1つまたは複数の製品属性に対応し、各製品属性が、物理的形状因子、色、透明レベル、粘度、または充填量である、条項5に記載の方法。
[条項7]
前記欠陥表示には、致命的欠陥、主要な欠陥、または軽微な欠陥のうちの1つまたは複数が含まれる、条項1~6のいずれか1項に記載の方法。
[条項8]
前記医薬製品には、凍結乾燥製品が含まれ、前記致命的欠陥には、ケーキ外観欠陥または充填量欠陥のうちの1つまたは複数が含まれる、条項7に記載の方法。
[条項9]
前記ケーキ外観欠陥には、メルトバック、過度に収縮したケーキ、非凍結乾燥ケーキ、または退色のうちの1つまたは複数が含まれる、条項8に記載の方法。
[条項10]
前記医薬製品には、凍結乾燥製品が含まれ、前記主要な欠陥には、ケーキ外観欠陥が含まれ、前記ケーキ外観欠陥には、過度の製品スプラッシュ、傾斜ケーキ、または収縮ケーキのうちの1つまたは複数が含まれる、条項7に記載の方法。
[条項11]
前記目標機械学習モデルが、畳み込みニューラルネットワークに基づく、条項1~10のいずれか1項に記載の方法。
[条項12]
前記1つまたは複数の予め定義された閾値スコアのそれぞれが、前記欠陥表示に対応する受け入れ品質限界に基づいて決定される、条項1~11のいずれか1項に記載の方法。
[条項13]
複数の目標訓練サンプルにアクセスすることであって、前記目標訓練サンプルには、前記医薬製品の容器に対応する複数の目標訓練画像、および前記複数の目標訓練画像にそれぞれ対応する複数の欠陥表示が含まれている、アクセスすることと、
前記目標訓練サンプルに基づいて複数の補助訓練サンプルを選択することであって、前記補助訓練サンプルには、複数の補助訓練画像、および前記複数の補助訓練画像にそれぞれ対応する複数のコンテンツカテゴリが含まれている、選択することと、
前記目標機械学習モデルを訓練することであって、前記訓練することには、
前記複数の補助訓練サンプルに基づいて、補助機械学習モデルを訓練すること、
前記補助機械学習モデルに基づいて、前記複数の目標訓練画像の特徴表現を生成すること、および
生成された前記特徴表現および前記複数の欠陥表示に基づいて、前記複数の目標訓練画像の前記特徴表現と前記複数の欠陥表示との関係を学習することが含まれる、訓練することと、をさらに含む、条項1~12のいずれか1項に記載の方法。
[条項14]
前記医薬製品には、凍結乾燥製品が含まれ、前記凍結乾燥製品が、前記目標訓練画像のうちの少なくとも1つにおいて、前記容器の内側に見える、条項13に記載の方法。
[条項15]
1つまたは複数の光学カメラセンサを用いて前記複数の目標訓練画像を取得することであって、前記1つまたは複数の光学カメラセンサが、選択された製品に対して、1つまたは複数の角度から、1つまたは複数の画像をそれぞれキャプチャする、取得することをさらに含む、条項13または14に記載の方法。
[条項16]
前記複数の目標訓練画像を1つまたは複数の目標訓練画像群に分割することであって、前記1つまたは複数の目標訓練画像群が、前記1つまたは複数のカメラセンサにそれぞれ対応する、分割することをさらに含む、条項15に記載の方法。
[条項17]
前記目標機械学習モデルを訓練することには、
前記それぞれのカメラセンサにそれぞれ対応する前記1つまたは複数の目標訓練画像群に対して、1つまたは複数の特徴表現群を生成することと、
前記1つまたは複数の特徴表現群にそれぞれ基づいて、1つまたは複数のサブモデルを学習することと、
前記1つまたは複数のサブモデルを統合して、前記目標機械学習モデルを生成することと、がさらに含まれる、条項16に記載の方法。
[条項18]
前記目標機械学習モデルが、複数の層を含む畳み込みニューラルネットワークに基づき、前記それぞれのカメラセンサにそれぞれ対応する前記1つまたは複数の目標訓練画像群に対して、前記1つまたは複数の特徴表現群を生成することには、
