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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】電動工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/02 20060101AFI20240422BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
B25F5/02
B25F5/00 H
B25F5/00 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020055119
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021154411
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長坂 英紀
(72)【発明者】
【氏名】今江 友彦
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-001339(JP,A)
【文献】国際公開第2018/221105(WO,A1)
【文献】特開2013-107183(JP,A)
【文献】特開2010-260152(JP,A)
【文献】特開2013-233631(JP,A)
【文献】特開2001-162565(JP,A)
【文献】特開2017-159434(JP,A)
【文献】特開2004-122343(JP,A)
【文献】特開2008-068376(JP,A)
【文献】特表2019-510456(JP,A)
【文献】特開2010-000565(JP,A)
【文献】米国特許第08513838(US,B2)
【文献】米国特許第06446734(US,B1)
【文献】米国特許第10205365(US,B2)
【文献】米国特許第08944181(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F1/00-5/02
B25B21/00-21/02
B25D1/00-17/32
B23D45/00-65/04
B27B1/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
ファンと、
前後方向に延び、前記モータ及び前記ファンを収容する胴体部と、
前記胴体部の下部から下方に延びるグリップ部と、
前記グリップ部よりも前方に配置され、前記胴体部の下部から下方に延び、前記モータよりも前方に配置される接続部と、
前記グリップ部の下端部及び前記接続部の下端部に接続されるバッテリ保持部と、
前記胴体部に収容され、前記バッテリ保持部に保持されたバッテリから前記モータに供給される電流を切り換えるインバータ回路基板と、
前記胴体部に収容され、前記モータの回転を検出する磁気センサを有するセンサ基板と、
前記バッテリ保持部に収容され、前記インバータ回路基板のスイッチング素子を制御する制御信号を出力する制御回路基板と、を備え、
前記インバータ回路基板は、前記胴体部において前記モータよりも下方に配置され、前記インバータ回路基板の後端部は、前記グリップ部よりも後方に配置され、
前記センサ基板は、前記胴体部において前記モータのロータシャフトの周囲に配置され
前記制御回路基板の上面に接続される下端部と前記インバータ回路基板の下面に接続される上端部とを有し、バッテリとモータとを接続する電流経路となるリード線の少なくとも一部は、前記接続部に収容され、
前記インバータ回路基板の下面に接続された前記リード線は、前記接続部と前記グリップ部との間の前記胴体部の下部を前方に引き回され、前記接続部の内部空間を通過した後、前記制御回路基板の上面に接続される、
電動工具。
【請求項2】
モータと、
前記モータのステータコアよりも前方に配置されるファンと、
前後方向に延び、前記モータ及び前記ファンを収容する胴体部と、
前記胴体部の下部から下方に延びるグリップ部と、
前記グリップ部よりも前方に配置され、前記胴体部の下部から下方に延びる接続部と、
前記グリップ部の下端部及び前記接続部の下端部に接続されるバッテリ保持部と、
前記バッテリ保持部の下部に設けられ、バッテリが着脱されるバッテリ装着部と、
前記胴体部に収容され、前記バッテリ装着部に装着されたバッテリから前記モータに供給される電流を切り換えるインバータ回路基板と、
前記胴体部に収容され、前記モータの回転を検出するセンサ基板と、
前記バッテリ保持部に収容され、前記インバータ回路基板のスイッチング素子を制御する制御信号を出力する制御回路基板と、を備え、
前記胴体部は、前記ファンの回転により前記胴体部の外部空間から前記胴体部の内部空間に流入する空気が流れる吸気口と、前記吸気口よりも前方に設けられ前記内部空間から前記外部空間に流出する前記空気が流れる排気口とを有し、
前記インバータ回路基板は、前記胴体部において前記モータよりも下方に配置され、
前記インバータ回路基板の少なくとも一部は、前記ファンと前記吸気口との間に配置され、
前記センサ基板は、前記胴体部において前記モータのステータコアよりも後方に配置され
前記吸気口は前記排気口と同じ高さ、かつ、前記インバータ回路基板の上方に配置され、
前記吸気口から前記胴体部の内部空間に流入した空気は、前記モータ及び前記インバータ回路基板に同時に接触して、前記モータ及び前記インバータ回路基板を冷却する、
