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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】トナーの製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/08 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
G03G9/08 381
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020106848
(22)【出願日】2020-06-22
(65)【公開番号】P2022001910
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110870
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 芳広
(74)【代理人】
【識別番号】100096828
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敬介
(72)【発明者】
【氏名】三浦 正治
(72)【発明者】
【氏名】土川 黎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】山下 大輔
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 陽介
(72)【発明者】
【氏名】岡村 竜次
(72)【発明者】
【氏名】大浦 智也
(72)【発明者】
【氏名】小林 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】溝尾 祐一
【審査官】中山 千尋
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-255704(JP,A)
【文献】特開2003-173046(JP,A)
【文献】特開2007-167757(JP,A)
【文献】特開2008-197196(JP,A)
【文献】特開2014-50801(JP,A)
【文献】特開2013-86023(JP,A)
【文献】特開2009-20386(JP,A)
【文献】特開昭58-210865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結着樹脂および着色剤を含有する被粉砕物を粉砕手段によって微粉砕する工程を有するトナーの製造方法であって、
該粉砕手段は、
被粉砕物を粉砕手段内に投入するための粉体投入口と、
該粉体投入口に連通した渦巻室と、
内周面に複数の凸部と凹部とを有する固定子と、
中心回転軸に取り付けられ、外周面に複数の凸部と凹部とを有する回転子と、
粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口と、
を有し、
該固定子は該回転子を内包しており、該固定子表面と該回転子表面とが所定の間隙を有して対向するように、該回転子は配置されており、
該渦巻室は、該中心回転軸の外周を囲むように形成されており、該渦巻室の出口部は、該回転子の側面と対向した開口部を有しており、該渦巻室内には、拡散部材が複数設置されており、
該被粉砕物は、該粉体投入口から該渦巻室に入り、該渦巻室で該拡散部材に衝突して、散乱された後、該渦巻室の出口部を通って、該固定子と該回転子とが対向している処理部に導入されることを特徴とするトナーの製造方法。
【請求項2】
該拡散部材が柱状部材であり、該柱状部材の長手方向が、該中心回転軸の軸線方向と同じである請求項1に記載のトナーの製造方法。
【請求項3】
全ての拡散部材を、渦巻室の径方向に関する相対位置を変えないまま、渦巻室の入口位置に移動したとき、該渦巻室の入口位置における径方向の長さに対して、該拡散部材で遮蔽される割合が、50%以上である請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
【請求項4】
拡散部材を粉体投入口から近い入口領域、中間領域、粉体投入口から遠い出口領域と3分割したときに、
入口領域の全ての拡散部材を、渦巻室の径方向に関する相対位置を変えないまま、渦巻室の入口位置に移動したとき、該渦巻室の入口位置における径方向の長さに対して、該拡散部材で遮蔽される割合が、10%以上40%以下であり、
中間領域の全ての拡散部材を、渦巻室の径方向に関する相対位置を変えないまま、渦巻室の入口位置に移動したとき、該渦巻室の入口位置における径方向の長さに対して、該拡散部材で遮蔽される割合が、15%以上50%以下であり、
出口領域の全ての拡散部材を、渦巻室の径方向に関する相対位置を変えないまま、渦巻室の入口位置に移動したとき、該渦巻室の入口位置における径方向の長さに対して、該拡散部材で遮蔽される割合が、20%以上60%以下である、
請求項1~3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
【請求項5】
