(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】樹脂製容器のブロー成形装置およびブロー成形方法
(51)【国際特許分類】
B29C 49/42 20060101AFI20240419BHJP
B29C 49/06 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
B29C49/42
B29C49/06
(21)【出願番号】P 2023084088
(22)【出願日】2023-05-22
(62)【分割の表示】P 2021546952の分割
【原出願日】2020-09-17
【審査請求日】2023-05-22
(31)【優先権主張番号】P 2019172269
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019226270
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000227032
【氏名又は名称】日精エー・エス・ビー機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100116001
【氏名又は名称】森 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】堀篭 浩
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 俊雄
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-524572(JP,A)
【文献】特開平5-237923(JP,A)
【文献】特開平6-238741(JP,A)
【文献】特開2017-87651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/42
B29C 49/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底形状の樹脂製のプリフォームを射出成形する射出成形部と、
射出成形時の熱を保有する前記プリフォームの内部に冷却用エアを流し、前記プリフォームの温度調整を行う温度調整部と、
温度調整後の前記プリフォームをブローエアでブロー成形して樹脂製容器を製造するブロー成形部と、を備え、
前記温度調整部は、前記プリフォームの内側に冷却用エアを循環させる温度調整用エア流路を有する冷却用エア供給部を備え、
前記温度調整用エア流路は、前記プリフォームに前記冷却用エアを導入する第1エア流路と、前記プリフォームから前記冷却用エアを排気する第2エア流路とを含み、前記第1エア流路と前記第2エア流路は、前記プリフォームの内側を介して連通した状態が形成可能であり、
前記第1エア流路には、前記冷却用エアの圧力を測定する測定部が設けられ、
前記第2エア流路には、前記冷却用エアの流量を調整可能な調整部が設けられている
ブロー成形装置。
【請求項2】
前記ブロー成形部から排気されるブローエアをエアタンクに回収する回収部をさらに備え、
前記冷却用エアとして、前記エアタンクに回収されたエアが用いられる
請求項1に記載のブロー成形装置。
【請求項3】
前記回収部は、前記温度調整部に対して前記エアタンクから前記冷却用エアが供給されているときに、回収管を介して前記エアタンクに前記ブローエアを回収する
請求項2に記載のブロー成形装置。
【請求項4】
前記ブローエアの回収は、前記ブロー成形の終了後に行われる
請求項3に記載のブロー成形装置。
【請求項5】
前記測定部の測定値を受け、当該測定部に対応する前記温度調整用エア流路の前記調整部に対し、前記測定値に基づく前記冷却用エアの流量の調整を指示する制御部をさらに備える
請求項1に記載のブロー成形装置。
【請求項6】
前記ブロー成形装置は、n(ただし、nは任意の整数)組目とn+1組目の容器製造を時間差で実行し、
前記回収部は、前記n+1組目の容器製造のために前記温度調整部に対して前記エアタンクから前記冷却用エアが供給されているときに、前記n組目の容器製造のために前記ブロー成形部から排気される前記ブローエアを前記エアタンクに回収する
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のブロー成形装置。
【請求項7】
有底形状の樹脂製のプリフォームを射出成形する射出成形工程と、
射出成形時の熱を保有する前記プリフォームの内部に冷却用エアを流し、前記プリフォームの温度調整を行う温度調整工程と、
温度調整後の前記プリフォームをブローエアでブロー成形して樹脂製容器を製造するブロー成形工程と、を有し、
前記温度調整工程では、前記冷却用エアの圧力を測定する測定部が設けられた第1エア流路から前記プリフォーム内に前記冷却用エアを導入し、前記冷却用エアの流量を調整可能な調整部が設けられた第2エア流路から前記プリフォーム内の前記冷却用エアを排気し、前記プリフォームの冷却が行われる
