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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】給水装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/02 20060101AFI20240422BHJP
   F04D 15/00 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
F04B49/02 311
F04D15/00 J
F04D15/00 L
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020106750
(22)【出願日】2020-06-22
(65)【公開番号】P2022001746
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】野々山 将行
(72)【発明者】
【氏名】三井 健斗郎
(72)【発明者】
【氏名】玉川 充
(72)【発明者】
【氏名】佐渡島 茂
(72)【発明者】
【氏名】榊原 隆輔
【審査官】田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-031796(JP,A)
【文献】特開平07-167072(JP,A)
【文献】特開昭62-226313(JP,A)
【文献】特開平10-299663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 49/02
F04D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプと、
前記ポンプを駆動するモータと、
前記モータを可変速駆動する駆動装置と、
前記ポンプの二次側の圧力を検出する圧力検出装置と、
前記ポンプの二次側の前記ポンプを停止する停止流量を検出する流量検出装置と、
前記ポンプを始動する始動圧力、前記ポンプの二次側の目標圧力、自動給水モードで前記ポンプを初動するときの初動給水モードでの前記ポンプの初動駆動圧力、及び、前記初動給水モードにおいて前記初動駆動圧力に前記ポンプの二次側の圧力が達した後に前記ポンプを停止する初動停止時間が記憶された記憶部と、
前記自動給水モードとして、前記圧力検出装置で検出された圧力が前記始動圧力以下の場合に前記駆動装置を制御して前記モータを駆動制御し、前記ポンプを始動するとともに、前記圧力検出装置で検出される圧力が前記目標圧力となるように、前記駆動装置を制御して前記モータを可変速駆動する目標圧力一定制御を行うとともに、前記自動給水モードでの前記ポンプの初動時に、前記初動給水モードとして、前記圧力検出装置で前記初動駆動圧力を検出した後に前記ポンプを前記初動停止時間経過するまで停止する初動給水サイクルを所定回数行い、その後、前記自動給水モードとして前記目標圧力一定制御を行う制御部と、
を備え
前記初動駆動圧力は、建物の立管の長さ以下に対応する、給水装置。
【請求項2】
前記立管の長さを入力できる入力装置を備え、
前記制御部は、前記入力装置で入力された前記立管の長さに対応する前記初動駆動圧力を前記記憶部に記憶する、請求項1に記載の給水装置。
【請求項3】
前記ポンプの二次側であって、且つ、給水先の一次側の配管に設けられ、充水時に信号を前記制御部に送信する充水電極を備え、
前記制御部は、前記初動給水モードの完了後に、前記充水電極から前記信号を受信していない場合には、前記充水の未完了を警報する、請求項1に記載の給水装置。
【請求項4】
ポンプと、
前記ポンプを駆動するモータと、
前記モータを可変速駆動する駆動装置と、
前記ポンプの二次側の圧力を検出する圧力検出装置と、
前記ポンプの二次側の前記ポンプを停止する停止流量を検出する流量検出装置と、
前記ポンプを始動する始動圧力、前記ポンプの二次側の目標圧力、自動給水モードで前記ポンプを初動するときの初動給水モードでの前記ポンプの初動駆動時間、及び、前記初動駆動時間が経過した後に前記ポンプを停止する初動停止時間が記憶された記憶部と、
前記自動給水モードとして、前記圧力検出装置で検出された圧力が前記始動圧力以下の場合に前記駆動装置を制御して前記モータを駆動制御し、前記ポンプを始動するとともに、前記圧力検出装置で検出される圧力が前記目標圧力となるように、前記駆動装置を制御して前記モータを可変速駆動する目標圧力一定制御を行うとともに、前記自動給水モードでの前記ポンプの初動時に、前記初動給水モードとして、前記ポンプの駆動時間が前記初動駆動時間を経過後、前記ポンプを前記初動停止時間停止する初動給水サイクルを所定の回数行い、その後、前記自動給水モードとして前記目標圧力一定制御を行う制御部と、
を備え
前記ポンプの二次側であって、且つ、給水先の一次側の配管に設けられ、充水時に信号を前記制御部に送信する充水電極を備え、
前記制御部は、前記初動給水モードの完了後に、前記充水電極から前記信号を受信していない場合には、前記充水の未完了を警報する、給水装置。