該拡散部材の幅が粉体投入口の該渦巻室の径方向の長さに対して、1/35以上1/4以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
【請求項6】
結着樹脂および着色剤を含有する被粉砕物を粉砕手段によって微粉砕する工程を有するトナーの製造装置であって、
該粉砕手段は、
被粉砕物を粉砕手段内に投入するための粉体投入口と、
該粉体投入口に連通した渦巻室と、
内周面に複数の凸部と凹部とを有する固定子と、
中心回転軸に取り付けられ、外周面に複数の凸部と凹部とを有する回転子と、
粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口と、
を有し、
該固定子は該回転子を内包しており、該固定子表面と該回転子表面とが所定の間隙を有して対向するように、該回転子は配置されており、
該渦巻室は、該中心回転軸の外周を囲むように形成されており、該渦巻室の出口部は、該回転子の側面と対向した開口部を有しており、該渦巻室内には、拡散部材が複数設置されており、
該被粉砕物は、該粉体投入口から該渦巻室に入り、該渦巻室で該拡散部材に衝突して、散乱された後、該渦巻室の出口部を通って、該固定子と該回転子とが対向している処理部に導入されることを特徴とするトナーの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真、静電荷像を顕像化するためのトナーの製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真、静電荷像を顕像化するための画像形成方法では、静電荷像を現像するためのトナーが使用される。トナーの製造法としては粉砕法および重合法に大別され、簡便な製造方法としては粉砕法が挙げられる。粉砕法の一般的な製造方法としては、結着樹脂と着色剤及び必要に応じて荷電制御剤、離型剤、流動性付与剤、磁性材料を加えて混合し、溶融混練し、冷却固化した後、混練物を粉砕手段により微細化する。その後、必要に応じて所望の粒度分布に分級する工程や流動化剤などを添加する工程を経て、画像形成に供するトナーとしている。また、二成分現像方法に用いるトナーの場合には、各種磁性キャリアと上記トナーを混合した後、画像形成に供する。
粉砕手段としては各種粉砕装置が用いられるが、特に近年、CO2排出量削減への対応から、装置の省エネルギー化が求められており、電力消費の少ない図1のような機械式粉砕機が用いられることが多い。
図1の機械式粉砕機では、高速回転する回転子103と、回転子の周囲に配置されている固定子104との間に形成された粉砕ゾーンに粉体原料を導入することにより被粉砕物を粉砕する。
近年、高画質化の観点でトナーの小粒径化が求められている。トナーの小粒径化のためには、図1の機械式粉砕機では、回転子を高速回転させることや回転子と固定子の間隔を狭めることが有効になる。
より小粒径のトナー粒子の製造のため、固定子の溝の形状を工夫した機械式粉砕機が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-21768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トナーを生産するにあたり生産量が多いものは複数のプラントで同一品種を生産する必要が出てくる。プラントが異なってもトナーとしては同じ物性のものを生産しなければならないので、各プラントで製造条件を合わせこんで同じ品質のものを作りこんでいるというのが実状である。上記粉砕機の場合、例えばプラントAでは回転子103の周速140m/secで粒径6.0μmの微粉砕品が得られる(製品としての狙いの粒径は6.0μm)のに対し、プラントBでは同条件で6.5μmの微粉砕品しか得られないといった場合がある。この場合はプラントBの製造条件を回転子103の周速150m/secに上げて生産し6.0μmを得る必要が出てくる。
しかしながら小粒径トナーを製造する場合、製造装置として能力的に使用限界のところで製造する必要が出てくる。その場合プラント差により発生する粒径差を製造条件により合わせこむことができなくなってしまう。
本発明はこの課題を解決するためになされるものである。すなわち本発明はプラント毎の生産性の振れを無くし、装置能力的に限界に近いところで生産できるトナーの製造方法および製造装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、結着樹脂および着色剤を含有する被粉砕物を粉砕手段によって微粉砕する工程を有するトナーの製造方法であって、
該粉砕手段は、
被粉砕物を粉砕手段内に投入するための粉体投入口と、
該粉体投入口に連通した渦巻室と、
内周面に複数の凸部と凹部とを有する固定子と、
中心回転軸に取り付けられ、外周面に複数の凸部と凹部とを有する回転子と、
粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口と、
を有し、
該固定子は該回転子を内包しており、該固定子表面と該回転子表面とが所定の間隙を有して対向するように、該回転子は配置されており、
