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特許7475934三次元配線アセンブリを用いた磁気ピックアップの打ち消し
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】三次元配線アセンブリを用いた磁気ピックアップの打ち消し
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/00 20060101AFI20240422BHJP
   A61B 5/25 20210101ALI20240422BHJP
【FI】
G01B7/00 103M
A61B5/25
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020066469
(22)【出願日】2020-04-02
(65)【公開番号】P2020169992
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】16/374,514
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】エフゲニー・ボニャック
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・レビン
(72)【発明者】
【氏名】エーヤル・ロットマン
(72)【発明者】
【氏名】アレク・ビレンスキー
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-134166(JP,A)
【文献】米国特許第05357050(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/00ー 7/34
A61B 5/05- 5/0538
A61B 5/24- 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線アセンブリであって、
前記配線アセンブリの第1の端部においてセンサから差分信号を受信するように構成されている差分入力ポートと、
前記配線アセンブリの第2の端部において、前記差分信号を出力するように構成されている差分出力ポートと、
互いに対して三次元(3D)で交差する構成にレイアウトされ、前記差分信号を前記第1の端部から前記第2の端部へと伝導し、前記配線アセンブリによる磁場のピックアップを打ち消すように構成されている導電体の第1の対及び第2の対であって、各対のうちの前記導電体どうしは、前記第1の端部及び前記第2の端部において互いに接続されている、導電体の第1の対及び第2の対と、を備える、配線アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の対が第1の導電体及び第2の導電体を含み、かつ前記第2の対が第3の導電体及び第4の導電体を含み、
前記配線アセンブリは、前記配線アセンブリの長手方向軸線に沿ってレイアウトされた4つのセクションを含み、
前記第1の導電体が、右上セクションにレイアウトされ、前記第2の導電体は左下セクションにレイアウトされ、前記第3の導電体は左上セクションにレイアウトされ、前記第4の導電体は右下セクションにレイアウトされている、請求項1に記載の配線アセンブリ。
【請求項3】
基板と、
前記基板の第1の側に配設された第1の層と、
前記基板の第2の側に配設された第2の層と、
を有する回路基板(CB)を備え、
前記第1の導電体及び前記第3の導電体が、前記第1の層内で互いに平行に形成された第1の電気トレース及び第3の電気トレースを含み、
前記第2の導電体及び前記第4の導電体が、前記第2の層内で互いに平行に形成された第2の電気トレース及び第4の電気トレースを含み、
前記第1の電気トレース及び前記第4の電気トレースが、前記基板を挟んで互いに向かい合っており、
前記第2の電気トレース及び前記第3の電気トレースが、前記基板を挟んで互いに向かい合っている、請求項2に記載の配線アセンブリ。
【請求項4】
基板と、
前記基板の第1の側に配設された第1の層と、
前記基板の第2の側に配設された第2の層と、
を有する回路基板(CB)を備え、
前記第1の対及び前記第2の対の前記導電体が、前記回路基板(CB内に形成された電気トレースを含む、請求項1に記載の配線アセンブリ。
【請求項5】
前記差分出力ポートは、前記差分信号を増幅するために差分増幅器に電気的に接続するように構成されている、請求項1に記載の配線アセンブリ。
【請求項6】
配線アセンブリを製造する方法であって、
前記配線アセンブリの第1の端部においてセンサから差分信号を受信するための差分入力ポートを提供することと、
前記配線アセンブリの第2の端部において前記差分信号を出力するための差分出力ポートを提供することと、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に、互いに対して三次元(3D)で交差する構成で、導電体の第1の対及び第2の対をレイアウトし、前記導電体の各対を、前記第1の端部及び前記第2の端部で互いに接続することと、
前記導電体の各対を、前記第1の端部において前記差分入力ポートに連結し、かつ前記第2の端部において前記差分出力ポートに連結することと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記第1の対が第1の導電体及び第2の導電体を含み、かつ前記第2の対が第3の導電体及び第4の導電体を含み、
