(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G03B 13/02 20210101AFI20240422BHJP
H04N 23/53 20230101ALI20240422BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240422BHJP
【FI】
G03B13/02
H04N23/53
G03B17/02
(21)【出願番号】P 2020109436
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 貴純
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0029380(US,A1)
【文献】特開2019-159149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 13/00 -13/28
G03B 17/02
G03B 17/04 -17/07
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 -23/76
H04N 23/90 -23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部に対して収納される収納状態と前記本体部に対して突出する突出状態とに可動する電子ビューファインダユニットを有する電子機器であって、
前記電子ビューファインダユニットは、表示部と、接眼部と、前記表示部から発光した光束を前記接眼部に導光するレンズを保持するレンズ保持部材とを有するファインダ部と、収納状態と突出状態とにガイドするガイド部材とを有するベース部材とを備え、
前記ベース部材は、前記レンズの光軸を挟んで対向配置された第1の保持部材及び第2の保持部材が形成された保持部と、前記第1の保持部材に一端が保持され且つ前記第2の保持部材に他端が保持され且つ前記レンズの光軸に対して直交する軸で回動可能に形成された回動部材とを備え、
前記ファインダ部が前記回動部材に対して保持され
、
前記電子ビューファインダユニットの上面の外観を形成する上面カバーを有し、
前記上面カバーは、前記回動部材に対して回動可能に保持され、
前記上面カバーの上面の外観面の裏側に付勢部材が配置され、
前記付勢部材は、収納状態と突出状態に移動する方向に弾性変形可能な弾性変形部を有し、前記弾性変形部が前記回動部材に引っ掛かることで、前記上面カバーを前記回動部材側に付勢することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材は、前記レンズの光軸方向から見て、ユーザーが覗き込む前記接眼部の側壁部の投影面内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材は、前記回動部材の回転軸方向から見て、前記接眼部の側壁部と重ならない位置に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
本体部に対して収納される収納状態と前記本体部に対して突出する突出状態とに可動する電子ビューファインダユニットを有する電子機器であって、
前記電子ビューファインダユニットは、表示部と、接眼部と、前記表示部から発光した光束を前記接眼部に導光するレンズを保持するレンズ保持部材とを有するファインダ部と、収納状態と突出状態とにガイドするガイド部材とを有するベース部材とを備え、
前記ベース部材は、前記レンズの光軸を挟んで対向配置された第1の保持部材及び第2の保持部材が形成された保持部と、前記第1の保持部材に一端が保持され且つ前記第2の保持部材に他端が保持され且つ前記レンズの光軸に対して直交する軸で回動可能に形成された回動部材とを備え、
前記ファインダ部が前記回動部材に対して保持され
、
前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材は、外装カバーで覆われており、前記外装カバー
の前記回動部材の回動軸の方向の幅は、前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材
の各々の前記回動部材の回動軸の方向の幅より薄いことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
前記電子ビューファインダユニットは、ユーザーが前記接眼部に近づいたことを検知する接眼センサと、前記接眼センサが実装されているフレキシブル基板とを備え、
前記フレキシブル基板は、前記ファインダ部と前記上面カバーの間に配置され、
前記上面カバーの上面の外観面方向から見て、前記フレキシブル基板と前記付勢部材の弾性変形部が重ならない位置に配置されていることを特徴とする
請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビューファインダを備えた電子機器に関する。特に、デジタルカメラ、等の撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子ビューファインダ(以降ファインダ)を備えたカメラにおいては、カメラ本体に対してファインダを回動可能とし、撮影者の撮影姿勢自由度を拡大したものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、回転機構を用いてファインダを回動可能に備えた撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、ファインダ部は、電子機器の外形に対し、常に突出した状態となる。
【0006】
その為、電子機器の非使用時の持ち運びなど、携帯性に支障を与えていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、収納状態と突出状態とを移動可能にし、さらに突出状態において回動可能なファインダの小型化を図る。