該渦巻室は、該中心回転軸の外周を囲むように形成されており、該渦巻室の出口部は、該回転子の側面と対向した開口部を有しており、該渦巻室内には、拡散部材が複数設置されており、
該被粉砕物は、該粉体投入口から該渦巻室に入り、該渦巻室で該拡散部材に衝突して、散乱された後、該渦巻室の出口部を通って、該固定子と該回転子とが対向している処理部に導入されることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
また、本発明は、結着樹脂および着色剤を含有する被粉砕物を粉砕手段によって微粉砕する工程を有するトナーの製造装置であって、
該粉砕手段は、
被粉砕物を粉砕手段内に投入するための粉体投入口と、
該粉体投入口に連通した渦巻室と、
内周面に複数の凸部と凹部とを有する固定子と、
中心回転軸に取り付けられ、外周面に複数の凸部と凹部とを有する回転子と、
粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口と、
を有し、
該固定子は該回転子を内包しており、該固定子表面と該回転子表面とが所定の間隙を有して対向するように、該回転子は配置されており、
該渦巻室は、該中心回転軸の外周を囲むように形成されており、該渦巻室の出口部は、該回転子の側面と対向した開口部を有しており、該渦巻室内には、拡散部材が複数設置されており、
該被粉砕物は、該粉体投入口から該渦巻室に入り、該渦巻室で該拡散部材に衝突して、散乱された後、該渦巻室の出口部を通って、該固定子と該回転子とが対向している処理部に導入されることを特徴とするトナーの製造装置に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、図1に示す機械式粉砕機において、プラント毎の生産性の振れを無くすことができる。これにより装置能力的に限界に近いところを使うことができ、小粒径トナーの製造を可能にする環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に用いられる機械式粉砕機の概略図である。
図2】(a)は渦巻室に拡散部材を設置した際の概略図であり、(b)は拡散部材の入口領域、中間領域、出口領域の説明図であり、(c)は拡散部材を横方向から見た概略図である。
図3】拡散部材入口領域の遮蔽割合を説明する図である。
図4】拡散部材中間領域の遮蔽割合を説明する図である。
図5】拡散部材出口領域の遮蔽割合を説明する図である。
図6】粉体投入口から粉体が入ってくる領域を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
【0009】
本発明のトナーの製造方法は、結着樹脂および着色剤を含有する被粉砕物を粉砕手段によって微粉砕する工程を有するトナーの製造方法であって、
該粉砕手段は、
被粉砕物を粉砕手段内に投入するための粉体投入口と、
該粉体投入口に連通した渦巻室と、
内周面に複数の凸部と凹部とを有する固定子と、
中心回転軸に取り付けられ、外周面に複数の凸部と凹部とを有する回転子と、
粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口と、
を有し、
該固定子は該回転子を内包しており、該固定子表面と該回転子表面とが所定の間隙を有して対向するように、該回転子は配置されており、
該渦巻室は、該中心回転軸の外周を囲むように形成されており、該渦巻室の出口部は、該回転子の側面と対向した開口部を有しており、該渦巻室内には、拡散部材が複数設置されており、
該被粉砕物は、該粉体投入口から該渦巻室に入り、該渦巻室で該拡散部材に衝突して、散乱された後、該渦巻室の出口部を通って、該固定子と該回転子とが対向している処理部に導入されることを特徴とする。
【0010】
本発明者らの検討によれば、上記製造方法および製造装置により、粉砕機においてプラント毎による粉砕性の違いを無くし、装置的に余力のない小粒径のトナーの製造にも対応できるようになる。
【0011】
本発明者らはプラント毎に粉砕性が異なる理由を以下のように考えている。
【0012】
図1に示した機械式粉砕機の粉体投入口101へ所定量の被粉砕物が投入されると、被粉砕物は、該粉体投入口に連通した渦巻室1201を通り、回転子103と固定子104との間隙である粉砕処理室である粉砕ゾーン内に導入される。そして、該粉砕処理室内で高速回転する表面に多数の溝が設けられている回転子103と、表面に多数の溝が設けられている固定子104との間に発生する衝撃によって瞬間的に粉砕される。その後、粉体排出口106を通り、排出される。
【0013】
該被粉砕物が粉砕ゾーンに導入されるとき、被粉砕物はなるべく均一に導入されることが好ましい。被粉砕物が集中して粉砕ゾーンに導入されると粉砕粒径が大きくなってしまうことが本発明者らの実験によりわかっている。これは、集中して導入されると粉塵濃度が高まり粉体間で衝突する確率が増す一方で、回転子或いは固定子に被粉砕物が衝突する機会が減る為だと考えている。
【0014】
そして、本発明者らがプラント毎に粉砕性が異なる理由としては、この粉砕ゾーンに導入される粉体の集中具合がプラントにより異なるからだと考えている。
