(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/24 20060101AFI20240419BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20240419BHJP
H04W 4/029 20180101ALI20240419BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20240419BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
E02F9/24 B
E02F9/20 N
H04W4/029
G06Q50/08
E02F9/26 B
(21)【出願番号】P 2023111827
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2019160546の分割
【原出願日】2019-09-03
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】水落 麻里子
(72)【発明者】
【氏名】山田 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】坂本 博史
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-105807(JP,A)
【文献】特開2000-191278(JP,A)
【文献】特開2008-097592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/24
E02F 9/20
H04W 4/029
G06Q 50/08
E02F 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業員に携帯される作業員端末装置と通信により接続される作業機械情報処理装置を備えた作業機械において、
前記作業機械情報処理装置は、
前記作業機械が動作する作業領域
を設定するための情報を入力するとともに、前記作業領域の周囲の
領域であって、その領域内に位置する前記作業員に対して前記作業領域を通知する作業領域通知領域を設定するための情報を入力する設定入力装置と、
設定された前記作業領域を前記作業員端末装置に表示させるための情報を含む車体信号を送信し、設定された前記作業領域を前記作業員に知らせる作業機械演算装置と、
通知装置とを備え、
前記作業機械演算装置は、
前記作業員端末装置から送信される作業員信号に基づく前記作業員端末装置の位置および前記作業員による
設定された前記作業領域の確認結果である作業領域確認結果を含む作業員状態通知信号に基づいて、前記作業領域通知領域内の作業員が
設定された前記作業領域を確認しているか否かを判定し、その判定結果を含む情報を前記通知装置により前記作業機械の運転者に通知すること特徴とする作業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械において、
前記作業機械演算装置は、
前記作業領域を確認している作業員に対する第1の接近通知領域と、前記作業領域を確認していない作業員に対する、前記第1の接近通知領域よりも広い第2の接近通知領域を設定し、
前記作業員状態通知信号に含まれる前記作業領域確認結果に基づいて、前記作業員が前記作業領域を確認しているか否かを判定し、前記作業員が前記作業領域を確認している場合は、前記作業員状態通知信号に含まれる前記作業員端末装置の位置が前記第1の接近通知領域内であるか否かの第1の判定を行い、前記作業員が前記作業領域を確認していない場合は、前記作業員端末装置の位置が前記第2の接近通知領域内であるか否かの第2の判定を行い、
前記第1または第2の判定で前記作業員端末装置の位置が前記第1または第2の接近通知領域内である場合に、前記通知装置に
より前記作業機械の運転者に接近通知を行うこと特徴とする作業機械。
【請求項3】
請求項2に記載の作業機械において、
前記作業機械演算装置は、前記第1および第2の接近通知領域を前記作業領域通知領域内に設定することを特徴とする作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
土木、建設等の作業現場では、作業内容に応じて、複数の作業機械および複数の作業員が現場内に配置され、作業機械および作業員は現場内を移動しながら作業を行う。作業現場における安全性の向上および円滑な施工管理のためには、作業員と作業機械の不必要な接近を防止することが重要である。作業機械と作業員の接近を防止するためには、作業員に不必要に作業機械の作業領域に立ち入らせないことが重要であり、作業員は、作業機械の作業内容や作業領域を把握し、作業機械の作業領域に侵入しないよう作業を行う必要がある。そのため従来より、作業員と作業機械の接近を防止するためのシステムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、建設機械の周りで作業する作業員の安全を図る建設機械用安全作業支援システムであって、建設機械に取り付けられる発信機を有し、発信機は周囲に向けて第1情報を発信し、建設機械から所定距離範囲内に存在する所定の安全作業支援アプリケーションがインストールされたスマートフォンに第1情報を受信させ、スマートフォンに建設機械の存在を通知するシステムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、ロードローラを用いて工事を行う際に、ロードローラの周囲に立ち入り禁止領域を明示してより安全に作業を行えるようにする工事方法であって、路面に映像を投影して表示する複数のプロジェクタ装置をロードローラに複数設置し、プロジェクタ装置から投影される映像によってロードローラの周囲の立ち入り禁止領域を路面に表示した状態でロードローラの移動に伴って表示した立ち入り禁止領域を移動させながら作業を行う工事方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-209718号公報
【文献】特開2017-193928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術を用いることにより、作業機械との接近を作業員に認識させることができる。しかし、特許文献1では、作業機械の運転者は作業員が作業領域を認識しているか否か不明であり、作業員と作業機械の過度の接近が発生する可能性があった。
【0007】
また、特許文献2の技術を用いることにより、作業の進捗とともに変化する建設機械周囲の立ち入り禁止領域を作業員に通知することができる。しかし、特許文献2においても、作業機械の運転者は作業員が作業領域を認識しているか否か不明であり、作業員と作業機械の過度の接近が発生する可能性があった。
【0008】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、作業機械と作業員とが作業を行う作業現場において、作業機械の運転者は、作業領域を認識していない作業員の接近に対して特に注意を払って作業を行うことが可能となり、作業員と作業機械の過度な接近を未然に防止することができる作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するために次のような手段を採用した。
【0010】
