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特許7475874情報処理装置、画像形成装置及びその制御方法、並びにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像形成装置及びその制御方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240422BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240422BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240422BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
G03G21/00 388
B41J29/38 203
B41J29/00 E
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020014214
(22)【出願日】2020-01-30
(65)【公開番号】P2021121080
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】柴尾 まゆみ
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-012502(JP,A)
【文献】特開2015-033005(JP,A)
【文献】特開2019-068336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 21/00
B41J 29/38
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と通信可能な情報処理装置のコンピュータに、制御方法を実行させるためのプログラムであって、
前記制御方法は、
前記情報処理装置を操作するユーザのユーザ情報と、前記ユーザ情報に対応づけて前記画像形成装置に予め登録されているユーザの宛先に前記画像形成装置が画像データを送信することを指示する情報と、を少なくとも含む第一の情報を、前記画像形成装置に送信する送信工程、
を含み、前記第一の情報を受信した前記画像形成装置は、画像形成処理を実行し、生成した画像データを前記ユーザ情報に対応づけて登録しているユーザの宛先に送信する処理を、前記画像形成処理装置上で画像データを送信する操作を受け付けることなく実行することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記制御方法は、さらに、近距離無線通信を介して前記画像形成装置から接続情報を取得する第一の取得工程と、
前記第一の取得工程で取得した前記接続情報を用いて前記画像形成装置と無線LAN通信の接続を行う接続工程と、
を含み、
前記送信工程では、前記無線LAN通信を用いて、前記第一の情報を前記画像形成装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記ユーザ情報に対応づけて前記画像形成装置に予め登録されているユーザの宛先に前記画像形成装置が画像データを送信することを指示するための設定は前記情報処理装置上で行われる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記制御方法は、画像データを送信する宛先の設定をユーザから受け付ける受付工程をさらに含み、
前記送信工程では、前記受付工程で受け付けた宛先と前記送信工程で送信したユーザ情報に対応づけて前記画像形成装置に予め登録されているユーザの宛先とに前記画像形成装置が画像データを送信することを指示する情報が、前記画像形成装置に送信される
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記受付工程では、前記画像形成装置に予め登録されているユーザの宛先に前記画像形成装置が画像データを送信する情報を前記第一の情報に含めるか否かの選択をユーザから受け付け、当該受け付けた選択に応じて前記画像形成装置に予め登録されているユーザの宛先に画像データを前記画像形成装置が送信することを指示するための情報を前記第一の情報に含めるか、前記受付工程で受け付けた宛先に前記画像形成装置が画像データを送信することを指示するための情報を前記第一の情報に含めるか制御することを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記送信工程で送信されたユーザ情報は、前記画像形成装置にログインするために用いられる
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記画像形成装置に予め登録されているユーザ情報に対応づけて前記画像形成装置に予め登録されているユーザの宛先とは、前記画像形成装置に登録されている前記ログインしたユーザの宛先である
ことを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記画像データは前記画像形成装置のスキャナを用いて生成され、前記第一の情報はスキャンの設定情報をさらに含む
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記画像形成装置に予め登録されているユーザの宛先とは、ユーザに紐付くメールアドレスである
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記画像形成装置に予め登録されているユーザの宛先とは、ユーザに紐付くフォルダである
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記制御方法は、前記情報処理装置の個人用メールアドレスを自動で取得する第二の取得工程をさらに含み、
前記画像形成装置に前記ユーザ情報に対応したユーザの宛先が予め登録されていない場合、前記第二の取得工程で取得した個人用メールアドレスに前記画像形成装置が画像データを送信するための指示を行うことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記送信工程で送信された第一の情報を受信した前記画像形成装置では、ユーザの宛先に画像データを送信するためのアプリケーションが起動される
