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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】連結金具および天井下地
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/14 20060101AFI20240422BHJP
   E04B 9/16 20060101ALI20240422BHJP
   E04B 9/06 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
E04B9/14 A
E04B9/14 G
E04B9/16 A
E04B9/06 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019227228
(22)【出願日】2019-12-17
(65)【公開番号】P2021095729
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】519449873
【氏名又は名称】株式会社加美家
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-056672(JP,A)
【文献】特開2013-181342(JP,A)
【文献】実開平02-144913(JP,U)
【文献】特開昭51-132618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/14
E04B 9/16
E04B 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延びる第1の角スタッドと、前記第1の方向に直交する第2の方向に延び、前記第1の角スタッドの上面と同一平面を形成する上面を有し、前記第1の角スタッドの端面に側面を当接させて設けられる第1の端部角スタッドと、前記第1および2の方向に直交する第3の方向に延び、前記第1の端部角スタッドの上面に端面を当接させて設けられる鉛直角スタッドとを連結するための連結金具であって、
前記第1の角スタッドの上面に密着する平板部材と、
前記平板部材の両縁部に連設され、前記平板部材から垂直下方に延び、前記第1の角スタッドの側面に密着する一対の第1の側面板部材と、
前記一対の第1の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、前記第1の端部角スタッドの側面に密着する第1の連結板部材と、
前記平板部材に連設され、前記鉛直角スタッドの側面に密着する補助平板部材と、
前記補助平板部材の両縁部に連設され、前記補助平板部材から垂直方向に延び、前記鉛直角スタッドの側面に密着する一対の第4の側面板部材と、
前記一対の第4の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、前記第1の端部角スタッドの上面に密着する第4の連結板部材と
を備え、
1枚の金属板を折り曲げて成形されることを特徴とする連結金具。
【請求項2】
第1の方向に延びる第1の角スタッドと、
前記第1の方向に直交する第2の方向に延び、前記第1の角スタッドの上面と同一平面を形成する上面を有し、前記第1の角スタッドの端面に側面を当接させて設けられる第1の端部角スタッドと、
前記第1および2の方向に直交する第3の方向に延び、前記第1の端部角スタッドの上面に端面を当接させて設けられる鉛直角スタッドとを連結するための連結金具とを備え、
前記連結金具は、
前記第1の角スタッドの上面に密着する平板部材と、
前記平板部材の両縁部に連設され、前記平板部材から垂直下方に延び、前記第1の角スタッドの側面に密着する一対の第1の側面板部材と、
前記一対の第1の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、前記第1の端部角スタッドの側面に密着する第1の連結板部材と、
前記平板部材に連設され、前記鉛直角スタッドの側面に密着する補助平板部材と、
前記補助平板部材の両縁部に連設され、前記補助平板部材から垂直方向に延び、前記鉛直角スタッドの側面に密着する一対の第4の側面板部材と、
前記一対の第4の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、前記第1の端部角スタッドの上面に密着する第4の連結板部材と
を備え、1枚の金属板を折り曲げて成形される
ことを特徴とする天井下地。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の天井下地の構造に関し、より詳しくは天井下地を組立てるための連結金具、およびこの連結金具を用いて組立てられた天井下地に関する。
