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特許7475745バイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】バイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法
(51)【国際特許分類】
   G06V 10/82 20220101AFI20240422BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240422BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
G06V10/82
G06T7/00 350C
G08B17/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023131096
(22)【出願日】2023-08-10
【審査請求日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】202310483913.2
(32)【優先日】2023-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522036543
【氏名又は名称】南京郵電大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 暉
(72)【発明者】
【氏名】馬 博文
(72)【発明者】
【氏名】趙 海涛
(72)【発明者】
【氏名】朱 洪波
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第114677629(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第114842185(CN,A)
【文献】米国特許第11295131(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 10/82
G06T 7/00
G08B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法であって、
無人航空機によってターゲット領域の画像を空撮して取得し、且つ取得したターゲット領域の画像に対して、煙タブ及び火炎タブをそれぞれ付し、煙トレーニングセット及び火炎トレーニングセットを構築するステップ1と、
ステップ1における煙トレーニングセット及び火炎トレーニングセットを利用して、ターゲット領域の画像における煙及び火炎という2のターゲットの特徴に対して、バイナリ検出ネットワークの構築及びトレーニングを行い、ここで、前記バイナリ検出ネットワークは、それぞれ改善されたFCOSネットワークを基準とする煙検出分岐及び火炎検出分岐を含むステップ2と、
トレーニングされたバイナリ検出ネットワークを用いて、無人航空機によってリアルタイムで空撮して取得されたターゲット領域の動画の現フレームを検出し、煙検出分岐及び火炎検出分岐の検出結果を融合してから出力するステップ3と、
ターゲット領域の動画が終了するまで、ステップ3を繰り返し、ターゲット領域の動画の次フレームを検出するステップ4とを含み、
前記ステップ2において改善されたFCOSネットワークを基準とし、ここで、改善されたFCOSネットワークの構築プロセスは、基幹ネットワークResNetのC3とC4との間、及びC4とC5との間に、それぞれ1つのCBAMのアテンションモジュールを追加し、回帰分岐において、変形可能なコンボリューションで、元のコンボリューションカーネルを置き換えることである、ことを特徴とするバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法。
【請求項2】
前記改善されたFCOSネットワークは、トレーニングを行う時に、FPNレイヤの回帰のアダプティブトレーニング決定方法を採用しており、具体的なプロセスは、
FPNレイヤの回帰ベクトルセットΨ=[Ψ,Ψ,…Ψ,…,Ψ]を構築し、Nは、タブカテゴリの総数であり、Ψは、1つの7タプルであり、前の5つの位置はFPNレイヤのデフォルト回帰範囲であり、6番目の位置はタブカテゴリであり、7番目の位置は範囲修正フラグビットであるステップ2.1と、
現フレームにおける1つの画素サイズがk×kである所定ターゲットに対して、デフォルト回帰スケールの範囲に基づいて、そのデフォルトレイヤP’を決定するステップ2.2と、
異なるFPNレイヤの損失値に対して、最小値の判断を行い、判断の式は次の通りであり、
【数112】
ここで、
【数113】
は、レイヤ間の損失度の最小値であり、lは、FPNの3から7レイヤまでのインデックスパラメータを示し、Lall(l-2)、Lall(l-1)、Lall(l)、Lall(l+1)、Lall(l+2)は、それぞれレイヤPl-2、Pl-1、P、Pl+1、Pl+2
【数114】
がFPNレイヤである損失関数を示すステップ2.3と、
【数115】
がレイヤPl’の損失値と一致する場合、所定ターゲットのカテゴリに対応するレイヤ回帰ベクトルの7番目の位置を1に設定し、その後、この所定ターゲットの異なる入力スケールに関して、デフォルト回帰スケール範囲に従って勾配反転学習を直接に行うステップ
2.4と、
【数116】
がレイヤPl’-1又はPl’+1の損失値に一致する場合、所定ターゲットのカテゴリに対応するレイヤ回帰ベクトルの7番目の位置を0に設定し、且つデフォルト回帰スケールの範囲に対して次の修正を行った後、ステップ2.2に戻り、
【数117】
がレイヤPl’-1の損失値に一致する場合、レイヤPl’-1に対応するデフォルト回帰スケールの範囲を拡大し、即ち、(28(l’-3),k)をレイヤPl’に対応するデフォルト回帰スケールの範囲から分離して、レイヤPl’-1に対応するデフォルト回帰スケールの範囲に組み込み、
【数118】
がレイヤPl’+1の損失値に一致する場合、レイヤPl’+1に対応するデフォルト回帰スケールの範囲を拡大し、即ち、(k,28(l’-2))をレイヤPl’に対応するデフォルト回帰スケールの範囲から分離して、レイヤPl’+1に対応するデフォルト回帰スケールの範囲に組み込むステップ2.5と、
【数119】
がレイヤPl’-2又はレイヤPl’-2の損失値に一致する場合、所定ターゲットのカテゴリに対応するレイヤ回帰ベクトルの7番目の位置を-1に設定し、且つこのようなターゲットに対して、FPNの各レイヤの損失度を利用してレイヤを自動的に選択し勾配反転学習を直接に行うステップ2.6と、を含むことを特徴とする請求項に記載のバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法。
【請求項3】
前記ステップ3における融合は、具体的に、煙検出分岐及び火炎検出分岐の検出結果における位置枠情報及び識別されたターゲット確率は、いずれも現フレームの対応する位置にタブ付けされる、ことを特徴とする請求項1に記載のバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法。
【請求項4】
前記ステップ4においてターゲット領域の動画の次フレームを検出する前に、現フレームの検出結果を先行知識として、協調最適化フィードバック及び協調強化フィードバックという2つのフィードバックメカニズムの選択を行い、選択の根拠は次の通りであり、
現フレームの検出結果において煙検出分岐及び火炎検出分岐にいずれもターゲットが検出されていない場合、無煙無火の状況であり、協調強化フィードバックを選択し、
現フレームの検出結果において煙検出分岐にターゲットが検出されており、一方、火炎検出分岐にターゲットが検出されていない場合、有煙無火の状況であり、協調最適化フィードバックを選択し、
煙検出分岐にターゲットが検出されておらず、一方、火炎検出分岐にターゲットが検出されている場合、有火無煙の状況であり、協調強化フィードバックを選択し、
