(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】ソーラーセルアレイ用の電力ルーティングモジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20240422BHJP
B64G 1/44 20060101ALN20240422BHJP
【FI】
H01L31/04 570
B64G1/44 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017176670
(22)【出願日】2017-09-14
【審査請求日】2020-09-11
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-22
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】レーダー, エリック
(72)【発明者】
【氏名】チウ, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】クロッカー, トム
(72)【発明者】
【氏名】ロウ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ウォーターマン, デイル
【合議体】
【審判長】波多江 進
【審判官】吉野 三寛
【審判官】安藤 達哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-71214(JP,A)
【文献】特表2008-512860(JP,A)
【文献】特開2002-50782(JP,A)
【文献】特開2001-111089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
H01L 31/18-31/20
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のソーラーセル(14)と、
基板(12)と、
アレイ内の
前記ソーラーセル(14)を電気的に相互接続する電力ルーティングモジュール(30)を備える装置であって、前記電力ルーティングモジュール(30)が前記ソーラーセル(14)を電気的に相互接続する導電層(66)、及び前記導電層(66)を電気的に絶縁する絶縁層(64)を含み、
前記ソーラーセルのうちの少なくとも1つは、コーナー領域(26)を画定する少なくとも1つの刈り込まれたコーナー部(24)を有し、
前記ソーラーセル(14)が
前記基板(12)に取り付けられているときに、前記基板(12)の前記コーナー領域(26)内にあるエリア(28)は露出したままであり、
前記ソーラーセル(14)と電気的に接続する導電経路が、前記基板(12)の前記コーナー領域(26)内にある前記エリア(28)に、前記基板上に設けられるか、または、前記基板内に埋設され、
前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記基板(12)の前記コーナー領域(26)内にある露出したままの前記エリア(28)内で前記基板(12)に取り付けられ、
前記導電層(66)は前記導電経路と電気的に接続する、
装置。
【請求項2】
前記電力ルーティングモジュール(30)の前記導電層(66)は1つ以上の導体からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記ソーラーセル(14)を逆バイアスから保護するためのバイパスダイオード(44)を含み、前記バイパスダイオード(44)は、前記電力ルーティングモジュール(30)の1つ以上の前記導体に接続されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記電力ルーティングモジュール(30)の1つ以上の前記導体と、前記基板(12)の前記導電経路とに挟み込まれた電気的接合部(70)によって、電気的接続が形成される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記基板(12)の前記コーナー領域(26)内の露出したままの前記エリア(28)は、前記電力ルーティングモジュール(30)と前記基板(12)内の前記導電経路との間の接点を提供する導電パッド(72)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、
前記ソーラーセル(14)を前記基板(12)内
の1つ以上の電力線
と電気的に相互接続している、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記ソーラーセル(14)間を直列接続することによって、前記ソーラーセル(14)間を電気的に相互接続している、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、
ソーラーセル(14)が設けられていないステイアウト区域(74)の外側に設けられた前記ソーラーセル(14)間を電気的に相互接続している、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記ソーラーセル(14)の列内で、前記ソーラーセル(14)間を電気的に相互接続している、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記ソーラーセル(14)の列間で、前記ソーラーセル(14)間を電気的に相互接続している、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記アレイは非長方形のアレイであり、前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記非長方形のアレイ内で前記ソーラーセル(14)間を電気的に相互接続している、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、
ソーラーセル(14)が設けられていないステイアウト区域(74)を可能にする1つ以上の導体を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記基板(12)に取り付けるための接着部(60)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
電力ルーティングモジュール(30)を用いてアレイ内のソーラーセル(14)を電気的に相互接続することを含む方法であって、前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記ソーラーセル(14)を電気的に相互接続する導電層(66)、及び前記導電層(66)を電気的に絶縁する絶縁層(64)を含み、
前記ソーラーセル(14)のうちの少なくとも1つは、コーナー領域(26)を画定する少なくとも1つの刈り込まれたコーナー部(24)を有し、
前記ソーラーセル(14)が基板(12)に取り付けられているときに、前記基板(12)の前記コーナー領域(26)内にあるエリア(28)は露出したままであり、
前記ソーラーセル(14)と電気的に接続する導電経路が、前記基板(12)の前記コーナー領域(26)内にある前記エリア(28)に、前記基板上に設けられるか、または、前記基板内に埋設され、
前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記基板(12)の前記コーナー領域(26)内にある露出したままの前記エリア(28)内で前記基板(12)に取り付けられ、
前記導電層(66)は前記導電経路と電気的に接続する、
方法。
【請求項15】
前記電力ルーティングモジュール(30)の前記導電層(66)は、1つ以上の導体からなる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記ソーラーセルを逆バイアスから保護するためのバイパスダイオードを含み、前記バイパスダイオードは、前記電力ルーティングモジュール(30)の1つ以上の前記導体に接続される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電力ルーティングモジュール(30)の1つ以上の前記導体と、前記基板(12)の1つ以上の前記導電経路とに挟み込まれた電気的接合部によって、電気的接続が形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記基板(12)の前記コーナー領域(26)内の露出したままの前記エリア(28)は、前記電力ルーティングモジュール(30)と前記基板(12)内の前記導電経路との間の接点を提供する導電パッドを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、
