(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】固定ベルト、訓練機及び固定方法
(51)【国際特許分類】
A63B 23/00 20060101AFI20240422BHJP
A63B 71/14 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
A63B23/00 Z
A63B71/14 Z
(21)【出願番号】P 2020015312
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000103471
【氏名又は名称】オージー技研株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 伸一
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3128960(JP,U)
【文献】実開昭60-34871(JP,U)
【文献】特開2007-244827(JP,A)
【文献】実開昭54-107471(JP,U)
【文献】特開昭61-56672(JP,A)
【文献】特開2001-8987(JP,A)
【文献】実開昭58-166376(JP,U)
【文献】特開2007-105441(JP,A)
【文献】特開2009-119223(JP,A)
【文献】登録実用新案第3196463(JP,U)
【文献】特開平10-201876(JP,A)
【文献】実公昭62-9906(JP,Y2)
【文献】特開2016-83006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 23/00 - 23/20
A63B 71/00 - 71/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
訓練機のグリップを握った使用者の手を前記グリップに固定する固定ベルトであって、
前記グリップに通す挿通部を一端部に設け、前記一端部とは反対側の端部に第1着脱手段を設け、前記第1着脱手段を設けた面とは反対側の面に、前記第1着脱手段と着脱可能な第2着脱手段を設
け、
前記グリップに前記挿通部を通すとき、前記グリップの先端部が、前記第1着脱手段を設けた面の側から、前記第1着脱手段を設けた面とは反対側の面の側に前記挿通部を通り抜けるように構成され、
前記グリップの先端部にかかるように前記グリップの長手方向に巻き付けることで、前記グリップと前記使用者の手を巻き付け、前記第1着脱手段及び前記第2着脱手段で留めて用いられる、
ことを特徴とする固定ベルト。
【請求項2】
前記挿通部は、前記グリップに通す穴である、
ことを特徴とする請求項1に記載の固定ベルト。
【請求項3】
グリップを有し、運動時に使用者が前記グリップを握って操作する手操作部と、
請求項1
又は2に記載の固定ベルトと、
を備えたことを特徴とする訓練機。
【請求項4】
請求項1
又は2に記載の固定ベルトを用いて使用者の手を訓練機のグリップに固定する方法であって、
前記使用者が前記グリップを握るステップと、
前記固定ベルトの前記挿通部を前記グリップに通すステップと、
これらのステップの後に、
前記固定ベルトを前記グリップの先端部にかかるように前記グリップの長手方向に巻き付けることで、前記グリップと前記使用者の手を前記固定ベルトにより巻き付け、前記第1着脱手段及び前記第2着脱手段で留めるステップと、
を有することを特徴とする固定方法。
【請求項5】
前記使用者の手には、握った状態の手を覆うホールディングミットが装着されている、
ことを特徴とする請求
項4に記載の固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、訓練機のグリップに手を固定するための固定ベルト、訓練機及び固定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パッド上に縦方向に配置され、パッドを腕に固定するために用いられる第一ベルトと、パッド上に横方向に配置され、使用器材上に掛け回すために用いられる第二ベルトを含んで成る多用途強力補助ベルトが記載されている。