すなわち、本発明は、作業員に携帯される作業員端末装置と通信により接続される作業機械情報処理装置を備えた作業機械において、前記作業機械情報処理装置は、前記作業機械が動作する作業領域を設定するための情報を入力するとともに、前記作業領域の周囲の領域であって、その領域内に位置する前記作業員に対して前記作業領域を通知する作業領域通知領域を設定するための情報を入力する設定入力装置と、設定された前記作業領域を前記作業員端末装置に表示させるための情報を含む車体信号を送信し、設定された前記作業領域を前記作業員に知らせる作業機械演算装置と、通知装置とを備え、前記作業機械演算装置は、前記作業員端末装置から送信される作業員信号に基づく前記作業員端末装置の位置および前記作業員による設定された前記作業領域の確認結果である作業領域確認結果を含む作業員状態通知信号に基づいて、前記作業領域通知領域内の作業員が設定された前記作業領域を確認しているか否かを判定し、その判定結果を含む情報を前記通知装置により前記作業機械の運転者に通知するものとする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、作業機械情報処理装置は、作業機械が動作する作業領域および作業領域の周囲の作業領域通知領域を設定するための情報を入力する設定入力装置と、作業機械演算装置と、通知装置とを備え、作業機械演算装置は、作業員端末装置から送信される作業員信号に基づく作業員端末装置の位置および作業員による作業領域の確認結果である作業領域確認結果を含む作業員状態通知信号に基づいて、作業領域通知領域内の作業員が作業領域を確認しているか否かを判定し、その判定結果を含む情報を通知装置により作業機械の運転者に通知するため、作業機械の運転者は、作業の進捗に合わせて作業領域および作業領域通知領域を設定することができ、設定した作業領域を作業領域通知領域内の作業者が把握しているか否かについての情報を常に得られるため、作業領域を認識していない作業員の接近に対して特に注意を払って作業を行うことが可能となり、作業機械と作業員の過度な接近を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の基本実施形態に係る現場管理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】現場管理システムが送受信する作業員信号、車体信号および作業領域通知信号の構成を示す図である。
【
図4】作業機械の一例である油圧ショベルの側面図である。
【
図5】作業機械の作業領域および作業領域通知領域の一例を示す図である。
【
図6】現場管理システムにおいて生成される作業員情報、作業機械情報および作業領域情報を示す図である。
【
図7】作業員情報生成部における作業員情報を生成する処理フローを示す図である。
【
図8】作業機械情報生成部における作業機械情報を生成する処理フローを示す図である。
【
図9】作業領域情報抽出部における作業領域情報を生成する処理フローを示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る現場管理システムの概略構成を示す図である。
【
図11】現場管理システムが送受信する作業員信号および作業員状態通知信号の構成を示す図である。
【
図12】現場管理システムにおいて生成される作業領域確認情報、作業員情報、作業員状態情報を示す図である。
【
図13】作業員情報抽出部における作業員状態情報を生成する処理フローを示す図である。
【
図14】作業員接近判定部における接近判定の処理フローを示す図である。
【
図15】作業機械通知装置の表示装置の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る現場管理システムの基本実施形態を図面を参照して説明する。
【0014】
(基本実施形態)
<概要・全体構成>
土木、建設等の作業現場では、求められる作業に応じて、複数の作業機械1(
図3の(A)および(B)参照)および複数の作業員100(同)が作業現場内に配置され、作業機械1および作業員100は作業現場内を移動しながら作業を行う。また、作業現場には、施工の計画および施工品質や進捗、安全対策等の施工管理を行う監督者(作業監督者)が配置される。作業機械1には、作業領域250(同)が設定され、作業機械1は作業領域250内で、姿勢を種々変化させて作業を行う。作業領域250は、作業機械1の作業の進捗に伴って変更される。作業員100が作業機械1の作業領域250を認識せず、作業領域250に不用意に侵入した場合には、作業員100が作業機械に接近し過ぎる場合がある。また、作業員100が作業機械1に接近し過ぎた場合は作業機械1を減速あるいは停止させる必要があり、作業効率が低下する。したがって、作業進捗に伴って変更される作業機械1の作業領域250を作業員100に正しく認識させることが、作業員の接近回避および作業効率の向上のために重要である。
【0015】
図1は、基本実施形態に係わる現場管理システム200の概略構成を示す図である。
図2は、現場管理システムが送受信する信号の構成を示す図である。
【0016】
本実施形態の現場管理システム200は、作業員100に携帯される作業員端末装置40と、作業機械1に搭載される作業機械情報処理装置10とを用いて、作業現場内を移動する作業員100の位置および作業機械1の位置および作業領域250を取得、管理し、作業機械1の近傍(作業領域通知領域260)の作業員100に作業機械1の作業領域250を通知するものである。
【0017】
図1に示すように、現場管理システム200は、主に、作業員100に携帯される作業員端末装置40と、作業機械1に搭載される作業機械情報処理装置10と、作業現場管理事務所等に設けられる現場管理装置30とから構成される。作業員端末装置40と作業機械情報処理装置10と現場管理装置30とは現場内の無線ネットワークや携帯電話網などによる無線通信で接続される。
【0018】
作業員端末装置40は、例えば、スマートフォン等の作業員によって携帯される端末であって、端末位置検出装置45と作業員通知装置44等を備える。作業員端末装置40は、自身の位置情報を含む作業員信号140を現場管理装置30に出力し、また、現場管理装置30から出力される作業領域通知信号130に基づいて作業員100に作業機械1の作業領域を通知する。作業機械情報処理装置10は、作業機械1に搭載される装置であって、車体位置検出装置50、設定入力装置53等を備え、機械自身の位置情報と作業領域情報とを含む車体信号110を現場管理装置30に出力する。現場管理装置30は、作業員端末装置40から出力される作業員信号140と、作業機械情報処理装置10から出力される車体信号110とに基づいて、作業現場内の作業員100の位置、作業機械1の位置および作業領域を管理する。また、作業員100と作業機械1の位置関係に基づいて、作業機械1の作業領域の通知の要否を判定し、作業機械1から所定の領域内(作業領域通知領域260-
図5参照)に存在する作業員100に作業機械1の作業領域250を通知する作業領域通知信号130を出力する。信号の送受信は例えば送信先を指定した無線通信によって行う。このように、作業機械1の近傍の作業員100に対し、作業機械1の作業領域250を通知することによって、作業員100は作業機械1の作業領域250を常に認識することができ、作業領域250への不用意な侵入を未然に回避することが可能となる。
【0019】
以下では、作業員端末装置40、作業機械情報処理装置10、現場管理装置30の詳細を説明する。
【0020】
<作業員端末装置>
作業員端末装置40は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、ウェアラブルデバイスであって、作業員100に常に携帯させるものであり、作業現場に配置される作業員100の人数分存在する。
図1に示すように、作業員端末装置40は、端末位置検出装置45と作業員端末演算装置42と作業員端末通信装置43と作業員通知装置44とを備え、図示しない電源部によって駆動される。
【0021】
端末位置検出装置45は、測位衛星からの電波を受信し、作業員端末装置40の3次元位置データを出力する装置である。端末位置検出装置45は、測位衛星からの電波を受信するGNSS受信アンテナと、受信した電波を復調して作業員端末装置40の3次元位置を算出する位置情報算出部とを備え、グローバル座標系で算出された3次元位置データを作業員端末演算装置42に出力する。