前記複数の層を、前記1つまたは複数のカメラセンサにそれぞれ対応する1つまたは複数の層群に分割することと、
前記1つまたは複数の層群によって、前記それぞれのカメラセンサに対応する前記1つまたは複数の目標訓練画像群を処理することと、が含まれる、条項17に記載の方法。
[条項19]
前記複数のコンテンツカテゴリには、複数の手書き数字が含まれる、条項13~18のいずれか1項に記載の方法。
[条項20]
前記複数の補助訓練画像に対応する前記複数のコンテンツカテゴリが、前記複数の目標訓練画像に対応する前記複数の欠陥表示と一致しない、条項13~19のいずれか1項に記載の方法。
[条項21]
ソフトウェアを実装した1つまたは複数のコンピュータ可読非一時的記憶媒体であって、前記ソフトウェアが、実行されると、
医薬製品の容器に対応する1つまたは複数のクエリ画像を受信することであって、前記1つまたは複数のクエリ画像のそれぞれが、前記医薬製品の前記容器の特定の視点に基づく、受信することと、
前記医薬製品の前記容器に対して、目標機械学習モデルを用いて前記1つまたは複数のクエリ画像を処理することにより、1つまたは複数の欠陥表示にそれぞれ対応する1つまたは複数の信頼スコアを計算することと、
前記医薬製品の前記容器に対して、前記1つまたは複数の信頼スコアと1つまたは複数の予め定義された閾値スコアとのそれぞれの比較に基づいて、前記1つまたは複数の欠陥表示から欠陥表示を決定することと、を行うように動作可能である、1つまたは複数のコンピュータ可読非一時的記憶媒体。
[条項22]
前記1つまたは複数のクエリ画像に対して、前記1つまたは複数の欠陥表示に対応する前記1つまたは複数の信頼スコアを計算することには、
前記目標機械学習モデルを用いて前記1つまたは複数のクエリ画像を処理することにより、前記1つまたは複数のクエリ画像の1つまたは複数の特徴表現を生成することと、
前記1つまたは複数の欠陥表示に対応する前記1つまたは複数の信頼スコアを、
前記複数の目標訓練画像の前記特徴表現と前記複数の欠陥表示との関係、または、
前記1つまたは複数のクエリ画像の生成された前記1つまたは複数の特徴表現、
のうちの1つまたは複数に基づいて計算することと、
が含まれる、条項21に記載の媒体。
[条項23]
前記ソフトウェアが、実行されると、
1つまたは複数の光学カメラセンサを用いて前記1つまたは複数のクエリ画像を取得することであって、前記1つまたは複数の光学カメラセンサが、前記医薬製品の前記容器に対して、1つまたは複数の角度から、前記1つまたは複数のクエリ画像をそれぞれキャプチャすることを行うように、さらに動作可能である、条項21または22に記載の媒体。
[条項24]
前記容器が、キャップ、封止材、ストッパ、ネック、ショルダ、本体、または基部のうちの1つまたは複数を含む、条項21~23のいずれか1項に記載の媒体。
[条項25]
前記医薬製品には、凍結乾燥製品が含まれる、条項21~24のいずれか1項に記載の媒体。
[条項26]
前記凍結乾燥製品が、1つまたは複数の製品属性に対応し、各製品属性が、物理的形状因子、色、透明レベル、粘度、または充填量である、条項25に記載の媒体。
[条項27]
前記欠陥表示には、致命的欠陥、主要な欠陥、または軽微な欠陥のうちの1つまたは複数が含まれる、条項21~26のいずれか1項に記載の媒体。
[条項28]
前記医薬製品には、凍結乾燥製品が含まれ、前記致命的欠陥には、ケーキ外観欠陥または充填量欠陥のうちの1つまたは複数が含まれる、条項27に記載の媒体。
[条項29]
前記ケーキ外観欠陥には、メルトバック、過度に収縮したケーキ、非凍結乾燥ケーキ、または退色のうちの1つまたは複数が含まれる、条項28に記載の媒体。