これにより、パッドが腕に対し一定の防護作用を形成すると共に、使用者の握力不足により使用器材が外れる心配をなくすことができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、使用器材に第二ベルトが掛け回されていて使用器材から手が離れることを防止しているが、例えば、長手方向が鉛直に近いグリップを備えた訓練機を使用し、そのグリップを使用者が握って運動するような場合、使用者の握力不足により、運動中に使用者の手がグリップに対して下方向にずれてしまい、運動の継続が困難になるという課題があった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、訓練機を用いて運動している途中で、グリップを握っている手がグリップに対してずれないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の固定ベルトは、訓練機のグリップを握った使用者の手を前記グリップに固定する固定ベルトであって、前記グリップに通す挿通部を一端部に設け、前記一端部とは反対側の端部に第1着脱手段を設け、前記第1着脱手段を設けた面とは反対側の面に、前記第1着脱手段と着脱可能な第2着脱手段を設け、前記グリップに前記挿通部を通すとき、前記グリップの先端部が、前記第1着脱手段を設けた面の側から、前記第1着脱手段を設けた面とは反対側の面の側に前記挿通部を通り抜けるように構成され、前記グリップの先端部にかかるように前記グリップの長手方向に巻き付けることで、前記グリップと前記使用者の手を巻き付け、前記第1着脱手段及び前記第2着脱手段で留めて用いられる、ことを特徴とする。これにより、固定ベルトで手をグリップに固定することで、訓練機を用いて運動している途中で、グリップを握っている手がグリップに対してずれないようにすることができる。
【0006】
本発明の固定ベルトにおいて、好ましい実施態様では、前記挿通部は、前記グリップに通す穴である、ことを特徴とする。
【0007】
本発明の訓練機は、グリップを有し、運動時に使用者が前記グリップを握って操作する手操作部と、前述の固定ベルトと、を備えたことを特徴とする。これにより、運動している途中で、グリップを握っている手がグリップに対してずれないような訓練機を提供することができる。
【0008】
本発明の固定方法は、前述の固定ベルトを用いて使用者の手を訓練機のグリップに固定する方法であって、前記使用者が前記グリップを握るステップと、前記固定ベルトの前記挿通部を前記グリップに通すステップと、これらのステップの後に、前記固定ベルトを前記グリップの先端部にかかるように前記グリップの長手方向に巻き付けることで、前記グリップと前記使用者の手を前記固定ベルトにより巻き付け、前記第1着脱手段及び前記第2着脱手段で留めるステップと、を有することを特徴とする。これにより、訓練機を用いて運動している途中で、グリップを握っている手がグリップに対してずれないようにすることができる。また、訓練機を用いて運動している途中で、グリップを握っている手がグリップの長手方向に沿って下方にずれないようにすることができる。
【0009】
本発明の固定方法において、好ましい実施態様では、前記使用者の手には、握った状態の手を覆うホールディングミットが装着されている、ことを特徴とする。これにより、握力の弱い人でもグリップを握った状態を維持することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、訓練機を用いて運動している途中で、グリップを握っている手がグリップに対してずれないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態で使用される訓練機の斜視図である。
【
図2】同訓練機の椅子部と本体カバーを省略して示す正面図である。
【
図4A】同訓練機の手操作部及び足操作部の動作の説明図である。
【
図4B】同訓練機の手操作部及び足操作部の動作の説明図である。
【
図5A】本発明の実施形態に係る固定ベルトの平面図である。
【
図6A】同固定ベルトの使用方法を説明する図である。
【
図6B】同固定ベルトの使用方法を説明する図である。
【
図6C】同固定ベルトの使用方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態で使用される訓練機を
図1に示す。この訓練機1は、使用者が椅子部2に座った状態で、上肢と下肢の運動を行うものである。
