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特許7475517撮像装置及びその制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】撮像装置及びその制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20240419BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240419BHJP
   G03B 7/00 20210101ALI20240419BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20240419BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240419BHJP
【FI】
H04N1/387 110
G03B15/00 H
G03B7/00
G03B17/18
H04N23/63 330
H04N23/63 100
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023070968
(22)【出願日】2023-04-24
(62)【分割の表示】P 2022101325の分割
【原出願日】2018-07-17
(65)【公開番号】P2023099554
(43)【公開日】2023-07-13
【審査請求日】2023-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 伸弥
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-041879(JP,A)
【文献】特開2007-158935(JP,A)
【文献】特開2016-063397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/387
G03B 15/00
G03B 7/00
G03B 17/18
H04N 23/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のイメージセンサを有するレンズ交換可能な撮像装置であって、
前記第1のイメージセンサによる第1の撮像及び第2の撮像を行い、前記第1の撮像及び前記第2の撮像により得られた第1の画像及び第2の画像を合成して合成画像を生成し記録する多重露出撮影を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、第1のイメージセンサよりもサイズの小さな第2のイメージセンサ用のレンズである第2のレンズが装着された状態で前記第1の撮像を行った後に、前記第1のイメージセンサ用のレンズである第1のレンズに交換された場合、前記交換された前記第1のレンズを介して得られたライブ映像であって、前記第1のイメージセンサに対応した領域よりも小さな領域がクロップされたライブ映像を表示手段に表示し、前記クロップされたライブ映像の表示中に前記第2の撮像が行われた場合、前記合成画像を生成し記録媒体に記録するよう制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記ライブ映像を、前記第1の画像と合成して表示するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記合成画像として、前記第1のイメージセンサに対応した画像の領域のうち、前記ロップされた前記合成画像を生成し、生成した前記合成画像を静止画ファイルとして前記記録媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1のイメージセンサ用のレンズは、前記第2のイメージセンサ用のレンズよりもイメージサークルが大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1のイメージセンサはフルサイズセンサであり、前記第2のイメージセンサはAPS-Cサイズセンサであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記合成される複数の画像は、それぞれユーザによる個別の撮像指示の操作が行われたことに応じて得られることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記ライブ映像において、前記第1のイメージセンサに対応した画像の領域のうち、第2のイメージセンサのサイズに対応した領域としてクロップする位置をユーザ操作に基づき設定可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
第1のイメージセンサを有するレンズ交換可能な撮像装置の制御方法であって、
前記第1のイメージセンサによる第1の撮像及び第2の撮像を行い、前記第1の撮像及び前記第2の撮像により得られた第1の画像及び第2の画像を合成して合成画像を生成し記録する多重露出撮影を制御する制御工程を有し、
前記制御工程は、第1のイメージセンサよりもサイズの小さな第2のイメージセンサ用のレンズである第2のレンズが装着された状態で前記第1の撮像を行った後に、前記第1のイメージセンサ用のレンズである第1のレンズに交換された場合、前記交換された前記第1のレンズを介して得られたライブ映像であって、前記第1のイメージセンサに対応した領域よりも小さな領域がクロップされたライブ映像を表示手段に表示し、前記クロップされたライブ映像の表示中に前記第2の撮像が行われた場合、前記合成画像を生成し記録媒体に記録するよう制御することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項9】