ブロー成形方法。
【請求項8】
前記測定部の測定値に基づき、前記第2エア流路の前記冷却用エアの流量が調整される工程をさらに有する
請求項7に記載のブロー成形方法。
【請求項9】
前記ブロー成形工程は、ブロー成形終了後に排気される前記ブローエアを回収する工程を有する
請求項7または請求項8に記載のブロー成形方法。
【請求項10】
前記冷却用エアには、回収された前記ブローエアが含まれる
請求項9に記載のブロー成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製容器のブロー成形装置およびブロー成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から樹脂製容器の製造装置の一つとして、ホットパリソン式のブロー成形装置が知られている。ホットパリソン式のブロー成形装置は、プリフォームの射出成形時の保有熱を利用して樹脂製容器をブロー成形する構成であり、コールドパリソン式と比較して多様かつ美的外観に優れた樹脂製容器を製造できる点で有利である。
【0003】
例えば、ホットパリソン式のブロー成形サイクルに関しては、成形サイクルの短縮を目的として種々の提案がなされている。これらの成形サイクルの短縮化のために、律速段階であるプリフォームの射出成形時間(射出金型でのプリフォームの冷却時間)を短縮し、射出成形後の下流工程で高熱のプリフォームの追加冷却を行うことが提案されている(例えば特許文献1参照)。射出成形後の下流工程で高熱のプリフォームの追加冷却を行うときには、プリフォームの外周面を冷却金型と接触させて熱交換を行うとともに、プリフォーム内には圧縮空気を流し当てて冷却する方式も知られている。
【0004】
また、ブロー成形装置においては、樹脂製容器の賦形に用いたブローエアを回収し、アクチュエータの作動エアとして再利用する構成も提案されている(例えば特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6505344号公報
【文献】特許第5725643号公報
【文献】特許第3666124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
樹脂製容器のブロー成形において、同品質の容器を多数同時に成形するためには各プリフォームの温度を揃えることが重要となるが、射出成形直後のプリフォームはその温度が不揃いとなる場合が多い。そのため、温度調整の際に、各プリフォームに対する冷却用エアの流量を適切かつ精密に調整することが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様のブロー成形装置は、有底形状の樹脂製のプリフォームを射出成形する射出成形部と、射出成形時の熱を保有するプリフォームの内部に冷却用エアを流し、プリフォームの温度調整を行う温度調整部と、温度調整後のプリフォームをブローエアでブロー成形して樹脂製容器を製造するブロー成形部と、を備える。温度調整部は、プリフォームの内側に冷却用エアを循環させる温度調整用エア流路を有する冷却用エア供給部を備える。温度調整用エア流路は、プリフォームに冷却用エアを導入する第1エア流路と、プリフォームから冷却用エアを排気する第2エア流路とを含み、第1エア流路と第2エア流路は、プリフォームの内側を介して連通した状態が形成可能である。第1エア流路には、冷却用エアの圧力を測定する測定部が設けられ、第2エア流路には、冷却用エアの流量を調整可能な調整部が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
一態様によれば、温度調整の際に、各プリフォームに対する冷却用エアの流量を適切かつ精密に調整することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態のブロー成形装置の構成を模式的に示す図である。
【
図2】ブロー成形装置の空気圧回路の例を示す図である。
【
図4】
図3の期間Pでのブロー成形部および温度調整部の動作に関する圧縮空気の圧力変化を示すグラフである。
【
図5】温度調整部の変形例の空気圧回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
実施形態では説明を分かり易くするため、本発明の主要部以外の構造や要素については、簡略化または省略して説明する。また、図面において、同じ要素には同じ符号を付す。なお、図面に示す各要素の形状、寸法などは模式的に示したもので、実際の形状、寸法などを示すものではない。
【0012】
図1は、本実施形態のブロー成形装置20の構成を模式的に示す図である。本実施形態のブロー成形装置20は、プリフォーム11を室温まで冷却せずに射出成形時の保有熱(内部熱量)を活用して容器をブロー成形するホットパリソン方式(1ステージ方式とも称する)の装置である。
