(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】画像生成装置
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240422BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240422BHJP
G09G 5/373 20060101ALI20240422BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
G09G5/00 530M
G09G5/00 550X
G09G5/37 320
G09G5/373
G09G5/377 110
(21)【出願番号】P 2020066254
(22)【出願日】2020-04-01
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岡田 広樹
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-163624(JP,A)
【文献】特開2017-175422(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0118394(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示する表示画像を生成する画像生成装置であって、
外部から入力される入力画像に重畳させる複数の重畳画像を生成可能な重畳画像生成部と、
前記重畳画像の解像度を変換係数に基づいて変換可能なスケーリング部と、
前記重畳画像の解像度の変換を、前記複数の重畳画像毎に相違させて前記スケーリング部に指示可能なスケーリング制御部と、
前記スケーリング部により解像度が変換された変換重畳画像を前記入力画像に重畳させる重畳処理部と、
前記重畳処理部により重畳された画像を処理して前記表示画像を生成する画像処理部と
を有し、
前記スケーリング制御部は、前記変換係数に基づいて
前記スケーリング部により拡大される場合の拡大後の重畳画像が他の重畳画像と重複する場合、
拡大される重畳画像と他の重畳画像のうち、重複部分について予め設定された配置順の優先度が高い重畳画像に対応する前記変換係数を前記スケーリング部に指示すること
を特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
前記スケーリング制御部は、
前記複数の重畳画像の前記表示部上での表示範囲をそれぞれ保持する範囲保持部と、
前記複数の重畳画像毎の前記変換係数および前記優先度をそれぞれ保持する変換係数保持部と、
前記範囲保持部に保持された前記表示範囲と前記変換係数保持部に保持された変換係数および前記優先度とに基づいて、前記複数の重畳画像の前記表示範囲毎に前記変換係数を前記スケーリング部に指示する係数制御部と
を有することを特徴とする請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記スケーリング制御部は、
前記表示部の水平方向に並ぶ画素の選択を制御する水平クロックに基づいて、前記表示部の水平方向の画素の位置を検出する水平検出部と、
前記表示部の垂直方向に並ぶ画素ラインの選択を制御する垂直クロックに基づいて前記表示部の画素ラインの位置を検出する垂直検出部と、を有し、
前記係数制御部は、前記水平検出部と前記垂直検出部とにより特定される画素の位置と、前記範囲保持部が保持する前記複数の重畳画像毎の前記表示範囲とに基づいて、前記重畳画像を表示する画素を検出した場合、表示する重畳画像に対応して前記変換係数保持部が保持する前記変換係数を前記スケーリング部に指示すること
を特徴とする請求項2に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記係数制御部は、
前記複数の重畳画像毎に、前記範囲保持部が保持する前記表示範囲の大きさを、前記変換係数保持部が保持する前記変換係数に応じて変更し、
前記水平検出部と前記垂直検出部とにより特定される画素の位置が、大きさを変更した表示範囲に含まれる場合、大きさを変更した表示範囲に対応して前記変換係数保持部が保持する前記変換係数を前記スケーリング部に指示すること
を特徴とする請求項3に記載の画像生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置に表示する映像等の画像に、テロップ、字幕または表示装置の設定メニューなどのテキストを画像に重畳して表示するOSD(On Screen Display)機能が知られている。例えば、複数のIC(Integrated Circuit)を制御するマイクロコンピュータは、各ICの名称、状態、制御データ等のうち任意の情報を、OSD機能を使用して表示装置に表示する(例えば、特許文献1参照)。また、撮像装置は、複数の表示パターンから選択した表示パターンをOSD機能により表示装置に表示するとともに、操作手段で受け付けた操作と、操作の受け付け時にOSD機能により表示している情報とを対応付けて記憶する(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-274424号公報