【0022】
作業員端末演算装置42は、作業員信号生成部42Aと、管理システム通信部42Bと、通知生成部42Cとから構成される。
【0023】
作業員信号生成部42Aは、端末位置検出装置45から入力される位置情報と予め入力しておいた各作業員端末装置40を携帯する作業員100を識別する作業員IDとを合わせ、
図2の(A)に示すような作業員信号140を生成する。
【0024】
管理システム通信部42Bは、作業員信号生成部42Aの出力する作業員信号140を現場管理装置30に送信するよう作業員端末通信装置43に指令を出力する。また、作業員端末通信装置43を介して受信した作業領域通知信号130を通知生成部42Cに出力する。
【0025】
通知生成部42Cは、作業領域通知信号130に基づいて作業機械1の作業領域250を作業員100に通知するための信号を生成し、作業員通知装置44に通知指令を出力する。作業領域通知信号130は、
図2の(C)に示すように、該当する作業機械の台数分の作業領域情報を格納した信号であり、各作業領域情報は作業機械ID、作業機械の位置、作業領域、作業領域更新フラグ(作業領域更新情報)から構成される。通知の一例としては、例えば、作業領域更新フラグが「1」である作業領域情報が存在する場合に、作業員通知装置44に備えられたバイブレーション発生装置およびスピーカを用いて作業機械1の作業領域変更を通知する。また、更新フラグが「1」である作業領域情報について、作業員通知装置44に備えられたモニタに、作業員100と作業機械1の位置関係および作業機械1の作業領域250を示す表示を行う。
図3は、作業員通知装置44の表示例を示す図であり、例えば、
図3の(A)の表示例に示すように作業機械1および作業員100のイラストと作業領域250を表示し、かつ作業領域の変更の確認を指示するメッセージ(「作業領域変更!作業領域を確認して下さい」等)を表示する。作業領域更新フラグが「1」のときのみの作業領域情報を通知することによって、作業領域に変更が生じた場合や、作業員100の移動に伴って作業員100が新たに作業領域通知領域260に侵入した場合にのみ通知を行うことができる。このような構成とすることにより、作業現場で多数の作業機械が稼動している場合にも、真に確認すべき情報のみを作業員100に通知することができる。
【0026】
通知生成部42Cは、作業領域の変更の通知に加え、
図3の(B)の表示例に示すように、作業領域通知信号130に含まれる全ての作業領域情報を作業員100の位置とともに示す表示を行ってもよい。
【0027】
また、通知生成部42Cは、更新フラグが「1」であるか「0」であるかに係わらずモニタに作業機械1および作業員100のイラストと作業領域250を表示し、更新フラグが「1」であるときのみに
図3の(A)に示すように「作業領域変更!作業領域を確認して下さい」のメッセージを表示してもよい。
【0028】
作業員端末通信装置43は、作業現場内無線ネットワーク、携帯電話網等を用いて、現場管理装置30に作業員信号140を送信し、現場管理装置30より作業領域通知信号130を受信する。
【0029】
作業員通知装置44は、上述したように、モニタ、スピーカ、バイブレーション発生装置等を備えており、通知生成部42Cからの通知指令に応じて、視覚、聴覚情報、振動等を用いて、作業員100に作業機械1の作業領域を通知する。また、作業員通知装置44はスイッチ等の操作部44aを有し、作業員が操作部44aを操作する(例えばスイッチを押す)ことでモニタの表示やスピーカおよびバイブレーション発生装置の作動を停止させることができる。
【0030】
<作業機械情報処理装置>
作業機械情報処理装置10は、車体位置検出装置50、設定入力装置53、作業機械演算装置60、作業機械通信装置55とから構成され、作業機械1に搭載される。作業機械情報処理装置10は、車体位置検出装置50で検出される作業機械1の位置情報と、設定入力装置53を介して設定される作業領域に基づいて、
図2の(B)に示すような車体信号110を生成し、作業現場内無線ネットワーク、携帯電話網等を介して現場管理装置30に送信する。
【0031】
本実施形態の現場管理システム200が導入される作業現場では、施工内容に応じて、油圧ショベル、ブルドーザー、ホイールローダ等の作業機械が用いられる。
図4は、作業機械の一例である油圧ショベルの側面図である。以下では、作業機械情報処理装置10を
図4に示すような油圧ショベルに搭載する場合を例に取り、作業機械情報処理装置10の詳細を説明する。
【0032】
図4の作業機械1は、走行体2と、走行体2の上部に旋回可能に取り付けられた旋回体3と、一端が旋回体3に連結された多関節型のリンク機構よりなる作業フロント6とを備えている。作業フロント6は、一端が旋回体3に連結されたブーム6Aと、一端がブーム6Aの他端に連結されたアーム6Bと、一端がアーム6Bの他端に連結されたバケット6Cとを有しており、これらの各部材は、それぞれ上下方向に回動するように構成されている。旋回体3上には、運転室(キャビン)4が備えられている。また、この旋回体3上の所要の部分には、動力系を構成するエンジンや駆動アクチュエータの駆動油圧回路等が備えられている。運転室4内には、オペレータが各駆動アクチュエータに対する動きの指示を入力するための操作レバー5が備えられる。操作レバー5を操作することにより、走行、旋回、および作業フロント6を用いた各種動作が行われる。運転室4内には、操作レバー5の他、作業機械1の運転者に各種情報を通知するための通知装置80(
図10参照)、前述した設定入力装置53および作業機械演算装置60が備えられる。また、作業機械1には、作業機械情報処理装置10を構成する車体位置検出装置50、作業機械通信装置55が備えられる。
【0033】
以下、車体位置検出装置50、設定入力装置53、作業機械演算装置60、作業機械通信装置55の詳細を説明する。
【0034】
車体位置検出装置50は、測位衛星からの電波を受信し、作業機械1の3次元位置データを出力する装置である。車体位置検出装置50は、測位衛星からの電波を受信するGNSS受信アンテナと、受信した電波を復調して作業機械1の3次元位置を算出する位置情報算出部とを備え、グローバル座標系で算出された3次元位置データを作業機械演算装置60に出力する。
【0035】
設定入力装置53は、作業機械1の作業領域250の設定等に用いられる入力装置であり、設定入力装置53は、入力情報を作業機械演算装置60に出力する。
【0036】
作業機械演算装置60は、図示しないCPU、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびフラッシュメモリ等からなる記憶部、これらを備えるマイクロコンピュータ並びに図示しない周辺回路などから構成され、例えばROMに格納されるプログラムにしたがって作動する演算装置である。作業機械演算装置60は、車体位置検出装置50、設定入力装置53からの情報に基づいて、自身の位置、作業領域の情報を含む車体信号110を生成し、作業機械通信装置55に出力する。
【0037】
以下では、
図1および
図5を参照して本実施形態の作業機械演算装置60の詳細を説明する。
【0038】
作業機械演算装置60は、作業領域設定部61と、車体信号生成部62と、管理システム通信部63とから構成される。
【0039】
作業領域設定部61は、設定入力装置53からの入力に基づいて作業領域250および作業領域通知領域260を設定する。作業領域250および作業領域通知領域260は、作業機械1に設定された車体座標系、グローバル座標系、各作業現場に設定された現場座標系等の所望の座標系で設定すればよい。
【0040】
