(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20240422BHJP
G06Q 30/0251 20230101ALI20240422BHJP
【FI】
G06Q30/0201
G06Q30/0251
(21)【出願番号】P 2023068947
(22)【出願日】2023-04-20
(62)【分割の表示】P 2021152750の分割
【原出願日】2021-09-21
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】517268544
【氏名又は名称】AIQ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】弁理士法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高松 睦
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 求
(72)【発明者】
【氏名】高島 孝太郎
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-092931(JP,A)
【文献】特開2019-028793(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0174726(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0143346(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のSNSユーザに対してSNSサービスを提供するSNSサーバに対してインターネット回線を介して接続される情報処理装置であって、
プログラムを記憶する記憶部と、
前記プログラムを実行するプロセッサと、
前記インターネット回線を介して前記SNSサーバと通信する通信部とを具備し、
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
前記SNSサーバに対して前記通信部を介して、前記SNSユーザ各々のプロフィール、前記SNSユーザ各々が投稿した投稿画像、前記投稿画像に前記SNSユーザ各々が付したハッシュタグ、前記SNSユーザ各々が投稿したコメントを要求し、ダウンロードする手段と、
前記ハッシュタグ及び前記コメントに対して言語解析処理を実行して名詞を抽出し、前記抽出された名詞に基づいて前記SNSユーザ各々の興味対象の分類を特定する手段と、
前記プロフィールと、前記興味対象の分類とから前記SNSユーザ各々のペルソナのデータを作成する手段とを実現する、情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
前記投稿画像に対して前記興味対象の分類に適合する画像解析処理を実行し、前記興味対象のより下位の分類を特定する画像解析手段をさらに実現し、
前記ペルソナのデータは、前記プロフィールと、前記興味対象の分類とに加えて、前記興味対象の下位の分類から作成される、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像解析手段は、畳み込みニューラルネットワークにより構成される、請求項
2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
前記投稿画像のうち最新の一又は所定数の投稿画像に付されたハッシュタグ、前記コメントの言語解析処理結果に基づいて前記SNSユーザのトレンドを特定する手段をさらに実現し、
前記ペルソナのデータは、前記プロフィールと、前記興味対象の分類とに加えて、前記SNSユーザのトレンドから作成される、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数のSNSユーザに対してSNSサービスを提供するSNSサーバに対してインターネット回線を介して接続されるコンピュータを、
前記SNSサーバに対して、前記SNSユーザ各々のプロフィール、前記SNSユーザ各々が投稿した投稿画像、前記投稿画像に前記SNSユーザ各々が付したハッシュタグ、前記SNSユーザ各々が投稿したコメントを要求し、ダウンロードする手段と、
前記ハッシュタグ及び前記コメントに対して言語解析処理を実行して名詞を抽出し、前記抽出された名詞に基づいて前記SNSユーザ各々の興味対象の分類を特定する手段と、
