(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】複合積層板の面外皺を測定するための方法
(51)【国際特許分類】
G01N 29/04 20060101AFI20240422BHJP
G01N 29/06 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
G01N29/04
G01N29/06
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019037215
(22)【出願日】2019-03-01
【審査請求日】2022-02-22
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】グレウォル, ナヴプリート エス.
(72)【発明者】
【氏名】ジョージソン, ゲイリー イー.
(72)【発明者】
【氏名】ビンガム, ジル ピー.
(72)【発明者】
【氏名】モーリス, ジョン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】バス, サビアサチ
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-151083(JP,A)
【文献】特開2013-152227(JP,A)
【文献】特開2007-327747(JP,A)
【文献】特開2002-062281(JP,A)
【文献】米国特許第08499632(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00-29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波トランスデューサで複合積層板の第1の側をスキャンすることと、
前記複合積層板の前記第1の側をスキャンすることに応じて生成されるB-スキャン超音波画像において、前記複合積層板の厚さ方向の
前記複合積層板の内部材料に形成された面外皺を位置特定することと、
前記B-スキャン超音波画像に、前記B-スキャン超音波画像における前記面外皺の前記第1の側の凸部の頂部の場所に基づいて決定される第1マーカーを関連付けることと、
前記B-スキャン超音波画像に、前記B-スキャン超音波画像における前記面外皺の前記第1の側の凹部の底部の場所に基づいて決定される第2マーカーを関連付けることと、
前記面外皺の前記第1マーカーと前記第2マーカーとの間の距離に基づく変動幅を決定することとを含む、
方法。
【請求項2】
前記面外皺の前記変動幅を二倍にすることによって、前記面外皺の高さを決定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1マーカーが頂部ラインであり、前記第2マーカーが中心ラインである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
B-スキャン超音波画像に前記第1マーカーを関連付けることが、前記第1マーカーを、前記B-スキャン超音波画像に又は前記B-スキャン超音波画像上に電子工学的に適用することを含み、前記B-スキャン超音波画像に前記第2マーカーを関連付けることが、前記第2マーカーを、前記B-スキャン超音波画像に又は前記B-スキャン超音波画像上に電子工学的に適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複合積層板の前記第1の側をスキャンすること、前記面外皺を位置特定すること、前記第1マーカーを関連付けること、前記第2マーカーを関連付けること、前記変動幅を決定することのいずれに応じても、前記複合積層板に物理的変更が加えられることはない、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記面外皺が、前記B-スキャン超音波画像における複数の面外皺のうちの第1面外皺であり、前記複数の面外皺のうちの前記第1面外皺は、前記複数の面外皺のうちの他のものに対応する各変動幅と比べて、最大の変動幅を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記B-スキャン超音波画像は、前記複合積層板の前記第1の側をスキャンすることに応じて生成される複数のB-スキャン超音波画像のうちの第1B-スキャン超音波画像であり、前記面外皺は、前記複数のB-スキャン超音波画像のうちの前記第1B-スキャン超音波画像において、前記複数のB-スキャン超音波画像のうちの他のものにおける同じ面外皺の各変動幅と比べて、最大の変動幅を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複合積層板の前記第1の側をスキャンすることに応じて生成されるC-スキャン超音波画像と、前記B-スキャン超音波画像とを相関させることと、
前記C-スキャン超音波画像と前記B-スキャン超音波画像との相関に基づいて、前記C-スキャン超音波画像において前記複合積層板の前記面外皺を位置特定することと、
前記B-スキャン超音波画像及び前記C-スキャン超音波画像における前記面外皺の場所に基づいて、前記複合積層板の前記第1の側に、前記面外皺をマーキングすることとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複合積層板が航空機のストリンガである、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、概して皺を測定するための方法に関し、より詳細には、複合積層板の面外皺(out-of-plane wrinkles)を測定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合積層板は、航空機及びその他の構造体において一般的に実装されるものである。例えば、航空機は、航空機の翼アセンブリのストリンガとして実装された、多数の複合積層板を含みうる。複合積層板は、一又は複数の面外皺(例えば、複合積層板の厚さ寸法に沿って形成されかつ/又は延在する、内部材料の一又は複数の皺)を包含することがある。面外皺は、複合積層板のいずれの外表面においても、視認可能になること及び/又は露出することがない。
【0003】
面外皺の影響及び/又は面外皺が存在する複合積層板の性能を予測するために、面外皺の高さが使用されうる。面外皺の高さを判定するプロセスでは、従来的に、複合積層板の内側及び/又は中に面外皺があれば、複合積層板の厚さ寸法に平行に、複合積層板を切断することが必要になる。この様態で複合積層板を切断することに応じて、面外皺は、新たに形成された複合積層板の外表面において視認可能になり、かつ/又は露出されることになりうる。これにより、面外皺の光学測定が可能になる。したがって、複合積層板の面外皺を測定するための従来型の技法は、複合積層板の破壊及び/又は物理的変更をもたらすという点で、不利なものである。
【発明の概要】
【0004】
複合積層板の面外皺を測定するための方法が、開示される。一部の例では、方法が開示される。開示されている一部の例では、この方法は、超音波トランスデューサで複合積層板の第1の側をスキャンすることを含む。開示されている一部の例では、方法は、複合積層板の第1の側をスキャンすることに応じて生成されるB-スキャン超音波画像において、複合積層板の面外皺を位置特定することを含む。開示されている一部の例では、方法は、B-スキャン超音波画像に第1マーカーを関連付けることを含む。開示されている一部の例では、第1マーカーは、B-スキャン超音波画像における面外皺の頂部の場所に基づいて決定される。開示されている一部の例では、方法は、B-スキャン超音波画像に第2マーカーを関連付けることを含む。開示されている一部の例では、第2マーカーは、B-スキャン超音波画像における面外皺の凹部焦点(trough focal point)の場所に基づいて決定される。開示されている一部の例では、方法は、第1マーカーと第2マーカーとの間の距離に基づいて、面外皺の変動幅(amplitude)を判定することを含む。
【0005】
一部の例では、方法が開示される。開示されている一部の例では、この方法は、第1超音波トランスデューサで複合積層板の第1の側をスキャンすることを含む。開示されている一部の例では、方法は、複合積層板の第1の側をスキャンすることに応じて生成される第1B-スキャン超音波画像において、複合積層板の面外皺を位置特定することを含む。開示されている一部の例では、方法は、第1B-スキャン超音波画像に第1マーカーを関連付けることを含む。開示されている一部の例では、第1マーカーは、第1B-スキャン超音波画像における面外皺の頂部の場所に基づいて決定される。開示されている一部の例では、方法は、第1B-スキャン超音波画像に第2マーカーを関連付けることを含む。開示されている一部の例では、第2マーカーは、第1B-スキャン超音波画像における面外皺の凹部焦点の場所に基づいて決定される。開示されている一部の例では、方法は、第1マーカーと第2マーカーとの間の距離に基づいて、面外皺の第1変動幅を判定することを含む。開示されている一部の例では、方法は、第2超音波トランスデューサで、複合積層板の第1の側の反対側の第2の側をスキャンすることを含む。開示されている一部の例では、方法は、複合積層板の第2の側をスキャンすることに応じて生成される第2B-スキャン超音波画像において、複合積層板の面外皺を位置特定することを含む。開示されている一部の例では、方法は、第2B-スキャン超音波画像に第3マーカーを関連付けることを含む。開示されている一部の例では、第3マーカーは、第2B-スキャン超音波画像における面外皺の凹部の場所に基づいて決定される。開示されている一部の例では、方法は、第2B-スキャン超音波画像に第4マーカーを関連付けることを含む。開示されている一部の例では、第4マーカーは、第2B-スキャン超音波画像における面外皺の頂部焦点の場所に基づいて決定される。開示されている一部の例では、方法は、第3マーカーと第4マーカーとの間の距離に基づいて、面外皺の第2変動幅を判定することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】この開示の教示による、例示的な複合積層板をスキャンするよう実装されうる例示的な超音波トランスデューサの概略図である。
