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特許7475545充放電電力制御装置、エネルギー貯蔵システム及びエネルギー貯蔵システムの動作方法
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  • 特許-充放電電力制御装置、エネルギー貯蔵システム及びエネルギー貯蔵システムの動作方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】充放電電力制御装置、エネルギー貯蔵システム及びエネルギー貯蔵システムの動作方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20240419BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240419BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
H02J7/02 G
H02J7/00 302C
H02M3/00 B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023521400
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 KR2022012156
(87)【国際公開番号】W WO2023022456
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0110085
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョンチョル・キム
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-166463(JP,A)
【文献】特開2017-214039(JP,A)
【文献】特開2011-103746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02M 3/00 - 3/44
H02J 1/00 - 1/16
H02J 9/00 - 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池ラックを含むエネルギー貯蔵システムで充放電電力を制御する装置であって、
前記複数の電池ラックのうちのいずれか一つと選択接続されて電力変換を行う第1のDC/DCコンバータ、
前記第1のDC/DCコンバータと接続された第2のDC/DCコンバータ、及び
前記第1のDC/DCコンバータによる電池ラック間の切り替えが行われる間、前記第2のDC/DCコンバータが前記第1のDC/DCコンバータの出力を保持するための動作を行うように制御するコントローラ
を含む、電力制御装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記第1のDC/DCコンバータによる電池ラック間の切り替えが完了した後、前記第2のDC/DCコンバータが前記第1のDC/DCコンバータの出力保持動作に対する補償動作を行うように前記第2のDC/DCコンバータを制御する、請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項3】
前記第2のDC/DCコンバータと接続されたエネルギー貯蔵デバイスをさらに含む、請求項2に記載の電力制御装置。
【請求項4】
前記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作は、放電動作又は充電動作である、請求項3に記載の電力制御装置。
【請求項5】
前記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が放電である場合、前記補償動作は、前記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力充電動作である、請求項4に記載の電力制御装置。
【請求項6】
前記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が充電である場合、前記補償動作は、前記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力放電動作である、請求項4に記載の電力制御装置。
【請求項7】
前記コントローラは、電力管理システム(Power Management System)又は前記第1のDC/DCコンバータに含まれた内部コントローラである、請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項8】
前記エネルギー貯蔵デバイスは、キャパシタ、スーパーキャパシタ、及び電池のうちの少なくとも一つを含む、請求項3に記載の電力制御装置。
【請求項9】
複数の電池ラック、
各電池ラックと個別接続された複数のスイッチ部、
前記複数のスイッチ部を介して前記複数の電池ラックのうちのいずれか一つと選択接続される第1のDC/DCコンバータ、
前記複数のスイッチ部及び前記第1のDC/DCコンバータと接続された第2のDC/DCコンバータ、及び
前記第1のDC/DCコンバータによる電池ラック間の切り替えが行われる間、前記第2のDC/DCコンバータが前記第1のDC/DCコンバータの出力を保持するための動作を行うように制御するコントローラ
を含む、エネルギー貯蔵システム。
【請求項10】
前記コントローラは,
前記第1のDC/DCコンバータによる電池ラック間の切り替えが完了した後、前記第2のDC/DCコンバータが前記第1のDC/DCコンバータの出力保持動作に対する補償動作を行うように前記第2のDC/DCコンバータを制御する、請求項9に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項11】
前記第2のDC/DCコンバータと接続されたエネルギー貯蔵デバイスをさらに含む、請求項10に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項12】