【0008】
そして、電子機器の使用時の撮影姿勢自由度を向上させるとともに、非使用時の携帯性を向上させることを可能とした電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、本体部に対して収納される収納状態と前記本体部に対して突出する突出状態とに可動する電子ビューファインダユニットを有する電子機器であって、
前記電子ビューファインダユニットは、表示部と、接眼部と、前記表示部から発光した光束を前記接眼部に導光するレンズを保持するレンズ保持部材とを有するファインダ部と、収納状態と突出状態とにガイドするガイド部材とを有するベース部材とを備え、
前記ベース部材は、前記レンズの光軸を挟んで対向配置された第1の保持部材及び第2の保持部材が形成された保持部と、前記第1の保持部材に一端が保持され且つ前記第2の保持部材に他端が保持され且つ前記レンズの光軸に対して直交する軸で回動可能に形成された回動部材とを備え、
前記ファインダ部が前記回動部材に対して保持され、
前記電子ビューファインダユニットの上面の外観を形成する上面カバーを有し、
前記上面カバーは、前記回動部材に対して回動可能に保持され、
前記上面カバーの上面の外観面の裏側に付勢部材が配置され、
前記付勢部材は、収納状態と突出状態に移動する方向に弾性変形可能な弾性変形部を有し、前記弾性変形部が前記回動部材に引っ掛かることで、前記上面カバーを前記回動部材側に付勢することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、収納状態と突出状態とを移動可能にし、さらに突出状態において回動可能な小型のファインダを有した電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る撮像装置1の斜視図である。
【
図2】ファインダユニット20を突出させた撮像装置の斜視図である。
【
図3】ファインダユニット20の構成について説明する展開斜視図である。
【
図4】ファインダユニット20のヒンジ装置81を説明する展開斜視図である。
【
図5】ファインダユニット20の各ユニットを組み立てる様子を説明する展開斜視図である。
【
図6】ファインダユニット20の側面図と断面図である。
【
図7】検出センサフレキシブル基板71とトップカバー付勢部材94の位置関係を説明する図である。
【
図8】本発明の実施形態における全体構成について説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
(撮像装置1の外観の構成)
図1を参照して、本発明の本実施形態に係る電子機器としての撮像装置の一例である撮像装置1の構成について説明する。
【0014】
図1(a)に示したように、この撮像装置1において、X方向、Y方向、Z方向を、次のように定義する。
【0015】
撮像装置1の左右方向(水平方向)をX方向とする。
【0016】
撮像装置1の上下方向(垂直方向)であり、ファインダユニット20が収納状態から突出状態へ移動をY方向とする。
【0017】
レンズ鏡筒ユニット2の光軸方向であり、ファインダユニット20の光軸方向をZ方向とする。
【0018】
EVF(electronic view finder)は、電子ビューファインダを示す。
【0019】
図1は撮像装置1の斜視図である。
図1(a)および
図1(b)はそれぞれ、撮像装置1の正面斜視図および背面斜視図である。
【0020】
電子機器としての撮像装置1は、撮影光学系(不図示)を備えるレンズ鏡筒ユニット2を備える。
【0021】
また、撮影光学系を構成する複数の撮影レンズを介して結像された被写体の光学像を光電変換して画像データを生成する撮像素子(不図示)を備える。
【0022】
レンズ鏡筒ユニット2は、沈胴式で、収納時は撮像装置1の内部に沈胴する。
【0023】
また、撮像装置1には、撮像素子で生成された画像データをデジタル情報に変換する処理回路を載せた主基板(不図示)や補助基板(不図示)等で構成されている。
【0024】
レリーズボタン3は、全押し操作されると、撮影され、記録媒体(不図示)に被写体像の画像データが記録される。
【0025】
ズームレバー4は、レリーズボタン3の外周に回動可能に保持されている。ズームレバー4が回動操作されると、ズーム動作が行われる。
【0026】
電源ボタン5は、撮影者によって押下されオン状態(使用状態)、またはオフ状態(不使用状態)に切り替えられる。
【0027】
表示装置6は、撮像装置1の背面に設けられ、撮影する被写体像の確認や、撮影画像の再生表示のために用いられる。
【0028】
電子機器としての撮像装置1は、フロントカバー7、リアカバー8、トップカバー9の外装部材で覆われている。
【0029】
トップカバー9は撮像装置1の上部の外観面を形成するとともに、ファインダ20の開口部9aを形成している。
【0030】
ファインダユニット20は、撮像装置1に収納されており、収納時は、ロック機構によって撮像装置1の内部に保持された状態でロックされている。
【0031】
撮像装置1の側面には、外観面の一部を形成しているサイドカバー10が構成される。
【0032】
サイドカバー10には、解除レバー11がスライド操作可能に保持されている。
【0033】
解除レバー11を操作することによって、ファインダユニット20はロックが解除され、付勢部材(
図3a参照)によって撮像装置1のY方向上方へと突出する。
【0034】
(
図8のブロック図の説明)
図8に本発明の撮像装置の一例としての撮像装置1の構成例を示すブロック図を示す。
【0035】
光学系は、撮影レンズ201、絞り機能を備えるシャッター202を含む。
撮像部203は、光学系を通して入力される光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等を含む。
【0036】