【背景技術】
【0002】
従来建築物の天井の構造として、天井スラブに、所定間隔ごとに吊りボルトを鉛直方向に向けて設け、複数本の野縁受けを、相互に平行に延びるように吊りボルトの下端部に取付けるものが知られている。野縁受けの下面には、野縁受けに直交する方向に延びる複数本の野縁が取付けられ、野縁の下面には天井石膏ボードが張り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、建築物の総建築費を削減するため、天井懐を狭くする傾向にある。しかし天井内には種々の配管等が設けられ、これらの配管は野縁受けに干渉することが多く、このため天井懐の縮小には限界があった。
【0004】
本発明は、野縁受けを設けることなく天井下地を組立てることを可能にする連結金具を提供するとともに、この連結金具を用いて組立てられた天井下地を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る第1の連結金具は、第1の方向に延びる第1の角スタッドと、第1の方向に直交する第2の方向に延び、第1の角スタッドの上面と同一平面を形成する上面を有し、第1の角スタッドの側面に端面を当接させて設けられる第2の角スタッドとを連結するための連結金具であって、第1または第2の角スタッドの上面に密着し、第1または第2の角スタッドの長手方向に延びる平板部材と、平板部材の両縁部から垂直下方に延び、第1または第2の角スタッドの側面に密着する一対の側面板部材と、一対の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第2または第1の角スタッドの側面に密着する連結板部材とを備えることを特徴としている。
【0006】
平板部材は、第2または第1の角スタッドの上面に密着する延長部を有してもよい。
【0007】
本発明に係る第2の連結金具は、第1の方向に延びる第1の角スタッドと、第1の方向に直交する第2の方向に延び、第1の角スタッドの上面と同一平面を形成する上面を有し、第1の角スタッドの側面に端面を当接させて設けられる第2の角スタッドと、第1の角スタッドを挟んで、第2の角スタッドの延長上に位置し、第1および第2の角スタッドの各上面と同一平面を形成する上面を有し、第1の角スタッドの側面に端面を当接させて設けられる第3の角スタッドとを連結するための連結金具であって、第1の角スタッドの上面に密着し、第1の角スタッドから水平方向に突出して、第2および第3の角スタッドの上面に密着する平板部材と、平板部材の両縁部から垂直下方に延び、第2の角スタッドの側面に密着する一対の第1の側面板部材と、平板部材の両縁部から垂直下方に延び、第3の角スタッドの側面に密着する一対の第2の側面板部材と、一対の第1の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の角スタッドの側面に密着する第1の連結板部材と、一対の第2の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の角スタッドの側面に密着する第2の連結板部材とを備えることを特徴としている。
【0008】
平板部材に、平板部材の長手方向に延びるリブが形成されていてもよい。
【0009】
本発明に係る第3の連結金具は、第1の方向に延びる第1の角スタッドと、第1の方向に直交する第2の方向に延び、第1の角スタッドの上面と同一平面を形成する上面を有し、第1の角スタッドの端面に側面を当接させて設けられる第1の端部角スタッドと、第1および2の方向に直交する第3の方向に延び、第1の端部角スタッドの上面に端面を当接させて設けられる鉛直角スタッドとを連結するための連結金具であって、第1の角スタッドの上面に密着する平板部材と、平板部材の両縁部に連設され、平板部材から垂直下方に延び、第1の端部角スタッドの側面に密着する一対の第1の側面板部材と、一対の第1の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の角スタッドの側面に密着する第1の連結板部材と、平板部材に連設され、鉛直角スタッドの側面に密着する補助平板部材と、補助平板部材の両縁部に連設され、補助平板部材から垂直方向に延び、鉛直角スタッドの側面に密着する一対の第4の側面板部材と、一対の第4の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の端部角スタッドの上面に密着する第4の連結板部材とを備えることを特徴としている。
【0010】