前記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が放電である場合、前記補償動作は、前記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力充電動作である、請求項11に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項13】
前記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が充電である場合、前記補償動作は、前記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力放電動作である、請求項11に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項14】
複数の電池ラック、前記複数の電池ラックのうちのいずれか一つと選択接続される第1のDC/DCコンバータ及び第2のDC/DCコンバータを含むエネルギー貯蔵システムの動作方法であって、
第1の電池ラックと前記第1のDC/DCコンバータとを接続して、前記第1の電池ラックに対する充電又は放電動作を行うステップ、
前記第1の電池ラックの充電状態が電池ラック間の切り替えに関連して設定されたしきい値に達する場合、前記第1の電池ラックの出力を減少させるステップ、及び
前記第2のDC/DCコンバータが前記第1のDC/DCコンバータの出力を保持するための動作を行うステップ、
を含む、エネルギー貯蔵システムの動作方法。
【請求項15】
前記第1の電池ラックに対する充電又は放電動作が完了した場合、次の充電又は放電動作を行う第2の電池ラックと前記第1のDC/DCコンバータとを接続するステップをさらに含む、請求項14に記載のエネルギー貯蔵システムの動作方法。
【請求項16】
前記第2のDC/DCコンバータは、別途のエネルギー貯蔵デバイスと接続されて前記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作を行う、請求項14に記載のエネルギー貯蔵システムの動作方法。
【請求項17】
前記第1の電池ラックから第2の電池ラックへの電池ラック間の切り替えが完了した後、前記第2のDC/DCコンバータが前記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作に対する補償動作を行うステップをさらに含む、請求項16に記載のエネルギー貯蔵システムの動作方法。
【請求項18】
前記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が放電である場合、前記補償動作は、前記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力充電動作である、請求項17に記載のエネルギー貯蔵システムの動作方法。
【請求項19】
前記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が充電である場合、前記補償動作は、前記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力放電動作である、請求項17に記載のエネルギー貯蔵システムの動作方法。
【請求項20】
前記エネルギー貯蔵デバイスは、キャパシタ、スーパーキャパシタ、及び電池のうちの少なくとも一つを含む、請求項16に記載のエネルギー貯蔵システムの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年8月20日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0110085号の出願日の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された内容の全ては、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、充放電電力制御装置、エネルギー貯蔵システム及びエネルギー貯蔵システムの動作方法に関し、より具体的には、メインDC/DCコンバータ及び補助DC/DCコンバータを用いて充放電電力を制御する装置、エネルギー貯蔵システム及びエネルギー貯蔵システムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0003】
エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System;ESS)は、新再生可能エネルギー、電力を貯蔵した電池、そして既存の電力系統(power grid)を連携させるシステムである。近年、スマートグリッド(smart grid)と新再生可能エネルギーの普及が広がっており、電力系統の効率化と安定性が強調されることに伴って、電力供給及び需要の調節、及び電力品質の向上のために、エネルギー貯蔵システムに対する需要がますます増加しつつある。使用の目的によって、エネルギー貯蔵システムは、出力と容量が変わる。大容量エネルギー貯蔵システムを構成するために、複数の電池システムが互いに接続されることができる。
【0004】
エネルギー貯蔵システムで電池に対する充/放電を行うためには、電池が電力変換装置(DC/DCコンバータ)と連携される必要がある。特に多数の電池ラックを用いたエネルギー貯蔵システムや自動車から回収した電池ラックを用いてエネルギー貯蔵システムを構築するためには、各電池に電力変換装置を必ず接続しなければならない。
【0005】
しかしながら、多数の電池ラックが備えられたシステムにおいて各ラック毎に電力変換装置を配置する場合、費用の面で大きな負担となり得る。特に、エネルギー貯蔵システムが相当時間にわたってエネルギーを提供する用途で使用されるので、これを考慮したシステムの最適化設計が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような問題点を解決するための本発明の目的は、エネルギー貯蔵システムで充放電電力を制御する装置を提供することにある。