煙検出分岐及び火炎検出分岐にいずれもターゲットが検出されている場合、煙検出分岐に検出された最小ターゲット煙面積を
【数120】
とし、火炎検出分岐に検出された最小ターゲット火炎面積を
【数121】
とし、
【数122】
と設定した閾値ηminの大小関係に基づいて選択し、
【数123】
即ち煙が大きく火炎が小さい場合、協調最適化フィードバック及び協調強化フィードバックを同時に選択し、
【数124】
即ち煙及び火炎がほぼ同じである場合、協調最適化フィードバックを選択し、
【数125】
即ち煙が小さく火炎が大きい場合、協調強化フィードバックを選択する、ことを特徴とする請求項1に記載のバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法。
【請求項5】
前記協調最適化フィードバックの具体的なプロセスは次の通りであり、
1)現フレームIt-1(x,y)の検出結果における煙及び火炎の検出情報に基づいて、カルマンフィルタ方法を用いて、次フレームIt(x,y)における煙及び火炎のターゲット領域を予測し、それぞれ煙ターゲット領域セット
【数126】
及び火炎ターゲット領域セット
【数127】
とし、ここで、
【数128】
は、それぞれIt-1(x,y)の検出結果における煙及び火炎のターゲット領域の数であり、
2)第1の画素の判別関数を構築し、Asm及びAfirにおける煙及び火炎のターゲット領域内の第1の画素の判別関数値が0である画素ドットを除去し、新しい煙ターゲット領域セット
【数129】
及び火炎ターゲット領域セット
【数130】
を取得し、ここで、第1の画素の判別関数は次の通りであり、
【数131】
ここで、
【数132】
は、それぞれ火炎及び煙の画素の判別関数であり、(x,y)は、画素座標を示し、f(x,y)、f(x,y)及びf(x,y)は、それぞれ画素(x,y)のHSIスペースチャンネルにおける値を示し、
3)フレーム間差分法を用いて、It(x,y)におけるA’sm及びA’fir以外の煙及び火炎のターゲットを位置決め、具体的に次の通りであり、
S31:It(x,y)及びIt-1(x,y)においてA’smが含まれない画像
【数133】
及びA’firが含まれない画像
【数134】
をそれぞれ取得し、
S32:フレーム差領域Dsm(x,y)及びDfir(x,y)を取得し、
【数135】
S33:取得したDsm(x,y)及びDfir(x,y)に対して、第2の画素の判別関数を構築し、Dsm(x,y)及びDfir(x,y)において第2の画素の判別関数値が0である画素ドットを除去し、A’sm又はA’fir領域からずれる煙及び火炎領域Usm及びUfirを取得し、ここで、第2の画素の判別関数の計算プロセスは、次の通りであり、
【数136】
ここで、Tは、運動領域の判断閾値であり、Usm及びUfirは、それぞれA’sm及びA’firからずれる煙及び火炎領域であり、
S34:It(x,y)において
【数137】
に対して、それぞれマスキングを行い、それによってIt(x,y)に対応する煙消去マスキング画像
【数138】
及び火炎消去マスキング画像
【数139】
を取得し、
4)It-1(x,y)は有煙無火の状況である場合、It(x,y)検出を行う時に、
【数140】
をバイナリ検出ネットワークにおける火炎検出分岐の入力とし、It(x,y)を煙検出分岐の入力とし、
t-1(x,y)は煙が大きく火炎が小さい場合、It(x,y)検出を行う時に、
【数141】
をバイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐の入力とし、
【数142】
を火炎検出分岐の入力とし、
t-1(x,y)は煙及び火炎がほぼ同じである場合、It(x,y)検出を行う時に、
【数143】
をバイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐の入力とし、
【数144】
を火炎検出分岐の入力とする、ことを特徴とする請求項に記載のバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法。
【請求項6】
前記協調強化フィードバックの具体的なプロセスは次の通りであり、
(1)It-1(x,y)は無煙無火の状況である場合、It(x,y)検出を行う時に、バイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐及び火炎検出分岐におけるFPNの各レイヤ特徴重みωに対して、アダプティブ調整を行い、調整された重みは、
【数145】
であり、
ここで、
【数146】
は、レイヤ重み調節因子であり、
【数147】
uavは、現在の無人航空機の空撮の高さを示し、
【数148】
は、バイナリ検出ネットワークトレーニング時に、対応する無人航空機の平均の空撮の高さを示し、lは、現在のFPNのレイヤ数を示し、
【数149】
は、特徴図の融合を行う必要のあるFPNレイヤ総数であり、
(2)It-1(x,y)は有火無煙の状況である場合、It(x,y)検出を行う時に、バイナリ検出ネットワークにおける火炎検出分岐のFPNの各レイヤ特徴重みωに対して、アダプティブ調整を行い、具体的なステップは次の通りであり、
先ず、It-1(x,y)に検出された複数の火炎ターゲットの識別確率に対してソーティングを行い、識別確率が最も小さい火炎ターゲットをSfirとし、対応する識別確率をPfirとし、
次に、現在の煙ターゲットのスケール回帰範囲に基づいて、Sfirに対してFPNレイヤスケール位置決めを行い、FPNレイヤに位置決められたものを
【数150】
とし、
その後、識別確率Pfir及び設定したターゲットの所望確率Pを利用して、バイナリ検出ネットワークにおける火炎検出分岐のFPNの各レイヤ特徴重みに対して修正を行い、修正後の重みは次の通りであり、
【数151】
(3)It-1(x,y)は煙が大きく火炎が小さい場合、It(x,y)検出を行う時に、バイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐及び火炎検出分岐のFPNの各レイヤの特徴融合重みω及びガウシアン重み付け関数Gx,y,lの標準差に対して、それぞれ調整を行い、具体的な調整ステップは次の通りであり、
煙検出分岐におけるGx,y,lの修正の面でみれば、協調フィードバック強化によって得られた
【数152】
の領域の標準差で元の標準差を置き換えることにより、Gx, y,lの修正を実現し、
煙検出分岐におけるωの修正の面でみれば、先ず、識別確率が最も小さい煙ターゲットSsm、対応する確率Psmを取得し、対応するFPNレイヤ
【数153】
の位置決めを行い、Psm≧Pである場合、重み調整を行う必要がなく、Psm<Pである場合、次の式を利用して重み調整を行い、
【数154】
煙検出分岐と同じな調整ステップに基づき、火炎検出分岐におけるGx,y,l及びω’を調整し、
(4)It-1(x,y)は煙が小さく火炎が大きい場合、It(x,y)検出を行う時に、バイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐のレイヤ融合重みωに対して、無火有煙の状況である場合に火炎検出分岐におけるωに対する修正方式によって調整を行い、一方、火炎検出分岐におけるωに対して、煙が大きく火炎が小さい場合に火炎検出分岐におけるωに対する修正方式によって調整を行う、ことを特徴とする請求項に記載のバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法。
【請求項7】
現フレームIt-1(x,y)の検出結果における煙及び火炎の検出情報に基づいて、速度に基づいて修正されたカルマンフィルタ方法に基づいて、次フレームIt(x,y)における煙及び火炎のターゲット領域を予測し、ここで、カルマンフィルタの速度の修正の計算プロセスは次の通りであり、
【数155】