【
図2】複合積層板の超音波スキャンに応じて生成される、例示的なB-スキャン超音波画像である。
【
図3】例示的な複合積層板の例示的な皺に対して配向された、例示的なトランスデューサアレイを示す。
【
図4A-4B】
図4Aは複合積層板の例示的な面外皺の例示的な実際形状を表わす概略図であり、
図4Bは、
図4Aの例示的な面外皺の、例示的な画像化形状を表わす概略図である。
【
図5A】複合積層板の超音波スキャンに応じて生成された、順に並んだ一連のB-スキャン超音波画像のうちの、第1の例示的なB-スキャン超音波画像である。
【
図5B】複合積層板の超音波スキャンに応じて生成された、順に並んだ一連のB-スキャン超音波画像のうちの、第2の例示的なB-スキャン超音波画像である。
【
図5C】複合積層板の超音波スキャンに応じて生成された、順に並んだ一連のB-スキャン超音波画像のうちの、第3の例示的なB-スキャン超音波画像である。
【
図6】複合積層板の例示的な面外皺の例示的な頂部の場所に対応する例示的な頂部ラインマーカーを含む、例示的なB-スキャン超音波画像である。
【
図7】
図6の例示的な面外皺の例示的な凹部焦点を示す、
図6の例示的なB-スキャン超音波画像である。
【
図8】
図6及び
図7の例示的な面外皺の中心ラインの場所に対応する例示的な中心ラインマーカーを含む、
図7の例示的なB-スキャン超音波画像である。
【
図9】
図6から
図8の例示的な頂部ラインマーカーと
図8の例示的な中心ラインマーカーとの間の距離に対応する例示的な距離マーカーを含む、
図8の例示的なB-スキャン超音波画像である。
【
図10】複合積層板の面外皺を測定するよう実装されうる、第1の例示的な方法を表わすフロー図である。
【
図11A】複合積層板の面外皺を測定するよう実装されうる、第2の例示的な方法を表わすフロー図である。
【
図11B】複合積層板の面外皺を測定するよう実装されうる、第2の例示的な方法を表わすフロー図である。
【
図12】
図10の第1の例示的な方法並びに/又は
図11A及び
図11Bの第2の例示的な方法を実装するために命令を実行することが可能な、例示的なプロセッサプラットフォームのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ある種の例が上述の図に示されており、これらについて以下で説明する。これらの例についての説明では、同じ又は類似した要素を特定するために、類似した又は同一の参照番号が使用される。図は必ずしも縮尺通りではなく、ある種の特徴及び図の表現は、分かりやすくするため及び/又は簡潔にするために、縮尺が強調されて又は概略的に示されていることがある。
【0008】
上述のように、複合積層板の面外皺を測定するための従来型の技法では、複合積層板の破壊及び/又は物理的変更がもたらされる。かかる従来型の測定技法とは異なり、本書で開示されている複合積層板の面外皺を測定するための方法は、非破壊であり、かつ/又は、かかる方法の対象となる複合積層板のいかなる物理的変更ももたらさない。開示されている方法により、複合積層板の面外皺の高さを、非破壊様態で、有利に測定し、算出し、かつ/又は判定することが可能になる。開示されている非破壊測定技法は、複合積層板が規定の高さ及び/又は閾値高さを超えるいかなる面外皺も含まないことを認定及び/又は認証する上で、特に役立ちうる。
【0009】
図1は、この開示の教示による、例示的な複合積層板104をスキャンするよう実装されうる例示的な超音波トランスデューサ102の概略図である。
図1に示している例では、超音波トランスデューサ102は、複合積層板104に取り外し可能に連結されており、かつ、例示的なコンピュータシステム106に動作可能に連結されている(例えば電気的に通信可能である)。他の例では、超音波トランスデューサ102は、複合積層板104に取り外し可能に連結されずに、複合積層板104に向けて方向付け及び/又は目標付けられうる。
図1の超音波トランスデューサ102は、5メガヘルツ、128素子、0.020インチピッチ、0.250幅の、超音波トランスデューサである。他の例では、超音波トランスデューサ102は、異なる周波数で動作してよく、異なる数の素子、異なるピッチ、及び/又は異なる幅を有しうる。例えば、超音波トランスデューサ102は、超音波トランスデューサ102により取得及び/又は獲得される超音波B-スキャンデータの解像度を向上させるよう、5メガヘルツを上回る周波数(例えば7.5メガヘルツ)で動作しうる。
【0010】
図1に示している例では、複合積層板104はストリンガのテストサンプル(例えば複合ストリンガの一セグメント)である。他の例では、複合積層板104はストリンガ(例えば1つのストリンガ全体)でありうる。更に別の例では、複合積層板104は、例えば航空機の内部及び/又は外部に取り付けられる複合積層板を含む、任意の形状及び/又は種類の複合積層構造物でありうる。
図1の複合積層板104は、例示的な第1の側108と、第1の側108の反対側にある例示的な第2の側110と、第1の側108と第2の側110との間に延在する例示的な厚さ112とを含む。複合積層板104の第1の側108及び/又は第2の側110は、超音波トランスデューサ102により取得及び/又は獲得される複合積層板104の超音波スキャン(例えば超音波C-スキャンデータ)に関連付けられる、第1平面(例えばC-平面)を画定する。複合積層板104の厚さ112は、第1平面に対して直角に配置され、かつ、超音波トランスデューサ102により取得及び/又は獲得される複合積層板104の超音波スキャン(例えば超音波B-スキャンデータ)に関連付けられる、第2平面(例えばB-平面)を画定する。
図1の複合積層板104は、複合積層板104の第1の側108と第2の側110との間にあり、かつ、複合積層板104の厚さ112に沿って第2平面(例えばB-平面)の方向に延在する、一又は複数の面外皺を含みうる。
【0011】
図1に示している例では、超音波トランスデューサ102は、複合積層板104の第1の側108に向けて方向付け及び/又は目標付けられる。これにより、超音波トランスデューサ102は、複合積層板104の第2の側110よりも複合積層板104の第1の側108の方に、近接してかつ/又は近位に置かれる。他の例では、
図1の超音波トランスデューサ102は、上記と異なり、複合積層板104の第2の側110に向けて方向付け及び/又は目標付けられうる。これにより、超音波トランスデューサ102は、複合積層板104の第1の側108よりも複合積層板104の第2の側110の方に、近接してかつ/又は近位に置かれる。例えば、複合積層板104は、
図1に示している位置に対しておよそ180度回転しうる。これにより、
図1の超音波トランスデューサ102は、複合積層板104の第1の側108ではなく、複合積層板104の第2の側110に向けて方向付け及び/又は目標付けられる。したがって、
図1の超音波トランスデューサ102は、複合積層板104の第1の側108又は第2の側110をスキャンするよう実装されうる。
【0012】
更に別の例では、コンピュータシステム106に動作可能に連結された第2の例示的な超音波トランスデューサ114が、追加的又は代替的に、複合積層板104の第2の側110に取り外し可能に連結され、第2の側110に向けて方向付け及び/又は目標付けられうる。かかる別の例の一部では、
図1の超音波トランスデューサ102は複合積層板104の第1の側108をスキャンするよう実装されてよく、第2超音波トランスデューサ114は、複合積層板104の第2の側110をスキャンするよう実装されうる。一部の例では、
図1の第2超音波トランスデューサ114は、上述の超音波トランスデューサ102の構成(例えば、5メガヘルツ、128素子、0.020インチピッチ、0.250幅の超音波トランスデューサ)と一致する、構成を有しうる。他の例では、
図1の第2超音波トランスデューサ114は、上述の超音波トランスデューサ102の構成とは異なる構成を有しうる。
【0013】
図1のコンピュータシステム106は、一又は複数の超音波ワークステーション、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバ、タブレット、又は 他の任意の種類のコンピューティングデバイスとして、実装されうる。
図1のコンピュータシステム106は、複合積層板104をスキャンするよう、超音波トランスデューサ102及び/又は第2超音波トランスデューサ114に命令し、コマンドを与え、かつ/又はそれらを制御する。