A/D変換部204は、撮像部203から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する場合、および、音声制御部205から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する場合に用いられる。
【0037】
レンズバリア206は、撮像装置1のレンズ201を含む撮像部203を覆うことにより、それらの汚れや破損を軽減する。
【0038】
タイミング発生部207は、メモリ制御部208およびシステム制御部209により制御され、撮像部203、音声制御部205、A/D変換部204、D/A変換部210にクロック信号や制御信号を供給する。
【0039】
画像処理部211は、A/D変換部204からの出力データおよびメモリ212に記憶されたデータに対し、所定の画素補間、縮小等のリサイズ処理や色変換処理を行う。
【0040】
また、画像処理部211では、撮像した画像データに対して所定の演算を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部209が露光制御、測距制御を行う。
【0041】
これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)が行われる。
【0042】
画像処理部211では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行う。
【0043】
A/D変換部204からの出力データは、画像処理部211およびメモリ制御部208を介して、或いは、直接メモリ制御部208を介して、メモリ212に書き込まれる。
メモリ212は、マイク213にて録音された音声データ、撮影した静止画像や動画像、および画像ファイルを構成する場合のファイルヘッダ等の画像に付帯する情報を格納する。
【0044】
このメモリ212は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0045】
圧縮伸長部214は、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長するもので、シャッター202をトリガにしてメモリ212に格納された撮影画像を読み込んで圧縮処理を行い、処理を終えたデータをメモリ212に書き込む。
【0046】
また、記録媒体215などからメモリ212に読み込まれた圧縮画像を読み込んで伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ212に書き込む。
【0047】
圧縮伸長部214によりメモリ212に書き込まれた画像データは、システム制御部209のファイル処理部においてファイル化され、記録媒体I/F216を介して記録媒体215に記録される。
【0048】
また、メモリ212は画像表示用のメモリを兼ねており、メモリ212に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換部210を介して画像表示部217により表示される。
【0049】
マイク213から出力された音声信号は、アンプ等で構成される音声制御部205を介してA/D変換部204においてデジタル信号に変換された後、メモリ制御部208によってメモリに格納される。
【0050】
一方、記録媒体215に記録されている音声データは、メモリに読み込まれた後、D/A変換部210を介し音声制御部205において処理された信号がスピーカー218により発音される。
【0051】
システム制御部209は、撮像装置1全体を制御する。システムメモリ219は、システム制御部209の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶する。
【0052】
不揮発性メモリ220は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。
【0053】
シャッタースイッチ(SW1)、シャッタースイッチ(SW2)、および操作部221は、システム制御部209に、利用者が各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0054】
モード切替えスイッチ222は、システム制御部209の動作モードを、静止画撮影モード、連続撮影(連写)モード、動画モード、再生モード等に切り替えるために利用者に使用される。
【0055】
シャッタースイッチ(SW1)は、撮像装置1に設けられたシャッターボタン223の操作途中(半押し)でONとなる。
【0056】
そして、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作開始を指示する。
【0057】
シャッタースイッチ(SW2)は、シャッターボタン223の操作完了(全押し)でONとなり、撮像部203からの信号読み出しから、記録媒体!に画像データを書き込むまでの一連の撮像処理の動作開始を指示する。
【0058】
操作部203は各種ボタンやタッチパネル等からなる。
【0059】
具体的に例示すると、以下の通りとなる。消去ボタンや、メニューボタン、SETボタン、十字に配置された4方向キーなどから構成される。
【0060】
メニューボタンが押されると各種設定が可能なメニュー画面が画像表示部217に表示される。
【0061】
利用者は、画像表示部217に表示されたメニュー画面と、4方向キーやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0062】
また、操作部材への利用者の指やペンの接触を検出して、表示部!に表示されたアイコンを、ボタンやダイヤル等のスイッチやダイヤルの操作と同様に検知してもよい。
【0063】
さらに、ジョグダイヤル等の回転を検出できる操作部材を用いることにより、双方向キーと同様の操作を行うようにしてもよい。
【0064】