前記プロフィールと、前記興味対象の分類とから前記SNSユーザ各々のペルソナのデータを作成する手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、店舗において販売員が接客しながら商品を販売する販売形態(実店舗販売)が難しくなってきている。販売総売上に対する実店舗販売額の割合が下がり、インターネットを介した電子商取引(EC:Electronic Commerce)を利用した販売形態(EC販売)の割合が拡大しつつある。
【0003】
さらに、ECサイトへの集客にSNS(Social Networking Service)を活用すること、つまり実店舗の販売員等の特定のSNSユーザ(画像投稿者)が例えばインスタグラム(登録商標)に商品の写真(画像)を投稿し、その投稿からECサイトにSNSユーザを誘導することにより、商品販売に繋げる販売形態が注目されている。
【0004】
このSNSを活用した販売形態は、SNSユーザが投稿者の投稿ページの閲覧に訪れる機会を待つ、いわゆる「待ちの営業」から、投稿ページに誘導するためにSNSユーザに対して個別に広告を配信する積極的な営業活動に転換している。広告にはディスプレイ広告、メール広告等様々な種類が存在する。いずれも広告配信の対象ユーザを絞り込んで配信しているが、そのクリック率やコンバージョン率等の成功率はあまり高いとは言えない。
【0005】
その理由の一つしては、広告配信の対象ユーザの絞り込みの精度があまり高いとは言えないことにあると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
目的は、広告配信の対象ユーザの絞り込み精度の向上、効果的な広告配信の実現のためにプロフィールとともに興味対象を含むペルソナを作成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態は、複数のSNSユーザに対してSNSサービスを提供するSNSサーバに対してインターネット回線を介して接続される情報処理装置であって、プログラムを記憶する記憶部と、前記プログラムを実行するプロセッサと、前記インターネット回線を介して前記SNSサーバと通信する通信部とを具備し、前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、前記SNSサーバに対して前記通信部を介して、前記SNSユーザ各々のプロフィール、前記SNSユーザ各々が投稿した投稿画像、前記投稿画像に前記SNSユーザ各々が付したハッシュタグ、前記SNSユーザ各々が投稿したコメントを要求し、ダウンロードする手段と、前記ハッシュタグ及び前記コメントに対して言語解析処理を実行して名詞を抽出し、前記抽出された名詞に基づいて前記SNSユーザ各々の興味対象の分類を特定する手段と、前記プロフィールと、前記興味対象の分類とから前記SNSユーザ各々のペルソナのデータを作成する手段とを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、SNSサービスの画面構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置を含む全体システムの構成図である。
【
図5】
図5は、
図3のプロセッサで特定される興味対象の分類体系の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図3のプロセッサで実現されるペルソナ作成処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、
図3のプロセッサで実現されるユーザAと関係性が強いSNSユーザの典型的なペルソナ作成処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、
図8の典型的なペルソナ作成処理の概念図である。
【
図10】
図10は、
図3のプロセッサで実現される購入候補者抽出処理(人軸)の手順を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、
図3のプロセッサで実現される購入候補者抽出処理(商品軸1)の手順を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、