図1のコンピュータシステム106は更に、複合積層板104をスキャンすることに関連して超音波トランスデューサ102及び/又は第2超音波トランスデューサ114により取得及び/又は獲得された超音波データを、処理し、かつ/又は解析する。例えば、当該技術分野において従来的に既知であるように、コンピュータシステム106は、超音波トランスデューサ102及び/又は第2超音波トランスデューサ114により取得及び/又は獲得された、超音波B-スキャンデータと超音波C-スキャンデータにそれぞれ基づいて、超音波B-スキャン画像と超音波C-スキャン画像とを生成しうる。
【0014】
一部の例では、
図1のコンピュータシステム106は、一又は複数のプロセッサ、一又は複数の記憶デバイス若しくは記憶ディスク(例えばハードドライブやフラッシュメモリなど)、一又は複数の入力デバイス(例えばマウス、キーボード、超音波トランスデューサ102、第2超音波トランスデューサ114など)、及び/又は一又は複数の出力デバイス(例えばディスプレイ若しくはモニタ、スピーカー、プリンタなど)を含みうる。一部の例では、コンピュータシステム106は、当該技術分野において従来的に既知である、超音波データ処理及び/又は超音波データ解析のソフトウェアも含みうる。かかる例の一部では、超音波データ処理及び/又は超音波データ解析のソフトウェアは、複合積層板の面外皺を測定するための開示されている方法の一又は複数の工程をエンドユーザが実施するのを支援するために、使用されうる。他の例では、コンピュータシステム106は、追加的又は代替的に、複合積層板の面外皺を測定するための開示されている方法の一又は複数の工程を自動で実施するためにコンピュータシステム106によって実行される一又は複数のプログラムを含む、機械可読命令を含みうる。かかる他の例の一部では、機械可読命令が、
図1の超音波トランスデューサ102及び/又は第2超音波トランスデューサ114から獲得及び/又は取得された超音波B-スキャンデータに基づいて、複合積層板の一又は複数の面外皺の一又は複数の特徴部位を特定し、判定し、位置特定し、かつ/又は測定するために、一又は複数のコンピュータの視野処理及び/又は画像処理の技法及び/又はアルゴリズムを実装しうる。
【0015】
一部の例では、
図1のコンピュータシステム106は、
図1の複合積層板104の厚さ112に対して、
図1の超音波トランスデューサ102及び/又は第2超音波トランスデューサ114を較正するために使用されうる。較正により、超音波トランスデューサ102及び/又は第2超音波トランスデューサ114が、複合積層板104の厚さ112の全体に対応する超音波B-スキャンデータを取得及び/又は獲得できることが、確実になりうる。較正により、超音波トランスデューサ102及び/又は第2超音波トランスデューサ114に対する材料速度が正確に設定されることも、確実になりうる。一部の例では、較正プロセスは、非ズームアップ画面のおよそ80%をカバーするよう、かつ/又は、複合積層板104の厚さ112の全体をカバーするよう、画面範囲(例えば、複合積層板104の前面シグナルから複合積層板104の背面シグナルまでのデータ範囲)を設定することを含みうる。一部の例では、画面範囲を設定することは、距離変動幅補正(DAC)設定、又は時間利得補正(TGC)設定を実装すること及び/又は調整することを含みうる。較正プロセスは、複合積層板104の厚さ112に関連する少なくとも3つの異なるステップ(例えば、Tが複合積層板104の厚さ112である場合、1/4T、1/2T、及びT)のステップウェッジ(step wedge)を、超音波スキャンすることを、更に含みうる。較正プロセスは、超音波B-スキャンのカーソル読み取りに関連する精度を小数点以下3又は4桁までに設定することを、更に含みうる。
【0016】
上述した
図1についての説明は、複合積層板104の第1の例示的な部分116をスキャンすることを対象としているが、複合積層板104の他の部分も同様の様態でスキャンされうる。例えば、複合積層板104の第2の例示的な部分118は、複合積層板104の第1部分116に関して上述した様態と実質的に同一の様態で、
図1の超音波トランスデューサ102及び/又は第2超音波トランスデューサ114によりスキャンされうる。したがって、面外皺を測定するための開示されている方法は、任意の種類及び/又は形状の複合積層板(その任意の部分を含む)に適用されうる。
【0017】
図2は、複合積層板の超音波スキャンに応じて生成される、例示的なB-スキャン超音波画像200である。例えば、
図2のB-スキャン超音波画像200は、
図1の超音波トランスデューサ102又は第2超音波トランスデューサ114により取得及び/又は獲得された超音波B-スキャンデータに基づいて、
図1のコンピュータシステム106により生成され、表示されうる。一部の例では、
図2のB-スキャン超音波画像200は、超音波トランスデューサ102が
図1の複合積層板104の第1の側108をスキャンすることに関連付けられた、超音波B-スキャンデータに対応しうる。他の例では、
図2のB-スキャン超音波画像200は、上記と異なり、超音波トランスデューサ102又は第2超音波トランスデューサ114が
図1の複合積層板104の第2の側110をスキャンすることに関連付けられた、超音波B-スキャンデータに対応しうる。
【0018】
図2に示している例では、B-スキャン超音波画像200は、複数の例示的な面外皺202を含む。複数の面外皺202の各々は、空スペース及び/又は空きスペース(例えば、B-スキャン超音波画像200の白色部分)に隣接するデータパルス(例えば、B-スキャン超音波画像200の濃色部分)によって、B-スキャン超音波画像200内に、画像的及び/又は視覚的に示される。一部の例では、B-スキャン超音波画像200の複数の面外皺202の各々の部分は、波様の及び/又は正弦波の形状を有する。かかる例の一部では、面外皺202の波様の及び/又は正弦波の部分に関連する高さ及び/又は変動幅は、面外皺202のうちの1つとその次のものとの間で変化しうる。例えば、
図2の面外皺202のうちの例示的な第1面外皺204は、面外皺202のうちの他のものに関連する変動幅を上回る、例示的な変動幅206を有しうる。かかる例では、
図2の面外皺202のうちの第1面外皺204は、
図2のB-スキャン超音波画像200に含まれる面外皺202のうち最も深刻かつ/又は最悪なものとして、特徴付けられうる。一部の例では、面外皺202のうち最も深刻かつ/又は最悪なもの(例えば、面外皺202のうちの第1面外皺204)が、複合積層板の面外皺を測定するための開示されている方法に関連する解析のために、選ばれ又は選択されうる。他の例では、面外皺202のうちのいくつか(面外皺202のうち最も深刻かつ/又は最悪なものを含むことも、含まないこともある)が、複合積層板の面外皺を測定するための開示されている方法に関連する解析のために、選ばれ又は選択されうる。
【0019】
図3は、例示的な複合積層板306の例示的な皺304に対して配向された、例示的なトランスデューサアレイ302を示している。
図3のトランスデューサアレイ302は、
図1の超音波トランスデューサ102によって実装されうる。トランスデューサアレイ302は、「N」個のアレイ素子を含む。例えば、トランスデューサアレイ302は、N=128である場合、128の素子を含みうる。トランスデューサアレイのアレイ素子は、トランスデューサアレイ302の例示的なアレイ方向308に沿って、離間してかつ/又は隣接して配向される。
図3の複合積層板306の皺304は、例示的な皺方向310に沿って、延在しかつ/又は配向される。一部の例では、皺方向310は、予想皺方向(例えば、複合積層板306の翼弦方向、又は複合積層板306の翼長方向)に対応する。
【0020】
図3に示している例では、トランスデューサアレイ302は、アレイ方向308が皺方向310に概して平行になるように、皺304に対して、及び/又は複合積層板306に対して、配置されかつ/又は配向される。トランスデューサアレイ302を、
図3に示しているように、皺304及び/又は複合積層板306に対して配置すること及び/又は配向することにより、トランスデューサアレイ302の個々のアレイ素子が、複合積層板306の皺304から、対応する別々の例示的な距離312を保って、有利に配置される。これにより、トランスデューサアレイ302によって、かつ/又はトランスデューサアレイ302を実装する超音波トランスデューサによって捕捉される、皺304の撮像データの解像度が向上する。他の例では、トランスデューサアレイ302は、アレイ方向308が皺方向310に対して一定の角度を保つ(例えば平行にならない)ように、皺304に対して及び/又は複合積層板306に対して、配置されかつ/又は配向されうる。
【0021】
図4Aは、複合積層板の例示的な面外皺404の例示的な実際形状402を表わす概略図である。
図4Bは、
図4Aの例示的な面外皺404の、例示的な画像化形状406を表わす概略図である。
図4Aの面外皺404の実際形状402は、例えば、面外皺404がある複合積層板の断面セグメント及び/又は断面区域を露出させるための複合積層板の切断及び/又はスライスを伴う破壊解析により、視認可能でありうる。
図4Bの面外皺404の画像化形状406は、例えば、
図1及び
図2に関連して上述したように複合積層板を非破壊超音波スキャンすることにより、視認可能になりうる。
