(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】3次元空間における入力受付および入力表示方法、プログラム、および3次元空間における入力受付および入力表示装置
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20240422BHJP
G06F 3/04815 20220101ALI20240422BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06F3/04815
(21)【出願番号】P 2019156219
(22)【出願日】2019-08-29
【審査請求日】2022-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】718000554
【氏名又は名称】佐藤 怜以
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 怜以
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-024860(JP,A)
【文献】特開2003-256859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元空間出力工程、2次元構造生成工程、およびユーザ入力受付工程を含み、
前記3次元空間出力工程は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力し、
前記2次元構造生成工程は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成し、
前記ユーザ入力受付工程は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、
前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、
さらに、前記3次元空間への入力内容に、回転中心点を設定し、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記回転中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、且つ、前記3次元空間への入力内容が、前記回転中心点を中心に回転することにより前記3次元空間の画像の任意の表示方向に対して追随して表示されるように設定し、
前記3次元空間出力工程は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力し、
前記各工程が、コンピュータにより実施される、
3次元空間における入力受付および入力表示方法。
【請求項2】
3次元空間出力工程、2次元構造生成工程、およびユーザ入力受付工程を含み、
前記3次元空間出力工程は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力し、
前記2次元構造生成工程は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成し、
前記ユーザ入力受付工程は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、
前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、
さらに、前記受付された前記3次元空間への入力内容に、回転中心点を設定し、前記2次元構造の前記3次元空間位置に基づき、前記回転中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、且つ、前記3次元空間への入力内容が、前記回転中心点を中心に回転して前記2次元構造の面上に表示されるように設定し、
前記3次元空間出力工程は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力し、
前記各工程が、コンピュータにより実施される、
3次元空間における入力受付および入力表示方法。
【請求項3】
3次元空間出力工程、2次元構造生成工程、およびユーザ入力受付工程を含み、
前記3次元空間出力工程は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力し、
前記2次元構造生成工程は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成し、
前記ユーザ入力受付工程は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、
前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、
さらに、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置に、複数の前記2次元構造の前記3次元空間位置が対応する場合に、いずれかの前記2次元構造の前記3次元空間位置を前記ユーザによる入力に応じて選択し、前記選択された前記2次元構造の前記3次元空間位置に、前記3次元空間への入力内容を紐づけし、
前記3次元空間出力工程は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力し、
前記各工程が、コンピュータにより実施される、
3次元空間における入力受付および入力表示方法。
【請求項4】
3次元空間出力工程、2次元構造生成工程、およびユーザ入力受付工程を含み、
前記3次元空間出力工程は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力し、
前記2次元構造生成工程は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成し、
前記2次元構造の生成において、前記2次元構造と前記3次元空間に含まれるオブジェクトとが交わる場合、前記オブジェクトの表面を迂回するようにして、または、前記2次元構造と前記オブジェクトとが交わる部分において前記2次元構造を非表示にするようにして前記2次元構造を生成し、
前記ユーザ入力受付工程は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、
前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、
前記3次元空間出力工程は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力し、
前記各工程が、コンピュータにより実施される、
3次元空間における入力受付および入力表示方法。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法をコンピュータ上で実行可能である、プログラム。
【請求項6】
3次元空間出力手段、2次元構造生成手段、およびユーザ入力受付手段を含み、
前記3次元空間出力手段は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力し、
前記2次元構造生成手段は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成し、