前記配線アセンブリが、前記配線アセンブリの長手方向軸線に沿ってレイアウトされた4つのセクションを備え、
前記第1の対及び前記第2の対をレイアウトすることが、
(a)右上セクションに前記第1の導電体を、
(b)左下セクションに前記第2の導電体を、
(c)左上セクションに前記第3の導電体を、
(d)右下セクションに前記第4の導電体を
レイアウトすることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
基板を有する回路基板(CB)を提供することと、
前記基板の第1の側に第1の層を配設することと、
前記基板の第2の側に第2の層を配設することと、を含み、
前記第1の導電体及び前記第3の導電体をレイアウトすることは、前記第1の層内で互いに平行に、第1の電気トレース及び第3の電気トレースを形成することを含み、
前記第2の導電体及び第4の導電体をレイアウトすることは、前記第2の層内で互いに平行に、第2の電気トレース及び第4の電気トレースを形成することを含み、
前記第1の電気トレース及び前記第4の電気トレースが、前記基板を挟んで互いに向かい合っており、かつ前記第2の電気トレース及び前記第3の電気トレースが、前記基板を挟んで互いに向かい合っている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
基板を有する回路基板(CB)を提供することと、
前記基板の第1の側に第1の層を配設することと、
前記基板の第2の側に第2の層を配設することと、を含み、
前記第1の対及び前記第2の対の前記導電体をレイアウトすることが、前記回路基板(CB内に電気トレースを形成することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記差分信号を増幅するために、前記差分出力ポートを差分増幅器に電気的に接続することを含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電子システムにおけるノイズ及び干渉の低減に関し、特に、磁気位置追跡システムにおいて誘導される寄生電圧を低減するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気位置追跡システムなどのいくつかの電子システムは、体内プローブとコントローラとの間で電気信号を伝導する。電気信号は、磁場の存在下で誘導される寄生電圧を生じやすい。電子システムが、誘導された寄生電圧からより影響を受けにくくするために、様々な技術が使用され得る。
【0003】
例えば、米国特許第5,371,469号は、環境の特性を測定するための定電流ループ測定システムを記載している。システムは、環境内に位置付けられた第1のインピーダンスと、第1のインピーダンスと直列に結合された第2のインピーダンスと、第1及び第2のインピーダンスに電気的に結合された寄生インピーダンスとを備える。前記第1及び第2インピーダンスと直列に電気的に結合された電流発生装置が、第1及び第2インピーダンスを介して定電流を提供すると、第1及び第2のインピーダンスそれぞれの両端間にはそれぞれ第1及び第2の電圧が生成され、寄生インピーダンスの両端間には寄生電圧が生成される。高インピーダンス電圧測定装置が、寄生電圧とは無関係に、第1電圧と第2電圧との間の電圧差を測定して、環境の特性を表す特性電圧を生成する。
【0004】
米国特許出願公開第2014/0113828号は、極めて低抵抗の(ELR)材料から形成される構成要素を含む、電気装置、機械装置、計算機、及び/又は他の装置を記載し、そのELR材料としては、変性ELR材料、積層ELR材料、及び新しいELR材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で説明される本発明の一実施形態は、差分入力ポートと、差分出力ポートと、第1の対の導電体及び第2の対の導電体と、を含む配線アセンブリを提供する。差分入力ポートは、配線アセンブリの第1の端部においてセンサから差分信号を受信するように構成されている。差分出力ポートは、配線アセンブリの第2の端部において差分信号を出力するように構成されている。導電体の第1の対及び第2の対は、互いに対して三次元(3D)で交差する構成にレイアウトされ、第1の端部から第2の端部に差分信号を伝導し、配線アセンブリによる磁場のピックアップを打ち消すように構成されている。各対のうちの導電体どうしは、第1の端部及び第2の端部において、互いに接続される。
【0006】
一部の実施形態では、第1の対は第1の導電体及び第2の導電体を含み、第2の対は第3の導電体及び第4の導電体を含む。配線アセンブリは、配線アセンブリの長手方向軸線に沿ってレイアウトされた4つのセクションを含む。第1の導電体は、右上セクションにレイアウトされ、第2の導電体は左下セクションにレイアウトされ、第3の導電体は左上セクションにレイアウトされ、第4の導電体は右下セクションにレイアウトされている。他の実施形態では、配線アセンブリは、基板と、基板の第1の側に配設された第1の層と、基板の第2の側に配設された第2の層と、を有する回路基板(CB)を含む。第1の導電体及び第3の導電体は、第1の層内で互いに平行に形成された、第1の電気トレース及び第3の電気トレースを含む。第2の導電体及び第4の導電体は、第2の層内で互いに平行に形成された、第2の電気トレース及び第4の電気トレースを含む。第1の電気トレース及び第4の電気トレースは、基板を挟んで互いに向かい合っており、第2の電気トレース及び第3の電気トレースは、基板を挟んで互いに向かい合っている。
