(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】サイドフォールディング装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/105 20210101AFI20240422BHJP
H01M 50/126 20210101ALI20240422BHJP
H01M 50/121 20210101ALI20240422BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20240422BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20240422BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
H01M50/105
H01M50/126
H01M50/121
H01M50/119
H01M10/058
H01M10/04 Z
(21)【出願番号】P 2022550816
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 KR2021011608
(87)【国際公開番号】W WO2022065720
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2022-08-23
(31)【優先権主張番号】10-2020-0123360
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0000522
(32)【優先日】2021-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】グン・ヒ・キム
(72)【発明者】
【氏名】セ・ヨン・オ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ミン・ハ
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ス・パク
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2104319(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1766966(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0024755(KR,A)
【文献】特開2001-283799(JP,A)
【文献】特開2004-014445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/105
H01M 50/126
H01M 50/121
H01M 50/119
H01M 10/058
H01M 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチ型二次電池の電池ケースのカップ部の外側に延長形成されたサイドをフォールディングするサイドフォールディング装置であって、
プレート形状を有し、前記サイドに隣接するように、前記二次電池の長さ方向に長く配置されるボディーを含み、
前記ボディーは、
一側に位置し、前記サイドの相対的に内側に位置する内側部を加熱する加熱部と、
他側に位置し、前記サイドの相対的に外側に位置する外側部を加圧する加圧部とを含み、
前記加熱部が前記内側部を加熱すると、前記ボディーが回転して前記加圧部が前記外側部を加圧する、サイドフォールディング装置
において、
前記サイドの内側部は、シーリングされておらず、前記サイドの外側部は、シーリングされており、
前記サイドは、
相対的に外側端部により近い位置でフォールディングされた第1フォールディング部と、
相対的にカップ部により近い位置でフォールディングされた第2フォールディング部とを含み、
前記サイドは、前記第1フォールディング部を基準に、170゜~180゜の角度でフォールディングされており、
前記サイドは、前記第2フォールディング部を基準に、85゜~95゜の角度でフォールディングされており、
前記加熱部は、165℃~220℃の温度で前記内側部を加熱し、
前記加熱部は、1秒~3秒の時間にわたって前記内側部を加熱し、
前記電池ケースは、パウチフィルムを成形して製造され、
前記パウチフィルムは、
第1ポリマーで製造され、最内層に形成されるシーラント層と、
第2ポリマーで製造され、最外層に形成される表面保護層と、
合金番号AA80XX系のアルミニウム合金を含む金属で製造され、前記表面保護層と前記シーラント層との間に積層されるガスバリアー層とを含み、
前記ガスバリアー層は、厚さが50~80μmであり、
前記シーラント層は、厚さが60~100μmである、サイドフォールディング装置。
【請求項2】
前記サイドは、前記カップ部に接着されず、前記内側部でフォールディングされる、請求項
1に記載のサイドフォールディング装置。
【請求項3】
前記サイドは、前記カップ部の外壁に接触してフォールディングされる、請求項
2に記載のサイドフォールディング装置。
【請求項4】
前記第1フォールディング部は、前記外側部に位置し、
前記第2フォールディング部は、前記内側部に位置する、請求項
1に記載のサイドフォールディング装置。
装置。
【請求項5】
前記サイドは、前記第2フォールディング部を基準に、88゜~92゜の角度でフォールディングされている、請求項
1に記載のサイドフォールディング装置。
【請求項6】
前記加熱部は、内部に外部から電力の供給を受けて熱を発生させるヒーティングコイルを含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載のサイドフォールディング装置。
【請求項7】
前記加熱部は、内部に流体が流動するチューブを含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載のサイドフォールディング装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のサイドフォールディング装置によって、パウチ型二次電池の電池ケースのカップ部の外側に延長形成されたサイドをフォールディングするサイドフォールディング方法において、
プレート形状を有するボディーを、サイドに隣接するように、二次電池の長さ方向に長く配置するステップと、
前記ボディーの一側に位置する加熱部が、前記サイドの相対的に内側に位置する内側部に接触して前記内側部を加熱するステップと、
前記ボディーが回転して、前記ボディーの他側に位置する加圧部が、前記サイドの相対的に外側に位置する外側部を加圧するステップとを含む、サイドフォールディング方法。
【請求項9】
パウチ型二次電池の電池ケースのカップ部の外側に延長形成されたサイドをフォールディングするサイドフォールディング装置であって、
前記サイドを1次フォールディングする第1サイドフォールディング装置および前記サイドを2次フォールディングする第2サイドフォールディング装置を含み、
前記第1サイドフォールディング装置は、断面が円形である形状を有し、前記サイドに隣接するように、前記二次電池の長さ方向に長く配置される第1ボディーを含み、
前記第1ボディーは、前記サイドの相対的に内側に位置する内側部を加熱し、内側部がフォールディングされる方向に前記内側部を加圧し、
前記第2サイドフォールディング装置は、プレート形状を有し、前記サイドに隣接するように、前記二次電池の長さ方向に長く配置される第2ボディーとを含み、
前記第2ボディーは、
一側に位置し、前記サイドの相対的に内側に位置する内側部を加熱する加熱部と、
他側に位置し、前記サイドの相対的に外側に位置する外側部を加圧する加圧部とを含み、
前記第1サイドフォールディング装置が、前記第1ボディーを用いて、前記内側部を加熱加圧した後、前記第2サイドフォールディング装置の前記第2ボディーが前記カップ部に近くなる方向に移動し、前記加熱部が前記内側部を加熱し、前記加圧部が前記外側部を加圧する、
前記サイドフォールディング装置
において、
前記サイドの内側部は、シーリングされておらず、前記サイドの外側部は、シーリングされており、
前記サイドは、
相対的に外側端部により近い位置でフォールディングされた第1フォールディング部と、
相対的にカップ部により近い位置でフォールディングされた第2フォールディング部とを含み、
前記サイドは、前記第1フォールディング部を基準に、170゜~180゜の角度でフォールディングされており、
前記サイドは、前記第2フォールディング部を基準に、85゜~95゜の角度でフォールディングされており、
前記加熱部は、165℃~220℃の温度で前記内側部を加熱し、
前記加熱部は、1秒~3秒の時間にわたって前記内側部を加熱し、
前記電池ケースは、パウチフィルムを成形して製造され、
前記パウチフィルムは、
第1ポリマーで製造され、最内層に形成されるシーラント層と、
第2ポリマーで製造され、最外層に形成される表面保護層と、
合金番号AA80XX系のアルミニウム合金を含む金属で製造され、前記表面保護層と前記シーラント層との間に積層されるガスバリアー層とを含み、
前記ガスバリアー層は、厚さが50~80μmであり、
前記シーラント層は、厚さが60~100μmである、サイドフォールディング装置。
【請求項10】