【0022】
図4Aに示している例では、面外皺404の実際形状402は正弦波である。例えば、面外皺404の実際形状402は、例示的な頂部408と例示的な凹部410とを含む。図示している例では、頂部408は、複合積層板の第1の側及び/又は前面(例えば、
図1の複合積層板104の第1の側108)の方を向いていることがあり、凹部は、複合積層板の第2の側及び/又は背面(例えば、
図1の複合積層板104の第2の側110)の方を向いていることがある。面外皺404の実際形状402は、頂部408に関連付けられた(例えば、頂部408の内表面に沿って位置付けられた)例示的な頂部ライン412、凹部410に関連付けられた(例えば、凹部410の内表面に沿って位置付けられた)例示的な凹部ライン414、及び、頂部ライン412と凹部ライン414との中間にある例示的な中心ライン416で、マーキングされる。したがって、面外皺404の実際形状402は、頂部ライン412と中心ライン416との間に延在する、かつ/又は凹部ライン414と中心ライン416との間に延在する、例示的な変動幅418を有する。
【0023】
図4Bに示している例では、面外皺404の画像化形状406は、修正済みの正弦波形状である(例えば、
図4Aに関連して上述した面外皺404の実際形状402に対して修正されている)。例えば、面外皺404の画像化形状406は、例示的な画像化頂部420と例示的な画像化凹部422とを含む。図示している例では、画像化頂部420は、複合積層板の第1の側(例えば、
図1の複合積層板104の第1の側108)の方を向いていることがあり、画像化凹部422は、複合積層板の第2の側(例えば、
図1の複合積層板104の第2の側110)の方を向いていることがある。面外皺404が、複合積層板の第1の側から超音波スキャンされると、画像化頂部420の形状は、頂部408の実際形状を正確に表す(例えば、頂部408の実際形状と実質的に同一になる)。しかし、画像化凹部422の形状は、画像化凹部422の凹型形状によって生じる焦準及び/又は反射の影響のせいで、凹部410の実際形状を正確に表わすものにならない。その結果として、面外皺404の画像化形状406は、頂部408に関連付けられた同じ頂部ライン412で正確にマーキングされうる一方で、画像化凹部422に関連付けられた例示的な画像化凹部ライン424、及び、頂部ライン412と画像化凹部ライン424との中間にある例示的な画像化中心ライン426では、不正確にマーキングされることがある。したがって、面外皺404の画像化形状406は、頂部ライン412と画像化中心ライン426との間に延在する、かつ/又は画像化凹部ライン424と画像化中心ライン426との間に延在する、例示的な画像化変動幅428を有しうる。
【0024】
図4Bの面外皺404の画像化形状406に示しているように、画像化中心ライン426の場所は、面外皺404の実際形状402に関連付けられた中心ライン416の場所と一致せず、画像化変動幅428の大きさも、面外皺404の実際形状402に関連付けられた変動幅418の大きさと一致しない。本書で開示されている方法は補償技法を提供し、この補償技法により、画像化形状406から面外皺404の変動幅が正確かつ/又は精密に測定されうるように、面外皺404の画像化形状406が、面外皺404の実際形状402の中心ライン416に対応する中心ラインで、正確かつ/又は精密にマーキングされることが、可能になる。
【0025】
上述した
図4Bの例は、面外皺404が複合積層板の第1の側から超音波スキャンされた状況を対象としているが、類似した、ただし逆関係の現象が、同じ面外皺404が複合積層板の第1の側ではなく第2の側から超音波スキャンされる場合に存在する。かかる例では、面外皺404の画像化凹部の形状は、凹部410の実際形状を正確に表わすことになるが、面外皺404の画像化頂部の形状は、画像化頂部の凹型形状によって生じる焦準及び/又は反射の影響のせいで、頂部408の実際形状を正確に表わすものにならない。その結果として、面外皺404の画像化形状は、凹部410に関連付けられた同じ凹部ライン414で正確にマーキングされうるが、画像化頂部に関連付けられた画像化頂部ライン、及び、凹部ライン414と画像化頂部ラインとの中間にある画像化中心ラインでは、不正確にマーキングされることがある。かかる例では、本書で開示されている方法は補償技法を提供し、この補償技法により、画像化形状から面外皺404の変動幅が正確かつ/又は精密に測定されうるように、面外皺404の画像化形状が、面外皺404の実際形状402の中心ライン416に対応する中心ラインで、正確かつ/又は精密にマーキングされることが、可能になる。
【0026】
図5A、
図5B、及び
図5Cはそれぞれ、複合積層板の超音波スキャンに応じて生成された、順に並んだ一連のB-スキャン超音波画像のうちの、第1、第2、及び第3の例示的なB-スキャン超音波画像502、504、506である。例えば、第1、第2、及び第3のB-スキャン超音波画像502、504、506の各々は、
図1の超音波トランスデューサ102が
図1の複合積層板104の第1の側108をスキャンすることにより獲得及び/又は取得された超音波B-スキャンデータに基づいて、
図1のコンピュータシステム106によって生成されうる。あるいは、他の例では、第1、第2、及び第3のB-スキャン超音波画像502、504、506の各々は、
図1の超音波トランスデューサ102又は第2超音波トランスデューサ114が
図1の複合積層板104の第2の側110をスキャンすることにより獲得及び/又は取得された超音波B-スキャンデータに基づいて、
図1のコンピュータシステム106によって生成されうる。
【0027】
一部の例では、複合積層板に存在しうる複数の面外皺のうち最も深刻かつ/又は最悪なものを特定しかつ/又は位置特定するために、順に並んだ一連のB-スキャン超音波画像(例えば、
図5A、
図5B、及び
図5Cの第1、第2、及び第3のB-スキャン超音波画像502、504、506を含む)が検証され、かつ/又は解析されうる。例えば、例示的な第1面外皺508が、
図5A、
図5B、及び
図5Cの第1、第2、及び第3のB-スキャン超音波画像502、504、506の各々に存在する。
図5A、
図5B、及び
図5Cに示している例では、第1面外皺508に関連付けられた例示的な変動幅510の値は、
図5Bの第2B-スキャン超音波画像504において大きく(例えば最大値に)なっている。例えば、
図5Bの第2B-スキャン超音波画像504において、第1面外皺508の変動幅510の値は、
図5Aの第1B-スキャン超音波画像502と
図5Cの第3B-スキャン超音波画像506における第1面外皺508の変動幅510のそれぞれの値と比較して、大きくなっている。一部の例では、
図5Bの第2B-スキャン超音波画像504は、第1面外皺508を解析及び/又は測定するという目的のために選ばれ又は選択されうる。かかる例の一部では、第2B-スキャン超音波画像504を選択することは、第2B-スキャン超音波画像504が、順に並んだ一連のB-スキャン超音波画像のうちの、第1面外皺508の変動幅510が最大値を有する(例えば、第1面外皺508が最も深刻である)単一のB-スキャン超音波画像であることに、基づきうる。
【0028】
一部の例では、複合積層板の超音波スキャンに応じて生成された、順に並んだ一連のC-スキャン超音波画像が、複合積層板の超音波スキャンに応じて生成されたB-スキャン超音波画像と相関させられうる。例えば、
図5Aに示しているように、第1の例示的なC-スキャン超音波画像512が、第1B-スキャン超音波画像502と相関させられる。第1C-スキャン超音波画像512は、複合積層板のC-平面に沿って、
図5Aの第1B-スキャン超音波画像502に示されている第1面外皺508の場所を特定するために、使用されうる。同様に、
図5Bに示しているように、第2の例示的なC-スキャン超音波画像514が、第2B-スキャン超音波画像504と相関させられる。第2C-スキャン超音波画像514は、複合積層板のC-平面に沿って、
図5Bの第2B-スキャン超音波画像504に示されている第1面外皺508の場所を特定するために、使用されうる。同様に、
図5Cに示しているように、第3の例示的なC-スキャン超音波画像516が、第3B-スキャン超音波画像506と相関させられる。第3C-スキャン超音波画像516は、複合積層板のC-平面に沿って、
図5Cの第3B-スキャン超音波画像506に示されている第1面外皺508の場所を特定するために、使用されうる。
【0029】
一部の例では、順に並んだ一連のB-スキャン超音波画像のうちのある特定の画像に基づいて、複合積層板のC-平面に沿って第1面外皺508の場所を特定することにより、複合積層板104の第1の側108(又は、他の例では第2の側110)に、第1面外皺508の場所をマーキングすること(例えば、マーキングペン又は類似のマーキングデバイスを用いて物理的にマーキングすること)が可能になる。例えば、複合積層板の第1の側108及び/又は第2の側110に、複合積層板104の最も深刻かつ/又は最悪な面外皺の場所をマーキングすることが、望ましいことがある。かかる例では、複合積層板104のマーキングされる場所は、
図5Bの第2C-スキャン超音波画像514と
