(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】ユーザ端末装置、プログラム及びリテラシレベル推定システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240422BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020046984
(22)【出願日】2020-03-17
【審査請求日】2023-01-03
(73)【特許権者】
【識別番号】501158538
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹尾 大輔
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-355108(JP,A)
【文献】特開2005-234331(JP,A)
【文献】特開平11-025320(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0361974(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の処理を実行する
とともに入出力機能を有する情報処理装置であるユーザ端末装置において、
前記ユーザ端末装置を使用するユーザを識別するユーザ識別子を格納しているユーザ識別子格納部と、
前記入出力機能でやりとりされる情報からテキストを抽出し、リテラシレベルを推定する推定対象を識別する推定対象識別子と、前記推定対象識別子に対応付いている複数の用語とを含むレベル推定用レコードを参照
することにより、
抽出した前記テキストから前記レベル推定用レコードに含まれる前記用語を検出する用語検出部と、
複数の前記用語が検出された場合に、一つの用語の検出を一つのイベントとして、複数のイベントの各イベントに、前記推定対象識別子で識別される前記推定対象に前記ユーザが関与する度合いを示すユーザ関与度を、前記一つの用語が検出された
前記テキストの元になる前記情報が前記入出力機能でどのように使用され
たかを示す使用状況に基づき付与するユーザ関与度付与部と、
前記推定対象識別子と、前記ユーザ識別子と、前記関与度とを含むイベント情報を出力する出力部と、
を備えるユーザ端末装置。
【請求項2】
前記ユーザ関与度付与部は、
検出された前記一つの用語に応じて、付与する前記関与度の大きさを調整する請求項1に記載のユーザ端末装置。
【請求項3】
前記ユーザ関与度付与部は、
前記関与度として、ポイントを付与する請求項1または請求項2に記載のユーザ端末装置。
【請求項4】
情報の処理を実行する
とともに入出力機能を有する情報処理装置であるコンピュータに、
前記コンピュータを使用するユーザを識別するユーザ識別子を格納するユーザ識別子格納処理と、
前記入出力機能でやりとりされる情報からテキストを抽出し、リテラシレベルを推定する推定対象を識別する推定対象識別子と、前記推定対象識別子に対応付いている複数の用語とを含むレベル推定用レコードを参照
することにより、
抽出した前記テキストから前記レベル推定用レコードに含まれる前記用語を検出する用語検出処理と、
複数の前記用語が検出された場合に、一つの用語の検出を一つのイベントとして、複数のイベントの各イベントに、前記推定対象識別子で識別される前記推定対象に前記ユーザが関与する度合いを示すユーザ関与度を、前記一つの用語が検出された
前記テキストの元になる前記情報が前記入出力機能でどのように使用され
たかを示す使用状況に基づき付与するユーザ関与度付与処理と、
前記推定対象識別子と、前記ユーザ識別子と、前記関与度とを含むイベント情報を出力する出力処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項5】
情報の処理を実行する
とともに入出力機能を有する情報処理装置であるユーザ端末装置と、
前記ユーザ端末装置と通信するサーバ装置と、
を備えるリテラシレベル推定システムであって、
前記ユーザ端末装置は、
前記ユーザ端末装置を使用するユーザを識別するユーザ識別子を格納しているユーザ識別子格納部と、
前記入出力機能でやりとりされる情報からテキストを抽出し、リテラシレベルを推定する推定対象を識別する推定対象識別子と、前記推定対象識別子に対応付いている複数の用語とを含むレベル推定用レコードを参照
することにより、
抽出した前記テキストから前記レベル推定用レコードに含まれる前記用語を検出する用語検出部と、
複数の前記用語が検出された場合に、一つの用語の検出を一つのイベントとして、複数のイベントの各イベントに、前記推定対象識別子で識別される前記推定対象に前記ユーザが関与する度合いを示すユーザ関与度を、前記一つの用語が検出された
前記テキストの元になる前記情報が前記入出力機能でどのように使用され
たかを示す使用状況に基づき付与するユーザ関与度付与部と、
前記一つのイベントごとに、前記推定対象識別子と、前記ユーザ識別子と、前記関与度とを含むイベント情報を、前記サーバ装置へ送信する出力部と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記ユーザ端末装置から複数のイベント情報を受信するイベント情報受信部と、
受信した複数のイベント情報を格納しているイベント情報格納部と、
前記推定対象識別子と前記ユーザ識別子とを含み前記ユーザのリテラシレベルを要求する要求情報を送信する要求送信装置から前記要求情報を受信し、前記要求情報の含む前記推定対象識別子及び前記ユーザ識別子に合致する前記イベント情報を、前記イベント情報格納部が格納している複数のイベント情報の中から抽出し、抽出した前記イベント情報の有する前記関与度を合計し、前記関与度の合計値に基づいて、前記要求情報の要求する前記リテラシレベルを決定し、決定したリテラシレベルを前記要求送信装置へ送信するリテラシレベル決定部と、