【0013】
ブロー成形装置20は、射出成形部21と、温度調整部22と、ブロー成形部23と、取り出し部24と、搬送機構26とを備える。射出成形部21、温度調整部22、ブロー成形部23および取り出し部24は、搬送機構26を中心として所定角度(例えば90度)ずつ回転した位置に配置されている。
【0014】
(搬送機構26)
搬送機構26は、
図1の紙面垂直方向の軸を中心に回転する回転板(移送板、不図示)を備える。回転板には、プリフォームまたは樹脂製容器(以下、単に容器と称する)の首部を保持する不図示のネック型が、所定角度ごとにそれぞれ1以上配置されている。回転板は、単一の円盤状部材であって各成形ステーションの対応位置にネック型が配置される構成であってもよく、成形ステーション毎に分けられた複数の扇状部材(分割板)からなり扇状部材毎にリップ型が配置される構成であってもよい。搬送機構26は不図示の回転機構と昇降機構(型開閉機構)およびネック型開き機構を備える。搬送機構26の回転機構は、回転板を回転させることで、ネック型で首部が保持されたプリフォーム(または容器)を、射出成形部21、温度調整部22、ブロー成形部23、取り出し部24の順に搬送する。搬送機構26の昇降機構は、回転板を昇降させ、射出成形部21におけるプリフォームの型閉じや型開き(離型)に係る動作も行う。
【0015】
(射出成形部21)
射出成形部21は、それぞれ図示を省略する射出キャビティ型、射出コア型を備え、プリフォームを製造する。射出成形部21には、プリフォームの原材料である樹脂材料を供給する射出装置25が接続されている。
【0016】
射出成形部21においては、上記の射出キャビティ型、射出コア型と、搬送機構26のネック型27とを型閉じしてプリフォーム形状の型空間を形成する。そして、このようなプリフォーム形状の型空間内に射出装置25から樹脂材料を流し込むことで、射出成形部21でプリフォームが製造される。
ここで、プリフォームの全体形状は、一端側が開口され、他端側が閉塞された有底円筒形状である。プリフォームの開口側の端部には、首部が形成されている。
【0017】
また、容器およびプリフォームの材料は、熱可塑性の合成樹脂であり、容器の用途に応じて適宜選択できる。具体的な材料の種類としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PCTA(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、Tritan(トライタン(登録商標):イーストマンケミカル社製のコポリエステル)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PPSU(ポリフェニルスルホン)、PS(ポリスチレン)、COP/COC(環状オレフィン系ポリマー)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル:アクリル)、PLA(ポリ乳酸)などが挙げられる。
【0018】
なお、射出成形部21の型開きをしたときにも、搬送機構26のネック型開き機構でネック型は開放されず、搬送機構26はそのままプリフォームを保持して搬送する。射出成形部21で同時に成形されるプリフォームの数(すなわち、ブロー成形装置20で同時に成形できる容器の数)は、適宜設定できる。
【0019】
(温度調整部22)
温度調整部22は、射出成形部21で製造されたプリフォームの均温化や偏温除去を行い、プリフォームの温度を最終ブローに適した温度(例えば約90℃~105℃)に調整する。また、温度調整部22は、射出成形後の高温状態のプリフォームを冷却する機能も担う。
【0020】
温度調整部22は、プリフォームを収容可能なキャビティ型(不図示)と、プリフォームの内部に圧縮空気を導入/排気するための第1エア流路および第2エア流路(いずれも
図1では不図示)を備える。
温度調整部のキャビティ型は、射出成形部21で製造されたプリフォームと略同じ形状の温調空間を有する。キャビティ型は、温度調整媒体との熱交換によって温調空間の温度が所定の温度に保たれている。
【0021】
温度調整部22の第1エア流路は、例えば、プリフォーム内に挿入されるエア導入部材と接続され、プリフォームの底部側と連通している。第2エア流路は、例えば、プリフォームの首部側でプリフォーム内の空間と連通するように構成されている。第1エア流路と第2エア流路は、構成が逆であってもよい。
【0022】