前記ソーラーセル(14)を前記基板(12)内
の1つ以上の電力線
と電気的に相互接続している、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記ソーラーセル(14)間を直列接続することによって、前記ソーラーセル(14)間を電気的に相互接続する、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、
ソーラーセル(14)が設けられていないステイアウト区域(74)の外側に設けられた前記ソーラーセル(14)間を電気的に相互接続する、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記ソーラーセル(14)の列内で、前記ソーラーセル(14)間を電気的に相互接続する、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記ソーラーセル(14)の列間で、前記ソーラーセル(14)間を電気的に相互接続する、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記アレイは非長方形のアレイであり、前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記非長方形のアレイ内で前記ソーラーセル(14)間を電気的に相互接続する、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、
ソーラーセル(14)が設けられていないステイアウト区域を可能にする1つ以上の導体を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記電力ルーティングモジュール(30)は、前記基板(12)に取り付けるための接着部を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してソーラーセルパネルに関し、具体的にはソーラーセルアレイ用の電力ルーティングモジュールに関する。
【0002】
典型的な宇宙飛行可能なソーラーセルパネルの組み立ては、ソーラーセルの長いストリングの構築を伴う。これらのストリングの長さは可変であり、例えばセル20個に及び、またそれを超えるような、非常に長いものであり得る。こうした、長くて可変で壊れやすい機材を組み立てることは困難であり、そのために組み立ての自動化が阻害されてきた。
【0003】
現存する解決法では、CIC(セル、相互接続子、及びカバーガラス)ユニットに組み立てられたソーラーセルが用いられる。CICは、CICの一面から平行に延在するセルの前部に接続された、金属ホイルの相互接続子を有する。CICは、互いに近接して設置され、相互接続子によって隣接するセルの底部に接続されている。これらの相互接続子を用いることで、CICは直線状のストリングへと組み立てられる。これら直線状のストリングは手作業で構築され、可変の長さの多数のストリングからなる大きなソーラーセルアレイを形成するようにレイアウトされる。
【0004】
さらに、セルが部分的に影になったときにセルを逆バイアスから保護するため、バイパスダイオードが用いられる。バイパスダイオードは一般的に、ソーラーセルアレイ内の2つの隣接するセルの背面接点間を接続する。
【0005】
ソーラーセルアレイは、人工衛星内で用いられる場合、通常、パネルとしてパッケージ化される。パネルの寸法は、必要な電力、並びに打ち上げ機内に人工衛星を搭載し、格納するために必要なサイズ及び形状といった制約を含む、人工衛星の必要性によって決定される。さらに、パネルを展開する際、パネルの一部を機械設備のために使用することがしばしば必要になり、ソーラーセルアレイはこれらの箇所を避けなければならない。実際には、パネルは概して長方形であるが、その寸法及びアスペクト比はバリエーションが大きい。このスペースを埋めるCIC及びストリングのレイアウトは、発電量を最大にするために高度にカスタマイズされなければならず、その結果、製作工程は手作業が多くなる。
【0006】
そこで、ソーラーセルアレイのカスタマイズ性能を保持しつつソーラーセルアレイの製造の自動化を推進する手段が、必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本開示の装置及び方法は、以下に列挙される実施例に限定しないがそれらを含めて、様々な形で例証される。
【0008】
1.電力ルーティングモジュールを用いてアレイ内のソーラーセルを電気的に相互接続することであって、電力ルーティングモジュールが、ソーラーセルを電気的に相互接続する導電層、及び導電層を電気的に絶縁する絶縁層を含む、相互接続すること。ソーラーセルのうちの少なくとも1つは、コーナー領域を画定する、少なくとも1つの刈り込まれたコーナー部を有する。ソーラーセルが基板に取り付けられているときに、基板のコーナー領域内にあるエリアは露出したままであり、電力ルーティングモジュールは、基板のコーナー領域内の露出したままのエリアで、基板に取り付けられている。
【0009】
2.電力ルーティングモジュールの導電層は、1つ以上の導体からなる。
【0010】
3.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルを逆バイアスから保護するためのバイパスダイオードを含み、バイパスダイオードは、電力ルーティングモジュールの1つ以上の導体に接続されている。
【0011】
4.基板のコーナー領域内の露出したままのエリアは、電力ルーティングモジュールと基板内の導電経路との間の接点を提供する導電パッドを含む。
【0012】
5.電力ルーティングモジュールの1つ以上の導体と、基板の1つ以上の導体とに挟み込まれた電気的接合部によって、電気的接続が形成される。
【0013】
6.電力ルーティングモジュールは、基板内の1つ以上の電力線でソーラーセルを電気的に相互接続している。
【0014】
7.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセル間を直列接続することによって、ソーラーセル間を電気的に相互接続している。
【0015】
8.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルを周ってブリッジ接続することによって、ソーラーセル間を電気的に相互接続している。
【0016】
9.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルの列内で、ソーラーセル間を電気的に相互接続している。
【0017】
10.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルの列間で、ソーラーセル間を電気的に相互接続している。
【0018】
11.ソーラーセルアレイは非長方形のアレイであり、電力ルーティングモジュールは、非長方形のアレイ内でソーラーセル間を電気的に相互接続している。
【0019】
12.電力ルーティングモジュールは、ステイアウト区域を可能にする、1つ以上の導体を含む。
【0020】
13.電力ルーティングモジュールは、基板に取り付けるための接着部を含む。
【0021】
ここで、図面を参照する。各図面を通じて、類似の参照番号は対応する部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】
図3A及び
図3Bは、一実施例による、ソーラーセルパネルの改良型の構造を示す。
【
図4】
図4A及び
図4Bは、一実施例による、ソーラーセルパネルの代替的な構造を示す。
【
図7】一実施例による、アレイの2次元(2D)格子状に配列されたセルを示す。
【
図8】基板のコーナー領域内の露出したエリアに、1つ以上のバイパスダイオードが追加された、アレイの一実施例を示す。
【
図9】バイパスダイオードがセルの背面に付けられ、バイパスダイオード用の相互接続子または接点が前面接点と背面接点の間のコーナー領域内に延在している、一実施例を示す。
【
図10】バイパスダイオード用の相互接続子または接点が前面接点と背面接点の間のコーナー領域内に延在している、
図9の実施例の前面図を示す。
【