電動工具。
【請求項3】
前後方向において、前記ファンは、前記インバータ回路基板の中心よりも前方に配置され、前記吸気口は、前記インバータ回路基板の中心よりも後方に配置される、
請求項2に記載の電動工具。
【請求項4】
前記制御回路基板と前記インバータ回路基板とを接続する第1信号線の少なくとも一部は、前記接続部に収容される、
請求項に記載の電動工具。
【請求項5】
前記第1信号線は、前記インバータ回路基板の下面に接続される、
請求項4に記載の電動工具。
【請求項6】
前記センサ基板と前記制御回路基板とを接続する第2信号線の少なくとも一部は、前記接続部に収容される、
請求項1又は請求項2に記載の電動工具。
【請求項7】
前記第2信号線は、前記インバータ回路基板の後方を通過する、
請求項6に記載の電動工具。
【請求項8】
前記グリップ部に設けられ前記モータを駆動するために操作されるトリガスイッチを備え、
前記トリガスイッチと前記制御回路基板とを接続する第3信号線の少なくとも一部は、前記グリップ部に収容される、
請求項1又は請求項2に記載の電動工具。
【請求項9】
前記バッテリ保持部から前記モータに供給される電流が通過するリード線は、前記インバータ回路基板の下面に接続される、
請求項1又は請求項2に記載の電動工具。
【請求項10】
前記リード線の少なくとも一部は、前記接続部に収容される、
請求項9に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、モータ及びコントローラを備える電動工具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-100259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モータは、コントローラから出力される制御信号に基づいて駆動する。コントローラに高電流が流れると、コントローラの温度が上昇する可能性がある。コントローラの温度が上昇すると、コントローラの放熱のために、モータの出力を低下又は停止する必要がある。その結果、電動工具を用いる作業性が低下する。
【0005】
本開示は、作業性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、モータと、ファンと、前後方向に延び、前記モータ及び前記ファンを収容する胴体部と、前記胴体部から下方に延びるグリップ部と、前記グリップ部よりも前方に配置され、前記胴体部から下方に延びる接続部と、前記グリップ部の下端部及び前記接続部の下端部に接続されるバッテリ保持部と、前記バッテリ保持部に保持されたバッテリから前記モータに供給される電流を切り換えるインバータ回路基板と、を備え、前記インバータ回路基板は、前記胴体部に収容される、電動工具が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る電動工具を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る電動工具を示す断面図である。
図3図3は、実施形態に係る電動工具を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る電動工具の配線構造を説明するための図である。
図5図5は、実施形態に係る電動工具の配線構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、左、右、前、後、上、及び下の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、電動工具の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0011】
実施形態において、電動工具は、モータを有する震動ドライバドリルである。実施形態においては、モータの回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称し、モータの回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称し、モータの回転軸AXを周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称する。また、径方向において、モータの回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、モータの回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。実施形態において、軸方向と前後方向とは一致する。
【0012】
[電動工具の概要]
図1は、実施形態に係る電動工具1Aを示す斜視図である。図2は、実施形態に係る電動工具1Aを示す断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、電動工具1Aは、ハウジング2と、ギヤケース3と、モータ4と、ファン5と、動力伝達機構6と、出力部7と、インバータ回路基板8と、センサ基板9と、制御回路基板10と、トリガスイッチ11と、正逆切換レバー12と、速度切換レバー13と、モードチェンジリング14と、クラッチダイヤル15と、インタフェースパネル16と、ライト17とを備える。
【0014】
