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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
A47J27/00 103E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020092412
(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公開番号】P2021186075
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下峰 実
(72)【発明者】
【氏名】加藤 善光
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 祥紀
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-117989(JP,A)
【文献】特開2001-224497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内釜と、
前記内釜を収納する本体と、
前記内釜の上方を覆う内蓋と、
前記内蓋を着脱自在に設け、前記本体の上方を覆う蓋体と、を備え、
前記蓋体は、前記内釜内で発生した蒸気が流動する蒸気排出手段を備え、
前記蓋体内部には、前記蒸気排出手段を取付ける収容部が形成され、
前記蒸気排出手段は、前記内蓋を前記蓋体から取り外した状態で前記収容部の取付け用孔から引き出すことで前記収容部から取り外すことができ、前記取付け用孔から押し込むことで前記収容部に取り付けることができ、
前記蒸気排出手段は、前記内釜内の前記蒸気を取り込む取込口と、前記蒸気排出手段の外部に排出する排出口と、を有し、
前記収容部には前記蒸気を器外に排出する器外排出口が形成され、
前記蒸気排出手段の内部に形成された第1の蒸気排出経路と、前記蒸気排出手段と前記収容部の壁部との間に形成された第2の蒸気排出経路と、を有することを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記取付け用孔の周囲にパッキンが取り付けられており、
前記蒸気排出手段を前記収容部に装着した時に、前記蒸気排出手段が前記パッキンに密着することを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記蓋体の天面には、蒸気口が開口形成されており、
前記器外排出口は、前記蒸気口に挿通され、先端が器外に突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記第2の蒸気排出経路が、前記蒸気を少なくとも水平方向に流動させるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項5】
前記器外排出口が前記排出口の真上に位置しないことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の炊飯器。
【請求項6】
前記蒸気排出手段は、互いに着脱自在な第1部材と第2部材を有し、
前記第1部材を構成する底板部には、前記蒸気排出手段を前記蓋体から取外す際に把持する取手が形成され、
前記第2部材には、前記第1部材と前記第2部材との取外し方向を規制する規制部が形成され、
前記蒸気排出手段を前記蓋体から取外す際に、前記取手を引くと、前記規制部が前記底板部に当接する方向に力が付与されることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の炊飯器。
【請求項7】
前記取付け用孔は、前記内釜内と連通し
前記収容部は、前記取付け用孔と前記器外排出口以外の貫通孔を有し、
前記貫通孔が閉塞部材により閉塞されることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おねばや水滴(露)などが排出され難い蒸気排出経路を備える炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炊飯器内の蒸気を炊飯器外へ排出する蒸気用開口が形成された炊飯器が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の炊飯器は、炊飯器内と蒸気用開口を連通する蒸気排出経路が設けられており、蒸気はこの蒸気排出経路内を流動し、蒸気用開口から外部へ排出される構造となっている。
【0003】
炊飯器による炊飯工程においては、内釜内の圧力が大気圧以上となることがあり、蒸気排出経路などに付着したおねばや水滴(露)が蒸気と共に蒸気排出経路内を流動し、蒸気用開口から噴き出す虞があった。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の炊飯器は、蒸気排出経路を構成する通路部材に複数の貫通
孔を形成した仕切壁を設け、おねばや水滴(露)は仕切壁に付着し、蒸気が貫通孔を通過することで、蒸気は外部へ排出されるが、おねばや水滴(露)は外部へ飛散し難くする構造が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-198439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、仕切壁に形成された複数の貫通孔の真上に蒸気口及び蒸気用開口が配置されているため、特に炊飯量が多い場合に仕切壁に付着せず、貫通孔を通過したおねばや水滴(露)は、上方に流動し、蒸気口から外部に排出されてしまう虞があった。
【0007】
そこで、本発明は、おねばや水滴(露)が外部に排出され難い蒸気排出経路を備える炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の炊飯器は、内釜と、前記内釜を収納する本体と、前記内釜の上方を覆う内蓋と、前記内蓋を着脱自在に設け、前記本体の上方を覆う蓋体と、を備え、前記蓋体は、前記内釜内で発生した蒸気が流動する蒸気排出手段を備え、前記蓋体内部には、前記蒸気排出手段を取付ける収容部が形成され、前記蒸気排出手段は、前記内蓋を前記蓋体から取り外した状態で前記収容部の取付け用孔から引き出すことで前記収容部から取り外すことができ、前記取付け用孔から押し込むことで前記収容部に取り付けることができ、前記蒸気排出手段は、前記内釜内の前記蒸気を取り込む取込口と、前記蒸気排出手段の外部に排出する排出口と、を有し、前記収容部には前記蒸気を器外に排出する器外排出口が形成され、前記蒸気排出手段の内部に形成された第1の蒸気排出経路と、前記蒸気排出手段と前記収容部の壁部との間に形成された第2の蒸気排出経路と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の炊飯器によれば、おねばや水滴(露)が外部に排出され難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態を示す炊飯器の外観斜視図である。