図1に示すように、空間における方向として、訓練機1の長手方向を前後とし、訓練機1の短手方向を左右とし、鉛直方向を上下とする。これらの方向は椅子部2に座った使用者から見た方向と一致する。
【0013】
訓練機1は、使用者が座る椅子部2と、ベース部3と、ベース部3の前方部分に設けられた本体部4と、運動時に使用者が操作する手操作部5及び足操作部6と、運動の開始や停止等の各種操作を行う操作パネル7とを備えている。椅子部2は、座椅子2aと、肘掛2bと、支持脚2cと、スライドロックレバー2dとを有しており、椅子部2はベース部3上を前後方向にスライド可能であり、使用者に合わせて本体部4と椅子部2との距離を調節することができる。支持脚2cの内部には上下方向に長手のスライドロック軸(不図示)が設けられ、スライドロック軸の上端がスライドロックレバー2dに連結され、下端はベース部3に前後方向に設けられた複数の穴3aに嵌合するよう構成されている。スライドロックレバー2dの前側部位を上下させることでスライドロック軸の下端が穴3aに挿抜するので、ベース部3上の前後方向における所望の位置に椅子部2を設置することができる。
【0014】
手操作部5及び足操作部6は、本体部4の左右両側に設けられている。手操作部5は左手操作部5Lと右手操作部5Rとから構成され、左手操作部5Lはアーム5Laとグリップ5Lbとを有し、右手操作部5Rはアーム5Raとグリップ5Rbとを有している。グリップ5Lb、5Rbはそれぞれアーム5La、5Raの先端にアーム5La、5Raの長手方向に沿って位置調節可能に取り付けられ、固定摘み8によってグリップ5Lb、5Rbを所望の位置に固定することができる。手操作部5は、使用者がグリップ5Lb、5Rbを握って左右交互に前後方向に動かして漕ぐように運動するものである。足操作部6は左足操作部6Lと右足操作部6Rとから構成され、左足操作部6Lは左ペダル6Laと左足リンク片6Lbとを有し、右足操作部6Rは右ペダル6Raと右足リンク片6Rbとを有している。左ペダル6Laは左足リンク片6Lbの上端部に回動可能に設けられ、右ペダル6Raは右足リンク片6Rbの上端部に回動可能に設けられている。足操作部6は、使用者が左ペダル6La、右ペダル6Raを足で左右交互に前後方向に動かして漕ぐように運動するものである。
【0015】
次に、手操作部5及び足操作部6の動作機構について
図2、
図3A~3Cを用いて説明する。
図2は本体部4の内部構造を示す訓練機1の正面図であり、本体部4を覆っているカバーと椅子部2を省略して示している。
図3Aは
図2のA-A線で切断した断面図であり、
図3Bは
図2のB-B線で切断した断面図であり、
図3Cは
図2のC-C線で切断した断面図である。なお、本体部4内において前方に位置するフレームについて、
図3A~3Cには記載しているが、
図2では前方から見たときの内部構造が分かるようにするため記載を省略している。
【0016】
図2、3Aに示すように、ベース部3の前端部に接続された本体ベース部11には、左右方向に延在する第1連結軸12及び第2連結軸13が設けられており、第2連結軸13は第1連結軸12よりも後方側に位置している。第1連結軸12の両端部にはそれぞれ、左足リンク片6Lbの下端部と右足リンク片6Rbの下端部が回動可能に連結されている。第2連結軸13の両端部にはそれぞれ第1回動片14及び第2回動片15が回動可能に設けられている。第1回動片14及び第2回動片15は円板形状であり、円周の一箇所にそれぞれ凸部14a、15aが設けられている。第1回動片14には左手操作部5Lのアーム5Laの基端部が固定されており、第1回動片14は左手操作部5Lの操作に伴いアーム5Laの基端部と一緒に回動する。第2回動片15には右手操作部5Rのアーム5Raの基端部が固定されており、第2回動片15は右手操作部5Rの操作に伴いアーム5Raの基端部と一緒に回動する。
【0017】
図3A、3Cに示すように、第2連結軸13には第1リンク片16の下端部及び第2リンク片17の下端部が回動可能に連結されており、第1リンク片16は第2リンク片17よりも第1回動片14に近い位置に配置されている。第1リンク片16の上端部は第3連結軸18によって左ペダル6Laに連結されており、第1リンク片16の下端部に近い位置では第4連結軸19によって第2回動片15の凸部15aに連結されている。第2リンク片17の上端部は第5連結軸20によって右ペダル6Raに連結されており、第2リンク片17の下端部に近い位置では第6連結軸21によって第1回動片14の凸部14aに連結されている。