本発明に係る第1の天井下地は、第1の方向に延びる第1の角スタッドと、第1の方向に直交する第2の方向に延び、第1の角スタッドの上面と同一平面を形成する上面を有し、第1の角スタッドの側面に端面を当接させて設けられる第2の角スタッドと、第1の角スタッドを挟んで、第2の角スタッドの延長上に位置し、第1および第2の角スタッドの各上面と同一平面を形成する上面を有し、第1の角スタッドの側面に端面を当接させて設けられる第3の角スタッドと、第1、第2および第3の角スタッドを連結するための連結金具とを備え、連結金具は、第1の角スタッドに対して直交する方向に延び、第1、第2および第3の角スタッドの各上面に密着する平板部材と、平板部材の両縁部から垂直下方に延び、第2の角スタッドの側面に密着する一対の第1の側面板部材と、平板部材の両縁部から垂直下方に延び、第3の角スタッドの側面に密着する一対の第2の側面板部材と、一対の第1の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の角スタッドの側面に密着する第1の連結板部材と、一対の第2の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の角スタッドの側面に密着する第2の連結板部材とを備えることを特徴としている。
【0011】
本発明に係る第2の天井下地は、第1の方向に延びる第1の角スタッドと、第1の方向に直交する第2の方向に延び、第1の角スタッドの上面と同一平面を形成する上面を有し、第1の角スタッドの端面に側面を当接させて設けられる第1の端部角スタッドと、第1および2の方向に直交する第3の方向に延び、第1の端部角スタッドの上面に端面を当接させて設けられる鉛直角スタッドとを連結するための連結金具とを備え、連結金具は、第1の角スタッドの上面に密着する平板部材と、平板部材の両縁部に連設され、平板部材から垂直下方に延び、第1の角スタッドの側面に密着する一対の第1の側面板部材と、一対の第1の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の端部角スタッドの側面に密着する第1の連結板部材と、平板部材に連設され、鉛直角スタッドの側面に密着する補助平板部材と、補助平板部材の両縁部に連設され、補助平板部材から垂直方向に延び、鉛直角スタッドの側面に密着する一対の第4の側面板部材と、一対の第4の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の端部角スタッドの上面に密着する第4の連結板部材とを備えることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る第3の天井下地は、第1の方向に延びる第1の角スタッドと、第1の方向に直交する第2の方向に延び、第1の角スタッドの上面と同一平面を形成する上面を有し、第1の角スタッドの側面に端面を当接させて設けられる第2の角スタッドと、第1および第2の角スタッドを連結するための連結金具とを備え、連結金具は、第2の角スタッドの長手方向に延び、第1および第2の角スタッドの各上面に密着する平板部材と、平板部材の両縁部から垂直下方に延び、第2の角スタッドの側面に密着する一対の側面板部材と、一対の側面板部材の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の角スタッドの側面に密着する連結板部材とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、野縁受けを設けることなく天井下地を組立てることを可能にする連結金具とともに、この連結金具を用いて組立てられた天井下地を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態である連結金具を用いて組立てた天井下地を示す斜視図である。
図2図1の符号Aで示す部分を拡大して示す斜視図である。
図3】第1実施形態の連結金具により角スタッドを連結した状態を示す斜視図である。
図4】第1実施形態の連結金具を示す斜視図である。
図5】第1、第2および第3実施形態の連結金具を用いて組立てた天井下地を示す斜視図である。
図6図5の符号Bで示す部分を拡大して示す斜視図である。
図7】第2実施形態の連結金具により角スタッドを連結した状態を示す斜視図である。
図8】第2実施形態の連結金具を示す斜視図である。
図9図5の符号Cで示す部分を拡大して示す斜視図である。
図10】第3実施形態の連結金具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態である連結金具10を用いて組立てた天井下地50を示し、この天井下地50は例えば6畳間の天井として利用可能である。天井下地50の両端には、C型鋼であるランナー51、52が設けられる。ランナー51、52は平行に延び、それぞれビスにより壁面に固定される。これらのランナー51、52の間には第1の角スタッド53が設けられる。第1の角スタッド53はランナー51、52に平行すなわち第1の方向に沿って延び、ランナー51、52と略同じ長さを有する。第1の角スタッド53は、金属製の平板を折り曲げて成形され、断面が正方形である角筒形状を呈する。