温度調整部22の冷却ブロー(プリフォーム内に常温(20℃)以下の圧縮空気を連続的に流し、圧縮空気の対流によりプリフォームを内面側から冷却させるプロセス)においては、第1のエア流路からプリフォーム内に圧縮空気(冷却用エア)が導入され、第2のエア流路から冷却用エアが排気される。また、温度調整部22では上記の冷却ブローを行う前後に、プリフォームをキャビティ型の内壁に密着させるための予備ブロー(ブロー成形前に、プリフォームを容器より小さいサイズに一時的に膨らませるプロセス)を行ってもよい。
【0023】
(ブロー成形部23)
ブロー成形部23は、温度調整部22で温度調整されたプリフォームに対してブロー成形を行い、容器を製造する。
ブロー成形部23は、容器の形状に対応した一対の割型であるブローキャビティ型と、延伸ロッドと、エア導入部材(いずれも不図示)と、容器内からブローエアを排気するための排気路(
図1では不図示)を備える。ブロー成形部23は、プリフォームを延伸しながらブロー成形する。これにより、プリフォームがブローキャビティ型の形状に賦形されて容器を製造することができる。
【0024】
(取り出し部24)
取り出し部24は、ブロー成形部23で製造された容器の首部をネック型から開放し、容器をブロー成形装置20の外部へ取り出すように構成されている。
【0025】
(ブロー成形装置の空気圧回路について)
図2は、ブロー成形装置20の空気圧回路の例を示す図である。
図2において、ブロー成形部23に容器賦形用のブローエア(後述するエア供給源31のエアより高圧のエア)を供給する部分(高圧エア供給源、等)の図示は、簡単のため省略している。
【0026】
本実施形態のブロー成形装置20では、ブロー成形部23に供給された後に容器から排気されるブローエアの一部がエアタンク30に回収され、その回収エアは温度調整部22に供給される圧縮空気として再利用される。また、エアタンク30に回収された回収エアは、ブロー成形装置20を駆動させる各種の空気圧駆動装置(以下、単に駆動装置と称する)38にも供給され、駆動装置38の作動エアとしても再利用される。
【0027】
ブロー成形装置20は、温度調整部22や駆動装置38に圧縮空気(冷却用エアや予備ブロー用エア、作動エア)を供給するためのエアタンク30を備える。エアタンク30は、逆止弁33を有する第1の配管32を介してエア供給源31(例えば、エアコンプレッサ)と接続され、エア供給源31から供給される低圧の圧縮空気(低圧供給エア)を受ける。エア供給源31と接続される第1の配管32は途中で分岐し、後述の切換弁(第3の方向制御弁)36とも接続されている。
【0028】
エアタンク30は、第1の減圧弁34を有する第2の配管35と接続されている。第2の配管35は2つに分岐して、一方は切換弁36と接続され、他方は第2の減圧弁37を介して温度調整部22に接続される。なお、第1の減圧弁34は、第2の配管35を流れる圧縮空気を所定の設定圧力まで減圧する機能を担う。第2の減圧弁37は、温度調整部22に向かう冷却用エアを所定の設定圧力まで減圧する機能を担う。
【0029】
ここで、切換弁36は、第1の配管32(エア供給源31からの流れ)および第2の配管35(エアタンク30からの流れ)を入力とし、各種の駆動装置38を出力とする方向制御弁である。切換弁36は、弁の切り替え制御によって、エアタンク30の回収エアまたはエア供給源31からの低圧供給エアの何れか一方の圧縮空気を、駆動装置38に作動エアとして供給することが可能である。また、切換弁36と駆動装置38の間には、駆動装置38に供給される作動エアが設定圧力まで減圧されていない場合に減圧を行う第3の減圧弁39が設けられている。
【0030】
また、エアタンク30には、ブロー成形部23の容器から排気されるブローエアを回収する回収管40が接続されている。なお、容器を賦形するためのブローエアの圧力(例えば、2.0MPa~3.5MPa)は、温度調整部22の冷却用エアの圧力(例えば、0.3MPa~0.8MPa)やエア供給源31(例えば、1.2MPa~1.5MPa)よりも高圧である。回収管40は第1の回収管40aと第2の回収管40bとを有する。第1の回収管40aは、不図示の高圧エア供給源から供給されるブローエアを流通させる供給路45と接続されている。さらに、第1の回収管40aは、ブロー成形部23のブローキャビティ型23aごとに配置されている複数(
図2では4つ)の給排路41とそれぞれ接続されている。給排路41は、ブローキャビティ型23a側にブローエアを流す給気路の機能と、第1の回収管40aに容器のブローエアを流す排気路としての機能を兼ねている。第1の回収管40aは、供給路45からのブローエアをブローキャビティ型23側に流す給気路の機能と、容器から排気されるブローエアをエアタンク30側に流す回収路の機能を兼ねる。第2の回収管40bはエアタンク30と接続されている。これにより、回収管40は、容器の賦形の際に各容器から排気されるブローエアを受けて、エアタンク30に回収することが可能である。
【0031】
