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特許7475749医療手術における縫合糸構造及び製造プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】医療手術における縫合糸構造及び製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/04 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
A61B17/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023181071
(22)【出願日】2023-10-20
【審査請求日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】202310693562.8
(32)【優先日】2023-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523399337
【氏名又は名称】二零二零(北京)医療科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】2020(Beijing)Medical Science&Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 2020, Building 1, Yard 11, Kechuang 14th Street, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】汪代文
(72)【発明者】
【氏名】王林忠
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-296796(JP,A)
【文献】特開2010-088895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04 - 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の芯糸(11)が集合して束となる糸端芯糸(100)と、
一端が前記糸端芯糸(100)の長さ方向に沿って前記糸端芯糸(100)に貼り付けるように設けられる接続セグメント(31)を有し、他端が前記糸端芯糸(100)の中央部位置で前記糸端芯糸(100)の外側方向へ延びて引き出される縫合接続糸(300)と、
糸端芯糸(100)の長さ方向に沿って前記糸端芯糸(100)、前記接続セグメント(31)に巻き付き、前記前記糸端芯糸(100)と前記接続セグメント(31)を一体に締め付け糸棒を形成する巻き付け糸(200)と、を含み、
前記芯糸(11)、前記巻き付け糸(200)及び前記縫合接続糸(300)はいずれも熱可塑性樹脂繊維材質を用い、
前記糸端芯糸(100)、前記巻き付け糸(200)及び前記縫合接続糸(300)は、それぞれ別体のものであり、
前記巻き付け糸(200)は第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を含み、前記第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)はいずれも前記糸端芯糸(100)の外周の一端から他端まで螺旋的に巻き付けられ、又は前記第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)はいずれも前記糸端芯糸(100)の中央部から前記糸端芯糸(100)の端部まで螺旋的に巻き付けられ、前記第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)は、前記糸端芯糸(100)に巻き付けられる開始箇所の巻き付け方向が逆であり、且つ両者は前記糸端芯糸(100)の外周面に順次交替で相手を押し付け、前記第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)は、前記糸端芯糸(100)に巻き付けられる終了箇所で、前記第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)の糸端を締め付けるための結び目を作り、
前記縫合接続糸(300)は前記糸端芯糸(100)の中央部位置において伸縮ループ(33)を有することを特徴とする医療手術における縫合糸構造。
【請求項2】
請求項に記載の縫合糸構造の製造プロセスであって、
糸端芯糸(100)を固定するステップであって、複数本の芯糸(11)を並べて糸端芯糸(100)に合成し、糸端芯糸(100)の両端をそれぞれ位置決め治具(400)に固着し芯糸(11)を緊張させるステップS1と、
縫合接続糸(300)を置くステップであって、糸端芯糸(100)の長さ方向に沿って延ばし糸端芯糸(100)に貼り付けられる接続セグメント(31)の位置する縫合接続糸(300)の一端を固定し、縫合接続糸(300)の他端が糸端芯糸(100)の中央部位置から前記糸端芯糸(100)の外側方向へ延ばして引き出されるステップS2と、