ここで、vuavは、無人航空機の速度を示し、w’及びh’は、ターゲット領域の画像の幅及び高さを示し、Lは、無人航空機の空撮レンズの受容野の直径を示し、∂は、スケーリングパラメータを示し、Δhは、無人航空機の上昇又は下降プロセスにおける高さの差を示し、Δtは、無人航空機の上昇及び下降プロセスにおいてかかった時間を示し、wt-1及びht-1は、It-1(x,y)におけるターゲットの検出枠の幅及び高さであり、Δtは、フレーム数の間隔であり、vtx、vty、vtw、vthは、第t時刻のターゲットの検出枠の中心座標及び検出枠の幅、高さの速度値をそれぞれ示す、ことを特徴とする請求項に記載のバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法。
【請求項8】
1つ又は複数のプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記1つ又は複数のプログラムはコマンドを含み、前記コマンドがコンピューティング機器により実行される時、前記コンピューティング機器に請求項1からのいずれか1項に記載の方法を実行させる、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
1つ又は複数のプロセッサ、1つ又は複数のメモリ、及び1つ又は複数のプログラムを含み、ここで、1つ又は複数のプログラムは、前記1つ又は複数のメモリに記憶されており、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されるように配置され、前記1つ又は複数のプログラムは、請求項1からのいずれか1項に記載の方法を実行するためのコマンドを含む、ことを特徴とするバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法に関し、ターゲット識別及びコンピュータビジョン分野に属す。
【背景技術】
【0002】
森林は変化の激しい環境であり、火災の原因も多様であるため、森林火災の予防及び検出作業は極めて困難である。従来の森林火災の検出は主に人手によって行われており、多くの人手、物資及び資金を投入する必要があるとともに、検出効率及び安全性にも問題があり、ターゲット検出技術の発展及び無人航空機製品の低価格化に伴い、無人航空機を利用した森林火災の巡回監視が主要な手段となっている。しかし、森林火災における煙検出及び火炎検出は、空撮された動画シーケンス画像において異なる動的特性およびスペース特性を有し、2つのターゲットは相互に絡み合ったり遮蔽したりするため、従来のターゲット検出モデルは、煙及び火炎を効果的に検出し、追跡することができない。
【0003】
以上から、如何に従来技術に基づいて空撮された森林画像における煙及び火炎を正確且つ効果的に検出するかが、当業者にとって緊急な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来技術の無人航空機の巡回監視プロセスにおいて、ターゲットスケールの差異が比較的に大きく且つ煙及び火炎ターゲットが相互に遮蔽することにより、無人航空機の巡回監視画像におけるターゲットの識別の正確率が低いという問題を解決するバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法を提供することである。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、次の技術案を採用する。
【0006】
バイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法であって、
無人航空機によってターゲット領域の画像を空撮して取得し、且つ取得したターゲット領域の画像に対して、煙タブ及び火炎タブをそれぞれ付し、煙トレーニングセット及び火炎トレーニングセットを構築するステップ1と、
ステップ1における煙トレーニングセット及び火炎トレーニングセットを利用して、ターゲット領域の画像における煙及び火炎という2つのターゲットの特徴に対して、バイナリ検出ネットワークの構築及びトレーニングを行い、ここで、前記バイナリ検出ネットワークは、それぞれ改善されたFCOSネットワークを基準とする煙検出分岐及び火炎検出分岐を含むステップ2と、
トレーニングされたバイナリ検出ネットワークを用いて、無人航空機によってリアルタイムで空撮して取得されたターゲット領域の動画の現フレームを検出し、煙検出分岐及び火炎検出分岐の検出結果を融合して出力するステップ3と、
ターゲット領域の動画が終了するまで、ステップ3を繰り返し、ターゲット領域の動画の次フレームを検出するステップ4と、を含む。
【0007】
さらに、前記ステップ2において改善されたFCOSネットワークを基準とし、ここで、改善されたFCOSネットワークの構築プロセスは、基幹ネットワークResNetのC3とC4との間、及びC4とC5との間に、それぞれ1つのCBAMのアテンションモジュールを追加し、回帰分岐において、変形可能なコンボリューションで、元のコンボリューションカーネルを置き換えることである。
【0008】
さらに、前記改善されたFCOSネットワークは、トレーニングを行う時に、FPNレイヤの回帰のアダプティブトレーニング決定方法を採用しており、具体的なプロセスは、
FPNレイヤの回帰ベクトルセットΨ=[Ψ,Ψ,…Ψ,…Ψ]を構築し、Nは、タブカテゴリの総数であり、Ψiは、1つの7タプルであり、前の5つの位置はFPNレイヤのデフォルト回帰範囲であり、6番目の位置はタブカテゴリであり、7番目の位置は範囲修正フラグビットであるステップ2.1と、
現フレームにおける1つの画素サイズがk×kである所定ターゲットに対して、デフォルト回帰スケールの範囲に基づいて、そのデフォルトレイヤPl’を決定するステップ2.2と、
異なるFPNレイヤの損失値に対して、最小値の判断を行い、判断の式は次の通りであり、
【数1】
ここで、
【数2】
は、レイヤ間の損失度の最小値であり、lは、FPNの3から7レイヤまでのインデックスパラメータを示しLall(l-2)、Lall(l-1)、Lall(l)、Lall(l+1)、Lall(l+2)は、それぞれレイヤPl-2、Pl-1、P、Pl+1、Pl+2
【数3】
がFPNレイヤである損失関数を示すステップ2.3と、
【数4】
がレイヤPl’の損失値と一致する場合、所定ターゲットのカテゴリに対応するレイヤ回帰ベクトルの7番目の位置を1に設定し、その後、この所定ターゲットの異なる入力スケールに関して、デフォルト回帰スケール範囲に従って勾配反転学習を直接に行うステップ2.4と、
【数5】
がレイヤPl’-1又はPl’+1の損失値に一致する場合、所定ターゲットのカテゴリに対応するレイヤ回帰ベクトルの7番目の位置を0に設定し、且つデフォルト回帰スケールの範囲に対して次に修正を行った後、ステップ2.2に戻り、
【数6】
がレイヤPl’-1の損失値に一致する場合、レイヤPl’-1に対応するデフォルト回帰スケールの範囲を拡大し、即ち、(28(l’-3),k)をレイヤPl’に対応するデフォルト回帰スケールの範囲から分離して、レイヤPl’-1に対応するデフォルト回帰スケールの範囲に組み込み、
【数7】
がレイヤPl’+1の損失値に一致する場合、レイヤPl’+1に対応するデフォルト回帰スケールの範囲を拡大し、即ち、(k,28(l’-2))をレイヤPl’に対応するデフォルト回帰スケールの範囲から分離して、レイヤPl’+1に対応するデフォルト回帰スケールの範囲に組み込むステップ2.5と、
【数8】
がレイヤPl’-2又はレイヤPl’-2の損失値に一致する場合、所定ターゲットカテゴリに対応するレイヤ回帰ベクトルの7番目の位置を-1に設定し、且つこのようなターゲットに対して、FPNの各レイヤの損失度を利用してレイヤを自動的に選択し勾配反転学習を直接に行うステップ2.6とを含む。
【0009】
さらに、前記ステップ3における融合は、具体的に、煙検出分岐及び火炎検出分岐の検出結果における位置枠情報及び識別されたターゲット確率は、いずれも現フレームの対応する位置にタブ付けされる。
【0010】