ハウジング2は、合成樹脂により形成される。ハウジング2は、一対の半割れハウジングにより構成される。ハウジング2は、左ハウジング2Lと、左ハウジング2Lの右方に配置される右ハウジング2Rとを含む。左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとは、複数のねじ2Sにより固定される。
【0015】
ハウジング2は、前後方向に延びる胴体部21と、胴体部21から下方に延びるグリップ部22と、グリップ部22よりも前方に配置され、胴体部21から下方に延びる接続部23と、グリップ部22の下端部及び接続部23の下端部に接続されるバッテリ保持部24とを有する。
【0016】
胴体部21は、モータ4及びファン5を収容する。モータ4及びファン5は、胴体部21の内部空間に配置される。胴体部21は、グリップ部22及び接続部23と一体である。
【0017】
胴体部21は、吸気口18Aと排気口18Bとを有する。吸気口18A及び排気口18Bのそれぞれは、胴体部21の内部空間と外部空間とを結ぶ通気口である。排気口18Bは、吸気口18Aよりも前方に設けられる。吸気口18Aは、胴体部21の左部及び右部のそれぞれに設けられる。排気口18Bは、胴体部21の左部及び右部のそれぞれに設けられる。ファン5の回転により、胴体部21の外部空間の空気は、吸気口18Aを介して胴体部21の内部空間に流入する。ファン5の回転により、胴体部21の内部空間の空気は、排気口18Bを介して胴体部21の外部空間に流出する。すなわち、胴体部21の外部空間から内部空間に流入する空気は、吸気口18Aを流れる。胴体部21の内部空間から外部空間に流出する空気は、排気口18Bを流れる。
【0018】
グリップ部22は、作業者に把持される。グリップ部22は、胴体部21の下部から下方へ突出する。グリップ部22は、内部空間を有する。胴体部21の内部空間とグリップ部22の内部空間とは接続される。
【0019】
接続部23は、グリップ部22よりも前方に配置される。接続部23は、胴体部21の下部から下方へ突出する。接続部23は、内部空間を有する。胴体部21の内部空間と接続部23の内部空間とは接続される。
【0020】
バッテリ保持部24は、バッテリ装着部19を介してバッテリ20を保持する。バッテリ保持部24は、グリップ部22の下端部及び接続部23の下端部に接続される。バッテリ保持部24は、内部空間を有する。バッテリ保持部24の内部空間とグリップ部22の内部空間と接続部23の内部空間とは接続される。
【0021】
バッテリ装着部19は、バッテリ保持部24の下部に設けられる。バッテリ20は、バッテリ装着部19に装着される。バッテリ20は、バッテリ装着部19に着脱可能である。バッテリ装着部19に装着されることにより、バッテリ20は、電動工具1Aに電力を供給することができる。
【0022】
バッテリ20は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリ20は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリ20は、解除ボタン20Aを有する。解除ボタン20Aは、バッテリ装着部19とバッテリ20との固定を解除するために操作される。解除ボタン20Aは、バッテリ20の前面に設けられる。
【0023】
バッテリ20は、バッテリ側端子301を有する。バッテリ装着部19は、工具側端子302を有する。バッテリ20がバッテリ装着部19に装着され、バッテリ側端子301と工具側端子302とが接続されることにより、バッテリ20から電動工具1Aに電力が供給される。
【0024】
ギヤケース3は、胴体部21の前方に配置される。ギヤケース3は、アルミニウムのような金属により形成される。胴体部21の前端部とギヤケース3の後端部とは接続される。ギヤケース3は、筒状である。ギヤケース3は、複数のギヤを含む動力伝達機構6を収容する。
【0025】
モータ4は、出力部7を駆動させるための動力を発生する。モータ4は、胴体部21に収容される。モータ4は、バッテリ20から供給される電力に基づいて駆動する。モータ4の回転軸AXは、前後方向に延伸する。
【0026】
モータ4は、インナーロータ型のDCブラシレスモータである。モータ4は、筒状のステータ41と、ステータ41の内側に配置されるロータ42とを有する。
【0027】
ステータ41は、積層された複数の鋼板を含むステータコア41Aと、ステータコア41Aの前部に配置される前インシュレータ41Bと、ステータコア41Aの後部に配置される後インシュレータ41Cと、前インシュレータ41B及び後インシュレータ41Cを介してステータコア41Aに巻かれる複数のコイル41Dと、後インシュレータ41Cに支持される結線部材41Eとを有する。結線部材41Eは、複数のコイル41Dを接続する。
【0028】
ロータ42は、ロータシャフト42Aと、ロータシャフト42Aの周囲に配置される筒状のロータコア42Bと、ロータコア42Bに保持される複数の永久磁石42Cとを有する。ロータシャフト42Aの前部は、ベアリング43に回転可能に支持される。ロータシャフト42Aの後部は、ベアリング44に回転可能に支持される。
【0029】
ファン5は、気流を生成するために回転する。ファン5は、胴体部21に収容される。ファン5は、ステータコア41Aよりも前方に配置される。ファン5は、ステータコア41Aとベアリング43との間のロータシャフト42Aに取り付けられる。排気口18Bは、ファン5の周囲に配置される。
【0030】