巻き付け糸(200)を編むステップであって、巻き付け糸(200)の一端を糸端芯糸(100)又は位置決め治具(400)に結び、続いて糸端芯糸(100)、接続セグメント(31)に螺旋的に引っ張って巻き付けて編み、糸端芯糸(100)、接続セグメント(31)を一体に締め付けて糸棒を形成するステップS3と、
位置決め治具(400)から糸棒の両端を取り外し、余分な糸を切断するステップS4と、を含み、
前記位置決め治具(400)は、支持ベースプレート(41)と、前記支持ベースプレート(41)に間隔を空けて固設された2つの位置決めポスト(42)と、を含み、2つの前記位置決めポスト(42)の中央部又は上部の対向する側にいずれも横向きのフック(43)が設けられ、2つの前記位置決めポスト(42)の互いに背向する側にそれぞれ水平方向に延びるゴムブロック(44)が設けられ、前記ゴムブロック(44)に糸を挟持するための挟持溝(441)が開設され、2つの前記位置決めポスト(42)におけるフック(43)は正対して設けられ、前記支持ベースプレート(41)上の1つの前記位置決めポスト(42)位置する側に取付けポスト(45)が固設され、前記取付けポスト(45)の上端に合金線ポスト(46)があり、上記ステップS1において、複数本の芯糸(11)は1本の糸又は複数本の糸が対向する2つの前記フック(43)に往復して巻き付けられて形成され、上記ステップS2において、縫合接続糸(300)は、前記ゴムブロック(44)の挟持溝(441)内に数周巻き付けることによって固定されることを特徴とする請求項に記載の縫合糸構造の製造プロセス。
【請求項3】
巻き付け糸(200)は第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を含み、ステップS1の前に、芯糸(11)、巻き付け糸(200)及び縫合接続糸(300)に対していずれも静電気除去処理を行い、ステップS3において、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)の一端を糸端芯糸(100)又は位置決め治具(400)に結び、続いて、第1の編糸(21)の他端を時計回りに沿って糸端芯糸(100)、接続セグメント(31)に螺旋的に巻き付けると共に、第2の編糸(22)の他端を反時計回りに沿って糸端芯糸(100)、接続セグメント(31)に螺旋的に巻き付け、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を、糸端芯糸(100)、接続セグメント(31)の外周面に順次交替で相手を押し付けて複数周巻き付け、その後、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を糸端芯糸(100)、接続セグメント(31)の外周面において同一方向又は異なる方向に螺旋的に巻き付け、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を糸端芯糸(100)の終了位置まで螺旋的に巻き付ける時、前記接続セグメント(31)を初期固定端に折り返して固定し、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を糸端芯糸(100)の中央部位置に向かって糸端芯糸(100)、接続セグメント(31)の折り返しセグメントに糸端芯糸(100)の中央部位置まで螺旋的に巻き付けた後、縫合接続糸(300)の他端を第1の編糸(21)と第2の編糸(22)との間の隙間から第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)の外側に延び出し、そして、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を最終位置まで巻き付ける時、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)の糸端を相互に締め付けることを特徴とする請求項に記載の縫合糸構造の製造プロセス。
【請求項4】
ステップS3において、前記第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を中央部位置から前記糸端芯糸(100)に巻き付けられる開始箇所まで螺旋的に巻き付け続けた後、糸端芯糸(100)の中央部位置両側の直径の太さ状況に応じて、糸端芯糸(100)の中央部の片側の部分で巻き付け続けるか否かを判断し、糸端芯糸(100)両側の直径が等しと、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を前記最終位置まで巻き付け、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)の糸端を相互に締め付けることを特徴とする請求項に記載の縫合糸構造の製造プロセス。
【請求項5】
上記ステップS2において、前記縫合接続糸(300)の直径は前記第1の編糸(21)の直径及び第2の編糸(22)の直径より大きく、前記縫合接続糸(300)の端部を前記位置決め治具(400)に固着し、又は糸端芯糸(100)の一端の位置に結ぶことを特徴とする請求項に記載の縫合糸構造の製造プロセス。
【請求項6】