さらに、前記ステップ4においてターゲット領域の動画の次フレームを検出する前に、現フレームの検出結果を先行知識として、協調最適化フィードバック及び協調強化フィードバックという2つのフィードバックメカニズムの選択を行い、選択の根拠は、次の通りであり、
現フレームの検出結果において煙検出分岐及び火炎検出分岐にいずれもターゲットが検出されていない場合、無煙無火の状況であり、協調強化フィードバックを選択し、
現フレームの検出結果において煙検出分岐にターゲットが検出されており、一方、火炎検出分岐にターゲットが検出されていない場合、有煙無火の状況であり、協調最適化フィードバックを選択し、
煙検出分岐にターゲットが検出されておらず、一方、火炎検出分岐にターゲットが検出されている場合、有火無煙の状況であり、協調強化フィードバックを選択し、
煙検出分岐及び火炎検出分岐にいずれもターゲットが検出されている場合、煙検出分岐に検出された最小ターゲット煙面積を
【数9】
とし、火炎検出分岐に検出された最小ターゲット火炎面積を
【数10】
とし、
【数11】
と設定した閾値ηminの大小関係に基づいて選択し、
【数12】
即ち煙が大きく火炎が小さい場合、協調最適化フィードバック及び協調強化フィードバックを同時に選択し、
【数13】
即ち煙及び火炎がほぼ同じである場合、協調最適化フィードバックを選択し、
【数14】
即ち煙が小さく火炎が大きい場合、協調強化フィードバックを選択する。
【0011】
さらに、前記協調最適化フィードバックの具体的なプロセスは次の通りであり、
1)現フレームIt-1(x,y)の検出結果における煙及び火炎の検出情報に基づいて、カルマンフィルタ方法を用いて、次フレームIt(x,y)における煙及び火炎のターゲット領域を予測し、それぞれ煙ターゲット領域セット
【数15】
及び火炎ターゲット領域セット
【数16】
とし、ここで、
【数17】
は、それぞれIt-1(x,y)の検出結果における煙及び火炎のターゲット領域の数であり、
2)第1の画素の判別関数を構築し、Asm及びAfirにおける煙及び火炎のターゲット領域内の第1の画素の判別関数値が0である画素ドットを除去し、新しい煙ターゲット領域セット
【数18】
及び火炎ターゲット領域セット
【数19】
を取得し、ここで、第1の画素の判別関数は次の通りであり、
【数20】
ここで、
【数21】
は、それぞれ火炎及び煙の画素の判別関数であり、(x,y)は、画素座標を示し、f(x,y)、f(x,y)及びf(x,y)は、それぞれ画素(x,y)のHSIスペースチャンネルにおける値を示し、
3)フレーム間差分法を用いて、It(x,y)におけるA’sm及びA’fir以外の煙及び火炎のターゲットを位置決め、具体的に次の通りであり、
S31:It(x,y)及びIt-1(x,y)においてA’smが含まれない画像
【数22】
及びA’firが含まれない画像
【数23】
をそれぞれ取得し、
S32:フレーム差領域Dsm(x,y)及びDfir(x,y)を取得し、
【数24】
S33:取得したDsm(x,y)及びDfir(x,y)に対して、第2の画素の判別関数を構築し、Dsm(x,y)及びDfir(x,y)において第2の画素の判別関数値が0である画素ドットを除去し、A’sm又はA’fir領域からずれる煙及び火炎領域Usm及びUfirを取得し、ここで、第2の画素の判別関数の計算プロセスは、次の通りであり、
【数25】
ここで、Tは、運動領域の判断閾値であり、Usm及びUfirは、それぞれA’sm及びA’firからずれる煙及び火炎領域であり、
S34:It(x,y)において
【数26】
【数27】
及び火炎消去マスキング画像
【数28】
を取得し、
4)It-1(x,y)は有煙無火の状況である場合、It(x,y)検出を行う時に、
【数29】
をバイナリ検出ネットワークにおける火炎検出分岐の入力とし、It(x,y)を煙検出分岐の入力とし、It-1(x,y)は煙が大きく火炎が小さい場合、It(x,y)検出を行う時に、
【数30】
をバイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐の入力とし、
【数31】
を火炎検出分岐の入力とし、It-1(x,y)は煙及び火炎がほぼ同じである場合、It(x,y)検出を行う時に、
【数32】
をバイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐の入力とし、
【数33】
を火炎検出分岐の入力とする。
さらに、現フレームIt-1(x,y)の検出結果における煙及び火炎の検出情報に基づいて、速度に基づいて修正されたカルマンフィルタ方法に基づいて、次フレームIt(x,y)における煙及び火炎のターゲット領域を予測し、ここで、カルマンフィルタの速度の修正の計算プロセスは次の通りであり、
【数34】
ここで、Vuavは、無人航空機の速度を示し、w’及びh’は、ターゲット領域の画像の幅及び高さを示し、Lは、無人航空機の空撮レンズの受容野の直径を示し、∂は、スケーリングパラメータを示し、Δhは、無人航空機の上昇又は下降プロセスにおける高さの差を示し、Δtは、無人航空機の上昇及び下降プロセスにおいてかかった時間を示し、wt-1及びht-1は、It-1(x,y)におけるターゲットの検出枠の幅及び高さであり、Δtは、フレーム数の間隔であり、vtx、vty、vtw、vthは、第t時刻のターゲットの検出枠の中心座標及び検出枠の幅、高さの速度値をそれぞれ示す。
【0012】
さらに、前記協調強化フィードバックの具体的なプロセスは次の通りであり、
(1)It-1(x,y)は無煙無火の状況である場合、I(x,y)検出を行う時に、バイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐及び火炎検出分岐におけるFPNの各レイヤ特徴重みωに対して、アダプティブ調整を行い、調整された重みは、
【数35】
ここで、
【数36】
は、レイヤ重み調節因子であり、
【数37】
は、現在の無人航空機の空撮の高さを示し、
【数38】
は、バイナリ検出ネットワークトレーニング時に、対応する無人航空機の平均の空撮の高さを示し、lは、現在のFPNのレイヤを示し、
【数39】
は、特徴図の融合を行う必要のあるFPNレイヤ総数であり、
(2)It-1(x,y)は有火無煙の状況である場合、It(x,y)検出を行う時に、バイナリ検出ネットワークにおける火炎検出分岐のFPNのレイヤ特徴重みωに対して、アダプティブ調整を行い、具体的なステップは次の通りであり、
先ず、It-1(x,y)に検出された複数の火炎ターゲットの識別確率に対してソーティングを行い、識別確率が最も小さい火炎ターゲットをSfirとし、対応する識別確率をPfirとし、
次に、現在の煙ターゲットのスケール回帰範囲に基づいて、Sfirに対してFPNレイヤスケール位置決めを行い、FPNレイヤに位置決められたものを
【数40】
とし、
その後、識別確率Pfir及び設定したターゲットの所望確率Pを利用して、バイナリ検出ネットワークにおける火炎検出分岐のFPNの各レイヤの特徴重みに対して修正を行い、修正後の重みは次の通りであり、
【数41】
(3)It-1(x,y)は煙が大きく火炎が小さい場合、It(x,y)検出を行う時に、バイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐及び火炎検出分岐のFPNの各レイヤの特徴融合重みω及びガウシアン重み付け関数Gx,y,lの標準差に対して、それぞれ調整を行い、具体的な調整ステップは次の通りであり、煙検出分岐におけるGx,y,lの修正の面でみれば、協調フィードバック強化によって得られた
【数42】
の領域の標準差で元の標準差を置き換えることにより、Gx,y,lの修正を実現し、
煙検出分岐におけるωの修正の面でみれば、先ず、識別確率が最も小さい煙ターゲットSsm、対応する確率Psmを取得し、対応するFPNレイヤ
【数43】
の位置決めを行い、Psm≧Pである場合、重み調整を行う必要がなく、Psm<Pである場合、次の式を利用して重み調整を行い、
【数44】
最後に、修正後のGx,y,l 及び調整後のFPNレイヤの各レイヤの融合重みω’ を利用して、煙検出分岐に対して調整を行い、