ロータシャフト42Aの前端部にピニオンギヤ60が設けられる。ロータシャフト42Aは、ピニオンギヤ60を介して動力伝達機構6に連結される。
【0031】
動力伝達機構6は、モータ4で発生した回転力を出力部7に伝達する。出力部7は、動力伝達機構6を介してモータ4から伝達された回転力に基づいて駆動される。動力伝達機構6は、減速機構と、震動機構と、クラッチ機構とを有する。減速機構は、ロータシャフト42Aの回転を減速し、ロータシャフト42Aよりも低い回転速度で出力部7を回転させる。減速機構は、遊星歯車機構を含む。
【0032】
出力部7は、動力伝達機構6を介して伝達されたモータ4の回転力により駆動する。出力部7の少なくとも一部は、ギヤケース3から前方に突出する。出力部7に先端工具が取り付けられる。出力部7は、先端工具が取り付けられた状態で回転する。
【0033】
出力部7は、スピンドル71と、先端工具を把持可能なチャック72を含む。
【0034】
スピンドル71は、ベアリング73によりギヤケース3に対して回転可能に支持される。スピンドル71は、ベアリング73に支持されている状態で、前後方向に移動可能である。
【0035】
チャック72は、先端工具を保持可能である。チャック72は、スピンドル71の前部に連結される。スピンドル71が回転することにより、チャック72が回転する。チャック72は、先端工具を保持した状態で回転する。
【0036】
インバータ回路基板8は、バッテリ保持部24に保持されたバッテリ20からモータ4に供給される電流を切り換える。インバータ回路基板8は、胴体部21に収容される。インバータ回路基板8は、ケース8Cに収容される。ケース8Cは、胴体部21のリブ21Lに保持される。インバータ回路基板8は、複数のスイッチング素子を含む。インバータ回路基板8は、胴体部21の内部空間においてモータ4よりも下方に配置される。インバータ回路基板8は、ファン5よりも後方に配置される。前後方向において、インバータ回路基板8の少なくとも一部は、ファン5と吸気口18Aとの間に配置される。前後方向において、ファン5は、インバータ回路基板8の中心よりも前方に配置され、吸気口18Aは、インバータ回路基板8の中心よりも後方に配置される。
【0037】
ロータシャフト42Aが回転し、ファン5が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気が、吸気口18Aを介して胴体部21の内部空間に流入する。胴体部21の内部空間に流入した空気は、モータ4及びインバータ回路基板8に接触して、モータ4及びインバータ回路基板8を冷却する。モータ4及びインバータ回路基板8に接触した空気は、排気口18Bを介してハウジング2の外部空間に排出される。
【0038】
センサ基板9は、モータ4の回転を検出する。センサ基板9は、胴体部21に収容される。センサ基板9は、後インシュレータ41Cに支持される。センサ基板9は、複数の磁気センサを含む。センサ基板9は、ステータコア41Aよりも後方に配置される。センサ基板9の検出信号は、制御回路基板10に出力される。
【0039】
制御回路基板10は、電動工具1Aを制御する制御信号を出力する。制御回路基板10は、マイクロコンピュータを含む。制御回路基板10は、バッテリ保持部24に収容される。制御回路基板10は、ケース10Cに収容される。ケース10Cは、バッテリ保持部24のリブ24Lに保持される。制御回路基板10は、インバータ回路基板8のスイッチング素子を制御する制御信号を出力することができる。制御回路基板10は、バッテリ保持部24に収容される。
【0040】
トリガスイッチ11は、グリップ部22に設けられる。トリガスイッチ11は、モータ4を駆動するために操作される。トリガスイッチ11は、トリガ部材11Aと、スイッチ本体11Bとを含む。トリガ部材11Aは、グリップ部22の前部の上部から前方に突出する。トリガ部材11Aは、作業者に操作される。作業者は、グリップ部22を左右の一方の手で把持した状態で、指でトリガ部材11Aを操作することができる。スイッチ本体11Bは、グリップ部22に収容される。スイッチ本体11Bは、トリガ部材11Aが操作されることにより操作信号を出力する。トリガスイッチ11の操作信号は、制御回路基板10に出力される。
【0041】
制御回路基板10は、トリガスイッチ11からの操作信号に基づいて、バッテリ20からモータ4に電力が供給されるように、インバータ回路基板8を制御する制御信号を出力する。バッテリ20からモータ4に電力が供給されることにより、モータ4が駆動する。
【0042】
正逆切換レバー12は、グリップ部22の側部の上部に設けられる。正逆切換レバー12は、作業者に操作される。正逆切換レバー12が操作されることにより、モータ4の回転方向が切り換えられる。作業者は、正逆切換レバー12を操作して、モータ4の回転方向を、正転方向及び逆転方向の一方から他方に切り換えることができる。モータ4の回転方向が切り換えられることにより、出力部7の回転方向が切り換えられる。
【0043】
速度切換レバー13は、胴体部21の上部に設けられる。速度切換レバー13は、作業者に操作される。速度切換レバー13が操作されることにより、出力部7の回転速度が切り換えられる。作業者は、速度切換レバー13を操作して、出力部7の回転速度を、第1速度と第1速度よりも高い第2速度とに切り換えることができる。
【0044】