前記カップ部は、下側に位置する第1カップ部および前記第1カップ部の上側に位置する第2カップ部を含み、
前記第1サイドフォールディング装置の前記第1ボディーは、前記第1カップ部から前記第2カップ部に向かう方向と同じ方向である下側から上側方向に移動しながら前記内側部を加熱および加圧することを特徴とする、請求項
9に記載のサイドフォールディング装置。
【請求項11】
前記第1サイドフォールディング装置が前記内側部を加熱加圧した後に、前記第2サイドフォールディング装置の前記第2ボディーがカップ部に近くなる方向に移動する際に、前記第2ボディーは、前記カップ部に近くなる方向に直線移動することを特徴とする、請求項
9または
10に記載のサイドフォールディング装置。
【請求項12】
前記第2ボディーの前記直線移動は、前記カップ部の底部がなす平面と平行な仮想の平面に沿って移動する直線移動である、請求項
11に記載のサイドフォールディング装置。
【請求項13】
請求項9~12のいずれか一項に記載のサイドフォールディング装置によって、パウチ型二次電池の電池ケースのカップ部の外側に延長形成されたサイドをフォールディングするサイドフォールディング方法であって、
第1サイドフォールディング装置を用いて、前記サイドを1次フォールディングする1次サイドフォールディングステップと、第2サイドフォールディング装置を用いて、前記サイドを2次フォールディングする2次サイドフォールディングステップとを含み、
前記1次サイドフォールディングステップは、断面が円形である形状を有し、前記サイドに隣接するように、前記二次電池の長さ方向に長く配置される第1ボディーを含む第1サイドフォールディング装置が、前記第1ボディーを用いて、前記サイドの相対的に内側に位置する内側部を加熱し、前記内側部がフォールディングされる方向に前記内側部を加圧するステップであり、
前記1次サイドフォールディングステップの後に行われる前記2次サイドフォールディングステップは、プレート形状を有し、前記サイドに隣接するように、前記二次電池の長さ方向に長く配置される第2ボディーを含む第2サイドフォールディング装置が、前記第2ボディーを、前記カップ部に近くなる方向に移動させ、一側の加熱部により前記内側部を加熱し、他側の加圧部により前記サイドの相対的に外側に位置する外側部を加圧するステップであることを特徴とする、サイドフォールディング方法。
【請求項14】
前記カップ部は、下側に位置する第1カップ部および前記第1カップ部の上側に位置する第2カップ部を含み、
前記1次サイドフォールディングステップにおいて、前記第1サイドフォールディング装置の前記第1ボディーは、前記第1カップ部から前記第2カップ部に向かう方向と同じ方向である下側から上側方向に移動しながら前記内側部を加熱および加圧することを特徴とする、請求項
13に記載のサイドフォールディング方法。
【請求項15】
前記2次サイドフォールディングステップにおいて、前記第2サイドフォールディング装置の前記第2ボディーが前記カップ部に近くなる方向に移動する際に、前記第2ボディーは、前記カップ部に近くなる方向に直線移動することを特徴とする、請求項
13または
14に記載のサイドフォールディング方法。
【請求項16】
前記第2ボディーの前記直線移動は、前記カップ部の底部がなす平面と平行な仮想の平面に沿って移動する直線移動であることを特徴とする、請求項
15に記載のサイドフォールディング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年9月23日付けの韓国特許出願第10-2020-0123360号および2021年1月4日付けの韓国特許出願第10-2021-0000522号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、サイドフォールディング装置および方法に関し、より詳細には、二次電池のサイドをフォールディングする際に、サイドとカップ部が互いに接着されず、サイドの保持力が増加して、カップ部に接触した状態でフォールディング状態を維持するサイドフォールディング装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、二次電池の種類としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池およびリチウムイオンポリマー電池などがある。このような二次電池は、デジタルカメラ、ポータブルDVDプレイヤー(P-DVD)、MP3プレイヤー(MP3P)、携帯電話、PDA、携帯型ゲーム装置(Portable Game Device)、パワーツール(Power Tool)および電動自転車(E-bike)などの小型製品だけでなく、電気自動車やハイブリッド自動車のような高出力が求められる大型製品と、余剰発電電力や新・再生可能エネルギーを貯蔵する電力貯蔵装置とバックアップ用電力貯蔵装置にも適用され使用されている。
【0004】
このような二次電池を製造するために、先ず、電極活物質スラリーを正極集電体および負極集電体に塗布して正極と負極を製造し、これをセパレータ(Separator)の両側に積層することで、所定形状の電極組立体(Electrode Assembly)を形成する。そして、電池ケースに電極組立体を収納し、電解質を注入した後、シーリングする。
【0005】
二次電池は、電極組立体を収容するケースの材質に応じて、パウチ型(Pouch Type)および缶型(Can Type)などに分けられる。パウチ型(Pouch Type)は、柔軟なポリマー材質で製造されたパウチに電極組立体を収容する。また、缶型(Can Type)は、金属またはプラスチックなどの材質で製造されたケースに電極組立体を収容する。
【0006】
パウチ型二次電池のケースであるパウチは、柔軟性を有するパウチフィルムにプレス加工を施し、カップ部を形成することで製造される。また、カップ部が形成されると、前記カップ部の収容空間に電極組立体を収納し、サイドをシーリングして二次電池を製造する。
【0007】
このようなプレス加工のうち、絞り(Drawing)成形は、プレス機のような成形装置にパウチフィルムを挿入し、パンチでパウチフィルムに圧力を印加して、パウチフィルムを延伸させることで行われる。パウチフィルムは、複数の層で形成され、そのうち、内部に位置した水分バリアー層は、金属で製造される。しかし、従来、このような水分バリアー層の金属がアルミニウム合金の中で結晶粒度が大きく、水分バリアー層の厚さが薄く形成されていた。したがって、体積に対するエネルギー密度を減少させるためにサイドをフォールディングしても、サイドが固定されず、所定の角度で再度アンフォールディングされてしまっていた。そのため、サイドに別にテープを貼り付けると、テープ自体の厚さによって二次電池の全体の厚さが増加する問題があった。また、サイドをフォールディングする工程の後に、テープを貼り付けるさらなる工程が必要となり、工数を増加させ、二次電池の製造歩留まりを低下させる問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国公開特許第2019-0048863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、二次電池のサイドをフォールディングする際に、サイドとカップ部が互いに接着されず、サイドの保持力が増加して、カップ部に接触した状態でフォールディング状態を維持するサイドフォールディング装置および方法を提供することである。
【0010】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していない他の課題は、以下の記載から、当業者が明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明の実施形態によるサイドフォールディング装置は、パウチ型二次電池の電池ケースのカップ部の外側に延長形成されたサイドをフォールディングするフォールディング装置であって、プレート形状を有し、前記サイドに隣接するように、前記二次電池の長さ方向に長く配置されるボディーを含み、前記ボディーは、一側に位置し、前記サイドの相対的に内側に位置する内側部を加熱する加熱部と、他側に位置し、前記サイドの相対的に外側に位置する外側部を加圧する加圧部とを含み、前記加熱部が前記内側部を加熱すると、前記ボディーが回転して前記加圧部が前記外側部を加圧する。
【0012】
また、前記サイドの内側部は、シーリングされておらず、前記サイドの外側部は、シーリングされていることができる。
【0013】
また、前記サイドは、前記カップ部に接着されず、前記内側部でフォールディングされることができる。
【0014】
また、前記サイドは、前記カップ部の外壁に接触してフォールディングされることができる。
【0015】
また、前記サイドは、相対的に外側端部により近い位置でフォールディングされた第1フォールディング部と、相対的にカップ部により近い位置でフォールディングされた第2フォールディング部とを含むことができる。
【0016】
また、前記第1フォールディング部は、前記外側部に位置し、前記第2フォールディング部は、前記内側部に位置することができる。
【0017】
また、前記サイドは、前記第1フォールディング部を基準に、170゜~180゜の角度でフォールディングされていることができる。
【0018】
また、前記サイドは、前記第2フォールディング部を基準に、85゜~95゜の角度でフォールディングされていることができる。