煙検出分岐と同じな調整ステップに基づき、火炎検出分岐におけるGx,y,l及びω’を調整し、
(4)It-1(x,y)は煙が小さく火炎が大きい場合、It(x,y)検出を行う時に、バイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐のレイヤ融合重みωに対して、有火無煙の状況である場合に火炎検出分岐におけるωに対する修正方式によって調整を行い、一方、火炎検出分岐におけるωに対して、煙が大きく火炎が小さい場合に火炎検出分岐におけるω に対する修正方式によって調整を行う。
【0013】
本発明は、1つ又は複数のプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記1つ又は複数のプログラムはコマンドを含み、前記コマンドがコンピューティング機器により実行される時、前記コンピューティング機器に以上に記載の方法を実行させる。
【0014】
本発明は、バイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出機器を更に含み、1つ又は複数のプロセッサ、1つ又は複数のメモリ、及び1つ又は複数のプログラムを含み、ここで、1つ又は複数のプログラムは、前記1つ又は複数のメモリに記憶されており、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されるように配置され、前記1つ又は複数のプログラムは、以上に記載の方法を実行するためのコマンドを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明に記載されるバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法は以上の技術案を採用しており、従来技術に比べて、次のような技術的効果を有する。
【0016】
1、本発明による改善されたFCOSモデルは、煙ターゲット及び火炎ターゲットに対して、より優れた識別効果を有する。
【0017】
2、本発明は、改善されたFCOSモデルを基準として構築されたバイナリ検出ネットワークは、煙検出及び火炎検出を2つの独立したものとしてそれぞれ検出し、煙及び火炎が相互に絡み合ったり遮蔽したりすることによるターゲットの検出漏れ及び位置決め精度が低い問題を避ける。
【0018】
3、本発明は、提案した2つの協調フィードバックメカニズムによって、バイナリ検出ネットワークの異なるクルーズ高さ、異なる森林火災の巡回監視のシーンにおけるロバスト性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】バイナリ協調ネットワークによる森林火災検出の方法のフローチャートである。
図2】変形可能なコンボリューションに基づく回帰分岐の改善である。
図3】改善されたFCOSネットワークである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面及び実施例を結び付けて本発明の技術案をさらに説明する。
【0021】
本発明に記載されるバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法の構造全体は図1に示されており、具体的なステップは次の通りであり、
ステップ1:FCOSネットワークが煙ターゲット及び火炎ターゲットを検出する効果は良くないため、本発明は、煙及び火炎のターゲット特徴に基づいて、FCOSモデルの基幹ネットワーク、回帰分岐及びトレーニングポリシーを改善する。
【0022】
FOCSアルゴリズムは画素ごとに回帰するポリシーを採用する。FPN特徴図におけるある点(x,y)に対して、ステップサイズsに基づいて入力画像にマッピングされる対応する座標は
【数45】
である。点(x,y)のマッピング点が入力画像によってタブ付けされる任意の1つの実枠内に位置する場合、この点(x,y)はポジティブサンプルとして判定される。そうでなければ、ネガティブサンプルとしてタブ付けされる。サンプル点(x,y)は入力画像にマッピングする点(x’,y’)が実枠内に位置する場合、この点からの実枠
【数46】
の上下左右の4つの辺の距離は、ターゲット回帰のオフセット量(l,t,r,b)とし、計算は次に示される。
【数47】
(x’,y’)が複数の実枠内に同時に位置する場合、この点はボケサンプルとしてタブ付けされ、このような現象を避けるために、FCOSは各スケールの特徴レイヤにいずれも枠回帰範囲制限を加えることにより、検出枠の重畳を緩和し、具体的に次の通りである。
(1)現在のレイヤにおける回帰ターゲットl、t、r、bを計算する。
(2)max(l、t、r、b)>l又はmax(l、t、r、b)<m-1を満たすか否かを判断する。
(3)満たす場合、この境界枠に対して回帰の予測を行わない。
【0023】
ここで、mは、現在の特徴レイヤの最大の回帰範囲であり、順に(-1,64)、(64,128)、(128,256)、(256,512)、(512,∞)であり、このような制限によって様々なサイズの物体の間は異なる特徴レイヤが与えられて回帰の学習を行い、それによって、多すぎるボケサンプルが発生することを避ける。
改善されたFCOSネットワークの全体構成図は図3に示されており、FCOSネットワークの改善は具体的に次の通りである。
【0024】
基幹ネットワークResNetのC3とC4との間、及びC4とC5との間に、それぞれ1つのCBAMのアテンションモジュールを追加し、スケールが比較的に小さい煙ターゲット又は火炎ターゲットに対する特徴抽出能力を向上させるために用いられ、次に、回帰分岐において、変形可能なコンボリューションで、従来のコンボリューションカーネルを置き換えて、一部の火炎ターゲットの位置決めの不正確の問題を解決し、それによって、ターゲットの検出効果を向上させ、具体的な構成は図2に示される。
【0025】
トレーニングポリシーについて、FPNレイヤ回帰アダプティブトレーニング決定方法を提案し、関連ステップは次の通りである。
【0026】
ステップ1.1:レイヤ回帰ベクトルΨ=[Ψ,Ψ,…Ψi,ΨN]を構築し、Nは、タブカテゴリの総数であり、Ψiは、1つの7タプルであり、前の5つの位置はFPNレイヤのデフォルト回帰範囲であり、6番目の位置はタブカテゴリであり、7番目の位置は、範囲修正フラグビットであり、デフォルトはNULLである。
【0027】
ステップ1.2:現フレームにおける1つの画素サイズがk×kである所定ターゲットに対して、デフォルト回帰のスケール範囲に基づいて、そのデフォルトレイヤPl’を決定する。
【0028】
ステップ1.3:異なるFPNレイヤの損失値に対して、最小値の判断を行い、判断の式は次の通りである。
【数48】
ここで、
【数49】
は、レイヤ間の損失度の最小値であり、lは、FPNの3から7レイヤまでのインデックスパラメータを示し、Lall(l-2)、Lall(l-1)、Lall(l)、Lall(l+1)、Lall(l+2)は、それぞれレイヤPl-2、Pl-1、P、Pl+1、Pl+2
【数50】
がFPNレイヤである損失関数を示す。
【0029】
ここで、レイヤP の損失度の計算は次の通りである。
【数51】
ここで、
【数52】
は、それぞれレイヤP における位置(x,y)に予測された分類スコア、予測枠位置及び予測された中心度を示し、Nposは、ポジティブサンプルの数であり、
【数53】
は、分類ターゲットであり、
【数54】
は、タブ付けされる枠の座標であり、
【数55】
は、実枠の中心度である。

【数56】
は、サンプルの判別関数であり、ポジティブサンプルの場合に1であり、ネガティブサンプルの場合に0である。Lall(l)は、所定ターゲット画素ドット(x,y)のレイヤPにおける総損失値であり、Lcls(l)は、分類損失であり、Focallossを利用してポジティブとネガティブサンプルのアンバランスの問題を解決し、Lcnt(l)は、center-ness損失であり、二分類クロスエントロピを用い、Lreg(l)は、回帰損失であり、IOU(Intersection over Union)損失を用いて示される。