図2】同、蒸気排出手段を取付けた状態の炊飯器の縦断面図である。
図3】同、内蓋組立ユニットを上面側から見た斜視図である。
図4】同、内蓋組立ユニットを下面側から見た斜視図である。
図5】同、蒸気排出手段の外観斜視図である。
図6】同、蒸気排出手段の外観斜視図である。
図7】同、蒸気排出手段の後面側を撮影した写真である。
図8】同、蒸気排出手段の底面側を撮影した写真である。
図9】同、蒸気口組立の斜視図である。
図10】同、調圧弁ホルダ組立の底面側を撮影した写真である。
図11】同、放熱板の下面側から蓋体の内部を覗き込んだ図である。
図12】同、蒸気排出手段の取外し操作を示す図である。
図13】同、蒸気排出手段を取外した状態を示す図である。
図14】同、蓋体を開けた状態の炊飯器の斜視図である。
図15】同、蒸気口組立から調圧弁ホルダ組立を取外す操作を示す図である。
図16】同、図14のA部を拡大した図である。
図17】同、蓋体内部の蒸気排出経路を示す要部断面図である。
図18】同、炊飯器の横断面図である。
図19】同、炊飯器の平面図である。
図20】同、電気的構成を示すブロック図である。
図21】同、蒸気排出手段を取付けていない状態の炊飯器の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明における好ましい加熱調理器の実施形態について、添付図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。以下、図1の矢印(上、下、前、後、左、右)が示す方向を、それぞれ炊飯器の上側、下側、前側、後側、左側、右側として説明する。
【0012】
先ず、図1及び図2に基づいて、本実施形態における炊飯器の全体構成を説明すると、1は米や水などの被炊飯物を収容する有底筒状の内釜であり、この内釜1は熱伝導性のよいアルミニウムを主材とし、フェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体2が、主材外面の側面下部から底部にかけて接合してある。内釜1の側面中央から上部に発熱体2を設けないのは、内釜1の軽量化を図るためである。
【0013】
内釜1を収納する本体3は、その上部と側面部を構成する上枠4と、上部の一部を構成する外枠5で炊飯器の外郭が形成され、上枠4の下方を覆う底板6がさらに設けられる。その際、上枠4や底板6は、PPなどの合成樹脂で形成され、外枠5はステンレスなどの金属部材で形成される。
【0014】
本体3の中央部には、凹状の内釜収容部7が形成されており、内釜収容部7は上枠4と一体化したPPなどの合成樹脂で形成される。内釜収容部7の底部は、PETなどの合成樹脂で形成した内枠8で形成してある。
【0015】
内釜収容部7の上端にはコードヒータ9(図20を参照)を備えてあり、コードヒータ9は熱伝導がよいアルミ板などの金属板部10で覆われている。この金属板部10は放熱部として、後述する蓋体21と本体3との隙間11に対向する位置に備えてあり、これらのコードヒータ9と金属板部10により、発熱手段としてのフランジヒータを構成している。金属板部10の上面には、内釜1の上端から外周方向全周に延出させたフランジ部12の下面が載置し、内釜1が吊られた状態で内釜収容部7に収容される。従って、この状態では内釜1と内釜収容部7の上端における隙間がほとんど無い構成になる。但し、内釜1のフランジ部12に形成した持ち手部が金属板部10と非接触となるように、金属板部10に平面視で部分的な隙間13を形成することで、内釜1の外面に水が付着した状態で炊飯が行われた場合に、その隙間13から蒸気が排出されるようにしてある。さらに、内釜1のフランジ部12は、発熱部となるコードヒータ9を覆うように、外形がコードヒータ9と同等以上の大きさに形成される。
【0016】
内枠8の外面であって、発熱体2に対向する内枠8の側面下部と底部には、内釜1を電磁誘導加熱する主加熱手段として加熱コイル15が配置される。また、内釜1の底部外面にはサーミスタ式の内釜温度センサ16(図20を参照)が当接し、これが内釜1の底部温度を検知して、加熱コイル15による内釜1の底部の加熱温度を主に温度管理するようになっている。
【0017】
そして炊飯時と保温時には、内釜1を加熱手段で加熱するが、保温時は、内釜1の外底面に接触させた内釜温度センサ16の検出温度に応じて、加熱手段となる加熱コイル15を加熱調節し、内釜1を一定温度に保持する。また炊飯後、内釜1内のご飯の温度が保温温度に低下するまで(約100℃→約73℃)、及び保温安定時(約73℃)に、発熱手段となるコードヒータ9を発熱させ、蓋体21と本体3との隙間13に金属板部10から熱放射して、隙間13からの外気の侵入による冷えを抑制すると共に、内釜1を加熱する。さらに保温時に、内釜1内のご飯を再加熱するあつあつ再加熱を実行している期間にも内釜1を加熱し、加熱により発生する水分が、内釜1の上部内面へ結露するのを防止する構成になっている。
【0018】
21は、本体3の上部に回動可能に設けられ、本体3と共に炊飯器の外郭をなす蓋体である。内釜1の上方開口部を開閉する蓋体21には、後述する内蓋45の温度を検知するサーミスタ式の蓋温度センサ22(図20を参照)と、コードヒータなどの蓋加熱手段23(図20を参照)が備えてあり、主に蓋加熱手段23による内蓋45の温度管理を行なうようになっている。
【0019】
25は、炊飯時と保温時に内釜温度センサ16と蓋温度センサ22の温度検知にて、内釜1の底面及び側面への加熱と、蓋体21の特に内蓋45への加熱を、それぞれ温度制御して行なうための加熱制御手段である。加熱制御手段25は、内釜温度センサ16や蓋温度センサ22からの検知信号を受信し、加熱手段たるコードヒータ9、加熱コイル15、蓋加熱手段23を加熱調節するものである。
【0020】
加熱制御手段25には、加熱コイル15を駆動させる素子26が備え付けられている。加熱コイル15を駆動する素子26は、加熱コイル15の発振と共に加熱される。加熱コイル15を駆動する素子26は使用条件温度を持つので、一定温度以下で駆動させる必要がある。その為、素子26はアルミニウムのような熱伝導性のよい材料で構成された放熱器27に取付けられ、冷却手段たる冷却ファン28から発する風により冷却して、使用条件温度内で駆動するようになっている。冷却ファン28は、加熱制御手段25に取付けられた放熱器27の下方、又は側部に配置されている。
【0021】
製品となる炊飯器の底部又は側部には、冷却ファン28から発して放熱器27により温かくなった風を外部へ排出する孔29が設けられている。加熱制御手段25は、製品内となる本体3の内部に収納されるが、内釜1に対してどの位置に配置してもよく、また孔29もどの位置に配置してもよい。しかし、近年製品の小型化設計が求められている背景もあり、加熱制御手段25や冷却ファン28と、風を排出する孔29とは、内釜1を挟んで略反対位置に配置するのが好ましい。
【0022】