【0007】
上記のような問題点を解決するための本発明の別の目的は、上記充放電電力制御装置を含むエネルギー貯蔵システムを提供することにある。
【0008】
上記のような問題点を解決するための本発明のまた別の目的は、エネルギー貯蔵システムの動作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の一実施例に係る電力制御装置は、複数の電池ラックを含むエネルギー貯蔵システムで充放電電力を制御する装置であって、上記複数の電池ラックのうちのいずれか一つと選択接続されて電力変換を行う第1のDC/DCコンバータ;上記第1のDC/DCコンバータと接続された第2のDC/DCコンバータ;及び上記第1のDC/DCコンバータによる電池ラック間の切り替えが行われる間、上記第2のDC/DCコンバータが上記第1のDC/DCコンバータの出力を保持するための動作を行うように制御するコントローラを含むことができる。
【0010】
上記コントローラは、上記第1のDC/DCコンバータによる電池ラック間の切り替えが完了した後、上記第2のDC/DCコンバータが上記第1のDC/DCコンバータの出力保持動作に対する補償動作を行うように上記第2のDC/DCコンバータを制御することができる。
【0011】
上記電力制御装置は、上記第2のDC/DCコンバータと接続されたエネルギー貯蔵デバイスをさらに含むことができる。ここで、エネルギー貯蔵デバイスは、キャパシタ、スーパーキャパシタ、及び電池のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0012】
一方、上記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作は、放電動作又は充電動作であってよい。
【0013】
上記コントローラは、電力管理システム(PMS、Power Management System)又は上記第1のDC/DCコンバータに含まれた内部コントローラであってよい。
【0014】
上記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が放電である場合、上記補償動作は、上記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力充電動作であってよい。
【0015】
上記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が充電である場合、上記補償動作は、上記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力放電動作であってよい。
【0016】
本発明の別の目的を達成するための本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムは、複数の電池ラック;各電池ラックと個別接続された複数のスイッチ部;上記複数のスイッチ部を介して上記複数の電池ラックのうちのいずれか一つと選択接続される第1のDC/DCコンバータ;上記複数のスイッチ部及び上記第1のDC/DCコンバータと接続された第2のDC/DCコンバータ;上記第1のDC/DCコンバータによる電池ラック間の切り替えが行われる間、上記第2のDC/DCコンバータが上記第1のDC/DCコンバータの出力を保持するための動作を行うように制御するコントローラを含むことができる。
【0017】
上記コントローラは、上記第1のDC/DCコンバータによる電池ラック間の切り替えが完了した後、上記第2のDC/DCコンバータが上記第1のDC/DCコンバータの出力保持動作に対する補償動作を行うように上記第2のDC/DCコンバータを制御することができる。
【0018】
上記エネルギー貯蔵システムは、上記第2のDC/DCコンバータと接続されたエネルギー貯蔵デバイスをさらに含むことができる。
【0019】
上記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が放電である場合、上記補償動作は、上記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力充電動作であってよい。
【0020】
上記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が充電である場合、上記補償動作は、上記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力放電動作であってよい。
【0021】
本発明のまた別の目的を達成するための本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムの動作方法は、複数の電池ラック、上記複数の電池ラックのうちのいずれか一つと選択接続される第1のDC/DCコンバータ及び第2のDC/DCコンバータを含むエネルギー貯蔵システムの動作方法であって、第1の電池ラックと上記第1のDC/DCコンバータとを接続して、上記第1の電池ラックに対する充電又は放電動作を行うステップ;上記第1の電池ラックの充電状態が電池ラック間の切り替えに関連して設定されたしきい値に達する場合、上記第1の電池ラックの出力を減少させるステップ;及び上記第2のDC/DCコンバータが上記第1のDC/DCコンバータの出力を保持するための動作を行うステップを含むことができる。
【0022】
上記エネルギー貯蔵システムの動作方法は、上記第1の電池ラックに対する充電又は放電動作が完了した場合、次の充電又は放電動作を行う第2の電池ラックと上記第1のDC/DCコンバータとを接続するステップをさらに含むことができる。
【0023】
上記第2のDC/DCコンバータは、別途のエネルギー貯蔵デバイスと接続されて上記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作を行うことができる。
【0024】