【0019】
また、前記サイドは、前記第2フォールディング部を基準に、88゜~92゜の角度でフォールディングされていることができる。
【0020】
また、前記加熱部は、165℃~220℃の温度で前記内側部を加熱することができる。
【0021】
また、前記加熱部は、1秒~3秒の時間にわたって前記内側部を加熱することができる。
【0022】
また、前記電池ケースは、パウチフィルムを成形して製造され、前記パウチフィルムは、第1ポリマーで製造され、最内層に形成されるシーラント層と、第2ポリマーで製造され、最外層に形成される表面保護層と、合金番号AA80XX系のアルミニウム合金を含む金属で製造され、前記表面保護層と前記シーラント層との間に積層されるガスバリアー層とを含み、前記ガスバリアー層は、厚さが50~80μmであり、前記シーラント層は、厚さが60~100μmであることができる。
【0023】
また、前記加熱部は、内部に外部から電力の供給を受けて熱を発生させるヒーティングコイルを含むことができる。
【0024】
また、前記加熱部は、内部に流体が流動するチューブを含むことができる。
【0025】
上記課題を解決するための本発明の実施形態によるサイドフォールディング方法は、プレート形状を有するボディーを、前記サイドに隣接するように、前記二次電池の長さ方向に長く配置するステップと、前記ボディーの一側に位置する加熱部が、前記サイドの相対的に内側に位置する内側部に接触して前記内側部を加熱するステップと、前記ボディーが回転して、前記ボディーの他側に位置する加圧部が、前記サイドの相対的に外側に位置する外側部を加圧するステップとを含む。
【0026】
また、前記内側部を加熱するステップにおいて、前記加熱部は、165℃~220℃の温度で前記内側部を加熱することができる。
【0027】
また、前記内側部を加熱するステップにおいて、前記加熱部は、1秒~3秒の時間にわたって前記内側部を加熱することができる。
【0028】
本発明の他の実施形態によるサイドフォールディング装置は、パウチ型二次電池の電池ケースのカップ部の外側に延長形成されたサイドをフォールディングするサイドフォールディング装置に関し、サイドを1次フォールディングする第1サイドフォールディング装置およびサイドを2次フォールディングする第2サイドフォールディング装置を含み、第1サイドフォールディング装置は、断面が円形である形状を有し、サイドに隣接するように、二次電池の長さ方向に長く配置される第1ボディーを含み、第1ボディーは、サイドの相対的に内側に位置する内側部を加熱し、内側部がフォールディングされる方向に内側部を加圧し、第2サイドフォールディング装置は、プレート形状を有し、サイドに隣接するように、二次電池の長さ方向に長く配置される第2ボディーとを含み、第2ボディーは、一側に位置し、サイドの相対的に内側に位置する内側部を加熱する加熱部と、他側に位置し、サイドの相対的に外側に位置する外側部を加圧する加圧部とを含み、第1サイドフォールディング装置が、第1ボディーを用いて、内側部を加熱、加圧した後、第2サイドフォールディング装置の第2ボディーがカップ部に近くなる方向に移動し、加熱部が内側部を加熱し、加圧部が外側部を加圧することができる。
【0029】
カップ部は、下側に位置する第1カップ部および第1カップ部の上側に位置する第2カップ部を含み、第1サイドフォールディング装置の第1ボディーは、第1カップ部から第2カップ部に向かう方向と同じ方向である下側から上側方向に移動しながら内側部を加熱および加圧することができる。
【0030】
第1サイドフォールディング装置が内側部を加熱、加圧した後に、第2サイドフォールディング装置の第2ボディーがカップ部に近くなる方向に移動する際に、第2ボディーは、カップ部に近くなる方向に直線移動することができる。
【0031】
第2ボディーの直線移動は、カップ部の底部がなす平面と平行な仮想の平面に沿って移動する直線移動であることができる。
【0032】
本発明の他の実施形態によるサイドフォールディング方法は、パウチ型二次電池の電池ケースのカップ部の外側に延長形成されたサイドをフォールディングするサイドフォールディング方法に関し、第1サイドフォールディング装置を用いて、サイドを1次フォールディングする1次サイドフォールディングステップと、第2サイドフォールディング装置を用いて、サイドを2次フォールディングする2次サイドフォールディングステップとを含み、1次サイドフォールディングステップは、断面が円形である形状を有し、サイドに隣接するように、二次電池の長さ方向に長く配置される第1ボディーを含む第1サイドフォールディング装置が、第1ボディーを用いて、サイドの相対的に内側に位置する内側部を加熱し、内側部がフォールディングされる方向に内側部を加圧するステップであり、1次サイドフォールディングステップの後に行われる2次サイドフォールディングステップは、プレート形状を有し、サイドに隣接するように、二次電池の長さ方向に長く配置される第2ボディーを含む第2サイドフォールディング装置が、第2ボディーを、カップ部に近くなる方向に移動させ、一側の加熱部により内側部を加熱し、他側の加圧部によりサイドの相対的に外側に位置する外側部を加圧するステップであることができる。
【0033】
カップ部は、下側に位置する第1カップ部および第1カップ部の上側に位置する第2カップ部を含み、1次サイドフォールディングステップにおいて、第1サイドフォールディング装置の第1ボディーは、第1カップ部から第2カップ部に向かう方向と同じ方向である下側から上側方向に移動しながら内側部を加熱および加圧することができる。
【0034】
2次サイドフォールディングステップにおいて、第2サイドフォールディング装置の第2ボディーがカップ部に近くなる方向に移動する際に、第2ボディーは、カップ部に近くなる方向に直線移動することができる。
【0035】
第2ボディーの直線移動は、カップ部の底部がなす平面と平行な仮想の平面に沿って移動する直線移動であることができる。
【0036】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0037】
本発明の実施形態によると、少なくとも以下のような効果がある。
【0038】
サイドフォールディング装置の加熱部がサイドの内側部を加熱してシーラント層の第1ポリマーを軟化させた後、サイドフォールディング装置の加圧部がサイドの外側部を加圧することから、サイドがカップ部の外壁に完全に接触することができ、別のテープが貼り付けられる必要がなく、サイドが再度アンフォールディングされることを防止することができる。
【0039】
本発明による効果は、以上で例示されている内容によって制限されず、より様々な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明の一実施形態による二次電池1の組立図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるパウチフィルム135の断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による電池ケース13のサイド134をシーリングした様子を示す概略図である。
【
図4】従来のサイド334をフォールディングした様子を側面で示す概略図である。
【
図5】従来のサイド334をフォールディングした様子を上面で示す概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるサイドフォールディング装置2の加熱部211がサイド134の内側部1342を加熱する様子を側面で示す概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるサイドフォールディング装置2の加圧部212がサイド134の外側部1341を加圧する様子を側面で示す概略図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるサイド134をフォールディングした様子を側面で示す概略図である。
【
図9】本発明の他の実施形態による第1サイドフォールディング装置の第1ボディーがサイドの内側部を加熱、加圧する様子を側面で示す概略図である。
【
図10】本発明の他の実施形態による第2サイドフォールディング装置の第2ボディーが前記カップ部に近くなる方向に直線移動する様子を側面で示す概略図である。
【
図11】本発明の他の実施形態による第2サイドフォールディング装置の加熱部がサイドの内側部を加熱し、加圧部がサイドの外側部を加圧する様子を側面で示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述している実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態に実現されることができ、ただし、本実施形態は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書の全体にわたり同一の参照符号は、同一の構成要素を指す。
【0042】
他の定義がなければ、本明細書で使用されているすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が共通して理解することができる意味で使用されることができる。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、明らかに特別に定義されていない限り、理想的にまたは過剰に解釈されない。