【0007】
一実施形態では、配線アセンブリは、基板と、基板の第1の側に配設された第1の層と、基板の第2の側に配設された第2の層とを有する回路基板(CB)を含む。第1の対及び第2の対のうちの導電体は、CB内に形成された電気トレースを含む。別の実施形態では、差分出力ポートは、差分信号を増幅するために、差分増幅器に電気的に接続するように構成される。
【0008】
本発明の一実施形態によると、配線アセンブリの製造方法が更に提供され、その方法は、配線アセンブリの第1の端部においてセンサから差分信号を受信するための差分入力ポートを設けることを含む。差分出力ポートが、配線アセンブリの第2の端部において差分信号を出力するために設けられている。導電体の第1の対及び第2の対は、第1の端部と第2の端部との間に、互いに対して三次元(3D)で交差する構成にレイアウトされ、各対のうちの導電体どうしは、第1の端部及び第2の端部において互いに接続されている。各対のうちの導電体どうしは、第1の端部で差分入力ポートに、及び第2の端部で差分出力ポートに結合される。
【0009】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を図面と併せて考慮することで、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による、カテーテルベースの磁気位置追跡及びアブレーションシステムの概略的な描画説明図である。
図2】本発明の一実施形態による、磁気ピックアップノイズを打ち消すための配線アセンブリの概略ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態による、磁気ピックアップノイズを打ち消すための三次元(3D)配線アセンブリの概略的な描画説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概論
以下に記載される本発明の実施形態は、交番磁界によって配線アセンブリ内に誘導され得る寄生電圧を低減するための、改良された技術を提供する。交番磁界は、例えば身体の器官内の医療用プローブの位置を追跡するためのような医療用途に使用されることがある。
【0012】
一部の実施形態では、磁気位置センサは、医療用プローブの遠位端に連結され、位置追跡システムの交番磁界に応答して、遠位端の、患者の体内における位置を示す差分信号を生成するように構成されている。
【0013】
一部の実施形態では、医療用プローブは、配線アセンブリを備え、配線アセンブリは、配線アセンブリの近位端に連結された差分増幅器に、位置センサから差分信号を伝導するように構成される。
【0014】
一部の実施形態では、配線アセンブリは、配線アセンブリの遠位端において差分信号を受信するように構成された差分入力ポートと、差分信号を増幅器に出力するように構成された差分出力ポートと、を備える。
【0015】
一部の実施形態では、配線アセンブリは、回路基板(CB)を更に備え、その回路基板(CB)は、配線アセンブリの近位端と遠位端との間で差分信号を伝導するように構成された、2対の電気トレースを有する。その2対は、配線アセンブリの長手方向軸に沿って、互いに対して三次元(3D)で交差する構成でパターン化される。各対のうちのトレースどうしは、配線アセンブリの入力ポート及び出力ポートの両方で互いに電気的に接続されている。トレースの2対は、本明細書では、第1の対及び第2の対とも称される。
【0016】
例示的な実施形態では、第1の対は、第1のトレース及び第2のトレースを含み、第2の対は、第3のトレース及び第4のトレースを含む。3Dで交差する構成では、第1の対の第1及び第2のトレースがそれぞれ、CBの左上及び右下側にレイアウトされ、第2の対の第3及び第4のトレースがそれぞれ、CBの右上及び左下側にレイアウトされる。
【0017】
この構成では、第1及び第2のトレースは、入力ポート及び出力ポートのそれぞれにおいて、CBの左上側と右下側との間の第1の対角線方向において相互接続される。同様に、第3及び第4のトレースは、各ポートにおいて、CBの右上側と左下側との間の第2の対角線方向において相互接続される。なお、第1及び第2の対角線は互いに空間的に交差するが、対角線に沿ったトレースは電気的に接続されないことに留意されたい。
【0018】
一部の実施形態では、上述のような対角線方向接続の構成は、配線アセンブリの入力ポート及び出力ポートにおいて実装される。この構成では、第1の対及び第2の対は、それぞれ、同様の断面積を有する第1の導電性ループ及び第2の導電性ループを形成する。したがって、ほぼ等しい磁束(位置追跡システムの交番磁界によって生成される)が、第1のループ及び第2のループを横断する。しかしながら、その2つのループは、互いに反対の向きを有する(すなわち、一方は時計回りの向きを有し、他方は反時計回りの向きを有する)。したがって、交番磁界(第1の寄生電圧及び第2の寄生電圧、又は第1の磁気ピックアップ及び第2の磁気ピックアップと呼ばれる)によって、2つのループに誘導される寄生電圧は、同様の絶対値を有するが、反対の極性を有する。したがって、第1の寄生電圧及び第2の寄生電圧は、配線アセンブリの出力ポートにおいて、互いに打ち消されるか、又は少なくとも大幅に低減される。
【0019】
開示された技術は、医療用プローブの遠位端に連結された様々な種類のセンサから受信された信号内の外部磁場によって誘発される、望ましくないノイズを打ち消すために使用され得る。更に、開示された技術は、外部磁場によって誘導された干渉に対して電気信号を保護するため、例えば磁気共鳴映像(MRI)システムのような、任意の電子システム内に実装されてもよい。