上記エネルギー貯蔵システムの動作方法はまた、上記第1の電池ラックから上記第2の電池ラックへの電池ラック間の切り替えが完了した後、上記第2のDC/DCコンバータが上記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作に対する補償動作を行うステップをさらに含むことができる。
【0025】
上記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が放電である場合、上記補償動作は、上記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力充電動作であってよい。
【0026】
上記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が充電である場合、上記補償動作は、上記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力放電動作であってよい。
【発明の効果】
【0027】
上記のような本発明の実施例によれば、エネルギー貯蔵システムのコストを減らしながらも、充電又は放電に関連する電力変換装置の連続出力が可能である。
【0028】
それによって、エネルギー貯蔵システムが提供する電力品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】多数の電池ラックが一つの電力変換装置と接続された従来のエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
図2a】従来のエネルギー貯蔵システムの各構成要素の動作区間を示す。
図2b】従来のエネルギー貯蔵システムで充電過程中の各ラック別のSOCの変化を示すグラフである。
図2c】従来のエネルギー貯蔵システムで放電過程中の各ラック別のSOCの変化を示すグラフである。
図3】従来のエネルギー貯蔵システムで構成要素別の動作シーケンスを示す図である。
図4】従来のエネルギー貯蔵システムの動作例を示す。
図5】本発明の一実施例に係るエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
図6】本発明の別の実施例に係るエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
図7】本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムで構成要素別の動作シーケンスを示す図である。
図8】本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムで充電動作が行われる場合の動作例を示す。
図9】本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムの動作方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、種々の変更を加えることができ、様々な実施例を有することができるので、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明で詳しく説明しようとする。ところが、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されたい。各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素に対して使用している。
【0031】
第1、第2、A、Bなどの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されることができるが、上記構成要素は、上記用語によって限定されてはいけない。上記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1の構成要素は第2の構成要素と命名されることができ、同様に第2の構成要素も第1の構成要素と命名されることができる。「及び/又は」という用語は、複数の関連して記載された項目の組合わせ又は複数の関連して記載された項目のうちのある項目を含む。
【0032】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及されたときには、当該他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されたい。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されたい。
【0033】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないことと理解されたい。
【0034】
別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含め、ここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的であるか過度に形式的な意味としては解釈されない。
【0035】
以下、本発明に係る好ましい実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
図1は、多数の電池ラックが一つの電力変換装置と接続された従来のエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
【0037】
図1に示すシステムは、各電池ラック毎に電力変換装置が配置される場合の短所を乗り越えるために、多数の電池ラック(又は電池パック)を一つの電力変換装置に接続した形態で提供される。
【0038】
図1を参照すれば、エネルギー貯蔵システムで電力を貯蔵する役割を果たす電池は、通常、多数の電池モジュール(Battery Module)が電池ラック(Rack)を構成し、多数個の電池ラック(図1のラック#1、ラック#2、…、ラック#n)が電池バンク(Battery Bank)を構成する形態で具現化されることができる。ここで、電池が使用される装置又はシステムによって、電池ラックは電池パック(pack)と呼ばれることもできる。