図5は作業機械1の作業領域250および作業領域通知領域260の一例を示す図である。作業領域250は、前述のように、作業機械1が動作する領域である。作業機械1は、設定された作業領域250内でのみ作業を行い、作業領域250は、作業の進捗に伴って変更される。また、作業領域通知領域260は、作業機械1の作業領域250を通知すべき作業員100(作業員端末装置40)の存在エリアである。作業現場が広い場合には、非常に多くの作業機械1が稼動しており、作業員100が全ての作業機械の作業領域を正しく認識するのは困難である。そのため、本実施形態では、作業機械1の周囲に作業領域通知領域260を設定し、作業領域通知領域260内の作業員100にのみ作業領域250を通知する。
【0041】
作業領域250の設定方法としては、例えば、作業機械1の運転者が、作業内容および作業の進捗に応じて設定入力装置53を操作することによって設定する方法が挙げられる。その他の設定方法としては、予め設定入力装置53を用いて作業工程ごとの作業領域250を設定し、作業進捗に応じて作業領域250を切り替える方法が挙げられる。作業領域通知領域260は、作業領域250設定時に、設定入力装置53を用いて設定するように構成してもよいし、作業機械1に固有のエリアとして予め設定された領域を用いるようにしてもよい。
【0042】
設定入力装置53は、作業領域250および作業領域通知領域260を作業領域設定部61に入力するとき、入力した作業領域250および作業領域通知領域260を
図5に示すように、作業機械1のイラストと共に設定入力装置のモニタに表示させる。
【0043】
車体信号生成部62は、車体位置検出装置50からの出力信号と作業領域設定部61の出力に基づいて現場管理装置30に送信する車体信号110を生成する。
図2の(B)に示すように、車体信号110は、作業機械情報処理装置10の搭載される作業機械1を識別する作業機械IDと、車体位置検出装置50から入力される作業機械1の位置情報と、作業領域設定部61で設定される作業領域250および作業領域通知領域260とを含む信号である。作業領域250および作業領域通知領域260が車体座標系、各作業現場に設定された現場座標系等で設定された場合には、グローバル座標系に変換し、車体信号110を生成する。
【0044】
管理システム通信部63は、車体信号生成部62の出力する車体信号110を現場管理装置30に送信するよう作業機械通信装置55に指令を出力する。
【0045】
作業機械通信装置55は、作業現場内無線ネットワーク、携帯電話網等を用いて、現場管理装置30との通信を行う装置であり、作業機械演算装置60の生成する車体信号110を現場管理装置30に送信する。
【0046】
<現場管理装置>
現場管理装置30は、現場管理用制御装置31と、現場管理通信装置32とから構成され、作業現場内の管理事務所等に設置される。現場管理装置30は、作業員端末装置40および作業機械情報処理装置10と現場内無線ネットワークや携帯電話網などによって接続されており、作業員端末装置40から送信される作業員信号140と、作業機械情報処理装置10から送信される車体信号110を受信し、これらの信号を用いて、作業現場内の作業員100および作業機械1の位置および作業機械1の作業領域を管理し、作業員100に対して通知すべき作業領域情報を抽出し、作業員端末装置40に対して、作業領域通知信号130を送信する。
【0047】
以下では、
図1および
図6から
図9を参照して、現場管理装置30の各部の詳細を説明する。
【0048】
[現場管理用制御装置]
現場管理用制御装置31は、図示しないCPU、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびフラッシュメモリ等からなる記憶部、これらを備えるマイクロコンピュータ並びに図示しない周辺回路などから構成され、例えばROMに格納されるプログラムにしたがって作動する。
【0049】
また、現場管理用制御装置31は、各種情報を保持する記憶部31Bと、現場管理通信装置32から入力される信号と記憶部31Bに保持される情報とを用いて所定の演算を行う演算部31Aとを備える。以下では、本実施形態の現場管理用制御装置31の記憶部31Bと演算部31Aの詳細を説明する。
【0050】
・記憶部
記憶部31Bは、演算部31Aの行う演算に必要な情報を保持し、演算部31Aからの指令に応じて保持している情報を出力する。
図1に示すように、本実施形態では、作業機械リスト310、作業員リスト340、作業機械情報350、作業員情報360が保持される。
【0051】
作業機械リスト310は、作業現場内で稼動する作業機械1の一覧であり、本実施形態では、作業機械リスト310として、例えば、それぞれの作業機械1固有の作業機械IDと作業機械1の種別と作業機械1の運転者の情報とを対応させたリストを保持する。
【0052】
作業員リスト340は、作業現場内で作業中の作業員100の一覧であり、本実施形態では、作業員リスト340として、例えば、それぞれの作業員固有の作業員IDと作業員の属性とを対応させたリストを保持する。作業員の属性は、作業員の氏名と、作業機械1の運転者、補助作業員、周囲作業員、監督者等を区別する情報を含む。また、作業員の属性は、所属会社、経験年数等の情報を含んでもよいし、これらを統合した指標を持たせるようにしてもよい。
【0053】
図6は、作業機械情報350および作業員情報360と後述する作業領域情報380を示す図である。
【0054】
作業機械情報350は、
図6の(B)に示すように、作業現場内の作業機械1に関する位置、作業領域等の情報をリスト化したものであり、演算部31Aで生成される。
【0055】
作業員情報360は、
図6の(A)に示すように、作業現場内の作業員100に関する位置等の情報をリスト化したものであり、演算部31Aで生成される。
【0056】
作業機械情報350および作業員情報360の詳細は後述する。
【0057】
・演算部
演算部31Aは、作業員情報生成部34と、作業機械情報生成部35と、作業領域情報抽出部36と、作業領域通知信号出力部37とから構成される。以下では、各部の詳細を説明する。
【0058】
・作業員情報生成部
作業員情報生成部34は、現場管理通信装置32で受信される作業員信号140の受信結果と記憶部31Bに格納された作業員リスト340とを用いて作業員情報360を生成する。
【0059】
作業員情報360は、
図6の(A)に示すように、各作業員IDに位置の情報を書き込んだものであり、作業員信号140の受信結果に基づいて、作業員リスト340に記載された全ての作業員IDについて作業員情報360を生成する。生成した作業員情報360は、作業領域情報抽出部36に出力するとともに記憶部31Bに格納する。
【0060】
図7は、作業員情報生成部34における作業員情報360を生成する処理フローを示す図である。
【0061】
作業員情報生成部34では、まず、作業員リスト340を読み込み(ステップS700)、作業員リスト340に含まれる作業員IDの中から1番目の作業員ID(ID=「A」)を選択する(ステップS710)。次いで、作業員信号140を読み込み(ステップS720)、作業員信号140に含まれる作業員IDが選択した作業員IDに該当するかどうかを判定し(ステップS730)、該当する場合は作業員情報360に作業員IDと位置情報を書き込む(ステップS740)。
【0062】
以上は作業員IDが「A」の作業員に関するものであり、作業員情報360に作業員IDと位置情報を書き込んだ後は、同様の処理を作業員リスト340に含まれる全ての作業員IDについて行い(ステップS750,S760)、全ての作業員IDについて同様の処理が完了すると作業員情報360を出力し記憶部31Bに格納する(ステップS770)。
【0063】
・作業機械情報生成部
作業機械情報生成部35は、現場管理通信装置32で受信される車体信号110の受信結果と記憶部31Bに格納された作業機械リスト310を用いて作業機械情報350を生成する。
【0064】
作業機械情報350は、
図6の(B)に示すように各作業機械IDに位置、作業領域、作業領域通知領域の情報を書き込んだものであり、車体信号110の受信結果に基づいて、作業機械リスト310に記載された全ての作業機械IDについて作業機械情報350を生成する。生成した作業機械情報350は、作業領域情報抽出部36に出力するとともに記憶部31Bに格納する。