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記送信工程で送信された第一の情報を受信した前記画像形成装置では、ユーザの宛先に画像データを送信するための設定画面が開かれる
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記制御方法は、
前記接続情報を取得すると、前記第一の情報の送信まで自動で処理を進めることを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項15】
前記制御方法は、
前記ユーザ情報の入力を受け付ける画面を表示する表示制御工程と、
前記画面で受け付けた前記ユーザ情報を登録する登録工程と、をさらに有し、前記送信工程では前記登録された前記ユーザ情報が送信されることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項16】
情報処理装置と通信可能な画像形成装置であって、
前記情報処理装置を操作するユーザのユーザ情報を少なくとも含む第一の情報を、前記情報処理装置から受信する受信手段と、
前記第一の情報を受信した場合、画像形成処理を実行し、生成した画像データを前記画像形成装置において前記ユーザ情報に対応づけて登録しているユーザの宛先に送信する処理を、前記画像形成処理装置上で画像データを送信する操作を受け付けることなく実行する実行手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
画像形成装置と通信可能な情報処理装置であって、
前記情報処理装置を操作するユーザのユーザ情報と、前記ユーザ情報に対応づけて前記画像形成装置に予め登録されているユーザの宛先に画像データを送信することを指示する情報と、を少なくとも含む第一の情報を、前記画像形成装置に送信する送信手段と、
を含み、前記第一の情報を受信した前記画像形成装置は、画像形成処理を実行し、生成した画像データを前記ユーザ情報に対応づけて登録しているユーザの宛先に送信する処理を、前記画像形成処理装置上で画像データを送信する操作を受け付けることなく実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項18】
画像形成装置と通信可能な情報処理装置が実行する制御方法であって、
前記情報処理装置を操作するユーザのユーザ情報をと、前記ユーザ情報に対応づけて前記画像形成装置に予め登録されているユーザの宛先に画像データを送信することを指示する情報と、を少なくとも含む第一の情報を、前記画像形成装置に送信する送信工程と、
を含み、前記第一の情報を受信した前記画像形成装置は、画像形成処理を実行し、生成した画像データを前記ユーザ情報に対応づけて登録しているユーザの宛先に送信する処理を、前記画像形成処理装置上で画像データを送信する操作を受け付けることなく実行することを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信手段を有したデータ処理装置、データ処理装置の情報処理方法、コンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンと呼ばれる高性能なモバイル端末が普及してきている。モバイル端末は、画像形成装置に対してスキャン実行、プリント実行等の指示を送信し、画像形成装置を動作させることができる。例えば、画像形成装置がスキャンした画像データを設定された宛先に送信する動作をモバイル端末から指示することができる。モバイル端末は、ユーザがモバイル端末上で設定した画像データの送信先メールアドレスと各種スキャン設定情報を付加してジョブとして構成する。次に当該ジョブを画像形成装置に送信する。そしてジョブを受信した画像形成装置は、ジョブに含まれるスキャン設定に従ってスキャンした画像データを、当該ジョブに含まれる送信先メールアドレスに送信する。このようにスキャンした画像データの送信に必要な一連の設定操作をモバイル端末で完結できる。このとき、モバイル端末と画像形成装置の通信は、例えば、TCP/IP、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の通信プロトコルに従って確立される。また最近では、モバイル端末上で設定を行った後、モバイル端末を画像形成装置に近づける(タッチする)だけでNFC通信等を介して、当該設定に従って画像形成装置を動作させることもできる。
【0003】
一方で、画像形成装置は、画像形成装置の操作パネル上でスキャン設定と送信先設定を行った後、スキャンした画像データの送信を行うこともできる。画像形成装置の操作パネル上で送信先を設定する際に、当該操作を行っているユーザのメールアドレスを簡単に選択する手法として以下のような方法が提案されている。すなわち、画像形成装置にログイン可能なユーザと、当該ユーザのメールアドレスとを紐付けて予め画像形成装置に登録しておく。そしてユーザが画像形成装置にログインした際、スキャンした画像データ等を送信する宛先として当該ログインユーザのメールアドレスを設定するための「自分へ送信」ボタンを表示する。そして、ユーザがその「自分へ送信」ボタンを選択すると、画像形成装置は当該紐づけて登録してあるユーザのメールアドレスを呼び出し、宛先として設定できる方法が有る(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-68336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザがモバイル端末から、スキャン画像データを自分に送信する処理を画像形成装置に指示する場合、ユーザはモバイル端末上で自分のアドレスを入力する必要があるので操作が煩雑になる。本発明の目的は、ユーザがモバイル端末上からデータを自分へ送信する指示を画像形成装置に対して行う場合に、ユーザの操作性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