第1のイメージセンサを有するレンズ交換可能な撮像装置を、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置が有する制御手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、2枚以上の撮影した画像を合成して1枚の合成画像を生成する多重露出撮影機能を有する撮像装置が知られている。この撮影機能は、基準となる1枚の撮影画像に対して撮影者が撮影した複数の画像を重ね写し込むことで、被写体が重畳した1枚の画像を生成する機能である。多重露出撮影においては合成する複数枚の画像が同じ画像サイズであれば、そのまま合成していけば良い。
【0003】
しかし、レンズ交換式カメラにおいてはイメージサークルが異なるレンズへの付け替えが可能である。それ故、イメージサークルが異なるレンズを交換した場合には、そのイメージサークルに依存したRAW画像データが生成される。そのため、イメージサークルの異なるレンズを交換しながら、多重露出撮影を行うことはできなかった。
【0004】
特許文献1には、多重露出撮影中にユーザがカメラの設定で画像記録サイズを変更した場合に、設定条件に応じて合成を行うことが開示されている。また、特許文献2には、多重露出撮影中にユーザがカメラの設定で画像アスペクト比を変更した場合に、画像サイズの小さいほうに合わせて合成を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特願2007-221237号公報
【文献】特願2012-19343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、特許文献2ともに、イメージセンサから取り込んだ光信号からRAW画像を生成する時点での画像サイズは同じであり、画像処理によって記録サイズまたはアスペクト比を変更するものである。
【0007】
本発明は、多重露出撮影中にイメージサークルのサイズが異なるレンズで切換えながらも、ユーザの意図した多重合成画像を得ることを可能にする技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するため、例えば本発明の撮像装置は以下の構成を備える。すなわち、
第1のイメージセンサを有するレンズ交換可能な撮像装置であって、
前記第1のイメージセンサによる第1の撮像及び第2の撮像を行い、前記第1の撮像及び前記第2の撮像により得られた第1の画像及び第2の画像を合成して合成画像を生成し記録する多重露出撮影を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、第1のイメージセンサよりもサイズの小さな第2のイメージセンサ用のレンズである第2のレンズが装着された状態で前記第1の撮像を行った後に、前記第1のイメージセンサ用のレンズである第1のレンズに交換された場合、前記交換された前記第1のレンズを介して得られたライブ映像であって、前記第1のイメージセンサに対応した領域よりも小さな領域がクロップされたライブ映像を表示手段に表示し、前記クロップされたライブ映像の表示中に前記第2の撮像が行われた場合、前記合成画像を生成し記録媒体に記録するよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、多重露出撮影の途中でイメージサークルのサイズが異なるレンズに付け替えた場合でも、多重露出撮影を終了することなく、ユーザの意図した多重合成画像を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態における撮像装置のブロック構成図。
図2】イメージサークルと得られる画像のサイズとの関係を示す図。
図3】レンズ付け替え時の処理を示すフローチャート。
図4】多重露光撮影時の処理を示すフローチャート。
図5】画像合成処理の合成のシーケンスの一例を示す図。
図6】画像合成処理の合成のシーケンスの一例を示す図。
図7】画像合成処理の合成のシーケンスの一例を示す図。
図8】画像合成処理の合成のシーケンスの一例を示す図。
図9】多重合成処理のフローチャート。
図10】合成位置指定処理を示すフローチャート。
図11】合成位置指定時のGUIの例を示す図。
図12】多重合成撮影の設定GUIの例を示す図。
図13】多重合成撮影を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態における構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0012】
図1は、実施形態におけるレンズ交換可能なデジタルカメラに代表される撮像装置のブロック構成図である。実施形態における撮像装置は、撮像装置本体100と、撮像装置本体100に対して脱着可能なレンズユニット180で構成される。
【0013】
撮像装置本体100において、シャッター120は後述する撮像部122の露出量を制御する。撮像部122は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子(イメージセンサ)を有する。この撮像素子の表面には、R,G,Bの各色成分のフィルタがベイヤ配列状に配置されている。それ故、撮像部122で得た直後の画像データのベイヤ配列の画素データで構成されることになる。なお、実施形態における撮像素子は、所謂、フルサイズ(35mmフィルムに相当するサイズ)であるものとする。また撮像部122はA/D変換処理機能を備えている。AF評価値検出部123ではデジタル画像信号から得られるコントラスト情報や視差画像から得られる位相差からAF評価値を算出し、得られたAF評価値を撮像部122からシステム制御部150に出力する。
【0014】
画像処理部124は、撮像部122から出力される画像データ、又は、メモリ制御部15からの画像データに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部124は被写体と撮像装置との距離情報を取得することができる。具体的には、画像処理装部124は、与えられた2つの視差画像から位相差を検出することで被写体までの距離を取得し、撮像装置から被写体までの距離情報を画素ごとに取得する。さらに、画像処理部124は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行い、システム制御部150はその演算結果基づき露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAE(自動露出)処理、EF(フラッシュ自動調光発光)処理が行われる。また画像処理部124はAF(オートフォーカス)処理が行われるが、このとき撮像部122に備えるAF評価値検出部123の出力が用いられることもある。画像処理部124は更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。また、画像処理部124は、複数枚の画像を合成する処理を行い、多重画像の生成も行う。更に画像処理部124は、ベイヤ配列のRAW画像データをデベイヤ処理して1画素3成分の画像データへの変換、符号化、復号処理も行う。