【0065】
図8は、作業機械情報生成部35における作業機械情報350を生成する処理フローを示す図である。
【0066】
作業機械情報生成部35では、まず、作業機械リスト310を読み込み(ステップS800)、作業機械リスト310に含まれる作業機械IDの中から1番目の作業機械ID(ID=「α」)を選択する(ステップS810)。次いで、車体信号110を読み込み(ステップS820)、車体信号110に含まれる作業機械IDが選択した作業機械IDに該当するかどうかを判定し(ステップS830)、該当する場合は作業機械情報350に作業機械ID、位置、作業領域、作業領域通知領域の情報を書き込む(ステップS840)。
【0067】
以上は作業機械IDが「α」の作業機械に関するものであり、作業機械情報350に作業機械ID、位置、作業領域、作業領域通知領域の情報を書き込んだ後は、同様の処理を作業機械リスト310に含まれる全ての作業機械IDについて行い(ステップS850,S860)、全ての作業機械IDについて同様の処理が完了すると作業機械情報350を出力し記憶部31Bに格納する(ステップS870)。
【0068】
・作業領域情報抽出部
作業領域情報抽出部36は、作業員情報生成部34の生成する作業員情報360と、作業機械情報生成部35の生成する作業機械情報350とを用いて、各作業員端末装置に通知すべき作業領域情報を抽出し、作業員IDごとに作業領域情報380を生成する。
【0069】
作業領域情報380は、
図6の(C)に示すように、作業機械ID、位置、作業領域、作業領域更新フラグ(作業領域更新情報)から構成される。本実施形態の現場管理システムでは、各作業機械の作業領域通知領域260内に存在する作業員100に対してのみ、作業領域情報380を生成し、作業領域250を通知する。
【0070】
図9は、作業領域情報抽出部36における作業領域情報380を生成する処理フローを示す図である。
【0071】
作業領域情報抽出部36では、作業機械情報350に含まれる1番目の作業機械IDを選択し(ステップS910)、当該作業機械の作業機械情報350を読み込む(ステップS915)。次いで、作業員リスト340に含まれる作業員IDの中から1番目の作業員ID(ID=「A」)を選択し(ステップS900)、作業員情報360に含まれる当該作業員IDの位置情報を読み込む(ステップS905)。次いで、作業機械情報350の作業領域通知領域260の情報に基づいて、選択した作業員の存在位置が当該作業機械の作業領域通知領域260内であるか否かを判定し(ステップS920)、作業領域通知領域260内である場合は、当該作業機械は過去の作業領域情報380(例えば1制御サイクル前に生成された作業領域情報380)に存在していたか否かを判定し(ステップS925)、存在していた場合は、更に、当該作業領域が過去の作業領域情報380(例えば1制御サイクル前に生成された作業領域情報380)に含まれるものと同一か否かを判定し(ステップS930)、同一である場合は、作業領域が過去の作業領域情報380に含まれていたものから変更されたか否かを示す作業領域更新フラグを「0」とする(ステップS935)。一方、当該作業機械は過去の作業領域情報380に存在していなかった場合および作業領域が過去の作業領域情報380に含まれていたものと異なる場合は、作業領域更新フラグを「1」とする(ステップS940)。そして、作業領域情報380に当該作業機械ID、当該作業機械の位置および作業領域情報、作業領域更新フラグを作業員100に通知すべき情報として書き込む(ステップS945)。
【0072】
以上は作業員IDが「A」の作業員に関するものであり、同様の処理を作業員リスト340に含まれる全ての作業員IDについて行う(ステップS950,S955)。
【0073】
また、以上は作業機械IDが作業機械情報350に含まれる1番目の作業機械IDに対するものであり、同様の処理を作業機械情報350に含まれる全ての作業機械IDについて行う(ステップS960,S965)。全ての作業機械IDについて同様の処理が完了すると作業領域情報380を作業領域通知信号出力部37に出力する(ステップS970)。
【0074】
・作業領域通知信号出力部
作業領域通知信号出力部37は、作業領域情報抽出部36の生成する作業領域情報380を作業領域通知信号130に変換し、該当する作業員端末装置40に対して作業領域通知信号130を送信するよう現場管理通信装置32に指令を出力する。作業領域通知信号130は、
図2の(C)示すように、該当する作業機械の台数分の作業領域情報を格納した信号であり、各作業領域情報は作業機械ID、作業機械の位置、作業領域、作業領域更新フラグから構成される。作業領域通知信号出力部37では、作業員リスト340に記載された全ての作業員IDについて、作業領域情報380に格納される作業機械ID分の情報を作業領域情報としてつなぎ合わせ、作業領域通知信号130とする。
【0075】
[現場管理通信装置]
現場管理通信装置32は、作業現場内無線ネットワーク、携帯電話網等を用いて、作業員端末装置40および作業機械情報処理装置10との通信を行う装置である。作業員端末装置40からの作業員信号140および作業機械情報処理装置10からの車体信号110を受信して、現場管理用制御装置31に出力する。また、現場管理用制御装置31からの指令に応じて、作業領域通知信号130を作業員端末装置40に送信する。
【0076】
以上のように構成した本実施形態によれば以下に示す効果が得られる。
【0077】
1.現場管理装置30は、作業員端末装置40から送信される作業員信号140に基づいて作業員端末装置40の位置を含む作業員情報360を生成し、作業機械情報処理装置10から送信される車体信号110に基づいて作業機械1の位置および作業機械1が動作する作業領域250を含む作業機械情報350を生成し、作業員情報360および作業機械情報350に基づいて作業機械1の位置および作業領域250を含む作業領域情報380を生成し、作業領域情報380を含む作業領域通知信号130を作業員端末装置40に送信する。
【0078】
これにより作業員100および作業機械1が作業する作業現場において、作業員端末装置40および作業機械情報処理装置10からの信号に基づいて、現場管理装置30において、作業員100の位置、作業機械1の位置および作業領域250を管理することができる。また、作業機械1の作業領域250を作業員100に通知することが可能となり、作業員100は作業機械1の作業領域250を常に認識し、作業領域250への不用意な侵入を回避することができる。
【0079】
2.作業員端末装置40は、現場管理装置30から送信される作業領域通知信号130を受信し、作業領域通知信号130に基づいて、作業員100に対して作業機械1の作業領域250を通知する。
【0080】
これにより作業員100は作業機械1の作業領域250を常に認識し、作業領域250へ侵入することを未然に防止することができる。
【0081】
3.現場管理装置30は、作業機械情報処理装置10から送信される車体信号110に基づいて、作業機械情報350として、作業機械1の位置と作業領域250とに加え、作業機械1の所定範囲内に設定した、作業領域250を通知すべき作業員端末装置40の存在領域である作業領域通知領域260を含む情報を生成し、作業員端末装置40の位置が作業領域通知領域260内である場合に作業領域情報380を生成し、作業領域情報380を作業領域通知信号130に含ませる。
【0082】
これにより作業員の位置が作業領域通知領域260内である場合に作業員端末装置40を用いた通知を行うため、作業現場に多数の作業機械1が存在する場合であっても、作業員100は、自身に関係の深い作業機械1の情報を容易に確認することができる。
【0083】