図3のプロセッサで実現される購入候補者抽出処理(商品軸2)の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本実施形態は、人と人とのつながりを促進・サポートするコミュニティ型のサービスとしてソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という)における「フェイスブック(登録商標)」、「ツイッター(登録商標)」、「インスタグラム(登録商標)」等の画像(静止画(写真)、動画)の投稿閲覧サービスを活用して商品購入候補者を抽出する処理に係る。
図1に画像投稿閲覧サービスの画面の一例を示すように、当該SNSサービスの提供を受けるSNSユーザは、プロフィールを登録するとともに、趣味や販売商品等に関する写真や動画(以下、画像という)を自身のコメントと共に投稿する機能が提供される。一方、投稿画像等を閲覧するSNSユーザには、画像を投稿したユーザ(画像投稿者)やその投稿に対して反応し、何らかのアクションを実行することができる機能が提供されており、例えば画像投稿者をフォローすることにより画像投稿者の更新状況を把握できる機能、さらに投稿に対してコメントを送信する機能、投稿に対して「いいね」等の共感意思を発信する機能、自身のフォロワー等に投稿等を推奨し拡散するリツイートやシェア等の機能、投稿画像を保存(ダウンロード)する機能など様々な機能等が提供されている。
【0010】
なお、これらフォロー機能、コメント投稿機能、「いいね」等の共感意思の発信機能、リツイートやシェア等の拡散機能、保存機能などのアクションを実行して、画像投稿者又はその投稿に対して反応し、何らかのアクションを実行するSNSユーザは、その対象であるところの画像投稿者又はその投稿に対して、魅力を感じており、強い関心を示しているSNSユーザであると考えられる。ここでは、フォロー機能、コメント投稿機能、「いいね」等の共感意思の発信機能、リツイートやシェア等の拡散機能、保存機能のうち少なくとも一つの機能を実行するSNSユーザは、当該画像投稿者又はその投稿に対して関心を示すSNSユーザであるという。
【0011】
図2に示すように本実施形態に係る情報処理装置1に対して、公衆通信回線網(インターネット回線)8を介して、SNSサービスを提供するSNSサーバ2が接続される。またSNSサーバ2にはインターネット回線8を介して画像投稿者や閲覧者等のSNSユーザが所有するPC、スマートフォン、PHS、PDA、タブレット端末などの端末(ユーザ端末)3-7が接続される。
【0012】
例えば、画像投稿者としてのSNSユーザはユーザ端末3を介して画像やコメント等をSNSサーバ2に投稿することができる。一方、閲覧者としてのSNSユーザは、投稿に対するコメント、投稿に対する「いいね」等の共感、投稿に対する「やだね」等の反感、リツイートやシェア等の投稿の拡散、投稿画像の保存(ダウンロード)、投稿者のフォロワー等、様々な反応をユーザ端末4-7を介して発信することができる。
【0013】
図3に示すように情報処理装置1は、プロセッサ11に対してデータ/制御バス10を介して、RAM12、ROM13、記憶部14、入力コントローラ15、ビデオコントローラ16、通信部17が接続される。入力コントローラ15にはキーボードやマウス等の入力デバイス18が接続される。ビデオコントローラ16にはLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ19が接続される。
【0014】
プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)により構成される。プロセッサ11は、記憶部14又はROM13からRAM12にロードされた各種プログラムを実行して、後述するペルソナ作成処理、典型的なペルソナ作成処理、3種の購入候補者抽出処理を実行する。RAM12は、プロセッサ11の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ROM13あるいは記憶部14は、プロセッサ11により実行されるBIOS(Basic Input Output System)、オペレーティングシステムプログラム(OS)、本実施形態に係るペルソナ作成プログラム、典型的なペルソナ作成プログラム、3種の購入候補者抽出プログラム、その他前処理等の各種機能を実現するためのプログラム、それら処理に必要とされる各種データ等が記憶される。
【0015】
次にペルソナ作成処理について説明する。
図4(a)乃至
図4(c)に例示するように、ペルソナとはSNSユーザの人物像として定義され、ここでは商品購買行動に関わる例えば年代、性別、居住地、興味対象、最近関心を示している対象を表すトレンドの各項目から設定される。また