図1に示すように、蓋体21の上面部前方には、表示操作ユニット31が設けられる。表示操作ユニット31は、時間や選択した炊飯コ-スを表示するLCD32や、現在の工程を表示するLED(図示せず)の他に、炊飯を開始させたり、炊飯コ-スを選択させたりするスイッチ33を、蓋体21の内部に装備した基板34の上部に配置して構成される。
【0023】
表示操作ユニット31の上方には、ボタン名を表示したりする為に操作パネル35が配置されている。この操作パネル35は、電子部品である上述のLCD32や、LEDや、スイッチ33や、基板34に、ほこりや水が付着することも防止している。
【0024】
本実施例では、スイッチ33への操作により炊飯開始を指示すると、内釜1内の米に対する吸水を促進させるために、内釜温度センサ16による内釜1の底部の温度検知に基づいて、加熱コイル15とコードヒータ9で内釜1の底部と側面部をそれぞれ加熱し、約45~60℃に水温を15~20分間保持しひたし炊きを行なう。その後、加熱コイル15からの加熱量を増やして内釜1を強加熱し、内釜1内の被炊飯物を沸騰まで加熱する。この沸騰加熱時に、内釜温度センサ16や蓋温度センサ22からの検知温度に基づいて、内釜1の底部温度が90℃以上になり、蓋体21の特に内蓋45の温度が90℃以上で安定(温度上昇率検知)したら沸騰を検知し、加熱量を低減した沸騰継続加熱にする。この沸騰検知において、内釜温度センサ16と蓋温度センサ22とにより、内釜1の底部及び内蓋45がいずれも90℃以上になったことを確認でき、完全に内釜1の内部が沸騰したことを精度よく検知可能になる。
【0025】
また、内釜1の底部と内蓋45のいずれかが120℃以上の通常ではあり得ない温度になったら異常と判断し、炊飯加熱における加熱量を低減して、全ての動作を停止する切状態にするか、後述するむらしに移行するか、保温を行ない、異常加熱を防止する。また、内釜1の底部と内蓋45のいずれかが90℃以上になって、所定時間が経過(例えば5分)しているのに、それ以外の内釜1の底部と蓋体21のいずれかが90℃未満の低い温度の場合、内釜温度センサ16と蓋温度センサ22のいずれかが何らかの理由で温度検知精度が悪化している(汚れ、傾き、接触不良など)と判断し、炊飯加熱における加熱量を低減して、全ての動作を停止する切状態にするか、後述するむらしに移行するか、保温を行ない、異常加熱を防止する。
【0026】
沸騰継続になると、蓋加熱手段23で蓋体21に装着した内蓋45への加熱を開始する。内蓋45への加熱は、内蓋45の温度が100~110℃になるように、蓋温度センサ22の検知温度により管理される。また、内釜1の底部が所定の温度上昇になったら炊き上げを検知し、むらしに以降する。むらし中は内蓋45の温度管理にて、内釜1の上部内面への露付き防止し、内釜1の底部の温度は、ご飯が焦げない程度に高温を保持(98~100℃)するように温度管理する。そして、15~20分のむらしが終了したら、保温に移行する。
【0027】
保温では、加熱コイル15にて内釜1の底部と側面下部を加熱しながら、蓋加熱手段23にて蓋体21の下面となる内蓋45をご飯の温度よりわずかに高く加熱し、さらに内釜1の側面をフランジヒータでご飯が乾燥せず、かつ、露が多量に付着しないように温度管理する。内釜1内のご飯は、70~76℃に温度保持するが、保温時も2つのセンサが相互に異常に高かったり、低かったりした場合は異常を検知し、異常加熱を防止する。以上の動作を、加熱制御手段25が行うように構成する。
【0028】
図2に示すように、上枠4の後方には、蓋体21と連結するヒンジ部36が設けられる。このヒンジ部36には、ねじりコイルバネ等で形成したヒンジバネ37が収納される。蓋体21の前方上面には、蓋開ボタン38(図1を参照)が露出状態で配設されており、この蓋開ボタン38を押すと、蓋体21と本体3との係合が解除され、ヒンジバネ37の弾性力によりヒンジ部36を回動中心として蓋体21が自動的に開く構成となっている。
【0029】
蓋体21は外観部品となる外蓋41と、外蓋41の下方を形成する外蓋カバー42から構成される。外蓋カバー42にはステンレスやアルミニウムをアルマイトした金属製の放熱板43を設け、放熱板43には蓋加熱手段23を設けてある。蓋加熱手段23はコードヒータなどの電熱式ヒータでも、電磁誘導加熱式でもよい。
【0030】
図2に示すように、放熱板43の下方には、ステンレスやアルミニウムをアルマイトした金属製の内蓋45を設ける。蓋体21の下面を形成する内蓋45の外周側には、内釜1と内蓋45の隙間を塞ぐシリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性部材からなりシール部材となる蓋パッキン46が備えてあり、蓋パッキン46は内釜1のフランジ部12の上面に当接している。
【0031】
内蓋45と蓋パッキン46はパッキンベース48で一体化され、これらの内蓋組立ユニット49が外蓋カバー42の内面に着脱可能に備えられる。
【0032】
外蓋カバー42の後方には、ヒンジ部36に設けた孔(図示せず)と対向するように、外蓋カバー42にも孔(図示せず)が設けられる。ヒンジ部36に設けられたヒンジシャフト50は、これらの孔を連通することで、本体3と蓋体21とを開閉自在に軸支する。前述のヒンジバネ37は外蓋カバー42に引掛けられ、蓋体21を常時開方向へ付勢している。
【0033】
蓋体21の回動中心となるヒンジシャフト50の略反対側には、蓋開ボタン38に連動するクランプ51が配置される。クランプ51はクランプシャフト52で外蓋カバー42に軸支され、クランプシャフト52を中心として回転自在に設けられる。上枠4のヒンジ部36と略反対側には、クランプ51と係合するクランプ受け53(図14を参照)が設けられる。蓋体21に設けたクランプ51は、クランプシャフト52を中心軸として回転し、本体3に設けたクランプ受け53と係合する。このクランプ51とクランプ受け53との係合により、本体3と蓋体21は閉状態を保持している。反対に、蓋体21を開く場合には、蓋開ボタン38を押動操作してクランプ51を逆方向に回転させ、クランプ51とクランプ受け53との係合を解除する。
【0034】
次に、本実施形態の実質的な内蓋に相当する内蓋組立ユニット49の構成について、さらに図3図4を参照して説明する。内蓋組立ユニット49には、蒸気排出用の孔54と減圧用の孔55が、内蓋45にそれぞれ開口して設けられる。また、略円環状に形成された樹脂製のパッキンベース48には、外周方向に部分的に突出した凸状の差込み部56が形成されており、蓋体21を開いた状態で、蓋体21の内面のヒンジ部36に近い基端側に形成した凹部57に差込み部56を差込んで、パッキンベース48を外蓋カバー42に嵌合させることで、内蓋組立ユニット49を蓋体21の内面側の決められた位置に装着できる構成となっている。
【0035】
減圧用の孔55の上方には、放熱板43から下方に突出する筒状の減圧パッキン63(図11を参照)が配置される。内蓋組立ユニット49は、蓋体21の内面すなわち下面側に着脱自在に設けられ、内蓋組立ユニット49を装着した状態で本体3に対して蓋体21を閉じると、蓋パッキン46が内釜1のフランジ部12の上面に当接して、内蓋組立ユニット49が内釜1の上方開口部を隙間なく覆う構成となっている。
