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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】微細生成物発生装置
(51)【国際特許分類】
   C25B 11/02 20210101AFI20240422BHJP
   B01F 23/2375 20220101ALI20240422BHJP
   B01F 25/10 20220101ALI20240422BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20240422BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20240422BHJP
   C25B 9/015 20210101ALI20240422BHJP
【FI】
C25B11/02 302
B01F23/2375
B01F25/10
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B9/015
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022160044
(22)【出願日】2022-10-04
(65)【公開番号】P2024054879
(43)【公開日】2024-04-18
【審査請求日】2022-10-09
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519187104
【氏名又は名称】株式会社ナノバブル研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100103148
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 輝美
(72)【発明者】
【氏名】本田 正
(72)【発明者】
【氏名】小森 幹雄
【合議体】
【審判長】原 賢一
【審判官】増山 淳子
【審判官】松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-13001(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0000353(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0229974(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0276299(US,A1)
【文献】特開2019-55395(JP,A)
【文献】特開2018-154908(JP,A)
【文献】特開2018-62688(JP,A)
【文献】特開2007-75674(JP,A)
【文献】特開2019-39033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/46-1/48
C25B1/00-9/77,11/00-11/097,13/00-15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の電気分解において、
前記電気分解の対象となる液体と接する第1の電極と、
前記第1の電極と対向し、前記電気分解の対象となる液体の流れる向きを旋回流に変化させる曲面状の部分を有する構造体の内周面に配設され、前記液体と接する第2の電極と、を備え、
前記第2の電極の断面構造は、前記第1の電極との間の電気抵抗が最も小さくなる先端部を備える三角形状の凸部を有すると共に、前記構造体の周方向上の位置によって、径方向上の前記第1の電極との距離が変化する凹凸を生じさせる凸部を有し、前記液体が流れる前記旋回流の方向に対して、上流側に位置する第1の面、及び下流側に位置する第2の面を備え、
前記第1の面において、前記凸部の先端部に向かって前記第1の電極との間の電気抵抗が徐々に小さくなり、前記第2の電極の前記第1の面から発生する大部分の気泡を早い段階で確実に剥離させ、ナノレベルの微細気泡を効率良く生成し、
前記第2の面において、境界層剥離によって前記第2の電極の前記第2の面からナノレベルの微細気泡を効率良く生成し、
前記電気分解によって、前記第2の電極からナノレベルの微細気泡を生成する微細生成物発生装置。
【請求項2】
前記構造体は、前記液体が流れる向きを変化させ、前記液体を旋回流として流す円筒状の形状である、
請求項1に記載の微細生成物発生装置。
【請求項3】
前記第1の電極は、前記構造体の軸を含む位置に、前記構造体の軸方向に沿って配置された円柱状の形状であり、
前記第2の電極に形成された前記凸部は、前記構造体の周方向上の位置によって、前記第1の電極との間の距離を変化させる、
請求項2に記載の微細生成物発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細生成物発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水を含む液体中に発生した微細気泡は、消滅時には数千度、数千気圧となり、内部のガス分子を強制的に分解させることができる。そのため、結果的に酸化力の強いフリーラジカルを発生させる。このフリーラジカルは、強い殺菌力を有することから、微細気泡を含む液体、例えば水は、食材の殺菌等に用いられている。
【0003】
微細気泡の消滅には、表面張力が大きく影響する。この表面張力により、液体中に存在する微細気泡は長期に安定した状態を維持できない。微細気泡は、この表面張力により、小さくなるほど早く消滅するからである。