4.現場管理装置30は、作業機械1の作業領域250がこれまでの作業領域通知信号130に含まれる作業領域250と異なる場合に、作業領域情報380として、作業領域更新情報を含む情報を生成し、作業領域情報380を作業領域通知信号130に含ませる。
【0084】
これにより作業領域に変更が生じた場合にのみ通知が行われるため、作業現場で多数の作業機械1が稼動している場合であっても、真に確認すべき情報のみを作業員100に通知することができる。
【0085】
5.現場管理装置30は、作業機械1の作業領域250がこれまでの作業領域通知信号130に含まれる作業領域250と異なる場合、および作業員端末装置40が新たな作業領域通知領域260に侵入し作業領域情報380に新たな前記作業機械の作業領域250が含まれた場合のいずれかにおいて、作業領域情報380として、作業領域更新情報を含む情報を生成し、作業領域情報380を作業領域通知信号130に含ませる。
【0086】
これにより作業領域に変更が生じた場合だけでなく、作業員100の移動に伴って作業員100が新たに作業領域通知領域260に侵入した場合にも通知が行われ、作業現場で多数の作業機械1が稼動している場合であっても、真に確認すべき情報のみを作業員100に通知することができる。
【0087】
<変更例>
以下では、本実施形態の変更例について説明する。
【0088】
[作業領域通知信号変更例]
上記の実施形態では、現場管理用制御装置31において、作業現場で稼動している作業機械1のうち、当該作業員100の位置が作業領域通知領域260内である作業機械の作業領域を抽出し、作業領域通知信号130として作業員端末装置40に送信する例を示した。一方、作業員100に通知する必要があるのは、作業領域250に変更が生じた場合や、作業員100の移動または作業機械の作業領域通知領域260の変更に伴って作業員100が新たに作業領域通知領域260に侵入した場合である。上記の実施形態では、作業領域の更新の有無を作業領域通知信号130の作業領域更新フラグを用いて表す例を示したが、作業領域通知信号130には、前回の送信から変更のあった作業領域情報のみを含むようにしてもよい。このような場合では、作業領域通知信号出力部37において、作業領域情報380のうち、更新フラグが「1」のもののみを抽出し、作業領域通知信号130とする。このような構成にすることによって、作業領域通知信号130のデータ量を削減することが可能となる。また、作業員端末装置40において、通知生成時に作業領域の更新の有無の判定が不要となり、作業員端末装置40の演算処理量を削減することが可能となる。
【0089】
[座標系変更例]
上記の実施形態では、作業員信号140に含まれる作業員の位置情報、車体信号110に含まれる作業機械の位置情報、作業領域250、作業領域通知領域260をグローバル座標系で取り扱う例を示したが、座標系は必ずしもグローバル座標系である必要はなく、作業現場に設定された現場座標系等を用いてもよい。また、作業機械情報処理装置10においては作業領域250および作業領域通知領域260を車体座標系として取り扱い、現場管理装置30において、作業機械の位置情報にもとづいて、作業領域250および作業領域通知領域260を他の座標系に変換するように構成してもよい。
【0090】
[作業領域通知領域設定方法変更例]
上記の実施形態では、作業機械1の作業領域通知領域260を、作業機械情報処理装置10の作業領域設定部61で設定する例を示したが、作業領域通知領域260は、必ずしも作業機械情報処理装置10で設定する必要はなく、現場管理装置30で設定するように構成してもよい。そのような場合には、作業機械ごとの特性を考慮してそれぞれの作業機械1に対して予め作業領域通知領域260を定め、作業機械リスト310に、作業機械IDに対応する作業領域通知領域260を格納するようにしてもよい。また、作業領域通知領域260を、作業領域250の大きさに応じて変更するように構成し、現場管理用制御装置31の作業機械情報生成部35において設定するようにしてもよい。このような構成にすることにより、作業機械1の運転者の設定の手間を省くことができ、また、車体信号110のデータ量を削減することが可能となる。
【0091】
[現場管理装置送信信号追加例]
上記の実施形態では、現場管理装置30から作業領域通知信号130を作業員端末装置40に送信する例を示したが、作業領域通知信号130を作業員端末装置40に加え、作業機械情報処理装置10にも送信するように構成してもよい。そのような構成においては、現場管理用制御装置31の作業領域情報抽出部36において、作業員リスト340に記載された全ての作業員IDに加え、作業機械リスト310に記載された全ての作業機械IDについて、作業領域情報380を生成する。また、作業領域通知信号出力部37において、全ての作業員IDに加えて全ての作業機械IDについて作業領域通知信号130を生成し、作業員端末装置40に加え、作業機械情報処理装置10に対して作業領域通知信号130を送信するよう現場管理通信装置32に指令を出力する。また、現場管理通信装置32は、作業員端末装置40に加え、作業機械情報処理装置10に作業領域通知信号130を送信する。作業機械情報処理装置10は、上記の実施形態に加え、作業機械通知装置80(
図10参照)を備える。作業機械情報処理装置10の作業機械通信装置55は、現場管理装置30の送信する作業領域通知信号130を受信する。作業機械通知装置80は、作業領域通知信号130に基づいて、他の作業機械の作業領域を作業機械1の運転者に通知する。このように構成することにより、作業機械1の運転者に対して、近傍で作業を行っている他の作業機械1の作業領域を通知することが可能となり、作業機械同士の不用意な接近を未然に防止することが可能となる。
【0092】
[現場管理装置の設置場所変更例]
上記の実施形態では、現場管理装置30を作業現場内の管理事務所等に設置する例を示したが、現場管理装置30は、作業員端末装置40および作業機械情報処理装置10と通信を介して接続可能であれば、いかなる場所に設置してもよい。他の設置箇所の例としては、例えば、作業機械1上に搭載する例や、クラウド上に構成する例が挙げられる。
【0093】
(本発明の実施形態)
次に本発明の実施形態を説明する。以下では、
図10から
図15を参照して、本実施形態の詳細を説明する。なお、基本実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、説明を省略する。
【0094】
図10は、本発明の実施形態に係わる現場管理システム200の概略構成を示す図である。本発明の実施形態では、現場管理装置30は、作業機械情報処理装置10に対して、作業機械1の近傍の作業員100の位置および作業領域確認状況を送信し、作業機械情報処理装置10は、作業員100の接近を作業機械1の運転者に通知する。
【0095】
<作業員端末装置>
本発明の実施形態では、作業員端末装置40は、基本実施形態の構成に加え、作業員入力装置46を備える。
【0096】
作業員入力装置46は、作業員端末装置40を携帯する作業員100が、作業員通知装置44の通知への応答を入力するための入力装置である。
【0097】
図11は、現場管理システムが送受信する信号の構成を示す図である。
図12は、現場管理システムにおいて生成される情報を示す図である。
【0098】
作業員端末演算装置42は、基本実施形態の構成に加え、通知確認判定部42Dを備え、作業員信号生成部42Aにおいて
図11の(A)に示す作業員信号140を生成する。
【0099】
通知確認判定部42Dは、作業領域通知信号130と作業員入力装置46の入力に基づいて、作業員100が作業員通知装置44の通知を確認したか否かを判定し、
図12の(A)に示すような作業領域確認情報410を生成する。作業領域確認情報410は、作業機械ID、作業領域、作業領域確認フラグ(作業領域確認結果)をリスト化したものである。作業員100による確認が行われた場合には、作業領域確認フラグを「1」、確認が行われていない場合には、作業領域確認フラグを「0」とする。作業領域通知信号130に含まれる全ての作業機械IDについて作業領域確認情報410を生成し、作業員信号生成部42Aに出力する。