【0036】
続いて、蓋体21の内部構成について、さらに図2図5図11を参照して説明する。蓋体21には、内釜1の内部と連通して、内釜1内から発生する蒸気を炊飯器の外部に排出させるために、ユニット化された蒸気排出手段65が着脱自在に設けられる。蒸気排出手段65は、蓋体21を閉じたときに蓋体21の上面側となる天面側から着脱自在に設けてもよいが、本実施形態のように、蓋体21を開けたときに内釜1の上方開口部から離れて略直立する蓋体21の内面側に内釜側開口としての取付け用孔66(図11を参照)を開口形成し、この取付け用孔66から単体の蒸気排出手段65を着脱自在に設けるのがより好ましい。こうした構成では、蓋体21の天面側に蒸気排出手段65の取付け用孔を設ける必要がなく、蓋体21の天面は凹凸のないフラットな形状を確保できるようになる。図11に示すように、取付け用孔66の全周囲には、蓋パッキン46や減圧パッキン63と同等に弾性に富むパッキン67が取付け固定され、蓋体21の内面側からに蒸気排出手段65を装着した時に、蒸気排出手段65の外面にパッキン67が隙間なく密着する構成となっている。図2に示すように、67Aは蒸気排出手段65に密着するパッキン67のシール部であり、67Bは内蓋45に密着するパッキン67のシール部である。
【0037】
図2及び図21に示すように、蓋体21の内部には、蒸気排出手段65を収容配置するための収容空間68が、蓋体21の内面側から外蓋カバー42を部分的に凹状に形成した収容部64により形成される。収容部64の下端開口は取付け用孔66に相当し、収容部64の上端部に設けた別の器外排出口69を形成する開口筒部75は、蓋体21の天面側で外蓋41に開口形成される蒸気口70に挿通され、先端が器外に僅かに突出する。その他に、収容部64には同様の貫通孔として、調圧パッキン71が嵌合装着される孔72と、開閉パッキン73が嵌合装着される孔74が設けられるが、これらの孔72,74は何れも弾性に富むパッキン71,73で常時塞がれており、取付け用孔66や器外排出口69以外の部位で、収容空間68から蓋体21の別な内部に蒸気や異物が侵入しない気密構造になっている。また、取付け孔66は、蓋体21から内蓋組立ユニット49を取外した状態で、蓋体21の内面側から収容空間68に手を差し入れることができる程度の大きさに形成されており、蓋体21をお手入れする際に収容空間68の内面を支障なく清掃することができる。
【0038】
図5図10に示すように、蒸気排出手段65は、後述する第1調圧手段76や、第2調圧手段77や、第3調圧手段78が蒸気口ベース80に組み込まれる第1部材としての蒸気口組立81と、蒸気口組立81の上部に取付け固定される第2部材としての調圧弁ホルダ組立82と、を主な構成要素とする。
【0039】
第1調圧手段76は、内釜1内の圧力を大気圧以上に調整する調圧弁組立として機能するもので、前述の球体である弁61と、弁61を保持する弁ホルダ88と、弁61や弁ホルダ88を覆うように形成される弁ケース89と、により主に構成される。弁61は、耐食性に優れた材料で、ある程度の重量を有する部品であればよく、例えばオーステナイト系のステンレス球で構成される。また、弁ホルダ88には、内釜1の内部と連通する取込口としての通気孔90を設けてある。弁ケース89の側面には、内部に配設された弁61が外部に転がり出ない程度の大きさの開口部89Aと挿通孔109が開口形成されている。また、開口部89Aと挿通孔109の間には、両者を隔てる係止受部87が形成されている。挿通孔109は、弁ケース89の外側から弁61を動かすことができるように、調圧パッキン71で覆われた調圧フレーム93が挿通可能となっている。
【0040】
図2に示すように、弁ケース89の内部において、弁61を所定のタイミングで動作させるために、蓋体21の内部には調圧駆動手段となる弁開放手段91が組み込まれる。弁開放手段91は、ソレノイド92を駆動源として可動する調圧フレーム93と、調圧フレーム93の一端側に装着される前述の調圧パッキン71と、を主に備えて構成される。弁61は、調圧パッキン71で覆われた調圧フレーム93の一端部に常時押されて、内蓋45に設けた蒸気排出用の孔54に連通する通気孔90を開放する構成となっている。一方、ソレノイド92が通電して、弁開放手段91が動作すると、調圧フレーム93の一端部が弁61から離れて、弁61は通気孔90を閉止する。このときの通気孔90の開口面積と弁61の重量との関係で、内釜1内の圧力を第1設定圧力値に調整する構成となっている。
【0041】
図9に示すように、第2調圧手段77は、内釜1内の圧力が何らかの原因で設定値以上に昇圧すると開弁して、内釜1内の圧力を下げる安全弁として機能するもので、筒状の弁ホルダ95に、弁体62と弾性部材96とを収容保持して構成される。第2調圧手段77の弾性部材96は、内蓋45に設けた蒸気排出用の孔54に連通して、弁ホルダ95の入口側に開口形成した通気孔97(図8を参照)を、常時閉止する方向に弁体62を付勢しており、第1調圧手段76の弁61が異物などで通気孔90を塞いだままの状態になったときに、第2調圧手段77の通気孔97の開口面積と弾性部材96の弾性付勢力との関係で、内釜1内の圧力を第2設定圧力値に調整する構成となっている。
【0042】
本実施形態では、第1調圧手段76及び第2調圧手段77以外の圧力調整手段として、第3調圧手段78と減圧手段101(図2を参照)がそれぞれ組み込まれる。第3調圧手段78は、内釜1内の圧力を大気圧以外から大気圧に戻すための逆止弁組立として機能するもので、筒状の弁ホルダ102に、弾性部材103と弁体104とを収容保持して構成される。また、第3調圧手段78の弁体104を所定のタイミングで動作させるために、蓋体21の内部には弁開放手段91とは別な開閉駆動手段(図示せず)が組み込まれる。この開閉駆動手段は、ソレノイド105(図20を参照)を駆動源として可動する開閉フレーム(図示せず)と、開閉フレームの一端側に装着される前述の開閉パッキン73(図11を参照)と、を主に備えて構成される。
【0043】
第3調圧手段78の弾性部材103は、蒸気排出用の孔54に連通して弁ホルダ102の入口側に開口形成した通気孔106(図8を参照)を、常時開放する方向に弁体104を付勢する構成となっており、開閉駆動手段のソレノイド105が非通電である場合には、第3調圧手段78の通気孔106を開放して、蒸気排出手段65により内蓋1内と外気とを連通させ、内釜1内を大気圧と同じ圧力に保つ。一方、内釜1内を大気圧以外の圧力にする場合は、開閉駆動手段のソレノイド105を通電して、開閉駆動手段を動作させると、弾性部材103の弾性付勢力に抗して、開閉パッキン73で覆われた開閉フレームの一端部が、弁ホルダ102の出口側に露出する弁体104の端部を押圧し、弁体104が通気孔106を閉止する。これにより、必要に応じて内釜1内の圧力を大気圧に戻したり、内釜1内に大気圧以外の所望の圧力を投入したりすることが可能になる。
【0044】