【0004】
近年、このような微細気泡、より具体的にはマイクロバブル、或いはナノバブルの長寿命化に、イオンが寄与することが分かっている。ナノバブルは、例えば1μm未満の径の気泡のことであり、マイクロバブルは、例えば50μm未満の径の気泡のことである。安定化するナノバブルの径は、電解質の種類、及びイオン濃度により異なるが、おおよそ50~500nmである。
【0005】
イオンは、微細気泡の周囲に集まり、ナノバブルレベルの微細気泡では、静電気的な反発力を強く作用させる。この静電気的な反発力が、表面張力により縮小させる力と均衡する状態ができ、安定化する。この安定化により、貝等の生きた食材では、体内に取り込ませて、体内の菌を消滅させることができる。微細気泡は、食材の他に、環境浄化、医療、及び健康などの多岐にわたる分野で活用されることも期待されている。
【0006】
微細気泡の生成には、水の電気分解を用いることができる。従来、水の電気分解により発生した気泡を流水に加圧溶解させた後、減圧させることにより、その流水中に微細気泡を発生させることも行われている。螺旋状の流路空間内に電極を配置させ、その流路空間内の電極間に流水が流れるようにすることにより、電極表面で発生する気泡の離脱(剥離)を促進させ、微細気泡として流水に混入させることも行われている(例えば特許文献1参照)。
このような微細気泡の生成では、電極表面で発生する気泡を微細気泡のレベルでより効率的に剥離させることが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2007-75674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、電極表面に発生した気泡を微細気泡のレベルでより効率的に剥離させることが可能な微細生成物発生装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様の微細気泡発生装置は、前記電気分解の対象となる液体と接する第1の電極と、前記第1の電極と対向し、前記電気分解の対象となる液体の流れる向きを旋回流に変化させる曲面状の部分を有する構造体の内周面に配設され、前記液体と接する第2の電極と、を備え、前記第2の電極の断面構造は、前記第1の電極との間の電気抵抗が最も小さくなる先端部を備える三角形状の凸部を有すると共に、前記構造体の周方向上の位置によって、径方向上の前記第1の電極との距離が変化する凹凸を生じさせる凸部を有し、前記液体が流れる前記旋回流の方向に対して、上流側に位置する第1の面、及び下流側に位置する第2の面を備え、前記第1の面において、前記凸部の先端部に向かって前記第1の電極との間の電気抵抗が徐々に小さくなり、前記第2の電極の前記第1の面から発生する大部分の気泡を早い段階で確実に剥離させ、ナノレベルの微細気泡を効率良く生成し、前記第2の面において、境界層剥離によって前記第2の電極の前記第2の面からナノレベルの微細気泡を効率良く生成し、前記電気分解によって、前記第2の電極からナノレベルの微細気泡を生成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、電極表面に発生した気泡を微細気泡のレベルでより効率的に剥離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る微細気泡発生装置の適用例を説明する図である。
図2】本発明の一実施形態に係る微細気泡発生装置の構成例を説明する図である。
図3】本発明の一実施形態に係る微細気泡発生装置を構成する構造体の例の断面図である。
図4図3中に示すA部の拡大図である。
図5】凸部の形状例を説明する図である。
図6】循環水の螺旋流化のための流路形成部材の例を説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る微細気泡発生装置の他の適用例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、変形例を含めあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。本発明の技術的範囲には、様々な変形例も含まれる。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る微細生成物発生装置の適用例を説明する図であり、微細生成物として、微細気泡の発生装置について説明する。
図1に示す適用例は、水施設1での水処理に微細気泡発生装置3を用いた場合の例である。微細気泡発生装置3は、金属イオン発生装置2等と組み合わされ、陽イオン含有微細気泡発生装置として用いられている。この陽イオン含有微細気泡発生装置は、水施設1から液体として供給される水に、複種類の任意の陽イオン、及び微細気泡を発生させる。つまり、複種類の任意の陽イオン、及び微細気泡を含有する水を生成させる。それにより、水施設1は、環境浄化、食料、医療、或いは健康などの分野で有用な液体である水を供給するものとなっている。
【0014】
水施設1は、例えば水道施設、浄水施設、或いは処理水の生成施設等である。水道施設では、例えば水を殺菌するとともに、ミネラル分を供給するために用いられる。それにより、水道水を飲用する人にとっては、血液浄化作用、抵抗力の増進、及びミネラルの供給等を通しての健康の促進といった利点が得られる。また、水道水には、より高い洗浄力、及びより強い殺菌力があるため、その面での利点もある。この利点により、浄水施設で陽イオン含有微細気泡発生装置を用いることができる。植物にとってより生育に望ましい環境を実現できるのは、その利点の一つである。これらのことから、微細気泡発生装置3は、処理水の生成を目的とした生成施設での陽イオン含有微細気泡発生装置の実現のために用いても良い。