【0020】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、カテーテルベースの磁気位置追跡及びアブレーションシステム20の概略的な描画説明図である。システム20は、医師30によって血管系を介して患者28の心臓26に誘導される、シャフト遠位端22を有するカテーテル21を備える。一部の実施形態では、医師30は、カテーテル21の近位端近くに位置する遠隔操縦器32を使用して、シャフト遠位端22を操作しながら、シース23からシャフト遠位端22を挿入する。
【0021】
ここでインセット25を参照する。一部の実施形態では、システム20は、磁気センサ51(本明細書では磁気位置追跡センサと呼ばれるもの、又は簡略化のためセンサ51とも呼ばれるもの)と、アブレーションカテーテル50とを備え、センサ51とアブレーションカテーテル50とは遠位端22に連結されている。
【0022】
そのような実施形態では、カテーテル21は、例えば、心臓26の電気生理学的(EP)マッピング、及び心臓26の選択された組織のアブレーションなどの様々な処置に使用され得る。
【0023】
一部の実施形態では、カテーテル21の近位端は、導線及び/又はトレースを介して制御コンソールボックス24に電気的に接続される。一実施形態では、コンソールボックス24は、プロセッサ39及びインターフェース回路38を備え、インターフェース回路38は、プロセッサ39と、システム20の様々な構成要素及びアセンブリとの間で信号を交換するように構成されている。
【0024】
一部の実施形態では、インターフェース回路38は、カテーテル21、及びシステム20の他のセンサから電気信号を受信するように構成されている。回路38は、電気信号を、プロセッサ38からシステム20の他の構成要素及びアセンブリに送信するように更に構成されているが、具体的には、心臓26の組織をアブレーションしたり、システム20の他の構成要素及びアセンブリを制御したりするために、カテーテル21を介して電力を印加する。
【0025】
一部の実施形態では、システム20は、交番磁界を生成するように構成されている複数の(例えば、3つの)磁場発生器36を備える。磁場発生器36は、例えば、患者台29の下など、患者28の外部の既知の位置に配置される。
【0026】
一部の実施形態では、コンソールボックス24は、駆動回路34とディスプレイ27とを更に備え、駆動回路34は、磁場発生器36を駆動するように構成されている。
【0027】
医療処置の間、医師30は、カテーテル21の遠位端22を、心臓26内で誘導する。一部の実施形態では、磁気センサ51は、磁場発生器36から放出された磁場に応答して、心臓26内での遠位端22の位置を示す差分電気信号(差分信号又は位置信号とも称される)を生成するように構成されている。
【0028】
一部の実施形態では、プロセッサ39は、センサ51から受信した差分信号に基づいて、例えばディスプレイ27上に、システム20の座標系内の遠位端22の位置を表示するように構成されている。
【0029】
この位置検出方法は、例えば、Biosense Webster Inc.(Irvine,Calif.)が製造するCARTO(商標)システムにおいて実現されており、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号及び同第2004/0068178(A1)号に詳細に記載されており、それらの開示は全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
プロセッサ39は通常、本明細書に記載される機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされた汎用プロセッサを含む。ソフトウェアは、例えば、ネットワーク上で、コンピュータに電子形態でダウンロードすることができるか、又は代替として、又は更には、磁気メモリ、光学メモリ若しくは電子メモリなどの、非一時的実体的媒体上で提供及び/若しくは記憶されてもよい。
【0031】
複数のトレースを有する配線アセンブリを使用した磁気ピックアップの打ち消し
図2は、本発明の一実施形態による、カテーテル21の配線アセンブリ111の概略ブロック図である。一部の実施形態では、配線アセンブリ111は、本明細書では増幅器52と称される差分増幅器などの電気的読み出し回路を介して、センサ51とコンソールボックス24との間で前述の差分信号を伝導するために、カテーテル21内に実装されてもよい。
【0032】
一部の実施形態では、配線アセンブリ111は、配線アセンブリ111の遠位端に配置されたセンサ51から、差分信号を受信するように構成された差分入力ポート100を備える。一部の実施形態では、配線アセンブリ111は、入力ポート100から受信した差分信号を、配線アセンブリ111の近位端に配置された増幅器52に出力するように構成された差分出力ポート101を更に備える。
【0033】
一部の実施形態では、増幅器52は、カテーテル21に沿った任意の好適な位置に取り付けられてもよい。例えば、増幅器52は、医師30によって保持される遠隔操縦器32内に、又はカテーテル21の近位端に連結されたコンソールボックス24内に取り付けられてもよい。
【0034】