【0015】
トナー製造プラントは、たとえ粉砕機自体は同一仕様でも、建屋の大きさやレイアウトにより装置間を繋ぐ配管の這いまわし(長さや湾曲形状)が異なってくる。そうした場合配管内を通る粉体の位置(偏り方)が変わってきてしまう。実際に本件で試したプラントAとプラントB(詳細は後述の実施例参照)の粉体投入口101直前の配管内を通る粉体の場所を特定したところ図6のようになっていた。配管内の粉体の通る位置の特定は配管上部に数か所穴を空け、サンプリングできる棒を挿入し粉体を採取することで行った。このように粉体投入口から被粉砕物が偏って粉砕機内に導入されると、渦巻室1021を介して粉砕ゾーンに導入される個所にも偏りが生じると考えている。
【0016】
また、該渦巻室は、被粉砕物を含む気流を、該回転子の回転方向と同じ方向に回転させながら、回転子側に送り込む構成を有しているが、被粉砕物が偏って投入口から入ってきた場合、その偏りを完全に排除することができないと考えており、この偏りは装置能力的に限界に近いところでの製造に、より問題となりやすい。
【0017】
本発明では渦巻室内に、拡散部材を複数設置することにより粉砕ゾーンに導入される被粉砕物を均一にでき、これによりプラントごとの生産性の差を無くすことができると考えている。
【0018】
該拡散部材は、該渦巻室で旋回する該被粉砕物が衝突し、衝突した該被粉砕物の軌道を変える効果があれば、形状は特に限定されないが、拡散部材の好ましい態様を図2~5に基づき具体的に説明する。
【0019】
拡散部材は図2(a)に示す配置で渦巻室1021内に設置される。拡散部材201は柱状の金属棒でできており、渦巻室の形状に合わせ製作された金属板上に溶接されている。拡散部材201は金属板上に複数設けられており拡散ユニット202を形成している。柱状部材である拡散部材201は、その長手方向が回転子の中心回転軸の軸線方向と同じであり、図2(c)に示すように渦巻室の幅相当に回転軸107方向に伸びている。本実施例では金属板に拡散部材201を溶接した拡散ユニット202を粉砕機の渦巻室側板に設置したが、拡散部材201を直接渦巻室側板に取り付けてもなんら問題はない。
【0020】
ここで、拡散部材が設置される領域を3分割し、粉体投入口から近い順に入口領域、中間領域、出口領域とする。本実施例の場合、図2(b)に示すように拡散ユニット202が回転軸107を中心として180°の広がりを持っているので、3分割するには各領域が60°分を有するということになる。拡散部材の設置領域は180°に限るものではなく何度であってもよいが、できるだけ局所的な拡散効果を避けるため90°以上あるのが好ましい。
【0021】
本発明では拡散部材が被粉砕物と衝突する確率を表すのに遮蔽率というものを定義している。遮蔽率は、特定領域における全ての拡散部材を、渦巻室の径方向に関する相対位置を変えないまま、渦巻室の入口位置に移動したとき、該渦巻室の入口位置における径方向の長さに対して、該拡散部材で遮蔽される割合であって、上記の入口領域、中間領域、出口領域ごとに設定される。
【0022】
粉体投入口から近い入口領域の遮蔽率を図3を用いて説明する。まず拡散部材を入口領域のみ抽出する(図3(a)、(b))。その後、拡散部材が粉体投入口に収まるよう縮尺する(図3(c))。その後、拡散部材を粉体投入口に移動させ(投影の意、図3(d)、(e))、粉体投入口に対する拡散部材の遮蔽率とする。
【0023】
同様に中間領域の遮蔽率を図4のように行った。中間領域のみを取り出し(図4(a)、(b))、60°左方向に回転させる(図4(b)、(c))。後は上記の入口領域と同様に遮蔽率を求めればよい。同様に粉体投入口から遠い出口領域の遮蔽率を図5のように求める(120°左方向に回転)。
【0024】
また本発明では拡散部材全体の遮蔽率も定義する。全体の遮蔽率は入口領域で遮蔽した状態、中間領域で遮蔽した状態、出口領域で遮蔽した状態、を足し合わせ全体の遮蔽率とする。本発明では全体の遮蔽率が50%以上であることが好ましい。遮蔽率があまりに低いと拡散部材に被粉砕物が衝突する機会が減り、本発明で期待する十分な拡散効果が得られない場合がある。
【0025】
また本発明では入口領域の遮蔽率が10%以上40%以下であることが好ましい。10%未満であると衝突機会が減り拡散機能が不足し、40%を超えると入口領域で拡散部材に接触する機会が増えすぎ滞留し、被粉砕物が渦巻室出口領域まで到達しないケースが増えてくる。このような状態になると入口領域から粉砕ゾーンに導入される粉体の量が多くなりすぎ、粉砕ゾーンでの粉体の偏りを生じさせる一因となり好ましくない。
【0026】
同様に中間領域では15%以上50%以下であることが好ましく、出口領域では20%以上60%以下であることが好ましい。遮蔽率は入口領域、中間領域、出口領域の順で増加するのが好ましい。入口領域の遮蔽率を高くしすぎない方が良いのは上記のとおりで、渦巻室入口部での滞留を防ぐ為である。下流に行くに従い遮蔽率を高くするのは、上流領域を通り抜けてきた被粉砕物を下流部の拡散部材によりなるべく衝突させるようにするためである。こうすることにより拡散部材設置領域全域で拡散効果が得られるので好ましい。