画像形成装置と通信可能な情報処理装置のコンピュータに、制御方法を実行させるためのプログラムであって、前記制御方法は、前記情報処理装置を操作するユーザのユーザ情報と、前記ユーザ情報に対応づけて前記画像形成装置に予め登録されているユーザの宛先に前記画像形成装置が画像データを送信することを指示する情報と、を少なくとも含む第一の情報を、前記画像形成装置に送信する送信工程、を含み、前記第一の情報を受信した前記画像形成装置は、画像形成処理を実行し、生成した画像データを前記ユーザ情報に対応づけて登録しているユーザの宛先に送信する処理を、前記画像形成処理装置上で画像データを送信する操作を受け付けることなく実行することを特徴とするプログラム。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置に予め登録されたユーザのアドレスにデータを送信することをモバイル端末から指示できるため、モバイル端末上からアドレスを入力する必要がなく、画像形成装置がデータを自分に送信することを指示する際の、ユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態におけるシステム構成図
図2】本実施形態におけるデータ処理装置のハードウェア構成図
図3】本実施形態における画像形成装置のハードウェア構成図
図4】本実施形態におけるデータ処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図
図5】本実施形態における画像形成装置のソフトウェア構成を示すブロック図
図6】本実施形態における画像形成装置の送信設定画面の一例を示す図
図7】本実施形態におけるデータ処理装置のメニュー画面の一例を示す図
図8】本実施形態におけるデータ処理装置の「自分に送信」画面の一例を示す図
図9】本実施形態におけるデータ処理装置の「自分に送信」画面の一例を示す図
図10】本実施形態におけるデータ処理装置のカラー設定画面の一例を示す図
図11】本実施形態におけるデータ処理装置の「自分に送信」を実行する処理を示すフローチャート
図12】本実施形態における画像形成装置の「自分に送信」を実行する処理を示すフローチャート
図13】本実施形態における画像形成装置のメールアドレス再設定処理を示すフローチャート
図14】本実施形態におけるデータ処理装置のメールアドレス再設定処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
(実施例1)
図1は、本実施例に係るデータ処理システム構成を示すブロック図である。データ処理システム100は、データ処理装置101、無線LANターミナル102、画像形成装置104、及びクラウドサーバー105で構成され、前記装置は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク103を介して互いに接続される。
【0011】
データ処理装置101は、例えばスマートフォンなどのモバイル端末であり、小型端末用のオペレーティングシステムや、音声通話、位置検出、データ通信を制御するプログラムが動作する情報処理装置であっても構わない。もしくは、音声通話制御、位置検出制御、等の機能を備えないパーソナルコンピュータであっても構わない。また、データ処理装置101は、無線LANターミナル102によりネットワーク103に接続している。
【0012】
無線ターミナル102は、一般的なネットワーク・ルーター機能を有した無線LANの親機であって、家庭内や事務所などの中で無線LANを提供している。
【0013】
画像形成装置104は、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファクス送信機能等の各種機能を備える複合機である。画像形成装置104は内部に無線アクセスポイントが含まれるように構成し、データ処理装置101と直接通信可能なように構成しても良い。ユーザは、画像形成装置104と通信しているデータ処理装置101上から、画像形成装置104に対しジョブ実行を指示し、画像形成装置104の各種機能を実行させることができる。
【0014】
クラウドサーバー105は、ネットワーク103を介して、データ処理装置101や画像形成装置104とデータのやり取りを行う。装置で利用されるデータの管理や、各種機能の拡張処理等を行う。なお、本実施例では、画像形成装置104やクラウドサーバー105はネットワーク103と有線接続する形態とするが、データ処理装置101と同様に無線LANターミナル102を利用して無線接続してもよい。
【0015】
さらに、データ処理装置101及び画像形成装置104は、NFC(Near Field Communication)やBLE(Bluetooth Low Energy)等を用いた近距離無線通信が可能である。画像形成装置104は後述するNFC通信部やBLE通信部を介して画像形成装置104と無線LAN接続するための接続情報(IPアドレスやMACアドレス、SSID等)を、データ処理装置101に送信する。そして、データ処理装置101は取得した接続情報を用いて画像形成装置104と無線LAN通信を開始する。
【0016】
図2は、本実施例に係るデータ処理装置101のハードウェア構成図である。データ処理装置101は、コントローラユニット201を持つ。コントローラユニット201は、NFC通信部210、BLE通信部211及び無線LAN通信部212の各種通信部やマイク・スピーカ213、ディスプレイ214及びタッチパネル215の各種UI部を制御する。
【0017】
コントローラユニット201は、CPU202、ROM203、RAM204,ネットワークI/F205、音声制御部206、表示制御部207、入力制御部208及び記憶装置209で構成され、それらはシステムバス216で接続される。
【0018】
CPU202は、データ処理装置101のシステム全体を制御する。ROM203は、データ処理装置101のオペレーティングシステム及び、通話、データ通信等を制御するプログラムが記憶されており、CPU202が各種プログラムを実行する。RAM204は、CPU202の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。