【請求項5】
前記初動駆動時間は、前記初動給水モードにおいて、前記初動給水サイクルを繰り返す毎に、増加するか、又は、前記初動停止時間に対する割合が増える、請求項4に記載の給水装置。
【請求項6】
ポンプと、
前記ポンプを駆動するモータと、
前記モータを可変速駆動する駆動装置と、
前記ポンプの二次側の圧力を検出する圧力検出装置と、
前記ポンプの二次側の前記ポンプを停止する停止流量を検出する流量検出装置と、
前記ポンプを始動する始動圧力、前記ポンプの二次側の目標圧力、自動給水モードで前記ポンプを初動するときの初動給水モードでの前記ポンプの初動駆動周波数、及び、前記初動給水モードにおいて前記初動駆動周波数に達した後に前記ポンプを停止する初動停止時間が記憶された記憶部と、
前記自動給水モードとして、前記圧力検出装置で検出された圧力が前記始動圧力以下の場合に前記駆動装置を制御して前記モータを駆動制御し、前記ポンプを始動するとともに、前記圧力検出装置で検出される圧力が前記目標圧力となるように、前記駆動装置を制御して前記モータを可変速駆動する目標圧力一定制御を行うとともに、前記自動給水モードでの前記ポンプの初動時に、前記初動給水モードとして、前記ポンプが前記初動駆動周波数に到達するまで駆動した後前記ポンプを前記初動停止時間が経過するまで停止する初動駆動サイクルを所定の回数行い、その後、前記自動給水モードとして前記目標圧力一定制御を行う制御部と、
を備え
前記ポンプの二次側であって、且つ、給水先の一次側の配管に設けられ、充水時に信号を前記制御部に送信する充水電極を備え、
前記制御部は、前記初動給水モードの完了後に、前記充水電極から前記信号を受信していない場合には、前記充水の未完了を警報する、給水装置。
【請求項7】
前記自動給水モード及び前記初動給水モードの切り換えを行う切換手段を備える、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の給水装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記初動給水モード中において、前記記憶部に記憶された前記ポンプ又は前記ポンプの二次側の異常を判定する判定時間以内に、前記圧力検出装置で検出された圧力が所望の圧力まで上昇されていない場合に、前記異常を外部に警報する、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の給水装置。
【請求項9】
前記ポンプ及び前記モータを複数備え、
前記制御部は、前記初動給水モードにおいて、前記自動給水モードに切り替わるまで、前記複数のポンプのうちいずれか一台のみを駆動する、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の給水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物へ給水する給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、建物に給水するために、ポンプを用いた給水装置が知られている。このような給水装置は、建物の給水先に所定の圧力で給水すべく、目標圧力一定制御を行うものが知られている。例えば、建物に給水装置を導入した時や、停電や給水装置の故障等に給水装置を停止した後においては、建物の配管中に空気が存する虞がある。配管中に空気が存する状態で給水装置を駆動すると、ポンプにより送り出された水により空気が圧縮され、空気の圧力が増大し、この増大した空気の圧力が水に伝わることで、ウォータハンマが発生する虞がある。
【0003】
そこで、ウォータハンマの発生を抑制するために、ポンプの回転速度の加速時間を長くすることで、吐出側圧力の上昇が通常の始動動作よりも緩やかとする保護始動動作を行う給水装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-31796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
給水装置のように、水の圧力や使用量に応じて制御を行う場合いおいて、ポンプの加速時間を長くすると、追従性が低下する虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、追従性の低下を抑制するとともに、ウォータハンマの発生を防止できる給水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る給水装置は、ポンプと、前記ポンプを駆動するモータと、前記モータを可変速駆動する駆動装置と、前記ポンプの二次側の圧力を検出する圧力検出装置と、前記ポンプの二次側の前記ポンプを停止する停止流量を検出する流量検出装置と、前記ポンプを始動する始動圧力、前記ポンプの二次側の目標圧力、自動給水モードで前記ポンプを初動するときの初動給水モードでの前記ポンプの初動駆動時間、及び、前記初動駆動時間が経過した後に前記ポンプを停止する初動停止時間が記憶された記憶部と、前記自動給水モードとして、前記圧力検