【0015】
撮像部122の出力データは、画像処理部124及びメモリ制御部115を介して、或いは、メモリ制御部115を介してメモリ132に直接書き込まれる。メモリ132は、撮像部122によって取得およびA/D変換された画像データや、表示部128に表示するための画像データを格納する。メモリ132は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。また、メモリ132は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器113は、メモリ132に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部128に供給する。こうして、メモリ132に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器113を介して表示部128により表示される。表示部128は、LCD等の表示器上に、D/A変換器113からのアナログ信号に応じた表示を行う。撮像部122で一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器113においてアナログ変換し、表示部128に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダとして機能し、スルー画像表示を行える。
【0016】
不揮発性メモリ156は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばフラッシュメモリ等が用いられる。不揮発性メモリ156には、システム制御部150の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。また、不揮発性メモリ156には、撮像装置本体100に接続可能なレンズユニットのモデル名(識別情報)と、そのレンズユニットの特性情報を対にしたレンズテーブル156aが格納されている。レンズユニットの特性情報にはイメージサークルのサイズが含まれる。
【0017】
システム制御部150は、前述した不揮発性メモリ156に記録されたプログラムを実行することで、撮像装置本体100の各処理部を統括的に制御する。152はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ152には、システム制御部150の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ156から読み出したプログラム等が展開される。
【0018】
システムタイマー153は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。モード切替スイッチ160、シャッターボタン161に収容された第1シャッタースイッチ162及び第2シャッタースイッチ163、操作部170はシステム制御部150に各種の動作指示を入力するための操作手段として機能する。モード切替スイッチ160は、システム制御部150の動作モードを静止画記録モード、動画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード、多重露出撮影モード等がある。モード切り替えスイッチ160で、静止画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切り替えスイッチ160で静止画撮影モードに一旦切り換えた後に、静止画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0019】
第1シャッタースイッチ162は、撮像装置本体100に設けられたシャッターボタン161の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなって、第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部150は、第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュ自動調光発光)処理等の動作を開始する。
【0020】
第2シャッタースイッチ163は、シャッターボタン161の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなって、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部150は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部122からの信号読み出しから記録媒体190に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0021】
操作部170の各操作部材は、表示部128に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部128に表示される。ユーザは、表示部128に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。各種の設定可能なメニュー画面としては、多重露出撮影モードを選択した際に、記録媒体190に記録されている過去に撮影した画像をベース画像として選択するための画面があり、選択したベース画像に撮影した画像を合成する多重露出撮影も可能である。さらに、撮影する画像の読み出しサイズをAPS-Cセンサーサイズにクロップする(切り取る)かどうかを選択する画面もあり、クロップする設定にした場合、フルサイズセンサー用のレンズを装着している場合にも、APS-Cセンサーサイズで撮影できる。