図5に例示するように、商品購買行動に最も関わる項目として興味対象は、より詳細に、ファッションや自動車等の大分類、それより下位の中分類、小分類から構成されるものとする。
【0016】
ペルソナ作成処理に係る各種手段はプロセッサ11が記憶部14又はROM13からRAM12にロードされたペルソナ作成プログラムを実行することにより実現される。
【0017】
図6、
図7に示すように、まず工程S11において、SNSサーバ2に対して通信部17を介して、SNSユーザ各々が登録したプロフィール、SNSユーザ各々が投稿した投稿画像、当該投稿画像に付されたハッシュタグ、SNSユーザ各々が自身の投稿に対して発信したコメントを要求して、ダウンロードする。分離手段302により分離されたプロフィールデータはペルソナ作成手段307に受け渡され、投稿画像データはオブジェクト抽出手段303に受け渡され、ハッシュタグ及びコメントは言語解析手段305に受け渡される。
【0018】
工程S12において、言語解析手段305はダウンロードしたハッシュタグ、コメントに対して言語解析処理(テキストマイニング)を実行して名詞を抽出するとともに、興味対象特定手段306は、抽出された名詞に基づいてSNSユーザの興味対象の大分類を特定する。当該特定処理としては多数の名詞と複数の大分類との対応表を予め構築しておき、当該対応表に名詞を個々に照会し、最大頻度を示す興味対象の大分類を当該SNSユーザの興味対象の大分類として特定しても良いし、学習済みのニューラルネットワークにより複数の名詞を入力し、興味対象の大分類を出力するようにしてもよい。
【0019】
工程S13において、オブジェクト抽出手段303は、特定された興味対象の大分類を用いて投稿画像から興味対象の大分類に対応するオブジェクト、例えばファッションに対応するジャケットを含む部分画像を抽出する。この抽出処理は典型的には畳み込みニューラルネットワークが適用される。後述の画像解析処理の範囲を、興味対象の大分類に対応するオブジェクトを含む部分画像に限定することができるので、画像解析精度の向上が期待できる。
【0020】
画像解析手段304は、興味対象の大分類毎に適正化された複数の識別手段304-1,304-2、・・・304-nに分化されている。複数の識別手段304-1,304-2、・・・304-nは典型的には畳み込みニューラルネットワークシステムにより構成される。周知の通り、畳み込みニューラルネットワークは、2次元画像に対してフィルタによる畳み込みを行うことで、画像から特徴量を抽出する。畳み込みニューラルネットワークは、畳み込みとプーリングとを繰り返す多層ネットワークからなる。畳み込みニューラルネットワークにおいて畳み込み層を構成する識別に有効なフィルタの係数(重み)を、大量の学習用画像などの大量のデータを用いて学習させる。当該係数(重み)は、大量のデータを用いて、フィルタによる畳み込みと、一定領域の反応をまとめるプーリングとを繰り返すことで多様な変形に対する不変性を獲得する学習を行うことにより得られる。なお、畳み込みニューラルネットワークの識別性能は、畳み込み層を構成するフィルタに依存する。フィルタは、興味対象の大分類ごとに用意される。
【0021】
工程S14において、特定された興味対象の大分類に適合する複数の識別手段304-1,304-2、・・・304-nの一は、部分画像に対して画像解析処理を実行し、興味対象のより下位の中分類、小分類を推定する。仮に興味対象(大分類)が「ファッション」であったとき、大分類の「ファッション」に適合するよう構築された識別手段が選択され、選択された識別器は部分画像を解析して中分類として「クール」、小分類として「ハイブランド」を出力する(
図4(a)参照)。
【0022】
なお、当該SNSユーザが投稿した投稿画像が複数存在するときには、工程S12,S13,S14は、投稿画像毎に繰り返される。投稿画像毎に興味対象の大分類、中分類、小分類が特定されるので、大分類、中分類、小分類がそれぞれ複数ずつ存在することがあるが、その場合、最大頻度の大分類、中分類、小分類が、当該SNSユーザに関する代表的な興味対象の大分類、中分類、小分類として特定される。
【0023】