【0100】
作業員信号生成部42Aは、端末位置検出装置45から入力される位置情報と、通知確認判定部42Dの生成する作業領域確認情報410とに基づいて、
図11の(A)に示す作業員信号140を生成する。作業員信号140は、作業員端末装置40を携帯する作業員100を識別する作業員IDと、作業員端末装置40の位置情報と、作業領域確認情報を格納した信号である。作業領域確認情報は、作業機械IDと作業領域確認フラグとから構成され、作業員信号140には、作業領域通知信号130に含まれる作業機械IDの個数分の作業領域確認情報が格納される。
【0101】
<現場管理装置>
本発明の実施形態の現場管理装置30は、基本実施形態と同様の構成を有するが、現場管理用制御装置31の演算部31Aは、基本実施形態に記載の構成に加え、作業員情報抽出部38と作業員状態信号出力部39を備え、現場管理通信装置32は、作業員端末装置40に作業領域通知信号130を送信することに加え、作業機械情報処理装置10に対して作業員状態通知信号150を送信する。
【0102】
[現場管理用制御装置]
・作業員情報生成部
作業員情報生成部34は、現場管理通信装置32で受信される作業員信号140の受信結果と記憶部31Bに格納された作業員リスト340を用いて作業員情報360Aを生成する。作業員情報360Aは、
図12の(B)に示すように、各作業員IDに位置および作業領域確認情報を書き込んだものであり、作業員リスト340に含まれる全ての作業員IDについて作業員情報360Aを生成する。生成した作業員情報360Aは、作業領域情報抽出部36および作業員情報抽出部38に出力するとともに記憶部31Bに格納する。
【0103】
・作業員情報抽出部
作業員情報抽出部38は、作業員情報生成部34の生成する作業員情報360Aと、作業機械情報生成部35の生成する作業機械情報350(
図6(B)参照)を用いて、各作業機械情報処理装置10に通知すべき作業員情報を抽出し、作業機械IDごとに作業員状態情報390を生成する。
【0104】
作業員状態情報390は、
図12の(C)に示すように、作業員ID、位置、作業領域確認フラグ(作業領域確認結果)から構成される。本発明の実施形態の現場管理システムは、作業機械情報処理装置10に、作業機械情報処理装置10の搭載される作業機械1の作業領域通知領域260内に存在する作業員100の位置および作業領域確認状況を通知する。
【0105】
図13は、作業員情報抽出部38における作業員状態情報390を生成する処理フローを示す図である。
【0106】
作業員情報抽出部38では、作業機械リスト310に記載された全ての作業機械IDの中から1番目の作業機械ID(ID=「α」)を選択し(ステップS1300)、当該作業機械IDの作業機械情報350(
図6B参照)を読み込む(ステップS1305)。また、作業員情報360Aに含まれる1番目の作業員IDを選択し(ステップS1315)、次いで、作業員情報生成部34において生成された当該作業員IDの作業員情報360Aを読み込む(ステップS1310)。次いで、作業機械情報350に含まれる作業領域通知領域260の情報と、作業員情報360Aに含まれる作業員の位置情報に基づいて、各作業員が作業領域通知領域260内に存在するか否かを判定する(ステップS1320)。作業領域通知領域260外である場合には、当該作業員IDについては、作業員状態情報390への書き込みを行わない。作業領域通知領域260内である場合には、作業員情報360Aの作業領域確認情報に当該作業機械の作業機械IDが含まれるかを確認する(ステップS1325)。作業機械IDが含まれる場合は、作業員状態情報390に、作業員ID、作業員位置、作業領域確認フラグを書き込む(ステップS1330)。また、作業員情報360Aの作業領域確認情報に当該作業機械の作業機械IDが含まれない場合には、作業員状態情報390に、作業領域確認フラグを「0」として(ステップS1335)、作業員ID、作業員位置、作業領域確認フラグを書き込む(ステップS1340)。
【0107】
同様の処理を作業員情報360Aに含まれる全ての作業員IDについて行う(ステップS1345,S1350)。
【0108】
以上は作業機械IDが「α」の作業機械情報処理装置10に対するものであり、同様の処理を作業機械リスト310に記載された全ての作業機械IDについて行う(ステップS1355,S1360)。全ての作業機械IDについて同様の処理が完了すると作業員状態情報390を出力する(ステップS1365)。
【0109】
・作業員状態信号出力部
作業員状態信号出力部39は、作業員情報抽出部38の生成する作業員状態情報390を作業員状態通知信号150に変換し、該当する作業機械情報処理装置10に対して作業員状態通知信号150を送信するよう、現場管理通信装置32に指令を出力する。作業員状態通知信号150は、
図11の(B)に示すように、該当する作業員の人数分の作業員状態情報を格納した信号である。各作業員状態情報は、作業員ID、位置情報、作業領域確認フラグから構成される。作業員状態信号出力部39では、作業機械リスト310に記載された全ての作業機械IDについて、作業員状態情報390に格納された作業員ID分の情報をつなぎ合わせて、作業員状態通知信号150を生成する。
【0110】
[現場管理通信装置]
現場管理通信装置32は、作業員端末装置40からの作業員信号140および作業機械情報処理装置10からの車体信号110を受信して、現場管理用制御装置31に出力する。また、現場管理用制御装置31からの指令に応じて、作業領域通知信号130を作業員端末装置40に、作業員状態通知信号150を作業機械情報処理装置10に送信する。
【0111】
<作業機械情報処理装置>
本発明の実施形態の作業機械情報処理装置10は、基本実施形態に記載の構成に加え、作業機械通知装置80を備える。作業機械通信装置55は、車体信号110の送信に加え、作業員状態通知信号150の受信を行う。また、作業機械演算装置60は、基本実施形態に記載の構成に加え、作業員接近判定部64を備え、作業機械1の運転者に作業員100の接近を通知する。
【0112】
[作業機械通知装置]
作業機械通知装置80は、作業機械1の運転者に作業員の接近を通知するための装置であり、本実施形態では、通知装置80として表示装置81と警報装置82とを備える。
【0113】
表示装置81は、液晶パネル等からなる装置であって、作業機械1の運転室4内に設けられる。表示装置81は、視覚情報によって、作業機械1の運転者に作業機械1の周囲の作業員の情報を通知するために用いられ、作業機械演算装置60からの表示指令に基づいて表示を行う。
【0114】
警報装置82は、音あるいは音声等を発生可能な装置であって、作業機械1の運転室4内に設けられる。警報装置82は、聴覚情報によって作業機械1の運転者に作業機械1の周囲の作業員の情報を通知するために用いられ、作業機械演算装置60からの警報指令に基づいて警報音等を発生させる。
【0115】
[作業機械通信装置]
作業機械通信装置55は、作業機械演算装置60の生成する車体信号110を現場管理装置30に送信し、現場管理装置30より作業員状態通知信号150を受信する。
【0116】
[作業機械演算装置]
・管理システム通信部
管理システム通信部63は、車体信号生成部62の出力する車体信号110を現場管理装置30に送信するよう作業機械通信装置55に指令を出力する。また、作業機械通信装置55を介して受信した作業員状態通知信号150を作業員接近判定部64に出力する。
【0117】
・作業員接近判定部
作業員接近判定部64は、作業員状態通知信号150に基づいて、作業員の接近を判定し、作業機械通知装置80への通知指令を生成する。通知の指令は、作業機械1の作業領域250近傍に作業員100が存在するか否かによって変更する。作業員接近判定部64の処理方法は種々考えられるが、以下では、作業員100の作業領域確認状況に応じて、通知を変更する場合の例を説明する。