【0015】
陽イオン含有微細気泡発生装置には、金属イオン発生装置2、及び微細気泡発生装置3の他に、過流ポンプ4が含まれる。
金属イオン発生装置2は、水施設1からの流水に例えば複種類の金属イオンを陽イオンとして発生させることが可能なものである。陽イオンの発生は、正電極と負電極との間に電流を流すことで行われる。発生させる陽イオンの種類は、正電極とする正電極材の採用を通して選択することができる。
【0016】
微細気泡発生装置3は、金属イオン発生装置2が発生させた複種類の陽イオンが存在する流水に微細気泡を水の電気分解により発生させる。ここでの微細気泡とは、マイクロバブル、或いはナノバルブである。
【0017】
過流ポンプ4は、微細気泡発生装置3が発生させた微細気泡が存在する水を加圧し、水施設1に送る。それにより、過流ポンプ4は、水施設1に貯留された水を、金属イオン発生装置2、微細気泡発生装置3、及び自身の過流ポンプ4を経て水施設1に戻るように環流させる。このことから、水施設1から処理のために水施設1の外に流れた水は、以降「循環水」とも表記し、水施設1内の水と区別する。
【0018】
この過流ポンプ4により、金属イオン発生装置2、及び微細気泡発生装置3は何れも、流れる循環水に対して、陽イオン、及び微細気泡をそれぞれ発生させるようになっている。流れる循環水を用いるのは、陽イオンでは、正電極で発生した陽イオンが負電極に移動して消滅するのを回避、或いは抑制するためである。微細気泡では、電極表面に発生した気泡を循環水によって微細気泡のレベルで剥離させるためである。このようなことから、水が流れない環境下では、過流ポンプ4は微細気泡発生装置の必須の構成要素となっている。自然に流れるか、或いは他の目的により水を流すような環境下では、過流ポンプ4は必須の構成要素ではない。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態に係る微細気泡発生装置の構成例を説明する図である。図3は、本発明の一実施形態に係る微細気泡発生装置を構成する構造体の例の断面図である。
微細気泡発生装置3は、図2に示すように、循環水を旋回流として流すための円筒状の構造体20を備えている。それにより、微細気泡発生装置3は、循環水を構造体20内に流して、構造体20内を流れる循環水を電気分解し、微細気泡を発生させるものとなっている。図3の断面図は、構造体20の軸方向と垂直な面でその構造体20を切断した場合のものである。
【0020】
構造体20内には、図2、及び図3に示すように、その軸を含む位置に、軸方向に沿って配置された円柱状の負電極(第1の電極)21が存在する。本実施形態では、構造体20全体を正電極(第2の電極)22としている。その正電極22(構造体20)を円筒状とし、負電極21を円柱状としているのは、正電極22の径方向上の正電極22と負電極21との間の距離を、正電極22の周方向上の位置に係わらず、基本的には一致させるためである。そのようにするのは、正電極22の周方向上の位置によって、気泡の発生の仕方が異ならないようにするためである。以降、周方向、径方向、及び軸方向は、特に断らない限り、構造体20を想定したものを指す意味で用いる。
【0021】
その構造体20の一端である下部には、循環水を内部に流入させるための吸水口23が設けられ、構造体20の他端である上部には、内部に流入した循環水を排出するための吐出口24が設けられている。吸水口23は、構造体20内に流入した循環水が旋回流(螺旋流)となって上部に向けて流れるように、構造体20内に流入する循環水の向きを調整するようになっている。それにより、構造体20内に吸水口23から流入した循環水は、図2中の矢印で示すように、負電極21を中心にして、構造体20の内面に沿いつつ、上方に向かって流れる螺旋流となって、吐出口24から流出することになる。
【0022】
微細気泡発生装置3は、負電極21、及び正電極22に電流を供給するための電源部10を備える。この電源部10には、直流電源11が含まれる。この直流電源11の負端子は、アースに接続されるとともに、負接続端子15と接続されている。直流電源11の正端子と正接続端子14との間には、正端子側から、可変抵抗器12、及び電流計13が直列に接続されている。それにより、可変抵抗器12は、電源部10から供給される電流量の調整用であり、電流計13は、その電流量の確認用となっている。
【0023】
正接続端子14と正電極22との間、及び負接続端子15と負電極21との間は、それぞれ配線によって接続されている。それにより、電流を供給した場合、負電極21の表面には、水素の気泡が発生し、正電極22の表面には、酸素の気泡が発生する。
【0024】
図4は、図3中に示すA部の拡大図である。
図4に示すように、正電極22の負電極21と対向する側には、周方向上の位置によって、径方向上の負電極21との距離が変化する凸凹を生じさせる凸部22aが並ぶ状態に形成されている。22atは、凸部22aの先端部である。
【0025】