工程S15において、トレンド解析手段308は、当該SNSユーザが投稿した複数の投稿画像のうち最新、又は最近の所定数の投稿画像に付されたハッシュタグ及びコメントの言語解析結果に基づいて、当該SNSユーザが最近関心を示している事項を表すトレンドを特定する。例えば、当該SNSユーザが投稿した複数の投稿画像のうち、最新の1又は所定数の投稿画像に付されたハッシュタグ、自身のコメントから言語解析処理により複数の名詞を抽出し、名詞ごとの登場頻度を集計し、最大頻度を示す名詞をトレンドとして特定する。例えば名詞「韓国ファッション」の頻度が最も高かったとき、当該ユーザのトレンドとして「韓国ファッション」が特定される(
図4(a)参照)。
【0024】
工程S16において、ペルソナ作成手段307は、プロフィール内の特定項目から年代、性別、居住地、興味対象(大分類、中分類、小分類)、トレンドを当該SNSユーザのアカウントに関連付けてペルソナデータを作成する。ペルソナデータは工程S17において記憶部14に記憶される。
【0025】
工程S11-S17は、工程S18を経て繰り返され、SNSサービスの提供を受ける全てのSNSユーザ又は予め設定した特定のグループに含まれるSNSユーザに関するペルソナデータが作成され、記憶される。
【0026】
次に、
図8、
図9を参照して、特定のユーザAに対して関心が強く、且つユーザAが投稿した商品に関しても強い関心を示すSNSユーザ(D)の典型的なペルソナの作成処理について説明する。なお、ここではユーザAは、アパレルショップに勤務する店員であり、且つSNSユーザであり、当該アパレルショップで販売している様々な商品の画像を投稿する画像投稿者であることを想定する。
【0027】
工程S21において、SNSサーバ2に対して通信部17を介して、ユーザA又はその投稿に対して強い関心を示すユーザBのアカウントを要求して、ダウンロードする。ユーザA又はその投稿に関して強い関心を示すユーザBとしては、具体的にはユーザAのフォロワー、ユーザAの投稿に対して「いいね」等の共感意思を発信したユーザ、リツイートやシェア等によりユーザAの投稿を拡散したユーザ、ユーザAが投稿した画像を保存(ダウンロード)したユーザ、ユーザAの投稿に対してコメントを投稿したしユーザ等である。
【0028】
工程S22において、SNSサーバ2に対して通信部17を介して、ユーザAの投稿画像に付されたハッシュタグを要求し、ダウンロードする。
【0029】
工程S23において、ユーザAの投稿画像に付されたハッシュタグの言語解析処理結果に基づいて、ユーザAが投稿した商品の名称(商品名)を特定する。なお、ユーザAが投稿した商品の名称(商品名)は操作者が入力デバイス18を介して入力してもよい。
【0030】
工程S24において、SNSサーバ2に対して通信部17を介して、ユーザAが投稿した商品の名称(商品名)を含むハッシュタグを付して画像を投稿したユーザCのアカウントを要求し、ダウンロードする。ユーザCは、ユーザAの投稿商品と同じ商品の画像を投稿しているので、ユーザAの投稿商品に対して強い関心を示していることが推定される。
【0031】
工程S25において、ユーザA又はその投稿に関して強い関心を示すユーザBと、ユーザAの投稿商品に強い関心を示すユーザCとが重複する複数のユーザDを抽出する。ユーザDは、ユーザA又はその投稿と、ユーザAの投稿商品との両方に対して強い関心を示しているユーザであるといえる。
【0032】
工程S26において、記憶部14からユーザDのペルソナデータを読み出し、工程S27においてユーザDのペルソナを統合処理して、ユーザDの典型的なペルソナ(PA)を作成する。ペルソナを構成する項目を、年代ごと、性別ごと、居住地ごと、興味対象(大分類)ごと、興味対象(中分類)ごと、興味対象(小分類)ごと、トレンドごとに集計し、最大頻度を示す年代、性別、居住地、興味対象(大分類)、興味対象(中分類)、興味対象(小分類)、トレンドそれぞれの具体的内容を特定する。典型的なペルソナは、ユーザA又はその投稿に対して強い関心を示し、且つユーザAが投稿した商品に対しても強い関心を示している複数のユーザDが共通して備える人物像を特徴付ける要素群であるといえる。
【0033】
工程S28において典型的なペルソナのデータはユーザAのアカウントを関連付けて記憶部14に記憶される。
【0034】
次に購入候補者の抽出処理について説明する。SNSサービスを活用して商品を購入するに至る経緯としては、ユーザA又はその投稿に強い関心を示すようになり、ユーザAの投稿を何度も閲覧するうち、ユーザAが投稿した商品にも強い関心を示すようになり、ユーザAの投稿を経由してECサイトに移動してECサイトで販売されている商品を購入するに至ることが想定されている。
【0035】