を備えるリテラシレベル推定システム。
【請求項6】
前記リテラシレベル決定部は、
前記合計値を閾値と比較することにより、前記リテラシレベルを決定する請求項5に記載のリテラシレベル推定システム。
【請求項7】
前記閾値は、
複数のサブ閾値に分かれている請求項6に記載のリテラシレベル推定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザのリテラシレベルを推定する、ユーザ端末装置、プログラム及びリテラシレベル推定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品及びサービスの利用者に対するユーザ対応では、ユーザとのコミュニケーションを円滑にするために、ユーザのリテラシに合わせて、ユーザ対応のための質問及び回答のための選択文章の言い回しを変えるなど、柔軟な対応が必要である。
ここで、ユーザ対応とは、ユーザへのサポート対応あるいはユーザからの意見収集のためのアンケート調査である。
また、リテラシとは、ユーザが、特定分野に対して、適切に理解、解釈し、活用する能力を意味する。
【0003】
例えば、IT製品及びITサービスにおいては、特定分野としてIT分野に対するリテラシの低いユーザに対しては、本題に入る前に、いくつかの確認の質問あるいは専門用語を易しい表現に変えながらの会話が必要である。
一方、IT分野に対するリテラシの高いユーザに対しては、本題だけの質問あるいは専門用語での会話のほうが通じやすい。
ある特定分野に対するユーザの持つリテラシのレベル(以下、リテラシレベルという)を事前に把握するには、「アンケート」あるいは「理解度テスト」をユーザに依頼するなど、ユーザにリテラシレベルを直接確認する必要がある。
しかし、この確認は、ユーザにとって負担である。
【0004】
また、リテラシレベルはユーザが日々、知識を活用していくことで変化していくため、ユーザ対応が必要となった時点での、ユーザのリテラシレベルを知る必要がある。
【0005】
従来では、操作回数及び操作時間のようなユーザによるツールの操作実績をもとに、ユーザの「技術レベル」を算出する技術がある(例えば特許文献1)。
しかし、特許文献1はユーザの「技術レベル」を推測する技術であり、ユーザの「リテラシレベル」を推定する技術ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2014/155718号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、特定分野に関するユーザのリテラシレベルを推測する装置及びシステムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係るユーザ端末装置は、情報の処理を実行する情報処理装置である。
本開示に係るユーザ端末装置は、
前記ユーザ端末装置を使用するユーザを識別するユーザ識別子を格納しているユーザ識別子格納部と、
リテラシレベルを推定する推定対象を識別する推定対象識別子と、前記推定対象識別子に対応付いている複数の用語とを含むレベル推定用レコードを参照し、前記ユーザ端末装置の処理する前記情報から前記レベル推定用レコードに含まれる前記用語を検出する用語検出部と、
複数の前記用語が検出された場合に、一つの用語の検出を一つのイベントとして、複数のイベントの各イベントに、前記推定対象識別子で識別される前記推定対象に前記ユーザが関与する度合いを示すユーザ関与度を、前記一つの用語が検出された前記情報が使用される使用状況に基づき付与するユーザ関与度付与部と、
前記推定対象識別子と、前記ユーザ識別子と、前記関与度とを含むイベント情報を出力する出力部と、
を備える。
【0009】
前記ユーザ関与度付与部は、
検出された前記一つの用語に応じて、付与する前記関与度の大きさを調整する。
【0010】
前記ユーザ関与度付与部は、
前記関与度として、ポイントを付与する。
【0011】
本開示に係るプログラムは、
情報の処理を実行する情報処理装置であるコンピュータに、
前記コンピュータを使用するユーザを識別するユーザ識別子を格納するユーザ識別子格納処理と、
リテラシレベルを推定する推定対象を識別する推定対象識別子と、前記推定対象識別子に対応付いている複数の用語とを含むレベル推定用レコードを参照し、前記コンピュータの処理する前記情報から前記レベル推定用レコードに含まれる前記用語を検出する用語検出処理と、
複数の前記用語が検出された場合に、一つの用語の検出を一つのイベントとして、複数のイベントの各イベントに、前記推定対象識別子で識別される前記推定対象に前記ユーザが関与する度合いを示すユーザ関与度を、前記一つの用語が検出された前記情報が使用される使用状況に基づき付与するユーザ関与度付与処理と、
前記推定対象識別子と、前記ユーザ識別子と、前記関与度とを含むイベント情報を出力する出力処理と、
を実行させる。
【0012】
本開示に係るリテラシレベル推定システムは、情報の処理を実行する情報処理装置であるユーザ端末装置と、前記ユーザ端末装置と通信するサーバ装置と、を備える。
前記ユーザ端末装置は、
前記ユーザ端末装置を使用するユーザを識別するユーザ識別子を格納しているユーザ識別子格納部と、
リテラシレベルを推定する推定対象を識別する推定対象識別子と、前記推定対象識別子に対応付いている複数の用語とを含むレベル推定用レコードを参照し、前記ユーザ端末装置の処理する前記情報から前記レベル推定用レコードに含まれる前記用語を検出する用語検出部と、