【文献】特開2010-50690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、入力される画像の解像度が、画像を表示する表示装置の解像度と異なる場合、表示装置は、スケーラーICにより画像の解像度を表示装置の解像度に合わせて変換し、表示装置に表示させる。OSD機能を搭載するスケーラーICは、テキスト等の重畳画像を、解像度を変換した後の入力画像に重畳させる。このため、スケーラーICから出力される重畳画像の品位は、表示装置に表示する画像の品位に比べて低くなる。重畳画像の品位を向上するためには、例えば、ビットマップフォントに代えて高精細なフォントを使用し、高性能なCPU(Central Processing Unit)で処理する必要があり、コストが上昇する。
【0005】
上記の課題に鑑み、本発明は、画像に重畳される重畳画像の品位を、コストの増加を抑えて向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの観点によれば、画像生成装置は、表示部に表示する表示画像を生成する画像生成装置であって、外部から入力される入力画像に重畳させる複数の重畳画像を生成可能な重畳画像生成部と、前記重畳画像の解像度を変換係数に基づいて変換可能なスケーリング部と、前記重畳画像の解像度の変換を、前記複数の重畳画像毎に相違させて前記スケーリング部に指示可能なスケーリング制御部と、前記スケーリング部により解像度が変換された変換重畳画像を前記入力画像に重畳させる重畳処理部と、前記重畳処理部により重畳された画像を処理して前記表示画像を生成する画像処理部とを有し、前記スケーリング制御部は、前記変換係数に基づいて前記スケーリング部により拡大される場合の拡大後の重畳画像が他の重畳画像と重複する場合、拡大される重畳画像と他の重畳画像のうち、重複部分について予め設定された配置順の優先度が高い重畳画像に対応する前記変換係数を前記スケーリング部に指示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
画像に重畳される重畳画像の品位を、コストの増加を抑えて向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態における画像生成部を有する表示装置の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1のスケーラー制御部およびスケーラーの一例を示すブロック図である。
【
図3】
図2のXウィンドウ保持部、Yウィンドウ保持部および係数保持部に保持される情報の一例を示す説明図である。
【
図4】
図2のスケーラー制御部およびスケーラーにより解像度が変換される重畳画像の一例を示す説明図である。
【
図5】
図2のスケーラー制御部により生成される水平補間係数と垂直補間係数との一例を示す説明図である。
【
図6】
図2のスケーラー制御部の動作の一例を示すフロー図である。
【
図7】
図6のステップS30、S40の動作の一例を示すフロー図である。
【
図8】
図2のスケーラーにより実施する画素データを補間する処理の一例を示す説明図である。
【
図9】他の表示装置に搭載される画像生成部の一例(比較例)を示すブロック図である。
【
図10】他の表示装置に搭載される画像生成部の別の例(比較例)を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施の形態の説明を行う。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、一実施形態における画像生成部を有する表示装置の一例を示すブロック図である。
図1に示す表示装置100は、画像生成部200、液晶ディスプレイ300、CPU400、タッチIC500およびタッチパネル600を有する。画像生成部200は、画像生成装置の一例であり、液晶ディスプレイ300は、表示部の一例である。例えば、表示装置100は、カーナビゲーション装置に搭載される。なお、表示装置100は、液晶ディスプレイ300の代わりに、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の他のディスプレイを有してもよい。
【0011】
画像生成部200は、入力部21、OSD部22、スケーラー制御部23、スケーラー24、重畳部25、画像処理部26および出力部27を有する。例えば、画像生成部200は、ICチップに搭載される。
【0012】
OSD部22は、重畳画像生成部の一例であり、スケーラー制御部23は、スケーリング制御部の一例である。スケーラー24は、スケーリング部の一例であり、重畳部25は、重畳処理部の一例である。以下では、画像生成部200内で伝送される画像データおよび画像生成部200内で生成される画像データを、単に画像とも称する。また、入力画像データを入力画像とも称する。
【0013】