図11】アレイの2Dグリッドに配列され基板に付けられた
図9及び
図10のセルであって、バイパスダイオードがセルの背面に付けられ、バイパスダイオード用の接点がセルのコーナー領域内に延在している、
図9及び
図10のセルを示す。
【
図12】一実施例による、アレイのセル間の上方向/下方向の直列接続を示す。
【
図13】一実施例による、アレイのセル間の左方向/右方向の直列接続を示す。
【
図14】基板が下にあり、電力ルーティングモジュールが上にあり、基板が可撓性シートの組立品である、一実施例の概略側面図である。
【
図15】基板が下にあり、電力ルーティングモジュールが上にあり、電力ルーティングモジュールが接着剤で可撓性シートに取り付けられている、一実施例の概略側面図である。
【
図16】アレイ内のソーラーセルのコーナー領域の上面図である。
【
図17】ソーラーセルの直列接続用の、電力ルーティングモジュールの構造を示す。
【
図18】アレイ内のソーラーセルに取り付けられた電力ルーティングモジュールの変形形態を示す。
【
図19】アレイ内の列の最下部における、電力ルーティングモジュールが取り付けられる前の、隣接するソーラーセルのレイアウトを示す。
【
図20】
図19のソーラーセル間を接続する、電力ルーティングモジュールの一実施例を示す。
【
図21】
図19のソーラーセル間を接続する、電力ルーティングモジュールの別の実施例を示す。
【
図22】アレイ内の列の最上部における、電力ルーティングモジュールが取り付けられる前の、隣接するソーラーセルの配置を示す。
【
図23】
図22のソーラーセル間を接続する、電力ルーティングモジュールの一実施例を示す。
【
図24】
図22のソーラーセル間を接続する、アレイ内のソーラーセルに取り付けられた電力ルーティングモジュールの別の実施例を示す。
【
図25】電力ルーティングモジュールによって決定される電流の方向に対応してレイアウトされたセルのアレイを示す。
【
図26】
図25の配置から複数のセルを取り除き、最下部の電力ルーティングモジュールを移動し、電力ルーティングモジュールを用いて非長方形のソーラーセルアレイを形成した配置を示す。
【
図27】
図25の配置から複数のセルを取り除き、最下部の電力ルーティングモジュールを移動し、ステイアウト区域を画定した配置を示す。
【
図28】一実施例による、ソーラーセル、ソーラーセルパネル及び/または人工衛星の製作方法を示す。
【
図29】一実施例による、その結果製作される、ソーラーセルからなるソーラーセルパネルを有する人工衛星を示す。
【
図30】一実施例によるソーラーセルパネルを、機能ブロック図の形態で示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明で、本願の一部である添付図面を参照する。これらの添付図面は、本開示が実施され得る具体的な実施例を例示する目的で示されている。他の実施例も利用可能であることと、本開示の範囲を逸脱することなく構造的な変更が加えられてよいことは、理解されるべきである。
概要
【0024】
例えば宇宙飛行用電力の用途に用いられる、ソーラーセルアレイの設計に関する新たな手法は、アレイ内のソーラーセル間の電気的接続に基づいている。
【0025】
これらの新たな手法は、ソーラーセルの構成要素及びアレイ内のソーラーセルの配列を配列し直すものである。ソーラーセルを接続して長い直線状のストリングにしてから基板上に組み立てる代わりに、ソーラーセルを、隣接するセルのコーナー領域が基板上で位置合わせされるようにして個別に基板に取り付け、それによって基板のあるエリアを露出させる。セル間の電気接続は、基板上または基板内でこれらのコーナー領域内に形成された、コーナー導体によってなされる。結果として、この手法は、個別のセルをベースにしたソーラーセルアレイの設計を提示している。
【0026】
こうして、ソーラーセルアレイの製作に際して、単一のレイダウンプロセスとレイアウトが用いられ得る。ソーラーセル間の電流は、基板内にはめ込まれた導体によって補助される。これらの電気的接続によって、そのソーラーセルアレイの具体的な特性、例えばその寸法、ステイアウト区域、及び回路の終端が規定される。この手法によって製造が簡素化され、自動化が可能になり、コストと搬送時間が削減される。
【0027】
図1及び
図2は、基板12、アレイ内に配列された複数のソーラーセル14、及びソーラーセル14間の電気コネクタ16を含む、ソーラーセルパネル10の従来型構造を示す。
図1にはハーフサイズのソーラーセル14が、
図2にはフルサイズのソーラーセル14が示されている。宇宙用ソーラーセル14は、円形のゲルマニウム(Ge)基板の出発材料から作られる。より高密度でソーラーセルパネル10に搭載するため、これらは後に、準長方形の形状に加工される。このウエハは、しばしば1つまたは2つのソーラーセル14にダイスカットされる。これらは、ここではハーフサイズまたはフルサイズのソーラーセル14として記載される。ソーラーセル14間を電気的に接続する電気コネクタ16は、ソーラーセル14間の長い平行な端部に沿って作られている。(セルとセルとの)これらの直列接続は、基板に取り付けられていない状態で完成される。なぜならば、ソーラーセル14が接続されてできるストリングは、任意の数のソーラーセル14の長さを持つように構築されるからである。ソーラーセル14のストリングは、完成した後に基板12に付けられ、取り付けられる。
【0028】
図2では、ストリングを他のストリングに電気的に接続するためか、または配線を終端処理して回路とし、ソーラーセル14のアレイの電流をここで断ち切るために、配線18がソーラーセル14のストリングの終端に取り付けられている。ストリングとストリングの間の接続及び回路終端の接続は、通常、基板12上で行われ、通常、配線18を用いて行われる。しかし、あるソーラーセルパネル10では、導体がはめ込まれたプリント回路基板(PCB)タイプの機材が用いられる。
【0029】
接続されたソーラーセル14でできた、隣接するストリング同士は、平行または反平行に延びていることができる。加えて、接続されたソーラーセル14でできたストリングは、整列されていることも、いないこともできる。ソーラーセル14のレイアウトに対して互いに競合する影響を与えるものは多い。その結果、ソーラーセル14が平行な領域または反平行である領域、整列されている領域または整列されていない領域が存在する。
【0030】
図3A~
図3Bは、一実施例による、ソーラーセルパネル10aの改良された装置及び構造を示す。
図3Bは、
図3Aの破線円内の詳細拡大図である。
図5~
図13では、ソーラーセルパネル10aの様々な構成要素が示され、より詳細に記載されている。
【0031】
ソーラーセルパネル10aは、上に1つ以上のコーナー導線20を有する、ソーラーセル14用の基板12を含む。一実施例では、基板12は、1つ以上のパターニングされた金属層を分離する1つ以上のKapton(登録商標)(ポリイミド)層からなる、多層基板12である。基板12は、従来型の組立品と同様の、大きな剛性の基板10aに装着されていてよい。代わりに、基板12は、装着用または展開用の、より軽くより薄いフレームまたはパネル10aに装着されることができる。
【0032】
複数のソーラーセル14が、基板12に、アレイ22の2次元(2D)格子状に取り付けられている。この例では、アレイ22は、4段×24列に配列された、96個のソーラーセル14からなっているが、異なる実施形態では、任意の数のソーラーセル14が用いられ得ることが、認められている。
【0033】
ソーラーセル14のうちの少なくとも1つは、破線円によって示されるように、コーナー領域26を画定する少なくとも1つの刈り込まれたコーナー部24を有する。ソーラーセル14は、隣接するソーラーセル14のコーナー領域26同士が位置合わせされるようにして、基板12に取り付けられており、それによって基板12のエリア28が露出している。基板12の露出しているエリア28は、1つ以上のコーナー導体20を含み、ソーラーセル14の刈り込まれたコーナー部24によってできたコーナー領域26内で、ソーラーセル14とコーナー導体20との間の1つ以上の電気的接続がなされている。
【0034】
この例では、コーナー導体20は、ソーラーセル14が基板12に取り付けられる前及び/または後に、基板12に取り付けられたか、基板12上にプリントされたか、基板12内に埋設されたか、基板12上に堆積した導電経路であって、隣接するソーラーセル14間の接続を促進する。ソーラーセル14とコーナー導体20との間の接続は、ソーラーセル14が基板12に取り付けられた後に行われる。