出装置で検出された圧力が前記始動圧力以下の場合に前記駆動装置を制御して前記モータを駆動制御し、前記ポンプを始動するとともに、前記圧力検出装置で検出される圧力が前記目標圧力となるように、前記駆動装置を制御して前記モータを可変速駆動する目標圧力一定制御を行うとともに、前記自動給水モードでの前記ポンプの初動時に、前記初動給水モードとして、前記ポンプの駆動時間が前記初動駆動時間を経過後、前記ポンプを前記初動停止時間停止する初動給水サイクルを所定の回数行い、その後、前記自動給水モードとして前記目標圧力一定制御を行う制御部と、を備え、前記ポンプの二次側であって、且つ、給水先の一次側の配管に設けられ、充水時に信号を前記制御部に送信する充水電極を備え、前記制御部は、前記初動給水モードの完了後に、前記充水電極から前記信号を受信していない場合には、前記充水の未完了を警報する
【0008】
本発明の一態様に係る給水装置は、ポンプと、前記ポンプを駆動するモータと、前記モータを可変速駆動する駆動装置と、前記ポンプの二次側の圧力を検出する圧力検出装置と、前記ポンプの二次側の前記ポンプを停止する停止流量を検出する流量検出装置と、前記ポンプを始動する始動圧力、前記ポンプの二次側の目標圧力、自動給水モードで前記ポンプを初動するときの初動給水モードでの前記ポンプの初動駆動圧力、及び、前記初動給水モードにおいて前記初動駆動圧力に前記ポンプの二次側の圧力が達した後に前記ポンプを停止する初動停止時間が記憶された記憶部と、前記自動給水モードとして、前記圧力検出装置で検出された圧力が前記始動圧力以下の場合に前記駆動装置を制御して前記モータを駆動制御し、前記ポンプを始動するとともに、前記圧力検出装置で検出される圧力が前記目標圧力となるように、前記駆動装置を制御して前記モータを可変速駆動する目標圧力一定制御を行うとともに、前記自動給水モードでの前記ポンプの初動時に、前記初動給水モードとして、前記圧力検出装置で前記初動駆動圧力を検出した後に前記ポンプを前記初動停止時間経過するまで停止する初動給水サイクルを所定回数行い、その後、前記自動給水モードとして前記目標圧力一定制御を行う制御部と、を備え、前記初動駆動圧力は、建物の立管の長さ以下に対応する
【0009】
本発明の一態様に係る給水装置は、ポンプと、前記ポンプを駆動するモータと、前記モータを可変速駆動する駆動装置と、前記ポンプの二次側の圧力を検出する圧力検出装置と、前記ポンプの二次側の前記ポンプを停止する停止流量を検出する流量検出装置と、前記ポンプを始動する始動圧力、前記ポンプの二次側の目標圧力、自動給水モードで前記ポンプを初動するときの初動給水モードでの前記ポンプの初動駆動周波数、及び、前記初動給水モードにおいて前記初動駆動周波数に達した後に前記ポンプを停止する初動停止時間が記憶された記憶部と、前記自動給水モードとして、前記圧力検出装置で検出された圧力が前記始動圧力以下の場合に前記駆動装置を制御して前記モータを駆動制御し、前記ポンプを始動するとともに、前記圧力検出装置で検出される圧力が前記目標圧力となるように、前記駆動装置を制御して前記モータを可変速駆動する目標圧力一定制御を行うとともに、前記自動給水モードでの前記ポンプの初動時に、前記初動給水モードとして、前記ポンプが前記初動駆動周波数に到達するまで駆動した後前記ポンプを前記初動停止時間が経過するまで停止する初動駆動サイクルを所定の回数行い、その後、前記自動給水モードとして前記目標圧力一定制御を行う制御部と、を備え、前記ポンプの二次側であって、且つ、給水先の一次側の配管に設けられ、充水時に信号を前記制御部に送信する充水電極を備え、前記制御部は、前記初動給水モードの完了後に、前記充水電極から前記信号を受信していない場合には、前記充水の未完了を警報する
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、追従性の低下を抑制するとともに、ウォータハンマの発生を防止できる給水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係る給水装置の構成を模式的に示す説明図。
図2】同給水装置の構成を模式的に示す説明図。
図3】同給水装置の初期給水モード及び自動給水モードにおけるポンプユニットの駆動及び停止をタイムチャートで示す説明図。
図4】同給水装置の制御方法の一例を示す流れ図。
図5】本発明の第2の実施形態に係る給水装置の初期給水モード及び自動給水モードにおけるポンプユニットの駆動及び停止をタイムチャートで示す説明図。
図6】本発明の第3の実施形態に係る給水装置の初期給水モード及び自動給水モードにおけるポンプユニットの駆動及び停止をタイムチャートで示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第1の実施形態に係る給水装置1について、図1乃至図4を用いて説明する。
図1は、本発明の第2の実施形態に係る給水装置1の構成を模式的に示す説明図であり、図2は、給水装置1の構成を模式的に示す説明図である。なお、図1中、水の流れを矢印で示す。
【0013】