モードチェンジリング14は、ギヤケース3の前方に配置される。モードチェンジリング14は、作業者に操作される。モードチェンジリング14が操作されることにより、電動工具1Aの作業モードが切り換えられる。
【0045】
電動工具1Aの作業モードは、出力部7が前後方向に振動する震動モードと、出力部7が前後方向に振動しない非震動モードとを含む。非震動モードは、出力部7に作用する回転負荷に関わらず出力部7に動力が伝達されるドリルモードと、出力部7に作用する回転負荷に基づいて出力部7に伝達される動力が遮断されるクラッチモードとを含む。
【0046】
クラッチダイヤル15は、接続部23の下部の前部に配置される。クラッチダイヤル15は、作業者に操作される。クラッチダイヤル15の操作信号は、制御回路基板10に出力される。クラッチモードにおいて、クラッチダイヤル15が操作されることにより、モータ4を停止させる電流値が設定される。電流値は、出力部7に作用する回転負荷に係る値である。出力部7に作用する回転負荷が設定された電流値に対応する値に到達したときに、モータ4が停止される。モータ4が停止されることにより、出力部7の回転が停止する。
【0047】
制御回路基板10は、クラッチダイヤル15からの操作信号に基づいて、モータ4を停止させる電流値を設定する。制御回路基板10は、後述する抵抗Rsの両端の電圧からモータ4に流れる電流値を検出し、検出した電流値が設定された電流値に到達したと判定したときに、モータ4を停止させる。
【0048】
インタフェースパネル16は、バッテリ保持部24に設けられる。インタフェースパネル16は、板状である。インタフェースパネル16は、表示装置及び操作装置を含む。クラッチダイヤル15が操作されると、設定された電流値がインタフェースパネル16の表示装置に表示される。
【0049】
インタフェースパネル16は、バッテリ保持部24の上面に配置される。前後方向において、インタフェースパネル16は、グリップ部22と接続部23との間に配置される。すなわち、インタフェースパネル16は、グリップ部22と接続部23とバッテリ保持部24とに囲まれた空間の内側に配置される。
【0050】
ライト17は、グリップ部22の前部の上部に設けられる。ライト17は、電動工具1Aの前方を照明する照明光を射出する。ライト17は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。
【0051】
[制御システム]
図3は、実施形態に係る電動工具1Aを示すブロック図である。図3に示すように、電動工具1Aは、モータ4と、インバータ回路基板8と、センサ基板9と、制御回路基板10と、トリガスイッチ11と、バッテリ20とを備える。
【0052】
インバータ回路基板8は、インバータ回路81と、温度検出回路82とを有する。
【0053】
インバータ回路81は、複数のスイッチング素子を含む。複数のスイッチング素子は、バッテリ20からモータ4のコイル41Dに供給される電流を切り換える。
【0054】
温度検出回路82は、インバータ回路81を構成するスイッチング素子の温度を検出する。温度検出回路82は、スイッチング素子の温度の検出信号をマイクロコンピュータ100に送信する。
【0055】
センサ基板9は、磁気センサ91を有する。磁気センサ91は、ロータ42の永久磁石42Cを検出することにより、ロータ42の回転を検出する。磁気センサ91の検出信号は、マイクロコンピュータ100に送信される。
【0056】
制御回路基板10は、制御部としてのマイクロコンピュータ100と、制御信号出力回路101と、回転子位置検出回路102と、降圧回路103と、制御系電源回路104と、電池電圧検出回路105と、過放電検出回路106と、電流検出回路107と、加速度検出回路108とを有する。
【0057】
加速度検出回路108は、電動工具1Aの急な動作を検出するために設けられる。例えば電動工具1Aを用いる作業において出力部7が回転し難くなったときに、電動工具1A全体が急に回転してしまう可能性がある。加速度検出回路108は、このような電動工具1Aの急な回転(急な動作)を検出する。加速度検出回路108は、電動工具1Aの急な動作に応じた加速度の検出信号をマイクロコンピュータ100に送信する。
【0058】
降圧回路103は、リード線206を介してバッテリ20と接続される。降圧回路103は、バッテリ20からの供給電圧を降圧する。
【0059】
制御系電源回路104は、降圧回路103からの出力電圧をマイクロコンピュータ100の動作電圧(例えば5V)に変換し、マイクロコンピュータ100に供給する。トリガスイッチ11は、バッテリ20とモータ4とを接続する電流経路であるリード線204とは異なる位置に設けられる。マイクロコンピュータ100は、トリガスイッチ11の操作信号を取得する。マイクロコンピュータ100は、トリガスイッチ11の操作信号に基づいて、モータ4を制御する。
【0060】
電池電圧検出回路105は、バッテリ20の電圧を検出する。電池電圧検出回路105は、バッテリ20の電圧の検出信号をマイクロコンピュータ100に送信する。
【0061】
過放電検出回路106は、バッテリ20のLD端子(保護機能用端子)に接続される。過放電検出回路106は、LD端子の電圧により過放電を検出する。過放電検出回路106は、LD端子の過放電の検出信号をマイクロコンピュータ100に送信する。
【0062】
電流検出回路107は、抵抗Rsの両端の電圧からモータ4に流れる電流を検出する。電流検出回路107は、モータ4に流れる電流の検出信号をマイクロコンピュータ100に送信する。