図9に示すように、蒸気口ベース80は、板状に形成された底板部113と、底板部113の周縁部に立設された立壁部114と、を有している。立壁部114は、内側壁部114Aと内側壁部114Aよりも低く形成された外側壁部114Bを有する。外側壁部114Bは、底板部113の全周に形成されているが、内側壁部114Aは、底板部113の周縁部のうち一部形成されていない部分がある。
【0045】
蒸気排出手段65には、蓋体21の収容空間68に蒸気排出手段65を着脱する際に、指F(図12及び図13を参照)で摘むことができる程度の形状で取手115が設けられる。図8に示すように、取手115は、蒸気口ベース80の底板部113の下側面部に半円環状に形成されている。図2図14及び図16に示すように、取手115は、蓋体21に蒸気排出手段65と内蓋組立ユニット49をそれぞれ装着した時に、内蓋45の孔54に挿通されて内釜1内に向けて突出する構成となっている。これにより、例えば内釜1内で炊込みご飯を炊き上げる場合に、内釜1内に投入した具材などの異物が内蓋45の内面側から孔54に張り付くのを、本来は蒸気排出手段65を指Fで保持するための取手115で防ぐことができ、余計な部品を追加することなく、内釜1内から発生する蒸気を円滑に蒸気排出手段65へ導くことが可能になる。本体3に対して蓋体21を開けた状態で、蓋体21から内蓋組立ユニット49を取外すと、露出した取手115を指Fで摘んで蒸気排出手段65を保持し、そこから手前側に引き出して、蓋体21の内面側から蒸気排出手段65を楽に取外せる。逆に、蓋体21の収容空間68に蒸気排出手段65を装着する場合は、同様に露出した取手115を指Fで摘んで蒸気排出手段65を保持し、収容空間68に向けて蒸気排出手段65を押し込むことで、蓋体21の内面側から蒸気排出手段65を楽に取り付けできる。
【0046】
図16に示すように、蓋体21に内蓋組立ユニット49を装着した状態で、蒸気排出手段65の取手115は孔54を完全には塞いでおらず、取手115の外周と孔54との隙間から、内釜1内外の吸排気を行なうことができる。
【0047】
図5及び図6に示すように、調圧弁ホルダ組立82は、弁ケース89の開口部89A側(後側)と、第2調圧手段77と、第3調圧手段78と、を覆うように蒸気口組立81に着脱自在に取付けられる。そのため、ユーザは調圧弁ホルダ組立82を蒸気口組立81から取外すことで蒸気排出手段65を内部まで洗浄することができる。
【0048】
調圧弁ホルダ組立82は、蒸気口キャップ83の一部を覆うキャップ被覆部116と、通路形成部117と、第3調圧手段78を被覆する第3調圧手段被覆部118と、を有する。通路形成部117の天板部117Aは、キャップ被覆部116の天板部116Aよりも高い位置に配置され、第3調圧手段被覆部118の天板部118Aは、キャップ被覆部116の天板部116Aよりも低い位置に配置されている。調圧弁ホルダ組立82の下端部には、内側に段部110が形成されるように板厚を薄くした係止壁部119が形成されている。
【0049】
キャップ被覆部116の天板部116Aには略矩形状の貫通孔120が開口形成されている。また、貫通孔120の開口縁であって通路形成部117側(後側)には、下方に立設された係止爪部124が設けられている。さらに、キャップ被覆部116の通路形成部117とは反対側の側壁部116Bには、弁ケース89と挿通孔109を露出させるための露出用開口125が形成されている。そのため、調圧フレーム93が露出用開口125と挿通孔109を挿通することにより弁ケース89の外側から弁61を動かすことができる。
【0050】
キャップ被覆部116の露出用開口125が形成された側壁部116Bの下端部分には、蒸気口ベース80に対して調圧弁ホルダ組立82の取外す方向を規制する規制部126が形成されている。規制部126は、板状に形成されており、蒸気口組立81に調圧弁ホルダ組立82を取付けた状態で、蒸気口ベース80の底板部113に当接すると共に、蒸気口ベース80の外側壁部114Bの内側面に当接するように配置される。そのため、調圧弁ホルダ組立82を規制部126側(前側)に傾倒させようとしても、規制部126が底板部113に当接して調圧弁ホルダ組立82を傾倒させることができない。なお、本実施形態では、蒸気口組立81に調圧弁ホルダ組立82を取付けた状態で、規制部126が底板部113と外側壁部114Bに当接するが、規制部126が底板部113と外側壁部114Bに当接せず、僅かに離れた位置に配設され、調圧弁ホルダ組立82を規制部126側に僅かに傾倒させた時に、規制部126が底板部113と当接するようにしてもよい。
【0051】
通路形成部117のキャップ被覆部116とは反対側(後側)の側壁部117Bには、通路形成部117の内外を連通する排出口としての流路開口部127が開口形成されており、流路開口部127の上側と下側には、蒸気を流動させる誘導壁128が形成されている。誘導壁128の上部は、通路形成部117の天板部117Aよりも上方に突出しており、誘導壁128の下部は、通路形成部117の内部で天板部117Aよりも下方に突出している。誘導壁128は、1つの長辺部129と2つの短辺部130A,130Bを有する。また、通路形成部117の側壁部117Bのうち、長辺部129の上側と対向する部分には略矩形状の合流用開口部143が形成されている。
【0052】
第3調圧手段被覆部118には、円形の開口孔134が開口形成されており、調圧弁ホルダ組立82を蒸気口組立81に取付けると、第3調圧手段78が第3調圧手段被覆部118により被覆され、開口孔134から弁体104が露出する。
【0053】
上記構成により、蒸気排出手段65を分解した状態、すなわち蒸気口組立81から調圧弁ホルダ組立82を取外した状態では、蒸気口組立81と調圧弁ホルダ組立82を丸洗い可能である。このとき、ボール状の弁61は、弁ケース89から抜け出ないため、弁61を紛失することがない。
【0054】
ここで、調圧弁ホルダ組立82の着脱方法について説明する。まず、調圧弁ホルダ組立82の取付け方法について説明すると、調圧弁ホルダ組立82を上方から蒸気口組立81に組込むと、係止爪部124が係止受部87に当接する。さらに調圧弁ホルダ組立82を押下げると、係止爪部124が弾性変形し、係止爪部124の先端部124Aが係止受部87を乗り越え、係止受部87の下側面部87Aに係止する。また、係止壁部119の下端が蒸気口ベース80の外側壁部114Bに当接し、段部110の下端が内側壁部114Aに当接する。このとき、規制部126は、蒸気口ベース80の底板部113と外側壁部114Bに当接し、調圧弁ホルダ組立82が蒸気口組立81に取付け固定される。
【0055】
次に、調圧弁ホルダ組立82の取外し方法について説明する。図15に示すように、調圧弁ホルダ組立82の規制部126側(前側)を持ち上げると、係止爪部124の先端部124Aが係止受部87を乗り越え、係止爪部124と係止受部87との係止が解除される。係止爪部124と係止受部87との係止が解除された後、調圧弁ホルダ組立82を引上げると、調圧弁ホルダ組立82を蒸気口組立81から取り外すことができる。
【0056】