上記ステップS3において、まず、1本の糸を半分に折った後、複数本の芯糸(11)で構成される糸端芯糸(100)の一端の位置に結び、1本の糸を半分に折った2つの部分はそれぞれ第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)であり、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を反対方向に沿って糸端芯糸(100)に交替で螺旋的に巻き付け、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)をいずれも複数周巻き付けた後、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)をさらに同一方向に沿って第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を巻き付ける終了箇所の位置まで巻き付けることを特徴とする請求項に記載の縫合糸構造の製造プロセス。
【請求項7】
上記ステップS3において、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を終了位置まで巻き付ける時、まず、第1の編糸(21)を1つのループを残した後に糸端芯糸(100)の長さ方向に沿って直線的に延ばし、続いて第2の編糸(22)を糸端芯糸(100)及び第1の編糸(21)に1mm~1.5mmの距離の被覆層として巻き付けた後に返して上記ループに通し、最後に第1の編糸(21)を引っ張って上記ループを縮小させ且つ第2の編糸(22)を上記1mm~1.5mmの距離の被覆層内に引き、それにより第1の編糸(21)と第2の編糸(22)との相互締めを実現し、
上記ステップS3において、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を編んで糸端を締め付ける時、第1の編糸(21)に残されたループを合金線ポスト(46)に嵌め、第2の編糸(22)が当該ループを通過した後、第1の編糸(21)を引っ張り、ループを合金線ポスト(46)から離脱させ、前記合金線ポスト(46)は曲がって前記糸端芯糸(100)に延びることができることを特徴とする請求項に記載の縫合糸構造の製造プロセス。
【請求項8】
上記ステップS3において、前記第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を前記中央部位置に向かって前記中央部位置まで螺旋的に巻き付ける時、縫合接続糸(300)を第1の編糸(21)と第2の編糸(22)との間の隙間から第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)の外側に延び出し、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を複数周螺旋的に巻き付け続けた後、縫合接続糸(300)を再び糸端芯糸(100)に締め付け、第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)を複数周螺旋的に巻き付け続けて縫合接続糸(300)糸端芯糸(100)に被覆し、縫合接続糸(300)を第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)の外側にラップ(32)を形成するようにし、そして、縫合接続糸(300)を再び第1の編糸(21)及び第2の編糸(22)の外側に延び出し、縫合接続糸(300)を折り返してラップ(32)に通し、伸縮ループ(33)を形成することを特徴とする請求項に記載の縫合糸構造の製造プロセス。
【請求項9】
前記支持ベースプレート(41)上の1つの前記位置決めポスト(42)位置する一側に取付けポスト(45)が固設され、前記取付けポスト(45)の上端に合金線ポスト(46)があり、上記ステップS3において、伸縮ループ(33)を編む時、縫合接続糸(300)により形成されたラップ(32)を合金線ポスト(46)に嵌め、縫合接続糸(300)がラップ(32)を貫通した後、ラップ(32)を合金線ポスト(46)から離脱させることを特徴とする請求項に記載の縫合糸構造の製造プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は医療用品の技術分野に関し、特に、医療手術における縫合糸構造及び製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
医療手術において、常に縫合糸を用いて組織の裂け目又は手術の切り口を縫合する必要があり、浅層組織は一本の縫合糸で縫合を完成することができるが、深層組織は、一本の縫合糸が組織の裂け目又は手術の切り口の両側を貫通することを実現することができない。例えば、脊ポスト外科における、線維輪組織内の髄核が裂け目により飛び出したり突出したりすることによる椎間板ヘルニアの手術では、突出した髄核を摘出した後の減圧手術を終えた後、組織の裂け目又は手術の切り口を如何に縫合するかが、突破し難い技術的難題となっている。ここでの組織の裂け目又は手術の切り口の位置が脊髄と神経に近く、また操作空間がないため、専用の縫合針を用いて一本の縫合糸を傷口の一側から導入してから他側に通すことを実現できない。従来技術では、X-close技術を用いて縫合を完了するが、体内に金属異物又はPEEK材料が残留されることにより組織拒絶及び神経圧迫を引き起こしやすくて広く応用できない。中国特許出願CN114699217Aには、二本針で穿刺し、ガイドワイヤにより二本の異なる縫合糸を動かし、自動結びの方式で安全な縫合を完了するものが開示されている。しかし、この従来技術では、操作空間に制限されて、開放や小開窓など、少数の手術方式しかにおいて実施できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