複数の前記用語が検出された場合に、一つの用語の検出を一つのイベントとして、複数のイベントの各イベントに、前記推定対象識別子で識別される前記推定対象に前記ユーザが関与する度合いを示すユーザ関与度を、前記一つの用語が検出された前記情報が使用される使用状況に基づき付与するユーザ関与度付与部と、
前記一つのイベントごとに、前記推定対象識別子と、前記ユーザ識別子と、前記関与度とを含むイベント情報を、前記サーバ装置へ送信する出力部と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記ユーザ端末装置から複数のイベント情報を受信するイベント情報受信部と、
受信した複数のイベント情報を格納しているイベント情報格納部と、
前記推定対象識別子と前記ユーザ識別子とを含み前記ユーザのリテラシレベルを要求する要求情報を送信する要求送信装置から前記要求情報を受信し、前記要求情報の含む前記推定対象識別子及び前記ユーザ識別子に合致する前記イベント情報を、前記イベント情報格納部が格納している複数のイベント情報の中から抽出し、抽出した前記イベント情報の有する前記関与度を合計し、前記関与度の合計値に基づいて、前記要求情報の要求する前記リテラシレベルを決定し、決定したリテラシレベルを前記要求送信装置へ送信するリテラシレベル決定部と、
を備える。
【0013】
前記リテラシレベル決定部は、
前記合計値を閾値と比較することにより、前記リテラシレベルを決定する。
【0014】
前記閾値は、
複数のサブ閾値に分かれている。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、特定分野に関するユーザのリテラシレベルを推測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態1の図で、リテラシレベル推定システム10のシステム構成の概要を示す図。
【
図2】実施の形態1の図で、リテラシレベル推定システム10における各装置の機能構成を示す図。
【
図3】実施の形態1の図で、ユーザ端末装置100のハードウェア構成図。
【
図4】実施の形態1の図で、サーバ装置200のハードウェア構成図。
【
図5】実施の形態1の図で、要求送信装置300のハードウェア構成図。
【
図6】実施の形態1の図で、ユーザ端末装置100の動作を示すフローチャート。
【
図7】実施の形態1の図で、ステップS12の処理を具体的に示す図。
【
図8】実施の形態1の図で、ステップS14の処理を具体的に示す図。
【
図9】実施の形態1の図で、レベル推定用レコード211を示す図。
【
図10】実施の形態1の図で、ユーザ関与度付与部140の実施する「関与度の付与」の考え方を示す図。
【
図11】実施の形態1の図で、ユーザ関与度付与部140の実施する「関与度の付与」の考え方を示す別の図。
【
図12】実施の形態1の図でユーザ関与度付与部140による、関与度の付与を説明する図。
【
図13】実施の形態1の図で、サーバ装置200のイベント情報格納部220を示す図。
【
図14】実施の形態1の図で、要求送信装置300からの要求情報310Aによって、サーバ装置200がリテラシレベルを計算する動作を示すフローチャート。
【
図15】実施の形態1の図で、表示設定受付部310から要求情報310Aが送信されたときの、イベント情報格納部220の格納状態を示す図。
【
図16】実施の形態1の図で、要求情報310Aがタイプ1の場合を示す図。
【
図17】実施の形態1の図で、要求情報310Aがタイプ2の場合を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。
【0018】
実施の形態1.
図1から
図17を参照して、実施の形態1のリテラシレベル推定システム10を説明する。
図1は、リテラシレベル推定システム10のシステム構成の概要を示す。リテラシレベル推定システム10は、複数のユーザ端末装置100と、サーバ装置200と、要求送信装置300とを備えている。各ユーザ端末装置100は、情報の処理を実行する情報処理装置である。複数のユーザ端末装置100、サーバ装置200及び要求送信装置300はネットワーク400に接続している。
【0019】
リテラシレベル推定システム10の概要は、以下のようである。複数のユーザ端末装置100の各ユーザ端末装置100は、ユーザによって使用される。ユーザ端末装置100は使用するユーザか決まっている。
図1では、ユーザAが使用するユーザ端末装置100及びユーザBが使用するユーザ端末装置100を例として示している。実際にはユーザA,B以外のユーザが使用する複数のユーザ端末装置100がネットワーク400に接続している。
【0020】
リテラシレベル推定システム10では、ユーザ端末装置100にインストールされているプログラムが、ユーザが日々の業務でユーザ端末装置100が接している情報から、特定分野の用語を検出する。ユーザ端末装置100にインストールされているプログラムは、特定分野についての一つの用語の検出を1イベントとして、1イベントにユーザ関与度としてポイントを付与する。ポイント付与は後述する。ユーザ端末装置100にインストールされているプログラムは、特定分野を識別する識別子と、ユーザ端末装置100のユーザを識別する識別子と、付与されたポイントとを含むイベント情報をサーバ装置200に送信する。
【0021】