図5Bの第2B-スキャン超音波画像504との相関に基づいて特定されてよく、この場所は、複合積層板104にC-平面に沿った、第1面外皺の508の変動幅510が大きなかつ/又は最大の値を有する(例えば、第1面外皺508が最も深刻な)場所である。複合積層板104のマーキングは、この特定された場所に基づくものでありうる。
【0030】
図6は、複合積層板の例示的な面外皺606の例示的な頂部604の場所に対応する例示的な頂部ラインマーカー602を含む、例示的なB-スキャン超音波画像600である。
図6のB-スキャン超音波画像600は、
図1の超音波トランスデューサ102により取得及び/又は獲得された超音波B-スキャンデータに基づいて、
図1のコンピュータシステム106により生成され、表示されうる。例えば、
図6のB-スキャン超音波画像600は、超音波トランスデューサ102が
図1の複合積層板104の第1の側108をスキャンすることに関連付けられた、超音波B-スキャンデータに対応する。一部の例では、面外皺606は、
図6のB-スキャン超音波画像600に含まれる複数の面外皺のうち、最も深刻かつ/又は最悪なものである。一部の例では、面外皺606は、
図6のB-スキャン超音波画像600において、同じ複合積層板の他のB-スキャン超音波画像の同じ面外皺606のそれぞれの変動幅と比べて、最大の変動幅を有する。
【0031】
図6に示している例では、面外皺606の頂部604は、複合積層板104の第1の側108の方を向いている。頂部ラインマーカー602は、面外皺606の頂部604の例示的な内表面608に沿って位置付けられ、かつ/又は配置される。一部の例では、頂部ラインマーカー602は、オペレータ(例えばエンドユーザ)によって
図1のコンピュータシステム106に提供される一又は複数の命令及び/又はコマンドに基づいて、
図6のB-スキャン超音波画像600上に適用され、かつ/又は配置されうる。一部の例では、頂部ラインマーカー602は、
図6のB-スキャン超音波画像600に又は
図6のB-スキャン超音波画像600上に、電子工学的に適用される。例えば、
図6の頂部ラインマーカー602は、
図1のコンピュータシステム106により
図6のB-スキャン超音波画像600に電子工学的に適用されることが可能な、直線測定カーソルでありうる。
【0032】
図7は、
図6の例示的な面外皺606の例示的な凹部焦点702を示す、
図6の例示的なB-スキャン超音波画像600である。
図7の凹部焦点702は、
図4A及び
図4Bに関連して上述したように、面外皺606の凹部の凹型形状によって生じる焦準及び/又は反射の影響によって、B-スキャン超音波画像600に出現する。一部の例では、面外皺606の凹部焦点702の各々は、面外皺606の他の部分(例えば頂部604など)に対応するデータと比べて鮮明なかつ/又は焦点の合ったデータ点によって、B-スキャン超音波画像600内に画像的及び/又は視覚的に示される。凹部焦点702のそれぞれの場所を特定することで、B-スキャン超音波画像600に面外皺606の中心ラインを適切かつ/又は正確に配置することが容易になる。
【0033】
図8は、
図6及び
図7の例示的な面外皺606の中心ラインの場所に対応する例示的な中心ラインマーカー802を含む、
図7の例示的なB-スキャン超音波画像600である。
図8に示している例では、中心ラインマーカー802は、面外皺606の複数の凹部焦点702のうちの第1の例示的な凹部焦点804に沿って位置付けられ、かつ/又は配置される。一部の例では、凹部焦点702のうちの第1凹部焦点804は、凹部焦点702のうち、B-スキャン超音波画像600に適用されている頂部ラインマーカー602の直近のかつ/又は最も近位にある凹部焦点である。一部の例では、中心ラインマーカー802は、頂部ラインマーカー602に平行になるように、凹部焦点702のうちの第1凹部焦点804の例示的な内表面806に沿って適用されうる。一部の例では、中心ラインマーカー802は、オペレータ(例えばエンドユーザ)によって
図1のコンピュータシステム106に提供される一又は複数の命令及び/又はコマンドに基づいて、
図8のB-スキャン超音波画像600上に適用され、かつ/又は配置されうる。一部の例では、中心ラインマーカー802は、
図8のB-スキャン超音波画像600に又は
図8のB-スキャン超音波画像600上に、電子工学的に適用される。例えば、
図8の中心ラインマーカー802は、
図1のコンピュータシステム106により、
図8のB-スキャン超音波画像600に電子工学的に適用されることが可能な、直線測定カーソルでありうる。
【0034】
図9は、
図6から
図8の例示的な頂部ラインマーカー602と
図8の例示的な中心ラインマーカー802との間の距離に対応する例示的な距離マーカー902を含む、
図8の例示的なB-スキャン超音波画像600である。
図9に示している例では、距離マーカー902は、頂部ラインマーカー602と中心ラインマーカー802の両方に対して直角に延在する。一部の例では、距離マーカー902は、オペレータ(例えばエンドユーザ)によって
図1のコンピュータシステム106に提供される一又は複数の命令及び/又はコマンドに基づいて、
図9のB-スキャン超音波画像600上に適用され、かつ/又は配置されうる。一部の例では、距離マーカー902は、
図9のB-スキャン超音波画像600に又は
図9のB-スキャン超音波画像600上に、電子工学的に適用される。例えば、
図9の距離マーカー902は、
図1のコンピュータシステム106により、
図9のB-スキャン超音波画像600に電子工学的に適用されることが可能な、直線測定カーソルでありうる。
【0035】
図9に示している例では、距離マーカー902に関連付けられる距離値は、面外皺606の変動幅を表わし、示し、かつ/又はそれと等しい。ゆえに、面外皺606の変動幅は、
図9の距離マーカー902に関連付けられる距離値に基づいて判定されうる。一部の例では、面外皺606の高さが、面外皺606の変動幅を二倍にすること(例えば、
図9の距離マーカー902に関連付けられる距離値を二倍にすること)によって判定されうる。
【0036】
一部の例では、
図1、
図2、
図5A、
図5B、
図5C、及び
図6から
図9に関連して上述した工程は、
図1の超音波トランスデューサ102又は第2超音波トランスデューサ114が
図1の複合積層板104の第2の側110をスキャンすることに関連付けられた超音波B-スキャンデータに対応するB-スキャン超音波画像に関連して、繰り返され、かつ/又は交互に行われてよい。かかる例の一部では、
図6から
図9の面外皺606の頂部ラインマーカー602及び頂部604に関する上記の記載は、逆の様態で、同じ面外皺606の凹部ラインマーカー及び凹部にも適用されうる。かかる例の一部では、
図7から
図9の面外皺606の凹部ラインマーカー702に関する上記の記載は、逆の様態で、同じ面外皺606の頂部焦点にも適用されうる。かかる例の一部では、
図8及び
図9の面外皺606の複数の凹部焦点702のうちの第1凹部焦点804に基づいて決定される中心ラインマーカー802に関する上記の記載は、逆の様態で、同じ面外皺606の複数の頂部焦点のうちの第1頂部焦点に基づいて決定される第2中心ラインマーカーにも適用されうる。かかる例の一部では、
図6から
図8の頂部ラインマーカー602と
図8の中心ラインマーカー802との間の距離に対応する
図9の距離マーカー902に関する上記の記載は、逆の様態で、凹部ラインマーカーと第2中心ラインマーカーとの間の距離に対応する第2距離マーカーにも適用されうる。
【0037】
かかる例の一部では、第2距離マーカーに関連付けられる距離値は、同じ面外皺606の第2変動幅を表わし、示し、かつ/又はそれと等しいものでありうる。ゆえに、面外皺606の第2変動幅は、第2距離マーカーに関連付けられる距離値に基づいて判定されうる。一部の例では、面外皺606の高さが、面外皺606の第2変動幅を二倍にすること(例えば、第2距離マーカーに関連付けられる距離値を二倍にすること)によって判定されうる。それ以外のかかる例では、面外皺606の高さは、
図9の距離マーカー902に関連付けられる距離値及び/又は変動幅と、第2距離マーカーに関連付けられる距離値及び/又は第2変動幅とを合算することによって判定されうる。
【0038】
図1、
図2、
図5A、
図5B、
図5C、及び
図6から
図9に関連して上述した工程は、対象の複合積層板(例えば評価されている複合積層板)に物理的変更を加えることなく実施されうる。したがって、対象の複合積層板に含まれる面外皺の変動幅及び/又は高さが、非破壊様態で、有利に測定され、算出され、かつ/又は判定されうる。開示されている非破壊測定技法は、対象の複合積層板が規定の高さ及び/又は閾値高さを超える面外皺を含まないことを認定及び/又は認証する上で、特に役立ちうる。
【0039】
複合積層板の面外皺を測定するための例示的な方法を表わすフロー図を、
図10、
図11A、及び
図11Bに示している。これらの例では、説明されている方法が、オペレータ(例えばエンドユーザ)によって
図1のコンピュータシステム106に提供される命令及び/又はコマンドに基づいて、部分的かつ/又は全体的に実装されうる。説明されている方法の部分及び/又は全体は、追加的又は代替的に、
図1のコンピュータシステム106の一又は複数のプロセッサ(例えば、