【0016】
一方のランナー51と第1の角スタッド53の間には第2の角スタッド54が設けられ、また他方のランナー52と第1の角スタッド53の間には第3の角スタッド55が設けられる。第2および第3の角スタッド54、55は第1の角スタッド53と同様な方法で成形される角筒状の部材である。第2の角スタッド54と第3の角スタッド55は第1の方向に直交する第2の方向に延び、第3の角スタッド55は第1の角スタッド53を挟んで第2の角スタッド54の延長上に位置する。すなわち、第1の角スタッド53を挟んで設けられる第2および第3の角スタッド54、55は上方から見ると、第1の角スタッド53に対して垂直方向に延びる1本の部材のように見える。
【0017】
第2および第3の角スタッド54、55は、後述するように、連結金具10とビスによって第1の角スタッド53に固定され、ランナー51、52に対しては、その溝内に嵌め込まれることにより固定される。第1の角スタッド53の長さ方向の中央付近の箇所にはL形を有する金属製のハンガー56が取付けられ、ハンガー56には、天井スラブから鉛直下方に延びる吊りボルト57の下端部が連結される。角スタッド53~55の下面は同一平面を形成し、天井石膏ボードが貼付される。なお必要に応じて、第1の角スタッド53の両端部にも吊りボルトが連結されてもよい。
【0018】
図2~4を参照して角スタッド53~55を相互に固定するための構造を説明する。角スタッド53~55の断面形状は同じであり、角スタッド53~55は上面同士、および下面同士が同じ高さ位置になるように配置される。すなわち第2および第3の角スタッド54、55の上面は第1の角スタッド53の上面と同一平面を形成し、また第2および第3の角スタッド54、55の下面も第1の角スタッド53の下面と同一平面を形成する。第2の角スタッド54は第1の角スタッド53の側面に端面を当接させて設けられ、第3の角スタッド55も第1の角スタッド53の側面に端面を当接させて設けられる。角スタッド53~55が相互に当接する部分は、1つの連結金具10により連結される。
【0019】
連結金具10は1枚の金属板を折り曲げて成形され、平板部材11と、第1および第2の側面板部材12、13と、第1および第2の連結板部材14、15とを有する。平板部材11は第2および第3の角スタッド54、55に沿って延び、第1の角スタッド53の上面に密着するとともに、第1の角スタッド53から水平方向に突出して、第2および第3の角スタッド54、55の上面に密着する。第1の側面板部材12は一対設けられ、平板部材11の両縁部から垂直下方に延び、第2の角スタッド54の側面に密着する。第2の側面板部材13も一対設けられ、平板部材11の両縁部から垂直下方に延び、第3の角スタッド55の側面に密着する。第1の連結板部材14は、一対の第1の側面板部材12の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の角スタッド53の側面に密着する。第2の連結板部材15は、一対の第2の側面板部材13の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の角スタッド53の側面に密着する。第1および第2の側面板部材12、13と、第1および第2の連結板部材14、15は、ビスによって角スタッド53~55に固定される。
【0020】
平板部材11の上面には、その長手方向に延びる一対のリブ16が形成される。リブ16は上方に隆起し、その長さは第1の角スタッド53の幅よりも長く、連結金具10が角スタッド53~55に固定された状態において、リブ16の端部は第2および第3の角スタッド54、55の上方に達する。
【0021】
以上のように本実施形態の連結金具10は、第2および第3の角スタッド54、55の端面を第1の角スタッド53の側面に当接させて、第1~第3の角スタッド53~55を十字状に配置した状態で相互に固定することができる。また吊りボルト57は、角スタッド53~55の任意の位置に連結することができ、角スタッド53~55の下面に石膏ボードを直接貼付することができる。すなわち本実施形態によれば、野縁受けを設けることなく天井下地を組立てることができるので、天井内における配管の設計および工事が簡単になり、また天井懐を極限まで縮小することが可能になる。
【0022】
なお図1に示す天井下地では、第1の角スタッド53は一対のランナー51、52の間の中央付近に設けられているが、一対のランナー51、52の間を3等分した位置に第1の角スタッド53を2本設けてもよい。すなわち、この場合、第2および第3の角スタッド54、55の間にさらに角スタッドを追加することになる。