深層組織の手術における組織の裂け目又は手術の切り口の縫合に対する利便性を向上し人体への傷害を低減するために、本願は医療手術における縫合糸構造及び製造プロセスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、本願は、
少なくとも1本の芯糸が集合して束となる糸端芯糸と、
一端が前記糸端芯糸の長さ方向に沿って前記糸端芯糸に貼り付けるように設けられる接続セグメントを有し、他端が前記糸端芯糸の中央部位置で前記糸端芯糸の外側方向へ延びて引き出される縫合接続糸と、
糸端芯糸の長さ方向に沿って前記糸端芯糸、前記接続セグメントに巻き付き、締め付けて一体に吸着して糸棒を形成する巻き付け糸と、を含み、
前記芯糸、前記巻き付け糸及び前記縫合接続糸はいずれも熱可塑性樹脂繊維材質を用いる医療手術における縫合糸構造を提供する。
【0005】
上記技術的解決手段を採用することにより、糸端芯糸は複数本の芯糸で構成され、緊張状態で巻き付け糸が緊密に巻き付けられ、糸端芯糸とそれに巻き付いた巻き付け糸は十分な硬度と支持強度を有する位置決め構造を形成し、縫合接続糸は一端が糸端芯糸内に巻き付けられることにより糸端芯糸と一体に接続され、縫合接続糸の他端は十分な可撓性を有し、人体組織を貫通して組織の裂け目又は手術の切り口を縫合し、結び固定するために用いられる。巻き付け糸の外側を貫通する縫合接続糸と糸端芯糸は1つの「T」字形構造を形成する。
【0006】
第2の態様では、本願は、
糸端芯糸を固定するステップであって、複数本の芯糸を並べて糸端芯糸に合成し、糸端芯糸の両端をそれぞれ位置決め治具に固着し芯糸を緊張させるステップS1と、
縫合接続糸を置くステップであって、糸端芯糸の長さ方向に沿って延ばして糸端芯糸に貼り付けられる接続セグメントの位置する縫合接続糸の一端を固定し、縫合接続糸の他端を糸端芯糸の中央部位置から前記糸端芯糸の外側方向へ延ばして引き出すステップS2と、
巻き付け糸を編むステップであって、巻き付け糸の一端を糸端芯糸又は位置決め治具に結び、続いて糸端芯糸、接続セグメントに螺旋的に引っ張って巻き付けて編み、糸端芯糸、接続セグメントを締め付けて一体に吸着して糸棒を形成するステップS3と、
位置決め治具から糸棒の両端を取り外し、余分な糸を切断するステップS4と、を含む医療手術における縫合糸構造の製造プロセスを提供する。
【0007】
上記技術案を採用することにより、複数本の芯糸を並べて糸端芯糸に合成し、それにより、糸端芯糸は十分な直径及び支持硬度を有し、位置決め治具によりそれを緊張させた後に巻き付け糸を編み、巻き付け糸は芯糸で構成された糸端芯糸に被覆され、巻き付け糸は巻き付ける時に一定の引張力を保持し、それにより、巻き付け糸が一定の被覆力を有することを保証する。さらに、縫合糸構造の端部が十分な支持硬度を有し、手術対象組織の内側に安定的に係止でき、変形後の脱落が発生しないことを保証する。縫合接続糸が巻き付け糸によって糸端芯糸に巻き付けられることにより、縫合接続糸と糸端芯糸との固着を実現し、このような接続方式は非常に安定し、且つ糸端芯糸の中央部で結ばず、糸端芯糸の直径が均一で一致することを保証する。
【発明の効果】
【0008】
以上をまとめると、本願は以下の有益な技術的効果の少なくとも1つを含む。
1、本願における縫合糸構造の端部は「T」字形構造となり、このような縫合糸は縫合対象となる組織の裏層で傷口の一側から他側へ回る必要がなく、手術操作の難易度を低下させる。
2、本願における縫合糸構造は純粋な糸の材質を用い、組織治癒に悪影響と拒絶がない。
3、本願における縫合糸構造は、特殊な編みプロセスを用いて端部のストッパ構造を形成し、純粋な糸を編んで一体成形され、それは十分な支持硬度及び強度を有し、且つ接着剤を使用する必要がなく、人体に傷害を及ぼし、より健康で衛生的である。
4、本願における縫合糸構造は材料、編み方法、サイズを丹精こめて選択し、糸端芯糸がほぐれないことを保証し、全体構造がコンパクトであり、糸端芯糸の直径が均一であり、接続がしっかりとされ、十分な硬度、引張強度及び支持強度を有する。
5、技術の応用上、操作空間の制限を突破し、様々な低侵襲手術方式と器械に対応する要件を満たすことができ、手術適応症の範囲を大幅に広げ、現在の10%から90%以上に上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1における縫合糸構造の立体構造の概略図である。
図2】実施例2における縫合糸構造の立体構造の概略図である。
図3】実施例3における位置決め治具の立体構造の概略図である。
図4】実施例6における位置決め治具の立体構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図4に合わせて本願についてさらに詳細に説明する。