図1に示すように、給水装置1は、一次側が水道本管又は受水槽等の水源100に接続され、二次側が建物200の給水管210に接続される。給水装置1は、水源100からの水を増圧し、給水管210に接続された蛇口やシャワーヘッド等の給水先(給水栓)220に供給する。また、給水装置1は、水源100として水道本管110に接続される場合には、一次側がメータユニット等の量水器120を介して水道本管110に接続される。本実施形態においては、給水装置1は、量水器120を介して水道本管110に接続される例を説明する。給水管210は、立管211と、立管211から分岐して給水先220に接続される横管212と、を含む。
【0014】
図1及び図2に示すように、給水装置1は、ポンプユニット11と、ポンプユニット11の二次側に設けられた流量検出装置12と、ポンプユニット11の二次側に設けられた圧力検出装置13と、ポンプユニット11を制御する制御装置14と、を備える。
【0015】
ポンプユニット11は、単数又は複数設けられる。本実施形態においては、図2に示すように、ポンプユニット11が2台設けられる例を用いて説明する。2台のポンプユニット11は、並列に接続される。換言すると、2台のポンプユニット11は、一次側に分岐管16が接続され、この分岐管16の分岐部の一次側が量水器120に接続される。2台のポンプユニット11は、二次側に合流管17が接続され、この合流管17の合流部の二次側が給水管210に接続される。
【0016】
ポンプユニット11は、ポンプ21と、モータ22と、逆止弁23と、開閉弁24と、を備える。ポンプ21は、駆動することで、水を増圧し、二次側へ供給する。モータ22は、ポンプ21を駆動する。モータ22は、例えば、固定子、回転子及びモータ軸を有し、モータ軸がポンプ21の回転軸に接続される。
【0017】
逆止弁23は、ポンプ21の二次側に設けられる。具体例として、ポンプ21の吐出口又は吐出口の二次側の配管に設けられ、ポンプ21側への水の逆流を防止する。
【0018】
開閉弁24は、例えば、ポンプ21の一次側及び二次側にそれぞれ設けられる。具体例として、開閉弁24は、分岐管16の分岐部よりも二次側であって、ポンプ21の一次側に設けられるとともに、逆止弁23の二次側であって、合流管17の合流部の一次側に設けられる。開閉弁24は、手動によって流路を開閉可能に形成される。開閉弁24は、例えば、常時開で使用され、メンテナンス等において閉じられる。
【0019】
流量検出装置12は、合流管17の二次側又は各ポンプ21の二次側のそれぞれに設けられる。本実施形態においては、流量検出装置12は、合流管17の合流部の二次側に設けられる例を用いて説明するが、各ポンプ21の二次側の逆止弁23の二次側であって、合流管17の合流部の二次側に設けられる構成であってもよい。
【0020】
流量検出装置12は、少なくともポンプユニット11の停止流量を検出可能に形成される。例えば、流量検出装置12は、停止流量のみを検出するパドル式やフロート式等か、又は、流量を検出可能な羽根車式等が用いられる。流量検出装置12は、制御装置14に接続され、検出した流量の情報を信号として出力する。
【0021】
圧力検出装置13は、合流管17の合流部の二次側に設けられる。圧力検出装置13は、制御装置14に接続され、検出した圧力の情報を信号として出力される。
【0022】
制御装置14は、例えば、制御盤である。制御装備14は、駆動装置31と、制御基板32と、を備える。
【0023】
駆動装置31は、モータ22を可変速駆動する。駆動装置31は、インバータである。駆動装置31は、例えば、ポンプユニット11と同数設けられる。
【0024】
制御基板32は、例えば、入力装置41と、報知部42と、通信部43と、記憶部44と、制御部45と、を備える。
【0025】
入力装置41は、外部から情報や指令を入力できる入力装置である。入力装置41は、例えば、キーや釦等である。入力装置41は、入力された情報を制御部45に送信する。また、入力装置41は、自動でポンプユニット11を制御する自動給水モードと、ポンプユニット11を駆動しない停止モードとを切り替え可能な切り替え手段を有する。また、入力装置41の切り替え手段は、これらモードの切り替えに加え、手動でポンプユニット11を駆動する手動モードに切り替え可能に形成されていてもよい。
【0026】
報知部42は、給水装置1に異常が発生した時に、制御部45から送信された情報に基づいて、当該異常を外部に報知する。報知部42は、例えば、情報を表示する表示部である。報知部42は、例えば、点灯又は点滅することで情報を表示するランプ及び情報を表示するディスプレイを含む。
【0027】
通信部43は、外部と情報を送受信可能に構成される。例えば、通信部43は、制御部45の制御により、情報を無線又は有線により外部に出力する。例えば、通信部43は、有線又は無線によって、直接又はインターネット、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、携帯端末やパーソナルコンピュータ等の処理端末と接続し、情報や指令を送受信する。
【0028】