なお、調圧弁ホルダ組立82の規制部126と反対側(後側)を持ち上げようとしても、規制部126が蒸気口ベース80の底板部113に当接するため、調圧弁ホルダ組立82の規制部126と反対側が持ち上がらず、係止爪部124と係止受部87との係止を解除することができず、調圧弁ホルダ組立82を引き上げることができず、調圧弁ホルダ組立82を取外すことができない。また、調圧弁ホルダ組立82を傾倒させずに上方に引上げた場合も、係止爪部124と係止受部87との係止を解除することができないため、調圧弁ホルダ組立82を取外すことができない。すなわち、調圧弁ホルダ組立82は、規制部126側が持ち上がるように傾倒させた場合に取外すことができるようになっている。
【0057】
図8に示すように、取手115は底板部113のうち側壁部116B側(後側)に寄った位置に配設されており、図12に示すように、蓋体21を開けた状態では、底板部113のうち下側に寄った位置となる。そのため、図12図13に示すように、蒸気排出手段65を蓋体21から取外す際に、ユーザが取手115に指Fを掛けて手前に引くと、底板部113が規制部126に押し付けられる方向に力が掛かり易くなる。また、本体3があるため、ユーザは取手115を下方向に引き難い。そのため、蒸気排出手段65を蓋体21から取外す際に、調圧弁ホルダ組立82が蒸気口組立81から外れて収容空間68内に残存してしまうことを防止することができる。
【0058】
次に、内釜1の内部で発生した蒸気が炊飯器外に排出されるまでに流動する蒸気排出経路について図17を参照して説明する。内釜1内で発生した蒸気は、孔54から収容空間68内に移動する(矢印Y1)。その後、蒸気は、弁61が閉塞していない場合に通気孔90から蒸気排出手段65内に移動する(矢印Y2)。蒸気排出手段65内に移動した蒸気は、開口部89Aから弁ケース89外へ移動する(矢印Y3)。その後、蒸気は、調圧弁ホルダ組立82内を流動し(矢印Y4)、流路開口部127から調圧弁ホルダ組立82外へ移動する(矢印Y5)。このとき蒸気は、長辺部129と、短辺部130A,130Bと、収容部64の後壁部144により囲まれた空間(以下、「合流空間145」という。)内を上側誘導壁128に沿って上方に流動する。蒸気は、収容部64の最上壁部146に到達すると、短辺部130A,130Bを左右方向(水平方向)に回り込むように流動し、通路形成部117の天板部117Aの上方位置に移動する(矢印Y6)。蒸気は、そこから上方向に流動し、開口筒部75内を流動して器外排出口69から器外へ排出される(矢印Y7)。このように、本実施形態の炊飯器は、蒸気が矢印Y1→矢印Y2→矢印Y3→矢印Y4→矢印Y5→矢印Y6→矢印Y7の順で流動する。このうち、孔54から通気孔90までを第1経路(矢印Y1)、通気孔90から流路開口部127までを第2経路(矢印Y2,Y3,Y4)、流路開口部127から器外排出口69までを第3経路(矢印Y5,Y6,Y7)という。
【0059】
図2図17及び図19に示すように、流路開口部127の真上には収容部64の最上壁部146が配設されており、器外排出口69が流路開口部127の真上には配置されていない。そのため、流路開口部127から誘導壁128に沿って蒸気と共に運ばれたおねばや露は、最上壁部146や、長辺部129や、短辺部130A,130Bに付着する。一方、蒸気は、最上壁部146に到達した位置で短辺部130A,130Bを回り込むように流動することで、蒸気のみが器外排出口69から器外へ排出されるようになっている。なお、内釜1内部から蓋体21内部へ移動したおねばや露は、蒸気排出手段65の内部などにも付着することで、蒸気排出手段65の外部へ排出されるおねばや露の量が抑制される。このように、収容部64と蒸気排出手段65により、蒸気を迂回させて流動させる非直線的な蒸気排出経路を形成することにより、蒸気のみを器外に排出し、おねばや露を器外に排出し難くしている。
【0060】
通気孔90から蒸気排出手段65内に移動した蒸気は、開口部89Aのみならず、挿通孔109からも弁ケース89外へ移動する。図18は、挿通孔109から弁ケース89外へ移動する蒸気の流れを示している。挿通孔109から弁ケース89外へ移動した蒸気は、収容部64の壁部147と蒸気排出手段65との間の隙間空間148内を、蒸気排出手段65を左右方向(水平方向)に回り込むように後側に流動し(矢印Y8)、合流空間145で流路開口部127から排出される蒸気と合流する。したがって、通気孔90から蒸気排出手段65内に移動した蒸気は、すべて合流空間145で集約された後に器外に排出される。このように、本実施形態の炊飯器は、蒸気が矢印Y1→矢印Y2→矢印Y8→矢印Y6→矢印Y7の順で流動する。このうち、通気孔90から挿通孔109までを第4経路、挿通孔109から合流空間145までを第5経路という。なお、後壁部114と最上壁部146は、壁部147の一部分を構成する。
【0061】
本実施形態の蒸気排出経路は、蒸気が蒸気排出手段65の内部空間149を流動する第1の蒸気排出経路と、蒸気が蒸気排出手段65外に移動した後、隙間空間148内を流動する第2の蒸気排出経路が形成される。第2経路と第4経路が第1の蒸気排出経路であり、第3経路と第5経路が第2の蒸気排出経路である。
【0062】
図2に示すように、本実施形態では、内釜1内の圧力を自在に調整可能にする圧力調整手段として、蓋体21を本体3に閉じた状態で、内釜1内の圧力を大気圧以下にする減圧手段101をさらに備えている。減圧手段101は、蓋体21の後部に設けた減圧駆動源としての減圧ポンプ121と、この減圧ポンプ121から内蓋45に設けた減圧用の孔55(図3及び図4を参照)に至る管状の経路122(図11を参照)とにより構成される。また、蓋体21の内部には、経路122の基端部を開閉する電磁弁123(図20を参照)が設けられる。
【0063】
内蓋45を含む内蓋組立ユニット49を蓋体21の内面側に装着すると、放熱板43に取付けた減圧パッキン63が弾性変形しながら内蓋45の上面に密着当接し、これにより内蓋45に設けた減圧用の孔55と減圧ポンプ121との間を連通する経路122が形成される。また、本体3の内釜収容部7に内釜1をセットして、内蓋組立ユニット49を装着した状態の蓋体21を閉じると、蓋パッキン46が内釜1のフランジ部12の上面に当接して、第1調圧手段76の弁61が通気孔90を塞ぎ、且つ第3調圧手段78の弁体104が通気孔106を塞いでいれば、密閉した内釜1内と減圧ポンプ121との間が経路122により連通する。この状態から減圧ポンプ121を起動させると、電磁弁123が経路122を開放して、内釜1内の空気が経路122及び減圧ポンプ121を通って炊飯器の外部に排出され、密閉した内釜1内の圧力が低下する。また、内釜1内の圧力が大気圧よりも一定値下がった場合に、減圧ポンプ121の動作を停止させると共に、電磁弁123が経路122を閉塞して、内釜1内を減圧状態に保っている。さらに、スローリークにより内釜1内の圧力が上昇した場合にも、同様に電磁弁123が経路122を開放し、減圧ポンプ121を再起動させて、内釜1内を大気圧よりも低い状態に維持している。
【0064】