ブロー成形部23における回収管40の管路は途中で分岐し、一方の管路(第1の回収管40a)はブローエアを大気開放するための排気路46および排気弁(第4の方向制御弁)42と接続されている。また、回収管40の分岐した他方の管路(第2の回収管40b)はエアタンク30と接続されている。この他方の管路には、ブロー成形部からみて順に、エアタンク30に対して容器から排気されるブローエアの供給と供給停止を切り替える回収弁(第5の方向制御弁)43と、エアタンク30からの逆流を防止する逆止弁44とが設けられている。回収管40および回収弁43は、回収部の一例である。
なお、エアタンク30には、エアタンク30内の圧力が所定の上限値を超えると開弁し、外部に圧力を逃がすリリーフ弁45も設けられている。
【0032】
一方、温度調整部22の空気圧回路は、以下のように構成されている。温度調整部22において第2の配管35は2つに分岐し、温度調整部22の冷却用エア供給部51と、予備ブロー制御部52にそれぞれ接続されている。
【0033】
冷却用エア供給部51は、冷却用エアの供給と停止を切り替える第1の方向制御弁53を有している。冷却用エア供給部51は、温度調整部22のキャビティ型ごとに配置されている複数の第1エア流路54とそれぞれ接続されている。各々の第1エア流路54はスピードコントローラ(流量制御弁)55を有し、それぞれプリフォームに冷却用エアを適宜流量変更して導入することが可能である。
【0034】
予備ブロー制御部52は、圧縮空気を予備ブローの設定圧力まで減圧する第4の減圧弁56と、予備ブロー用エア(圧縮空気)の供給と停止を切り替える第2の方向制御弁57とを有している。予備ブロー制御部52は、温度調整部22の冷却用エア排気部(予備ブロー用エア供給部)58と接続されている。冷却用エア排気部58は、温度調整部22のキャビティ型ごとに配置されている複数の第2エア流路59とそれぞれ接続されている。また、冷却用エア排気部58は、冷却用エアを大気開放するための排気弁(第6の方向制御弁)60と接続されている。
【0035】
ここで、温度調整部22で冷却ブローを行う場合、予備ブロー制御部52の第2の方向制御弁57が閉の状態となる。このとき、第2の配管35と冷却用エア排気部58は不通になる一方、冷却用エア排気部58は第2の方向制御弁57の排気ポートに連通する。そして、冷却用エア供給部51の第1の方向制御弁53と、冷却用エア排気部58の排気弁60がいずれも開の状態となる。
これにより、冷却用エア供給部51を通過した冷却用エアは、第1エア流路54を介してプリフォームに導入される。そして、冷却用エアは、第2エア流路59を介して冷却用エア排気部58に流出して大気開放される。さらに、冷却用エアは第2の方向制御弁57を介して大気に流出される。この結果、プリフォームに導入される冷却用エアの背圧が抑えられ、プリフォームの冷却効率を高めることができる。
【0036】
一方、温度調整部22で予備ブローを行う場合、冷却用エア供給部51の第1の方向制御弁53と、冷却用エア排気部58の排気弁60がいずれも閉の状態となる。そして、予備ブロー制御部52の第2の方向制御弁57が開の状態となる(第2の配管35と冷却用エア排気部58とが連通した状態となる)。これにより、予備ブロー制御部52を通過した予備ブロー用エアは、冷却用エア排気部58から第2エア流路59を介してプリフォームに導入され、予備ブローを行うことが可能となる。以上で、
図2の説明を終了する。
【0037】
(ブロー成形方法の説明)
次に、本実施形態のブロー成形装置20によるブロー成形方法について説明する。
図3は、ブロー成形方法の工程を示す図であり、
図3の横軸は時間である。本実施形態のブロー成形方法は、容器製造工程として、射出成形工程、温度調整工程、ブロー成形工程、容器取り出し工程が順次実行される。以下、各工程の概要を説明する。
【0038】
(ステップS1:射出成形工程)
まず、射出成形部21において、射出キャビティ型、射出コア型および搬送機構26のネック型で形成されたプリフォーム形状の型空間に射出装置25から樹脂を射出し、プリフォームが製造される。
【0039】
ステップS1において、樹脂充填の終了直後または樹脂充填後に設けられた最小限の冷却時間後に射出成形部21が型開きされる。つまり、プリフォームの外形が維持できる程度の高温状態でプリフォームが射出キャビティ型、射出コア型から離型される。その後、搬送機構26の回転板が所定角度回転し、ネック型に保持されたプリフォームが温度調整部22に搬送される。
【0040】
(ステップS2:温度調整工程)
続いて、温度調整部22において、プリフォームの温度を最終ブローに適した温度に近づけるための温度調整が行われる。
【0041】
温度調整工程では、プリフォームがキャビティ型の温度調整空間内に収容された後、プリフォームの首部にエア導入部材が挿入され、プリフォームの内部空間が第1エア流路54および第2エア流路59と接続される。そして、必要に応じて、冷却ブローの前後で予備ブローが行われる。