【0043】
本明細書で使用されている用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数型は、句で特別に言及していない限り、複数型も含む。明細書で使用される「含む」は、言及された構成要素の他に、一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。
【0044】
一実施形態
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0045】
図1は本発明の一実施形態による二次電池1の組立図である。
【0046】
電極組立体10は、電極およびセパレータを交互に積層して形成される。先ず、電極活物質とバインダーおよび可塑剤を混合したスラリーを正極集電体および負極集電体に塗布して正極と負極などの電極を製造する。そして、セパレータ(Separator)を電極の間に積層して電極組立体10を形成し、電極組立体10を電池ケース13に挿入し、電解質を注入した後、シーリングする。
【0047】
具体的には、電極組立体(Electrode Assembly)10は、正極および負極の2種の電極と、前記電極を互いに絶縁させるために電極の間に介在するセパレータとを含む。このような電極組立体10は、スタック型、ゼリーロール型、スタックアンドフォールディング型などがある。2種の電極、すなわち、正極と負極は、それぞれ、アルミニウムと銅を含む金属箔または金属網状の電極集電体に活物質スラリーが塗布された構造である。スラリーは、通常、粒状の活物質、補助導体、バインダーおよび可塑剤などが溶媒が添加された状態で撹拌されて形成されることができる。溶媒は、後続工程で除去される。
【0048】
電極組立体10は、
図1に図示されているように、電極タブ(Electrode Tab)11を含む。電極タブ11は、電極組立体10の正極および負極とそれぞれ連結され、電極組立体10から外部に突出し、電極組立体10の内部と外部との間で電子が移動することができる経路になる。電極組立体10の電極集電体は、電極活物質が塗布された部分と、電極活物質が塗布されていない末端部分、すなわち、無地部で構成される。また、電極タブ11は、無地部を裁断して形成されるか、無地部に別の導電部材を超音波溶接などで連結して形成されることもできる。このような電極タブ11は、
図1に図示されているように、電極組立体10のそれぞれ異なる方向に突出することもできるが、これに制限されず、一側から同じ方向に並んで突出するなど、様々な方向に向かって突出形成されることもできる。
【0049】
電極組立体10の電極タブ11には、二次電池1の外部に電気を供給する電極リード(Electrode Lead)12がスポット(Spot)溶接などで連結される。そして、電極リード12の一部は、絶縁部14で周りが囲まれる。絶縁部14は、電池ケース13の第1ケース131と第2ケース132が熱融着されるサイド(側部)134に限定して位置し、電極リード12を電池ケース13に接着させる。また、電極組立体10から生成される電気が電極リード12を介して電池ケース13に流れることを防止し、電池ケース13のシーリングを維持する。したがって、このような絶縁部14は、電気がよく通じない非伝導性を有する不導体で製造される。一般的に、絶縁部14としては、電極リード12に付着しやすく、厚さが比較的薄い絶縁テープを多く使用するが、これに制限されず、電極リード12を絶縁することができれば、様々な部材を使用することができる。
【0050】
電極リード12は、一端が前記電極タブ11と連結され、他端が前記電池ケース13の外部にそれぞれ突出する。すなわち、電極リード12は、正極タブ111に一端が連結され、正極タブ111が突出した方向に延びる正極リード121と、負極タブ112に一端が連結され、負極タブ112が突出した方向に延びる負極リード122とを含む。一方、正極リード121および負極リード122は、
図1に図示されているように、いずれも他端が電池ケース13の外部に突出する。これにより、電極組立体10の内部で生成された電気を外部に供給することができる。また、正極タブ111および負極タブ112が、それぞれ様々な方向に向かって突出形成されることから、正極リード121および負極リード122もそれぞれ様々な方向に向かって延びることができる。
【0051】
正極リード121および負極リード122は、互いにその材質が異なることができる。すなわち、正極リード121は、正極集電体と同じアルミニウム(Al)材質であり、負極リード122は、負極集電体と同じ銅(Cu)材質またはニッケル(Ni)がコーティングされた銅材質であることができる。また、電池ケース13の外部に突出した電極リード12の一部分は、端子部になり、外部端子と電気的に連結される。
【0052】
電池ケース13は、電極組立体10を内部に収納する、柔軟性の材質で製造されたパウチである。以下、電池ケース13は、パウチであるものと説明する。パンチなどを用いて、柔軟性を有するパウチフィルム135を絞り(Drawing)成形すると、一部が延伸されて袋状の収容空間1331を含むカップ部133が形成されることで、電池ケース13が製造される。
【0053】
電池ケース13は、電極リード12の一部が露出するように電極組立体10を収容し、シーリングされる。このような電池ケース13は、
図1に図示されているように、第1ケース131と第2ケース132を含む。第1ケース131には、カップ部133が形成されて電極組立体10を収容することができる収容空間1331が設けられ、第2ケース132は、前記電極組立体10が電池ケース13の外部に離脱しないように、前記収容空間1331を上方からカバーする。第1ケース131と第2ケース132は、
図1に図示されているように、一側が互いに連結されて製造されることができるが、これに制限されず、互いに分離されて別に製造されるなど、様々に製造されることができる。
【0054】
パウチフィルム135にカップ部133を成形する際に、一つのパウチフィルム135に一つのカップ部133だけが形成されることもできるが、これに制限されず、一つのパウチフィルム135に二つのカップ部133を、互いに隣合うように絞り成形することもできる。これにより、
図1に図示されているように、第1ケース131と第2ケース132には、それぞれ、カップ部133が形成される。この際、第1ケース131と第2ケース132に形成されたそれぞれのカップ部133は、互いに深さDが同一であることができるが、これに制限されず、互いに深さDが相違することもできる。第1ケース131のカップ部133に設けられた収容空間1331に電極組立体10を収納した後、二つのカップ部133が互いに対向するように、電池ケース13で二つのカップ部133の間に形成されたブリッジ136を中心に電池ケース13をフォールディングすることができる。これにより、第2ケース132のカップ部133が、電極組立体10を上方からも収容する。したがって、二つのカップ部133が一つの電極組立体10を収容することから、カップ部133が一つである時よりも厚さがより厚い電極組立体10も収容することができる。また、電池ケース13がフォールディングされることで、第1ケース131と第2ケース132が互いに一体に連結されることから、以降、シーリング工程を行う際に、シーリングするサイド134の個数が減少することができる。したがって、工程速度を向上させることができ、シーリング工数も減少させることもできる。
【0055】
一方、電池ケース13は、電極組立体10を収容する収容空間1331が設けられたカップ部133と、カップ部133の側部に形成され、ガス抜き孔を介して、前記カップ部133の内部に生成されるガスを排出するガス抜き部137とを含むことができる。電池ケース13のカップ部133に電極組立体10を収納し、電解液を注入した後、活性化工程を行うと、電池ケース13の内部でガスが発生し、このようなガスを外部に排出するためにガス抜き工程を行う。
【0056】
電極組立体10の電極タブ11に電極リード12が連結され、電極リード12の一部分に絶縁部14が形成されると、第1ケース131のカップ部133に設けられた収容空間1331に電極組立体10が収容され、第2ケース132が前記空間を上部からカバーする。そして、内部に電解質を注入し、第1ケース131と第2ケース132のカップ部133の外側に延長形成されたサイド134をシーリングする。電解質は、二次電池1の充放電時に電極の電気化学的反応によって生成されるリチウムイオンを移動させるためのものであり、リチウム塩と高純度の有機溶媒類の混合物である非水系有機電解液または高分子電解質を用いたポリマーを含むことができる。さらに、電解質は、硫化物系、酸化物系またはポリマー系の固体電解質を含むこともでき、このような固体電解質は、外力によって容易に変形する柔軟性を有することもできる。このような方法により、パウチ型二次電池1が製造されることができる。
【0057】
図2は本発明の一実施形態によるパウチフィルム135の断面図である。
【0058】
本発明の一実施形態によるパウチ型二次電池1の電池ケース13であるパウチは、パウチフィルム135を絞り(Drawing)成形して製造される。すなわち、パウチフィルム135をパンチなどで延伸させてカップ部133を形成することで製造される。本発明の一実施形態によると、このようなパウチフィルム135は、