[条項30]
前記医薬製品には、凍結乾燥製品が含まれ、前記主要な欠陥には、ケーキ外観欠陥が含まれ、前記ケーキ外観欠陥には、過度の製品スプラッシュ、傾斜ケーキ、または収縮ケーキのうちの1つまたは複数が含まれる、条項27に記載の媒体。
[条項31]
前記目標機械学習モデルが、畳み込みニューラルネットワークに基づく、条項21~30のいずれか1項に記載の媒体。
[条項32]
前記1つまたは複数の予め定義された閾値スコアのそれぞれが、前記欠陥表示に対応する受け入れ品質限界に基づいて決定される、条項21~31のいずれか1項に記載の媒体。
[条項33]
前記ソフトウェアが、実行されると、
複数の目標訓練サンプルにアクセスすることであって、前記目標訓練サンプルには、前記医薬製品の容器に対応する複数の目標訓練画像、および前記複数の目標訓練画像にそれぞれ対応する複数の欠陥表示が含まれる、アクセスすることと、
前記目標訓練サンプルに基づいて複数の補助訓練サンプルを選択することであって、前記補助訓練サンプルには、複数の補助訓練画像、および前記複数の補助訓練画像にそれぞれ対応する複数のコンテンツカテゴリが含まれる、選択することと、
前記目標機械学習モデルを訓練することであって、前記訓練することには、
前記複数の補助訓練サンプルに基づいて補助機械学習モデルを訓練すること、
前記補助機械学習モデルに基づいて、前記複数の目標訓練画像の特徴表現を生成すること、および
生成された前記特徴表現と前記複数の欠陥表示とに基づいて、前記複数の目標訓練画像の前記特徴表現と前記複数の欠陥表示との関係を学習することが含まれる、訓練することと、を行うように、さらに動作可能である、条項21~32のいずれか1項に記載の媒体。
[条項34]
前記医薬製品には、凍結乾燥製品が含まれ、前記凍結乾燥製品が、前記目標訓練画像のうちの少なくとも1つにおいて、前記容器の内側に見える、条項33に記載の媒体。
[条項35]
前記ソフトウェアが、実行されると、
1つまたは複数の光学カメラセンサを用いて前記複数の目標訓練画像を取得することであって、前記1つまたは複数の光学カメラセンサが、選択された製品に対して、1つまたは複数の角度から、1つまたは複数の画像をそれぞれキャプチャすることを行うようにさらに動作可能である、条項33または34に記載の媒体。
[条項36]
前記ソフトウェアが、実行されると、
前記複数の目標訓練画像を1つまたは複数の目標訓練画像群に分割することであって、前記1つまたは複数の目標訓練画像群が、前記1つまたは複数のカメラセンサにそれぞれ対応する、分割することを行うようにさらに動作可能である、条項35に記載の媒体。
[条項37]
前記目標機械学習モデルを訓練することが、
前記それぞれのカメラセンサにそれぞれ対応する1つまたは複数の目標訓練画像群に対して、1つまたは複数の特徴表現群を生成することと、
前記1つまたは複数の特徴表現群にそれぞれ基づいて、1つまたは複数のサブモデルを学習することと、
前記1つまたは複数のサブモデルを統合して、前記目標機械学習モデルを生成することと、をさらに含む、条項36に記載の媒体。
[条項38]
前記目標機械学習モデルが、複数の層を含む畳み込みニューラルネットワークに基づいており、前記それぞれのカメラセンサにそれぞれ対応する1つまたは複数の目標訓練画像群に対して、1つまたは複数の特徴表現群を生成することが、
前記複数の層を、前記1つまたは複数のカメラセンサにそれぞれ対応する1つまたは複数の層群に分割することと、
前記それぞれのカメラセンサに対応する前記1つまたは複数の目標訓練画像群を、前記1つまたは複数の層群によって処理することと、を含む、条項37に記載の媒体。
[条項39]
前記複数のコンテンツカテゴリには、複数の手書き数字が含まれる、条項33~38のいずれか1項に記載の媒体。