【0042】
予備ブローでは、例えば、第2エア流路59からプリフォーム内に圧縮空気(予備ブロー用エア:エアタンク30の回収エア)が送られる。これにより、冷却ブローの前に、プリフォームをキャビティ型の内壁に密着させることができる。なお、予備ブローは省略されてもよい。
【0043】
冷却ブローでは、第1エア流路54からプリフォーム内に圧縮空気(冷却用エア:エアタンク30の回収エア)が導入され、第2エア流路59から冷却用エアが排気される。この冷却ブローにより、内部を流れる冷却用エアの対流によりプリフォームは内側から冷却される。このとき、プリフォームはキャビティ型と接触し続けるため、外側からブロー成形に適した温度以下にならないようにプリフォームが温度調整され、さらに射出成形時に生じた偏温も低減される。なお、キャビティ型の温調空間はプリフォームと略同じ形状であるため、温度調整部22でプリフォームの形状は大きく変化しない。
【0044】
温度調整工程の後、搬送機構26の回転板が所定角度回転し、ネック型に保持された温度調整後のプリフォームがブロー成形部23に搬送される。
【0045】
(ステップS3:ブロー成形工程)
続いて、ブロー成形部23において、容器のブロー成形が行われる。
まず、ブローキャビティ型を型閉じしてプリフォームを型空間に収容し、プリフォームの首部にエア導入部材が挿入される。そして、延伸ロッドおよびエア導入部材を降下させ、延伸ロッドでプリフォームを伸長させてエア導入部材からプリフォーム内にブローエアを導入する。これにより、プリフォームは、ブローキャビティ型の型空間に密着するように膨出して賦形され、容器にブロー成形される。
【0046】
(ステップS4:容器取り出し工程)
ブロー成形が終了すると、ブローキャビティ型が型開きされる。これにより、ブロー成形部23から容器が移動可能となる。
続いて、搬送機構26の回転板が所定角度回転し、容器が取り出し部24に搬送される。取り出し部24において、容器の首部がネック型から開放され、容器がブロー成形装置20の外部へ取り出される。
【0047】
以上で、ブロー成形方法の1つのサイクルが終了する。その後、搬送機構26の回転板を所定角度回転させることで、上記のS1からS4の各工程が繰り返される。
【0048】
また、ブロー成形装置20の運転時には、1工程ずつの時間差を有する4組分の容器製造工程が並列に実行される。例えば、ブロー成形装置20において、
図3において破線で囲った期間Pでは、n組目の容器取り出し工程(S4)と、n+1組目のブロー成形工程(S3)と、n+2組目の温度調整工程(S2)と、n+3組目の射出成形工程(S1)とがそれぞれ行われる(ただし、nは任意の整数)。
【0049】
図4は、
図3の期間Pでのブロー成形部23および温度調整部22の動作に関する圧縮空気の圧力変化を示すグラフである。
図4の縦軸は圧力を示し、
図4の横軸は時間を示す。また、容器内のブローエアの圧力を
図4中実線で示し、エアタンクの圧力を
図4中破線で示し、温度調整部22に向けて圧縮空気を流す第2の配管35の圧力を
図4中一点鎖線で示す。
【0050】
図4において、時間t
1からt
3までがブロー成形が行われるブロー時間を示し、時間t
2からt
7までが温度調整部22でのプリフォームのエア冷却の時間を示している。つまり、期間Pにおいて、ブロー成形部23のブロー成形が先行して行われ、温度調整部22の冷却ブローはブロー成形の終了後も引き続き行われる。また、時間t
1からt
3までの間はブロー成形が行われるためブローエアの圧力が大きくなる。時間t
2からt
7までの間は、温度調整部22の冷却ブローで外部に冷却用エアが流れ続けるため、第2の配管35の圧力は低下する。なお、冷却ブローとブロー成形が並行して行われる時間帯(時間t
1からt
3)が存在すれば、冷却ブローを先行して行っても構わない。また、冷却ブローの前後に予備ブローを行っても良い。
図4では、時間t
2の直後の僅かな時間、予備ブローが行われている。
【0051】
時間t
3を経過するとブロー成形が終了する。次いで、時間t
3から時間t
4までの間において、回収弁43が開になるとともに排気弁42が閉となり、回収管40からエアタンク30へのブローエアの回収が行われ、エアタンク30に回収エアが溜まる。そのため、ブローエアの圧力は低下してゆく。また、
図4の時間t
3から時間t
4までの間に、回収されるブローエアによってエアタンク30の圧力は増加する。
【0052】
ここで、ブローエアの圧力はエア供給源31の圧力よりも大きいため、ブローエアの回収時間(時間t3から時間t4)がわずかであっても、回収をしない場合と比べてエアタンク30の圧力は大きく増加する。
【0053】
また、ブローエアの回収は、温度調整部22で冷却用エアを放出しているエア冷却の期間に行われる。エアタンク30ではエアの放出と回収を同時に行っているので、エアの放出をしない状態でエアの回収をする場合よりも、ブローエアとエアタンク30に差圧がある時間(ブローエアを回収できる時間)が伸び、ブローエアの回収量を一層大きくできる。