凸部22aのうちでは、負電極21との間の距離が先端部22atで最も短くなる。言い換えれば、負電極21と先端部22atとの間の電気抵抗が最も小さくなる。そのため、先端部22a、及びその近傍で大部分の気泡が発生することになる。また、凸部22aは、正電極22表面付近の循環水を乱流化させる。この乱流化は、正電極22表面付近の循環水の流れがより速くなるように作用する。循環水の螺旋流化により、循環水は、図4中の矢印で示すように流れる。そのため、循環水が正電極22表面に向かう速い流れを生じさせる。このようなことから、正電極22表面に発生する大部分の気泡をより早い段階でより確実に剥離させることができる。結果、ナノレベルの微細気泡はより効率的に発生させられることとなる。
【0026】
図5は、凸部の形状例を説明する図である。ここで、図5を参照し、凸部22aの形状例、その形状による作用について具体的に説明する。
図5に示す凸部22aの形状は、図4と同様に、軸方向に垂直な面で切断した場合の断面形状である。図5中の矢印は、循環水の螺旋流化により、その面上で循環水に作用する慣性の方向を示している。
【0027】
凸部22aは、全体的に3角形状であり、循環水の流れる方向上、上流側に位置する第1の面22aa、及び下流側に位置する第2の面22abが存在する。その2つの面22aa、22abで太線とした部分は、循環水により気泡が効率的に剥離させることが可能な範囲を示している。
【0028】
第1の面22aaでは、循環水の流れの向きにより、その大部分は気泡が効率的、且つ確実に剥離できるようになっている。一方、第2の面22abは、第1の面22aaと比較し、径方向と成す角度はより直角に近い角度となっている。そのため、第2の面22abは、循環水の流れの向きと成す角度が比較的に近いものとなっている。このこと、及び循環水の乱流化により、先端部22atから第2の面22abに沿って流れる循環水がその第2の面22abから剥離(境界層剥離)する剥離点は、先端部22atの後方に生じることになる。結果、第2の面22abでも、太線で示す部分に発生した気泡を効率的、且つ確実に剥離させることができる。
【0029】
上記のように、気泡は、先端部22at、及びその付近で大部分が発生する。気泡の大部分が発生する領域は、図5に示す太線部分内に含まれる。そのため、正電極22の表面に発生した気泡を微細気泡のうちに大部分、確実に剥離させることができる。正電極22を構造体20として作製したのは、このためである。つまり、正電極22側では、負電極21側よりも大量の気体が発生することから、微細気泡の生成に有利だからである。
【0030】
なお、凸部22aは、断面形状が直線で表される形状としているが、そのような形状でなくとも良い。全体的な形状としても、3角形に限定されない。4角形以上の多角形としても良い。
【0031】
また、負電極21、及び正電極22の形状はともに、平面状とし、それらが平行となるように配置しても良い。この場合、負電極21にも凸部22aのような凸凹を形成させることが望ましい。
【0032】
本実施形態では、凸部22aが形成された正電極22(構造体20)は、円筒状の形状としている。これは、正電極22表面の面積をより広くさせつつ、循環水が流れる仮想的な流路の長さを長くさせるためである。そのようにすることにより、正電極22表面の単位面積当たりの循環水の流量をより大きくさせることが容易になる。そのため、正電極22表面に発生する気泡をより早い段階でより確実に剥離させるうえで有効である。
【0033】
負電極21は、軸を合わせるとともに、構造体20の軸方向に沿って配置させる円柱状にすることにより、正電極22表面を全体的に気泡の発生に用いることができる。この面でも有効である。この正電極22は、構造体20とは別の部品として作製しても良い。その場合、複数の部品として作製しても良い。
【0034】
循環水の慣性の利用は、循環水が流れる向きを変化させることで可能である。このことから、構造体20は、循環水を螺旋流化させて流すものでなくとも良い。それにより、構造体20は、円筒状の形状としなくとも良い。つまり構造体20は、例えば曲がった管、扇形となった部分が存在する物、等の曲面状の部分が存在するものであれば良い。しかし、凸部22aの先端部22at、及びその近傍で気泡の大部分が発生するようにする必要がある。
【0035】
また、本実施形態では、循環水を構造体20内に流入させる角度の調整により、構造体20内で循環水を螺旋流化させているが、螺旋流化のための流路を構造体20内に形成させても良い。そのような流路の形成は、例えば図6に示すような流路形成部材25を構造体20内に配置させることで行うようにしても良い。
【0036】
また、微細気泡発生装置3を用いて陽イオン含有微細気泡発生装置を実現させる場合、構成する金属イオン発生装置2、微細気泡発生装置3、及び過流ポンプ4の位置関係は、図1に示すようなものに限定されない。液体(流水)である循環水の流れを確保できるのであれば、それらの間の位置関係は様々に変形させることができる。このことから、例えば図7に示すように、水施設1からの循環水は、微細気泡発生装置3、過流ポンプ4、及び金属イオン発生装置2を介して水施設1に環流させるようにしても良い。
【0037】
また、本実施形態では微細生成物として微細気泡の発生について説明したが、電気分解によって電極から生成されるイオン等の生成物であってもよい。また、電極に形成する凹凸部は電極に微細な円柱状の凸部を多数設けて構成してもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 水施設
2 金属イオン発生装置
3 微細気泡発生装置
4 過流ポンプ
10 電源部
11 直流電源
12 可変抵抗器
13 電流計
14 正接続端子
15 負接続端子
20 構造体
21 負電極
22 正電極
23 吸水口
24 吐出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7