【0019】
記憶装置209は、不揮発性の記憶装置であり、データ処理装置101の再起動後も保持しておく必要のある各種動作モードの設定や、稼働ログ等を記録する。
【0020】
ネットワークI/F205は、NFC通信部210、BLE通信部211及び無線LAN通信部212と接続され、画像形成装置104やクラウドサーバー105と各種無線通信でデータのやり取りを行う。
【0021】
音声制御部206は、マイク・スピーカ213を介した音声データの入出力制御を行う。表示制御部207は、ディスプレイ214で表示する画面の出力制御を行う。入力制御部208は、ユーザがボタンやタッチパネル215を介して指示した情報の入力制御を行う。データ処理装置101で実行される各種アプリケーションはこれら音声制御部206、表示制御部207、入力制御部208等を利用する。
【0022】
図3は、本実施例に係る画像形成装置104のハードウェア構成図である。画像形成装置104は、コントローラユニット301を持ち、コントローラユニット301は、NFC通信部310、BLE通信部311及び無線LAN通信部312の各種通信部や操作部307、スキャナ313及びプリンタ314を制御する。ユーザが画像形成装置104のコピー機能を利用する場合、コントローラユニット301は、スキャナ313を制御して原稿の画像データを取得し、プリンタ314を制御して画像を用紙に印刷し出力する。また、ユーザがスキャンして送信機能を利用する場合、コントローラユニット301は、スキャナ313を制御して原稿の画像データを取得してコードデータに変換する。そしてネットワークI/F308を介してデータ処理装置101やクラウドサーバー105等へ送信する。また、ユーザがプリント機能を利用する場合、コントローラユニット301はデータ処理装置101やクラウドサーバー105からネットワークI/F308を介して画像データ(コードデータ)を受信する。そして、コントローラユニット301は受信した画像データをプリンタ314に送信する。プリンタ314は、受信した画像データに基づき、画像を用紙に印刷して出力する。また、画像形成装置104は、ISDN等からデータを受信してプリントするFAX受信機能や、ISDN等へスキャンしたデータを送信するFAX送信機能も有する。以上に示したような各機能を実行するために、ユーザが設定等を行った処理対象の仕事をジョブと呼び、画像形成装置104はジョブに従って所定の処理を実行する。
【0023】
コントローラユニット310は、CPU302、RAM303、ROM304、HDD305、操作部I/F306、ネットワークI/F308及びデバイスI/F309で構成され、それらはシステムバス315で接続される。
【0024】
CPU302は、画像形成装置104のシステム全体を制御する。RAM303はCPU302が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データ等を一時記憶する。また、スキャナ313で読み取られたスキャン画像データを格納したり、データ処理装置101からネットワーク103を介して受信したプリント画像データを格納したりする。ROM304はシステムのブートプログラム、アプリケーション等が格納されている。ハードディスクドライブ(HDD)305はオペレーティングシステムやシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア、画像データ、設定データなどを格納する。
【0025】
操作部I/F306は操作部307に表示する情報を操作部307に対して出力する。また、操作部I/F306は操作部307からユーザが入力した情報を受け付ける。ネットワークI/F308はNFC通信部310、BLE通信部311及び無線LAN通信部312と接続され、データ処理装置101やクラウドサーバー105と各種通信で情報のやり取りを行う。無線LAN通信部312は、ネットワーク103を介してデータ処理装置101と無線LAN通信を行う。また、NFC通信部310、BLE通信部311は、データ処理装置101と近距離無線通信を行う。画像形成装置104は、ネットワークI/F308を介して、データ処理装置101からジョブの設定情報や画像データ、ジョブ実行コマンド等を受信し、ジョブを実行する。デバイスI/F309は、画像データの読み取りや印刷を実行するスキャナ313やプリンタ314とコントローラユニット301を接続し、画像データの入出力を行う。
【0026】
図4は、本実施例に係るデータ処理装置101のソフトウェア構成を示す。CPU202がROM203や記憶装置209に記憶されている制御プログラムを読み出すことで実現されるソフトウェアの機能ブロック図である。
【0027】
アプリケーション401は、データ処理装置101にインストールされたアプリケーションである。アプリケーション401上で設定を行ってジョブを生成し、当該ジョブを画像形成装置104に送信することができる。データ処理装置101には、このアプリケーション401の他に様々なアプリケーションがインストールされているが、説明は省略する。いかにアプリケーション401の構成を示す。
【0028】
ユーザインタフェース(UI)制御部402は、ユーザがタッチパネル215で入力したジョブの設定情報等を受け付け、入力制御部208を介して、受け付けた内容をジョブ設定管理部406に送信する。また、UI制御部402は、ジョブ設定管理部406やジョブ制御部407からの応答を受信し、表示制御部207を介して、受信した内容に応じた画面をディスプレイ214に出力する。さらに、UI制御部402は、ユーザがタッチパネル215で入力したユーザ情報、パスワードなどの画像形成装置104にログインするための認証情報を受け付け、入力制御部208を介して、認証設定管理部403に送信する。
【0029】
認証設定管理部403は、UI制御部402から受信した認証情報を登録しておく。そして認証情報に基づいて画像形成装置104にログインする処理を行う。具体的には、認証情報をネットワーク制御部405に渡す。その認証情報は、ネットワーク103を介して画像形成装置104に送信される。画像形成装置104は受信した認証情報を用いてログイン処理を行い、結果をデータ処理装置101に返す。