【0039】
このとき、各電池ラックにはラック電池管理システム(Rack Battery Management System;RBMS)11が設けられることができる。RBMS11は、自分が管理する各電池ラック(又はパック)の電流、電圧及び温度をモニタリングし、モニタリングの結果に基づいてSOC(Status Of Charge)を算出して充放電を制御する役割を果たすことができる。多数のRBMSは、BBMS(Bank BMS)12と接続されるが、BBMS(Bank BMS)12は、多数のRBMSの上位の制御器であって、電池全体をモニタリングして制御するBMSである。
【0040】
多数の電池ラック(又は電池パック)は、個別のスイッチ部を介して一つの電力変換装置(DC/DCコンバータ;20)に接続される。図1において、各電池ラックの出力端に位置するスイッチ部は、プリチャージ回路及びメインコンタクタ(MC; Main Contactor)を含むことができる。PC(Precharge Contactor)及びPR(Precharge Resistor)は、プリチャージ回路を構成して初期充電回路の役割を果たす。プリチャージ回路と並列に接続されたメインコンタクタは、初期充電が完了した後、正常な充/放電時に閉じられて充放電回路を形成する。
【0041】
DC/DCコンバータ20の出力は、負荷40及び電力管理システム(Power Management System;PMS)30に接続されることができる。電力管理システムは、システム全体を監視する最上位の制御器であって、BBMS12とも連動してBMSモニタリング値に基づいてDC/DCコンバータの出力指令値を計算してDC/DCコンバータに伝達する。一方、負荷は、DC負荷又はPCS、インバータなどであってよい。ここで、PCS(Power Conversion System)は、充/放電指令に基づいて充放電を行う装置であって、電力変換部(DC/ACインバータ)及びコントローラを含んで構成されることができる。
【0042】
図2aは、従来のエネルギー貯蔵システムの各構成要素の動作区間を示す。
【0043】
図2aを参照すれば、電池ラック#1の電力がDC/DCコンバータに伝達される場合には、MC#1が閉じられ、電池ラック#1の充/放電動作が行われることができる。電池ラック#1の充/放電が完了すれば、MC#1が開かれ、それによって電池ラック#1はDC/DCコンバータと分離される。その後、順次に、電池ラック#2の電力をDC/DCコンバータに伝達するために、MC#2が閉じられるようになって、電池ラック#2の充/放電動作が行われることができる。すなわち、同時に一つの電池ラックのみがDC/DCコンバータに接続されることができる。
【0044】
このとき、図2aの最下段に示すDC/DCコンバータの動作状態をみると、電池ラックに対する切り替えが行われる瞬間ごとにDC/DCコンバータの出力が「0」に調整されることを確認することができる。
【0045】
図2bは、従来のエネルギー貯蔵システムで充電過程中の各ラック別のSOCの変化を示すグラフである。
【0046】
電池ラック#1に対する充電動作が行われる間には、電池ラック#1のSOCが時間に比例して増加し、一定時間が経てば充電が完了する。その後、電池ラック#2に対する充電動作が開始され、電池ラック#2のSOCが増加するようになる。すなわち、一つの電池ラックに対する充電が完了してこそ、次の電池ラックが動作できることが分かる。ここで、SOC(State of Charge;充電率)は、電池の現在充電された状態を割合[%]で表わしたものである。
【0047】
図2cは、従来のエネルギー貯蔵システムで放電過程中の各ラック別のSOCの変化を示すグラフである。
【0048】
電池ラック#1に対する放電動作が行われる間には、電池ラック#1のSOCが減少し、一定時間が経てば放電が完了する。その後、電池ラック#2に対する放電動作が開始され、電池ラック#2のSOCが減少するようになる。すなわち、一つの電池ラックに対する放電が完了してこそ、次の電池ラックが動作できることが分かる。
【0049】
図3は、従来のエネルギー貯蔵システムで構成要素別の動作シーケンスを示す図である。
【0050】
図3を参照すれば、各電池ラックは本格的に動作する前に、プリチャージ回路を用いて事前充電動作を行って徐々に出力を上昇させる。プリチャージ動作を通じて電池が特定の電圧に達すると、メインスイッチが閉じられ(close)、その後から正常な充電又は放電動作が行われることができる。
【0051】
このとき、図3の最下段に示すDC/DCコンバータの動作状態をみると、DC/DCコンバータの出力電力が不連続的であることが確認できる。すなわち、従来のエネルギー貯蔵システムによる場合、電池ラックに対する切り替えが行われる瞬間ごとにDC/DCコンバータの出力を瞬間的に「0」に調整し、次の電池ラック動作が行われなければならない。
【0052】
図4は、従来のエネルギー貯蔵システムの動作例を示す。
【0053】
図4は、図1に示すような従来のエネルギー貯蔵システムで電池ラックの充電時の動作を基準に示す動作フロー図である。当該システムでは、まず電池ラック#1に対する充電が先に行われる場合を説明する。電池ラック#1に対する充電は、プリチャージコンタクタ1(PC1)が閉じられた状態で行われる初期充電過程(S410)及び、プリチャージコンタクタ1がオープンされ、メインコンタクタ1が閉じられた状態で行われる正常な充電過程(S411)を通じて行われることができる。電池ラック#1に対する充電過程は、電池ラック#1のSOCが、特定のしきい値(図4では99%)に達するまで持続する(S412)。このとき、SOCのしきい値は、充電又は放電動作中であった電池ラックの出力を電池切り替えのために減少させるための基準値であると説明することができ、各システムによって異なる値に設定されることができる。
【0054】
一方、電池ラック#1のSOCが、例えば、99%に達した場合、電池ラック#1の充電量は徐々に減少し、DC/DCコンバータの充電量も減少する(S413)。その後、電池ラック#1に対する充電が完了して充電動作が中断されると、DC/DCコンバータの充電動作が中断され、出力が一時的に「0」になる(S414)。