サーバ装置200は、それぞれのユーザ端末装置100からイベント情報を受信する。サーバ装置200は、特定分野の識別子とユーザ端末装置100とが同一のイベント情報を抽出し、イベント情報のポイントを合計する。サーバ装置200はポイントの合計値に基づき、合計値の計算の元になったイベント情報におけるユーザ識別子の識別するユーザのその特定分野に関するリテラシを推測する。リテラシレベル推定システム10によれば、ユーザのリテラシレベルを推測することができる。よって、ユーザのリテラシレベルに合わせた質問が可能とり、ユーザ満足度の向上を図ることが期待できる。
また、ユーザのリテラシレベルを把握できることで、アンケート対象ユーザの選定、アンケート回答の信頼性評価などが行えるようになる。また、アンケート以外でも、ユーザのリテラシレベルに合わせた営業、宣伝、コールセンター対応のような種々の対応が可能になる。リテラシレベル推定システム10について、以下に詳しく説明する。
【0022】
***構成の説明***
図2は、リテラシレベル推定システム10における各装置の機能構成を示す。以下にユーザ端末装置100、サーバ装置200、要求送信装置300の機能構成を説明する。
【0023】
<ユーザ端末装置100>
ユーザ端末装置100は、レコード取得部110、テキスト抽出部120、用語検出部130、ユーザ関与度付与部140及び出力部150を備えている。テキスト抽出部120は音声認識部121を備えている。これらの機能は動作の説明で後述する。
【0024】
<サーバ装置200>
サーバ装置200は、レベル推定用レコード格納部210、イベント情報格納部220、イベント情報受信部230及びリテラシレベル決定部240を備えている。これらの機能は動作の説明で後述する。
【0025】
<要求送信装置300>
要求送信装置300は、表示設定受付部310及び表示部320を備えている。これらの機能は動作の説明で後述する。
【0026】
図3は、ユーザ端末装置100のハードウェア構成を示す。
図3を参照してユーザ端末装置100のハードウェア構成を説明する。
【0027】
ユーザ端末装置100は、コンピュータである。ユーザ端末装置100は、プロセッサ610Aを備える。ユーザ端末装置100は、プロセッサ610Aの他に、主記憶装置620A、補助記憶装置630A、入力IF640A、出力IF650A及び通信IF660Aといった、他のハードウェアを備える。プロセッサ610Aは、信号線670Aを介して、他のハードウェアと接続され、他のハードウェアを制御する。
【0028】
ユーザ端末装置100は、機能要素として、レコード取得部110、テキスト抽出部120、用語検出部130、ユーザ関与度付与部140及び出力部150を備える。レコード取得部110、テキスト抽出部120、用語検出部130、ユーザ関与度付与部140及び出力部150の機能は、プログラム631Aにより実現される。
【0029】
プロセッサ610Aは、プログラム631Aを実行する装置である。プログラム631Aは、レコード取得部110、テキスト抽出部120、用語検出部130、ユーザ関与度付与部140及び出力部150の機能を実現するプログラムである。プロセッサ610Aは、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ610Aの具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0030】
主記憶装置620Aは記憶装置である。主記憶装置620Aの具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。主記憶装置620Aは、プロセッサ610Aの演算結果を保持する。
【0031】
補助記憶装置630Aは、データを不揮発的に保管する記憶装置である。補助記憶装置630Aの具体例は、HDD(Hard Disk Drive)である。また、補助記憶装置630Aは、SD(登録商標)(Secure Digital)メモリカード、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile Disk)といった可搬記録媒体であってもよい。補助記憶装置630Aは、ユーザ端末装置100を使用するユーザを識別するユーザ識別子を格納するユーザ識別子格納部160を実現する。また補助記憶装置630Aは、プログラム631Aを記憶している。
【0032】
入力IF640Aは、各装置からデータが入力されるポートである。入力IF640Aには、キーボード641A、マイク642Aが接続されている。出力IF650Aは、各種機器が接続され、各種機器にプロセッサ610Aによりデータが出力されるポートである。出力IF650Aには、表示装置651A、スピーカ652Aが接続されている。通信IF660Aは、プロセッサが他の装置と通信するための通信ポートである。通信IF660Aは、ネットワーク400に接続される。
【0033】
プロセッサ610Aは補助記憶装置630Aからプログラム631Aを主記憶装置620Aにロードし、主記憶装置620Aからプログラム631Aを読み込み実行する。
【0034】
プログラム631Aは、レコード取得部110、テキスト抽出部120、用語検出部130、ユーザ関与度付与部140及び出力部150の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0035】
プログラム631Aは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0036】
図4は、サーバ装置200のハードウェア構成を示す。
図4を参照してサーバ装置200のハードウェア構成を説明する。
【0037】