【0011】
(実施例1)
図1に示すように、医療手術における縫合糸構造は、芯糸11と、巻き付け糸200と、縫合接続糸300と、を含み、縫合接続糸300は、1本の糸を半分に折って形成された第1の編糸21及び第2の編糸22を含み、芯糸11、第1の編糸21、第2の編糸22及び縫合接続糸300はいずれも複数本の単糸を合わせて織ってなされる。単糸は、高極性の熱可塑性樹脂又は非極性の熱可塑性樹脂であり、それは十分な強度を有し、巻き付けのプロセスにおいて切れないことを保証することができ、十分な柔軟性及び一定の弾性も有し、また、吸着性又は粘性を有し、巻き付けのプロセスにおいて巻き締めることができるとともに巻き付けを一時停止した場合に他の動作を行う時に、糸が緩むことを保証し、このとき、巻き付け終わった糸の緩み程度が大きくなく、再び引っ張ることにより緩んだ糸を再び引っ張ることができる。例えば、単糸はポリエチレン繊維材料で製造され又はポリエステル繊維材料で製造されてもよく、ポリエチレン材料で製造された単糸間は一定の吸着性を有し、且つ超高い引張強度を有し、また、それは人体に無害で、術後に快適である。第1の編糸21及び第2の編糸22が用いる単糸の本数は、縫合接続糸300が用いる単糸の本数より少なく、又は第1の編糸21及び第2の編糸22が用いる単糸の直径は、縫合接続糸300が用いる単糸の直径より小さく、すなわち、第1の編糸21及び第2の編糸22の直径はいずれも縫合接続糸300の直径より小さい。
【0012】
図1に示すように、複数本の芯糸11が並んで設けられて糸端芯糸100に合成され、複数本の芯糸11は、1本の糸を折り返すことで形成されてもよく、最終的になる糸端芯糸100の直径は、第1の編糸21及び第2の編糸22の直径より遥かに大きく、縫合接続糸300の直径は第1の編糸21及び第2の編糸22の直径より大きく、糸端芯糸100の直径は、縫合接続糸300の直径より大きくてもよい。第1の編糸21及び第2の編糸22はいずれも糸端芯糸100の外周の一端から他端まで螺旋的に巻き付け、第1の編糸21及び第2の編糸22の糸端芯糸100に巻き付けられる開始箇所の巻き付け方向が逆であり、且つ両者は糸端芯糸100の外周面に順次交替で相手を押し付け、第1の編糸21と第2の編糸22の糸端芯糸100に巻き付けられる終了箇所に第1の編糸21及び第2の編糸22の糸端を締めるために用いられる相互締め構造が設けられ、縫合接続糸300の一端は接続セグメント31を有し、接続セグメント31は糸端芯糸100の長さ方向に沿って設けられ、第1の編糸21及び第2の編糸22は接続セグメント31を糸端芯糸100に巻き付け、縫合接続糸300の他端は糸端芯糸100の中央部位置で第1の編糸21と第2の編糸22との間の隙間から貫通し糸端芯糸100の外側方向へ延びる。
【0013】
第1の編糸21及び第2の編糸22は同一の糸を半分に折った後に接続端を切断して形成され、このように、第1の編糸21及び第2の編糸22が糸端芯糸100に巻き付けられる開始箇所で結びやすく、第1の編糸21及び第2の編糸22の糸端が緩んで脱落すること、及び第1の編糸21と第2の編糸22の巻き付けを開始する時の回転を防止する。糸端芯糸100に巻き付けられる開始箇所で、第1の編糸21及び第2の編糸22は反対方向に沿っていずれも5周~8周巻き付けられ、このように、両者が相互に相手を押し付け、第1の編糸21及び第2の編糸22を巻き付ける時に、それらが糸端芯糸100を回って回転することを防止し、製造に不利であり、また、第1の編糸21と第2の編糸22とのつながる一端が切断された後、両者の糸端が緩むことも防止する。そして、第1の編糸21及び第2の編糸22は同一方向に沿って第1の編糸21及び第2の編糸22の糸端芯糸100に巻き付けられる終了箇所まで巻き付けられ、第1の編糸21と第2の編糸22が同一方向に沿って巻き付けられることは取り扱いやすく、それにより、縫合糸構造の加工効率を向上させることができる。当然のことながら、第1の編糸21及び第2の編糸22は常に反対方向に沿って第1の編糸21及び第2の編糸22の糸端芯糸100に巻き付けられる終了箇所まで巻き付けられてもよい。
【0014】
その実施原理は以下のとおりである。糸端芯糸100は複数本の芯糸11で構成され、緊張状態で第1の編糸21及び第2の編糸22が緊密に巻き付けられ、糸端芯糸100とそれに巻き付いた第1の編糸21及び第2の編糸22は十分な硬度と支持強度を有する位置決め構造を形成し、縫合接続糸300の一端は糸端芯糸100内に巻き付けられ、それにより糸端芯糸100と一体に接続され、縫合接続糸300の他端は十分な可撓性を有し、人体組織を貫通して傷口を縫合し、結び固定するために用いられる。第1の編糸21及び第2の編糸22の外側を貫通する縫合接続糸300は糸端芯糸100と1つの「T」字形構造を形成し、糸端芯糸100及びそれに付随する第1の編糸21、第2の編糸22、縫合接続糸300の接続セグメント31は「T」字形構造の上方の横となり、「T」字形構造の上方の横は一定の硬度を有し、それは1つの棒体として縫合手術において支持と位置決めの役割を果たし、縫合糸構造が縫合組織から離脱することを防止し、縫合接続糸300の糸端芯糸100に縛られない部分は「T」字形構造の下方の縦とし、当該「T」字形構造の下方の縦は一定の柔軟性を有し、それは接続糸として縫合組織の外側で縫合糸構造と結んだ後に傷口を閉じる。