図2に図示されているように、シーラント層(Sealant Layer)1351と、水分バリアー層(Moisture barrier Layer)1352と、表面保護層(Surface Protection Layer)1353と、延伸補助層(Drawing Assistance Layer)1354とを含む。
【0059】
シーラント層1351は、第1ポリマーで製造され、最内層に形成されて電極組立体10と直接接触することができる。ここで、最内層とは、前記水分バリアー層1352を基準に電極組立体10が位置する方向に向かう際に、最端に位置した層を意味する。電池ケース13は、前記のような積層構造のパウチフィルム135を、パンチなどを用いて絞り(Drawing)成形すると、一部が延伸されて袋状の収容空間1331を含むカップ部133を形成しながら製造される。また、このような収容空間1331に電極組立体10が内部に収容されると、電解質を注入する。その後、第1ケース131と第2ケース132を互いに対向するように接触させ、サイド134を熱圧着すると、シーラント層1351同士が接着されることで、パウチがシーリングされる。この際、シーラント層1351は、電極組立体10と直接接触するため、絶縁性を有する必要があり、電解質とも接触するため、耐食性を有する必要がある。また、内部を完全に密閉して内部と外部との間の物質の移動を遮断しなければならないため、高いシーリング性を有する必要がある。すなわち、シーラント層1351同士が接着されたサイド134は、優れた熱接着強度を有する必要がある。一般的に、このようなシーラント層1351を製造する第1ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、アクリル系高分子、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、アラミド、ナイロン、ポリエステル、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリアリレート、テフロン(登録商標)、およびガラス繊維からなる群から選択される一つ以上の物質からなることができる。特に、主に、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系樹脂が使用される。ポリプロピレン(PP)は、引張強度、剛性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性などの機械的物性と耐食性などの化学的物性に優れ、シーラント層1351を製造するために主に使用される。さらに、無延伸ポリプロピレン(Casted Polypropylene)または酸処理されたポリプロピレン(Acid Modified Polypropylene)またはポリプロピレン-ブチレン-エチレン三元共重合体で構成されることもできる。ここで、酸処理されたポリプロピレンは、MAH PP(マレイックアンハイドライドポリプロピレン)であることができる。また、シーラント層1351は、いずれか一つの物質からなる単一膜構造を有するか、2個以上の物質がそれぞれ層をなして形成された複合膜構造を有することができる。
【0060】
本発明の一実施形態によると、シーラント層1351の厚さは、60~100μmであることができ、特に、75~85μmであることができる。仮に、シーラント層1351の厚さが60μmより薄いと、シーリング時に内部が破壊されるなど、シーリング耐久性が低下する問題があり得る。逆に、仮に、シーラント層1351の厚さが100μmより厚いと、パウチ全体の厚さが過剰に厚くなるため、かえって、二次電池1の体積に対するエネルギー密度が低下し得る。
【0061】
水分バリアー層1352は、表面保護層1353とシーラント層1351との間に積層されてパウチの機械的強度を確保し、二次電池1の外部のガスまたは水分などの出入りを遮断し、電解質の漏れを防止する。水分バリアー層1352は、金属で製造され、特に、本発明の一実施形態による水分バリアー層1352は、合金番号AA80XX系のアルミニウム合金を含む金属で製造されることができる。アルミニウムは、所定水準以上の機械的強度を確保することができ、且つ重量が軽く、電極組立体10と電解質による電気化学的性質に対する補完および放熱性などを確保することができる。
【0062】
従来、合金番号AA30XX系のアルミニウム合金がよく使用されていたが、鉄の含量が0.7wt%以下であるため、機械的強度が低いという問題があった。したがって、本発明の一実施形態によると、アルミニウム合金は、合金番号AA80XX系である。このようなアルミニウム合金には、様々な素材が含まれることができる。例えば、鉄(Fe)、銅(Cu)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)および亜鉛(Zn)からなる群から選択される1種または2種以上が含まれることができる。
【0063】
また、本発明の一実施形態によると、水分バリアー層1352の厚さは、50μm~80μmであることができ、特に、55μm~65μmであることができる。従来、水分バリアー層の厚さが50μmより薄くて成形性が低下していた。そのため、パウチフィルム135を絞り成形すると、カップ部333(
図4に図示)の深さDを深く形成する際に、カップ部333の外壁3333(
図4に図示)が垂直に近く形成されることに限界があった。
【0064】
逆に、仮に、水分バリアー層の厚さが略80μmより厚いと、製造コストが増加するだけでなく、二次電池の全体の厚さが過剰に厚くなって、二次電池の体積に対するエネルギー密度が低下する問題がある。仮に、二次電池の全体の厚さを減少させるために、シーラント層の厚さを60μmより薄く減少させると、シーリング耐久性が低下する問題がある。
【0065】
したがって、本発明の一実施形態によると、水分バリアー層1352の成形性が向上するため、パウチフィルム135を絞り成形する際に、カップ部133の深さDを深く形成し、且つカップ部133の外壁1333が垂直に近くなることができる。これにより、収容空間1331の体積が増加するため、内部に収納される電極組立体10の体積も増加することができ、二次電池1の体積に対するエネルギー効率も増加することができる。また、製造コストがあまり増加せず、且つシーラント層1351の厚さを減少させなくても、パウチ全体の厚さもあまり増加せず、シーリング耐久性も低下しないことができる。
【0066】
表面保護層1353は、第2ポリマーで製造され、最外層に形成されて、外部との摩擦および衝突から二次電池1を保護し、且つ電極組立体10を外部から電気的に絶縁させる。ここで、最外層とは、前記水分バリアー層1352を基準に電極組立体10が位置する方向の反対方向に向かう際に、最端に位置した層を意味する。このような表面保護層1353を製造する第2ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、アクリル系高分子、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、アラミド、ナイロン、ポリエステル、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリアリレート、テフロン(登録商標)およびガラス繊維からなる群から選択される一つ以上の物質であることができる。特に、主に、耐磨耗性および耐熱性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマーが使用されることが好ましい。また、表面保護層1353は、いずれか一つの物質からなる単一膜構造を有するか、2個以上の物質がそれぞれ層をなして形成された複合膜構造を有することもできる。
【0067】
本発明の一実施形態によると、このような表面保護層1353の厚さは、5μm~25μmであることができ、特に、7μm~12μmであることができる。仮に、表面保護層1353の厚さが5μmより薄いと、外部絶縁性が低下する問題があり得る。逆に、仮に、表面保護層1353の厚さが25μmより厚いと、パウチ全体の厚さが厚くなるため、かえって、二次電池1の体積に対するエネルギー密度が低下し得る。
【0068】
一方、PETは、安価であり、耐久性に優れ、電気絶縁性に優れるが、前記水分バリアー層1352としてよく使用されるアルミニウムとの接着性も弱く、応力を印加して延伸される時の挙動も互いに相違し得る。したがって、表面保護層1353と水分バリアー層1352を直接接着すると、絞り成形の途中に表面保護層1353と水分バリアー層1352と剥離されることもある。そのため、水分バリアー層1352が均一に延伸されず、成形性が低下する問題が発生し得る。
【0069】
本発明の一実施形態によると、電池ケース13は、第3ポリマーで製造され、表面保護層1353と水分バリアー層1352との間に積層される延伸補助層1354をさらに含むことができる。延伸補助層1354は、表面保護層1353と水分バリアー層1352との間に積層され、表面保護層1353と水分バリアー層1352が延伸される際に剥離されることを防止することができる。このような延伸補助層1354を製造する第3ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、アクリル系高分子、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、アラミド、ナイロン、ポリエステル、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリアリレート、テフロン(登録商標)およびガラス繊維からなる群から選択される一つ以上の物質であることができる。特に、ナイロン(Nylon)樹脂は、表面保護層1353のポリエチレンテレフタレート(PET)とは接着が容易であり、水分バリアー層1352のアルミニウム合金とは延伸される時の挙動が類似するため、第3ポリマーとしては、主に、ナイロン(Nylon)樹脂が使用されることができる。また、延伸補助層1354は、いずれか一つの物質からなる単一膜構造を有するか、2個以上の物質がそれぞれ層をなして形成された複合膜構造を有することもできる。