【0022】
電源制御部141は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部141は、その検出結果及びシステム制御部150の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体190を含む各部へ供給する。
【0023】
電源部140は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F118は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体190とのインターフェースである。記録媒体190は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0024】
コネクタ171は、撮像装置本体100をレンズユニット180と電気的に接続する。コネクタ171は、撮像装置本体100とレンズユニット180との間で制御信号、状態信号、データ信号などを伝え合うとともに、各種電圧の電流を供給する機能も備えている。また、コネクタ171にレンズユニット180が装着されているか否かは、レンズ着脱検知部154により検知される。
【0025】
次に、レンズユニット180の構成について説明する。撮像レンズ181は、光軸方向に移動することでピントの調整を行うフォーカスレンズやズーミングを行うズームレンズを含む複数のレンズにより構成される。また、絞り182は撮像装置本体100の撮像部122への光量を調節する。レンズ制御部183は撮像装置本体100のシステム制御回路150からの制御信号に応じて、レンズユニット180全体を制御し、撮像レンズ181のフォーカスレンズやズームレンズおよび絞り182の駆動制御も行う。また、レンズ制御部183は、動作用の定数や変数およびプログラムなどを記憶するメモリを備える。さらに、レンズ制御部183は、レンズユニット180固有のモデル名や製造番号などの識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離、歪曲収差等の収差量などの機能情報、現在や過去の各設定値などを保持する不揮発性メモリも備えている。コネクタ184は、レンズユニット180を撮像装置本体100と電気的に接続する。コネクタ184は、撮像装置本体100とレンズユニット180との間で制御信号、状態信号、データ信号などを伝え合うとともに、各種電圧の電流を供給される機能も備えている。
【0026】
[第1の実施形態]
図12図13を用いて多重露出撮影の基本的な動作を説明する。図12は、表示部128に表示される、多重露出撮影に関する設定メニュー画面であり、図13は、多重露出撮影(複数回の撮像画像から1枚の合成画像)を説明するための図である。
【0027】
ユーザが操作部170のメニューボタンを押下すると各種設定に関するメニュー画面が表示される。ユーザは、操作部170の上下左右ボタンを操作して、多重露出撮影に関する設定の項目を選択すると、表示部128には図12に示す多重露出撮影のサブメニュー画面1200が表示され、多重露出撮影に関する設定を変更することができる。
【0028】
多重露出撮影メニュー画面1200は、設定項目1201~1204と、基準画像の選択を行うボタン1205を含む。このうち、設定項目1201は、多重露出撮影を行うか否かを選択する設定項目であり、「する」・「しない」からいずれかを選択する。「する」を選択した上で、メニューを抜け撮影に復帰すると多重露出撮影モードとなる。
【0029】
設定項目1202は、多重露出撮影時の露出の重ね合わせ方を選択する設定項目であり、ユーザは、「加算」・「加算平均」・「比較(明)」・「比較(暗)」から、いずれか1つを選択できる。「加算」では、合成する複数の画像の輝度を単純に加算する。「加算平均」では、合成する複数の画像の輝度を、後述する重ねる枚数分の平均となるように加算する。「比較(明)」では、合成する画像の輝度を比較して明るい部分を残し、逆に「比較(暗)」では、暗い部分を残すように重ね合わせる。
【0030】
設定項目1203は、多重露出撮影において合成する画像の枚数を選択する設定項目であり、ユーザは重ね合わせる枚数を指定できる。多重露出撮影モードでは、設定した枚数撮影し合成画像が記録されたら多重撮影モードから、通常のスナップモードに復帰する。
【0031】
設定項目1204は、多重露出撮影において記録媒体190に記録する画像を選択する設定項目であり、ユーザは「全画像」・「多重画像のみ」のいずれかを選択できる。「全画像」が選択されや場合、重ね合わせる元となった複数の画像と、多重露出合成画像の両方が記録媒体190に記録される。「多重画像のみ」が選択された場合、多重露出合成画像のみが記録媒体190に記録され、多重画像の元になった個々の撮像画像は記録されない。
【0032】
ユーザがボタン1205を押下した場合、記録媒体1190に既に格納された画像ファイルを1つ選択し、多重露出合成画像を生成し、記録することになる。なお、ユーザが、設定項目1203に“5”を設定し、ユーザがボタン1205を押下して既に記録された1つの画像ファイルを選択した場合、選択した画像ファイルが表す画像を最初の画像(1枚目の画像)とし、残り4枚を、これ以降に撮像される画像として、多重露出画像が生成されることになる。
【0033】
なお、選択する画像ファイルの個数を2以上できるようにしても構わない。この場合、例えば2つ選択した場合には、その選択した2つのファイルが示す2つの画像と、これから撮像される3枚の画像とから、多重露出画像が生成すれば良い。
【0034】
図13(a)の参照符号1301は多重露出撮影モードでの1枚目の撮影画像、同図(b)の参照符号1302は2枚目の撮影画像である。そして、同図(c)の参照符号1303が2枚目の撮影が終わった時点での多重露出合成画像である。
【0035】