一部の実施形態では、入力ポート100は、センサ51のコイルのそれぞれの端部に結合された入力点60a及び入力点60bを含む。出力ポート101は、差分増幅器52のそれぞれの入力に結合された出力点62a及び出力点62bを含む。
【0035】
一部の実施形態では、配線アセンブリ111は、ポート100とポート101との間に電気的に接続された、本実施例では、電気トレース54a及び電気トレース54bである、第1の導電体差分対を備える。図2の例示的構成では、トレース54aは入力点60aと出力点62aとの間で電気的に接続され、トレース54bは入力点60bと出力点62bとの間で電気的に接続される。
【0036】
一部の実施形態では、トレース54a及びトレース54bは、ポート100及びポート101を介してセンサ51から増幅器52へと、前述の差分信号を伝導するように構成される。上記図1に記載されるように、磁場発生器36は、患者28の身体内に、配線アセンブリ111を横断する磁力線48として示される1つ以上の交番磁界を生成する。
【0037】
配線アセンブリ111が差分信号を伝導するとき、磁界は、矢印88によって示される、時計回り(CW)ループ内に第1の寄生電圧を誘導し得る。誘導された第1の寄生電圧の値は、とりわけ、ループを横断する磁界の大きさ及び方向に依存し、かつ、CWループ内に所定の極性(例えば、正)を有するということに留意されたい。第1の寄生電圧は、増幅器52の入力において差分信号を歪ませる場合があり、したがって、磁気位置追跡システムの精度及び全体的性能を低減させる場合がある。
【0038】
本発明の文脈において、また請求項において、用語「磁気ピックアップ」、「磁場ピックアップ」、「磁気ノイズピックアップ」、及び「寄生電圧」は、互換的に使用され、図2のY-Z平面に平行ではない任意の方向に配線アセンブリ111を横断する磁場によって誘導される望ましくない電圧を指す。上述のように、寄生電圧は、センサ51によって生成された差分信号に干渉させる場合があるため、システム20の位置追跡性能を低減させる場合がある。
【0039】
一部の実施形態では、配線アセンブリ111は、本実施例では、電気トレース55a及び電気トレース55bである、第2の導電体対を更に備え、それらの第2の導電体対は、ポート100とポート101との間で差分信号を伝導するように構成されている。一部の実施形態では、トレース55aは入力点60aと出力点62aとの間で電気的に接続され、トレース55bは入力点60bと出力点62bとの間で電気的に接続される。
【0040】
一部の実施形態では、トレース54a及びトレース55aは、入力ポート60a及び出力ポート62aにおいて、互いに電気的に接続される。同様に、トレース54b及びトレース55bは、入力ポート60b及び出力ポート62bにおいて、互いに電気的に接続される。
【0041】
一部の実施形態では、差分信号を伝導する際に、磁力線48は、矢印99によって示される反時計回り(CCW)ループ内に、負の極性を有する第2の寄生電圧を、配線アセンブリ111内に誘導する場合がある。一実施形態では、配線アセンブリ111は、CWループ及びCCWループ内の領域が実質的に同様であるように設計される。結果として、第1の寄生電圧及び第2の寄生電圧は、実質的に同様の絶対値を有するが、反対の極性を有し得る。したがって、この構成では、第1の寄生電圧及び第2の寄生電圧が互いに打ち消されることになる。
【0042】
したがって、配線アセンブリ111は、差分信号が、センサ51と増幅器52との間で、横断的磁場の存在下で伝導される際には、誘導された寄生電圧を互いに打ち消させるように構成される。
【0043】
この実施形態では、配線アセンブリ111がセンサ51と増幅器52との間で差分信号を伝導させると、第1の寄生電圧及び第2の寄生電圧が互いに打ち消され、その結果、センサ51によって生成される差分信号に対する干渉が低減されることになる。
【0044】
例えば、センサ51は、数十マイクロボルト~数十ミリボルトの好適な差分信号を生成することができる。例えば、概ねマイクロヘンリーレベル~概ねヘンリーレベルの交番磁界に応答して、第1及び第2のループはそれぞれの、数十マイクロボルト~数十ミリボルトの磁気ピックアップを誘導することができる。
【0045】
他の実施形態では、上記の第1の対及び第2の対は、ワイヤ又はリードなどの任意の他の好適な種類の導電体を含んでもよい。配線アセンブリの構成はまた、例えば、本特許出願の譲受人に譲渡され、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第16/018,614号にも記載されている。
【0046】
配線アセンブリ111のこの特定の構成は、本発明の実施形態によって対処される特定の問題(例えば、誘導される寄生電圧の問題)を例示し、かつこれらの実施形態を適用してシステム20の性能を向上させることを実証するために示される。しかしながら、本発明の実施形態は決して、この特定の種類の例示的構成に限定されるものではなく、本明細書に記載される原理は、様々な種類の横断的外部場の存在下で動作する他の種類の電子システムにおける磁気ピックアップを打ち消すために、他の種類の配線アセンブリに同様に適用され得る。
【0047】
3D配線アセンブリを使用した磁気ピックアップの打ち消し
図3は、本発明の一実施形態による、配線アセンブリ200の概略的な描画説明図である。一部の実施形態では、配線アセンブリ200は、上記の図2の配線アセンブリ111の三次元(3D)構成バージョンを実装する。
【0048】