【0035】
4つの隣接するソーラーセル14が基板12上で位置合わせされ、各ソーラーセル14から1つずつの計4つの刈り込まれたコーナー部24がコーナー領域26で集まって一緒になっている。次に、ソーラーセル14は基板12に個別に取り付けられる。このときソーラーセル14はコーナー導体20の上に置かれ、ソーラーセル14とコーナー導体20との間で電気的接続が行われる。
【0036】
ソーラーセル14は、CIC(セル、相互接続子、カバーグラス)ユニットとして基板12に付けることができる。代わりに、未被覆のソーラーセル14を基板12上で組み立て、その後にソーラーセル14に相互接続子を付け、続いて単セルのソーラーセル14用カバーガラス、マルチセルのソーラーセル14用カバーガラス、マルチセルのソーラーセル14用ポリマーカバーシート、またはスプレー式封止材を付けることもできる。この組立品は、ソーラーセル14を、性能を制限するような損傷から保護する。
【0037】
図4A及び
図4Bは、一実施例による、ソーラーセルパネル10aの代替的な構造を示す。
図4Bは、
図4Aの破線円内の詳細拡大図である。この例では、ごく少数のコーナー導体20のみが、基板12上にプリントされているか、または基板12に組み込まれている。代わりに、
図14~
図27に関連して以下でより詳細に記載されているように、コーナー導体20のほとんどが、基板12に取り付けられている電力ルーティングモジュール(PRM)30内に含まれていてもよい。
【0038】
図5は、
図3A~
図3B、及び
図4A~
図4Bの改良型ソーラーセルパネル10aで用いられ得る、例示のソーラーセル14の前面を示す。CICユニットであるソーラーセル14は、ハーフサイズのソーラーセル14である。(フルサイズのソーラーセル14もまた用いられ得る。)
【0039】
破線円で示されるように、ソーラーセル14は、コーナー領域26を画定する少なくとも1つの刈り込まれたコーナー部を有するように製作されており、それによって、刈り込まれたコーナー部24によってできたコーナー領域26には、ソーラーセル14との電気的接続をなす少なくとも1つの接点32、34が含まれる。
図5に示す例では、ソーラーセル14は2つの刈り込まれたコーナー部24を有し、そのそれぞれが、ソーラーセル14の前面にある前面接点32と、ソーラーセル14の背面にある背面接点34とを有し、接点32及び接点34はコーナー領域26内に延在している。(フルサイズのソーラーセル14は4つの刈り込まれたコーナー部24を有し、そのそれぞれが、1つの前面接点32及び1つの背面接点34を有する。)
【0040】
刈り込まれたコーナー部24があることによって、ソーラーセル14の出発材料として円形のウエハを利用することが多くなる。従来型のパネル10では、ソーラーセル14が基板12に取り付けられた後、これらの刈り込まれたコーナー部24は、結果的にパネル10上の不使用スペースになってしまう。しかし、本開示で記載するこの新たな手法では、この不使用スペースが利用される。具体的には、コーナー導体20、前面接点32及び背面接点34を備える金属ホイル相互接続子が、コーナー領域26に移動される。これに対して、既存のCICはソーラーセル14の前面に取り付けられた相互接続子を有しており、ストリングの作製中に背面(接続が起こるところ)に接続される。
【0041】
ソーラーセル14によって生成された電流は、どちらの前面接点32にも接続された、細型の金属フィンガー38とより広い金属バスバー40の格子36によって、ソーラーセル14の前面上で集電される。格子36に金属を追加してソーラーセル14に入る光を減らしソーラーセル14の出力を減らすことと、金属が増えることで抵抗が減少することとは、バランスの関係にある。バスバー40は低抵抗導体であり、大電流を搬送すると共に、前面接点32が切断された場合には冗長性も提供する。一般的に、最適化のためには前面接点32間に直接延びる短いバスバー40が必要とされる。刈り込まれたコーナー部24内に前面接点32を有することによって、バスバー40をソーラーセル14の外周から離す結果となる。これが達成される一方、同時に、バスバー40の長さが最小化され、光遮蔽が最小化される。さらに、これによってフィンガー38も短くなる。これによって、格子36内の寄生抵抗が減少する。なぜならば、フィンガー38の長さが短くなり、搬送される電流の総量が減少するからである。これによって、細型のフィンガー38をより短くするために、前面接点32と接続相手のバスバー40を移動する、という設計上の好みが生まれる。
【0042】
図6は、
図5の例示のソーラーセル14の背面を示す。ソーラーセル14の背面は、どちらの背面接点34にも接続している、背面層42を有する。
【0043】
図7は、一実施例による、アレイ22の2D格子状に配列されたソーラーセル14を示す。アレイ22は、隣接するソーラーセル14のコーナー領域26同士が位置合わせされるようにして基板12に取り付けられている、複数のソーラーセル14を備えており、それによって基板12のエリア28が露出している。ソーラーセル14間の電気的接続(図示せず)は、ソーラーセル14の前面接点32及び背面接点34、並びに、基板12の露出したエリア28上またはエリア28内に形成されたコーナー導体20(図示せず)を用いて、基板12の露出したエリア28内で、なされている。
【0044】
組み立て中、ソーラーセル14は、基板12に個別に取り付けられる。この組み立ては、剛性と可撓性のどちらでもあり得る支持面、即ち基板12上で、直接行われることができる。代わりに、ソーラーセル14は、仮の支持面上でアレイ22の2D格子状に組み立てられ、その後に最終的な支持面、即ち基板12へと移送されてもよい。
【0045】
図8は、基板12のコーナー領域26内の露出したエリア28に、1つ以上の電気接続で用いるための1つ以上のバイパスダイオード44が追加された、アレイ22の一実施例を示す。バイパスダイオード44は、ソーラーセル14が電流を生成できなくなった場合にソーラーセル14を保護する。ソーラーセル14が電流を生成できなくなった場合とは、部分的に影になったせいでもあり得るが、その場合には、ソーラーセル14に逆バイアスがかかる。一実施例では、バイパスダイオード44は、ソーラーセル14から独立して、基板12のコーナー領域26に取り付けられている。
【0046】
図9は、バイパスダイオード44がソーラーセル14の背面に付けられ、バイパスダイオード44用の相互接続子または接点46のうちのいずれかが、前面接点32と背面接点34の間のコーナー領域26内に延在している、一実施例を示す。
【0047】
図10は、バイパスダイオード44(図示せず)用の相互接続子または接点46が前面接点32と背面接点34の間のコーナー領域26内に延在している、
図9の実施例の前面図を示す。
【0048】
図11は、バイパスダイオード44(図示せず)がソーラーセル14の背面に付けられ、バイパスダイオード44用の接点46がソーラーセル14のコーナー領域26内に延在している、アレイ22の2D格子状に配列され基板12に付けられた、
図9及び
図10のソーラーセル14を示す。
【0049】
この手法の1つの利点は、
図7、
図8、及び
図11で示されるレイアウトが、普遍化されたレイアウトであることである。具体的には、これらのレイアウトは、パネル10aの顧客が所望する任意の寸法にわたって、反復することができる。これによって、組み立て、改修、試験、及び検査の各工程が非常に簡素化される。
【0050】
ソーラーセル14とバイパスダイオード44の配置に続いて、カスタマイズが行われる別のステップが存在する。ソーラーセル14のコーナー領域26内で、前面接点32と背面接点34とが、接続されなければならない。電流を所望の経路でルーティングするために、これは多数の組合せで行うことができる。
【0051】
ソーラーセル14を基板12に取り付けた後、ソーラーセル14とコーナー導体20との間で接続が行われる。ソーラーセル14の前面接点32及び背面設定34は、コーナー導体20に取り付けるため、各コーナー領域26にある。各ソーラーセル14の前面接点32及び背面接点34用の相互接続子は、電流をソーラーセル14の外部にルーティングする導電経路20、32、34を設けるため、コーナー導体20に溶接、はんだづけ、または他のやり方で接合されることができる。
【0052】