【0030】
デバイス接続部404は、データ処理装置101と画像形成装置104との間でNFCやBLEを用いた近距離無線通信やネットワーク103を介した無線LAN通信を確立する。例えば、NFCの場合、ユーザがデータ処理装置101のNFC通信部210と画像形成装置104のNFC通信部310を近づけることで、近距離無線通信が開始される。また、BLEの場合、画像形成装置104のBLE通信部311がBLEビーコンを送信し、データ処理装置101のBLE通信部211が送信されたビーコンを受信する。ユーザがデータ処理装置101を画像形成装置104に近づけることで、データ処理装置101が受信したビーコンの電波強度が一定以上となったと判定すると近距離無線通信が開始される。このように、ユーザがデータ処理装置101と画像形成装置104のNFC、BLEの通信部を近づける(タッチ操作と呼ぶ)ことで、デバイス接続部404は、画像形成装置104と近距離無線通信を行う。そして当該近距離無線通信を介して、画像形成装置104から無線LAN通信に必要な接続情報を含む機器情報を取得する。デバイス接続部404は、取得した接続情報を用いてネットワーク103を介した画像形成装置104との無線LAN通信を開始する。
【0031】
ネットワーク制御部405は、画像形成装置104に対してジョブの設定情報やジョブ実行指示コマンド、画像データ、ユーザ認証情報等を、ネットワーク103を介して送信する。スキャンした画像データを設定した宛先に送信するジョブを構成する場合、ジョブの設定情報とは、データを送信する宛先やスキャンに関する設定等である。さらに、ネットワーク制御部405は、画像形成装置104に格納されたジョブの設定情報等を、ネットワーク103を介して受信する。
【0032】
ジョブ設定管理部406は、UI制御部402が受け付けたユーザが入力したジョブの設定情報や、ネットワーク制御部405により画像形成装置104やクラウドサーバー105から受信したジョブの設定情報をRAM204や記憶装置209に格納する。このとき、ジョブ設定管理部406は、これらのジョブの設定情報をユーザがよく使う設定として「お気に入り」登録しても良い。また、ジョブ設定管理部406は、アプリケーション401のインストール時に所定のジョブの設定情報を「プリセット」として登録しておくようにしても良い。
【0033】
ジョブ制御部407は、ジョブ設定管理部406で登録された「お気に入り」や「プリセット」に含まれるジョブの設定情報やユーザ操作で設定したジョブの設定情報からジョブを生成し、ネットワーク103を介して画像形成装置104に対するジョブ実行指示を送信する。また、ジョブ制御部407は、ジョブ実行状況や、スキャナ313やプリンタ314のデバイスの動作状態を、ネットワーク103を介して画像形成装置104から取得し、UI制御部402に送信する。
【0034】
図5は、本実施例に係る画像形成装置104のソフトウェア構成を示す。CPU302がROM304やHDD305に記憶されている制御プログラムを読み出すことで実現されるソフトウェアの機能ブロック図である。
【0035】
アプリケーション管理部501は画像形成装置104上で動作するアプリケーションを管理する。ユーザインタフェース(UI)制御部502は、ユーザが操作部307を介して入力したジョブの設定情報等を受け付け、ジョブ設定管理部506に渡す。また、UI制御部502は、ジョブ設定管理部506やジョブ制御部507からの応答を受信し、操作部307に応答に基づく画面を出力する。
【0036】
認証部503は、データ処理装置101から受信した認証情報に基づいてログイン処理を行い、その結果を返す。画像形成装置104は、ログインしたユーザに対応するメールアドレス等の各種情報を保持している。
【0037】
デバイス接続部504は、データ処理装置101との間で近距離無線通信等を介した無線LAN通信を確立する。ネットワーク制御部505は、データ処理装置101からジョブの設定情報やジョブ実行指示コマンド、画像データ、ユーザ認証情報等を、ネットワーク103を介して受信する。さらに、ネットワーク制御部505は、画像形成装置104に格納されたジョブの設定情報を、ネットワーク103を介してデータ処理装置101に対し送信する。
【0038】
ジョブ設定管理部506は、UI制御部502によりユーザが入力したジョブの設定情報や、ネットワーク制御部505によりデータ処理装置101やクラウドサーバー105から受信したジョブの設定情報等を含むジョブに関する情報をRAM303やHDD305に格納する。このとき、ジョブ設定管理部506は、これらのジョブの設定情報をユーザがよく使う設定として「お気に入り」登録しても良い。また、ジョブ設定管理部406は、所定のジョブの設定情報を「プリセット」として登録しておくようにしても良い。また、画像形成装置104で実行されたジョブを「履歴」として管理する。
【0039】
ジョブ制御部507は、受信したジョブに関する情報に応じ、スキャン処理部511、コピー処理部512、プリント処理部513及びファクス処理部514の各処理部を制御し、各種ジョブを実行する。このとき、ジョブ制御部507は、ユーザが操作部307で設定したジョブの設定情報や、ジョブ設定管理部506で登録された「お気に入り」や「プリセット」のジョブの設定情報を用いて各種ジョブを実行する。さらに、ジョブ制御部507は、ネットワーク103を介して、データ処理装置101等から受信したジョブ実行要求を受信し、受信したジョブの設定情報やジョブ実行指示に応じて、各種ジョブを実行する。また、ジョブ制御部507は、ジョブ実行状況や、スキャナ313やプリンタ314のデバイスの動作状態を、ネットワーク103を介してデータ処理装置101へ送信する。
【0040】
図6は、スキャンした画像データを設定された宛先に送信するための設定画面の一例であり、画像形成装置104上に表示される。ユーザが画像形成装置104上でスキャンして送信するためのアプリケーションを呼び出すと、表示される画面である。
【0041】