記憶部44は、例えば、入力装置41により自動モードが選択されている場合において、自動給水モードにおけるポンプユニット11の制御プログラム及び自動給水モードによりポンプユニット11を初めて駆動する時(初動時)に行う初動給水モードにおけるポンプユニット11の制御プログラム等が記憶されている。
【0029】
ここで、自動給水モードとは、圧力検出装置13で検出される圧力が所定の圧力(始動圧力)である場合にポンプユニット11を駆動し、目標圧力となるように、駆動装置31を制御してモータ22を可変速制御し、流量検出装置12で検出される流量が所定の流量(停止流量)である場合に、ポンプユニット11を停止するモードである。換言すると、自動給水モードは、制御部45が目標圧力一定制御でポンプユニット11を制御するモードである。なお、目標圧力一定制御には、ポンプユニット11の二次側である吐出圧力を目標圧力とする吐出圧力一定制御、及び、流路抵抗(配管抵抗)を考慮した推定末端圧一定制御等が含まれる。
【0030】
また、初動給水モードとは、自動給水モードでポンプユニット11を制御するときに、初めてポンプユニット11を駆動する場合に用いられるモードである。換言すると、初動給水モードは、立管211や横管212等の給水管210を含むポンプユニット11の二次側の配管内に空気が存する虞のある状態において、ポンプユニット11の二次側の配管内を充水する、所謂配管内の水張りを行うモードである。
【0031】
記憶部44は、ポンプユニット11を駆動する始動圧力、ポンプの二次側の目標圧力、を記憶する。また、記憶部44は、初動給水モードにおけるポンプユニット11の初動駆動時間、初動駆動時間経過後に前記ポンプを停止する初動停止時間、及び、初動駆動時間及び初動停止時間でポンプユニット11を駆動及び停止のサイクルを行う回数である初動給水回数を記憶する。ここで、初動駆動時間は、例えば、配管内に空気が存する虞がある場合に、配管内の圧力が目標圧力とならない時間であるか、又は、ウォータハンマが発生しない時間であり、予め、ポンプユニット11の性能、ポンプユニット11の二次側の配管の容積等に応じて、適宜設定される。
【0032】
初動給水回数は、例えば、1回又は複数回に設定される。好適には、初動給水回数は複数回である。初動給水回数が複数回の場合において、初動駆動時間は、例えば、同じ時間に設定され、初動停止時間は、例えば、同じ時間に設定される。
【0033】
また、記憶部44は、自動給水モードにおいてポンプユニット11が初動であるか否か、即ち、ポンプユニット11の二次側の配管内に空気が存する虞のある状態でポンプユニット11が始動されるか否かを判定する閾値を記憶する。ここで、閾値は、種々設定可能である。例えば、閾値は、給水装置1への電源投入後、又は、停電後の復電後に自動給水モードで初めてポンプユニット11を駆動することを判定可能な電流値や運転情報であってもよい。また、閾値は、停止と運転の切り替えや、複数のポンプユニット11の号機切り替えが行われた後の初めてのポンプユニット11の始動を判定可能な運転情報であってもよい。また、閾値は、各構成品のメンテナンス後のポンプユニット11の初動や、液面故障復帰、又は、吸込圧力低下からの復帰後のポンプユニット11の初動を判定可能な運転情報であってもよい。
【0034】
即ち、閾値は、ポンプユニット11の始動の情報と比較したときにポンプユニット11の二次側の流路に空気が存する虞のある状態であるか否かを判定可能な値であればよく、適宜設定可能である。
【0035】
制御部45は、例えば、プロセッサである。制御部45は、記憶部44に記憶されたプログラムに準じて、自動給水モード又は初動給水モードで駆動装置31を制御し、ポンプユニット11を駆動する。具体例として、制御部45は、入力装置41によって自動給水モードが選択されている場合において、ポンプユニット11が初動であるか否かを判定する。そして、ポンプユニット11が初動である場合には、初動給水モードでポンプユニット11を制御し、ポンプユニット11が初動でない場合には、自動給水モードでポンプユニット11を制御する。
【0036】
自動給水モードでポンプユニット11を制御する場合に、制御部45は、圧力検出装置13で検出される圧力が始動圧力である場合に、ポンプユニット11を始動し、そして、流量検出装置12で検出される流量が停止流量である場合に、ポンプユニット11を停止する。また、制御部45は、自動給水モードにおいて、ポンプユニット11の始動後、記憶部44に記憶された目標圧力が圧力検出装置13で検出された圧力となるように、目標圧力一定制御で制御する。
【0037】
初動給水モードでポンプユニット11を制御する場合に、制御部45は、圧力検出装置13で検出される圧力が始動圧力である場合に、ポンプユニット11を始動し、そして、記憶部44に記憶された目標圧力が圧力検出装置13で検出された圧力となるように、目標圧力一定制御で制御するが、ポンプユニット11の始動後、初動駆動時間が経過後、目標圧力に達しなくてもポンプユニット11を停止する。そして、ポンプユニット11の停止後、制御部45は、初動停止時間が経過するまで、ポンプユニット11の停止を継続する。また、これらポンプユニット11の始動後、初動駆動時間経過までポンプユニットを駆動し、そして、制御部45は、その後、初動停止時間経過までポンプユニット11を停止するサイクルを、初動給水回数だけ繰り返す。なお、制御部45は、初動給水回数だけポンプユニット11の駆動及び停止を繰り返した後、自動給水モードへ切り換え、以降、自動給水モードにてポンプユニット11を駆動する。