画像生成部200は、カーナビゲーション装置の本体部等から受信する入力画像を液晶ディスプレイ300に表示するために、CPU400の制御に基づいて、画像の品位を調整し、液晶ディスプレイ300に出力する。画像生成部200は、画像中にテキスト等を埋め込むOSD(On Screen Display)機能を有する。なお、この実施形態では、画像生成部200は、液晶ディスプレイ300の解像度と同じ解像度の入力画像をカーナビゲーション装置の本体部等から受信する。このため、画像の解像度を変換するスケーラー24には、入力画像は供給されない。
【0014】
入力部21は、入力画像を外部から受信する受信部であり、受信した入力画像を重畳部25に出力する。例えば、入力部21は、液晶ディスプレイ300に表示させる1画面毎の画像データ(フレームデータ)を入力画像として受信する。
【0015】
OSD部22は、液晶ディスプレイ300上に表示される画像に重畳させるテキストデータ(ビットマップフォント)等をスケーラー24に出力する。例えば、OSD部22は、所定の大きさ(画素数)のテキストデータ群(フォントデータ)等を保持するフォントメモリを有する。以下では、OSD部22が生成するテキストデータ等を重畳画像データ(重畳画像)と称する。
【0016】
OSD部22は、重畳画像をCPU400から指示される所定の倍率に拡大し、拡大した重畳画像を出力する機能を有する。OSD部22で設定可能な倍率は、1倍、2倍、4倍等の固定の倍率である。しかしながら、この実施形態では、OSD部22の出力にスケーラー24が接続されるため、OSD部22は、常に1倍の重畳画像を出力する。
【0017】
例えば、OSD部22は、CPU400からの指示に基づいて、液晶ディスプレイ300に表示する複数の重畳画像を生成可能である。以下では、複数の重畳画像の各々を表示する液晶ディスプレイ300の表示領域をウィンドウとも称する。ウィンドウは、表示範囲の一例である。
【0018】
スケーラー制御部23は、CPU400からの指示に基づいて、OSD部22からスケーラー24に入力される重畳画像を拡大する倍率を示す係数を、重畳画像毎に生成し、生成した係数をスケーラー24に出力(指示)する。スケーラー制御部23による制御に基づいて、スケーラー24を動作させることで、複数の重畳画像の解像度を、重畳画像毎に変更することができる。
【0019】
スケーラー24は、OSD部22から受信する重畳画像の解像度を、重畳画像毎に、スケーラー制御部23から指示された係数に応じて変換可能であり、解像度を変換した重畳画像である変換重畳画像を重畳部25に出力する。例えば、スケーラー24は、重畳画像を拡大する場合、着目画素のデータを、着目画素の周辺の画素データを使用して補間する処理を実施する。このため、スケーラー24による処理後の重畳画像をジャギーのない滑らかな画像にすることができ、液晶ディスプレイ300に表示される重畳画像の品位を、ビットマップフォントそのものを使用して表示する場合に比べて、向上することができる。
【0020】
この実施形態では、画像生成部200に高価なCPU等を搭載することなく、複数の重畳画像の解像度を重畳画像毎に変換することができるため、コストを抑えて、液晶ディスプレイ300に表示される重畳画像の品位を向上することができる。
【0021】
重畳部25は、入力部21からの入力画像にスケーラー24により解像度が変換された変換重畳画像を重畳し、重畳した画像を画像処理部26に出力する。画像処理部26は、CPU400からの制御に基づいて、重畳部25から受信する画像のコントラスト、輝度および色度等の少なくともいずれかを調整し、または、画像のガンマ補正等を実施する。例えば、液晶ディスプレイ300に表示される画像は、図示しないバックライト(LEDまたは蛍光管)により色度がずれる場合がある。画像処理部26により色度を調整することで、バックライトによる色度のずれを補正することができる。
【0022】
画像処理部26は、重畳画像が重畳された入力画像の画像処理を実施するため、入力画像だけでなく、重畳画像のコントラスト、輝度および色度等を調整することができる。この結果、画像処理部26による画像処理を実施ない場合に比べて、重畳画像の品位を向上することができる。画像処理部26は、画像処理を実施した画像データ(表示画像)を出力部27に出力する。
【0023】
出力部27は、画像処理部26から受信する表示画像を、液晶ディスプレイ300に出力する。そして、画像生成部200で生成された表示画像(映像)が液晶ディスプレイ300に表示される。
【0024】
CPU400は、画像生成部200、液晶ディスプレイ300、タッチIC500の動作を制御する。なお、CPU400は、表示装置100が搭載されるカーナビゲーション装置の動作を制御してもよい。
【0025】
タッチIC500は、出力信号Txをタッチパネル600に出力し、出力信号Txに応答してタッチパネル600から受信する入力信号Rxに応じて、タッチパネル600においてタッチ操作された位置を検出する。タッチパネル600は、液晶ディスプレイ300の画面に対向して配置される。
【0026】
図2は、
図1のスケーラー制御部23およびスケーラー24の一例を示すブロック図である。スケーラー制御部23は、Hカウンタ231、Vカウンタ232、Xウィンドウ保持部233、Yウィンドウ保持部234、係数保持部235および係数制御部236を有する。例えば、Xウィンドウ保持部233、Yウィンドウ保持部234および係数保持部235は、それぞれレジスタにより構成される。スケーラー24は、水平補間係数を保持する係数保持部241、水平拡縮部242、ラインバッファ243、垂直補間係数を保持する係数保持部244および垂直拡縮部245を有する。