図12に関連して後述する例示的なプロセッサプラットフォーム1200内に図示しているプロセッサ1202)によって実行されるための一又は複数のプログラムを含む、機械可読命令を使用して実装されうる。この一又は複数のプログラムは、CD-ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、又はプロセッサ1202に関連するメモリといった、非一過性のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェアにおいて具現化されうるが、代替的には、任意のプログラムの全体及び/又は部分が、プロセッサ1202以外のデバイスによって実行されること、及び/又は、ファームウェア若しくは専用ハードウェアで具現化されることも可能である。更に、例示的なプログラムについて、
図10、
図11A、及び
図11Bに示しているフロー図を参照して説明しているが、複合積層板の面外皺を測定するための他の多くの方法も、代替的に使用されうる。例えば、ブロックの実行順序は変更されてよく、かつ/又は、記載しているブロックの一部を変更すること、削除すること、又は組み合わせることが可能である。追加的又は代替的には、あらゆるブロックが、ソフトウェア又はファームウェアを実行しなくとも対応する工程を実施するよう構築された、一又は複数のハードウェア回路(例えば、アナログ及び/又はデジタルのディスクリート回路及び/又は集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特殊用途向け集積回路(ASIC)、比較器、演算増幅器(op-amp)、論理回路など)によって、実装されうる。
【0040】
上述したように、
図10、
図11A、及び
図11Bの例示的な方法は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ、並びに/又は、任意の期間にわたって(例えば長期的に、永続的に、短期的に、一時バッファ用として、及び/又は情報のキャッシング用として)情報が記憶される、他の任意の記憶デバイス若しくは記憶ディスクといった、非一過性のコンピュータ可読媒体及び/又は機械可読媒体に記憶された、符号化された命令(例えば、コンピュータ可読命令及び/又は機械可読命令)を使用して、実装されうる。本書において、非一過性コンピュータ可読媒体という語は、任意の種類のコンピュータ可読型の記憶デバイス及び/又は記憶ディスクを含むよう、かつ、伝播信号及び伝送媒体を除外するよう、明確に定義される。「含む(Including)」及び「備える(comprising)」(並びに、これらの全ての活用形及び時制)は、本書では、オープンエンドの語として使用される。ゆえに、特許請求項において「含む」又は「備える」の何らかの活用形(例えば、comprises、includes、comprising、includingなど)に続いて何かが記載されている場合は常に、対応する特許請求項の範囲に含まれないわけではない、追加の要素や語等が存在しうると、理解されたい。本書において、「少なくとも(atleast)」という表現が、特許請求項のプリアンブルにおける移行用語として使用される場合、これは、「備える」及び「含む」という語がオープンエンド形式であるのと同様に、オープンエンド形式である。
【0041】
図10は、複合積層板の面外皺を測定するための第1の例示的な方法1000のフロー図である。
図10の例示的な方法1000は、超音波トランスデューサで複合積層板の第1の側をスキャンすること(ブロック1002)を含む。例えば、
図1の超音波トランスデューサ102により、
図1の複合積層板104の第1の側108がスキャンされうる。
【0042】
図10の例示的な方法1000は、複合積層板の第1の側をスキャンすることに応じて生成されるB-スキャン超音波画像において、複合積層板の面外皺を位置特定すること(ブロック1004)も含む。例えば、複合積層板104の面外皺606が、
図6のB-スキャン超音波画像600において位置特定されうる。かかる例では、
図6のB-スキャン超音波画像600は、超音波トランスデューサ102が複合積層板104の第1の側108をスキャンすることにより取得及び/又は獲得された超音波B-スキャンデータに基づいて、
図1のコンピュータシステム106によって生成されうる。
【0043】
図10の例示的な方法1000は、B-スキャン超音波画像に、B-スキャン超音波画像における面外皺の頂部の場所に基づいて決定される第1マーカーを関連付けること(ブロック1006)も含む。例えば、
図6の頂部ラインマーカー602は、
図6のB-スキャン超音波画像600に適用され、かつ/又は
図6のB-スキャン超音波画像600上に位置付けられうる。かかる例では、頂部ラインマーカー602は、
図6のB-スキャン超音波画像600における面外皺の606の頂部604の場所に基づいて、
図6のB-スキャン超音波画像600に適用され、かつ/又は
図6のB-スキャン超音波画像600上に位置付けられうる。
【0044】
図10の例示的な方法1000は、B-スキャン超音波画像に、B-スキャン超音波画像における面外皺の凹部焦点の場所に基づいて決定される第2マーカーを関連付けること(ブロック1008)も含む。例えば、
図8の中心ラインマーカー802は、
図8のB-スキャン超音波画像600に適用され、かつ/又は
図8のB-スキャン超音波画像600上に位置付けられうる。かかる例では、中心ラインマーカー802は、
図8のB-スキャン超音波画像600における面外皺の606の複数の凹部焦点702のうちの第1凹部焦点804の場所に基づいて、
図8のB-スキャン超音波画像600に適用され、かつ/又は
図8のB-スキャン超音波画像600上に位置付けられうる。
【0045】
図10の例示的な方法1000は、第1マーカーと第2マーカーとの間の距離に基づいて、面外皺の変動幅を判定すること(ブロック1010)も含む。例えば、
図9の距離マーカー902は、
図9のB-スキャン超音波画像600に適用され、かつ/又は
図9のB-スキャン超音波画像600上に位置付けられうる。かかる例では、距離マーカー902は、
図9のB-スキャン超音波画像600の頂部ラインマーカー602と中心ラインマーカー802の両方に対して直角に延在しうる。かかる例では、
図9の距離マーカー902に関連付けられる距離値は、面外皺606の変動幅を表わし、示し、かつ/又はそれと等しい。
【0046】
図10の例示的な方法1000は、面外皺の変動幅を二倍にすることによって、面外皺の高さを判定すること(ブロック1012)も含む。例えば、面外皺606の高さが、面外皺606の変動幅を二倍にすること(例えば、
図9の距離マーカー902に関連付けられる距離値を二倍にすること)によって判定されうる。ブロック1012の後、
図10の例示的な方法1000は終了する。
【0047】
図11A及び
図11Bは、複合積層板の面外皺を測定するための第2の例示的な方法1100を表わすフロー図である。
図11A及び
図11Bの例示的な方法1100は、第1超音波トランスデューサで複合積層板の第1の側をスキャンすること(ブロック1102)を含む。例えば、
図1の超音波トランスデューサ102により、
図1の複合積層板104の第1の側108がスキャンされうる。
【0048】
図11A及び
図11Bの例示的な方法1100は、複合積層板の第1の側をスキャンすることに応じて生成される第1B-スキャン超音波画像において、複合積層板の面外皺を位置特定すること(ブロック1104)も含む。例えば、複合積層板104の面外皺606が、
図6のB-スキャン超音波画像600において位置特定されうる。かかる例では、
図6のB-スキャン超音波画像600は、超音波トランスデューサ102が複合積層板104の第1の側108をスキャンすることにより取得及び/又は獲得された超音波B-スキャンデータに基づいて、
図1のコンピュータシステム106によって生成されうる。
【0049】
図11A及び
図11Bの例示的な方法1100は、第1B-スキャン超音波画像に、第1B-スキャン超音波画像における面外皺の頂部の場所に基づいて決定される第1マーカーを関連付けること(ブロック1106)も含む。例えば、
図6の頂部ラインマーカー602は、
図6のB-スキャン超音波画像600に適用され、かつ/又は
図6のB-スキャン超音波画像600上に位置付けられうる。かかる例では、頂部ラインマーカー602は、
図6のB-スキャン超音波画像600における面外皺の606の頂部604の場所に基づいて、
図6のB-スキャン超音波画像600に適用され、かつ/又は
図6のB-スキャン超音波画像600上に位置付けられうる。
【0050】
図11A及び
図11Bの例示的な方法1100は、第1B-スキャン超音波画像に、第1B-スキャン超音波画像における面外皺の凹部焦点の場所に基づいて決定される第2マーカーを関連付けること(ブロック1108)も含む。例えば、
図8の中心ラインマーカー802は、
図8のB-スキャン超音波画像600に適用され、かつ/又は
図8のB-スキャン超音波画像600上に位置付けられうる。かかる例では、中心ラインマーカー802は、
図8のB-スキャン超音波画像600における面外皺の606の複数の凹部焦点702のうちの第1凹部焦点804の場所に基づいて、
図8のB-スキャン超音波画像600に適用され、かつ/又は
図8のB-スキャン超音波画像600上に位置付けられうる。
【0051】
図11A及び
図11Bの例示的な方法1100は、第1マーカーと第2マーカーとの間の距離に基づいて、面外皺の第1変動幅を判定すること(ブロック1110)も含む。例えば、
図9の距離マーカー902は、