コーナー導体20を用いて、電気的接続において任意のカスタマイズを行うことができる。隣接するソーラーセル14は、具体的な設計の要望に従って、電流を上方向/下方向、または左方向/右方向に電流を流すように電気的に接続されることができる。必要に応じて、電流がステイアウト区域を迂回するようにルーティングすることもできる。ソーラーセルアレイ22の長さや幅は、所望に応じて設定することができる。また、アレイ22の幅は、長さに応じて変化することもできる。
【0053】
一実施例では、電気的接続は、複数のソーラーセル14を通る電流の流量を決定する、直列接続である。これは、
図12及び
図13に示す接続スキームによって達成され得る。
図12は、アレイ22のソーラーセル14間の上方向/下方向の直列接続48を示しており、
図13は、アレイ22のソーラーセル14間の左方向/右方向の直列接続50を示している。
図12及び
図13のどちらにおいても、これらの直列接続48、50は、ソーラーセル14の前面接点32及び背面接点34とバイパスダイオード44との間の電気的接続であり、これらの直列接続は、基板12の露出したエリア28上またはエリア28内に形成されたコーナー導体20を用いてなされている。基板に取り付けられていない状態の大きなストリングの組立品とは異なり、矢印52で示される、ソーラーセル14を通じた電流(電力)量は、これらの直列接続48、50によって左右される。
【0054】
ソーラーセル14間のコーナー導体20は、様々な形態であることができる。コーナー導体20は、はんだ付け、溶接、導電性接着剤、または他の処理であり得る方法で両端になされた電気的接続を有する、電線を用いて完成することができる。電線に加えて、相互接続子と同様の金属ホイルコネクタもまた適用され得る。金属導体経路またはトレース(図示せず)もまた、基板12に組み込まれていることができる。
【0055】
要約すると、この新たな手法は、2個、3個、または4個の隣接するソーラーセル14のコーナー領域26同士が、基板12上で位置合わせされるようにして、ソーラーセル14を個別に基板12に取り付けるものである。ソーラーセル14は、刈り込まれたコーナー部24同士が位置合わせされてコーナー領域26同士が隣接し、それによって基板12のエリア28が露出するようにして、レイアウトされる。ソーラーセル14間の電気的接続は、これらのコーナー領域26内で、ソーラーセル14の前面接点32と背面接点32と、基板12の露出したエリア28上またはエリア28内のバイパスダイオード44と、コーナー導体20との間でなされる。これらの導電経路は、回路を含む直列接続48、50でソーラーセル14のストリングを作製するのに用いられる。
電力ルーティングモジュール
【0056】
コーナー領域26内のソーラーセル14間の電気的接続を用いることで自動化が促進されるが、その一方で、顧客が必要とするカスタマイズを可能にする様々な構成を達成し得る、様々なコーナー導体20に対する需要も依然として存在する。しかし、このためには、コーナー領域26内に多数のコーナー導体20が必要とされ得るので、その結果コーナー導体20が密集して配置され、静電気放電(ESD)の懸念が生じてしまう。
【0057】
一方、ソーラーセル14のアレイからの発電量を最大化するためには、コーナー領域26を可能な限り小さくすることが望ましい。組み立て中の労働コスト及び部品コストを削減するためには、ソーラーセル14を大きくすることもまた望ましい。
【0058】
しかし、本書で記載する設計はこの評価を変えるものであり、ソーラーセル14を小さくする結果として生じるコスト面の不利益は、ほとんどない。ソーラーセル14がより小さいと、ウエハ上の面積を埋めるのに有利であり、同時にパネル10aを埋めるのにも有利である。ソーラーセル14がより小さいことは、資材と労力をよりよく利用することにつながる。しかし、ソーラーセル14がより小さいことは、刈り込まれたコーナー部24とコーナー領域26がより小さいことにもまたつながり、これによって接続方針に問題が生じる。
【0059】
本開示には、コーナー領域26で用いられるコーナー導体20をカスタマイズする、PRM30が記載されている。このPRM30は、コーナー領域26内で基板12に取り付けられる。全てのコーナー導体20を基板12上に形成するのではなく、むしろコーナー導体20のほとんどは、PRM30内に内包されている。アレイ22の所望の接続レイアウトを作り出すため、異なる導体20のレイアウト(例えば2Dまたは3D)を有する、異なるバージョンのPRM30が選択され得る。
【0060】
図14は、一実施例による、基板12が下にあり、PRM30が上にあり、基板12が可撓性シートの組立品である、概略側面図である。基板12は、上に銅(Cu)層56a、下にCu層56bを有するポリイミドベース層54を含み、Cu層56a及び56bは、多層導体を形成している。Cu層56aはコーナー導体20としてパターニングされており、Cu層56bは、パターニングされて、例えばV+、V-及び埋め込み線(bridging line)を含む、基板12内の埋設導体を形成している。基板12に、電荷の集積を低減するという点で宇宙環境で有用な、導電性のポリイミド製バックシート58を付けることができる。
【0061】
右側に示されているのは、接着剤60で基板12に取り付けられている、ソーラーセル14である。ソーラーセル14及びコーナー導体20に取り付けられた、金属ホイルの相互接続子62もまた見ることができる。
【0062】
基板12は、多層導体56a、56bのうちの少なくとも1つを、多層導体56a、56bのうちの少なくとももう1つから分離する、絶縁層もまた含む。一実施例では、頂部のポリイミドオーバーレイ層64aと、底部のポリイミドオーバーレイ層64bとが存在する。ポリイミドは、空気や真空よりも強い高度の破壊強度を有しており、ポリイミドオーバーレイ層64a、64bは、宇宙環境における重大事項であるESDを防止するのに有用である。
【0063】
PRM30は、アレイ22内のソーラーセル14間を電気的に相互接続するため、基板12の上側に位置している。PRM30は、ポリイミドベース層64を含む絶縁層と、上に堆積した単層のCu層66を含む導電層からなる。1つ以上のコーナー導体20を含むCu層66は、ソーラーセル14間を電気的に相互接続するのに用いられ、ポリイミドベース層64は、Cu層66のコーナー導体20を電気的に絶縁するのに用いられる。
【0064】
PRM30のベース層64は、ポリイミドであるとして示されているが、他の適切なポリマーや、ガラスまたはアルミナといったセラミックスを含む、使用環境にとって適切な、多岐にわたる絶縁体から選択することができる。ガラスまたは他の透明な絶縁体の利点は、レーザ溶接処理と共に用いられ得ることである。レーザ溶接処理においては、レーザビームが絶縁体を通って伝送され、レーザビームのエネルギーは、PRM30上の導電層66によって吸収される。
【0065】
PRM30の頂面(太陽に面する面)は、ポリイミドに接合されたAlホイルといった、反射性の高い被覆を有していることができる。これによって、太陽エネルギーが反射され、ソーラーアレイ22の加熱が低減され、ソーラーセル14の動作温度が低下し、その結果、発電量が増加する。
【0066】
PRM30は、ソーラーセル14を逆バイアスから保護するためのバイパスダイオード44を含んでいてよく、バイパスダイオード44は、相互接続子62によってPRM30の1つ以上のコーナー導体20に接続されていてよい。PRM30は、PRM30を基板12に取り付けるための接着剤68と、PRM30の1つ以上のコーナー導体20を基板12の1つ以上のコーナー導体20に接続するための電気的接合部70もまた含んでいてよい。
【0067】
図15は、PRM30が接着剤68を用いて基板12に取り付けられた、
図14の実施例の概略側面図である。PRM30は、基板12のコーナー領域26内の露出したままのエリア28内で、基板12に取り付けられている。この実施例では、PRM30の1つ以上のコーナー導体20と、基板12の1つ以上のコーナー導体20とに(例えばCu層56aと66とに)挟み込まれた電気的接合部70によって、電気的接続が形成されている。電気的接合部70は、はんだによってか、上記のレーザ溶接処理によってか、または超音波溶接処理によって、完成され得る。
【0068】
図16は、前面接点32及び背面接点34を含み、PRM30が取り付けられていない、アレイ22内のソーラーセル14のコーナー領域26の上面図を示す。この図には、少数のコーナー導体20のみを示す。基板12のコーナー領域26内の露出したままのエリア28は、PRM30と、基板12内の導電経路、例えば電力線、埋め込み線、または、基板12内(即ちCu層56b内)に埋設されたもしくははめ込まれた他の導電経路との間の接点を提供する、電動パッド72もまた含む。これは、用途やRPM30にかかわらず、全てのコーナー領域26用の共通の設計である。