【0027】
また拡散部材の幅は粉体投入口の渦巻室径方向の長さに対して、1/35以上1/4以下であることが好ましく、この範囲内であれば十分な衝突機会および安定した拡散作用を得ることができる。1/35未満であると幅が狭くなるので衝突する機会がかなり減る方向となり好ましくない。逆に1/4を超える場合は拡散部材の幅が広くなりすぎ、装置内の圧力損失を考慮すると設置できる拡散部材の個数が減り、安定した拡散作用を得るのに好ましくない。
【0028】
なお、該拡散部材は、被粉砕物が衝突し摩耗してしまうため、被粉砕物よりも堅い材料からなる方が好ましいが特に限定されない。
【0029】
次に、トナー粒子を製造する手順について説明する。
【0030】
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも結着樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。必要に応じて、トナーの加熱定着時にホットオフセットの発生を抑制する離型剤、該離型剤を分散させる分散剤、帯電制御剤などを混合してもよい。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
【0031】
更に、上記で配合し、混合したトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中の着色剤等を分散させる。該溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、1軸または2軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
【0032】
上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕される。更に、ターボミル(ターボ工業社製)等の機械式粉砕機で微粉砕される。粉砕工程では、このように段階的に所定のトナー粒度まで粉砕される。
【0033】
次に、本発明で使用する結着樹脂及び着色剤を少なくとも含むトナー粒子の原材料について説明する。
【0034】
<結着樹脂>
電子写真に用いられるトナーに用いられる結着樹脂としては、一般的な樹脂を用いることができる。例えば、ポリエステル樹脂、スチレン-アクリル酸共重合体、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など。この中でも、低温定着性を良好にするという観点から非晶性ポリエステル樹脂が用いられ、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、低分子量ポリエステルと高分子量ポリエステルを併用することが知られている。また、さらなる低温定着性の向上と保管時の耐ブロッキング性の観点から結晶性ポリエステルを可塑剤として用いることもある。
【0035】
<着色剤>
トナーに含有できる着色剤としては、公知の有機顔料若しくは油性染料、カーボンブラック、又は磁性体などが挙げられる。
【0036】
シアン系着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。
【0037】
マゼンタ系着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。
【0038】
イエロー系着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが挙げられる。
【0039】
黒色系着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は、前記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
【0040】
該着色剤は、一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
【0041】
<離型剤>
必要に応じて、トナーの加熱定着時にホットオフセットの発生を抑制する離型剤を用いてもよい。該離型剤としては、低分子量ポリオレフィン類、シリコーンワックス、脂肪酸アミド類、エステルワックス類、カルナバワックス、炭化水素系ワックスなどが一般的に例示できる。
【0042】
<トナー粒子の粒度分布の測定方法>
トナー粒子の粒度分布は以下のように測定する。
【0043】
測定装置として、50μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンタ Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
【0044】
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
【0045】
なお、測定及び解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
【0046】