図9のB-スキャン超音波画像600に適用され、かつ/又は
図9のB-スキャン超音波画像600上に位置付けられうる。かかる例では、距離マーカー902は、
図9のB-スキャン超音波画像600の頂部ラインマーカー602と中心ラインマーカー802の両方に対して直角に延在しうる。かかる例では、
図9の距離マーカー902(例えば第1距離マーカー)に関連付けられる距離値は、面外皺606の第1変動幅を表わし、示し、かつ/又はそれと等しい。
【0052】
図11A及び
図11Bの例示的な方法1100は、第2超音波トランスデューサで複合積層板の第2の側をスキャンすること(ブロック1112)を含む。例えば、
図1の超音波トランスデューサ102又は第2超音波トランスデューサ114により、
図1の複合積層板104の第2の側110がスキャンされうる。
【0053】
図11A及び
図11Bの例示的な方法1100は、複合積層板の第2の側をスキャンすることに応じて生成される第2B-スキャン超音波画像において、複合積層板の面外皺を位置特定すること(ブロック1114)も含む。例えば、複合積層板104の面外皺606は、
図1の超音波トランスデューサ102又は第2超音波トランスデューサ114が複合積層板104の第2の側110をスキャンすることにより取得及び/又は獲得された超音波B-スキャンデータに基づいて、
図1のコンピュータシステム106によって生成されたB-スキャン超音波画像において位置特定されうる。
【0054】
図11A及び
図11Bの例示的な方法1100は、第2B-スキャン超音波画像に、第2B-スキャン超音波画像における面外皺の凹部の場所に基づいて決定される第3マーカーを関連付けること(ブロック1116)も含む。例えば、凹部ラインマーカーは、第2B-スキャン超音波画像における面外皺の606の凹部の場所に基づいて、第2B-スキャン超音波画像に適用され、かつ/又は第2B-スキャン超音波画像上に位置付けられうる。
【0055】
図11A及び
図11Bの例示的な方法1100は、第2B-スキャン超音波画像に、第2B-スキャン超音波画像における面外皺の頂部焦点の場所に基づいて決定される第4マーカーを関連付けること(ブロック1118)も含む。例えば、中心ラインマーカーは、第2B-スキャン超音波画像における面外皺の606の複数の頂部焦点のうちの第1頂部焦点の場所に基づいて、第2B-スキャン超音波画像に適用され、かつ/又は第2B-スキャン超音波画像上に位置付けられうる。
【0056】
図11A及び
図11Bの例示的な方法1100は、第3マーカーと第4マーカーとの間の距離に基づいて、面外皺の第2変動幅を判定すること(ブロック1120)も含む。例えば、第2距離マーカーが、第2B-スキャン超音波画像に適用され、かつ/又は第2B-スキャン超音波画像上に位置付けられうる。かかる例では、第2距離マーカーは、第2B-スキャン超音波画像の凹部ラインマーカーと中心ラインマーカーの両方に対して直角に延在しうる。かかる例では、第2距離マーカーに関連付けられる距離値は、面外皺606の第2変動幅を表わし、示し、かつ/又はそれと等しいものになる。
【0057】
図11A及び
図11Bの例示的な方法1100は、面外皺の第1変動幅と第2変動幅とを合算することによって、面外皺の高さを判定すること(ブロック1122)も含む。例えば、面外皺606の高さは、面外皺606の第1変動幅(例えば、
図9の距離マーカー902に関連付けられる距離値)と、面外皺606の第2変動幅(例えば、第2距離マーカーに関連付けられる距離値)とを合算することによって、判定されうる。ブロック1122の後、
図11A及び
図11Bの例示的な方法1100は終了する。
【0058】
図12は、複合積層板の面外皺を測定するための
図10の第1の例示的な方法1000、並びに/又は
図11A及び
図11Bの第2の例示的な方法1100を実装するために命令を実行することが可能な、例示的なプロセッサプラットフォーム1200のブロック図である。プロセッサプラットフォーム1200は、例えば、超音波ワークステーション、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバ、タブレット、又は他の任意の種類のコンピューティングデバイスでありうる。一部の例では、
図1の例示的なコンピュータシステム106は、
図12のプロセッサプラットフォーム1200を含み、かつ/又はプロセッサプラットフォーム1200により実装されうる。
【0059】
図示している例のプロセッサプラットフォーム1200は、プロセッサ1202を含む。図示している例のプロセッサ1202はハードウェアである。例えば、プロセッサ1202は、任意の望ましい系列会社もしくは製造者による一又は複数の集積回路、論理回路、マイクロプロセッサ、又はコントローラによって、実装されうる。
【0060】
図示している例のプロセッサ1202は、バス1208を介して、一又は複数の超音波トランスデューサ1206と通信可能である。
図12の例では、超音波トランスデューサ1206は、上述した
図1の例示的な超音波トランスデューサ102及び/又は第2の例示的な超音波トランスデューサ114を含みうる。
【0061】
図示している例のプロセッサ1202は、バス1208を介して、揮発性メモリ1210及び不揮発性メモリ1212を含むメインメモリとも通信可能である。揮発性メモリ1210は、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、RAMBUSダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM)、及び/又は他の任意の種類のランダムアクセスメモリデバイスによって、実装されうる。不揮発性メモリ1212は、フラッシュメモリ及び/又は他の任意の望ましい種類のメモリデバイスによって実装されうる。揮発性メモリ1210及び不揮発性メモリ1212へのアクセスは、メモリコントローラによって制御される。
【0062】
図示している例のプロセッサ1202は、ソフトウェア及び/又はデータを記憶するための大容量記憶デバイス1214とも通信可能である。大容量記憶デバイス1214は、例えば、一又は複数のフロッピーディスクドライブ、ハードドライブディスク、コンパクトディスクドライブ、ブルーレイディスクドライブ、RAIDシステム、デジタル多用途ディスク(DVD)ドライブなどにより、実装されうる。
【0063】
図示している例のプロセッサプラットフォーム1200は、インターフェース回路1216も含む。インターフェース回路1216は、イーサネットインターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)、Bluetooth(R)インターフェース、近距離無線通信(NFC)インターフェース、及び/又はPCIエクスプレスインターフェースといった、任意の種類のインターフェース標準によって実装されうる。
【0064】
図示している例では、一又は複数の入力デバイス1218がインターフェース回路1216に接続される。入力デバイス1218は、ユーザがデータ及び/又はコマンドをプロセッサ1202に入力することを可能にする。入力デバイス1218は、例えば、キーボード、ボタン、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、及び/又は音声認識システムによって、実装されうる。一又は複数の出力デバイス1220も、図示している例のインターフェース回路1216に接続される。出力デバイス1220は、例えば、ディスプレイデバイス(例えば発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、液晶ディスプレイ(LCD)、カソードレイチューブディスプレイ(CRT)、インプレイススイッチング(IPS)ディスプレイ、タッチスクリーンなど)、触覚出力デバイス、プリンタ、及び/又はスピーカーによって、実装されうる。ゆえに、図示している例のインターフェース回路1216は、典型的には、グラフィックドライバカード、グラフィックドライバチップ、及び/又はグラフィックドライバプロセッサを含む。
【0065】
図示している例のインターフェース回路1216は、ネットワーク1222を介する、外部の機械(例えば、任意の種類のコンピューティングデバイス)とのデータ交換を容易にするための、送信器、受信器、トランシーバ、モデム、常駐ゲートウェイ、無線アクセスポイント、及び/又はネットワークインターフェースといった通信デバイスも含む。通信は、例えば、イーサネット接続、デジタル加入者線(DSL)接続、電話線接続、同軸ケーブルシステム、衛星システム、視線(line-of-site)無線システム、携帯電話システムなどを介するものでありうる。
【0066】
図10の第1の例示的な方法1000並びに/又は
図11A及び
図11Bの第2の例示的な方法1100を実装するための符号化された命令1224は、ローカルメモリ1204、揮発性メモリ1210、不揮発性メモリ1212、大容量記憶デバイス1214、及び/又は、CD若しくはDVDといった取り外し可能な有形のコンピュータ可読記憶媒体に、記憶されうる。
【0067】