サーバ装置200は、ユーザ端末装置100と同様のコンピュータである。サーバ装置200はユーザ端末装置100と同様のハードウェア構成であるので、ユーザ端末装置100と相違する部分を説明する。サーバ装置200のハードウェアには符号の「B」を付している。
【0038】
サーバ装置200は、機能要素として、イベント情報受信部230及びリテラシレベル決定部240を備えている。イベント情報受信部230及びリテラシレベル決定部240の機能は、プログラム631Bにより実現される。プロセッサ610Bは、プログラム631Bを実行する装置である。
【0039】
補助記憶装置630Bは、レベル推定用レコード格納部210及びイベント情報格納部220を実現する。また補助記憶装置630Bは、プログラム631Bを記憶している。
【0040】
プログラム631Bは、イベント情報受信部230及びリテラシレベル決定部240の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0041】
プログラム631Bは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0042】
図5は、要求送信装置300のハードウェア構成を示す。
図5を参照して要求送信装置300のハードウェア構成を説明する。
【0043】
要求送信装置300は、ユーザ端末装置100と同様のコンピュータである。要求送信装置300はユーザ端末装置100と同様のハードウェア構成であるので、ユーザ端末装置100と相違する部分を説明する。要求送信装置300のハードウェアには符号の「C」を付している。
【0044】
要求送信装置300は、機能要素として、表示設定受付部310及び表示部320を備えている。表示設定受付部310及び表示部320の機能は、プログラム631Cにより実現される。プロセッサ610Cは、プログラム631Cを実行する装置である。
【0045】
補助記憶装置630Cは、プログラム631Cを記憶している。
【0046】
プログラム631Cは、表示設定受付部310及び表示部320の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0047】
プログラム631Cは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0048】
図6は、ユーザ端末装置100の動作を示すフローチャートである。
図7は、
図6のステップS12の処理を具体的に示している。
図8は、
図6のステップS14の処理において、関与度であるポイントの付与方法を具体的に示している。
図8は
図12のポイントの付与方法に対応している。
図6を参照してユーザ端末装置100の動作を説明する。以下では、ユーザ端末装置100のユーザは、ユーザAとする。
【0049】
<ステップS11>
ステップS11において、レコード取得部110は、サーバ装置200のレベル推定用レコード格納部210に格納されているレベル推定用レコード211を、サーバ装置200から取得する。レベル推定用レコード211は、リテラシのレベルを推定する推定対象を識別する推定対象識別子と、推定対象識別子に対応付いている複数の用語である専門用語とを含むレコードである。複数の用語は、推定対象に関する専門用語である。
図2のレベル推定用レコード格納部210及び
図9に、レベル推定用レコード格納部210が格納しているレベル推定用レコード211を示している。
図2に示すレベル推定用レコード格納部210の状態は
図9と同一であるので
図9を参照してレベル推定用レコード211を説明する。
【0050】
図9は、レベル推定用レコード211を示す図である。
図9に示す、システム名及び専門用語からなる各行がレベル推定用レコード211である。システム名がシステムXのレベル推定用レコード211では、[システム名]である「システムX」が推定対象識別子である。リテラシレベルを推定する推定対象はシステムXである。また、[専門用語]における「無線LAN、Wi-Fi、IEEE802.11、WPA」のような専門用語が、推定対象識別子である「システムX」に対応付いている複数の用語である。ステップS11では、レコード取得部110は、レベル推定用レコード格納部210から、[システム名]がシステムX、システムY・・・の複数のレベル推定用レコード211を取得する。
【0051】
<ステップS12>
ステップS12において、テキスト抽出部120はユーザ端末装置100の有するそれぞれの入出力機能を監視し、それぞれの入出力機能でやりとりされる情報からテキストを抽出する。
図7では、ステップS12において、テキスト抽出部120が、それぞれの入出力機能でやりとりされる情報からテキストを抽出する状況を示している。
ステップS12aは、入出力機能がキーボード入力の場合である。テキスト抽出部120は、キー入力されたテキストを抽出する。
ステップS12bは、入出力機能がクリップボード入力の場合である。テキスト抽出部120は、ペーストされたテキストを抽出する。
ステップS12cは、入出力機能が画面出力の場合である。テキスト抽出部120は、画面表示されたテキストを抽出する。
ステップS12dは、入出力機能がマイク入力の場合である。テキスト抽出部120は、ステップS12fにおいて、音声認識部121を使用して、マイク入力された音声をテキスト化してテキストを抽出する。
ステップS12eは、入出力機能がスピーカ出力の場合である。テキスト抽出部120は、ステップS12fにおいて、音声認識部121を使用して、スピーカ出力される音声をテキスト化してテキストを抽出する。
【0052】
<ステップS13>