前記ユーザ入力受付手段は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、
前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、
さらに、前記3次元空間への入力内容に、回転中心点を設定し、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記回転中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、且つ、前記3次元空間への入力内容が、前記回転中心点を中心に回転することにより前記3次元空間の画像の任意の表示方向に対して追随して表示されるように設定し、
前記3次元空間出力手段は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力する、
3次元空間における入力受付および入力表示装置。
【請求項7】
3次元空間出力手段、2次元構造生成手段、およびユーザ入力受付手段を含み、
前記3次元空間出力手段は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力し、
前記2次元構造生成手段は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成し、
前記ユーザ入力受付手段は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、
前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、さらに、前記受付された前記3次元空間への入力内容に、回転中心点を設定し、前記2次元構造の前記3次元空間位置に基づき、前記回転中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、且つ、前記3次元空間への入力内容が、前記回転中心点を中心に回転して前記2次元構造の面上に表示されるように設定し、
前記3次元空間出力手段は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力する、
3次元空間における入力受付および入力表示装置。
【請求項8】
3次元空間出力手段、2次元構造生成手段、およびユーザ入力受付手段を含み、
前記3次元空間出力手段は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力し、
前記2次元構造生成手段は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成し、
前記ユーザ入力受付手段は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、
前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、さらに、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置に、複数の前記2次元構造の前記3次元空間位置が対応する場合に、いずれかの前記2次元構造の前記3次元空間位置を前記ユーザによる入力に応じて選択し、前記選択された前記2次元構造の前記3次元空間位置に、前記3次元空間への入力内容を紐づけし、
前記3次元空間出力手段は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力する、
3次元空間における入力受付および入力表示装置。
【請求項9】
3次元空間出力手段、2次元構造生成手段、およびユーザ入力受付手段を含み、
前記3次元空間出力手段は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力し、
前記2次元構造生成手段は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成し、
前記2次元構造の生成において、前記2次元構造と前記3次元空間に含まれるオブジェクトとが交わる場合、前記オブジェクトの表面を迂回するようにして、または、前記2次元構造と前記オブジェクトとが交わる部分において前記2次元構造を非表示にするようにして前記2次元構造を生成し、
前記ユーザ入力受付手段は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、
前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、
前記3次元空間出力手段は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力する、
3次元空間における入力受付および入力表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元空間における入力受付および入力表示方法、プログラム、および3次元空間における入力受付および入力表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元モデルにテキストデータが埋め込まれた3次元データを作成する方法として、3次元モデルのうちユーザにより指定された指定部分の位置データに、テキストデータをリンクさせる方法が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、
図11に引用して示すように、特許文献1において、前記テキストデータ(図中、「テキスト」として示されている部分)は、3次元空間の画像(図中、「画面」として示されている部分)上に、2次元的に入力および表示される(特許文献1
図4)。このため、特許文献1において、前記テキストデータは、前記3次元モデルにリンクしているものの、3次元空間における入力とは言い難かった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、3次元空間における入力受付および入力表示を可能にするシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の3次元空間における入力受付および入力表示方法は、3次元空間出力工程、2次元構造生成工程、およびユーザ入力受付工程を含み、
前記3次元空間出力工程は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力し、
前記2次元構造生成工程は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成し、
前記ユーザ入力受付工程は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、
前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、
前記3次元空間出力工程は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力し、
前記各工程が、コンピュータにより実施される。
【0007】
本発明のプログラムは、前記本発明の方法をコンピュータ上で実行可能である。
【0008】