【0055】
その後、次の電池ラック(図4では電池ラック#2)への切り替えが行われ、次の電池ラックに対しても、電池ラック#1での動作と同様の過程が行われることができる(S420)。
【0056】
このように、多数の電池ラックが一つのDC/DCコンバータと接続されるシステムの場合、一つの電池ラック又は電池パックを充電又は放電した後、次の電池ラック又は電池パックに切り替えて動作する必要がある。この場合、切り替えのためにDC/DCコンバータの出力を0に調整する必要があり、これにより、全体のシステムから提供する電力品質が低下する結果をもたらし得る。また、並列接続された電池ラック又は電池パックの個数が増加するほどDC/DCコンバータの出力が0に調整される回数が増加するようになり、かかる問題はさらに深化する。
【0057】
図5は、本発明の一実施例に係るエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
【0058】
本発明が適用されるエネルギー貯蔵システムは、複数の電池ラック100(又は電池パック)を含み、各電池ラックにはラック電池管理システム120(Rack Battery Management System;RBMS)が設けられることができる。
【0059】
このとき、電池ラック100は、エネルギー貯蔵システムに使用されるための目的で新規に配置される電池であってよい。電池ラックはまた、自動車に使用されてから回収されて、リサイクルされる多様な種類(車種)の電池であってもよい。
【0060】
RBMS120は、自分が管理する各電池ラック(又はラック)の電流、電圧及び温度をモニタリングし、モニタリングの結果に基づいてSOCを算出することができる。多数のRBMSは、BBMS(Bank BMS)130と接続されることができ、BBMSは、多数のRBMSの上位の制御器であって、電池バンク全体をモニタリングして制御するBMSである。
【0061】
各電池ラックの出力端にはプリチャージ回路及びメインコンタクタが配置され、プリチャージ回路及びメインコンタクタは、相互並列に配置される。プリチャージ回路は、PC(Precharge Contactor)及び PR(Precharge Resistor)を含み、初期充電回路の役割を果たす。メインコンタクタ(MC)は、初期充電が終わった後、正常な充/放電時に閉じられ、各電池ラックとメインDC/DCコンバータ200とを接続することにより、充放電回路を形成する。
【0062】
本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムは、電力変換装置としてメインDC/DCコンバータ210及び補助DC/DCコンバータ220を含む。図5に示すように、補助DC/DCコンバータ220は、複数のスイッチ及びメインDC/DCコンバータ210と接続されることができる。
【0063】
補助DC/DCコンバータ220はまた、エネルギー貯蔵デバイス300と接続されることができる。エネルギー貯蔵デバイス300は、例えば、スーパーキャパシタ、各種の電池など高出力エネルギー源であってよい。スーパーキャパシタは、一般のキャパシタに比べて大容量のキャパシタであって、瞬間的な電力要求に対して速やかな応答特性を有する。すなわち、スーパーキャパシタを用いれば、メインDC/DCコンバータ210の出力を保持するために瞬間的に不足な電力に速やかに対応することができる。
【0064】
補助DC/DCコンバータ220は、平常は待機モードで動作していて、電池ラックの切り替え瞬間に動作を開始する。すなわち、補助DC/DCコンバータ220は、DC/DCコンバータの一定な出力保持のために、電池ラックの切り替え時に不足な分の電力に対する充電又は放電を行うことができる。
【0065】
このときの制御は、図5の実施例では、PMS500によって行われることができるが、電池ラックの切り替え時にどれだけの電力が不足であり、補助DC/DCコンバータ220がどれだけの電力補充を担当しなければならないかなどを決定して制御することができる。補助DC/DCコンバータ220は、エネルギー貯蔵デバイス300を用いてこのような充/放電補助動作を行うことができる。
【0066】
補助DC/DCコンバータ220は、電池ラックの切り替え瞬間、一時的に動作(例えば、充電)してから、与えられた任務の遂行が完了して電池ラックが正常動作する間、電池切り替え瞬間の動作と反対の動作(例えば、放電)を行う。すなわち、補助DC/DCコンバータは、任務遂行が終われば、スーパーキャパシタを一定の電圧状態に保持するために、長時間放電(電池切り替え時に瞬間充電動作を行った場合) 又は長時間充電動作(電池切り替え時に瞬間放電動作を行った場合)を行うことができる。この場合、スーパーキャパシタによる相互動作の全体区間でのエネルギーの和は0にならなければならない。すなわち、スーパーキャパシタによる瞬間充電区間と長時間放電区間の間のエネルギーの和は0になる。同様に、スーパーキャパシタによる瞬間放電区間と長時間充電区間の間のエネルギーの和は0になる。
【0067】
すなわち、瞬間充電又は瞬間放電でなされる任務遂行が完了すれば、長時間の間の補償動作(放電又は充電)が行われる。このときの補償動作は、低電力放電又は充電であるので、メインDC/DCコンバータ210の出力量にはほとんど影響を与えない。
【0068】
図5に示すように、メインDC/DCコンバータ210の出力は、負荷400及び電力管理システム(Power Management System;PMS)500に接続されることができる。本明細書において、メインDC/DCコンバータ210の出力が保持されるとは、メインDC/DCコンバータ210が負荷400へ供給する出力又は電池ラック100へ供給する出力が一定に保持されるということを意味することができる。
【0069】
電力管理システム300は、補助DC/DCコンバータ220とも接続されて、補助DC/DCコンバータ220の動作を制御することができる。