電源ボタン224は、電源オン、電源オフを切り替える。
【0065】
電源制御部225は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。
【0066】
また、検出結果及びシステム制御部209の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体215を含む各部へ供給する。
【0067】
電源部226はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0068】
カメラ側電源コネクタと、電源コネクタにより、電源部226と電源制御部225とが接続される。
【0069】
RTC227(Real Time Clock)は、電源制御部225とは別に内部に電源部を保持し、電源部226が落ちた状態であっても、計時を続けている。
【0070】
システム制御部209は起動時にRTC227より取得した日時を用いてタイマー制御を行う。
【0071】
記録媒体着脱検知部228は、記録媒体スロットに記録媒体215が装着されているか否かを検出する。
【0072】
通信部229は、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信処理を行う。
【0073】
通信コネクタ230(無線通信の場合はアンテナ)は、通信部229を介して撮像装置1を他の機器と接続する。
【0074】
検出部231は、後述する検出センサフレキシブル基板71から構成され、ファインダ部41が引き出されて使用可能な状態にあるのかを検出するためのものであり、機械的および光学的方法を利用したセンサを用いることができる。
【0075】
検出部231によりファインダ部41が使用可能な状態にあり、さらに使用者がファインダ部41を覗いたことを検知して、画像表示部217の画像はファインダ部41へと切り替えられる。そして、使用者はファインダ部41に映し出された画像を確認することができる。
【0076】
(ファインダユニット20の動作)
次に、
図2を参照して、
図1に示されている本発明のファインダユニット20の動作について説明する。
【0077】
図2は、ファインダユニット20を突出させた撮像装置の背面斜視図である。
【0078】
図2(a)は、前述の撮像装置1のサイドカバー10に配置された解除レバー11を操作することによって、ファインダユニット20が撮像装置1に収納状態からY方向上方へと突出した状態を示している。
【0079】
接眼部28は、接眼窓22が固定されている。センサ窓23は、接眼窓22の上側に設けられている。
【0080】
センサ窓23は、内部の接眼センサ72(
図3b参照)の光路のために設けられている。
【0081】
使用者が接眼部28をのぞいたことを接眼センサ72が検知して、ファインダユニット20への表示に切り替える。
【0082】
図2(b)は、
図2(a)のファインダユニット20の突出状態から、ファインダユニット20の接眼部28を、撮像装置1の-Z方向へと引き出した状態を示す。
【0083】
ファインダユニット20は接眼部28を-Z方向へと引き出した状態において使用可能となり、接眼部28から、撮影する被写体像の確認や撮影画像の再生表示などを確認することを可能とする。
【0084】
さらに、
図2(c)は、
図2(b)のファインダユニット20の使用可能な状態において、接眼部28を含むファインダ部41がX方向の軸を中心に回動した状態を示す。
【0085】
ファインダ部41は、接眼部28がトップカバー9と平行な位置まで約90°回動する。つまり、接眼窓22は、撮像装置1の+Y方向を向く状態まで回動する。
【0086】
よって、撮影者は、撮像装置1の上面側から撮影する被写体像の確認や撮影画像の再生表示などを確認することも可能となる。
【0087】
(ファインダユニット20の展開斜視図)
図3を参照して、ファインダユニット20の構成について説明する。
【0088】
図3(a)は、ファインダユニット20の展開斜視図である。
【0089】
ファインダユニット20は、外装カバー21、ポップアップ機構部31、ファインダ基板部51、ファインダ部41で構成されている。
【0090】
外装カバー21は、ファインダ部41の側面と前側の面を覆うように、金属板をプレス加工して製造された外装面を構成するカバーである。
【0091】
次に、ファインダユニット20を収納状態と突出状態を切り替える、Y方向にスライド移動可能なポップアップ機構部31を説明する。
【0092】
固定部材としてのベースプレート32は、金属板をプレス加工して製造され、金属材料で形成されるガイドバー33が2本、かしめられている。
【0093】
また、ベースプレート32には、係止ピン32aがかしめられている。ガイド部材としてのガイドバー33は、一部径方向へと大きくなるようにフランジ形状部33aが形成される。
【0094】
ファインダホルダ30は樹脂材料によって形成され、前述のベースプレート32にかしめられた2本のガイドバー33が挿通されて、Y方向にスライド移動可能に保持している。
【0095】
この際、ガイドバー33のフランジ部33aがファインダホルダ30に対して当接することで突出時のY方向の位置が決まる。
【0096】
ファインダホルダ30は、フロントカバー9(
図1参照)に対して位置決め固定される。
【0097】
突出バネ38は、ファインダホルダ30の内部に収納されて、ガイド部材としてのガイドバー33をY方向上側へと付勢している。
【0098】
サブプレート35は、金属板をプレス加工して製造され、突出バネ38の端部を押さえるようにファインダホルダ30に位置決め固定される。
【0099】
ポップアップロックレバー36は、X方向に延出したかしめピン37によってサブプレート35に対して回動可能に保持されており、係止爪部36aを備える。
【0100】
付勢バネ34は、一端をポップアップロックレバー36に係止され、他端をサブプレート35に係止されて保持されており、ポップアップロックレバー36を一方向へと付勢する。