本発明の3次元空間における入力受付および入力表示装置は、3次元空間出力手段、2次元構造生成手段、およびユーザ入力受付手段を含み、
前記3次元空間出力手段は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力し、
前記2次元構造生成手段は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成し、
前記ユーザ入力受付手段は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、
前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、
前記3次元空間出力手段は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、3次元空間における入力受付および入力表示を可能にするシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態1における、入力受付表示装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態1における、入力受付表示装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の実施形態1における、3次元空間の画像の一例を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の実施形態1における、3次元空間の画像の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態1における、3次元空間の画像の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態1における、3次元空間の画像の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態1における、3次元空間の画像における表示位置を説明する図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態1における、3次元空間の画像における2次元構造の表示位置と、2次元構造の3次元空間位置との対応関係を示す概略図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態1における、一連の入力内容を含む仮想的な四角形における、重心を説明する図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態1における、3次元空間への入力内容が、2次元構造面からの厚みを有して表示される場合の一例を示す概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態1における、入力受付表示方法の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、従来技術における、3次元空間の画像上に、テキストデータが、2次元的に入力および表示される場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によれば、前述のように、3次元空間の画像における2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけする。これにより、前記3次元空間における、オブジェクト(例えば、特許文献1における「3次元モデル」等)が存在する領域以外の領域に対しても、入力受付および入力表示をすることができる。
【0012】
本発明において、「ユーザ」は、本発明の入力受付および入力表示装置(「入力受付表示装置」ともいう。)のユーザである。前記ユーザは、1人でもよいし、複数でもよい。
【0013】
本発明の実施形態について、図を用いて説明する。本発明は、下記の実施形態によって何ら限定および制限されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。
【0014】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の入力受付表示装置10の一例の構成を示すブロック図である。入力受付表示装置10は、3次元空間出力手段11、2次元構造生成手段12、およびユーザ入力受付手段13を含む。
【0015】
入力受付表示装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、有線または無線の通信回線網を介して接続可能な装置(システム)であってもよい。通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。通信回線網は、例えば、インターネット回線、電話回線、LAN(Local Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)等があげられる。入力受付表示装置10は、例えば、システムとしてサーバーに組み込まれていてもよい。また、入力受付表示装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたコンピュータであってもよい。
【0016】
本実施形態において、入力受付表示装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)である。ただし、これには制限されず、入力受付表示装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、およびウェアラブル端末等の携帯端末、ならびにゲーム機等でもよい。
【0017】
さらに、
図2に、入力受付表示装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。入力受付表示装置10は、例えば、CPU(中央処理装置)101、メモリ102、バス103、通信デバイス104、記憶装置105等を有する。入力受付表示装置10の各部は、例えば、それぞれのインターフェイス(I/F)により、バス103を介して、接続されている。
【0018】
CPU101は、入力受付表示装置10の全体の制御を担う。入力受付表示装置10において、CPU101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的に、入力受付表示装置10は、例えば、CPU101が、3次元空間出力手段11、2次元構造生成手段12、およびユーザ入力受付手段13として機能する。
【0019】
バス103は、例えば、CPU101、メモリ102等のそれぞれの機能部間を接続する。バス103は、例えば、外部機器とも接続できる。前記外部機器は、例えば、画像表示装置、入力装置、ならびにスピーカー等の音声出力装置等があげられる。前記画像表示装置、および前記入力装置については、後述する。入力受付表示装置10は、バス103に接続された通信デバイス104により、通信回線網に接続でき、通信回線網を介して、前記外部機器と接続することもできる。
【0020】