【0069】
図17は、PRM30が、ソーラーセル14間を直列接続48することによってソーラーセル14を電気的に相互接続している、一実施例を示す。
図17が、ポリイミドベース層64(図示せず)を通してみた、太陽の視点からの構造を示していることは、留意するべきである(
図18、
図20、
図21、
図23及び
図24も同様)。コーナー導体20aは上段左のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34に接続し、コーナー導体20bは下段左のソーラーセル14(図示せず)の前面接点32に接続し、コーナー導体20cは、バイパスダイオード44aを通じて下段左のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34に接続している。コーナー導体20dは下段右のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34に接続し、コーナー導体20eは上段右のソーラーセル14(図示せず)の前面接点32に接続し、コーナー導体20fは、バイパスダイオード44bを通じて上段右のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34に接続している。
【0070】
微小な変更によって、PRM30が回転し、ソーラーセル14間の接続の機能性を変化させ得ることは、留意されるべきである。例えば、
図17のPRM30は、回転して左方向/右方向の直列接続50にすることができる。
【0071】
図18は、PRM30が、基板12内で、1つ以上の電力線でソーラーセル14を電気的に相互接続している、別の実施例を示す。この実施例では、コーナー導体20aは、埋設されたプラス側電線(図示せず)用パッド72で上段左のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34を終端処理し、コーナー導体20bは、埋設されたマイナス側(共通)電線(図示せず)用パッド72で下段左のソーラーセル14(図示せず)の前面接点32を終端処理し、コーナー導体20cは、バイパスダイオード44aを通じて下段左のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34に接続している。コーナー導体20a、20bはどちらも、プラス側電線用パッド72及びマイナス側電線用パッド72に二重冗長接続されているが、接続の数は所望により増減することができる。
図17と同様に、コーナー導体20dは下段右のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34に接続し、コーナー導体20eは上段右のソーラーセル14(図示せず)の前面接点32に接続し、コーナー導体20fは、バイパスダイオード44bを通じて上段右のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34に接続している。
【0072】
図19は、PRM30が取り付けられる前の、アレイ22内の列の最下部で隣接しているソーラーセル14同士のレイアウトを示す。このレイアウトには、コーナー導体20、コーナー領域26、前面接点32、背面接点34、電力線に関連付けられた導体パッド72、埋め込み線、または基板12内に埋設されたもしくははめ込まれた導電経路が含まれている。
【0073】
図20は、PRM30が、
図19のソーラーセル14の列間で、ソーラーセル14を電気的に相互接続している、一実施例を示す。この実施例では、コーナー導体20aは左のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34を、右のソーラーセル14(図示せず)の前面接点32に接続し、コーナー導体20bは、バイパスダイオード44を通じて右のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34に接続している。
【0074】
図21は、PRM30が、
図19のソーラーセル14の列間で、ソーラーセル14を電気的に相互接続している、別の実施例を示す。この実施例では、コーナー導体20aは、埋設されたプラス側電線(図示せず)用パッド72で左のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34を終端処理し、コーナー導体20bは、埋設されたマイナス側(共通)電線(図示せず)用パッド72で右のソーラーセル14(図示せず)の前面接点32を終端処理し、コーナー導体20cは、バイパスダイオード44aを通じて右のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34に接続している。コーナー導体20aのみが、プラス側電線用パッド72に二重冗長接続されているが、接続の数は所望により増減することができる。
【0075】
図22は、PRM30が取り付けられる前の、アレイ22内の列の最上部で隣接しているソーラーセル14同士のレイアウトを示す。このレイアウトには、コーナー導体20、コーナー領域26、前面接点32、背面接点34、電力線に関連付けられた導体パッド72、埋め込み線、または基板12内に埋設されたもしくははめ込まれた導電経路が含まれている。
【0076】
図23は、PRM30が、
図22のソーラーセル14の列間で、ソーラーセル14を電気的に相互接続している、一実施例を示す。この実施例では、コーナー導体20aは、埋設されたマイナス側(共通)電線(図示せず)用パッド72で左のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34を終端処理し、コーナー導体20bは、バイパスダイオード44を通じて左のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34に接続し、コーナー導体20cは、埋設されたマイナス側(共通)電線(図示せず)用パッド72で右のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34を終端処理している。PRM30のこのレイアウトによって、アレイ22内の列から列へと電流がブリッジされる。
【0077】
図24は、PRM30が、
図22のソーラーセル14の列間で、ソーラーセル14を電気的に相互接続している、別の実施例を示す。この実施例では、コーナー導体20aは、埋設されたプラス側電線(図示せず)用パッド72で左のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34を終端処理し、コーナー導体20bは、バイパスダイオード44を通じて左のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34に接続し、コーナー導体20cは、埋設されたマイナス側(共通)電線(図示せず)用パッド72で右のソーラーセル14(図示せず)の背面接点34を終端処理している。
【0078】
図25は、セル1(14)からセル32(14)としてラベル付けされた4段×8列のソーラーセル14からなる、アレイ22のレイアウトを示す。ソーラーセル14のラベルのナンバリングは、ソーラーセル14の列内でソーラーセル14を電気的に相互接続しているPRM30によって決定される、電流の方向に対応している。第1段の第3/第4列、第5/第6列、及び第7/第8列用のPRM30は、第2段の第1/第2列、及び第5/第6列用のPRM30と協同し、ソーラーセル14間の回路を終端処理する。最下段のPRM30は、列間の電流をブリッジする。
【0079】
図26は、
図25から、セル12(14)、セル13(14)、セル19(14)、セル20(14)、セル21(14)、セル22(14)、セル26(14)、セル27(14)、セル28(14)、セル29(14)、セル30(14)、及びセル31(14)が取り除かれ、最下段のPRM30が上方に移動されて第3/第4列、第5/第6列、及び第7/第8列を終端処理し、それによってソーラーセル14の非長方形アレイ22を形成し、PRM30を用いて非長方形アレイ22のソーラーセル14間を電気的に相互接続するレイアウトを示す。
【0080】
図27は、