ステップS13において、用語検出部130が、テキスト抽出部120により抽出されたそれぞれのテキストに、レベル推定用レコード211に含まれる専門用語が含まれるかどうかを判定する。用語検出部130は、レベル推定用レコード211を参照し、ユーザ端末装置100の処理する情報からレベル推定用レコード211に含まれる専門用語を検出する。「ユーザ端末装置100の処理する情報」とは、ステップS12aでは、キー入力される情報である。ステップS12bでは、ペーストされる情報である。ステップS12cでは、画面表示される情報である。ステップS12dでは、マイク入力される情報である。ステップS12eでは、スピーカ出力される情報である。用語検出部130が、テキストに専門用語が含まれていないと判定すると、処理はステップS12に戻る。テキスト抽出部120が、テキストに専門用語が含まれていると判定すると、処理はステップS14に進む。
【0053】
<ステップS14>
ステップS14において、ユーザ関与度付与部140は、ユーザ関与度を付与する。この例では、ユーザ関与度はポイントである。ユーザ関与度は、関与度と表記する場合もある。ユーザ関与度付与部140は、複数の専門用語が検出された場合に、一つの専門用語の検出を一つのイベントとして、複数のイベントの各イベントに、推定対象識別子である例えば[システムX]で識別される推定対象の「システムX」にユーザが関与する度合いを示すユーザ関与度を、一つの専門用語が検出された情報が使用される使用状況に基づき付与する。「一つの専門用語が検出された情報が使用される使用状況」ついて、以下に説明する。
【0054】
図10及び
図11は、ユーザ関与度付与部140の実施する「関与度の付与」の考え方を示す図である。
図10と
図11は、一つの図を二つに分けたものである。
図10は左側、
図11は右側である。
図10及び
図11では、ユーザAの「システムX」に関するリテラシレベルを測定するための関与度を求める方法を示す。
図10及び
図11の上向きの矢印は、ユーザA自らが発した能動的な情報である。
図10及び
図11の下向きの矢印は、ユーザAが他者から受けた受動的な情報である。
図10では、専門用語が検出された情報の範囲は、ドキュメント、Webサイト及びメール/チャットに関する3つの範囲に分かれている。
用語検出部130によって、ドキュメントからは専門用語の「無線LAN」が検出されている。「専門用語」の「無線LAN」が、「ドキュメント」、かつ、「キーボード入力」に使用される情報から検出された場合、ユーザ関与度付与部140は、「無線LAN」が検出されたイベントに、関与度=「大」を付与する。ここで、「ドキュメント」、かつ、「キーボード入力」は、「無線LAN」が検出された情報の使用状況である。ユーザ関与度付与部140は、この使用状況に基づいて、「無線LAN」が検出されたイベントに関与度を付与する。「専門用語」の「無線LAN」が、「ドキュメント」、かつ、「ペースト」に使用される情報から検出された場合、ユーザ関与度付与部140は、「無線LAN」が検出されたイベントに、関与度=「中」を付与する。ユーザ関与度付与部140は、上記の使用状況に基づいて、「無線LAN」が検出されたイベントに関与度を付与する。
つまり、検出された専門用語が同一であっても、その専門用語が検出された情報の使用状況によって、ユーザ関与度付与部140から付与される関与度は変化する。
【0055】
図10の「Webサイト」に関する情報からは「専門用語」の「WPA」が検出されている。「WPA」についても、「WPA」が検出された情報の使用状況によって、ユーザ関与度付与部140から付与される関与度は変化する。例えば、「WPA」が、Webサイトの検索文字から検出された場合、Webサイトかつ検索が、情報の使用状況である。
図10の「メール/チャット」に関する情報からは「専門用語」の「IEEE802.11」が検出されている。「IEEE802.11」についても、「IEEE802.11」が検出された情報の使用状況によって、ユーザ関与度付与部140から付与される関与度は変化する。例えば、「EEE802.1」」が、メール/チャットの送信文章から検出された場合、メール/チャットかつ送信が、情報の使用状況である。
【0056】
図11の「電話(1対1)」及び「会議/ビデオ会議(他人数)」についても
図10と同様である。「電話(1対1)」では「専門用語」の「無線LAN」が検出され、「会議/ビデオ会議(他人数)」では「専門用語」の「Wi-Fi」が検出されている。
「無線LAN」が検出された情報の使用状況によって、ユーザ関与度付与部140から付与される関与度は変化する。同様に、「Wi-Fi」が検出された情報の使用状況によって、ユーザ関与度付与部140から付与される関与度は変化する。
【0057】
なお、関与度の付与方法は付与方法情報として、ユーザ関与度付与部140が保有している。具体的には、補助記憶装置630Aが付与方法情報632Aを格納している。
【0058】
図12は、ユーザ関与度付与部140による、関与度の付与を説明する別の図である。
図12は
図8に対応している。
図12を参照して、関与度の付与を説明する。
図12では、レコード取得部110がレベル推定用レコード211としてシステムXのレベル推定用レコード211を取得し、このレベル推定用レコード211を参照して、用語検出部130が専門用語を検出し、
ユーザ関与度付与部140が一つの専門用語の検出を一つのイベントとして、複数のイベントの各イベントに、推定対象識別子である[システムX]で識別される推定対象の「システムX」にユーザが関与する度合いを示すユーザ関与度を、一つの専門用語が検出された情報が使用される使用状況に基づき付与する。ー
図12は