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。
【0047】
「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解水溶液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
【0048】
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を1μmから30μmまでに設定する。
【0049】
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となるように適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
【実施例
【0050】
以下、本発明を製造例及び実施例によりさらに具体的に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。
【0051】
〔実施例1〕
<ポリエステル樹脂Lの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:72.0質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:28.0質量部(0.17モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2-エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
【0052】
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した。
・無水トリメリット酸:3質量部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して4.0mol%)
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した軟化点が90℃に達したことを確認してから温度を下げて反応を止め、結着樹脂成分として結着樹脂Lを得た。
【0053】
<ポリエステル樹脂Hの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:72.3質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:18.3質量部(0.11モル;多価カルボン酸総モル数に対して65.0mol%)
・フマル酸:2.9質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
・2-エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
【0054】
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180まで冷却し、大気圧に戻した。
・無水トリメリット酸:6.5質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して20.0mol%)
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した軟化点が137℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、結着樹脂成分として結着樹脂Hを得た。
【0055】
<結晶性ポリエステル樹脂の製造例>
・1,6-ヘキサンジオール:34.5質量部(0.29モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・ドデカン二酸:65.5質量部(0.28モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2-エチルヘキサン酸錫:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
【0056】
次に、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させた。
【0057】
さらに、反応槽内の圧力を序々に開放して常圧へ戻した後、脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族モノアルコールからなる群より選ばれた1種以上の脂肪族化合物を、原料モノマー100.0mol%に対し7.0mol%加え、常圧下にて200℃で2時間反応させた。
【0058】
その後、再び反応槽内を5kPa以下へ減圧して200℃で3時間反応させることにより、結晶性ポリエステル樹脂を得た。
【0059】
<トナーの製造例>
・非晶性ポリエステル樹脂L 80質量部
・非晶性ポリエステル樹脂H 20質量部
・結晶性ポリエステル樹脂 5質量部