画面601は送信する宛先を設定する画面であり、送信先の選択や、スキャン設定を行える。「自分に送信」ボタン602は、ログインしたユーザに対応するメールアドレスが予め画像形成装置に登録されている場合に当該ボタン602が押下されると、送信先として当該ログインユーザに対応するメールアドレスを追加するためのボタンである。なお、本実施形態では、画像形成装置の管理者が、当該画像形成装置にログイン可能なユーザのIDと各ユーザのメールアドレスとを紐づけたリストを予め登録しておくことができるものとするが、これに限るものではない。例えば、各ユーザが自身のメールアドレスを予め登録したり変更したりすることができるようにしてもよい。「マイフォルダに保存」ボタン603はログインユーザが自分の特定の保存先(マイフォルダ)を登録している場合に、送信する宛先にマイフォルダを追加ができる。マイフォルダが未登録の場合は、マイフォルダに保存ボタン603を押下すると、保存先の設定登録が行える。宛先欄604には、送信先のメールアドレス等が表示される。
【0042】
図7を用いて、データ処理装置101上で行うアプリケーション401の機能選択に関して説明する。図7はデータ処理装置101上で動作するアプリケーション401のメニュー画面である。当該アプリケーションは画像形成装置104と通信し、アプリケーション上で行った設定内容で画像形成装置に対して処理の実行指示を出すことができる。
【0043】
UI制御部402は、アプリケーション401のメニュー画面703に画像形成装置104の機能を利用する処理一覧を表示する。ここで表示される一覧は、例えば、上述した「お気に入り」、「プリセット」として登録してあるジョブをボタンとして表示する。一例として画像形成装置104でスキャンした画像を自分(画像形成装置にログインしているユーザ)にメール送信する「自分に送信」ボタン701、スキャン画像を登録済みの自分のフォルダに保存する「マイフォルダへ保存」ボタン702を表示する。「自分に送信」ボタン701を押下すると、自分にメール送信するための設定画面710に遷移する。マイフォルダへ保存ボタン702を押下すると、マイフォルダに保存するための設定画面(不図示)に遷移する。基本ジョブのボタンエリア704は、画像形成装置104の「コピー」「プリント」といった基本的な機能を利用するジョブを実行するためのボタンを複数配置し、各ボタンを押下するとジョブ実行のための設定画面に遷移する。
【0044】
図8から10の説明を行う前に、本実施例の概略を示す。ユーザが自分に送信ボタン701を押下し、設定画面で設定を行った後にデータ処理装置101を画像形成装置104にタッチをすると、画像形成装置104でスキャンした画像データを自分宛てに送信することができる。この時、本来であればデータ処理装置101上の設定画面でユーザは自分のアドレスを入力しなければいけない。しかし、本実施例では、画像形成装置104にあらかじめ登録してあるユーザのメールアドレスを用いることをデータ処理装置101上で指示する。そうすることで、データ処理装置101上で自分のアドレスを設定しなくとも、画像データを自分に送信することを指示することができる。
【0045】
次に、図8図9図10を用いてデータ処理装置101上で行うスキャン画像を自分に送信するための設定に関して説明する。
【0046】
図8の「自分に送信」の設定画面710は、スキャン画像を自分にメール送信するための設定を行う画面であり、図7の画面でボタン701が押下されると表示される画面である。タイトルエリア711には、何の設定画面かを示すタイトル(図8では「自分にメール送信」)が表示され、設定をキャンセルしてメニュー画面に戻るボタンも配置される。メールアドレス設定エリア712は、設定されたメールアドレスが表示されるエリアである。このエリアを押下すると送信先のメールアドレスをソフトキーボードで直接入力が可能となる。アドレス帳起動ボタン713を押下するとデータ処理装置101内のアドレス帳を起動する。ユーザが起動されたアドレス帳からメールアドレスを選択すると、メールアドレス設定エリア712に選択したメールアドレスが表示される。メールアドレスは、複数設定可能である。“MFPの「自分に送信」”設定エリア714は、MFP(Multi Function Peripheral:画像形成装置104の一例とする)の「自分に送信」ボタン602に相当する機能を画像形成装置に実行させるか否かを、切り替えボタン715で切り替える。つまり画像形成装置104に登録されたユーザのメールアドレスを使用するか否かを切り替えることができる。なお、“MFPの「自分に送信」”設定エリア714の切り替えボタン715はデフォルトでONになっているものとする。開くボタン718を押下すると、図9の画面に切り替わり、メールの件名や本文等に関する設定が可能になる。
【0047】
CC入力エリア720とBCC入力エリア721は、メールアドレス設定エリア712と同様の構成であり、メールを送信するアドレスの入力が可能である。件名を入力する件名フィールド722、ファイル名入力フィールド723、本文を入力する本文フィールド724は、データ処理装置のソフトキーボードで、ユーザが任意の文字列を入力可能である。
【0048】
図8の説明に戻る。スキャン設定エリア716から下には、カラー設定ボタン717を含むスキャン設定を変更するボタンを配置する。カラー設定ボタン717を押下すると、図10のカラー設定画面730に遷移する。タイトルエリア731には、「カラー設定」画面であることを示すタイトルが表示され、設定を確定して前の画面に戻るボタンが配置される。設定項目732はカラー設定に関する各項目を表示し、押下されると733に示すように選択状態になる。
【0049】
「自分に送信」の設定画面710で各種設定を行った後に、ユーザがデータ処理装置101を画像形成装置104にタッチすると、データ処理装置は設定画面710で行われた設定を画像形成装置104に送信する。そして、当該設定を反映した送信処理を画像形成装置104が実行する。
【0050】
図7の「マイフォルダへ保存」ボタン702を押下して表示されるマイフォルダへ保存の設定画面(不図示)も図8の「自分に送信」画面と同等の構成とする。図8の714のMFPの「自分に送信」設定エリアが、MFPの「マイフォルダに保存」ボタン603に相当する機能を実行させるか否か設定するエリアに変わる。この設定がONであれば、画像形成装置104に予め登録してあるユーザのフォルダがデータの送信先となる。