【0027】
Hカウンタ231は、液晶ディスプレイ300において水平方向に並ぶ画素の選択を制御する水平クロックHCLKのクロック数をカウントし、水平カウント値HCNTとして係数制御部236に出力する。Hカウンタ231は、水平クロックHCLKに基づいて、液晶ディスプレイ300の水平方向(横方向)の画素の位置を検出する水平検出部の一例である。
【0028】
水平カウント値HCNTは、液晶ディスプレイ300の水平方向に並ぶ画素の位置(画素番号)を示す。Hカウンタ231は、水平カウント値HCNTを0から最大値(
図4のXmax)までカウントした後、0にリセットする動作を繰り返す。以下では、水平カウント値HCNTを単にカウント値HCNTとも称する場合がある。
【0029】
Vカウンタ232は、液晶ディスプレイ300において垂直方向に並ぶ画素ラインの選択を制御する垂直クロックVCLKのクロック数をカウントし、垂直カウント値VCNTとして係数制御部236に出力する。Vカウンタ232は、液晶ディスプレイ300の垂直方向(縦方向)に並ぶ画素ラインの選択を制御する垂直クロックVCLKに基づいて液晶ディスプレイ300の画素ラインの位置を検出する垂直検出部の一例である。
【0030】
垂直カウント値VCNTは、液晶ディスプレイ300の垂直方向に並ぶ画素ラインの位置(ライン番号)を示す。Vカウンタ232は、垂直カウント値VCNTを0から最大値(
図4のYmax)までカウントした後、0にリセットする動作を繰り返す。以下では、垂直カウント値VCNTを単にカウント値VCNTとも称する場合がある。
【0031】
Xウィンドウ保持部233は、重畳画像を表示するウィンドウの水平方向の始点Xwsと終点Xweとを、ウィンドウ毎に保持する。符号Xws、Xweは、水平方向の画素の位置(画素番号等)を示し、符号Xws、Xweの"w"は、ウィンドウを識別するウィンドウ番号等を示す。
【0032】
Yウィンドウ保持部234は、重畳画像を表示するウィンドウの垂直方向の始点Ywsと終点Yweとを、ウィンドウ毎に保持する。符号Yws、Yweは、垂直方向の画素の位置(画素番号等)を示し、符号Yws、Yweの"w"は、ウィンドウを識別するウィンドウ番号等を示す。Xウィンドウ保持部233およびYウィンドウ保持部234は、複数の重畳画像の液晶ディスプレイ300上での表示範囲をそれぞれ保持する範囲保持部の一例である。
【0033】
CPU400は、拡大または縮小される前のウィンドウの水平方向の始点Xwsと終点XweとをXウィンドウ保持部233に格納する。また、CPU400は、重畳画像が拡大または縮小される前のウィンドウの垂直方向の始点Ywsと終点YweとをYウィンドウ保持部234に格納する。
【0034】
係数保持部235は、CPU400から受信する表示倍率である係数をウィンドウ毎に保持し、保持している係数を係数制御部236に出力する。なお、水平方向の表示倍率と垂直方向の表示倍率とを変更可能にする場合(縦横比を任意にする場合)、水平方向の表示倍率である水平係数と垂直方向の表示倍率である垂直係数とのそれぞれが、係数保持部235に保持されてもよい。係数保持部235は、複数の重畳画像毎の変換係数を保持する変換係数保持部の一例である。
【0035】
係数制御部236は、ウィンドウ毎に、Xウィンドウ保持部233に保持されている終点XweおよびYウィンドウ保持部234に保持されている終点Yweに、係数保持部235に保持されている係数を乗じ、終点EXwe、EYweを算出する。終点EXwe、EYweは、重畳画像の拡大後または縮小後のウィンドウの終点である。
【0036】
係数制御部236は、水平カウント値HCNTが、始点Xwsと終点EXweとの間に含まれ、かつ、垂直カウント値VCNTが、始点Ywsと終点EYweとの間に含まれるか否かを、ウィンドウ毎に判定する。すなわち、係数制御部236は、カウント値HCNT、VCNTで示される画素の位置が、ウィンドウのいずれかに含まれるか否かを判定する。
【0037】
係数制御部236は、カウント値HCNT、VCNTにより特定される画素の位置を含むウィンドウがある場合、そのウィンドウに対応して係数保持部235に保持されている係数を、カウント値HCNTに対応する水平補間係数として係数保持部241に格納する。また、係数制御部236は、カウント値HCNT、VCNTにより特定される画素の位置を含むウィンドウがある場合、そのウィンドウに対応して係数保持部235に保持されている係数を、カウント値VCNTに対応する垂直補間係数として係数保持部244に格納する。これにより、係数制御部236は、重畳画像毎に相違する係数をスケーラー24に指示可能である。
【0038】
なお、始点Xws、Ywsと終点EXwe、EYweとで示される複数のウィンドウが互いに重複する場合、係数制御部236は、重複部分について、所定の規則にしたがって係数を採用するウィンドウを選択する。そして、係数制御部236は、選択したウィンドウの係数をスケーラー24に出力する。例えば、所定の規則は、始点Xws、Yweが最小座標(0,0)に近いウィンドウを選択する、終点EXwe、EYweが最大座標(Xmax,Ymax)に近いウィンドウを選択する、または、面積の小さいウィンドウを選択するなどである。