【0118】
作業員接近判定部64では、作業領域250の外側に第1および第2の2種類の接近通知領域270(270A、270B)を設定する。第1の接近通知領域270Aは、作業機械1の作業領域250を確認済みの作業員100に用いるものであり、第2の接近通知領域270Bは、作業機械1の作業領域250を未確認の作業員100に用いるものである。第2の接近通知領域270Bは、第1の接近通知領域270Aよりも広く(第1の接近通知領域270Aの外側に)設定される。作業員接近判定部64は、第1および第2の2つの接近通知領域270A、270Bと、作業員状態通知信号150に含まれる各作業員IDの位置および作業領域確認フラグとに基づいて、接近通知の要否を判定する。
【0119】
図14は、作業員接近判定部64における接近判定の処理フローを示す図である。
【0120】
作業員接近判定部64では、まず、作業員状態通知信号150を読み込み(ステップS1400)、作業員状態通知信号150に含まれる作業員IDの中から1番目の作業員IDを選択し(ステップS1410)、作業員状態通知信号150に含まれる作業領域確認フラグが「1」であるかを判定する(ステップS1420)。作業領域確認フラグが「1」である場合には、作業員の位置が第1の接近通知領域270A内であるかを判定する(ステップS1430)。作業員の位置が第1の接近通知領域270A内である場合には、接近通知指令を行い(ステップS1440)、作業員の位置が第1の接近通知領域270A外である場合には、接近通知指令は行わない。また、作業領域確認フラグが「0」である場合には、作業員の位置が第2の接近通知領域270B内であるかを判定する(ステップS1450)。作業員の位置が第2の接近通知領域270B内である場合には、接近通知指令を行い(ステップS1460)、作業員の位置が第2の接近通知領域270B外である場合には、接近通知指令は行わない。このような処理を作業員状態通知信号150に含まれる全ての作業員状態情報について行う(ステップS1470、S1480)。
【0121】
図15は、作業機械通知装置80の表示装置81の表示例を示す図である。
【0122】
作業員接近判定部64は、表示装置81に対して、
図15の(A)に示す表示例のように、作業機械1の上面図、作業領域250、作業領域通知領域260、作業員状態通知信号150に含まれる作業員位置を描画するように指令を行う。描画を行う際に、作業領域を確認している作業員と確認していない作業員、すなわち作業領域確認フラグが「1」である作業員IDと「0」である作業員IDとで異なる表示としてもよい。一例として
図15(A)および
図15(B)において、作業領域を確認している作業員は○印で示し、作業領域を確認していない作業員は☆印で示している。また、
図15(A)および
図15(B)においては、参考線として、第1および第2の接近通知領域270A,270Bを破線で示している。第1および第2の接近通知領域270A,270Bは表示装置81に表示されない。
【0123】
また、接近通知指令がある場合には、
図15の(B)に示す表示例のように、例えば「作業接近中!作業員を確認して下さい」などの接近を通知するメッセージの表示を行うとともに、接近通知指令の発令された作業員について他の作業員と異なる表示を行う。一例として
図15(B)において、接近通知指令の発令された作業員を爆発印で示している。また、接近通知指令がある場合には、警報装置82に対して作業員の接近を通知する警報音を発生させるように指令を行う。
【0124】
以上のように構成した本実施形態によれば、基本実施形態の効果に加えて以下に示す効果が得られる。
【0125】
1.現場管理装置30は、作業員端末装置40から送信される作業員信号140に基づいて、作業員情報360Aとして、作業員端末装置40の位置に加え、作業員100による作業領域確認結果を含む情報を生成する。
【0126】
これにより作業機械1の運転者は、作業機械1の近傍で作業する作業員100の状態を把握して作業を行うことができる。
【0127】
2.作業機械情報処理装置10は、通知装置80を備え、作業機械情報処理装置10は、現場管理装置30が送信する作業員状態通知信号150を受信し、作業員状態通知信号150に基づいて作業領域通知領域260内の作業員100の情報を通知装置80に通知する。
【0128】
これにより作業機械1の運転者は、作業機械1の近傍で作業する作業員100の状態を把握して作業を行うことができる。
【0129】
3.現場管理装置30は、作業機械情報処理装置10から送信される車体信号110に基づいて、作業機械情報350として、作業機械1の位置と作業領域250とに加え、作業機械1の所定範囲内に設定した、作業領域250を通知すべき作業員端末装置40の存在領域である作業領域通知領域260を含む情報を生成し、作業員端末装置40の位置が作業領域通知領域260内である場合に、作業員状態情報390として、作業員端末装置40の位置に加え作業領域確認結果を含む情報を生成し、作業員状態情報390を含む作業員状態通知信号150を作業機械情報処理装置10に送信する。
【0130】
これにより作業員100が作業領域250を把握しているか否かの情報が得られるため、作業領域250を認識していない作業員100の接近に対して特に注意を払って作業を行うことが可能となり、作業機械1と作業員100の接近のし過ぎを未然に防止することが容易となる。
【0131】
4.作業機械情報処理装置10は、作業領域250を確認している作業員100に対する第1の接近通知領域270Aと、作業領域250を確認していない作業員に対する、第1の接近通知領域270Aよりも広い第2の接近通知領域270Bを設定し、作業員状態通知信号150に基づいて、作業員100が作業領域250を確認しているか否かを判定し、作業員100が作業領域250を確認している場合は、作業員状態通知信号150に含まれる作業員端末装置40の位置が第1の接近通知領域270A内であるか否かの第1の判定を行い、作業員100が作業領域250を確認していない場合は、作業員端末装置40の位置が第2の接近通知領域270B内であるか否かの第2の判定を行い、第1および第2の判定で作業員端末装置40の位置がそれぞれ第1および第2の接近通知領域270A、270B内である場合に、通知装置80に接近通知を行わせる。
【0132】
これにより作業領域250を認識していない作業員100の接近に対しては広めの接近通知領域270Bを用いて早めに対処を行うことが容易となり、作業機械1と作業員100の接触を未然に防止することが更に容易となる。
【符号の説明】
【0133】
1 作業機械
10 作業機械情報処理装置
30 現場管理装置
31 現場管理用制御装置
31A 演算部
31B 記憶部
32 現場管理通信装置
34 作業員情報生成部
35 作業機械情報生成部
36 作業領域情報抽出部
37 作業領域通知信号出力部
38 作業員情報抽出部
39 作業員状態信号出力部
40 作業員端末装置
42 作業員端末演算装置
42A 作業員信号生成部
42B 管理システム通信部
42C 通知生成部
42D 通知確認判定部
44 作業員通知装置
45 端末位置検出装置
46 作業員入力装置
50 車体位置検出装置
53 設定入力装置
55 作業機械通信装置
60 作業機械演算装置
61 作業領域設定部
62 車体信号生成部
63 管理システム通信部
64 作業員接近判定部
80 作業機械通知装置
81 表示装置
82 警報装置
100 作業員
110 車体信号
130 作業領域通知信号
140 作業員信号
150 作業員状態通知信号
200 現場管理システム
250 作業領域
260 作業領域通知領域
270A 第1の接近通知領域
270B 第2の接近通知領域
310 作業機械リスト
340 作業員リスト
350 作業機械情報
360 作業員情報
360A 作業員情報
380 作業領域情報
390 作業員状態情報
410 作業領域確認情報