[条項40]
前記複数の補助訓練画像に対応する前記複数のコンテンツカテゴリが、前記複数の目標訓練画像に対応する前記複数の欠陥表示と一致しない、条項33~39のいずれか1項に記載の媒体。
[条項41]
各カメラは異なる画角に対応する、1つまたは複数のカメラと;
1つまたは複数のセンサと;
1つまたは複数のライトと;
1つまたは複数のトレイと;
1つまたは複数の高さ制御部と;
1つまたは複数のプロセッサと;
前記プロセッサに結合された非一時的メモリであって、前記プロセッサによって実行可能な命令を含み、前記プロセッサが、前記命令を実行すると、
医薬製品の容器に対応する1つまたは複数のクエリ画像を受信することであって、前記1つまたは複数のクエリ画像のそれぞれが、前記医薬製品の前記容器の特定の視点に基づく、受信することと、
前記医薬製品の前記容器に対して、目標機械学習モデルを用いて前記1つまたは複数のクエリ画像を処理することにより、1つまたは複数の欠陥表示にそれぞれ対応する1つまたは複数の信頼スコアを計算することと、
前記医薬製品の前記容器に対して、前記1つまたは複数の信頼スコアと1つまたは複数の予め定義された閾値スコアとのそれぞれの比較に基づいて、前記1つまたは複数の欠陥表示から欠陥表示を決定することと、を行うように動作可能である、非一時的メモリと、を備える、装置。
[条項42]
前記1つまたは複数のクエリ画像に対して、前記1つまたは複数の欠陥表示に対応する前記1つまたは複数の信頼スコアを計算することには、
前記目標機械学習モデルを用いて前記1つまたは複数のクエリ画像を処理することにより、前記1つまたは複数のクエリ画像の1つまたは複数の特徴表現を生成することと、
前記1つまたは複数の欠陥表示に対応する前記1つまたは複数の信頼スコアを、
前記複数の目標訓練画像の前記特徴表現と前記複数の欠陥表示との間の関係、または、
前記1つまたは複数のクエリ画像の生成された前記1つまたは複数の特徴表現、のうちの1つまたは複数に基づいて計算することと、
が含まれる、条項41に記載の装置。
[条項43]
前記プロセッサが、前記命令を実行すると、
1つまたは複数の光学カメラセンサを用いて前記1つまたは複数のクエリ画像を取得することであって、前記1つまたは複数の光学カメラセンサが、前記医薬製品の前記容器に対して、1つまたは複数の角度から、前記1つまたは複数のクエリ画像をそれぞれキャプチャすることを行うようにさらに動作可能である、条項41または42に記載の装置。
[条項44]
前記容器が、キャップ、封止材、ストッパ、ネック、ショルダ、本体、または基部のうちの1つまたは複数を含む、条項41~43のいずれか1項に記載の装置。
[条項45]
前記医薬製品には、凍結乾燥製品が含まれる、条項41~44のいずれか1項に記載の装置。
[条項46]
前記凍結乾燥製品が、1つまたは複数の製品属性に対応し、各製品属性が、物理的形状因子、色、透明レベル、粘度、または充填量である、条項45に記載の装置。
[条項47]
前記欠陥表示には、致命的欠陥、主要な欠陥、または軽微な欠陥のうちの1つまたは複数が含まれる、条項41~46のいずれか1項に記載の装置。
[条項48]
前記医薬製品には、凍結乾燥製品が含まれ、前記致命的欠陥には、ケーキ外観欠陥または充填量欠陥のうちの1つまたは複数が含まれる、条項47に記載の装置。
[条項49]
前記ケーキ外観欠陥には、メルトバック、過度に収縮したケーキ、非凍結乾燥ケーキ、または退色のうちの1つまたは複数が含まれる、条項48に記載の装置。
[条項50]
前記医薬製品には、凍結乾燥製品が含まれ、前記主要な欠陥には、ケーキ外観欠陥が含まれ、前記ケーキ外観欠陥には、過度の製品スプラッシュ、傾斜ケーキ、または収縮ケーキのうちの1つまたは複数が含まれる、条項47に記載の装置。