【0030】
ステップ1.4:
【数57】
がレイヤPl’の損失値に一致する場合、このターゲットの様々なFPNレイヤにおけるセマンティック特徴抽出パフォーマンスは、FPNの様々なレイヤのスケール回帰の範囲に強く関連していると考えられ、入力ターゲットのカテゴリに対応するレイヤの回帰ベクトルΨiの7番目の位置を1に設定し、その後、このターゲットに関する様々な入力スケールについて、FPN回帰レイヤの範囲に従って、勾配反転学習を直接に行う。
【0031】
ステップ1.5:
【数58】
がレイヤPl’の損失値に一致しない場合、ケースバイケースで判断する必要がある。
【0032】
【数59】

がレイヤPl’-1又はPl’+1の損失値に一致する場合、このターゲットがFPNの様々なレイヤのスケール回帰に弱く関連すると考えられ、対応するターゲットのカテゴリのレイヤの回帰ベクトルΨiの7番目の位置を0に設定し、且つスケール制限の範囲を修正し、修正は次の通りである。
【0033】
【数60】
がPl’-1の損失値に一致する場合、Pl’-1に対応する回帰の範囲を拡大し、即ち(28(l-3),k)をPl’回帰範囲から分離してPl’-1に組み込み、
【数61】
がPl’+1の損失値に一致する場合、Pl’+1に対応する回帰範囲を拡大し、即ち(k,28(l-2))をPl’回帰範囲から分離してPl’+1に組み込む。
【0034】
ステップ1.6:
【数62】
がレイヤPl’-2又はPl’-2の損失値に一致する場合、即ち最も小さい損失度が位置する特徴レイヤと現在の特徴レイヤとの間隔が1よりも大きい場合、FPNのレイヤのスケール回帰ポリシーがこのタイプのターゲットに適切ではないと考えられ、そのため、ターゲットカテゴリに対応するレイヤ回帰ベクトルΨiの7番目の位置を-1に設定し、このタイプのターゲットに対して、FPNの各レイヤの損失度を利用して自動的にレイヤを選択して勾配反転学習を直接に行う。
【0035】
ステップ1.7:弱く関連すると判定されるターゲット(ステップ1.5)について、ステップ1.2、ステップ1.3及びステップ1.5に従って、スケール範囲を繰り返し修正し、ステップ1.4及びステップ1.6の状況が出た後、繰り返しを終了する。
【0036】
ステップ2:改善されたFCOSネットワークを基準とし、バイナリ検出ネットワークの構築及びトレーニングを行い、バイナリ検出ネットワークの煙検出分岐及び火炎検出分岐は、それぞれステップ1に記載された改善されたFCOSネットワークであり、トレーニングについて、煙検出分岐は、煙トレーニングセットのみに対してトレーニングを行い、即ちトレーニングを完了した後に煙検出のみを行い、同様に、火炎検出分岐は、火炎トレーニングセットのみに対してトレーニングを行い、即ちトレーニングを完了した後に火炎検出のみを行う。
【0037】
ステップ3:トレーニングされたバイナリ検出ネットワークを用いて、現フレームを検出し、2つの検出分岐に得られたターゲット枠情報及びカテゴリ確率をステップ4及びステップ5にそれぞれ入力して、その後の処理を行う。
【0038】
ステップ4:ステップ3において得られた煙ターゲット及び火炎ターゲットの関係状況に基づいて、協調最適化フィードバック及び協調強化フィードバックという2つのフィードバックメカニズムの選択を行う。ここで、協調フィードバック最適化は、主にステップ3において得られた複数の煙枠又は火炎枠の位置情報を先行知識として、速度に基づいて修正されたカルマンフィルタ及びフレーム間差分法両方を結び付けて、次フレームの画像における煙及び火炎の概略位置を予測し、バイナリ協調ネットワークの検出分岐が異なることに対して、次フレームにおいて予測された概略な煙ターゲット又は火炎ターゲットの位置に対して事前にマスキングを行い、それによって、バイナリ検出ネットワークの煙又は火炎に対する検出精度を向上させる。一方、協調フィードバック強化は、後処理操作として、主にバイナリネットワークの検出分岐における特徴図の重みを調整することにより、ステップ3を利用して結果を伝達して、次フレームの同じタイプのターゲットに対する検出精度を向上させることを実現する。
【0039】
2つのフィードバックメカニズムの選択について、バイナリ検出ネットワークにおいて煙検出分岐及び火炎検出分岐にいずれもターゲットが検出されていない場合、即ち無煙無火の状況であり、協調強化フィードバックを選択し、煙検出分岐にターゲットが検出されており、一方、火炎検出分岐にターゲットが検出されていない場合、即ち有煙無火の状況であり、協調最適化フィードバックを選択し、煙検出分岐にターゲットが検出されておらず、一方、火炎検出分岐検出にターゲットが検出されている場合、即ち有火無煙の状況であり、協調強化フィードバックを選択し、煙検出分岐及び火炎検出分岐にいずれもターゲットが検出されている場合、煙検出分岐に検出された最小ターゲット煙面積を
【数63】
とし、同様に、火炎検出分岐に検出された最小ターゲット火炎面積を
【数64】
とし、
【数65】
と設定した閾値ηminの大小関係に基づいて次の判断を行う。
【0040】
【数66】
即ち煙が大きく火炎が小さい場合、2つのフィードバックメカニズム両方を選択し、
【数67】
即ち煙及び火炎がほぼ同じである場合、協調最適化フィードバックを選択し、
【数68】
即ち煙が小さく火炎が大きい場合、協調強化フィードバックを選択する。
【0041】
協調最適化フィードバックは、主に現フレームに検出される複数の煙枠又は火炎枠の位置情報を先行知識として、速度に基づいて修正されたカルマンフィルタ及びフレーム間差分法両方を結び付けて、次フレームの画像における煙及び火炎の概略位置を予測し、バイナリ協調ネットワークの検出分岐が異なることに対して、次フレームにおいて予測された概略な煙又は火炎ターゲット位置に対して事前にマスキングを行い、それによって、バイナリ検出ネットワークの煙又は火炎の検出精度を向上させることである。具体的なステップは次の通りである。
【0042】
ステップ一:速度に基づいて修正されたカルマンフィルタモデルを構築して、次フレームの煙ターゲット又は火炎ターゲットが現れる可能性のある位置を予測する。
【0043】
カルマンフィルタは、ターゲット運動を等速運動にモデル化して、ターゲットの運動状態は(p,v)として示され、ここで、pは、第t時刻のターゲット位置を示し、vは、pの各パラメータの速度を示し、ターゲット状態は、即ち次のベクトル形式として示されることができる。
γt = (xtc, ytc, w, h, vtx, vty, vtw, vth
式では、xtc、ytcは、第t時刻のターゲットの検出枠の中心座標を示し、wは、検出枠の幅を示し、hは、検出枠の高さを示し、vtx、vty、vtw、vthは、それぞれの速度の変化値を示す。
【0044】
しかし、実際の森林火災の巡回監視プロセスでは、無人航空機は時々急速に加速したり減速したりする場合があるため、等速モデルを用いると、ターゲットの予測枠に比較的に大きいずれが生じるため、本明細書では、現在の無人航空機の空撮速度及び高さの変化率を利用して、vにおける各速度パラメータを修正し、関連する計算は次の通りである。
【数69】
式では、vuavは、無人航空機の速度を示し、w’及びh’は、空撮図の幅及び高さを示し、Lは、無人航空機の空撮レンズの受容野の直径を示し、∂は、スケーリングパラメータを示し、Δhは、無人航空機の上昇又は下降プロセスにおける高さの差を示し、Δtは、無人航空機の上昇又は下降プロセスにおいてかかった時間を示し、wt-1及びht-1は、前の1つのフレームのターゲットの検出枠の幅及び高さであり、Δtは、フレーム数間隔である。
【0045】
速度を修正した後、カルマンフィルタを利用して、ターゲットの状態及びターゲットの状態の共分散の予測方程は次の通りである。
【数70】
式では、
【数71】
は、t時刻のターゲットの予測状態を示し、
【数72】