図8のステップS14aからステップS14eに対応している。用語検出部130が、専門用語として以下を検出した場合を示している。
用語検出部130が、キーボード入力から「無線LAN」を検出し、クリップボード入力から「IEEE802.11」を検出し、画面出力から「無線LAN」、「IEEE802.11」、「WPA3」及び「Wi-Fi」を検出し、マイク入力から「無線LAN」及び「Wi-Fi」を検出し、スピーカ出力から「Wi-Fi」を検出した状態を示す
。
【0059】
上記のように、ユーザ関与度付与部140は、一つの専門用語の検出を一つのイベントとして、複数のイベントの各イベントに、推定対象識別子である[システムX]で識別される推定対象の「システムX」にユーザが関与する度合いを示すユーザ関与度を、一つの専門用語が検出された情報が使用される使用状況に基づき付与する。
図8及び
図12に示すように、ユーザ関与度付与部140は、キーボード入力及びマイク入力から検出された専門用語のイベントには、関与度が大きいとして3ポイントを付与する。ユーザ関与度付与部140は、クリップボード入力であるペースト文字入力には関与度が中程度として2ポイントを付与する。ユーザ関与度付与部140は、画面出力である画面表示及びスピーカ出力には関与度が小さいとして1ポイントを付与する。ユーザ関与度付与部140は付与するべき関与度の情報を持っている。つまり、上記で述べたように、ユーザ関与度付与部140は、キーボード入力及びマイク入力から検出された専門用語のイベントには3ポイント、ペースト文字入力には2ポイント、画面表示及びスピーカ出力にはポイント、をそれぞれ付与するという付与方法情報632Aを、予め持っている。ユーザ関与度付与部140によって付与された関与度は、後述のように出力部150によって、サーバ装置200へ送信される。
【0060】
<ステップS15>
ステップS15において、出力部150は、一つのイベントごとに、推定対象識別子と、ユーザ識別子と、関与度とを含むイベント情報150Aを、サーバ装置200へ送信する。以下に具体的に説明する。
例えば、
図12に示すように、用語検出部130が「キーボード」における専門用語の「無線LAN」を検出し、この専門用語の検出イベントにユーザ関与度付与部140が関与度として3ポイントを付与したとする。専門用語の「無線LAN」は、システムXについてのレベル推定用レコード211に基づく。出力部150は、推定対象識別子であるシステム名の「システムX」と、ユーザ識別子である「ユーザA」と、関与度である3ポイントとを含むイベント情報150Aを、サーバ装置200へ送信する。
【0061】
<ステップS16>
ステップS16において、イベント情報受信部230は、ユーザ端末装置100から複数のイベント情報150Aを受信する。イベント情報受信部230は、(1)システム名、(2)ユーザ名、(3)関与度を含むイベント情報150Aを、受信時刻を対応付けて、新規レコードとしてイベント情報格納部220へ登録する。
図13は、サーバ装置200のイベント情報格納部220を示す。イベント情報格納部220は、イベント情報受信部230が受信した複数のイベント情報を格納している。
図13では3つのイベント情報150Aを具体的に示している。
【0062】
図14は、要求送信装置300からの要求情報310Aによって、サーバ装置200がリテラシレベルを計算する動作を示すフローチャートである。
図14を参照してサーバ装置200のリテラシレベルの計算を説明する。
【0063】
<ステップS21>
ステップS21において、要求送信装置300が、推定対象識別子とユーザ識別子とを含みユーザのリテラシレベルを要求する要求情報310Aを送信する。具体的には以下のようである。要求送信装置300の表示設定受付部310が、要求情報310Aをサーバ装置200に送信する。要求情報310Aは、(1)リテラシレベルを測定したい期間、(2)システム名、(3)ユーザ名、(4)関与度の閾値を含む。サーバ装置200のリテラシレベル決定部240は、要求情報310Aを受信する。
図15は、表示設定受付部310から要求情報310Aが送信されたときの、イベント情報格納部220の格納状態を示す図である。
【0064】
<ステップS22>
ステップS22において、リテラシレベル決定部240は、要求情報310Aの含む推定対象識別子及びユーザ識別子に合致するイベント情報150Aを、イベント情報格納部220が格納している複数のイベント情報150Aの中から抽出する。リテラシレベル決定部240は、抽出したイベント情報の有する関与度を合計し、関与度の合計値に基づいて、要求情報310Aの要求するリテラシレベルを決定し、決定したリテラシレベルを要求送信装置へ送信する。以下具体的に説明する。
【0065】
リテラシレベル決定部240は、イベント情報格納部220から、要求情報310Aに関して、(1)測定したい期間、(2)システム名及び(3)ユーザ名に該当するイベント情報150Aを、抽出する。
【0066】
<ステップS23>
ステップS23において、リテラシレベル決定部240は、抽出されたイベント情報に記録されている関与度の値を合計する。
図16は、要求情報310Aがタイプ1の場合を示す。
タイプ1では、
開始時刻:2019-12-10,00:00:00、
終了時刻:2019-12-12,23:59:59、
システム名:システムX、
ユーザ名:ユーザA
ポイント閾値:7、
である。
図16では5つのイベント情報150Aが、リテラシレベル決定部240によって抽出されている。リテラシレベル決定部240は、5つのイベント情報150Aの関与度であるポイントを合計する。合計値は11である。
【0067】
図17は、要求情報310Aがタイプ2の場合を示す。