【0039】
なお、ウィンドウの配置順を示す情報を保持する領域を係数保持部235に設け、配置順を示す情報をCPU400から係数保持部235に格納してもよい。この場合、係数制御部236は、重複するウィンドウのうち、係数保持部235に保持されている配置順が一番手前を示すウィンドウを選択する。
【0040】
なお、CPU400は、ウィンドウ毎に、拡大後のウィンドウの終点EXwe、EYweを算出し、終点Xwe、YweとしてXウィンドウ保持部233およびYウィンドウ保持部234にそれぞれ格納してもよい。この場合、係数制御部236は、終点EXwe、EYweを算出する機能を持たなくてもよい。
【0041】
スケーラー24において、係数保持部241は、係数制御部236から受信する係数である水平補間係数を保持し、保持した水平補間係数を水平拡縮部242に出力する。水平拡縮部242は、係数保持部241からの水平補間係数に基づいて、
図1のOSD部22から受信する重畳画像を水平方向(横方向)に拡大または縮小し、ラインバッファ243に出力する。
【0042】
ラインバッファ243は、水平拡縮部242から転送される数ライン分の画像を保持する記憶容量を有する。ラインバッファ243は、保持した数ライン分の画像を垂直拡縮部245に出力する。係数保持部244は、係数制御部236から受信する係数である垂直補間係数を保持し、保持した垂直補間係数を垂直拡縮部245に出力する。
【0043】
垂直拡縮部245は、係数保持部244からの垂直補間係数に基づいて、ラインバッファ243から受信する重畳画像データを、垂直方向(縦方向)に拡大または縮小し、重畳画像データとして
図1の重畳部25に出力する。この際、垂直拡縮部245は、拡大または縮小の対象である着目画素に対して水平方向および垂直方向に隣接する所定数の画素のデータを使用して、着目画素の画素値を算出する補間処理を実施する。
【0044】
以上のように、係数制御部236は、Xウィンドウ保持部233およびYウィンドウ保持部234に保持された重畳画像毎のウィンドウの情報と、係数保持部235に保持された重畳画像毎の係数とに基づいて、スケーラー24に係数を指示する。これにより、スケーラー24は、重畳画像毎に、指示された係数(倍率)に応じて重畳画像を拡大または縮小することができる。
【0045】
この際、係数制御部236は、カウント値HCNT、VCNTにより画素の位置を検出し、重畳画像毎のウィンドウと比較する。これにより、係数制御部236は、複数の重畳画像をそれぞれ異なる係数を使用して拡大または縮小する場合にも、液晶ディスプレイ300への表示画像の表示タイミングに合わせて係数をスケーラー24に出力することができる。換言すれば、係数制御部236は、カウント値HCNT、VCNTにより示される画素が、各ウィンドウに含まれているか否かを判定するだけで、重畳画像毎の係数をスケーラー24に出力することができる。この結果、簡易な制御で、スケーラー24により重畳画像を拡大または縮小することができる。
【0046】
図3は、
図2のXウィンドウ保持部233、Yウィンドウ保持部234および係数保持部235に保持される情報の一例を示す説明図である。Xウィンドウ保持部233は、ウィンドウを識別するウィンドウ番号毎に、水平方向の始点Xwsと終点Xweとを保持する。Yウィンドウ保持部234は、ウィンドウ番号毎に、垂直方向の始点Ywsと終点Yweとを保持する。
【0047】
係数保持部235は、ウィンドウ番号毎に、係数Mwと配置順とを保持する。係数Mwは、0より大きく、例えば、0.75、1.25、1.5等の倍率で示される。配置順は、数値が小さいほど、ウィンドウの重複時に優先的に選択される。すなわち、配置順の数値が小さいウィンドウの重畳画像ほど、画面の上側に表示される。なお、すべての重畳画像は、入力画像より上側に表示される。係数保持部235に配置順を保持することで、複数のウィンドウが重なっている場合にも、ウィンドウの重なりを考慮して重畳画像を拡大または縮小し、液晶ディスプレイ300に表示することができる。
【0048】
例えば、ウィンドウ番号の"100"は、ウィンドウが存在しないことを示す。したがって、
図3に示す例では、ウィンドウの数は3つである。なお、Xウィンドウ保持部233は、終点Xweの代わりにサイズ(水平方向のウィンドウの画素数)を保持してもよく、Yウィンドウ保持部234は、終点Yweの代わりにサイズ(垂直方向のウィンドウの画素数)を保持してもよい。
【0049】
図4は、
図2のスケーラー制御部23およびスケーラー24により解像度が変換される重畳画像の一例を示す説明図である。
図4に示す例では、
図3に示した情報が使用され、スケーラー24は、3つのウィンドウWIN(WIN0、WIN1、WIN2)に含まれる重畳画像をそれぞれ拡大または縮小する。ウィンドウWIN0の拡大率は1.5倍(係数M0=1.5)に設定される。ウィンドウWIN1の拡大率は1.25倍(係数M1=1.25)に設定される。ウィンドウWIN2の拡大率は0.75倍(係数M2=0.75)に設定される。