は、t-1時刻の最適の推定値を示し、Fは、状態遷移行列を示し、即ちターゲットの運動パラメータ行列であり、Wt-1|t-1は、t-1時刻の運動雑音を示し、一般的に、平均値のサイズがゼロである白色ガウス雑音を採用する。Pt|t-1、Pt-1|t-1、Qは、それぞれ、
【数73】
の共分散である。
【0046】
カルマンフィルタの軌跡状態の更新プロセスでは、現在の時刻の検出に基づいて、関連する軌跡状態を校正し、より正確な状態推定値を得て、状態更新の方程は次の通りである。
【数74】
式では、
【数75】
は、t時刻のターゲットの最適推定を示し、Z=(x,y,w,h)は、t時刻の検出平均値のベクトルであり、Hγは、観測遷移行列を示し、Kは、カルマンゲインであり、具体的な計算は次の通りである。
【数76】
式では、Rγは、検出器の雑音行列を示し、4×4の対角行列であり、対角線における値は、それぞれ中心点座標及び幅、高さの雑音である。カルマンフィルタの上記式は、現在のターゲットの運動推定の最適状態を推定し、
【数77】
の共分散行列Pt|tを更新し、このように繰り返して、現在の時刻のターゲットの検出情報に基づいて、次の時刻のターゲットの位置推定を完了することを実現する。
【0047】
本発明は、現フレームの画像をIt-1(x,y)とし、次フレームの画像をIt(x,y)とし、速度に基づいてカルマンフィルタを修正した後に、It(x,y)において予測される煙ターゲット及び火炎ターゲット領域セットをそれぞれ
【数78】
とし、ここで
【数79】
は、それぞれIt-1(x,y)において検出された煙ターゲット及び火炎ターゲットの数である。しかし、樹木などの剛体ターゲットと異なって、煙及び火炎は非剛体ターゲットとして、短時間内で大きく変形する可能性があり、即ち一部の煙ターゲット又は火炎ターゲットが非剛体変形によってカルマンフィルタが予測される軌跡からずれる可能性が高いため、上述した予測される領域を細分化及び補正する必要があり、具体的な詳細は、ステップ二及びステップ三に示される。
【0048】
ステップ二:煙及び火炎の色スペース特徴について、第1の画素の判別関数を構築し、カルマンフィルタによって得られた予測位置を細分化し、具体的なステップは次の通りである。
【0049】
2.1)第1の画素の判別関数の数を定義して、具体的には次の通りである。
森林のシーンにおいて、煙及び火炎の色特徴は比較的に際立って、煙は一般的に白色、灰色及び黒色で現れ、一方、火炎は一般的に赤茶色、オレンジ色で現れる。従って、本発明は、煙及び火炎の色スペース特徴に基づいて、火炎及び煙ターゲットに対する第1の画素の判別関数を提出し、具体的な計算は次の通りである。
【数80】
式では、
【数81】
は、それぞれ火炎ターゲット及び煙ターゲットの判別関数であり、(x,y)は、画素座標を示し、f(x,y)、f(x,y)及びf(x,y)は、それぞれ当該画素ドットのHSIスペースチャンネルにおける値を示す。
【0050】
2.2)領域セット
【数82】
に亘って、ステップ2.1における第1の画素の判別関数を利用して、各領域内の画素ドットを判断し、Asm及びAfirにおける煙ターゲット及び火炎ターゲット領域内第1の画素の判別関数値が0である画素ドットを除去し、それによって新しい煙及び火炎ターゲット領域
【数83】
を取得する。
ステップ三:フレーム間差分法を用いて、A’sm又はA’fir
領域からずれる一部の煙又は火炎ターゲットを位置決め、具体的は次の通りである。
【0051】
3.1)ステップ二から得られたA’sm及びA’firに基づいて、It(x,y)及びIt-1(x,y)におけるA’sm領域が含まれる画像
【数84】
及びA’fir領域が含まれない画像
【数85】
を取得する
【0052】
3.2)フレーム差領域Dsm(x,y)及びDfir(x,y)を取得し、関連計算は次の通りである。
【数86】
【0053】
3.3)得られたDsm(x,y)及びDfir(x,y)に基づいて、閾値判断及びステップ2.1において提出された画素の判定ルールによって、第2の画素の判別関数を構築し、Dsm(x,y)及びDfir(x,y)における第2の画素判別の関数値が0である画素ドットを除去し、A’sm又はA’fir領域からずれる煙及び火炎領域Usm及びUfirを取得し、ここで、第2の画素の判別関数の計算プロセスは次の通りである。
【数87】
式では、Tは、運動領域の判断閾値であり、Usm及びUfirは、それぞれA’sm及びA’firからずれる煙及び火炎領域である。
【0054】
ステップ四:It(x,y)において
【数88】
に対してマスキングを行い、それによって、It(x,y)に対応する煙消去の画像
【数89】
又は火炎消去の画像
【数90】
を取得する。
【0055】
以上に説明された協調最適化フィードバックプロセスは、有煙無火の場合、煙が大きく火炎が小さい場合、及び煙と火炎がほぼ同じである場合における具体的な使用は次の通りである。
【0056】
(1)有煙無火の場合について、このような状況は、It-1(x,y)には煙ターゲットのみを検出したが火炎ターゲットを検出しなかったことを示し、このような状況は実際のシーンにおいて確かに存在する可能性があるが、煙に干渉されて火炎ターゲットの検出漏れが生じる可能性もある。上記のような状況を避けるために、It(x,y)画像の検出を行う時に、
【数91】
をバイナリネットワークにおける火炎検出分岐の入力として、一方、煙検出分岐は、依然としてIt(x,y)画像入力を維持する。
【0057】
(2)煙が大きく火炎が小さい場合について、このような状況は、It-1(x,y)には煙ターゲット及び火炎ターゲットが同時に検出されており、且つ煙ターゲットが占める領域の面積は、火炎ターゲットの面積よりも大きい場合を示し、実際のシーンにおける煙及び火炎関係に一致し、この後の検出の安定性を確保するために、It(x,y)の画像の検出を行う時に、
【数92】
をバイナリネットワークにおける煙検出分岐の入力とし、
【数93】
を火炎検出分岐の入力とする。
【0058】
(3)煙及び火炎がほぼ同じである場合について、このような状況は、It-1(x,y)には煙ターゲット及び火炎ターゲットが同時に検出されるが、煙ターゲットが占める領域面積と火炎ターゲット面積に殆ど差異がない場合を示し、このような状況は、実際のシーンに確かに存在するが、煙ターゲットの位置決めが正確ではないことが発生する可能性があり、煙ターゲットに対する識別の正確性を向上させるとともに、火炎ターゲットのこの後の検出の安定性を確保するために、It(x,y)の画像の検出を行う時に、煙が大きく火炎が小さい場合と同じように処理すればよい。
【0059】
協調強化フィードバックは、後処理操作として、主にバイナリネットワークの検出分岐における特徴図の重みを調整することにより、現フレームの結果の伝達を利用して次フレームの同じタイプのターゲットに対して存在する可能性のあるミス結果を修正することを実現する。ターゲットの検出プロセスにおいて、FCOSネットワークは、複数のFPN特徴図に対して重み付け融合を行い、ガウシアンの重み付けに基づく特徴融合方法を採用する。具体的な融合プロセスは次の通りである。
【数94】
式では、
【数95】
は、融合される特徴図であり、
【数96】
は、融合されたFPNのレイヤ総数であり、
【数97】
は、Fレイヤの(x,y)箇所における特徴ベクトルであり、ωは、1つのトレーニング可能な重みであり、トレーニングポリシーを通じた後に確定的に発生し、各特徴図の重要性を制御するために用いられ、Gx,y,lは、1つのガウシアンの重み付け関数であり、各特徴図に対して重み付けを行うために用いられ、ガウシアンの重み付け関数の形式は次の通りである。
【数98】
式では、x及びyは、Pレイヤの特徴図のスペース次元における中心位置であり、σは、ガウス分布の標準差である。この関数は、位置(x,y)から遠い特徴図に対して比較的に小さい重みを付与し、一方、位置(x,y)から近い特徴図に対して比較的に大きい重みを付与することを示す。
【0060】
無煙無火の場合、有火無煙の場合、煙が大きく火炎が小さい場合、煙が小さく火炎が大きい場合という4つの場合における協調フィードバック強化の具体的な使用は次の通りである。