【0101】
ポップアップロックレバー36は、
図1記載の解除レバー11を操作することで、かしめピン37を中心に回動動作を行うように構成される。
【0102】
ファインダユニット20は、収納時にはポップアップロックレバー36の係止爪部36aによってベースプレート32の係止ピン32aが係止されることにより、収納状態で保持されている。
【0103】
ファインダユニット20の使用時には、解除レバー11(
図1参照)を操作することで、ポップアップロックレバー36が回動して係止ピン32aの係止を解除することで、付勢バネ38によって突出動作を行う。
【0104】
また、ベースプレート32のY方向上側には、ベースプレート32に対してX方向の軸を中心に回動可能に連結されたヒンジ装置81が保持される。
【0105】
(ファインダ部41の展開斜視図)
次に、
図3(b)を参照して、ファインダ部41の構成について説明する。
【0106】
図3(b)は、ファインダ部41の展開斜視図である。
【0107】
ファインダ部41は、表示デバイス46と、接眼部28と、表示デバイス46から発光した光束を接眼部に導光するレンズを保持するレンズホルダ42と、レンズホルダ42をZ方向に移動可能に保持する案内筒43を有する。
【0108】
案内筒43は、フランジ部43aを有し、フランジ部43aには、案内筒43をZ方向に移動可能にガイドするガイドシャフト44が貫通している。
【0109】
ガイドシャフト44の一端は、固定筒45に固定されている。
【0110】
接眼部28は、案内筒43の側面に設けられた係止爪43cによって案内筒43に係止される。
【0111】
接眼部28は、Z方向に引き出すことで、ガイドシャフト44に軸支された案内筒43が内部のレンズホルダ42と一体で並進移動し使用可能な状態となる。
【0112】
案内筒43のフランジ部43aの外周には、シール部材43bを設けている。
【0113】
シール部材43bは、固定筒45と案内筒43の間を密閉し、防塵構造を構成している。
【0114】
表示ユニットホルダ47は、表示デバイス46を不図示の両面テープで接着固定している。表示ユニットホルダ47の側面には、係止爪47aが設けられており、固定筒45側の係止部45aによって一体となっている。
【0115】
表示ユニットカバー48は、表示デバイス46の背面を覆うように、固定筒45に位置決め固定される。
【0116】
また、固定筒45は、後述するアームプレート82(
図3d参照)と固定するためのビス座45bが設けられている。
【0117】
カム形状部61は、案内筒43の内側に配置され、案内筒43の外側に配置された視度調整レバー60と一体となり、案内筒43に摺動嵌合している。
【0118】
レンズホルダ42は、視度調整レバー60を回動させると、カム形状部61によって案内筒43の内側でZ方向に移動させられる。
【0119】
よって、視度調整レバー60を回動することで、使用者は、ファインダの視度調整を行える。
【0120】
検出センサフレキシブル基板71は、使用者が接眼部28を覗いたことを検知して、表示装置6(
図1参照)からファインダユニット20への表示に切り替える接眼センサ72と共に実装されている。
【0121】
検出センサフレキシブル基板71は、接眼部28が引き出されたことを検知して、接眼センサ72を有効にする引出検知センサ73と共に実装されている。
【0122】
接眼センサ72と引出検知センサ73は、
図7を参照して詳細を説明する。
【0123】
検出センサフレキシブル基板71は、固定筒45のY方向上側に配置される。
【0124】
検出センサカバー49は、検出センサフレキシブル基板71の引出検知センサ73のY方向上側を覆うように、接眼部28に固定される。
【0125】
また、検出センサカバー49は、接眼センサ72の背面を押さえるように曲げ部49aが形成され、接眼センサ72をセンサ窓23の裏面に押し当てている。
【0126】
(ファインダ基板部51の構成)
ファインダ部41とポップアップ機構部31の間には、ファインダ基板部51が設けられている。
図3(c)(d)を参照して、ファインダ基板部51の構成について説明する。
【0127】
図3(c)は、ファインダ基板部51の上面から見た分解斜視図であり、
図3(d)は、ファインダ基板53の背面から見た分解斜視図である。
【0128】
ファインダ基板53は、ファインダ基板ベース52に固定されている。
【0129】
ファインダ基板53は、表示デバイス46から配線されるフレキシブル基板を接続するコネクタ53aを有している。
【0130】
さらに、ファインダ基板53の裏側には、検知センサフレキシブル基板71を接続するコネクタ53bと、撮像装置1内部の主基板(不図示)からの画像信号等を伝達するためのフレキシブル基板(不図示)を接続するコネクタ53cを有している。
【0131】
回動係止部材54は、付勢バネ55によって付勢されている。回動係止軸56は、回動係止部材54を貫通し、ファインダ基板ベース52によって両端を支えられている。
【0132】
つまり、回動係止部材54は、回動係止軸56に対し、固定筒45側に回転動作する部材である。
【0133】
回動係止軸56は、回動係止部材54と一体で形成されていても良い。回動係止部材54は、固定筒45を係止している。
【0134】
回動係止部材54は、ファインダユニット20が撮像装置1に収納されている状態からY方向上側の突出した状態へ移動するまで、接眼部28の側面に覆われた状態になり、固定筒の係止を解除する方向に回動できないような構成となっている。
【0135】
よって、ファインダ部41は、ファインダユニット20が撮像装置1に収納されている状態からY方向上側の突出した状態へ移動した際に、不用意な状態へ遷移をすることなく、確実に係止される。
【0136】
回動係止部材54は、接眼部28が引き出された状態になると、接眼部28の側面から露出された状態になり、固定筒の係止を解除する方向に回動可能になる。