メモリ102は、例えば、メインメモリを含み、前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU101が処理を行う際には、例えば、後述する補助記憶装置に記憶されている、本発明のプログラム等の種々の動作プログラム106を、メモリ102が読み込み、CPU101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラム106を実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ102は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。
【0021】
記憶装置105は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。記憶装置105は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等があげられ、前記ドライブは、特に制限されない。記憶装置105は、例えば、記憶媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)も例示できる。記憶装置105には、例えば、前述のように、動作プログラム106が格納される。また、記憶装置105は、例えば、後述する、3次元空間の情報等が格納されてもよい。
【0022】
入力受付表示装置10において、メモリ102および記憶装置105は、ユーザからのアクセス情報およびログ情報、ならびに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0023】
3次元空間出力手段11は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力する。前記画像表示部は、例えば、ディスプレイ(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等)、タッチパネル、スクリーン等があげられる。前記画像表示部は、入力受付表示装置10に内蔵されたものでもよいし(図示せず)、外部接続された前記画像表示装置でもよい。3次元空間出力手段11は、例えば、前記3次元空間の画像の情報を、バス103を介して、前記画像表示部に出力する。
【0024】
前記3次元空間は、例えば、X座標、Y座標、Z座標(それぞれ、例えば、幅、奥行き、高さ)の3つの値によって定義される空間である。前記3次元空間は、特に制限されず、具体的には、例えば、仮想現実空間、ゲーム空間、シミュレーション(性能試験等)、訓練(運転の訓練、手術の訓練等)、および設計・描画用の空間、ならびに3次元カメラにより取得された画像空間等があげられる。
【0025】
前記3次元空間は、固定のもの(静止しているもの、動きのあるもの)でもよいし、ユーザの入力等に基づき変化してもよい。後者の場合、例えば、3次元空間制御部(例えば、CPU)により、前記3次元空間の制御を行うことができる。
【0026】
前記3次元空間の画像は、2次元画像である。前記2次元画像は、例えば、疑似的な3次元表示(立体視テレビ、VR(Virtual Reality)ゴーグル等)のための画像を含む。前記3次元空間の画像は、後述するように、表示位置の情報を含む。
【0027】
3次元空間出力手段11は、例えば、前記出力において、前記3次元空間の情報から、前記画像表示部に表示される、前記3次元空間の画像を算出し、これを出力する。前記3次元空間の情報は、特に制限されず、例えば、前記3次元空間に含まれるオブジェクトの情報(色、形等の情報、位置情報等)、ならびに、後述する、2次元構造の情報、および、ユーザによる前記3次元空間への入力内容等があげられる。前記オブジェクトは、特に制限されず、例えば、「物」ということもできる。前記「物」は、具体的には、例えば、前記仮想現実空間における構造物、前記設計用の空間における設計されたモデル、前記ゲーム空間におけるキャラクター等でもよい。なお、前記ユーザによる前記3次元空間への入力内容は、前記オブジェクトでもよいし、前記オブジェクトでなくてもよい。
【0028】
前記3次元空間の画像の算出は、例えば、前記3次元空間を仮想的に撮像する仮想的なカメラの設定情報(位置、角度、ズーム、遠近感、および視野角等)に基づき、行うことができる。前記仮想的なカメラの設定情報は、例えば、前記ユーザの入力に応じて、決定できる。
【0029】
図3(A)は、前記画像表示部に表示される、前記3次元空間の画像の一例を示す図である。
図3(A)に示された3次元空間の画像100から、前記3次元空間に、前記オブジェクトが含まれていることがわかる(図中、左側および右側)。また、図中、白色の領域には、「地面」の前記オブジェクトが存在している。
【0030】
3次元空間出力手段11は、例えば、1つの3次元空間について、複数のそれぞれ異なる前記3次元空間の画像を出力することができる。すなわち、例えば、1人のユーザに対し、前記仮想的なカメラの設定情報に応じて、異なる前記3次元空間の画像を出力してもよいし、1つの3次元空間を(例えば、同時に)共有する複数のユーザに対し、それぞれ異なる前記3次元空間の画像を出力してもよい。
【0031】
2次元構造生成手段12は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成する。「前記3次元空間への入力を受付するための」とは、例えば、前記3次元空間への入力を受付することを主な目的として、という意味である。前記2次元構造は、例えば、前記3次元空間に含まれる前記オブジェクトとは異なるものである。また、前記2次元構造は、例えば、前記3次元空間への入力を受付する間、一時的に生成される。
【0032】
図3(B)は、前記2次元構造の一例を示す図である。
図3(B)において、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造Pが生成されたことがわかる。
【0033】
前記2次元構造の形状は、特に制限されず、例えば、
図3(B)に示すように、平面でもよいし、曲面でもよい。前記曲面は、特に制限されず、例えば、球、円柱、二次曲面等の全部または一部、波状構造、ランダムな曲面等があげられる。前記2次元構造の形状および大きさは、例えば、前記ユーザの入力に応じて設定および変更することができる。なお、前記2次元構造は、後述する、ユーザによる前記3次元空間への入力を妨げない範囲で、3次元的な構造(例えば、立体的な装飾等)を有していてもよい。
【0034】
また、前記2次元構造は、
図3(B)に示すように、透過性を有してもよい。前記「透過性を有する」とは、透明でもよいし、半透明でもよい。前記透過性を有することで、例えば、3次元空間の画像100において、手前側にある前記2次元構造により、奥側にある前記オブジェクト等が表示されなくなるのを防ぐことができる。また、前記2次元構造は、
図3(B)に示すように、所定の間隔で引かれたグリッド線を含んでもよい。前記グリッド線を含むことで、例えば、前記2次元構造の位置および形状等をわかりやすくすることができる。
【0035】
なお、
図3(B)の例では、2次元構造Pと前記オブジェクトとが交わる部分において、2次元構造Pが非表示(非生成)になっている。これにより、例えば、前記3次元空間における、前記オブジェクトが存在する位置には、後述するユーザによる入力ができないようにすることができる。このため、前記オブジェクトの内部に前記入力がされることによる違和感の発生や、入力したにも関わらず前記オブジェクトに遮られて入力内容が表示されない等の問題の発生を防ぐことができる。ただし、これには制限されず、2次元構造Pと前記オブジェクトとが交わる部分において、2次元構造Pが表示(生成)されてもよい。