【0050】
スケーラー制御部23は、
図2で説明したように、各ウィンドウWINに設定された係数Mに基づいて、拡大後の終点EXwe、EYweを算出する。互いに重複するウィンドウWIN0、WIN1は、係数保持部235に保持される配置順にしたがって、ウィンドウWIN1が優先され、ウィンドウWIN1の重畳画像は、画面上でウィンドウWIN0の重畳画像より手前に表示される。
【0051】
図5は、
図2のスケーラー制御部23により生成される水平補間係数と垂直補間係数との一例を示す説明図である。なお、この実施形態では、水平補間係数と垂直補間係数とは互いに同じである。
【0052】
図5に示す画面上のウィンドウWIN(WIN0~WIN2)は、重畳画像の拡大後または縮小後の大きさを示しており、
図4の下側に示した画面と同じである。水平方向に並ぶ符号Xa、Xb、Xc、Xd、Xe、Xfは、水平方向の画素位置(座標)を説明のために示す。同様に、垂直方向に並ぶ符号Ya、Yb、Yc、Yd、Ye、Yf、Ygは、垂直方向の画素位置(座標)を説明のために示す。
【0053】
例えば、画素(Xx,Ya)(Xxは、X0~Xmaxのいずれか)は、拡大後のウィンドウWINのいずれにも含まれないため、スケーラー制御部23は、拡大率をOFFに設定する(
図5(a))。拡大率OFFは、係数=1.0を示す。同様に、画素(Xx,Ye)、(Xx,Yg)は、拡大後のウィンドウWINのいずれにも含まれないため、スケーラー制御部23は、拡大率をOFFに設定する(
図5(b)、(c))。画素(Xa,Yy)、(Xf,Yy)(Yyは、Y0~Ymaxのいずれか)も、拡大後のウィンドウWINのいずれにも含まれないため、スケーラー制御部23は、拡大率をOFFに設定する(
図5(d)、(e))。
【0054】
画素(X0s,Yb)~(EX0e,Yb)は、拡大後のウィンドウWIN0に含まれるため、スケーラー制御部23は、拡大率を150%に設定する(
図5(f))。同様に、画素(Xb,Y0s)~(Xb,EY0e)は、拡大後のウィンドウWIN0に含まれるため、スケーラー制御部23は、拡大率を150%に設定する(
図5(g))。
【0055】
画素(X0s,Yc)~(X1s-1,Yc)は、拡大後のウィンドウWIN0に含まれるため、スケーラー制御部23は、拡大率を150%に設定する(
図5(h))。画素(X1s,Yc)~(EX1e,Yc)は、拡大後のウィンドウWIN1に含まれるため、スケーラー制御部23は、拡大率を125%に設定する(
図5(i))。
【0056】
画素(Xd,Y0s)~(Xd,Y1s-1)は、拡大後のウィンドウWIN0に含まれるため、スケーラー制御部23は、拡大率を150%に設定する(
図5(j))。画素(Xd,Y1s)~(Xd,EY1e)は、配置順がウィンドウWIN0より小さい拡大後のウィンドウWIN1に含まれるため、スケーラー制御部23は、拡大率を125%に設定する(
図5(k))。
【0057】
画素(Xd,EY1e+1)~(Xd,Y2s-1)は、拡大後のウィンドウWINのいずれにも含まれないため、スケーラー制御部23は、拡大率をOFF(100%)に設定する(
図5(l))。画素(Xd,Y2s)~(Xd,EY2e)は、縮小後のウィンドウWIN2に含まれるため、スケーラー制御部23は、拡大率を75%に設定する(
図5(m))。他の画素位置についても、スケーラー制御部23は、上述と同様の処理を実施し、拡大率を設定する。
【0058】
図6は、
図2のスケーラー制御部23の動作の一例を示すフロー図である。例えば、
図6に示すフローは、スケーラー制御部23のハードウェア(回路)により実現される。
【0059】
まず、ステップS10において、係数制御部236は、ウィンドウWIN毎に、終点Xwe、Yweおよび係数を使用して、終点EXwe、EYweを算出する。終点EXwe、EYweの算出後、各ウィンドウWINの終点は、終点EXwe、EYweとみなされる。
【0060】
次に、ステップS20において、Hカウンタ231は、水平クロックHCLKに基づいて水平方向の座標X(水平カウント値HCNT)を"0"に設定する。Vカウンタ232は、垂直クロックVCLKに基づいて垂直方向の座標Y(垂直カウント値VCNT)を"0"に設定する。
【0061】
次に、ステップS30において、係数制御部236は、スケーラー24の係数保持部241に設定する水平補間係数の決定処理を実施する。ステップS30の例は、
図7で説明する。次に、ステップS40において、係数制御部236は、スケーラー24の係数保持部244に設定する垂直補間係数の決定処理を実施する。ステップS40の例は、
図7で説明する。
【0062】
次に、ステップS50において、Hカウンタ231は、水平クロックHCLKに基づいて水平カウント値HCNTをカウントアップすることで、座標Xを"1"増加させる。次に、ステップS60において、係数制御部236は、Hカウンタ231が生成する水平カウント値HCNTに対応する座標Xが最大値Xmaxを超えた場合、ステップS70を実施し、座標Xが最大値Xmax以下の場合、ステップS30に戻る。
【0063】