[条項51]
前記目標機械学習モデルが、畳み込みニューラルネットワークに基づく、条項41~50のいずれか1項に記載の装置。
[条項52]
前記1つまたは複数の予め定義された閾値スコアのそれぞれが、前記欠陥表示に対応する受け入れ品質限界に基づいて決定される、条項41~51のいずれか1項に記載の装置。
[条項53]
前記プロセッサが、前記命令を実行すると、
複数の目標訓練サンプルにアクセスすることであって、前記目標訓練サンプルには、前記医薬製品の容器に対応する複数の目標訓練画像、および前記複数の目標訓練画像にそれぞれ対応する複数の欠陥表示が含まれる、アクセスすることと、
前記目標訓練サンプルに基づいて複数の補助訓練サンプルを選択することであって、前記補助訓練サンプルには、複数の補助訓練画像、および前記複数の補助訓練画像にそれぞれ対応する複数のコンテンツカテゴリが含まれる、選択することと、
前記目標機械学習モデルを訓練することであって、前記訓練することには、
前記複数の補助訓練サンプルに基づいて補助機械学習モデルを訓練すること、
前記補助機械学習モデルに基づいて前記複数の目標訓練画像の特徴表現を生成すること、および
生成された前記特徴表現と前記複数の欠陥表示とに基づいて、前記複数の目標訓練画像の前記特徴表現と前記複数の欠陥表示との関係を学習することが含まれる、訓練することを行うように、さらに動作可能である、条項41~52のいずれか1項に記載の装置。
[条項54]
前記医薬製品には、凍結乾燥製品が含まれ、前記凍結乾燥製品が、前記目標訓練画像のうちの少なくとも1つにおいて、前記容器の内側に見える、条項53に記載の装置。
[条項55]
前記プロセッサが、前記命令を実行すると、
1つまたは複数の光学カメラセンサを用いて前記複数の目標訓練画像を取得することであって、前記1つまたは複数の光学カメラセンサは、選択された製品に対して、1つまたは複数の角度から、1つまたは複数の画像をそれぞれキャプチャすることを行うように、さらに動作可能である、条項53または54に記載の装置。
[条項56]
前記プロセッサが、前記命令を実行すると、
前記複数の目標訓練画像を1つまたは複数の目標訓練画像群に分割することであって、前記1つまたは複数の目標訓練画像群が、前記1つまたは複数のカメラセンサにそれぞれ対応する、分割することを行うように、さらに動作可能である、条項55に記載の装置。
[条項57]
前記目標機械学習モデルを訓練することには、
前記それぞれのカメラセンサにそれぞれ対応する前記1つまたは複数の目標訓練画像群に対して、1つまたは複数の特徴表現群を生成することと、
前記1つまたは複数の特徴表現群にそれぞれ基づいて、1つまたは複数のサブモデルを学習することと、
前記1つまたは複数のサブモデルを統合して、前記目標機械学習モデルを生成することと、がさらに含まれる、条項56に記載の装置。
[条項58]
前記目標機械学習モデルが、複数の層を含む畳み込みニューラルネットワークに基づいており、前記それぞれのカメラセンサにそれぞれ対応する前記1つまたは複数の目標訓練画像群に対して、前記1つまたは複数の特徴表現群を生成することには、
前記複数の層を、前記1つまたは複数のカメラセンサにそれぞれ対応する1つまたは複数の層群に分割することと、
前記1つまたは複数の層群によって、前記1つまたは複数のカメラセンサに対応する前記1つまたは複数の目標訓練画像群を処理することと、が含まれる、条項57に記載の装置。
[条項59]
前記複数のコンテンツカテゴリには、複数の手書き数字が含まれる、条項53~58のいずれか1項に記載の装置。
[条項60]
前記複数の補助訓練画像に対応する前記複数のコンテンツカテゴリが、前記複数の目標訓練画像に対応する前記複数の欠陥表示と一致しない、条項53~59のいずれか1項に記載の装置。