【0063】
制御信号出力回路101は、マイクロコンピュータ100からの制御信号に基づいて、インバータ回路81を構成するスイッチング素子のオンオフを制御する制御信号を出力する。
【0064】
回転子位置検出回路102は、センサ基板9の磁気センサ91の出力電圧からモータ4のロータ42の位置を検出する。回転子位置検出回路102は、ロータ42の位置の検出信号をマイクロコンピュータ100に送信する。
【0065】
マイクロコンピュータ100は、回転子位置検出回路102から送信されたセンサ基板9の検出信号に基づいて、インバータ回路81を制御するための制御信号を制御信号出力回路101から出力させる。制御信号出力回路101は、インバータ回路81に制御信号を出力して、バッテリ20からモータ4のコイル41Dに供給される電流を切り換える。例えばコイル41Dが6個設けられている場合、マイクロコンピュータ100は、第1組の2つのコイル41DがU相コイルになり、第2組の2つのコイル41DがV相コイルになり、第3組の2つのコイル41DがW相コイルになるように、インバータ回路81のスイッチング素子を制御する。これにより、DCブラシレスモータであるモータ4のロータ42は、バッテリ20から供給される電流により回転する。
【0066】
なお、図1に示すように、電池残量表示回路109がバッテリ20に設けられる。電池残量表示回路109は、作業者にバッテリ20の残量を報知する。
【0067】
[配線構造]
図4は、実施形態に係る電動工具1Aの配線構造を説明するための図である。図2図3、及び図4に示すように、制御回路基板10の制御信号出力回路101とインバータ回路基板8とは、第1信号線201を介して接続される。制御回路基板10の制御信号出力回路101は、インバータ回路基板8を制御する制御信号を出力する。制御回路基板10の制御信号出力回路101から出力された制御信号は、第1信号線201を介して、インバータ回路基板8に送信される。制御回路基板10の制御信号出力回路101とインバータ回路基板8とを接続する第1信号線201の少なくとも一部は、接続部23に収容される。第1信号線201は、接続部23の内部空間を通過する。
【0068】
第1信号線201の上端部は、インバータ回路基板8の下面に接続される。第1信号線201の下端部は、制御回路基板10の上面に接続される。インバータ回路基板8の下面に接続された第1信号線201は、動力伝達機構6の下方を通過する。動力伝達機構6の下方において前方に引き回された第1信号線201は、接続部23の内部空間を通過した後、制御回路基板10の上面に接続される。
【0069】
制御回路基板10の回転子位置検出回路102とセンサ基板9とは、第2信号線202を介して接続される。センサ基板9は、モータ4の回転の検出信号を出力する。センサ基板9から出力された検出信号は、第2信号線202を介して、制御回路基板10の回転子位置検出回路102に送信される。センサ基板9と制御回路基板10の回転子位置検出回路102とを接続する第2信号線202の少なくとも一部は、接続部23に収容される。第2信号線202は、接続部23の内部空間を通過する。
【0070】
上述のように、センサ基板9は、モータ4のステータコア41Aよりも後方に配置される。第2信号線202の上端部は、センサ基板9の下部に接続される。第2信号線202は、インバータ回路基板8の後方を通過した後、インバータ回路基板8の下方を通過する。インバータ回路基板8の下方を通過した第2信号線202は、動力伝達機構6の下方に引き回される。動力伝達機構6の下方において前方に引き回された第2信号線202は、接続部23の内部空間を通過した後、制御回路基板10の上面に接続される。
【0071】
制御回路基板10のマイクロコンピュータ100とスイッチ本体11Bとは、第3信号線203を介して接続される。スイッチ本体11Bは、モータ4を駆動するための操作信号を出力する。スイッチ本体11Bから出力された検出信号は、第3信号線203を介して、制御回路基板10のマイクロコンピュータ100に送信される。トリガスイッチ11と制御回路基板10のマイクロコンピュータ100とを接続する第3信号線203の少なくとも一部は、グリップ部22に収容される。第3信号線203は、グリップ部22の内部空間を通過する。
【0072】
第3信号線203の上端部は、スイッチ本体11Bの下部に接続される。第3信号線203の下端部は、制御回路基板10の上面に接続される。
【0073】
制御回路基板10のマイクロコンピュータ100とクラッチダイヤル15とは、第4信号線207を介して接続される。クラッチダイヤル15は、モータ4を停止させる電流値を設定するための操作信号を出力する。クラッチダイヤル15から出力された検出信号は、第4信号線207を介して、制御回路基板10のマイクロコンピュータ100に送信される。クラッチダイヤル15と制御回路基板10のマイクロコンピュータ100とを接続する第4信号線207の少なくとも一部は、バッテリ保持部24に収容される。第4信号線207は、バッテリ保持部24の内部空間を通過する。
【0074】
第4信号線207の一端部は、クラッチダイヤル15に接続される。第4信号線207の他端部は、制御回路基板10の上面に接続される。
【0075】
バッテリ側端子301と工具側端子302とは接続可能である。バッテリ保持部24からモータ4に供給される電流が通過するリード線204は、工具側端子302に接続される。