ステップS70において、Hカウンタ231は、水平クロックHCLKに基づいて水平カウント値HCNTを"0"に戻すことで、座標Xを"0"に設定する。Vカウンタ232は、垂直クロックVCLKに基づいて垂直カウント値VCNTをカウントアップすることで、座標Yを"1"増加させる。これにより、補間係数を決定する表示ラインが1ライン更新される。
【0064】
次に、ステップS80において、係数制御部236は、Vカウンタ232が生成する垂直カウント値VCNTに対応する座標Yが最大値Ymaxを超えた場合、1画面(1フレーム)分の補間係数の決定処理を完了したため、
図6に示す動作を終了する。係数制御部236は、座標Yが最大値Ymax以下の場合、ステップS30に戻る。
【0065】
図7は、
図6のステップS30、S40の動作の一例を示すフロー図である。まず、ステップS31において、係数制御部236は、現在の座標Xを含むウィンドウWINがある場合、ステップS33を実施し、現在の座標Xを含むウィンドウWINがない場合、ステップS32を実施する。ここで、ウィンドウWINは、始点Xws、Ywsと終点EXwe、EYweとの範囲である。
【0066】
ステップS32において、係数制御部236は、係数保持部241にOFF(100%)を示す水平補間係数を設定し、ステップS41を実施する。なお、ステップS32の後、ステップS42が実施されてもよい。ステップS33において、係数制御部236は、座標Xを含むウィンドウWINが複数あるか否かを判定することで、重複するウィンドウWINの有無を判定する。係数制御部236は、重複するウィンドウWINがある場合、ステップS34を実施し、重複するウィンドウWINがない場合、ステップS35を実施する。
【0067】
ステップS34において、係数制御部236は、係数保持部235に保持された配置順を参照し、配置順が一番上のウィンドウWINを選択する。次に、ステップS35において、係数制御部236は、該当ウィンドウWINの係数を係数保持部235から読み出し、読み出した係数を水平補間係数として係数保持部241に設定する。
【0068】
次に、ステップS41において、係数制御部236は、現在の座標Yを含むウィンドウWINがある場合、ステップS43を実施し、現在の座標Yを含むウィンドウWINがない場合、ステップS42を実施する。
【0069】
ステップS42において、係数制御部236は、係数保持部244にOFF(100%)を示す垂直補間係数を設定し、
図7に示す処理を終了する。ステップS43において、係数制御部236は、座標Yを含むウィンドウWINが複数あるか否かを判定することで、重複するウィンドウWINの有無を判定する。係数制御部236は、重複するウィンドウWINがある場合、ステップS44を実施し、重複するウィンドウWINがない場合、ステップS45を実施する。
【0070】
ステップS44において、係数制御部236は、係数保持部235に保持された配置順を参照し、配置順が一番上のウィンドウWINを選択する。次に、ステップS45において、係数制御部236は、該当ウィンドウWINの係数を係数保持部235から読み出し、読み出した係数を垂直補間係数として係数保持部244に設定し、
図7に示す処理を終了する。
【0071】
ウィンドウWIN毎に算出された終点EXwe、EYweを使用して重畳画像を拡大または縮小する係数を設定することで、スケーラー24側での重畳画像の拡大または縮小の判断を不要にすることができる。これにより、既存のスケーラー24を流用して画像生成部200を設計することができ、画像生成部200の設計コストを抑えることができ、表示装置100のコストを抑えることができる。
【0072】
図8は、
図2のスケーラー24により実施する画素データを補間する処理の一例を示す説明図である。
図8では、画素データを生成する着目画素HVI(a,b)の周辺に位置する水平方向4画素と垂直方向4画素の16画素を使用して着目画素HVI(a,b)の画素データを補間する例を示す。なお、補間に使用する周辺の画素数は、16画素に限定されない。
【0073】
図8に示す例では、スケーラー24は、着目画素HVI(a,b)のX座標aの水平方向に隣接する4画素L(x-1,yj)を使用して補間し(h(k))、画素データHI(a,yj)を生成する。ここで、yjは、y-1、y、y+1、y+2のいずれかを示し、h(k)は、h(0)、h(1)、h(2)、h(3)のいずれかを示す。
【0074】
そして、スケーラー24は、補間した4つの画素データHI(a,yj)を使用して着目画素HVI(a,b)の画素データを生成する(v(k))。ここでv(k)は、v(0)、v(1)、v(2)、v(3)のいずれかを示す。
【0075】
以上、この実施形態では、スケーラー24により重畳画像を拡大または縮小することで、ジャギーのない滑らかな重畳画像を生成することができる。また、重畳画像が重畳された入力画像の画像処理を画像処理部26により実施することで、重畳画像のコントラスト、輝度および色度等を入力画像とともに調整することができる。この結果、液晶ディスプレイ300に表示される重畳画像の品位を、ビットマップフォントそのものを使用して表示する場合に比べて向上することができる。
【0076】