【0036】
また、
図4(A)に示すように、2次元構造Pと前記オブジェクトとが交わる場合、前記オブジェクトの表面を迂回するようにして2次元構造Pが表示(生成)されてもよい。
図4(A)において、2次元構造Pと三角錐型のオブジェクト(図中、中央)とが交わり、且つ、これらの交線(図中、点線で示す線)が閉じており、且つ、2次元構造P面からの前記オブジェクトの高さhが所定値以下となっているため、前記オブジェクトの表面を迂回するようにして2次元構造Pが表示されている。
図4(B)は、
図4(A)に示す前記3次元空間において、前記三角錐型のオブジェクトを前記地面に水平な方向から見た場合の、前記三角錐型のオブジェクトの断面図(概略図)であり、前記オブジェクトの高さhを示している。一方、
図4(A)において、2次元構造Pと図中左側および右側の2つの前記オブジェクトとは、交わっているが、いずれも交線が閉じていないため、2次元構造Pは、前記オブジェクトの表面を迂回していない。
【0037】
2次元構造生成手段12は、例えば、さらに、前記ユーザの入力に応じて、前記2次元構造を移動および回転させてもよい。2次元構造生成手段12は、例えば、前記2次元構造のおおまかな3次元空間位置を決定した後、前記2次元構造を回転させてもよい。前記3次元空間位置については、後述する。前記回転の回転軸、および回転中心は、特に制限されず、例えば、前記2次元構造上にあってもよい。具体的には、2次元構造生成手段12は、例えば、まず、前記3次元空間の任意の3次元空間位置に、仮の前記2次元構造を生成する。つぎに、前記仮の前記2次元構造を、前記ユーザの入力に応じて、前記3次元空間の画像における奥行き方向に移動させ、前記仮の前記2次元構造のおおまかな3次元空間位置を決定する。その後、前記仮の前記2次元構造を、前記ユーザの入力に応じて、回転させ(例えば、前記地面に対して垂直な状態の前記仮の前記2次元構造を傾ける、前記地面に対して垂直な軸を中心にして回転させる等)、前記回転後の前記仮の前記2次元構造の3次元空間位置を、前記2次元構造の3次元空間位置として決定する。
【0038】
ユーザ入力受付手段13は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付する。前記ユーザによる前記入力は、例えば、タッチパネル、マウス、キーボード、およびコントローラ等の入力部により行うことができる。前記入力部は、入力受付表示装置10に内蔵されたものでもよいし(図示せず)、外部接続された前記入力装置でもよい。
【0039】
前記3次元空間への入力において、例えば、前記ユーザは、前記3次元空間の画像を見ながら、前記3次元空間の画像における任意の前記2次元構造の表示位置に、前記3次元空間への入力をすることができる。
【0040】
前記ユーザによる前記3次元空間への入力は、具体的には、例えば、前記入力装置がマウスである場合、前記マウスを操作することにより、前記3次元空間の画像上に表示されたカーソルを動かすことで、前記3次元空間の画像上に線を入力することができる。
図3(C)は、前記3次元空間への入力の一例を示す図である。
図3(C)において、3次元空間の画像100における、2次元構造Pが表示されている領域に、入力内容として、丸印等を示す線が入力されている。また、前記入力装置がキーボードである場合、前記キーボードを操作することにより、前記3次元空間の画像上における入力位置の決定、文字の入力等をすることができる。
図5(A)は、前記3次元空間への入力の別の一例を示す図である。
図5(A)において、3次元空間の画像100における、2次元構造Pが表示されている領域に、入力内容として、「NG!」および「OK」の文字が入力されている。
【0041】
ユーザ入力受付手段13は、前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけする。
【0042】
前記「3次元空間の画像における表示位置」とは、前記3次元空間の画像において表示される位置であり、例えば、
図6に示すように、3次元空間の画像100における、縦方向および横方向の位置(座標ともいう。)である。
図6において、図中、左右方向が、x方向であり、上下方向が、y方向であり、3次元空間の画像100における四隅の座標が、それぞれ、(0,0)、(xn,0)、(0,yn)、(xn,yn)となっている。前記「3次元空間位置」とは、前記3次元空間における位置であり、例えば、前記3次元空間における、幅方向、奥行き方向、および高さ方向の位置(座標ともいう。)である。
図6において、前記3次元空間の画像における表示位置(x1,y1)に対して、例えば、前記3次元空間位置(X1,Y1,Z1)が対応している。
【0043】
図7は、3次元空間の画像100における2次元構造Pの表示位置と、2次元構造Pの3次元空間位置との対応関係を示す概略図である。
図7は、前記3次元空間における前記仮想的なカメラの位置(図中、人の目の絵で示す)を通り、3次元空間の画像100および2次元構造Pに交わる面で、前記3次元空間を切断した、概略断面図である。
図7(A)において、3次元空間の画像100における2次元構造Pの表示位置と、2次元構造Pの3次元空間位置とは、1対1の対応関係を有している(例えば、図中、「A(x1,y1)」と「A’(X1,Y1,Z1)」との対応関係、および「B(x2,y2)」と「B’(X2,Y2,Z2)」との対応関係)。なお、前記対応関係は、例えば、前述の、前記仮想的なカメラの設定情報の変更(例えば、位置の変更)等に応じて、適宜、変更される。
【0044】
前記対応関係は、例えば、
図6(B)に示すように、1対複数の対応関係でもよい。この場合も、前記ユーザによる入力、および既定の設定等により、2次元構造Pの複数の前記3次元空間位置のうち、いずれかを対応させることができる。
図6(B)において、3次元空間の画像100における2次元構造Pの表示位置(図中、「A」で示す)に対し、手前側の2次元構造Pの3次元空間位置(図中、「A’’」で示す)が対応している。すなわち、ユーザ入力受付手段13は、例えば、前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置に、複数の前記2次元構造の前記3次元空間位置が対応する場合に、いずれかの前記2次元構造の前記3次元空間位置を選択し、前記選択された前記2次元構造の前記3次元空間位置に、前記3次元空間への入力内容を紐づけすることができる。
【0045】
ユーザ入力受付手段13は、具体的には、例えば、第1のユーザ入力受付手段131、第2のユーザ入力受付手段132、および第3のユーザ入力受付手段132のいずれかでもよい。第1のユーザ入力受付手段131、第2のユーザ入力受付手段132、および第3のユーザ入力受付手段132は、例えば、前記ユーザの入力に応じて、いずれかが実行されてもよい。
【0046】