一部の実施形態では、カテーテル21がセンサ51と増幅器52との間で前述の差分信号を伝導する際に、上述のように磁場によって誘導された磁気ピックアップノイズを打ち消させるように、カテーテル21に配線アセンブリ200が統合されてもよい。追加的に又は代替的に、配線アセンブリ200は、外部磁場によって影響され得るシステム20の任意の他の構成要素どうしの間で、電気信号を伝導するように構成されている。
【0049】
一部の実施形態では、配線アセンブリ200は、図3のXYZ座標系のX-Y平面における一般性を失うことなく、レイアウトされた回路基板(CB)210を備える。
【0050】
一部の実施形態では、CB210は、典型的には多層エポキシから作製され、予め含浸された(「プリプレグ」)ガラス繊維の織り物によって強化された基材204、又は任意の他の好適な材料から作製された基材204を含む。
【0051】
ここで、XYZ座標系のX-Z平面における配線アセンブリ200の断面図216であるインセット208を参照する。
【0052】
概念を明確にするために、配線アセンブリ200の断面図216及びインセット208は、配線アセンブリ200の長手方向軸線であるY軸に沿った4つの仮想セクションに分割される。4つの仮想セクションは、左上(UL)セクション、右上(UR)セクション、左下(LL)セクション、及び右下(LR)セクションを含む。4つのセクションは、破線215及び217によって互いに分離され、各セクションは、インセット208のフレーム内に限定される。図3の実施例では、全てのセクションは、同様の面積を有するが、他の実施形態では、セクションのうちの少なくとも1つは、異なる面積を有してもよい。
【0053】
一部の実施形態では、CB210は、それぞれが基板204の上面212及び下面214上にそれぞれ形成された1つ以上の副層からそれぞれ形成される、任意の好適なポリマー系層202及び層206を含む。なお、基板204並びに層202及び層206は、電気絶縁性である。
【0054】
再び、図3に示す配線アセンブリ200の等角図を参照する。一部の実施形態では、配線アセンブリ200は、Y軸に沿って配置された2対の導電体を備える。第1の対は電気トレース220a及び電気トレース220bを含み、第2の対は電気トレース230a及び電気トレース230bを含む。
【0055】
一部の実施形態では、第1の対の電気トレース及び第2の対の電気トレースは、互いに対して三次元(3D)で交差する構成でレイアウトされる。この構成では、各対のうちのトレースは、インセット208の斜め方向のセクション内にレイアウトされる。
【0056】
例えば、電気トレース220a及び電気トレース220bは、それぞれ、インセット208の、互いに対角線上にある、ULセクション及びLRセクション内にレイアウトされる。同様に、電気トレース230a及び電気トレース230bは、それぞれ、インセット208の、やはり互いに対角線上にあるURセクション及びLLセクション内にレイアウトされる。したがって、2対の導電体は、互いに対して3Dで交差する構成にレイアウトされている。
【0057】
一部の実施形態では、電気トレースは、層202及び層206内にパターン化され、したがって、基板204並びに層202及び層206によって互いに電気的に絶縁される。
【0058】
一部の実施形態では、第1の対及び第2の対それぞれのうちの電気トレース220a及び電気トレース230aが層202内に配設され、第1の対及び第2の対それぞれのうちの電気トレース220b及び電気トレース230bが層206内に配設される。
【0059】
一部の実施形態では、X軸又はZ軸に沿って隣接する電気トレースどうしは、互いに所定の距離内に配置される。例えば、トレース220aとトレース230bとの間及びトレース230aとトレース220bとの間は、第1の、実質的に同様の距離となっている。同様に、トレース220aとトレース230aとの間及びトレース220bとトレース230bとの間は、第2の、実質的に同様の距離となっている。一実施形態では、第1の距離及び第2の距離は、互いに実質的に同様である。換言すれば、X軸及びZ軸に沿って互いに隣接する電気トレースどうしは、互いに同様の距離内に配置される。
【0060】
一部の実施形態では、カテーテル21内に実装される場合、配線アセンブリ200のトレース220a、220b、230a、及び230bは、上の図2に示される入力ポート100及び出力ポート101などの、任意の好適な入力ポート及び出力ポートを使用して、遠位端280でセンサ51(図示せず)に電気的に結合され、かつ、近位端270で増幅器52(図示せず)に電気的に結合される。
【0061】
再びインセット208を参照する。差分信号をトレース220a、220b、230a、及び230bと、磁場発生器36によって生成された前述の交番磁界とに印加すると、配線アセンブリ200は、上の図2において説明したCWループ及びCCWループと同様の、複数のループを有することになる。
【0062】
インセット208の断面図216に示されるように、本明細書でBx及びBzと称される、交番磁界が、それぞれX軸方向及びZ軸方向で、配線アセンブリ200に印加される。なお、Bx及びBzは、明確にするために例として提供されていることに留意されたい。しかしながら、電気生理学的(EP)手術では、実際の交番磁界の方向は、とりわけ磁場発生器36の構成及び遠位端22の向きに依存する。したがって、配線アセンブリ200に印加される実際の交番磁界の方向は、本明細書でBxzと称され、インセット208にも示されるBx及びBzの任意の組み合わせであってよい。
【0063】