【0061】
(1)It-1(x,y)が無煙無火の状況であると判断される場合、It(x,y)画像の検出を行う時に、バイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐及び火炎検出分岐におけるネットワークトレーニングによって発生されるFPNの各レイヤの特徴重みωに対して、無人航空機の巡回監視の高さの状況に応じてアダプティブ調整を行う必要があり、具体的な調整は次の通りである。
【0062】
先ず、高さに基づいて変化するレイヤの重みの調節因子
【数99】
を定義し、具体的な計算プロセスは次の通りである。
【数100】
ここで、huavは、現在の無人航空機の空撮の高さを示し、
【数101】
は、バイナリ協調ネットワークは無人航空機が平均の高さを採集するようにトレーニングすることを示し、lは、現在のFPNのレイヤ数を示す。
【0063】
そして、取得された
【数102】
に基づいて、バイナリ検出ネットワークの煙検出分岐及び火炎検出分岐におけるレイヤ特徴の融合重みωに対して新たに重みを付け、具体的な計算は次の通りである。
【数103】
ここで、
【数104】
は、特徴図の融合を行う必要があるFPNのレイヤ総数である。
【0064】
最後、重みが調整された後のバイナリ検出ネットワークは、この後のフレームの煙ターゲット又は火炎ターゲットを検出するために用いられ、この後のフレームには、有火無煙の状況、煙が大きく火炎が小さい状況、煙が小さく火炎が大きい状況が現れるまで、重みを再び調整する。
【0065】
(2)It-1(x,y)が有火無煙の状況であると判断される場合、実際のシーンにおける煙及び火炎の関係に一致しないため、It(x,y)の画像の検出を行う時に、現在の火炎ターゲットの検出結果に基づいて、バイナリ検出ネットワークにおける火炎分岐に対してフィードバック強化を行う必要があり、関連ステップは次の通りである。
【0066】
先ず、検出された複数の火炎ターゲットの識別確率に対してソーティングを行い、識別確率が最も小さい火炎ターゲットをSfirとし、対応する識別確率をPfirとし、
【0067】
次に、煙ターゲットのスケール回帰範囲に基づいて、Sfirに対してFPNレイヤのスケール位置決めを行い、FPNレイヤに位置決められたものを
【数105】
とし、
その後、識別確率Pfir及びターゲットの所望確率Pを利用して、重みを修正し、関連計算は次の通りである。
【数106】
【0068】
最後に、修正後のFPNレイヤの融合重みω’で、元の火炎検出分岐における重みを置き換えて、それによって、火炎検出分岐の次フレームの火炎ターゲットに対する検出能力を向上させる。
【0069】
(3)It-1(x,y)が煙が大きく火炎が小さい状況であると判断される場合、It(x,y)の画像の検出を行う時に、バイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐及び火炎検出分岐におけるFPNの各レイヤの特徴融合重みω及びガウシアンの重み付け関数Gx,y,lの標準差に対して、それぞれ調整を行う必要があり、具体的な調整は次の通りである。
【0070】
煙検出分岐Gx,y,lの修正について、まず、協調フィードバック強化モジュールによって、It(x,y)フレームにおける煙が現れる可能性のある領域
【数107】
が得られ、そして、
【数108】
領域に基づいて領域標準差σSMを計算し、最後に、σSMで元の標準差σ、を置き換えて、Gx,y,lの修正を実現する。
【0071】
煙検出分岐のωの修正について、先ず、有火無煙の状況と同様に、識別確率が最も小さい煙ターゲットSsm、対応する確率Psmを取得し、対応するFPNレイヤ
【数109】
の位置決めを行い、しかし、所望確率P及び識別確率Psmに基づいて重みωを修正する場合に相違があり、Psm≧Pである場合、煙識別が最も悪い状況であっても所望確率以上に達成することを代表し、即ちこの時のFPNレイヤの各レイヤの融合重みは比較的に適切であり、別途に調整する必要がなく、Psm<Pである場合、現在の特徴レイヤ
【数110】
を主体とする特徴図の融合効果は、依然として向上させる必要があるため、次の式を利用して調整を行う。
【数111】
【0072】
最後に、修正後のGx,y,l及びFPNレイヤの各レイヤの融合重みω’を利用して、煙検出分岐を調整する。
【0073】
同様に、上述した煙検出分岐の修正方式に従って、火炎検出分岐におけるGx,y,l及びω’を修正する。
【0074】
(4)It-1(x,y)が煙が小さく火炎が大きい状況であると判断される場合、このような状況は、煙の位置決めが正確ではなく、即ち、検出が不完全であるため発生された状況であり、It(x,y)の画像の検出を行う時に、バイナリ検出ネットワークにおける煙検出分岐のレイヤ融合重みωに対して、有火無煙の場合に火炎検出分岐におけるωに対する修正方式に従って調整する必要があり、一方、火炎検出分岐におけるωに対して、煙が大きく火炎が小さい場合に火炎検出分岐におけるωに対する修正方式に従って調整を行う。
【0075】
ステップ5:ステップ3によって得られた2つの検出分岐における検出結果に対して融合を行い、現フレームの検出カテゴリ及び対応する確率を出力し、そして、動画が終了するまで、この後のフレームについてステップ3~ステップ5の操作を循環する。
【0076】
同じ技術案に基づいて、本発明は、1つ又は複数のプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体をさらに開示し、前記1つ又は複数のプログラムはコマンドを含み、前記コマンドは、コンピューティング機器によって実行される時に、前記コンピューティング機器に以上に記載のバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法を実行させる。
【0077】
本発明は、バイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズの検出機器をさらに提供し、1つ又は複数のプロセッサ、1つ又は複数のメモリ、及び1つ又は複数のプログラムを含み、ここで、1つ又は複数のプログラムは、前記1つ又は複数のメモリに記憶されており、且つ前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されるように配置され、前記1つ又は複数のプログラムは、以上に記載のバイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法を実行するためのコマンドを含む。
【0078】
以上、図面を結び付けて本発明の実施の形態を詳しく説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、当業者が備える知識範囲内では、本発明の趣旨を逸脱しない前提で様々な変更を行うこともできる。
【要約】      (修正有)
【課題】バイナリ協調フィードバックに基づく無人航空機のスマートクルーズ検出方法及び機器を提供する。
【解決手段】方法は、取得したターゲット領域の画像に対して、煙タブ及び火炎タブをそれぞれ付し、煙トレーニングセット及び火炎トレーニングセットを構築するステップ1と、ステップ1における煙トレーニングセット及び火炎トレーニングセットを利用して、バイナリ検出ネットワークの構築及びトレーニングを行い、改善されたFCOSネットワークを基準とする煙検出分岐及び火炎検出分岐を含むステップ2と、トレーニングされたバイナリ検出ネットワークを用いて、リアルタイムで空撮して取得されたターゲット領域の動画の現フレームを検出し、煙検出分岐及び火炎検出分岐の検出結果を融合してから出力するステップ3と、ターゲット領域の動画が終了するまで、ステップ3を繰り返し、ターゲット領域の動画の次フレームを検出するステップ4と、を含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3