【0137】
(ヒンジ装置81の構成)
次に、
図4を参照して、ファインダ部41を撮像装置1本体に対してX軸を中心に回動可能に連結するヒンジ装置81の構成について説明する。
【0138】
図4(a)は、ヒンジ装置81の展開斜視図,
図4(b)と
図4(c)は回転軸部を拡大した拡大図である。
【0139】
ヒンジ装置81は、ベースプレート32、アームプレート82、かしめピン83、皿バネ84を有する。
【0140】
ベースプレート32は、金属板をプレス加工して製造され、ガイドバー33がかしめられ、更に外装カバー21(
図3参照)やファインダ基板部51(
図3参照)が取り付けられ、ファインダユニット20の構造躯体となる部品である。
【0141】
ベースプレート32は、ファインダレンズの光軸方向(Z方向)と平行で且つ、ファインダユニット20の可動方向(Y方向)に平行な第1の面32c及び第2の面32dを備えている。
【0142】
第1の面32c及び第2の面32dは、孔部32fが設けられ、孔部32fの近傍には回転規制部32gが設けられる。
【0143】
平行な第1の面32c及び第2の面32dは、平行な第1の面32c及び第2の面32dよりZ方向前側に位置する第3の面32eと連結される。
【0144】
平行な第1の面32c及び第2の面32d及び、第3の面32eは、ファインダユニット20の可動方向と直交する断面(XZ平面)において、略コの字となっている。
【0145】
アームプレート82は、金属板をプレス加工して製造され、ファインダレンズの光軸方向(Z方向)と平行で且つ、ファインダユニット20の可動方向(Y方向)に平行な第1の面82a及び第2の面82bを備えている。
【0146】
第1の面82a及び第2の面82bは、X方向に延びた連結部82cで繋がっている。
【0147】
平行な第1の面82a及び第2の面82bは、孔部82dが設けられ、孔部82dの近傍には孔部82dの軸方向延設された立曲部82eが設けられる。
【0148】
ベースプレート32の孔部32fとアームプレート82の孔部82dは同軸に配置され、ファインダ部41が回動する回転軸Aが形成される。
【0149】
アームプレート82を上方へ略90°回転させると、アームプレート82の立曲部82eがベースプレート32の回転規制部32gに当接することで、ファインダ部41の上方への回転角度が規制される。
【0150】
かしめピン83は、ベースプレート32の孔部32f、アームプレート82の孔部82d及び皿バネ84の孔部84aに挿入した状態でかしめられる。
【0151】
これにより、ベース部材としてのベースプレート32とアームプレート(回動部材)82は回転軸Aを中心に回転可能に連結されると共に、かしめピン83の脱落が防止される。
【0152】
皿バネ84は、回転軸方向に撓ませた状態で固定され、これにより回転軸まわりにファインダ部41を回転させる際の回転トルクが付与される。
【0153】
これにより、アームプレート82はベースプレート32に対して、任意の回転位置で保持することが可能となる。
【0154】
なお、本実施形態では、回転軸の片側(右側)にのみ皿バネ84を配置しているが、回転軸の左右両側に皿バネ84を配置しても構わない。
【0155】
本体部に対して収納される収納状態と本体部に対して突出する突出状態とに可動する電子ビューファインダユニット20を有する。
【0156】
電子ビューファインダユニットは、表示部46と、接眼部28と表示部から発光した光束を接眼部に導光するレンズを保持するレンズ保持部材42とを有するファインダ部41とを備える。
【0157】
電子ビューファインダユニットは、収納状態と突出状態とにガイドするガイド部材33を有するベース部材32とを備える。
【0158】
ベース部材32は、レンズの光軸を挟んで対向配置された第1の保持部材32cと、第2の保持部材32dが形成された保持部を有する。
【0159】
ベース部材32は、第1の保持部材32cに一端が保持され、第2の保持部材32dに他端が保持され、前記レンズの光軸に対して直交する軸で回動可能に形成された回動部材82とを備える。
【0160】
ファインダ部41が回動部材82に対して保持される。
【0161】
第1の保持部材32c及び第2の保持部材32dは、レンズの光軸方向から見て、ユーザーが覗き込む前記接眼部の側壁部W28aの投影面内に配置されることを特徴とする。
【0162】
第1の保持部材32c及び第2の保持部材32dは、回動部材の回転軸方向から見て、接眼部28の側壁部28aと重ならない位置に配置されることを特徴とする。
【0163】
第1の保持部材32c及び第2の保持部材32dは、外装カバー21で覆われており、外装カバー21の光軸方向と直交する方向の幅は、第1の保持部材32c及び第2の保持部材32dのレンズの光軸方向と直交する方向の幅より薄いことを特徴とする。
【0164】
回動部材82は、回転軸部84でファインダ部41を保持するトルクを発生することを特徴とする。
【0165】
(ファインダトップユニット91の構成)
次に、
図4(d)を用いて、ファインダユニット20の外観側の上面を形成するファインダトップユニット91の構成を説明する。
【0166】
図4(d)は、ファインダトップユニット91を裏面から見た展開斜視図である。
【0167】
ファインダユニット20の外観側の上面は、トップカバー92のカバー部92aで覆われる。トップカバー92には、トップカバー92の回転軸となる段付きビス93を挿通する孔部92bがそれぞれの側面に同軸上で設けられる。
【0168】
トップカバー92の孔部92bは、ファインダ部41の回転軸Aに対してZ方向接眼部28側に設けられている。
【0169】
アームプレート82には、トップカバー92の回転軸となる段付きビス93を支持するビス孔部82fが、トップカバー92の孔部92bと同軸上に設けられている。
【0170】