【0076】
バッテリ保持部24からモータ4に供給される電流が通過するリード線204の少なくとも一部は、接続部23に収容される。リード線204を介してインバータ回路基板8に供給された駆動電流は、リード線205を介して、モータ4の結線部材41Eに供給される。
【0077】
リード線204の下部からリード線206が分岐する。バッテリ20(工具側端子302)と制御回路基板10の降圧回路103とは、リード線206を介して接続される。バッテリ20からモータ4を駆動するための駆動電流が出力される。バッテリ20から出力された駆動電流は、リード線206を介して、制御回路基板10の降圧回路103に供給される。
【0078】
リード線204の上端部は、インバータ回路基板8の下面に接続される。リード線204の下端部は、工具側端子302に接続される。リード線205の上端部は、コイル41D(結線部材41E)に接続される。リード線205の下端部は、インバータ回路基板8の上面に接続される。インバータ回路基板8の下面に接続されたリード線204は、動力伝達機構6の下方を通過する。動力伝達機構6の下方において前方に引き回されたリード線204は、接続部23の内部空間を通過した後、バッテリ装着部19の工具側端子302に接続される。
【0079】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、インバータ回路基板8は、胴体部21に収容される。胴体部21には、モータ4と、モータ4を冷却するためのファン5とが収容されている。ファン5が回転することにより、モータ4の表面を空気が流れるので、モータ4は冷却される。本実施形態においては、ファン5が回転することにより、インバータ回路基板8の表面においても空気が流れるので、モータ4のみならず、インバータ回路基板8も冷却される。インバータ回路基板8に高電流が流れると、インバータ回路基板8の温度が上昇する可能性がある。本実施形態においては、インバータ回路基板8が冷却されるので、インバータ回路基板8の温度の上昇が抑制される。
【0080】
インバータ回路基板8の温度が上昇すると、インバータ回路基板8の放熱のために、モータ4の出力を低下又は停止する必要が生じる可能性がある。モータ4の出力を低下又は停止させると、電動工具1Aを用いる作業性が低下する。本実施形態によれば、インバータ回路基板8に高電流が流れても、インバータ回路基板8の温度の上昇が抑制されるので、電動工具1Aを用いる作業性の低下が抑制される。
【0081】
インバータ回路基板8の少なくとも一部は、ファン5と吸気口18Aとの間に配置される。したがって、ファン5が回転することにより吸気口18Aから胴体部21の内部空間に流入した空気は、インバータ回路基板8の表面と接触した後、ファン5に向かって流れることができる。これにより、インバータ回路基板8は十分に冷却される。
【0082】
前後方向において、ファン5は、インバータ回路基板8の中心よりも前方に配置され、吸気口18Aは、インバータ回路基板8の中心よりも後方に配置される。これにより、吸気口18Aから胴体部21の内部空間に流入した空気は、インバータ回路基板8の表面に十分に接触することができる。
【0083】
インバータ回路基板8は、胴体部21においてモータ4よりも下方に配置される。インバータ回路基板8とモータ4とが並列に配置されるので、電動工具1Aの前後方向の寸法が大きくなることが抑制される。また、吸気口18Aから胴体部21の内部空間に流入した空気は、モータ4の表面及びインバータ回路基板8の表面のそれぞれに十分に接触することができる。また、第1信号線201及び第2信号線202は、モータ4を通過することなく、インバータ回路基板8と制御回路基板10とを接続することができる。
【0084】
制御回路基板10は、バッテリ保持部24に収容される。これにより、バッテリ保持部24の内部空間が有効に利用される。また、制御回路基板10が胴体部21の内部空間に配置されないので、胴体部21を大型化しなくても済む。
【0085】
制御回路基板10とインバータ回路基板8とを接続する第1信号線201は、グリップ部22の内部空間を通過せずに、接続部23の内部空間を通過する。これにより、接続部23の内部空間が有効に利用される。また、第1信号線201がグリップ部22の内部空間に配置されないので、グリップ部22を太くしなくても済む。
【0086】
第1信号線201の上端部は、インバータ回路基板8の下面に接続される。これにより、第1信号線201が過度に屈曲することが抑制される。
【0087】
センサ基板9と制御回路基板10とを接続する第2信号線202は、グリップ部22の内部空間を通過せずに、接続部23の内部空間を通過する。これにより、接続部23の内部空間が有効に利用される。また、第2信号線202がグリップ部22の内部空間に配置されないので、グリップ部22を太くしなくても済む。
【0088】
第2信号線202の上端部は、センサ基板9の下部に接続される。センサ基板9は、ステータコア41Aよりも後方に配置される。第2信号線202は、インバータ回路基板8の後方を通過する。これにより、第2信号線202が過度に屈曲することが抑制される。
【0089】
トリガスイッチ11と制御回路基板10とを接続する第3信号線203は、接続部23の内部空間を通過せずに、グリップ部22の内部空間を通過する。これにより、第3信号線203を短くすることができる。
【0090】