第1のユーザ入力受付手段131は、例えば、前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、写像となるように、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけする。
【0047】
「前記3次元空間への入力内容を、写像となるように、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけする」とは、例えば、
図3(C)に示すように、前記入力内容(図中、丸印等を示す線)を構成する点について、それぞれ、3次元空間の画像100における表示位置を取得し、前記表示位置に対応する2次元構造Pの前記3次元空間位置に、前記入力内容を構成する点を、それぞれ、紐づけすることをいう。
【0048】
これにより、例えば、ユーザは、前記3次元空間における、前記オブジェクトが存在する領域以外の領域に対しても、2次元構造Pをキャンバスのようにして、自由に入力をすることができる。
【0049】
第2のユーザ入力受付手段132は、例えば、前記3次元空間への入力の受付において、さらに、前記3次元空間への入力内容に、中心点を設定し、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、且つ、前記3次元空間への入力内容が、前記中心点を中心に回転することにより前記3次元空間の画像の任意の表示方向に対して追随して表示されるように設定する。
【0050】
前記中心点は、特に制限されず、前記3次元空間の画像における、任意の1点とすることができる。
【0051】
前記中心点は、例えば、
図8に示すように、一連の前記入力内容(図中、「NG!」の文字)を含む仮想的な四角形における、重心Qとすることができる。ただし、これには制限されず、前記中心点は、例えば、前記一連の前記入力内容を含む仮想的な図形における、任意の1点(四角形の四隅のいずれか等)でもよいし、前記入力内容の書き始めの点等でもよいし、ユーザの入力により決定してもよい。また、前記中心点は、前記入力内容の入力よりも前に、設定されてもよい。前記一連の前記入力内容は、ユーザの入力等により、適宜設定できる。
【0052】
「前記中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけする」とは、例えば、前記中心点について、前記3次元空間の画像における表示位置を取得し、前記表示位置に対応する前記2次元構造の前記3次元空間位置に、紐づけすることをいう。
【0053】
「前記中心点を中心に回転する」とは、前記中心点を中心にして前記入力内容の正面の向きが変わればよく、特に制限されない。なお、前述のように、前記3次元空間の画像は、2次元画像である。そして、前記入力内容も、前記3次元空間の画像上に存在する2次元画像とみなすことができる。このため、前記「入力内容の正面の向き」とは、例えば、前記入力内容の2次元画像の正面の向きということもできる。
【0054】
「前記3次元空間への入力内容が、前記3次元空間の画像の任意の表示方向に対して追随して表示される」とは、例えば、前記入力内容を含む前記3次元空間の画像を、任意の複数の表示方向に表示させた場合に、それぞれの前記表示方向に対して、前記入力内容が正面を向いて表示されることをいう。
【0055】
具体的には、例えば、
図5(A)に示すように、前記入力内容として、「NG!」および「OK」の文字が入力された場合、前記入力内容を含む前記3次元空間の画像を、
図5(C)に示すように、
図5(A)における図中上方向を新たな表示方向として表示させても、前記新たな表示方向に対して、前記入力内容が正面を向いて表示される。
【0056】
これにより、例えば、前記入力内容を含む前記3次元空間の画像の表示方向を変えた場合でも、前記表示方向に対して、前記入力内容が正面を向いて表示される。このため、前記入力内容が文字等であっても、任意の複数の表示方向から、前記入力内容を把握することができる。
【0057】
第3のユーザ入力受付手段132は、例えば、前記3次元空間への入力の受付において、さらに、前記受付された前記3次元空間への入力内容に、中心点を設定し、前記2次元構造の前記3次元空間位置に基づき、前記中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、且つ、前記3次元空間への入力内容が、前記中心点を中心に回転して前記2次元構造の面上に表示されるように設定する。
【0058】
前記中心点は、例えば、前述のものと同様である。また、「前記中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけする」、および「前記中心点を中心に回転する」とは、例えば、前述と同様である。
【0059】
「前記2次元構造の面上」とは、例えば、前記2次元構造の面が、曲面である場合、前記2次元構造に接する平面上でもよいし、前記曲面上でもよい。
【0060】
従来、例えば、前記3次元空間における、前記3次元空間の画像が含まれる仮想的な面に対し、平行でない面を正面方向として、入力を行うことは困難であった。また、第1のユーザ入力受付手段131によれば、例えば、前述のように、前記2次元構造をキャンバスのようにして、自由に入力をすることができるが、前記2次元構造が、前記3次元空間の画像が含まれる仮想的な面に対し、大きく角度をもっている場合、一連の前記入力内容が、前記2次元構造上に、間延びして紐づけられる可能性がある。
【0061】
第3のユーザ入力受付手段132によれば、前述のように、前記中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、且つ、前記3次元空間への入力内容が、前記中心点を中心に回転して前記2次元構造の面上に表示されるように設定する。このため、例えば、前記2次元構造が、前記3次元空間の画像における奥行き方向に伸長している場合等であっても、前記入力内容が、前記奥行き方向に間延びすることを防ぐことができる。このため、前記入力内容が文字等であっても、見やすくすることができる。
【0062】
そして、3次元空間出力手段11は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力する。
【0063】
3次元空間出力手段11は、前記2次元構造についても、出力してもよいし、出力しなくてもよい。
図5(A)は、前者の場合における、前記出力された前記3次元空間の画像の一例を示し、
図5(B)は、後者の場合における、前記出力された前記3次元空間の画像の一例を示す。
【0064】
3次元空間出力手段11は、例えば、
図9に示すように、前記3次元空間への入力内容が、前記2次元構造面からの厚みを有して表示されるように、前記3次元空間の画像を出力してもよい。これにより、例えば、第1のユーザ入力受付手段131や第3のユーザ入力受付手段132により前記3次元空間への入力内容を受付した場合において、前記3次元空間の画像の表示方向(前記仮想的なカメラが位置する方向)が、前記2次元構造面に対して平行に近い方向(例えば、図中、矢印で示す方向)であっても、前記入力内容の表示が消えたり目立たなくなったりすることを防ぐことができる。
【0065】
入力受付表示装置10は、さらに、記憶手段を含み、前記記憶手段は、前記3次元空間への入力内容と、前記紐づけられた前記3次元空間位置とを記憶してもよい。前記記憶手段は、例えば、記憶装置105等があげられる。これにより、前記3次元空間への入力内容と、前記紐づけられた前記3次元空間位置とを記憶することができる。