前記より、開示されている方法は、対象の複合積層板に物理的変更を加えない非破壊様態で、複合積層板の面外皺を数値化することを有利に可能にする、測定技法を提供することが、認識されよう。例えば、開示されている方法により、複合積層板に含まれる面外皺の変動幅及び/又は高さを、非破壊様態で、測定し、算出し、かつ/又は判定することが可能になる。開示されている非破壊測定技法は、対象の複合積層板が規定の高さ及び/又は閾値高さを超える面外皺を含まないことを認定及び/又は認証する上で、特に役立ちうる。
【0068】
一部の例では、方法が開示される。開示されている一部の例では、この方法は、超音波トランスデューサで複合積層板の第1の側をスキャンすることを含む。開示されている一部の例では、方法は、複合積層板の第1の側をスキャンすることに応じて生成されるB-スキャン超音波画像において、複合積層板の面外皺を位置特定することを含む。開示されている一部の例では、方法は、B-スキャン超音波画像に第1マーカーを関連付けることを含む。開示されている一部の例では、第1マーカーは、B-スキャン超音波画像における面外皺の頂部の場所に基づいて決定される。開示されている一部の例では、方法は、B-スキャン超音波画像に第2マーカーを関連付けることを含む。開示されている一部の例では、第2マーカーは、B-スキャン超音波画像における面外皺の凹部焦点の場所に基づいて決定される。開示されている一部の例では、方法は、第1マーカーと第2マーカーとの間の距離に基づいて、面外皺の変動幅を判定することを含む。
【0069】
開示されている一部の例では、方法は、面外皺の変動幅を二倍にすることによって、面外皺の高さを判定することを更に含む。
【0070】
方法の開示されている一部の例では、第1マーカーは頂部ラインであり、第2マーカーは中心ラインである。
【0071】
方法の開示されている一部の例では、B-スキャン超音波画像に第1マーカーを関連付けることは、第1マーカーを、B-スキャン超音波画像に又はB-スキャン超音波画像上に電子工学的に適用することを含み、B-スキャン超音波画像に第2マーカーを関連付けることは、第2マーカーを、B-スキャン超音波画像に又はB-スキャン超音波画像上に電子工学的に適用することを含む。
【0072】
方法の開示されている一部の例では、複合積層板の第1の側をスキャンすること、面外皺を位置特定すること、第1マーカーを関連付けること、第2マーカーを関連付けること、変動幅を判定することのいずれに応じても、複合積層板に物理的変更が加えられることはない。
【0073】
方法の開示されている一部の例では、面外皺は、B-スキャン超音波画像における複数の面外皺のうちの第1面外皺である。開示されている一部の例では、複数の面外皺のうちの第1面外皺は、複数の面外皺のうちの他のものに対応する各変動幅と比べて、最大の変動幅を有する。
【0074】
方法の開示されている一部の例では、B-スキャン超音波画像は、複合積層板の第1の側をスキャンすることに応じて生成される複数のB-スキャン超音波画像のうちの、第1B-スキャン超音波画像である。開示されている一部の例では、面外皺は、複数のB-スキャン超音波画像のうちの第1B-スキャン超音波画像において、複数のB-スキャン超音波画像のうちの他のものにおける同じ面外皺の各変動幅と比べて、最大の変動幅を有する。
【0075】
開示されている一部の例では、方法は、複合積層板の第1の側をスキャンすることに応じて生成されるC-スキャン超音波画像と、B-スキャン超音波画像とを相関させることを更に含む。開示されている一部の例では、方法は、C-スキャン超音波画像とB-スキャン超音波画像との相関に基づいて、C-スキャン超音波画像において複合積層板の面外皺を位置特定することを更に含む。開示されている一部の例では、方法は、B-スキャン超音波画像及びC-スキャン超音波画像における面外皺の場所に基づいて、複合積層板の第1の側に、面外皺をマーキングすることを更に含む。
【0076】
方法の開示されている一部の例では、複合積層板は航空機のストリンガである。
【0077】
一部の例では、方法が開示される。開示されている一部の例では、この方法は、第1超音波トランスデューサで複合積層板の第1の側をスキャンすることを含む。開示されている一部の例では、方法は、複合積層板の第1の側をスキャンすることに応じて生成される第1B-スキャン超音波画像において、複合積層板の面外皺を位置特定することを含む。開示されている一部の例では、方法は、第1B-スキャン超音波画像に第1マーカーを関連付けることを含む。開示されている一部の例では、第1マーカーは、第1B-スキャン超音波画像における面外皺の頂部の場所に基づいて決定される。開示されている一部の例では、方法は、第1B-スキャン超音波画像に第2マーカーを関連付けることを含む。開示されている一部の例では、第2マーカーは、第1B-スキャン超音波画像における面外皺の凹部焦点の場所に基づいて決定される。開示されている一部の例では、方法は、第1マーカーと第2マーカーとの間の距離に基づいて、面外皺の第1変動幅を判定することを含む。開示されている一部の例では、方法は、第2超音波トランスデューサで、複合積層板の第1の側の反対側の第2の側をスキャンすることを含む。開示されている一部の例では、方法は、複合積層板の第2の側をスキャンすることに応じて生成される第2B-スキャン超音波画像において、複合積層板の面外皺を位置特定することを含む。開示されている一部の例では、方法は、第2B-スキャン超音波画像に第3マーカーを関連付けることを含む。開示されている一部の例では、第3マーカーは、第2B-スキャン超音波画像における面外皺の凹部の場所に基づいて決定される。開示されている一部の例では、方法は、第2B-スキャン超音波画像に第4マーカーを関連付けることを含む。開示されている一部の例では、第4マーカーは、第2B-スキャン超音波画像における面外皺の頂部焦点の場所に基づいて決定される。開示されている一部の例では、方法は、第3マーカーと第4マーカーとの間の距離に基づいて、面外皺の第2変動幅を判定することを含む。
【0078】
開示されている一部の例では、方法は、面外皺の第1変動幅と第2変動幅とを合算することによって、面外皺の高さを判定することを更に含む。
【0079】
方法の開示されている一部の例では、第1マーカーは頂部ラインであり、第2マーカーは第1中心ラインであり、第3マーカーは凹部ラインであり、第4マーカーは第2中心ラインである。
【0080】
方法の開示されている一部の例では、第1B-スキャン超音波画像に第1マーカーを関連付けることは、第1マーカーを、第1B-スキャン超音波画像に又は第1B-スキャン超音波画像上に電子工学的に適用することを含み、第1B-スキャン超音波画像に第2マーカーを関連付けることは、第2マーカーを、第1B-スキャン超音波画像に又は第1B-スキャン超音波画像上に電子工学的に適用することを含み、第2B-スキャン超音波画像に第3マーカーを関連付けることは、第3マーカーを、第2B-スキャン超音波画像に又は第2B-スキャン超音波画像上に電子工学的に適用することを含み、かつ、第2B-スキャン超音波画像に第4マーカーを関連付けることは、第4マーカーを、第2B-スキャン超音波画像に又は第2B-スキャン超音波画像上に電子工学的に適用することを含む。
【0081】
方法の開示されている一部の例では、複合積層板の第1の側をスキャンすること、第1B-スキャン超音波画像において複合積層板の面外皺を位置特定すること、第1マーカーを関連付けること、第2マーカーを関連付けること、第1変動幅を判定すること、複合積層板の第2の側をスキャンすること、第2B-スキャン超音波画像において複合積層板の面外皺を位置特定すること、第3マーカーを関連付けること、第4マーカーを関連付けること、第2変動幅を判定すること、のいずれに応じても、複合積層板に物理変更が加えられることはない。
【0082】
方法の開示されている一部の例では、面外皺は、第1B-スキャン超音波画像における複数の面外皺のうちの第1面外皺である。開示されている一部の例では、複数の面外皺のうちの第1面外皺は、複数の面外皺のうちの他のものに対応する各変動幅と比べて、最大の変動幅を有する。
【0083】
方法の開示されている一部の例では、第1B-スキャン超音波画像は、複合積層板の第1の側をスキャンすることに応じて生成される複数の第1B-スキャン超音波画像のうちの、第1B-スキャン超音波画像である。開示されている一部の例では、面外皺は、複数の第1B-スキャン超音波画像のうちの第1B-スキャン超音波画像において、複数の第1B-スキャン超音波画像のうちの他のものにおける同じ面外皺の各変動幅と比べて、最大の変動幅を有する。
【0084】
開示されている一部の例では、方法は、複合積層板の第1の側をスキャンすることに応じて生成される第1C-スキャン超音波画像と、第1B-スキャン超音波画像とを相関させることを更に含む。開示されている一部の例では、方法は、第1C-スキャン超音波画像と第1B-スキャン超音波画像との相関に基づいて、第1C-スキャン超音波画像において複合積層板の面外皺を位置特定することを更に含む。開示されている一部の例では、方法は、第1B-スキャン超音波画像及び第1C-スキャン超音波画像における面外皺の場所に基づいて、複合積層板の第1の側に、面外皺をマーキングすることを更に含む。
【0085】
方法の開示されている一部の例では、複合積層板は航空機のストリンガである。
【0086】
本書では、特定の例示的な方法、装置、及び製品について開示してきたが、この特許出願の対象範囲はこれらに限定されるものではない。むしろ、この特許出願は、この特許出願の特許請求の範囲内に公正に当てはまるすべての方法、装置、及び製品を対象としている。