・フィッシャートロプシュワックス(炭化水素ワックス、最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 8質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて混練した。混練時のバレル温度は、混練物の出口温度が120℃になるよう設定した。混練物の出口温度は、安立計器社製ハンディタイプ温度計HA-200Eを用い直接計測した。得られた混練物を冷却し、ピンミルにて体積平均粒径100μm以下に粗粉砕し、トナー粗砕物を得た。
【0060】
得られたトナー粗粉砕物を、図1に示す粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT800改造機)で粉砕しトナー粒子を得た。このとき、粉砕機の渦巻室には図2に示す拡散部材を設置した。
【0061】
実施例1では拡散部材の幅を10mm、粉体投入口101の径方向の長さは200mmである。また、入口領域の遮蔽率は25%、中間領域の遮蔽率は30%、出口領域の遮蔽率は40%であった。
【0062】
また、実施例1の全体の遮蔽率は70%であった。なお、単純に入口領域25%、中間領域30%、出口領域40%を足し合わせると95%となり、70%と合わないのは重なりあう部分が発生するからである。
【0063】
実施例1では粉砕機の回転子と固定子の最小間隙を1.0mmに設定し、機械式粉砕機に導入する空気の温度を-20℃、吸引ブロワーの流量を25m3/min、粗砕供給量を200kg/hr、回転子の回転数を170m/secに設定し、プラントA、Bの両プラントで粉砕テストを行った。粉砕機の運転時間は60minとし、10min毎にサンプリングし粉砕粒径を測定した。
【0064】
プラントAで粉砕した粒径(D4)が5.13μm、プラントBで粉砕した粒径(D4)は5.17μmであった。
【0065】
本テストの評価基準は以下のとおりで、プラントAとBで粉砕した粒径差が小さいものほど優れている。
【0066】
<評価基準>
プラントAとプラントBの粉砕粒径差
A:0.20μm未満 非常に優れている
B:0.20μm以上0.40μm未満 優れている
C:0.40μm以上0.60μm未満 許容範囲
D:0.60μm以上 本発明では許容できない
【0067】
〔実施例2〕
拡散部材の構成を表1に示す装置2にした以外は実施例1と同じにした。プラントA、Bで実施例1と同様に粉砕した評価結果を表2に示す。
【0068】
〔実施例3〕
拡散部材の構成を表1に示す装置3にした以外は実施例1と同じにした。プラントA、Bで実施例1と同様に粉砕した評価結果を表2に示す。
【0069】
〔実施例4〕
拡散部材の構成を表1に示す装置4にした以外は実施例1と同じにした。プラントA、Bで実施例1と同様に粉砕した評価結果を表2に示す。
【0070】
〔実施例5〕
拡散部材の構成を表1に示す装置5にした以外は実施例1と同じにした。プラントA、Bで実施例1と同様に粉砕した評価結果を表2に示す。
【0071】
〔実施例6〕
拡散部材の構成を表1に示す装置6にした以外は実施例1と同じにした。プラントA、Bで実施例1と同様に粉砕した評価結果を表2に示す。
【0072】
〔実施例7〕
拡散部材の構成を表1に示す装置7にした以外は実施例1と同じにした。プラントA、Bで実施例1と同様に粉砕した評価結果を表2に示す。
【0073】
〔実施例8〕
拡散部材の構成を表1に示す装置8にした以外は実施例1と同じにした。プラントA、Bで実施例1と同様に粉砕した評価結果を表2に示す。
【0074】
〔比較例1〕
拡散部材を設置しない以外は実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表2に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
比較例1の装置9では渦巻室に拡散部材を設けていないので、粉体投入口から導入される被粉砕物の偏りを散らすことができない。プラントAの粉砕粒径は5.41μm、プラントBの粉砕粒径は6.13μmであり、両プラントでの粉砕粒径差は0.72μmであり、本発明では許容できないレベルである。プラントA、プラントBそれぞれの粉体投入口からの被粉砕物の導入のされ方は図6に示すとおりで、プラントBの方が偏って導入されている。この偏りが粉砕ゾーンへの入り方に影響をあたえる為(プラントBの方が偏って粉砕ゾーンに導入される)、プラントBの方が粉砕粒径が大きくなっている。
【0078】
これに対し、実施例1~8の装置1~8で両プラントでの粉砕粒径差が小さくなっているのは、渦巻室に拡散部材を設けることで、被粉砕物の偏りを散らし、拡散させた状態で粉砕ゾーンに導入できている為だと考えられる。拡散効果が高いものほど両プラントの粒径差が小さくなっており、また各プラントでの粉砕粒径も細かくなっていると推察される。
【符号の説明】
【0079】
101:粉砕投入口、1021:渦巻室、1022:渦巻室出口部、103:回転子、104:固定子、105:後室、106:粉体排出口、107:回転軸、108:冷風発生装置、109:冷水供給口、110:冷水排出口、201:拡散部材、202:拡散ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6