【0038】
なお、図3を用いて初動給水モード及び自動給水モードのタイムチャートの例を説明する。なお、図3において、初動駆動時間がT1、初動停止時間がT2、初動給水回数がn=4の例を示す。図3に示すように、初動給水モードにおいては、ポンプユニット11を初動駆動時間T1で駆動後、ポンプユニット11を初動停止時間T2だけ停止し、このポンプユニット11の駆動及び停止の初動給水サイクルによって初動給水を行い、配管内に水張を行う。
【0039】
また、この初動給水を初動給水回数nとして、本例において4回繰り返し、その後、ポンプユニット11を自動給水モードで駆動する。即ち、制御部45は、初動給水モードでポンプユニット11を所定の時間T0だけ駆動制御した後、自動給水モードに移行し、以後、自動給水モードでポンプユニット11を駆動する。なお、初動給水モードにおけるポンプユニット11の駆動制御を行う時間T0は、T0=(T1+T2)×nから求められる。
【0040】
次に、このように構成された給水装置1による給水方法について、図4に示す流れ図を用いて説明する。
【0041】
先ず、作業者等によって入力装置41が操作され、自動給水モードが選択される(ステップST1)と、制御部45は、自動給水モードにおいてポンプユニット11が初動であるか否かを判定する(ステップST2)。具体的には、制御部45は、閾値と給水装置1の通電又は運転状況等とを比較して、ポンプユニット11の二次側の配管内に空気が存する虞がある状態であるか、配管内が充水しているかを判定する。
【0042】
例えば、制御部45は、ポンプユニット11が初動でない、即ち、ポンプユニット11の二次側の配管内に空気が存する虞がない状態、即ち、ポンプユニット11の二次側の配管内が充水していると判定する(ステップST2のNO)と、自動給水モードでのポンプユニット11の駆動制御を選択する(ステップST3)。次に、制御部45は、圧力検出装置13で検出される圧力が始動圧力となると、ポンプユニット11を始動し(ステップST4)、目標圧力一定制御にて、圧力検出装置13で検出される圧力及び記憶部44に記憶された目標圧力に応じて駆動装置31を制御し、モータ22を可変速制御することで、ポンプ21を駆動制御する(ステップST5)。
【0043】
そして、給水先220における水の使用量が低下し、ポンプユニット11の二次側の流量が小水量となると、流量検出装置12が停止流量を検出した信号を制御部45に出力する。制御部45は、停止流量を検出した信号を受信すると、ポンプユニット11を停止する(ステップST6)。そして、ステップST4に戻り、以下、同じ工程を繰り返す。
【0044】
例えば、制御部45は、ポンプユニット11が初動であると判定(ステップST2のYES)、即ち、ポンプユニット11の二次側の配管内に空気が存する虞がある状態、還元すると、ポンプユニット11の二次側の配管内が充水していないと判定すると、自動給水モードから初動給水モードに切り換えて、初動給水モードでのポンプユニット11の駆動制御を選択する(ステップST7)。
【0045】
次に、制御部45は、圧力検出装置13で検出される圧力が始動圧力となると、ポンプユニット11を始動し(ステップST8)、目標圧力一定制御にて、圧力検出装置13で検出される圧力及び記憶部44に記憶された目標圧力に応じて駆動装置31を制御し、モータ22を可変速制御してポンプ21を駆動する(ステップST9)とともに、ポンプユニット11の始動後の経過時間T10を計測する(ステップST10)。
【0046】
次に、制御部45は、経過時間T10が初動駆動時間T1に達したか否かを判定する(ステップST11)。経過時間T10が初動駆動時間T1に達しない場合(ステップST11のNO)には、制御部45は、ポンプユニット11の駆動を継続する(ステップST9)とともに、経過時間T10の計測を継続する(ステップST10)。
【0047】
経過時間T10が初動駆動時間T1に達した場合(ステップST11のYES)には、ポンプユニット11の駆動を停止する(ステップST12)とともに、ポンプユニット11の駆動を停止してからの経過時間T20を計測する(ステップST13)。
【0048】
次に、制御部45は、経過時間T20が初動停止時間T2に達したか否かを判定する(ステップST14)。経過時間T20が初動停止時間T2に達していない場合(ステップST14のNO)には、ポンプユニット11の停止を継続する(ステップST12)とともに、経過時間T20の計測を継続する(ステップST13)。
【0049】