タイプ2では、
開始時刻:2019-12-10,00:00:00、
終了時刻:2019-12-12,23:59:59、
システム名:システムX、
ユーザ名:ユーザB、
ポイント閾値:7、
である。
図17では2つのイベント情報150Aが、リテラシレベル決定部240によって抽出されている。リテラシレベル決定部240は、2つのイベント情報150Aの関与度であるポイントを合計する。合計値は4である。
【0068】
<ステップS24>
ステップS24において、リテラシレベル決定部240は、関与度の合計値がポイント閾値より大きいかどうかを判定する。関与度の合計値がポイント閾値より大きいと判定した場合、処理はステップS25に進み、リテラシレベル決定部240は、ユーザのリテラシレベルが高いと判定する。関与度の合計値がポイント閾値以下と判定した場合、処理はステップS26に進み、リテラシレベル決定部240は、ユーザのリテラシレベルが低いと判定する。上記のタイプ1では
図16に示すように、
合計値>ポイント閾値
であるので、リテラシレベル決定部240はユーザAのシステムXに関するリテラシレベルが高いと判定する。
上記のタイプ2では
図17に示すように、
合計値<ポイント閾値
であるので、リテラシレベル決定部240はユーザBのシステムXに関するリテラシレベルが低いと判定する。このように、リテラシレベル決定部240は、合計値を閾値と比較することにより、リテラシレベルを決定する。
【0069】
<ステップS27>
ステップS27において、リテラシレベル決定部240は、要求情報310Aへの応答として、ステップS25またはステップS26で判定したリテラシレベルの高いまたは低いを、要求送信装置300へ送信する。
【0070】
<ステップS28>
ステップS1128において、表示部320はサーバ装置200からリテラシレベルの判定結果、すなわち、「リテラシレベルが高いあるいは低い」を受信し、表示装置に表示する。
【0071】
なお、ステップS27では、ユーザ関与度付与部140は、合計値を一つの閾値と比較してリテラシレベルを決定した。要求情報310Aに含まれる閾値は、複数のサブ閾値に分かれていてもよい。すなわち、一つの閾値では2つの範囲のどちらに属するかの判定しかできないが、複数のサブ閾値によって3つ以上の範囲のどの範囲に属するかという判定によって、リテラシレベル決定部240は、リテラシレベルを決定しても良い。この場合、リテラシレベル決定部240は、リテラシレベルが高い、やや高い、中程度、やや低い、低い、のような、リテラシレベルの推定を行うことができる。
【0072】
***実施の形態1の効果***
リテラシレベル推定システム10、ユーザ端末装置100、サーバ装置200及び要求送信装置300によれば、関与度によって、特定分野に対するユーザのリテラシレベルを推測できる。よって、ユーザのリテラシレベルに合わせた質問ができるので、ユーザ満足度の向上を図ることができる。
また、ユーザのリテラシレベルを把握できるので、アンケート対象ユーザの選定、アンケート回答の信頼性評価などを、リテラシレベルに沿って行うことができる。
また、アンケート以外にも、ユーザのリテラシレベルに合わせた営業、宣伝あるいは、コールセンター対応のような活動が可能となる。
【0073】
なお、ステップS14では、ユーザ関与度付与部140は、一つの専門用語が検出された情報が使用される使用状況に基づき付与する。しかし、ユーザ関与度付与部140は、検出された一つの専門用語に応じて、付与する関与度の大きさを調整してもよい。
例えば、
図12の「キーボード」で検出された専門用語の「無線LAN」の検出イベントには関与度として3ポイントが付与される。
この場合、検出された専門用語が「無線LAN」であることにより、ユーザ関与度付与部140は、無線LAN」の検出イベントに対して、3ポイントよりも大きなポイントを付与してもよい。あるいは、3ポイントよりも小さいポイントを付与してもよい。
【0074】
なお、リテラシレベル推定システム10では、ユーザ端末装置100が、
図2に示すレベル推定用レコード格納部210から、システムXのレベル推定用レコード211と、システムYのレベル推定用レコード211とを受信したとする。
両方のレベル推定用レコード211に専門用語として「無線LAN」が対応付いているとする。
この場合、
図10のドキュメントのキーボード入力で「無線LAN」が検出された場合、システムXに関するイベント及びシステムYに関するイベントの2つが生成される。
このように、リテラシレベル推定システム10では検出された専門用語を、[システム名]で区別しないので、構成が簡素にできる効果がある。
【符号の説明】
【0075】
10 リテラシレベル推定システム、100 ユーザ端末装置、110 レコード取得部、120 テキスト抽出部、121 音声認識部、130 用語検出部、140 ユーザ関与度付与部、150 出力部、150A イベント情報、160 ユーザ識別子格納部、200 サーバ装置、210 レベル推定用レコード格納部、211 レベル推定用レコード、220 イベント情報格納部、230 イベント情報受信部、240 リテラシレベル決定部、300 要求送信装置、310 表示設定受付部、310A 要求情報、320 表示部、610A,610B,610C プロセッサ、620A,620B,620C 主記憶装置、630A,630B,630C 補助記憶装置、640A,640B,640C 入力IF、641A キーボード、642A マイク、650A,650B,650C 出力IF、651A 表示装置、652B スピーカ、660A,660B,660C 通信I、670A,670B,670C 信号線。