図25から、セル10(14)、セル1(14)、セル12(14)、セル13(14)、セル14(14)、セル15(14)、セル18(14)、セル19(14)、セル20(14)、セル21(14)、セル22(14)、及びセル23(14)が取り除かれ、最下段のPRM30が上方に移動されて第3/第4列、及び第5/第6列を終端処理し且つ取り除かれたソーラーセル14の周囲でブリッジ接続によってソーラーセル14を電気的に相互接続し、それによってステイアウト区域74が画定されるレイアウトを示す。PRM30は、ステイアウト区域74を可能にする1つ以上のコーナー導体20を含んでおり、電流は、基板12(即ちCu層56b)内にはめこまれた、埋め込み線を通じて流れる。
製作
【0081】
本開示の各実施例は、
図28に示すステップ78~90を含む、ソーラーセル14、ソーラーセルパネル10a、及び/または人工衛星の製作方法76に関連して記載されていてよく、結果として製作される、ソーラーセル14からなるソーラーセルパネル10aを有する人工衛星92は、
図29に示される。
【0082】
図28に示すように、製造前段階では、例示の方法76は、ソーラーセル14、ソーラーセルパネル10a及び/または人工衛星92の仕様及び設計78、並びにこれらの材料の調達80を含んでいてよい。製造段階では、ソーラーセル14、ソーラーセルパネル10a、及び/または人工衛星92のコンポーネント及びサブアセンブリの製造82、並びにシステムインテグレーション84が行われる。これらは、ソーラーセル14、ソーラーセルパネル10a、及び/または人工衛星92の製作を含んでいる。その後、ソーラーセル14、ソーラーセルパネル10a、及び/または人工衛星92は、運航88に供されるために認可及び納品86を経てよい。ソーラーセル14、ソーラーセルパネル10a、及び/または人工衛星92は、打ち上げ前に、(改造、再構成、改修などを含む)整備及び保守90が予定されてもよい。
【0083】
方法76の各工程は、システムインテグレータ、第三者、及び/またはオペレータ(例えば顧客)によって実行され、または実施され得る。本明細書の目的に関しては、システムインテグレータは、限定しないが、ソーラーセル、ソーラーセルパネル、人工衛星または宇宙船の、任意の数の製造業者及び主要システムの下請業者を含んでいてよく、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者及びサプライヤーを含んでいてよく、またオペレータは、衛星通信会社、軍事団体、サービス機関などであってよい。
【0084】
図29に示すように、例示の方法76によって製作される人工衛星92は、システム94、本体96、ソーラーセル14からなるソーラーセルパネル10a、及び1つ以上のアンテナ98を含んでいてよい。人工衛星92に含まれるシステム94の例は、限定しないが、推進システム100、電気システム102、通信システム104、及び電力システム106のうちの1つ以上を含む。任意の数の他のシステム94もまた、含まれてよい。
【0085】
図30は、一実施例によるソーラーセルパネル10aを、機能ブロック図の形態で示す。ソーラーセルパネル10aは、基板12に個別に取り付けられた1つ以上のソーラーセル14からなる、ソーラーセルアレイ22からなる。各ソーラーセル14は、光源110からの光108を吸収し、それに応答して電気出力112を生成する。
【0086】
すくなくとも1つのソーラーセル14は、コーナー領域26を画定する少なくとも1つの刈り込まれたコーナー部24を有し、それによって、基板12のエリア28は、ソーラーセル14が基板12に取り付けられたときにも露出したままである。複数のソーラーセル14が基板12に取り付けられているときには、隣接するソーラーセル14のコーナー領域26同士が位置合わせされており、それによって基板12のエリア28が露出している。
【0087】
基板12の露出したままのエリア28は、基板12に取り付けられたか、基板12上にプリントされたか、基板12に組み込まれたかしている1つ以上のコーナー導体20を含んでおり、ソーラーセル14とコーナー導体20との間の1つ以上の電気的接続が、コーナー領域26内でなされている。コーナー領域26は、1つ以上のバイパスダイオード44もまた含んでいてよい。
【0088】
コーナー領域26は、少なくとも1つの接点、例えばソーラーセル14の前面上の前面接点32、及び/またはソーラーセル14の背面上の背面接点34を含む。
【0089】
ソーラーセル14とコーナー導体20との間で電気的接続をなすため、相互接続子62が用いられる。
【0090】
アレイ22内でソーラーセル14間を電気的に接続するため、基板12の露出したエリア28に、電力ルーティングモジュール30が取り付けられている。電力ルーティングモジュール30は、絶縁層の役割を果たすベース層64と、導電層66とを含む。導電層66はソーラーセル14間を電気的に相互接続する導体20であり、絶縁層64は導電層66を電気的に絶縁するために用いられる。電力ルーティングモジュール30は、1つ以上のバイパスダイオード44と、バイパスダイオード44を導電層66に接続する相互接続子62も、また含み得る。
【0091】
さらに、本開示は以下の条項による実施形態を含む。
【0092】
条項1.アレイ内のソーラーセルを電気的に相互接続する電力ルーティングモジュールであって、ソーラーセルを電気的に相互接続する導電層、及び導電層を電気的に絶縁する絶縁層を含み、ソーラーセルのうちの少なくとも1つは、コーナー領域を画定する少なくとも1つの刈り込まれたコーナー部を有し、ソーラーセルが基板に取り付けられているときに、基板のコーナー領域内にあるエリアは露出したままであり、電力ルーティングモジュールは、基板のコーナー領域内にある露出したままのエリア内で基板に取り付けられている、電力ルーティングモジュールを備える、装置。
【0093】
条項2.電力ルーティングモジュールの導電層は1つ以上の導体からなる、条項1に記載の装置。
【0094】
条項3.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルを逆バイアスから保護するためのバイパスダイオードを含み、バイパスダイオードは、電力ルーティングモジュールの1つ以上の導体に接続されている、条項2に記載の装置。
【0095】
条項4.電力ルーティングモジュールの1つ以上の導体と、基板の1つ以上の導体とに挟み込まれた電気的接合部によって、電気的接続が形成される、条項2に記載の装置。
【0096】
条項5.基板のコーナー領域内の露出したままのエリアは、電力ルーティングモジュールと基板内の導電経路との間の接点を提供する導電パッドを含む、条項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【0097】
条項6.電力ルーティングモジュールは、基板内で、1つ以上の電力線でソーラーセルを電気的に相互接続している、条項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【0098】
条項7.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセル間を直列接続することによって、ソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【0099】
条項8.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルを周ってブリッジ接続することによって、ソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【0100】
条項9.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルの列内で、ソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【0101】
条項10.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルの列間で、ソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【0102】
条項11.ソーラーセルアレイは非長方形のアレイであり、電力ルーティングモジュールは、非長方形のアレイ内でソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【0103】