【0054】
時間t4の後、時間t5からt6の間には、切換弁36の切り替えにより、エアタンク30からの圧縮空気(作動エア:エアタンク30の回収エア)が駆動装置38に供給される(駆動装置38のリサイクル動作)。また、次の成形サイクルにおける少なくとも時間t2からt4の間、第1の方向制御弁53の切り替えにより、エアタンク30からの圧縮空気(冷却用エアまたは予備ブロー用エア:エアタンク30の回収エア)が温度調整部22に供給される(温度調整部22のリサイクル動作)。
【0055】
以上のように、本実施形態では、ブロー成形部23に供給された後に容器から排気されるブローエアの一部がエアタンク30に回収され、温度調整部22に供給される圧縮空気として再利用される。例えば、温度調整工程の冷却用エアをエア供給源31からすべて賄う場合と比べると、本実施形態では、エア供給源31から供給する圧縮空気の量が低減するので、ブロー成形装置20の運転コストを抑制できる。
【0056】
また、本実施形態では、エアタンク30に回収されたブローエアは、駆動装置38の作動エアとしても再利用される。この点においても、エア供給源31から駆動装置38に供給する作動エアの量が低減するので、ブロー成形装置20の運転コストを抑制できる。
【0057】
また、本実施形態では、温度調整工程(S2)でプリフォームの温度調整と冷却を行えるため、射出成形工程(S1)においてプリフォームを高温の状態でも離形することができ、次のプリフォームの成形を早く開始できる。すなわち、本実施形態によると、成形サイクル時間を短縮しつつ、容器を良好に成形することが可能である。
【0058】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
例えば、温度調整部22(冷却ブローや予備ブロー)や駆動装置38におけるエア消費量が回収エアの量より大きい場合、不足分の圧縮空気をエア供給源31から補っても良い。例えば、回収エアの消費によりエアタンク30の圧力が規定値より低くなったとき、エアタンク30や駆動装置38にエア供給源31からの圧縮空気(低圧供給エア)を自動的に供給するようにしても構わない。
【0059】
また、温度調整部22の構成は、
図2の例に限定されるものではなく、例えば、
図5に示す構成であってもよい。
図5は、上記実施形態における温度調整部22の変形例の空気圧回路を示す図である。なお、
図5の説明において、
図2と共通の要素については同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0060】
図5に示す温度調整部22においても第2の配管35は2つに分岐し、温度調整部22の冷却用エア供給部51と、予備ブロー制御部52にそれぞれ接続されている。また、後述する第1エア流路54と第2エア流路59は、図示しないエア導入部材に接続されている。成形時は、エア導入部材がプリフォームと気密状態で接続されるため、第1エア流路54と第2エア流路59は実質的に連通した状態になる。
【0061】
冷却用エア供給部51は、冷却用エアの供給と停止を切り替える第1の方向制御弁53を有している。冷却用エア供給部51は、温度調整部22のキャビティ型ごとに配置されている複数の第1エア流路54とそれぞれ接続されている。各々の第1エア流路54は、プリフォーム温度調整用エア流路の一部をなし、プリフォームに冷却用エア(圧縮空気)を導入する流路であって、逆止弁61と圧力計62をそれぞれ有している。
【0062】
逆止弁61は、各々の第1エア流路54から冷却用エア供給部51への冷却用エアの逆流を抑止するための弁である。圧力計62は、測定部の一例であって、第1エア流路54において逆止弁61の下流側に設けられており、冷却用エア供給部51から分岐した各々の第1エア流路54における冷却用エアの圧力を測定する。
【0063】
一方、予備ブロー制御部52は、圧縮空気を予備ブローの設定圧力まで減圧する第4の減圧弁56と、予備ブロー用エア(圧縮空気)の供給と停止を切り替える第2の方向制御弁57とを有している。予備ブロー制御部52は、温度調整部22の冷却用エア排気部(予備ブロー用エア供給部)58と接続されている。冷却用エア排気部58は、温度調整部22のキャビティ型ごとに配置されている複数の第2エア流路59とそれぞれ接続されている。また、冷却用エア排気部58は、冷却用エアを大気開放するための排気弁(第6の方向制御弁)60と接続されている。
【0064】