【0066】
つぎに、本実施形態の入力受付表示方法における処理の一例を、
図1のブロック図、
図10のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の入力受付表示方法は、3次元空間出力工程(A1)、2次元構造生成工程(A2)、およびユーザ入力受付工程(A3)、3次元空間出力工程(A1’)を含み、例えば、
図1の入力受付表示装置10を用いて、次のように実施できる。なお、本実施形態の入力受付表示方法は、
図1の入力受付表示装置10の使用には限定されない。
【0067】
まず、3次元空間出力手段11により、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力する(工程(A1))。
図3(A)は、前記工程(A1)において、3次元空間の画像100が出力され、この3次元空間の画像100が表示された状態の一例を示す図である。
【0068】
つぎに、2次元構造生成手段12により、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造Pを生成する(工程(A2))。
図3(B)は、前記工程(A2)において、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造Pが生成され、この2次元構造Pを含む3次元空間の画像100が表示された状態の一例を示す図である。
【0069】
つぎに、ユーザ入力受付手段13により、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付する(工程(A3))。前記工程(A3)において、3次元空間の画像100における2次元構造Pの表示位置と、2次元構造Pの3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、2次元構造Pの前記3次元空間位置に紐づけする。
【0070】
つぎに、3次元空間出力手段11により、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、3次元空間の画像100を出力する(工程(A1’))
【0071】
前記工程(A3)および前記工程(A1’)は、例えば、この順番で行ってもよいし、並行して行ってもよい。
【0072】
図3(C)および(D)ならびに
図5(A)および(B)は、前記工程(A3)および工程(A1’)において、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、この入力内容を含む3次元空間の画像100が表示された状態の一例を示す図である。
【0073】
なお、
図3(D)および
図5(B)に示すように、前記工程(A3)において、前記3次元空間への入力を受付した後、または、工程(A1’)において、3次元空間の画像100を出力した後、2次元構造Pを消してもよい。
【0074】
その後、例えば、ユーザによる入力に応じて、処理を終了する(END)。
【0075】
前記工程(A2)~前記工程(A1’)は、例えば、繰り返し行うことができる。これにより、例えば、2次元構造Pの位置を変えて、複数の入力をすることができる。
【0076】
すなわち、前記工程(A2)~前記工程(A1’)の後、2回目の前記工程(A2)において、2次元構造生成手段12により、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための新たな2次元構造P’を生成する。
図3(E)は、2回目の前記工程(A2)において、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための新たな2次元構造P’が生成され、この新たな2次元構造P’を含む3次元空間の画像100が表示された状態の一例を示す図である。
【0077】
つぎに、2回目の前記工程(A2)の後、2回目の前記工程(A3)において、ユーザ入力受付手段13により、ユーザによる新たな前記3次元空間への入力を受付する。
図3(F)は、2回目の前記工程(A3)において、ユーザによる新たな前記3次元空間への入力(図中、太い矢印)を受付し、この入力内容を含む3次元空間の画像100が表示された状態の一例を示す図である。
【0078】
そして、2回目の前記工程(A3)の後、2回目の前記工程(A1’)において、3次元空間出力手段11により、前記新たな前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、3次元空間の画像100を出力する。
【0079】
[実施形態2]
本実施形態のプログラムは、前述の入力受付表示方法を、コンピュータ上で実行可能なプログラムである。本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク等があげられる。
【0080】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0081】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載しうるが、以下には限定されない。
【0082】
(付記1)
3次元空間出力工程、2次元構造生成工程、およびユーザ入力受付工程を含み、
前記3次元空間出力工程は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力し、
前記2次元構造生成工程は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成し、
前記ユーザ入力受付工程は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、
前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、
前記3次元空間出力工程は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力し、
前記各工程が、コンピュータにより実施される、
3次元空間における入力受付および入力表示方法。
(付記2)
前記ユーザ入力受付工程は、第1のユーザ入力受付工程、第2のユーザ入力受付工程、および第3のユーザ入力受付工程からなる群から選択される少なくとも一つを含み、
前記第1のユーザ入力受付工程は、前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、写像となるように、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、
前記第2のユーザ入力受付工程は、前記3次元空間への入力の受付において、さらに、前記3次元空間への入力内容に、中心点を設定し、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、且つ、前記3次元空間への入力内容が、前記中心点を中心に回転することにより前記3次元空間の画像の任意の表示方向に対して追随して表示されるように設定し、