【0015】
繊維輪上の傷口を縫合することを例とし、具体的には、この縫合糸構造を使用する時、縫合糸構造全体の糸端芯糸100を有する一端を穿刺針内に置き、穿刺針を傷口の一側の繊維輪組織から繊維輪の内側に刺入し、続いて穿刺針におけるプッシュロッドを利用して糸端芯糸100の一端を穿刺針から押し出し、最後に穿刺針を取り外し、このように穿刺針を利用して糸端芯糸100の一端を縫合対象となる繊維輪内に移送することができ、糸端芯糸100の「T」字形構造により、縫合糸構造の端部は繊維輪の内側で離脱することがなく、同様に、繊維輪の傷口の他方側にも縫合糸構造が埋め込まれ、2つの縫合糸構造は繊維輪の外側で結び、それにより傷口両側の組織を貼り合わせ、固定を保持する。
【0016】
本願において複数本の芯糸11が並んで設けられて糸端糸芯100に合成され、縫合接続糸300が上記構造を用いて糸端糸芯100に編んで接続されることにより、糸端糸芯100の両端がほぐれないことを保証し、構造がコンパクトであり、糸端糸芯100の直径が均一であり、且つ縫合接続糸300と糸端糸芯100との間の接続が安定的である。また、製造された糸端芯糸100は十分な硬度と支持強度を有し、縫合接続糸300も可撓性要件を満たす前提で十分な接続強度を有することを保証できる。
【0017】
なお、本願において第1の編糸21及び第2の編糸22は、糸端芯糸100に緊密に被覆され、図1において第1の編糸21及び第2の編糸22と糸端芯糸100との間の隙間は表示及び説明を容易にするためのものに過ぎず、実際の製品のパターンではない。
【0018】
(実施例2)
図2に示すように、本実施例は実施例1とほぼ同じであり、相違点は以下のとおりである。本実施例における縫合接続糸300は糸端芯糸100の中央部位置に蝶結びとなる伸縮ループ33を有する。手術中に、伸縮ループ33付きの縫合糸構造は、伸縮ループ33のない縫合糸構造と合わせて使用し、伸縮ループ33のない縫合糸構造における縫合接続糸300は、もう1つの縫合糸構造における伸縮ループ33を貫通し、続いて2本の縫合接続糸300を引っ張ると、自己締め付け式の結びを実現し且つ2本の糸を締め付けることを保証することができる。
【0019】
(実施例3)
本実施例は、上記実施例1における縫合糸構造を製造するための製造プロセスを提供し、当該製造プロセスは、位置決め治具400を使用し、図3に示すように、当該位置決め治具400は支持ベースプレート41と、支持ベースプレート41に間隔的に固設された2つの位置決めポスト42と、を含み、2つの位置決めポスト42における対向する側にはいずれも横向きのフック43が設けられ、2つの位置決めポスト42におけるフック43は正対して設けられ、2つの位置決めポスト42における離れた側にはいずれも横向きのゴムブロック44が設けられ、ゴムブロック44に糸を挟持するための挟持溝441が開設され、2つの位置決めポスト42の上端にはいずれも蝶ボルト47が設けられる。
【0020】
本実施例における製造プロセスは以下のステップS0~S4を含む。
【0021】
S0において、芯糸11、巻き付け糸200及び縫合接続糸300に対して静電気除去処理を行い、例えば、イオンファンでそれらに対してイオン気流を吹き付け、それにより静電気除去処理を行ってもよい。
【0022】
S1において、糸端芯糸100を固定する。複数本の芯糸11を並べて糸端芯糸100に合成し、糸端芯糸100の両端をそれぞれ位置決め治具400に固着し、芯糸11を緊張させ、複数本の芯糸11は独立した糸の両端がそれぞれ2つの位置決めポスト42に固着されてもよく、1本の糸又は複数本の糸が対向する2つのフック43に往復して巻き付けられて形成されてもよい。例えば、1本の糸を半分に折った後後、一端を1つの位置決めポスト42のフック43に掛け、他端で形成された2本の糸を2つのフック43に往復して巻き付け、所望の糸経路に達した後、糸の端部をゴムブロック44の挟持溝441内に挟み、ゴムブロック44の変形力を利用して糸端の挟持固定を実現し、このように、芯糸11を便利で迅速に固定し、糸端芯糸100を形成することができ、また、糸端芯糸100の直径を容易に調整することができる。
【0023】
S2において、縫合接続糸300を置く。縫合接続糸300の一端を固定し、他端を糸端芯糸100の直線方向に沿って糸端芯糸100の中央部位置へ延ばし糸端芯糸100に吸着する。
【0024】