図2を参照して、撮像部122に搭載されたイメージセンサと、装着されたレンズによるイメージサークルとの関係を説明する。
【0036】
図2(a)に示す如く、イメージサークルがイメージセンサ面よりも大きい場合(フルサイズ用のレンズの場合)、イメージセンサ全体を用いた撮像画像(ベイヤ配列のRAW画像データ)が得られる。
【0037】
一方、図2(b)の如く、APS-C用のレンズユニットの場合、イメージサークルはイメージセンサ面以下となる。それ故、このイメージサークルに内接する矩形範囲200を撮像範囲としなければならない。つまり、図2(b)のようにイメージサークルがイメージセンサ面以下の場合には、撮像画像のサイズを同図(a)の場合の撮像画像のサイズよりも小さくしなければならない。
【0038】
システム制御部150は、レンズ脱着検知部154からの信号に基づき、レンズユニット180の装着を検出したタイミングや電源投入後の初期化処理するタイミングにて、装着されたレンズユニット180から識別情報(モデル名等)を受信する。そして、システム制御部150は、受信した識別情報をキーにしてレンズテーブル156aを検索し、装着したレンズユニットのイメージサークルを取得する。そして、システム制御部150は、取得したイメージサークルから、図2(a)、(b)のいずれの状態であるかを判定する。図2(a)の状態の場合、システム制御部150は、イメージセンサ全域を用いた撮像画像を取得するように画像処理部124に設定する。また、図2(b)の状態である場合、システム制御部150は、イメージセンサ内の領域200内の画像を撮像画像として取得するように画像処理部124に設定する。
【0039】
図3は、レンズ脱着検知部154からのレンズ装着の検知信号を受信した場合のシステム制御部150の処理を示すフローチャートである。
【0040】
S301にて、システム制御部160は、コネクタ171を介して、レンズ制御部303と通信を行う。S302にて、システム制御部160は、レンズのモデル名等の識別情報を取得する。そして、S303にて、システム制御部160は、レンズテーブル156aを参照して、装着されたレンズユニットのイメージサークルを取得し、そのイメージサークルと撮像部122が有するイメージセンサとの大小判定を行う。
【0041】
S303にて、システム制御部150はイメージサークルがイメージセンサより大きいと判定した場合、処理をS304に進める。このS304にて、システム制御部150は、撮影のRAWサイズを「大」と判定する。一方、システム制御部150は、イメージサークルがイメージセンサのサイズ以下と判定した場合、処理をS305に進める。このS305にて、システム制御部150は、撮影のRAWサイズを「小」と判定する。そして、S306にて、システム制御部150は、決定したサイズに基づき、画像処理部124に対して撮像部122から取得する際のベイヤ配列のRAW画像のサイズ(実施形態ではイメージセンサ全域か、領域200か)を設定する。
【0042】
図4は、第1の実施形態の特徴となる画像処理部124における多重合成処理の流れを示したフローチャートである。ユーザがモード切替スイッチ160で多重露出撮影モードを選択した場合やメニュー設定により多重露出撮影を選択した場合に、システム制御部150は多重露出撮影モードに入り、図4に示すフローチャートに従って多重露出撮影処理を行う。なお、図4の各ステップの処理は、システム制御部150が、不揮発性メモリ156から読み出した所定のプログラムをシステムメモリ152上に展開、実行して、撮像装置本体100を構成する各部の動作や処理を制御することによって実現される。また、なお、多重露出に関する、ユーザによる各種設定(合成する画像の枚数や合成画像ファイルの指定等)は既に行われ、設定された情報がシステムメモリ152に格納されているものとする。なお、特に変更しない限り、前回の多重露出撮影時の合成枚数を今回の合成枚数とするようにしても構わない。この場合、合成枚数は不揮発性メモリ156に保持するようにすれば良い。
【0043】
S401にて、システム制御部150は、システムメモリ152または不揮発性メモリ156から、多重露出撮影モードにおける多重合成枚数Nを取得する。次に、S402にて、システム制御部150は、多重露出撮影の最初のベース画像として、ユーザが記録媒体190に記録された画像ファイルを利用することを設定しているか否かを判定する。システム制御部150は、ベース画像の選択がなされていない場合と判定した場合(S402でNo)には処理をS403に進め、ベース画像の選択がされていると判定した場合には処理をS404に進める。
【0044】
S403にて、システム制御部150は、撮影枚数を表す変数nを“0”で初期化し、処理をS405に進める。また、S404にて、システム制御部150は変数nを“1”で初期化し、処理をS405に進める。
【0045】
S405にて、システム制御部150は、レンズ着脱検知部82により新たにレンズが装着されたか否か(再装着されたか否か)を判定する。レンズユニットの再装着は、例えば装着していたレンズを一度取り外してまた装着する場合や、装着していたレンズとは異なるレンズに交換する場合が含まれる。システム制御部150は、新たにレンズが装着されたと判定された場合(S405でYES)、処理をS406へ進め、前回の撮影した際の利用したレンズのままで脱着がなかったと判断した場合(S405でNO)、処理をS408へ進める。
【0046】
S406にて、システム制御部150は、現在装着されているレンズのイメージサークルが合成元画像データを撮像した際に利用したレンズのイメージサークルと異なるか否かを判定する。
【0047】
具体的には、システム制御部150は、コネクタ171を通して、装着中のレンズユニット180と通信し、モデル名等の識別情報を取得できる。そして、システム制御部150は、取得した識別情報を用いて、不揮発性メモリ156内のレンズテーブル156aを検索することで、装着中のレンズユニットのイメージサークルを取得できる。よって、システム制御部150は、レンズユニット再装着以前に撮影した際に利用したレンズユニットのイメージサークル(不揮発性メモリ156の所定アドレスに格納しているものとする)と、再装着後の点図ユニットのイメージサークルとを比較することで、S406の判定処理を行う。