経過時間T20が初動停止時間T2に達した場合(ステップST14のYES)には、ポンプユニット11を初動駆動時間T1駆動し、そして、ポンプユニット11を初動停止時間T2だけ停止した初動給水サイクルの回数n0が初動給水回数nに達したか否かを判定する(ステップST15)。
【0050】
初動給水サイクルの回数n0が初動給水回数nに達していない場合(ステップST15のNO)には、ステップST8に戻り、以下同じ工程を繰り返す。初動給水サイクルの回数n0が初動給水回数nに達した場合(ステップST15のYES)には、ポンプユニット11の二次側の配管内が充水したと判断し、初動給水モードを終了し(ステップST16)、自動給水モードに切換、ステップST3に移行し、以下、自動給水モードでのポンプユニット11の駆動制御を行う。
【0051】
このように構成された給水装置1によれば、ポンプユニット11の二次側の配管内に空気が存する虞がある状態において、初動給水モードにて給水することから、空気が圧縮されることによる急激な圧力の上昇を防止し、ウォータハンマの発生を防止できる。即ち、初動給水モードは、初動給水サイクルを複数回行うことで、ポンプユニット11の駆動及び停止を繰り返し行うことから、ポンプユニット11の断続運転を行うことになり、ウォータハンマの発生を防止できる。
【0052】
また、初動給水モードは、ポンプユニット11を初動駆動時間だけ駆動後、停止し、初動停止時間だけ停止させる構成であることから、ポンプユニット11の駆動自体は目標圧力一定制御と同定度の増速でポンプ21の周波数が増加することから、ポンプユニット11の追従性の低下を抑制できる。即ち、初動給水モードは、自動給水モードに対して、ポンプユニット11の駆動及び停止時間のみを変更する構成であることから、モータ22を可変速駆動する可変速駆動装置に対して指令する値に変更がなく、制御に係る負荷が少なくて良い。
【0053】
上述したように、本発明に係る第1の実施形態に係る給水装置1によれば、追従性の低下を抑制するとともに、ウォータハンマの発生を防止できる。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した例では、初動給水モードにおける初動給水回数が複数回の場合において、初動駆動時間及び初動停止時間が同じ例を説明したがこれに限定されない。
【0055】
例えば、第2の実施形態の給水装置1として、初動給水モードにおける初動給水回数が複数回の場合において、初動駆動時間は、例えば、異なる時間に設定され、初動停止時間は、例えば、同じ時間に設定されてもよい。具体例として、複数の初動駆動時間が異なる初動駆動時間とする場合には、初動駆動時間は、初動給水回数が増加するごとに、時間が増加するように設定される。このような構成の給水装置1の初動給水モードにおけるタイムチャートを図5に示す。図5に示すように、初動給水回数nが4回の場合には、一回目のポンプユニット11の初動駆動時間T1が最も短く、初動給水サイクルが行われる毎に、ポンプユニット11の初動駆動時間T1が漸次増加する。
【0056】
このような構成とすることで、第2の実施形態に係る給水装置1は、上述した第1の実施形態に係る給水装置1と同様の効果を奏する。また、初動給水モードにおいてポンプユニット11を駆動するときが最もポンプユニット11の二次側の配管内に空気が存する虞がある。このため、初動給水サイクルを複数回行う場合に、一回目の初動給水サイクルにおいてポンプユニット11の駆動する時間を最も短くし、漸次ポンプユニット11の駆動する時間を増加していくことで、追従性の低下を抑制するとともに、ウォータハンマが生じることを極力抑制できる。
【0057】
また、例えば、第3の実施形態の給水装置1として、初動給水モードにおける初動給水回数が複数の場合において、初動駆動時間は、例えば、異なる時間に設定される場合には、初動駆動時間は、初動給水サイクルが増加するごとに、初動停止時間に対する時間が増加するよう、即ち、初動停止時間に対する初動駆動時間の割合が増加するように設定される。なお、例えば、初動停止時間に対する初動駆動時間の割合が増加するように、複数の初動駆動時間が設定されるのであれば、初動停止時間は、例えば、同じ時間に設定されてもよく、また、異なる時間に設定されてもよい。
【0058】
例えば、図6に示す、第3の実施形態に係る給水装置1の初動給水モードにおけるタイムチャートのように、初動給水サイクルが増加するごとに、初動駆動時間は同じであるが、初動停止時間が短くなる構成であってもよく、図示しないが、初動給水サイクルが増加するごとに、初動駆動時間が漸次増加し、且つ、初動停止時間が短くなる構成であってもよい。
【0059】
このような第3の実施形態の給水装置1は、上述した第2の実施形態に係る給水装置1と同様の効果を奏し、追従性の低下を抑制するとともに、ウォータハンマの発生を極力防止できる。
【0060】
また、上述した例では、初動給水モードにおいて、ポンプユニット11を初動駆動時間駆動させたあとに、ポンプユニット11を停止する例を説明したがこれに限定されない。例えば、他の実施形態として、記憶部44に初動駆動時間の代わりに、初動駆動圧力を記憶し、初動給水モードとして、圧力検出装置13で初動駆動圧力を検出した後にポンプユニット11を初動停止時間経過するまで停止する初動給水サイクルを初動給水回数だけ行う構成としてもよい。