【0070】
従来、水分バリアー層が略30~50μm、特に、40μmの厚さを有し、これに伴い、延伸補助層は、略15μmの相当薄い厚さを有していた。すなわち、延伸補助層と水分バリアー層の厚さの比率が1:2.67であり、水分バリアー層の厚さの比率が相当高かった。しかし、上述のように、本発明の一実施形態によると、水分バリアー層1352が略50~80μm、特に、55μm~65μmの厚さを有するため、水分バリアー層1352の成形性が向上する。この際、延伸補助層1354も成形性を向上させるために、延伸補助層1354は、20μm~50μmの厚さを有することができ、特に、25μm~38μmの厚さを有することが好ましい。仮に、20μmより薄いと、延伸補助層1354が水分バリアー層1352の向上した成形性に対応することができず、延伸される途中に破損されることがある。逆に、仮に、50μmより厚いと、パウチ全体の厚さが厚くなるため、二次電池の体積が増加し、エネルギー密度が低下し得る。特に、本発明の一実施形態によると、延伸補助層1354と水分バリアー層1352の厚さの比率が1:2.5より小さいことができる。すなわち、従来より延伸補助層1354の厚さの比率がさらに増加することができる。ただし、延伸補助層1354の厚さが過剰に厚くなると、パウチ全体の厚さが厚くなるため、過剰な厚さにならないために、前記厚さの比率は、1:1.5より大きくなることができる。すなわち、前記厚さの比率は、1:1.5~1:2.5であることができる。
【0071】
図3は本発明の一実施形態による電池ケース13のサイド134をシーリングした様子を示す概略図である。
【0072】
パウチフィルム135を絞り成形して形成されたカップ部133に電極組立体10を収納し、第1ケース131および第2ケース132の二つのカップ部133が互いに対向するようにブリッジ136を中心に電池ケース13をフォールディングする。そして、サイド134をシーリングし、ガス抜き部137を介してガス抜き工程を行った後、ガス抜き部137を切断する。これにより、
図3に図示されているように、ガス抜き部137の長さが短くなり、二次電池1の体積が減少することができる。
【0073】
ガス抜き部137を切断して残ったサイド134は、複数のサイド134のうち、電極リード12が突出形成されない。しかし、サイド134をシーリングした後、そのまま放置すると、二次電池1の全体の体積が増加する。そのため、体積に対するエネルギー密度を減少させるために、サイド134をフォールディングすることが好ましい。
【0074】
一方、サイド134は、
図3に図示されているように、外側部1341および内側部1342を含むことができる。外側部1341は、サイド134で相対的に外側に位置し、シーリングされた部分であり、内側部1342は、サイド134で相対的に内側に位置し、シーリングされていない領域である。
【0075】
具体的には、前記電池ケース13のサイド134をシーリングして外側部1341を形成する際に、外側部1341がカップ部133からすぐ連結されず、ある程度離隔して形成されることができる。サイド134をシーリングする際には、別のシーリングツール(図示せず)を用いて、サイド134に熱および圧力を印加する必要がある。ところで、仮に、このようなシーリングツールをカップ部133に密着した状態でサイド134をシーリングすると、サイド134の内側に位置したシーラント層1351が一部溶融されて電極組立体10に向かって漏れ、電極組立体10を汚染させることがある。また、シーリングツールの熱が電極組立体10まで伝達されて電極組立体10が損傷されることもある。したがって、シーリングツールをカップ部133からある程度離隔した状態でサイド134をシーリングすることが好ましい。これにより、シーリングツールにシーリングされた部分が外側部1341になり、シーリングツールがカップ部133から離隔してシーリングされない部分が内側部1342になる。
【0076】
図4は従来のサイド334をフォールディングした様子を側面で示す概略図であり、
図5は従来のサイド334をフォールディングした様子を上面で示す概略図である。
【0077】
従来、サイド334をフォールディングしても、サイド334が固定されず、所定の角度で再度アンフォールディングされてしまう問題があった。具体的には、上述のように、パウチフィルム135は、シーラント層1351、水分バリアー層1352、延伸補助層1354および表面保護層1353が積層されて形成される。このうち、シーラント層1351は、第1ポリマー、特に、ポリプロピレン(PP)を含むため、柔軟性および弾性力が大きい。したがって、サイド134がフォールディングされると、最初の状態に戻ろうとする復元力が大きい。一方、水分バリアー層1352は、金属、特に、アルミニウム合金で製造されるため、サイド334がフォールディングされると、弾性変形の限界を超え、フォールディングされた状態を維持しようとする保持力が大きい。
【0078】
しかし、従来のパウチフィルム135は、水分バリアー層1352が略30~50μmの厚さを有し、シーラント層1351が略60~100μmの厚さを有する。すなわち、水分バリアー層1352の厚さがシーラント層1351の厚さに比べて相当薄く形成されていた。したがって、保持力よりも復元力が大きく、サイド334が固定されず、所定の角度だけ再度アンフォールディングされていた。これにより、サイド334によって二次電池3の不要な体積が増加する問題があった。
【0079】
これを解決するために、従来、
図4および
図5に図示されているように、サイド334に別にテープ38を貼り付けていた。特に、テープ38は、カップ部333の底部3332の外側面とサイド334にともに貼り付けられ、これにより、サイド334がカップ部333に固定され、再度アンフォールディングされることを防止することができた。しかし、このような場合には、
図4に図示されているように、テープ38自体の厚さによって、二次電池3の全体の厚さが増加する問題があった。また、
図5に図示されているように、テープ38によって、二次電池3の外観が美麗ではなく、商品性も低下する問題もあった。
【0080】
本発明の一実施形態によると、水分バリアー層1352の厚さは、略50~80μm、特に、55μm~65μmであることができ、シーラント層1351の厚さは、60~100μm、特に、75~85μmであることができる。したがって、水分バリアー層1352の厚さが従来に比べて増加するため、水分バリアー層1352の成形性が向上し、サイド134の保持力が増加して、サイド134がフォールディングされた後に再度アンフォールディングされることをある程度緩和することができる。しかし、シーラント層1351の厚さが薄くなったものではないため、サイド134が最初の状態に戻ろうとする復元力もある程度大きい。したがって、サイド134がフォールディングされた後にも、依然として、カップ部133の外壁1333に完全に接触せず、ある程度は再度アンフォールディングされることがある。
【0081】
図6は本発明の一実施形態によるサイドフォールディング装置2の加熱部211がサイド134の内側部1342を加熱する様子を側面で示す概略図である。
【0082】
パウチフィルム135に一つのカップ部133のみを形成すると、カップ部133の深さDが充分に深いことから、サイド134を一回だけフォールディングすることができる。一方、パウチフィルム135に二つのカップ部133を形成すると、一つのカップ部133を形成する時よりもカップ部133の深さDが浅くなり得る。パウチフィルム135を成形する際には、カップ部133だけが集中して延伸されるものではなく、カップ部133の周辺サイド134も全体的に微細に延伸されるためである。しかし、サイド134の幅がこのようなカップ部133の深さDより長いと、サイド134を一回だけフォールディングした際に、サイド134の外側端部1343がカップ部133の底部1332よりもさらに外側に突出することもある。
【0083】
したがって、仮に、パウチフィルム135に二つのカップ部133が形成されると、
図6に図示されているように、サイド134を二度フォールディングするダブルサイドフォールディング(Double Side Folding、DSF)方法を使用することができる。具体的には、サイド134は、第1フォールディング部1344と第2フォールディング部1345を含むことができる。第1フォールディング部1344は、相対的に外側端部1343により近い位置からフォールディングされた部分であり、第2フォールディング部1345は、相対的にカップ部133により近い位置でフォールディングされた部分である。したがって、第1フォールディング部1344を基準にサイド134を1次フォールディングをした後に、第2フォールディング部1345を基準にサイド134を2次フォールディングすることができる。この際、第1フォールディング部1344は、サイド134において外側部1341に位置することができ、第2フォールディング部1345は、サイド134から内側部1342に位置することができる。これにより、サイド134の外側端部1343がカップ部133の底部1332よりさらに外側に突出することを防止することができる。