【0048】
なお、装着されたレンズに応じて、撮像部122から読み出し記録する画像のサイズを切り替える構成の場合には、撮像部122から読み出す画像のサイズで判定するようにしてもよい。さらに、撮像部122から読み出した画像を画像処理部124で画像処理することにより、画像の周辺部のケラレの量を検出し、判定するようにしてもよい。
【0049】
さて、システム制御部150は、現在装着されているレンズのイメージサークルが、合成元画像データを撮像した際に利用したレンズのイメージサークルと異なると判定した場合(S406でYES)、処理をS407に進め、同じであると判定した場合(S406でNO)、処理をS408に進める。
【0050】
S407にて、システム制御部150は合成位置指定処理を行い(詳細後述)、処理をS408に進める。
【0051】
S408にて、システム制御部150は、第2シャッタースイッチ163がオンしたか否か(第2シャッタースイッチ信号SW2が発生したか否か)を判定する。システム制御部150は、第2シャッタースイッチ163がオンしていないと判定した場合(S408でNO)、処理をS405へ戻し、第2シャッタースイッチ163がオンしたと判定した場合(S408でYES)、処理をS409へ進める。
【0052】
S409にて、システム制御部150は、撮像部122による静止画フレームのキャプチャを行わせることで画像データを取得し、その画像データをメモリ132に記憶する。そして、S410にて、システム制御部159は変数nの値を“1”増加させる。S411にて、システム制御部150は、変数nの値が1より大きいか否か。つまり、キャプチャした画像が2枚目以降であって、合成処理の対象画像データが既に存在するか否かを判定する。システム制御部150は、変数nが“1”以下であると判定した場合(S411でNO)、処理をS405へ戻し、変数nの値が“1”より大きいと判定した場合(S411でYES)。処理をS412に進める。
【0053】
S412にて、システム制御部150は、画像処理部124を制御し、S409にて今回キャプチャされメモリ132に記憶されている着目画像データと、合成元画像データとを合成し、新たな合成画像データを生成し、メモリ132に記憶する。
【0054】
ここで、変数nの値が“2”の場合、直近のS409で得た着目画像は2枚目であることになる。従って、システム制御部150は、その2枚目の着目画像と1枚目の画像と合成して得た合成画像をメモリ132に格納する。また、変数nの値が“2”より大きい場合、着目画像は3枚目以降の画像であることになる。よって、この場合、システム制御部150は、直近のS409で得た着目画像を、前回の合成画像と合成して、新たな合成画像を生成し、メモリ132に格納する。
【0055】
S413にて、システム制御部150は、変数nの値が“N”とを比較する。つまり、システム制御部150は、多重露出撮影枚数が設定枚数に到達したか否かを判定する。システム制御部150が、変数nの値が“N”未満であると判定した場合(S413でNO)、処理をS405へ戻す。また、システム制御部150は、変数nの値が“N”と同じであると判定した場合(S413でYES)、処理をS414へ進める。
【0056】
S414にて、システム制御部150は、画像処理部124を制御して、S412で生成した合成画像データに対して、現像処理、すなわちホワイトバランス調整、画素補間等の処理を施し、YUVデータに変換し、メモリ132に書き込む。そして、S415にて、システム制御部150は、画像処理部124を制御し、S414で生成した現像後の合成画像データをJPEG形式の静止画像データに圧縮符号化し、メモリ132に書き込む。そして、S416にて、システム制御部150は、S415で圧縮符号化されたJPEG形式の静止画像データを、記録媒体I/F118を介して記録媒体190に記録し、一連の多重露出撮影を終了する。
【0057】
次に図10を参照し、S407の合成位置指定処理を説明する。
【0058】
S1001にて、システム制御部150は、合成処理する2枚の画像の撮影時イメージサークルが同じであるかを判定する。システム制御部150は、イメージサークルが同じであると判定した場合、または、合成元画像データと合成画像データが揃っていない(撮影枚数が2未満)場合、合成位置指定処理は実施せず終了する。また、システム制御部150は、合成する2枚の画像を撮影時のイメージサークルが同じではないと判定した場合(S1001でNO)、処理をS1002に進める。
【0059】
S1002にて、システム制御部150は、表示部128を制御し、合成位置指定画面を表示させ、操作部170を介したユーザからの操作を受け付ける。
【0060】
説明を単純化するため、合成元画像データ(1枚目の画像データ、もしくは直近のS412の合成処理で得た合成画像データ)のイメージサークルが、現在装着されているレンズユニットのイメージサークルよりも小さい場合を説明する。
【0061】
図11(a)は、かかる状態における合成制位置指定画面の初期画面である。システム制御部150は、表示部128における領域1101の全域に、現在装着されているレンズユニットを介して得たライブ映像を表示する。そして、システム制御部150は、合成元画像を領域1102に、且つ、領域1102がユーザの操作に応じて移動可能に表示する。ユーザから見れば、ライブ映像が示す画像内に、直近の合成処理で得た合成画像が移動可能に表示されるように見えることになる。そして、システム制御部150は、ユーザによる操作部170の操作に応じて、領域1102を領域1101内で移動する。そして、システム制御部150は、ユーザから操作部170を介して位置の決定指示を受信すると、領域1102の位置を確定する。つまり、システム制御部150は、合成元画像と合成画像とを相対位置を決定する。
【0062】