段付きビス93は、トップカバー92の孔部92bに挿入し、アームプレート82のビス孔部82fでビス締めされ固定される。
【0171】
これにより、トップカバー92とアームプレート82は、回転軸Bを中心に回転可能に連結される。
【0172】
トップカバー付勢部材94は、金属板をプレス加工して製造された部品であり、孔部94aが設けられる。
【0173】
トップカバー付勢部材94は、トップカバー92の非外観面に設けられた軸92cにトップカバー付勢部材94の孔部94aを挿通し、熱かしめにより固定される。
【0174】
さらに、トップカバー付勢部材94は、弾性変形部94bを有し、アームプレート82の連結部82cに引っ掛けることで、トップカバー92をアームプレート82側に付勢している。
【0175】
本実施系では、トップカバー92をアームプレート82側に付勢する手段として、板バネを用いたが、トーションバネやゴム等他の弾性部材を用いても構わない。
【0176】
電子ビューファインダユニットの上面の外観を形成する上面カバー92を有し、上面カバー92は、回動部材82に対して回動可能に保持され、上面カバーの上面の外観面の裏側に付勢部材94が配置される。
【0177】
付勢部材は、収納状態と突出状態に移動する方向に弾性変形可能な弾性変形部94aを有し、弾性変形部94aが回動部材82に引っ掛かることで、上面カバーを回動部材側に付勢することを特徴とする。
【0178】
電子ビューファインダユニットは、ユーザーが接眼部に近づいたことを検知する接眼センサと、接眼センサが実装されているフレキシブル基板71とを備える。
【0179】
フレキシブル基板は、ファインダ部41と上面カバー92の間に配置され、上面カバーの上面の外観面方向から見て、フレキシブル基板と付勢部材の弾性変形部が重ならない位置に配置されることを特徴とする。
【0180】
電子ビューファインダユニットは、レンズによる撮像画像を表示することを特徴とする。
【0181】
(ファインダユニット20の組立の様子を示す分解斜視図)
図5は、ファインダユニット20の組立の様子を示す分解斜視図である。
【0182】
ファインダ部41の固定筒45には、固定用のビス座45bが設けられている。
【0183】
また、アームプレート82には、ファインダ固定ビス85を挿通するための孔部82gが設けられている。
【0184】
ポップアップ機構部31のヒンジ装置81は、アームプレート82が約90°回転している状態において、ファインダ部41がアームプレート82に対して組み付けられ位置決めされる。
【0185】
そして、ファインダ固定ビス85は、アームプレート82の孔部82gを通り、固定筒45のビス座45bに締結し、ファインダ部41をアームプレート82に対して固定する。
【0186】
このように、ヒンジ装置81は、ポップアップ機構部31と予め回動可能に保持された状態でユニット化されているため、ファインダ部41の組み立てが容易である。
【0187】
続いて、ファインダ部41がアームプレート82に対して固定された状態を示す。
【0188】
その状態において、ファインダ部41から配線される検出センサフレキシブル基板71と表示デバイス46のフレキシブル基板をファインダ基板部51の下側に固定されたファインダ基板53のコネクタ53a、53b(
図3d参照)に接続する。
【0189】
その後、ファインダ基板部51はベースプレート32に対して位置決めされ、ビス86で固定される。
【0190】
最後に、ファインダ部41を回転軸A中心に矢印A方向に回転した状態において、外装カバー21は、ファインダの光軸方向(Z方向)の前方側からベースプレート32に対して組み付け、ビス87で固定される。
【0191】
これにより、構造体躯体であるペースプレート32の第1の面32c、第2の面32d、第3の面32e及び接眼部28の側壁部28aは、外装カバー21で覆い隠される。
【0192】
(ファインダユニット20の幅方向(X方向)のサイズ)
図6は、ファインダユニット20の幅方向(X方向)のサイズについて説明する図である。
【0193】
図6(a)は、ファインダユニット20から外装カバー21を取り除いた状態の側面図と断面図であり、
図6(b)は、ファインダユニット20の完成状態の側面図と断面図である。
【0194】
接眼部28は、外装カバー21に覆われる側壁部28aと、使用者が接眼部28を引き出す際に把持する把持部28bがあり、把持部28bの幅W28bは、側壁部28aの幅W28aに対して大きくなっている。
【0195】
レンズホルダ42内にあるレンズ部42aは、表示デバイス46の発光部46aから発光した光を接眼部28に導光するため、表示デバイス46の発光部46aと同等のサイズ関係になる。
【0196】
つまり、レンズ部42aを保持するレンズホルダ42の幅W42と表示デバイス46の幅W46は同等のサイズ関係となる。
【0197】
レンズホルダ42の周囲は、レンズ中心側から、レンズホルダ42を保持する案内筒43、案内筒43を保持する固定筒45、固定筒45を覆い外観面を形成する接眼部28の順に最小限の部品で構成され、接眼部28の幅W28aとなる。
【0198】
表示デバイス46の周囲は、表示デバイス中心側から表示デバイス46の前面側から覆う表示ユニットホルダ47、表示デバイス46の後側から覆う表示ユニットカバー48の順に最小限の部品で構成され、表示ユニットカバーの幅W48となる。
【0199】
レンズホルダ42や表示デバイス46の周囲を覆う夫々の部品は、表示デバイス46から発光された光が、接眼部28以外の箇所から漏れ出ないよう複雑な形状になる。
【0200】
そのため、形状自由度が高い樹脂成型から製造される部品であることが多い。つまり、幅方向において、表示ユニットカバーの幅W48の両側に樹脂成型可能な樹脂肉厚分の間隔Lだけ空くことになる。
【0201】
ベースプレート32の第1の面32c及び第2の面32dは、樹脂成型部品よりも剛性の高い金属板をプレス加工して製造される。
【0202】