S3において、第1の編糸21及び第2の編糸22を巻き付ける。1本の糸を糸端芯糸100に結び、半分に折った2つの部分はそれぞれ第1の編糸21及び第2の編糸22であり、第1の編糸21を時計回りに糸端芯糸100に螺旋的に巻き付けるとともに、第2の編糸22を反時計回りに糸端芯糸100に螺旋的に巻き付け、第1の編糸21と第2の編糸22は、糸端芯糸100の外周面において順次交替で相手を押し付け、第1の編糸21及び第2の編糸22を糸端芯糸100の終了位置まで螺旋的に巻き付ける時、縫合接続糸300を初期固定端に折り返して固定し、第1の編糸21及び第2の編糸22を反対方向に向かって糸端芯糸100の中央部位置まで螺旋的に巻き付ける時、縫合接続糸300を第1の編糸21と第2の編糸22との間の隙間から第1の編糸21及び第2の編糸22の外側に延び出し、第1の編糸21及び第2の編糸22を開始位置まで螺旋的に巻き付け続けた後、糸端芯糸100の中央部位置の両側の直径の太さ状況に応じて、糸端芯糸100の中央部の片側の部分で巻き付け続けるか否かを判断し、糸端芯糸100の両側の直径が等しい又は近似すると、第1の編糸21及び第2の編糸22の糸端を相互に締め付け、第1の編糸21及び第2の編糸22を終了位置まで巻き付けて結ぶ時、まず、第1の編糸21を1つのループを残した後に糸端芯糸100の長さ方向に沿って直線的に延ばし、ほぐれないようにループを蝶ボルト47に一時的に嵌め、続いて第2の編糸22を、糸端芯糸と第1の編糸に1mm~1.5mmの距離の被覆層を巻き付けた後に返して上記ループに通し、最後に、第1の編糸21を引っ張って上記ループを縮小させ且つ第2の編糸を上記1mm~1.5mmの距離の被覆層内に引き、それにより、第1の編糸21と第2の編糸22との相互締めを実現し、このように、第1の編糸21と第2の編糸22の相互締めを実現しやすく、また、糸端芯糸100に大きな結び突起を残さず且つ第1の編糸21と第2の編糸22を切断した後に巻き付けられた糸が緩まないことを確保する。第1の編糸21及び第2の編糸22の外側を貫通する縫合接続糸300と糸端芯糸100は1つの「T」字形構造を形成する。糸端芯糸100及びそれに付随する第1の編糸21、第2の編糸22、縫合接続糸300の接続セグメント31は「T」字形構造の上方の横となり、「T」字形構造の上方の横は一定の硬度を有し、それは1つの棒体として縫合手術において支持と位置決めの役割を果たし、縫合糸構造が縫合組織から離脱することを防止し、縫合接続糸300の糸端芯糸100に縛られない部分は「T」字形構造の下方の縦とし、当該「T」字形構造の下方の縦は一定の柔軟性を有し、それは接続糸として縫合組織の外側で縫合糸構造と結んだ後に組織の裂け目又は手術の切り口を閉じる。
【0025】
S4において、位置決め治具400から糸端芯糸100の両端を取り外し、必要な長さに応じて余分な糸を切断し、このプロセスでは、第1の編糸21及び第2の編糸22の両端に糸端を締め付ける機能を有する関連構造を残すように注意する必要がある。
【0026】
本実施例における縫合接続糸300の直径が第1の編糸21の直径及び第2の編糸22の直径より大きく、縫合接続糸300の端部が糸端芯糸100の一端の位置に結ばれ、具体的な位置は、縫合糸に必要なヘッドストッパ構造の長さによって決定される。第1の編糸21及び第2の編糸22は、糸端芯糸100を縛って、一定の硬度を有する棒体にすることを主な役割とし、また、縫合接続糸300の一端を糸端芯糸100に巻き付けて縛って接続するために用いられ、そのため、第1の編糸21及び第2の編糸22は細い糸を用いることができ、このように、第1の編糸21の直径及び第2の編糸22の直径が小さく、結ぶ時に糸端芯糸100に大きな突起を残すことはなく、縫合接続糸300は傷口両側の組織を閉じる必要があり、一定の引張力を受ける必要があり、そのため、太い糸を用い、その接続強度を保証し、上記特殊な接続構造を用いることにより、縫合接続糸300は糸端芯糸100に大きな突起を残すこともない。
【0027】
さらに、上記ステップS3では、まず、1本の糸を半分に折った後、複数本の芯糸11で構成される糸端芯糸100の一端の位置に結び、第1の編糸21及び第2の編糸22を反対方向に沿って交替で糸端芯糸100に螺旋的に巻き付け、第1の編糸21及び第2の編糸22をいずれも5周~8周巻き付けた後、第1の編糸21及び第2の編糸22をさらに同一方向に沿って第1の編糸21及び第2の編糸22の巻き付けられる終了箇所の位置まで巻き付け、第1の編糸21及び第2の編糸22を反対方向に沿って5周~8周巻き付けると両者の巻き付けプロセスにおける回転及び糸端の緩みを効果的に防止することができ、このとき、第1の編糸21及び第2の編糸22を同一方向に沿って巻き付けることが操作しやすく、それにより縫合糸構造の加工効率を向上させる。
【0028】
その実施原理は以下のとおりである。複数本の芯糸11を並べて糸端芯糸100に合成することにより、糸端芯糸100は十分な直径及び支持硬度を有し、位置決め治具400はそれを緊張させた後に第1の編糸21及び第2の編糸22を巻き付け、第1の編糸21及び第2の編糸22を芯糸11で構成された糸端芯糸100に被覆し、第1の編糸21及び第2の編糸22を巻き付ける時に一定の引張力を有するように保持し、それにより第1の編糸21及び第2の編糸22が一定の被覆力を有することを保証する。さらに、縫合糸構造の端部が十分な支持硬度を有し、手術対象組織の内側に安定的に係止でき、変形後の脱落が発生しないことを保証する。縫合接続糸300が第1の編糸21及び第2の編糸22によって糸端芯糸100に巻き付けられることにより、縫合接続糸300と糸端芯糸100との固着を実現し、このような接続方式は非常に安定し、且つ糸端芯糸100の中部で結ばず、糸端芯糸100の直径の均一と一致を保証する。
【0029】
(実施例4)