【0018】
図2に示すように、本体ベース部11には、第1連結軸12よりも前方の位置であって左右方向における中央位置に、左フレーム22Lと右フレーム22Rを有するリンクフレーム22が設けられている。
図3Bに示すように、左フレーム22Lには第1連結片23の一端が回動可能に連結され、第1連結片23の他端と第2連結片24の一端とが回動可能に連結されている。第2連結片24の他端は、第1リンク片16の中間位置である第1連結部16aにおいて、第1リンク片16に回動可能に連結されている。
図3Cに示すように、右フレーム22Rには第3連結片25の一端が回動可能に連結され、第3連結片25の他端と第4連結片26の一端とが回動可能に連結されている。第4連結片26の他端は、第2リンク片17の中間位置である第2連結部17aにおいて、第2リンク片17に回動可能に連結されている。
【0019】
図3Bに示すように、第1リンク片16には、第3連結軸18が連結された位置と第2連結片24が連結された位置との間に第1ベルト押え27が設けられている。第1ベルト押え27によって一端が第1リンク片16に固定された第1ベルト28は、第1リンク片16の上端部、第1プーリー29a、第2プーリー29b、第3プーリー29cに掛け回され、第1ベルト28の他端には第1クランプ板30が取り付けられている。第1ベルト28には、第1プーリー29a及び第3プーリー29cと接する側の表面に複数の溝(不図示)が第1ベルト28の長手方向に並んで形成されており、溝は第1ベルト28の幅方向に伸びる直線状である。第1プーリー29a及び第3プーリー29cには、第1ベルト28の溝と嵌合する凸部(不図示)が形成されている。
【0020】
図3Cに示すように、第2リンク片17には、第5連結軸20が連結された位置と第4連結片26が連結された位置との間に第2ベルト押え31が設けられている。第2ベルト押え31によって一端が第2リンク片17に固定された第2ベルト32は、第2リンク片17の上端部、第4プーリー29d、第5プーリー29e、第6プーリー29fに掛け回され、第2ベルト32の他端には第2クランプ板33が取り付けられている。第2ベルト32には、第4プーリー29d及び第6プーリー29fと接する側の表面に複数の溝(不図示)が第2ベルト32の長手方向に並んで形成されており、溝は第2ベルト32の幅方向に伸びる直線状である。第4プーリー29d及び第6プーリー29fには、第2ベルト32の溝と嵌合する凸部が形成されている。
【0021】
図2に示すように、第1クランプ板30と第2クランプ板33とは、ばね部材34を介してワイヤー35で接続され、ワイヤー35は、本体ベース部11上に設けられた滑車36に掛け回されている。ここで、第1ベルト押え27から第1ベルト28、第1クランプ板30、ワイヤー35、ばね部材34、第2クランプ板33、第2ベルト32を経由して第2ベルト押え31に至る経路の長さが、左足を踏み込んだ状態から右足を踏み込んだ状態に変化する過程で変化するため、その変化を吸収するようにばね部材34を設けている。また、第1プーリー29aと第4プーリー29dとの間には、第1プーリー29a及び第4プーリー29dよりも大きな直径を有する第7プーリー29gが第1プーリー29a及び第4プーリー29dと同軸に設けられている。
【0022】
図3Aに示すように、手操作部5及び足操作部6の操作に抗して負荷を掛ける負荷部37が本体ベース部11上の上部位置に設けられている。負荷部37に設けられた第8プーリー29hと第9プーリー29iと前述の第7プーリー29gには負荷伝達ベルト38が掛け回されており、負荷部37の負荷が負荷伝達ベルト38、第1ベルト28及び第2ベルト32を介して手操作部5及び足操作部6に伝達される。
【0023】
次に、手操作部5及び足操作部6の動作について説明する。
図4A、4Bは訓練機1の本体部とその近傍を左側から見た側面図であり、椅子部2と本体カバーを省略している。
図4Aは左足を踏み込んだとき、