【0023】
図5は第1、第2および第3実施形態の連結金具10、20、30を用いて組立てた天井下地を示している。この天井下地は、例えば下がり天井を構成する場合に用いられ、基本的な構成は図1と同様であるが、第2および第3の角スタッド54、55に対して平行に延びる第1および第2の端部角スタッド71、72が設けられる。第1の端部角スタッド71は、ランナー51、52の一方の端部を連結し、第1の角スタッド71の中央部分には第1の端部角スタッド53の一端が連結される。第2の端部角スタッド72は、ランナー51、52の他方の端部を連結し、第2の端部角スタッド71の中央部分には第1の角スタッド53の他端が連結される。
【0024】
第1の端部角スタッド71の両端にはそれぞれ、C型鋼61、62が設けられる。C型鋼61、62の下端はそれぞれランナー51、52に固定され、またC型鋼61、62の溝の下端には第1の端部角スタッド71の端部が嵌め込まれる。第1の端部角スタッド71の中央部には鉛直角スタッド58が設けられる。鉛直角スタッド58の上端には、第1の端部角スタッド71に平行な上方角スタッド63が固定され、鉛直角スタッド58の中央高さ位置には、上方角スタッド63に平行な中間角スタッド64が固定される。上方および中間角スタッド63、64の端部は、C型鋼61、62の溝内に嵌め込まれる。
【0025】
第2実施形態の連結金具20は図6に示すように、第1の角スタッド53と第2の端部角スタッド71と鉛直角スタッド58を連結するために用いられる。図7、8に示すように、連結金具20は1枚の金属板を折り曲げて成形され、平板部材21と、第1の側面板部材22と、第1の連結板部材23と、補助平板部材24と、第4の側面板部材25と、第4の連結板部材26とを有する。
【0026】
平板部材21は第1の角スタッド54の上面に密着する。第1の側面板部材22は一対設けられ、平板部材21の両縁部に連設され、平板部材21から垂直下方に延び、第1の角スタッド53の側面に密着する。第1の連結板部材23は、一対の第1の側面板部材22の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の端部角スタッド71の側面に密着する。補助平板部材24は平板部材21に連設され、鉛直角スタッド58の側面に密着する。第4の側面板部材25は一対設けられ、補助平板部材24の両縁部に連設され、補助平板部材24から垂直方向に延び、鉛直角スタッド58の側面に密着する。第4の連結板部材26は一対の第4の側面板部材25の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第1の端部角スタッド71の上面に密着する。
【0027】
平板部材21に対して補助平板部材24は垂直である。平板部材21と補助平板部材24の間の内側角部27には、補強のために、内方へ膨出する隆起部28が成形される。第1の連結板部材23は、第1の側面板部材22において内側角部27に近接した部位に設けられる。これに対して第4の連結板部材26は、第4の側面板部材25において内側角部27から離間した部位に設けられる。
【0028】
第3実施形態の連結金具30は図9に示すように、第1の角スタッド53と第2の端部角スタッド72を連結するために用いられる。図9、10に示すように、連結金具30は1枚の金属板を折り曲げて成形され、平板部材31と、側面板部材32と、連結板部材33とを有する。平板部材31は第1の角スタッド53の長手方向に延び、第1の角スタッド53と第2の端部角スタッド72の各上面に密着する。平板部材31は、第1の角スタッド53の全幅に亘って延びておらず、平板部材31の延長部34は第2の端部角スタッド72の上面において、第1の角スタッド53側の部分のみに密着する。側面板部材32は一対設けられ、平板部材31の両縁部から垂直下方に延び、第1の角スタッド53の側面に密着する。連結板部材33は、一対の側面板部材32の端部からそれぞれ垂直方向に延び、第2の端部角スタッド72の側面に密着する。
【0029】
連結金具20、30によっても連結金具10と同様な効果が得られる。また図1図5に示すように、連結金具10、20、30のいずれかを用いて角スタッド同士を連結する構成によれば、角スタッドの長手軸を、ランナー51、52に平行または垂直方向に定めることができる。
【符号の説明】
【0030】
10、20、30 連結金具
11、21、31 平板部材
12、22、32 側面板部材
14、23、33 連結板部材
53 第1の角スタッド
54 第2の角スタッド
55 第3の角スタッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10