そのため、光軸方向(Z方向)において接眼部28の側壁部28aと被らないように配置することで、間隔Lに配置することが可能となる。
【0203】
外装カバー21は、ベースプレート32や接眼部28を覆う外観面を構成する部品である。
【0204】
この外装カバー21に対して、アームプレート82を保持する構成も考えられるが、外装カバー21に剛性を持たせるために板厚を厚くすると、ファインダユニット20の幅W21が大きくなってしまう。
【0205】
つまり、外装カバー21はベースプレート32と比較して剛性を必要としない部品にすることで、ベースプレート32に対して板厚を薄くすることが可能となり、外装カバーの幅W21を小さくすることが可能である。
【0206】
このような構成で、間隔Lにベースプレート32の第1の面32c及び第2の面32dを配置することで、ファインダユニット20の幅方向を小型化することが可能となる。
【0207】
(検出フレキシブル基板71の説明)
図7は、接眼センサ72や引出検知センサ73を備えた検出フレキシブル基板71を説明する図である。
【0208】
図7(a)は、接眼部28が収納された状態と、引き出された状態における検出センサフレキシブル基板71の様子を示した図である。
【0209】
図7(b)は、ファインダユニット20からトップカバー92(
図4参照)とアームプレート82を取り除いた上面図とその断面図である。
【0210】
検出センサフレキシブル基板71は、使用者が接眼部28に接近した場合に表示を切り替える接眼センサ28が実装されている。
【0211】
また、引出検知センサ73に接近している接眼部28が引き出された場合に接眼センサ72の検知を有効に切り替える引出検知センサ73が実装されている。
【0212】
接眼センサ72や引出検知センサ73は、物体が近接した状態であるか否かを検出する。
【0213】
本実施形態の接眼センサ72や引出検知センサ73は、発光部および受光部を有し、発光部から投光された赤外光などの検知光が物体すなわち非検出物に反射し、その反射光を受光部で受光することにより、非検出物の近接を検知する。
【0214】
フレキシブル基板71の一端は、ファインダ基板53のコネクタ53b(
図3d)に接続され、もう一方の端には、接眼センサ72が配置される。
【0215】
接眼センサ72は、接眼部28のセンサ窓23と隙間なく常に接するように、検出センサカバー49の曲げ部49a(
図3b)で押さえられ、接眼部28と一体でZ方向に動くように構成される。
【0216】
また、引出検知センサ73は、固定筒45とトップカバー92の間に配置され、固定筒45の上面に固定される。
【0217】
引出検知センサ73は、接眼部28が引き出されていない状態においては、検出センサカバー49に覆われて接眼部28が近接していることを検知する。
【0218】
そして、接眼部28が引き出されると検出センサカバー49から露出し、接眼部28が近接していないことを検知する。
【0219】
これにより、接眼部28が引き出された状態かどうかを判断し、接眼部28が引き出され、接眼部28が近接していない状態と判断されれば、接眼センサ72を有効にする。
【0220】
つまり、接眼部28が引き出されていない状態においては、接眼センサ72は機能しない状態にでき、電力の消費を抑えることが可能となる。
【0221】
上述で説明した通り、接眼センサ72は接眼部28と連動し、引出検知センサ73は接眼部28とは連動せず、固定筒45に固定される。
【0222】
つまり、フレキシブル基板71の接眼センサ72と引出検知センサ73の間には、接眼部28の引出方向(Z方向)に連動して動く折り返し余長部71aが設けられる。
【0223】
折り返し余長部71aは、接眼部28の出し入れする度に繰り返し折り返し余長部71aがしごかれるため、折り返し余長部71aの折り曲げ半径を過度に小さくすると配線が断線する可能性がある。
【0224】
つまり、折り返し余長部71aには適切な折り曲げ半径を取る必要があるため、Y方向のスペースが必要となる。
【0225】
接眼センサ72は、接眼センサ72の短手方向をY方向に合わせて配置する。
【0226】
折り返し余長部71aは、接眼センサ72が実装され面から接眼センサ72の長手方向(X方向)に延びた箇所で直交して接続され、もう一端は引出検知センサ73が実装される面と接続される。
【0227】
接眼センサ72と引出検知センサ73は、Z方向から見て重なる位置関係とすることで、検出センサフレキシブル基板71を配線する幅方向(X方向)のサイズW71を小さくすることが可能となる。
【0228】
トップカバー92(
図4参照)には、トップカバー92をアームプレート82側に付勢するトップカバー付勢部材94が取り付けられている。
【0229】
トップカバー付勢部材94の弾性変形部94bは、先端をY方向に弾性変形させ、アームプレート82に引っ掛けることで、トップカバー92を回転軸B中心に引き込む力が発生する。
【0230】
このようにトップカバー付勢部材94の弾性変形部94bは、トップカバー92を引き込むための付勢力を得るために、Y方向のスペースが必要となる。
【0231】
トップカバー付勢部材94の弾性変形部94bは、上面側から見てフレキシブル基板71の幅W71と重ならない位置に配置する。
【0232】
よって、側面方向から見てY方向のスペースを多く必要とする検出センサフレキシブル基板71の折り返し余長部71aと重なるように配置可能となる。
【0233】
このように検出センサフレキシブル基板71とトップカバー付勢部材94の弾性変形部材94bを配置することで、ファインダ部41のY方向の高さを小型化することが可能となる。
【0234】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0235】
20 電子ビューファインダユニット
46 表示デバイス
28 接眼部
42 レンズホルダ
41 ファインダ部
32 ベースプレート
32c、32d 保持部
82 アーム部材