なお、合成元画像のイメージサークルが、現在装着されているレンズユニットのイメージサークルよりも大きい場合、システム制御部150は、合成元画像を領域1101の全域に表示し、ライブ映像を領域1102内に表示することになる。そして、ユーザは領域1102の位置の操作と決定指示を行う点は上記と同じである。ユーザにとって異なると感じるのは、位置決め対象がライブ映像となった点である。
【0063】
S1003にて、システム制御部150は、領域1101が表すイメージサークルの画像のサイズ(フルサイズ)、又は、領域1102が表すイメージサークルが小さい方の画像のサイズのいずれを最終合成サイズとするかの選択をユーザに促す。そして、システム制御部150は、操作部170を介してユーザからの選択指示を待つ。
【0064】
S1004にて、システム制御部150は、ユーザが選択した最終合成サイズがフルサイズであるか否かを判定する。システム制御部150は、ユーザが選択した最終合成サイズがフルサイズであると判定した場合(S1004がYES)、処理をS1006に進める。一方、システム制御部150は、ユーザが選択した最終合成サイズが非フルサイズであると判定した場合(S1004がNO)、処理をS1005に進める。
【0065】
S1006にて、システム制御部150は、これ以降、第2シャッタースイッチ163がオンとなるまでの期間、表示部128の表示状態を図11(a)の状態を維持する。
【0066】
S1005にて、システム制御部150は、これ以降、第2シャッタースイッチ163がオンとなるまでの期間、イメージサークルの小さい方の領域のライブの合成画像を表示部128の領域1101の全域に表示する。つまり、図11(b)に示すように、現在装着されているレンズユニットがフルサイズのイメージセンサ用のレンズユニットであっても、イメージサークルの小さい場合と同様にクロップして得た合成画像を領域1101に表示する。簡単には、図11(a)の領域1102内の画像が、拡大されて領域1101の全域に拡大されて表示されると考えると分かりやすい。
【0067】
S1007にて、システム制御部150は、上記のようにして決定した合成位置を示す情報、及び、最終合成サイズで合成すべく、画像処理部124に設定する。この結果、図4に示すフローチャートにおけるS412にて、システム制御部150はかかる設定の下で画像処理部124による合成処理を行わせることになる。当然、S412で得られる合成画像は、フルサイズの画像か、APS-Cサイズの画像のいずれかとなる。
【0068】
次に、S407の合成位置指定処理を経た、画像処理部124による4枚の画像の合成処理の例を、図5乃至図8を参照して説明する。
【0069】
図5は、イメージサークルの小さいレンズ(APS用レンズ)を用いて1、2枚目が撮像され、イメージサークルの大きいレンズ(フルサイズ用レンズ)を用いて3、4枚目が撮像され、且つ、ユーザが指定した最終合成画像のサイズがイメージサークルの小さい画像のサイズとした例である。
【0070】
画像処理部124は、1枚目、及び、2枚目の画像を撮像した際、フルサイズの画像からAPSのイメージサークルに対応する領域をクロップすることで画像501、502を得る。画像501と画像502は、共にイメージサークルの小さいレンズで撮影された画像(クロップ画像)であるので、ユーザによる合成位置の指定は行われない。画像処理部124は単純にこれら2つの画像501、502を合成し、合成画像511(クロップ画像)を生成する。3枚目はイメージサークルが大きいレンズであるが、ユーザは最終合成画像のサイズとしてイメージサイズの小さい方を選択している。故に、画像処理部124は、フルサイズの画像からクロップした画像を3枚目の画像503として取得することになる。そして、画像処理部124は、合成画像511と画像503を合成し、新たな合成画像512(クロップ画像)を生成する。なお、この際の3枚目の撮像で得たフルサイズ画像からクロップする画像503の位置は、ユーザが指定することになる。そして、4枚目はイメージサークルが大きいレンズであるが、ユーザは最終合成画像のサイズとしてイメージサイズの小さい方を選択している。故に、画像処理部124は、フルサイズの画像からクロップした画像を4枚目の画像504として取得する。そして、画像処理部124は、合成画像512と画像504を合成し、最終合成画像513(クロップ画像)を生成する。なお、この際の4枚目の撮像で得たフルサイズ画像からクロップする画像504の位置もユーザが指定することになる。
【0071】
図6は、イメージサークルの大きいレンズ(フルサイズ用レンズ)を用いて1、2枚目が撮像され、イメージサークルの小さいレンズ(APS用レンズ)を用いて3、4枚目が撮像され、且つ、ユーザが指定した最終合成画像のサイズがイメージサークルの小さい画像のサイズとした例である。
【0072】
画像601、602は共にイメージサークルが大きいレンズを用いて撮像して得られた、フルサイズの画像データであるので、これらを合成する際にユーザによる合成位置の指定は行われない。画像処理部124は単純にこれら2つの画像601、602を合成し、合成画像611(フルサイズ画像)を生成する。3枚目はイメージサークルが小さいレンズであるので、画像処理部124が撮像部122で得たフルサイズの画像からクロップすることで、画像603を生成する。ユーザは最終合成画像のサイズとしてイメージサイズの小さい方を選択している。故に、画像処理部124は、合成画像611(フルサイズ画像)と画像603(クロップ画像)とを合成し、合成画像612(クロップ画像)を生成する。なお、合成画像611に対する画像603の合成位置はユーザが指定することになる。そして、4枚目はイメージサークルが小さいレンズであるので、画像処理部124は撮像部122で得たフルサイズの画像からクロップすることで画像604を生成する。ユーザは最終合成画像のサイズとしてイメージサイズの小さい方を選択している。故に、画像処理部124は、合成画像612(クロップ画像)と、4枚目の画像604(クロップ画像)とを合成して、最終的な合成画像613(クロップ画像)を生成する。なお、合成画像612、画像604は共にクロップ画像であるので、ユーザによる位置指定は行われない。
【0073】