バッテリ保持部24とモータ4とを接続するリード線204は、グリップ部22の内部空間を通過せずに、接続部23の内部空間を通過する。これにより、接続部23の内部空間が有効に利用される。また、リード線204がグリップ部22の内部空間に配置されないので、グリップ部22を太くしなくても済む。
【0091】
リード線204の上端部は、インバータ回路基板8の下面に接続される。これにより、リード線204が過度に屈曲することが抑制される。
【0092】
グリップ部22の下端部及び接続部23の下端部のそれぞれがバッテリ保持部24に接続される。これにより、ハウジング2の下部の強度が向上する。
【0093】
図4に示したように、出力部7の前端部とバッテリ20の前部の下端部とを繋ぐ仮想線VLを規定した場合、クラッチダイヤル15は、仮想線VLよりも後方に配置される。これにより、例えば電動工具1Aを床面に置いたり落下させたりしても、クラッチダイヤル15と床面と接触が抑制される。したがって、クラッチダイヤル15の損傷が抑制される。
【0094】
インタフェースパネル16は、バッテリ保持部24の上面に配置される。前後方向において、インタフェースパネル16は、グリップ部22と接続部23との間に配置される。すなわち、インタフェースパネル16は、グリップ部22と接続部23とバッテリ保持部24とに囲まれた空間の内側に配置される。インタフェースパネル16は、グリップ部22と接続部23とバッテリ保持部24とに保護される。したがって、インタフェースパネル16の損傷が抑制される。
【0095】
[その他の実施形態]
上述の実施形態においては、インバータ回路基板8と制御回路基板10とは別々の基板であり、インバータ回路基板8が胴体部21に収容され、制御回路基板10がバッテリ保持部24に収容されることとした。インバータ回路基板8と制御回路基板10とは一体でもよい。
【0096】
図5は、その他の実施形態に係る電動工具1Bの配線構造を説明するための図である。図5に示すように、インバータ回路基板8と制御回路基板10とが一体となったコントローラ基板810が胴体部21に収容されてもよい。コントローラ基板810は、ケース810Cに収容される。図5に示す例において、第1信号線201は省略される。第2信号線202は、センサ基板9の下部とコントローラ基板810の上面とを接続するように配置される。第3信号線203は、スイッチ本体11Bの上部とコントローラ基板810の下面とを接続するように配置される。リード線204は、コントローラ基板810の下面とバッテリ装着部19とを接続するように配置される。リード線205は、コントローラ基板810の上面とコイル41D(結線部材41E)とを接続するように配置される。
【0097】
上述の実施形態においては、ファン5が回転することにより、胴体部21の外部空間の空気が吸気口18Aを介して胴体部21の内部空間に流入することとした。ファン5が回転することにより、胴体部21の外部空間の空気が排気口18Bを介して胴体部21の内部空間に流入し、胴体部21の内部部空間の空気が吸気口18Aを介して胴体部21の内部空間に流出してもよい。この場合、排気口18Bが吸気口として機能し、吸気口18Aが排気口として機能する。また、前後方向において、ファン5は、インバータ回路基板8の中心よりも後方に配置されてもよい。ファン5は、例えばファン5は、ステータコア41Aよりも後方に配置される。
【0098】
上述の実施形態においては、電動工具が震動ドライバドリルであることとした。電動工具は、震動ドライバドリルに限定されない。電動工具として、ドライバドリル、アングルドリル、インパクトドライバ、ハンマ、ハンマドリル、及びレシプロソーが例示される。
【符号の説明】
【0099】
1A…電動工具、1B…電動工具、2…ハウジング、2L…左ハウジング、2R…右ハウジング、2S…ねじ、3…ギヤケース、4…モータ、5…ファン、6…動力伝達機構、7…出力部、8…インバータ回路基板、8C…ケース、9…センサ基板、10…制御回路基板、10C…ケース、11…トリガスイッチ、11A…トリガ部材、11B…スイッチ本体、12…正逆切換レバー、13…速度切換レバー、14…モードチェンジリング、15…クラッチダイヤル、16…インタフェースパネル、17…ライト、18A…吸気口、18B…排気口、19…バッテリ装着部、20…バッテリ、20A…解除ボタン、21…胴体部、21L…リブ、22…グリップ部、23…接続部、24…バッテリ保持部、24L…リブ、41…ステータ、41A…ステータコア、41B…前インシュレータ、41C…後インシュレータ、41D…コイル、41E…結線部材、42…ロータ、42A…ロータシャフト、42B…ロータコア、42C…永久磁石、43…ベアリング、44…ベアリング、60…ピニオンギヤ、71…スピンドル、72…チャック、73…ベアリング、81…インバータ回路、82…温度検出回路、91…磁気センサ、100…マイクロコンピュータ、101…制御信号出力回路、102…回転子位置検出回路、103…降圧回路、104…制御系電源回路、105…電池電圧検出回路、106…過放電検出回路、107…電流検出回路、108…加速度検出回路、109…電池残量表示回路、201…第1信号線、202…第2信号線、203…第3信号線、204…リード線、205…リード線、206…リード線、207…第4信号線、301…バッテリ側端子、302…工具側端子、810…コントローラ基板、810C…ケース、AX…回転軸、VL…仮想線。
図1
図2
図3
図4
図5