【0061】
なお、初動駆動圧力は、目標圧力以下の圧力値に設定される。具体例として、初動駆動圧力は、建物200の立管211の長さ(揚程)以下に対応するよう設定される。また、初動駆動圧力は、複数設定することができる。具体例として、0mから目標圧力までを複数回に分割し、1回目からn回目まののサイクルにて、漸次初動駆動圧力を上昇させるステップとしてもよい。
【0062】
また、この実施形態において、例えば、入力装置41によって立管211の長さを入力可能に構成し、制御部45は、入力装置41で入力された立管211の長さに対応する初動駆動圧力を求め、記憶部44に記憶する構成としてもよい。
【0063】
同様に、他の実施形態として、記憶部44に、初動駆動時間又は初動駆動圧力に替えて、初動駆動周波数を記憶し、初動給水モードにおいて、ポンプ21(モータ22)の周波数が初動駆動周波数に達したときに、ポンプユニット11を初動停止時間停止することで、初動給水サイクルを行う構成としてもよい。なお、初動駆動周波数は、ポンプ21が目標圧力以下の吐出圧力となる周波数である。
【0064】
また、上述した例では、給水装置1は、自動給水モードが選択された後、ポンプユニット11(ポンプ21)が初動であることを閾値に基づいて制御部45が判定したときに初動給水モードでポンプユニット11を制御する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、他の実施形態として、入力装置41が自動給水モード及び初動給水モードを切り換える切換手段の機能を有し、作業者が自動給水モード及び初動給水モードを切り替える構成としてもよい。
【0065】
また、他の実施形態として、給水装置1は、ポンプ21の二次側であって、且つ、給水先220の一次側の配管に、充水時に信号を制御部45に送信する充水電極を備える構成としてもよい。このような構成の給水装置1の制御部45は、初動給水モードが完了後に、充水電極から充水が完了した信号を受信していない場合に、充水未完了の情報を、報知部42を制御して外部に警報する構成としてもよい。また、制御部45は、通信部43を制御して、充水未完了の情報を処理端末に送信する構成としてもよい。
【0066】
また、他の実施形態として、記憶部44に記憶されたポンプ21又はポンプ21の二次側の異常を判定する判定時間を記憶し、制御部45が、初動給水モード中において、ポンプ21又はポンプ21の二次側の異常を判定する判定時間以内に、圧力検出装置13で検出された圧力が所望の圧力まで上昇されていない場合に、報知部42又は通信部43を制御し、異常を外部に警報又は処理端末に送信する構成としてもよい。
【0067】
また、他の実施形態として、制御部45が初動給水モード中において、ポンプ21又はポンプ21の二次側の異常を判定する判定時間以内に、圧力検出装置13で検出された圧力が所望の圧力まで上昇されていない場合に、大量の水の使用が発生していると判断し、断水を回避するために、初動駆動サイクル中でも初動給水モードを終了し、通常の自動給水モードに移行する構成としてもよい。
【0068】
また、他の実施形態として、制御部45が初動給水モード中において、ポンプ21又はポンプ21の二次側の異常を判定する判定時間以内に、圧力検出装置13で検出された圧力が設定された始動圧力以上に上昇した場合には、配管内への充水が完了したと判断し、初動給水モードを終了し、通常の自動給水モードに移行する構成としてもよい。
【0069】
また、上述した例では、制御部45は、初動給水モードにおいて、初動駆動時間、初動駆動圧力又は初動駆動周波数となるまで、目標圧力一定制御でポンプユニット11を駆動する構成を説明した。しかし、ポンプユニット11を複数有し、初動給水モードでポンプユニット11を制御する場合において、ウォータハンマの発生を抑制可能であれば、複数のポンプユニット11のうちいずれか一台のみを駆動する構成としてもよく、また、目標圧力一定制御で運転することを鑑み、複数のポンプユニット11で駆動してもよい。ただし、急激な圧力の上昇を抑え、ウォータハンマの発生を極力防止するために、初動給水モードにおいては、一台のポンプユニット11のみを駆動することが好ましい。
【0070】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0071】
1…給水装置、11…ポンプユニット、12…流量検出装置、13…圧力検出装置、14…制御装置、16…分岐管、17…合流管、21…ポンプ、22…モータ、23…逆止弁、24…開閉弁、31…駆動装置、32…制御基板、41…入力装置、42…報知部、43…通信部、44…記憶部、45…制御部、100…水源、110…水道本管、120…量水器、200…建物、210…給水管、211…立管、212…横管、220…給水先(給水栓)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6