図7は、イメージサークルの小さいレンズ(APS用レンズ)を用いて1、2枚目が撮像され、イメージサークルの大きいレンズ(フルサイズ用レンズ)を用いて3、4枚目が撮像され、且つ、ユーザが指定した最終合成画像のサイズがイメージサークルの大きい画像のサイズとした例である。
【0074】
画像処理部124は、1枚目、及び、2枚目の画像を撮像した際、フルサイズの画像からAPSのイメージサークルに対応する領域をクロップすることで画像701、702を得る。画像701と画像702は、共にイメージサークルの小さいレンズで撮影された画像(クロップ画像)であるので、ユーザによる合成位置の指定は行われない。画像処理部124は単純にこれら2つの画像701、702を合成し、合成画像711(クロップ画像)を生成する。3枚目はイメージサークルが大きいレンズであるが、ユーザは最終合成画像のサイズとしてイメージサイズの大きい方を選択している。故に、画像処理部124は、合成画像711(クロップ画像)とフルサイズの画像703とを合成し、フルサイズの合成画像712を得る。なお、この際の3枚目の撮像で得たフルサイズ画像703に対する合成画像711の合成位置は、ユーザが指定することになる。そして、4枚目はイメージサークルが大きいレンズであるが、ユーザは最終合成画像のサイズとしてイメージサイズの大きい方を選択している。故に、画像処理部124は、フルサイズの合成画像712と4枚目のフルサイズの画像704とを合成し、最終合成画像713(フルサイズ画像)を生成する。なお、合成画像712、画像704は共にフルサイズ画像であるので、ユーザによる位置指定は行われない。
【0075】
図8は、イメージサークルの大きいレンズ(フルサイズ用レンズ)を用いて1、2枚目が撮像され、イメージサークルの小さいレンズ(APS用レンズ)を用いて3、4枚目が撮像され、且つ、ユーザが指定した最終合成画像のサイズがイメージサークルの大きい画像のサイズとした例である。
【0076】
画像801、802は共にイメージサークルが大きいレンズを用いて撮像して得られた、フルサイズの画像データであるので、これらを合成する際にユーザによる合成位置の指定は行われない。画像処理部124は単純にこれら2つの画像801、802を合成し、合成画像811(フルサイズ画像)を生成する。3枚目はイメージサークルが小さいレンズであるので、画像処理部124が撮像部122で得たフルサイズの画像からクロップすることで、画像803を生成する。ユーザは最終合成画像のサイズとしてイメージサイズの大きい方を選択している。故に、画像処理部124は、合成画像811(フルサイズ画像)と画像803(クロップ画像)とを合成し、合成画像812(フルサイズ画像)を生成する。なお、合成画像811に対する画像803の合成位置はユーザが指定することになる。そして、4枚目はイメージサークルが小さいレンズであるので、画像処理部124は撮像部122で得たフルサイズの画像からクロップすることで画像804を生成する。ユーザは最終合成画像のサイズとしてイメージサイズの大きい方を選択している。故に、画像処理部124は、合成画像812(フルサイズ画像)と、4枚目の画像804(クロップ画像)とを合成して、最終的な合成画像813(フルサイズ画像)を生成する。なお、合成画像812に対する画像804の合成する位置はユーザが位置することになる。
【0077】
次に実施形態における画像処理部124の多重合成処理を図9を参照して説明する。この多重化処理は、図4のS412における処理である。
【0078】
S901にて、画像処理部124は、合成元画像と、S409で得た撮影画像のRAWのサイズが一致しているかを判定する。画像処理部124は、一致していると判定した場合(S901でYES)、処理をS907に進め、不一致であると判定した場合(S901でNO)、処理をS902に進める。
【0079】
S902にて、画像処理部124は、メニュー設定により、多重露出撮影の合成方式として比較合成が選択されているかを判定する。画像処理部124は、多重露出撮影の合成方式として比較合成が選択されていると判定した場合(S902でYES)、処理をS903に進め、比較合成が選択されていないと判定した場合(S902でNO)、処理をS904に進める。
【0080】
S903にて、画像処理部124はクロップしたRAW画像データの領域外では、フルサイズの画像の画素値が100%維持されるものとして設定し、処理をS907に進める。
【0081】
S904にて、画像処理部124は、メニュー設定により比較合成で明暗のどちらが選択されているかを判定する。画像処理部124は、比較明合成が選択されていると判定した場合(S904でYES)、処理をS906に進め、比較明合成が選択されていないと判定した場合(S904でNO)、処理をS905に進める。
【0082】
S906にて、画像処理部124は、クロップしたRAW画像の領域外を黒領域(各成分とも最低輝度)とするように設定し、処理をS907に進める。S905にて、画像処理部124は、クロップしたRAW画像の領域外を白領域(各成分とも最高輝度)とするように設定し、処理をS907に進める。
【0083】
S907にて、画像処理部124は、S903、S905、S906で設定された条件に従い、並びに、ユーザによる合成位置が指定されている場合にはその指定位置での合成処理を行い、合成後の画像データをメモリ132に格納する。
【0084】
以上説明したように本実施形態によれば、レンズ脱着が可能なカメラで、イメージサークルの大きさが異なるレンズを付け替えられても多重露出撮影を継続することが可能で、さらに、ユーザが望んだ画像位置で合成を行うことが可能となる。
【0085】
なお、上記実施形態では、多重露出撮影時に、表示部128には、少なくともライブ画像を表示するものとしたが、合成処理する際の位置合わせのときのみ2つの画像を合成表示するようにしても良い。また、上記実施形態では、異なるイメージサークルの画像を合成する都度、ユーザが最終合成画像のサイズを選択するものとしたが、例えば、図12の多重露出撮影のための設定処理項目に最終合成サイズを設け、この設定のタイミングで決定しても良い。
【0086】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13