内釜1内が大気圧よりも低い状態で、開閉駆動手段のソレノイド105(図20を参照)が通電から非通電に切替わると、第3調圧手段78の弁体104が通気孔106から離れて通気孔106を開放し、内釜1内と炊飯器の外部が連通する。これにより、内釜1内の負圧を直ちに解除することが可能となる。
【0065】
次に本実施形態における炊飯器の制御系統について、図20を参照しながら説明する。同図において、131は制御手段で、これは内釜温度センサ16及び蓋温度センサ22からの各温度情報や、操作部となるスイッチ33からの操作信号を受けて、炊飯時及び保温時に加熱コイル15と、コードヒータ9と、蓋ヒータとなる蓋加熱手段23とを各々制御すると共に、前述したソレノイド92,105や、減圧ポンプ121や、電磁弁123を各々制御するものである。
【0066】
本実施形態の制御手段131は、内釜温度センサ16の検出温度に基づいて主に加熱コイル15が制御されて内釜1の底部を温度管理し、蓋温度センサ22の検出温度に基づいて主に蓋加熱手段23が制御されて放熱板43ひいては内蓋45を温度管理するようになっている。制御手段131は、記憶媒体となる自身の記憶手段(図示せず)に記憶されたプログラムを読み取ることにより、スイッチ33の例えば炊飯キーを操作すると、炊飯開始から内釜1に投入した米の給水を促進させるひたし炊きと、内釜1内の被炊飯物の温度を短時間に沸騰まで上昇させる沸騰と、被炊飯物の沸騰状態を継続させドライアップ状態のご飯に炊き上げる沸騰継続と、炊き上がったご飯を焦がさない程度の高温に維持して、最終的に仕上げるむらしの順に炊飯工程を実行して、内釜1内のご飯を所望の圧力で炊飯加熱する炊飯制御手段132と、炊飯工程に引き続いて、内釜1内のご飯を所望の圧力で所望の保温温度に保つように保温する保温制御手段133と、して機能する構成となっている。
【0067】
135は、制御手段131からの制御信号を受けて、加熱コイル15に所定の高周波電流を供給する高周波インバータ回路などを内蔵した加熱コイル駆動手段である。またこれとは別に、制御手段131の出力側には、制御手段131からの制御信号を受けて、放熱板43や内蓋45を加熱するように蓋加熱手段23を駆動させる蓋ヒータ駆動手段136と、コードヒータ9をオンまたはオフにするコードヒータ駆動手段137と、ソレノイド92,105を個々にオンまたはオフにするソレノイド駆動手段138と、減圧ポンプ121を駆動させるポンプ駆動手段139と、電磁弁123をオンまたはオフにする電磁弁駆動手段140と、前述したLCD32やLEDなどを含む表示手段141を駆動させる表示駆動手段142が各々設けられる。前記炊飯制御手段132による炊飯時、及び保温制御手段133による保温時には、内釜温度センサ16と蓋温度センサ22からの各温度検出により、加熱コイル15による内釜1の底部から側面下部にかけての加熱と、コードヒータ9による内釜1のフランジ部12周辺への加熱と、蓋加熱手段23による蓋体21への加熱が行なわれるように構成する。また、炊飯制御手段132による炊飯が終了し、内釜1内の被調理物がご飯として炊き上がった後は、保温制御手段133による保温に自動的に移行し、内釜温度センサ16の検知温度に基づき、加熱コイル15やコードヒータ9による内釜1への加熱を調節することで、ご飯を所定の保温温度(約70℃~76℃)に保温するように構成している。
【0068】
また本実施形態では、被炊飯物の種類と炊き方に応じた複数の加熱パターンが、予め記憶手段に記憶されており、炊飯制御手段132は、スイッチ33の例えば選択キーへの操作により、これらの複数の加熱パターンの中から特定の加熱パターンが選択され、次に炊飯キーへの操作により、炊飯の開始が指示されると、選択された特定の加熱パターンでコードヒータ9や、加熱コイル15や、蓋加熱手段23や、ソレノイド92,105や、減圧ポンプ121や、電磁弁123を制御することにより、内釜1に入れられた被炊飯物を選択されたパターンに基づき炊き上げて、最終的にご飯に仕上げる機能を有する。ユーザの手動選択が可能なスイッチ33の選択キーは、被炊飯物の種類と炊き方により区分けされた炊飯コースの選択手段となるもので、この選択キーへの選択に伴い、複数の炊飯コースの中から一つの炊飯コースが選択されると、それに対応した特定の加熱パターンが選択される構成となっている。なお、こうした選択手段は、選択キーに限らず、デフォルトで炊飯制御手段132が自動的に特定の加熱パターンを選択する機能を含んでもよい。
【0069】
次に、上述した構成を有する本実施形態の炊飯器について、その作用を説明する。本実施形態の炊飯器で炊飯を行なうには、先ず内釜1内に被炊飯物を入れ、これを本体3の内釜収容部7にセットした後に、予め蒸気排出手段65を収容空間68に収容した蓋体21の内面側に、内蓋組立ユニット49を装着した状態で、蓋体21を閉じてスイッチ33の選択キーを操作し、複数の炊飯コースの中から所望する特定の炊飯コースを選択する。続いて、スイッチ33の炊飯キーを操作すると、制御手段131に組み込まれた炊飯制御手段132により、特定の炊飯コースに対応した特定の加熱パターンに基づく炊飯が開始する。
【0070】
炊飯制御手段132は、内釜1内の被炊飯物をご飯に仕上げるために、上述したひたし炊き→沸騰→沸騰継続→むらしの順に炊飯工程を実行するが、これらの各工程中に内釜1内を大気圧以上の圧力にする場合には、第3調圧手段78の弁体104が通気孔106を閉止するように、ソレノイド駆動手段138に開閉駆動手段のソレノイド105を通電するための制御信号を送出し、且つ第1調圧手段76の弁61が自重で通気孔90を閉止するように、ソレノイド駆動手段138に弁開放手段91のソレノイド92を通電するための制御信号を送出する。これにより内釜1内の圧力は、通気孔90の開口面積と弁61の重量との関係に基づく第1設定圧力値に調整される。
【0071】
また、炊飯制御手段132が内釜1内を大気圧以上の圧力にする制御を行なっているときに、第1調圧手段76の弁61が何らかの原因で通気孔90を塞いだままの状態に陥ると、第2調圧手段77に組み込まれた弁体62が、弾性部材96の弾性力に抗して内釜1内の圧力で押されて通気孔97を開放する。したがって、この場合の内釜1内の圧力は、通気孔97の開口面積と弾性部材96の弾性付勢力との関係に基づいて、第1圧力設定値よりも高い第2設定圧力値に調整される。
【0072】
一方、炊飯制御手段132が行なう炊飯工程中と、その後の保温制御手段133が行う保温行程中に、内釜1内を大気圧以下の圧力にする場合には、第3調圧手段78の弁体104が通気孔106を閉止するように、炊飯制御手段132や保温制御手段133からソレノイド駆動手段138に開閉駆動手段のソレノイド105を通電するための制御信号を送出し、且つ減圧ポンプ121が動作するようにポンプ駆動手段139に制御手段を送出し、さらに電磁弁123が経路122を開放するように電磁弁制御手段140に制御信号を送出する。これにより内釜1内の圧力は、大気圧よりも低い第3設定圧力値に調整される。
【0073】