【0070】
メインDC/DCコンバータ及び補助DC/DCコンバータは、双方向コンバータであってよく、DC/DCコンバータの例としては、フルブリッジコンバータ、ハーフブリッジ(half-bridge)コンバータ、フライバックコンバータなど多様な種類のコンバータが使用されることができる。メインDC-DCコンバータは、制御部、入力スイッチングセット、一次側コイル、二次側コイル、出力スイッチングセット、キャパシタなどを含むことができる。
【0071】
図5の実施例では、メインDC/DCコンバータ及び補助DC/DCコンバータが別個の装置で具現化される場合を示したが、メインDC/DCコンバータ及び補助 DC/DCコンバータが一つのコンバータ装置200内にデュアルで含まれた形態も本発明の範疇に含まれる。
【0072】
図6は、本発明の別の実施例に係るエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
【0073】
図6に示すエネルギー貯蔵システムは本発明の別の実施例であって、図5に示すシステムに比べて、PMSを構成要素として含まない。この場合、メインDC/DCコンバータ及び補助DC/DCコンバータに対する制御は、メインDC/DCコンバータ210に含まれた内部コントローラ211によって行われることができる。
【0074】
この場合、メインDC/DCコンバータ210に含まれたコントローラ211は、 BBMS130を通じてモニタリングした電池の状態に応じてメインDC/DCコンバータ210の出力を決定することができ、これに基づいて補助DC/DCコンバータ220の出力値を決定することができる。
【0075】
図7は、本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムで構成要素別の動作シーケンスを示す図である。
【0076】
本発明に係るエネルギー貯蔵システムにおいて、各電池ラックは、本格的に動作する前に、プリチャージ回路を用いてプリチャージ動作を行って徐々に出力を上昇させる。プリチャージ動作を通じて電池が特定の電圧に達すると、メインスイッチが閉じられ(close)、それ以降から正常な充電又は放電動作が行われることができる。
【0077】
図7の実施例を参照すれば、電池ラック#1が最も先に動作する電池ラックであり、電池ラック#1に対する充電動作が完了し、電池ラック#2の動作が行われる順序で進行される。このとき、すなわち電池ラック#1から電池ラック#2へと切り替えが行われる瞬間、すなわち電池ラック#1の充電が徐々に減っているが、メインDC/DCコンバータの出力は一定に保持される。これは補助DC/DCコンバータの補助充電動作によるものであって、減少した電池ラック#1の充電量71分を補助DC/DCコンバータが供給するからである。
【0078】
その後、電池ラック#2の動作が開始されて正常動作すると、補助DC/DCコンバータは低電力で長時間にわたった放電72を行う。このとき、補助DC/DCコンバータの放電電力は非常に少ない値であるため、メインDC/DCコンバータの出力に及ぼす影響は微々たるものである。このように放電されたエネルギーは、非常に小さい値で電池ラック#2の充電に寄与する。このような過程は、予定された電池動作順序によって順次に電池ラック#nまで繰り返されることができる。
【0079】
一方、図7の例では、充電動作を例にあげて説明したが、放電動作にも同様に適用されることができる。放電時には補助DC/DCコンバータが瞬間的に大きい値の電力を放電してから、その後長時間にわたって少ない電力でスーパーキャパシタを充電する。
【0080】
図8は、本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムで充電動作が行われる場合の動作例を示す。
【0081】
図8のフロー図は、電池ラックの充電時の動作を基準に示すフロー図であり、放電動作も類似の順序で進行できることを理解されたい。本実施例では、まず、電池ラック#1に対する充電が先に行われ、電池ラック#2への切り替えが行われる場合の動作を説明する。
【0082】
電池ラック#1に対する充電はプリチャージコンタクタ1(PC1)が閉じられた状態で行われる初期充電過程(S810)及び、プリチャージコンタクタ1がオープンされ、メインコンタクタ1が閉じられた状態で行われる正常な充電過程(S811)を通じて行われることができる。このとき、電池ラック#1は、メインDC/DCコンバータと連動して充電動作を行う。電池ラック#1に対する充電過程は、電池ラック#1のSOCが特定のしきい値(図8では99%)に達するまで持続する(S812)。このとき、SOCのしきい値は、充電又は放電動作中であった電池ラックの出力を電池切り替えのために減少させ始める基準値であると説明することができ、各システムによって異なる値に設定されることができる。
【0083】
一方、電池ラック#1のSOCが、例えば、99%に達した場合、電池ラック#1の充電量は徐々に減少する。このとき、本発明に係る補助DC/DCコンバータの充電量は、減少する電池ラック#1の充電量分徐々に増加する。それによって、全体のDC/DCコンバータの充電量は一定に保持されることができる(S813)。この点が、従来のシステムに比べて本発明が提供する長所である。
【0084】
その後、電池ラック#1に対する充電が完了して充電動作が中断される(S814) 時点で、補助DC/DCコンバータはフル(full)充電を行っている状態であり、メインDC/DCコンバータの充電量は一定に保持されている状態である。
【0085】
その後、次の電池ラック(図8では電池ラック#2)への切り替えが行われ、次の電池ラックに対する充電過程が行われることができる。まず、プリチャージコンタクタ2(PC2)が閉じられた状態で電池ラック#2に対する初期充電が行われる(S820)。このとき、電池#2への切り替えが行われた後なので、補助DC/DCコンバータの充電量が減少する。このときにはメインDC/DCコンバータが再び動作するから、メインDC/DCコンバータの出力が一定に保持されることができる。
【0086】