【0084】
サイド134は、第1フォールディング部1344を基準に、170゜~180゜の角度、特に、180゜の角度でフォールディングされることができる。また、サイド134は、第2フォールディング部1345において、サイド134がカップ部133の外壁1333に完全に接触するようにフォールディングされることが好ましい。しかし、上述のように、シーラント層1351の復元力もある程度大きいため、サイド134がフォールディングされた後にも、依然として、カップ部133の外壁1333に完全に接触せず、ある程度は再度アンフォールディングされることがある。
【0085】
本発明の一実施形態によると、サイドフォールディング装置2の加熱部211がサイド134の内側部1342を加熱してシーラント層1351の第1ポリマーを軟化させた後、サイドフォールディング装置2の加圧部212がサイド134の外側部1341を加圧するため、サイド134がカップ部133の外壁1333に完全に接触することができ、別のテープが貼り付けられる必要がなく、サイド134が再度アンフォールディングされることを防止することができる。
【0086】
このために、本発明の一実施形態によるサイドフォールディング装置2は、パウチ型二次電池1の電池ケース13において、カップ部133の外側に延長形成されたサイド134をフォールディングするフォールディング装置において、プレート形状を有し、前記サイド134に隣接するように、前記二次電池1の長さ方向に長く配置されるボディー21を含み、前記ボディー21は、一側に位置し、前記サイド134の相対的に内側に位置する内側部1342を加熱する加熱部211と、他側に位置し、前記サイド134の相対的に外側に位置する外側部1341を加圧する加圧部212とを含み、前記加熱部211が前記内側部1342を加熱すると、前記ボディー21が回転して前記加圧部212が前記外側部1341を加圧する。
【0087】
サイドフォールディング装置2は、厚さが非常に薄いプレート形状を有するボディー21を含むことができる。このようなボディー21は、幅が相対的に狭く、長さが相対的に長く形成されることができる。また、ボディー21は、
図6に図示されているように、二次電池1のサイド134に隣接するように配置され、この際、二次電池1の長さ方向に長く配置されることができる。
【0088】
ボディー21は、一側に位置し、内側部1342を加熱する加熱部211と、他側に位置し、外側部1341を加圧する加圧部212とを含む。ボディー21がサイド134に隣接するように配置される際に、ボディー21の加熱部211がサイド134の内側部1342に隣接するように配置されることができる。また、加熱部211がサイド134の内側部1342に接触して熱を印加することで、サイド134の内部に含まれたシーラント層1351の第1ポリマーが軟化することができる。加熱部211は、165℃~220℃の温度で、1秒~3秒、好ましくは1.5秒~2秒の時間にわたって前記内側部1342を加熱することができる。仮に、加熱部211が165℃より温度が低いか、1秒より短い時間で加熱すると、シーラント層1351の第1ポリマーが充分に軟化しないこともある。また、仮に、加熱部211が220℃より温度が高いか、3秒より長い時間で加熱すると、サイド134の内側に位置したシーラント層1351が一部溶融されて電極組立体10に向かって漏れ、電極組立体10を汚染させることがあり、加熱部211の熱が電極組立体10まで伝達されて電極組立体10が損傷されることもある。
【0089】
上述のように、第2フォールディング部1345が内側部1342に位置し、サイド134は、第2フォールディング部1345を基準に2次フォールディングされることから、内側部1342は曲面を含む。一方、上述のように、ボディー21がプレート形状を有するため、加熱部211はある程度平坦に形成されることができる。したがって、加熱部211が内側部1342に容易に接触するために、
図6に図示されているように、ボディー21は、長さ方向に向かう軸を中心に傾斜を有し、サイド134に隣接するように配置されることができる。また、加熱部211がサイド134の内側部1342を加熱するために内側部1342に接触しても、接触する面積が広くないため、ボディー21において、加熱部211は、加圧部212に比べて相対的に狭く形成されることができる。
【0090】
本発明の一実施形態によると、ボディー21の加熱部211は、内部に、外部から電力の供給を受けて熱を発生させるヒーティングコイル(図示せず)を含むこともできる。このために、ボディー21には、バッテリー、外部電源などの電力供給部が連結されることができる。また、本発明の他の実施形態によると、ボディー21の加熱部211は、内部に高い温度の流体が流動する細いチューブを含むこともできる。このために、ボディー21には、流体が流入および排出されることができる流出入管(図示せず)が連結されることができ、このような流出入管には、別のポンプ(図示せず)が連結されることができる。すなわち、加熱部211が熱を発生させることができれば、制限されず、様々な方法を使用することができる。
【0091】
図7は本発明の一実施形態によるサイドフォールディング装置2の加圧部212がサイド134の外側部1341を加圧する様子を側面で示す概略図であり、
図8は本発明の一実施形態によるサイド134をフォールディングした様子を側面で示す概略図である。
【0092】
加熱部211がサイド134の内側部1342を加熱した後、ボディー21が回転し、加圧部212がサイド134の外側部1341を加圧する。この際、加圧部212は、サイド134の第2フォールディング部1345から距離が離れた位置を加圧することが好ましい。加圧位置がサイド134の回転中心になる第2フォールディング部1345から距離が離れているほど、小さいトルクでも加圧部212がサイド134を容易に加圧することができるためである。このために、
図7に図示されているように、ボディー21の幅は、サイド134の幅よりも長く形成されることが好ましい。
【0093】
加熱部211がサイド134の内側部1342を加熱すると、シーラント層1351の第1ポリマーが軟化する。その後に、加圧部212がサイド134の外側部1341を加圧すると、シーラント層1351の第1ポリマーが変形され、その状態である程度時間が経過すると、シーラント層1351の第1ポリマーが冷却されて硬化する。したがって、加圧部212は、0.5秒以上、好ましくは、1秒以上の時間にわたって前記外側部1341を加圧することができる。仮に、加圧部212が0.5秒より短い時間で加圧すると、シーラント層1351の第1ポリマーが充分に硬化されず、サイド134が再度アンフォールディングされることがある。
【0094】
サイドフォールディング装置2は、ボディー21を移動および回転させる動力部(図示せず)をさらに含むこともできる。このような動力部は、ボディー21をサイド134に隣接するように移動させ、加熱部211が内側部1342に接触するように移動させ、加圧部212が外側部1341を加圧するように回転させることができる。
【0095】
上記のような過程を経て、二次電池1において、サイド134がカップ部133に向かってフォールディングされた後、サイド134がカップ部133に接着されないとともに、フォールディングされた状態を維持してアンフォールディングされないようにすることができる。この際、サイド134は、第2フォールディング部1345を基準に、85゜~95゜の角度、好ましくは88゜~92゜の角度でフォールディングされることができる。また、サイド134がカップ部133に隣接した位置でフォールディングされ、サイド134がカップ部133の外壁1333に接触することができる。特に、サイド134がフォールディングされる際に、カップ部133に相対的により近い内側部1342がフォールディングされることが好ましい。これにより、二次電池1の不要な体積をより減少させることができる。しかし、このような場合にもサイド134とカップ部133は互いに接着されるものではなく、サイド134の保持力が増加してフォールディング状態を維持するものである。
【0096】
他の実施形態
図9は本発明の他の実施形態による第1サイドフォールディング装置の第1ボディーがサイドの内側部を加熱、加圧する様子を側面で示す概略図である。
図10は本発明の他の実施形態による第2サイドフォールディング装置の第2ボディーが前記カップ部に近くなる方向に直線移動する様子を側面で示す概略図である。
図11は本発明の他の実施形態による第2サイドフォールディング装置の加熱部がサイドの内側部を加熱し、加圧部がサイドの外側部を加圧する様子を側面で示す概略図である。
【0097】
本発明の他の実施形態では、第1サイドフォールディング装置500および第2サイドフォールディング装置700が直線移動しながらサイド134のフォールディング作業を行うという点で、上述の一実施形態とは差がある。
【0098】