本実施形態では、今後、ユーザA又はその投稿に強い関心を示すようになる可能性が高いユーザを購入候補者として抽出する、主に特定のユーザAのペルソナを起点として購入候補者を抽出する方法(人軸方法と称する)と、ユーザAが投稿する商品を起点として購入候補者を抽出する方法(商品軸方法と称する))との2種類の方法を提供する。さらに後者の商品軸方法として2種類を提供する。本実施形態ではこれら人軸方法と2種類の商品軸方法とを装備して、選択的に適用してもよいし、人軸方法と2種類の商品軸方法との全て又は任意の2つの方法により抽出された購入候補者の論理積によりより絞り込んでも良い。
【0036】
図10、
図11には人軸方法の処理手順を示している。
工程S31において、記憶部14から事前に作成したSNSユーザのペルソナデータ、つまり特定のユーザAと他のユーザそれぞれのペルソナデータを読み出し、工程S32において、他のユーザから、ユーザAと人物像が近いユーザとしてユーザAと同一又は類似のペルソナを有するユーザEを抽出する。ユーザEは、ユーザAと、年代、性別、居住地、興味対象(大分類)、興味対象(中分類)、興味対象(小分類)、さらにトレンドの全ての項目が同じである。または、ユーザEは、ユーザAと、年代、性別、居住地、興味対象(大分類)、興味対象(中分類)、興味対象(小分類)、トレンドのうち一部の項目が異なり、他の項目が同じである場合をいう。ここで、異なる項目としては、ここでは人に強い関心を示すのに重要と考えられる項目以外の項目が予め設定されており、例えば居住地、興味対象(小分類)が設定される。つまり、居住地、興味対象(小分類)がユーザAと異なっているが、それら以外の項目である年代、性別、興味対象(大分類)、興味対象(中分類)、トレンドがユーザAと同一であるユーザが抽出される。
【0037】
工程S33において、SNSサーバ2に対して通信部17を介して、ユーザE又はその投稿に対して強い関心を示すユーザFのアカウントを要求し、ダウンロードする。すなわち特定のユーザAと人物像が近いユーザEに強い関心を示しているユーザFは、特定のユーザAにも強い関心を示す可能性が高いユーザであることが想定される。なお、上述したようにユーザE又はその投稿に関して強い関心を示すユーザFとしては、ユーザEのフォロワー、ユーザEの投稿に対して「いいね」等の共感意思を発信したユーザ、リツイートやシェア等によりユーザEの投稿を拡散したユーザ、ユーザEが投稿した画像を保存(ダウンロード)したユーザ、ユーザEの投稿に対してコメントを投稿したしユーザ等である。
【0038】
工程S34において、ユーザFから、既にユーザA又はその投稿に関して強い関心を示し、且つユーザAの投稿商品にも強い関心を示しているユーザDを除外して、ユーザGを抽出する。ユーザGは、ユーザAに人物像が近いユーザEに強い関心を示しているものの、これまでユーザAとの接点がなかったユーザであると想定される。
【0039】
工程S35において、記憶部14から事前に作成したユーザA又はその投稿に関して強い関心を示し、且つユーザAの投稿商品にも強い関心を示しているユーザDの典型的なペルソナ(PA)のデータを読み出し、ユーザGから、典型的なペルソナ(PA)と同一又は類似のペルソナを有するユーザHを抽出する。ここで、「類似」とは、上述したように、年代、性別、居住地、興味対象(大分類)、興味対象(中分類)、興味対象(小分類)、トレンドのうち一部の項目が異なり、他の項目が同じである場合をいい、異なる項目としては人に強い関心を示すのに重要と考えられる項目以外の項目が予め設定されており、例えば居住地、興味対象(小分類)が設定される。
【0040】
ユーザHとしては、今後、特定のユーザAに強い関心を示し、ユーザAの投稿商品を購入するようになる可能性が非常に高いユーザであることが想定される。つまり、ユーザHは、今後、特定のユーザAのフォロワーになったり、あるいはユーザAの投稿に対して「いいね」等の共感意思を発信するなど反応する可能性が非常に高く、ユーザAの投稿を経由してECサイトに移動して最終的に商品を購入する可能性が高いといえる。
【0041】
図12、
図13には第1の商品軸方法の処理手順を示している。
まず工程S41において、SNSサーバ2に対して通信部17を介して、特定のユーザAが投稿した投稿画像に付されたハッシュタグを要求して、ダウンロードする。工程S42において、ハッシュタグの言語解析処理結果に基づいてユーザAが投稿した商品a,b,cの名称(商品名)を特定する。なお、ユーザAが投稿した商品の名称(商品名)は操作者が入力デバイス18を介して入力してもよい。工程S43において、ユーザAが投稿した商品a,b,cに類似する類似商品d,eの名称が操作者により入力デバイス18を介して入力される。類似商品d,eとして典型的にはユーザAが投稿した商品a,b,cの競合商品の名称が入力される。