条項12.電力ルーティングモジュールは、ステイアウト区域を可能にする1つ以上の導体を含む、条項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【0104】
条項13.電力ルーティングモジュールは、基板に取り付けるための接着部を含む、条項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【0105】
条項14.電力ルーティングモジュールを用いてアレイ内のソーラーセルを電気的に相互接続することを含む方法であって、電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルを電気的に相互接続する導電層、及び導電層を電気的に絶縁する絶縁層を含み、ソーラーセルのうちの少なくとも1つは、コーナー領域を画定する少なくとも1つの刈り込まれたコーナー部を有し、ソーラーセルが基板に取り付けられているときに、基板のコーナー領域内にあるエリアは露出したままであり、電力ルーティングモジュールは、基板のコーナー領域内にある露出したままのエリア内で基板に取り付けられている、方法。
【0106】
条項15.電力ルーティングモジュールの導電層は、1つ以上の導体からなる、条項14に記載の方法。
【0107】
条項16.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルを逆バイアスから保護するためのバイパスダイオードを含み、バイパスダイオードは、電力ルーティングモジュールの1つ以上の導体に接続されている、条項15に記載の方法。
【0108】
条項17.電力ルーティングモジュールの1つ以上の導体と、基板の1つ以上の導体とに挟み込まれた電気的接合部によって、電気的接続が形成される、条項15に記載の方法。
【0109】
条項18.基板のコーナー領域内の露出したままのエリアは、電力ルーティングモジュールと基板内の導電経路との間の接点を提供する導電パッドを含む、条項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【0110】
条項19.電力ルーティングモジュールは、基板内で、1つ以上の電力線でソーラーセルを電気的に相互接続している、条項14から18のいずれか一項に記載の方法。
【0111】
条項20.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセル間を直列接続することによって、ソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項14から19のいずれか一項に記載の方法。
【0112】
条項21.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルを周ってブリッジ接続することによって、ソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項14から20のいずれか一項に記載の方法。
【0113】
条項22.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルの列内で、ソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項14から21のいずれか一項に記載の方法。
【0114】
条項23.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルの列間で、ソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項14から22のいずれか一項に記載の方法。
【0115】
条項24.ソーラーセルアレイは非長方形のアレイであり、電力ルーティングモジュールは、非長方形のアレイ内でソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項14から23のいずれか一項に記載の方法。
【0116】
条項25.電力ルーティングモジュールは、ステイアウト区域を可能にする1つ以上の導体を含む、条項14から24のいずれか一項に記載の方法。
【0117】
条項26.電力ルーティングモジュールは、基板に取り付けるための接着部を含む、条項14から25のいずれか一項に記載の方法。
【0118】
条項27.アレイ内のソーラーセルを電気的に相互接続する少なくとも1つの電力ルーティングモジュールを含むソーラーセルアレイを備えるソーラーセルパネルであって、電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルを電気的に相互接続する導電層、及び導電層を電気的に絶縁する絶縁層を含み、ソーラーセルのうちの少なくとも1つは、コーナー領域を画定する少なくとも1つの刈り込まれたコーナー部を有し、ソーラーセルが基板に取り付けられているときに、基板のコーナー領域内にあるエリアは露出したままであり、電力ルーティングモジュールは、基板のコーナー領域内にある露出したままのエリア内で基板に取り付けられている、ソーラーセルパネル。
【0119】
条項28.電力ルーティングモジュールの導電層は、1つ以上の導体からなる、条項27に記載のソーラーセルパネル。
【0120】
条項29.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルを逆バイアスから保護するためのバイパスダイオードを含み、バイパスダイオードは、電力ルーティングモジュールの1つ以上の導体に接続されている、条項28に記載のソーラーセルパネル。
【0121】
条項30.電力ルーティングモジュールの1つ以上の導体と、基板の1つ以上の導体とに挟み込まれた電気的接合部によって、電気的接続が形成される、条項28に記載のソーラーセルパネル。
【0122】
条項31.基板のコーナー領域内の露出したままのエリアは、電力ルーティングモジュールと基板内の導電経路との間の接点を提供する導電パッドを含む、条項27から30のいずれか一項に記載のソーラーセルパネル。
【0123】
条項32.電力ルーティングモジュールは、基板内で、1つ以上の電力線でソーラーセルを電気的に相互接続している、条項27から31のいずれか一項に記載のソーラーセルパネル。
【0124】
条項33.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセル間を直列接続することによって、ソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項27から32のいずれか一項に記載のソーラーセルパネル。
【0125】
条項34.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルを周ってブリッジ接続することによって、ソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項27から33のいずれか一項に記載のソーラーセルパネル。
【0126】
条項35.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルの列内で、ソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項27から34のいずれか一項に記載のソーラーセルパネル。
【0127】
条項36.電力ルーティングモジュールは、ソーラーセルの列間で、ソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項27から35のいずれか一項に記載のソーラーセルパネル。
【0128】
条項37.ソーラーセルアレイは非長方形のアレイであり、電力ルーティングモジュールは、非長方形のアレイ内でソーラーセル間を電気的に相互接続している、条項27から36のいずれか一項に記載のソーラーセルパネル。
【0129】
条項38.電力ルーティングモジュールは、ステイアウト区域を可能にする1つ以上の導体を含む、条項27から37のいずれか一項に記載のソーラーセルパネル。
【0130】
条項39.電力ルーティングモジュールは、基板に取り付けるための接着部を含む、条項27から38のいずれか一項に記載のソーラーセルパネル。
【0131】
上記の実施例の説明は、例示及び説明を目的として提示されており、網羅的であることや、開示の実施例に限定することは意図していない。上記の具体的な要素の代わりに、多数の代替形態、修正形態及び変形形態が用いられてよい。