【0051】
「自分に送信」の設定画面710で各種設定を行い、データ処理装置101を画像形成装置104にタッチしたときのデータ処理装置101の処理の流れに関して、図11の送信フローチャートを用いて説明する。フローチャートに示す各ステップは、CPU202がROM203、記憶装置209等のメモリに格納された制御プログラム(アプリケーション)をRAM204に展開して実行することによって処理される。
【0052】
S801では、図7のメニュー画面703にある「自分に送信」ボタン701が押下され、UI制御部402が「自分に送信」の設定画面710を表示する。S802では、送信宛先に関する設定を受付ける。具体的にはメールアドレス設定エリア712のメールアドレス設定、切り替えボタン715によるMFPの「自分へ送信」を実行するか否かの切り替えを受け付ける。S803で、スキャン設定エリア716のスキャン設定、件名フィールド722、ファイル名フィールド723、本文フィールド724等のメール情報に関する入力を受け付ける。なお、切り替えボタン715がデフォルトでONになっており、スキャン設定もデフォルト値が設定されているので、S802、S803のステップは、必ずしも必要ではないし、順番もこれに限らない。つまり送信宛先やスキャン設定等の設定を受け付けることなく次のステップに進むことも可能である。
【0053】
ユーザがデータ処理装置101を画像形成装置104にタッチし、S804でデバイス接続部404が画像形成装置104のNFCタグから無線LAN通信するための接続情報を取得する。S805で接続情報を用いて画像形成装置104と通信接続を確立できたか否か判定する。通信接続できなかった場合、UI制御部402は通信できない旨をデータ処理装置上に表示して処理を終了する。S805で通信接続できた場合、S806でMFPの「自分に送信」714の設定がONかOFFかを判断する。S806でONであった場合は、S807で認証設定管理部403で登録されている認証情報を画像形成装置104に送信し画像形成装置104にログインを試みる。この時の送信には、S805で確立した通信を用いる。S808で画像形成装置104からログイン結果を受信し、ログイン成功だった場合は、S809で「自分に送信」の設定画面710において行ったジョブの設定情報(メールアドレス、MFPの「自分に送信」の設定、スキャン設定、メール情報など)、実行コマンドを含むジョブ情報をネットワーク制御部405が画像形成装置104に送信する。この時の送信には、S805で確立した通信を用いる。S808でログインに失敗した旨を受信すると、S810でUI制御部402が認証エラーを画面に表示し終了する。
【0054】
S806でMFPの「自分に送信」の設定がOFFだった場合は、S811でメールアドレス設定エリア712にメールアドレスが設定されているかを判断し、設定されていればS807に進む。S811でメールアドレスが設定されていない場合は、S812でUI制御部402が「宛先が設定されていない」旨のエラー表示を画面に表示し終了する。なお、本フローチャートでは、データ処理装置101はNFC通信で、画像形成装置104から接続情報を取得し、当該接続情報を用いて、画像形成装置104と無線LAN通信を確立し、各種データのやり取りを行っていた。しかし、これに限るものではなく、データ処理装置101と画像形成装置104はBluetooth通信で各種データのやり取りを行っても良い。また画像形成装置104のUI制御部502がQRコードを表示し、データ処理装置101が当該QRコードを読み込むことで、接続情報を取得し、接続情報を用いて無線通信を行っても良い。
【0055】
次に、データ処理装置101上で「自分に送信」の設定画面710において行ったジョブの設定情報を含むジョブ情報(S809で送信されたジョブ情報)を受信した画像形成装置104が実行する処理に関して、図12のフローチャートを用いて説明する。このとき、画像形成装置104はS807でデータ処理装置101から送信された認証情報を受信しており、データ処理装置101のユーザが画像形成装置104にログインしている状態である。認証情報を受信してログイン処理を行った画像形成装置104はログイン後の画面を表示するようにしても良い。
【0056】
フローチャートに示す各ステップは、CPU302がROM304、HDD305等のメモリに格納された制御プログラム(アプリケーション)をRAM303に展開して実行することによって処理される。ネットワーク制御部505は、S821でデータ処理装置101からS809で送信されたジョブ情報を受信する。この時、スキャンしてデータを送信するためのアプリケーションを起動し、UI制御部502は、画面601を表示するようにしても良い。S822で、受信したジョブ情報からMFPの「自分に送信」の設定を参照し、設定がONかOFFかを判断する。S822で設定がONだった場合、S823で自装置にログインしているユーザのメールアドレス(例えばユーザのPCに設定された個人用のメールアドレス)が自装置に登録されているかどうかを判断する。登録されている場合は、S824で送信先リストに登録されているユーザのアドレスを追加する。S823で登録されていない場合は、S825に進む。
【0057】
S822でMFPの自分へ送信設定がOFFだった場合、S825に進む。S825では、受信したジョブ情報に含まれている送信先アドレスのリスト(メールアドレス設定エリア712等に設定してあるメールアドレス)を抽出、送信先リストに追加する。S826で送信先リストが1件以上あるか判断する。1件以上ある場合はS827でジョブ情報からスキャン設定を抽出し、そのスキャン設定でスキャンを実行する。スキャンの実行が完了すると、S828でジョブ情報からメール情報を抽出し、メール情報を反映した送信メールを作成する。このとき宛先に送信先リストのアドレスを設定する。S829で、S828で作成したメールにS827でスキャンしたスキャン画像を添付してメール送信を実行する。
【0058】
S826で送信先リストが1件も無い場合は、S830で宛先が設定されていない旨のエラー表示をUI制御部502が表示し終了する。この時のエラー表示はデータ処理装置101上で行っても良い。