図4Bは右足を踏み込んだときを表している。左手操作部5Lと右足操作部6Rとは第6連結軸21で連結されているため、例えば左手操作部5Lの先端部(グリップ5Lb)が後方から前方に動くとき右足操作部6Rも後方から前方に動くように連動して動く。同様に、右手操作部5Rと左足操作部6Lとは第4連結軸19で連結されているため連動して動く。また、第1ベルト28及び第2ベルト32によって第1リンク片16と第2リンク片17とは連動して動き、例えば左足操作部6Lの操作によって第1リンク片16の上端部が後方から前方に移動すると、第2リンク片17の上端部は前方から後方に移動する。すなわち、訓練機1を使用して運動している使用者について、左足と右手が前方に位置するとき右足と左手は後方に位置し、右足と左手が前方に位置するとき左足と右手は後方に位置するように、手操作部5及び足操作部6が構成されている。
【0024】
次に、本発明の実施形態に係る固定ベルトについて説明する。固定ベルト50は使用者の手を手操作部5のグリップ5Lb、5Rbに固定するために使用するものである。
図5Aは固定ベルト50の表面を表しており、
図5Bは固定ベルト50の裏面を表している。固定ベルト50は長方形であり、固定ベルト50の長手方向の一端部50aには、グリップ5Lb、5Rbに通す円形の穴(挿通部)51が設けられている。穴51は楕円形や矩形等の形状であってもよい。固定ベルト50の他端部50b(穴を設けた一端部50aとは反対側の端部)の裏面には第1着脱手段としての面ファスナー(オス)52が設けられており、固定ベルト50の表面の全面に、第1着脱手段と着脱可能な第2着脱手段としての面ファスナー(メス)53が設けられている。なお、穴51の代わりに、ひもの両端を固定ベルト50の一端部50aに取り付けることで、グリップ5Lb、5Rbに通す挿通部を構成してもよい。
【0025】
次に、固定ベルト50の使用方法について
図6A~6Cを用いて説明する。ここでは、使用者の手を手操作部5のグリップ5Lbに固定する場合を説明するが、グリップ5Rbに固定する場合も同様である。まず、
図6Aにおいて矢印61で示すように、使用者がグリップ5Lbを握った状態で固定ベルトの穴51をグリップ5Lbに通す。次に、
図6Bにおいて矢印62で示すように、グリップ5Lbとホールディングミット54が装着された使用者の手を固定ベルト50により巻き付け、続いて
図6Cにおいて矢印63で示すように、面ファスナー(オス)52を面ファスナー(メス)53に留める。ここで、固定ベルト50はグリップ5Lbの長手方向に巻き付けるようにしている。
【0026】
ところで、使用者の手に装着されたホールディングミット54は、使用者の握力不足を補助してグリップ5Lb、5Rbを握った状態を維持できるようにするものである。しかしながら、訓練機1を用いて運動している際にはグリップ5Lb、5Rbの長手方向が上下方向に近い方向になっている状態が継続するので、使用者の握力が弱い場合や運動中に握力が低下した場合には運動中にグリップ5Lb、5Rbを握っている手がグリップ5Lb、5Rbに対してずれる可能性がある。すなわち、使用者の手がグリップ5Lb、5Rbの長手方向に沿って下方にずれる可能性があり、ずれの距離が大きくなると運動の継続が困難になる。そこで、前述のように固定ベルト50を用いて使用者の手をグリップ5Lb、5Rbに固定することで、手がグリップ5Lb、5Rbの長手方向に沿って下方にずれないようにすることができ、使用者の握力が弱い場合や運動中に握力が低下した場合でも、訓練機1を用いた運動を継続することができる。
【0027】
なお、椅子部2をベース部3から外した後、使用者が着座した車椅子をベース部3に沿って移動させ、不図示の車椅子固定ベルトで車椅子をベース部3に対して固定した状態で運動ができるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0028】
訓練機の手操作部を操作して運動を行う際に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 訓練機
2 椅子部
3 ベース部
4 本体部
5 手操作部
5L 左手操作部
5R 右手操作部
5La、5Ra アーム
5Lb、5Rb グリップ
6 足操作部
6L 左足操作部
6R 右足操作部
6La 左ペダル
6Ra 右ペダル
6Lb 左足リンク片
6Rb 右足リンク片
50 固定ベルト
51 穴
52 面ファスナー(オス)
53 面ファスナー(メス)
54 ホールディングミット