本実施例は実施例3とほぼ同じであり、相違点は以下のとおりである。本実施例における縫合接続糸300の接続セグメント31の端部を位置決め治具400に直接固着してもよく、すなわち、縫合接続糸300の両端をいずれも位置決め治具400に固着する。縫合接続糸300の両端もいずれも2つの位置決めポスト42のフック43に巻き付け、又は縫合接続糸300をゴムブロック44の挟持溝441内に2周~3周巻き付けることによって固定を実現し、それを糸端芯糸100に貼り付け、縫合接続糸300と糸端芯糸100の両者の長さ方向を一致性に保持し、続いて第1の編糸21及び第2の編糸22を糸端芯糸100の中央部に巻き付ける時、縫合接続糸300の接続セグメント31から離れた一端を緩め、縫合接続糸300を糸端コア100から離脱させ、第1の編糸21及び第2の編糸22を終了するまで糸端芯糸100に巻き付け続け、縫合接続糸300を第1の編糸21及び第2の編糸22の間に通し、最終的に「T」字形構造を形成する。
【0030】
(実施例5)
図2に示すように、本実施例は実施例3又は実施例4とほぼ同じであり、相違点は以下のとおりである。本実施例では、上記ステップS3において、第1の編糸21及び第2の編糸22を反対方向において中央部位置まで螺旋的に巻き付ける時、縫合接続糸300を第1の編糸21と第2の編糸22との間の隙間から第1の編糸21及び第2の編糸22の外側に延び出し、第1の編糸21及び第2の編糸22を1周~3周螺旋的に巻き付け続けた後、縫合接続糸300を再び糸端芯糸100に吸着し、第1の編糸21及び第2の編糸22を1周~3周螺旋的に巻き付け続けて縫合接続糸300を糸端芯糸100に被覆し、縫合接続糸300を第1の編糸21及び第2の編糸22の外側にラップ32を形成するようにし、そして、縫合接続糸300を再び第1の編糸21及び第2の編糸2の外側に延び出し、縫合接続糸300を折り返してラップ32に通し、伸縮ループ33を形成し、最後に上記実施例2における伸縮ループ33付きの縫合糸構造を形成する。
【0031】
縫合手術のたびに、伸縮ループ33付きの縫合糸構造を、伸縮ループ33のない縫合糸構造と一組の縫合糸を形成して組み合わせて使用し、伸縮ループ33のない縫合糸構造における縫合接続糸300を、もう1つの縫合糸構造における伸縮ループ33に通し、続いて2本の縫合接続糸300を引っ張ると、自己締め式の結びを実現し且つ2本の糸の締め付けを保証することができ、非常に便利である。
【0032】
(実施例6)
図4に示すように、本実施例は実施例3又は実施例4又は実施例5とほぼ同じであり、相違点は以下のとおりである。本実施例では、支持ベースプレート41上の1つの位置決めポスト42に位置する側に取り付けポスト45が固設され、取り付けポスト45の上端に合金線ポスト46があり、上記ステップS3において、第1の編糸21及び第2の編糸22を編んで糸端を締め付ける時、第1の編糸21に残されたループを合金線ポスト46に嵌め、第2の編糸22が当該ループを通過した後、第1の編糸21を引っ張り、ループを合金線ポスト46から離脱させ、あるいは、実施例5における伸縮ループ33を編む時、縫合接続糸300に形成されたラップ32を合金線ポスト46に嵌め、ラップ32に縫合接続糸300を通した後、ラップ32を合金線ポスト46から離脱させる。合金線ポスト46を利用してループ又はラップを引っ張ることを補助でき、緩み、収縮などの現象の発生を効果的に回避する。
【0033】
合金線ポスト46は十分な支持強度を有するだけでなく、また一定の靭性を有し、合金線ポスト46にループ又はラップ32を嵌設した後、外力を加えて合金線ポスト46を曲げて糸端芯糸100に延ばし、ループ又はラップ32の大きさを調整することができ、また、ループ又はラップ32が最後に合金線ポスト46から滑りやすく、非常に便利である。
【0034】
本具体的な実施形態の実施例はいずれも本願の好ましい実施例であり、本願の保護範囲を限定するものではなく、ここで、同一の部品には同一の符号を付している。そのため、本願の構造、形状、原理に基づいて行われる等価変化は、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0035】
100...糸端芯糸、11...芯糸、200...巻き付け糸、21...第1の編糸、22...第2の編糸、300...縫合接続糸、31...接続セグメント、32...ラップ、33...伸縮ループ、400...位置決め治具、41...支持ベースプレート、42...位置決めポスト、43...フック、44...ゴムブロック、441...挟持溝、45...取付けポスト、46...合金線ポスト、47...蝶ボルト。
【要約】      (修正有)
【課題】医療手術における縫合糸構造及び製造プロセスを提供する。
【解決手段】本願は医療手術における縫合糸構造及び製造プロセスに関し、前記縫合糸構造は糸端芯糸、巻き付け糸及び縫合接続糸を含み、糸端芯糸は少なくとも1本の芯糸が集合して束となり、縫合接続糸の一端は接続セグメントを有し、接続セグメントは糸端芯糸の長さ方向に沿って前記糸端芯糸に貼り付けるように設けられ、縫合接続糸の他端は糸端芯糸の中央部位置で糸端芯糸の外側方向へ延びて引き出され、巻き付け糸は糸端芯糸の長さ方向に沿って糸端芯糸、接続セグメントに巻き付き、締め付けて一体に吸着して糸棒を形成し、芯糸、巻き付け糸及び縫合接続糸はいずれも熱可塑性樹脂繊維材質を用いる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4