重畳画像毎のウィンドウWINの情報と係数とに基づいて、係数制御部236からスケーラー24に係数を指示することで、スケーラー24は、重畳画像毎に、指示された係数(倍率)に応じて重畳画像を拡大または縮小することができる。また、ウィンドウWIN毎に算出された終点EXwe、EYweを使用して重畳画像を拡大または縮小する係数を設定することで、スケーラー24側での重畳画像の拡大または縮小の判断を不要にすることができる。この結果、既存のスケーラー24を流用して画像生成部200を設計することができ、画像生成部200の設計コストを抑えることができ、表示装置100のコストを抑えることができる。
【0077】
係数制御部236は、カウント値HCNT、VCNTにより画素の位置を検出し、重畳画像毎のウィンドウWINと比較する。これにより、重畳画像毎に異なる係数を使用して重畳画像を拡大または縮小する場合にも、液晶ディスプレイ300への表示画像の表示タイミングに合わせて係数をスケーラー24に出力することができ、簡易な制御で、重畳画像を拡大または縮小することができる。
【0078】
この結果、複数の重畳画像の解像度を、重畳画像毎に変換する場合にも、液晶ディスプレイ300に表示される重畳画像の品位を、コストを抑えて向上することができる。
【0079】
図9は、他の表示装置に搭載される画像生成部の一例(比較例)を示すブロック図である。
図1で説明した要素と同様の要素については、詳細な説明は省略する。
【0080】
図9に示す画像生成部202は、入力部21、スケーラー24、画像処理部26、重畳部28および出力部27が順次接続され、OSD部22は、重畳部28に接続される。すなわち、スケーラー24は、外部から入力される入力画像データの拡大または縮小を実施する。OSD部22は、CPU400(
図1)から指示される1倍、2倍、4倍等の固定倍率に応じて、ビットマップフォントを拡大して重畳画像を生成し、生成した重畳画像を重畳部28に出力する。
【0081】
スケーラー24は、入力部21が受信した入力画像のみを拡縮し、画像処理部26は、スケーラー24から出力される解像度が変換された変換画像(入力画像)のみの画像処理を実施する。重畳部28は、解像度が変換され、かつ、画像処理が実施された、入力部21からの入力画像にOSD部22からの重畳画像(ビットマップフォント)を重畳し、出力部27を介して液晶ディスプレイ300に出力する。
【0082】
図9に示す画像生成部202では、OSD部22からの重畳画像は、スケーラー24による解像度の変換が実施されない。このため、拡大された重畳画像は、OSD部22によりビットマップフォントを拡大したものであり、ジャギーを有する。
【0083】
また、OSD部22からの重畳画像は、画像処理部26による画像処理が実施されないため、重畳画像の色度等を調整することができない。したがって、重畳画像の色度等を入力部21からの入力画像の色度等に合わせることができず、液晶ディスプレイ300に表示される画像に含まれる重畳画像の違和感を軽減することができない。
【0084】
図10は、他の表示装置に搭載される画像生成部の別の例(比較例)を示すブロック図である。
図1および
図4で説明した要素と同様の要素については、詳細な説明は省略する。
【0085】
図10に示す画像生成部204は、
図9の画像生成部202に、OSD部22と重畳部28との間に直列に接続された重畳画像専用のスケーラー24Sおよび画像処理部26Sを追加している。すなわち、入力部21、スケーラー24、画像処理部26、重畳部28および出力部27は、直列に接続され、OSD部22からの重畳画像は、スケーラー24Sおよび画像処理部26Sを介して重畳部28に出力される。例えば、スケーラー24Sの回路規模は、スケーラー24と同等であり、画像処理部26Sの回路規模は、画像処理部26と同等である。
【0086】
図10に示す画像生成部204では、重畳画像専用のスケーラー24Sおよび画像処理部26Sを有するため、入力部21からの入力画像の処理とは独立に、重畳画像の解像度を変更することができ、重畳画像の色度等を調整することができる。また、OSD部22は、大きさが1倍のフォントを出力すればよく、フォントを拡大する機能を持たなくてもよい。しかしながら、画像生成部204にスケーラー24Sおよび画像処理部26Sを搭載するため、画像生成部204の回路規模が増大し、コストが増大してしまう。
【0087】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0088】
21 入力部
22 OSD部
23 スケーラー制御部
24、24S スケーラー
25 重畳部
26、26S 画像処理部
27 出力部
28 重畳部
100 表示装置
200、202、204 画像生成部
231 Hカウンタ
232 Vカウンタ
233 Xウィンドウ保持部
234 Yウィンドウ保持部
235、236 係数制御部
241 係数保持部
242 水平拡縮部
243 ラインバッファ
244 係数保持部
245 垂直拡縮部
300 液晶ディスプレイ
400 CPU
500 タッチIC
600 タッチパネル
HCLK 水平クロック
HCNT 水平カウント値
Rx 入力信号
Tx 出力信号
VCLK 垂直クロック
VCNT 垂直カウント値
WIN ウィンドウ