その後、プリチャージコンタクタ2がオープンされ、メインコンタクタ2が閉じられた状態で、電池ラック2に対する正常な充電過程が行われることができる(S821)。この時点で補助DC/DCコンバータは、充電動作に対する補償動作として長時間にわたった低電力放電動作を行うようになる。このとき、補助DC/DCコンバータに対する放電電力は低電力なので、全体のDC/DCコンバータの出力は、この場合にも一定に保持されることができる。
【0087】
図9は、本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムの動作方法を示す。
【0088】
本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムの動作方法は、複数の電池ラック、上記複数の電池ラックのうちのいずれか一つと選択接続される第1のDC/DCコンバータ及び第2のDC/DCコンバータを含むエネルギー貯蔵システムの動作方法である。ここで、第1のDC/DCコンバータはメインDC/DCコンバータであり、第2のDC/DCコンバータは補助DC/DCコンバータであってよい。
【0089】
本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムの動作方法によれば、第1の電池ラックと第1のDC/DCコンバータとを接続して(S910)、上記第1の電池ラックに対する充電又は放電動作を行うことができる(S920)。
【0090】
上記第1の電池ラックの充電状態(SOC)が電池ラック間の切り替えに関連して設定されたしきい値に達する場合(S930の例)、上記第1の電池ラックの出力を減少させることができる(S940)。このとき、第1の電池ラックの出力減少を補償するために、上記第2のDC/DCコンバータが第1のDC/DCコンバータの出力を保持するための動作を行うことができる(S950)。ここで、第2のDC/DCコンバータは、別途のエネルギー貯蔵デバイスと接続されて上記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作を行うことができる。
【0091】
その後、第1の電池ラックに対する充電又は放電動作が完了した場合、次の充電又は放電動作を行う第2の電池ラックと第1のDC/DCコンバータとを接続することができる。第1の電池ラックから第2の電池ラックへの電池ラック間の切り替えが完了した後(S960)、第2のDC/DCコンバータが第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作に対する補償動作を行うことができる(S970)。
【0092】
ここで、第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が放電である場合、上記補償動作は、上記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力充電動作であってよい。また、上記第1のDC/DCコンバータに対する出力保持動作が充電である場合、上記補償動作は、上記エネルギー貯蔵デバイスに対する長時間の間の低電力放電動作であってよい。
【0093】
本発明の実施例に係る方法の動作は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードとして具現化することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み込まれることができるデータが保存されるすべての種類の記録装置を含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで接続されたコンピュータシステムに分散して、分散方式でコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードが保存されて実行されることができる。
【0094】
また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ロム(rom)、ラム(ram)、フラッシュメモリ(flash memory)などのようにプログラム命令を格納して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含むことができる。プログラム命令は、コンパイラ(compiler)によって作られるような機械語コードのみならず、インタプリタ(interpreter)などを使用してコンピュータによって実行されることができる高級言語コードを含むことができる。
【0095】
本発明の一部の側面は、装置の文脈で説明されたが、それは、対応する方法による説明も示すことができ、ここで、ブロック又は装置は、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法の文脈で説明された側面は、対応するブロック又はアイテム又は対応する装置の特徴で示すことができる。方法ステップのいくつか又は全部は、例えばマイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ又は電子回路のようなハードウェア装置によって(又は用いて)行われることができる。いくつかの実施例において、最も重要な方法ステップの一つ以上は、このような装置によって行われることができる。
【0096】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0097】
100 電池ラック
120 RBMS、ラック電池管理システム
130 BBMS(Bank BMS)
200 メインDC/DCコンバータ、コンバータ装置
210 メインDC/DCコンバータ
211 内部コントローラ
220 補助DC/DCコンバータ
300 電力管理システム、エネルギー貯蔵デバイス
400 負荷
500 電力管理システム(Power Management System;PMS)
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9