前記第3のユーザ入力受付工程は、前記3次元空間への入力の受付において、さらに、前記受付された前記3次元空間への入力内容に、中心点を設定し、前記2次元構造の前記3次元空間位置に基づき、前記中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、且つ、前記3次元空間への入力内容が、前記中心点を中心に回転して前記2次元構造の面上に表示されるように設定する、
付記1記載の方法。
(付記3)
前記ユーザ入力受付工程は、前記ユーザの入力に応じて、前記第1のユーザ入力受付工程、前記第2のユーザ入力受付工程、および前記第3のユーザ入力受付工程のいずれかを実行する、付記2記載の方法。
(付記4)
前記2次元構造生成工程は、さらに、前記ユーザの入力に応じて、前記2次元構造の移動、および回転の少なくとも一方を行う、付記1から3のいずれかに記載の方法。
(付記5)
前記2次元構造が、平面である、付記1から4のいずれかに記載の方法。
(付記6)
前記2次元構造が、透過性を有する、付記1から5のいずれかに記載の方法。
(付記7)
前記ユーザ入力受付工程は、前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置に、複数の前記2次元構造の前記3次元空間位置が対応する場合に、いずれかの前記2次元構造の前記3次元空間位置を選択し、前記選択された前記2次元構造の前記3次元空間位置に、前記3次元空間への入力内容を紐づけする、付記1から6のいずれかに記載の方法。
(付記8)
前記2次元構造生成工程は、前記2次元構造と前記3次元空間に含まれるオブジェクトとが交わる場合、前記オブジェクトの表面を迂回するようにして前記2次元構造を生成する、付記1から7のいずれかに記載の方法。
(付記9)
前記2次元構造生成工程は、前記2次元構造と前記3次元空間に含まれるオブジェクトとが交わり、且つ、これらの交線が閉じており、且つ、前記2次元構造面からの前記オブジェクトの高さが所定値以下である場合、前記オブジェクトの表面を迂回するようにして前記2次元構造を生成する、付記8記載の方法。
(付記10)
前記3次元空間出力工程は、前記3次元空間への入力内容が、前記2次元構造面からの厚みを有して表示されるように、前記3次元空間の画像を出力する、付記1から9のいずれかに記載の方法。
(付記11)
さらに、記憶工程を含み、
前記記憶工程は、前記3次元空間への入力内容と前記紐づけられた前記3次元空間位置とを記憶する、付記1から10のいずれかに記載の方法。
(付記12)
付記1から11のいずれかに記載の方法をコンピュータ上で実行可能である、プログラム。
(付記13)
3次元空間出力手段、2次元構造生成手段、およびユーザ入力受付手段を含み、
前記3次元空間出力手段は、画像表示部に表示される、3次元空間の画像を出力し、
前記2次元構造生成手段は、前記3次元空間に、前記3次元空間への入力を受付するための2次元構造を生成し、
前記ユーザ入力受付手段は、ユーザによる前記3次元空間への入力を受付し、
前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、
前記3次元空間出力手段は、前記3次元空間への入力内容が、前記紐づけされた前記3次元空間位置に表示されるように、前記3次元空間の画像を出力する、
3次元空間における入力受付および入力表示装置。
(付記14)
前記ユーザ入力受付手段は、第1のユーザ入力受付手段、第2のユーザ入力受付手段、および第3のユーザ入力受付手段からなる群から選択される少なくとも一つを含み、
前記第1のユーザ入力受付手段は、前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記3次元空間への入力内容を、写像となるように、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、
前記第2のユーザ入力受付手段は、前記3次元空間への入力の受付において、さらに、前記3次元空間への入力内容に、中心点を設定し、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置と、前記2次元構造の3次元空間位置とに基づき、前記中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、且つ、前記3次元空間への入力内容が、前記中心点を中心に回転することにより前記3次元空間の画像の任意の表示方向に対して追随して表示されるように設定し、
前記第3のユーザ入力受付手段は、前記3次元空間への入力の受付において、さらに、前記受付された前記3次元空間への入力内容に、中心点を設定し、前記2次元構造の前記3次元空間位置に基づき、前記中心点を、前記2次元構造の前記3次元空間位置に紐づけし、且つ、前記3次元空間への入力内容が、前記中心点を中心に回転して前記2次元構造の面上に表示されるように設定する、
付記13記載の装置。
(付記15)
前記ユーザ入力受付手段は、前記ユーザの入力に応じて、前記第1のユーザ入力受付手段、前記第2のユーザ入力受付手段、および前記第3のユーザ入力受付手段のいずれかが実行される、付記14記載の装置。
(付記16)
前記2次元構造生成手段は、さらに、前記ユーザの入力に応じて、前記2次元構造を移動、および回転の少なくとも一方を行う、付記13から15のいずれかに記載の装置。
(付記17)
前記2次元構造が、平面である、付記13から16のいずれかに記載の装置。
(付記18)
前記2次元構造が、透過性を有する、付記13から17のいずれかに記載の装置。
(付記19)
前記ユーザ入力受付手段は、前記3次元空間への入力の受付において、前記3次元空間の画像における前記2次元構造の表示位置に、複数の前記2次元構造の前記3次元空間位置が対応する場合に、いずれかの前記2次元構造の前記3次元空間位置を選択し、前記選択された前記2次元構造の前記3次元空間位置に、前記3次元空間への入力内容を紐づけする、付記13から18のいずれかに記載の装置。
(付記20)
前記2次元構造生成手段は、前記2次元構造と前記3次元空間に含まれるオブジェクトとが交わる場合、前記オブジェクトの表面を迂回するようにして前記2次元構造を生成する、付記13から19のいずれかに記載の装置。
(付記21)
前記2次元構造生成手段は、前記2次元構造と前記3次元空間に含まれるオブジェクトとが交わり、且つ、これらの交線が閉じており、且つ、前記2次元構造面からの前記オブジェクトの高さが所定値以下である場合、前記オブジェクトの表面を迂回するようにして前記2次元構造を生成する、付記20記載の装置。
(付記22)
前記3次元空間出力手段は、前記3次元空間への入力内容が、前記2次元構造面からの厚みを有して表示されるように、前記3次元空間の画像を出力する、付記13から21のいずれかに記載の装置。
(付記23)
さらに、記憶手段を含み、
前記記憶手段は、前記3次元空間への入力内容と前記紐づけられた前記3次元空間位置とを記憶する、付記13から22のいずれかに記載の装置。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明によれば、3次元空間における入力受付および入力表示を可能にするシステムを提供することができる。
【符号の説明】
【0084】
10 入力受付表示装置
11 3次元空間出力手段
12 2次元構造生成手段
13 ユーザ入力受付手段