【0059】
以上の説明の通り、本実施例によれば、画像形成装置にあらかじめ登録されている自分のメールアドレスにスキャン画像を送信することを、情報処理装置上(モバイル端末)から指示することができる。そうすることで、ユーザはデータ処理装置101上で自分のアドレスを入力する必要が無くなるため、ユーザビリティが向上する。
【0060】
例えば、ユーザが所有するモバイル端末には、当該ユーザの会社用のメールアドレスがモバイル端末のアドレス帳に登録されていない場合がある。一方で、画像形成装置には、画像形成装置の管理者によって、当該画像形成装置を利用可能なユーザのユーザIDと各ユーザの会社用のメールアドレスが登録されている。このような状況下において、本実施形態を利用すれば、モバイル端末において、ユーザの会社用のメールアドレスを文字入力せずに、スキャン画像を当該ユーザの会社用のメールアドレス宛に簡単に送信するよう指示することができる。
【0061】
また、本実施例では、データ処理装置上で設定を行ってから、データ処理装置を画像形成装置にタッチして通信を開始するようにしていたが、これに限るものではない。予め、データ処理装置と画像形成装置が通信を行っている状態で、データ処理装置上で設定を行って、画像形成装置に指示を出すようなケースにおいても本実施例は適応可能である。また本実施例では、データ処理装置上からMFPの「自分に送信」機能を利用する例を示したが、データ処理装置上からMFPの「マイフォルダに保存」を利用する場合も同様の構成で実現できる。
【0062】
(実施例2)
実施例1では、データ処理装置101上で宛先のメールアドレスを設定していない等の理由で、S826で送信先リストが1件もない場合は、S830でエラー表示を出していた。本実施例では、送信先リストが1件もない場合に、データ処理装置101が自装置の個人用メールアドレスを自動で取得して、「自分へ送信」の宛先とする例を示す。なお本実施例の基本構成は実施例1と同じであるため差分のみを示す。
【0063】
本実施例の画像形成装置104の処理の流れに関して、図13のフローチャートを用いて説明する。図13のフローチャートは図12のフローチャートと基本構成は同じであるため差分のみ示す。S826で画像形成装置104が送信先リストが1件以上あるか判断し送信先リストが1件も無い場合は、S901でデータ処理装置101に宛先が設定されていない旨を通知する。S902では、S901で通知をしてから一定時間経過しているかどうかを判断し、経過している場合はエラー表示を出す、もしくはエラーをデータ処理装置101に通知して処理を終了する。S902で一定時間経過していない場合、S903でデータ処理装置101から応答を受信したか否か判定する。S903で応答がなかった場合は、S902へ進む。S903で応答があった場合は、S904で受信した応答にメールアドレスが含まれるか否かを判断する。メールアドレスが含まれる場合は、S905で受信した応答に含まれるメールアドレスを送信先リストに追加し、S827に進む。S904で受信した応答にメールアドレスが含まれていない場合は、処理をキャンセルしてエラー表示して終了する。
【0064】
次に、データ処理装置101で自装置の個人用メールアドレスを検索し、検索したアドレスを画像形成装置104に送信する流れに関して、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0065】
S911でデータ処理装置101は、画像形成装置104がS901で通知した宛先がない旨を受信する。次にS912で、データ処理装置101に設定されている自装置の個人用メールアドレスを検索する。ここで自装置の個人用メールアドレスとは例えばキャリアメールアドレス、Gmail等、データ処理装置101のオペレーティングシステムに設定された個人のメールアドレスである。S913では、S912で検索できたアドレスが1件以上であるか否かを判断する。アドレスが1件以上あった場合は、S914で画像形成装置104に送信する個人用アドレスをユーザに確認させるメッセージとOK/Cancelボタンを配置した画面(不図示)を表示する。S915で押下されたボタンがOKボタンかどうかを判断し、OKボタンであった場合は、S916においてS912で探索できたアドレスを画像形成装置104に送信して終了する。S915でCancelボタンが押下された場合は、S9187で画像形成装置104にジョブをキャンセルする旨を通知して終了する。
【0066】
S913で検索出来たアドレスが1件も無い場合は、S917でデータ処理装置上にアドレスがない旨を表示し、S918に進む。
【0067】
なお、本フローチャートでは、S914で確認メッセージを出すようにしていたが、確認メッセージを出さずに自動で検索出来た自装置の個人用アドレスを画像形成装置104に送信するようにしても良い。
【0068】
以上の実施例によりデータ処理装置上で宛先のメールアドレスを設定せずに画像形成装置104に対して「自分へ送信」指示を行った場合でも、ユーザはメールアドレスを設定する手間なく自装置の個人用アドレスを宛先として設定できる。また、本実施例ではデータ処理装置はジョブを送信した際に、宛先が設定されていないと自装置の個人用アドレスを検索する構成にしたが、これに限るものではない。検索した自装置の個人用メールアドレスを、メールアドレス設定エリア712にデフォルトで設定されているように構成しても良い。
【0069】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。その処理は、上述した実施例の機能を実現させるソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
図1
図2
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図4
図5
図6
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図10
図11
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図13
図14