一実施形態と共通した内容はなるべく省略し、相違点を中心に他の実施形態について説明する。すなわち、他の実施形態で説明していない内容が、必要な場合、一実施形態の内容として見なされ得ることは自明である。
【0099】
図9~
図11を参照すると、本発明の他の実施形態によるサイドフォールディング装置は、パウチ型二次電池の電池ケース13において、カップ部133の外側に延長形成されたサイド134をフォールディングするサイドフォールディング装置に関し、第1サイドフォールディング装置500および第2サイドフォールディング装置700を含むことができる。
【0100】
第1サイドフォールディング装置500は、電池ケース13のサイド134を1次フォールディングする装置であることができる。また、第2サイドフォールディング装置700は、電池ケース13のサイド134を2次フォールディングする装置であることができる。
【0101】
図9を参照すると、第1サイドフォールディング装置500は、断面が円形である形状を有し、サイド134に隣接するように、二次電池の長さ方向に長く配置される第1ボディー510を含むことができる。第1ボディー510は、サイド134の相対的に内側に位置する内側部1342を加熱し、内側部1342がフォールディングされる方向に内側部1342を加圧することができる。
【0102】
カップ部133は、下側に位置する第1カップ部133-1および第1カップ部133-1の上側に位置する第2カップ部133-2を含むことができ、第1サイドフォールディング装置500の第1ボディー510は、第1カップ部133-1から第2カップ部133-2に向かう方向と同じ方向である下側から上側方向に移動しながら内側部1342を加熱および加圧することができる。
図9では、第1ボディー510が下側から上側方向Uに移動して、内側部1342に接触して内側部1342を加熱し、また、内側部1342をフォールディングされる方向に加圧する様子が図示されている。
【0103】
図10および
図11を参照すると、第2サイドフォールディング装置700は、プレート形状を有し、サイド134に隣接するように、二次電池の長さ方向に長く配置される第2ボディー721を含むことができる。ここで、第2ボディー721は、加熱部711と加圧部712を含むことができる。加熱部711は、第2ボディー721の一側に位置し、サイド134の相対的に内側に位置する内側部1342を加熱する構成であることができる。また、加圧部712は、第2ボディー721の他側に位置し、サイド134の相対的に外側に位置する外側部1341を加圧する構成であることができる。
【0104】
本発明の他の実施形態によるサイドフォールディング装置では、第1サイドフォールディング装置500が、第1ボディー510を用いて、内側部1342を加熱および加圧(
図9)した後に、第2サイドフォールディング装置700の第2ボディー721がカップ部133に近くなる方向に移動し(
図10)、加熱部711が内側部1342を加熱し、加圧部712が外側部1341を加圧して、サイド134のフォールディングを行うことができる(
図11)。
【0105】
本発明の他の実施形態によるサイドフォールディング装置において、第1サイドフォールディング装置500が内側部1342を加熱、加圧した後に、第2サイドフォールディング装置700の第2ボディー721がカップ部133に近くなる方向に移動する際に、第2ボディー721は、カップ部133に近くなる方向に直線移動することができる。すなわち、第2サイドフォールディング装置700の第2ボディー721が回転運動をせずに直線運動をしながら前記カップ部133に近付き、前記サイド134部のフォールディング作業を行うことができる。
【0106】
この際、第2ボディー721の直線移動は、カップ部133の底部1332がなす平面と平行な仮想の平面に沿って移動する直線移動であることができる。すなわち、第2ボディー721は、第1カップ部133-1の方である下側方向、もしくは、第2カップ部133-2の方である上側方向には移動せず、サイド134部に近くなる方向Fにだけ直線移動しながらフォールディング作業を行うことができる。
【0107】
一方、本発明の他の実施形態によるサイドフォールディング装置を用いて、サイド134をフォールディングをする方法は、以下のとおりである。
【0108】
図9~
図11を参照すると、本発明の他の実施形態によるサイドフォールディング方法は、パウチ型二次電池の電池ケース13において、カップ部133の外側に延長形成されたサイド134をフォールディングするサイドフォールディング方法に関し、1次サイドフォールディングステップと、2次サイドフォールディングステップとを含むことができる。1次サイドフォールディングステップは、第1サイドフォールディング装置500を用いて、サイド134を1次フォールディングするステップであることができる。2次サイドフォールディングステップは、第2サイドフォールディング装置700を用いて、サイド134を2次フォールディングするステップであることができる。
【0109】
図9を参照すると、1次サイドフォールディングステップは、断面が円形である形状を有し、サイド134に隣接するように、二次電池の長さ方向に長く配置される第1ボディー510を含む第1サイドフォールディング装置500が、第1ボディー510を用いて、サイド134の相対的に内側に位置する内側部1342を加熱し、内側部1342がフォールディングされる方向に内側部1342を加圧するステップであることができる。
【0110】
図10および
図11を参照すると、2次サイドフォールディングステップは、プレート形状を有し、サイド134に隣接するように、二次電池の長さ方向に長く配置される第2ボディー721を含む第2サイドフォールディング装置700が、第2ボディー721をカップ部133に近くなる方向に移動させ(
図10)、一側の加熱部711により内側部1342を加熱し、他側の加圧部712によりサイド134の相対的に外側に位置する外側部1341を加圧(
図11)するステップであることができる。ここで、2次サイドフォールディングステップは、1次サイドフォールディングステップの後に行われるステップであることができる。
【0111】
本発明の他の実施形態によるサイドフォールディング方法において、カップ部133は、下側に位置する第1カップ部133-1と、第1カップ部133-1の上側に位置する第2カップ部133-2とを含むことができ、1次サイドフォールディングステップにおいて、第1サイドフォールディング装置500の第1ボディー510は、第1カップ部133-1から第2カップ部133-2に向かう方向と同じ方向である下側から上側方向に移動しながら内側部1342を加熱および加圧することができる。
【0112】
また、2次サイドフォールディングステップにおいて、第2サイドフォールディング装置700の第2ボディー721が、カップ部133に近くなる方向に移動する際に、第2ボディー721は、カップ部133に近くなる方向Fに直線移動することができる。また、この際、第2ボディー721の直線移動は、カップ部133の底部1332がなす平面と平行な仮想の平面に沿って移動する直線移動であることができる。
【0113】
以上で説明したように、本発明の他の実施形態によるサイドフォールディング装置および方法は、第1サイドフォールディング装置500の第1ボディー510と第2サイドフォールディング装置700の第2ボディー721が、回転運動なしに直線移動をしながらフォールディング作業を行うことができるという利点を有することができる。
【0114】
また、第1ボディー510がサイド134の内側部1342を加熱する作業を行うことができ、次いで、第2ボディー721も内側部1342を加熱する作業を行うことができ、第1ボディー510および第2ボディー721のいずれか一つが加熱作業をする最小必要時間を相対的に減少させることができるという利点を有することができる。
【0115】
本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更しなくても、他の具体的な形態に実施されることができるということを理解することができる。そのため、以上で記述した実施形態は、すべての面において例示的なものであって限定的なものではないことを理解すべきである。本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等概念から導き出される様々な実施形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0116】
1 二次電池
2 サイドフォールディング装置
10 電極組立体
11 電極タブ
12 電極リード
13 電池ケース
14 絶縁部
21 ボディー
111 正極タブ
112 負極タブ
121 正極リード
122 負極リード
131 第1ケース
132 第2ケース
133 カップ部
134 サイド
135 パウチフィルム
136 ブリッジ
137 ガス抜き部
211 加熱部
212 加圧部
1331 収容空間
1332 底部
1333 外壁
1341 外側部
1342 内側部
1343 外側端部
1344 第1フォールディング部
1345 第2フォールディング部
1351 シーラント層
1352 水分バリアー層
1353 表面保護層
1354 延伸補助層
500 第1サイドフォールディング装置
510 第1ボディー
700 第2サイドフォールディング装置
721 第2ボディー
711 加熱部
712 加圧部