【0042】
工程S44において、SNSサーバ2に対して通信部17を介して、ユーザAが投稿した商品a,b,cの名称を含むハッシュタグを付して画像を投稿したユーザJのアカウントを要求して、ダウンロードする。同様に、工程S45において、SNSサーバ2に対して通信部17を介して、ユーザAが投稿した商品に類似する類似商品d,eの名称を含むハッシュタグを付して画像を投稿したユーザKのアカウントを要求して、ダウンロードする。ユーザJ,KとしてはユーザAが投稿した商品a,b,c又は類似商品d,eを投稿しているので、既にそれら商品a,b,c,d,eを購入している、購入するに至らなくても強い関心を有していて、ユーザAが勤務しているアパレルショップで取り扱っている商品がユーザの嗜好性に比較的合致していることが想定される。
【0043】
工程S46において、ユーザJ,Kから、既にユーザA又はその投稿に関して強い関心を示しているユーザDを除外して、ユーザAの投稿商品又は類似商品に強い関心を示しているものの、これまでユーザAとの接点がなかったユーザであると想定される。
【0044】
工程S47において、記憶部14から事前に作成したユーザA又はその投稿に関して強い関心を示し、その投稿商品又は類似商品に強い関心を示しているユーザDの典型的なペルソナ(PA)のデータを読み出し、ユーザLから、典型的なペルソナ(PA)と同一又は類似のペルソナを有するユーザMを抽出する。ここで、「類似」とは、上述した通りである。
【0045】
ユーザLとしては、今後、特定のユーザAが投稿した商品に強い関心を示すようになる可能性が非常に高く、且つ特定のユーザAが投稿する商品に関心を示して、ユーザAの投稿を経由してECサイトに移動して最終的に商品を購入する可能性が高い購入候補者であることが想定される。
【0046】
図14、
図15には第2の商品軸方法の処理手順を示している。
まず工程S51において、SNSサーバ2に対して通信部17を介して、特定のユーザAが投稿した投稿画像に付されたハッシュタグを要求して、ダウンロードする。工程S52において、ハッシュタグの言語解析処理結果に基づいてユーザAが投稿した商品a,b,cの名称(商品名)を特定する。もちろん、ユーザAが投稿した商品の名称(商品名)は操作者が入力デバイス18を介して入力してもよい。
【0047】
工程S53において、SNSサーバ2に対して通信部17を介して、ユーザAが投稿した商品a,b,cの名称を含むハッシュタグを付して画像を投稿したユーザJのアカウントを要求して、ダウンロードする。
【0048】
工程S54において、ユーザJから、工程S21においてダウンロードしたユーザA又はその投稿に対して強い関心を示すユーザBを除外して、ユーザNを抽出する。ユーザNはユーザAの投稿商品に強い関心を示しているものの、これまでユーザAとの接点がなかったユーザであると想定される。
【0049】
工程S55において、記憶部14から事前に作成したユーザA又はその投稿に関して強い関心を示しているユーザDの典型的なペルソナ(PA)のデータを読み出し、ユーザNから、典型的なペルソナ(PA)と同一又は類似のペルソナを有するユーザPを抽出する。ここで、「類似」とは、上述した通りである。
【0050】
ユーザPとしては、今後、特定のユーザAが投稿した商品に強い関心を示すようになる可能性が非常に高く、且つ特定のユーザAが投稿する商品に関心を示して、ユーザAの投稿を経由してECサイトに移動して最終的に商品を購入する可能性が高い購入候補者であることが想定される。
【0051】
本実施形態によると、今後、特定のユーザAに強い関心を示すようになる可能性が非常に高く、ユーザAの投稿を経由してECサイトに移動して最終的に商品を購入する可能性が高い購入候補者や、今後、ユーザAが投稿した商品に強い関心を示すようになる可能性が非常に高く、ユーザAの投稿を経由してECサイトに移動して最終的に商品を購入する可能性が高い購入候補者を抽出することができる。従ってこれら購入候補者に対して効果的な広告配信を実現することができる。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0053】
1…情報処理装置、2…SNSサーバ、3-7……ユーザ端末。