内釜1内の被炊飯物に対する炊飯や保温が終了し、蓋体21や内蓋組立ユニット49を掃除する場合は、本体3に対して蓋体21を開けた状態で、炊飯器の手前側に露出する蓋体21の内面側から内蓋組立ユニット49を取外す。内蓋組立ユニット49の内蓋45には、圧力調整手段となる第1調圧手段76~第3調圧手段78が設けられておらず、蒸気排出手段65に連通する蒸気排出用の孔54や減圧用の孔55が設けられているだけである。したがって、第1調圧手段76~第3調圧手段78の少なくとも何れかが、内蓋45にではなく蒸気排出手段65に設けられていれば、その分だけ内蓋45に配置する圧力調整手段の部品点数を削減して、内蓋組立ユニット49を単体で容易に清掃することが可能となる。さらに本実施形態のように、第1調圧手段76と第2調圧手段77、さらには第3調圧手段78を蒸気排出手段65に配置することで、内蓋45に配置する圧力調整手段の部品点数を極力削減して、内蓋組立ユニット49をより容易に清掃することが可能となる。
【0074】
また、蓋体21の内面側から内蓋組立ユニット49を取外した後、炊飯器の手前側に露出する蒸気排出手段65の取手115を指Fで摘まんで引き出すと、第1調圧手段76~第3調圧手段78が組み込まれた蒸気排出手段65を楽に取り出すことができる。単独での蒸気排出手段65は、蒸気口組立81から調圧弁ホルダ組立82を取外して分解できるようになっており、第1調圧手段76~第3調圧手段78が脱落することなく、調圧弁ホルダ組立82の上端開口から手を差し入れるなどして、蒸気排出手段65の内部を丸洗いすることが可能となる。
【0075】
本実施形態の炊飯器は、上述のとおり、収容空間68が取付け用孔66や器外排出口69以外の部位で、収容空間68から蓋体21の別な内部に蒸気や異物が侵入しない気密構造になっているため、図21に示すように、蒸気排出手段65を取付けない場合であっても、炊飯が可能である。この場合、内釜1内の蒸気は、取付け用孔66から収容空間68内に移動し、開口筒部75内を流動して器外排出口69から器外へ排出される。また、蒸気排出手段65を取付けていない場合には、弁61が機能しないため、内釜1の内部の気圧が大気圧と同一であり、おねばを器外排出口69側へ移動させる力が蒸気の上昇力だけであり弱いことから、おねばが器外へ排出し難くい。なお、蒸気排出手段65を取付けていない場合には、炊飯器の備える内釜1の内部の気圧を調節する機能による炊き分けを行うことができないが、ユーザが蒸気排出手段65を取付けることを忘れた場合であっても、炊飯を行うことができるという利点がある。
【0076】
以上のように本実施形態の炊飯器は、内釜1と、内釜1を収納する本体3と、内釜1の上方を覆う内蓋組立ユニット49と、内蓋組立ユニット49を着脱自在に設け、本体3の上方を覆う蓋体21と、を備え、蓋体21は、内釜組立ユニット49内で発生した蒸気が流動する蒸気排出手段65を備え、蓋体21内部には、蒸気排出手段65を取付ける収容部64が形成され、蒸気排出手段65は、内釜組立ユニット49内の蒸気を取り込む通気孔90と、蒸気排出手段65の外部に排出する流路開口部127と、を有し、収容部64には蒸気を器外に排出する器外排出口69が形成され、蒸気排出手段65の内部に形成された第1の蒸気排出経路と、蒸気排出手段65と収容部64の壁部147との間に形成された第2の蒸気排出経路と、を有することにより、内釜1内で発生した蒸気やおねばを非直線的な第1の蒸気排出経路と第2の蒸気排出経路を流動させることで、おねばや水滴(露)を第1の蒸気排出経路内や第2の蒸気排出経路内に付着させることができる。そのため、内釜1内を大気圧よりも高圧とした場合に、内釜1内から勢いよく排出された蒸気とおねばのうち、おねばと水滴(露)は第1の蒸気排出経路内や第2の蒸気排出経路内に付着させ、おねばや水滴(露)が器外排出口69から器外へ排出されることを抑制し、蒸気のみを器外排出口69から器外へ排出することができる。これにより、炊飯器の外面や炊飯器の周囲がおねばにより汚れることを防止できる。
【0077】
また、本実施形態の炊飯器は、第2の蒸気排出経路が、蒸気を少なくとも水平方向に流動させるように形成されていることにより、流路開口部127から蒸気排出手段65の外部へ排出された蒸気やおねばを水平方向に迂回するように流動させることができ、その流動過程においておねばや水滴(露)が蒸気排出手段65のキャップ被覆部116、通路形成部117、第3調圧手段被覆部や収容部64の壁部144などに付着することで、おねばや水滴(露)が器外排出口69から器外へ排出されることを抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態の炊飯器は、器外排出口69が流路開口部127の真上に位置しないことにより、流路開口部127から蒸気排出手段65の外部へ排出された蒸気やおねばは、最上壁部146に到達することで直線的に流動することができず、迂回するように流動するため、その流動過程でおねばや水滴(露)が最上壁部146などに付着し、おねばや水滴(露)が器外排出口69から器外へ排出されることを抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態の炊飯器は、収容部64は、内釜1内と連通する取付け用孔66を有し、収容部64は、取付け用孔66と器外排出口69以外の孔72,74が調圧パッキン73、開閉パッキン75により閉塞されることにより、収容空間68が取付け用孔66や器外排出口69以外の部位で、収容空間68から蓋体21の別な内部に蒸気や異物が侵入しない気密構造となり、内釜1内で発生した蒸気を器外排出口69から器外へ排出することができるため、蒸気排出手段65を取付けない場合であっても、炊飯が可能となる。そのため、ユーザが蒸気排出手段65を取付けることを忘れて炊飯を実行した場合であっても、炊飯を行うことができ、ユーザは予定通りご飯を食べることができる。
【0080】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、本実施形態の内釜は、被炊飯物を収容できるあらゆる容器や鍋などを含む。また、上記実施形態で示した第1調圧手段76~第3調圧手段78、減圧手段101以外の部品構成や機能を有する圧力調整手段を、本発明の炊飯器に組み込んでもよい。さらに、規制部126は、蒸気口組立と調圧弁ホルダ組立との取外し方向を規制できれば他の形状としてもよく、複数設けてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 内釜
3 本体
21 蓋体
49 内蓋組立ユニット(内蓋)
64 収容部
65 蒸気排出手段
66 取付け用
67 パッキン
69 器外排出口
70 蒸気口
72 孔(貫通孔)
73 調圧パッキン(閉塞部材)
74 孔(貫通孔)
75 開閉パッキン(閉塞部材)
81 蒸気口組立(第1部材)
82 調圧弁ホルダ組立(第2部材)
90 通気孔(取込口)
113 底板部
115 取手
126 規制部
127 流路開口部(排出口)
148 隙間空間(第2の蒸気排出経路)
149 内部空間(第1の蒸気排出経路)
図1
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