各々の第2エア流路59は、温度調整用エア流路の一部をなし、冷却ブローのときにプリフォームから流出する冷却用エアを排気し、予備ブローのときに予備ブロー制御部52を通過した予備ブロー用エアをプリフォームに導入する機能を担う。さらに、各々の第2エア流路59は、プリフォームに給排(導入および排気)される冷却用エアの流量を制御する機能を担う。各々の第2エア流路59は、冷却用エアの流量を調整する調整部の一例であるスピードコントローラ(流量制御弁)63を有している。冷却ブロー時、第2エア流路59を流れる冷却用エアの流量をスピードコントローラ63により適宜変更することで、エア導入部材とプリフォームを介して連通する、第1エア流路54を流れる冷却用エアの流量も同様の値に変更される。これにより、プリフォームに導入(供給)される冷却用エアの流量を調整することができる。温度調整用エア流路において、冷却用エアが導入されるプリフォームの下流側にスピードコントローラ63をメーターアウト的に配置することで、流量(流速)や圧力が安定した状態の冷却用エアを、プリフォームに導入させることができる。
【0065】
また、各々の圧力計62およびスピードコントローラ63は、例えばPLC(programmable logic controller)などの制御装置64に接続されている。制御装置64は、制御部の一例であって、各々の圧力計62が測定した冷却用エアの圧力値を受ける。そして、制御装置64は、流路ごとの圧力値に基づいて、各々のスピードコントローラ63の開度をそれぞれ制御する。
【0066】
例えば、制御装置64は、分岐する複数の流路間における冷却用エアの流量の差が許容値に収まるように、各々のスピードコントローラ63の開度を制御してもよい。これにより、制御装置64は、分岐する複数の流路間での冷却用エアの流量のばらつきを抑制できる。
また、制御装置64は、テスト運転時においてプリフォームの温度のばらつきが大きい場合に、作業者の入力に基づき特定のスピードコントローラ63の開度を変化させてプリフォーム間の冷却強度を調整してもよい。これにより、各プリフォームの温度を一定に近づけることができる。
【0067】
なお、
図5の構成において冷却ブローを行う場合と予備ブローを行う場合の弁の開閉状態は、
図2の説明と同様である。
【0068】
以下、
図5の構成に係る作用に関して概説する。ブロー成形装置において、同品質の容器を多数同時に成形するためには各プリフォームの温度を揃えることが重要となるが、射出成形直後のプリフォームはその温度が不揃いとなる場合が多い。そのため、温度調整部22においては、各プリフォームに対する冷却用エアの流量を適切かつ精密に調整する必要がある。
【0069】
温度調整部22において、各々のプリフォームにエアを供給する流路は、エアタンク30に接続された冷却用エア供給部51から分岐するが、分岐した後の流路長や配管抵抗は僅かながら異なる。このため、冷却用エアは、分岐した流路のうちで抵抗の小さい流路に集中して流れやすい。これにより、分岐した流路の間で圧力に差が生じるとともに各プリフォームに流れる冷却用エアの流量がばらつき、その結果として、プリフォームごとの冷却強度が異なる可能性がある。
【0070】
ところで、例えば作業者が手作業で流路ごとの冷却用エアの流量をスピードコントローラで調整する場合、以下のような事象が生じる。流路ごとの冷却用エアの流量は、スピードコントローラのつまみの回転数から作業者が凡そ把握できるとされている。しかし、分岐した流路の冷却用エアの圧力が変動すると、実際の冷却用エアの流量は、理論値との乖離が大きくなるのでその正確な把握が困難となる。
【0071】
また、テスト運転の際に、冷却後の各プリフォームのサーモグラフィー画像と、ブロー成形した容器の肉厚分布を対比し、流路ごとのスピードコントローラの開度を作業者が手作業で微調整することも可能である。しかし、上記の調整は作業者の負担が大きく、また作業に定性的な判断を多く含むので作業者による個人差の生じる可能性もある。
【0072】
これに対し、
図5の制御装置64は、流路ごとの冷却用エアの圧力の測定値に基づいて、スピードコントローラ63の開度を流路ごとに制御する。そのため、
図5の構成によれば、各プリフォームに対する冷却用エアの流量を、圧力計62の圧力値という定量的な指標に基づいて精密に調整でき、温度調整部22での各プリフォームの温度調整を高い精度で行うことが可能となる。
【0073】
ここで、
図5の圧力計62とスピードコントローラ63の配置はあくまで一例である。例えば、圧力計62を第2エア流路59に設けてもよい。
なお、
図5の例においても、圧力計62の圧力値を作業者が目視で確認し、作業者がスピードコントローラ63の開度を流路ごとに調整してもよい。
【0074】
加えて、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0075】
20…ブロー成形装置、21…射出成形部、22…温度調整部、23…ブロー成形部、30…エアタンク、40…回収管、43…回収弁、54…第1エア流路、59…第2エア流路、62…圧力計、63…スピードコントローラ、64…制御装置