一部の実施形態では、配線アセンブリ200の構成は、差分信号及び磁場に応答して、Z軸に沿った第1の対のループ272及びループ274、並びにX軸に沿った第2の対のループ276及びループ278を形成する。交番磁界Bzの磁力線は、ループ272及びループ274の両方を横断することに留意されたい。この構成では、ループ272及びループ274は、それぞれ、上の図2に示されるCWループ及びCCWループに対応する。換言すれば、交番磁界Bzに応答してセンサ51によって生成された差分信号を伝導するとき、ループ272及びループ274は、同様の絶対値を有するが互いに反対の極性を有する寄生電圧を生成する。
【0064】
これらの実施形態では、ループ272及び274に基づいて、配線アセンブリ200は、交番磁界Bzに応答して誘導される寄生電圧を打ち消すように構成される。
【0065】
同様に、交番磁界Bxの磁力線は、ループ276及びループ278の両方を横断する。この構成では、ループ276及びループ278は、それぞれ、上の図2のCWループ及びCCWループに対応する。一部の実施形態では、ループ276及びループ278に基づいて、配線アセンブリ200は、交番磁界Bxに応答して誘導される寄生電圧を打ち消すように構成される。
【0066】
更に、上述のように、CWループとCCWループとの組み合わせは、磁場の任意の組み合わせを打ち消すように構成される。したがって、上記の実施形態によれば、ループ272、274、276、及び276は、BxとBzとの組み合わせとして形成された交番磁界Bxz又は任意の他の交番磁界に応答して誘導される、任意の寄生電圧を打ち消すように更に構成される。
【0067】
再び図3の等角図を参照する。一部の実施形態では、配線アセンブリ200は、近位端270及び遠位端280にそれぞれ配置されたリード線240及びリード線242などの導電体を備える。リード線240及びリード線242は、第1の対の電気トレース220aと電気トレース220bとの間を電気的に接続する。配線アセンブリ200は、第2の対の電気トレース230aと電気とレース230bとの間を、近位端270及び遠位端280においてそれぞれ電気的に接続するリード線250及びリード線252などの追加の導電体を備える。
【0068】
一部の実施形態では、ともに上記図2に示されるように、リード線240及びリード線250が増幅器52に接続され、リード線242及びリード線252がセンサ51に接続されてもよい。配線アセンブリ200の磁気ピックアップを相殺する性能を評価するために、本発明者らは、リード線240、242、250、及び252による暫定的接続を行い、Bx及びBzなどの交番磁界を配線アセンブリ200に印加した。このような実験の1つでは、ノイズレベルが20dB低減したことが測定された。
【0069】
これらの性能評価実施形態では、リード線240、242、250、及び252は試験のためにのみ使用されており、したがって、図3に示される配線アセンブリ200の等角図において破線として示されている。
【0070】
他の実施形態では、配線アセンブリ200のトレースは、選択された方向の交番磁界によって引き起こされる寄生電圧を打ち消すように、異なる構成で配置されてもよい。例えば、第1の対のうちのトレース220bは、第2の対のうちのトレース230aの代わりに配設されてもよく、その逆でも良い。換言すれば、トレース220a及びトレース220bが層202内に配設され、トレース230a及びトレース230bが層206内に配設される。
【0071】
この構成では、配線アセンブリは、2つの対角ループを有してもよく、したがって、交番磁界Bzによって誘導される寄生電圧を打ち消すように構成されるのに対し、交番磁界Bxによって誘導される寄生電圧は打ち消されない。
【0072】
別の例示的な構成では、トレース220a及びトレース220bは、配線アセンブリ200のURセクション及びLRセクション内にそれぞれ配設され、トレース230a及びトレース230bは、配線アセンブリ200のULセクション及びLLセクション内にそれぞれ配設される。
【0073】
この構成では、配線アセンブリ200は、2つの対角ループを有してもよく、したがって、交番磁界Bxによって誘導される寄生電圧を打ち消すように構成されるのに対し、交番磁界Bzによって誘導される寄生電圧は打ち消されない。
【0074】
配線アセンブリ200のこの特定の構成は、本発明の実施形態によって対処される特定の問題を例示するため、及びシステム20内に含まれる磁気位置追跡システムの性能を向上させることにおけるこれらの実施形態の適用を実証するため、例として示される。しかしながら、本発明の実施形態は、この特定の種類の例示的な配線アセンブリ及び磁気位置追跡システムに限定されるものではなく、本明細書に記載される原理は、交番磁界及び/又は電界下で動作する、他の種類の電子システムにも同様に適用され得る。
【0075】
本明細書に記載される実施形態は、主に低侵襲性医療用途で使用される磁気位置追跡システムに対処するものであるが、本明細書に記載される方法及びシステムは、外部磁場によって影響される低振幅差分信号の任意の送信などの他の用途にも使用することができる。
【0076】
したがって、上記に述べた実施形態は、例として引用したものであり、また本発明は、上文に具体的に示し説明したものに限定されないことが理解されよう。むしろ本発明の範囲は、上述の様々な特徴の組み合わせ及びその一部の組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者により想到されるであろう、また従来技術において開示されていないそれらの変形及び修正を含むものである。参照により本特許出願に援用される文献は、これらの援用文献においていずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾して定義されている場合には、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の一部とみなすものとする。
【0077】
〔実施の態様〕
(1) 配線アセンブリであって、
前記配線アセンブリの第1の端部においてセンサから差分信号を受信するように構成されている差分入力ポートと、
前記配線アセンブリの第2の端部において、前記差分信号を出力するように構成されている差分出力ポートと、
互いに対して三次元(3D)で交差する構成にレイアウトされ、前記差分信号を前記第1の端部から前記第2の端部へと伝導し、前記配線アセンブリによる磁場のピックアップを打ち消すように構成されている導電体の第1の対及び第2の対であって、各対のうちの前記導電体どうしは、前記第1の端部及び前記第2の端部において互いに接続されている、導電体の第1の対及び第2の対と、を備える、配線アセンブリ。
(2) 前記第1の対が第1の導電体及び第2の導電体を含み、かつ前記第2の対が第3の導電体及び第4の導電体を含み、
前記配線アセンブリは、前記配線アセンブリの長手方向軸線に沿ってレイアウトされた4つのセクションを含み、
前記第1の導電体が、右上セクションにレイアウトされ、前記第2の導電体は左下セクションにレイアウトされ、前記第3の導電体は左上セクションにレイアウトされ、前記第4の導電体は右下セクションにレイアウトされている、実施態様1に記載の配線アセンブリ。
(3) 基板と、
前記基板の第1の側に配設された第1の層と、
前記基板の第2の側に配設された第2の層と、
を有する回路基板(CB)を備え、
前記第1の導電体及び前記第3の導電体が、前記第1の層内で互いに平行に形成された第1の電気トレース及び第3の電気トレースを含み、
前記第2の導電体及び前記第4の導電体が、前記第2の層内で互いに平行に形成された第2の電気トレース及び第4の電気トレースを含み、
前記第1の電気トレース及び前記第4の電気トレースが、前記基板を挟んで互いに向かい合っており、
前記第2の電気トレース及び前記第3の電気トレースが、前記基板を挟んで互いに向かい合っている、実施態様2に記載の配線アセンブリ。
(4) 基板と、
前記基板の第1の側に配設された第1の層と、
前記基板の第2の側に配設された第2の層と、
を有する回路基板(CB)を備え、
前記第1の対及び前記第2の対の前記導電体が、前記CB内に形成された電気トレースを含む、実施態様1に記載の配線アセンブリ。
(5) 前記差分出力ポートは、前記差分信号を増幅するために差分増幅器に電気的に接続するように構成されている、実施態様1に記載の配線アセンブリ。
【0078】
(6) 配線アセンブリを製造する方法であって、
前記配線アセンブリの第1の端部においてセンサから差分信号を受信するための差分入力ポートを提供することと、
前記配線アセンブリの第2の端部において前記差分信号を出力するための差分出力ポートを提供することと、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に、互いに対して三次元(3D)で交差する構成で、導電体の第1の対及び第2の対をレイアウトし、前記導電体の各対を、前記第1の端部及び前記第2の端部で互いに接続することと、
前記導電体の各対を、前記第1の端部において前記差分入力ポートに連結し、かつ前記第2の端部において前記差分出力ポートに連結することと、
を含む、方法。
(7) 前記第1の対が第1の導電体及び第2の導電体を含み、かつ前記第2の対が第3の導電体及び第4の導電体を含み、
前記配線アセンブリが、前記配線アセンブリの長手方向軸線に沿ってレイアウトされた4つのセクションを備え、
前記第1の対及び前記第2の対をレイアウトすることが、
(a)右上セクションに前記第1の導電体を、
(b)左下セクションに前記第2の導電体を、
(c)左上セクションに前記第3の導電体を、
(d)右下セクションに前記第4の導電体を
レイアウトすることを含む、実施態様6に記載の方法。
(8) 基板を有する回路基板(CB)を提供することと、
前記基板の第1の側に第1の層を配設することと、
前記基板の第2の側に第2の層を配設することと、を含み、
前記第1の導電体及び前記第3の導電体をレイアウトすることは、前記第1の層内で互いに平行に、第1の電気トレース及び第3の電気トレースを形成することを含み、
前記第2の導電体及び第4の導電体をレイアウトすることは、前記第2の層内で互いに平行に、第2の電気トレース及び第4の電気トレースを形成することを含み、
前記第1の電気トレース及び前記第4の電気トレースが、前記基板を挟んで互いに向かい合っており、かつ前記第2の電気トレース及び前記第3の電気トレースが、前記基板を挟んで互いに向かい合っている、実施態様7に記載の方法。
(9) 基板を有する回路基板(CB)を提供することと、
前記基板の第1の側に第1の層を配設することと、
前記基板の第2の側に第2の層を配設することと、を含み、
前記第1の対及び前記第2の対の前記導電体をレイアウトすることが、前記CB内に電気トレースを形成することを含む、実施態様6に記載の方法。
(10) 前記差分信号を増幅するために、前記差分出力ポートを差分増幅器に電気的に接続することを含む、実施態様6に記載の方法。
図1
図2
図3